<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1〜L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1〜L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8〜図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞〜第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役〜第32小役は、主に、第1小役〜第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞〜第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役〜第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞〜第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1〜L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞〜第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技〜第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、図14(a)に示すように、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、図14(c)に示すように、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42〜44には、ストップランプ42b〜44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b〜44bからの光はストップスイッチ42〜44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b〜44bの光はストップスイッチ42〜44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42〜44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b〜44bが点灯制御され、ストップスイッチ42〜44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b〜44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42〜44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b〜44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b〜44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b〜44b,63〜65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b〜44b,63〜65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理(ステップS107)にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11〜22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1であり、押し順ベルに当選となる確率をまとめると約1.53分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1〜24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1〜9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11〜22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401にて、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップS310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。続くステップS402では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42〜44に内蔵されているストップランプ42b〜44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS403では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS404に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS403に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS405にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS406〜ステップS412に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42〜44に対応するストップランプ42b〜44bを消灯するように制御する。
ステップS406では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS407では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS408では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS409では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS410にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS411では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS412にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS403に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11〜22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42〜44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS411にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS413にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS414にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップS415にて、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS416にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS417にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS414のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。続くステップS509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞〜第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞〜第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップS517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役〜第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞〜第6小役入賞となる操作順序(図23)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601〜ステップS603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップS602やステップS603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップS604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合、ステップS604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図29にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702〜ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ及びATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグは、ATモードであることをCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS608にて継続判定処理を実行し、ステップS609にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS607のAT抽選用処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップS801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップS802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップS803〜ステップS808にてATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップS803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップS804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップS804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップS805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップS806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップS805又はステップS806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップS803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップS807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップS808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップS808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップS802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップS809〜ステップS812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップS808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップS813〜ステップS816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップS809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップS810及びステップS811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップS810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップS809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップS811の処理を実行した後は、ステップS812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップS606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップS813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップS814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップS803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップS814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップS815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップS816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS812又はステップS816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップS817〜ステップS820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム〜32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップS817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップS817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップS818では、ステップS817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップS819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップS820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<継続判定処理>
次に、ステップS608にて実行される継続判定処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、継続判定処理は、ATモード当選フラグやATモードフラグがセットされている状況で実行される処理である。
ここで、本実施形態におけるATモードは、予め定められた所定数(例えば18)のゲームを1セット(単位継続数、単位状態)とし、例えば、1セットのATモードを更新する場合(セットを開始する場合又はセットを終了する場合)に次のセットの継続抽選を行い、当該継続抽選に当選している場合には当該セットの終了後、次のセットへ移行し、当該継続抽選に非当選である場合には次のセットへ移行せずにATモードが終了する構成としている。そして、ステップS608の継続判定処理では、セットの更新に際して上記の継続抽選を行うための処理である。
ステップS901では、各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタが18であるか否かを判定する。ATゲームカウンタは、1セットの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、セットの更新に際して18が入力されるカウンタである。すなわち、ステップS901では、今回開始するゲームがATモードの1セットの開始ゲームであるか否かを判定する。開始ゲームではない場合には、そのまま本継続判定処理を終了する。開始ゲームである場合には、ステップS902に進む。
ステップS902では、各種カウンタエリア106eに設けられたATセットカウンタが0であるか否かを判定する。ATセットカウンタは、上記の継続抽選に非当選であっても又は継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させることを可能とするセット数をCPU102が把握するためのカウンタであり、継続条件が成立している状況で上乗せ当選した場合に1が加算され、継続抽選に非当選である場合や継続抽選を行うことなく次のセットへ継続させた場合に1減算されるカウンタである。ATセットカウンタが0である場合、ステップS903にて今回のATモードにて選択されている継続抽選の当選確率を把握する。
ここで、本実施形態では、上記の継続抽選の当選確率(以下、「継続率」とも称する)として、複数の継続率が設定されており、具体的には、図37に示すように最も継続率の高い90%と、それよりも継続率が低い60%及び10%が設定されている。当該継続率は、ATモードへの移行に際して設定される(後述のステップS1211における継続率設定処理)。ステップS903では、当該継続率設定処理にて設定されている情報を読み出し、今回のATモードの継続率を把握する。
ステップS903にて継続率を把握した後は、ステップS904にて継続抽選処理を実行する。すなわち、90%の継続率が選択されている場合には、ステップS904の処理では90%の確率で継続当選し、10%の継続率が選択されている場合には、ステップS904の処理では10%の確率で継続当選する。
ステップS905では、ステップS904の処理結果が継続当選であったか否かを判定し、継続当選であった場合には、ステップS906にて各種フラグ格納エリア106dに継続フラグをセットする処理を実行する。継続フラグは、今回のセットの継続条件(次のセットへ移行する条件)が成立していることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップS907にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、継続判定処理を終了する。
また、ステップS902にてATセットカウンタが0ではないと判定した場合、ステップS908にてATセットカウンタを1減算する処理を実行してから、ステップS906に進み、継続フラグのセット、及び継続コマンドのセットを行ってから、継続判定処理を終了する。すなわち、本実施形態では、ATセットカウンタが0ではない場合、継続抽選を経ることなく、セットの継続条件が成立する構成としている。なお、ATセットカウンタの値に関わらず継続抽選を実行し、継続非当選である場合にATセットカウンタが1以上であれば継続条件が成立する構成としてもよい。
上記のように、本実施形態では、ATモードの1セットの開始時(スタートレバー41の操作時)に、今回開始するセットの次のセットまでATモードが継続するか否かの継続条件の成否判定が行われ、継続条件が成立していると判定した場合には、継続フラグがセットされ、その情報が表示制御装置81へ出力される。この場合、表示制御装置81では、継続条件が成立していることを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
これに対して、ステップS905にて継続当選ではないと判定した場合には、そのまま継続判定処理を終了する。この場合、ATモードの1セットの開始時には継続条件は成立しておらず、セットの開始に際して継続コマンドの出力も行われない。表示制御装置81では、セットの開始に際して継続コマンドを受信しないことを通じて継続条件が成立していないことを把握し、継続条件が成立していないことを前提とした演出を今回のセットの演出として行うようにするための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS609にて実行されるAT上乗せ用処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。AT上乗せ用処理では、上記の継続抽選とは別途、ATモードのセット数を上乗せすることの上乗せ抽選を行い、当該上乗せ抽選にて当選した場合には、次のセットの継続抽選の結果に関わらず次のセットまで継続するようにする。
先ずステップS1001にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS1002にて、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
上乗せ抽選テーブルは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、各ゲームの抽選処理にて当選し易い通常リプA〜通常リプCや、押し順ベルといった通常役では上乗せ当選しない一方、各ゲームの抽選処理にて当選しにくいチャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC、共通ベル、スイカ、といった特定役では上乗せ当選し得るように設定されている。そして、特定役のうち、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。なお、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ当選しない構成を、各ゲームの抽選結果が通常役である場合には上乗せ抽選を行わない構成としてもよい。また、各ゲームの抽選結果が通常役である場合にも上乗せ当選し得る構成とし、当該通常役での上乗せ当選の確率を特定役の場合の上乗せ当選の確率よりも低くなるようにしてもよい。
ステップS1002にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップS1003にて上乗せ抽選を実行し、ステップS1004にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップS1005にて、継続フラグがセットされているか否かを判定する。
ステップS1005にて継続フラグがセットされていない場合、ステップS1006にて継続フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS1007にて継続コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT上乗せ用処理を終了する。継続コマンドを受信した表示制御装置81は、継続条件が成立したことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
これに対して、ステップS1005にて継続フラグがセットされている場合、ステップS1008にてATセットカウンタに1を加算する処理を実行する。ステップS1008にATセットカウンタに1が加算されることにより、少なくとも今回のセットの次の次のセットまでATモードが継続することが確定する。なお、本実施形態では、上乗せ抽選に当選した場合に一律でATセットカウンタに1を加算する構成としているが、2以上の数を加算する場合がある構成としてもよく、例えば、上乗せ当選の契機となったゲームの抽選結果に応じてATセットカウンタに加算する数を抽選により決定する構成としてもよい。
続くステップS1009ではセット上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本上乗せ用処理を終了する。セット上乗せコマンドは、上乗せ抽選に当選したことやATセットカウンタの値を表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。なお、複数のセット数を一の上乗せ当選にて上乗せする場合がある構成においては、当該セット上乗せコマンドに当該上乗せするセット数の情報を設定する構成とするとよい。セット上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、セット上乗せが行われたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図27)において、ステップS607又はステップS609の処理を実行した後は、ステップS610〜ステップS613にて、ストップスイッチ42〜44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップS610〜ステップS613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図33を参照しながら説明する。図33(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図33(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図33(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図33(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図34を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図34(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図34(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図34(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップS610〜ステップS613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップS610では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。押し順ベル当選である場合、ステップS611にて、ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされている場合、ステップS612にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS613にて、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS611にてATモードフラグがセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS415にて実施される入賞結果対応処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップS1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1101〜ステップS1103の処理は、上記ステップS601〜ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップS1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1102又はステップS1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップS1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップS1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップS1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップS1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップS1108にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップS1109にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップS1108にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図36に示すように、ステップS1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップS1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップS1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップS1205に進む。ステップS1205では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1206にてCZモードフラグをセットし、ステップS1207にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップS1208にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップS1204にてATモード当選フラグがセットされており、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップS1209にて、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1210にて、各種フラグ格納エリア106dにATモードフラグをセットする処理を実行する。続くステップS1211では、継続率設定処理を実行する。上記の通り、本実施形態におけるATモードは所定数のゲーム数を1セットとするセット管理型のATモードであり、残りセット数が存在しない状況(ATセットカウンタが0である状況)でセットの継続抽選に非当選となるまでATモードが継続する構成としており、ステップS1211の継続率設定処理は継続抽選の当選確率(継続率)を設定する処理である。
本実施形態では、図37に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、複数設けられた継続率(90%、60%、10%)の選択率が異なるように設定されており、ステップS1211では、当該設定値に基づいて、いずれの継続率を選択するかを抽選により決定する。具体的には、基本的には設定値が高いほど(出玉率が高くなる設定値ほど)高い継続率が選択され易くなるように設定されており、例えば、60%の継続率は設定1では30%の確率で選択されるのに対して、設定6では70%の確率で選択される。但し、90%の継続率は奇数設定の方が偶数設定よりも選択され易くなっており、最も選択され易い設定値は設定5である。そして、90%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに90%フラグをセットし、60%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに60%フラグをセットし、10%の継続率を選択した場合には、各種フラグ格納エリア106dに10%フラグをセットする。これら各継続率を示す情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)は、今回移行するATモードが終了する際にクリアされるフラグである。つまり、一旦、ATモードの継続率が設定された場合には、当該ATモードが終了するまで、その継続率にて各セットの継続抽選が行われる構成としている。
ステップS1211にて継続率設定処理を実行した後は、ステップS1212にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行する。上記の通り、ATゲームカウンタは、ATモードの1セットが終了するまでのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。そして、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していれば、再度ATゲームカウンタに所定数である18が入力され、ATゲームカウンタが0となった場合に継続条件が成立していなければ、ATモードが終了することになる。
その後、ステップS1212にて、AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行し、前兆モード用処理を終了する。AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが開始されることに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図38のフローチャートに示すように、ステップS1301にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップS1302では、ステップS1301の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップS1303にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS1304にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップS1303にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図39のフローチャートに示すように、ステップS1401にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップS1402では、ステップS1401の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップS1403にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされており、継続条件が成立している場合、次のセットに移行させるための処理(ステップS1404〜ステップS1406)を実行する。これに対して、ステップS1403にて継続フラグがセットされていない場合には、ATモードを終了させるための処理(ステップS1407〜ステップS1410)を実行する。
ステップS1403にて継続条件が成立している場合、ステップS1404にて継続フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1404にてATゲームカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップS1406にてセット更新コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。セット更新コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードのセットの移行が行われたことに対応させて補助表示部65やスピーカ64の演出を更新するための処理を実行する。
一方、ステップS1403にて継続条件が成立していない場合、ステップS1407にてATモードフラグをクリアし、ステップS1408にて継続率の情報(90%フラグ、60%フラグ、10%フラグ)をクリアする処理を実行する。そして、ステップS1409にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS1410にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本ATモード用処理を終了する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して、有利区間を終了させるためのフラグである。ATモード終了コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードが終了したことに対応する演出を行うように補助表示部65やスピーカ64を制御する。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図40を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップS314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1501では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1501にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1502に進む。
ステップS1502では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1503にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1504にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップS1505では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップS1506にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップS1506にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップS1507にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップS1501にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1508にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1508について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1502にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1507にて表示開始処理を実行した後、又はステップS1508の表示継続処理を実行した後は、ステップS1509にてATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1509にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップS1510にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップS1509にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS1511にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1510又はステップS1511の処理を実行した後は、ステップS1512にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1513にて、ステップS1512の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1513では、ステップS1512の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1513の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1512の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図41のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS416にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1601では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS1602にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップS1603では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS1603のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS1603のMY更新処理を実行した後は、ステップS1604にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1605にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップS1606にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1607にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1608では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1609にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。
ステップS1609の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1606にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1610に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップS1607に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図42のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS1701にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1702にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1701にて否定判定した場合、又はステップS1702の処理を実行した後は、ステップS1703にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS1704にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップS1703にて否定判定した場合、又はステップS1704の処理を実行した後は、ステップS1705にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)等にてセットされる前兆コマンド、継続コマンド、セット上乗せコマンド及び押し順報知コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1706にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1705にて否定判定した場合、又はステップS1706の処理を実行した後は、ステップS1707にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1708にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1707にて否定判定した場合、又はステップS1708の処理を実行した後は、ステップS1709にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図24)や入賞結果対応処理(図35)等にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1710にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1709にて否定判定した場合、又はステップS1710の処理を実行した後は、ステップS1711にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1711では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップS1711では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS1706の開始時演出設定処理について、図43のフローチャートに基づき説明する。
ステップS1801では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS1802にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS1803にて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS1801にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS1804にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。既に説明した通り、特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図29に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されている。また、ATモードの上乗せ抽選ではこれら特定役当選である場合には当該上乗せ抽選に当選し得る一方、通常リプA等の通常役当選である場合には上乗せ抽選に当選し得ない構成としている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS1805にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42〜44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップS1802若しくはステップS1804にて否定判定した場合、又はステップS1803若しくはステップS1805の処理を実行した後は、ステップS1806に進む。ステップS1806では、今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップS1807にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップS1806にて否定判定した場合、又はステップS1807の処理を実行した後は、ステップS1808にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップS1809にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1810にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップS1808にて否定判定した場合、又はステップS1810の処理を実行した後は、ステップS1811にてAT演出設定処理を実行し、ステップS1812にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップS1812では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT演出設定処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図42)におけるステップS1710の全停止時演出設定処理について、図44のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、CZ開始コマンド、AT開始コマンド、CZ終了コマンド、セット更新コマンド、AT終了コマンド等等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップS1901では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップS1902にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップS1903にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図45(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップS1901にて否定判定した場合、ステップS1904にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップS1905にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップS1906にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図45(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップS1904にて否定判定した場合、ステップS1907にてAT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。AT開始コマンドを受信している場合、ステップS1908にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側ATフラグをセットする処理を実行し、続くステップS1909にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行する。サブ側ATカウンタは、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものである。ステップS1909の処理を実行した後は、ステップS1910にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。サブ側セットカウンタは、ATモードのセット数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップS1911では、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図46(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出において、開始するATモードの継続率を示唆するように、例えば、背景や効果音が継続率に応じて異なるように設定してもよい。
ステップS1907にて否定判定した場合、ステップS1912にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップS1913にてサブ側ATフラグをクリアする処理を実行し、ステップS1914にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図46(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続セット数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップS1912にて否定判定した場合、ステップS1915にてセット更新コマンドを受信しているか否かを判定する。セット更新コマンドを受信しており、ATモードの1セットが終了し、次のセットに移行する場合、ステップS1916にて各種フラグ格納エリア183aにセットされているサブ側継続フラグをクリアする処理を実行する。サブ側継続フラグは、主制御装置101側の継続フラグに相当するものである。続くステップS1917では、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを確認し、セットされている場合には、当該発生済みフラグをクリアする処理を実行する。発生済みフラグは、今回終了するセットにおいて、予め定められた特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。特定演出については後に詳細に説明するが、ステップS1917では、セットの更新に際して、更新前のセットで特定演出が発生したことの情報を消去する処理を行う。
ステップS1917の処理を実行した後は、ステップS1918にてサブ側ATカウンタに18を入力する処理を実行し、ステップS1919にてサブ側セットカウンタを1加算する処理を実行する。
ステップS1903、ステップS1906、ステップS1911、ステップS1914若しくはステップS1919の処理を実行した後、又はステップS1915にて否定判定した後は、ステップS1920にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップS1920では、BBの開始や終了に際して出力される各種コマンド対応する演出を行うための処理を行ったり、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT演出設定処理>
次に、開始時演出設定処理(図43)におけるステップS1811にて実行されるAT演出設定処理について、図47のフローチャートを参照しながら説明する。AT演出設定処理は、ATモード中の演出を行うための処理である。そこで、AT演出設定処理の説明に先立って、ATモード中の演出の概要を図49〜図53を参照しながら説明する。
<AT演出の概要>
既に説明した通り、本実施形態におけるATモードは、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードであり、1セットのゲームを消化した際に継続条件が成立していれば次のセットに移行する一方、継続条件が成立していなければ当該セットにてATモードが終了する。本実施形態では、1セット中の演出として、味方キャラクタと敵キャラクタとが対決し、継続条件が成立していれば当該味方キャラクタが勝利し、継続条件が成立していなければ味方キャラクタが敗北して敵キャラクタが勝利する。本実施形態では、1セットのゲームの内、前半の10ゲームと、後半の8ゲームとで行われる演出が異なっており、上記の味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル演出は後半8ゲームである後半パートにて行われ、前半10ゲームである前半パートでは当該バトル演出を行う味方キャラクタと敵キャラクタとが対峙する対峙演出が設定されている。
前半パートの対峙演出としては、図49に示すように、1ゲーム目では、対決する味方キャラクタと敵キャラクタとが補助表示部65にて表示されるVS表示演出(図52(a1))が設定されている。対峙演出の2ゲーム目〜4ゲーム目では、味方キャラクタが背後にオーラを纏いながら気合を入れている様子が補助表示部65にて表示される味方キャラクタアップ演出(図52(b1))が設定されている。対峙演出の5ゲーム目〜7ゲーム目では、月夜に照らされる敵キャラクタが補助表示部65にて表示される敵キャラクタアップ演出(図52(c1))が設定されている。対峙演出の8ゲーム目〜10ゲーム目では、味方キャラクタと敵キャラクタとが火花を散らしながらにらみ合っている様子が補助表示部65にて表示されるにらみ合い演出(図52(d1))が設定されている。
後半パートのバトル演出としては、図50に示すように、11ゲーム目〜16ゲーム目にて、味方キャラクタが攻撃する味方攻撃演出(図53(a))、及び敵キャラクタが攻撃する敵攻撃演出(図53(b))のいずれかの攻撃演出が合計3回繰り返され、17ゲーム目にて双方が攻撃し合う双方攻撃演出が行われる。そして、継続条件が成立している場合には、セットの最終ゲームである18ゲーム目にて味方キャラクタが勝利する味方勝利演出(図53(c))が行われて次のセットに移行し、継続条件が成立していない場合には、当該18ゲーム目にて味方キャラクタが敗北する味方敗北演出(図53(d))が行われてATモードが終了する。
このように、本実施形態では、対峙演出を経てからバトル演出が行われ、そのバトル演出にて継続条件の成否が報知される、といった1セットの演出が設定されており、当該バトル演出の内容や結果への注目度が好適に高められている。
既に説明した通り、本実施形態におけるセット管理型のATモードでは、1セットの開始に際して継続抽選が行われて継続条件の成否が決定されるほか、仮に当該継続抽選に非当選であってもセットの途中で特定役当選に基づく上乗せ抽選に当選した場合には、継続条件が成立し、次セットへ移行する構成としている。
ここで、上記のように特定役当選に基づいて継続条件が成立し得る構成とすることで、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められるものの、特定役の当選確率やセットのゲーム数によっては、上記のような上乗せ抽選に当選することで継続条件が成立する事象が発生しにくくなり、遊技者としてはそのような事象へ期待を寄せなくなる可能性がある。そうすると、せっかく上乗せ抽選を用いてゲームの抽選結果に対する注目度を向上させようとしても、その効果を期待できない可能性も生じ得る。
特に、ATモードにおける1ゲーム当たりのメダル増加数(純増枚数)を多くすることで、ATモードの遊技性や遊技進行の好適化を図ろうとする場合、ATモードの1セット当たりのゲーム数は少なくなり易く、上記のように特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。しかも、有利区間に上限ゲーム数が定められていることから、ATモード以外の通常モードやCZモードのゲーム数を多くしたり、ATモードにて上限増加数(2400枚)のメダル増加を期待できるようにしたりすると、おのずとATモードのゲーム数を少なくして上記の純増枚数を多くする構成となり易く、特定役を契機として継続条件が成立する事象は生じにくくなる。
そこで、本実施形態では、セットの継続抽選に当選している場合、その継続抽選に当選していることの報知(上記の味方勝利演出)よりも前のゲームにて、当該ゲームの抽選結果が特定役ではなくても、あたかも上乗せ抽選に当選したかのように報知する構成としている。
そして、上記のように継続抽選の結果を各ゲームの抽選結果に基づいて報知する構成とすることで、各セットの更新時の継続抽選にて継続条件の成否が決定しているのではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて各セットの継続条件の成否が決定している印象を与えることが可能となる。
以下、上記のようなATモード中の各セットの演出を行うための処理構成について説明する。
図47に示すように、AT演出設定処理では、ステップS2001にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2002にて、今回の開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定する。既に説明した通り、継続コマンドは、1セットの開始に際して(セットの1ゲーム目の開始時に)継続抽選に当選している場合に出力される(図31)他、当該継続抽選に非当選であったセットにおいて上乗せ抽選に当選した場合に出力される(図32)コマンドである。
ステップS2002にて継続コマンドを受信している場合、ステップS2003にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。かかる処理によって、CPU181は今回のセットの継続条件が成立していることを把握可能となる。
ステップS2002にて否定判定した場合、又はステップS2003の処理を実行した後は、ステップS2004に進む。ステップS2004では、サブ側ATカウンタが7よりも大きいか否かを判定することで、セットの1ゲーム目〜10ゲーム目であるか否かを判定する。セットの1ゲーム目〜10ゲーム目である場合には、ステップS2005〜ステップS2008にて前半パートである対峙演出を行うための処理を実行し、11ゲーム目〜18ゲーム目である場合には、ステップS2009〜ステップS2013にて後半パートであるバトル演出を行うための処理を実行する。
対峙演出を行うための処理としては、ステップS2005にて各種テーブル記憶エリア182aから対峙演出テーブルを取得する処理を実行する。対峙演出テーブルは、図49に示すように、サブ側ATカウンタの値とに応じて、各ゲームにて実行すべき対峙演出の詳細な演出内容(VS表示演出、味方キャラクタアップ演出、敵キャラクタアップ演出、にらみ合い演出)が記憶されている。
ここで、対峙演出としては、通常演出と特定演出とが設定されており、今回のセットの継続条件が成立している場合には、特定演出としての対峙演出が発生し得る構成としている。特定演出は、補助表示部65における一部の演出内容が通常演出と異なる演出として設定されている。
例えば、VS表示演出においては、通常演出では味方キャラクタと敵キャラクタとの間に表示される「VS」との文字が白文字で表示されるのに対して、特定演出では当該「VS」との文字が赤文字で表示されるように設定されている。味方キャラクタアップ演出においては、通常演出では味方キャラクタの纏うオーラが白色であるのに対して、特定演出では当該オーラが虹色にて表示されるように設定されている。敵キャラクタアップ演出においては、通常演出では三日月が表示されるのに対して、特定演出では満月が表示されるように設定されている。にらみ合い演出においては、特定演出では女の子のキャラクタが味方キャラクタを応援する様子が表示されるのに対して、通常演出では当該女の子のキャラクタは登場しないように設定されている。
ステップS2005にて対峙演出テーブルを取得した後は、ステップS2006にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS2007にて特定演出設定処理を実行する。特定演出設定処理は、上記のとおり通常演出と特定演出とが設定されている対峙演出において、特定演出を実行するか否かを設定するための処理である。
<特定演出設定処理>
特定演出設定処理では、図48のフローチャートに示すように、ステップS2101にて各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、今回のセットにおいて特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグであり、特定演出を発生させた場合にセットされるフラグである。発生済みフラグがセットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。すなわち、本実施形態においては、特定演出は、1セットのうち1回だけ発生し得るものとして設定されている。
発生済みフラグがセットされていない場合、ステップS2102にて今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行し、ステップS2103にて、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップS2104にて各種テーブル記憶エリア182aから特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップS2105にて特定演出抽選処理を実行する。
特定演出テーブルは、図51に示すように、各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて、特定演出の発生率が設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいて、チャンス目Aであるゲームでは3.1%の確率で特定演出が発生するのに対して、チャンス目Bであるゲームでは20.0%の確率で特定演出が発生し、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。しかも、本実施形態では、これらチャンス目Aやチャンス目Bのような所謂レア役としての特定役だけではなく、通常役である通常リプAや通常リプB、通常リプC、押し順ベルであっても特定演出が発生し得るように設定されている。また、いずれの結果にも当選しない外れ結果であっても特定演出が発生し得るように設定されている。
この場合、例えば、各ゲームの抽選結果として押し順ベルには約65%の確率で当選し、継続率10%のATモードでは、当該押し順ベルを契機として約3.8%の確率で特定演出が発生することから、各ゲームで押し順ベルを契機として特定演出が発生する確率は約2.5%である。これに対して、例えば、出現すれば必ず特定演出が発生するチェリーCにおいては、各ゲームの抽選結果として約0.008%の確率で当選することから、各ゲームでチェリーCを契機として特定演出が発生する確率も約0.008%であり、押し順ベルを契機とする発生率よりも低い。
このように本実施形態では、通常リプA〜通常リプC、押し順ベルに外れ結果を含めた通常役を契機として特定演出が発生する確率の方が、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC、共通ベル及びスイカといった特定役を契機として特定演出が発生する確率よりも高くなるように設定されている。そして、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機として約5.5%(約18.2分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約0.8%(約122分の1)の確率で特定演出が発生し、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機として約13.3%(約7.52分の1)の確率で特定演出が発生するのに対して、特定役を契機として約1.0%(約105分の1)の確率で特定演出が発生する。
つまり、特定役を契機として実行される特定演出抽選の当選確率の方が、通常役を契機とする特定演出抽選の当選確率よりも高く設定されているものの、通常役は各ゲームで約96.4%の確率(約1.04分の1)の確率で出現(当選)し、特定役は各ゲームで約3.56%の確率(約28.1分の1)の確率で出現(当選)するように設定されていることから、通常役を契機とする特定演出の発生確率の方が、特定役を契機とする特定演出の発生確率よりも高くなり、ゲームの抽選結果が通常役であっても特定演出の発生に期待できるように設定されている。
特定演出が発生し得る対峙演出の継続ゲーム数(10)との関係では、継続率10%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約18.2)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きいものの、継続率90%のATモードにおいては、通常役を契機とする特定役の発生確率の分母(約7.52)は対峙演出の継続ゲーム数よりも小さくなるように設定されている。これに対して、継続率10%のATモードにおいて、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約122)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きく、継続率90%のATモードにおいても、特定役を契機とする特定演出の発生確率の分母(約105)は対峙演出の継続ゲーム数よりも大きくなるように設定されている。そのため、継続条件が成立している状況下においては、継続率が90%のATモードであれば(60%であっても、10%ではなければ)、通常役を契機とする特定演出が、平均して少なくとも1回は発生し得るような確率となり、これに対して、特定役を契機とする特定演出はATモードの継続率に関わらず、1回も発生しない場合の方が高くなる。
このようにすることで、特定役を契機とした上乗せ当選を願いながらも、通常役であっても上乗せ当選に期待させることが可能となり、少ないゲーム数のATモードであっても、各ゲームで上乗せ当選に期待させる遊技性を実現できる。
しかも、本実施形態では、ATモードの継続率によって特定演出の発生確率が異なっており、基本的には、ゲームの抽選結果が同じであっても、継続率が高いほど特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、押し順ベルを契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約3.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約12.5%の確率で発生するように設定されており、また、外れ結果を契機とする特定演出は、継続率10%のATモードでは約13.8%の確率で発生するのに対して、継続率90%のATモードでは約23.5%の確率で発生するように設定されている。そのため、1ゲーム当たりの特定演出の発生率は、継続率10%であれば約6.3%であるのに対して、継続率90%であれば約14.2%であり、高い継続率のATモードほど、早期に特定演出が発生し易くなっている。そして、10ゲーム間の対峙演出において、特定演出が発生する確率は、継続率10%のATモードであれば約48.0%であり、継続率90%のATモードであれば約78.5%であり、特定演出の発生確率を通じて、ATモードの継続率を予測させることが可能である。
ステップS2105にて特定演出抽選処理を実行した後は、ステップS2106にて当該抽選処理にて当選となったか否かを判定し、非当選と判定した場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。この場合、今回の対峙演出では通常演出が実行されることになる(後述のステップS2008)。ステップS2106にて特定演出抽選に当選したと判定した場合、ステップS2107にてサブ側ATカウンタの値に応じた特定演出を把握する処理を実行する。具体的には、例えば、サブ側ATカウンタが1であれば、今回の特定演出として「VS」の文字表示を赤文字にて表示する特定演出を把握し、サブ側ATカウンタが2〜4であれば、今回の特定演出として味方キャラクタの纏うオーラの色を虹色にて表示する特定演出を把握する。そして、ステップS2108にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップS2006にて否定判定した場合、又はステップS2007にて特定演出設定処理を実行した後は、ステップS2008にて今回のゲームにて補助表示部65やスピーカ64にて行う対峙演出を設定する処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。この場合、上記ステップS2107にて特定演出が把握されている場合には、当該特定演出が発生する対峙演出が行われるように設定し、ステップS2107の処理が行われていなければ(ステップS2006又はステップS2106にて否定判定した場合には)、通常演出が発生する対峙演出が行われるように設定する。
このようにすることで、継続条件が成立しており、主制御装置101側に継続フラグがセットされている状況においては、ATモードの各セットの前半パートの対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。そして、その特定演出の発生は、通常役を契機とする割合の方が特定役を契機とする割合よりも大きくなり、更に、継続率の高いATモードほど、早期に特定演出が発生し易いことから、遊技者としては、セットの前半パートにおいて特定演出が発生することを願いながら遊技を進行するようになり、当該前半パートの遊技性を格段に向上させることが可能となる。
AT演出設定処理においてステップS2004にてサブ側ATカウンタが7以下であり、後半パートである場合、バトル演出を行うための処理を実行する。すなわち、ステップS2009では、サブ側ATカウンタが7であり、1セットの11ゲーム目であってバトル演出の1ゲーム目であるか否かを判定する。サブ側ATカウンタが7である場合、ステップS2010にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS2011にて各種テーブル記憶エリア182aから継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルは、図50に示すように、セットの最終ゲームにて味方勝利演出が発生して継続条件が成立していることの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目〜16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PA1〜PA8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1)については、10%継続のATモードが最も選択され易く、90%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA5)は、90%継続のATモードが最も選択され易く、10%継続のATモードが最も選択されにくくなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→敵攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA7)は、10%継続のATモード及び90%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA8)は、10%継続のATモード及び60%継続のATモードでは選択されない一方、90%継続のATモードでは選択され得る、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップS2011では、これら継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
ステップS2010にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2012にて各種テーブル記憶エリア182aから非継続用バトル演出テーブルを取得し、当該取得した演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を抽選等により選択する処理を実行する。
非継続用バトル演出テーブルは、図50に示すように、セットの最終ゲームにて味方敗北演出が発生して継続条件が成立していないことの報知が行われるものであって、セットの11ゲーム目〜16ゲーム目に味方攻撃演出及び敵攻撃演出の組み合わせが異なる複数の演出テーブル(PB1〜PB8)が設定されている。いずれの演出テーブルが選択されるかについては、ATモードの継続率によって異なっており、例えば、敵攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB1)については、60%継続のATモードや90%継続のATモードの方が、10%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されており、また、敵攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB4)は、10%継続のATモードの方が、60%継続のATモードや90%継続のATモードよりも選択され易くなるように設定されている。そして、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB6)は、90%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや60%継続のATモードでは選択されず、敵攻撃演出→味方攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PB7)は、60%継続のATモードでは選択され得る一方、10%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されず、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PB8)は、10%継続のATモードでは選択され得る一方、60%継続のATモードや90%継続のATモードでは選択されない、といったように、選択される演出テーブル(各攻撃演出の組み合わせと順序)によってATモードの継続率を予測又は把握することが可能となっている。ステップS2012では、これら非継続用バトル演出テーブルから一の演出テーブルを選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を、アドレス情報記憶エリア183cに記憶する処理を実行する。
継続用バトル演出テーブルと非継続用バトル演出テーブルとを比較すると、例えば、味方攻撃演出→敵攻撃演出→味方攻撃演出の順で行われる演出テーブル(PA3,PB6)において味方勝利演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであることが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には90%継続のATモードであったことが確定し、また、味方攻撃演出が3回連続で発生する演出テーブル(PA1,PB8)において味方勝利演出でバトル演出が発生した場合には10%継続のATモードが示唆される一方、味方敗北演出でバトル演出が終了した場合には10%継続のATモードであったことが確定する、といったように各攻撃演出の組み合わせや順番だけでなく、その後の味方勝利演出及び味方敗北演出の組み合わせによっても継続率を予測・把握することが可能となっている。
セット11ゲーム目において、ステップS2011やステップS2012の処理にて今回のバトル演出の演出テーブルの選択が行われ、選択した演出テーブルのアドレス情報の記憶処理を行った後は、ステップS2013にて、今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップS2009にてサブ側ATカウンタが7ではなく、セットの12ゲーム目以降である場合、ステップS2014に進む。ステップS2014では、サブ側継続フラグがセットされており、且つ設定されているバトル演出のアドレス情報が味方敗北演出に対応するアドレス場情報(PB1〜PB8)であるか否かを判定する。ステップS2014にて肯定判定する場合とは、11ゲーム目でバトル演出の設定を行うまでは継続条件が成立していなかったものの、それ以降で継続条件が成立したことを意味する。この場合、ステップS2015にて継続用バトル演出テーブルから今回のセットにて行うバトル演出を再選択し、その再選択した演出テーブルのアドレス情報をアドレス情報記憶エリア183cに記憶させる(上書きする)処理を実行する。
この場合、これまでのゲームにて実行されていた味方攻撃演出や敵攻撃演出にかかわらず、ATモードの継続率に応じて継続用バトル演出テーブルから上書き用のバトル演出テーブルを選択する。このようにすることで、途中で継続条件が成立した場合には、バトル演出における味方攻撃演出と敵攻撃演出との組み合わせと継続率との関係が、最初から継続条件が成立している場合と異なるようになり、演出の多様化が図られるし、継続率を予測する遊技の困難性を向上させて遊技の興趣向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、味方攻撃演出や敵攻撃演出は2ゲームをセットとして演出が設定されているため、例えば、味方攻撃演出(敵攻撃演出)の2ゲーム目で上記の継続条件が成立して、上書き用のバトル演出テーブルにおいては今回のゲーム(2ゲーム目)では上書き前の攻撃演出と異なる敵攻撃演出(味方攻撃演出)を行うように設定されている場合、今回のゲームでは上書き前の演出テーブルに従って演出を行うようにしてもよいし、今回のゲームでは上書き後の演出テーブルに従って演出を行うようにしたうえで、味方(敵)が攻撃を仕掛けたのにも関わらず敵攻撃演出(味方攻撃演出)に切り替わるカウンター演出を行うように設定してもよい。
ステップS2014にて否定判定した場合、又はステップS2015の処理を実行した後は、ステップS2013に進み、サブ側ATカウンタの値に応じて今回のゲームのバトル演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
<ATモード中の演出の流れ>
次に、ATモード中の各セットにおける演出の流れについて、図54及び図55のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図54に示すように、ATモードがta1のゲームにて開始された場合、ta5まで継続する1セット目において、ta1からta3(正確にはta3にて開始されるゲームの直前のゲーム)までが対峙演出が実行される前半パートであり、ta3からta5(正確にはta5にて開始されるゲームの直前のゲーム)までがバトル演出が実行される後半パートとなる。
また、ta1のゲームの開始時に継続判定処理(図31)における継続抽選処理(ステップS904)が実施される。例えば、ta1の継続抽選で継続当選であった場合、継続フラグがセットされる。この継続フラグは、今回のセットの次のセット継続判定の直前、すなわち、ta5にて開始されるゲームの直前のゲームにおける入賞結果対応処理のATモード用処理にてクリアされる(図ではta5にてクリアされるように示している)。
継続フラグがセットされている場合、ta1からta3の前半パートでは、対峙演出にて特定演出が発生し得るようになる。例えば、ゲームの抽選結果が通常役であるta2にて特定演出抽選に当選して特定演出が発生したとする。この場合、当該ta2の特定演出の発生に伴い発生済みフラグがセットされ、当該セットにおいては特定演出は発生しないようになる。
ta3からta5の後半パートにおいては、バトル演出が実行され、当該バトル演出の最終ゲームにて味方勝利演出が実行されて継続条件が成立していたことの報知(継続報知)が実行される(ta4)。この場合、当該継続報知によって、次のセットへ移行することを遊技者は把握可能となる。但し、ta3の特定演出によって継続条件が成立していることを把握している遊技者としては、ta3から開始されるバトル演出を、その結果(勝利演出となるか敗北演出となるかの結果)を知りながら優越感に浸りながら楽しむことが可能となる。そのため、その優越感を楽しむためや、継続条件が成立していることを早期に知って安心したいため、当該特定演出が行われることを見逃さないようにするようになり、対峙演出への注目度が好適に高められる。
ta5にて次のセットが開始された場合、当該ta5にて継続抽選処理が実施され、当該ta5では継続非当選であったとする。この場合、継続フラグはセットされない。例えば、前半パート中であるta6のゲームにて特定役を契機として上乗せ当選したとすると、このta6のゲームにて継続フラグがセットされることとなる。
ここで、本実施形態における特定演出抽選では、上乗せ抽選に当選したゲームか否かに関わらずゲームの抽選結果に応じて実行されるように設定されており、上乗せ当選となったゲームにて特定演出が発生しない場合がある。そのため、例えば、上記の上乗せ当選となったta6にて継続フラグ(及びサブ側継続フラグ)がセットされて、継続条件が成立した場合に特定演出が発生しなくても、その後のta7の通常役を契機として特定演出が発生する場合がある。なお、図においては、上乗せ当選となったta6のゲームとは異なるta7のゲームにて特定演出が発生する例を示しているが、当然、上乗せ当選となったta6のゲームにて特定演出が発生する場合もある。
ta8からta10のバトル演出においては、上記のように継続フラグがセットされていることから、ta10の直前のta9にて味方勝利演出としての継続報知が実行される演出パターンにて当該バトル演出が行われる。
ta10にて次のセットが開始された場合、同様に、当該ta10にて継続抽選処理が実施され、当該ta10では継続非当選であったとすると、継続フラグはセットされない。そして、当該ta10にて開始されたセットが終了するta13まで上乗せ当選しなかった場合には、ta10からta11の前半パートでは特定演出は発生しないし、ta11からta13のバトル演出においても、当該ta13の直前のta12にて味方敗北演出が実行される演出パターンにて当該バトル演出が行われる。そして、当該ta13にてATモードが終了する。
ここで、本実施形態では、各セットの後半パートでは、特定演出は発生せず、当該後半パートのバトル演出だけを見ると、最終ゲームにて味方勝利演出又は味方敗北演出が実行されるまで継続条件が成立しているか否かを判別することができないように設定されている。言い換えるならば、継続条件が成立していることを報知する継続報知としての味方勝利演出が行われるよりも前に、当該継続条件が成立していることに対応する特定演出が発生し得る構成において、当該特定演出が発生し得る状況(前半パート)と、継続報知が発生し得る最終ゲームとの間に、特定演出が発生し得ない状況(後半パート)が介在する構成としている。このようにすることで、特定演出が発生し得る状況が限定的なものとなることを通じて特定演出の希少性が高められ、当該特定演出へ強い関心を寄せさせることが可能としながらも、特定演出が発生して欲しいと願うあまり、後半パートのバトル演出自体への注目度が低下してしまうことを回避することが可能となる。
既に説明した通り、特定演出は、ATモードの継続率に応じてその発生確率が異なっており、高い継続率のATモードほど発生し易い。図55(a)は、10%継続のATモードを示しており、図55(b)は、90%継続のATモードを示している。
例えば、tb1にて開始される10%継続のATモードにおいて、tb6までの1セット目では継続条件が成立しており、tb6からtb10の2セット目では継続条件が成立せず、当該2セット目でATモードが終了する場合、tb6の直前のtb5にて継続報知としての味方勝利演出が実行され、tb10の直前のtb9では味方敗北演出が実行される。
また、例えば、tc1にて開始される90%継続のATモードにおいて、tc6までの1セット目、及びtc6からtc10までの2セット目で継続条件が成立しているものとすると、tc6の直前のtc5、及びtc10の直前のtc9にて継続報知としての味方勝利演出が実行される。
既に説明した通り、特定演出は、継続条件が成立しているセットの前半パートにて発生し得る。そのため、10%継続のATモードにおいては、1セット目における前半パートであるtb1からtb4までのゲームにて特定演出は発生し得る一方、2セット目における前半パートであるtb6からtb8までのゲームでは発生しない。これに対して、90%継続のATモードにおいては、1セット目における前半パートであるtc1からtc4までのゲーム、及び2セット目における前半パートであるtc6からtc8までのゲームにて、特定演出が発生し得るようになる。
但し、特定演出が発生した後は、継続条件が成立しているセットの前半パートであっても特定演出は発生しないようになることから、例えば、10%継続のATモードにおいてtb1からtb4までのtb3のゲームにて特定演出が発生した場合、当該tb3からtb4までのゲームでは特定演出は発生しないようになる。また、例えば、90%継続のATモードにおいてtc1からtc4までのtc2のゲームにて特定演出が発生した場合や、tc6からtc8までのtc7のゲームにて特定演出が発生した場合は、当該tc2からtc4やtc7からtc8までのゲームでは特定演出は発生しないようになる。
上記の通り、継続率が高いATモードほど特定演出は発生し易くなることから、10%継続のATモードにて特定演出が発生するtb3のゲームは、90%継続のATモードにて特定演出が発生するtc2のゲームよりも後のゲームとなり易い。このようにすることで、特定演出が発生するまでのゲーム数から、ATモードの継続率を予測する遊技が追加され、ATモードの楽しみ方の多様化を通じて遊技の興趣を向上させることが可能となる。
ここで、上記のように、ATモードの各セットにおいては、遊技者としてはより早期に特定演出が発生することを期待して遊技を進行するものと考えられるところ、このような遊技性においては、特定演出が発生するか否かを楽しむドキドキ感を長く楽しめるほど、当該遊技性の遊技を存分に楽しませることが可能と考えられる。その点、当該特定演出が発生するか否かを楽しむことができる期間は、10%継続のATモードではtb1からtb3の期間であり、90%継続のATモードではtc1からtc2の期間であり、1セット当たりの期間の長さは、10%継続のATモードの方が長くなる。このようにすることで、継続率の低いATモードであっても、上記の特定演出が発生するか否かをより長く楽しませることが可能となり、遊技の興趣を好適に向上させることができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
ATモードのセットの継続条件が成立している状況であって、ATモードのセットを継続させるよりも前に、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立していることに対応する特定演出を実行することの特定演出抽選を行い、当該特定演出抽選に当選した場合に特定演出が行われるようにした。このようにすることで、ATモードの各セットにおいてセットが継続するか否かへの注目が集められるなか、継続することに対応する特定演出が行われることを期待することを通じて、各ゲームの抽選結果への注目度が高められる。
この場合、ATモードの継続率によって特定演出抽選の当選確率が異なり、継続率が高いほど特定演出抽選に当選し易くなるように設定したため、特定演出が発生することは、セットの継続条件が成立していることを示すだけではなく、その発生タイミングによってはATモードの継続率が高いことを示すものであるようになる。よって、特定演出が行われることにより関心を寄せさせることが可能となり、遊技の注目度を好適に高めることができる。
ゲームの抽選結果が特定役である場合の方が外れを含む通常役である場合よりも、特定演出抽選に当選し易くなるように設定されているものの、ゲームの抽選結果が特定役となる確率や、通常役となる確率とを加味すると、特定役を契機として特定演出が行われる割合(特定役の当選確率と特定役時の特定演出抽選の当選確率との積)よりも通常役を契機として特定演出が行われる割合(通常役の当選確率と通常役時の特定演出の当選確率との積)の方が大きくなるように設定していることから、各ゲームの抽選結果が通常役である場合であっても特定演出の発生に期待を寄せさせることが可能となる。
この場合、ATモードの各セットは18ゲームとしており、その中でも特定演出が発生し得るゲーム数は対峙演出が行われる10ゲームである。そして通常役の当選確率の分母は10よりも小さく、特定役の当選確率の分母は10よりも大きくなり得るように設定されている。このような確率だからこそ、各セットで特定役当選となる機会はなかなかなく、それに対して通常役当選となる機会は頻繁にあり得る構成となり、上記のように通常役を契機として特定演出が発生し得るようにすることの意義が高められるし、特定演出を用いてセット継続前の各ゲームの注目度を高める効果をより好適に奏することが可能となる。
特定演出を実行した後は、発生済みフラグをセットして、特定演出は1セットにつき1回限り発生し得る構成としたため、特定演出の希少性が高められるし、当該特定演出を見逃さないようにしようとする遊技者心理を利用して、特定演出への注目度を高めることができる。
対峙演出を行う各ゲームにおいて、特定演出の演出態様が異なるようにしているため、同様の演出態様にて特定演出を行う構成と比較して、特定演出が見逃される可能性が高くなる。このようにすることで、特定演出への注目度が高められるし、更に、その後にバトル演出によって継続条件の成否を報知する構成において、当該バトル演出への注目度も高めることが可能となる。
継続条件が成立していないセットでは、各ゲームの抽選結果に応じてAT上乗せ用処理にて上乗せ抽選に当選することで継続条件を成立させることが可能である。この場合、上乗せ抽選に当選した場合は、対峙演出中であれば特定演出が発生し得る構成としていることから、各ゲームの抽選結果と特定演出の発生とを密接に関連付けることが可能となり、あたかもセット更新時の継続抽選を介さずに、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件の成否判定が行われているかのような印象を与えることも可能となる。
上乗せ抽選においては、特定役では上乗せ当選するものの通常役では上乗せ当選しないように設定されている。このようにすることで、所謂レア役としての特定役に当選したのにも関わらずセットが継続しなかったといった事象を生じにくくすることができ、特定役と継続条件の成否との関係性を担保することができる。
但し、本実施形態では、上乗せ当選によって継続条件が成立した場合であっても、特定演出抽選に当選しなければ特定演出は行われず、上乗せ当選時に特定演出の実行が制限される場合があるようにしていることから、通常役で特定演出が行われる機会を増やすことができ、通常役当選となるゲームへの注目度を好適に高めることが可能となる。
上乗せ抽選の当選確率は、ATモードの継続率に関わらず共通している。このような構成を前提として、特定演出によって各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立するかのような印象を与える構成とすることで、低い継続率が設定されたATモードであっても、実際に遊技者のヒキによってATモードが継続する場合があるようになり、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件が成立している印象を与える効果を高めることができる。
また、バトル演出中においては上乗せ当選によって継続条件が成立しても、特定演出を行わないようにしていることから、複数のゲームに亘って行われるバトル演出の結果が途中で丸わかりになってしまう事象が生じないようになり、バトル演出への注目度を好適に担保することが可能となる。
ATモードのセットにおいて、セットの継続条件が成立していることに対応する特定演出は対峙演出中に実行可能であり、その後、特定演出が実行され得ないバトル演出を経てセットの更新が行われる。このようにすることで、継続条件が成立していることの事前告知としての特定演出と、継続条件の成否を報知するバトル演出とが重複することによる注目度の低下を回避し、それぞれの演出の演出効果を好適に期待することが可能となる。
この場合、AT演出設定処理では、対峙演出中に特定演出を実行したか否かに関わらず、継続条件の成否に基づいて各バトル演出テーブルから今回のバトル演出の演出パターンを決定する構成としている。このようにすることで、例えば、特定演出が行われた場合の演出パターンを予め記憶しておく必要が生じないし、例えば、仮に特定演出が行われたのにもかかわらず特定演出を見逃してしまった場合に、当該特定演出が行われた場合の演出パターンのバトル演出が行われることを通じて、当該見逃してしまったことを後追いで気付かされる、といった不都合を生じさせないようにすることができる。この場合、このような不都合を解消するためには、特定演出が見逃されないようにより派手な態様とする対策が考えられるが、上記構成のように、そもそも特定演出の実行の有無に関わらずバトル演出の演出パターンを決定する構成としていれば、特定演出が見逃され得ることを前提とした態様の演出とすることも可能となり、特定演出への注目度向上を後押しすることができる。
主制御装置101側の継続判定処理では、ATモードのセットの更新に際して継続率のみを参照し、更新時のゲームの抽選結果を参照しない構成としている。このようにすることで、継続抽選がセットの更新時に行われていることを悟られにくくすることができ、その後の各ゲームの抽選結果に応じて継続抽選が行われているかのような印象を与える手助けとすることが可能となる。
<変形例1>
上記第1の実施形態では、上乗せ当選したゲームか否かに関わらず(サブ側継続フラグがセットされたゲームか否かに関わらず)特定演出抽選を経て特定演出を行う構成としていたが、本変形例では、上乗せ当選したゲームにて積極的に特定演出を行う構成について説明する。図56は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS2201にてサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行した後、ステップS2202にて継続コマンドを受信したか否かを判定する。継続コマンドを受信している場合、ステップS2203にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。これらステップS2201〜ステップS2203の処理は、上記ステップS2001〜ステップS2003の処理と同様である。本変形例では、ステップS2203にてサブ側継続フラグをセットした後、ステップS2204にてサブ側ATカウンタが8〜16であるか否かを判定することで、ATモードの1セットの2ゲーム目〜10ゲーム目であるか否かを判定する。2ゲーム目〜10ゲーム目である場合、ステップS2205にて各種フラグ格納エリア183aに特定演出フラグをセットする処理を実行する。特定演出フラグは、上乗せ当選したゲームにて特定演出を発生させるためのフラグである。
ステップS2202若しくはステップS2204にて否定判定した場合、又はステップS2205の処理を実行した後は、ステップS2206〜ステップS2215にて、今回のゲームにおける演出を設定するための処理を実行する。ステップS2206〜ステップS2215の処理は、ステップS2209の特定演出設定処理を除き、上記ステップS2004〜ステップS2013の処理と同様である。
本実施形態における特定演出設定処理では、図57のフローチャートに示すように、ステップS2301にて発生済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、そのまま特定演出設定処理を終了する。発生済みフラグがセットされておらず、今回のセットにて特定演出が未発生である場合、ステップS2302にて、上記の特定演出フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合、ステップS2303〜ステップS2309にて、特定演出を発生させるための処理を実行する。ステップS2303〜ステップS2309の処理は、上記ステップS2102〜ステップS2108の処理と同様である。
ステップS2302にて特定演出フラグがセットされている場合、ステップS2310にて当該特定演出フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS2308に進み、サブ側ATカウンタに応じた特定演出を把握するための処理を実行し、ステップS2309にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定演出設定処理を終了する。この場合、ステップS2210の対峙演出の設定処理において、特定演出に対応する対峙演出の設定が行われる。
このようにすることで、継続抽選に非当選となったセットにおいて、特定役を契機として上乗せ当選した場合、当該ゲームが前半パートであれば当該ゲームにて特定演出が発生するようになる。よって、各ゲームの抽選結果と特定演出の発生率とがより密接に関連付けられるようになり、各セットの更新時に行う継続抽選の結果ではなく、各ゲームの抽選結果に基づいて継続抽選が行われている印象を強めることが可能となるし、その継続抽選の結果が特定演出によって報知されていることの印象も強めることが可能となる。
継続抽選が行われたゲームでは、仮に上乗せ抽選に当選した場合であっても、特定演出フラグはセットされず、特定演出抽選を経ることなく特定演出が発生することがないようにした。つまり、継続抽選に当選した場合にも継続コマンドが出力されるところ、継続抽選が行われるゲームでは、継続コマンドを受信してもサブ側継続フラグをセットするだけで、特定演出フラグをセットしないようにした。このように、セットの継続抽選に当選したことと、上乗せ抽選に当選したことと、を表示制御装置81があえて区別可能なようにしない構成とすることで、コマンドの種類数の膨大化を回避し、比較的簡素な構成にて特定演出を矛盾なく行うことが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、継続条件が成立している状況で、上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる。図58は、本変形例におけるAT上乗せ用処理を示すフローチャートである。
本変形例におけるAT上乗せ用処理では、ステップS2404にて上乗せ非当選であったと判定した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS2404にて否定判定した場合、ステップS2410にて継続フラグがセットされているか否かを判定する。継続フラグがセットされている場合、ステップS2411にて、今回のゲームの抽選結果がいずれかの特定役であったか否かを判定する。ステップS2410にて継続フラグがセットされていない場合や、ステップS2411にて継続フラグがセットされているものの通常役であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。継続フラグがセットされており、且つ特定役を契機とする上乗せ抽選に非当選であった場合、ステップS2412にて、非当選コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。
なお、ステップS2401〜ステップS2409の処理は、上記ステップS1001〜ステップS1009の処理と同様である。
図59は、本変形例における特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS2501にて発生済みフラグがセットされていない場合、ステップS2502にて、今回のゲームの開始時コマンドとして、上記の非当選コマンドを受信しているか否かを判定する。非当選コマンドを受信していない場合、ステップS2503〜ステップS2509にて特定演出を発生させるための処理を実行する。これらステップS2501、ステップS2503〜ステップS2509の処理は、上記2201〜ステップS2108の処理と同様である。
これに対して、ステップS2502にて上記の非当選コマンドを受信しており、セットの前半パートにおいて既に継続条件が成立しているものの、今回のゲームにおいて特定役を契機とする上乗せ抽選に非当選であり、且つ未だ特定演出を発生させていない場合、ステップS2502にて肯定判定し、ステップS2508に進む。そして、ステップS2508にてサブ側ATカウンタに応じた特定演出を把握するための処理を実行し、ステップS2509にて発生済みフラグをセットする処理を実行してから、本特定演出設定処理を終了する。この場合、ステップS2210の対峙演出の設定処理において、特定演出に対応する対峙演出の設定が行われる。
このようにすることで、上乗せ抽選の当選確率を高めすぎることなく特定役当選となったゲームにて特定演出が行われる機会を増やすことができる。よって、特定役当選となったゲームにて特定演出が行われることを通じて、セットの継続抽選がセットの更新時ではなく、各ゲームにて行われている印象を与える後押しとすることができ、各セットにおける各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、セットの前半パートにて特定演出が発生したか否かによって、後半パートにて選択されるバトル演出の演出テーブルが異なり得るようにする。図60は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、サブ側ATカウンタが7であり、後半パートの開始ゲーム(セットの11ゲーム目)の処理が異なっている。すなわち、ステップS2601〜ステップS2608の前半パート用の処理等は、上記ステップS2001〜ステップS2008の処理と同様である。ステップS2604にて否定判定した場合、ステップS2609にてサブ側ATカウンタが7であって、後半パートの開始ゲームであるか否かを判定する。
ステップS2609にて肯定判定した場合、ステップS2610にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合、ステップS2611にて、発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、発生済みフラグは、セットの前半パートにおいて特定演出が発生したことをCPU181が把握するためのフラグである。
発生済みフラグがセットされておらず、継続条件が成立していても特定演出が発生しなかった場合、ステップS2612にて継続用バトル演出テーブルから今回のバトル演出の演出テーブルを選択するとともに、選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS2011の処理と同様であり、今回のATモードの継続率に応じて抽選によって演出テーブルを選択する。
これに対して、ステップS2611にて発生済みフラグがセットされており、継続条件が成立しており、特定演出が発生している場合、ステップS2613にて継続用バトル演出テーブルから予め定められた特定の演出テーブルを、今回のバトル演出の演出テーブルとして選択し、当該選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。本変形例においては、上記特定の演出テーブルとして、アドレス情報PA1の演出テーブルが設定されており、特定演出が発生した後のバトル演出においては、味方攻撃演出が3回連続で発生して味方勝利演出が行われる演出パターンのバトル演出が実行されるようになる。
ステップS2610にてサブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップS2614にて非継続用バトル演出テーブルから、今回のバトル演出の演出テーブルを選択するとともに、選択した演出テーブルのアドレス情報を記憶する処理を実行する。また、ステップS2609にて、サブ側ATカウンタが7ではない場合、ステップS2616にてバトル演出に移行してから事後的に継続条件が成立したか否かを判定し、事後的な継続条件成立であれば、ステップS2617にて演出テーブルの書き換え用の処理を実行する。そして、ステップS2612〜ステップS2614、ステップS2617のいずれかの処理を実行した後、又はステップS2616にて否定判定した場合、ステップS2615にて今回のゲームのバトル演出の設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。ステップS2614〜ステップS2617の処理は、上記ステップS2012〜ステップS2015の処理と同様である。
このようにすることで、特定演出の発生を把握しているのにもかかわらず、味方キャラクタが敗北する可能性が高いバトル演出が行われないようになり、演出の矛盾を生じさせないようにすることができるし、特定演出が発生している場合にまでバトル演出の演出パターンを選択しなくて済むためバトル演出を行ううえでの処理構成を簡素なものとすることが可能となる。
しかも、上記構成のようにすることで、特定演出が発生した場合には、バトル演出の演出パターンからはATモードの継続率の予測を行うことができなくなる。このようにすることで、バトル演出の演出パターンといった他の情報を頼りとすることなく、純粋に、特定演出の発生タイミングや発生率からATモードの継続率を予測させることがか可能となり、特定演出への注目度を好適に高めることができる。
<変形例4>
本変形例では、特定演出が発生した後、ゲームの抽選結果に応じて設定値の示唆演出が発生する。図61は、本変形例における示唆演出設定処理を示すフローチャートである。図による詳細な説明は省略するが、本変形例においては、AT演出設定処理において前半パートの演出設定として、ステップS2008の対峙演出の設定処理を行った後、図61の示唆演出設定処理を実行する。すなわち、示唆演出設定処理は、表示制御装置81のCPU181により、ATモード中の前半パートの演出設定用の処理における一処理として実行される処理である。
示唆演出設定処理では、ステップS2701にて発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま示唆演出設定処理を終了する。すなわち、本変形例では、特定演出が発生していない状況においては、示唆演出は発生しない。発生済みフラグがセットされている場合、ステップS2702に進む。
ステップS2702では、今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップS2703では、設定値を把握する処理を実行する。そして、ステップS2704にて今回のATモードの継続率を把握し、ステップS2705にて各種テーブル記憶エリア182aから示唆演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップS2706にて示唆演出抽選処理を実行する。
本変形例における示唆演出テーブルは、図62に示すように、設定値と、継続率と、ゲームの抽選結果とに応じて、示唆演出の発生確率が異なるように設定されている。具体的には、ゲームの抽選結果が外れ結果である場合に示唆演出が発生し得るように設定されており、他の結果では示唆演出が発生しないように設定されている。また、出玉率が高くなる設定値ほど(高設定ほど)、示唆演出が発生し易くなるように設定されているとともに、継続率が高いATモードほど、示唆演出が発生し易くなるように設定されている。
なお、本変形例における示唆演出は、高設定を示唆する演出であるとともに、高継続率を示唆する演出として設定されているが、設定値の偶奇を示唆する演出を設けたり、所定値以上の設定値であることを示唆する演出を設けたり、発生した場合に設定値が所定値(例えば、設定6)であることが確定する演出を設けたりしてもよい。
ステップS2706にて示唆演出抽選処理を実行した後は、ステップS2707にて示唆演出抽選に当選しているか否かを判定し、当選である場合には、ステップS2708にて示唆演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、示唆演出設定処理を終了する。なお、図による詳細な説明は省略するが、示唆演出としては、例えば、補助表示部65の演出内容を非発生時と異ならせる(例えば、所定のキャラクタを登場させる)態様としてもよいし、スピーカ64からの効果音を非発生時と異ならせる(例えば、特殊な効果音を発生させる)態様としてもよいし、これらの態様を組合せた態様であってもよい。また、ステップS2707にて非当選であると判定した場合には、そのまま示唆演出設定処理を終了する。
このように、特定演出が行われることによって、その後、設定値の示唆演出が行われ得るようにしたことにより、特定演出が行われることが、継続率の高低や継続条件の成否を把握可能とするだけでなく、設定値の示唆演出の開始契機となり、設定値を把握したい遊技者心理を利用して、特定演出が行われることに対する期待感を向上させることができる。
この場合、特定演出が行われた後、ゲームの抽選結果に応じて示唆演出が発生し得るようにしていることから、各ゲームの抽選結果への注目度向上効果を狙った特定演出が行われた後であっても、当該各ゲームの抽選結果への注目度向上効果を持続させることも可能である。
更に、外れ結果に基づいて示唆演出を行うようにしていることから、持ちメダルが減少することの補填とすることができ、外れ結果となることのマイナスイメージを払しょくすることができるし、外れ結果となる確率を比較的高くしてもよいようになることから、外れ結果となりにくくする等して出玉率が高くなり過ぎることを抑制することも可能となる。
<変形例5>
本変形例では、ATモード中の各セットの演出内容を変更する。本変形例では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、次のセットへの継続条件が成立していれば、18ゲーム消化するまでに予め定められた特定演出が発生し、次のセットへの継続条件が成立していなければ、18ゲーム消化するまでに当該特定演出が発生せずに、ATモードが終了する。なお、本変形例における特定演出を、上記第1の実施形態における特定演出と区別すべく、以下の説明では、本変形例における特定演出を第2特定演出とも称する。そして、以下の説明において、特定演出(特定演出抽選や特定演出抽選処理等)と称する場合には、上記第1の実施形態における特定演出だけではなく、当該第2特定演出も含めたものであることを意味し、これは他の実施形態における特定演出(第3特定演出、第4特定演出)も同様である。
具体的には、本変形例では、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域を複数設け、当該複数の変動領域にて停止する数字のキャラクタが所定の組み合わせとなることで第2特定演出が発生する。例えば、図63(a)に示すように、補助表示部65において数字のキャラクタの変動領域として、左から順に左変動領域SP1、中変動領域SP2、右変動領域SP3を設定し、これら変動領域SP1〜SP3に表示させる数字のキャラクタとして、1〜9までの数字のキャラクタを設定する。そして、各ゲームが開始される際に、これら変動領域SP1〜SP3における数字のキャラクタを、例えば、縦方向に変動表示させ、ストップスイッチ42〜44が操作されるたびに、左から順に数字のキャラクタを停止させる。そして、各変動領域SP1〜SP3に全て同じ数字のキャラクタが揃って停止した場合に第2特定演出となり(図64(a))、各変動領域SP1〜SP3に停止する数字のキャラクタが揃っていなければ非第2特定演出となる(図63(a)、図63(b))。
ATモードのセットが開始されると、1ゲーム毎に変動領域SP1〜SP3の変動→停止といった図柄変動演出が行われる。例えば、図63(a)や図63(b)に示すように、非第2特定演出となって変動領域SP1〜SP3に数字のキャラクタが停止した場合には、次のゲームにおいても、再度、図柄変動演出が行われる。そして、図64(a)に示すように、第2特定演出となって変動領域SP1〜SP3に数字のキャラクタが停止した場合には、当該セットの残りの各ゲームでは、図64(b)に示すように、大当たり演出が行われる。なお、本変形例では、大当たり演出として、味方キャラクタが雄たけびを挙げる様子が補助表示部65にアップで表示される演出を設定しているが、例えば、複数のゲームに亘って実行されるムービー演出等を設定してもよいし、演出内容は適宜変更してもよい。
本変形例では、第2特定演出が発生していない状況での1セットの残りゲーム数がわずかとなった特定ゲーム(例えば、残り5ゲームから残り2ゲーム)においては、図柄変動演出の代わりに、待機演出が行われる(図65(a))。本変形例では、待機演出として、味方キャラクタが気合を入れてオーラを纏っている演出を設定している。つまり、当該待機演出が行われる期間においては、図柄変動演出を行わず第2特定演出や非第2特定演出は発生しない。そして、最終ゲームにて、再度、図柄変動演出を実行し、継続条件が成立している場合には、当該最終ゲームにて第2特定演出を発生させ、継続条件が成立していない場合には、図65(b)に示すように、当該最終ゲームにて非第2特定演出を発生させてATモードが終了する。
上記の待機演出は、残りゲーム数がわずかとなった特定ゲームだけではなく、セットの途中でも、所定の発生抽選に当選した場合に発生し得る。この場合、当該発生抽選に当選したゲームから所定数のゲーム(例えば、4ゲーム)に亘って待機演出が発生し、その後、図柄変動演出が実行される。この場合、当該所定数のゲーム後の図柄変動演出では、継続条件が成立していても、第2特定演出の発生抽選に当選していなければ第2特定演出は発生しない。
以下、このような第2特定演出を発生させるための処理構成について説明する。
図66は、本変形例におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップS2801では、サブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。ステップS2802では、サブ側ATカウンタの更新に合わせて、補助表示部65にて表示するセットの残りゲーム数表示の更新処理を行う。具体的には、本変形例では、図63〜図65に示すように、補助表示部65における所定領域(例えば、右上)にて、各セットの残りゲーム数に対応する残りゲーム数画像GPを表示する構成としており、ステップS2802では、当該残りゲーム数画像GPを、サブ側ATカウンタの値に応じて更新する処理を行う。
続くステップS2803では、今回のゲームの開始時コマンドとして、継続コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS2804にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。ステップS2803にて否定判定した場合、又はステップS2804の処理を実行した後は、ステップS2805に進む。
ステップS2805では、発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグがセットされていない場合、ステップS2805に進み、サブ側ATカウンタが1〜4であるか否かを判定することで、セットの14ゲーム目〜17ゲーム目(残り5ゲーム〜残り2ゲーム)であって、上記のセットの残りゲーム数がわずかとなった特定期間であって待機演出を実行すべき状況か否かを判定する。サブ側ATカウンタが5以上(13ゲーム目以前)であったり、サブ側ATカウンタが0(最終ゲーム)である場合、ステップS2806にて各種フラグ格納エリア183aに待機演出フラグがセットされているか否かを判定する。待機演出フラグは、上記の特定期間以外で待機演出を実行すべきゲームであることをCPU181が把握するためのフラグであり、待機演出の発生抽選に当選した場合にセットされるフラグである。待機演出フラグがセットされていない場合には、ステップS2807にて第2特定演出設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。また、サブ側ATカウンタが1〜4である場合や、待機演出フラグがセットされている場合には、ステップS2808にて待機演出設定処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。そして、ステップS2804にて発生済みフラグがセットされていると判定した場合、ステップS2809にて大当たり演出(図64(b))を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。
<第2特定演出設定処理>
第2特定演出設定処理では、図67に示すように、ステップS2901にて今回のゲームの抽選結果を把握する。続くステップS2902では、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップS2903にて、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS2904にてサブ側ATカウンタが0であって、今回のゲームがセットの最終ゲームであるか否かを判定する。
セットの最終ゲームではない場合、ステップS2904に進み、各種フラグ格納エリア183aに発生待機フラグがセットされているか否かを判定する。発生待機フラグは、待機演出を実行中に第2特定演出の発生抽選に当選した場合にセットされるフラグである。発生待機フラグがセットされていない場合には、ステップS2906にて、各種テーブル記憶エリア182aから第2特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップS2907にて第2特定演出抽選処理を実行する。第2特定演出テーブルは、図69に示すように、図51の特定演出テーブルと同様に、各ゲームの抽選結果と、ATモードの継続率とによって第2特定演出抽選の当選確率が定められており、特定役だけでなく、外れ結果を含めて通常役であっても第2特定演出抽選に当選し得るように設定されている。
ステップS2907にて第2特定演出抽選処理を実行した後は、ステップS2908にて当該第2特定演出抽選に当選したか否かを判定する。ステップS2904にて、セットの最終ゲームであると判定した場合、ステップS2908にて第2特定演出抽選に当選していると判定した場合、又は、ステップS2904にて発生待機フラグがセットされていると判定し、その後、ステップS2909にて当該発生待機フラグをクリアした後は、ステップS2910にて第2特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。この場合、図64(a)のように、今回のゲームの図柄変動演出において、各変動領域SP1〜SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第2特定演出が発生する。第2特定演出において停止させる数字のキャラクタの種類は抽選等によってランダムに決定される。但し、例えば、ATセットカウンタの値(残り継続セット数)に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、ATセットカウンタが所定数(例えば2)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、ATセットカウンタが所定数未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。また、例えば、ATモードの継続率に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、ATモードの継続率が所定率(例えば、60%)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、ATセットカウンタが所定率未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。更に、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて選択され易い数字のキャラクタが異なるようにし、例えば、設定値が所定値(例えば設定3)以上であれば奇数の数字のキャラクタが揃って停止し、設定値が所定数未満であれば偶数の数字のキャラクタが揃って停止する構成としてもよい。また、これらを組み合わせてもよい。
その後、ステップS2911にて発生済みフラグをセットしてから、第2特定演出設定処理を終了する。発生済みフラグをセットすることにより、次ゲームのAT演出設定処理では、ステップS2804にて肯定判定することとなり、ステップS2808の大当たり演出の設定用の処理が行われることになる。なお、上記のように設定した第2特定演出がセットの最終ゲームである場合、次のゲームは更新後のセットの1ゲーム目であり、再度図柄変動演出が開始されることとなる。
ステップS2903にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合や、ステップS2908にて第2特定演出抽選に当選していないと判定した場合は、ステップS2912に進む。ステップS2912では、非第2特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。この場合、図63(a)や図63(b)のように、今回のゲームの図柄変動演出において、各変動領域SP1〜SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第2特定演出が発生する。なお、各変動領域SP1〜SP3に停止する数字のキャラクタは抽選等によりランダムに決定される。但し、第2特定演出が発生することの期待感を遊技の終盤まで持続させるべく、左変動領域SP1と中変動領域SP2とに停止する数字のキャラクタを同一のものとするとともに、右変動領域SP3に停止する数字のキャラクタを異なるものとするリーチ外れの態様(図63(a))の方が、全ての変動領域SP1〜SP3に停止する数字のキャラクタが異なるばらけ目の態様(図63(b))よりも選択され易くなるようにするとよい。
続くステップS2913では、サブ側ATカウンタが10よりも大きく、セットの1〜7ゲーム目であるか否かを判定する。7ゲーム目までである場合、ステップS2914にて待機演出発生抽選処理を実行する。待機演出発生抽選処理では、各種テーブル記憶エリア182aから待機演出テーブルを取得し、今回のゲームの抽選結果に応じて、待機演出を発生させるか否かを抽選により決定する。待機演出テーブルは、図69に示すように、ゲームの抽選結果として当選しにくい抽選結果ほど、待機演出抽選に当選し易いように設定されており、より具体的には、特定役では当選し得るものの、通常役では当選しないように設定されているともいえる。
ステップS2915にて待機演出抽選に当選したか否かを判定する。当選している場合には、ステップS2916にて、各種カウンタエリア183bに設けられた待機演出カウンタに4を入力する処理を実行し、ステップS2917にて待機演出フラグをセットする処理を実行してから、第2特定演出設定処理を終了する。なお、ステップS2916にて入力する値は、待機演出が行われるゲーム数に相当し、ステップS2913では、仮に待機演出抽選に当選した場合において、待機演出を実行するだけのゲーム数が残っているか否か判定している。
そして、ステップS2917にて待機演出フラグがセットされることにより、次のゲームのAT演出設定処理では、ステップS2806にて肯定判定することとなり、ステップS2808の待機演出設定処理が行われるようになる。ステップS2913にて8ゲーム目以降である場合や、ステップS2915にて待機演出抽選に非当選であった場合、そのまま第2特定演出設定処理を終了する。
<待機演出設定処理>
次に、ステップS2808の待機演出設定処理について、図68のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3001では、今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップS3002では、今回のATモードの継続率を把握する処理を実行する。そして、ステップS3003にて、待機演出カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、0よりも大きい場合、すなわち、今回のゲームにて設定する待機演出が、待機演出抽選に当選したことを契機とする待機演出である場合、ステップS3004にて待機演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS3005にて待機演出カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS3006にて待機演出フラグをクリアする処理を実行する。
ステップS3005にて否定判定した場合、又はステップS3006の処理を実行した後は、ステップS3007にて、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3008にて、上記の発生待機フラグがセットされているか否かを判定する。発生待機フラグがセットされていない場合、ステップS3009にて、第2特定演出テーブルを取得する処理を実行し、ステップS3010にて、第2特定演出抽選処理を実行する。ステップS3009及びステップS3010の処理は、上記ステップS2906及びステップS2907の処理と同様である。
ステップS3010の処理を実行した後は、ステップS3011にて、第2特定演出抽選に当選したか否かを判定し、当選している場合には、ステップS3012にて発生待機フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、上記ステップS2905にて肯定判定することとなり、ATモードのセット最終ゲームや、待機演出抽選に当選したことに基づく待機演出の実行後1ゲーム目にて第2特定演出が発生するようになる。
ステップS3003に待機演出カウンタが0であって、今回のゲームにて設定する待機演出がセットの残りゲーム数がわずかとなったことを契機とする待機演出である場合や、ステップS3007にてサブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップS3008にて発生待機フラグがセットされている場合、ステップS3011にて第2特定演出抽選に非当選であると判定した場合、及びステップS3012の処理を実行した場合のいずれかの後は、ステップS3013にて待機演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、待機演出設定処理を終了する。
すなわち、セットの残り5ゲーム〜残り2ゲームまでの4ゲーム間や、待機演出発生抽選に当選した後の4ゲーム間は、第2特定演出抽選処理の結果に関わらず、図柄変動演出ではなく待機演出が行われる。この場合、セットの最終ゲーム(残り1ゲーム)で行われる図柄変動演出は、今回のセットの継続条件が成立していれば第2特定演出となり、継続条件が成立していなければ非第2特定演出となる。これに対して、待機演出発生抽選に当選したことを契機とする待機演出後の1ゲーム目にて行われる図柄変動演出は、待機演出を実行していた4ゲーム分を含む、合計ゲーム分の第2特定演出抽選の結果によって第2特定演出が発生し得るものであり、それ以外のゲームにおける第2特定演出の発生率よりも圧倒的に高い確率となる(図69参照)。
以上のように、各ゲームで図柄変動演出にて特定演出(第2特定演出)を行う構成としたことにより、今回のゲームで第2特定演出が発生したか否かがより明確に報知される態様となり、各ゲームの抽選結果に応じて継続条件の成立判定が行われているかのような印象をより遊技者に与え易くなる。よって、各ゲームの注目度を好適に高めることができる。
この場合、図柄変動演出が行われない待機演出が発生し得るようにし、待機演出が行われたゲームにおいても第2特定演出抽選を行い、当該第2特定演出抽選に当選している場合には、待機演出後の1ゲーム目で第2特定演出を行うようにしていることから、当該待機演出後の1ゲーム目での図柄変動演出への注目度が劇的に高められている。しかも、各セットの残りゲーム数がわずかとなった場合にも当該待機演出を実行し、セットの最終ゲームが待機演出後の1ゲーム目となるようにしていることから、上記の途中で発生し得る待機演出との関係で、当該セットの最終ゲームへの注目度を高めることに成功している。
つまり、待機演出が行われるゲームは、第2特定演出の実行が制限されるゲームであり、このような第2特定演出の実行が制限されるゲームにおいても第2特定演出抽選自体は行うようにすることで、セットの最終ゲームに限られず、第2特定演出が発生することの期待度を図柄変動演出が行われる各ゲームに応じて異ならせることが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、所定数としての18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードにおいて、当該18ゲームよりも少ない数である10ゲームを演出上の1セットとし、当該演出上の1セット中に特定演出が発生した場合には、その時点で、新たな演出上のセットに移行させる構成とする。なお、本実施形態における特定演出を、上記第1の実施形態における特定演出(第2特定演出)と区別するために、本実施形態における特定演出を第3特定演出とも称する。また、10ゲームに設定されている演出上のセットを、18ゲームに設定されているATモードのセットと区別すべく、ATモードのセットをATセット、演出上のセットを疑似セットとも称する。
具体的には、図70(a)に示すように、本実施形態では、ATモードが開始されると、最初のATセットにおいて8ゲームに亘ってオープニング演出が行われる。オープニング演出は、例えば、図71(a)に示すように、ATモードが開始されたことを祝福する内容の演出を行うとともに、疑似セットが開始されるまでのゲーム数を補助表示部65にて表示する(OPゲーム数画像OG)。
オープニング演出を行う8ゲームが終了すると、疑似セットが開始される。疑似セットにおいては、図70(a)に示すように、上記第1の実施形態における図柄変動演出を用いて、各変動領域SP1〜SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第3特定演出及び各変動領域SP1〜SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第3特定演出のいずれかが発生する演出を行う。
図70(b1)に示すように、疑似セットによる演出を行う場合、上記第1の実施形態における残りゲーム数画像GPを、当該疑似セットの残りゲーム数に対応させて表示する。例えば、図70(b1)における残りゲーム数画像GPは、疑似セットにおける1ゲーム目(残り10ゲーム)を示しており、ゲームの開始に際して当該残りゲーム数画像GPの表示が更新される。
疑似セットにおける演出では、図70(b2)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまでに第3特定演出が発生する場合と、図70(b5)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまで第3特定演出が発生せず、非第3特定演出が繰り返し実行される場合とがある。
第3特定演出が発生すると、図70(b3)に示すように、次の疑似セットへ移行することを示す更新演出が発生する。この場合、図70(b4)に示すように、更新演出が発生した後は、次の疑似セットにおける残りゲーム数は10が再設定され、残りゲーム数画像GPも10が表示される。また、疑似セットのセット数を示すセット数画像CPも、次の疑似セットのセット数に対応する値に更新されて表示される(図では、2から3に更新されている)。このように、疑似セット中の最終ゲームまでに第3特定演出が発生すると、当該疑似セットの残りゲーム数に関わらず、新たに疑似セットの残りゲーム数が再設定され、それが、第3特定演出が発生する限り繰り返されることになる。
この場合、上記の次の疑似セットへ移行することを示す更新演出は、疑似セットの継続条件が成立していることを報知するための継続報知ともいえる。但し、上記第1の実施形態における継続報知は、主制御装置101側で管理するセットの継続条件が成立していることを報知するためものである一方、本実施形態における継続報知は、表示制御装置81側で管理する疑似セットの継続条件が成立していることを報知するためのものであり、その点では、本実施形態における継続報知は疑似継続報知とも称することが可能である。
疑似セットの最終ゲームまでに第3特定演出が発生しなかった場合、図70(b6)に示すように、疑似セットの更新が行われないことを示す非更新演出が発生する。当該非更新演出が発生した後は、図70(a)に示すように、7ゲーム間に亘ってエンディング演出が実行され、当該エンディング演出の終了後は、ATモードが終了する。
エンディング演出としては、例えば、図71(b)に示すように、補助表示部65にて目を閉じた味方キャラクタの顔がアップに表示される演出が設定されている。エンディング演出においても、当該エンディング演出の残りゲーム数に対応させてEDゲーム数画像EGが表示され、ゲームの消化とともに、当該EDゲーム数画像EGの表示の更新が行われる。
エンディング演出の残りゲーム数が0となるよりも前に、上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立すると、図71(c)に示すように、補助表示部65にて味方キャラクタが目を見開いた様子が表示される復活演出を経て、疑似セットによる演出が再開される。
以下、本実施形態における各演出を行うための処理構成について説明する。
<前兆モード用処理>
まず、本実施形態における主制御装置101側の処理の変更点を説明する。本実施形態では、入賞結果対応処理における前兆モード用処理の処理構成が、上記第1の実施形態と異なっている。
図72に示すように、本実施形態においては、ステップS3102にて前兆カウンタが0となり、ステップS3104にて今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことを契機とする前兆モードであったと判定した場合のATモードを開始するための処理が一部異なっている。すなわち、ステップS3109にてATモード当選フラグをクリアし、ステップS3110にてATモードフラグをセットし、ステップS3111にて今回のATモードの継続率を設定した後、ステップS3112にてATモードの1セット目のゲーム数を18として設定する。そして、本実施形態では、ステップS3113にて、ATセットカウンタに1を加算する処理を実行してから、ステップS3114にてAT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。なお、ステップS3101〜ステップS3112、ステップS3114の各処理は、上記ステップS1201〜ステップS1213の処理と同様である。
すなわち、本実施形態では、18ゲームを1セットするセット管理型のATモードにおいて、最初の1セット目は必ず継続条件が成立するように設定する。
その一方で、本実施形態においても、主制御装置101側では18ゲーム毎でATセットの更新用の処理(継続判定処理)を実行し、ATセットの継続条件が成立していれば、当該ATセットの18ゲームを消化してから新たなATセットへ移行させるための処理を行うとともに、ATセットの継続条件が成立していなければ当該ATセットの18ゲームを消化してからATモードを終了させる処理を行う(ATモード用処理)。
<AT演出設定処理>
次に、本実施形態における表示制御装置81側のAT演出設定処理の変更点を、図73のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3201ではサブ側ATカウンタを1減算する処理を実行する。なお、サブ側ATカウンタは、上記第1の実施形態と同様に、主制御装置101側のATゲームカウンタに相当するものであり、主制御装置101側の各セットの残りゲーム数に対応している。続くステップS3202では、今回のゲームの開始時コマンドとして継続コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS3203にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。
ステップS3202にて否定判定した場合、又はステップS3203の処理を実行した後は、ステップS3204に進む。ステップS3204では、サブ側セットカウンタが1であるか否かを判定する。なお、サブ側セットカウンタは、上記第1の実施形態と同様に、主制御装置101側で設定されるATモードのセット数に対応するものであり、ステップS3204では、ATセットの1セット目であるか否かを判定している。
1セット目である場合、ステップS3205に進み、サブ側ATカウンタが10〜17であって、ATモードの1セット目の1ゲーム目〜8ゲーム目であるか否かを判定する。ATモードの1セット目の1ゲーム目〜8ゲーム目である場合、ステップS3206〜ステップS3208にてオープニング演出を行うための処理を実行し、ATモードの1セット目の9ゲーム目以降である場合、ステップS3209にて第3特定演出を行うための処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。
すなわち、1セット目の1ゲーム目〜8ゲーム目である場合、ステップS3206にてサブ側ATカウンタが10であって、8ゲーム目であるか否かを判定する。8ゲーム目である場合、ステップS3207にて各種カウンタエリア183bに設けられている疑似ATカウンタに10をセットする処理を実行する。疑似ATカウンタは、上記の疑似セットの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップS3206にて、今回開始するゲームがATモードの1セット目の8ゲーム目である場合とは、次のゲームから疑似セットが開始されることを意味し、ステップS3207の処理は、次のゲームから開始される疑似セットのゲーム数を事前に設定するための処理である。
ステップS3206にて否定判定した場合、又はステップS3207の処理を実行した後は、ステップS3208にてオープニング演出(図71(a))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。なお、オープニング演出を行うための処理に際して、サブ側ATカウンタに基づいて疑似セット開始までのゲーム数の表示(OPゲーム数画像OG)を更新するための処理も行う。
ステップS3204にてサブ側セットカウンタが1ではなく、ATモードの1セット目ではない場合、ステップS3210に進む。ステップS3210では各種フラグ格納エリア183aにエンディングフラグがセットされているか否かを判定する。エンディングフラグは、上記のように第3特定演出が発生しないまま疑似セットのゲーム数が消化され、エンディング演出(図71(b))を行うべき状況となった場合にセットされるフラグである。エンディングフラグがセットされていない場合、ステップS3209にて第3特定演出設定処理を実行する。
これに対して、エンディングフラグがセットされている場合、ステップS3211に進み、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定する。エンディングフラグがせっとされており、且つサブ側継続フラグがセットされている場合とは、疑似セットによる演出の終了後に、主制御装置101側の上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立したことを意味する。サブ側継続フラグがセットされていない場合、ステップS3212にてエンディング演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。なお、エンディング演出を行うための処理に際して、サブ側ATカウンタに基づいてエンディング演出終了までのゲーム数の表示(EDゲーム数画像EG)を更新するための処理も行う。
また、ステップS3211にて、疑似セットによる演出の終了後に、主制御装置101側の上乗せ抽選に当選する等して継続条件が成立したと判定した場合、ステップS3213にてエンディングフラグをクリアする処理を実行し、その後、ステップS3214にて復活演出(図71(c))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
<第3特定演出設定処理>
第3特定演出設定処理では、図74のフローチャートに示すように、先ず、ステップS3301にて上記の疑似演出カウンタを1減算する処理を実行し、ステップS3302にて、疑似セットの残りゲーム数画像GPを更新する処理を実行する。続くステップS3303では、サブ側継続フラグがセットされているか否かを判定する。
サブ側継続フラグがセットされている場合、ステップS3304にて、疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの最終ゲーム(疑似セットの10ゲーム目)であるか否かを判定する。最終ゲームではない場合、ステップS3305にて今回のゲームの抽選結果を把握し、ステップS3306にてATモードの継続率を把握し、ステップS3307にて各種テーブル記憶エリア182aから第3特定演出テーブルを取得し、ステップS3308にて第3特定演出抽選処理を実行する。これらステップS3305〜ステップS3308の処理は、上記ステップS2102〜ステップS2105の処理に対応する処理である。
本実施形態における第3特定演出テーブルは、図75に示すように、ゲームの抽選結果とATモードの継続率とによって、第3特定演出の発生率が異なるように設定されており、ゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど第3特定演出が発生し易く、ATモードの継続率が高い継続率ほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。また、ゲームの抽選結果として、所謂レア役としての特定役だけでなく、外れ結果を含めて通常役であっても第3特定演出が発生し得るように設定されており、そのゲームの抽選結果の当選確率と、第3特定演出抽選の当選確率との積から算出される各抽選結果に応じた第3特定演出の発生率は、特定役よりも通常役の方が高くなるように設定されている。
また、ATモードの継続率との関係では、各抽選結果において継続率が高いほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されていることから、高い継続率ほど1ゲーム当たりの第3特定演出の発生率も高くなるし、疑似セットとして最終ゲームよりも前に(9ゲーム目までに)第3特定演出が発生する確率も高い継続率ほど高くなるように設定されている。つまり、高い継続率のATモードほど、疑似セットにおいて少ないゲーム数で第3特定演出が発生して次の疑似セットに移行し易くなることから、同じゲーム数のATモードを消化しても、高い継続率のATモードほど、疑似セットのセット数は多くなり易くなる。このようにすることで、継続率が高い場合の実際のATセットのセット数と継続率が低い場合の実際のATセットのセット数との差よりも、疑似セット数の差が大きくなり易くなる。よって、ATモードの継続率の高低による実際の出玉の差(実際に消化したATモードのゲーム数やセット数の差)よりも、見た目上の疑似セット数の差が大きくなり、高い継続率が選択された場合の演出を好適に行いながらも出玉率が高騰してしまわないようにすることが可能となる。
ステップS3308にて第3特定演出抽選処理を実行した後は、ステップS3309にて第3特定演出抽選に当選しているか否かを判定する。第3特定演出抽選に当選している場合は、ステップS3310にて第3特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。また、ステップS3304にてサブ側継続フラグがセットされており、且つ疑似セットの最終ゲームであると判定した場合にも、ステップS3310にて第3特定演出を行うための処理を実行する。
続くステップS3311では、上記ステップS3310にて設定した第3特定演出後に、更新演出(図70(b3))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップS3312にて疑似ATカウンタに10を入力する処理を実行してから、本第3特定演出設定処理を終了する。
ステップS3303にて、サブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS3313に進む。ステップS3313では、サブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームが、主制御装置101側で新たなセットに更新したゲーム(ATセットの1ゲーム目)であるか否かを判定する。新たなセットの更新ゲームではない場合、ステップS3314にて非第3特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップS3315にて疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが、疑似セットの最終ゲーム(疑似セットの10ゲーム目)であるか否かを判定する。最終ゲームである場合、ステップS3316にて、上記ステップS3314にて設定した非第3特定演出後に、非更新演出(図70(b6))が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行する。そして、ステップS3317にてエンディングフラグをセットする処理を実行してから、本第3特定演出設定処理を終了する。エンディングフラグをセットすることにより、次ゲームから上記ステップS3210にて肯定判定することになり、エンディング演出が行われるようになる。ステップS3315にて疑似セットの最終ゲームではない場合には、そのまま第3特定演出設定処理を終了する。
ここで、ステップS3313にて肯定判定し、サブ側継続フラグがセットされていない状況で、当該ATセットの1ゲーム目であると判定した場合について説明する。この場合、ステップS3310に進み、第3特定演出を発生させるための設定処理を実行する。つまり、主制御装置101側でATモードのセットの更新に際して行われる継続抽選にて非当選となった場合に、当該ゲームにて第3特定演出を発生させる。そうすると、ATモードの最終セット(継続抽選に非当選となったセット)の1ゲーム目で第3特定演出が発生して、当該最終セットの2ゲーム目から疑似セットが開始されるようになる。そして、疑似セットにおいて非第3特定演出が10ゲームに亘って実行されて、当該疑似セットの最終ゲームであってATセットの11ゲーム目には非第3特定演出後に非更新演出が行われる。その後、ATセットの12ゲーム目から7ゲームに亘ってエンディング演出が実行されてATモードが終了する。このようにすることで、主制御装置101側のATモードの各セットのゲーム数に関わらず、疑似セットの更新等を演出にて行う構成としながらも、ATモードの最終セットにて第3特定演出が発生しない疑似セットを行うことが可能となる。
<ATモードのセットの更新と、疑似セットの更新の様子>
主制御装置101側でATモードのセットの更新が行われる様子と、表示制御装置81側で疑似セットの更新が行われる様子について、図76のタイミングチャートを参照しながら説明する。
td1にてATモードが開始された場合、当該td1からのATモードの1セット目において、7ゲーム目(残り12ゲーム)であるtd2までオープニング演出が行われる。そして、当該1セット目における8ゲーム目(残り11ゲーム)であるtd3から、疑似セット演出が行われる。
既に説明した通り、継続フラグ(サブ側継続フラグ)がセットされている状況下においては、疑似セット演出では、主制御装置101側で管理する1セットの残りゲーム数に関わらず、ゲームの抽選結果やATモードの継続率に応じて第3特定演出が発生し、表示制御装置81側で管理する疑似セットの残りゲーム数が0となるまで第3特定演出が発生しなければ、ゲームの抽選結果やATモードの継続率に関わらず第3特定演出が発生する。
例えば、td1から開始されたATモードの1セット目において、疑似セットの残りゲーム数が0となるよりも前のtd4のゲームにて第3特定演出が発生した場合、更新演出を経て、疑似セットの更新が行われる。そうすると、次のゲームであるtd5から、次の疑似セットが残り10ゲームとして開始される。そして、td1から開始されたATモードの残りゲーム数がtd6にて0となると、継続フラグがセットされていることから、セット更新用の処理(ステップS1404〜ステップS1406)が実行されて、次のtd7のゲームから2セット目が開始される。そして、当該td7にてセットの更新に際して継続抽選が実行され、例えば、当該td7にて実行された継続抽選に当選すると、継続フラグが再度セットされる。
また、例えば、td7から開始有れたATモードの2セット目において、疑似セットの2セット目の残りゲーム数が0となるまで第3特定演出が発生しなかった場合、当該残りゲーム数が0となるtd8にて第3特定演出が発生する。そして、次のtd9のゲームから疑似セットの3セット目が開始される。
同様に、td7から開始されたATモードの2セット目の残りゲーム数が0となった場合、継続フラグがセットされていることから、上記のようにセット更新用の処理が行われて、td10にて3セット目が開始される。そして、当該td10にて行われる継続抽選にも当選した場合、継続フラグが再度セットされる。
表示制御装置81側の疑似セット演出では、主制御装置101側の継続抽選に非当選となるまで、上記のように随時疑似セットを更新する演出(第3特定演出)を発生させ、疑似セット演出を継続させる。
td10から開始されたATモードの3セット目の残りゲーム数が0となるtd11において、再度セット更新用の処理が行われる。但し、次の4セット目が開始されるtd12において、継続抽選に非当選となった場合、継続フラグはセットされない。
この場合、表示制御装置81では、ATモードの4セット目の開始ゲームであるtd12において、疑似セット演出にて第3特定演出を発生させる。そうすると、当該第3特定演出を発生させたtd12のゲームの次のゲームであるtd13から、新たな疑似セット(7セット目)が開始される。当該7セット目の疑似セットでは、10ゲームに亘って非第3特定演出が発生し、ATモードの4セット目における11ゲーム目のtd14まで当該7セット目の疑似セットが継続する。この場合、td14にて非更新演出が発生し、当該ゲームの次ゲームであるtd15からエンディング演出が行われる。エンディング演出は7ゲームに亘って継続し、ATモードの残りゲーム数が0となるtd16にてATモードとともに終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
セット管理型のATモードにおいて、ATセットのゲーム数である18ゲームよりも短い10ゲームに亘って疑似セット演出を行う構成とし、疑似セット演出中に第3特定演出が発生した場合には当該疑似セットの残りゲーム数に関わらず新たな疑似セットに移行するようにした。このようにすることで、ATセットの繰り返し数よりも多い繰り返し数にて疑似セット演出を行うようにして、長くATモードが継続している印象を与える効果を期待しながらも、ATモードの最終ゲームと疑似セット演出の終了とをうまく合わせることが可能となる。
より詳しくは、ATモードの残りゲーム数が疑似セット演出の継続ゲーム数である10ゲームよりも多い18ゲームとなったゲーム(継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目、残りが疑似セットの10ゲームの2倍よりも少ないゲーム数)で、第3特定演出を発生させて疑似セットの更新を行わせるようにした。このようにすることで、当該更新された後の疑似セットにおいて第3特定演出を発生させなければ、ATモードの残りゲーム数が8ゲームとなった時点で疑似セット演出を終了させることが可能となる。この場合、本実施形態では、残りの7ゲーム間はエンディング演出を行うようにしており、ATモードの終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとを違和感なく調節することが可能となる。
継続条件が成立しているATセットにおいては、どのゲームで疑似セットの更新が行われても、その後、新たな疑似セットを行うだけのゲーム数は確保されている。そこで、当該継続条件が成立しているATセットにおいては、第3特定演出抽選処理を経て第3特定演出を発生させる構成としたため、疑似セット演出中に第3特定演出が発生するタイミング(疑似セットの更新が行われるゲーム)にランダム性を生じさせることが可能となり、疑似セット演出による演出効果を好適に高めることができる。
この場合、ATモードの継続条件の成否は主制御装置101側で行い、疑似セット演出については表示制御装置81側で行う構成としており、表示制御装置81側では、現状実行しているATセットの継続条件の成否を把握して疑似セット演出にて第3特定演出をランダムで発生させるか、それともATセットの更新時に発生させるかを異ならせるだけの構成としている。このようにすることで、ATモードの継続の有無の管理と、そのATモード中の演出とを別々の制御装置にて担う構成として機能の分散化を図りながらも、うまくATモードの終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとを調節することが可能となる。
特に、表示制御装置81側で、第3特定演出抽選処理を介さずに第3特定演出を発生させるか否かの判定は、ATセットの1ゲーム目であるため、当該判定は18ゲームに1回だけ行えばよい構成となっている。そのため、毎ゲーム当該判定を行うような構成と比較して、処理負荷の圧倒的な軽減効果を期待することも可能である。
本実施形態においても、第3特定演出抽選は各ゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて行う構成としている。そのため、各ゲームの抽選結果と第3特定演出の発生とがリンクするため、遊技者は自らのヒキによって第3特定演出を発生させた満足感を得ることが可能となるし、また、第3特定演出の発生率からATモードの継続率を予測する遊技も行うことが可能となり、第3特定演出の発生への注目度を好適に高めることが可能となる。
<変形例1>
本変形例では、ATモードのセットの更新ゲーム(ATセットの1ゲーム目)では、その他のゲームよりも第3特定演出が発生し易い構成とする。図77は、本変形例における第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例における第3特定演出設定処理では、サブ側継続フラグがセットされており(ステップS3403:YES)、疑似セットの最終ゲームではない場合の第3特定演出抽選の内容が異なっている。具体的には、今回のゲームの抽選結果やATモードの継続率を把握した後(ステップS3405、ステップS3406)、ステップS3407にてサブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームが、ATモードのセットの1ゲーム目であるか否かを判定する。1ゲーム目ではない場合、ステップS3408にて第3特定演出テーブルを取得して、ステップS3410にて第3特定演出抽選処理を実行する。第3特定演出テーブルは、上記第2の実施形態のもの(図75)と同様である。これに対して、ATモードのセットの1ゲーム目である場合、ステップS3409にて各種テーブル記憶エリア182aから更新時第3特定演出テーブルを取得してから、ステップS3410にて第3特定演出抽選処理を実行する。
更新時第3特定演出テーブルは、図78に示すように、第3特定演出テーブルと同様に、ゲームの抽選結果や、ATモードの継続率に応じて、第3特定演出の発生率が設定されているものの、同じゲームの抽選結果や、同じATモードの継続率で比較すると、第3特定演出テーブルよりも更新時第3特定演出テーブルの方が、第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。例えば、10%の継続率のATモードにおいて、通常リプAである場合、第3特定演出テーブルでは2.0%の確率で第3特定演出が発生する一方、更新時第3特定演出テーブルでは6.0%の確率で第3特定演出が発生する。
ステップS3410にて第3特定演出抽選処理を実行した後は、ステップS3411にて発生抽選に当選しているか否かを判定し、当選している場合には、ステップS3412に進んで第3特定演出を発生させる場合の処理を行う。また、当選していない場合には、ステップS3416に進み、非第3特定演出を発生させる場合の処理を行う。なお、ステップS3401〜ステップS3406、ステップS3410〜ステップS3419の処理は、上記ステップS3301〜ステップS3317の処理と同様である。
以上のように、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目で第3特定演出を発生させて疑似セットの更新を行わせることを前提としながら、継続条件が成立しているATセットの1ゲーム目でも第3特定演出が発生し易い構成とすることで、ATセットの1ゲーム目に第3特定演出が発生することを、継続条件が成立していないことのサインとして捉えにくくすることが可能となり、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目の第3特定演出をうまくカモフラージュすることができる。よって、ATセット側の継続条件の成否を推測する等をしにくくして、疑似セット演出をより純粋に楽しませることが可能となる。
<変形例2>
上記第2の実施形態では、エンディング演出を行うゲーム数を一律で所定数(7)のゲーム数としていたが、本変形例ではそれを変更する。図79は、本変形例における第3特定演出設定処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS3503にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定した場合の処理が異なっている。すなわち、ステップS3503にて否定判定した場合、ステップS3513にてサブ側ATカウンタが17であって、ATモードのセットにおける1ゲーム目であるか否かを判定する。1ゲーム目である場合、ステップS3514にて、疑似ATカウンタが7よりも小さく、疑似セットの4ゲーム目以降であるか否かを判定する。4ゲーム目以降である場合には、ステップS3510に進み、第3特定演出を行うための処理を実行する。今回開始するゲームが疑似セットの3ゲーム目までである場合、ステップS3515にてATモードの継続率を把握し、ステップS3516にて当選確率の設定処理にて設定される設定値を把握する。そして、ステップS3517にて、各種テーブル記憶エリア182aからエンディングゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップS3518にて今回のATモードにおけるエンディング演出のゲーム数を抽選により決定する処理を実行する。
エンディングゲーム数テーブルは、図80に示すように、ATモードの継続率と設定値とに応じて、選択されるエンディングゲーム数が異なるように設定されており、概して、ATモードの継続率が高いほど少ないエンディングゲーム数が選択され易く、また、設定値が高いほど少ないエンディングゲーム数が選択され易くなるように設定されている。例えば、継続率10%のATモードにおいては、設定値が1又は2である場合よりも設定値が3又は4である場合の方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。また、継続率90%のATモードにおいても、設定値が1又は2である場合よりも設定値が3又は4である場合の方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。そして、設定値が1又は2である場合、及び設定値が3又は4である場合のいずれにおいても、継続率10%のATモードよりも継続率90%のATモードの方がエンディングゲーム数の平均値は小さくなり、短いゲーム数が選択され易い。
これに対して、設定値が5又は6である場合には、例えば、継続率10%のATモードでは1ゲームのエンディングゲーム数が最も選択され易い一方、継続率90%のATモードでは7ゲームのエンディングゲーム数が最も選択され易く、継続率が高いほど長いエンディングゲーム数が選択され易くなっている。つまり、エンディングゲーム数が短いからといって設定値が高くなり易いわけではなく、ATモードの継続率との関係で、設定値の絞り込みが行えるように設定されている。このようにすることで、エンディングに至るよりも前に継続率を予測しておく意義が高められ、第3特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
ここで、エンディング演出が行われる状況とは、上記の通り、基本的にはセットの継続条件が成立せずにATモードが終了する場合であるため、当該エンディング演出にて継続率が把握できても遊技者にとって有益な情報となりにくい。但し、上記の通り、第3特定演出の発生確率が継続率によって異なり、継続率については、エンディング演出が発生するよりも前に当該第3特定演出の発生確率から予測可能な構成としている。そのため、エンディング演出前に予測した継続率と、エンディング演出のゲーム数とから、設定値を予測する、といったように、設定値の予測を行うためには事後的に継続率の情報が必要となる構成となり、継続率の情報を事後的に必要となるようにすることを通じて、第3特定演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
ステップS3518にてエンディングゲーム数の抽選処理を行った後は、ステップS3719に進み、最大エンディングゲーム数である7から上記ステップS3518にて決定したエンディングゲーム数を減算する処理を実行し、その演算値を各種カウンタエリア183bに設けられたエンディング待機カウンタに入力する処理を実行する。エンディング待機カウンタはエンディング演出の開始に合わせて第3特定演出を発生させるゲームをCPU181が把握するためのカウンタである。
ステップS3519の処理を実行した後は、ステップS3520にてエンディング待機カウンタが0であるか否かを判定する。例えば、エンディングゲーム数が3ゲームとして選択された場合、ステップS3519にてエンディング待機カウンタに入力する値は4となり、ステップS3520にて否定判定することになる。ステップS3520にて否定判定した場合、ステップS3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を実行する。ステップS3521〜ステップS3524の処理は、上記ステップS3314〜ステップS3317の処理と同様である。
ステップS3513にて否定判定し、継続条件の成立していないセットの1ゲーム目ではないと判定した場合、ステップS3525にて、各種フラグ格納エリア183aに発生済みフラグがセットされているか否かを判定する。発生済みフラグは、継続条件の成立していないセットにおいて第3特定演出を既に発生させたことをCPU181が把握するためのフラグである。発生済みフラグがセットされていない場合、ステップS3526にて、上記のエンディング待機カウンタを1減算する処理を実行する。
ステップS3526の処理を実行した後は、ステップS3520に進み、エンディング待機カウンタが0となったか否かを判定する。0となっていなければ、上記の通り、ステップS3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を行う。エンディング待機カウンタが0となった場合、ステップS3527にて発生済みフラグをクリアする処理を実行してから、ステップS3510に進み、第3特定演出を発生させるための処理を実行する。なお、ステップS3501〜ステップS3512の処理は、上記ステップS3301〜ステップS3312の処理と同様である。
また、ステップS3525にて発生済みフラグがセットされており、第3特定演出が発生済みである場合には、ステップS3521に進み、非第3特定演出を発生させるための処理を実行する。
以上のように、エンディングゲーム数を7ゲームの固定式ではなく、可変式としたことによって、継続条件が成立していないATセットにおいて第3特定演出を発生させるゲームが当該ATセットの1ゲーム目に限定されるものではなく、ランダムなものとなる。このようにすることで、ATセットの継続の有無を疑似セットの更新タイミングから把握することがより困難となり、疑似セット演出を楽しませる効果を高めることが可能となる。
しかも、上記構成においては、エンディングゲーム数によって設定値の推測が可能な構成としていることから、エンディング演出が行われる場合に、ATモードが終了してしまう残念感だけでなく、設定値の予測を行う面白みも提供することが可能となり、遊技者の遊技意欲の低下を好適に補うことができる。
この場合、設定値の推測は、エンディングゲーム数だけでなく、ATモードの継続率とからその推測や絞り込みが可能となるようにしているため、エンディング演出が行われるよりも前にATモードの継続率を予測・把握しておくことの重要性が高められ、第3特定演出の発生へより関心を寄せさせることが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、第3特定演出の発生確率を変更する。図81は、本変形例における第3特定演出テーブルを示す図である。
本変形例における第3特定演出テーブルは、ATモードの継続率が高いほど第3特定演出が発生しにくく、継続率が低いほど第3特定演出が発生し易くなるように設定されている。具体的には、各ゲームの抽選結果を加味すると、継続条件が成立している状況下において、10%の継続率のATモードでは1ゲーム当たり約71.5%の確率で発生し、90%の継続率のATモードでは1ゲーム当たり約1.5%の確率で発生する。継続条件が成立している状況下においては、疑似セットは最大で10ゲーム継続するところ、10%継続のATモードでは約1.4ゲーム継続し、90%継続のATモードでは約9.3ゲーム継続し、ATモードの継続率が低いほど疑似セットの1セット当たりのゲーム数が少なくなる。
また、既に説明した通り、本実施形態では10ゲームを1セットとする疑似セット演出が行われ、当該10ゲーム間にて第3特定演出が発生すると、残りのゲーム数に関わらず新たな疑似セットに更新される。つまり、第3特定演出が発生し易いほど、疑似セットの更新確率が高くなる。
ATモードの継続セット数の平均値としては、10%継続のATモードにおいては約2.1セット継続し、90%継続のATモードにおいては約7.9セット継続するところ、90%継続のATモードは10%継続のATモードの3.7倍のセット数だけ継続する。これに対して、疑似セットにおいては、上記のように10%継続のATモードの方が疑似セットの更新確率が高められており、疑似セット数の平均値としては、10%継続のATモードにおいては約4.4セット継続し、90%継続のATモードにおいては約6.8セット継続する。そのため、90%継続のATモードは10%継続のATモードの1.5倍の疑似セットが継続することになり、実際のATモードのセット数における継続率の差よりも疑似セット数における継続率の差の方が小さくなる。
また、60%継続のATモードにおいては約3.5セット継続するため、60%継続のATモードは90%継続のATモードよりもセットの平均継続数は少ない。しかし、疑似セットの平均値としては、60%継続のATモードにおいては約9.0セット継続し、90%継続のATモードにおいては約6.8セット継続するため、60%継続のATモードは90%継続のATモードよりも疑似セットのセット数が多くなる。つまり、継続率に応じたATセットの平均セット数と疑似セットの平均セット数とが逆転し、継続率が低いほど疑似セットの平均セット数が多くなる場合もあるように設定されている。
図82を参照しながら、ATモードの継続率と、疑似セットの更新確率との関係を説明する。図82(a)は、10%継続のATモードにおける疑似セット演出の様子の一例を示しており、図82(b)は、90%継続のATモードにおける疑似セット演出の様子の一例を示している。
例えば、10%継続のATモードにおいてte1にて1セット目が開始され、オープニング演出が終了するte2から疑似セット演出が開始される。この場合、当該te1にて開始されるATモードの1セット目、及びte5にて開始されるATモードの2セット目では継続条件が成立しているものの、te11にて開始されるATモードの3セット目では継続条件が成立しておらず、te12にて開始されるエンディング演出を経てte13にてATモードが終了するとする。
上記の通り、10%継続のATモードにおいては継続条件が成立している状況下であれば、毎ゲーム約71.5%の確率で第3特定演出が発生するところ、図においては、te2から疑似セット演出の1セット目が開始されたのち、te3〜te11にて第3特定演出が発生し、10セットの疑似セットが行われた後、エンディング演出が発生したことを示している。
これに対して、90%継続のATモードにおいてtf1にて1セット目が開始され、オープニング演出が終了するtf2から疑似セット演出が開始される。この場合、当該tf1にて開始されるATモードの1セット目、tf4にて開始されるATモードの2セット目、tf7にて開始されるATモードの3セット目、及びtf11にて開始されるATモードの4セット目では継続条件が成立しているものの、tf14にて開始されるATモードの5セット目では継続条件が成立しておらず、tf15にて開始されるエンディング演出を経てtf16にてATモードが終了するとする。
上記の通り、90%継続のATモードにおいては継続条件が成立している状況下であれば、10%継続のATモードよりも低い確率として、毎ゲーム約1.5%の確率で第3特定演出が発生するところ、図においては、tf2から疑似セット演出の1セット目が開始されたのち、tf3、tf5、tf6、tf8〜tf10、tf12〜tf14にて第3特定演出が発生し、10セットの疑似セットが行われた後、エンディング演出が発生したことを示している。
つまり、この場合、10%継続のATモードの実際のセット数は3セットであり、90%継続のATモードの実際のセット数は5セットであるのに対して、10%継続のATモードにおける疑似セットのセット数は10セットであり、90%継続のATモードにおける疑似セットのセット数も10セットであり、ATモードの継続率が低くても多くのセット数を消化している印象を遊技者に与えることが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、上記第2の実施形態における疑似セット演出にて特定演出が発生した場合には、所定数のゲーム(4ゲーム〜14ゲーム)に亘って大当たり演出が実行され、その後、再度、疑似セット演出が行われる。そして、疑似セット演出において特定演出が発生しなかった場合には、当該疑似セット演出の規定ゲーム数(10ゲーム)を消化した際に、ATモードが終了する。なお、本実施形態における特定演出を、他の実施形態における特定演出と区別するために、本実施形態における特定演出を第4特定演出とも称する。
具体的には、図83(a)に示すように、実施形態では、ATモードが開始されると、上記第2の実施形態のようにオープニング演出を介さずに、当該ATモードの開始から疑似セット演出が開始される。
当該疑似セット演出は、上記第2の実施形態と同様に、最大で10ゲーム継続する。図83(b1)に示すように、上記第2の実施形態と同様に、図柄変動演出を用いて各変動領域SP1〜SP3に同じ数字のキャラクタが揃って停止する第4特定演出及び各変動領域SP1〜SP3に同じ数字のキャラクタが揃わずに停止する非第4特定演出のいずれかが発生する演出を行う。
図83(b2)に示すように、残りゲーム数画像GPが1となる最終ゲームまでに第4特定演出が発生する場合と、図83(b3)に示すように、大当たり演出が行われる。当該大当たり演出としては、例えば、味方キャラクタが目を閉じた様子が補助表示部65にて表示される演出が設定されており、最小で4ゲーム、最大で14ゲームに亘って継続する。そして、図83(b4)に示すように、大当たり演出の最終ゲームにて移行演出として味方キャラクタが目を見開く様子が表示される演出が行われると、次ゲームから、再度、疑似セット演出が開始される。
疑似セット演出において、10ゲームに亘って非第4特定演出が行われると、図83(b5)に示すように、当該10ゲーム目である最終ゲームの非第4特定演出の後、図83(b6)に示すように、非更新演出が行われてATモードが終了する。
<AT演出設定処理>
図84は、本実施形態におけるAT演出設定処理を示すフローチャートである。
ステップS3601にてサブ側ATカウンタを1減算した後、ステップS3602にて継続コマンドを受信しているか否かを判定する。継続コマンドを受信している場合には、ステップS3603にてサブ側継続フラグをセットする処理を実行する。ステップS3602にて否定判定した場合、又はステップS3603の処理を実行した後は、ステップS3604に進む。
ステップS3604では、サブ側ATカウンタが17であって、今回開始するゲームがATモードのセットにおける1ゲーム目であるか否かを判定する。ATセットの1ゲーム目である場合、ステップS3605にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS3606にて調整用処理を実行してから、本AT演出設定処理を終了する。調整用処理は、継続条件が成立していないATセットの開始に際して、実行中の疑似セット演出と大当たり演出とのゲーム数を調整するための処理であり、その詳細は後に説明する。
ステップS3604にてセットの1ゲーム目ではない場合や、ステップS3605にてATセットの1ゲーム目であってもサブ側継続フラグがセットされている場合は、ステップS3607に進む。ステップS3607では、各種フラグ格納エリア183aに調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。調整済みフラグは上記のステップS3606の調整用処理が行われた場合にセットされるフラグである。
調整済みフラグがセットされていない場合、ステップS3608に進み、各種フラグ格納エリア183aに大当たり演出フラグがセットされているか否かを判定する。大当たり演出フラグは、大当たり演出を開始する場合にセットされるフラグであり、大当たり演出中であることをCPU181が把握するためのフラグである。大当たり演出フラグがセットされておらず、大当たり演出ではなく疑似セット演出を行っている状況である場合、ステップS3609にて第4特定演出設定処理を実行してから、AT演出設定処理を終了する。
<第4特定演出設定処理>
第4特定演出設定処理では、図85のフローチャートに示すように、ステップS3701にて疑似ATカウンタを1減算する処理を実行し、ステップS3702にて残りゲーム数画像GPを更新する処理を実行する。そして、ステップS3703にてサブ側継続フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3704にて、疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの10ゲーム目であるか否かを判定する。疑似セットの10ゲーム目ではない場合、ステップS3705〜ステップS3708にて、今回のゲームの抽選結果とATモードの継続率とに応じて第4特定演出を発生させるか否かを決定する処理を実行する。これらステップS3701〜ステップS3708の処理は、上記ステップS3301〜ステップS3308の処理と同様であり、第4特定演出テーブルについても、図75の第3特定演出テーブルを流用可能である。
ステップS3709では、ステップS3708にて行う第4特定演出抽選に当選しているか否かを判定する。第4特定演出抽選に当選している場合や、ステップS3604にて疑似セットの最終ゲームであると判定したには、ステップS3710にて、第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図83(b2))。そして、ステップS3711にて大当たり演出ゲーム数設定処理を実行してから、本第4特定演出設定処理を終了する。
<大当たり演出ゲーム数設定処理>
大当たり演出ゲーム数設定処理では、図86のフローチャートに示すように、ステップS3801にて各種テーブル記憶エリア182aから大当たりゲーム数テーブルを取得する処理を実行する。大当たりゲーム数テーブルでは、図88に示すように、当選確率の設定処理にて設定される設定値に応じて、4ゲームから14ゲームのうちのいずれかが選択されるように設定されており、出玉率が高くなる設定値ほど、短いゲーム数大当たり演出が選択され易くなるように設定されている。
ステップS3801にて大当たりゲーム数テーブルを取得した後は、ステップS3802にて大当たり演出を行うゲーム数を抽選により決定する。そして、その抽選結果を、ステップS3803にて、各種カウンタエリア183bに設けられた大当たり演出カウンタ1に入力する処理を実行し、その後、ステップS3804にて大当たり演出フラグをセットする処理を実行してから、本大当たり演出ゲーム数設定処理を終了する。大当たり演出フラグをセットすることにより、次のゲームからステップS3608にて肯定判定することになる。
第4特定演出設定処理において、ステップS3709にて第4特定演出抽選に非当選であると判定した場合、ステップS3712に進み、非第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図83(b1))。そして、ステップS3713にて疑似ATカウンタが0であって、今回開始するゲームが疑似セットの10ゲーム目であるか否かを判定し、10ゲーム目である場合には、ステップS3714にてAT終了演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図83(b6))。疑似セットの10ゲーム目ではない場合には、そのまま第4特定演出設定処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップS3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定した場合、ステップS3610に進む。ステップS3610では、上記の大当たり演出カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS3611では、各種カウンタエリア183bに設けられた大当たり演出カウンタ2を1加算する処理を実行する。大当たり演出カウンタ2は、大当たり演出を実行したゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。続くステップS3612では、上記の大当たり演出カウンタ1が0となったか否かを判定する。0となっていない場合には、ステップS3613にて、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図83(b3))、本AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップS3612にて大当たり演出カウンタ1が0となり、大当たり演出の最終ゲームである場合、ステップS3614に進み、大当たり演出フラグをクリアする処理を実行し、ステップS3615にて大当たり演出カウンタ2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS3616にて疑似ATカウンタに10を入力する処理を実行し、ステップS3617にて移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図83(b4))、本AT演出設定処理を終了する。
<調整用処理>
次に、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目にて実施されるステップS3606の調整用処理について、図87のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3901では、大当たり演出カウンタ1が0よりも大きく、今回のゲームで大当たり演出を行う予定であるか否かを判定する。大当たり演出カウンタ1が0であって、疑似セット演出を行う予定である場合、ステップS3902にて、第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行う(図83(b2))。そして、ステップS3903にて大当たり演出フラグをセットし、ステップS3904にて大当たり演出カウンタ1に7をセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。ステップS3902〜ステップS3904の処理は、上記ステップS3710、ステップS3803及びステップS3804の処理に対応するものである。すなわち、ステップS3902〜ステップS3904の処理を行うことにより、今回開始するゲームにおいて第4特定演出が発生し、次のゲームから7ゲーム間の大当たり演出が行われることになる。そして、この場合、当該大当たり演出が終了して移行演出が行われるゲームが、ATモードの最終セットにおける8ゲーム目となり、9ゲーム目から18ゲーム目までは非第4特定演出による疑似セット演出が行われることになる(図89(a)参照)。
より詳しくは、次ゲームである最終セットの2ゲーム目から最終セットの8ゲーム目までは、AT演出設定処理においてステップS3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定することによって、大当たり演出又は移行演出を設定するための処理が行われる。そして、最終セットの9ゲーム目以降では、大当たり演出フラグがクリアされていることから、ステップS3608にて否定判定し、第4特定演出設定処理が行われる。第4特定演出設定処理では、ステップS3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップS3715に進む。そして、ステップS3715にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていないため、ステップS3712に進み、非第4特定演出を行うための処理が実行される。
ステップS3901にて大当たり演出カウンタ1が0よりも大きく、大当たり演出を行う予定のゲームである場合、ステップS3905にて大当たり演出カウンタ2が7以上であるか否かを判定する。大当たり演出カウンタ2が7未満であって、既に実行している大当たり演出のゲーム数が6ゲーム以下である場合、ステップS3906にて大当たり演出カウンタ2に1を入力し、ステップS3907にて大当たり演出カウンタ1に8を入力する処理を実行する。そして、ステップS3908にて、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから(図83(b3))、本調整用処理を終了する。すなわち、ステップS3906〜ステップS3908の処理を実行することにより、今回開始するゲームから8ゲームに亘って大当たり演出が実行されることになる。上記の通り、これらステップS3906〜ステップS3908の処理を実行する場合とは、今回のゲームで大当たり演出を行う予定であった場合であって、大当たり演出を開始してから6ゲーム以下である場合であり、上記ステップS3906〜ステップS3908の処理を行うことにより、大当たり演出は合計で8ゲームから14ゲームに亘って実行されるようになる。そしてこの場合、当該大当たり演出が終了して移行演出が行われるゲームが、ATモードの最終セットにおける8ゲーム目となり、9ゲーム目から18ゲーム目までは非第4特定演出による疑似セット演出が行われることになる(図89(b)参照)。
より詳しくは、ステップS3904の処理を行った場合と同様に、次ゲームである最終セットの2ゲーム目から最終セットの8ゲーム目までは、AT演出設定処理においてステップS3608にて大当たり演出フラグがセットされていると判定することによって、大当たり演出又は移行演出を設定するための処理が行われる。そして、最終セットの9ゲーム目以降では、大当たり演出フラグがクリアされていることから、ステップS3608にて否定判定し、第4特定演出設定処理が行われる。第4特定演出設定処理では、ステップS3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップS3715にて調整済みフラグがセットされていないため、ステップS3712に進み、非第4特定演出を行うための処理が実行される。
ステップS3005にて大当たり演出カウンタ2が7以上である場合、ステップS3909に進み、ATモードの最終セットの9ゲーム目から疑似セット演出の最終セットが行われるように、現状実行している大当たり演出を一旦終了させた後、当該大当たり演出後の疑似セット演出において第4特定演出を発生させるゲーム(疑似セット演出の継続ゲーム数)と、当該疑似セット演出後の大当たり演出の継続ゲーム数と、を決定する処理を実行する。
すなわち、ステップS3909では、先ず、大当たり演出カウンタ1及び大当たり演出カウンタ2を0にクリアする処理を実行する。そして、ステップS3910にて、移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行い(図83(b4))、ステップS3911にて大当たり演出フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップS3912では、各種テーブル記憶エリア182aから調整用ゲーム数テーブルを取得する処理を実行し、ステップS3913にて調整用ゲーム数抽選処理を実行する。
調整用ゲーム数テーブルは現状実行している大当たり演出の次の大当たり演出の継続ゲーム数を決定するためのテーブルであり、図88に示すように、4ゲームから7ゲームまでのゲーム数が設定されている。ステップS3913では、これら4ゲームから7ゲームまでのゲーム数を抽選等によりランダムに決定する。
ステップS3913の処理を実行した後は、ステップS3914にて各種カウンタエリア183bに設けられた調整済みカウンタ2に上記ステップS3913の処理結果を入力する処理を実行する。調整済みカウンタ2は、現状実行している大当たり演出の次の大当たり演出のゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。
続くステップS3915では、調整用第4特定演出発生ゲーム数の演算処理を実行する。かかる処理は、現状実行している大当たり演出後の疑似セット演出において第4特定演出を発生させるゲーム(疑似セット演出の継続ゲーム数)を演算する処理である。具体的には、7から上記調整済みカウンタ2を減算する処理を実行する。
そして、ステップS3916にて、各種カウンタエリア183bに設けられた調整済みカウンタ1に上記ステップS3915の処理結果を入力する処理を実行する。調整済みカウンタ1は、現状実行している大当たり演出の次の疑似セット演出の継続ゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタである。ステップS3916の処理を実行した後は、ステップS3917にて調整済みフラグをセットする処理を実行してから、本調整用処理を終了する。
AT演出設定処理において、ステップS3607にて調整済みフラグがセットされており、前回のゲーム以前にて調整用処理が実行されている場合、ステップS3618に進む。ステップS3618では、調整済みカウンタ1が0よりも大きいか否かを判定する。上記の通り、調整済みカウンタ1は調整済みの疑似セット演出の残りゲーム数に対応するものであり、当該調整済みカウンタ1が0よりも大きい場合とは、今回開始するゲームが、上記の調整済みの疑似セット演出を行うべきゲームであることを意味する。この場合、ステップS3609に進み、第4特定演出設定処理を実行する。
第4特定演出設定処理では、ステップS3703にてサブ側継続フラグがセットされていないと判定し、ステップS3715に進む。そして、ステップS3715にて調整済みフラグがセットされているか否かを判定する。この場合、調整済みフラグがセットされていることから、ステップS3716に進み、調整済みカウンタ1を1減算する処理を実行する。そして、ステップS3717にて調整済みカウンタ1が0となったか否かを判定し、0となっていなければ、ステップS3712に進み、非第4特定演出を発生させるための処理を行う。これに対して、ステップS3717にて調整済みカウンタ1が0となったと判定した場合には、ステップS3718にて第4特定演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、第4特定演出設定処理を終了する。この場合、次の大当たり演出の継続ゲーム数は既に設定済み(調整済みカウンタ2、ステップS3914)であるため、当該次の大当たり演出の継続ゲーム数を設定する処理(ステップS3711)を実行しない。
AT演出設定処理において、ステップS3607にて調整済みフラグがセットされており、ステップS3618にて調整済みカウンタ1が0である場合、上記のように、既に調整済みの疑似セット演出を実行済みであることを意味し、この場合、調整済みの大当たり演出を行うべく、ステップS3619に進み、調整済みカウンタ2を1減算する処理を実行する。そして、ステップS3620にて、調整済みカウンタ2が0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、ステップS3613に進み、大当たり演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
これに対して、ステップS3620にて調整済みカウンタ2が0となったと判定した場合、ステップS3621にて調整済みフラグをクリアする処理を実行してから、ステップS3616に進み、疑似ATカウンタに11を入力する処理、及びステップS3617の移行演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を行ってから、AT演出設定処理を終了する。
この場合、ATモードの最終セットにおける1ゲーム目にて大当たり演出が終了して移行演出が発生し、2ゲーム目からは調整済みカウンタ1の値に応じたゲーム数に亘って調整済みの疑似セット演出が行われる。そして、当該調整済みの疑似セット演出にて第4特定演出が発生した後、調整済みカウンタ2の値に応じたゲーム数に亘って調整済みの大当たり演出が行われる。調整済みの大当たり演出は、最終セットの8ゲーム目にて終了するように調整されていることから、9ゲーム目から18ゲーム目では、非第4特定演出が繰り返し発生する疑似セット演出が行われて、ATモードが終了する(図89(c)参照)。
このように、本実施形態では、疑似セット演出にて第4特定演出が発生した場合には、直ぐに次の疑似セットが開始されるのではなく、大当たり演出を介して次の疑似セットが開始されるようにしていることから、仮に疑似セットにて早期に第4特定演出が発生し、対応するゲーム数が少ない場合であっても、大当たり演出が行われるゲームによってそのゲーム数を補うことが可能であり、疑似セットが更新されることへの期待感をより純粋に高めることが可能である。
大当たり演出は4ゲームから14ゲームに亘って行われ得るようにしていることから、疑似セット中に第4特定演出が発生した後、短いゲーム数で大当たり演出が終了して次の疑似セットが開始される場合もあるし、長期に亘って(長いゲーム数で)大当たり演出が行われた後、次の疑似セットが開始される場合もあり、疑似セット演出中の第4特定演出の発生タイミングだけではなく、大当たり演出において移行演出の発生タイミング(大当たり演出の終了タイミング)へも注目させることが可能となり、ドキドキ感ある遊技性を楽しませることができる。
ここで、ATモード中に行う疑似セット演出(最大10ゲーム)とそれに連続する大当たり演出(4ゲーム〜14ゲーム)とは、両演出のゲーム数を合わせるとATセットの18ゲーム以上のゲーム数となる場合と、18ゲームよりも少ないゲーム数となる場合とがあるように設定されている。このようにすることで、ATセットのゲーム数を主制御装置101側で長くしたり短くしたりしなくても、両演出の長短によってあたかもATセットのゲーム数が変化しているかのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、比較的簡素な構成でATセットの遊技性を向上させることが可能となる。
この場合、疑似セット演出と大当たり演出とは、いずれも最大限継続してもATセットのゲーム数よりも少ないゲーム数となるように設定されているため、両演出がセットでATセットに対応付けられている印象を強く与えることが可能となり、両演出によってATセットのゲーム数が変化する印象を与える手助けとすることができる。
また、上記構成のように、疑似セット演出にて第4特定演出が発生した場合には大当たり演出に移行する一方、第4特定演出が発生しないまま疑似セット演出が終了した場合にはATモードがそのまま終了する構成とすることで、疑似セット演出にて第4特定演出が発生しないことと、ATモードの終了とが、より密接に関連付けられ、第4特定演出の発生をより心待ちにさせることが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモードをセット管理型のATモードとし、継続率に応じてATモードの継続ゲーム数が異なるようにしたが、ATモードの継続し易さ(継続ゲーム数)が異なる複数のATモードを設けれてもよい。この場合、例えば、初期ゲーム数が異なる複数のATモードを設定してもよいし、終了抽選に当選するまでATモードが継続する構成としたうえで当該終了抽選の当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、所定の終了結果(例えば、所定のボーナス結果等)に当選した場合にATモードが終了する構成としたうえで当該所定の終了結果の当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、ゲーム数上乗せの当選確率が異なる複数のATモードを設定してもよいし、ゲーム数上乗せ当選時の上乗せゲーム数が異なる複数のATモードを設定してもよいし、これらを組み合わせてもよい。そして、いずれのATモードであるかによって、特定演出抽選の当選確率や示唆演出抽選の当選確率、エンディングゲーム数、大当たり演出のゲーム数等を異ならせる構成とするとよい。
(2)18ゲームを1セットとするセット管理型のATモードとしたが、当該1セットのゲーム数はこれに限定されず、18ゲームよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、1セット中にゲーム数の上乗せ等が行われ得る構成とする等して、1セットのゲーム数が変化する(18ゲームよりも多くなるセットが存在する)場合がある構成としてもよい。また、例えば、第2の実施形態のように1セット目は必ず継続条件が成立するような構成においては、継続条件を成立させる構成に代えて、1セット目の継続ゲーム数を2倍のゲーム数(36ゲーム)として設定する構成としてもよく、1セット目だけではなく、継続条件が成立しているATセットの更新に際しては、2倍のゲーム数を当該セットのゲーム数として設定する構成としてもよく、ATセットカウンタの値に応じたゲーム数(ATセットカウンタが3であれば3倍のゲーム数等)を当該セットのゲーム数として設定する構成としてもよい。
(3)継続率の異なるATモードにおいて、各ゲームの抽選処理にて用いられる抽選テーブルは共通なものとしたが、それぞれのATモードにて抽選テーブルが異なる構成としてもよく、それぞれのATモードにて所定役や特定役の一部若しくは全部又は他の結果の当選確率が異なる構成としてもよく、当選確率が異なることを通じて特定演出の発生確率がそれぞれのATモードで異なる構成としてもよい。この場合、所定役や特定役の一部若しくは全部又は他の結果の当選確率が各ATモードで遊技者が識別不可能な程度に異なる構成(略同じ確率である構成)としてもよい。
(4)AT上乗せ用処理において、特定役では上乗せ当選し得る一方、通常役では上乗せ当選しない構成としたが、通常役でも上乗せ当選し得る構成としてもよい。この場合、特定役での上乗せ当選の確率よりも通常役での上乗せ当選の確率の方が低くなるようにするとよい。なお、特定役の一部の役(例えばチャンス目A)での上乗せ当選の確率よりも通常役の一部の役(例えば通常リプC)での上乗せ当選の確率の方が高くなることを排除するものではなく、全体として、通常役よりも特定役の方が上乗せ当選し易い構成であればよい。
(5)特定役の方が通常役よりも特定演出抽選の当選確率が高くなるように設定したが、特定役と通常役との特定演出抽選の当選確率を同じ又は略同じ確率となるように設定してもよい。この場合であっても、各ゲームの抽選処理において特定役よりも通常役に当選し易いことを通じて、特定役を契機として特定演出が発生する割合よりも、通常役を契機として特定演出が発生する割合の方が大きくなる。また、通常役の方が特定役よりも特定演出抽選の当選確率が高くなるようにしてもよく、この場合、特定役を契機として特定演出が発生する割合よりも、通常役を契機として特定演出が発生する割合の方が大きくなるように、通常役と特定役との各ゲームの抽選処理での当選確率や特定演出抽選の当選確率を調整するとよい。
(6)遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定としてATモードにおけるATセットが継続することを有利事象とし、継続抽選を有利判定の一例としたうえで、ATセットの継続条件が成立しているいことに対応する演出として特定演出が行われるようにしたが、遊技者にとって有利な有利事象に対応付けられた演出であればよく、例えば、ATモードへの移行抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよいし、設定値を示唆する示唆演出の実行抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよいし、ATモードの上乗せ抽選に当選していることに対応付けられた演出としてもよい。
この場合、ATモードの移行抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、ATモード移行抽選にて当選し、前兆モードを介して当該ATモード移行抽選に当選したことの当選演出が行われる構成において、当該前兆モード中であって、当選演出が行われるよりも前やATモードが開始されるよりも前に、特定演出が発生し得るようにし、ATモード移行抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
また、設定値を示唆する示唆演出の実行抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、示唆演出の実行抽選に当選してから、示唆演出が行われるまでに複数のゲームを要するような構成としたうえで、当該示唆演出の実行抽選に当選してから示唆演出が行われるまでのゲームにて特定演出が発生し得るようにし、設定値の示唆演出の実行抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
そして、ATモードの上乗せ抽選に当選していることに対応付けられた演出として特定演出を行うのであれば、上乗せ抽選に当選してから上乗せが行われるまでに複数のゲームを要するような構成としたうえで、当該上乗せ抽選に当選してから上乗せが行われるまでのゲームにて特定演出が発生し得るようにし、上乗せ抽選の当選確率が異なる複数のモードを設けたうえで、それぞれのモードによって特定演出の発生確率を異ならせる構成としたり、各ゲームの抽選結果を利用して特定演出の実行抽選を行う構成としたりするとよい。
これらの場合において、有利事象を生じさせることの有利判定の判定契機は、それぞれの有利事象に応じて設定すればよく、ATモードの移行を有利事象とするのであれば、ATモード移行抽選の実行契機として、例えば特定役当選や所定ゲーム数の消化を所定の判定契機とすればよい。
(7)特定演出を補助表示部65やスピーカ64にて行う構成としたが、別の表示部やランプ等にて行う構成としてもよいし、各リール32L,32M,32Rを用いて行う構成としてもよい。各リール32L,32M,32Rを用いて行う場合、例えば、特定演出を行わないゲームにおいては、各リール32L,32M,32Rを通常通り回転開始させる一方、特定演出を行うゲームにおいては、各リール32L,32M,32Rを通常の回転開始態様とは異なる回転開始態様(例えば、回転開始までの期間を通常よりも長くしたり短くしたり、左リール32Lから順番に回転を開始させたり、定速回転に至るまでに所定の図柄組合せが形成された状態で低速回転したり、仮停止したりする態様等)にて回転開始させる構成としてもよい。なお、回転開始時に限定されず、当該ゲームにおいて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始してから回転が終了するまでの回転態様を通常態様とは異なる特定態様とすることで特定演出を行う構成とすればよい。
(8)特定演出抽選に当選した場合、当該当選したゲームにて特定演出を行う構成としたが、当該当選したゲームよりも後のゲームにて当該特定演出抽選に当選したことに対応する特定演出を行う構成としてもよい。この場合、いずれのゲームにて特定演出を行うかを抽選等により決定する構成としてもよいし、予め定められたゲーム数後に特定演出を行う構成としてもよい。但し、特定演出を行うゲームは特定演出を実行可能なゲーム(対峙演出や当該セットの疑似セット中)である必要があるところ、特定演出を実行するゲームを決定するうえでは、当該実行可能なゲームから特定演出を実行するゲームを決定する構成とするとよい。
(9)各ゲームの抽選結果に応じて特定演出を行うことの特定演出抽選を行う構成としたが、例えば対峙演出の開始時や疑似セット演出の開始時に特定演出の実行抽選や実行ゲーム数の抽選を行う構成としてもよく、この場合、当該これらの抽選を行うゲームの抽選結果に関わらずこれらの抽選を行う構成としてもよいし、これらの抽選を行うゲームの抽選結果に応じてこれらの抽選を行う(抽選結果に応じて実行抽選の当選確率や実行ゲーム数が異なる)構成としてもよい。
(10)対峙演出中の特定演出抽選に当選した場合、当該特定演出抽選に当選したゲームだけ特定演出を行う構成としたが、当該当選したゲーム以降も特定演出を行う構成としてもよく、特定演出を複数のゲームに亘って行う構成としてもよい。
(11)セット管理型のATモードにおいて、ATモードに移行する場合に継続率の設定を行い、当該ATモード中は継続率が変化しない構成としたが、ATモード中も継続率が変化し得る構成としてもよい。例えば、各ゲームやセットの更新時等の所定の抽選契機に基づいて継続率の変更抽選を行い、当該変更抽選に当選した場合に以降の継続率が変化する(例えば10%の継続率から60%の継続率となる)構成としてもよい。継続率が変化する場合、継続率が高くなる態様だけではなく、継続率が低くなる態様もある構成としてもよく、継続率が高くなる抽選と、継続率が低くなる抽選とを別々に抽選したり、別々の抽選契機で抽選したりする構成としてもよい。
更に、1セット目は90%で継続し、2セット目は10%で継続し、3セット目以降は60%で継続するパターンや、1セット目は10%で継続し、2セット目は60%で継続し、3セット目以降は90%で継続するパターンといったように、各セットの継続率が予め定められたパターンを複数設け、ATモード移行時にいずれのパターンとするかを決定するシナリオ管理型のATモードとしてもよい。
これらの構成において、今回のセットの継続率が次回以降のセットの継続率に影響を及ぼす構成であることが好ましく、例えば、セットの更新時に次回の継続率を抽選等により決定する構成であれば、今回の継続率を参照して次回の継続率を決定する構成(例えば、今回が10%であれば、次回は10%よりも90%が選択され易く、今回が60%であれば、次回は他の継続率よりも60%が選択され易い等の構成)とするとよく、上記のシナリオ管理型の構成であれば、今回のセットの継続率から次回以降のセットの継続率の絞り込みが可能となる構成とするとよく、このようにすることで、継続条件が成立していることに対応する特定演出に基づいて(今回のセットの)継続率を予測・把握する意義が担保される。
(12)各セットで継続率が変化し得る構成においては、今回のセットの継続条件が成立していることに対応する特定演出を今回のセットの継続率に応じて発生させる構成に代え、又は加えて、今回のセットの継続条件が成立していることに対応する特定演出を次回以降のセットの継続率に応じて発生させる構成としてもよい。
(13)オープニング演出やバトル演出、大当たり演出、エンディング演出中においても、ATセットの継続条件が成立していることを条件として、各種特定演出が発生し得る構成としてもよい。この場合、例えば、バトル演出よりも対峙演出の方が特定演出が発生し易い構成としたり、オープニング演出や大当たり演出やエンディング演出よりも疑似セット演出の方が特定演出が発生し易い構成とするとよい。
(14)ATモードの継続率に応じて、特定演出の発生率を異ならせたが、特定演出の態様(表示するキャラクタの色や形、表示タイミング等)が異なる構成としてもよいし、特定演出を複数のゲームに亘って行い得る構成においては、特定演出の実行ゲーム数がATモードの継続率に応じて異なる構成としてもよい。
(15)ATモードの継続率に応じて、各ゲームの抽選処理に用いる抽選テーブルを異ならせる等して、所定結果の当選確率が異なる構成としてもよい。この場合、所定結果を特定演出の発生契機となる構成とすることで、ATモードの継続率に応じて特定演出の発生率を異ならせる構成とすることができる。また、押し順ベルを所定結果とする等して、ATモードの継続率に応じて、1ゲーム当たりで期待できる期待メダル増加枚数(純増枚数)が異なる構成としてもよく、例えば、継続率が高いほど期待メダル増加枚数が多くなるようにしてもよいし、継続率が高いほど期待メダル増加枚数が少なくなる構成としてもよい。なお、ATモードの継続率に応じて期待メダル増加枚数を異ならせる構成は、抽選テーブルを異ならせる構成によって実現するものに限定されず、例えば、押し順ベル当選時の押し順報知の発生率が異なるようにして実現してもよいし、押し順ベル等の当選時の押し順報知の態様を異ならせる構成(2択の押し順を報知する態様や1択の押し順を報知する態様等を設け、押し順報知の態様によって第1小役入賞〜第6小役入賞の入賞確率が異なる構成)にて実現してもよく、その他の構成にて実現してもよい。
(16)継続条件が成立しているATセット中のセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させるようにした構成において、特定役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる態様に限定されず、通常役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合に特定演出を発生させる構成としてもよいし、これら特定役や通常役を契機とするセット上乗せ抽選に非当選となった場合の一部で特定演出を発生させる構成としてもよい。これらにおいて、通常役を契機とする特定演出よりも特定役を契機とする特定演出のほうが発生し易くするとよい。
(17)継続条件が成立しているATセット中のセット上乗せに当選した場合に特定演出を行う構成としてもよい。この場合、セット上乗せに当選した場合の一部で特定演出を行う構成としてもよく、特定演出を行う確率がセット上乗せの契機となった抽選結果によって異なる構成としてもよく、より具体的には、当選確率の低い抽選結果ほど、セット上乗せ時に特定演出を行い易い構成としてもよいし、当選確率の低い抽選結果ほど、セット上乗せ時に特定演出を行いにくい構成としてもよい。
(18)継続条件が成立していないATセット中に上乗せ抽選に当選して継続条件が成立した場合、当該ゲームでは特定演出抽選を行わないようにしてもよい。また、当該ゲームでは特定演出抽選を行わずに、所定ゲーム後に特定演出抽選を介して又は特定演出抽選を介さずに特定演出を発生させる構成としてもよく、次回以降の所定役となるゲームにて特定演出を発生させる構成としてもよい。
(19)示唆演出テーブルでは、外れ結果である場合に示唆演出が行われ得るように設定したが、他の通常役や特定役であっても示唆演出が発生し得る構成としてもよい。
(20)特定演出が発生した場合に、所定の確率で示唆演出を行うことが可能な状態とする構成としてもよく、示唆演出を行うことが可能な状態とする確率が設定値によって異なる構成としてもよいし、継続率によって異なる構成としてもよい。また、対峙演出中に特定演出が複数回発生し得る構成においては、特定演出の発生回数に応じて示唆演出の発生確率や示唆演出を行うことが可能な状態の移行率が異なる構成としてもよく、特定演出の発生回数が多いほど、示唆演出の発生確率が高くなる構成や、示唆演出を行うことが可能な状態への移行率が高くなる構成としてもよい。
(21)疑似セット演出を行う構成において、当該疑似セット中に対応する特定演出が発生しなかった場合には、当該疑似セット演出を終了させてATモードが終了するまでエンディング演出を行う構成としたが、ATモードが終了するゲームまでの間は演出を行わないようにしてもよいし、ATモードが終了するまで、疑似セット演出の残りゲーム数を延長する構成としてもよい。
(22)疑似セット演出後にエンディング演出を行うことを前提として、例えば、継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目で特定演出を発生させて、疑似セット演出の更新を行う構成としたが、エンディング演出を行わない構成とするならば、継続条件が成立していないATセットの残りゲーム数が疑似セット演出の継続ゲーム数(10ゲーム)+1(残り11ゲーム)となったゲームにて特定演出を発生させて、疑似セット演出の更新を行う構成とするとよい。
(23)疑似セット演出の最大継続ゲーム数を10ゲームとしたが、ATセットの継続ゲーム数(18)よりも少ない数であればよく、11ゲーム以上であってもよいし、9ゲーム以下であってもよい。逆に、疑似セット演出の最大継続ゲーム数をATセットの継続ゲーム数(18)以上としてもよく、18ゲームであってもよいし、19ゲーム以上であってもよい。各疑似セットにおいて最大継続ゲーム数が異なる構成としてもよく、各疑似セットにおいて最大継続ゲーム数が異なる構成においては、疑似セットの更新時に最大継続ゲーム数を抽選等により決定する構成とするとよく、この場合、継続条件が成立していないATセットにて疑似セットの更新を行う場合には、当該ATセットの残りゲーム数を更新後の疑似セットの最大継続ゲーム数となるように設定するとよい。
また、ATセットの継続ゲーム数を疑似セット演出の最大継続ゲーム数の整数倍となるように、更に、疑似セット演出の最大継続ゲーム数をATセットの最大継続ゲーム数の整数倍となるように両継続ゲーム数を設定してもよい。例えば、ATセットの継続ゲーム数が18ゲームであれば、疑似セット演出の最大継続ゲーム数を9ゲームや6ゲームとしてもよいし、疑似セット演出の最大継続ゲーム数を36ゲームや54ゲームとしてもよい。
(24)継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目であって、ATモードの残りゲーム数が18ゲームとなったゲームで疑似セット演出にて強制的に特定演出を行う構成としたが、強制的に(特定演出抽選を経ずに)特定演出を行うゲームは当該継続条件が成立していないATセットの1ゲーム目に限定されない。例えば、次のATセットの継続条件の成否をATセットの終了時(最終ゲーム)で判定するような構成においては、ATセットの最終ゲームで次のATセットの継続条件が成立していなければ、当該ゲームにて特定演出を発生させて疑似セットの更新を行う構成としてもよい。少なくとも、ATモードの残りゲーム数が、疑似セットの最大継続ゲーム数の2倍(20ゲーム)以下であって、最大継続ゲーム数に1を加えた数(11ゲーム)以上である所定数となったゲームで強制的に特定演出を発生させるようにすることで、当該特定演出により終了された疑似セットの次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行することが可能である一方で、当該次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行した後は、その次の疑似セットを最大継続ゲーム数に亘って実行することができないような構成とすることが可能である。なお、上記のようにATモードの残りゲーム数に応じて強制的に特定演出を行う構成とする場合、当該強制的に特定演出が行われ得るゲーム(例えば上記のように疑似セットの最終ゲーム)では、他のゲームよりも特定演出が発生し易いようにすることで、当該特定演出をうまくカモフラージュすることが可能である。
(25)有利区間の強制終了条件との関係で、疑似セット演出中に強制的に特定演出を発生させる構成としてもよい。例えば、上限ゲーム数である1500ゲームに到達するまでのゲーム数が所定数となった場合に、疑似セット演出中に強制的に特定演出を発生させる構成とすることで、ATモードが有利区間の強制終了条件にて終了する場合であっても、その終了ゲームと疑似セット演出の終了ゲームとをうまく合わせることが可能である。なお、上記の所定数とは、疑似セット演出の最大継続ゲーム数に1を加えたゲーム数以上であるとよく、更に好ましくは、最大継続ゲーム数の2倍以下のゲーム数であるとよい。また、上限ゲーム数である1500ゲーム到達前からエンディング演出を行うような構成においては、当該エンディング演出を行うゲーム数(例えば50ゲーム)を除いたゲーム数(1450ゲーム)までのゲーム数が上記の所定数となった場合に強制的な特定演出を発生させる構成とするとよい。
(26)対峙演出中に特定演出が行われた後、主制御装置101側のATセットカウンタの値(残りATセット数)を示唆する演出が行われるようになる、又は特定演出の実行前よりも当該示唆する演出が行われ易くなる構成としてもよい。
(27)バトル演出中に継続条件が成立した場合には、バトル演出テーブルの書き換えを行う構成としたが、味方敗北演出後に味方キャラクタが復活して勝利することで継続条件が成立していることを報知する復活勝利演出を設け、バトル演出中に継続条件が成立した場合には、味方敗北演出となるバトル演出テーブルのままで演出を行うとともに、当該味方敗北演出後に復活勝利演出を行う構成としてもよい。
(28)対峙演出を10ゲーム、バトル演出を8ゲームとし、対峙演出が行われるゲーム数の方がバトル演出が行われるゲーム数よりも一のATセットに占める割合が多くなるようにしたが、対峙演出を9ゲーム、バトル演出を9ゲームとしてもよいし、対峙演出を8ゲーム以下、バトル演出を10ゲーム以上行う構成としてもよい。
(29)対峙演出中に特定演出が発生してもバトル演出を行う構成としたが、対峙演出中に特定演出が発生した場合にはバトル演出を行わず、大当たり演出(図64(b))がATセットの終了ゲームまで行われる構成としてもよい。
(30)対峙演出とバトル演出とが連続して行われる構成としたが、対峙演出とバトル演出とに上記の大当たり演出等の所定演出を行うゲームが介在する構成としてもよい。
(31)ATモード中の1ゲーム当たりの期待メダル増加枚数は上記のものに限定されず、それよりも多くてもよいし、少なくてもよい。また、ATモードの途中で期待メダル増加枚数が変化し得る構成としてもよく、例えば、所定数のゲームに亘って押し順ベル等の当選確率が高くなるボーナスの一種としてJACを設け、JAC当選時に当該JAC入賞を成立させることができれば、以降は所定数のゲームに亘って1ゲーム当たりの期待メダル増加枚数が多くなるし、JAC当選時にJAC入賞を成立させることができなければ、期待メダル増加枚数は変化しない構成としてもよい。なお、例えば、JAC当選時にストップスイッチ42〜44の操作順序が所定順序であればJAC入賞が成立せず、所定順序とは異なる特定順序であればJAC入賞が成立するようにすることで、特定順序の押し順報知を実行するか否かによって、期待メダル増加枚数をATモードの途中で変化させることが可能である。
(32)ATセットの継続率を特定演出の発生率等で示唆する構成としたが、別途、継続率を示唆する演出を行う構成としてもよい。例えば、ATモード中の補助表示部65における背景色を複数設け、10%継続のATモードであれば当該背景色として例えば青色が選択され易い一方、90%継続のATモードであれば当該背景色として例えば赤色が選択され易い、といったような構成としてもよい。
(33)有利区間移行抽選処理では、いずれの抽選結果であっても有利区間移行抽選に当選するように設定したが、当選確率は上記のものに限定されない。
(34)ATモード中の各種演出(対峙演出、通常演出、特定演出、バトル演出、図柄変動演出、第2特定演出、非第2特定演出、待機演出、オープニング演出、疑似セット演出、第3特定演出、非第3特定演出、エンディング演出、更新演出、非更新演出、復活演出、大当たり演出、移行演出等)の演出態様は、一例であり、上記のものに限定されないことは言うまでもない。
(35)押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、抽選結果や状態によって、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(36)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA〜Cのように、ストップスイッチ42〜44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42〜44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42〜44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(37)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(38)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(39)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(40)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(41)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(42)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(43)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(44)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(45)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(46)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(47)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(48)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(49)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(50)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(51)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(52)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(53)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(54)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象(ATモードのセット継続)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による継続判定処理やAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて前記有利事象を生じさせる有利実行手段(主制御装置101によるATモード用処理における新たなセットを開始させる処理、例えばステップS1404〜ステップS1406の処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の状況にて実行される特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記有利結果であることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による判定結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果である場合、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出設定処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることの有利判定が行われ、その有利判定の結果が有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて有利事象が生じることから、各ゲームにて特典を得るといった遊技性に有利事象を生じさせる遊技性が追加され遊技の多様化が図られる。
このような遊技性においては、有利事象の有利度等によっては、各ゲームの抽選結果やその抽選結果に基づく特典付与よりも、有利事象を生じさせる有利判定に対して遊技者の関心が集中してしまう場合もあり、ゲームの開始及び特典付与に遊技者の操作が関与するスロットマシンの遊技性がないがしろにされてしまう可能性が否めない。特に、有利判定の結果が有利結果であった場合、有利事象が生じるまでのゲームは、有利事象待ちのゲームとなり、遊技者の関心が低下してしまう可能性も高くなる。
そこで、上記構成では、有利事象を生じさせる有利判定の結果が有利結果となった後であって有利事象が生じるよりも前の状況における特定遊技としてのゲームにて、そのゲームの抽選結果に応じて有利結果に対応する特定報知の実行判定が行われるようにしたことから、有利結果となったことを有利事象が生じるよりも前に知りたい遊技者の心理を利用して、当該特定遊技の抽選結果への注目度が好適に高められる。
しかも、上記構成のようにすることで、所定の判定契機に基づいて実行される有利判定の結果が有利結果となった後、有利事象が生じるまでにタイムラグが存在する遊技において、各ゲームの抽選結果に応じて有利事象が生じることに対応する特定報知が行われるため、所定の判定結果に基づく有利判定の結果として特定報知が行われているのではなく、あたかも、各ゲームの抽選結果に応じて有利判定が行われ、その結果として特定報知が行われている印象を与えることも可能である。このようにすることで、有利事象が生じるまでの特定遊技への注目度を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A2.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が異なる第1状態(例えば、継続率10%のATモード)及び第2状態(例えば、継続率90%のATモード)が設定されており、
前記第1状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率と、前記第2状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率と、が異なることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利結果となる確率が異なる第1状態と第2状態とでは、同じ抽選手段による抽選結果であっても、特定遊技において特定報知の実行当選となる確率が異なる。このようにすることで、特定報知により有利判定の結果を把握する遊技性だけではなく、特定報知によって有利判定の判定状態(第1状態又は第2状態)を把握する遊技性が追加され、特定報知への注目度が高められることを通じて、特定遊技における抽選結果への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴A3.前記第1状態よりも前記第2状態の方が前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が高い構成であり、
前記第1状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率よりも、前記第2状態にて前記有利結果となった場合の前記特定遊技において前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率の方が高い構成であることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利結果となり易い判定状態(第2状態)ほど、特定遊技にて特定報知が実行され易くなる。つまり、有利結果となり易い判定状態においては、有利結果となった後、有利事象が生じるよりも前に特定報知が実行され易くなる。言い換えると、有利結果となりにくい判定状態においては、有利結果となってから有利事象が生じるまでに特定報知が行われないゲームが多く消化され得る。このようにすることで、特定報知が実行されることを期待する遊技者心理を利用して各ゲームの注目度を向上させる構成において、注目度を向上させる効果が期待できるゲームは、有利事象が生じにくいほど多くなる。よって、有利事象の発生率を高め過ぎることによって出玉率が高騰することを回避しながら、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能となる。
また、例えば、有利事象が生じた後も前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われるような構成であったり、前回の判定状態がその後の判定状態に影響を及ぼすような構成においては、有利結果となった後であっても、特定報知によって有利判定の判定状態を把握することへ遊技者は高い関心を寄せるものと考えられ、特定報知が発生するタイミングから、有利判定の判定状態を予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上も図られる。
特徴A4.前記第1状態にて実行された前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であり、前記有利実行手段により前記有利事象が生じた後、前記第1状態にて前記有利判定手段により有利判定が行われる、又は前記第2状態よりも前記第1状態にて前記有利判定手段により前記有利判定が行われ易い構成であり、前記第2状態にて実行された前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であり、前記有利実行手段により前記有利事象が生じた後、前記第2状態にて前記有利判定手段により有利判定が行われる、又は前記第1状態よりも前記第2状態にて前記有利判定手段により前記有利判定が行われ易い構成であることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定にて有利結果となって有利事象が生じた後、前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われる又は前回の有利判定の判定状態を引き継いで有利判定が行われ易くなる構成となり、特定報知が発生するタイミングから、有利判定の判定状態を予測する遊技が追加され、遊技の興趣向上も図られる。
特徴A5.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第1特定結果である場合は第3確率にて前記対応結果となるように前記実行判定を行い、且つ前記第2特定結果である場合は前記第3確率よりも高い確率である第4確率にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うものであり、
前記第1確率と前記第3確率との積(継続率10%なら5.5%、継続率90%なら13.3%)の方が、前記第2確率と前記第4確率との積(継続率10%なら0.8%、継続率90%なら1.0%、図51)よりも大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1特定結果とそれよりも当選しにくい第2特定結果とがあって、第1特定結果を契機とする特定報知の実行判定よりも第2特定結果を契機とする特定報知の実行判定の方が当選し易い構成において、第1特定結果の当選確率(第1確率)と第1特定結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第3確率)との積の方が、第2特定結果の当選確率(第2確率)と第2特定結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第4確率)との積よりも大きくなるように設定されていることから、実質的に第1特定結果を契機とする特定報知の方が第2特定結果を契機とする特定報知の方が発生し易い構成となる。このようにすることで、所謂レア役としての第2特定結果を契機として特定報知が実行され易いとはいえ、なかなか第2特定結果当選とならずに、事実上、特定報知が実行される機会がさほどない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、ゲームの抽選結果として比較的当選し易い第1特定結果であっても特定報知が行われることに期待させることができ、特定報知を利用した注目度向上効果を好適に奏する構成とすることが可能となる。
特徴A6.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第1確率は第1特定数(1.04)分の1の確率であり、
前記特別数よりも前記第1特定数の方が小さくなるように設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第1特定結果となる特定遊技が少なくとも1回は生じるように各確率が設定されていることから、特定報知が実行される機会を好適に確保することが可能となる。
特徴A7.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第2確率は第2特定数(28.4)分の1の確率であり、
前記特別数よりも前記第2特定数の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴A5又は特徴A6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第2特定結果となる特定遊技が1回も生じない可能性が高くなるように各確率が設定されていることから、第1特定結果を契機とする特定報知が実行され易くなるように設定する意義が高められる。
特徴A8.前記実行判定手段は、少なくとも特別数(10)の前記特定遊技にて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であり、
前記第1確率は第1特定数(1.04)分の1の確率であり、
前記第1確率と前記第3確率との積は第3特定数分の1(継続率10%なら約18.2分の1、継続率90%なら7.52分の1)であり、前記第2確率と前記第4確率との積は第4特定数分の1(継続率10%なら約122分の1、継続率90%なら約105分の1)であり、
前記第3特定数は前記特別数よりも小さい値となり得る一方、前記第4特定数は前記特別数よりも小さい値とならないように設定されていることを特徴とする特徴A5乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成よれば、特定報知が実行され得る(実行判定が行われる)特別数の遊技中に、第1特定結果を契機とする特定報知は少なくとも1回は発生し得る一方、第2特定結果を契機とする特定報知は1回も発生しない可能性が高くなるように設定されていることから、せっかく用意した特定報知が実行されないといった事象を生じさせないようにし、且つゲームの抽選結果として比較的当選し易い第1特定結果への期待感を高めることが可能となる。
特徴A9.前記特定報知手段により前記特定報知が行われた後、少なくとも前記有利事象が生じるまで前記特定報知の実行を制限する制限手段(表示制御装置81による発生済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が実行された後は、有利事象が生じるまで再度の特定報知の実行が制限されることから、特定報知を見逃さないようにしたい遊技者心理を利用して、遊技演出への注目度を好適に高めることができる。
特徴A10.前記特定報知として、第1特定報知(例えば、VS表示における特定演出)と、当該第1特定報知と遊技者が識別可能な程度に報知態様が異なる第2特定報知(例えば、味方キャラアップにおける特定演出)とが設定されており、
前記特定報知手段は、前記特定遊技のうち、第1特定遊技(セット1ゲーム目)にて前記特定報知を実行する場合は前記第1特定報知を実行し、前記特定遊技のうち、前記第1特定遊技とは異なる第2特定遊技(セット2〜4ゲーム目)にて前記特定報知を実行する場合は前記第2特定報知を実行する構成であることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、一旦特定報知が実行された場合にはそれ以降の特定報知の実行が制限される構成において、各ゲームで実行され得る特定報知の報知態様が異なるように設定されていることから、より注意深く特定報知の発生を確認しようとしていなければ、特定報知の実行を見逃してしまう可能性が高くなる。このようにすることで、特定報知への期待感を通じて、遊技演出への注目度を高める効果をより向上させることが可能となる。
特徴A11.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果であって、前記特定タイミングよりも前の前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果に基づき前記有利事象を生じさせることの有利判定を実行する第2有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記有利実行手段は、前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記特定タイミングにて前記有利事象を生じさせる構成であり、
前記実行判定手段は、前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の状況にて実行される特定遊技においても、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記特定報知を実行することの実行判定を行うことを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果とならなくても、特定タイミングとなるよりも前に第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となれば、特定タイミングにて有利事象が生じるようになる。そして、当該第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合においても、特定タイミングよりも前の特定遊技において特定結果である場合に、特定報知が実行され得るようになる。この場合、第2有利判定手段による有利判定は抽選手段による抽選結果に基づき行う構成としていることから、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となったことを各ゲームの抽選結果に応じて特定報知として報知する構成において、実際に各ゲームの抽選結果に応じて有利事象が生じることとなる特定報知も行われるようになる構成となる。このようにすることで、有利判定手段によって事前に有利結果となっている状況において、あたかも各ゲームの抽選結果に応じて有利結果となって特定報知が実行されている印象を更に強めることが可能となる。
なお、上記構成における「第2有利判定手段」との関係性を明確化すべく、特徴A1における「有利判定手段」を「第1有利判定手段」と表現してもよい。
特徴A12.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記第2有利判定手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合は有利判定を行う一方、前記第1特定結果である場合は前記有利判定を行わない構成、又は前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第2特定結果である場合の方が前記第1特定結果である場合よりも前記有利結果となり易いように有利判定を行う構成であり、
前記特定報知手段は、前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果であることを契機として前記特定報知を実行する割合の方が、前記第2特定結果であることを契機として前記特定報知を実行する割合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2有利判定手段による有利判定では、第1特定結果よりも当選しにくい第2特定結果である場合の方が有利結果となり易いことを前提としながら、特定報知は、第1特定結果を契機とする特定報知の方が第2特定結果を契機とする特定報知よりも発生し易い構成としており、このような構成とすることで、第2有利判定手段による有利判定にて有利結果となる事象を生じ易くし過ぎないようにしながらも、あたかも第1特定結果を契機として有利事象が生じる場合がある印象を強く与えることが可能となる。よって、出玉率が高騰してしまうことを回避しながらも、特定遊技においては、抽選結果として当選し易い第1特定結果ですら注目度を高めることができ、有利事象が生じるまでの特定遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A13.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第2特定結果を契機として前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合、前記第1特定結果となる前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81において、特定役にて上乗せ当選して継続コマンドを受信したゲームにおいて、特定演出抽選に非当選であれば当該ゲームでは特定演出を実行せず、その後の通常役であるゲームにて特定演出抽選に当選となることに基づいて特定演出を行うことが可能なように設定された特定演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11又は特徴A12に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい第2特定結果を契機とする第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合であっても、当該第2特定結果となった特定遊技ではなく、第1特定結果となる特定遊技にて特定報知が実行される場合があるようになり、第1特定結果を契機とする有利判定の結果が有利結果となる確率が高くなり過ぎないようにしながらも、第1特定結果であっても有利判定の結果が有利結果となることへの期待感を疑似的に高めることが可能となる。
特徴A14.前記特定結果として第1特定結果(通常役)と、当該第1特定結果とは異なる第2特定結果(特定役)と、が設定されており、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1特定結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも低い確率である第2確率にて前記第2特定結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第2特定結果を契機として前記第2有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合、当該第2特定結果となった前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81において、特定役にて上乗せ当選して継続コマンドを受信したゲームにおいて、特定演出抽選に当選であれば当該ゲームにて特定演出を行うことが可能なように設定された特定演出設定処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A11乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、比較的当選しにくい第2特定結果を契機とする第2有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となった場合、当該第2特定結果となった特定遊技にて特定報知が実行される場合があるようになる。このように、特定遊技において所謂レア役としての第2特定結果に当選した場合にそれを契機として有利事象が生じることを特定報知によって報知することで、特定遊技において第2有利判定手段による有利判定が実際に実行されている印象を強く与えることが可能となり、これにより、所定の判定契機に基づいて行われる有利判定の結果ではなく、特定遊技において実行される第2有利判定手段による有利判定の結果として有利事象が生じているように思わせる効果を高めることができる。
特徴A15.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって、前記特定タイミングよりも前の前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果に基づき前記有利事象を生じさせることの有利判定を実行する第3有利判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記有利実行手段は、前記第3有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、前記有利判定手段による判定結果に基づく前記有利事象が生じた後、前記第3有利判定手段による判定結果に基づく前記有利事象が生じるようにすることが可能な構成であり、
前記実行判定手段は、前記第3有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果となる前記特定遊技にて前記対応結果となるように前記実行判定を行うことが可能な手段(表示制御装置81による非当選コマンドに基づき特定演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果である場合において、特定タイミングとなるよりも前に第3有利判定手段による有利判定の結果が有利結果となれば、特定タイミングにて有利判定手段の判定結果に基づいて有利事象が生じ、更にその後に第3有利判定手段の判定結果に基づいて有利事象が生じる、といったように、所謂有利事象の上乗せが行われる場合があるようになる。そして、上記構成では、有利判定手段による有利判定の結果が有利結果である場合において、第3有利判定手段による有利判定の結果が有利結果ではない場合に特定報知が実行されるようにしたことから、特定遊技において第3有利判定手段による有利判定の当選確率を高めすぎることなく、あたかも特定遊技の抽選結果に応じて有利結果となって特定報知が実行されている印象を更に強めることが可能となる。
なお、上記構成における「第3有利判定手段」との関係性を明確化すべく、特徴A1における「有利判定手段」を「第1有利判定手段」と表現してもよい。
特徴A16.前記有利判定手段は、前記所定の判定契機が生じた遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず前記有利判定を行うことを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定手段による有利判定の結果に基づき有利事象が生じる構成を、あたかもその後の特定遊技の結果として有利事象が生じているように印象付けるうえで、有利判定手段による有利判定が行われた遊技ではなく、その後の特定遊技における抽選手段による抽選結果に有利事象が強く関連付けられた印象を与えることが可能となり、特定遊技の結果として有利事象が生じている印象付けを行い易くすることができる。
特徴A17.前記特定遊技として、前記特定報知が実行され得る第1特定遊技(例えば、対峙演出が行われるゲーム)と、前記特定報知が実行されない又は前記第1特定遊技よりも前記特定報知が実行されにくい第2特定遊技(例えば、バトル演出が行われるゲーム)と、が設定されており、
前記第1特定遊技の後に前記第2特定遊技が実行され、その後、前記特定タイミングが生じることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定が行われた後、特定報知が行われ得る第1特定遊技を経て、特定報知が行われない又は行われにくい第2特定遊技が実行され、その後、有利事象が生じ得るようになる。このようにすることで、特定報知が行われるタイミングが限定的なものとなり、当該特定報知の希少性が高められることを通じて特定報知への注目度を向上させることが可能となる。しかも、特定報知が発生し得る第1特定遊技と有利事象との間に、特定報知が発生し得ない第2特定遊技が介在する構成としていることから、例えば第2特定遊技にて特定報知とは別の演出にて有利事象発生の有無を報知する構成とする場合に、当該報知と特定報知とが混在することによって注目が分散化されてしまうことを好適に解消することも可能となる。
特徴A18.前記第2特定遊技にて、所定報知(例えば、味方攻撃演出や敵攻撃演出)の実行後、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(味方勝利演出)及び前記有利結果とは異なる結果であることに対応する非有利内容(敵勝利演出)を含む内容報知のいずれかを実行する対応報知を実行可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A17に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の実行後、有利内容又は非有利内容を含む内容報知のいずれかが行われる対応報知が第2特定遊技にて行われて有利判定の結果が報知される構成において、当該第2特定遊技では特定報知が行われないようにしていることから、有利結果演出を楽しませるうえで、特定報知の発生により注意が散漫となってしまって対応報知を存分に楽しませることができないといった不都合を解消することができるし、仮に第1特定遊技にて特定報知が行われていた場合には、その特定報知の発生を把握している遊技者だけが、第2特定遊技における対応報知が有利内容となることを把握している、といったように優越感に浸らせながら対応報知を楽しませることができ、遊技の興趣向上を好適に図ることが可能となる。
なお、上記特徴A1乃至A18に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴A1乃至A18の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記継続条件が成立している前記単位状態であって、当該単位状態が終了する遊技よりも前の遊技において、前記継続条件が成立していることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果である場合、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記有利状態として、第1有利状態(継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも前記継続条件が成立し易い第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記継続条件が成立している状況において、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が、前記特定報知手段による前記特定報知が実行され易くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
そして、継続条件が成立している単位状態において、当該単位状態が終了するよりも前に、継続条件が成立していることに対応する事前告知としての特定報知が行われる場合があるようにしていることから、継続条件が成立していることを確定させて安心したい遊技者心理を利用して、特定報知への期待感を煽り、遊技への注目度を好適に高めることが可能となる。
しかも、有利状態は、第1有利状態と、それよりも継続条件が成立し易い第2有利状態とが設定されており、上記の事前告知としての特定報知は、第1有利状態よりも第2有利状態の方が発生し易いように設定されている。そのため、特定報知の発生は、単に当該単位状態における継続条件の成立を示すものではなく、その発生タイミング等によって単位状態の継続率を示すものとなる。つまり、特定報知が発生した場合には、単位状態が継続することだけでなく、単位状態の継続率が高いことをも示唆することにつながり、特定報知への期待感をより高めることが可能となる。
それだけでなく、上記構成のように、継続率が高いほど特定報知が発生し易い構成とすることで、単位状態が開始されてから特定報知が発生するまでの遊技数は、継続率が高い有利状態ほど少なくなり、継続率が低いほど多くなる。
ここで、遊技者が特定報知の発生を心待ちにしていることを前提とするならば、一の単位状態において、特定報知が発生するか否かを楽しみにする遊技数、すなわち、特定報知が発生するまでの遊技数が多いほど、当該単位状態のドキドキ感を存分に楽しませることにつながると考えられる。その点、上記のように継続率が低いほど特定報知が発生するまでの遊技数が多くなるようにしているため、継続率が低い有利状態であっても特定報知が発生するか否かのドキドキ感を存分に楽しませることが可能な構成となる。また、逆に、継続率が高いほど、一の単位状態における特定報知が発生するまでの遊技数は少なくなり得るものの、単位状態の繰り返し回数が多くなることを通じて、一の単位状態における当該特定報知が発生するまでの遊技数が少ないことを補うことが可能となる。以上の結果、各継続率において、特定報知が発生することを期待させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
特徴B2.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行うことを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知を実行することの実行判定が行われるため、単に特定報知が行われることに期待させるだけではなく、各ゲームの抽選結果に対しても注目させることが可能となる。特に、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知が行われるようにすることで、継続条件の成否が各ゲームの抽選結果に応じて決定されている印象を与えることも可能であり、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能である。
特徴B3.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで同じ確率又は略同じ確率に設定されていることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、ゲームの抽選結果が有利状態の種類に関わらず同じ当選確率である特定結果である場合、実行判定の判定結果が実行結果となる確率が第1有利状態よりも第2有利状態の方が高くなるように設定されていることから、結果的に第1有利状態よりも第2有利状態の方が特定報知の発生率が高くなる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果の当選確率を各有利状態によって異ならせなくても、特定報知の実行抽選の当選確率を変更するだけで、特徴B1の優れた効果を期待することが可能となる。
特徴B4.前記単位状態の更新を行う更新手段(主制御装置101によるATモード用処理を実行する機能)と、
前記更新手段による前記単位状態の更新が行われる場合に、前記継続条件が成立していることの成立判定を行う成立判定手段(主制御装置101による継続判定処理を実行する機能)と、
を備え、
前記成立判定手段による成立判定の結果が前記継続条件が成立していることに対応する成立結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されており、
少なくとも前記更新手段及び前記成立判定手段を備える第1制御装置(主制御装置101)と、当該第1制御装置とは異なる制御装置であって、前記実行判定手段及び前記特定報知手段を備える第2制御装置(表示制御装置81)と、
を有していることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の更新時に継続条件の成否の成立判定が行われ、継続率の高低は、当該成立判定にて継続条件が成立していると判定する確率に依存することになる。そして、単位状態の更新と継続条件の成立判定を第1制御装置にて行い、特定報知の実行判定や特定報知の実行は第2制御装置にて行う構成とすることで、機能の分散化を通じて処理負荷の局所的な増大化を防止することが可能となる。
なお、「更新手段」について、「前記継続条件が成立している状況で前記単位状態が終了する場合、次の単位状態へ移行するように前記単位状態の更新を行う更新手段」と限定してもよい。
また、「成立判定手段」について、「前記更新手段により前記継続条件が成立している前記単位状態が終了される場合に、又は前記更新手段により更新されて新たな前記単位状態が開始される場合に、前記継続条件が成立していることの成立判定を行う成立判定手段」と限定してもよい。
特徴B5.前記成立判定手段は、前記成立判定を行う遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず、当該成立判定を行う構成であることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件の成否判定は、ゲームの抽選結果に関わらず、有利状態の種類に応じて設定されている継続率にて行われる。このようにすることで、継続条件の成否を行ううえでの処理構成を極端に簡素なものとすることができるし、ゲームの抽選結果によって設計値を凌駕するほど、単位状態が継続してしまうといった事象の発生を好適に抑制することが可能となる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記成立判定手段は、前記成立判定を行う遊技における前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記第1有利状態においては第1確率にて当該成立判定を行い、前記第2有利状態においては第2確率にて当該成立判定を行うことを特徴とする特徴B4に記載の遊技機」。
特徴B6.前記継続条件が成立していない前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づき当該単位状態における前記継続条件を成立させることの第2成立判定を実行する第2成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記第2成立判定手段は、前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても共通の確率にて前記第2成立判定を行う構成であることを特徴とする特徴B4又は特徴B5に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の更新時に行われる継続判定の判定結果が継続条件が成立していないとする結果であったとしても、更新後の単位状態におけるゲームの抽選結果に応じて継続条件を成立させる第2成立判定が行われるようにしていることから、各ゲームの抽選結果への注目度を好適に高めることができる。しかも、第2成立判定は、有利状態の継続率の高低に依存することなく、各ゲームの抽選結果に応じて行われる構成としていることから、例えば、低い継続率の有利状態であるからといって、あきらめさせることなく、遊技への関心低下を好適に抑止することができる。
なお、「前記第1有利状態及び前記第2有利状態のいずれにおいても共通の確率にて前記第2成立判定を行う」との記載は、「前記抽選手段による抽選結果が第1結果である場合、前記第1有利状態であれば、第1の確率にて前記継続条件が成立させることに対応する成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記第2有利状態であれば、前記第1の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果である場合、前記第1有利状態であれば、前記第1の確率とは異なる第2の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行い、前記第2有利状態であれば、前記第2の確率にて前記成立結果となるように前記第2成立判定を行う」といったように、第2成立判定は、有利状態の種類に依存することなく各ゲームの抽選結果に応じて第2成立判定を行う構成出ればよく、ゲームの抽選結果に応じて継続条件を成立させる確率が異なることを除外するものではない。
特徴B7.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行い、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた第1特定結果(外れ結果)である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が高くなるように設定されている一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1特定結果とは異なる第2特定結果(スイカ)である場合、前記実行判定手段による前記実行判定の判定結果が前記対応結果となる確率が、前記第2有利状態よりも前記第1有利状態の方が高くなるように設定されており、
前記抽選手段は、前記抽選の結果が前記第1特定結果となる確率の方が前記第2特定結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴B1乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知を実行することの実行判定が行われるため、単に特定報知が行われることに期待させるだけではなく、各ゲームの抽選結果に対しても注目させることが可能となる。特に、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知が行われるようにすることで、継続条件の成否が各ゲームの抽選結果に応じて決定されている印象を与えることも可能であり、各ゲームの注目度を好適に高めることが可能である。
しかも、ゲームの抽選結果が第1特定結果であれば第1有利状態のほうが第2有利状態よりも特定報知が実行され易く、第2特定結果であれば第1有利状態よりも第2有利状態の方が特定報知が実行され易くなるように設定されており、ゲームの抽選結果として第1特定結果の方が第2特定結果よりも出現し易くなるようにしていることから、トータル的に第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知が実行され易くなる構成を、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の発生率の高低が異なる構成としながらも実現することが可能となる。このようにすることで、継続率の高低を特定報知の発生率から予測する遊技性や、特定報知が発生するまでのドキドキ感を提供する遊技数を継続率の高低に応じて異ならせる遊技性において、ゲームの抽選結果と特定報知の発生率との関係で多様なものとすることができ、遊技性を好適に向上させることが可能となる。
特徴B8.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)と、
前記設定手段により設定されている設定値に対応する特別報知を実行可能な特別報知手段(例えば、表示制御装置81による示唆演出設定処理やエンディングゲーム数の抽選処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記特別報知手段による前記特別報知の実行確率又は実行態様が異なっていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の継続率に応じて設定値の示唆演出としての特別報知の実行確率や実行態様が異なっているため、単に一の有利状態が長く継続すべく高い継続率であることを期待する遊技性だけではなく、その有利状態が特別報知により設定値の判別や予測を行い易い継続率であることを期待する遊技性も追加することが可能となり、遊技の興趣性を好適に向上させることが可能となる。
この場合、継続率の高低は特定報知の発生率により予測・判別できる構成としているところ、特別報知が発生した場合、特定報知により予測・判別している継続率との関係から設定値の絞り込みを行うといった構成となることから、設定値の予測・判別を行うための判断材料を獲得する、といった意味で、特定報知への注目度がより高められる。
なお、「特別報知手段」について、以下のように表現することも可能である。
「遊技者にとって有益な特別情報(設定値、ATセットカウンタの情報)に対応する特別報知を実行可能な特別報知手段(例えば、表示制御装置81による示唆演出設定処理やエンディングゲーム数の抽選処理や、ATセットカウンタの示唆演出を行うための処理を実行する機能)」。
特徴B9.前記設定手段により第1設定値(設定1,2)が設定されている場合、前記第1有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が第1態様(長いエンディングゲーム数)にて実行され易い一方、前記第2有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が第2態様(短いエンディングゲーム数)にて実行され易い構成であり、
前記設定手段により前記第1設定値とは異なる第2設定値(設定5,6)が設定されている場合、前記第1有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が前記第2態様にて実行され易い一方、前記第2有利状態では前記特別報知手段による前記特別報知が前記第1態様にて実行され易い構成であることを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
上記構成は特徴B8の具体的構成の一態様であり、上記構成のように特別報知の態様と継続率(有利状態の種類)とによって設定値の絞り込みを行うことが可能な構成とすることで、特定報知への注目度を相乗的に向上させることが可能となる。
特徴B10.前記特別報知手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が行われることにより、前記特別報知を実行可能となる構成であることを特徴とする特徴B8又は特徴B9に記載の遊技機。
上記構成のように、継続率に応じて発生確率の異なる特定報知が実行されることによって、設定示唆としての特別報知が実行可能となる構成とすることで、設定値を把握したい遊技者心理を利用してその前段階としての特定報知への注目度を高めることが可能となる。
特徴B11.前記特別報知手段は、前記継続条件が成立していない前記単位状態において前記特別報知を実行する構成、又は、前記継続条件が成立していない前記単位状態を終了する場合に前記特別報知を実行する構成であることを特徴とする特徴B8乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態が長く継続することを期待しながら確認する特定報知と、有利状態が終了する際に行われる設定示唆としての特別報知とを確認する状況が明確に区別される構成となり、両報知を確認しようとするあまり報知を見逃してしまう事象を回避することが可能となるし、両報知を同じ状況で生じさせようとするための処理負荷の増大化についても好適に回避することが可能となる。そして、例えば、少ない単位状態の更新回数にて有利状態が終了してしまったとしても、その終了が、そもそも低い継続率(第1有利状態)であったことに起因することなのか、それとも高い継続率(第2有利状態)であったのにもかかわらずたまたま継続条件が成立しなかったことに起因する事なのかを、特別報知が実行される状況までに把握しておくことで、設定値の絞り込みが可能となる構成となる。このようにすることで、特定報知に基づく継続率を予測・把握する意義を好適に高めることが可能となるし、有利状態が終了する場合であっても、それまでに継続率を把握していれば、設定値の予測を行うやる気を高めることができ、有利状態終了に際して気持ちを切り替えさせることが可能となる。
特徴B12.一の前記単位状態において、前記特定報知手段により前記特定報知が実行された後、当該特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81による発生済みフラグをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の単位状態において、事前告知としての特定報知が実行された後は、再度の特定報知の実行が制限される。つまり、単位状態の継続率が高いほど特定報知が発生し易い構成において、継続率が高いほど特定報知が行われた後、単位状態の更新が行われるまでの遊技数が多くなる。言い換えると、継続率が低いほど、特定報知が行われた後、単位状態の更新が行われるまでの遊技数が少なくなり、特定報知が行われるまでの遊技数は相対的に多くなる。
ここで、遊技者が特定報知の発生を心待ちにしていることを前提とするならば、一の単位状態において、特定報知が発生するか否かを楽しみにする遊技数、すなわち、特定報知が発生するまでの遊技数が多いほど、当該単位状態のドキドキ感を存分に楽しませることにつながると考えられる。その点、上記のように継続率が低いほど特定報知が発生するまでの遊技数は多くなるため、継続率が低い有利状態であっても特定報知が発生するか否かのドキドキ感を存分に楽しませることが可能な構成となる。また、逆に、継続率が高いほど、一の単位状態における特定報知が発生するまでの遊技数は少なくなり得るものの、単位状態の繰り返し回数が多くなることを通じて、一の単位状態における当該特定報知が発生するまでの遊技数が少ないことを補うことが可能となる。以上の結果、各継続率において、特定報知が発生することを期待させる遊技を存分に楽しませることが可能となる。
なお、上記特徴B1乃至B12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴B1乃至B12の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)以上の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記継続条件が成立していない状況において、前記抽選手段による抽選結果が第1結果(例えばチェリーA等の特定役)である場合に前記継続条件を成立させることの成立判定を行う一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果とは異なる第2結果(例えば、押し順ベル等の通常役)である場合には前記成立判定を行わない、又は前記第1結果である場合よりも前記継続条件が成立しにくくなるように前記成立判定を実行する成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態が終了するよりも前に、前記継続条件が成立していることに対応する特定報知を実行可能な特定報知手段(表示制御装置81による特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である遊技よりも前記第2結果である遊技の方が、前記特定報知手段による前記特定報知が行われ易くなっていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。しかも、継続条件が成立していない単位状態において、ゲームの抽選結果が第1結果である場合には、第2結果である場合よりも、当該単位状態における継続条件が成立し易い成立判定が行われ得るようにしており、単位状態中の各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
しかし、例えば、単位状態のゲーム数としての特定数や第1結果の当選確率からして、一の単位状態中に第1結果当選となることは稀となる場合があり、そのような構成においては、せっかく用意している成立判定に対して、遊技者はさほど期待を寄せなくなってしまう可能性もある。かといって、特定数を多くしたり第1結果の当選確率を高くし過ぎたり、更には成立判定の当選確率を高くし過ぎたりしてしまうと、出玉率が高騰してしまう可能性も否めない。
そこで、上記構成においては、継続条件が成立している単位状態において当該単位状態が終了するよりも前に、継続条件が成立していることに対応する特定報知が発生し得るようにしたうえで、当該特定報知を第1結果よりも第2結果であるゲームにて発生し易くなるように設定したことから、今回の単位状態における継続条件が、第2結果となったゲームにて成立したかのような印象を与えることが可能となる。このようにすることで、特定数を多くしたりする等しなくても、成立判定への期待感を好適に高めることが可能となる。
特徴C2.前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81により継続コマンドを受信したゲームであっても、特定演出抽選に非当選であれば特定演出を行わないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件を成立させることに対応する成立結果となったゲームでは特定報知の実行が制限されることから、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも成立判定の結果が成立結果となり易い構成としながらも、第1結果であるゲームにて特定報知が行われにくくすることが可能となる。このようにすることで、第2結果であるゲームへ期待感を寄せさせることが可能となる。
なお、上記構成は、成立判定手段による成立判定の結果が継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、特定報知手段により特定報知が実行されることを否定するものではなく、少なくとも成立結果となる遊技において特定報知が実行されない場合がある構成であればよい。但し、成立結果となる遊技において特定報知が完全に実行されないような構成としてもよく、その場合、上記記載の効果をより明確に期待することができるようになる。
特徴C3.前記継続条件が成立している状況において、当該単位状態の次回以降の単位状態の継続条件を成立させることの成立判定を行う第2成立判定手段(主制御装置101によるAT上乗せ用処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果とならない遊技において、前記特定報知が実行されるようにする非成立用手段(表示制御装置81による非当選コマンドを受信したことに基づく特定演出を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1又は特徴C2に記載の遊技機。
上記構成によれば、次回以降の継続条件を成立させる、といった所謂上乗せ判定としての成立判定の結果が成立結果とならず、上乗せ判定に非当選であった場合、当該ゲームにて特定報知が実行され得るようになる。このようにすることで、単位状態の継続率を高くし過ぎないようにしながらも、特定報知を実行する機会を増やすことが可能となり、各ゲームにて特定報知が行われることへ注目させることが可能となる。
特徴C4.前記第2成立判定手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記第1結果である場合に前記成立判定を行う一方、前記抽選手段による抽選結果が前記第2結果である場合には前記成立判定を行わない、又は前記第1結果である場合よりも前記継続条件が成立しにくくなるように前記成立判定を実行する構成であり、
前記非成立用手段は、前記第1結果に基づく前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果とならない遊技において前記特定報知が実行されるようにする一方、前記第2結果に基づく前記第2成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果とならない遊技においては前記特定報知が実行されないようにする又は前記第1結果に基づく場合よりも前記特定報知が実行されにくくなるように設定されていることを特徴とする特徴C3に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立している状況において、第1結果に基づく第2成立判定手段による成立判定にて非当選となった場合に特定報知が実行され易くなる。このようにすることで、第2成立判定手段による成立判定の当選確率を高めすぎることなく特定報知の発生率を高めることが可能となる。しかも、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも当該第2成立判定手段による成立判定に当選し易い構成であることからして、第1結果と特定報知との関連付けを行い易く、第1結果時の特定報知の信頼性(今回の第1結果に基づいて継続条件が成立したとの信頼性)を高めることも可能となる。
特徴C5.前記単位状態において、所定報知を実行した後、当該単位状態の前記継続条件が成立していることに対応する有利内容及び前記継続条件が成立していないことに対応する非有利内容を含むいずれかの内容報知を実行する対応報知を実行可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件が成立していることに対応する成立結果となった場合であっても、前記対応報知手段による前記対応報知の実行に対応する遊技において前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する手段(表示制御装置81によるバトル演出中は特定演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知の後に有利内容や非有利内容の内容報知によって継続条件の成否が報知される、といった対応報知が行われる遊技においては、仮に成立判定手段による成立判定の結果として継続条件が成立することとなったとしても、特定報知の実行が制限される。このようにすることで、せっかく用意している対応報知への関心低下を好適に回避することができる。
特徴C6.前記対応報知手段は、前記対応報知を開始してから、前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記成立結果となった場合、当該対応報知における前記内容報知を前記有利内容に変更する手段(表示制御装置81によるバトル書き換え用の処理として例えばステップS2014、ステップS2015の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知中に継続条件が成立した場合に特定報知の実行が制限される構成であっても、対応報知における内容報知の書き換えは行われるため、対応報知と継続条件の成否との矛盾が生じないようにすることができる。
特徴C7.前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を許容する手段(表示制御装置81により継続コマンドを受信したゲームにおいて特定演出を行うようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件を成立させることに対応する成立結果となったゲームでは特定報知の実行が許容される場合があるようにしていることから、第1結果である場合の方が第2結果である場合よりも成立判定の結果が成立結果となり易い構成であって、且つ第1結果である場合よりも第2結果である場合の方が特定報知が行われ易い構成において、第1結果であるゲームでも特定報知が行われる場合があるようにすることが可能となる。このようにすることで、所謂レア役としての第1結果に当選したのにも関わらず、特定報知が実行されない、といった演出上の違和感を低減することができる。
なお、上記構成は、成立判定手段による成立判定の結果が継続条件を成立させることに対応する成立結果となる遊技において、特定報知手段により特定報知が実行されないこと(特徴C2の構成)を否定するものではなく、少なくとも成立結果となる遊技において特定報知が実行される場合がある構成であればよい。但し、成立結果となる遊技においては、特定報知が必ずに実行されるような構成としてもよい。
特徴C8.前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記実行判定手段は、今回の遊技にて前記成立判定手段による前記成立判定の結果が前記継続条件を成立させることに対応する成立結果となったか否かに関わらず、前記実行判定を行うことを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、成立判定手段による成立判定によって継続条件が成立したゲームか否かは関係なく、今回のゲームにおける抽選手段の抽選結果に応じて特定報知の実行判定を行う構成となる。このようにすることで、各ゲームの抽選結果に応じて成立判定を行う構成としながらも、特定報知の発生率を成立判定における当選確率とは別途設定することが可能となり、その発生率を調整することによる特徴C1の効果を期待することが可能となる。
特徴C9.前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、
前記抽選手段は第1確率にて前記第1結果となるように前記抽選を行い、且つ前記第1確率よりも高い確率である第2確率にて前記第2結果となるように前記抽選を行うものであり、
前記実行判定手段は、前記第1結果である場合は第3確率にて前記特定報知を実行するとの結果となるように前記実行判定を行い、且つ前記第2結果である場合は前記第3確率よりも低い確率である第4確率にて前記特定報知を実行するとの結果となるように前記実行判定を行うものであり、
前記第1確率と前記第3確率との積(継続率10%なら0.8%、継続率90%なら1.0%)よりも、前記第2確率と前記第4確率との積(継続率10%なら5.5%、継続率90%なら13.3%図51)の方が大きくなるように設定されていることを特徴とする特徴C1乃至C8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1結果とそれよりも当選し易い第2結果とがあって、第1結果を契機とする特定報知の実行判定の方が第2結果を契機とする特定報知の実行判定よりも当選し易い構成において、第1結果の当選確率(第1確率)と第1結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第3確率)との積よりも、第2結果の当選確率(第2確率)と第2結果を契機とする特定報知の実行判定の当選確率(第4確率)との積の方が大きくなるように設定されていることから、実質的に第1結果を契機とする特定報知よりも第2結果を契機とする特定報知の方が発生し易い構成となる。このようにすることで、所謂レア役としての第1結果を契機として特定報知が実行され易いとはいえ、なかなか第1結果当選とならずに、事実上、特定報知が実行される機会がさほどない、といった不都合を生じさせないようにすることができる。よって、ゲームの抽選結果として比較的当選し易い第2結果であっても特定報知が行われることに期待させることができ、特定報知を利用した注目度向上効果を好適に奏する構成とすることが可能となる。
なお、上記特徴C1乃至C9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴C1乃至C9の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
所定の判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利事象(ATモードのセット継続)を生じさせることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101による継続判定処理やAT上乗せ用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせることに対応する有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにおいて前記有利事象を生じさせる有利実行手段(主制御装置101によるATモード用処理における新たなセットを開始させる処理、例えばステップS1404〜ステップS1406の処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果であって前記特定タイミングよりも前の特定状況において、前記有利結果であることに対応する特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による特定演出抽選処理を実行する機能)と、
前記実行判定手段による判定結果に基づいて、前記特定報知を実行する特定報知手段(表示制御装置81による特定演出設定処理を実行する機能)と、
前記特定状況において、所定報知(例えば、味方攻撃演出や敵攻撃演出)の実行後、前記有利判定の結果が前記有利結果であることに対応する有利内容(味方勝利演出)及び前記有利結果ではないことに対応する非有利内容(敵勝利演出)を含む内容報知のいずれかを実行する対応報知を行うことが可能な対応報知手段(表示制御装置81によるバトル演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記対応報知手段により前記対応報知が行われている状況において、前記特定報知手段による前記特定報知の実行を制限する制限手段(表示制御装置81によるサブ側ATカウンタの値に応じて特定演出設定処理を行わないようにする処理等を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利事象を生じさせることの有利判定が行われ、その有利判定の結果が有利結果である場合、予め定められた特定タイミングにて有利事象が生じることから、各ゲームにて特典を得るといった遊技性に有利事象を生じさせる遊技性が追加され遊技の多様化が図られる。
このような遊技性においては、有利事象の有利度等によっては、各ゲームの抽選結果やその抽選結果に基づく特典付与よりも、有利事象を生じさせる有利判定に対して遊技者の関心が集中し得るようになり、ゲームの開始及び特典付与に遊技者の操作が関与するスロットマシンの遊技性がないがしろにされてしまう可能性が否めない。特に、有利判定の結果が有利結果であった場合、有利事象が生じるまでのゲームは、有利事象待ちのゲームとなり、遊技者の関心も大きく低下し得る。
そこで、上記構成では、有利事象を生じさせる有利判定の結果が有利結果となった後であって有利事象が生じるよりも前の特定状況において、有利結果に対応する特定報知を実行可能としたことから、有利事象が生じるよりも前の各ゲームにおいて特定報知が行われることに期待させながら遊技を行わせることが可能となる。そして、更に特定状況においては、所定報知を実行後、有利判定の結果が有利結果であることに対応する有利内容及び有利結果ではないことに対応する非有利内容を含む内容報知が行われる対応報知が実行されるようにしたことから、所定報知が行われた場合いずれの内容報知が行われるかに対して関心を寄せさせ、有利事象が発生する特定タイミングに向けて、遊技進行に合わせて演出を大いに盛り上げることが可能となる。
その一方で、上記のような最終的な内容報知によって有利判定の結果が報知される対応報知においては、内容報知が行われる遊技よりも前の遊技での報知内容(所定報知の態様)によって内容報知がある程度予測されてしまう場合があり、特に有利結果に対応する特定報知がその対応報知中に行われてしまうと、内容報知への興味が薄れ、遊技への注目度が極端に低下してしまう可能性がある。
かといって、有利事象の事前告知となる特定報知を期待する遊技者のニーズもあり、特定報知を行わない構成としてしまうことによる遊技機会の損失も懸念される。
そこで上記構成においては、対応報知中に限って特定報知の実行が制限されるようにしたことから、有利判定が行われた後、有利事象が生じるまでの特定状況において、特定報知が行われ得る遊技と、特定報知が行われず対応報知が行われる遊技とが明確に区別されるようになり、対応報知と特定報知とが重複することによる不都合を生じさせないようにしながら両報知による演出効果を好適に期待することが可能となる。
特徴D2.前記特定状況において実行される遊技として、前記特定報知手段による前記特定報知が実行される第1特定遊技と、当該第1特定遊技の後の遊技であって前記特定報知手段による前記特定報知の実行が前記制限手段により制限され、前記対応報知手段による前記対応報知が行われる第2特定遊技とが設定されていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定報知後に内容報知によって有利判定の結果が報知される対応報知は、特定状況における第2特定遊技にて行われ、当該第2特定遊技よりも前の第1特定遊技にて有利結果に対応する特定報知が行われ得る構成となる。つまり、有利判定が行われた後、当該有利判定の結果を確定的に報知する特定報知が行われ得る遊技の後、所定報知を経て内容報知にて有利判定の結果が報知される対応報知が実行される遊技が設定された構成となる。このようにすることで、有利内容の対応報知が行われた後で特定報知が行われたり、有利内容の対応報知が行われたのにもかかわらず特定報知が行われない、といった演出上の重複や矛盾を生じさせないようにしながら、両報知による演出効果を期待することが可能となる。
特徴D3.前記対応報知手段による前記対応報知における前記所定報知の態様が複数設定されており、当該複数設定された態様から今回の前記所定報知の態様を選択する選択手段(表示制御装置81によるバトル演出テーブルから今回の演出テーブルを選択する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知の実行の有無に関わらず、前記所定報知の態様を選択することが可能であることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知手段による所定報知の態様を選択手段が選択するにあたって、特定報知の実行の有無を把握する必要が生じない。そのため、選択手段の処理構成が圧倒的に簡素なものとなるし、特定報知を実行した場合のパターンの所定報知を記憶しておく必要がないため記憶容量の削減にも寄与することができる。
また、例えば、特定報知を前提とした構成とする場合、特定報知が発生した場合には対応報知において内容報知の時点で継続条件が成立していることを報知する確定的な報知態様を選択する、といったような態様を用意すると、そのような態様が選択されたのにもかかわらず、例えば特定報知が見逃されていた場合には、当該確定的な報知態様にて特定報知を見逃してしまったことを遊技者は後追いで知らされる、といった不都合が生じ得る。そうすると、特定報知の見逃しを防止する、といった観点から、特定報知を派手な演出態様に設定せざるを得ない事情も生じ得る。これに対して、上記構成のように、特定報知を前提とした対応報知としない演出態様とすることで、特定報知の見逃しを許容できる態様にて態様報知の態様を設定することが可能となり、特定報知自体をさほど派手な演出としなくてもよい構成となる。よって、より注意して演出に向き合わなければ特定報知の発生を把握できないような態様とすることも可能となり、特定報知を見逃さまいとする遊技者心理を利用して遊技演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴D4.前記対応報知手段による前記対応報知における前記所定報知の態様が複数設定されており、当該複数設定された態様から今回の前記所定報知の態様を選択する選択手段(表示制御装置81によるバトル演出テーブルから今回の演出テーブルを選択する処理を実行する機能)を備え、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行された場合には予め定められた特定態様となる前記所定報知の態様を選択する構成であり、
前記選択手段は、前記特定報知手段による前記特定報知が実行されていない場合にも前記特定態様となる前記所定報知の態様を選択することが可能であることを特徴とする特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知手段による所定報知の態様を選択手段が選択するにあたって、特定報知が実行されていれば特定態様となる所定報知の態様が選択されるようになる。このようにすることで、特定報知の実行に伴い、所定報知の態様が一の態様に定められるため、処理構成の簡素化が図られる。しかも、特定態様となる所定報知の態様は、特定報知が実行されなかった場合にも選択され得るものであるから、当該特定態様となる所定報知の態様を特定報知が実行された場合専用のものとして用意する構成と比較して、記憶容量の削減にも寄与することができるし、特定報知の見逃し防止のために当該特定報知を派手なものとする必要も生じず、特定報知への注目度も高めることが可能となる。
特徴D5.前記選択手段により選択される前記所定報知の態様により、遊技者にとって有益となり得る特定情報(ATモードの継続率、設定値)が示唆される構成であることを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、選択手段により選択される所定報知の態様によって特定情報が示唆されることを前提とするならば、特定報知の実行によって、選択手段により選択される所定報知の態様が一義的な態様(特定態様)となる特徴D4の構成においては、特定報知が行われることによって、遊技者は特定情報を知ることができなくなる可能性がある。このような構成とすることで、特定報知を楽しみにさせながらも、それの対価として特定情報を知り得なくなるようにして、遊技の興趣向上が図られる。
特徴D6.前記特定報知手段による前記特定報知の態様(発生率)により、前記特定情報が示唆される構成であることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、特定報知が行われることによって、所定報知の態様による特定情報の示唆は行われなくなるものの、特定報知の態様から特定情報が示唆されるのであるから、特定情報を知りたい遊技者としては、より特定報知へ注目するようになる。よって、遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴D7.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合であっても前記特定報知手段により前記特定報知が実行されない場合があるように設定されている一方、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合には前記対応報知手段による前記対応報知における前記内容報知は前記非有利内容とならないように設定されていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利判定の結果が有利結果であれば、対応報知においては必ず有利内容となるものの、特定報知は実行されない場合がある。このようにすることで、基本的には対応報知によって有利判定の結果が明確に報知されることを前提としながら、特定報知によってその内容報知の如何を知ることもできる場合がある、といったように特定報知を対応報知の補助的な報知として解釈させることができる。よって、特定報知によって内容報知の如何を知ることのお得感を提供することができ、特定報知を楽しみにさせることが可能となる。
特徴D8.前記特定状況にて実行される遊技において、所定の報知手段にて遊技報知を行う遊技報知手段(表示制御装置81による対峙演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記遊技報知手段による前記遊技報知における一部を通常態様(例えば白文字のVS表示)から特定態様(例えば赤文字のVS表示)に変更することを前記特定報知として実行する構成であり、
前記遊技報知手段は、前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果である場合に前記通常態様にて前記遊技報知を実行可能であり、かつ前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果とは異なる結果である場合に前記通常態様にて前記遊技報知を実行可能であることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は各ゲームにて行われる遊技報知のうちの一部を通常態様から特定態様に変更して行われる。この場合、通常態様での遊技報知は、有利判定の結果が有利結果である場合にも実行されるし、有利結果ではない場合にも実行される。つまり、特定報知が行われなかったとしてもそれが有利結果ではないことを示すものではないし、特定報知は遊技報知のうちの一部が特定態様に変更されるだけであることから、それが見逃される可能性もより高くなる。このような構成とすることで、特定報知を見逃さまいとする遊技者心理を利用して遊技演出への注目度を好適に高めることが可能となる。
特徴D9.前記実行判定手段は、前記特定状況にて実行される遊技における前記抽選手段による抽選結果に基づいて前記特定報知を実行することの実行判定を行う構成であることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知は特定状況における各ゲームの抽選結果に基づいて実行判定が行われる。このようにすることで、特定報知と各ゲームの抽選結果とが密接に関連付けられ、例えば、当該特定報知が発生したゲームにおける抽選結果によって有利判定が行われ、当該有利判定にて有利結果となったという印象を与えることも可能となる。
特徴D10.前記所定報知は複数の遊技に亘って実行される構成であり、
当該複数の遊技に亘る前記所定報知の報知態様が複数種類設定されている報知態様情報群(バトル演出テーブル)を記憶する報知態様情報記憶手段(表示制御装置81による各種テーブル記憶エリア182a)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果に基づいて、前記報知態様情報記憶手段に記憶されている前記報知態様情報群から、今回の対応報知における所定報知の報知態様を選択する報知態様選択手段(表示制御装置81による今回のバトル演出テーブルを選択する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記対応報知手段は、前記報知態様選択手段により選択された前記報知態様に基づいて前記所定報知を実行することを特徴とする特徴D1乃至D9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対応報知における所定報知は、複数のゲームに亘って実行されるものであり、その所定報知は、有利判定の結果に基づいて報知態様情報群から選択された報知態様にて行われる。ここで、複数のゲームに亘って所定報知を行う構成において、当該所定報知を実行するゲームにて特定報知を行う場合があるような構成とすると、各ゲームで所定報知の報知態様を決定する必要が生じるし、そのような各ゲームで所定報知の報知態様を決定する構成でなければ、実行する特定報知やその後の内容報知との整合が取れなくなる可能性もある。その点、上記のように対応報知を実行するゲームでは特定報知の実行が制限されていることから、各ゲームで所定報知の報知態様を決定する構成とする必要がなく、比較的簡素な構成にて対応報知を行うことが可能となる。
特徴D11.前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となる確率が異なる第1有利状態(継続率10%のATモード)と第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記実行判定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記特定報知を実行するとの結果となる確率が異なるように前記実行判定を行うことを特徴とする特徴D1乃至D10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の発生率は、有利判定の当選確率に応じて異なるようになり、特定報知の発生率を通じて、有利判定の当選確率を予測する、といった遊技が追加されることになる。このようにすることで、特定報知が行われることにより有利判定の結果を把握することができるだけでなく、有利判定の当選確率をも予測することが可能となり、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴D1乃至D11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴D1乃至D11の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、前記特定数よりも少ない特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態の報知用継続条件が成立している場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始する一方、当該報知用継続条件が成立していない場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記単位報知状態における前記報知用継続条件が成立している場合、当該単位報知状態において予め定められた特定報知(特定演出)を実行する特定報知手段(表示制御装置81による疑似セット演出において第3特定演出や第4特定演出を行うための処理を実行する機能)と、
一の前記単位報知状態において前記特定報知手段による前記特定報知が行われた場合、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず、当該単位報知状態を終了させて、次の単位報知状態を開始可能とする手段(表示制御装置81による疑似セット演出において第3特定演出や第4特定演出に基づいて次の疑似セットに移行させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。しかも、有利状態においては、単位状態の継続ゲーム数である特定数よりも少ない特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態の報知継続条件が成立してれば単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態の報知継続条件が成立していなければ単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、有利状態における単位状態の繰り返し数よりも、単位報知状態の繰り返し数の方が多くなり易く、有利状態における単位状態の継続条件を成立し易くし過ぎないようにして有利度を高めすぎることなく、単位報知状態の繰り返し数を多くして、あたかも継続条件が成立し易いかのように見せることが可能となる。
但し、このように単位状態の遊技数よりも少ない遊技数である単位報知状態を繰り返す構成においては、単位状態が終了する遊技と、単位報知状態が終了する遊技とを合わせることが困難となる場合がある。より詳しくは、単位状態の遊技数である特定数と、単位報知状態の遊技数である特別数と、の公約数でなければ単位状態が終了する遊技と、単位報知状態が終了する遊技とが合致せず、単位報知状態による演出効果を好適に期待できない可能性もある。
そこで、上記構成においては、単位報知状態にて報知継続条件が成立している場合には、特定報知を実行し、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず当該特定報知を契機として当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始させる構成としたことから、単位報知状態における遊技数を、単位状態における遊技数に合わせやすくなる。よって、単位状態よりも少ない遊技数にて単位報知状態を繰り返すことによる演出効果を好適に期待できるようになる。
特徴E2.前記単位状態において前記継続条件が成立している場合、当該単位状態における残りの遊技数が存在している状況下において当該単位状態を終了させることを制限する手段(主制御装置101によるATゲームカウンタが0となるよりも前にATモードのセットの更新を行わないようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態側は特定報知を契機として、当該単位報知状態の残りの遊技数に関わらず当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始させる一方、単位状態側は、継続条件が成立していても、当該単位状態の残りの遊技数が存在している状況下においては、当該単位状態を終了させて次の単位状態を開始させることが制限されている。このように、単位報知状態側の遊技数だけを調節することで両状態の遊技数を合わせる構成とすることで、比較的簡素な構成にて両状態の遊技数を合わせることが可能となる。
特徴E3.前記特定報知手段は、前記単位状態における残りの遊技数に応じて前記特定報知を実行する第1手段(表示制御装置81による継続コマンドを受信していないセットの更新に際して特定演出を発生させるための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態側の残りゲーム数に応じて特定報知を発生させることで、単位報知状態が更新されるため、単位状態の残りゲーム数と単位報知状態の継続ゲーム数(特別数)とを違和感なく調節することが可能となる。
特徴E4.前記第1手段は、前記単位状態における残りの遊技数が前記特別数よりも多い遊技にて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴E3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知を行って単位報知状態を終了させ、次の単位報知状態を開始しても単位状態の残りのゲーム数を消化するまでに、当該次の単位報知状態における特別数のゲーム数を消化することが可能となる。よって、例えば、単位報知状態の途中で単位状態が終了する、といった事象が生じないようになり、単位状態の残りゲーム数と単位報知状態の継続ゲーム数とを違和感なく調節することが可能となる。
特徴E5.前記第1手段は、前記継続条件が成立していない前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に応じて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴E3又は特徴E4に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在する。そこで、上記構成においては、残りの遊技数に応じて特定報知を行う機会を継続条件が成立していない単位状態に限定したため、当該残りの遊技数に応じた特定報知を行うための処理の実行頻度を低くすることができ、処理の簡素化を図ることが可能となる。
特徴E6.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態における残りの遊技数に関わらず前記特定報知を実行する第2手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選や第4特定演出抽選に基づきこれらの特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E5のいずれか1に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在し、どのタイミングで特定報知を実行しても次の単位報知状態における特別数のゲームを消化可能である。そこで、上記構成においては、当該継続条件が成立している単位状態においては、残りの遊技数に関わらず特定報知を実行するようにすることで、特定報知の実行タイミングにランダム性を生じさせることが可能となり、いつ特定報知が行われて単位報知状態が更新されるかが悟られにくくなり、演出の多様化を図ることが可能となる。
特徴E7.前記第2手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態における各遊技にて、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による判定結果に基づいて前記特定報知を実行することを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立している単位状態においては、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の実行判定が行われるため、あたかも各ゲームの抽選結果によって継続条件が成立したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。よって、各ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
特徴E8.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、前記単位報知状態の遊技が前記特別数に達する場合に前記特定報知を実行する第3手段(表示制御装置81による疑似セットの最終ゲームで第3特定演出や第4特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、当該継続条件が成立している単位状態においては、単位報知状態の最終ゲームにて特定報知を実行するようにすることで、特定報知が行われないまま単位報知状態が終了してしまうといった不都合を解消することができる。この場合、特定報知を行う単位報知状態の最終ゲームが、単位状態における何ゲーム目であるかに関わらず、当該特定報知後の次の単位報知状態を消化するだけのゲーム数は存在しているため、単位状態と単位報知状態とのゲーム数を無理なく調整することが可能となる。
特徴E9.前記単位報知状態において前記特定報知が行われないまま前記特別数の遊技が実行され、当該単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了する終了遊技までの遊技において所定の終了報知を実行する終了報知手段(表示制御装置81によるエンディング演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態が終了するゲームと単位報知状態が終了するゲームとが完全に一致しなくても、所定の終了報知によってその差を埋めることが可能となる。このような構成であれば、単位状態と単位報知状態とのゲーム数を無理なく調整することが可能となる。
特徴E10.前記終了報知手段は、前記所定の終了報知を第1数の遊技に亘って実行することが可能であって、当該第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行することが可能であることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
上記構成によれば、所定の終了報知のゲーム数は第1数とすることも第2数とすることも可能であり、単位報知状態を終了させてから単位状態が終了するまでのゲーム数が一律のゲーム数である必要が生じない。このようにすることで、単位報知状態のゲーム数を単位状態のゲーム数に合わせる構成を比較的簡素な構成にて実現することができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記終了報知手段は、前記単位報知状態が終了してから前記有利状態が終了するまでの遊技数が第1数である場合には、当該第1数の遊技に亘って前記所定の終了報知を行い、前記単位報知状態が終了してから前記有利状態が終了するまでの遊技数が前記第1数とは異なる第2数である場合には、当該第2数の遊技に亘って前記所定の終了報知を行うことを特徴とする特徴E9に記載の遊技機」。
特徴E11.前記特典付与手段により付与される前記特典の増減率又は増減態様に変化を生じさせることが可能な設定値が複数設定されており、当該複数の設定値のうちの一の設定値を設定する設定手段(主制御装置101による当選確率の設定処理を実行する機能)を備え、
前記特定報知手段は、前記設定手段により設定されている設定値が第1設定値である場合には、前記単位報知状態において前記特定報知が行われないまま前記特別数の遊技が消化され、当該単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了する終了遊技までの終了遊技数が第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値とは異なる第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数とは異なる第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行することが可能な第4手段(表示制御装置81によるエンディングゲーム数の抽選処理の結果に基づいて第3特定演出を行うようにする処理を実行する機能、図79)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態と単位状態の終了ゲームとの差分のゲーム数(終了遊技数)が、設定値によって異なり易くなり、当該差分のゲーム数から設定値の予測を行わせる、といった斬新な遊技性を実現することができる。
特徴E12.前記有利状態として、第1有利状態(継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも前記単位状態の前記継続条件が成立し易い第2有利状態(継続率90%のATモード)とが設定されており、
前記第4手段は、
前記第1有利状態においては、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、
前記第2有利状態においては、前記設定手段により設定されている設定値が前記第1設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第2数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行し、前記設定手段により設定されている設定値が前記第2設定値である場合には、前記終了遊技数が前記第1数となり易いように当該終了する単位報知状態の前の単位報知状態にて前記特定報知を実行することが可能であることを特徴とする特徴E11に記載の遊技機。
上記構成におよれば、継続条件の異なる第1有利状態と第2有利状態とでは、単位報知状態と単位状態の終了ゲームとの差分のゲーム数(終了遊技数)が示す設定値が相違している。つまり、設定値の絞り込みを行うためには、単に差分のゲーム数だけを把握すればよいだけでは足りず、それよりも以前にいずれの有利状態であるかを把握しておく必要がある構成となる。このようにすることで、有利状態における遊技性を好適に向上させることができる。
特徴E13.前記特定報知手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態における残りの遊技数に関わらず前記特定報知を実行する第2手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選や第4特定演出抽選に基づきこれらの特定演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記第2手段は、前記継続条件が成立している前記単位状態における各遊技にて、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による判定結果に基づいて前記特定報知を実行する構成であり、
前記実行判定手段は、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで前記特定報知を実行するとの結果となる確率が異なるように前記特定報知の実行判定を行うことを特徴とする特徴E12に記載の遊技機。
継続条件が成立している単位状態においては、当該単位状態の残りの遊技数を消化した後も、次の単位状態における特定数以上の遊技が存在し、どのタイミングで特定報知を実行しても次の単位報知状態における特別数のゲームを消化可能である。そこで、上記構成においては、当該継続条件が成立している単位状態においては、残りの遊技数に関わらず特定報知を実行するようにすることで、特定報知の実行タイミングにランダム性を生じさせることが可能となり、いつ特定報知が行われて単位報知状態が更新されるかが悟られにくくなり、演出の多様化を図ることが可能となる。
しかも、継続条件が成立している単位状態においては、各ゲームの抽選結果に応じて特定報知の実行判定が行われるため、あたかも各ゲームの抽選結果によって継続条件が成立したかのような印象を遊技者に与えることが可能となる。よって、各ゲームへの注目度を好適に高めることができる。
それだけでなく、特定報知の実行判定は、第1有利状態と第2有利状態とで当選確率が異なるように行われる構成であることから、特定報知の発生率からいずれの有利状態に滞在しているかを遊技者は予測することが可能となる。このようにすることで、有利状態の途中においては、単位報知状態中の特定報知の発生率から有利状態の種類を把握し、単位報知状態が終了したら、有利状態終了までの差分のゲーム数と、当該予測した有利状態の種類と、から設定値を予測する、といった面白みのある遊技性を実現することができる。
なお、上記特徴E1乃至E13に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴E1乃至E13の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴F群>
特徴F1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする第1手段(表示制御装置81による継続コマンドを受信していないセットの開始ゲームで疑似セットの更新を行う処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
但し、このような有利状態の継続を単位報知状態の繰り返しによって報知する構成おいて、単位報知状態の残り遊技数が存在するのにもかかわらず有利状態が終了してしまうと、そもそもの前提が崩れてしまい、単位報知状態による報知の信頼度が大幅に低下してしまう。
そこで、上記構成においては、有利状態の残りゲーム数が特別数よりも多い場合に特定報知が行われるようにしていることから、当該特定報知によって単位報知状態の更新が行われ、新たな単位報知状態においては特別数のゲームを全て消化することができるようになり、単位報知状態の残りゲーム数が存在しない状況で有利状態を終了させることが可能となる。よって、単位報知状態の報知による演出効果を好適に期待することができ、遊技の興趣向上を図ることができる。
特徴F2.前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い状況において、前記単位報知状態にて前記特定報知を行うことの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果であった場合、前記特定報知が行われるようにする第2手段(表示制御装置81による各特定演出抽選の抽選結果に基づき特定演出を行うための処理を実行する機能能)を備えていることを特徴とする特徴F1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となれば、一律で特定報知が発生して単位報知状態の更新が行われる一方で、特別数となるよりも前においては、各ゲームの実行判定に基づいて特定報知が発生して単位報知状態の更新が行われる。このようにすることで、単位報知状態の各ゲームにおいていつ特定報知が発生するかがわかりにくくなり、単位報知状態の繰り返しによって有利状態の継続を把握させる遊技性を好適に実現することが可能となる。
特徴F3.前記有利状態において所定契機(ATセットの更新)が生じた場合に、前記特別数よりも多い所定数の遊技を実行した後、当該有利状態を終了させる終了判定を行う終了判定手段(主制御装置101による継続判定処理を実行する機能)を備え、
前記第1手段は、前記終了判定手段による終了判定の結果が前記所定数の遊技を実行した後に当該有利状態を終了させることに対応する終了結果(非継続)である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにすることを特徴とする特徴F1又は特徴F2に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定手段は、所定数のゲーム後に当該有利状態を終了させる終了判定を行う構成であり、当該終了判定の結果が終了結果である場合に、特定報知が行われて単位報知状態が更新される。このような構成であれば、特定報知手段における第1手段は、終了判定手段の判定結果に基づいて特定報知を行えばよくなり、有利状態の残りゲーム数を第1手段が常に把握する必要がなくなる等、処理構成の簡素化が図られる。
特徴F4.少なくとも前記終了判定手段を有する第1制御装置(主制御装置101)と、
少なくとも前記報知制御手段を有し、前記第1制御装置とは別途設けられた第2制御装置(表示制御装置81)と、
を備えていることを特徴とする特徴F3に記載の遊技機。
上記構成のように、終了判定手段と特定報知手段(特に第1手段)とが別々の制御装置にて備えられている構成であれば、機能の分散化によって特徴F3の効果をより好適に奏することができる。
特徴F5.前記所定契機は、前記所定数の遊技が実行される度に生じることを特徴とする特徴F3又は特徴F4に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定手段は、毎ゲーム終了判定を行わずに、所定数のゲーム毎に終了判定を行う構成となる。このようにすることで、終了判定の頻度を少なくすることができ、処理負荷を抑制することが可能となる。
特徴F6.前記報知制御手段は、前記終了判定手段による終了判定の結果が前記終了結果とは異なる結果(継続)である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする第3手段(表示制御装置81によるATセットの更新時に特定演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F3乃至F5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、終了判定の結果が終了結果ではなくても第3手段によって特定報知が行われる場合があるようにしているため、当該第3手段による特定報知によって第1手段による特定報知をうまくカモフラージュさせることが可能となり、特定報知が残り所定数のゲームによって終了することのサインになりにくくなる。このようにすれば、特定報知が行われても有利状態がまだまだ継続することに期待させることができる。
特徴F7.前記第1手段は、前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い所定数である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする構成であり、
前記所定数と前記特別数との差分の遊技数に亘って、予め定められた特別報知を実行することが可能な特別報知手段(表示制御装置81によるエンディング演出や大当たり演出を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴F1乃至F6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1手段によって特定報知が行われる場合、有利状態の残りのゲーム数は所定数となっており、そのうち、特別数のゲームは特定報知により更新された後の単位報知状態による演出が行われ、その所定数と特別数との差分のゲーム数に亘って特別報知が行われる。このようにすることで、所定数と特別数とが完全に一致していなくても、演出上の空白期間を生じさせないようにすることができる。
特徴F8.前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態の次の単位報知状態が終了した後、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることによって更新された次の単位報知状態の後に、特別報知が行われ、当該特別報知の終了とともに有利状態が終了する。つまり、特別報知が有利状態の終了を示す演出となり、単位報知状態による演出の終了後、有利状態が終了するまでのゲームを所謂エンディング演出によって補う構成となる。よって、単位報知状態による演出が行われない期間の演出を違和感なく楽しませることができる。
なお、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態の次の単位報知状態が終了した後、前記有利状態が終了することを示す前記特別報知を実行することを特徴とする特徴F7に記載の遊技機」。
特徴F9.前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態と、当該単位報知状態の次の単位報知状態との間の遊技にて、前記特別報知を実行することを特徴とする特徴F7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知が行われることによって更新された単位報知状態と、その次の単位報知状態との間のゲームで特別報知が行われ、当該次の単位報知状態の終了とともに有利状態が終了する。このようにすることで、単位報知状態中に特定報知が行われなければ有利状態が終了する、といった印象を強く与えることが可能となり、特定報知への注目度を好適に高めることが可能となる。この場合、特別報知は、単位報知状態において特定報知が発生し、次の単位報知状態へ移行することを示す大当たり演出に相当するものとなり、単位報知状態による演出が行われない期間の演出を違和感なく楽しませることができる。
なお、上記構成は、以下のように表現してもよい。
「前記特別報知手段は、前記第1手段による前記特定報知に基づき終了された前記単位報知状態と、当該単位報知状態の次の単位報知状態との間の遊技にて、前記単位報知状態が更新されることを示す前記特別報知を実行することを特徴とする特徴F7に記載の遊技機」。
また、上記の「特別報知」は、第1手段による特定報知によって終了される単位報知状態と、次の単位報知状態との間のゲームに限らず、他の手段による特定報知によって終了される単位報知状態と、次の単位報知状態との間のゲームにおいても当該特別報知が行われる構成とすることで、特別報知が、単位報知状態が更新され得ることを示す報知である印象を強く会えることが可能となる。
特徴F10.前記第1手段は、前記有利状態における残り遊技数が前記特別数よりも多い所定数である場合に、前記単位報知状態において前記特定報知が行われるようにする構成であり、
前記所定数は、前記特別数の2倍以下の数であることを特徴とする特徴F1乃至F9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となった場合に特定報知を行って単位報知状態を終了させた後、次のゲームから単位報知状態を開始すると、当該単位報知状態を特別数のゲームに亘って消化した時点では、有利状態の残りのゲーム数は特別数よりも少なくなる。つまり、特別数のゲームに亘る単位報知状態を2回分は消化できないものの少なくとも1回分は消化することができる状況となった時点で、第1手段による特定報知が行われるようになる。よって、当該1回分の単位報知状態を更新することなく(特定報知を発生させることなく)行ってから単位報知状態による演出を終了させればよく、単位報知状態の最中に有利状態が終了してしまう、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴F11.前記所定数は前記特別数より1多い数であることを特徴とする特徴F10に記載の遊技機。
上記構成によれば、有利状態の残りゲーム数が所定数となった場合に特定報知を行って単位報知状態を終了させた後、次のゲームから単位報知状態を開始すれと、当該単位報知状態を特別数のゲームに亘って消化した時点で、ちょうど有利状態の残りのゲーム数が0となる。このようにすることで、有利状態の終了ゲームと単位報知状態による演出の終了ゲームとを合わせることが可能となる。
なお、上記特徴F1乃至F11に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴F1乃至F11の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴G群>
特徴G1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態よりも第2有利状態における単位報知状態の方が、単位報知状態にて特定報知が行われる場合の当該単位報知状態の滞在ゲーム数としての実行遊技数の平均数が多くなるように設定されている。
この場合、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が多くなるため、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続するにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。このように、有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴G2.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の各遊技において前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による前記実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果となった場合に前記特定報知を行うようにする構成であり、
前記実行判定手段による前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第1有利状態の方が前記第2有利状態よりも高くなるように設定されることで、前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行判定の当選確率を異ならせるだけで特徴G1の優れた効果を期待することができる。
特徴G3.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記実行判定を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合、前記第1有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第2有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて実行判定が行われる構成となり、特定報知の実行の有無が自らの運に左右される印象を与えることが可能となるため、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
特徴G4.前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴G3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が特定結果となる確率を異ならせることなく、第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知の発生率を高くすることが可能となる。よって、結果的に、単位報知状態における実行遊技数の平均数を第2有利状態の方が多くなるようにすることができ、比較的簡素な構成にて特徴G1の優れた遊技性を実現することが可能となる。
特徴G5.前記単位報知状態の繰り返し数の平均数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、単位報知状態の実行遊技数の平均数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも少なくなり易く、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の単位報知状態の繰り返し数の平均数については第2有利状態の方が多くなるように設定されており、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差は、繰り返し数を逆転するほどの差ではないことになる。このようにすることで、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差があまりに大きくて所謂出来レースである印象を与えないようにすることが可能となる。
特徴G6.前記単位報知状態の繰り返し数の平均数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴G1乃至G5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、単位報知状態の実行遊技数の平均数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも少なくなり易く、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の単位報知状態の繰り返し数の平均数も第1有利状態の方が多くなるように設定されており、単位報知状態の実行遊技数の平均数の差は、繰り返し数を逆転するほどの差となる。このようにすることで、単位報知状態の実行遊技数の平均数に差を設けることによって、少ない継続ゲーム数の第1有利状態であっても第2有利状態よりも有利に見せる演出効果を最大限に期待することが可能となる。
なお、上記構成を特徴G5に適用する場合、有利状態の種類をより多くし、特徴G5における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせと、特徴G6における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせとが異なるようにするとよい。
具体的には、例えば、継続遊技数の平均数が少ない順で、第1有利状態(継続率10%のATモード)、第2有利状態(継続率60%のATモード)、第3有利状態(継続率90%のATモード)、を設け、単位報知状態の実行遊技数の平均数を、第1有利状態を最も少なくなり易くし、第3有利状態を最も多くなり易くする。そのうえで、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数よりも第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数の方が多くなるようにし(特徴G5)、第2有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数の方が第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の平均数よりも多くなるようにする(特徴G6)ことで、特徴G5の構成と特徴G6の構成を矛盾なく備えることが可能となる。
特徴G7.前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)以上の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が前記継続条件が成立し易いことで、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が遊技数が多くなり易いことを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定数の遊技を一の単位状態として継続条件が成立していれば次の単位状態に移行し、継続条件が成立していなければ次の単位状態に移行しない、といったようにセット管理型の有利状態において、第1有利状態よりも第2有利状態の方が継続条件が成立し易くなりその遊技数が多くなる。このようなセット管理型の有利状態においては、セット数差による有利度の差はもちろん遊技数差よりも大きくなることから、継続条件の成立確率に差がある第1有利状態と第2有利状態との有利/不利の印象も大きく異なることになる。そこで、上記構成のようなセット管理型の有利状態に特徴G1の構成を適用することで、実際の単位状態の繰り返し数の差(セット数差)よりも単位報知状態の繰り返し数の差を大きくしたり、小さくしたりすることが可能となり、かかる演出効果をより好適に期待することができる。
特徴G8.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位報知状態で前記特定報知が実行される場合において、当該単位報知状態にて実行される実行遊技数の平均数が、前記第1有利状態と前記第2有利状態とで異なるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態と、第2有利状態における単位報知状態とで、単位報知状態にて特定報知が行われる場合の当該単位報知状態の滞在ゲーム数としての実行遊技数の平均が異なるように設定されている。
この場合、例えば、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が多くなり易くすると、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続するにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。また、例えば、第1有利状態よりも継続ゲーム数が長くなり易い第2有利状態の方が単位報知状態の滞在ゲーム数が少なくなり易くすると、仮に第1有利状態と第2有利状態とが同じゲーム数継続した場合には、単位報知状態の繰り返し数は第2有利状態の方が第1有利状態よりも多くなり易くなる。よって、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも大きく見せることが可能となる。
このように、上記構成によれば、各有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せたり小さく見せたりすることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
なお、上記特徴G1乃至G8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴G1乃至G8の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴H群>
特徴H1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態は、予め定められた特定数(18ゲーム)の遊技を一の単位状態とし、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、複数の遊技に亘って第1報知(疑似セット演出)を実行可能な第1報知手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記有利状態において、前記第1報知の前又は後に連続するように、複数の遊技に亘って第2報知(例えばオープニング演出やエンディング演出や大当たり演出)を実行可能な第2報知手段(表示制御装置81によるオープニング演出やエンディング演出や大当たり演出を行うための処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1報知手段による前記第1報知が行われる遊技数と前記第2報知手段による前記第2報知が行われる遊技数とが、前記特定数以上となる場合と、前記特定数よりも少なくする場合とがあるように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態は、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、単位状態中に第1報知と第2報知とが行われるようにしており、しかも第1報知と第2報知とのゲーム数を合わせると、単位状態のゲーム数である特定数以上となる場合と特定数未満となる場合とがあるようになっている。このようにすることで、単位状態のゲーム数を特定数から変化させなくても、演出側であたかも単位状態のゲーム数が長くなったり短くなったりしているかのように見せることが可能となり、複雑な処理を用いなくてもセット管理型の有利状態における遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴H2.前記第1報知手段は、前記特定数よりも少ない遊技数にて前記第1報知を実行するものであり、
前記第2報知手段は、前記特定数よりも少ない遊技数にて前記第2報知を実行するものであることを特徴とする特徴H1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一方の報知だけでは特定数以上のゲーム数にはならないようになり、両報知のセットが一の単位状態に対応しているかのような印象を与えることが可能となる。よって、両報知によって単位状態の長さが変化するように思わせる効果を好適に高めることができる。
特徴H3.前記第1報知手段は、前記第1報知を第1数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第3数とは異なる第4数の遊技に亘って実行可能であることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知と第2報知とのゲーム数はいずれも変化し得るものとなる。このようにすることで、例えば、第1報知に続けて第2報知が行われて1セットの演出が行われるような構成において、仮に第1報知が短くなってしまっても第2報知が長く継続することに期待感を寄せさせることが可能となる。
なお、上記構成は、「第1数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではなく、また、「第2数」と「第4数」とが同じ数であることを排除するものではない。
また、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記第1報知手段は、前記第1報知を実行する遊技数を変化させることが可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を実行する遊技数を変化させることが可能であることを特徴とする特徴H1又は特徴H2に記載の遊技機」。
特徴H4.前記第1報知手段は、特別数(10)の遊技を上限として前記第1報知を実行するものであり、
前記第1報知手段による前記第1報知の実行中に予め定められた特定報知が実行された場合、当該第1報知の残りの遊技数に関わらず当該第1報知が終了し、前記第2報知手段による前記第2報知が開始されるように設定されており、且つ、前記特別数の遊技に亘って前記特定報知が実行されなければ、当該第1報知の終了後、当該有利状態が終了するように設定されていることを特徴とする特徴H3に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知は特別数の遊技に亘って行われる構成であって、その最中に特定報知が行われると第2報知に移行するものの、その最中に特定報知が行われなければ有利状態が終了してしまう。そのため、なるべく遅いタイミングで特定報知が行われて第1報知のゲーム数を多く確保したい気持ちと、なるべく早いタイミングで特定報知が行われて有利状態が終了しないことを確定させたい気持ちといった遊技者の相反する事象を望む気持ちを利用してドキドキ感ある遊技性を実現することが可能となる。
特徴H5.前記有利状態の残りの遊技数が前記特別数に1を加えた数となった遊技にて前記第2報知手段による前記第2報知を終了させ、次の遊技から前記第1報知手段による前記第1報知を開始させる手段(表示制御装置81による最終ATセットの8ゲーム目で大当たり演出を終了させる処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別数の遊技に亘って特定報知が行われないまま第1報知が実行された場合に有利状態が終了する、といった特徴H4の遊技機を好適に実現することができる。
特徴H6.前記継続条件が成立していない前記単位状態が開始される前の遊技において、前記第2報知手段による前記第2報知が実行されていた場合、当該単位状態における残り遊技数が前記特別数に1を加えた数となる遊技まで、当該実行されていた前記第2報知を継続させる手段(表示制御装置81によるステップS3905〜ステップS3908の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H4又は特徴H5に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しておらず、そのまま継続条件が成立しなければ最後の単位状態となる場合、当該単位状態の更新前のゲームで第2報知が行われていれば、当該第2報知を単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまで継続させる。このようにすることで、当該最後の単位状態において第2報知が行われ、その後、第1報知が特別数のゲームに亘って行われて有利状態が終了するようになる。このような構成は、第2報知のゲーム数を変化させることが可能な構成だからこそ実現できるものであり、このようにすることで、特徴H1のように両報知によって単位状態が長くなったり短くなったりするように印象付けることを可能としながらも、単位状態の終了と両報知の終了とをうまく合わせることが可能となる。
特徴H7.前記継続条件が成立していない前記単位状態が開始される前の遊技において、前記第2報知手段による前記第2報知が実行されていた場合、当該単位状態における残り遊技数が前記特別数に1を加えた数となる遊技まで、当該実行されていた前記第2報知を継続させた場合の当該第2報知の継続遊技数が前記第2報知の継続遊技数の上限よりも多くなる場合、当該第2報知を終了させて前記第1報知手段による前記第1報知を開始させる手段(表示制御装置81によるステップS3909〜ステップS3917の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H4乃至H6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、継続条件が成立しておらず、そのまま継続条件が成立しなければ最後の単位状態となる場合、当該単位状態の更新前のゲームで第2報知が行われている場合において、当該第2報知を単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまで継続させると第2報知の上限ゲーム数に達してしまう場合には、当該第2報知を終了させて第1報知が行われるようにする。このようにすることで、当該最後の単位状態となったことを第2報知の長さが通常よりも長いことを通じて悟られてしまうことを回避することができる。
特徴H8.前記継続条件が成立していない前記単位状態の残りの遊技数が前記特別数に1を加えた数となるまでに、前記第1報知手段による前記第1報知、及び前記第2報知手段による前記第2報知を行わせる手段(表示制御装置81によるステップS3617〜ステップS3620、ステップS3715〜ステップS3718等を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H7に記載の遊技機。
上記構成によれば、最後の単位状態の更新に際して第2報知を終了させて第1報知が開始された場合、当該最後の単位状態の残りゲーム数が特別数+1となるまでに、第1報知と第2報知とが行われるようになる。そして、残りの特別数のゲームで再度第1報知が行われて有利状態が終了する。このようにすることで、特徴H1のように両報知によって単位状態が長くなったり短くなったりするように印象付けることを可能としながらも、単位状態の終了と両報知の終了とをうまく合わせることが可能となる。
特徴H9.前記第1報知手段は、前記第1報知を第1数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第1数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行することを特徴とする特徴H1乃至H8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1報知のゲーム数は変化し得る一方、第2報知のゲーム数は変化しないようになる。このようにすることで、第1報知側のゲーム数の調節だけで特徴H1の効果を期待することができ、構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、上記構成は、「第1数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではなく、また、「第2数」と「第3数」とが同じ数であることを排除するものではない。
なお、上記構成を特徴H3乃至H8に適用する場合、例えば、「前記第2報知手段は、特定第2報知手段と、所定第2報知手段とを備え、前記特定第2報知手段は、前記第2報知を第3数の遊技に亘って実行可能であり、且つ前記第4数とは異なる第2数の遊技に亘って実行可能であり、前記所定第2報知手段は、記第2報知を第3数の遊技に亘って実行する」と限定するとよい。
また、上記構成は以下のように表現してもよい。
「前記第1報知手段は、前記第1報知を実行する遊技数を変化させることが可能であり、
前記第2報知手段は、前記第2報知を実行する遊技数を変化させることが不可能であることを特徴とする特徴H1乃至H8のいずれか1に記載の遊技機」。
なお、上記特徴H1乃至H9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴H1乃至H9の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴I群>
特徴I1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態において予め定められた特定報知が行われた場合には、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記単位状態にて実行される前記単位報知状態の回数(疑似セット数)が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなり易いように設定されていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、有利状態中に特別数のゲームを一の単位報知状態とし、当該単位報知状態において特定報知が実行された場合には単位報知状態を終了させて次の単位報知状態が開始されるし、単位報知状態において特定報知が行われることなく特別数の遊技が実行された場合には単位報知状態の終了後、次の単位報知状態が開始されないようにしていることから、遊技者は単位報知状態が繰り返される限り有利状態が継続することを把握することができ、単位報知状態において特定報知が行われることへ期待させることができる。
有利状態としては継続ゲーム数が異なる第1有利状態と第2有利状態とが設定されているところ、これら第1有利状態における単位報知状態と、第2有利状態における単位報知状態とで、単位状態にて実行される単位報知状態の回数が第1有利状態よりも第2有利状態の方が少なくなり易いように設定されている。
この場合、第1有利状態と第2有利状態とが同じ回数の単位状態が繰り返し実行されたとしたら、単位報知状態の繰り返し数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易くなる。そうすると、実質的には第2有利状態の方が第1有利状態よりも長く継続して、単位状態の繰り返し数も多くなるにしても、単位報知状態の繰り返し数の差を第2有利状態と第1有利状態との継続ゲーム数の差よりも小さく見せることが可能となる。
このようにすることで、各有利状態におけるゲーム数差を、単位報知状態の繰り返し数によってより大きく見せることが可能となり、興趣向上を図ることが可能となる。
特徴I2.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の各遊技において前記特定報知を実行することの実行判定を行う実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理や第4特定演出抽選処理を実行する機能)を備え、当該実行判定手段による前記実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する対応結果となった場合に前記特定報知を行うようにする構成であり、
前記実行判定手段による前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第1有利状態の方が前記第2有利状態よりも高くなるように設定されることで、前記単位状態にて実行される前記単位報知状態の回数(疑似セット数)が、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなり易いことを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知の実行判定の当選確率を異ならせるだけで特徴I1の優れた効果を期待することができる。
特徴I3.前記実行判定手段は、前記抽選手段による抽選結果に応じて前記実行判定を行う構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が特定結果である場合、前記第1有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率が前記第2有利状態での前記実行判定の結果が前記対応結果となる確率よりも高くなるように設定されていることを特徴とする特徴I2に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果に応じて実行判定が行われる構成となり、特定報知の実行の有無が自らの運に左右される印象を与えることが可能となるため、各ゲームの抽選結果への注目度が好適に高められる。
特徴I4.前記第1有利状態と前記第2有利状態とで、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となる確率が共通していることを特徴とする特徴I3に記載の遊技機。
上記構成によれば、各ゲームの抽選結果が特定結果となる確率を異ならせることなく、第1有利状態の方が第2有利状態よりも特定報知の発生率を高くすることが可能となる。よって、結果的に、単位状態における単位報知状態の繰り返し数が第1有利状態の方が多くなるようにすることができ、比較的簡素な構成にて特徴I1の優れた遊技性を実現することが可能となる。
特徴I5.前記有利状態における前記単位報知状態の総回数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が多くなるように設定されていることを特徴とする特徴I1乃至I4のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態における特定数の遊技を単位とする一の単位状態における単位報知状態の回数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易く、第1有利状態における単位報知状態の回数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の有利状態全体の単位報知状態の繰り返し数の総回数については第2有利状態の方が多くなるように設定されており、単位状態における単位報知状態の回数の差は、有利状態中の単位報知状態の総回数を逆転するほどの差ではないことになる。このようにすることで、単位報知状態の回数の差があまりに大きくて所謂出来レースである印象を与えないようにすることが可能となる。
特徴I6.前記有利状態における前記単位報知状態の総回数は、前記第1有利状態よりも前記第2有利状態の方が少なくなるように設定されていることを特徴とする特徴I1乃至I5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成では、有利状態における特定数の遊技を単位とする一の単位状態における単位報知状態の回数は第1有利状態の方が第2有利状態よりも多くなり易く、第1有利状態における単位報知状態の回数が継続ゲーム数の割に多くすることが可能となる構成において、実際の有利状態全体の単位報知状態の繰り返し数の総回数についても第1有利状態の方が多くなるように設定されており、単位状態における単位報知状態の回数の差は、有利状態中の単位報知状態の総回数を逆転するほどの差となる。このようにすることで、少ない継続ゲーム数の第1有利状態であっても第2有利状態よりも有利に見せる演出効果を最大限に期待することが可能となる。
なお、上記構成を特徴I5に適用する場合、有利状態の種類をより多くし、特徴I5における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせと、特徴I6における第1有利状態と第2有利状態との組み合わせとが異なるようにするとよい。
具体的には、例えば、継続遊技数の平均数が少ない順で、第1有利状態(継続率10%のATモード)、第2有利状態(継続率60%のATモード)、第3有利状態(継続率90%のATモード)、を設け、単位状態における単位報知状態の回数を、第1有利状態を最も多くなり易くし、第3有利状態を最も少なくなり易くする。そのうえで、第1有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数よりも第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数の方が多くなるようにし(特徴I5)、第2有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数の方が第3有利状態における単位報知状態の繰り返し数の総回数よりも多くなるようにする(特徴I6)ことで、特徴I5の構成と特徴I6の構成を矛盾なく備えることが可能となる。
なお、上記特徴I1乃至I6に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴I1乃至I6の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴J群>
特徴J1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了されることを一の遊技として遊技を進行させる遊技進行手段(主制御装置101による通常処理を実行する機能)と、
前記遊技進行手段により進行される遊技において遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果、及び前記遊技進行手段により進行される遊技の結果に応じて、遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
遊技状態として、通常状態(通常モード)と、当該通常状態よりも遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)とが設定されており、
前記有利状態として、第1有利状態(例えば、継続率10%のATモード)と、当該第1有利状態よりも遊技数が多くなり易い第2有利状態(例えば、継続率90%のATモード)と、が設定されており、
前記有利状態は、単位状態(ATセット)として特定数(18ゲーム)以上の遊技を実行可能に構成され、当該単位状態の継続条件が成立している場合には、当該単位状態の実行後、次の単位状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、当該単位状態の実行後、当該有利状態が終了する構成であり、
前記有利状態において、特別数(10ゲーム)の遊技を一の単位報知状態(疑似セット)とし、当該単位報知状態の継続条件が成立している場合には、次の単位報知状態に移行する一方、当該継続条件が成立していない場合には、次の単位報知状態に移行させない報知制御手段(表示制御装置81による疑似セット演出を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記単位状態と前記単位状態とを跨いで前記単位報知状態が実行されるようにすることが可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による開始操作に基づきゲームが開始されて当該遊技の抽選が行われ、所定の終了条件を満たすと当該ゲームが終了するとともに抽選結果に応じた特典が付与され得るといった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態においては、特定数以上の遊技を単位状態とし、継続条件が成立する限り当該単位状態が繰り返される、といったような所謂セット管理型の状態とされている。
このような構成において、有利状態中に特別数のゲームを一の単位報知状態とするセット管理型の報知も行われるようにしており、有利状態における単位状態と単位状態とを跨ぐようにして単位報知状態が実行され得るようにしている。このようにすることで、単位状態の繰り返しと単位報知状態の繰り返しとが同期しないことが許容され、単位状態の継続条件の成否にさほど影響を受けずに、単位報知状態の継続条件の成否を比較的自由に設定することが可能となる。よって、実際の単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数を多くしたり少なくしたりすることが可能となり、遊技の多様化に大きく貢献することができる。
特徴J2.前記特定数は前記特別数の整数倍の数とは異なる数であり、前記特別数は前記特定数の整数倍の数とは異なる数であることを特徴とする特徴J1に記載の遊技機。
上記構成のように、単位状態の繰り返し単位となるゲーム数と、単位報知状態の繰り返し単位となるゲーム数とが整数倍の関係とはならないようにすることで、単位状態と単位報知状態とが同期しにくくなる。よって、単位状態と単位状態とを跨いで単位報知状態が実行され易くなり、特徴J1の効果をより明確に奏することが可能となる。
特徴J3.前記報知制御手段は、前記単位報知状態において予め定められた特定報知が行われたことを当該単位報知状態の継続条件の成立として、当該単位報知状態を終了させて次の単位報知状態を開始する一方、当該特定報知が行われることなく前記特別数の遊技が実行された場合には、当該単位報知状態の継続条件の非成立として、当該単位報知状態の終了後、次の単位報知状態を開始しない構成であることを特徴とする特徴J1又は特徴J2に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態は、特別数のゲームを実行することなく特定報知によって更新される場合があるようになり、単位報知状態のゲーム数は特別数を最大数として変化し得るようになる。このようにすることで、単位状態と単位状態とを跨いで単位報知状態を実行するうえで、単位状態の更新と単位報知状態の更新とが同期する場合もあれば、単位状態と単位報知状態とが同期しない場合もあることを、単位報知状態における特定報知の実行の有無によって比較的自由に管理することが可能となり、特徴J1の効果を簡素な構成にて奏することが可能となる。
特徴J4.前記継続条件が成立している前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に関わらず、前記特定報知を実行することの実行判定を行う第1実行判定手段(表示制御装置81による第3特定演出抽選処理等を実行する機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記第1実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴J3に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって単位報知状態の更新が行われる構成において、継続条件が成立している単位状態では、当該単位状態の残りゲーム数に関わらず特定報知の実行判定が行われる。このようにすることで、特定報知が実行されるゲームの自由度が大幅に向上するし、単位状態を跨いで単位報知状態が実行される場面が多くなる。よって、特徴J1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴J5.前記継続条件が成立していない前記単位状態において、当該単位状態の残り遊技数に応じて、前記特定報知を実行することの実行判定を行う第2実行判定手段(表示制御装置81によるサブ側継続フラグがセットされていないATセット1ゲーム目で第3特定演出等を実行するようにする機能)を備え、
前記報知制御手段は、前記第2実行判定手段による実行判定の結果が前記特定報知を実行することに対応する結果である場合に前記特定報知を実行することを特徴とする特徴J3又は特徴J4に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定報知によって単位報知状態の更新が行われる構成において、継続条件が成立していない単位状態では、当該単位状態の残りゲーム数に応じて特定報知の実行判定が行われる。このようにすることで、単位状態が終了して有利状態も終了するのにもかかわらず、単位報知状態は継続している、といった事象を生じにくくすることが可能となり、単位報知状態の信頼性を担保することができる。
特徴J6.前記第2実行判定手段は、前記単位状態の残り遊技数が前記特別数以上である遊技にて前記特定報知が行われるように、前記実行判定を行うことを特徴とする特徴J5に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴J5の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴J7.前記報知制御手段は、前記単位報知状態の継続条件が成立している場合、当該単位報知状態を終了させて、予め定められた第2特別数の遊技に亘って特別報知が実行されるようにし、当該特別報知の実行後、次の前記単位報知状態が開始されるようにする構成であることを特徴とする特徴J1乃至J6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位報知状態と単位報知状態との間に特別報知が行われる遊技が介在されるようになる。特別報知としては、例えば、単位報知状態の継続条件が成立したことを祝福するような大当たり演出が考えられる。このようにすることで、単位報知状態の継続条件が成立した場合の演出効果を高めることが可能となるし、仮に単位状態の継続ゲーム数である特定数と単位報知状態の継続ゲーム数である特別数とが同じ数であったり、たまたま単位状態と単位報知状態との更新が同期した場合であっても、特別報知を行う遊技によってその更新にズレが生じ、単位状態と単位状態とに跨るように単位報知状態が実行される場面が生じ易くなる。よって、単位報知状態の継続条件が成立した場合の演出効果を高めながら、特徴J1の効果をより好適に奏することが可能となる。
特徴J8.前記単位状態と前記単位状態とに跨るように前記特別報知が実行され得る構成であることを特徴とする特徴J7に記載の遊技機。
上記構成によれば、大当たり演出としての特別報知も単位状態を跨いで実行される場合があるようになる。このようにすることで、単位状態が更新されるゲームとは関係なく、単位報知状態を更新することが可能となり、単位報知状態による演出を行ううえでの自由度を大幅に向上させることができる。
特徴J9.前記特定数よりも前記特別数の方が少ない数であることを特徴とする特徴J1乃至J8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数の方が多くなり易く、単位報知状態の更新が頻繁に行われることを利用して、実際の有利状態の継続ゲーム数よりも長く有利状態が継続している印象を与えることが可能となる。また、このようにすることで、単位状態と単位状態とを単位報知状態が跨ぐうえで、一の単位報知状態が複数の単位状態を跨ぐことがなくなる。そのため、少なくとも一の単位状態中に単位報知状態の更新が行われるようになり、単位状態の継続条件が成立せずに有利状態が終了するのにもかかわらず、単位報知状態が未だ特別数のゲームを消化していない、といった事象を生じにくくすることができる。
特徴J10.一の前記有利状態において、前記単位状態の継続条件よりも前記単位報知状態の継続条件の方が成立し易いことを特徴とする特徴J1乃至J9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単位状態の繰り返し数よりも単位報知状態の繰り返し数の方が多くなる。このようにすることで、実際の有利状態の継続ゲーム数よりも長く継続している印象を与えることが可能となる。
なお、上記特徴J1乃至J10に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴J1乃至J10の各構成に対して、特徴A1乃至A18、特徴B1乃至B12、特徴C1乃至C9、特徴D1乃至D11、特徴E1乃至E13、特徴F1乃至F11、特徴G1乃至G8、特徴H1乃至H9、特徴I1乃至I6、特徴J1乃至J10のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴A群乃至特徴H群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴H群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。