[第1実施形態]
第1実施形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、所定の演出を実行可能な表示領域を有している。
また、スロットマシン1は、リールパネル1cの略中央に透視窓3を有する。遊技者は、該透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、液晶表示器51の表示画面の前面両側方には、演出用の可動部材としての役物(演出用扉)60が左右方向に移動可能に設けられている。役物60は、液晶表示器51の表示画面と重なる位置に移動することにより、前方からの液晶表示器51の表示画面の一部が視認不能となるように構成されている。本実施の形態においては、この役物60および液晶表示器51の双方を用いた各種演出が実施されるようになっている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルなどが印刷された下部パネル1dが設けられている。スロットマシン1は、下パネルLED59(図4参照)が設けられており、該下パネルLED59を点灯させることにより、下パネル1dを点灯させることができる。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、入賞することによりボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
また、リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。このため、たとえば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8、図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATについて]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、後述する非CZ中でありかつ非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12に示す弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、中段チェリー)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。なお、AT抽選処理が実行される条件は、特定の抽選対象役とは異なる当選役が当選することにより成立する条件としてもよく、特定の役が入賞することにより成立する条件としてもよく、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより成立する条件としてもよい。
AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、複数種類のゲーム数(50、100、150、200、250、300)からATゲーム数を決定する。ATゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶する。以下では、AT抽選において、ATに制御することが決定されることを「AT当選」といい、ATに制御されないことが決定されることを「AT非当選」という。ATは、AT抽選処理によりAT当選したゲームの次のゲームから開始される。また、付与されたATゲーム数の減算は、RT2に制御されたときから開始される。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定されるATゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となるようにAT抽選が行われる。
また、サブ制御部91は、AT中においては、内部抽選処理によりたとえば図13、図14に示す所定の抽選対象役に当選したときに送信されるコマンド受信時に、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行する。このため、ATに制御されることにより、遊技者は有利となる。有利な図柄組合せとは、たとえば、リプレイGR1〜6当選時には昇格リプレイをいい、リプレイGR11〜13当選時には通常リプレイをいい、リプレイGR21〜23当選時には特殊リプレイをいい、左ベル1〜右ベル4当選時には右下がりベルあるいは中段ベルをいう。
[チャンスゾーンについて]
本実施形態では、チャンスゾーン(以下、「CZ」という。)に制御可能である。CZ中は、所定のAT付与条件が成立したときに、50ゲームのATゲーム数が付与されるか否かを決定するCZ中抽選が実行される。CZ中抽選において、50ゲームのATゲーム数が付与されることが決定される確率および50ゲームのATゲーム数が付与されないことが決定される確率は、それぞれ50%であるとする。また、所定のAT付与条件とは、特定役が当選することにより成立する条件である。特定役は、押し順ベルであるとする。以下では、CZ中抽選により50ゲームのATゲーム数が付与されることを「AT当選」という。
ここで、RT2において、CZ中抽選により付与される50ゲームのATゲームに制御されることにより期待されるメダル払出枚数は以下の式(1)に示す通り、約100枚である。
50×(16500/65536)×8≒100 (1)
式(1)の「16500/65536」は、RT2中の押し順ベルの当選確率であり、「8」は、押し順ベルが当選したゲームにおいて、実行されたナビ演出で報知された操作手順で操作されて右下がりベルまたは中段ベルが入賞することにより払出されるメダルの枚数である。
また、RT2において、CZ中により当選したボーナスに制御されることにより期待されるメダル払出枚数については、該ボーナスがBB1であるときには351枚であり、該ボーナスがBB2であるときには216枚である(図5参照)。
このように、ボーナスが当選したときの方が、CZ中抽選によりAT当選したときよりも遊技者にとっての有利度は高い。
また、非CZ中において、所定のCZ移行条件が成立したときに、CZに移行される。本実施形態では、CZ移行条件とは、たとえば、特定のCZ移行役(本実施形態では、強チェリー)に当選することにより成立する条件としてもよい。なお、CZ移行条件は、特定のCZ移行役とは異なる当選役が当選することにより成立する条件としてもよく、特定の役が入賞することにより成立する条件としてもよく、消化ゲーム数が所定ゲーム数に到達することにより成立する条件としてもよい。
また、CZ中において、所定のCZ終了条件が成立したときに、非CZに移行される。本実施形態では、CZ終了条件とは、たとえば、CZに制御されてからの消化ゲーム数が所定ゲーム数(たとえば、100ゲーム)に到達したことにより成立する条件としてもよい。なお、CZ終了条件は、特定役が当選することにより成立する条件としてもよく、特定役が入賞することにより成立する条件としてもよい。
CZが終了した次のゲームから、該CZ中抽選により付与されたATゲーム数の合計数に亘って、ATに制御される。
また、CZ中であるか非CZ中であるかに関わらず、抽選対象役および該抽選対象役の当選確率は同一であるとする。たとえば、ボーナス(BB1およびBB2)は、CZ中であるか非CZ中であるかに関わらず、図10で記載されている確率で当選する。
[モードについて]
本実施形態では、CZ移行条件が成立したときに、CZ中の演出モードを第1モードおよび第2モードのうちのいずれにするかの選択を遊技者から受付可能な状態とする。具体的には、CZ移行条件が成立したときには、液晶表示器51にモード選択画面(図示せず)が表示される。このモード選択画面において表示される選択肢は、「第1モード」、「第2モード」、および「ランダム設定」である。
遊技者は、該モード選択画面が表示されると、ストップスイッチ8L〜8Cにより選択肢を選択可能であり(たとえば、カーソルを移動可能であり)、選択肢が選択された状態で演出用スイッチ56が操作されると選択されている選択肢に決定される。たとえば、第1モードが選択されている状態で(第1モードにカーソルが位置する状態で)、演出用スイッチ56が操作されると、第1モードが決定される。該モード選択画面において第1モードが決定されると、CZ中の演出モードは第1モードに制御される。該モード選択画面において第2モードが決定されると、CZ中の演出モードは第2モードに制御される。該モード選択画面においてランダム設定が決定されると、CZ中の演出モードは第1モードおよび第2モードのいずれかに乱数抽選により決定されて制御される。
図15は、第1モードおよび第2モードを説明するための図である。図15の(A)欄に示すように、第1モードに制御されているときには第1楽曲が出力され、第2モードに制御されているときには第2楽曲が出力される。
図16は、第1楽曲および第2楽曲を説明するための図である。第1楽曲は、第2楽曲よりもテンポが速い楽曲である。本実施形態では、BPM(Beat Per Minute)をテンポを用いて表現するが、他の概念(たとえば、BPMとは異なる単位)を用いるようにしてもよい。
図16の(A)に示すように、第1楽曲は、100BPMであるのに対し、第2楽曲は50BPMである。このように、第1楽曲の方が、第2楽曲よりもテンポが速い。
また、第1楽曲はX種類の曲から構成され、第2楽曲はY種類の曲から構成される。X、Yはともに2以上の整数であり、XとYは同一であってもよく、異なっていてもよい。本実施形態では、X=5、Y=4とする。第1楽曲は、曲A、曲B、曲C、曲D、および曲Eという5種類の曲から構成され、第2楽曲は、曲F、曲G、曲H、および曲Iの4種類の曲から構成される。なお、本実施形態では、曲A〜曲Eの全てが、100BPMであり、曲F〜曲Iの全てが、50BPMである。
第1モードに制御されることにより、第1楽曲が出力される場合には、曲A〜曲Eがこの順番で出力され、曲Eが終了すると、再び曲Aが出力される。第2モードに制御されることにより、第2楽曲が出力される場合には、曲F〜曲Iがこの順番で出力され、曲Iが終了すると、再び曲Fが出力される。また、第1楽曲および第2楽曲ともに、曲が終了したときには、所定時間(本実施形態では、3秒間)経過したときに次の曲が開始される。たとえば、曲Aが終了したときには、所定時間経過したときに次の曲Bが開始される。
また、第1楽曲を構成する5曲の平均時間は1分間であるのに対し、第2楽曲を構成する1曲あたりの平均時間は30秒間である。したがって、図16(B)に示すように、所定期間(たとえば、5分間)において、第1楽曲の途切れ回数は5回であるのに対し、第2楽曲の途切れ回数は10回である。よって、所定期間において、第1楽曲の方が、第2楽曲よりも曲の途切れが少ない。
また、液晶表示器51には、楽曲が出力されているときには、該楽曲に応じた楽曲画像(動画)が表示される。図16(C)に示すように、第1楽曲では、1分間当たりの楽曲画像の切替回数(絵替わりの回数)の平均値は25回であるのに対し、第2楽曲では、1分間当たりの楽曲画像の切替回数の平均値は10回である。楽曲画像の切替とは、カットが変更されることをいい、絵替わりともいう。また、カットとはたとえば、映像の区切りをいう。このように、第1楽曲は、第2楽曲よりも、頻繁に楽曲画像が切替えられる。換言すれば、所定時間内において、楽曲画像の絵替わりは、第1楽曲の方が第2楽曲よりも早いまたは多いということである。本実施形態では、楽曲画像は、図15(G)に示すようにキャラ画像(第1キャラと第2キャラ)と背景画像(第1背景画像と第2背景画像)であるとする。
なお、背景画像は、背景レイヤー(図示せず)に表示される。キャラ画像は背景レイヤーの前面側のキャラレイヤーに表示される。このように、本実施形態では、キャラ画像と背景画像とは独立した画像となる。また、キャラ画像とは、図17などに示すキャラAの画像や、図15(G)などに示す第1キャラおよび第2キャラの画像をいう。
また、本実施形態では、CZ中抽選が実行されたときに、前兆演出が実行され、該前兆演出が終了するとともに結果演出が実行される(前兆演出から結果演出に切替えられる)。結果演出とは、CZ中抽選の抽選結果を遊技者が特定可能な演出である。CZ中抽選でAT当選したときには、結果演出として、「WIN」という文字が表示される演出(以下、「WIN演出」という。)が実行される。一方、CZ中抽選において、AT当選しなかったとき(AT非当選のとき)には、結果演出として、「LOSE」という文字が表示される演出(以下、「LOSE演出」という。)が実行される。このようにWIN演出とは、CZ中抽選でAT当選したことを報知する演出である一方、LOSE演出とは、CZ中抽選でAT当選しなかったことを報知する演出である。
前兆演出は、CZ中演出の前に実行される演出である。前兆演出は、CZ中演出の結果(つまり、結果演出の内容)について、遊技者を煽るための演出である。このように、結果演出の前に前兆演出が実行されることで、結果演出の内容について遊技者を煽ることができるので遊技の興趣を向上させることができる。
図15(B)に示すように、第1モードでは、前兆演出として、ボタン演出が実行される。ボタン演出は、演出用スイッチ56への操作を遊技者に要求する演出である。たとえば、ボタン演出は、図17(A−1)に示すように、「演出用スイッチをたたけ」といった文字を液晶表示器51に表示する演出である。
また、図15(B)に示すように、第2モードでは、前兆演出としてレバーオン演出が実行される。レバーオン演出は、スタートスイッチ7への操作を遊技者に要求する演出である。たとえば、レバーオン演出は、図17(A−2)に示すように、「スタートスイッチをたたけ」といった文字を液晶表示器51に表示する演出である。
図15(C)に示すように、第1モードでは、WIN演出として、WINの文字を表示する。これとともに、第2楽曲よりもテンポが速い第1楽曲のテンポに合わせてWINの文字を点滅させる。さらに、液晶表示器51に表示されたキャラが該テンポに合わせて踊る。また、該WIN演出は、3ゲームに亘って実行される。なお、該WIN演出が実行されている3ゲームの間に実行されたCZ中抽選によりAT当選したときには、該AT当選によりATゲーム数が付与されるものの該AT当選を報知するWIN演出は行われない。
また、図15(C)に示すように、第2モードでは、WIN演出として、WINの文字を表示する。これとともに、第2楽曲のテンポに合わせて演出効果LED52および下パネルLED59を点灯させる。また、該WIN演出は、1ゲームで実行される(1ゲームで完結する)。
また、図15(D)に示すように、CZ中にボーナスが当選したときには、ボーナス当選演出として、第1モードおよび第2モードのいずれに制御されているかに関わらず役物演出を実行する。ここで、役物演出とは、ボーナス当選したことを報知する演出であって、役物60が左右方向に往復動作する演出である。このように、役物演出を実行することにより、ボーナスが当選したことを遊技者に認識させることができる。また、役物演出が実行されるタイミングについては、たとえば、図17(C)に示すように、CZ中にボーナスが当選したゲームにおいて第1停止されたときであるとする。なお、変形例として、役物演出が実行されるタイミングについては、他のタイミング(内部抽選によりボーナス当選したとき、つまり、スタートスイッチ7が操作されたタイミング)としてもよい。
また、図15(E)に示すように、第1モードでは、小役が入賞したときに出力される音(以下では、「小役入賞音」という。)は、「ピョン」である。ここで、小役とは、入賞することにより、メダルが払出される役であり、たとえば、右下がりベルである。また、図15(E)に示すように、第2モードでの小役入賞音は、「ドーン」である。本実施形態では、非CZ中の小役入賞音は、「ピョン」であり、第1モードでの小役入賞音と同一である。つまり、小役入賞音は、第1モードと非CZ中とで同一である一方、第2モードと非CZ中とでは異なる。
また、本実施形態では、小役が入賞したときなどにおいて、該小役に応じたメダルが払出される。該小役に応じたメダルが1枚払出される毎に、所定の音(以下では、「メダル払出音」という。)が出力される。たとえば、8枚のメダルが払出される中段ベルが入賞したときには、該8枚のうちの1枚が払出される度に、メダル払出音が出力される。つまり、8枚のメダルが払出されるときには、8回連続して、メダル払出音が出力されることになる。
図15(F)に示すように、第1モードでのメダル払出音は、「ドゥン」である。また、図15(E)に示すように、第2モードでのメダル払出音は、「バン」である。本実施形態では、非CZ中のメダル払出音は、「ドゥン」であり、第1モードでのメダル払出音と同一である。つまり、メダル払出音は、第1モードと非CZ中とで同一である一方、第2モードと非CZ中とでは異なる。
また、図15(G)に示すように、液晶表示器51に表示される楽曲画像として、第1モードに制御されているときには、第1背景画像が表示されるとともに第1キャラが表示され、第2モードに制御されているときには、第2背景画像が表示されるとともに第2キャラが表示される。第1背景画像とは、太陽が表示された背景画像であり、第2背景画像とは、雲が表示された背景画像である。また、第1モードにおいて、WIN演出が実行されるときには、第1キャラではなくキャラAが表示される。
[CZ中の演出の流れ]
次に、図17を用いて、CZ中の演出の流れについて説明する。図17(A)は、CZ中に実行されるCZ中抽選によりAT当選したときを示す。さらに、図17(A−1)は、第1モードに制御されているときを示し、図17(A−2)は第2モードに制御されているときを示す。
図17(A−1)に示すように、第1モードに制御されているときには、テンポの速い第1楽曲が出力される(図15(A)の第1モードの欄参照)。また、第1モードに制御されているときにおいて、CZ中抽選によりAT当選したときには、前兆演出として、ボタン演出を実行する(図15(B)の第1モードの欄参照)。該ボタン演出が実行されているときに、遊技者により演出用スイッチ56が操作されたときには、該ボタン演出が終了するとともに、WIN演出が実行される。
ここで、WIN演出では、WINの文字を表示する。これとともに、第2楽曲よりもテンポが速い第1楽曲のテンポに合わせてWINの文字を点滅させる。さらに、液晶表示器51に表示されたキャラAが該テンポに合わせて踊る。このように、第1モードに制御されているときには、第1モード制御時に出力される第1楽曲のテンポに合わせて、CZ中抽選によりAT当選した旨を報知する。
また、該WIN演出は、3ゲームに亘って実行される(図15(C)の第1モード参照)。また、第1モードでの小役入賞音、および払出音は、それぞれ「ピョン」、「ドゥン」である(図15(E)、(F)の第1モード参照)。
図17(A−2)に示すように、第2モードに制御されているときには、テンポの遅い第2楽曲が出力される(図15(A)の第2モードの欄参照)。また、第2モードに制御されているときにおいて、CZ中抽選によりAT当選したときには、前兆演出として、レバーオン演出を実行する(図15(B)の第2モードの欄参照)。該レバーオン演出が実行されているときに、遊技者によりスタートスイッチ7が操作されたときには、該レバーオン演出が終了するとともに、WIN演出が実行される。
ここで、WIN演出では、WINの文字を表示する。これとともに、第2楽曲のテンポに合わせて演出効果LED52および下パネルLED59を点灯させる。このように、第2モードに制御されているときには、第2モード制御時に出力される第2楽曲のテンポに合わせて、CZ中抽選によりAT当選した旨を報知する。また、該WIN演出は、1ゲームで実行される。また、該WIN演出は、1ゲームに亘って実行される(図15(C)の第2モード参照)。また、第2モードでの小役入賞音、および払出音は、それぞれ「ドーン」、「バン」である(図15(E)、(F)の第2モード参照)。
また、図17(B)に示すように、CZ中にボーナス当選したときにおいて、該ボーナス当選したゲームで第1停止されたときには、第1モードおよび第2モードのいずれに制御されているかに関わらず役物演出(役物60が左右に往復動作する演出)が実行される。
[本実施形態の効果]
次に、本実施形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 本実施形態では、第1モードに制御されたときには、テンポが速い第1楽曲が出力され、第2モードに制御されたときには、テンポが遅い第2楽曲が出力される。さらに、図15(C)の第1モードの欄および図17(A−1)に示すように、CZ中抽選によりAT当選したときおいて、第1モードに制御されることにより第1楽曲が出力されているときには、第1楽曲のテンポに合わせて、該AT当選した旨を報知する。一方、図15(C)の第2モードの欄および図17(A−2)に示すように、第2モードに制御されることにより第2楽曲が出力されているときには、第2楽曲のテンポに合わせて、該AT当選した旨を報知する。このように、楽曲のテンポに合わせてAT当選した旨を報知できることから、楽曲が出力されているときの遊技の興趣を向上させることができる。
(2) また、図16(A)、(C)に示すように、第1楽曲の方が第2楽曲よりもテンポが速く、かつ1分間当たりの楽曲画像の切替回数の平均値は多い。また、第1楽曲が出力される第1モードでは、図15(C)に示すように、液晶表示器51を用いてWIN演出を実行する。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく第1楽曲のテンポに応じて、AT当選の報知(WIN演出)を実行することができる。
(3) また、図16(B)に示すように、第1楽曲の方が第2楽曲よりも1曲あたりの平均時間は長い、つまり、第1楽曲の方が、第2楽曲よりも曲の途切れが少ない。また、第1楽曲が出力される第1モードでは、WIN演出は、複数ゲーム数(本実施形態では3ゲーム)に亘って実行される。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく、複数ゲームに亘って第1楽曲のテンポに応じたAT当選の報知(WIN演出)を実行することができる。
(4) 仮に、第2楽曲が出力される第2モードでも、第1モードと同様にWINの文字が点滅したりキャラAが踊るようなWIN演出を実行することも考えられる。しかし、第2楽曲の方が第1楽曲よりもテンポが遅く、かつ1分間当たりの楽曲画像の切替回数の平均値は少ない。したがって、第2モードにおいても第1モードと同様のWIN演出を実行すると、遊技者に違和感を抱かせる虞がある。したがって、第2モード中に、第1モードと同様のWIN演出を実行することに関して親和性がないといえる。そこで、本実施形態では、第2モードでは、図15(C)に示すように、液晶表示器51とは異なる手段(本実施形態では、演出効果LED52、下パネルLED59)を主に用いてWIN演出を実行する。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく第2楽曲のテンポに応じたWIN演出を実行することができる。
(5) 仮に、第1モードにおいても、第2モードと同様に小役入賞音およびメダル払出音(以下、「双方の音」という。)を非CZ中とは異ならせることが考えられる。しかしながら、第1モードでは、テンポが速い第1楽曲が出力されることから、非CZ中とは異ならせた双方の音を遊技者に聴かせることが出来ない虞がある。そこで、本実施形態では、双方の音を第1モードでは異ならせないようにするとともに、テンポの遅い第2楽曲が出力される第2モードでは異ならせるようにする。したがって、第2モードでは双方の音を異ならせることにより、該異ならせた双方の音を遊技者に適切に聴かせることができる。
(6) また、たとえば、第1モードおよび第2モードのいずれかしか把握していない遊技者、たとえば、前回選択したモードしか知らない遊技者(ここでは、第1モードのみを知っており、第2モードを知らない遊技者とする)は、「該第1モードでの態様でしかWIN演出は実行されない」と勘違いをする虞がある。
そこで、図15(D)および図17(B)に示すように、CZ中にボーナス当選したときには、第1モードおよび第2モードのうちのいずれに制御されている場合でも、共通の態様で、ボーナス当選したことを報知する演出を実行する。本実施形態では、該演出は、役物60を往復動作させる役物演出である。したがって、たとえば、第1モードのみを知っており、第2モードを知らない遊技者であっても、該第1モードでも役物演出は実行されることから、該遊技者に役物演出が実行されることを意識させることができる。したがって、「該第1モードでの態様でしかWIN演出は実行されない」といった勘違いを遊技者にさせることを防止できる。
(7) また、CZ中の特典として、CZ中抽選によるAT当選と、CZ中のボーナス当選とがある。図15(C)に示すように、CZ中抽選によるAT当選については、制御されているモードに応じた態様のWIN演出が実行されることにより該AT当選を報知する。一方、図15(D)に示すように、CZ中のボーナス当選については、第1モードおよび第2モードのいずれに制御されているかに関わらず、共通の態様である役物演出が実行されることにより該ボーナス当選を報知する。したがって、特典付与の報知処理の態様が第1モードでのWIN演出および第2モードでのWIN演出のうちのいずれになるのか、または共通の態様である役物演出になるのかが、特典の種別(CZ中のボーナス当選およびCZ中のAT当選)によって異なるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) また、CZ中のボーナス当選は、CZ中抽選によるAT当選よりも遊技者にとっての有利度は高い(式(1)など参照)。さらに、有利度が高いボーナス当選は、第1モードおよび第2モードのいずれに制御されているかに関わらず、役物演出の実行により報知される。したがって、たとえば、第1モードおよび第2モードのいずれかしか把握していない遊技者に対しても、有利度が高いボーナス当選については、適切に認識させることができることから、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) また、図15(A)、図15(G)に示すように、WIN演出などの演出が実行されていないときにおいて、第1モードに制御されているときと、第2モードに制御されているときとで、液晶表示器51に表示される楽曲画像、および出力される楽曲は異なる。したがって、多様な画像、および楽曲を遊技者に楽しませることができる。また、役物演出は、役物60を用いてボーナス当選したことを報知する演出である。したがって、役物60に遊技者の注目を集めることが出来ることから、遊技の興趣を向上させることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、前述した第1実施形態に係るスロットマシン1をパチンコ遊技機に置き換えたものである。本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技媒体(遊技玉)の始動領域の通過により可変表示の実行条件が成立した後、可変表示の開始を許容する可変表示の開始条件の成立に基づいて複数種類の識別情報の可変表示を開始させた後に表示結果を導出表示する可変表示部を備え、該可変表示部に導出表示された識別情報の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに、可変入賞装置が開放状態となるラウンド遊技を所定回数実行する有利状態(以下、「大当り状態」ともいう。)に制御するものであればよい。以下では、ラウンドを「R」という。
本実施形態の大当り状態は、4R大当り状態、8R大当り状態、16R大当り状態、16R確変付き大当り状態がある。たとえば、「16R大当り状態」とは、可変入賞装置の所定時間(たとえば、5秒)の開放を16回行う遊技状態である。大当り状態に制御するか否かを決定する大当り抽選において、大当り状態に制御することが決定された場合には、4R大当り状態、8R大当り状態、16R大当り状態、16R確変付き大当り状態のうちのいずれに制御するかも決定する。また、大当たり抽選は遊技球が始動領域を通過したときに実行される。
また、大当たり抽選において、16R確変付き大当り状態が当選したときには、16Rのラウンド遊技が終了すると、確変状態に制御される。ここで、確変状態とは、大当たり状態に制御される確率が通常状態よりも高い状態である。なお、4R大当り状態、8R大当り状態、および16R大当り状態については、ラウンド遊技が終了しても、確変状態には移行されず通常状態に移行される。
また、遊技領域の中央付近には、画像表示装置が設けられている。確変状態に移行されるときには、第1実施形態で説明したモード選択画面が表示される。第1モードおよび第2モードについては、図15、および図16に示した通りである。確変状態では、モード選択画面により選択されたモードに制御される。
また、図15(B)の前兆演出は、ボーナス抽選が実行されたときに実行される演出である。また、図15(C)のWIN演出は、該ボーナス抽選において、4R大当り状態、8R大当り状態、および16R大当り状態のうちのいずれかが当選したときに実行される演出である。また、図15(D)のボーナス当選演出は、16R確変付き大当り状態が当選したときに実行される演出である。また、図15(E)、(F)の「小役入賞音」、および「払出音」は、「始動入賞音」に代替される。始動入賞音とは、遊技玉が始動領域を通過したときに出力される音である。始動入賞音は、第1モードでは「ピョン」であり、第2モードでは「ドーン」である。
また、図15(B)において、ボタン演出は、パチンコ遊技機に備えられている第1操作手段(第1ボタン)の操作を遊技者に要求する演出であり、レバーオン演出は、パチンコ遊技機に備えられている第2操作手段(第2ボタン)の操作を遊技者に要求する演出である。また、図15(C)において、第2モードに制御されているときのWIN演出では、パチンコ遊技機の所定のLEDを第2楽曲のテンポに合わせて点滅させる。
このようなパチンコ遊技機が有するさらなる構成、および奏される効果を説明する。
(1) 本実施形態では、第1モードに制御されたときには、テンポが速い第1楽曲が出力され、第2モードに制御されたときには、テンポが遅い第2楽曲が出力される。さらに、確変状態中の大当たり抽選で大当り当選したときおいて、第1モードに制御されることにより第1楽曲が出力されているときには、第1楽曲のテンポに合わせて、該大当り当選した旨を報知する。一方、第2モードに制御されることにより第2楽曲が出力されているときには、第2楽曲のテンポに合わせて、該大当り当選した旨を報知する。このように、楽曲のテンポに合わせて大当り当選した旨を報知できることから、楽曲が出力されているときの遊技の興趣を向上させることができる。
(2) また、図16(A)、(C)に示すように、第1楽曲の方が第2楽曲よりもテンポが速く、かつ1分間当たりの楽曲画像の切替回数の平均値は多い。また、第1楽曲が出力される第1モードでは、図15(C)に示すように、液晶表示器51を用いてWIN演出を実行する。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく第1楽曲のテンポに応じて、大当り当選の報知(WIN演出)を実行することができる。
(3) また、図16(B)に示すように、第1楽曲の方が、第2楽曲よりも曲の途切れ回数が少ない。また、第1楽曲が出力される第1モードでは、WIN演出は、複数回の可変表示に亘ってゲーム数(本実施形態では3回の可変表示)に亘って実行される。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく、複数回の可変表示に亘って第1楽曲のテンポに応じた大当り当選の報知(WIN演出)を実行することができる。
(4) 仮に、第2楽曲が出力される第2モードでも、第1モードと同様にWINの文字が点滅したりキャラAが踊るようなWIN演出を実行することも考えられる。しかし、第2楽曲の方が第1楽曲よりもテンポが遅く、かつ1分間当たりの楽曲画像の切替回数の平均値は少ない。したがって、第2モードにおいても第1モードと同様のWIN演出を実行すると、遊技者に違和感を抱かせる虞がある。したがって、第2モード中に、第1モードと同様のWIN演出を実行することに関して親和性がないといえる。そこで、本実施形態では、第2モードでは、図15(C)に示すように、主に、画像表示装置とは異なる手段(本実施形態では、パチンコ遊技機の所定のLED)を用いてWIN演出を実行する。したがって、遊技者に違和感を抱かせることなく第2楽曲のテンポに応じたWIN演出を実行することができる。
(5) 仮に、第1モードにおいて始動入賞音を非確変状態中とは異ならせることが考えられる。しかしながら、第1モードでは、テンポが速い第1楽曲が出力されることから、非確変状態中とは異ならせた始動入賞音を遊技者に聴かせることが出来ない虞がある。そこで、本実施形態では、始動入賞音を、第1モードでは非確変状態中とは異ならせないようにするとともに、テンポの遅い第2楽曲が出力される第2モードでは非確変状態中とは異ならせるようにする。したがって、第2モードでは始動入賞音を異ならせることにより、該異ならせた始動入賞音を遊技者に適切に聴かせることができる。
(6) また、たとえば、第1モードおよび第2モードのいずれかしか把握していない遊技者、たとえば、前回選択したモードしか知らない遊技者(ここでは、第1モードのみを知っており、第2モードを知らない遊技者とする)は、「該第1モードでの態様でしかWIN演出は実行されない」と勘違いをする虞がある。
そこで、図15(D)および図17(B)に示すように、確変状態中に16R確変付き大当り状態が当選したときには、第1モードおよび第2モードのうちのいずれに制御されている場合でも、共通の態様で、ボーナス当選したことを報知する演出を実行する。本実施形態では、該演出は、パチンコ遊技機に設けられた役物を動作させる役物演出である。したがって、たとえば、第1モードのみを知っており、第2モードを知らない遊技者であっても、該第1モードでも役物演出は実行されることから、該遊技者に役物演出が実行されることを意識させることができる。したがって、「該第1モードでの態様でしかWIN演出は実行されない」といった勘違いを遊技者にさせることを防止できる。
(7) また、確変状態中に付与され得る特典として、通常大当り(4R大当り状態、8R大当り状態、16R大当り状態)と、確変付き大当り(16R確変付き大当り状態)とがある。図15(C)に示すように、通常大当りの当選については、制御されているモードに応じた態様のWIN演出が実行されることにより該通常大当りの当選を報知する。一方、図15(D)に示すように、確変付き大当りの当選については、第1モードおよび第2モードのいずれに制御されているかに関わらず、共通の態様である役物演出が実行されることにより該確変付き大当りの当選を報知する。したがって、特典付与の報知処理の態様が第1モードでのWIN演出および第2モードでのWIN演出のうちのいずれになるのか、または共通の態様である役物演出になるのかが、特典の種別(通常大当りおよび確変付き大当り)によって異なるので、遊技の興趣を向上させることができる。
(8) また、確変付き大当りは、通常大当り当選よりも遊技者にとっての有利度は高い。さらに、有利度が高い確変付き大当り当選は、第1モードおよび第2モードのいずれに制御されているかに関わらず、役物演出の実行により報知される。したがって、たとえば、第1モードおよび第2モードのいずれかしか把握していない遊技者に対しても、有利度が高い確変付き大当り当選については、適切に認識させることができることから、遊技の興趣を向上させることができる。
(9) また、図15(A)、図15(G)に示すように、WIN演出などの演出が実行されていないときにおいて、第1モードに制御されているときと、第2モードに制御されているときとで、画像表示装置に表示される画像、および出力される楽曲は異なる。したがって、多様な画像、および楽曲を遊技者に楽しませることができる。また、役物演出は、役物を用いて16R確変付き大当り状態に当選したことを報知する演出である。したがって、役物に遊技者の注目を集めることが出来ることから、遊技の興趣を向上させることができる。
[変形例]
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明は、上記の実施例に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な変形例などについて説明する。また、前述した本実施形態で説明した技術事項、および、以下の変形例で説明する技術事項のうち少なくとも2つを組み合わせて実施するようにしてもよく、前述した本実施形態で説明した技術事項を以下の変形例で説明する技術事項に置換して実施するようにしてもよく、当該置換したものに対して、以下の変形例で説明する技術事項をさらに組み合わせて実施するようにしてもよい。以下では、主にスロットマシン1の変形例を説明するが、当該変形例は、パチンコ遊技機についても説明できる。
[共通態様の演出について]
本実施形態では、図15(D)および図17(B)に示したように、第1モードと第2モードとにおける共通態様の演出として、役物を用いた役物演出を例示した。しかしながら、該共通態様の演出は、他の手段を用いて実行する演出であってもよい。たとえば、該共通態様の演出は、リール2を用いたリール演出としてもよい。たとえば、リール2を用いたリール演出とは、該リール演出が実行されていない状態(つまり、通常のゲームが実行されている状態)とは異なる態様でリールを制御する演出である。本実施形態では、該リール演出が実行されていない状態では、リール2は下方向に回転する。一方リール演出では、下方向に回転する態様とは異なる態様、たとえば、上方向に回転する態様や、リールが振動する態様としてもよい。
このように、共通態様の演出としてリール2を用いたリール演出を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、リール2に遊技者の注目を集めることが出来ることから、遊技の興趣を向上させることができる。なお、リール演出が実行されている状態は、遊技者によるスタートスイッチ7への操作、およびストップスイッチ8への操作が無効となるいわゆるフリーズ状態である。
なお、更なる変形例として、共通態様の演出として、本実施形態で説明した役物演出および本変形例で説明したリール演出の双方を実行するようにしてもよい。
また、更なる変形例として、共通態様の演出は、リールや役物を用いない演出としてもよい。たとえば、共通態様の演出は、液晶表示器51を用いた演出としてもよい。共通態様の演出は、たとえば、「ボーナス当選おめでとう」といった文字を表示することによりボーナス当選を遊技者に報知する演出であってもよい。
また、第2実施形態で説明したパチンコ遊技機では、共通態様の演出として、可変表示部を用いた可変表示部を用いた可変表示部演出を実行するようにしてもよい。
[モードについて]
(1) 本実施形態では、遊技者が選択可能なモードとして、第1モードおよび第2モードがあるとして説明した。しかしながら、モードの数は3種類以上としてもよい。また、該3種類以上のモードのうちのいずれかに制御可能なスロットマシンについては、該3種類以上のモードそれぞれに対応した楽曲を出力させることが好ましい。また、該3種類以上のモードそれぞれに対応した楽曲のうちの少なくとも2つの楽曲のテンポを互いに異ならせるようにしてもよい。
(2) 本実施形態では、チャンスゾーンに制御されるときには、モード選択画面を表示して、遊技者がモードを選択可能であるとして説明した。しかしながら、チャンスゾーンに制御されるときにおいて、遊技者がモードを選択可能な構成としないようにしてもよい。この場合には、チャンスゾーンに制御されるときにおいて、スロットマシンが乱数抽選などにより、モードを決定するようにしてもよい。このような、構成であれば、モードが乱数抽選により決定されることから、遊技者に緊張感を抱かせることができる。
(3) 本実施形態では、選択されたモードに制御される特定状態として、チャンスゾーンを例示した。しかしながら、該特定状態は他の状態であってもよい。たとえば、特定状態は遊技者にとって有利な状態としてもよい。たとえば、有利状態は、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATとしてもよい。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
また、特定状態に制御されていなくても、モードを選択できるようにしてもよい。つまり、特定状態に制御されているか否かに関わらず、モードを選択できるようにしてもよい。この場合には、特定状態に制御されていない状態に所定の特典が付与されたときに、該選択されたモードに応じた楽曲のテンポに応じて該所定の特典が付与されたことを報知するようにしてもよい。
(4) 本実施形態では、第1楽曲および第2楽曲ともに複数の曲から構成され、第1楽曲および第2楽曲それぞれの1曲あたりの平均時間は1分間、30秒間とすることにより、第1楽曲の方が第2楽曲よりも曲の途切れを少なくするとして説明した。しかしながら、第1楽曲の方が第2楽曲よりも曲の途切れが少なければ、他の曲の構成としてもよい。たとえば、第1楽曲および第2楽曲のうちの少なくとも一方を1曲のみで構成されるものとしてもよい。この場合には、1曲のみで構成されている楽曲については、該1曲が終了すると、所定時間(たとえば、3秒間)経過した後に、再びこの1曲が出力される。つまり、該1曲のみで構成されている楽曲については、所定時間を挟んで1曲の出力を繰返すことになる。
このように、第1楽曲の方が第2楽曲よりも曲の途切れが少なければ、第1楽曲および第2楽曲のうちの少なくとも一方を1曲のみで構成してもよい。
(5) 本実施形態では、図15(A)、(G)に示すように、第1モードと第2モードとでは、出力される画像、および表示される画像の双方が異なるとして説明した。しかしながら、第1モードと第2モードとでは、出力される楽曲、および表示される画像のうちの一方が異なるようにしてもよい。たとえば、第1モードと第2モードとで、出力される楽曲は異なるが、および表示される画像が同一である構成の場合には、画像データの容量を削減することができる。
(6) また、本実施形態では、図15(C)に示したように、出力されている楽曲のテンポに合わせて、WIN演出を実行するとして説明した。しかしながら、「出力されている楽曲のテンポに合わせて実行する演出(以下、「テンポ演出」という。)」は、WIN演出に限らず、他の演出であってもよい。テンポ演出は、たとえば、ボーナス当選演出(役物演出)としてもよい。また、テンポ演出は、たとえば、前兆演出としてもよい。このように、テンポ演出は、特典(ボーナス当選、AT当選)の付与に関連する演出であれば、如何なる演出であってもよい。
(7) また、本実施形態では、図15(C)に示すように、第2モードでのWIN演出は、液晶表示器51に「WIN」という文字を表示させるとともに、演出効果LED52および下パネルLED59を点滅させるとして説明した。しかしながら、第2モードでのWIN演出は、液晶表示器51に「WIN」という文字を表示させずに(液晶表示器51を用いずに)、演出効果LED52および下パネルLED59を点滅させる演出としてもよい。
(8) また、図15(E)に示したように、第2モードでは、非CZ中と比較して小役入賞音を異ならせるとして説明した。しかしながら、異ならせる音は、小役入賞音に限らず、他の音を異ならせるようにしてもよい。たとえば、所定役が入賞したときに出力される音を異ならせるようにしてもよい。ここで、所定役とは、リプレイなどとしてもよい。また、非CZ中と比較して異ならせる音は、所定役が入賞した時に出力される音や、メダル払出音に限らず、他の効果音としてもよい。他の効果音とは、たとえば、メダル投入部4にメダルが投入されたときに出力されるメダル投入音などとしてもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、ボーナス当選、およびATゲーム数など、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行なう場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
また、設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行するようにしてもよい。また、設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすればよい。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にメイン制御部41のRAMから読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[その他]
本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。
また、遊技機の一例としてスロットマシンを例に挙げて説明したが、本実施の形態はパチンコ遊技機に適用することも可能である。この場合、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すパチンコ遊技機を採用してもよく、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のパチンコ遊技機を採用してもよい。封入式のパチンコ遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉をパチンコ遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算される。また、パチンコ遊技機は、発射装置および玉払出装置を備えた遊技枠に遊技球が打ち込まれる遊技領域を形成する遊技盤を取り付けた構成であるが、これに限らず、発射装置は玉払出装置などの基本的な機能を共通化し、遊技の特長的構成である遊技盤のみを流通させるようにしてもよい。この場合、遊技の特長的構成であるところの遊技盤を遊技機と称する。上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。