本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筐体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。
電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。また、特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態およびRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT1およびRT3中よりも高く、RT0およびRT2中よりも低い確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
図11に示すように、特別リプレイは、RT2に制御されているときにのみ抽選対象役となるように定められている。また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図10で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
また、本実施の形態のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、設定値に応じて、後述する内部抽選で用いる当選確率を決定することにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。なお、設定値は、スロットマシン1の内部に設けられた操作部(図示せず)を管理者が操作することで変更することができる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8、図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに関する処理として、AT抽選処理、AT継続抽選処理およびAT実行処理を行う。AT抽選処理とは、非AT中に実行するものであって、所定期間(30ゲーム)に亘ってATに制御するか否かを決定するものである。AT継続抽選処理とは、30ゲームに亘るATに制御した後において、さらに30ゲームに亘りATへの制御を継続するか否かを決定するものである。AT実行処理とは、ATに制御する場合に、所定期間(30ゲーム)に亘りATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するものである。
[AT抽選処理]
メイン制御部41は、非AT中においては、AT抽選処理を行う。非AT中であるか否かは後述するATフラグがセットされているか否かによって判定する。AT抽選処理では、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATへの制御を継続させる割合である継続率を決定する。本実施の形態では、継続率として「50%」、「70%」、および「90%」が定められており、AT当選した場合には継続率が異なる複数種類のATのうちいずれかに制御可能となっている。
また、本実施の形態において、遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度やATに制御するときに決定される継続率は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるようにAT抽選が実行される。なお、AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
以下、AT抽選処理について図15および図16を用いて説明する。図15は、AT抽選を実行する契機となるAT抽選条件とAT抽選を実行する際に参照するAT抽選テーブルの関係を説明するための図である。また、図16は、AT抽選で参照されるテーブルの一例を説明するための図である。
図15に示すように、AT抽選条件として、第1および第2のAT抽選条件が設定されている。いずれのAT抽選条件が成立したかに応じてAT抽選で参照されるテーブルが異なるように設定されている。図15に示すように、第1のAT抽選条件は、ベル、弱スイカ、弱チェリー、強スイカおよび強チェリーのいずれかに当選することにより成立する。第2のAT抽選条件は、図12に示す中段チェリーに当選することにより成立する。第1のAT抽選条件が成立した場合は、第1テーブルを参照してAT抽選が行われ、第2のAT抽選条件が成立した場合は、第2テーブルを参照してAT抽選が行われる。
第1テーブルが参照されたときには、図16(a)に示すように、86.4%の確率で非当選に決定され、残り13.6%の確率でAT当選に決定され、そのうち、10.6%の確率で「継続率50%」に決定され、2%の確率で「継続率70%」に決定され、1%の確率で「継続率90%」に決定される。第2テーブルが参照されたときには、図16(b)に示すように、必ずAT当選する。第2テーブルが参照されたAT抽選では、20%の確率で「継続率50%」に決定され、35%の確率で「継続率70%」に決定され、45%の確率で「継続率90%」に決定される。
AT抽選処理においては、まず、後述するATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされている場合、AT抽選処理を終了する。ATフラグがセットされていない場合、中段チェリーに当選したか否かを判定する。中段チェリーに当選した場合、図15に示すように第2のAT抽選条件が成立したこととなるため、図16(b)に示す第2テーブルを参照してAT抽選が行われる。一方、中段チェリーに当選していない場合、ベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリーおよび強チェリーのうちいずれかに当選しているか否かを判定する。当選していない場合、AT抽選処理を終了する。当選している場合、図15に示すように第1のAT抽選条件が成立したこととなるため、図16(a)に示す第1テーブルを参照してAT抽選が行われる。
第1テーブルまたは第2テーブルを参照してAT抽選が行われた後は、AT抽選に当選したか否かを判定し、AT抽選に非当選の場合、AT抽選処理を終了する。AT抽選に当選した場合、メイン制御部41は、ATフラグを設定し、1回分のATゲーム数である30ゲームとAT抽選によって決定した継続率をメイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、AT抽選処理を終了する。
なお、本実施の形態において、BB1またはBB2のいずれかに当選した場合は、ベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリーおよび中段チェリーのいずれかに当選することとなる(図12参照)。
[AT継続抽選処理]
AT継続抽選処理とは、AT抽選でAT当選して30ゲームに亘る1回目のATへの制御を開始するときに、AT抽選によって決定した50%、70%および80%のうちいずれかの継続率にしたがってAT継続抽選を行い、当該AT継続抽選の結果に応じて、30ゲームに亘るATに制御した後において、さらに30ゲームに亘りATへの制御を継続するか否かを決定するものである。具体的には、AT継続抽選により、AT抽選でAT当選して30ゲームに亘る1回目のATへの制御を開始するときに、当該1回目のATが終了した後においてもさらに30ゲームに亘りATへの制御を継続するか否か(すなわち2回目のATに制御するか否か)を決定する。さらに、1回分のATが終了した後においてすでに継続することが決定している次の回のATへの制御を開始するときに、当該次の回のATが終了した後においてもさらにその次の(次々回)のATへの制御を継続するか否かもAT継続抽選により決定する。
本実施の形態において、継続率は、次回のAT継続を決定するAT継続抽選時と次々回のAT継続を決定するAT継続抽選時とで同一であって、AT継続抽選における継続率はAT当選によって決定してから変わらないものとする。
AT継続抽選処理は、まず、AT中であるか否かを判定する。AT中であるか否かは、ATフラグがセットされているか否かに基づいて判定する。ATフラグがセットされていない場合、AT継続抽選処理を終了する。一方、ATフラグがセットされている場合、AT継続抽選を行ったか否かを判定する。AT継続抽選を行ったか否かは後述する継続フラグまたは非継続フラグがセットされているか否かに基づいて判定する。
継続フラグまたは非継続フラグのいずれかがセットされている場合、AT継続抽選を行ったと判定し、AT継続抽選を終了する。いずれのフラグもセットされていない場合、AT継続抽選を行う。AT継続抽選は、AT抽選によって決定した継続率、すなわちメイン制御部41のRAMに記憶した継続率にしたがって、30ゲームに亘るATに制御した後において、さらに30ゲームに亘りATへの制御を継続するか否かを決定する。
メイン制御部41は、AT継続抽選において継続する旨の決定、すなわち継続当選したときに、ATを継続させることが決定している旨を特定するための継続フラグをメイン制御部41のRAMの所定領域に格納する。また、AT継続抽選により当選しなかったときは、ATを継続しないことが決定している旨を特定するための非継続フラグをメイン制御部41のRAMの所定領域に格納し、AT継続抽選処理を終了する。
[AT実行処理]
AT実行処理とは、ATに制御する場合に、所定期間(30ゲーム)に亘りATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するものである。なお、AT実行処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。
AT実行処理は、まず、ATフラグがセットされているか否かを判定する。ATフラグがセットされていなければ、ATに制御しない旨の決定をするとともに、AT実行処理を終了する。一方、ATフラグがセットされていれば、BBに当選しているかまたはボーナス中であるか否かを判定する。BBに当選しているかまたはボーナス中である場合は、ATに制御しない旨の決定をするとともに、AT実行処理を終了する。一方、BBに当選しておらず、かつボーナス中ではない場合はATに制御する旨を決定し、メイン制御部41のRAMの所定領域に記憶されたATゲーム数を1減らす。次に、減算した後のATゲーム数が0であるか否かを判定する。
減算した後のATゲーム数が0でない場合は、AT実行処理を終了する。一方、減算した後のATゲーム数が0である場合、ATフラグを消去し、継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合は、継続フラグを消去し、ATフラグをセットし、ATゲーム数である30ゲームをメイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、AT実行処理を終了する。一方、継続フラグがセットされていない場合は、非継続フラグがセットされているため、非継続フラグを消去し、AT実行処理を終了する。
このように制御することで、BB当選してからボーナス終了までは、ATへの制御を制限することができ、ボーナス終了後からATへの制御を開始することができる。また、ATゲーム数である30ゲームが消化しても、AT継続抽選に当選している場合に、ATへの制御を継続することができる。
また、AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT2に制御可能となる。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、後述する各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT継続抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、所定の入賞役に当選しているときに当該入賞役を特定可能な情報(ナビ演出とは異なる情報)を報知可能である。たとえば、同時当選役や特定の抽選対象役当選を示す内部当選フラグを受信したときには、同時当選役や特定の抽選対象役のいずれに当選しているかを報知可能である。これにより、同時当選役や特定の抽選対象役のうちいずれに当選しているかを遊技者に報知可能となり、遊技者の期待感を向上させることができる。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、および、当選した継続率が何%であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT継続抽選時コマンドは、AT継続抽選が行われたときに送信され、AT継続抽選に当選したか否かなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、AT抽選またはAT継続抽選に当選しており、ATフラグがセットされていても、AT実行処理によりATに制御しない旨の決定がされた場合は、非ATを特定可能なコマンドが送信される。AT抽選またはAT継続抽選に当選しかつATフラグがセットされており、AT実行処理によりATに制御する旨の決定がされた場合は、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲーム以降のATに制御されるATゲーム数の回数を特定可能なコマンドである。ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されたATゲーム数に基づいてサブ制御部91に送信される。
[AT中の演出]
メイン制御部41が送信した各種コマンドに基づいて、サブ制御部91は種々の演出を実行する。図17は、AT中の演出について説明するためのタイミングチャートである。図17に示すように、ATに制御されている際に、背景演出と報知演出と所定演出または特定演出が行われる。これらの演出は、たとえば、液晶表示器51を用いて行われる演出である。
背景演出は、ATに制御されている間に行われる演出である。報知演出は、背景演出と対応する演出であって、1回30ゲームに亘り制御されるATの残りゲーム数が所定ゲーム数(3ゲーム)となってから、当該所定ゲーム数消化するまでの期間に亘って、液晶表示器51において行われる。背景演出としては、たとえば、所定のステージが開始したことを報知した後に、表示されたステージと対応するキャラクタがナビ演出を行う演出がある。また、実行中のステージを示す情報を液晶表示器51の一部に表示させるような演出も背景演出に含むものとする。
報知演出としては、たとえば、バトル演出のように、味方キャラクタと敵方キャラクタとによりバトルを展開する演出を行なった後に、バトルの結末として継続当選あるいは継続非当選の報知を行う演出がある。このとき、背景演出の実行を継続させてもよいが、背景演出の実行を終了させてもよい。背景演出の実行を継続する場合は、現在のステージを示す情報を液晶表示器51の一部に表示し、報知演出としてのバトル演出を視認できるようにすることが好ましい。所定演出または特定演出とは、たとえば、報知演出としてバトル演出が実行されている場合のバトル演出中の味方キャラクタの攻撃パターンであって、具体的には、所定演出としてパンチが実行され、特定演出として必殺技が実行される。
また、本実施の形態においては、第1モードと第2モードとが設けられている。第1モードとは、この第1モード中においては、背景演出として第1背景演出が実行される場合に、報知演出として第1報知演出が実行され、背景演出として第2背景演出が実行される場合に報知演出として第2報知演出が実行され、第3背景演出が実行される場合に第3報知演出が実行されるモードである。一方、第2モードとは、第2モード中においては、背景演出として第1背景演出が実行される場合であっても報知演出として第1報知演出以外の報知演出も実行可能であり、背景演出として第2背景演出が実行される場合であっても報知演出として第2報知演出以外の報知演出も実行可能なモードである。
第1モードと第2モードの選択は、AT中であって報知演出が実行される前の所定期間中において、遊技者がストップスイッチ8L〜8RやMAXBETスイッチ6などの操作手段を操作することにより、操作選択可能に構成されており、当該操作選択に応じた種類のモードにサブ制御部91により制御される。また、第2モードに選択された場合、サブ制御部91は、第2モードフラグを設定する。なお、所定期間内に所定の操作をした際にのみ第2モードを選択し、所定期間内に所定の操作をしなかった場合は第1モードを選択するようにしてもよい。また、遊技者によって選択可能に構成されているものに限らず、サブ制御部91側において乱数などを用いた抽選によってランダムに決定されるものであってもよい。
これらのAT中の演出は演出決定処理によって、いずれの演出を実行するかが決まる。図18は、演出決定処理において参照される背景演出決定用テーブルを説明するための図である。背景演出決定用テーブルは、ROM91bに格納されている。
背景演出決定用テーブルは、AT継続抽選の結果と設定されている継続率に応じた演出振分率にしたがって、「第1背景演出」、「第2背景演出」、および「第3背景演出」のいずれかに決定されるよう定められている。なお、AT継続抽選の結果は、AT継続抽選時コマンドから特定され、設定されている継続率は、AT抽選時コマンドから特定される。
ATを継続しないときには、20%の確率で「第1背景演出」に、80%の確率で「第2背景演出」に決定されるように振分率が定められている。ATを継続するときであって、継続率が「50%」であるときには、21%の確率で「第1背景演出」に、53%の確率で「第2背景演出」に、26%の確率で「第3背景演出」に決定されるように振分率が定められている。ATを継続するときであって、継続率が「70%」であるときには、59%の確率で「第1背景演出」に、20%の確率で「第2背景演出」に、21%の確率で「第3背景演出」に決定されるように振分率が定められている。ATを継続するときであって、継続率が「90%」であるときには、79%の確率で「第1背景演出」に、5%の確率で「第2背景演出」に、16%の確率で「第3背景演出」に決定されるように振分率が定められている。
以上のように、本実施の形態において、ATを継続するときにのみ第3背景演出が実行され得るように設定されている。これにより、第3背景演出が実行されることで、遊技者にATを継続することが確定した旨を報知することができる。
図19は、第2モード中の演出決定処理において参照される報知演出決定用テーブルを説明するための図である。背景演出決定用テーブルは、ROM91bに格納されている。報知演出決定用テーブルとしては、背景演出決定用テーブルを参照して決定した背景演出に応じて、複数種類のテーブルが設けられている。
第1背景演出の実行が決定した場合には、図19(a)のテーブルが参照される。図19(a)のテーブルが参照され、ATを継続しないときは、100%の確率で第2報知演出が決定される。図19(a)のテーブルが参照され、ATを継続するときであって、継続率が「50%」であるときは、21%の確率で「第1報知演出」に、53%の確率で「第2報知演出」に、26%の確率で「第3報知演出」に決定されるように振分率が定められている。図19(a)のテーブルが参照され、ATを継続するときであって、継続率が「70%」であるときは、59%の確率で「第1報知演出」に、20%の確率で「第2報知演出」に、21%の確率で「第3報知演出」に決定されるように振分率が定められている。図19(a)のテーブルが参照され、ATを継続するときであって、継続率が「90%」であるときは、79%の確率で「第1報知演出」に、5%の確率で「第2報知演出」に、16%の確率で「第3報知演出」に決定されるように振分率が定められている。
第2背景演出の実行が決定した場合には、図19(b)のテーブルが参照される。図19(b)のテーブルが参照され、ATを継続しないときは、100%の確率で第1報知演出が決定される。図19(b)のテーブルが参照され、ATを継続するときであって、継続率が「50%」であるときは、53%の確率で「第1報知演出」に、21%の確率で「第2報知演出」に、26%の確率で「第3報知演出」に決定されるように振分率が定められている。図19(b)のテーブルが参照され、ATを継続するときであって、継続率が「70%」であるときは、20%の確率で「第1報知演出」に、59%の確率で「第2報知演出」に、21%の確率で「第3報知演出」に決定されるように振分率が定められている。図19(b)のテーブルが参照され、ATを継続するときであって、継続率が「90%」であるときは、5%の確率で「第1報知演出」に、79%の確率で「第2報知演出」に、16%の確率で「第3報知演出」に決定されるように振分率が定められている。
第3背景演出の実行が決定した場合は、後述するように、第3報知演出に決定する。
また、背景演出および報知演出とは異なる演出として所定演出または特定演出が実行される。所定演出および特定演出のいずれの演出を実行するかは、第1モード中においては、図20に示す第1モード中の演出決定用テーブルを参照して決定し、第2モード中においては、図21に示す第2モード中の演出決定用テーブルを参照して決定する。
図20は、第1モード中の演出決定用テーブルを説明するための図である。第1モード中の演出決定用テーブルは、AT継続抽選の結果と設定されている継続率に応じた振分率にしたがって、「所定演出」および「特定演出」のいずれかに決定されるよう定められている。なお、AT継続抽選の結果は、AT継続抽選時コマンドから特定され、設定されている継続率は、AT抽選時コマンドから特定される。
ATを継続しないときには、80%の確率で「所定演出」に、20%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。ATを継続するときであって、継続率が「50%」であるときには、60%の確率で「所定演出」に、40%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。ATを継続するときであって、継続率が「70%」であるときには、40%の確率で「所定演出」に、60%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。ATを継続するときであって、継続率が「90%」であるときには、20%の確率で「所定演出」に、80%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。
図21は、第2モード中の演出決定用テーブルを説明するための図である。第2モード中の演出決定用テーブルは、背景演出と報知演出との組合せに応じた演出振分率にしたがって、「所定演出」および「特定演出」のいずれかに決定されるよう定められている。
第1背景演出の実行が決定した場合には、図21(a)のテーブルが参照される。第1背景演出の実行が決定した場合に、第1報知演出の実行が決定しているときは、図21(a)に示すように、32%の確率で「所定演出」に、68%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。第1背景演出の実行が決定した場合に、第2報知演出の実行が決定しているときは、図21(a)に示すように、88%の確率で「所定演出」に、12%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。第1背景演出の実行が決定した場合に、第3報知演出の実行が決定しているときは、図21(a)に示すように、71%の確率で「所定演出」に、29%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。
第2背景演出の実行が決定した場合には、図21(b)のテーブルが参照される。第2背景演出の実行が決定した場合に、第1報知演出の実行が決定しているときは、図21(b)に示すように、88%の確率で「所定演出」に、12%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。第2背景演出の実行が決定した場合に、第2報知演出の実行が決定しているときは、図21(b)に示すように、32%の確率で「所定演出」に、68%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。第2背景演出の実行が決定した場合に、第3報知演出の実行が決定しているときは、図21(b)に示すように、71%の確率で「所定演出」に、29%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。
第3背景演出の実行が決定した場合には、図21(c)のテーブルが参照される。第3背景演出の実行が決定した場合には、図21(c)に示すように、32%の確率で「所定演出」に、68%の確率で「特定演出」に決定されるように振分率が定められている。
以上のように、本実施の形態において、第2モード中において、第1モード中に実行される背景演出と報知演出との組合せと同じ組み合わせで背景演出と報知演出とが実行される場合は、特定演出が実行される確率が高くなるように設定されている。
次に、サブ制御部91におけるAT中の演出を決定する演出決定処理について、説明する。図22は、演出決定処理を示すフローチャートである。図22に示すように、演出決定処理は、まず、AT当選しているか否かを判定する(S01)。AT当選しているか否かは、AT抽選時コマンドにより判定する。S01において、AT当選していないと判定した場合、演出決定処理を終了する。S01においてAT当選していると判定した場合、AT継続抽選において、AT継続当選しているか否か、および、AT継続当選している場合にあってはAT抽選時に決定した継続率を特定する(S02)。AT継続当選しているか否かは、AT継続抽選時コマンドにより確認し、継続率はAT抽選時コマンドにより確認する。
次に、特定したAT継続当選の有無と継続率にしたがって、図18に示した背景演出決定用テーブルを参照して、背景演出を決定する(S03)。S03の後、第2モード中であるか否かを判定し(S04)、第2モード中でないと判定した場合、後述するS08に進む。なお、第2モード中であるか否かは、第2モードフラグがセットされているか否かによって判定する。第2モード中であると判定した場合、S03により決定した背景演出が第3背景演出であるか否かを判定する(S05)。
S05において、第3背景演出ではないと判定した場合、S03によって決定した背景演出、AT継続当選の有無、および継続率に基づいて図19に示した報知演出決定用テーブルを参照して報知演出を決定し(S06A)、S07に進む。第3背景演出であると判定した場合、報知演出を第3報知演出に決定し(S06B)、S07に進む。S07においては、S03、S06AおよびS06Bにより決定した背景演出と報知演出との組合せに基づいて、図21(a)〜(c)に示した第2モード中の演出決定用テーブルを参照して所定演出または特定演出のいずれの演出を実行するかを決定する。所定演出または特定演出のいずれの演出を実行するかを決定した後、演出決定処理を終了する。
S04において、第2モード中ではないと判定した場合、第1モード中であるから、決定した背景演出に対応する報知演出に決定する(S08)。S08の後、図20に示した第1モード中の演出決定用テーブルを参照して所定演出または特定演出のいずれの演出を実行するかを決定し(S09)、演出決定処理を終了する。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちの何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選した場合において、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、第1モードとは異なる第2モードを備えているため、遊技者は第1モードだけでなく第2モードでも遊技を実行することができるため、遊技の興趣が向上する。
(2)第2モード中においては、図19の報知演出決定用テーブルに示すように、ATへの継続をしないときは、第1背景演出中には必ず第2報知演出が実行され、第2背景演出中にあっては必ず第1報知演出が実行される。つまり、ATへの継続をしないときに、第1背景演出中には第1報知演出が実行されることはなく、また、第2背景演出中に第2報知演出が実行されることない。よって、第2モード中に、第1モード中と同じパターンの背景演出と報知演出とが実行されることは、ATへの継続が確定していることを意味するため、遊技者にATへの制御が継続することの安心感を抱かせることができ、遊技の興趣が向上する。また、遊技者に対して、いずれの背景演出と報知演出とが実行されるかに注目させることができる。
なお、本実施の形態においては、ATへの継続をしない場合は、第1モード中と同じパターンの背景演出および報知演出は実行しないものとしたが、第1モード中と異なるパターンの背景演出および報知演出を実行する確率を、第1モード中と同じパターンの背景演出および報知演出を実行する確率に比べて高く設定してもよい。これにより、第2モード中に、第1モード中と同じパターンの背景演出および報知演出されたことで、ATへの制御が継続することの期待感を遊技者に抱かせることができる。
また、第2モード中は、図18の背景演出決定用テーブルおよび図19の報知演出決定用テーブルに示すように、ATを継続するときであって、継続率が50%のときは、第1背景演出中に第1報知演出が実行される確率は、21%×21%=4.41%であって、第2背景演出中に第1報知演出が実行される確率は、53%×53%≒28.1%である。また、ATを継続するときであって、継続率が90%のときは、第1背景演出中に第1報知演出が実行される確率は、79%×79%≒62.4%であって、第2背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率は、5%×5%=0.25%である。
つまり、継続率が50%のときは、第2背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率の方が、第1背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率よりも高い。一方、継続率が90%のときは、第1背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率の方が、第2背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率よりも高い。
また、図19(a)に示すように、第1背景演出実行中に第2報知演出が実行される確率と第1背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率とを比べると、AT継続率が高いほど、第1背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率が高くなるように振分けられている。同様に、図19(b)に示すように、第2背景演出実行中に第2報知演出が実行される確率と第2背景演出実行中に第1報知演出が実行される確率とを比べると、AT継続率が高いほど、第2背景演出実行中に第2報知演出が実行される確率が高くなるように振分けられている。
以上のことより、第2モード中においては、いずれかの背景演出が選択された場合に、第1モード中に実行される可能性のある報知演出が実行される場合と、第1モード中に実行されない報知演出が実行される場合とを比較した場合に、第1モード中に実行される可能性のある報知演出が実行された場合の方が、AT継続率が高い可能性を示唆している。そのため、第2モード中においては、第1モード中に実行される可能性のある報知演出が実行されると、遊技者にATの継続率が高いことの期待感を与えることができるため、遊技の興趣が向上する。また、遊技者に対して、いずれの背景演出と報知演出とが実行されるかに注目させることができる。
(3) 前述した実施の形態においては、図21に示すように、第2モード中において、第1背景演出実行中に第1報知演出が実行される場合は、所定演出よりも特定演出が実行される割合が高い。また、第2背景演出実行中に第2報知演出が実行される場合は、所定演出よりも特定演出が実行される割合が高い。さらに、前述のように、第2モード中においては、いずれかの背景演出が選択された場合に、第1モード中に実行される可能性のある報知演出が実行されることは、AT継続率が高いことを示唆している。よって、第2モード中における特定演出の実行は間接的にAT継続率が高いことを意味し、特定演出が実行されることに対して、遊技者に期待を抱かせることができるため、遊技の興趣が向上する。
(4) 前述した実施の形態においては、(2)で説明したように、第1背景演出実行中に第1報知演出が実行される割合は、継続率によって異なる。そのため、第1背景演出実行中に第1〜第3報知演出のうちいずれの報知演出が実行されるかによって、継続率を推測することができる。
(5) 前述した実施の形態においては、図18に示すように、AT継続しない場合、第3背景演出は実行されないため、第3背景演出の実行が決定した場合は継続の確定を意味し、ATへの制御が継続することに対する安心感を遊技者に抱かせることができる。また、図19(a)に示すように、背景演出が第1背景演出である場合に、ATへの継続をしない場合は、第2報知演出が選択される。一方、ATへの継続をする場合は第1〜第3のいずれかの報知演出が選択される。よって、いずれの報知演出が実行されるかによって、ATへの継続がされるか否かが示唆される。
報知演出がATへの継続を示唆する演出であるため、もし、第3背景演出実行中に、第1報知演出または第2報知演出が実行されると、第3背景演出の実行により遊技者にATへの継続が確定したことへの安心感を与えたにも関わらず、ATへの制御が継続されないのではないかという不安を遊技者に与えてしまう。しかし、前述した実施の形態においては、図22に示すように、背景演出が第3背景演出である場合(S05においてYESの場合)、報知演出は第3報知演出に決定し(S08)、第1モードであるか第2モードであるかにかかわらず、第3背景演出である場合には、第3報知演出が実行される。そのため、第3背景演出が実行された場合に、ATへの継続が確定したことに対する安心感を遊技者に抱かせたにも関わらず、第1報知演出や第2報知演出が実行されることでATへの制御の継続に対する不安を遊技者に抱かせることを防ぐことができる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
(1) 本実施の形態においては、AT抽選処理において、継続率を決定しているが、継続率ではなく、ATに制御されるゲーム数を決定してもよい。たとえば、30ゲーム、50ゲーム、70ゲームのいずれかのゲーム数が選択されるようにしてもよい。このとき、決定したゲーム数に基づいて背景演出を実行し、ATに所定回数(たとえば、27回)制御されたことを契機に報知演出を行うようにしてもよい。
報知演出は、第1モード中は決定した背景演出に対応する報知演出を実行し、第2モード中は決定したATに制御されるゲーム数に応じていずれの報知演出を実行するかを決定してもよい。第2モード中の報知演出は、ATに制御されるゲーム数が多い方が第1モードと同じパターンで報知演出が実行される確率が高くなるように設定する。これにより、第1モードと同じパターンで報知演出が実行されたときに、ATに制御される期間が長いことへの期待感を遊技者に抱かせることができる。
(2) 本実施の形態においては、AT中においてAT抽選処理は実行しないとしたが、AT中にAT抽選条件が成立した場合にATに制御されるゲーム数を上乗せする上乗せ抽選処理をしてもよい。このとき、第2モード中における報知演出を、上乗せ抽選を実行したことを契機に決定してもよく、いずれの報知演出を実行するかは、上乗せ抽選に当選したか否か、あるいは上乗せ抽選によって得られたゲーム数に応じて決定してもよい。
(3) 本実施の形態においては、継続率をAT抽選処理時に決定しているが、AT中に所定の当選役に当選または入賞したことを契機に継続率決定抽選およびAT継続抽選処理を行ってもよい。このとき、AT継続抽選処理は、継続率決定抽選を行った後に行うようにすればよい。また、AT継続抽選処理を行うときに毎回、継続率を決定する継続率決定抽選を行ってもよい。
(4) 本実施の形態においては、AT継続抽選をATへの制御を開始するときに実行することとしたが、報知演出としてのバトル演出が開始されるまでの所定タイミングや、30ゲームが終了するタイミングで実行してもよい。なお、30ゲーム終了時にAT継続抽選をする場合は、背景演出および報知演出を決定した後に、背景演出と報知演出との関係に基づいてATへの継続をするか否かを決定してもよい。たとえば、第2モード中において、第1モード中と同じパターンの背景演出と報知演出とを実行することが決定している場合には、それ以外のときよりも高い確率でATへの継続を決定してもよい。
また、AT継続抽選にかかわらず、継続率を決定する継続率決定抽選を30ゲーム終了時に実行し、第2モード中において、第1モード中と同じパターンの背景演出と報知演出とを実行することが決定している場合に、それ以外のときよりも高い確率で、設定されていた継続率よりも高い継続率が選択されるようにしてもよい。また、その決定した継続率に従ってAT継続抽選を行ってもよい。
(5) 本実施の形態において、AT継続抽選処理は、30ゲームが終了した後、ATへの制御を継続するか否かを決定しているが、AT継続抽選に非当選するまで抽選を繰り返し、ATへの制御が何ゲーム分継続するかを一度の処理で決定してもよい。
(6) 本実施の形態においては、メイン制御部41が実行するATに係る制御としてAT抽選処理、AT継続抽選処理、AT実行処理を例に挙げたが、これに限らない。たとえば、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行ってもよい。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
(7) 本実施の形態においては、第2モードにおいて、ATへの制御を継続しない場合は、第1背景演出中に第2報知演出を実行し、第2背景演出実行中には第1報知演出を実行することとしたが、これに限らず、ATを継続しない場合であっても、第1報知演出および第2報知演出のいずれかの報知演出が実行されるように設定してもよい。このとき、ATへの制御を継続する場合は、第1モードと同じパターンで報知演出を実行する確率を高く設定することで、第1モードと同じパターンで報知演出が実行されたときに、遊技者にATへの制御が継続することへの期待感を持たせることができる。
(8) 本実施の形態においては、報知演出を継続率にしたがって決定したが、設定値に基づいて決定してもよい。具体的に、図23を参照して説明する。図23は、変形例における第2モード中の報知演出決定用テーブルを説明するための図ある。ATへの継続をしない場合に、第1背景演出の実行が決定している場合は、設定値が3以下か4以上であるかによって、第1報知演出か第2報知演出のいずれの演出を選択するかの選択割合が異なるように設定してもよい。このようにすることで、背景演出と報知演出との関係によって、設定値を推測することができ、背景演出と報知演出に注目させることができる。
なお、図23における報知演出決定用テーブルにおいては、第1背景演出の実行が決定されている場合に、ATへの継続をしない場合であっても第1モードと同じパターンである第1報知演出を実行可能に設定しているが、ATへの継続をしない場合は第1報知演出を実行しないようにしてもよい。
(9) 本実施の形態においては、特典としてATへの継続が終了した後に継続してATに制御されるという特典を例示したが、ATへの継続が終了した後の所定ゲーム(たとえば100ゲーム)以内に必ずATに制御されるという特典であってもよく、遊技者にとって有利となるものであればこれに限るものではない。
(10) 本実施の形態においては、有利な状態として、ATに制御されている状態としたが、スロットマシンについては所定状態であるときよりも高い確率でBBやATに当選する状態であってもよく、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではない。以下、スロットマシンにおける有利状態の例を示す。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
(11)本実施の形態においては、背景演出と報知演出と所定演出または特定演出は、液晶表示器51を用いて行う例を示したが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
(12) 本実施の形態においては、報知演出は背景演出の実行中に実行されることとしたが、背景演出の実行後に実行するようにしてもよく、また、背景演出と同時に実行するようにしてもよい。たとえば、背景演出として、液晶表示器51の一部分に背景演出としての表示がされ、それと同時に報知演出としてのバトル演出を液晶表示器51で実行してもよい。また、特定演出および所定演出については、背景演出および報知演出と異なる演出であればよく、実行タイミングに限定はない。
(13) 本実施の形態において、報知演出は、継続率や継続の期待度に基づいて決定したが、BBへの当選や当選したBBの種類に基づくものであってもよい。
(14) 本実施の形態において、背景演出は、AT抽選およびAT継続率に基づいて決定したが、遊技者が選択可能な演出であってもよい。
(15) 背景演出としては、BB当選の確定を報知する完全告知モードと、BB当選の示唆を報知するチャンス告知モード等のモードであってもよい。この場合、報知演出としては、BB当選の確定報知と、BB当選の示唆報知とが挙げられ、第2モード中においては、いずれの報知演出も実行可能であって、いずれの報知演出を実行するかを当選したBB当選の種類に基づいて決定すればよい。
BB当選の種類は、たとえば、ボーナスの終了条件であるメダルの払出枚数やボーナスゲーム数によって複数種類設けてもよい。たとえば、BB当選の種類がボーナスの終了条件であるメダルの払出枚数によって複数種類設けられており、背景演出としてチャンス告知モードを選択し、かつ第2モードを選択した場合を考える。この場合に、本来チャンス告知モードでは実行されないBB当選の確定報知が実行された場合よりも、チャンス告知モードで実行されるBB当選の示唆報知が実行された場合の方が、ボーナスの終了条件であるメダルの払出枚数が多いことを示唆させるように報知演出の実行を決定してもよい。これにより、BBへの当選などの特典の付与を告知する告知方法の興趣を向上させることができる。
(16) 本実施の形態においては、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
(17) 本実施の形態においては、本発明をスロットマシンに適用した例について説明したが、これに限らず、遊技を行うことが可能な遊技機であればよく、たとえば、いわゆるパチンコ遊技機に適用することもできる。たとえば、液晶表示器を備えたパチンコ遊技機では、当該液晶表示器において前述した実施の形態における背景演出、報知演出、および特定演出または所定演出に相当する演出を実行するようにしてもよい。
また、第1モードと第2モードの選択は、たとえば、パチンコ遊技機に設けられた操作手段としての打球操作ハンドル、スティックコントローラ、トリガボタン等を操作することにより選択できるようにすればよい。また、内部抽選によって選択してもよい。
第2モード中の報知演出の選択は、変動表示中の背景表示と当該変動の表示結果が遊技者に与える特典に基づいて決定してもよい。特典としては、たとえば、大当りを備えたパチンコ遊技機においては、大当りが挙げられる。また、大当りの発生確率が高まる確率変動状態への移行を伴う確変大当りや、確率変動状態への移行を伴わない非確変大当り、いわゆる時短状態への移行を伴う時短大当りなどを含む複数種類の大当りを備えたパチンコ遊技機においては、確変大当りや時短大当りが挙げられる。
また、第2モード中の報知演出の選択は、当該変動後に遊技者にとって有利な状態に移行するか否かと、当該変動中の背景表示と、に基づいて決定してもよい。この場合、当該変動中の所定のタイミングに報知演出を実行すればよく、当該変動の変動停止時に報知演出を行うようにしてもよい。有利な状態としては、大当りの発生確率が高まる確率変動状態への移行を伴う確変大当りや、いわゆる時短状態への移行を伴う時短大当りなどを含む複数種類の大当りを備えたパチンコ遊技機においては、確率変動状態や時短状態が挙げられる。
確率変動状態や時短状態に制御される期間(変動回数)が異なる大当りを備えたパチンコ遊技機においては、確率変動状態や時短状態に制御される期間や、確率変動状態や時短状態に制御される期間が上乗せされること、または上乗せ期間等、および背景表示に基づいて報知演出を実行してもよい。
大当り中のラウンド数(大入賞口の開放回数)が異なる大当りを備えたパチンコ遊技機においては、ラウンド数が最大の大当りとなることや、ラウンド数が上乗せされること、または上乗せされるラウンド数に関する情報等、および背景表示に基づいて報知演出を実行してもよい。
入賞球を保留する保留機能を備え、当該保留した入賞球の入賞結果を事前に決定することのできるパチンコ遊技機においては、当該変動の変動結果に基づいて報知演出を決定するのではなく、いわゆる先読み演出として報知演出を実行してもよい。具体的には、最大4つ保留することができるパチンコ遊技機において、3つ消化した後の4つ目の入賞球が大当りであるか否かを、3つの入賞球を消化している間に背景演出および報知演出を行うことで示唆するものが挙げられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。