JP2021122573A - 遊技機 - Google Patents

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Takeshi Ando
武志 安藤
勇亮 菊池
Yusuke Kikuchi
勇亮 菊池
邦彦 菊地
Kunihiko Kikuchi
邦彦 菊地
勢 高野
Sei Takano
勢 高野
淳一 廣瀬
Junichi Hirose
淳一 廣瀬
将来 山口
Masaki Yamaguchi
将来 山口
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Abstract

【課題】遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】スロットマシン10は、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順報知が発生し得るATモードが設定されている。ATモードへの移行抽選に当選すると、準備モードに移行し、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選しなければ、上限ゲーム数到達後、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する停止出目が表示されたうえでATモードが開始される。但し、当該回転演出を行うゲームがATモード開始用の結果当選であった場合には、回転演出の実行が制限される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、遊技機に関するものである。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。
スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特許文献1参照)。
特開2008−295707号公報
ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。
本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技の興趣向上を図ることが可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明は、
複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せを停止させることが可能な特定結果であった場合、特定特典を付与することが可能な特定特典手段と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段により前記特定動作が行われることを制限可能な特定手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
一実施の形態におけるスロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体の正面図である。 各リールの図柄配列を示す図である。 表示窓から視認可能となる図柄と有効ラインとの関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様と付与される特典との関係を示す説明図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 入賞態様の一例を説明するための図である。 主制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 表示制御装置の電気的構成を示すブロック図である。 主制御装置によるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。 主制御装置による通常処理を示すフローチャートである。 抽選処理を示すフローチャートである。 3ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 2ベット時の通常遊技状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 リール制御処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 ボーナス状態処理を示すフローチャートである。 ボーナス状態用抽選テーブルの一例を示す図である。 各状態の移行関係を示す説明図である。 抽選結果対応処理を示すフローチャートである。 有利区間移行抽選処理を示すフローチャートである。 各種移行抽選テーブルの一例を示す図である。 AT抽選用処理を示すフローチャートである。 AT上乗せ用処理を示すフローチャートである。 上乗せ抽選テーブルの一例を示す図である。 指示モニタ及び区間表示器の概要を説明するための図である。 補助表示部にて行われる押し順報知演出の概要を示す説明図である。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 ストップスイッチの操作順序と成立する入賞態様との関係を示す説明図である。 入賞結果対応処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 AT種別決定処理を示すフローチャートである。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 準備モード用処理を示すフローチャートである。 昇格抽選テーブルの一例を示す図である。 区間表示第1処理を示すフローチャートである。 区間表示第2処理を示すフローチャートである。 サブ側の表示制御装置による演出設定処理を示すフローチャートである。 開始時演出設定処理を示すフローチャートである。 全停止時演出設定処理を示すフローチャートである。 AT開始用処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 回転演出用処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 各リールによる回転演出の概要を説明するための図である。 外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。 外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。 タイマ更新処理を示すフローチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 変形例1における、準備モード用処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。 変形例2における、回転演出処理を示すフローチャートである。 (a)はエラー報知用処理を示すフローチャートであり、(b)は補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 変形例3における、外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。 変形例4における、外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 ATモード用処理を示すフローチャートである。 第2の実施形態における、回転演出処理を示すフローチャートである。 回転演出用処理を示すフローチャートである。 疑似遊技の概要を説明するための図である。 ATモード開始演出と、回転演出及び外部出力のタイミングを、疑似遊技及び疑似遊技中表示との関係から説明するためのタイミングチャートである。 (a)は、変形例1における疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明するための図であり、(b)は、変形例2における疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明するための図である。 (a)は、回転演出処理の一部を示すフローチャートであり、(b)はリール制御処理の一部を示すフローチャートであり、(c)〜(h)は通常遊技中に疑似遊技を実行する場合の遊技の概要を説明するための図である。 変形例3における、疑似遊技中報知の変形例を説明するための図である。 第3の実施形態における入賞態様と付与される特典との関係等の変更箇所を説明するための図である。 AT開始報知用処理を示すフローチャートである。 準備モード用処理を示すフローチャートである。 (a)は準備モード演出設定処理を示すフローチャートであり、(b)は回避演出設定処理を示すフローチャートである。 補助表示部による表示演出の一例を示す図である。 補助表示部による表示演出の一例等を示す図である。 第4の実施形態における、AT抽選用処理を示すフローチャートである。 前兆モード用処理を示すフローチャートである。 AT当選報知用処理を示すフローチャートである。 CZモード用処理を示すフローチャートである。 回転演出処理を示すフローチャートである。 タイマ更新処理を示すフローチャートである。
<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば500パルスの駆動信号(以下、励磁パルスともいう。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、20個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、25パルス(=500パルス÷20図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ20個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜19まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール32Lの1番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール32Lの0番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール32Lの14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール32Lの2番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール32Lの8番目)、「BAR」図柄(例えば、左リール32Lの9番目)、「白7」図柄(例えば、左リール32Lの3番目)、「青年」図柄(例えば、左リール32Lの18番目)、「赤貝」図柄(例えば、左リール32Lの4番目)、「白貝」図柄(例えば、左リール32Lの19番目)の10種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された20個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、上記視認可能となる図柄のうち、各リール32L,32M,32Rそれぞれ1の図柄ずつ、計3つの図柄の組合せを利用して各ゲームの遊技結果が報知される。上記のように3×3=9個の図柄が視認可能となることから、これら3つの図柄の組合せとしては、例えば、図7に示すように、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2に停止する各図柄の組合せや、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3に停止する各図柄の組合せがある。また、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4に停止する各図柄の組合せや、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5に停止する各図柄の組合せがある。その他、左リール32Lの中段図柄,中リール32Mの上段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ折れ曲がりラインL6に停止する各図柄の組合せもある。上記のラインL1〜L5は各図柄を並べると一直線となるラインであり、折れ曲がりラインL6は各図柄を並べると途中で折れ曲がりが生じるラインである。なお、折れ曲がりが生じるラインに停止する各図柄の組合せとしては、折れ曲がりラインL6以外にもあるが、ここでは説明を省略する。
これらラインL1〜L6のうち、メダルのベットによって有効化されるラインと有効化されないラインとが設定され、有効化されたライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が移行される特典が付与されたりするようになっている。その一方で、有効化されないライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞は成立せず、上記特典は付与されない。
本スロットマシン10では、上記のラインL1〜L6のうち、折れ曲がりラインL6が有効ラインとして設定される。より詳しくは、本スロットマシン10では、3枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合と2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合とがあり、これら3枚又は2枚のメダルがベットされてゲームが開始される場合には、折れ曲がりラインL6のみが有効ラインとして設定され、他のラインL1〜L5は有効ラインとしては設定されない。以下の説明では、折れ曲がりラインL6を有効ラインMLと称する場合がある。また、以下では、3枚のメダルがベットされて開始されるゲームを3ベットゲーム、2枚のメダルがベットされて開始されるゲームを2ベットゲーム、1枚のメダルがベットされて開始されるゲームを1ベットゲーム、ともいう。なお、本実施形態では、1ベットゲームは設定されない。
図8〜図10は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典と、の対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、第1小役入賞〜第32小役入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1小役入賞となる。第1小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(a)に示すように、有効ラインMLに第1小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2小役入賞となる。第2小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(b)に示すように、有効ラインMLに第2小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第3小役入賞となる。第3小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(c)に示すように、有効ラインMLに第3小役入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞や第2小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第4小役入賞となる。第4小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(d)に示すように、有効ラインMLに第4小役入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第3小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第5小役入賞となる。第5小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(e)に示すように、有効ラインMLに第5小役入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3には「ベル」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄が揃うラインの相違から、上記の第1小役入賞〜第4小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「リプレイ」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第6小役入賞となる。第6小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは13枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは5枚のメダル払出が行われる。
図11(f)に示すように、有効ラインMLに第6小役入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段、中リール32Mの中段、右リール32Rの下段にそれぞれ「ベル」図柄が停止する(小山型に停止する)。そのため、遊技者は、ベルに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「ベル」図柄の停止位置の相違から、上記の第1小役入賞〜第5小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第7小役入賞となる。第7小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(a)に示すように、有効ラインMLに第7小役入賞に対応する図柄が停止すると、右下がりラインL4には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第8小役入賞となる。第8小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは3枚のメダル払出が行われる。
図12(b)に示すように、有効ラインMLに第8小役入賞に対応する図柄が停止すると、上ラインL1には「スイカ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、スイカに対応する小役入賞が成立したことを容易に理解可能となるとともに、「スイカ」図柄が揃うラインの相違から、上記の第7小役入賞とは異なる小役入賞が成立していることも理解可能となる。
第9小役〜第32小役は、主に、第1小役〜第6小役の取りこぼし時に入賞が成立する、所謂取りこぼし役である。第9小役入賞〜第32小役入賞が成立した場合、3ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われ、2ベットゲームでは1枚のメダル払出が行われる。第9小役〜第32小役は、左リール32Lの「リプレイ」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄、「赤貝」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄又は「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄、「青年」図柄、「赤7」図柄、「スイカ」図柄、「リプレイ」図柄、「BAR」図柄、「ベル」図柄又は「白貝」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄、「青年」図柄、「スイカ」図柄、「赤貝」図柄、「BAR」図柄又は「リプレイ」図柄と、による対応する組み合わせが有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。図8及び図9に示すように、これら第9小役入賞〜第32小役入賞に対応する図柄の組み合わせは、いずれも直線ライン(L1〜L5)に「ベル」図柄が揃って停止することがないように設定されており、ベルに対応する小役入賞が成立していないことを容易に理解可能となるように設定されている。
ちなみに、上記の第1小役入賞〜第32小役入賞に基づいてメダルが払い出される構成において、払い出される小役は、遊技の結果に応じて付与される特典(遊技価値)の一種である。なお、本明細書においては、払い出されたメダルのことを出玉とも称する場合があり、投入した(ベットした)メダルの数に対する払出メダル(出玉)の数の割合を出玉率とも称する場合がある。
メダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能な再遊技の特典(遊技価値)が付与される入賞としては、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞がある。図10に示すように、これら第1再遊技〜第12再遊技に対して、入賞となる図柄組み合わせがそれぞれ設定されている。
第1再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(c)に示すように、有効ラインMLに第1再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「リプレイ」図柄が揃って停止する。そのため、遊技者は、リプレイに対応する再遊技入賞が成立したことを容易に理解可能となる。
第2再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「チェリー」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第2再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(e)に示すように、中ラインL2には「白7」図柄が揃って停止する。
第3再遊技は、左リール32Lの「白7」図柄と、中リール32Mの「白貝」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。有効ラインMLに第3再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、図13(f)に示すように、左リール32Lの中段及び中リール32Mの中段に「白7」図柄が停止し、右リール32Rの中段に「赤7」図柄が停止する。
第4再遊技及び第5再遊技は、複数の再遊技が重複して当選する場合の調整用の再遊技である。
第6再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(d)に示すように、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの上段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの下段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第6再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの下段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの中段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第7再遊技は、左リール32Lの「ベル」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図12(e)に示すように、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と右リール32Rの上段とに「スイカ」図柄が停止する一方、中リール32Mの上段には「スイカ」図柄が停止せず(中リール32Mの中段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂上段スイカテンパイ外れの停止態様となる。また、有効ラインMLに第7再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの上段と中リール32Mの中段とに「スイカ」図柄が停止する一方、右リール32Rの下段には「スイカ」図柄が停止せず(右リール32Rの上段に「スイカ」図柄が停止し)、所謂右下がりスイカテンパイ外れの停止態様となる。
第8再遊技は、左リール32Lの「スイカ」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「リプレイ」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(a)に示すように、有効ラインMLに第8再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、中ラインL2には「スイカ」図柄が揃って停止する。
第9再遊技は、左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「スイカ」図柄と、右リール32Rの「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(b)に示すように、有効ラインMLに第9再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの中段と中リール32Mの中段とに「リプレイ」図柄が停止する一方、右リール32Rの中段には「リプレイ」図柄が停止せず(右リール32Rの中段に「ベル」図柄が停止し)、所謂中段リプレイテンパイ外れの停止態様となる。
第10再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「赤貝」図柄又は「青年」図柄と、右リール32Rの「赤7」図柄、「白7」図柄、「BAR」図柄、「チェリー」図柄、「白貝」図柄又は「青年」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。また、第12再遊技は、左リール32Lの「BAR」図柄と、中リール32Mの「BAR」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄、「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合に入賞が成立する。図13(c)及び図13(d)に示すように、有効ラインMLに第10再遊技入賞又は第12再遊技入賞に対応する図柄が停止すると、左リール32Lの下段に「チェリー」図柄が停止する。第10再遊技又は第12再遊技に当選している場合、右リール32Rに「チェリー」図柄を狙って停止操作を行うと、第10再遊技入賞の場合には上段に「チェリー」図柄が停止し、第12再遊技入賞の場合には中段又は下段に「チェリー」図柄が停止するため、これら第10再遊技入賞と第12再遊技入賞とを区別することが可能である。第11再遊技は、これら第10再遊技や第12再遊技を入賞させることができない場合、すなわち取りこぼしが生じ得る場合に入賞が成立するものである。
遊技状態の移行のみが行われる状態移行入賞としては、第1BB入賞,第2BB入賞がある。
左リール32Lの「リプレイ」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「BAR」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第1BB入賞となる。第1BB入賞が成立した場合、遊技状態が第1BB状態に移行する。図14(a)に示すように、有効ラインMLに第1BB入賞に対応する図柄が停止すると、右上がりラインL5に「BAR」図柄が揃って停止したり、図14(b)に示すように、右上がりラインL5に左から順に「赤7」図柄、「赤7」図柄、「BAR」図柄が停止したりする。
左リール32Lの「赤貝」図柄と、中リール32Mの「ベル」図柄と、右リール32Rの「ベル」図柄と、が有効ラインML上に停止した場合には、第2BB入賞となる。第2BB入賞が成立した場合、遊技状態が第2BB状態に移行する。図14(c)に示すように、有効ラインMLに第2BB入賞に対応する図柄が停止すると、下ラインL3に「白7」図柄が揃って停止したり、図14(d)に示すように、下ラインL3に左から順に「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄が停止したりする。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41を操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。
ストップスイッチ42〜44には、それぞれストップ検出センサ42a〜44a(図15)が接続されており、ストップ検出センサ42a〜44aと後述する主制御装置101とが接続されている。そして主制御装置101では、ストップ検出センサ42a〜44aからの検知信号に基づいて、ストップスイッチ42〜44の操作が行われたことを把握する。具体的には、ストップスイッチ42〜44が操作されていない場合には、ストップ検出センサ42a〜44aからはLOW信号の検知信号が出力されており、ストップスイッチ42〜44が操作されることにより、当該検知信号がLOW信号からHI信号に切り換わる。主制御装置101では、かかる信号の切り換わりを把握して、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握する。主制御装置101では、ストップスイッチ42〜44が操作されたことを把握した場合には、操作されたスイッチに対応するリールの回転を停止するように制御する。
すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。
ストップスイッチ42〜44には、ストップランプ42b〜44bがそれぞれ内蔵されている。当該ストップランプ42b〜44bからの光はストップスイッチ42〜44の操作面を一部透過し、ストップランプ42b〜44bの光はストップスイッチ42〜44を介して視認可能となる。そして、ストップスイッチ42〜44の操作が有効となる場合には、当該ストップランプ42b〜44bが点灯制御され、ストップスイッチ42〜44の操作が無効となる場合には、対応するストップランプ42b〜44bがそれぞれ消灯制御される。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に、ゲームの規定枚数のうちの予め定められた特定枚数を投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。特定枚数は、遊技の進行状況によって設定されるものである。例えば、ゲームの規定枚数が3枚として設定されており特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が2枚として設定されており特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が3枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に3枚の仮想メダルの投入が行われ、規定枚数が3枚又は2枚として設定されている場合であって、特定枚数が2枚として設定されている場合に第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、クレジットがあることを条件に2枚の仮想メダルの投入が行われる。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には第2クレジット投入スイッチ57が設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを2枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56,57は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56,57は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。なお、本スロットマシン10では、仮想メダルを1枚投入するためクレジット投入スイッチは設けられていない。
第1クレジット投入スイッチ56は第2クレジット投入スイッチ57よりも、遊技者により操作される操作面が大きく設定されており、その操作性が第1クレジット投入スイッチ56の方が第2クレジット投入スイッチ57よりも優れている。そのため、通常であれば、遊技者は、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を進行することが想定される。つまり、通常であれば、規定枚数のうちの設定されている特定枚数を投入して遊技を行うものと考えられる。
第1クレジット投入スイッチ56と第2クレジット投入スイッチ57との右方には、演出発生時に操作される演出スイッチ66が設けられている。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
遊技パネル25における表示窓26L,26M,26R下方であって、払出枚数表示部62の右方には、ストップスイッチ42〜44の操作順序を報知する押し順表示器と、操作順序を報知することによって小役の入賞率を変化させ遊技者にとって有利な状況で遊技を進行可能となる区間である有利区間を示すための区間表示器と、を有する指示モニタ68が設けられている。指示モニタ68については、後に詳細に説明する。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部65と称している。補助表示部65の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
前面扉12において、遊技パネル25の下方であって、ストップスイッチ42〜44よりも下方には、遊技機の機種名が記載されたり、所定の表示画面を構成する下表示部69が設けられている。なお、下表示部69を液晶表示部として構成してもよく、下表示部69に演出用の操作ボタンを設けてもよく、下表示部69全体を操作可能に構成してもよい。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率(設定値)を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
主制御装置101には、遊技者にとって有利な遊技状態と、そうではない状態との比率を明示するための役比モニタ77が設けられている。役比モニタ77は、前面扉12を開放状態とすることで遊技機前方から視認可能となり、且つ、前面扉12を閉鎖状態とすることで遊技機前方から視認不可となるように、主制御装置101において遊技機前方を向く側に設置されており、より詳しくは、主制御装置101が収容される基板ボックスを介して役比モニタ77の表示面が視認可能となるように、基板ボックス内に収容されている。ちなみに、前面扉12が閉鎖状態とされている場合、役比モニタ77は表示窓26L〜26Rの隙間等のからも視認不可であり、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって施錠状態が解除されて前面扉12を開放状態としない限り、役比モニタ77を確認することが不可となっている。なお、役比モニタ77については、後に詳細に説明する。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図15及び図16のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、第1クレジット投入スイッチ56の操作を個別に検出する第1クレジット投入検出センサ56a、第2クレジット投入スイッチ57の操作を個別に検出する第2クレジット投入検出センサ57a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、指示モニタ68、役比モニタ77、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。
RAM106は、スロットマシン10の電源が遮断された後においても電源装置91からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっている。RAM106には、各種のデータを一時的に記憶するためのメモリや、役の抽選結果を記憶するための当選フラグ格納エリア106a、各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う場合に用いる停止情報を記憶するための停止情報格納エリア106b、設定値を記憶するための設定値情報格納エリア106c等の他に、バックアップエリアが設けられている。
バックアップエリアは、停電等の発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリアの情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリアへの書き込みは停電処理(図17参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリアに書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電フラグ生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
上記の外部集中端子板121は、遊技ホールのホール管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器等に接続されており、これら遊技機の外部装置に対して情報を出力するためのものである。外部集中端子板121には、図16に示すように、一のゲームが実行されたことに対応する情報を出力するためのゲーム用出力端子121a、ボーナス状態としての第1BBや第2BBの移行したこと対応する情報を出力するための第1BB用出力端子121b、第2BB用出力端子121c、ストップスイッチ42〜44の操作順序が報知されるATモードへ移行したことに対応する情報を出力するためのAT用出力端子121dが設けられている。
図16に示すように、表示制御装置81は、演算処理手段であるCPU181を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU181には、このCPU181によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM182と、このROM182内に記憶されている制御プログラムを実行するに当たって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM183などが内蔵されている。
表示制御装置81には、図示しない入出力ポートが設けられており、入力側に主制御装置101が接続されており、出力側にストップランプ42b〜44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65が接続されている。そして、主制御装置101から入力する各種コマンドに基づいてストップランプ42b〜44b、上部ランプ63、スピーカ64、及び補助表示部65を駆動制御する。つまり、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。即ち、間接的な遊技に関する音声やランプ、表示についてはサブ基盤を設けることにより、メイン基盤の負担軽減を図っている。
表示制御装置81の入力側には、演出スイッチ66(より詳しくは当該演出スイッチ66の操作を検出する演出スイッチ検出センサ)等が接続されている。なお、各種表示部60〜62、68も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
また、表示制御装置81に接続されている各構成42b〜44b,63〜65の全てまたは一部を主制御装置101に直接する構成としたうえで、主制御装置101がこれら各構成42b〜44b,63〜65の全て又は一部を直接制御する構成としてもよい。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理について説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、これら各処理のうち遊技の進行に関わる処理、すなわちタイマ割込み処理と、メイン処理にて行われる通常処理とを説明する。
図17は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msec毎にタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS101に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリアに退避させる。ステップS102では停電フラグがセットされているか否かを確認し、停電フラグがセットされているときにはステップS103に進み、停電処理を実行する。
ここで、停電処理について概略を説明する。
停電の発生等によって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行し、停電フラグをRAM106に設けられた停電フラグ格納エリアにセットする。
停電処理では、先ずコマンドの送信が終了しているか否かを判定し、送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンドの送信を終了させる。コマンドの送信が終了している場合には、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリアに保存する。その後、入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。そして、停電解消時にRAM106のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を算出してバックアップエリアに保存することにより、それ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電フラグが誤ってセットされる場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が出力されているか否かを確認する。停電信号が出力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電フラグをリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が出力されているか否かを確認しており、停電信号が出力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS102にて停電フラグがセットされていない場合には、ステップS104以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS104では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS105では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS106では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS107では、入出力ポート104に接続されたストップ検出センサ42a〜44a,投入メダル検出センサ45a,払出検出センサ51a等の各種センサ(図15参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS108では、各カウンタやタイマの値を減算・加算するタイマ更新処理を行う。ステップS109では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。なお、ステップS108のタイマ更新処理については、後に詳細に説明する。
ステップS110では、後述する抽選結果コマンド等の各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド出力処理を行う。ステップS111では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62及び指示モニタ68にそれぞれ表示されるセグメントデータを設定するセグメントデータ設定処理を行う。ステップS112では、セグメントデータ設定処理で設定されたセグメントデータを各表示部60〜62,68に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメントデータ表示処理を行う。ステップS113では、入出力ポート104からI/O装置に対応するデータを出力するポート出力処理を行う。ステップS114では、先のステップS101にてバックアップエリアに退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102内の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS115にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について図18のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS201では、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行う。ステップS202では、遊技を可能とするための開始前処理を行う。開始前処理では、表示制御装置81等が初期化を終了するまで待機する。表示制御装置81等の初期化が終了した場合には、ステップS203〜ステップS212に示す遊技管理処理を行う。
遊技管理処理として、ステップS203では、RAM106に格納された各種遊技情報等のデータ(例えば前回の遊技で用いた乱数値等)をクリアする。その後、ステップS204では開始待ち処理を行う。
開始待ち処理では、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立したか否かを判定する。いずれかの再遊技入賞が成立していた場合には、前回のベット数と同数の仮想メダルを自動投入する自動投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。具体的には、例えば、3ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には3枚の仮想メダルを自動投入する処理を行い、2ベットゲームにて再遊技入賞が成立した場合には2枚の仮想メダルを自動投入する処理を行う。
なお、自動投入処理では、クレジット表示部60に表示された仮想メダル数を減じることなく仮想メダルの投入を行う。つまり、前回の遊技でいずれかの再遊技入賞が成立した場合には、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく今回の遊技を行うことができる。いずれの再遊技入賞も成立していなかった場合には、タイマ割込み処理のセンサ監視処理ステップS107にてなされたセンサの読み込み結果に異常が発生していないかを確認するセンサ異常確認処理を行い、異常が発生している場合にはスロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。センサの読み込み結果が正常である場合には精算スイッチ59が操作されたか否かを判定し、精算スイッチ59が操作された場合には、クレジットされた仮想メダルと同数のメダルを払い出すメダル返却処理を行う。
メダル返却処理の終了後又は精算スイッチ59が操作されていない場合には、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入又はクレジット投入スイッチ56,57の操作がなされたか否かを判定し、いずれかが行われた場合には、ベット数の変更等を行うメダル投入処理を行い、開始待ち処理を終了する。また、前回の開始待ち処理から今回の開始待ち処理までの間にメダルの投入とクレジット投入スイッチ56,57の操作のいずれもなされていない場合には、そのまま開始待ち処理を終了する。
開始待ち処理の終了後、ステップS205ではメダルのベット数が規定枚数に達しているか否かを判定する。本スロットマシン10では、ボーナス状態(BB状態)における規定枚数として「3」が設定されており、ボーナス状態以外の遊技状態における規定枚数として「2」及び「3」が設定されている。つまり、ボーナス状態においては、ベット数が「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定し、ボーナス状態以外ではベット数が「2」又は「3」となっていることを条件にステップS205にて肯定判定する。言い換えると、ボーナス状態以外の遊技状態において、メダルがベットされていない場合、又は、ベットされていてもベット数が「1」である場合にはステップS205にて否定判定する。ベット数が規定枚数に達していない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
ベット数が規定枚数に達している場合には、ステップS205にて肯定判定することとなったベット数の情報を含むベットコマンドを、ステップS206にてサブ側の制御装置としての表示制御装置81への出力対象としてセットする。ここでセットされたコマンドは、タイマ割込み処理におけるステップS110にて表示制御装置81へ出力される。ベットコマンドを受信した表示制御装置81では、ベット操作に基づく報知(例えば、遊技開始条件が成立したことの報知や、以前のゲームでの抽選結果の報知)のための処理を実行し、スピーカ64や補助表示部65の制御を行う。
ステップS206の処理を実行した後は、ステップS207にてスタートレバー41が操作されたか否かを判定する。スタートレバー41が操作されていない場合には、ステップS204の開始待ち処理に戻り、当該処理のうちセンサ異常確認処理以降の処理を行う。
一方、スタートレバー41が操作された場合には、規定枚数のメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作されると遊技を開始できる構成となっているため、遊技を開始させるべく開始指令が発生したことを意味する。かかる場合には、ステップS208にてベット数と対応する組合せラインを有効ラインと設定する有効ライン設定処理を行う。すなわち、折れ曲がりラインL6のみを有効ラインと設定する。ステップS209では、メダル通路切替ソレノイド46aを非励磁状態に切り替えてベット受付を禁止する。その後、ステップS210の抽選処理、ステップS211のリール制御処理、ステップS212のメダル払出処理を順に実行し、ステップS203に戻る。
次に、ステップS210の抽選処理について、図19のフローチャートに基づき説明する。
ステップS301では、役の当否判定を行う際に用いる乱数を取得する。本スロットマシン10では、スタートレバー41が操作されると、ハード回路がその時点におけるフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。フリーランカウンタは0〜65535の乱数を生成しており、CPU102は、スタートレバー41の操作を確認した後、ハード回路がラッチした値をRAM106に格納する。かかる構成とすることにより、スタートレバー41が操作されたタイミングで速やかに乱数を取得することが可能となり、同期等の問題が発生することを回避することが可能となる。本スロットマシン10のハード回路は、スタートレバー41が操作される毎にその都度のフリーランカウンタの値をラッチする構成となっている。
乱数を取得した後、ステップS302では、役の当否判定を行うための抽選テーブルを選択する。本スロットマシン10では、遊技状態として、大別して通常遊技状態及びボーナス状態を有しており、抽選テーブルは、各遊技状態用にそれぞれ設定されている。そして、通常遊技状態においては、上記のようにベットの規定枚数が「3」と「2」が設定されていることから、通常遊技状態用の抽選テーブルは、3ベットゲームでの抽選テーブルと、2ベットゲームでの抽選テーブルとが設定されている。
すなわち、ステップS302では、ベット数と遊技状態と対応した抽選テーブルを選択する。例えば、ベット数が「3」であって、いずれかのボーナス状態フラグがセットされていない場合には、現在の遊技状態が通常遊技状態であると判別し、通常遊技状態用抽選テーブルを選択する。そして、今回のゲームが3ベットゲームである場合には、3ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図20)を選択し、今回のゲームが2ベットゲームである場合には、2ベットゲーム用の通常遊技状態用抽選テーブル(図21)を選択する。また、本スロットマシン10では、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、設定キー挿入孔に設定キーを挿入してON操作するとともに所定の操作を行うことにより、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定することができる。ステップS302では、設定状態が「設定1」のときにメダル払出の期待値が最も低い抽選テーブルを選択し、「設定6」のときにメダル払出の期待値が最も高い抽選テーブルを選択する。
ここで、当選確率の設定に関する処理について補足説明する。
当選確率の設定処理は、電源投入時に主制御装置101にて起動されるメイン処理にて実行される。より詳しくは、当選確率の設定処理は、設定キー挿入孔に設定キーが挿入されてON操作されていることを設定キー検出センサ73aにて検出している状態で、電源投入された場合に、RAM106の初期化処理の後に起動される。当選確率の設定処理では、所定の操作として、スタートレバー41の操作毎に設定値を1ずつ更新し、例えば、スタートレバー41が1回操作される度に、「設定1」→「設定2」→「設定3」→「設定4」→「設定5」→「設定6」→「設定1」となるように設定値を更新する。なお、各設定値は、例えばクレジット表示部60にて表示され、上記設定値の更新毎にその表示も更新される。そして、設定キー検出センサ73aがOFF操作された状態でスタートレバー41が操作されたことを設定値の確定操作とし、その時点での設定値を今回の設定値として、当選確率の設定処理を終了する。当選確率の設定処理の終了に基づいて、クレジット表示部60の表示も終了する。当選確率の設定処理で設定された設定値は、次の当選確率の設定処理が起動されるまで、RAM106に記憶保持される。ステップS302では、この記憶されている設定値に基づいて、抽選テーブルを選択する処理を行うこととなる。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、3ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。また、図21は、2ベットゲームにおいて通常遊技状態で選択される通常遊技状態用抽選テーブルである。抽選テーブルには、インデックス値IVが設定されており、各インデックス値IVには、当選となる役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともにポイント値PVが設定されている。
抽選テーブルを選択した後、ステップS303ではインデックス値IVを1とし、続くステップS304では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、ステップS301にて取得した乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである1と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。
その後、ステップS305ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが65535を超えたか否かを判定する。65535を超えた場合には、ステップS306にて、ステップS305にて肯定判定したインデックス値IVに応じた遊技結果の当選フラグを、当選フラグ格納エリア106aにセットする処理を実行する。例えば、IV=23のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグをセットする。また、IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第1BB当選フラグをセットし、IV=26のときに判定値DVが65535を超えた場合、ステップS306にて第2BB当選フラグをセットする。
ちなみに、セットされた当選フラグが第1BBに当選したことを示す当選フラグ(第1BB当選フラグ)又は第2BBに当選したことを示す当選フラグ(第2BB当選フラグ)でない場合、当選フラグ格納エリア106aにセットされた当選フラグは該当選フラグがセットされたゲームの終了後にリセットされる(通常処理のS203参照)。一方、当選フラグが第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグである場合、これら当選フラグは対応する入賞が成立したことを条件の1つとしてリセットされる。すなわち、第1BB当選フラグ及び第2BB当選フラグは、複数回のゲームに亘って有効とされる場合がある。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態におけるステップS306では、第1BB,第2BB以外の役に当選していれば対応する当選フラグをセットし、第1BB,第2BB以外の役に当選していなければ対応する当選フラグをセットしない。
すなわち、例えば、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=25のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1BB当選フラグはセットしない。また、第1BB当選フラグが持ち越された状態で、例えば、インデックス値IV=11のときに判定値DVが65535を超えた場合、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグをセットする。
なお、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態における抽選テーブルを別途用意しておき、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグを持ち越した状態では、当該別途用意した抽選テーブルにて抽選処理を行う構成としてもよい。この場合、当該別途用意した抽選テーブルにおいては、第1BB,第2BBに当選しないように各インデックス値IVやポイント値PV値を設定するとよい。
ステップS305にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS307にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS308ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき判定対象があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき判定対象がある場合にはステップS304に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS304では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS305では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。
ちなみに、図20に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において3ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプAに当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は、設定1では約27.3分の1であり、設定3では約27.5分の1であり、設定6では約28.3分の1であり、設定値が高くなるほど当選しにくくなるように設定されている。通常リプBに当選となる確率(IV=2の際に当選となる確率)及び通常リプCに当選となる確率(IV=3の際に当選となる確率)は、いずれも設定値に関わらず約26.2分の1である。チャンス目Aに当選となる確率(IV=4の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約164分の1であり、チャンス目Bに当選となる確率(IV=5の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約262分の1であり、チャンス目Cに当選となる確率(IV=6の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約16400分の1であり、チャンス目Cよりもチャンス目Bの方が当選し易く、チャンス目Bよりもチャンス目Aの方が当選し易くなるように設定されている。チェリーAに当選となる確率(IV=7の際に当選となる確率)は、設定1では約107分の1であり、設定3では約104分の1であり、設定6では約93.6分の1であり、設定値が高くなるほど当選し易くなるように設定されている。チェリーBに当選となる確率(IV=8の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約215分の1であり、チェリーCに当選となる確率(IV=9の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約13100分の1であり、チェリーCよりもチェリーBの方が当選し易く、チェリーBよりもチェリーAの方が当選し易くなるように設定されている。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約504分の1である。順押しベル1、順押しベル2、挟み押しベル1、挟み押しベル2、中順押しベル1、中順押しベル2、中逆押しベル1、中逆押しベル2、逆挟みベル1、逆挟みベル2、逆押しベル1、逆押しベル2(以下では、これらをまとめて押し順ベルと称する)に当選となる確率(IV=11〜22の際に当選となる確率)は、設定値に関わらずそれぞれ約18.4分の1である。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約107分の1である。第1BBに当選となる確率(IV=25の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約5.03分の1であり、他の役(再遊技や小役、IV=1〜24)の当選確率よりも高く設定されている。3ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)や第2BB(IV=26)には当選しないように設定されている(対応するポイント値PVに0が設定されている)。3ベットゲームにおいて、第1BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第1BBに当選している状況では、3ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約5.03分の1(第1BBの分)である。ちなみに、3ベットゲームにおいては、第1BB状態での増加分を除いて、1ゲーム当たり約1.77枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約1.77枚)。
これに対して、図21に示した抽選テーブルを用いて役の当否判定を行う場合、すなわち、通常遊技状態において2ベットゲームで遊技を行った場合、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーCに当選となる確率(IV=1〜9の際に当選となる確率)は、上記3ベットゲームで遊技を行った場合の確率と同じ確率である。共通ベルに当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約9.64分の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選し易くなるように設定されている。押し順ベル(IV=11〜22)は、2ベットゲームでは当選しないように設定されている。スイカに当選となる確率(IV=23の際に当選となる確率)は、設定値に関わらず約257の1であり、3ベットゲームで遊技を行った場合よりも当選しにくくなるように設定されている。2ベットゲームにおいては重複1枚役(IV=24)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約1.81分の1である。また、2ベットゲームでは第1BB(IV=25)には当選しないように設定されている一方、第2BB(IV=26)に当選し得るように設定されており、その確率は設定値に関わらず約4.95分の1である。2ベットゲームにおいても、第2BBを含めていずれの役にも当選しない確率は0となっている。そして、第2BBに当選している状況では、2ベットゲームにおいていずれの役にも当選しない確率は、設定値に関わらず約4.95分の1(第2BBの分)である。ちなみに、2ベットゲームにおいては、第2BBの増加分を除いて、1ゲーム当たり約0.64枚のメダル減少が期待できる(純増枚数マイナス約0.64枚)。
ステップS306にて当選フラグをセットした後、又はステップS308にて当否判定すべき判定対象がないと判定した場合には、役の当否判定が終了したことを意味する。かかる場合には、ステップS309に進み、ストップスイッチ42〜44の操作を所定期間無効とするフリーズ演出を実行するか否かを決定すべくフリーズ抽選処理を行う。
続くステップS310では、抽選結果対応処理を行う。抽選結果対応処理では、ステップS301〜ステップS308の抽選の結果に応じて遊技状態を移行させるか否かの処理や、押し順役の報知用の処理等を行う。当該抽選結果対応処理については、後に詳細に説明する。
ステップS310の処理を実行した後は、ステップS311にて抽選結果コマンドをセットする。ここで、抽選結果コマンドとは、役の当否判定の結果を把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。但し、通常処理では、上記抽選結果コマンド等の各種コマンドをリングバッファにセットするのみであって、表示制御装置81に対してコマンドを送信しない。表示制御装置81へのコマンド送信は、先述したタイマ割込み処理のコマンド出力処理(ステップS110)にて行われる。
そして、ステップS312では、今回のゲームの抽選結果に基づいて各リール32L,32M,32Rに停止可能な図柄を設定する停止情報設定処理を実行する。停止情報設定処理では、ステップS306にてセットされる当選フラグに基づいて、入賞可能な役に応じた停止図柄情報を設定する。例えば、押し順ベル1に当選(IV=11の際に当選)となり、第1小役当選フラグ、第9小役当選フラグ、第10小役当選フラグ及び第13小役当選フラグがセットされた場合、第1小役、第9小役、第10小役及び第13小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。また、スイカに当選(IV=23の際に当選)となり、第7小役当選フラグ及び第8小役当選フラグがセットされた場合、第7小役入賞及び第8小役入賞に対応する図柄が各リール32L,32M,32Rに停止可能となるように停止図柄情報を設定する。
本スロットマシン10においては、第1BBは3ベットゲームでおいてのみ入賞が成立し得るように設定されており、第2BBは2ベットゲームにおいてのみ入賞が成立し得るように設定されている。そのため、第1BB当選フラグがセットされている場合であっても、2ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第1BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第1BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。また、第2BB当選フラグがセットされている場合であっても、3ベットゲームでゲームが開始された場合には、ステップS312の停止情報設定処理では、第2BB入賞を成立させる停止図柄情報の設定を行わない(第2BB入賞を回避する停止図柄情報の設定が行われる)。
続くステップS313では、ステップS312にて複数の停止可能な図柄情報が設定された場合に、その優先順位を設定する優先設定処理を実行する。例えば、小役,再遊技,ボーナスの各役種のうち複数の役種に当選している場合、以下に示す優先順位を設定する。小役とボーナスに当選している場合には、小役入賞が優先して成立するように、小役入賞を成立させることができない場合にボーナス入賞が成立するようにして、優先順位を設定する。再遊技とボーナスに当選している場合には、再遊技入賞が優先して成立するようにして優先順位を設定する。
例えば、第1BBに当選している状況(第1BB当選フラグがセットされており、第1BB当選が持ち越されている状況)で、更にスイカに当選し、第1BB入賞と、第7小役入賞及び第8小役入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第1BB入賞よりも第7小役入賞、第8小役入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。また、第2BBに当選している状況(第2BB当選フラグがセットされており、第2BB当選が持ち越されている状況)で、更に通常リプAに当選し、第2BB入賞と、第1再遊技、第2再遊技、第3再遊技及び第4再遊技入賞とに対応する停止図柄情報の設定が行われている場合、第2BB入賞よりも各再遊技入賞が優先して成立するように優先順位を設定する。
ここで、再遊技に当選している場合、当選している再遊技のうちのいずれかの再遊技が必ず入賞するように、入賞となる図柄の組合せが設定されている。つまり、再遊技に当選している場合には再遊技入賞が必ず成立し、取りこぼしは発生しない。そのため、再遊技とボーナスとの停止図柄情報の設定が行われている場合、設定されている再遊技のいずれかの再遊技入賞が必ず成立し、ボーナス入賞が成立することがない。
ステップS313の処理を実行した後は、ステップS314にて区間表示第1処理を実行してから、抽選処理を終了する。区間表示第1処理は、指示モニタ68や役比モニタ77の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。
次に、ステップS211のリール制御処理について、図22のフローチャートに基づき説明する。
リール制御処理では、先ずステップS401において外部出力設定第1処理を行う。外部出力設定第1処理は、遊技状態が移行したことや移行すること等の情報を外部集中端子板121を介してホール管理装置等へ送信するための処理である。外部出力設定第1処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS402では、回転演出処理を行う。回転演出処理は、上記ステップS309にて行ったフリーズ抽選処理の結果や、ステップS310にて行った抽選結果対応処理の結果等に基づいて、無効期間中のリール制御を用いた演出を行うための処理である。回転演出処理については、後に詳細に説明する。続くステップS403では、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる回転開始処理を行う。
回転開始処理では、前回の遊技でリールが回転を開始した時点から予め定めたウエイト時間(例えば4.1秒)が経過したか否かを確認し、経過していない場合にはウエイト時間が経過するまで待機する。ウエイト時間が経過した場合には、次回の遊技のためのウエイト時間を再設定するとともに、RAM106に設けられたモータ制御格納エリアに回転開始情報をセットするモータ制御初期化処理を行う。かかる処理を行うことにより、タイマ割込み処理のステッピングモータ制御処理(ステップS106)にてステッピングモータの加速処理が開始され、各リール32L,32M,32Rが回転を開始する。このため、遊技者が規定枚数のメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。その後、各リール32L,32M,32Rが所定の回転速度で定速回転するまで待機し、回転開始処理を終了する。また、CPU102は、各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速となると、表示制御装置81にその旨の進行(コマンド)を出力し、表示制御装置81側のCPU181は、各ストップスイッチ42〜44に内蔵されているストップランプ42b〜44bを点灯表示することにより、停止指令を発生させることが可能となったことを遊技者等に報知する。
回転開始処理に続き、ステップS404では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44も操作されていない場合には、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されたと判定した場合には、ステップS405に進み、回転中のリールと対応するストップスイッチが操作されたか否か、すなわち停止指令が発生したか否かを判定する。停止指令が発生していない場合には、ステップS404に戻り、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されるまで待機する。停止指令が発生した場合には、ステップS406にて停止指令コマンドをセットする。ここで、停止指令コマンドとは、いずれのストップスイッチが操作されて停止指令が発生したのかを把握させるべく表示制御装置81に対して送信されるコマンドである。停止指令コマンドをセットした場合には、回転中のリールを停止させるべくステップS407〜ステップS413に示す停止制御処理を行う。停止指令コマンドを受信した表示制御装置81は、対応するリールを停止させることの演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御するとともに、今回操作されたストップスイッチ42〜44に対応するストップランプ42b〜44bを消灯するように制御する。
ステップS407では、ストップスイッチの操作されたタイミングで基点位置(本実施形態では下段)に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。具体的には、リールインデックスセンサの検出信号が入力された時点から出力した励磁パルス数により、基点位置に到達している到達図柄の図柄番号を確認する。続くステップS408では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、今回停止させるべきリールのスベリ数を算出する。本スロットマシン10では、各リール32L,32M,32Rを停止させる停止態様として、ストップスイッチ42〜44が操作された場合に、基点位置に到達している到達図柄をそのまま停止させる停止態様と、対応するリールを1図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、2図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、3図柄分滑らせた後に停止させる停止態様と、4図柄分滑らせた後に停止させる停止態様との5パターンの停止態様が用意されている。そこでステップS408では、停止情報格納エリア106bに格納されている停止情報に基づいて、スベリ数として0〜4のいずれかの値を算出する。その後、ステップS409では、算出したスベリ数を到達図柄の図柄番号に加算し、基点位置に実際に停止させる停止図柄の図柄番号を決定する。ステップS410では今回停止させるべきリールの到達図柄の図柄番号と停止図柄の図柄番号が等しくなったか否かを判定し、等しくなった場合にはステップS411にてリールの回転を停止させるリール停止処理を行う。その後、ステップS412では、全リール32L,32M,32Rが停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS413にて停止情報第2設定処理を行い、ステップS404に戻る。
ここで、停止情報第2設定処理とは、RAM106の停止情報格納エリア106bに格納された停止情報を、リールの停止後に変更する処理である。停止情報第2設定処理では、セットされている当選フラグと、停止しているリールの停止出目と、に基づいて停止情報を変更する。本スロットマシン10では、例えばIV=11〜22の際に当選となった場合、すなわち押し順ベルに当選となった場合(図20、図21参照)に、停止指令を発生させたストップスイッチ42〜44の操作順序によって成立する入賞態様を変化させるべく停止情報第2設定処理を行う。
図23は、当選役と、ストップスイッチ42〜44の操作順序と成立する入賞態様との対応関係を示す説明図である。例えば、中順押しベル1に当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中、中→右→左、右→左→中、又は右→中→左の順で操作された場合には第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞が成立するように停止情報を設定し、中→左→右の順で操作された場合には第3小役入賞が成立するように停止情報を設定する。但し、このように停止情報を設定した場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては対応する入賞が成立しない場合がある。
各リール32L,32M,32Rの図柄配列について簡単に説明する。本スロットマシン10では、リール32L,32M,32Rをストップスイッチ42〜44の操作されたタイミングから最大4図柄分滑らせた後に停止させることができる。このため、各リール32L,32M,32Rに同種図柄同士の間隔が4図柄以下で配置されている場合には、ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず当選図柄となった際に当該当選図柄を有効ライン上に停止させることができる。一方、5図柄以上離れた区間が形成されるようにして配置されている図柄に関しては、有効ライン上に停止させる場合に遊技者が図柄を狙ってストップスイッチ42〜44を操作する必要がある。
中順押しベル1に当選となり、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、上記のとおり、第17小役入賞、第18小役入賞又は第21小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
左リール32Lにおける第17小役図柄は、「赤7」図柄及び「BAR」図柄である。また、左リール32Lにおける第18小役図柄は、「赤貝」図柄及び「白貝」図柄である。そして、左リール32Lにおける第21小役図柄は、「リプレイ」図柄及び「青年」図柄である。左リール32Lには、これら第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄が、図柄同士の間隔が4図柄以下となるように配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず、有効ライン(中段)に第17小役図柄、第18小役図柄及び第21小役図柄のいずれかが停止する。本スロットマシン10では、複数の対象図柄を停止可能なタイミングで操作された場合には、スベリコマ数が少ない図柄を有効ラインに停止させるように停止制御が行われる。すなわち、例えば、左リール32Lの1番目の「ベル」図柄が下段に到達したタイミングで左ストップスイッチ42の操作が行われた場合、第18小役図柄である4番目の「赤貝」図柄(2コマスベリ)、及び、第21小役図柄である5番目の「リプレイ」図柄(3コマスベリ)を中段に停止させることが可能であるところ、最もスベリコマ数の少ない4番目の「赤貝」図柄が中段に停止するように左リール32Lの停止制御が行われる。この場合、第18小役入賞が成立する余地は残るものの、第17小役入賞及び第21小役入賞は成立しないこととなる。
左リール32Lの第18小役図柄が中段に停止した場合、停止情報第2設定処理では、第18小役入賞が成立し得るように停止情報を変更する。
中リール32Mにおける第18小役図柄は、「リプレイ」図柄である。左リール32Lには、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるように「リプレイ」図柄が配置されている。そのため、この場合には、中ストップスイッチ43の操作タイミングに関わらず、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止するように停止制御が行われる。
右リール32Rにおける第18小役図柄は、「白貝」図柄及び「青年」図柄である。右リール32Rには、「白貝」図柄及び「青年」図柄同士の間隔が5図柄以上となるようにこれらの図柄が配置されている。つまり、右ストップスイッチ44の操作タイミングによって、第18小役図柄である「白貝」図柄又は「青年」図柄を上段に停止させることができる場合と、上段に停止させることができない場合と、がある。上段に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると第18小役入賞が成立し、上段に停止させることができないタイミングで右ストップスイッチ44の操作が行われると所謂取りこぼしとなる。
ここで、左リール32Lの中段に「赤貝」図柄が停止し、中リール32Mの上段に「リプレイ」図柄が停止する場合とは、上記のように中順押しベル1に当選して第18小役入賞が成立する可能性がある場合のほか、中順押しベル2に当選して第20小役入賞が成立する可能性がある場合もある。すなわち、中順押しベル2における第20小役図柄は、左リール32Lと中リール32Mとが第18小役図柄と共通している。そして、右リール32Rにおいて、第18小役図柄が「白貝」図柄及び「青年」図柄であるのに対して、第20小役図柄が「赤7」図柄及び「白7」図柄であり異なっている。特に、右リール32Rにおいて、第18小役図柄と第20小役図柄とは、第18小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第20小役図柄を有効ラインに停止させることができず、第20小役図柄を有効ラインに停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44を操作すると第18小役図柄を有効ラインに停止させることができないようにこれら各図柄が配置されている。そのため、中順押しベル1に当選しているのか中順押しベル2に当選しているのかがわからないことを前提とすると、左リール32Lと中リール32Mとを停止させて、第18小役入賞及び第20小役入賞の可能性がある停止態様となっていても、それを狙って入賞させることができない。
次に、中順押しベル1当選となり、各ストップスイッチ42〜44が、中→左→右の順で操作された場合を例として説明する。かかる場合には、第3小役入賞を成立させるべく各リール32L,32M,32Rの停止制御を行う。
中リール32Mには、第3小役図柄である「リプレイ」図柄が、「リプレイ」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、中ストップスイッチ43が最初に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「リプレイ」図柄が停止する。
左リール32Lには、第3小役図柄である「ベル」図柄が、「ベル」図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、左ストップスイッチ42が2番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず中段に「ベル」図柄が停止する。
右リール32Rには、第3小役図柄である「スイカ」図柄及び「赤貝」図柄が、これら図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置されている。そのため、右ストップスイッチ44が3番目に操作された場合には、その操作タイミングに関わらず上段に「スイカ」図柄又は「赤貝」図柄が停止する。上のとおり、中順押しベル1に当選となり、中ストップスイッチ43→左ストップスイッチ42→右ストップスイッチ44の順で操作された場合には、その操作タイミングに関わらず第3小役入賞が成立する。
上記のように、押し順ベルに当選となった場合には、予め定められた所定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立し、他の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作された場合、その操作タイミングにより、他の小役入賞が成立するか、いずれの小役入賞も成立せずに取りこぼしとなる。ちなみに、共通ベルに当選となった場合には、操作順序及び操作タイミングに関わらず第1小役入賞、第2小役入賞、第3小役入賞、第4小役入賞、第5小役入賞、又は第6小役入賞が成立する。
リール制御処理の説明に戻り、ステップS412にて全リール32L,32M,32Rが停止していると判定した場合には、ステップS414にて、払出判定処理を行う。払出判定処理とは、当選図柄の組合せが有効ライン上に並んでいることを条件の1つとしてメダルの払出枚数を設定する処理である。払出判定処理では、各リール32L,32M,32Rの下段に停止した停止図柄の図柄番号から有効ライン上に形成された図柄の組合せを導出し、有効ライン上で入賞が成立しているか否かを判定する。入賞が成立している場合には、さらに入賞成立役が当選フラグ格納エリア106aにセットされている当選フラグと対応しているか否かを判定する。入賞成立役が当選フラグと対応している場合には、入賞成立役と、当該入賞成立役と対応する払出数と、をRAM106に設けられた払出情報格納エリアにセットする。一方、入賞成立役が当選フラグと対応していない場合には、スロットマシン10をエラー状態とするとともにエラーの発生を報知する異常発生時処理を行う。かかるエラー状態は、リセットスイッチ72が操作されるまで維持される。
払出判定処理を行った後は、ステップS415にて、ボーナス状態処理を実行する。ボーナス状態処理については、後に詳細に説明する。ボーナス状態処理を実行した後は、ステップS416にて、外部出力第2設定処理を行う。外部出力設定第2処理は、遊技状態が移行したことや移行すること等の情報を外部集中端子板121を介してホール管理装置等へ送信するための処理である。外部出力設定第2処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS417では、入賞結果対応処理を行う。入賞結果対応処理では、入賞結果に基づいて遊技状態を移行させる処理等を行う。当該入賞結果対応処理については、後に詳細に説明する。
入賞結果対応処理を行った後は、ステップS418にて区間表示第2処理を実行する。区間表示第2処理は、指示モニタ68の表示制御に関する処理であり、かかる処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS419にて今回のゲームにおける入賞成立役を表示制御装置81に把握させるべく入賞結果コマンドをセットし、リール制御処理を終了する。
次に、ステップS212のメダル払出処理について、概略を説明する。
メダル払出処理では、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0か否かを判定する。払出数が0の場合、先の払出判定処理にて小役入賞が成立していないと判定したことを意味する。かかる場合には、払出判定処理にてセットした入賞成立役に基づいて、第1再遊技入賞〜第12再遊技入賞のいずれかが成立したか否かを判定する。いずれの再遊技入賞も成立していない場合にはそのままメダル払出処理を終了し、いずれかの再遊技入賞が成立している場合には、遊技モードを再遊技モードとする再遊技設定処理を行い、メダル払出処理を終了する。なお、先に説明した開始待ち処理(ステップS204)では、現在の遊技モードが再遊技モードであると判定した場合に自動投入処理を行っている。
一方、払出情報格納エリアにセットされた払出数が0でない場合には、当該払出数と同数のメダルを払い出し、メダル払出処理を終了する。メダルの払い出しについて具体的には、クレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達していない場合、クレジットカウンタのカウント値に払出数を加算するとともに加算後の値をクレジット表示部60に表示させる。また、クレジットカウンタのカウント値が上限に達している場合、又は払出数の加算途中でカウント値が上限に達した場合には、メダル払出用回転板を駆動し、メダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。なお、メダル払出処理では、メダルの払い出しにあわせて払出枚数表示部62に表示される払出数を変更する処理も行っている。また、現在の遊技状態がBB状態である場合には、後述する残払出数カウンタの値から払出数を減算するとともに、残払出枚数表示部61に表示される残払出数を減算する処理を行う。
次に、ステップS415のボーナス状態処理を、図24のフローチャートに基づいて説明する。
先ずステップS501では、現在の遊技状態がボーナス状態か否か、すなわち現在の遊技状態が第1BB状態又は第2BB状態であるか否かを判定する。これら第1BB状態や第2BB状態であるか否かは、第1BB状態又は第2BB状態へ移行する際にRAM106の各種フラグ格納エリア106dにセットされる第1BB状態フラグや第2BB状態フラグの有無により判別可能である。すなわち、ステップS501では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれもがセットされていない場合には、第1BB状態及び第2BB状態ではないと判定してステップS502に進む。
ステップS502では、第1BB当選フラグ又は第2BB当選フラグがセットされており、いずれかのBBに当選している状態であるか否かを判定する。いずれのBB当選フラグもセットされていない場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB当選フラグがセットされている場合には、ステップS503に進む。
ステップS503では、RAM106の各種カウンタエリア106eに設けられたMAXベットカウンタに3を入力する処理を行う。MAXベットカウンタは、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に仮想メダルの投入を行う特定枚数を設定するためのものである。すなわち、MAXベットカウンタに3が入力されている状況で第1クレジット投入スイッチ56が操作されると、3枚の仮想メダルの投入が行われる。この場合、MAXベットカウンタはゲームの規定枚数を設定するものではないため、ゲームの規定枚数として2枚又は3枚が設定されている状況においては、第2クレジット投入スイッチ57の操作を行うことで2ベットゲームを行うことは許容されている。なお、ステップS503にて既にMAXベットカウンタに3が入力されている場合には、その状態を維持する。
なお、MAXベットカウンタの初期値は2であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該MAXベットカウンタには2が入力されてスロットマシン10が起動する。
続くステップS504では、第1BB入賞又は第2BB入賞が成立したか否かを判定する。いずれかのBB入賞も成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。いずれかのBB入賞が成立している場合には、ステップS505に進み、第1BB入賞が成立したか否かを判定する。
第1BB入賞が成立している場合には、ステップS506にて、各種カウンタエリア106eに設けられたBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。BBカウンタは、各BB状態における上限払出数を規定するためのカウンタである。すなわち、ステップS506にてBBカウンタに「15」が入力されることにより、15枚以上のメダルが払い出されることにより第1BB状態が終了するように設定される。ステップS507では、第1BB当選フラグをクリアする。そして、ステップS508では、第1BB状態フラグを各種フラグ格納エリア106dにセットする。これにより、次ゲームからはステップS501にて肯定判定することになる。続くステップS509では、第1BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第1BB開始コマンドは、第1BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドであり、かかる第1BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第1BB状態が開始されることに対応する第1BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。また、表示制御装置81では、第1BB開始コマンドを受信することにより、次ゲームからが第1BB状態であることが把握可能となり、次ゲームから第1BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。
ステップS509にて第1BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。規定ベット数とは、上記のゲームの規定枚数に相当する。すなわち、第1BB状態に移行することでゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第1BB状態が行われる。
なお、規定ベット数の初期値は2及び3であり、リセットスイッチ72が操作されてRAMクリアが行われると、当該規定ベット数は2と3が設定されてスロットマシン10が起動する。
ステップS505にて第1BB入賞が成立していないと判定する場合とは、第2BB入賞が成立している場合である。この場合、ステップS511に進み、上記のBBカウンタに「15」を入力する処理を実行する。すなわち、15枚以上のメダルが払い出されることにより第2BB状態が終了するように設定される。そして、ステップS512にて第2BB当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS513にて第2BB状態フラグをセットする処理を実行する。その後、ステップS514にて第2BB開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。第2BB開始コマンドは、第1BB開始コマンドに対応するものであり、第2BB状態が開始されることを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。第2BB開始コマンドを受信した表示制御装置81では、第2BB状態が開始されることに対応する第2BB開始演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御し、次ゲームからは第2BB状態用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65等を制御する。なお、第1BB開始演出と第2BB開始演出とは、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。また、第1BB状態用の演出と第2BB状態用の演出とも、見た目や内容が、遊技者が識別可能な程度に異なっている。
ステップS514にて第2BB開始コマンドの出力設定を行った後は、ステップS510にて規定ベット数を3に設定する処理を実行してから、本ボーナス状態処理を終了する。すなわち、第1BB状態だけでなく、第2BB状態においてもゲームの規定枚数が3枚に設定され、3ベットゲームにて第2BB状態が行われる。
ステップS501にて肯定判定し、第1BB状態又は第2BB状態である場合、ステップS515に進み、第1BB状態や第2BB状態中の処理を行う。図25は、BB状態用抽選テーブルの一例を示している。なお、本実施形態では、第1BB状態と第2BB状態とで共通の抽選テーブルを用いる構成としているが、それぞれ別々の抽選テーブルを設け、当選し得る役の種類や各役の当選確率を異ならせてもよい。本実施形態では、図25に示すように、第1BB状態や第2BB状態において、通常リプAと、共通ベルと、重複1枚役とに当選し得るように設定されている。通常リプA当選となる確率(IV=1の際に当選となる確率)は約61.2分の1であり、共通ベル当選となる確率(IV=10の際に当選となる確率)は約5.96分の1であり、重複1枚役当選となる確率(IV=24の際に当選となる確率)は約1.31分の1である。また、第1BB状態や第2BB状態において、いずれの役にも当選しない外れ結果となる確率は、約10.14分の1である。この場合、1ゲーム当たりで約0.00枚のメダル増加が期待でき(純増枚数プラスマイナス約0.00枚)、第1BB状態や第2BB状態ではメダルの増減が生じない。言い換えると、第1BB状態や第2BB状態ではメダル増加を見込めないもののメダルを減らすことなくゲームを進行することが可能となる。
ここで、3ベットゲームにおける通常遊技状態と、3ベットゲームにて移行し得る第1BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも13枚払出が発生する第1小役入賞〜第6小役入賞により生じるものであり、その役としては、通常遊技状態では押し順ベルであり、第1BB状態においては共通ベルである。これらメイン小役の入賞率を比較すると、通常遊技状態においては、一定の操作順序でストップスイッチ42〜44が操作されていることを想定すると、約9.19分の1の確率で入賞するのに対して、第1BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、3ベットゲームでは、第1BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。また、2ベットゲームにおける通常遊技状態と、2ベットゲームにて移行し得る第2BB状態とにおいて、メダル増加のメインはいずれも共通ベルであり、通常遊技状態では約9.64分の1の確率で入賞するのに対して、第2BB状態においては約5.96分の1の確率で入賞し、2ベットゲームにおいても、第2BB状態のほうが通常遊技状態よりも入賞が発生し易くなるように設定されている。
但し、上記のとおり、第1BB状態や第2BB状態を消化しても持ちメダルの増加は期待できない。
ボーナス状態処理において、ステップS515では、上記のBB状態用抽選テーブルによる抽選処理や各リール制御の結果として、今回のゲームでいずれかの小役入賞が成立したか否かを判定する。入賞が成立していない場合には、そのままボーナス状態処理を終了する。入賞が成立している場合には、ステップS516にて入賞に対応する払出数を上記各種カウンタエリア106eのBBカウンタから減算する処理を実行する。そして、ステップS517にて、ステップS516の減算処理の結果としてBBカウンタが0以下となったか否かを判定する。例えば、共通ベル当選となり、第1小役入賞〜第6小役入賞が成立すると13枚の払出が発生することから、ステップS516ではBBカウンタから13を減算する。
ステップS517にて0以下ではないと判定した場合は、そのままボーナス状態処理を終了する。一方、0以下であると判定した場合、ステップS518にて、現状のBB状態に対応するBB状態フラグをクリアする処理を行う。すなわち、第1BB状態であれば第1BB状態フラグをクリアし、第2BB状態であれば第2BB状態フラグをクリアする。そして、ステップS519にてMAXベットカウンタに2を入力する処理を実行し、ステップS520にて今回終了するBB状態に対応するBB終了コマンドを表示制御装置81への出力対象として設定する。より詳しくは、第1BB状態を終了する場合には第1BB終了コマンドを出力設定し、第2BB状態を終了する場合には第2BB終了コマンドを出力設定する。第1BB終了コマンド又は第2BB終了コマンドを受信した表示制御装置81は、第1BB終了用の演出や第2BB終了用の演出が行われるようにスピーカ64や補助表示部65を制御する。
その後、ステップS521にて、規定ベット数を2と3に設定してから、本ボーナス状態処理を終了する。この場合、第1BB状態や第2BB状態の終了後の通常遊技状態においては、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能となる。これに対して、上記のとおりステップS519にてMAXベットカウンタに2が入力されることから、第1クレジット投入スイッチ56の操作を行うと、2枚の仮想メダルの投入が行われ、2ベットゲームにてゲームが行われるようになる。つまり、第1BB当選フラグや第2BB当選フラグのいずれもがセットされていない状況においては、2ベットゲームにてゲームが行われ易くなるように設定されている。ちなみに、第1BB状態や第2BB状態の終了後においては、MAXベットカウンタに2が入力されることから第1クレジット投入スイッチ56や第2クレジット投入スイッチ57の操作では3枚ベットができず、3ベットゲームを行うためにはメダル投入口45からメダルを3枚投入する必要がある。
ここで、本スロットマシン10において、2ベットゲームと3ベットゲームとを利用した遊技性について、図26を参照しながら簡単に説明する。
第1BB当選フラグや第2BB当選フラグがセットされておらず、いずれのBBにも当選してない通常遊技状態は、所謂非内部状態と称される状態である。この場合、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり2が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には2ベットゲームとなる。
非内部状態において、3ベットゲームでは第1BBには当選し得る一方、第2BBには当選せず、2ベットゲームでは第2BBには当選し得る一方、第1BBには当選しない。上記のように第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技においては、基本的には2ベットゲームにおいて第2BBの当選が生じ得る。
第1BBや第2BBに当選し、その当選ゲームにおいて入賞が成立しなかった場合には、第1BB当選や第2BB当選を持ち越した内部状態(持ち越し状態)となる。内部状態においても、上記のとおり、規定ベット数(ゲームの規定枚数)は2枚と3枚が設定されており、2ベットゲームと3ベットゲームとが可能である。但し、MAXベットカウンタは上記のとおり3が入力され、第1クレジット投入スイッチ56を操作して遊技を開始する場合には3ベットゲームとなる。
既に説明した通り、本スロットマシン10では、第1BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第1BB入賞が成立し得る一方、2ベットゲームでは第1BB入賞が成立しないように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。また、第2BBに当選している内部状態においては、3ベットゲームでは第2BB入賞が成立しない一方、2ベットゲームでは第2BB入賞が成立し得るように各リール32L,32M,32Rの停止制御が行われる。つまり、3ベットゲームにおいて第1BBに当選した場合に、そのまま3ベットゲームを継続すれば第1BB入賞を成立させることができるものの、第1BBに当選後、2ベットゲームに切り替えると、当該第1BB入賞を成立させることができない。また、2ベットゲームにおいて第2BBに当選した場合に、そのまま2ベットゲームを継続すれば第2BB入賞を成立させることができるものの、第2BBに当選後、3ベットゲームに切り替えると、当該第2BB入賞を成立させることができない。そして、第1BBや第2BBは重複して当選することはなく、第1BB当選を持ち越している状況で再度第1BBに当選することはないし、第2BBに重複して当選することもない。また、第2BB当選を持ち越している状況で再度第2BBに当選することはないし、第1BBに重複して当選することもない。つまり、第1BBに当選した場合に2ベットゲームで遊技を行うと、第1BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続し、第2BBに当選した場合に3ベットゲームで遊技を行うと、第2BB当選を持ち越している内部状態での遊技が延々と継続することになる。
ここで、上記のように第1BB入賞が3ベットゲームにおいてのみ成立するようにし、第2BB入賞が2ベットゲームにおいてのみ成立するようにしていることから、第2BB当選を持ち越している状況での3ベットゲームでいずれの役にも当選しない外れ結果となった場合であっても第2BB入賞が成立することはないし、第1BB当選を持ち越している状況での2ベットゲームで外れ結果となった場合であっても第1BB入賞が成立することはない。このようにすることで、第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態における役構成や各リール32L,32M,32Rの制御を劇的に簡素化することが可能となる。仮に、3ベットゲームにおいて第2BB入賞が成立し得る構成であったり、2ベットゲームにおいて第1BB入賞が成立し得る構成であったりすると、その第1BB当選や第2BB当選を持ち越している内部状態を継続させようとする場合、外れ結果とならないような抽選テーブルとする必要が生じるし、例えば取りこぼしが生じ得る役において、その取りこぼし時に別の役に入賞させる必要が生じるからである。
また、第1BB状態や第2BB状態においては、メダル増加のメインとなる役はいずれも共通ベルである。また、非内部状態や内部状態において、2ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は共通ベルであるのに対して、3ベットゲームでのメダル増加のメインとなる役は押し順ベルである。共通ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングに関わらず第1小役〜第6小役のいずれかの入賞が成立するものであるのに対して、押し順ベルについては、各ストップスイッチ42〜44の操作順序や操作タイミングによって入賞する小役が異なる。つまり、第1BB状態や第2BB状態よりも、3ベットゲームでの非内部状態や内部状態の方が、押し順ベル当選時の操作順序や操作タイミング(主に操作順序)によるメダル増減の振れ幅は大きい。そして、例えば、押し順ベル当選時に第1小役入賞〜第6小役入賞となる操作順序(図23)の報知等を行うことで、入賞をアシストするATモード(アシストタイムモード、ナビモード)と行わない非ATモード(非ナビモード)とを切り替えることで、その報知(アシスト)の有無によってメダルが増加する状態とメダルが減少する状態とを創出することも可能となる。
第1クレジット投入スイッチ56を操作する遊技の基本的な流れとしては、先ず、非内部状態において、2ベットゲームにて遊技が行われ、その2ベットゲームにて第2BBに当選する。第2BBに当選すると、内部状態となり、3ベットゲームに切り替わり、上記当選した第2BB入賞を成立させることができない状態のまま遊技が進行する。この場合、上記のように、第2BB当選を持ち越した3ベットゲームにおいては、第1BBに当選となることもないし第2BB入賞となることもなく、第2BB当選が持ち越される内部状態での遊技が継続されることになる。
以下、第2BB当選を持ち越した状態での遊技を前提とし、その遊技(以下の説明では、通常遊技とも称する)での押し順ベル当選時の報知(押し順報知)等を利用した遊技性を説明する。
<抽選結果対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照しながら、ステップS310にて実施される抽選結果対応処理について説明する。抽選結果対応処理は、各ゲームの抽選処理が行われた後に実施される処理であり、ゲームの抽選結果に基づいて押し順報知が発生するATモードへの移行抽選等を行う処理である。
先ず、ステップS601〜ステップS603では、今回開始するゲームのベット数を把握する処理を実行する。すなわち、ステップS601では、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS602にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS603にてベット数が2であるか否かを判定する。既に説明した通り、第1BBや第2BBの当選前の非内部状態や、第1BBや第2BB当選後の内部状態においては規定ベット数として2と3が設定されており、第1BB状態や第2BB状態においては規定ベット数として3が設定されている。ステップS602やステップS603の処理は、今回のゲームのベット数が、遊技状態に対応付けられて規定(設定)されている一の特定規定数(特定設定数)であるか否かを判定する処理であり、当該特定規定数はない場合には、ステップS604以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく抽選結果対応処理を終了する。
すなわち、非内部状態や内部状態においては、3ベットゲームでは表示モード用の処理は実行される一方、2ベットゲームでは表示モード用の処理は実行されない。また、第1BB状態や第2BB状態においては、規定ベット数として3が設定されていることから、2ベットゲームは実行されず、第1BB状態や第2BB状態では表示モード用の処理は実行されない。
つまり、本実施形態では、仮に内部状態が2ベットゲームにて遊技された場合、ステップS604以降のATモードへの移行抽選等が行われずに遊技者にとって不利となる構成としている。このようにすることで、内部状態を3ベットゲームにて遊技させ、第2BBを持ち越す通常遊技を行わせ易くすることができる。
ステップS602又はステップS603にて肯定判定した場合、ステップS604にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。本スロットマシン10では、押し順報知等の発生の有無について、当該押し順報知等が発生し得る有利区間と、発生し得ない通常区間とが設定されている。有利区間フラグは、今回のゲームが有利区間であることをCPU102が把握するためのフラグであり、有利区間へ移行することに基づいてセットされ、通常区間に移行することに基づいてクリアされる。
有利区間フラグがセットされていない場合、今回のゲームが通常区間であることを意味し、この場合、ステップS605にて有利区間移行抽選処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
有利区間移行抽選処理では、図28のフローチャートに示すように、ステップS701にて今回のゲームの抽選結果を把握する。そしてステップS702にて、ROM105の各種テーブル記憶エリア105aから有利区間移行抽選テーブルを取得する。有利区間移行抽選テーブルは、図29に示すように、各ゲームの抽選結果に応じて、有利区間への移行率(有利区間移行抽選の当選確率)が設定されている。有利区間への移行抽選の契機役としては、図29にも示すように、通常リプA、通常リプB、通常リプC、チャンス目A、チャンス目B、チャンス目C、チェリーA、チェリーB、チェリーC、共通ベル、押し順ベル、スイカが設定されている。すなわち、第2BBを持ち越している3ベットゲームとしての通常遊技において、当選し得る全ての結果が有利区間への移行抽選の契機役として設定されている。
ステップS702にて抽選テーブルを取得した後は、ステップS703にて有利区間移行抽選用の乱数を取得する処理を実行する。有利区間移行抽選用の乱数は、各種カウンタエリア106eの専用のカウンタが用いられ、当該専用のカウンタは所定周期で更新され、ステップS703ではそのカウンタのうち最新の更新値を取得する。そして、ステップS704にて有利区間移行抽選を実行し、ステップS705にて、移行抽選に当選したか否かを判定する。ちなみに、本実施形態では、いずれの契機役であっても100%の確率で有利区間移行抽選に当選するように抽選テーブルが設定されている。この場合、ステップS701にて把握したゲームの結果が、移行抽選の契機役である(外れ結果ではない)と判定した場合、ステップS702〜ステップS705の処理を省略することも可能である。
ステップS705にて移行抽選に当選していると判定した場合、ステップS706にて、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグをセットする処理を実行する。有利区間当選ゲームフラグは、今回のゲームで有利区間への移行抽選に当選したゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS705にて否定判定した場合、又はステップS706の処理を実行した後は、有利区間移行抽選処理を終了する。
抽選結果対応処理の説明に戻り、ステップS604にて有利区間フラグがセットされていると判定した場合、ステップS606に進む。ステップS606では、各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグ、第1ATモードフラグ及び第2ATモードフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。ここで、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設定されており、第1ATモードフラグや第2ATモードフラグは、ATモードであることと、その種類をCPU102が把握するためのフラグであって、ATモードへの移行が可能となる場合にセットされるフラグである。また、ATモード当選フラグは、ATモード移行抽選にて当選し、ATモードへの移行が確定している状況であって、且つATモード移行前の状況であることをCPU102が把握するためのフラグである。ステップS606にていずれのフラグもセットされていない場合には、ステップS607にてAT抽選用処理を実行する。一方、ステップS606にていずれかのフラグがセットされている場合、ステップS608にてAT上乗せ用処理を実行する。
<AT抽選用処理>
先ず、ステップS607のAT抽選用処理について図30のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801では、各種カウンタエリア106eに設けられた天井カウンタを1減算する処理を実行する。天井カウンタは、有利区間移行後のゲーム数が天井ゲーム数に至った場合、ATモード移行抽選の当否に関わらず(当選することなく)ATモードへの移行を生じさせるためのカウンタであり、当該天井ゲーム数までの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。天井ゲーム数は有利区間移行時に設定される。ちなみに、上記のように、AT抽選用処理はベット数が遊技状態に応じた特定規定数である場合に実行されることからして、天井カウンタはベット数が遊技状態に応じた特定規定数であるゲームにて減算され、例えば、2ベットゲームでは減算されない。
ステップS801にて天井カウンタの減算処理を実行した後は、ステップS802にて天井カウンタが0に至ったか否かを判定する。0に至っていない場合には、ステップS803〜ステップS808てATモード移行抽選用の処理を実行する。
すなわち、ステップS803にて、今回のゲームの抽選結果を把握する処理を実行する。そして、ステップS804では、各種フラグ格納エリア106dにCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。本実施形態では、ATモード移行抽選の当選確率が異なる表示モードとして、通常モードと、当該通常モードよりもATモード移行抽選に当選し易いCZモードとが設定されており、CZモードフラグはCZモードであることをCPUが把握するためのフラグである。
ステップS804にてCZモードフラグがセットされていない場合には、ステップS805にて、各種テーブル記憶エリア105aから通常用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS804にてCZモードフラグがセットされている場合には、ステップS806にて、CZ用ATモード移行抽選テーブルを取得する処理を実行する。
これら通常用ATモード移行抽選テーブルとCZ用ATモード移行抽選テーブルとは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてATモード移行抽選の当選確率がそれぞれ設定されており、例えば、チャンス目Aを契機とするATモード移行抽選であれば、通常用では1%の確率でATモード移行当選となり、CZ用であれば3%の確率でATモード移行当選となる、といったように、通常用ATモード移行抽選テーブルよりもCZ用ATモード移行抽選テーブルの方がATモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。また、通常リプA、通常リプB及び通常リプCについては、通常用ではATモード移行当選とならない一方、CZ用ではATモード移行当選となり得るように設定されている。
ステップS805又はステップS806にてATモード移行抽選テーブルを取得した後は、当該取得した移行抽選テーブルと、ステップS803にて把握したゲームの抽選結果とを用いて、ステップS807にてATモード移行抽選処理を実行する。そして、ステップS808にてATモード移行当選であったか否かを判定する。
ステップS808にてATモード移行当選であると判定した場合と、ステップS802にて天井カウンタが0であると判定した場合、ステップS809〜ステップS812のATモード当選用の処理を実行する。また、ステップS808にてATモード移行当選ではないと判定した場合は、ステップS813〜ステップS816にてATモード非当選用の処理を実行する。
ATモード当選用の処理において、ステップS809では、CZモードフラグがセットされているか否かを判定し、CZモード中のATモード移行当選であるか否かを確認する。CZモード中の当選である場合、ステップS810及びステップS811にてCZモードを終了させるための処理を行う。すなわち、ステップS810では、CZモードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS811にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードへ移行する場合にCZモードの継続ゲーム数(10ゲーム)に相当する値(10)が入力され、ゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップS809にてCZモードフラグがセットされていない場合、又はステップS811の処理を実行した後は、ステップS812にて各種フラグ格納エリア106dにATモード当選フラグをセットする処理を実行する。かかる処理により、次ゲームからステップS606にて肯定判定することとなる。
ATモード非当選用の処理では、ステップS813にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモードフラグがセットされていない場合、ステップS814にて、CZモード移行抽選処理を実行する。CZモード移行抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aからCZモード移行抽選テーブルを取得して、ステップS803にて把握したゲームの抽選結果を利用してCZモードへ移行させるか否かを抽選により決定する。CZモード移行抽選テーブルは、図29に示すように、ゲームの抽選結果に応じてCZモード移行抽選の当選確率が異なるように設定されており、より具体的には、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果ほど、CZモード移行抽選に当選し易くなるように設定されている。すなわち、ATモード移行抽選に当選し易いゲームの抽選結果であったのにもかかわらず、ATモード移行抽選に非当選であった場合、CZモードへは移行し易くなるように設定されている。
ステップS814にてCZモード移行抽選処理を実行した後は、ステップS815にてCZモード移行当選であったか否かを判定し、移行当選ではない場合には、そのままAT抽選用処理を終了する。CZモード移行当選である場合、ステップS816にて、各種フラグ格納エリア106dにCZモード当選フラグをセットする処理を実行する。
ステップS812又はステップS816にていずれかの当選フラグをセットした後は、ステップS817〜ステップS820にて前兆モードの設定処理を行う。前兆モードとは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選していることを示唆する前兆演出を行うモードであり、本実施形態では、これらの移行抽選に当選した場合、0ゲーム〜32ゲームの前兆モードを経てから当選している移行抽選の報知が行われる。
ステップS817では、前兆ゲームの抽選処理を実行する。前兆ゲーム数の抽選処理では、当選している移行抽選の種類、当選契機となったゲームの抽選結果等によって前兆ゲーム数を抽選する。例えば、ATモード移行抽選に当選している場合の方がCZモード移行抽選に当選している場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっていたり、チェリーAにて移行抽選に当選した場合の方がチェリーCにて移行抽選に当選した場合よりも長い前兆ゲーム数が選択され易くなっている。
なお、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、ステップS817では前兆ゲーム数を0となるように設定する。上記のようにCZモード中にATモード移行抽選に当選すると、CZモードの残りゲーム数に関わらずCZモードが終了するようにしているため、当該CZモードの終了を通じてATモード移行抽選に当選したことを遊技者は把握可能である。そこで、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合には前兆モードを0ゲームとすることで、ATモード移行抽選に当選したことを把握しているのにもかかわらず、その移行抽選に当選したことの示唆報知が前兆モードとして行われることによる違和感を低減することができる。
続くステップS818では、ステップS817の抽選結果を各種カウンタエリア106eに設けられた前兆カウンタに入力する処理を実行する。前兆カウンタは、前兆ゲームの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、前兆モード中のゲームを消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。
そして、ステップS819にて各種フラグ格納エリア106dに前兆フラグをセットする処理を実行し、ステップS820にて前兆コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT抽選用処理を終了する。前兆フラグは前兆モード中であることをCPU102が把握するためのフラグであり、前兆コマンドは前兆モードに設定されたこと、及びその前兆モードのゲーム数やいずれの移行抽選に当選しているかを表示制御装置81へ把握させるためのコマンドである。前兆コマンドを受信した表示制御装置81は、前兆モードのゲーム数や当選している移行抽選の種類を把握し、前兆モード中の演出を補助表示部65やスピーカ64にて実行するための処理を行う。
<AT上乗せ用処理>
次に、ステップS608にて実行されるAT上乗せ用処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、AT上乗せ用処理は、ATモード当選フラグやいずれかのATモードフラグがセットされている状況で実行される処理であり、ATモードの継続ゲーム数の上乗せを行うための処理である。
AT上乗せ用処理では、先ずステップS901にて、今回のゲームの抽選結果を把握する。そして、ステップS902にて、特化ゾーンフラグがセットされているか否かを判定する。特化ゾーンフラグがセットされていない場合には、ステップS903にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第2ATモードフラグがセットされておらず、第1ATモードへの移行が確定している状況や第1ATモード中である場合、又はATモード移行抽選に当選した後、未だATモードの種別の決定(AT種別決定処理)が行われていない状況である場合、ステップS904にて、各種テーブル記憶エリア105aから第1AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。一方、ステップS903にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードへの移行が確定している状況又は第2ATモード中である場合には、ステップS905にて第2AT用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。また、ステップS901にて特化ゾーンフラグがセットされている場合、ステップS906にて特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを取得する処理を実行する。
各上乗せ抽選テーブルは、図32に示すように、ゲームの抽選結果に応じて、上乗せ当選率が設定されており、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が上乗せ当選し易く、チェリーAよりもチェリーCの方が上乗せ当選し易い、といったように、各ゲームの抽選処理にて当選しにくい抽選結果ほど、上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じ抽選結果で比較すると、第1AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易く、更に第2AT用上乗せ抽選テーブルを用いた場合よりも特化ゾーン用上乗せ抽選テーブルを用いた場合の方が上乗せ抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS904、ステップS905又はステップS906にて上乗せ抽選テーブルを取得した後は、ステップS907にて上乗せ抽選を実行し、ステップS908にて上乗せ抽選に当選したか否かの判定を行う。上乗せ抽選に非当選であった場合には、そのままAT上乗せ用処理を終了する。上乗せ抽選に当選であった場合には、ステップS909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行する。上乗せゲーム数抽選処理では、各種テーブル記憶エリア105aから上乗せゲーム数テーブルを取得し、今回の上乗せゲーム数を抽選により決定する。上乗せゲーム数テーブルは、図32に示すように、上乗せ契機となったゲームの抽選結果に応じて、上乗せゲーム数が異なるように設定されており、例えば、通常リプAを契機として上乗せが行われる場合には平均150ゲームの上乗せが発生する一方、チェリーAを契機として上乗せが行われる場合は平均15ゲームの上乗せが発生する、といったように、上乗せ抽選に当選しにくい契機にて上乗せが行われる場合の方が上乗せゲーム数が多くなるように設定されている。
ステップS909にて上乗せゲーム数抽選処理を実行した後は、ステップS910にて各種カウンタエリア106eに設けられたATゲームカウンタに、今回の上乗せゲーム数を加算する処理を実行する。ATゲームカウンタは、ATモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。ステップS910の処理を実行した後は、ステップS911にて上乗せコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT上乗せ用処理を終了する。上乗せコマンドを受信した表示制御装置81は、上乗せが行われたことに対応する上乗せ報知演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための処理を実行する。
抽選結果対応処理(図27)において、ステップS607又はステップS608の処理を実行した後は、ステップS609〜ステップS613にて、ストップスイッチ42〜44の押し順報知用の処理を実行する。
<押し順報知の概要>
ステップS609〜ステップS613にて実行される押し順報知用の処理の説明に先立って、指示モニタ68にて実行される押し順報知や、補助表示部65にて実行される押し順報知演出の概要について説明する。なお、押し順報知や押し順報知演出は、例えば、押し順ナビ、順序報知や態様報知とも称することが可能である。指示モニタ68は主制御装置101に接続されており、主制御装置101により押し順報知が行われる。これに対して、補助表示部65は表示制御装置81に接続されており、表示制御装置81により押し順報知演出が行われる。
先ず、この指示モニタ68の構成について、図33を参照しながら説明する。図33(a)は、指示モニタ68の正面図であり、図33(b)は、指示モニタ68の表示態様と表示内容との関係を説明するための図である。
図33(a)に示すように、指示モニタ68には8個の表示用セグメントN1〜N8が設けられている。各表示用セグメントN1〜N8は、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、指示モニタ68では、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっている。なお、上記個別の光源はいずれも同一色の光を照射するものであるため、各表示用セグメントN1〜N8においてはいずれも同一の色が表示されることとなる。
各表示用セグメントN1〜N8について詳細には、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、いずれも直線状の表示用セグメントであり、これら第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、数字の「1」〜「6」を少なくとも表示することができるように配置されている。また、第8表示用セグメントN8は、円形状の表示用セグメントであり、第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7が設けられた領域の右下部分の横方に配置されている。したがって、指示モニタ68では、「1」〜「6」と、「1.」〜「6.」と、「 .」と、を少なくとも表示することができる。
なお、指示モニタ68において、複数パターンの記号をそれぞれ個別に表示することが可能であれば、各表示用セグメントN1〜N8の形状や配置態様は任意であり、さらには8個のセグメントではなく7個のセグメント、又は9個のセグメント等を用いる構成としてもよい。また、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が同一であることは必須ではなく、各表示用セグメントN1〜N8において表示される色が適宜変更可能となる構成としてもよい。また、光源をオンオフ制御することで、各表示用セグメントN1〜N8の点灯又は消灯を制御する構成は必須のものではなく、各表示用セグメントN1〜N8において個別に表示制御が行えるのであれば、単一のバックライトと液晶ディスプレイとによりセグメント表示器を構成してもよい。さらには、各表示領域に対してセグメント表示を適用するのではなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT、ドットマトリックス等その他のタイプの表示装置によって記号を表示する構成としてもよい。
第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7は、押し順役の操作順序の報知に用いられる表示用セグメントである。例えば、図33(b)に示すように、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「左」→「中」→「右」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第6表示用セグメントN6及び第7表示用セグメントN7が点灯表示されて「1」が表示される。また、各ストップスイッチ42〜44の操作順序として「右」→「左」→「中」の順で停止操作を行うことにより遊技者にとって有利な入賞態様となる場合、第1表示用セグメントN1、第2表示用セグメントN2、第3表示用セグメントN3、第5表示用セグメントN5及び第6表示用セグメントN6が点灯表示されて「5」が表示される。つまり、各表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)は、ストップスイッチ42〜44の操作順序と1対1で対応付けられており、表示用セグメントN1〜N7にて表示される数字(記号)に基づいて、ストップスイッチ42〜44を停止操作することで、遊技者にとって有利な態様にて入賞させることが可能となる。
第8表示用セグメントN8は、有利区間に移行し、押し順報知が発生し得る状況となる報知条件を含む所定の開始条件が成立した場合に、その開始条件が成立したゲームにて点灯される。また、ATモードが終了して有利区間から通常区間へ移行する場合に消灯される。
つまり、押し順ベル等の操作順序が報知され易くなることによって遊技者にとって有利な態様にて入賞させ易くなる区間を有利区間(特定遊技状態、特定モード)とし、第8表示用セグメントN8は、当該有利区間において、実際に押し順報知による恩恵が得られるようになる特定区間中は点灯し、有利区間ではない通常区間や、有利区間であっても特定区間ではない非特定区間中は消灯する区間表示器(特定報知手段)をなすものである。
既に説明したとおり、押し順表示器としての第1表示用セグメントN1〜第7表示用セグメントN7、及び区間表示器としての第8表示用セグメントN8を有する指示モニタ68は、遊技パネル25において払出枚数表示部62の側方付近に配置されている。つまり、指示モニタ68は、遊技者が操作するストップスイッチ42〜44等よりも上方に配置されており、言い換えると、ストップスイッチ42〜44等が設けられている位置よりも下方において遊技機前面部である化粧パネルに配置されていない。そのため、ストップスイッチ42〜44等を操作する手等によって、第8表示用セグメントN8が隠されることが抑制され、遊技者が視認し易い位置に配置されているといえる。また、メダルの獲得を目指して遊技を進行させる遊技者が注視し易い払出枚数表示部62の近くに配置されていることからしても、遊技者による見逃しが抑制されているといえる。
さらに、指示モニタ68において特に第8表示用セグメントN8は、周囲の表示部(例えば払出枚数表示部62や、遊技パネル25のバックライト)の明度よりも高い明度となるように(より詳しくは、周囲の表示部の明度の2倍の明度となるように)、対応するLEDの明度が定められている。そのため、第8表示用セグメントN8と周囲の表示部とがいずれも発光制御されている場合(点灯状態となっている場合)であっても、第8表示用セグメントN8が一際目立つようになっている。遊技機前方に向けた照度についても、第8表示用セグメントN8の方が周囲の表示部より、遊技機前方に向けた照度が高くなるように(より詳しくは、周囲の表示部の照度の2倍の照度となるように)、対応するLEDの照度が定められている。このような構成からも、第8表示用セグメントN8の視認性が向上されており、当該第8表示用セグメントN8が点灯状態となった場合の見逃しが抑制されている。
次に、補助表示部65にて行われる押し順報知演出について、図34を参照しながら説明する。ここでは、今回報知する操作順序が、中→右→左である場合の押し順役に当選している場合を例として、補助表示部65での押し順報知演出を説明する。
図34(a)に示すとおり、補助表示部65では、ストップスイッチ42〜44に対応して3つ並列したボタン表示のうち、最初に操作すべきストップスイッチに対応するボタン表示(図では中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示)に数字の1が付されて、他のボタン表示よりも大きく表示される。また、各ボタン表示は、当選役に対応する色(ベルなら黄色、再遊技なら青色等)にて表示される。これにより、遊技者は、今回のゲームにて当選している役と、最初に操作すべきストップスイッチが中ストップスイッチ43であることを認識することができる。また、補助表示部65では、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であり、最後に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを示すように、右のボタン表示に数字の2が付されて表示され、左のボタン表示に数字の3が付されて表示される。
遊技者が中ストップスイッチ43を操作すると、図34(b)に示すように、補助表示部65では、中ストップスイッチ43に対応する真ん中のボタン表示が消え、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、中ストップスイッチ43の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが右ストップスイッチ44であることを確認することができる。
遊技者が右ストップスイッチ44を操作すると、図34(c)に示すように、補助表示部65では、右ストップスイッチ44に対応する右のボタン表示が消え、左ストップスイッチ42に対応する左のボタン表示が大きく表示される。これにより、遊技者は、右ストップスイッチ44の操作が完了したこと、及び、次に操作すべきストップスイッチが左ストップスイッチ42であることを確認することができる。
押し順報知の実行タイミングについて説明すると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから、加速期間を経て定速回転に至るまでのストップスイッチ42〜44の無効期間中に、押し順報知が実行されるように設定されている。このようにストップスイッチ42〜44の操作が有効となるよりも前のタイミングで押し順報知を実行する構成とすることで、ストップスイッチ42〜44の操作順序を認識したうえでストップスイッチ42〜44の操作に望ませることが可能となり、テンポ良く遊技を進行させることができる。
ステップS609〜ステップS613における押し順報知用の処理の説明を行う。
すなわち、ステップS609では、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であったか否かを判定する。押し順ベル当選である場合、ステップS610にて、第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされている場合、ステップS611にて今回の押し順ベルの種類に応じて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。そして、ステップS612にて、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する操作順序の情報を含む押し順報知コマンドを、表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本押し順報知用処理を終了する。この押し順報知コマンドを受信した表示制御装置81では、第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が行われるように補助表示部65やスピーカ64を制御する。ステップS610にていずれのATモードフラグもセットされていない場合には、そのまま抽選結果対応処理を終了する。
ステップS609にて押し順ベル当選ではない場合、ステップS613に進む。ステップS613では、AT開始報知用処理を実行してから、抽選結果対応処理を終了する。
<AT開始報知用処理>
本実施形態では、ATモードへの移行抽選に当選した場合、上記の通り、前兆モードを経てからその移行抽選に当選したことの報知が行われる。そして、その移行抽選に当選したことの報知が行われた後、ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果として予め定められた結果当選となることで、ATモードが開始されるようにしている。AT開始報知用処理は、ATモード移行抽選に当選した後、上記のATモード開始用の結果に当選したことに基づいて当該ATモード開始用の結果に対応する結果入賞を成立させるための報知を行う処理である。
具体的には、図35のフローチャートに示すように、ステップS1001にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜Cのいずれかの当選であるか否かを判定する。すなわち、本実施形態では、上記のATモードの開始用の結果として通常リプA〜Cが設定されており、ステップS1001にて通常リプA〜C当選ではないと判定した場合、ATモードの開始報知を実行するタイミングではないとして、そのまま本AT開始報知用処理を終了する。
通常リプA〜Cのいずれかに当選している場合、ステップS1002にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。AT準備カウンタは、ATモードへの移行抽選に当選したことの報知が既に実行された後の状況であることをCPU102が把握するためのカウンタであり、当該移行抽選に当選したことの報知が行われるゲームで所定数(40)が入力され、ゲームの消化に際して1ずつ減算されるカウンタである。すなわち、AT準備カウンタが0よりも大きい状況とは、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われたゲームからの消化ゲーム数が40ゲーム未満である状況を示している。なお、本実施形態では、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからの消化ゲーム数が所定数(40)に達した後は、上記のATモードの開始用の結果の当選を待たずにATモードを開始させる構成としているが、その詳細については後に説明する。
ステップS1002にてAT準備カウンタが0よりも大きい場合、ステップS1003にて各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグをセットする処理を実行する。開始ゲームフラグは、今回のゲームの抽選結果がATモードの開始用の結果であったことをCPU102が把握するためのフラグである。
続くステップS1004では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定することで、今回開始するATモードが第1ATモードであるか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップS1005にて今回の通常リプの種類に応じて、第2再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。一方、第1ATモードフラグがセットされておらず、今回開始するATモードが第2ATモードである場合、ステップS1006にて今回の通常リプの種類に応じて、第3再遊技入賞に対応する押し順報知が行われるように指示モニタ68を制御する。
図36に示すように、通常リプAに当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプBに当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、中→左→右、中→右→左の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。通常リプCに当選している場合には、各ストップスイッチ42〜44が右→左→中、右→中→左の順で操作された場合には第2再遊技入賞が成立し、左→中→右、左→右→中の順で操作された場合には第3再遊技入賞が成立する。
ステップS1005やステップS1006では、これら各通常リプA〜Cに応じて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立し得る操作順序の押し順報知を実行する。その後、ステップS1007にて押し順報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。
ここで、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序で各ストップスイッチ42〜44を操作したとしても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しない場合がある。すなわち、上記の通り、第2再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「チェリー」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図10)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。また、第3再遊技入賞は、左リール32Lの「白7」図柄、中リール32Mの「白貝」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインMLに停止することで入賞が成立するところ(図10)、いずれのリールの対応図柄も、図柄同士の間隔が5図柄以上となる区間が存在するように配置されており、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによっては、対応図柄を有効ラインML上に停止できない場合がある。そこで、第2再遊技入賞となる操作順序や、第3再遊技入賞となる操作順序には、第4再遊技入賞や第5再遊技入賞も対応付けられており、いずれの再遊技入賞も成立しない、といった事象が生じないように設定されている。つまり、通常リプA〜Cに当選した場合であって、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42〜44の操作が行われ、且つ、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合であっても、他の再遊技入賞が成立するように設定されている。
なお、ステップS1002にてAT準備カウンタが0である場合の処理(ステップS1008、ステップS1009)については、後に詳細に説明する。
<入賞結果対応処理>
次に、リール制御処理におけるステップS417にて実施される入賞結果対応処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。入賞結果対応処理では、ゲームの遊技結果に応じて、ATモードを開始させたり終了させたりするための処理を行う。
先ずステップS1101にて、第1BB状態フラグ及び第2BB状態フラグのいずれかのフラグがセットされているか否かを把握して、今回開始するゲームがいずれかのBB状態であるか否かの判定を行う。BB状態ではない場合には、ステップS1102にてベット数が3であるか否かを判定する。また、BB状態である場合には、ステップS1103にてベット数が2であるか否かを判定する。すなわち、ステップS1101〜ステップS1103の処理は、上記ステップS601〜ステップS603の処理に対応する処理であり、遊技状態に対応付けられて規定されている一の特定規定数であるか否かを判定する処理である。特定規定数ではない場合には、ステップS1104以降の表示モード用の処理(指示機能用の処理)を行うことなく入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1102又はステップS1103にて肯定判定し、ベット数が特定規定数である場合には、ステップS1104に進む。ステップS1104では、前兆フラグがセットされているか否かを判定する。前兆フラグがセットされている場合とは、ATモード移行抽選やCZモード移行抽選に当選した後、未だこれらの移行抽選に当選したことの報知が行われていない状況であることを意味する。この場合、ステップS1105にて、前兆モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
一方、ステップS1104にて前兆フラグがセットされていない場合、ステップS1106にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされており、CZモード中である場合には、ステップS1107にてCZモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1106にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップS1108にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1104にて前兆フラグがセットされておらず、且つステップS1108にてATモード当選フラグがセットされている場合とは、既に前兆モードを経てATモード移行抽選に当選したことの報知が行われた後であって、且つ、ATモードへの移行が生じる前の状況(以下、かかる状況を「準備モード」と称する)であることを意味する。当該準備モードである場合には、ステップS1109にて準備モード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。
ステップS1108にて準備モードではないと判定した場合、ステップS1110にて第1ATモードフラグや第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかのATモードフラグがセットされており、ATモード中である場合には、ステップS1111にてATモード用処理を実行してから、入賞結果対応処理を終了する。ステップS1110にて否定判定した場合には、そのまま入賞結果対応処理を終了する。
以下、前兆モード用処理、CZモード用処理、準備モード用処理、ATモード用処理について、それぞれ説明する。
<前兆モード用処理>
前兆モード用処理では、図38に示すように、ステップS1201にて前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1202にて前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となっている場合には、ステップS1203にて前兆フラグをクリアする処理を実行する。
続くステップS1204では、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定することで、今回の前兆モードがATモード移行抽選に当選したことに基づいて移行したものであったか否かを把握する。ATモード移行抽選に当選したことに基づく前兆モードであった場合、ステップS1205にて、AT種別決定処理を実行する。上記のように、本実施形態では、ATモードとして上乗せ当選確率が異なる第1ATモードと第2ATモードとが設けられており、AT種別決定処理は、今回のATモードを第1ATモードとするか第2ATモードとするかを決定するための処理である。
<AT種別決定処理>
具体的には、図39のフローチャートに示すように、ステップS1301では、AT種別抽選処理を実行する。AT種別抽選処理では、例えば、当選確率の設定処理にて設定される設定値や前回のATモードの種別、有利区間移行後のメダル増加数や有利区間移行後の消化ゲーム数等に応じて、又はランダムに今回のATモード種別を抽選により決定する。具体的は、例えば、出玉率が高くなる設定値が設定されているほど、上乗せし易い第2ATモードが選択され易くしてもよく、また、前回のATモードが第1ATモードであれば、今回は第2ATモードが選択され易くしてもよく、普段は第2ATモードは選択されにくいものの、一旦第2ATモードが選択されると次のATモードも第2ATモードが選択され易くなるようにしてもよいし、有利区間の序盤のメダル増加数や消化ゲーム数が少ない場面では第2ATモードが選択され易くしてもよい。
ステップS1301の処理を実行した後は、ステップS1302にて、ステップS1301の処理結果が第1ATモードであったか否かを判定する。第1ATモードである場合、ステップS1303にて各種フラグ格納エリア106dに第1ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップS1304にて第1ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第1ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップS1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第1ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
ステップS1302にて第2ATモードである場合、ステップS1305にて各種フラグ格納エリア106dに第2ATモードフラグをセットする処理を実行し、ステップS1306にて第2ATコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT種別決定処理を終了する。第2ATコマンドを受信した表示制御装置81では、後続のステップS1206にて出力設定されるAT当選報知コマンドに基づくAT当選報知演出において、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選したATモードが第2ATモードである旨の報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。
前兆モード用処理において、ステップS1205のAT種別決定処理を実行した後は、ステップS1206にて各種カウンタエリア106eに設けられたAT準備カウンタに所定数としての40を入力する処理を実行する。既に説明した通り、AT準備カウンタはATモード移行抽選に当選したことの報知が行われてからのゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタである。その後、ステップS1207にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。AT当選報知コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード移行抽選に当選したことの報知を補助表示部65やスピーカ64にて行うように制御する。その際、当選しているATモードの種別の報知も行われる点については上述の通りである。
ステップS1204にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことに基づくものであった場合、ステップS1208に進む。ステップS1208では、CZモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1209にてCZモードフラグをセットし、ステップS1210にて各種カウンタエリア106eに設けられたCZゲームカウンタに所定数としての10を入力する処理を実行する。CZゲームカウンタはCZモードの残りゲーム数をCPU102が把握するためのカウンタであり、CZモードにおいて1ゲーム消化する度に1ずつ減算されるカウンタである。その後、ステップS1211にてCZ開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本前兆モード用処理を終了する。CZ開始コマンドを受信した表示制御装置81は、CZモード移行抽選に当選したことの報知とともに、CZモードが開始されることの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
上記のように、前兆フラグがクリアされ(ステップS1203)、CZモードフラグがセットされる(ステップS1209)ことによって、次回の入賞結果対応処理においてCZモード用処理が実行されるようになる。これに対して、前兆フラグがクリアされ、CZモードフラグがセットされなかった場合には(ステップS1204:YES)、次回の入賞結果対応処理において準備モード用処理が実行されるようになる。
<CZモード用処理>
CZモード用処理では、図40のフローチャートに示すように、ステップS1401にてCZゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップS1402では、ステップS1401の処理結果に基づいて、CZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままCZモード用処理を終了する。
CZゲームカウンタが0となっている場合には、ステップS1403にてCZモードフラグをクリアする処理を実行する。その後、ステップS1404にてCZ終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本CZモード用処理を終了する。CZ終了コマンドを受信した表示制御装置81では、CZモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。なお、既に説明した通り、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合、CZモードはその時点で終了し、前兆モードに移行する構成としている。そのため、ステップS1403にてCZモードフラグがクリアされることによってCZモードが終了する場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選しなかったことを意味する。
<ATモード用処理>
ATモード用処理では、図41のフローチャートに示すように、ステップS1501にてATゲームカウンタを1減算する処理を実行する。続くステップS1502では、ステップS1501の処理結果に基づいて、ATゲームカウンタが0となったか否かを判定する。ATゲームカウンタが0となっていない場合には、そのままATモード用処理を終了する。
ATゲームカウンタが0となっている場合には、ステップS1503にてセットされているATモードフラグ(第1ATモードフラグ又は第2ATモードフラグ)をクリアする処理を実行する。その後、ステップS1504にて各種フラグ格納エリア106dにATモード終了フラグをセットする処理を実行する。ATモード終了フラグは、ATモード終了に際して有利区間を終了させるためのフラグである。そして、ステップS1505にてAT終了コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットしてから、本ATモード用処理を終了する。AT終了コマンドを受信した表示制御装置81では、ATモードが終了したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
<準備モード用処理>
準備モード用処理では、図42のフローチャートに示すように、ステップS1601にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定する。第1ATモードフラグがセットされている場合、ステップS1602にて昇格抽選処理を実行する。昇格抽選処理は、今回移行させるATモードを第1ATモードではなく第2ATモードとする昇格抽選を行う。具体的には、各種テーブル記憶エリア105aから昇格抽選テーブル(図43)を取得し、今回のゲームの抽選結果、及びAT準備カウンタの値に応じて上記の昇格抽選を実行する。昇格抽選テーブルでは、例えば、チャンス目Aよりもチャンス目Cの方が昇格抽選に当選し易い、といったように各ゲームで当選しにくい抽選結果ほど、昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。また、同じチャンス目Aに基づく昇格抽選でも、AT準備カウンタの値が21〜40である場合よりも11〜20の場合の方が昇格抽選に当選し易い、といったように準備モードにて消化したゲーム数が多いほど昇格抽選に当選し易くなるように設定されている。
ステップS1602にて昇格抽選を実行した後は、ステップS1603にて昇格抽選に当選したか否かを判定する。昇格抽選に当選している場合には、ステップS1604にて昇格コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。昇格コマンドを受信した表示制御装置81では、移行するATモードが第1ATモードから第2ATモードに昇格したことの報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。そして、ステップS1605にて第1ATモードフラグをクリアし、第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。
ステップS1601若しくはステップS1603にて否定判定した場合、又はステップS1605の処理を実行した後は、ステップS1606に進む。ステップS1606では、AT準備カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1607にて、ステップS1606の処理結果に基づいて、AT準備カウンタが0となったか否かを判定する。
ステップS1607にてAT準備カウンタが0となっていない場合、ステップS1608に進む。ステップS1608では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、開始ゲームフラグは、準備モードにおいてATモード開始用の結果(通常リプA〜C)に当選した場合にAT開始報知用処理(図35)にてセットされるフラグである。開始ゲームフラグがセットされていない場合、そのまま本準備モード用処理を終了する。
開始モードフラグがセットされている場合、ステップS1609にて、今回の遊技結果として第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。既に説明した通り、準備モードにおいて通常リプA〜Cに当選した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が実行される。但し、通常リプA〜Cに当選しているゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序でストップスイッチ42〜44の操作が行われても、その操作タイミングによっては第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立せず、他の再遊技(第4再遊技、第5再遊技)の入賞が成立する場合がある。ステップS1609では、開始ゲームフラグがセットされており、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させてATモードを開始させることが可能なゲームにおいて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができたか否かを判定する。
ステップS1609にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞を成立させることができたと判定した場合には、ステップS1610に進み、ATゲームカウンタにATモードの初期ゲーム数に相当する50を加算する処理を実行する。なお、既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選した後は、抽選結果対応処理においてAT上乗せ用処理が行われる構成であるところ、ステップS1610の初期ゲーム数の入力よりも前に、ATモードのゲーム数の上乗せ抽選に当選してATゲームカウンタに当該上乗せゲーム数の入力が行われている場合がある。
その後、ステップS1612にて開始ゲームフラグをクリアし、ステップS1613にて停止時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。停止時AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモード開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップS1607にてAT準備カウンタが0となったと判定した場合、すなわち、ATモード移行抽選に当選したことの報知が行われ、準備モードとなってから40ゲームが消化された場合、ステップS1614にて、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS1615にて上記の昇格コマンドをセットする処理を実行する。そして、ステップS1616にて第1ATモードフラグをクリアして第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。つまり、本実施形態では、準備モードに移行してから40ゲーム間に亘ってATモード開始用の結果に当選しなかった場合には、移行するATモードが第2ATモードとなる。
ステップS1614にて否定判定した場合、又はステップS1616の処理を実行した後は、ステップS1617に進む。また、ステップS1609にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立していないと判定した場合にも、ステップS1617に進む。ステップS1617では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1618にてATゲームカウンタに初期ゲーム数としての50を加算する処理を実行する。
ステップS1618の処理を実行した後は、ステップS1619にて開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中に通常リプA〜C当選となり、且つ第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップS1620に進み、開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1621にて第2ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、第2ATモードフラグではなく第1ATモードフラグがセットされている場合には、ステップS1622にて各種フラグ格納エリア106dに第1開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。第1開始時フリーズフラグは、次ゲームの回転開始時の回転演出処理(ステップS402)において、第2再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインMLに停止させる第1回転演出を行うためのフラグである。回転演出処理については後に詳細に説明するが、この第1回転演出により、第1ATモードの開始用の結果として第2再遊技入賞を成立させることができなくても、当該第1ATモードの開始用の結果入賞を演出として報知することが可能となり、当該第1ATモードの開始用の結果入賞に基づいて第1ATモードが開始されることの印象を与えることが可能となる。
ステップS1619にて開始ゲームフラグがセットされておらず、準備モードを40ゲーム消化した場合や、ステップS1621にて第2ATモードフラグがセットされており、第2ATモードの準備モード中に通常リプA〜C当選となり、且つ第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップS1623にて各種フラグ格納エリア106dに第2開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。第2開始時フリーズフラグは、次ゲームの回転開始時の回転演出処理(ステップS402)において、第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインMLに停止させる第2回転演出を行うためのフラグである。回転演出処理については後に詳細に説明するが、この第2回転演出により、第2ATモードの開始用の結果として第3再遊技入賞を成立させることができなくても、当該第2ATモードの開始用の結果入賞を演出として報知することが可能となり、当該第2ATモードの開始用の結果入賞に基づいて第2ATモードが開始されることの印象を与えることが可能となる。
<有利区間の管理>
次に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を制御したり、有利区間へ移行させたり有利区間を終了させるための、区間表示第1処理、及び区間表示第2処理について説明する。
<区間表示第1処理>
先ず、区間表示第1処理について、図44を参照しながら説明する。区間表示第1処理は、抽選処理(図19)におけるステップS314にて実施される処理であり、スタートレバー41の操作に基づいて当該ゲームの抽選結果が決定されるとともに、当該抽選結果に基づいて表示モードの移行抽選等(抽選結果対応処理)が行われた後に実施される。
ステップS1701では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8が表示中であるか否か、より詳しくは、第8表示用セグメントN8を点灯中か否かを判定する。既に説明した通り、第8表示用セグメントN8を点灯中である場合とは、有利区間のうち、少なくとも押し順報知が発生し得る報知条件が成立している特定区間である場合を示している。ステップS1701にて否定判定し、第8表示用セグメントN8を消灯中であると判定した場合、ステップS1702に進む。
ステップS1702では、各種フラグ格納エリア106dに有利区間当選ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。有利区間当選ゲームフラグは、有利区間移行抽選処理において有利区間移行抽選に当選した場合にセットされるフラグであり、その当選ゲームであることをCPU102が特定するためのフラグである。有利区間当選ゲームフラグがセットされている場合、ステップS1703にて有利区間当選ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1704にて有利区間フラグをセットする処理を実行する。
ステップS1705では、有利区間中のゲーム数のカウント、より詳しくは、各種カウンタエリア106eの有利区間ゲーム数AGの計測を開始する処理を行う。有利区間ゲーム数AGは、有利区間の実行ゲーム数を把握する把握手段に相当するものである。そして、ステップS1706にて、有利区間移行時処理を実行する。有利区間移行時処理は、今回移行させる有利区間の状態や有利度を設定する処理である。具体的には、有利区間移行時処理では、上記の天井カウンタを抽選等により設定し、有利区間移行後、ATモード移行抽選に当選することなくATモードへの移行を許容する天井ゲーム数の設定を行う。天井カウンタの抽選は、例えば、設定値や当該ゲームの抽選結果等を利用して行うとよく、高設定ほど短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、奇数設定よりも偶数設定の方が短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにしたり、今回のゲームの抽選結果として当選しにくい結果ほど、短い天井ゲーム数が選択され易くなるようにするとよい。そして、抽選により決定した天井ゲーム数に相当する値を天井カウンタに入力するとよく、例えば、天井カウンタに対応する情報を含む天井コマンドを表示制御装置81へ出力することで、天井ゲーム数を示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われる構成としてもよい。
区間表示第1処理において、ステップS1706にて有利区間移行時処理を実行した後は、ステップS1707にて、第8表示用セグメントN8を点灯させることにより区間表示器の表示を開始する。
ステップS1701にて区間表示器としての第8表示用セグメントN8を表示中であると判定した場合、ステップS1708にて、有利区間中の表示を継続する処理を実行する。ステップS1708について具体的には、第8表示用セグメントN8が点灯状態である状況を継続させるための処理を行う。すなわち、区間表示器の表示を終了するための処理は、本区間表示第1処理では実施しない。
ステップS1702にて有利区間当選ゲームフラグがセットされていないと判定した場合、ステップS1707にて表示開始処理を実行した後、又はステップS1708の表示継続処理を実行した後は、ステップS1709にていずれかのATモードフラグがセットされているか否かを判定する。ステップS1709にていずれのATモードフラグもセットされていないと判定した場合は、ステップS1710にて、各種カウンタエリア106eに設けらた役比第1カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第1カウンタは、押し順報知が発生しないゲーム数、すなわち、通常区間と非特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
これに対して、ステップS1709にていずれかのATモードフラグがセットされていると判定した場合、ステップS1711にて、各種カウンタエリア106eに設けられた役比第2カウンタに1を加算する処理を実行する。役比第2カウンタは、押し順報知が発生可能なゲーム数、すなわち、特定区間のゲーム数をカウントするためのカウンタである。
ステップS1710又はステップS1711の処理を実行した後は、ステップS1712にて役比算出処理を実行する。かかる処理では、役比第2カウンタの値を役比第1カウンタと役比第2カウンタとの加算値(全ゲーム数)で除算する処理を行う。すなわち、役比算出処理は、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合を算出する処理である。そして、ステップS1713にて、ステップS1712の演算処理結果が役比モニタ77にて表示されるようにするための処理を実行する。
図5に示すように、役比モニタ77は、7つの表示用セグメントからなる7セグ表示部を複数有している。具体的には、役比モニタ77は、7セグ表示部としての第1表示部77a、第2表示部77b、第3表示部77c、第4表示部77d、第5表示部77eを有している。第1表示部77a〜第5表示部77eにおける表示用セグメントは、指示モニタ68の表示用セグメントN1〜N7と同様に、LEDからなる個別の光源を有しており、それら個別の光源がオンオフ制御されることで、任意の1個の表示用セグメントのみを点灯させることができるとともに、任意の組み合わせの表示用セグメントを点灯させることができる。これにより、役比モニタ77は、それぞれ個別に所定の記号(アルファベットや数字を含む)が表示されるようになっており、特に、役比モニタ77では、5桁の数字を表示可能となっている。
ステップS1713では、ステップS1712の演算処理の結果を役比モニタ77に出力するとともに、役比モニタ77にて、4桁の数字が表示されるように役比モニタ77における各表示部77a〜77eの表示制御を行う。具体的には、全ゲーム数のうち、押し順報知が発生し得るゲーム数の割合として、例えば、「0.5012」といったように、1よりも小さい数であって、小数点以下4桁までの数字が役比モニタ77にて表示される。ステップS1713の処理を実行した後は、区間表示第1処理を終了する。
なお、ステップS1712の演算処理において小数点以下第5桁の数字を四捨五入する処理を行ったうえで、役比モニタ77の表示制御を行う構成としてもよい。また、役比モニタ77のうち、第1表示部77aは、基本的には「0」が表示されるため、第1表示部77aを有さないようにしたり、第1表示部77aを印刷等によって「0」との表示が常にされる構成としてもよい。また、第1表示部77aと第2表示部77bとの間に、小数点が印刷等により表示される構成とするとよい。
<区間表示第2処理>
次に、区間表示第2処理について、図45のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明したとおり、区間表示第2処理は、リール制御処理のステップS418にて実施される処理であり、1ゲームの終了に際して、メダルの払出(払出判定処理)及び入賞結果に基づく遊技状態の移行等(入賞結果対応処理)が行われてから実施される。
ステップS1801では、有利区間フラグがセットされているか否かを判定する。セットされていない場合には、そのまま区間表示第2処理を終了する。有利区間フラグがセットされている場合には、ステップS1802にて、有利区間中のゲーム数をカウントする処理を実行する。具体的には、上記有利区間ゲーム数AGを1加算する処理を行う。続くステップS1803では、各種カウンタエリア106eに設けられた有利区間増減枚数MY(MYカウンタ)の更新処理を実行する。
ステップS1803のMY更新処理では、今回のゲームの遊技結果がいずれかの再遊技入賞ではないことを条件として、払出枚数から投入枚数(ベット数)を減算し、その減算結果を有利区間増減枚数MYに加算することによって、有利区間増減枚数MYの更新を行う。
ステップS1803のMY更新処理を実行した後は、ステップS1804にて、残ゲーム数管理処理を実行し、続くステップS1805にて、残枚数管理処理を実行する。残ゲーム数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限ゲーム数(1500ゲーム)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残ゲーム数管理処理では、例えば、有利区間ゲーム数AG(有利区間の消化ゲーム数)と、ATゲームカウンタ(ATモードの残りゲーム数)との合計が、有利区間の上限ゲーム数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第1超過フラグをセットする。また、残枚数管理処理は、ATモードの残りゲーム数等に基づき、現状の残りゲーム数で有利区間が上限増加数(2400枚)に達する状況となっているか否かの管理を行うための処理である。残払出枚数管理処理では、例えば、ATゲームカウンタとATモード中の1ゲーム当たりの平均増加枚数とから算出される期待増加枚数と、現状の有利区間増減枚数MYとの合計が有利区間の増減枚数より多い状況か否かを把握する。そして、そのような状況であれば、その状況を特定するためのフラグとして、各種フラグ格納エリア106dに第2超過フラグをセットする。
残ゲーム数管理処理、残枚数管理処理を実行した後は、ステップS1806にて、上記有利区間ゲーム数AGが上限ゲーム数である1500に達したか否か、又は有利区間増減枚数MYが上限増加数である2400以上となったか否かを判定する。これらいずれかの強制終了条件が成立している場合には、ステップS1807にて、有利区間ゲーム数AG及び有利区間増減枚数MYを0にクリアする。続くステップS1808では、区間表示器としての第8表示用セグメントN8の表示を終了させる処理を行う。そして、ステップS1809にて、有利区間中の各種フラグやカウンタ等のパラメータ、情報を初期化する処理を実行する。
ステップS1809の有利区間用情報の初期化処理について、具体的には、今回の有利区間への移行に際して設定されたフラグやカウンタ、及び、今回の有利区間中に設定されたフラグやカウンタを初期値に戻す処理を実行する。例えば、有利区間フラグや、各種ATモードフラグ等がクリアされておらずセットされていれば、これらのフラグをクリアする。さらに、有利区間ゲーム数AGや有利区間増減枚数MY、ATモードの継続ゲーム数用のカウンタ、AT準備カウンタ等が0より大きければ、これらのカウンタを全て0にリセットする。つまり、本有利区間用情報の初期化処理では、押し順報知を用いた有利な状態としての有利区間に関し、押し順報知に係る性能に及ぼす全ての変数乃至パラメータを初期化するものであり、かかる変数乃至パラメータに関してRAMクリアを行う処理である。
ステップS1809の処理を実行した後は、ステップS1810にて外部集中端子板121におけるAT用出力端子121dの出力状態を確認し、当該AT用出力端子121dがON状態であればそれをOFF状態に設定する処理を実行してから、本区間表示第2処理を終了する。AT用出力端子121dは、ATモードが開始される場合にON状態とされ、ATモードが終了する場合にOFF状態とされることで外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードであること(ATモードの移行回数)に対応するAT用情報を出力するためのものである。AT用出力端子121dをON状態とすることでAT用出力端子121dから出力される信号はHI信号(高出力状態)となり、AT用出力端子121dをOFF状態とすることで、AT用出力端子121dから出力される信号はLOW信号(低出力状態)となる。上記の外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されているデータ表示器やホールコンピュータ等は、かかるAT用出力端子121dから出力される信号がLOW信号からHI信号に切り替わることでAT用出力端子121dがON状態とされたことを把握し、ATモードへの移行が生じたことを把握する。また、AT用出力端子121dから出力される信号がHI信号からLOW信号に切り替わることでAT用出力端子121dがOFF状態とされたことを把握し、ATモードが終了したことを把握する。なお、AT用出力端子121dをON状態とするための処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1806にて有利区間ゲーム数AGが上限値に達しておらず、且つ有利区間増減枚数MYが上限増加数に達していないと判定した場合は、ステップS1811に進み、ATモード終了フラグがセットされているか否かを判定する。ATモード終了フラグがセットされている場合、ステップS1807に進み、有利区間終了用の処理を実行する。ATモード終了フラグがセットされていない場合、そのまま有利区間終了用の処理を実行する。
<演出設定処理>
表示制御装置81のCPU181にて実行される演出設定処理について、図46のフローチャートに基づき説明する。演出設定処理は、CPU181により所定周期(例えば、2msec周期)で起動される処理である。
演出設定処理では、先ずステップS1901にて、主制御装置101から新たなコマンドを受信したか否かを判定する。新たなコマンドを受信している場合には、ステップS1902にて、受信したコマンドをRAM183に格納する処理を実行する。RAM183にはコマンド格納エリアが設けられており、当該コマンド格納エリアは、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されている。
ステップS1901にて否定判定した場合、又はステップS1902の処理を実行した後は、ステップS1903にて、新たに受信したコマンドが、ベット時コマンドであったか否かを判定する。ベット時コマンドとは、ベット操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、通常処理のステップS206にてセットされるベットコマンド等である。ベット時コマンドである場合には、ステップS1904にて今回のベット操作に基づく演出設定を行うためのベット時演出設定処理を実行する。
ステップS1903にて否定判定した場合、又はステップS1904の処理を実行した後は、ステップS1905にて、新たに受信したコマンドが、開始時コマンドであったか否かを判定する。開始時コマンドとは、スタートレバー41の操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、抽選処理のステップS311にてセットされる抽選結果コマンドの他、抽選結果対応処理(図27)や区間表示第1処理(図44)にてセットされる前兆コマンド、上乗せコマンド、押し順報知コマンド及び天井コマンド等がある。これらの開始時コマンドである場合には、ステップS1906にて開始時演出設定処理を実行する。
ステップS1905にて否定判定した場合、又はステップS1906の処理を実行した後は、ステップS1907にて、新たに受信したコマンドが、各停止操作時コマンドであったか否かを判定する。各停止操作時コマンドとは、各リール32L,32M,32Rのそれぞれの停止操作が行われたことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS406にてセットされる停止指令コマンドである。かかる各停止操作時コマンドとしての停止指令コマンドである場合には、ステップS1908にて今回の停止操作に基づく演出設定を行うための各停止操作時演出設定処理を実行する。
ステップS1907にて否定判定した場合、又はステップS1908の処理を実行した後は、ステップS1909にて、新たに受信したコマンドが、全停止時コマンドであるか否かを判定する。全停止時コマンドとは、全リール32L,32M,32Rが停止したことに基づいて主制御装置101から出力されるコマンドであり、リール制御処理(図22)のステップS419にてセットされる入賞結果コマンドの他、ボーナス状態処理(図24)、入賞結果対応処理(図37)や区間表示第2処理(図45)にてセットされる第1BB開始コマンド、第2BB開始コマンド、第1BB終了コマンド、第2BB終了コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等がある。これらの全停止時コマンドである場合には、ステップS1910にて全停止時演出設定処理を実行する。
ステップS1909にて否定判定した場合、又はステップS1910の処理を実行した後は、ステップS1911にて、その他の処理を実行してから、演出設定処理を終了する。ステップS1911では、上記の各演出設定処理にて設定された各種演出が、対応するタイミングにて実行されるように補助表示部65やスピーカ64等を制御する。また、ステップS1911では、ベット時、開始時、停止時以外の主制御装置101からの指令に基づく演出(例えば、精算スイッチ59の操作に基づく演出等)の設定や、主制御装置101を介さずに接続されたセンサ(演出スイッチ検出センサ等)からの信号に基づく演出の設定、エラー報知用の設定等を行う。
以下、開始時演出設定処理、全停止時演出設定処理について説明する。
<開始時演出設定処理>
ステップS1906の開始時演出設定処理について、図47のフローチャートに基づき説明する。
ステップS2001では、受信している抽選結果コマンドに基づいて、今回開始されるゲームの抽選結果が押し順役当選(押し順ベル当選)であるか否かを判定する。押し順役当選である場合には、ステップS2002にて、押し順報知コマンドを受信しているか否かを判定する。押し順報知コマンドを受信している場合、ステップS2003にて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。
ステップS2001にて、今回のゲームの抽選結果が押し順役当選ではないと判定した場合、ステップS2004にて今回のゲームの抽選結果が特定役当選であるか否かを判定する。特定役とは、各ゲームの抽選結果として出現しにくい(当選しにくい)所謂レア役と称される抽選結果であり、本実施形態では、チャンス目A〜チャンス目C、チェリーA〜チェリーC及びスイカを特定役として設定している。図29に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモード移行抽選ではATモード移行当選となる確率が他の抽選結果よりも高くなるように設定されており、また、図32に示す通り、これらの抽選結果を契機とするATモードの上乗せ抽選においては、他の抽選結果を契機とするよりも上乗せ当選となり易いように設定されている。今回のゲームの抽選結果が特定役当選である場合、ステップS2005にて、特定役報知演出を設定する処理を実行する。特定役報知演出の設定処理では、今回のゲームの抽選結果が上記特定役のいずれかであることの特定役報知が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにするための設定を実行する。特定役報知としては、例えば、3つ設けられているストップスイッチ42〜44に対応させて、ビックリマークのキャラクタが補助表示部65に3つ表示されるような演出が設定されている。
ステップS2002若しくはステップS2004にて否定判定した場合、又はステップS2003若しくはステップS2005の処理を実行した後は、ステップS2006に進む。ステップS2006では、上乗せコマンドを受信しているか否かを判定する。上乗せコマンドを受信している場合、ステップS2007にて上乗せ演出の設定処理を実行する。上乗せ演出の設定処理では、ATモードの残りゲーム数の上乗せが行われたことに対応する報知として、当該上乗せされたゲーム数を補助表示部65にて表示する上乗せ演出を実行する。なお、当該上乗せ演出の態様は、当該上乗せが行われたゲームにて行われる態様に限定されず、例えば、当該上乗せが行われたゲームを契機として所定ゲーム数後に上乗せゲーム数の報知が行われる態様が含まれていてもよいし、例えば、ATモードの残りゲーム数が所定数(例えば残り1ゲーム)となった状況で上乗せ演出を実行する所謂後乗せ演出の態様が含まれる構成としてもよい。
ステップS2006にて否定判定した場合、又はステップS2007の処理を実行した後は、ステップS2008にて今回の開始時コマンドとして、前兆コマンドを受信しているか否かを判定する。前兆コマンドを受信しており、ATモード移行抽選又はCZモード移行抽選に当選し、前兆モードに設定される場合、ステップS2009にて各種カウンタエリア183bに設けられたサブ側前兆カウンタに前兆ゲーム数に対応する値を入力する処理を実行する。サブ側前兆カウンタは、主制御装置101における前兆カウンタに相当するものであり、前兆モードの残りゲーム数をCPU181が把握するためのカウンタであり、当該サブ側前兆カウンタが0よりも大きい状況が前兆モードとなる。
ステップS2008にて否定判定した場合、又はステップS2009の処理を実行した後は、ステップS2010にて上記のサブ側前兆カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。サブ側前兆カウンタが0よりも大きく、前兆モード中である場合、ステップS2011にてサブ側前兆カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2012にてサブ側前兆カウンタの値に応じた前兆モード用の演出を設定する処理を実行する。例えば、サブ側前兆カウンタの値が小さいほど、いずれかの移行抽選に当選していることを強く示唆する演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるようにしたりするとよい。
ステップS2010にて否定判定した場合、又はステップS2012の処理を実行した後は、ステップS2013にてAT開始用処理を実行し、ステップS2014にて回転演出用処理を実行し、ステップS2015にてその他の開始時演出設定処理を実行してから、本開始時演出設定処理を終了する。ステップS2015では、例えば、ゲーム開始に対応させて抽選結果を示唆する演出を設定したり、スタートレバー41周辺のランプを消灯させてその操作が受け付けられたことの報知を行うための処理等を実行する。AT開始用処理及び回転演出用処理については、後に詳細に説明する。
<全停止時演出設定処理>
次に、演出設定処理(図46)におけるステップS1910の全停止時演出設定処理について、図48のフローチャートを参照しながら説明する。既に説明した通り、全停止時演出設定処理は、新たに受信したコマンドが、入賞結果コマンド、AT当選報知コマンド、CZ開始コマンド、第1ATコマンド、第2ATコマンド、CZ終了コマンド、AT終了コマンド、昇格コマンド、停止時AT開始コマンド等の全停止時コマンドである場合に、演出設定を行うための処理である。
ステップS2101では、CZ開始コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ開始コマンドを受信している場合、ステップS2102にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側CZフラグをセットする処理を実行し、ステップS2103にてCZ開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ開始演出は、例えば、図52(a)に示すように、CZモードが開始されること、及びCZモードの残りゲーム数(10)を補助表示部65にて表示する。
ステップS2101にて否定判定した場合、ステップS2104にて、CZ終了コマンドを受信しているか否かを判定する。CZ終了コマンドを受信している場合、ステップS2105にて上記のサブ側CZフラグをクリアする処理を実行し、ステップS2106にてCZ終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。CZ終了演出は、例えば、図52(b)に示すように、CZモードの残りゲーム数が0となり、CZモードが終了したことを報知する演出が設定されている。なお、CPU181は、上記のサブ側CZフラグがセットされている各ゲームでは、CZモード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。CZモード用の演出は、CZモード中であることを遊技者が識別可能となるように、例えば、背景色や登場するキャラクタ等が通常モードのそれと異ならせている。また、CZモード用の演出を行うにあたり、CPU181は、CZモードの残りゲーム数の表示もゲームの進行に応じてその表示を更新(減算)するように制御する。
ステップS2104にて否定判定した場合、ステップS2107にてAT当選報知コマンドを受信しているか否かを判定する。AT当選報知コマンドを受信している場合、ステップS2108にて各種フラグ格納エリア183aに準備モードフラグをセットする処理を実行し、続くステップS2109にて第1ATコマンドを受信しているか否かを判定する。第1ATコマンドを受信している場合、ステップS2110にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第1ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップS2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。一方、ステップS2109にて第1ATコマンドを受信しておらず、第2ATコマンドを受信している場合、ステップS2111にて各種フラグ格納エリア183aにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行してから、ステップS2112にてAT当選報知演出を設定する処理を実行する。AT当選報知演出は、例えば、図53(a)に示すように、ATモード移行抽選に当選したことの報知とともに、当選しているATモードの種別を報知する演出が設定されている。なお、ATモードの種別を報知する演出として、例えば、補助表示部65の背景色を異ならせる(第1ATモードであれば赤、第2ATモードであれば青)構成としてもよいし、ATモードの種別に応じて対応するキャラクタを表示させる(第1ATモードであれば第1AT用キャラクタ、第2ATモードであれば第2AT用キャラクタ)構成としてもよい。また、CPU181は、上記の準備モードフラグがセットされている各ゲームでは、準備モード用の演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する。準備モード用の演出は、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合と、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合とを、遊技者が識別可能なようにその演出内容が異ならせてあり、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図53(b)に示すように、「昇格抽選中」といった文字表示が行われ、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、例えば、図54(b)に示すように、「AT準備中」といった文字表示が行われる。なお、図53(b)と図54(b)とでは、背景色が異なることを、ハッチ設定を異ならせて示している。
ステップS2107にて否定判定した場合、ステップS2113にて昇格コマンドを受信しているか否かを判定する。昇格コマンドを受信している場合、ステップS2114にて上記にサブ側第1ATモードフラグをクリアするとともにサブ側第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS2115にて昇格演出を設定する処理を実行する。昇格演出は、例えば、図54(a)に示すように、男性のキャラクタが雄叫びを挙げる演出が設定されている。なお、上記のようにサブ側第1ATモードフラグがクリアされてサブ側第2ATモードフラグがセットされることにより、昇格演出を介して、準備モード中の演出が、図53(b)の演出から図54(b)の演出に切り替わることになる。
ステップS2113にて否定判定した場合、ステップS2116にて停止時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。停止時AT開始コマンドを受信している場合、ステップS2117にて、準備モードフラグをクリアし、ステップS2118にて、AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT開始演出は、例えば、図55(a)に示すように、ATモードが開始される旨の表示(「AT スタート」といった文字表示)が行われる演出が設定されている。なお、AT開始演出は、開始するATモードの種類に応じて遊技者が識別可能な程度に異なっており、例えば、背景や効果音が異なるように設定されている。
ステップS2116にて否定判定した場合、ステップS2119にてAT終了コマンドを受信しているか否かを判定する。AT終了コマンドを受信している場合、ステップS2120にてサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグをクリアする処理を実行し、ステップS2121にてAT終了演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うための演出設定処理を実行する。AT終了演出は、例えば、図55(b)に示すように、ATモードが終了する旨の表示(「またね」といった文字表示)とともに、今回のATモードの継続ゲーム数や獲得メダル数の報知を行う演出が設定されている。
ステップS2103、ステップS2106、ステップS2112、ステップS2115、ステップS2118若しくはステップS2121の処理を実行した後、又はステップS2119にて否定判定した後は、ステップS2122にてその他の全停止時演出設定処理を実行してから、本全停止時演出設定処理を終了する。ステップS2122では、例えば、入賞役に対応させた色で上部ランプ63が点灯するように制御したり、入賞役の払出数に対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したり、リプレイ時の自動ベットに対応する効果音がスピーカ64から発せられるように制御したりする。
<AT開始用処理>
次に、開始時演出設定処理(図47)におけるステップS2013にて実行されるAT開始用処理について、図49のフローチャートを参照しながら説明する。AT開始用処理は、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA〜C)に当選した場合に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知を実施するための処理である。
すなわち、ステップS2201では、上記の準備モードフラグがセットされているか否かを判定する。準備モードフラグがセットされていない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。準備モードフラグがセットされている場合、ステップS2202にて準備モード演出を設定する。上記のように準備モード演出としては、図53(b)及び図54(b)の演出が設定されており、ステップS2202では、サブ側第1ATモードフラグがセットされている状況では、図53(b)の準備モード演出を設定し、サブ側第2ATモードフラグがセットされている状況では、図54(b)の準備モード演出を設定する。
続くステップS2203では、今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であるか否かを判定する。通常リプA〜C当選ではない場合には、そのままAT開始用処理を終了する。なお、既に説明した通り、準備モード中に通常リプA〜C当選となると、主制御装置101からは押し順報知コマンドが出力される。そこで、ステップS2203にて通常リプA〜C当選である場合には、ステップS2204にてサブ側第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、サブ側第1ATモードフラグがセットされている場合には、ステップS2205にて、上記の押し順報知コマンドに基づいて第2再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。一方、サブ側第1ATモードフラグがセットされておらず、サブ側第2ATモードフラグがセットされている場合には、ステップS2206にて、上記の押し順報知コマンドに基づいて第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように設定する処理を実行してから、AT開始用処理を終了する。
ステップS2205やステップS2206にて設定する押し順報知演出としては、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。例えば、ステップS2205では、図56(a)に示すように、第2再遊技入賞に対応するストップスイッチ42〜44の操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄−「白7」図柄−「白7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。また、例えば、ステップS2206では、図56(b)に示すように、第3再遊技入賞に対応するストップスイッチ42〜44の操作順序を報知するとともに、第3再遊技入賞が成立する場合に中ラインL2に停止する図柄(「白7」図柄−「白7」図柄−「赤7」図柄)を報知する演出が補助表示部65にて行われるように設定する。なお、中ラインL2に停止する図柄ではなく、有効ラインMLに停止する図柄を報知する構成としてもよく、具体的には、第2再遊技入賞であれば、「白7」図柄−「白貝」図柄−「チェリー」図柄を報知し、第3再遊技入賞であれば、「白7」図柄−「白貝」図柄−「BAR」図柄を報知する構成としてもよい。これらの場合、報知している図柄を停止させるべきライン(中ラインL2又は有効ラインML)をあわせて報知する構成としてもよい。
このように、本実施形態では、有利区間においてATモード移行抽選に当選したり天井ゲーム数に到達してATモードへ移行する権利を獲得すると、前兆モードを介してAT当選報知演出(図53(a))が実行され、当該権利を獲得した旨の報知が行われる。準備モード中にATモード開始用の結果として通常リプA〜Cに当選すると、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるように操作指示報知が行われ(図56)、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立すると、ATモードが開始される。このようにすることで、ATモードへの移行に遊技者の操作の介入が必要となる構成となり、遊技機側のみで完結する構成と比較して、遊技の興趣向上が好適に図られる。特に、抽選等により獲得したATモードへ移行する権利を、自らの停止操作によって行使してATモードを開始させる構成となり、遊技者の操作に基づき抽選結果に対応する図柄を有効ラインMLに停止させて抽選結果に対応する特典を得る、といったスロットマシンの醍醐味をATモードに存分に活かすことが可能となる。
ここで、準備モードにおいては、押し順ベルに当選した場合には第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する押し順報知が実行されることや、抽選結果に応じた上乗せ抽選が行われること、及び、第1ATモードから第2ATモードへの昇格抽選も行われること、からして、遊技者としては、上記のように第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を自らの操作によって成立させる遊技を行いたい気持ちもあるものの、なるべく準備モードを長く継続することも望むものと考えられる。そこで、本実施形態では、準備モードの継続ゲーム数に上限を設け、上限ゲーム数(40ゲーム)に達した場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなくてもATモードを開始させる構成としている。そこで、以下、特に準備モードが上限ゲーム数に達した場合にATモードを開始させるための構成について説明する。
<回転演出処理>
先ず、主制御装置101側のリール制御処理(図22)における回転演出処理(ステップS402)について、図50のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2301では、各種フラグ格納エリア106dに第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグは、上記の準備モード用処理(図42)においてAT準備カウンタが0となったゲームや、準備モード中の通常リプA〜C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされるフラグである(ステップS1622、ステップS1623)。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。
いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS2302にて、今回開始するゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であるか否かを判定する。つまり、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームや、準備モード中の通常リプA〜C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかったゲームの次のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であるか否かを判定する。通常リプA〜C当選ではない場合、ステップS2303に進み、回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。回転演出コマンドは、各リール32L,32M,32Rを用いた回転演出を行うことにより、ATモードの開始を報知することを表示制御装置81に把握させるためのコマンドである。
続くステップS2304では、停止している各リール32L,32M,32Rの図柄位置関係を把握する処理を実行する。既に説明した通り、各リール32L,32M,32Rには、それぞれリールインデックスセンサが設置されており、当該リールインデックスセンサの検出信号や、リールを回転させるために出力した励磁パルス数等に基づいて、停止している(前回停止させた)図柄位置を把握することが可能である。
そして、ステップS2305にて第1開始時フリーズがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS2306にて、ステップS2304にて把握した図柄位置に基づいて、2sec後(第1期間後)に第2再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速(第1回転速度)にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第2再遊技図柄(「白7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第2再遊技図柄(「白貝」図柄、「チェリー」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第2再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップS2305にて第1開始時フリーズフラグがセットされておらず、第2開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS2307にて、ステップS2304にて把握した図柄位置に基づいて、2sec後(第1期間後)に第3再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速(第1回転速度)にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第3再遊技図柄(「白7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第3再遊技図柄(「白貝」図柄、「BAR」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第2再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップS2306又はステップS2307にて各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する処理を実行した後は、ステップS2308にて全リールを回転開始させ、設定した加速度に基づいて各リール32L,32M,32Rに対応するステッピングモータを駆動制御する処理を実行する。そして、ステップS2309にて各種カウンタエリア106eに設けられた回転カウンタに上記の第1期間(2sec)より長い第2期間(2.8sec)に相当する値である1879を入力する処理を実行する。回転カウンタは、タイマ割込み処理(図17)のタイマ更新処理(ステップS108)が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
この場合、図58(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rについてそれぞれ設定された加速度に応じて各リール32L,32M,32Rの回転が開始し、図58(b)に示すように、2sec後には第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃った状態となり、その状態にて各リール32L,32M,32Rは低速にて回転することとなる。
続くステップS2310では、上記ステップS2309にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。なお、タイマ割込み処理と、本回転演出処理が含まれる通常処理(図18)とはそれぞれ独立して起動される処理であり、ステップS2310にて待機している間であっても、タイマ割込み処理は回転カウンタの減算処理を実行可能である。ステップS2310では、回転カウンタが0となることで肯定判定する。
ステップS2308にて全リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから第1期間(2sec)が経過して第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが揃って低速回転するようになり、ステップS2309の処理を実行してから第2期間(2.8sec)が経過してステップS2310にて肯定判定すると、ステップS2311に進む。ステップS2311では、現時点から0.2sec(第3期間)後に全リール32L,32M,32Rが第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインMLにて停止するように、全リール32L,32M,32Rの加速度を設定する処理を実行する。そして、ステップS2312にて、ステップS2311にて設定した加速度に基づいて各リール32L,32M,32R32Rに対応するステッピングモータを駆動制御して、各リール32L,32M,32Rを停止させる処理を実行する。その後、ステップS2313にて上記の回転カウンタに第3期間(0.2sec)に相当する値である134を入力する処理を実行し、続くステップS2314にて、上記ステップS2313にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。
この場合、図58(c)に示すように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインMLに停止する。なお、当該回転演出において各リール32L,32M,32Rが停止することを、リール制御処理のステップS411にてストップスイッチ42〜44の操作に基づいて各リール32L,32M,32Rが停止することと区別すべく、以下の説明では、回転演出における各リール32L,32M,32Rの停止を仮停止とも称する。
ステップS2313の処理を実行してから0.2sec(第3期間)が経過した場合、すなわち、全リール32L,32M,32Rを回転開始させてから合計3sec(第4期間)が経過して、有効ラインMLに第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが仮停止した場合、ステップS2314にて肯定判定してステップS2315に進む。ステップS2315では、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。始動時AT開始コマンドを受信した表示制御装置81は、AT開始演出が補助表示部65やスピーカ64にて行われるように制御する。
ステップS2316では、回転カウンタに第5期間(5sec)に相当する値である3355を入力する処理を実行し、続くステップS2317では、上記ステップS2316にて入力した回転カウンタが0となるまで待機する。この場合、各リール32L,32M,32Rも上記の仮停止した状態が維持される(図58(d))。
ステップS2316の処理を実行してから5sec(第5期間)が経過した場合、すなわち、有効ラインMLに第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる図柄組合せが仮停止してから5secが経過した場合、ステップS2317にて肯定判定してステップS2318に進む。ステップS2318では、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行し、その後、回転演出処理を終了する。この場合、リール制御処理(図22)において回転演出処理に続けて起動される回転開始処理にて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始される(図58(e))。
つまり、準備モードにおいて通常リプA〜Cに当選することなく40ゲーム消化した場合や、通常リプA〜Cに当選した場合であっても第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、次ゲームの開始時に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せが有効ラインML上に停止する回転演出が発生する。なお、以下の説明では、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームや、準備モード中の通常リプA〜C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかったゲームの次のゲームを、回転演出の対象ゲームと称する。
回転演出処理において、ステップS2302にて、上記の回転演出の対象ゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選である場合、ステップS2319にてAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定し、セットされている開始時フリーズフラグが、準備モード中の通常リプA〜C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされたものであるか、それとも、AT準備カウンタが0となることでセットされたものかを判定する。準備モード中の通常リプA〜C当選ゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立しなかった場合にセットされたものである場合、ステップS2303に進み、回転演出を実行するための処理を行う。これに対して、開始時フリーズフラグがAT準備カウンタが0となることでセットされたものである場合、そのまま、回転演出処理を終了する。つまり、準備モードが上限ゲーム数に達して回転演出を実行するゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選である場合、今回のゲームの開始時では上記の回転演出は発生しない。
この場合、AT開始報知用処理(図35)において、今回のゲームで第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させるための操作指示報知が行われる。つまり、AT開始報知用処理において、今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であって(ステップS1001:YES)、AT準備カウンタが0である場合(ステップS1002:NO)、ステップS1008にて、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされており、準備モードが上限ゲーム数に達することで回転演出の対象となったゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選である場合、ステップS1008にて肯定判定し、ステップS1009にて対応する開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS1003に進み、開始ゲームフラグをセットする処理を実行し、ステップS1004以降の操作指示報知を行うための処理を実行する。
つまり、AT準備カウンタが0となり準備モードを40ゲーム消化した次のゲームの回転開始時に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインML上に仮停止させる回転演出を発生させる構成としたうえで、当該次のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選である場合は、回転演出を発生させず、通常通り、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙って操作させる構成としている。このようにすることで、自らの操作によってATモードの開始を勝ち取った印象を強く与えることが可能となる。
これに対して、準備モード中に通常リプA〜C当選となり第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、当該ゲームの次のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であっても回転演出を発生させて、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄組合せを有効ラインML上に仮停止させる回転演出を発生させてATモードを開始させるようにしている。これは、そもそも先のゲームで第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかったことからして、当該スロットマシン10を遊技している遊技者は、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙って操作することが不得意な遊技者であると考えられるからである。すなわち、仮に、当該入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームでも第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙わせると、そのような遊技者に対して不得意な操作を再度強要する構成となり、遊技意欲の大幅な低下を招きかねない。その点、上記のように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、当該ゲームの次のゲームで通常リプA〜C当選となった場合でも、回転演出を行う構成とすることで、不得意な操作を回転演出にて補う構成となり、様々な熟練度の遊技者にマッチした遊技を提供することが可能となる。
ちなみに、上記のように準備モードを40ゲーム消化した後の次のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であって、回転演出の実行が制限された場合であっても、既に準備モード用処理のステップS1607〜ステップS1623にてATモード開始用の処理が実行されている構成であることから、当該回転演出の実行が制限されたゲームにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなくても、ATモードは開始される。このようにすることで、上記のように自らの操作によってATモード開始用の結果入賞を成立させる機会を付与しながらも、ATモードがなかなか開始されないことを解消する、といった準備モードの上限を設けた意義を抹殺しないようにすることができる。
<回転演出用処理>
回転演出を行う場合の演出設定処理として、開始時演出設定処理(図47)のステップS2014にて実行される回転演出用処理について、図51のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2401では、回転演出コマンドを受信しているか否かを判定する。回転演出コマンドは、上記のように回転演出処理(図50)において、回転演出の開始時に出力されるコマンドである。回転演出コマンドを受信している場合には、ステップS2402にて準備モードフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS2403にて回転演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行する。回転演出では、例えば、図57(a)に示すように、各リール32L,32M,32Rによる回転演出が実行されることを遊技者に把握させるように、補助表示部65にて女性のキャラクタが「いくよー!」と嬉しそうに叫んでいる様子が表示される演出が設定されている。
ステップS2401にて否定判定した場合、又はステップS2403の処理を実行した後は、ステップS2404にて始動時AT開始コマンドを受信しているか否かを判定する。始動時AT開始コマンドは、上記のように回転演出処理(図50)において、回転演出において第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインMLに仮停止した場合に出力されるコマンドである。始動時AT開始コマンドを受信している場合には、ステップS2405にて、始動時AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64にて行うように設定する処理を実行する。ステップS2405では、例えば、図57(b)に示すように、各種フラグ格納エリア183aに設定されているサブ側第1ATモードフラグやサブ側第2ATモードフラグに基づいて、第1回転演出を実行している場合には、第1ATモードが開始されることを報知する演出を設定し、第2回転演出を実行している場合には、第2ATモードが開始されることを報知する演出を設定する。ステップS2404にて否定判定した場合、又はステップS2405の処理を実行した後は、回転演出用処理を終了する。
この場合、上記のように回転演出処理では、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を有効ラインMLに仮停止させた後、5secに亘ってその状態を維持するように設定している。つまり、回転演出において第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を仮停止させた状態で、上記の始動時AT開始演出を行うことが可能となっており、ATモードの開始に停止出目が関連付けられた印象を遊技者に与える効果を高めることが可能となっている。しかも、上記の第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄を有効ラインMLに仮停止させた状態を維持する期間を設定することにより、回転演出を開始してから、当該回転演出を終了して通常遊技としての回転開始処理(ステップS403)が実行されるまでの期間が、各ゲームで設定されるウェイト期間(4.1sec)よりも長い期間となる。つまり、回転演出においてステップS2309にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させてから全リール32L,32M,32Rを仮停止させるまでに3secが設定されているところ、当該全リール32L,32M,32Rが仮停止した状態で5sec維持することにより、回転演出における回転開始から回転開始処理(ステップS403)までの期間は8secとなり、ウェイト期間(4.1sec)よりも長くなる。このようにすることで、回転演出を通常の遊技と似せる効果が高められるし、上記の始動時AT開始演出を行ううえでの演出時間を好適に確保することが可能となる。
このように、本実施形態では、ATモード移行抽選に当選すると準備モードを経てATモードが開始される構成において、当該準備モード中にATモード開始用の結果に当選した場合に、遊技者が当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができればATモードが開始されるようにしていることからATモードの開始に際して遊技者の介入が必要な構成とすることが可能となる。しかも、遊技の結果としてATモードが開始されることからして、遊技者の運(ヒキ)によってATモードが開始され、ATモードを遊技機側で一方的に進行する遊技ではないことの印象が強められる。よって、遊技への注目度が好適に高められる。
そのうえで、準備モードにおいては、押し順ベル当選時の押し順報知が行われることや、ATモードの昇格抽選や上乗せ抽選が行われることから、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選せずに準備モードが長く継続することは遊技者にとって有利となっている。そうすると、遊技者は準備モードが長く継続することを望むようになり、上記のようにATモード開始用の結果に当選することを、残念なことと捉えてしまい、遊技への注目度を高める支障となり得るものと考えられる。そこで、本実施形態においては、準備モードに継続上限を設け、上限に達した場合にはATモード開始用の結果に当選していなくてもATモードを開始させる構成としたことから、準備モードの継続性による有利度の変化の幅を大きくしすぎないようにし、準備モードの上限前にATモード開始用の結果に当選することを、残念なこと捉えてしまわないように促すことが可能となる。
ここで、準備モード中においてATモード開始用の結果の当選確率は、通常リプA〜Cのいずれかに当選する確率であって、約8.86分の1の確率である。つまり、準備モードの継続上限のゲーム数よりもATモード開始用の結果の当選確率の分母の方が小さくなるように設定されており、40ゲームに設定される準備モードを消化すれば、概ね通常リプA〜Cに当選するように設定されている。このようなバランスとすることで、準備モードを長く継続させたいとはいえ、基本的には準備モードにおいて継続上限に至ることは稀であって、途中でATモード開始用の結果に当選することを前提とした遊技とすることが可能となる。よって、ATモード開始用の結果に当選したことを、さほど残念なことと捉えさせず、ATモード開始用の結果入賞を狙わせる遊技を快く行わせることが可能となる。
しかも、準備モードの上限に達した場合には、単にATモードが開始されるだけでなく、各リール32L,32M,32Rの回転演出により、上記のATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止させる構成としたことから、遊技者の運や参加の要素が疑似的であっても回転演出によって体現される構成となり、ATモードを遊技者自らの操作によって開始させる遊技としたことの効果を準備モードの上限到達時においても享受させることが可能となる。
それだけでなく、準備モードの上限到達時においては、昇格抽選に当選しなくても第1ATモードではなく第2ATモードが開始される構成とし、その第2ATモードが開始される様が第2回転演出によって体現される構成としていることから、上記のような上限に到達したことの残念感が相殺されるとともに、自らの操作により第2ATモードを勝ち取った印象を強め、最高の気分でATモードを開始させることが可能となる。
ここで、ATモード開始用の結果として通常リプA〜Cのうち、特に通常リプAについては、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって当選確率が異なり、高設定ほど当選しにくくなるように設定されている(例えば、図20参照)。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となる確率は、高設定ほど低くなるように設定されており、準備モードの上限に到達する確率も高設定ほど低くなり、その結果、第2ATモードに設定される割合が高設定ほど高くなるようになる、という斬新な遊技性を実現することが可能である。この場合、上限到達時に通常リプA〜Cに当選した場合には、回転演出の実行が制限される構成である点に鑑みると、回転演出が制限される確率は、高設定ほど低くなる構成ともいうことが可能である。つまり、高設定ほど回転演出が実行され易くなる構成であり、回転演出を指標として設定値の予測を行わせる、といった遊技も実現可能である。更に、高設定ほど通常遊技の遊技進行が制限される回転演出が実行され易くなることから、単位時間当たりのゲームの実行回数は高設定ほど少なくなり易く、出玉率が高くなる高設定において、急激な出玉の上昇を回転演出によってうまく抑制することも可能である。
準備モード中にATモード開始用の結果に当選した場合には、上記のように遊技者の操作によって当該ATモード開始用の結果入賞が成立し得る構成としているところ、遊技者の操作によっては、ATモード開始用の結果入賞が成立しない場合もあり得る。そうすると、例えば、あえて当該ATモード開始用の結果入賞を成立させないようにして、上限到達の恩恵を享受しようとする行為が行われる可能性もある。その点、本実施形態では、ATモード開始用の結果に当選し、且つ当該ATモード開始用の結果入賞が成立しなければ、当該入賞が成立しなかった次のゲームにてATモードを開始させる構成としたことから、上限到達までATモードを開始させないようにする行為が行われることを好適に回避することができるし、このような場合であっても回転演出を伴ってATモードが開始されるようにしていることから、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)を伴わずATモードが開始される事象がないようになり、遊技者の介入によってATモードが開始される引用を薄めないようにすることができる。
そして、上記の通り、ATモードの開始と、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)とがセットとなるようにしていることから、ATモードが開始されるためには、ATモードが開始される場合の演出内容が統一化されており、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せが停止(仮停止)していないのにも関わらずATモードが開始されることがない。このようにすることで、ATモードの開始が見た目状わかりやすくなり、ATモードが開始されていないのにもかかわらず、押し順ベル当選時の第1小役入賞〜第6小役入賞率が意図的に高められる等の不正行為が行われたとしても、それを遊技ホールの管理者は容易に特定することが可能となる。
しかも、本実施形態では、上記のATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せの停止(仮停止)とセットで、スロットマシン10から外部集中端子板121を介してATモードが開始される旨の情報が出力される構成としている。かかる構成について、以下、説明する。
<外部出力設定第2処理>
先ず、リール制御処理(図22)のステップS416にて実行される外部出力設定第2処理について、図59のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力設定第2処理は、リール制御処理において全リール32L,32M,32Rが停止したと判定された場合(ステップS412:YES)に実施される処理であり、入賞結果対応処理(ステップS417)よりも先に実施される処理である。
ステップS2501では、外部集中端子板121における第1BB用出力端子121b又は第2BB用出力端子121cの出力状態がON状態であるか否かを判定する。第1BB用出力端子121bは第1BB状態に移行する際にON状態とされるものであり、第1BB状態へ移行したことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。また、第2BB用出力端子121cは第2BB状態に移行する際にON状態とされるものであり、第2BB状態へ移行したことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。これらBB用出力端子121b,121cからの出力信号は、AT用出力端子121dと同様に、ON状態とすることでLOW信号からHI信号に切り替わり、OFF状態とすることでHI信号からLOW信号に切り替わるように構成されている。そして、本遊技機に外部集中端子板121を介して接続されている遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器では、これら第1BB用出力端子121bや第2BB用出力端子121cからの情報を把握することにより、遊技状態が第1BB状態や第2BB状態へ移行したことを把握することが可能となり、それを集計することによりその移行回数を把握することができ、それら状態の移行や移行回数に対応する報知を実行可能となる。
ステップS2501にていずれかのBB用出力端子121b,121cがON状態である場合、ステップS2502にて対応するBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、第1BB用出力端子121bがON状態である場合には第1BB状態フラグがセットされているか否かを判定し、第2BB用出力端子121cがON状態である場合には第2BB状態フラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、第1BB状態フラグや第2BB状態フラグは、ボーナス状態処理(図24)において、BB状態に移行する際にセットされ、BB状態が終了する際にクリアされるフラグである。すなわち、ステップS2501にてBB用出力端子121b,121cがON状態であって、ステップS2502にて対応するBB状態フラグがセットされている状況とは、直前のボーナス状態処理において対応するBB状態が未だ継続していると判定された場合である。これに対して、ステップS2501にてBB用出力端子121b,121cがON状態であって、ステップS2502にて対応するBB状態フラグがセットされていない状況とは、直前のボーナス状態処理において対応するBB状態の終了用の処理が実行された場合である。
ステップS2502にて対応するBB状態フラグがセットされていないと判定した場合、ステップS2503にて、対応するBB用出力端子121b,121cをOFF状態とする処理を実行する。これにより、遊技機に接続されている外部装置は、BB状態が終了したことを把握することが可能となる。
ステップS2501にて否定判定した場合、ステップS2502にて肯定判定した場合、又はステップS2503の処理を実行した後は、ステップS2504に進む。ステップS2504では、各種フラグ格納エリア106dに開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。既に説明した通り、開始ゲームフラグは、AT開始報知用処理(図35)において、準備モード中にATモード開始用の結果(通常リプA〜C)に当選となった場合にセットされるフラグであり(ステップS1003)、入賞結果対応処理における準備モード用処理(図42)にてクリアされるフラグである(ステップS1620)。開始ゲームフラグがセットされている場合、ステップS2505にて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。ステップS2504又はステップS2505にて否定判定した場合には、そのまま外部出力設定第2処理を終了する。
準備モードにおいてATモード開始用の結果に当選し、当該開始用の結果入賞が成立している場合、ステップS2506にて、外部集中端子板121のAT用出力端子121dをON状態に設定してから、本外部出力設定第2処理を終了する。既に説明した通り、AT用出力端子121dをON状態に設定することで、かかるAT用出力端子121dからの出力信号はLOW信号からHI信号に切り替わり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータはかかる切り替わりを把握することによって、ATモードが開始されたことを把握可能となる。
<外部出力設定第1処理>
次に、リール制御処理(図22)にて実行される外部出力設定第1処理について、図60のフローチャートを参照しながら説明する。外部出力信号第1処理は、リール制御処理が起動されると各リール32L,32M,32Rの回転開始前であって、更に、上記の回転演出を実行するための回転演出処理(ステップS402)よりも先に実施される処理である。
ステップS2601では、いずれかのBB用出力端子121b,121cがON状態であるか否かを判定する。いずれのBB用出力端子121b,121cもOFF状態である場合、ステップS2602にていずれかのBB状態フラグがセットされているか否かを判定する。すなわち、前回のゲームのボーナス状態処理において対応するBB状態フラグがセットされ、今回開始するゲームがBB状態の1ゲーム目である場合、ステップS2603にて、セットされたBB状態フラグに対応するBB用出力端子121b,121cをON状態とする処理を実行する。
ステップS2602にて今回開始するゲームがBB状態ではない場合、ステップS2603に進み、外部集中端子板121におけるゲーム用出力端子121aをON状態とする処理を実行する。ゲーム用出力端子121aは、スタートレバー41の操作に基づき、1回のゲームが開始される場合にON状態とされ、当該ゲームが終了するよりも前にOFF状態とされるものであり、1回のゲームが実行されたことの情報を本遊技機に接続されている外部装置に出力するためのものである。ゲーム用出力端子121aからの出力信号は、AT用出力端子121dと同様に、ON状態とすることでLOW信号からHI信号に切り替わり、OFF状態とすることでHI信号からLOW信号に切り替わるように構成されている。そして、本遊技機に外部集中端子板121を介して接続されている遊技ホールの管理装置(ホールコンピュータ)やデータ表示器では、ゲーム用出力端子121aからの情報を把握することにより、1回のゲームが実行されたことを把握可能となり、それを集計することによりゲームの実行回数を把握することができ、それらゲームの実行や実行回数に対応報知を行うことが可能となる。
続くステップS2605では、各種カウンタエリア183bに設けられたゲーム用カウンタに約0.15secに相当する10を入力する処理を実行する。ゲーム用カウンタは、ゲームの開始に際してON状態としたゲーム用出力端子121aをOFF状態とすべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
ステップS2601にて肯定判定した場合、又はステップS2603若しくはステップS2605の処理を実行した後は、ステップS2606に進む。ステップS2606では、第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま外部出力設定第1処理を終了する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS2607に進み、各種フラグ格納エリア106dに予約出力フラグをセットする処理を実行し、ステップS2608にて、各種カウンタエリア106eに設けられた予約出力カウンタに約3.1sec(第6期間)に相当する2100を入力する処理を実行してから、外部出力設定第1処理を終了する。予約出力フラグは、外部集中端子板121のAT用出力端子121dをON状態とする前の予約状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。また、予約出力カウンタは、当該予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とすべきタイミングをCPU102が把握するためのカウンタであり、タイマ割込み処理が1回起動される度に1ずつ減算されるカウンタである。
すなわち、各リール32L,32M,32Rによる回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する場合には、当該回転演出が実行されるよりも前に、AT用出力端子121dをON状態とするための事前処理が実行される。
<タイマ更新処理>
上記のようにAT用出力端子121dをON状態とする前の予約状態とされた場合の処理として、タイマ割込み処理(図17)のステップS108にて実行されるタイマ更新処理について、図61のフローチャートを参照しながら説明する。
タイマ更新処理では、先ず、ステップS2701〜ステップS2704にて、上記のゲーム用出力端子121aの管理用の処理を行う。すなわち、ステップS2701では、ゲーム用出力端子121aがON状態であるか否かを判定し、ON状態である場合には、ステップS2702にて、上記のゲーム用カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS2703にて、ゲーム用カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS2704にて、ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替える処理を実行する。このように、一のゲームが実行されたことを示すゲーム用出力端子121aは、ゲームの開始に際してON状態とされ、その後、所定期間(0.15sec)が経過した場合にOFF状態とされ、比較的短期間でそのON状態とOFF状態との切り替えが実行される。
ステップS2701若しくはステップS2703にて否定判定した場合、又はステップS2704の処理を実行した後は、ステップS2705に進む。ステップS2705〜ステップS2709の処理は、上記の予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とするための処理である。
すなわち、ステップS2705では、上記の予約出力フラグがセットされており、予約状態であるか否かを判定する。予約状態である場合、ステップS2706にて予約出力カウンタを1減算する処理を実行し、ステップS2707にて予約出力カウンタが0となったか否かを判定する。予約出力カウンタが0となった場合には、ステップS2708にて予約出力フラグをクリアする処理を実行し、ステップS2709にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する。かかる処理により、外部集中端子板121を介して本スロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータは、ATモードが開始されたことを把握可能となる。
ステップS2705若しくはステップS2707にて否定判定した場合、又はステップS2709の処理を実行した後は、ステップS2710にてその他の各種カウンタや各種タイマを更新する処理を実行してから、本タイマ更新処理を終了する。
<外部出力の様子>
図62及び図63のタイミングチャートを用いて、各リール32L,32M,32Rの回転と、AT用出力端子121dがON状態とされるタイミングとの関係について説明する。
先ず、準備モード中にATモード開始用の結果入賞を成立させた場合のAT用出力端子121dがON状態となるタイミングについて説明する。
図62に示すように、スタートレバー41の操作に基づき回転開始処理(ステップS403)が実行されて、ta0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。ta1のタイミングで定速回転(VN)に至った後、ta2のタイミングでストップスイッチ42〜44の操作が有効となる。そして、ta3のタイミングでストップスイッチ42〜44が操作され、ta4のタイミングで全てのリール32L,32M,32Rが停止する。なお、ta3及びta4は、3番目に操作されたストップスイッチ42〜44とそれに対応するリール32L,32M,32R(第3リール)の動作を示している。そのため、ta3のタイミングで第3リールの停止操作が行われた後は、ストップスイッチ42〜44の操作は無効となる。
ta4のタイミングでATモード開始用の結果入賞が成立すると、停止時AT開始コマンドが出力されて(ステップS1613)、AT開始演出が実行される(ステップS2118、図55)。そして、ta4のタイミングでAT用出力端子121dがON状態とされて遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力され、例えば、当該データ表示器にてATモードが開始された旨の表示が行われたり、ATモードの移行回数のデータの更新が行われたりする。
その後、ta5のタイミングでATモードの1ゲーム目が開始されて各リール32L,32M,32Rの回転が開始し、ta6のタイミングにて定速回転(VN)に至った後、ta7のタイミングでストップスイッチ42〜44の操作が有効となる。
回転演出を伴ってATモードが開始される場合、スタートレバー41の操作に基づき回転演出処理(図50)のステップS2308が実行されて、tb0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。tb1のタイミングで基準リールとなる左リール32Lが上記の定速回転(VN)よりも遅い低速回転(VL)に至った後、tb2、tb3のタイミングで残りのリール(中リール32M、右リール32R)が低速回転(VL)に至る。この場合、回転開始されてからtb3のタイミングまでが第1期間(2sec)に相当し、tb3のタイミングで第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速回転されているようになる。当該低速回転は、回転開始から第2期間(2.8sec)が経過するtb4のタイミングまで継続される。
tb4のタイミングとなると、各リール32L,32M,32Rを減速する処理(ステップS2311)が行われて、tb4のタイミングから第3期間(0.2sec)が経過するtb5のタイミングで上記第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止する。この場合、始動時AT開始コマンドが出力されて(ステップS2315)、始動時AT開始演出が実行される(ステップS2405、図57(b))。そして、tb5から若干遅れたtb6のタイミングでAT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
当該第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止した状態は、tb6から第5期間(5sec)が経過するtb7のタイミングまで維持される。そして、tb7のタイミングで回転開始処理(ステップS403)により各リール32L,32M,32Rの回転が開始され、tb8にて定速回転(VN)に至り、tb9にてストップスイッチ42〜44の操作が有効となる。そして、tb10にてストップスイッチ42〜44の操作が行われると、tb11にて各リール32L,32M,32Rが停止して、tb0にて開始されたゲームの遊技結果が導出される。
このように、本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果入賞が成立した場合には、外部集中端子板121のAT用出力端子121dがON状態となり、ATモードへ移行したことの情報の外部出力が行われる。更に、準備モード中の回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する場合にも、外部集中端子板121のAT用出力端子121dがON状態となり、ATモードへ移行したことの情報の外部出力が行われる。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止する場合に、AT用出力端子121dがON状態となってATモードへ移行したことの外部出力が行われる構成としている。このようにすることで、ATモードへの移行が生じたことを、各リール32L,32M,32Rの出目だけでなく当該外部出力される情報とセットで、遊技ホールの管理者等が明確に把握することが可能となり、ATモードの恩恵を不正に享受しようとする不正行為等を特定し易くなる。
本実施形態では、準備モードに移行することにより、AT準備カウンタをセットして回転演出を行うゲームを設定したうえで、当該AT準備カウンタが0となった場合、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを回転演出実行前に設定する構成としている。言い換えるならば、AT用出力端子121dをON状態とする処理よりも前のタイミングとして、準備モード移行時及び回転演出の対象ゲーム開始時にて当該ON状態とするための設定を行う構成としている。このようにすることで、AT用出力端子121dをON状態とする処理(ステップS2709)の実行タイミングと、そのON状態とするための事前処理の実行タイミングとが重複することがないようになり、処理の重複による処理負荷の増大化を好適に解消することが可能となる。
しかも、回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる場合には、当該仮停止させるタイミングよりも前のタイミングであって、回転演出を開始するよりも前のタイミングにて、事前にAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定し、当該図柄組合せが仮停止される場合にAT用出力端子121dがON状態となるようにタイマ設定する。つまり、図柄組合せを仮停止させるための処理と、AT用出力端子121dをON状態とするための処理とを、別々に並行して実行される処理(タイマ割込み処理、通常処理)にそれぞれ分けて設定することで、処理負荷の分散化を通じて、処理エラーの発生を好適に抑制することが可能となる。
更に、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定は、回転演出処理よりも前の外部出力設定第1処理において行う構成としたため、回転演出において各リール32L,32M,32Rの回転開始よりも前に、上記のタイミングの設定処理が完了する構成となる。このようにすることで、回転演出といった各リール32L,32M,32Rの駆動制御のために特殊な制御が必要となり得る構成において、当該特殊な制御のいずれとも、出力タイミングの設定用の処理が重複しないようになり、処理負荷の増加を好適に回避することが可能となる。
そのうえで、実際にAT用出力端子121dをON状態とする処理では、予約出力カウンタが0となることを判定してON状態とする、といった極めて簡素な構成としたことから、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とする構成であっても、処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となっている。
ちなみに、ゲームの開始に際してゲーム用出力端子121aがON状態とされ、所定期間に亘ってそのON状態が維持されてから、OFF状態に切り替える構成としているところ、AT用出力端子121dをON状態に切り替えるタイミングは、当該ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替えるタイミングと重複しないように設定されており、ゲーム用出力端子121aをOFF状態に切り替えるタイミングよりも後のタイミングとして設定されている。このような点からも、AT用出力端子121dをON状態とするための処理が他の処理と重複しないように設定されており、処理負荷の増大化を解消する工夫が施されているといえる。
本実施形態では、上記の予約状態においてAT用出力端子121dをON状態とするタイミングを、ATモード解消の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するタイミングよりも若干後のタイミングとなるように設定している。つまり、回転演出において、当該図柄組合せが仮停止するタイミングとは、回転演出が開始されてから3sec(第4期間)後のタイミングであるところ、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、回転演出が開始されてから3.1sec(第6期間)後のタイミングである。このようにすることで、仮に、何らかの事情によってステッピングモータの駆動制御に遅延が生たり、回転開始前の各リール32L,32M,32Rの図柄位置等によって、仮停止させるまでの時間が設定値(3sec後)よりも遅くなるような場合であっても、仮停止するよりも前にAT用出力端子121dがON状態となることを抑制することが可能となる。
上記のように、準備モードへの移行に際して、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とするゲームを40ゲーム後として設定し、40ゲーム消化した際に開始時フリーズフラグをセットすることで、外部出力設定第1処理において、当該ゲーム中のAT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定を行うようにしている。この場合、当該準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となった場合には、事前に設定した当該AT用出力端子121dをON状態とするゲームが前倒しになり得る構成といえる。但し、この場合であっても、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とするのであれば(AT開始用の結果非入賞であれば)、開始時フリーズフラグをセットするため、外部出力設定第1処理においては、その前倒しが発生したか否かに関わらず、単に開始時フリーズフラグの有無を確認してAT用出力端子121dをON状態とするタイミングの設定処理を行えばよく、比較的簡素な処理にて、上記のAT用出力端子121dの出力タイミングの設定を行うことが可能となる。
そして、これら回転演出中に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄が有効ラインML上に仮停止することでAT用出力端子121dをON状態とする構成の前提として、準備モードにおいて第2再遊技入賞や第3再遊技入賞が成立した場合にもAT用出力端子121dをON状態とする構成としている。このような前提構成であれば、回転演出中にAT用出力端子121dをON状態とすることが、あたかも通常の遊技にてAT用出力端子121dがON状態とされたかのように思わせる効果が期待でき、回転演出を行うことによる演出効果を好適に期待することができるようになる。
<変形例1>
本変形例では、ATモード開始用の結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止した場合の、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを上記第1の実施形態と異ならせ、当該停止又は仮停止した次の各リール32L,32M,32Rの回転開始時とする。
図64は、本変形例における準備モード用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合や、準備モードの継続上限に達した場合の処理(ステップS2813、ステップS2822、ステップS2823)の後で、ステップS2824にて各種フラグ格納エリア106dに次ゲーム出力フラグをセットする点で、上記第1の実施形態と異なっており、他の処理(ステップS2801〜ステップS2823)は第1の実施形態の対応する処理(ステップS1601〜ステップS1623)と同様である。次ゲーム出力フラグは、AT用出力端子121dをON状態とすべきゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。
図65は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せを仮停止させた状態で第5期間(5sec)が経過して(ステップS2917:YES)、開始時フリーズフラグをクリアした後(ステップS2918)に、ステップS2919にて上記の次ゲーム出力フラグをクリアする点と、準備モードの上限ゲーム数に達することで開始時フリーズフラグがセットされ、そのゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合(ステップS2902:YES、ステップS2920:NO)に、ステップS2921にて各種フラグ格納エリア106dに待機フラグをセットする点で、上記第1の実施形態と異なっている。それ以外の処理(ステップS2901〜ステップS2918、ステップS2920)は、上記第1の実施形態の対応する処理(ステップS2301〜ステップS2319)と同様である。待機フラグは、次ゲーム出力フラグがセットされていても、AT用出力端子121dをON状態とすることを待機すべきことをCPU102が把握するためのフラグである。
図66は、本変形例におけるAT開始報知用処理を示すフローチャートである。
本変形例では、準備モードの上限ゲーム数に達した次のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合(ステップS3001:YES,ステップS3002:NO、ステップS3008:YES)に、ステップS3009にて開始時フリーズフラグをクリアした後、ステップS3010にて上記の待機フラグをクリアしてから、ステップS3003の開始ゲームフラグをセットする処理に進む点で、上記第1の実施形態と異なっている。その他の処理(ステップS3001〜ステップS3009)は、上記第1の実施形態の対応する処理(ステップS1001〜ステップS1001)と同様である。
図67は、本変形例における外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記ステップS2601〜ステップS2605の処理と同様に、ステップS3101〜ステップS3105の処理を実行した後、ステップS3106にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合、ステップS3107にて上記の次ゲーム出力フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3108にて上記の待機フラグがセットされているか否かを判定する。次ゲーム出力フラグがセットされており、且つ待機フラグがセットされていない場合とは、準備モード中にATモード開始用の結果入賞を成立させたゲームの次のゲームであることを意味する。この場合、ステップS3109にて、AT用出力端子121dをON状態に設定してから、外部出力設定第1処理を終了する。
また、ステップS3106にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3110に進み、予約出力フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS3111にて、予約出力カウンタに上記の第2期間(2.8sec)と第3期間(0.2sec)と第4期間(5sec)を合計した期間(8sec)よりも若干長い期間である第7期間(約8.2sec)に相当する5500を入力する処理を実行してから、外部出力設定第1処理を終了する。予約出力カウンタが0となることでAT用出力端子121dがON状態とされることは、上述の通りである。
<外部出力の様子>
本変形例においてAT用出力端子121dがON状態とされる様子を、図68及び図69のタイミングチャートを参照しながら説明する。
準備モードにおいて、tc0のタイミングでゲームが開始され、当該ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であったとする。この場合、tc1のタイミングで定速回転(VN)に至り、tc2のタイミングでストップスイッチ42〜44の操作が有効となった後、tc3のタイミングにて3番目のストップスイッチ42〜44が操作されて、対応するリールがtc4のタイミングにて停止して、ATモード開始用の結果入賞が成立する。この場合、当該ATモード開始用の結果入賞に基づき、tc4のタイミングでAT開始演出が実行される。
tc4のタイミングで終了したゲームの次のゲームが、tc5のタイミングで開始されると、各リール32L,32M,32Rの回転開始とともに、AT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
回転演出を伴ってATモードが開始される場合、回転演出処理(図65)のステップS2908が実行されて、td0のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転が開始する。この場合、td1のタイミングで基準リールとなる左リール32Lが上記の定速回転(VN)よりも遅い低速回転(VL)に至った後、td2、td3のタイミングで残りのリール(中リール32M、右リール32R)が低速回転(VL)に至り、当該低速回転は、回転開始から第2期間(2.8sec)が経過するtd4のタイミングまで継続される。
そして、td5のタイミングで上記第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止して始動時AT開始演出が実行される。
当該第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止した状態は、td5から第5期間(5sec)が経過するtd6のタイミングまで維持され、td6のタイミングで回転開始処理(ステップS403)により各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。そして、td6のタイミングから若干遅れたtd7のタイミングで、AT用出力端子121dがON状態とされ、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
その後、td8のタイミングにて定速回転(VN)に至り、td9のタイミングにてストップスイッチ42〜44の操作が有効となり、td10のタイミングにてストップスイッチ42〜44の操作が行われると、td11のタイミングにて各リール32L,32M,32Rが停止して、td0のタイミングにて開始されたゲームの遊技結果が導出される。
以上のように、AT用出力端子121dをON状態とするタイミングをATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止するタイミングではなく、当該図柄が停止又は仮停止した後、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるタイミングとしたことから、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止することを確認する作業と、AT用出力端子121dがON状態となって、データ表示器等の更新が行われることを確認する作業とが重複しないようになる。つまり、AT用出力端子121dがON状態となり、データ表示器等が更新されることを確認しようとするあまり、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄が停止又は仮停止することを確認できないといった事象を解消することができ、これらAT用出力端子121dからの情報出力と、各リール32L,32M,32Rの出目との関連付けを行いながらも、それぞれの演出効果を好適に期待することが可能となる。
<変形例2>
本変形例では、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止したことをCPU102が確認したうえで、AT用出力端子121dをON状態とする。図70は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、ステップS3214にて回転カウンタが0となり、0.2sec後に全リール32L,32M,32Rが仮停止するようにステッピングモータの制御が行われてから(ステップS3211)、0.2secが経過したと判定した後、ステップS3215にて、実際に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)したか否かを判定する。停止(仮停止)している場合には、ステップS3216にて始動時AT開始コマンドをセットする処理を実行した後、ステップS3217にてAT用出力端子121dをON状態する処理を実行する。かかる処理により、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモードが開始されることの情報が出力される。
その後、ステップS3218、ステップS3219にて停止(仮停止)させた状態を維持する処理を行い、ステップS3220にて開始時フリーズフラグをクリアしてから、回転演出処理を終了する。なお、図70において、ステップS3201〜ステップS3214の処理は、上記ステップS2301〜ステップS2314の処理と同様である。
ステップS3215にて否定判定した場合、すなわち、ステップS3211の制御から0.2secが経過しても第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していない場合、ステップS3221にて、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが停止している場合、すなわち、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているのにもかかわらず、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していない場合には、ステップS3222にて第1エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
ステップS3221にて全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)していないと判定した場合、ステップS3223にて回転カウンタに第8期間(1sec)に相当する671を入力する処理を実行する。続くステップS3224では、上記の回転カウンタが0となって第8期間が経過したか否かを判定し、第8期間が経過した場合には、ステップS3225にて、再度、実際に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)したか否かを判定する。停止(仮停止)している場合には、ステップS3216側に進み、始動時AT開始コマンドの出力設定、AT用出力端子121dをON状態とする処理(ステップS3217)等を実行してから、回転演出処理を終了する。
これに対して、ステップS3225にて否定判定し、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止(仮停止)していないと判定した場合、ステップS3226にて全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)しているか否かを判定し、停止(仮停止)している場合には、ステップS3227にて第2エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。また、ステップS3226にて第8期間の経過を待ったのにも関わらず、全リール32L,32M,32Rが停止(仮停止)していないと判定した場合には、ステップS3228にて第3エラーコマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
図71(a)は、本変形例におけるエラー報知用処理を示すフローチャートである。エラー報知用処理は、表示制御装置81のCPU181において開始時演出設定処理(図47)におけるその他の開始時演出設定処理(ステップS2015)の一処理として実施される処理である。
ステップS3301では、上記の第1エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第1エラーコマンドを受信しており、回転演出開始から3secが経過した状況において全リール32L,32M,32Rが停止しているものの、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止していない場合には、ステップS3302にて第1エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第1エラー報知は、図71(b1)に示すように、補助表示部65にて、女の子のキャラクタが腕を組んで不思議そうな顔をしている表示とともに、はてなマークのキャラクタを1つ表示する演出が設定されている。
ステップS3301にて第1エラーコマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3303にて、上記の第2エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第2エラーコマンドを受信しており、回転演出を開始から3secが経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止しておらず、更に1sec経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止したものの、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止していない場合には、ステップS3304にて第2エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第2エラー報知は、図71(b2)に示すように、補助表示部65にて、女の子のキャラクタが両手を広げて不思議そうな顔をしている表示とともに、はてなマークのキャラクタを2つ表示する演出が設定されている。
ステップS3303にて第2エラーコマンドを受信していないと判定した場合、ステップS3305にて、上記の第3エラーコマンドを受信しているか否かを判定する。第3エラーコマンドを受信しており、回転演出を開始から3secが経過した状況では全リール32L,32M,32Rは停止しておらず、更に1sec経過した状況でも全リール32L,32M,32Rが停止していない場合には、ステップS3306にて第3エラー報知を行うための処理を実行してから本エラー報知用処理を終了する。第3エラー報知は、図71(b3)に示すように、補助表示部65にて、「エラー発生 店員さんを呼んでください」との文字を表示する演出が設定されている。
つまり、本変形例では、回転演出を行うにあたり、仮停止するように設定した図柄組合せが実際に有効ラインML上に仮停止したことを条件として、ATモードの開始用の演出やAT用出力端子121dを介してATモードが開始されたことの情報出力を行う構成としている。このようにすることで、回転演出上の何らかの不都合(例えば、リールの位置ズレ等)によって、ATモード開始用の図柄組合せが停止していないのにもかかわらずATモードの開始演出やAT用出力端子121dを介する情報出力が行われる、といった矛盾が生じないようにすることができる。
仮停止するように設定した図柄組合せは停止していないものの、全リール32L,32M,32Rは停止している場合、ATモード開始用の演出やAT用出力端子121dを介する情報出力は行わず、且つ、セットされている開始時フリーズフラグをクリアしないようにしている。このようにすることで、例えば、リールの停止位置がズレてしまった場合等によって、たまたまATモード開始用の図柄組合せが停止しなかった場合には、次ゲームで、再度、停止させるチャンスが付与されるようになる。よって、スムーズな遊技進行を妨げないようにしながら、各リール32L,32M,32Rによる演出を用いてATモードの開始用の演出を行うことが可能となる。
しかも、上記のように、たまたまATモード開始用の図柄組合せが停止しなかった場合には、次ゲームで再度回転演出が実行されるようにしながらも、ATモード自体は当該ゲームにて開始されており(準備モード用処理において、ATモード当選フラグのクリア処理や初期ゲーム数の50ゲームを入力する処理が実行されており)、上記のように再度の回転演出が持ち越されてもATモードの開始が持ち越されるわけではない。このようにすることで、各リール32L,32M,32Rを用いたATモードの開始演出がより確実に実行されるようにしながらも、不当に遊技者に有利となり過ぎないようにすることが可能となる。
なお、上記の回転演出処理におけるステップS3222、ステップS3227、及びステップS3228の全て又はいずれかの処理にてエラーコマンドの出力設定を行う際に、外部集中端子板121に設けられたエラー用出力端子をON状態とする処理を実行するようにしてもよい。エラー用出力端子の構成については、AT用出力端子121dと同様であり、ON状態とすることでエラー用出力端子から出力される信号がHI信号となり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへエラー状態となったことの情報が出力される。エラー用出力端子は、遊技ホールの管理者による所定の操作(例えば、前面扉12の開放操作)が行われることでOFF状態となる。このようにすることで、回転演出を行うにあたって、各リール32L,32M,32Rの回転が停止せずに遊技を進行できなくなった状況を、遊技ホールの管理者等が好適に特定することが可能となる。この場合、ステップS3222やステップS3227では、エラーコマンドの出力設定を行うものの、エラー用出力端子はON状態とせず、ステップS3228ではエラーコマンドの出力設定及びエラー用出力端子のON状態とする処理を行う構成としてもよい。
<変形例3>
AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止するよりも前のタイミングとしてもよく、当該図柄組合せが停止又は仮停止可能となるゲームの開始タイミングとしてもよい。
図72は、本変形例における外部出力設定第1処理を示すフローチャートである。
ステップS3401〜ステップS3405の処理は、上記ステップS2601〜ステップS2605の処理と同様である。ステップS3406では第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3407にて、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされていない場合には、そのまま外部出力設定第1処理を終了する。ステップS3407にて開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合、又はステップS3406にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3408にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行してから、本外部出力設定第1処理を終了する。
既に説明した通り、ATモード移行抽選に当選したことの報知としてAT当選報知演出が行われることで準備モードに移行する構成としたところ、少なくとも当該AT当選報知演出の実行以後であれば、上記のようにATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止するよりも前にAT用出力端子121dをON状態としても、実際にATモードに移行した回数とATモードに移行したことの情報が出力された回数とにズレは生じない。よって、上記のようにしたとしても、外部集中端子板121を介してスロットマシン10に接続されているデータ表示器やホールコンピュータにて、ATモードの移行回数を好適に管理することが可能である。
<変形例4>
AT用出力端子121dをON状態とするタイミングを、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止したタイミングよりも後のタイミングとしてもよく、当該仮停止したタイミングよりも後のタイミングであって所定条件が成立したタイミングとしてもよい。本変形例では、上記の所定条件として、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止してから第1小役入賞〜第6小役入賞が所定回数成立したことが設定されている。
図73は、本変形例における外部出力設定第2処理を示すフローチャートである。
ステップS3501〜ステップS3503の処理は上記ステップS2501〜ステップS2503の処理と同様である。ステップS3504では、開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定し、セットされており、準備モード中にATモード開始用の結果当選となったゲームである場合には、ステップS3505にて第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立したか否かを判定する。第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞が成立している場合、ステップS3506にて、各種フラグ格納エリア106dに予約出力フラグをセットする処理を実行してから、本外部出力第2処理を終了する。ステップS3504又はステップS3505にて否定判定した場合、そのまま本外部出力設定第2処理を終了する。上記のように予約出力フラグは、AT用出力端子121dをON状態とする予約状態であることをCPU102が把握するためのフラグである。
なお、本変形例では、外部出力設定第1処理を実行せず、予約出力カウンタにて管理する予約状態の設定は行わない。そのため、本変形例におけるタイマ更新処理では、予約出力カウンタが0となることでAT用出力端子121dをON状態とする処理は実行しない。
図74は、本変形例における回転演出処理を示すフローチャートである。
本変形例では、上記第1の実施形態におけるステップS2301〜ステップS2318と同様に、ステップS3601〜ステップS3618にて第1回転演出や第2回転演出を実行するための処理を行った後、ステップS3619にて上記の予約出力フラグをセットする処理を実行してから、回転演出処理を終了する。
すなわち、本変形例では、ATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せが停止又は仮停止することによりAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定する。
図75は、本変形例におけるATモード用処理を示すフローチャートである。
ステップS3701では、予約出力フラグがセットされているか否かを判定する。予約出力フラグがセットされている場合には、ステップS3702にて押し順ベル入賞、すなわち第1小役入賞〜第6小役入賞が成立したか否かを判定する。第1小役入賞〜第6小役入賞が成立している場合、ステップS3703にて各種カウンタエリア106eに設けられた入賞カウンタに1加算する処理を実行する。入賞カウンタは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止してから第1小役入賞〜第6小役入賞が成立した回数をCPU102が把握するためのカウンタである。
ステップS3703の処理を実行した後は、ステップS3704にて上記の入賞カウンタが所定数としての5に至ったか否かを判定する。入賞カウンタが5である場合、ステップS3705にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行し、ステップS3706にて予約出力フラグをクリアする処理を実行する。ステップS3701、ステップS3702及びステップS3704のいずれかで否定判定した場合、又はステップS3707の処理を実行した後は、ステップS3708に進む。ステップS3708〜ステップS3712の処理は、上記ステップS1501〜ステップS1505の処理と同様である。
すなわち、本変形例では、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止することでAT用出力端子121dをON状態とする予約状態に設定され、当該予約状態において第1小役入賞〜第6小役入賞が5回成立した場合に所定条件が成立したとしてAT用出力端子121dがON状態に設定される。このようにしても、データ表示器やホールコンピュータでATモードに移行した回数を好適に把握することができる。また、このように、ATモードに開始した後のゲームでATモードに移行したことの情報出力が行われるようにすることで、ATモードが開始されることの報知がスロットマシン10にて行われた後でデータ表示器の更新が行われる構成となり、ATモードへの移行が生じたことの演出が複数の箇所で行われる構成において、それぞれの箇所での演出タイミングが重複しないようになり、それぞれの演出を別々の箇所で行うことによって見逃されてしまう事象を好適に回避することが可能となる。
しかも、遊技の結果としてATモード開始用の結果入賞が成立した場合だけでなく、上記のように回転演出においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止した場合にも、予約状態に設定する構成としていることから、回転演出が遊技進行に必要な演出であることを強く印象付けることが可能となり、回転演出による演出効果を好適に高めることができる。
<第2の実施形態>
本実施形態は、回転演出においてストップスイッチ42〜44に基づいて各リール32L,32M,32Rを仮停止させる構成とする。図76は、本実施形態における回転演出処理を示すフローチャートである。
ステップS3801では、第1開始時フリーズフラグ又は第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3802にて、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であるか否かを判定する。ステップS3801にていずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。ステップS3802にて今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選ではない場合には、ステップS3803に進む。また、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選である場合、ステップS3829にて準備モード中の回転演出であるか否かを判定し、準備モード中である場合(AT準備カウンタが0よりも大きい場合)にも、ステップS3803に進む。ステップS3829にてAT準備カウンタが0である場合には、そのまま回転演出処理を終了する。これらステップS3801、ステップS3802及びステップS3829の処理は、上記第1の実施形態における対応する処理と同様である。
ステップS3803では、回転演出コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。既に説明した通り、回転演出コマンドを受信した表示制御装置81は、回転演出(図57(a))が行われるように補助表示部65等の制御を行う(ステップS2403)。続くステップS3804では、疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。疑似遊技コマンドは、回転演出中のストップスイッチ42〜44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの仮停止と、通常のストップスイッチ42〜44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止(ステップS404〜ステップS413)とを、遊技者が明確に区別可能とするように、当該回転演出中の操作や仮停止であることの報知を補助表示部65やスピーカ64等を通じて行うようにするためのコマンドである。なお、以下の説明では、回転演出中の操作や仮停止を「疑似遊技」とも称し、回転演出中の操作や仮停止であることの報知を「疑似遊技報知」とも称する。また、通常のストップスイッチ42〜44の操作に基づく各リール32L,32M,32Rの停止(ステップS404〜ステップS413)を、疑似遊技と区別すべく、当該通常の操作や停止を「通常遊技」とも称する。
ちなみに、「通常遊技」と「疑似遊技」とは、以下のような違いもある。すなわち、通常遊技においては、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止することで、当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与される一方、疑似遊技では、ゲームの抽選結果に対応する図柄組合せが有効ラインMLに停止又は仮停止しても、当該抽選結果に対応する特典(遊技価値)が付与されない。つまり、通常遊技は、払出判定処理(ステップS414)の判定対象となる遊技である一方、疑似遊技は払出判定処理の判定対象とならない遊技といえる。
続くステップS3805では、回転カウンタに第9期間(3sec)に相当する2013を入力する処理を実行する。そして、ステップS3805にて全リール32L,32M,32Rの回転が開始されるようにステッピングモータを制御する処理を実行する。この場合、通常の回転開始処理(ステップS403)と同様の加速度にて定速回転(VN)に至るようにステッピングモータを制御する。そして、ステップS3807では回転カウンタが0に至ったか否かを判定し、0に至るまでステップS3807にて待機する。
ステップS3807にて肯定判定し、全リール32L,32M,32Rの回転が開始されてから第9期間が経過した場合には、ステップS3808にてストップスイッチ42〜44の疑似有効化処理を実行する。かかる疑似有効化処理では、ストップスイッチ42〜44の操作を受け付けない状態からストップスイッチ42〜44の操作を受け付ける状態とし、より詳しくは、ストップスイッチ42〜44の操作をストップ検出センサ42a〜44aが検出しない状態から検出する状態としたり、ストップ検出センサ42a〜44aがストップスイッチ42〜44の操作を検出しても有効な操作としない状態から有効な操作とする状態としたりする処理を行う。
続くステップS3809では、操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。操作指示コマンドは、上記の疑似有効化処理が行われたこと、及び当該回転演出を用いた疑似遊技においてストップスイッチ42〜44を操作すべきタイミングであることを遊技者に対して報知するための演出(操作指示演出)を補助表示部65やスピーカ64等にて行わせるためのコマンドである。そして、ステップS3810にて、回転カウンタに第10期間(5sec)に相当する3365を入力する処理を実行する。
続くステップS3811では、ストップ検出センサ42a〜44aの検出結果に基づき、回転中のリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42〜44の操作が行われたか否かを判定する。いずれのストップスイッチ42〜44の操作も行われていない場合や、操作されていても既に仮停止しているリール32L,32M,32Rに対応するストップスイッチ42〜44の操作である場合には、ステップS3812にて回転カウンタが0となったか否かを判定し、0となっておらず上記の第10期間が経過していない場合には、ステップS3811に戻る。
ステップS3811にていずれかのストップスイッチ42〜44の操作が行われた場合には、ステップS3813に進み、今回操作されたストップスイッチ42〜44の疑似無効化処理を実行する。具体的には、今回操作されたストップスイッチ42〜44の操作をストップ検出センサ42a〜44aが検出する状態から検出しない状態としたり、ストップ検出センサ42a〜44aがストップスイッチ42〜44の操作を検出した場合に有効な操作とする状態から有効な操作としない状態としたりする処理を行う。そして、ステップS3814にて、疑似操作コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。疑似操作コマンドを受信した表示制御装置81は、ストップスイッチ42〜44が操作されたことに対応する演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うための処理を実行する。
ステップS3814の処理を実行した後は、ステップS3815にて、第1開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。第1開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3816にて、今回操作が行われたストップスイッチ42〜44に対応するリールの有効ラインML上に、第2再遊技入賞となる図柄を停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を行う。一方、ステップS3815にて第1開始時フリーズフラグがセットされておらず、第2開始時フリーズフラグがセットされている場合、ステップS3817にて、今回操作が行われたストップスイッチ42〜44に対応するリールの有効ラインML上に、第3再遊技入賞に対応する図柄を停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を行う。
ここで、ステップS3816やステップS3817の駆動制御処理では、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を有効ラインML上に停止させる。すなわち、通常遊技では、ストップスイッチ42〜44が操作されたタイミングから最大で4図柄分だけ離れた図柄を有効ラインML上に停止させることが可能としていたが、疑似遊技では、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングに関わらず、対象とする図柄を有効ラインML上に停止させ、最大で19図柄分離れた図柄を有効ラインML上に停止させることが可能となるように設定している。
ステップS3816又はステップS3817の処理を実行した後は、ステップS3818に進み、全リール32L,32M,32Rが仮停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rが仮停止していない場合には、ステップS3819にて回転カウンタが0となり、疑似遊技においてストップスイッチ42〜44の操作が有効化されてから(ステップS3808)、第10期間としての5secが経過したか否かを判定し、5secが経過していない場合には、ステップS3820に進む。
ステップS3820では、第1クレジット投入スイッチ56が操作されたか否かを判定する。操作されていない場合には、ステップS3811に戻り、ストップスイッチ42〜44の操作が行われるまで待機する。一方、ステップS3820にて第1クレジット投入スイッチ56が操作されたと判定した場合は、ステップS3821にて回転カウンタを0にクリアする。
ステップS3812やステップS3819にて回転カウンタが0となったと判定した場合や、ステップS3821にて第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づき回転カウンタを0とした後は、ステップS3822に進む。ステップS3822では、停止していないリール32L,32M,32Rを仮停止させる処理を実行する。すなわち、有効ラインML上に、第2再遊技入賞に対応する図柄や第3再遊技入賞に対応する図柄を仮停止させるようにステッピングモータを駆動制御する処理を実行する。その後、ステップS3823にて、全リール32L,32M,32Rが仮停止したことの確認処理を繰り返し実行する。
全リール32L,32M,32Rが仮停止することでステップS3823にて肯定判定し、ステップS3824に進む。また、ステップS3818にて全リール32L,32M,32Rが仮停止したと判定した場合にも、ステップS3824に進む。ステップS3824では、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。そして、ステップS3825にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行し、ステップS3826〜ステップS3827にて、当該仮停止された状態を第5期間(5sec)に亘って維持する処理を実行し、ステップS3828にてセットされている開始時フリーズフラグをクリアする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。ステップS3824〜ステップS3828の処理は、上記ステップS3216〜ステップS3220の処理と同様である。
図77は、本変形例における回転演出用処理を示すフローチャートである。
ステップS3901では回転演出コマンドを受信しているか否かを判定し、受信している場合には、ステップS3902にて準備モードフラグをクリアし、ステップS3903にて回転演出を設定する処理を実行する。ステップS3901〜ステップS3903の処理は、ステップS2401〜ステップS2403の処理と同様である。
ステップS3901にて否定判定した場合、又はステップS3903の処理を実行した後は、ステップS3904にて、上記の疑似遊技コマンドを受信しているか否かを判定する。疑似遊技コマンドを受信している場合には、ステップS3905にて疑似遊技演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。
疑似遊技演出としては、例えば、図78(a)に示すように、補助表示部65における所定領域(図では右上)にて「疑似遊技中」といった文字のキャラクタによる疑似遊技画像GPを表示する演出が設定されている。疑似遊技画像GPは、遊技者が、当該画像が表示されていること、及び、その文字を把握できる程度の大きさ(例えば、疑似遊技中の文字の大きさが20pt以上の大きさ)に設定されている。
ステップS3904にて否定判定した場合、又はステップS3905の処理を実行した後は、ステップS3906にて、上記の操作指示コマンドを受信しているか否かを判定する。操作指示コマンドを受信している場合には、ステップS3907にて疑似有効演出を行うように設定する処理を実行する。疑似有効演出は、上記のステップS3808の疑似有効化処理が行われたことを遊技者に把握させるための演出であり、具体的には、図78(a)に示すように、ストップスイッチ42〜44に内蔵されているストップランプ42b〜44bを消灯状態から点灯状態に切り替える処理を行う。
続くステップS3908では、今回の回転演出の種類に応じて、第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞に対応する操作指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。つまり、第1回転演出を行っている場合には、第2再遊技入賞に対応する押し順を報知する操作指示演出を行うようにし、第2回転演出を行っている場合には、第3再遊技入賞に対応する押し順を報知する操作指示演出を行うようにする。
ステップS3908にて設定する操作指示演出としては、図78(a)に示すように、図56(a)や図56(b)における押し順報知演出と同様に、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する操作順序を報知するとともに、第2再遊技入賞となる図柄や第3再遊技入賞となる図柄を報知する演出が設定されている。この場合、操作指示演出において報知するストップスイッチ42〜44の操作順序は、通常リプA〜C当選時に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる操作順序であり、いずれの通常リプA〜Cに対応する操作順序を報知するかについては、抽選等によりランダムに決定される。
このように、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となった場合に実行される演出と同様の演出が、回転演出における疑似遊技においても実行される。その一方で、疑似遊技においては上記の疑似遊技画像GPが表示されることから、通常遊技においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄を停止させるべき状況と、疑似遊技においてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄を停止させるべき状況とで見た目上識別できない又はしにくい演出を実行しながらも、当該疑似遊技画像GPを確認することで、遊技者は両状況を明確に区別することが可能となる。
ステップS3906にて否定判定した場合、又はステップS3908の処理を実行した後は、ステップS3909に進む。ステップS3909では、疑似操作コマンドを受信したか否かを判定する。疑似操作コマンドを受信しており、ストップスイッチ42〜44の操作が行われ場合、ステップS3910にて、今回操作されたストップスイッチ42〜44に対応するストップランプ42b〜44bを点灯状態から消灯状態とすることで上記の疑似有効演出を終了する処理を実行する。この場合、図78(b)に示すように、有効ラインML上に対応する図柄が仮停止する。そこで、ステップS3910では、例えば、当該仮停止することに対応する効果音をスピーカ64から発せられるようにしたり、補助表示部65の操作指示演出をストップスイッチ42〜44の操作に対応させて更新したりする処理を実行してもよい。
ステップS3909にて否定判定した場合、又はステップS3910の処理を実行した後は、ステップS3911に進む。ステップS3911では、始動時AT開始コマンドを受信したか否かを判定し、受信している場合には、ステップS3912にて始動時AT開始演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。始動時AT開始演出は、上記のように、例えば、図57(b)に示す演出である。
続くステップS3913では、上記の疑似遊技演出を終了するための処理を実行する。具体的には、上記の疑似遊技画像GPの表示を終了する処理を行う。続くステップS3914では、疑似有効演出が継続されている場合にはそれを終了するための処理を実行する。具体的には、ストップスイッチ42〜44に内蔵されているストップランプ42b〜44bのいずれか又は全部が点灯状態のままである状況で始動時AT開始コマンドを受信した場合には、すなわち、第1クレジット投入スイッチ56の操作等により回転カウンタが0とされて仮停止した場合には、点灯状態のストップランプ42b〜44bを消灯状態に切り替える処理を行う。ステップS3911にて否定判定した場合、又はステップS3914の処理を実行した後は、回転演出用処理を終了する。
本実施形態における回転演出の流れについて、図79のタイミングチャートを参照しながら説明する。
te1のタイミングで回転演出が実行されるゲームが開始されると、各リール32L,32M,32Rの回転が開始されるとともに、疑似遊技演出が開始されて疑似遊技画像GPの表示が行われる。te2のタイミングで各リール32L,32M,32Rの回転速度が定速回転(VN)に至った後、te3のタイミングで回転開始から第9期間としての3secが経過すると、疑似有効化処理が実行され、ストップスイッチ42〜44のストップランプ42b〜44bが点灯状態とされて当該疑似有効化処理が行われたことの報知が行われる。また、当該te3のタイミングで操作指示演出が実行され、ストップスイッチ42〜44を操作して第2再遊技入賞や第3再遊技入賞となる図柄を停止させることが促される。
te4のタイミング、te6のタイミング、te8のタイミングでそれぞれストップスイッチ42〜44が操作されると対応するリール32L,32M,32Rがte5のタイミング、te7のタイミング、te9のタイミングでそれぞれ停止して、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが有効ラインML上に仮停止する。ちなみに、疑似有効演出は、各ストップスイッチ42〜44が操作されるとそれぞれ終了し、最終的には、3番目のストップスイッチ42〜44の操作タイミングであるte8のタイミングで疑似有効演出が終了することになる。
そして、te9のタイミングにて始動時AT開始演出が実行されるとともに、AT用出力端子121dがON状態とされてATモードへの移行が生じたことの情報の出力が行われる。当該図柄組合せが仮停止した状態は、5secに亘ってその状態が維持され、te10のタイミングでte1のタイミングで開始されたゲームにおける回転開始処理(ステップS403)が実行されて、各リール32L,32M,32Rの回転が開始する(通常遊技が開始される)。その後、te12のタイミングにてストップスイッチ42〜44の操作が有効化されて、te13のタイミングで最終停止操作が行われると、te14のタイミングで最終リールが停止し、te1のタイミングで開始されたゲームが終了する。
このように、本実施形態では、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる場合であっても、ストップスイッチ42〜44の操作を契機として仮停止させる構成としたことから、自らの操作でATモードの開始を勝ち取った印象をより強く与えることが可能となる。
そして、このように疑似遊技において自らの操作にて各リール32L,32M,32Rを仮停止させたことに基づいて、AT用出力端子121dからの情報出力が行われる構成であることから、自らの操作にてATモードの開始を勝ち取った印象を与えるとともに、当該疑似遊技が遊技進行(ATモードの開始)に必要不可欠な遊技である印象も強く与えることが可能となる。
<変形例1>
上記第2の実施形態では、疑似遊技をゲームの開始時とし、疑似遊技の後で通常遊技が行われる構成としたが、本変形例では、疑似遊技の実行タイミングの変形例を説明する。図80(a)は、一のゲームにおいて通常遊技と通常遊技との間で疑似遊技が行われる例を示している。
具体的には、tf1からtf7を一のゲームとして、tf1にてスタートレバー41の操作が行われた場合に、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて通常遊技を開始させ、続くtf2にてストップスイッチ42〜44の操作を有効化する。そして、例えば、複数あるリール32L,32M,32Rのうち、第1のリール、及び第2のリールの停止操作が行われ、これら第1のリール及び第2のリールが停止したtf3のタイミングで、通常遊技を一旦中断する。この場合、例えば、第1のリール及び第2のリールでは、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを構成する図柄が停止しているとよい。
そして、続くtf4のタイミングで、疑似遊技中表示及び疑似有効中表示を開始するととも、疑似有効化処理を実行して、疑似遊技を行わせる。この場合、上記のように第1のリール及び第2のリールは既に停止しており、疑似遊技の対象は、未停止の第3のリールとする。
疑似遊技において、第3のリールについての停止操作が行われてtf5のタイミングで当該第3のリールが仮停止し、その仮停止した図柄と、上記第1のリール及び第2のリールの停止図柄とによって、例えば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが形成された状態となっていれば、同tf5のタイミングATモードの開始演出を実行するとともに、AT用出力端子121dをON状態に設定する。また、tf5にて疑似無効化処理を実行するとともに、疑似遊技中表示や疑似有効中表示を終了する。その後、一連のATモードの開始演出が終了するtf6にて、再度第3のリールを回転開始させたうえで、ストップスイッチ43の操作を有効化して、tf7にて当該ストップスイッチ43の操作に基づき中リール32Mを停止させて、tf1にて開始したゲームを終了する。
このように、疑似遊技を通常遊技と通常遊技との間に行う構成とすることで、疑似遊技にて仮停止させる図柄と、それよりも前に実行された通常遊技において停止させた図柄とを用いて、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを表示させる等して、ATモードの開始演出やAT用出力端子121dからの情報出力と、停止出目との関連付けを行う、といった斬新な遊技性を実現することが可能となる。
この場合、以下のように、回転演出を実行する対象ゲームの抽選結果入賞となる図柄を有効ラインML上に停止させながら、有効ラインMLとは異なる位置にATモード開始用の結果入賞となる図柄組合せを仮停止させることも可能である。
すなわち、図81(a)に示すように、回転演出処理にて、ステップS3951にていずれかの開始時フリーズフラグがセットされていると判定した場合、ステップS3952にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜Cであるか否かを判定し、通常リプA〜Cである場合には、上記のステップS3829に進む。通常リプA〜Cではない場合には、ステップS3953にて、今回のゲームの抽選結果が押し順ベル当選であるか否かを判定する。押し順ベル当選ではない場合、上記のステップS3803に進み、ゲームの開始時に疑似遊技としての第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する。
これに対して、回転演出の対象ゲームの抽選結果が押し順ベル当選である場合、ステップS3953にて肯定判定し、ステップS3954にて各種フラグ格納エリア106dに途中疑似遊技フラグをセットする処理を実行し、続くステップS3955にて途中疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本回転演出処理を終了する。
この場合、ゲームの開始時に疑似遊技としての回転演出は実行されず、リール制御処理における回転開始処理(ステップS403)にて各リール32L,32M,32Rの回転が開始される。途中疑似遊技コマンドを受信した表示制御装置81では、今回のゲームの抽選結果である押し順ベル当選に基づく押し順報知コマンドと、当該途中疑似遊技コマンドとに基づいて、例えば、図81(c)に示すように、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を狙わせる操作指示報知を実行するとともに、その操作指示報知における操作順序を、今回の押し順ベルにおいて第1小役入賞〜第6小役入賞に対応する操作順序を報知するようにする。つまり、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する図柄のキャラクタ(図における、「白7」図柄、「白7」図柄、「赤7」図柄の第3再遊技入賞に対応する図柄のキャラクタ)を補助表示部65にて表示するとともに、操作順序としては中逆押しベル1,2における第4小役入賞に対応する操作順序を補助表示部65にて表示するように制御する。
この場合、当該操作指示報知に基づいてストップスイッチ42〜44を操作し、右リール32Rを第1のリールとして「赤7」図柄を狙って操作し、左リール32Lを第2のリールとして「白7」図柄を狙って操作すると、図81(d)に示すように、右上がりラインL5に「ベル」図柄がテンパイして第4小役入賞が成立し得る状態となるとともに、右下がりラインL4に第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが仮停止し得る状態となる。
リール制御処理では、図81(b)に示すように、ステップS411にてリール停止処理を実行し、ステップS412にて全てのリールが停止していないと判定し、ステップS413にて停止情報第2設定処理を実行した後、ステップS3961にて、第2のリールが停止したか否かを判定する。すなわち、今回のステップS411のリール停止処理が2番目のリールの停止処理であったか否かを判定する。第2のリールの停止処理であった場合、ステップS3962にて、上記の途中疑似遊技フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS3963にて当該途中疑似遊技フラグをクリアしたうえで、ステップS3964にて疑似遊技コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。その後、ステップS3808〜ステップS3828の疑似遊技を行うための処理を実行し、ステップS3965にて第3のリールの回転を開始させる処理を実行してから、ステップS404に戻る。また、ステップS3961やステップS3962にて否定判定した場合には、疑似遊技用の処理を実行することなく、ステップS404に戻る。
表示制御装置81では、ステップS3964にてセットされる疑似遊技コマンドに基づいて、図81(e)に示すように、疑似遊技画像GPを表示して疑似遊技中表示を開始する。この場合、上記の通り、既に第1リール及び第2リールは通常遊技にて停止しているため、中リール32Mに「白7」図柄を狙うべき状況であることの報知が上記の疑似遊技画像GPとともに表示される。そして、当該報知に基づき、中ストップスイッチ43を操作すると、回転演出処理では、中リール32Mを仮停止させる停止制御を実行し(ステップS3816、ステップS3817)、全リール仮停止したことにより(ステップS3818:YES)、始動時AT開始コマンドをセットするとともに、AT用出力端子121dをON状態とする処理が行われる。
そして、右下がりラインL4に第3再遊技入賞に対応する図柄組合せが停止又は仮停止した状態が5secに亘って維持された後、ステップS3965にて第3のリールの回転が開始される(図81(g))。この場合、通常遊技が再開され、第3のリールの停止操作が行われると、図81(h)に示すように、第4小役入賞が成立することになり、当該入賞に基づくメダルの払い出しが行われる。
以上のように、通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて仮停止させた図柄とを用いて、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを表示させるようにすることで、全ての停止操作を疑似遊技にて行わせる構成よりも、一のゲームにおいて停止操作する回数を減らすことが可能となり、通常遊技でのゲームの抽選結果に対応する特典付与を行いながらも、当該ATモード開始用の図柄組合せを表示させてATモードを開始させたり、ATモードが開始されたことの演出やその情報の外部出力を行ったりする構成において、ゲームのスムーズな進行が実現される。
この場合、疑似遊技を行ったリールについては、当該疑似遊技に基づく演出等を行った後、再度回転させて通常遊技にて停止操作を行わせる構成とし、その通常遊技の停止操作に基づく停止後に、払出判定処理や入賞結果対応処理等が実行される。つまり、疑似遊技にて通常遊技の停止出目を利用するにしても、全てのリールについて通常遊技の実行機会は確保されており、通常遊技の遊技性を侵すことない。よって、通常遊技において特殊な制御や操作等を必要とせず、疑似遊技の演出効果を好適に期待することができる。
<変形例2>
本変形例では、疑似遊技を通常遊技の後で実行する。すなわち、図80(b)に示すように、tg1からtg8を一のゲームとして、tg1にてスタートレバー41の操作が行われた場合に、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて通常遊技を開始させ、続くtg2にてストップスイッチ42〜44の操作を有効化する。そして、tg3にて通常遊技における最終停止操作が行われると、全リール32L,32M,32Rを停止させる。例えば、tg1にて開始したゲームの抽選結果が準備モード中のATモード開始用の結果当選であって、当該tg3の最終停止操作により停止した結果が、当該ATモード開始用の結果入賞ではなかった場合、tg3にて全リール32L,32M,32Rを停止させた後、そのまま当該ゲームを終了せず、tg4にて各リール32L,32M,32Rの回転を開始させて疑似遊技及び疑似遊技中表示を開始させる。そして、tg5にて疑似有効化処理を実行するとともに疑似有効中表示を開始させ、tg6にて疑似遊技における最終停止操作に基づいて、疑似無効化処理を実行するとともに、疑似有効中表示を終了する。この場合、上記のATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成とするとよい。そして、当該仮停止タイミングであるtg7にてAT開始演出を実行するとともに、AT用出力端子121dをON状態とする。その後、tg8にて、疑似遊技中表示を終了することで、tg1にて開始されたゲームが終了する。
なお、疑似遊技の実行後、例えばtg7よりも後であってtg8よりも前に、各リール32L,32M,32Rを回転開始させてから、通常遊技にて停止させた図柄組合せ(tg3の最終停止操作後に停止した図柄)を再度有効ラインML上に停止させてから一のゲームを終了してもよい。この場合、当該再停止させた後で、払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成とするとよい。
疑似遊技の実行後、上記のように再停止させずに、疑似遊技にて停止させた図柄のまま払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成としてもよい。この場合、通常遊技にて停止させた図柄等をCPU102が一時記憶しておき、払出判定処理や入賞結果対応処理を実行する構成とするとよい。このようにすることで、最終的に停止している停止出目(疑似遊技にて停止させた停止出目)に対応しない特典が払出判定処理等により付与されることとなり、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
<変形例3>
本変形例では、疑似遊技である旨を報知するための構成の変形例を説明する。
図82(a)では、区間表示器としての指示モニタ68にて疑似遊技である旨の報知を行う例を示している。具体的には、指示モニタ68において、第1表示用セグメントN1〜第8表示用セグメントN8の他に、第9表示用セグメントN9を設ける。第9表示用セグメントN9は、第1表示用セグメントN1〜第8表示用セグメントN8と同様に、主制御装置101により個別に点灯/消灯の制御が可能となっている。また、指示モニタ68の表面には、第9表示用セグメントN9を指し示すように、「疑似遊技中」といった印字が施されており、第9表示用セグメントN9が点灯状態となることで疑似遊技である旨の報知が行われる状態となり、第9表示用セグメントN9が消灯状態となることで疑似遊技ではない旨の報知が行われる(疑似遊技である旨の報知が行われない)状態となる。
このように、疑似遊技である旨の報知が、主制御装置101に直接制御される指示モニタ68にて行われるようにすることで、当該疑似遊技である旨の報知の信頼性が向上する。よって、遊技者は、通常遊技と疑似遊技との違いを明確に把握しながら遊技を進行することが可能となり、一のゲームにおいて通常遊技で得られた特典と疑似遊技にて得られた利益とがわからなくなってしまうことを抑制することができる。
言い換えるならば、表示制御装置81側で実行する疑似遊技である旨の報知については、当該報知ですら演出に用いることが可能である。例えば、通常遊技において疑似遊技である旨の報知を行う構成としてもよく、通常遊技中の所定条件下で疑似遊技である旨の報知を行う構成としてもよく、例えば、疑似遊技が行われる可能性があるゲームの通常遊技中に疑似遊技である旨の報知を行ったうえで、その後、当該ゲームにて疑似遊技を行う場合と行わない場合とがあるようにしてもよい。
図82(b)では、第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置とに変位可能な変位手段としての可動役物によって、疑似遊技である旨の報知を行う例を示している。具体的には、可動役物として表面に「疑似」といった印字が施された役物78を設け、当該役物78が第1位置としての上部ランプ63の背面(図82(b1))と、第2位置としての補助表示部65の前方(図82(b2))とに図示しない駆動部を表示制御装置81が制御することで変位可能とする。役物78が第1位置に配置されると、当該役物78は遊技者から視認できなくなり又は視認しにくくなり、役物78が第2位置に配置されると第1位置に配置されるよりも役物78を視認し易くなり、具体的には、視認可能となる。そして、表示制御装置81により役物78が第2位置に変位することで疑似遊技である旨の報知が行われる状態となり、役物78が第1位置に変位することで疑似遊技ではない旨の報知が行われる(疑似遊技である旨の報知が行われない)状態となる。
このように、役物78の動作によって疑似遊技である旨の報知が行われる構成とすることで、遊技者が当該報知を見逃しにくくなり、通常遊技と疑似遊技との差を明確に把握しながら遊技を行わせる効果を高めることが可能となる。
<第3の実施形態>
上記第1,2の実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合であって、当該ATモード開始用の結果入賞が成立した場合にはATモードを開始させ、当該ATモード開始用の結果入賞が成立しなかった場合には、回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させてATモードを開始させる構成とした。これに対して本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合であって、当該ATモード開始用の結果入賞が成立した場合であっても、所定条件が成立していないと回転演出にてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させてATモードを開始させ、ATモード開始用の結果入賞が成立した場合において上記所定条件が成立していれば、回転演出を実行せずにATモードを開始させない構成とする。
図83(a)に示すように、本実施形態では、入賞態様として、上記第1再遊技〜第12再遊技の他に、第13再遊技が設定されている。第13再遊技は、左リール32Lの「赤7」図柄、中リール32Mの「ベル」図柄、右リール32Rの「BAR」図柄が有効ラインML上に停止することで入賞が成立する。第13再遊技入賞が成立する場合、図83(c)に示すように、中ラインL2には「赤7」図柄が揃って停止する。
図83(b)に示すように、本実施形態では、インデックス値IV=1〜3にて当選となると、上記第1の実施形態の当選役に加えて上記の第13再遊技にも当選する。つまり、インデックス値IV=1にて通常リプA当選となると、第1再遊技当選〜第4再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。また、インデックス値IV=2にて通常リプB当選となると、第1再遊技当選〜第4再遊技当選、第6再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。そして、インデックス値IV=3にて通常リプC当選となると、第1再遊技当選〜第3再遊技当選、第5再遊技当選、第6再遊技当選に加えて、第13再遊技当選となる。
本実施形態では、ATモード開始用の結果として、インデックス値IV=1〜3にて当選となった場合に入賞が可能となる上記の各種再遊技が設定されている。つまり、本実施形態では、準備モードにおいて通常リプAに当選となって、第1再遊技入賞〜第4再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものであり、準備モードにおいて通常リプBに当選となって、第1再遊技入賞〜第4再遊技入賞、第6再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものであり、準備モードにおいて通常リプCに当選となって、第1再遊技入賞〜第3再遊技入賞、第5再遊技入賞、第6再遊技入賞、又は第13再遊技入賞が成立した場合にATモードが開始され得るものとして設定されている。
但し、本実施形態では、準備モードにおいて上記通常リプA〜Cに当選となった場合において、各種再遊技入賞が成立した場合であっても、所定条件のうちの第1条件として第13再遊技入賞が成立した場合であって、所定条件のうちの第2条件として第13再遊技入賞時のストップスイッチ42〜44の操作態様が特定操作態様であった場合には、回転演出を行わずに、且つATモードも開始させない構成としている。そして、通常リプA〜Cに当選となった場合において、第13再遊技以外の再遊技入賞が成立して所定条件のうちの第1条件が成立していない場合や、第13再遊技入賞が成立している場合であっても入賞時にストップスイッチ42〜44の操作態様が特定操作態様ではなく、所定条件のうちの第2条件が成立していない場合には、ATモードが開始される。
本実施形態では、上記の第2条件としての特定操作態様を第13再遊技入賞時の各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数が所定数(1)以下となるようなストップスイッチ42〜44の操作態様として設定している。つまり、準備モードにおいて通常リプA〜Cに当選した場合に、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を1又は0となるように第13再遊技入賞を成立させた場合にはATモードが開始されず、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数が2〜4となるように第13再遊技入賞を成立させた場合には回転演出を経てATモードが開始される。
より具体的には、第13再遊技入賞を成立させる場合には、図83(d)に示すように、左リール32Lの12番目の「スイカ」図柄から14番目の「赤7」図柄が中段に到達したタイミングでストップスイッチ42を操作し、中リール32Mの13番目の「赤貝」図柄から15番目の「ベル」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ43を操作し、右リール32Rの12番目の「赤貝」図柄から15番目の「BAR」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ44を操作する必要がある。これに対して、上記の所定条件を成立させるように第13再遊技入賞を成立させるためには、左リール32Lの13番目の「青年」図柄から14番目の「赤7」図柄が中段に到達したタイミングでストップスイッチ42を操作し、中リール32Mの14番目の「赤7」図柄から15番目の「ベル」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ43を操作し、右リール32Rの14番目の「赤7」図柄から15番目の「BAR」図柄が上段に到達したタイミングでストップスイッチ44を操作する必要がある。第2条件に関わらず第13再遊技入賞を成立させることが可能となる図柄の範囲を引き込み範囲とし、第2条件を成立させるように第13再遊技入賞を成立させることが可能となる図柄の範囲を成功判定範囲とすると、引き込み範囲よりも成功判定範囲の方が狭くなるように(少ない図柄数の範囲となるように)設定されている。
このように、本実施形態では、準備モードにおいて通常リプA〜Cに当選となった場合に第13再遊技入賞を成立させる場合のストップスイッチ42〜44の操作態様によって、ATモードの開始を回避することが可能な構成としている。このようにすることで、準備モードがなるべく長く継続することを望む遊技者としては、準備モードにおいて通常リプA〜C当選となった場合に、ストップスイッチ42〜44の操作態様を駆使して第13再遊技入賞を成立させるようになり、かかる準備モード中の遊技性を大きく向上させることが可能となる。
但し、本実施形態においても、準備モードの継続ゲーム数には上限が設けられており、上記第1,2の実施形態と同様に、準備モードを40ゲーム消化することで回転演出を経てATモードが開始される構成としている。
以下、上記のような遊技性を実現するための処理構成等について説明する。
図84は、本実施形態におけるAT開始報知用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、AT開始報知用処理は、主制御装置101にて実行される抽選結果対応処理における一処理である。
ステップS4001では、今回のゲームの抽選結果がいずれかの通常リプA〜C当選であるか否かを判定する。いずれかの通常リプA〜C当選である場合、ステップS4002にてAT準備カウンタが0よりも大きく、準備モードのゲーム数が上限に達していない状況であるか否かを判定する。準備モードのゲーム数が上限に達していない状況での通常リプA〜C当選である場合には、ステップS4003にて開始ゲームフラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4004にて、回避指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本AT開始報知用処理を終了する。回避指示コマンドを受信した表示制御装置81は、所定条件を成立させるようにしながら第13再遊技入賞を成立させることでATモードの開始を回避させる回避指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。ステップS4001又はステップS4002にて否定判定した場合には、そのままAT開始報知用処理を終了する。
図85は、本実施形態における準備モード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、準備モード用処理は、主制御装置101にて実行される入賞結果対応処理における一処理である。
ステップS4101〜ステップS4105は、上記ステップS1601〜ステップS1605の処理と同様に、第1ATモードから第2ATモードへ昇格させるための処理を実行する。続くステップS4106では、ゲームの消化に対応させてAT準備カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS4107にてAT準備カウンタが0となったか否かを判定する。
AT準備カウンタが0となっていない場合、ステップS4108にて開始ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。開始ゲームフラグがセットされており、準備モード中に通常リプA〜Cに当選したゲームである場合、ステップS4109にて、通常リプA〜C当選となった場合において入賞可能となる各種再遊技のうち、第13再遊技入賞が成立しているか否かを判定する。第13再遊技入賞が成立しており、所定条件のうちの第1条件が成立している場合、ステップS4110にて開始回避第1コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行する。開始回避第1コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第1条件が成立した旨の回避第1演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。
続くステップS4111では、各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を把握する処理を実行する。ここで、本実施形態では、リール制御処理においてステップS408のスベリコマ数を算出する処理を行った場合、当該算出したスベリコマ数を各リール32L,32M,32Rに対応させて個別に記憶可能としている。より具体的には、各種カウンタエリア106eには、各リール32L,32M,32Rに対応させて左スベリ数カウンタ、中スベリ数カウンタ、右スベリカウンタが設けられており、それぞれのカウンタにスベリコマ数を入力する。ステップS4111では、これら各スベリ数カウンタの値を把握することで、今回のゲームにおいて停止させた際の各リール32L,32M,32Rのスベリコマ数を把握することが可能である。なお、これら各スベリ数カウンタは、ゲームの終了に際して0にクリアされる。
ステップS4112では、いずれのリール32L,32M,32Rのスベリコマ数も0又は1であるか否かを判定する。すなわち、いずれかのスベリ数カウンタが2以上である場合にステップS4112にて否定判定することになる。
ステップS4112にて肯定判定した場合、ステップS4113にて開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4114にて開始回避第2コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、本準備モード用処理を終了する。開始回避第2コマンドを受信した表示制御装置81は、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第2条件が成立した旨の回避第2演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように制御する。この場合、ATモードの開始用の処理は実行せず、ATモードは開始されない。
これに対して、ステップS4109にて開始ゲームフラグがセットされているのにもか関わらず、第13再遊技入賞が成立しておらず、準備モード中に通常リプA〜Cに当選して場合に第13再遊技以外の再遊技入賞が成立した場合、すなわち、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第1条件が成立していない場合には、ステップS4115に進む。また、ステップS4112にていずれかのスベリ数カウンタが2以上であり、第13再遊技入賞を成立させる場合のストップスイッチ42〜44の操作態様が特定操作態様ではなかった場合、すなわち、ATモードの開始を回避させる所定条件のうちの第2条件が成立していない場合にも、ステップS4115に進む。
ステップS4115では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4116にてATゲームカウンタに50を加算する処理を実行し、ステップS4117にて、開始ゲームフラグをクリアする処理を実行する。続くステップS4118では、第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4119にて第1開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、準備モード用処理を終了する。第1ATモードフラグではなく第2ATモードフラグがセットされている場合、ステップS4120にて第2開始時フリーズフラグをセットする処理をしてから、準備モード用処理を終了する。つまり、準備モードにおいてATモード開始用の結果当選となったゲームにおいて、第1条件又は第2条件のいずれかが成立しておらず、所定条件が成立していない場合には、回転演出を経てATモードが開始される。
ステップS4107にてAT準備カウンタが0であると判定した場合、ステップS4121にて第1ATモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4122にて昇格コマンドをセットする処理を実行し、ステップS4123にて第1ATモードフラグをクリアするとともに第2ATモードフラグをセットする処理を実行する。ステップS4121にて否定判定した場合や、ステップS4123の処理を実行した後は、ステップS4124にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行し、ステップS4125にてATゲームカウンタに50を加算する処理を実行してから、ステップS4120にて第2開始時フリーズフラグをセットする処理を実行する。これら、準備モードにおいて上限ゲーム数に達した場合の処理は、上記第1の実施形態と同様である。
次に、本実施形態における準備モード演出設定処理について、図86(a)のフローチャートを参照しながら説明する。準備モード演出設定処理は、AT開始用処理(図49)におけるステップS2202にて実施される処理である。
ステップS4201では、残りゲーム数表示を更新する処理を実行する。残りゲーム数表示とは、準備モードが上限ゲーム数に達するまでのゲーム数を報知するための表示であり、具体的には、例えば、図87(a)に示すように、補助表示部65の所定領域に「残り35」といったように表示するものである。当該残りゲーム数表示は、「残り40」から「残り0」まで1ずつ更新可能としており、ステップS4201では、ゲームの消化に際して当該残りゲーム数表示を1減算された数を示す表示に更新するための処理を行う。
続くステップS4202では、回避指示コマンドを受信しているか否かを判定する。回避指示コマンドを受信しており、今回のゲームの抽選結果がATモード開始用の結果としての通常リプA〜C当選である場合、ステップS4203にて回避指示演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避指示演出としては、例えば、図87(a)に示すように、「赤7」図柄を模したキャラクタを3つ横並びで表示するとともに、「中段に狙え!!」といった文字表示を行い、第13再遊技入賞を成立させて第1条件を成立させるべきこと、及び、第13再遊技を特定操作態様(0コマスベリ、又は1コマスベリにて入賞させる操作態様)にて入賞させて第2条件を成立させるべきこと、を報知する。ステップS4202にて否定判定した場合、又はステップS4203の処理を実行した後は、ステップS4204にて回避第2演出フラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、準備モード演出設定処理を終了する。
次に、本実施形態における回避演出設定処理について、図86(b)のフローチャートを参照しながら説明する。回避演出設定処理は、全停止時演出設定処理(図48)におけるステップS2222の一処理として実施される処理である。
ステップS4211では、準備モードフラグがセットされているか否かを判定する。準備モードフラグがセットされている場合、ステップS4212に進み、開始回避第1コマンドを受信しているか否かを判定する。開始回避第1コマンドを受信しており、第13再遊技入賞が成立し、第1条件が成立している場合には、ステップS4213にて回避第1演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避第1演出としては、例えば、図87(b)に示すように、第13再遊技入賞が成立した場合に中ラインL2に揃って停止する「赤7」図柄を3つ横並びで表示して、第13再遊技入賞が成立していることを報知するとともに、「JUDGE!!」といった文字表示を実行することで、この後、第2条件が成立しているか否かが演出により報知されることの告知を行う。
ステップS4213の処理を実行した後は、ステップS4214にて開始回避第2コマンドを受信しているか否かを判定する。開始回避第2コマンドを受信しており、0コマスベリ又は1コマスベリによる特定操作態様にて第13再遊技が入賞し、第2条件が成立している場合には、ステップS4215にて回避第2演出フラグをセットする処理を実行してから、本回避演出設定処理を終了する。ステップS4211、ステップS4212又はステップS4114にて否定判定した場合には、そのまま回避演出設定処理を終了する。
上記ステップS4215にて回避第2演出フラグをセットすることにより、次ゲームの準備モード演出設定処理において、ステップS4204にて肯定判定することになる。ステップS4204にて肯定判定した場合、ステップS4205にて当該回避第2演出フラグをクリアし、ステップS4206にて回避第2演出を補助表示部65やスピーカ64等にて行うように設定する処理を実行する。回避第2演出としては、例えば、図88(a)に示すように、「セーフ!!」といった文字表示を行い、第2条件が成立しており、ATモードの開始を回避する所定条件を成立させることに成功した旨の報知を行う。ステップS4206の処理を実行した後は、準備モード演出設定処理を終了する。
これに対して、準備モード中に通常リプA〜Cに当選したゲームにおいて、ステップS4212にて開始回避第1コマンドを受信しておらず、第13再遊技以外の再遊技入賞が成立している場合や、ステップS4214にて開始回避第2コマンドを受信しておらず、2コマスベリ〜4コマスベリによる操作態様にて第13再遊技が入賞した場合には、上記のように主制御装置101側の準備モード用処理にて第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグがセットされており(ステップS4119、ステップS4120)、当該通常リプA〜Cに当選したゲームの次ゲームの開始時に、回転演出が実行される(図88(b)、図88(c))。
つまり、本実施形態では、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合において、第13再遊技を特定操作態様にて入賞させる、といった所定条件を成立させることに成功した場合には、ATモードの開始を回避することが可能となる。そして、当該所定条件を成立させることに成功し続けて準備モードを最大ゲーム数まで継続させることで、第1ATモードから第2ATモードへの昇格が行われたり、その間の上乗せ抽選等の恩恵を享受することが可能となる。その一方で、準備モード中にATモード開始用の結果当選となった場合において、所定条件を成立させることができなければ、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止する回転演出を伴ってATモードが開始する。
この場合、ATモード開始用の結果当選となったゲームにて、所定条件を成立させる特定操作態様に成功したか否かが、当該ATモード開始用の結果当選となったゲームの次のゲームの開始時に報知されるものであり、回転演出が実行されないことで特定操作態様に成功したことが報知され、回転演出が実行されることで特定操作態様に成功しなかったことの報知が行われる。よって、なるべくATモードの開始を遅延させたい遊技者としては、回転演出が実行されないことに期待しながらスタートレバー41を操作することになる。その一方で、回転演出が実行された場合であっても、単にATモードが開始されるのではなく、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するようにしていることから、少なくともATモードの開始をゲームの結果として勝ち取った印象を与えることが可能である。
このようにすることで、自らの操作によってATモードの開始を勝ち取る印象を与えながらも、その勝ち取ったATモードの開始を、自らの操作によって遅延させる遊技を追加することができ、回転演出を利用してATモードを開始させる遊技性を好適に向上させることが可能となる。
また、上記のように、ATモードが開始されることの報知が行われる回転演出の開始タイミングと、ATモードの開始を回避できたことの回避第2演出の実行タイミングとが、いずれも通常リプA〜C当選ゲームの次ゲームの開始時としていることから、上記のようにATモードの開始を遅延させる遊技性において、当該遅延させることができたか否かの答え合わせが次ゲームの開始時に行うことが可能となり、遅延させることができたことを望みながら当該次ゲームの開始操作を行うといったように操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することが可能となる。
しかも、ATモードの開始を回避することの所定条件のうちの第2条件については、その成否が、停止出目からは判断できないことから、上記の次ゲームの開始操作により一層力が入り、遊技の興趣向上が図られる。
第2条件の成否が判断できない状況で、そのままゲームが終了される構成としていることから、例えば、回避できたか否かの答え合わせを、一旦、休憩をはさんでから行う、といったように、遊技者の自由なタイミングで行うことが可能となる。
<第4の実施形態>
上記第1〜3の実施形態では、ATモード当選報知演出が行われた後であって、ATモードが開始されるよりも前の準備モードにおいて、ATモード開始用の結果当選となった場合にATモードを開始させる構成としたうえで、準備モードの上限ゲーム数に達した場合にATモード開始用の結果に対応する回転演出を発生させてATモードを開始させる構成としたが、本実施形態では、それをCZモードに適用する。すなわち、本実施形態では、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選している状況で所定結果に当選した場合には、当該ATモード移行抽選に当選していることの報知を行う構成としたうえで、CZモードにおいてATモード移行抽選に当選していても所定結果に当選しないままCZモードの上限ゲーム数に達した場合には、当該所定結果に対応する回転演出を発生させてATモード移行抽選に当選していることの報知を行う。
図89は、本実施形態におけるAT抽選用処理を示すフローチャートである。
本実施形態では、ステップS4302にて天井ゲーム数に到達したと判定した場合や、ステップS4308にてATモード移行抽選に当選したと判定した場合には、ステップS4309に進み、ATモード当選フラグをセットする処理を実行する。そして、ステップS4310にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、ステップS4314〜ステップS4318にて前兆モード設定用の処理を実行する。ステップS4314〜ステップS4318の処理は、上記ステップS817〜ステップS820の処理と同様である。また、ステップS4308にてATモード移行抽選に当選していないと判定した場合には、ステップS813〜ステップS816の処理と同様に、ステップS4311〜ステップS4314にてCZモードへの移行抽選等を行ったうえで、ステップS4314〜ステップS4318にて前兆モード設定用の処理を実行する。
これに対して、ステップS4310にてCZモード中にATモード移行抽選に当選したと判定した場合には、前兆モード設定用の処理を行うことなく、また、CZモードを終了するための処理(ステップS810、ステップS811)を実行することなく、そのままAT抽選用処理を終了する。
すなわち、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であっても、CZモードは終了せず、CZモード移行時に設定された上限ゲーム数を消化するまでCZモードは継続する構成としている。但し、上記のようにATモード移行抽選に当選したことの情報(ATモード当選フラグ)がセットされることにより、CZモードの残りのゲームでは、ATモード移行抽選は実行されず、AT上乗せ用処理が実行されることになる。
図90は、本実施形態における前兆モード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、前兆モード用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理における一処理として実施される処理である。
ステップS4401では、前兆カウンタの減算処理を実行する。そして、ステップS4402では前兆カウンタが0となったか否かを判定し、0となっていない場合には、そのまま前兆モード用処理を終了する。前兆カウンタが0となった場合には、ステップS4403にて前兆フラグをクリアし、ステップS4404にてATモード当選フラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4405にてATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4406にてAT種別決定処理を実行し、ステップS4407にてAT準備カウンタに40を入力する処理を実行し、ステップS4408にてAT当選報知コマンドをセットする処理を実行する。ステップS4405〜ステップS4408の処理は、ステップS4405にてATモード当選フラグをクリアする点を除き、ステップS1205〜ステップS1207の処理と同様である。
ステップS4408の処理を実行した後は、ステップS4409にて、各種フラグ格納エリア106dに報知用開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、前兆モード用処理を終了する。報知用開始時フリーズフラグは、ATモード移行抽選に当選していることの報知を回転演出にて実行することをCPU102が把握するためのフラグである。ATモード移行抽選に当選していることの報知を回転演出にて行うための構成については、後に詳細に説明する。
ステップS4404にてATモード当選フラグがセットされておらず、今回の前兆モードがCZモード移行抽選に当選したことを契機とするものであった場合、ステップS4410〜ステップS4413にてCZモードを開始するための処理を実行してから、前兆モード用処理を終了する。ステップS4410〜ステップS4413の処理は、上記ステップS1208〜ステップS1211の処理と同様である。
図91は、本実施形態におけるAT当選報知用処理を示すフローチャートである。AT当選報知用処理は、CZモード中にATモード移行抽選に当選していることの報知を行うための処理であり、主制御装置101による抽選結果対応処理における一処理として、例えば、ステップS613の処理の後に実施される。
ステップS4501では、今回のゲームの報知用リプ当選であるか否かを判定する。
ここで、本実施形態では、CZモード中にATモード移行抽選に当選したことの報知を、上記第3の実施形態における通常リプA〜Cに当選した場合に実行する構成としており、ステップS4501にて判定する報知用リプとは、通常リプA〜Cが相当する。今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜Cに当選していない場合には、そのままAT当選報知用処理を終了する。
今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜Cである場合、ステップS4502にてCZモードフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがセットされている場合には、ステップS4503にて、ATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。ステップS4502又はステップS4503にて否定判定した場合には、そのままAT当選報知用処理を終了する。CZモードフラグ及びATモード当選フラグがセットのいずれもがセットされている場合には、ステップS4504に進む。
ステップS4504では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。続くステップS4505では、AT種別決定処理を実行する。当該AT種別決定処理は、上記ステップS4406の処理と同様である。なお、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合のAT種別決定処理(ステップS4505)と、それ以外のAT種別決定処理(ステップS4406)とで、第1ATモードや第2ATモードに設定する割合が異なるようにしてもよく、CZモード中の方が第2ATモードに設定され易くしてもよい。この点は、上記第1〜第3の実施形態も同様である。
続くステップS4506では、各種フラグ格納エリア106dに当選報知ゲームフラグをセットする処理を実行する。当選報知ゲームフラグは、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うゲームであることをCPU102が把握するためのフラグである。そして、ステップS4507にて、操作指示コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行してから、AT当選報知用処理を終了する。操作指示コマンドは、上記第3の実施形態における回避指示コマンドに相当するものであり、かかる操作指示コマンドを受信した表示制御装置81は、上記の回避指示演出(図87(a))のように、「赤7」図柄を模したキャラクタを3つ横並びで表示させ、第13再遊技入賞を狙って操作すべき状況である旨の報知を補助表示部65やスピーカ64等にて行うための処理を実行する。
図92は、本実施形態におけるCZモード用処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、CZモード用処理は、主制御装置101による入賞結果対応処理における一処理として実施される処理である。
ステップS4601では、CZゲームカウンタの減算処理を実行し、続くステップS4602にてCZゲームカウンタが0となったか否かを判定する。0となった場合には、ステップS4603にてCZモードフラグをクリアし、ステップS4604にてCZ終了コマンドをセットする処理を実行する。
続くステップS4605ではATモード当選フラグがセットされているか否かを判定する。CZゲームカウンタが0となった状況でATモード当選フラグがセットされていない場合、又はステップS4602にてCZゲームカウンタが0となっていない場合には、ステップS4606に進む。
ステップS4606では、上記の当選報知ゲームフラグがセットされているか否かを判定する。当選報知ゲームフラグがセットされており、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって、当該ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき通常リプA〜Cに当選したゲームである場合、ステップS4607に進み、当該当選報知ゲームフラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4608にて、第13再遊技入賞が成立しているか否かを判定し、成立している場合には、ステップS4609にてCZゲームカウンタを0にクリアする処理を実行するとともに、ステップS4610にて外部集中端子板121に設けられたAT当選用出力端子をON状態とする処理を実行してから、CZモード用処理を終了する。AT当選用出力端子は、外部集中端子板121を介してスロットマシン10と接続されている遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータに対して、ATモード移行抽選に当選したことの情報を出力するための端子である。AT当選用出力端子の構成については、上記AT用出力端子121dと同様であり、ON状態とすることでAT当選用出力端子から出力される信号がHI信号となり、遊技ホールのデータ表示器やホールコンピュータへATモード移行抽選に当選したことの情報が出力される。なお、AT当選用出力端子は、ON状態とされてから所定数(例えば5)のゲームが消化されることで、OFF状態となる。
ステップS4605にて、CZモードの終了に際してATモード当選フラグがセットされており、CZモード中にATモード移行抽選に当選したのにもかかわらず、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき通常リプA〜Cに当選しなかった場合には、ステップS4611に進む。ステップS4611では、ATモード当選フラグをクリアする処理を実行する。そして、ステップS4612にてAT種別決定処理を実行する。なお、当該CZモード終了時のAT種別決定処理と、CZモード中のAT種別決定処理(ステップS4505)や、それ以外のAT種別決定処理(ステップS4406)とで、第1ATモードや第2ATモードに設定する割合が異なるようにしてもよく、CZモード終了時のAT種別決定処理の方が第2ATモードに設定され易くしてもよい。
ステップS4612の処理を実行した後は、ステップS4613にて報知用開始時フリーズフラグをセットする処理を実行してから、CZモード用処理を終了する。また、ステップS4608にて、第13再遊技入賞が成立しておらず、CZモード中にATモード移行抽選に当選したことの報知を行うべき結果に当選したのにもかかわらず、対応する結果入賞を成立させることができなかった場合にも、ステップS4613にて報知用開始時フリーズフラグをセットしてから、CZモード用処理を終了する。
上記のように、本実施形態では、通常モード(非CZモード)においてATモード移行抽選に当選した場合であって前兆ゲーム数を消化した場合と、CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって通常リプA〜Cに当選しないままCZモードの上限ゲーム数に達した場合と、当該CZモード中にATモード移行抽選に当選した場合であって通常リプA〜Cに当選したのにもかかわらず第13再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、報知用開始時フリーズフラグがセットされる。以下、報知用開始時フリーズフラグがセットされた場合の回転演出処理について、図93のフローチャートを参照しながら説明する。
本実施形態における回転演出処理では、ステップS4701にて第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグや、上記の報知用開始時フリーズフラグのいずれかがセットされているか否かを判定する。いずれの開始時フリーズフラグもセットされていない場合には、そのまま回転演出処理を終了する。いずれかの開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS4702にて、今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であるか否かを判定し、通常リプA〜C当選ではない場合にステップS4703に進む。ステップS4703では、回転演出コマンドをセットする処理を実行し、ステップS4704では、対応する図柄の位置関係を把握する処理を実行する。
そして、ステップS4705にて第1開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4706にて、2sec後に第2再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。第1開始時フリーズフラグがセットされていない場合には、ステップS4707にて第2開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされている場合には、ステップS4708にて、2sec後に第3再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。これら、ステップS4706やステップS4708の処理は、上記ステップS2306やステップS2307の処理と同様である。
ステップS4707にて否定判定する場合とは、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合である。この場合、ステップS4709にて、2sec後に第13再遊技入賞となる図柄が揃った状態で各リール32L,32M,32Rが低速にて回転しているように、各リール32L,32M,32Rの加速度を設定する。より具体的には、例えば、左リール32Lを基準リールとし、把握している図柄位置に基づいて、回転開始前において、当該基準リールに配置された第13再遊技図柄(「赤7」図柄)と、中リール32M及び右リール32Rの第2再遊技図柄(「ベル」図柄、「BAR」図柄)との離間図柄数を把握する。例えば、各リール32L,32M,32Rを同時に正方向に回転開始させた場合において、2sec後までに基準リールとなる左リール32Lは3周だけ回転しているとすると、左リール32Lは20図柄×3周で60図柄分だけ2secで回転することになる。この場合、中リール32Mの第2再遊技図柄と基準リールの第13再遊技図柄の離間図柄数をa図柄、右リール32Rの第2再遊技図柄と基準リールの第13再遊技図柄の離間図柄数をb図柄とすると、中リール32Mの加速度を、2sec後までに60図柄にa図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定し、右リール32Rの加速度を、2sec後までに60図柄にb図柄を加えた図柄数だけ回転するように設定する。なお、2sec後に第13再遊技入賞となる図柄組合せが揃って回転するようになってからは、一定である低速回転にて各リール32L,32M,32Rを回転させるように設定する。
ステップS4706、ステップS4708又はステップS4709の処理を実行した後は、ステップS4710〜ステップS4722にて、各種回転演出用の処理を実行してから、回転演出処理を終了する。ステップS4710〜ステップS4722の処理は、上記ステップS2308〜ステップS2318の処理と概ね同様であり、各リール32L,32M,32Rの仮停止時に補助表示部65等にて演出を発生させるための処理だけが異なっている。
すなわち、ステップS4716にて各リール32L,32M,32Rが仮停止したタイミングとなったと判定した場合に、ステップS4717にて報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされていない場合には、始動時AT開始コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行して、始動時AT開始演出を行わせるようにする。これに対して、ステップS4717にて報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合には、ステップS4719にてAT当選報知コマンドを表示制御装置81への出力対象としてセットする処理を実行して、AT当選報知演出を行わせるようにする。ステップS4718又はステップS4719の処理を実行した後は、仮停止した状態を維持するための処理(ステップS4720〜ステップS4722)等を実行してから、回転演出処理を終了する。
また、ステップS4702にて今回のゲームの抽選結果が通常リプA〜C当選であると判定した場合、ステップS4723にてAT準備カウンタが0よりも大きいか否かを判定する。AT準備カウンタが0よりも大きく、準備モード中に通常リプA〜Cに当選した場合であって第2再遊技入賞や第3再遊技入賞を成立させることができなかった場合の次のゲームである場合には、ステップS4703に進み、回転演出を実行するための処理を行う。
AT準備カウンタが0である場合、ステップS4724にてCZゲームカウンタが0よりも大きいか否かを判定する。CZゲームカウンタが0よりも大きい場合とは、CZモード中にATモード移行抽選に当選し、通常リプA〜Cに当選したものの第13再遊技入賞を成立させることができなかった場合には、ステップS4703に進み、回転演出を実行するための処理を行う。
これに対して、準備モードやCZモードの上限ゲーム数に達した次のゲームが通常リプA〜C当選であった場合には、当該ゲームでは回転演出を行うことなく、そのまま回転演出処理を終了する。この場合、準備モードの上限ゲームに達したゲームの次のゲームが通常リプA〜C当選であった場合には、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞に対応する押し順報知演出が行われ(図56)、CZモードの上限ゲームに達したゲームの次のゲームが通常リプA〜C当選であった場合には、第13再遊技入賞を成立させるべき操作指示演出が行われる(図87(a))。
すなわち、AT当選報知用処理(図91)において、ステップS4502にてCZモードフラグがセットされていない場合、ステップS4508に進み、報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定する。CZモードフラグがクリアされた後のゲームで報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合とは、上記のようにCZモードの上限ゲーム数に達したゲームの次のゲームであることを意味し、当該ゲームの抽選結果が通常リプA〜Cである(ステップS4501:YES)ため、この場合、ステップS4509にて当該報知用開始時フリーズフラグをクリアしたうえで、ステップS4507に進み、第13再遊技入賞を成立させるための操作指示コマンドをセットする処理を実行してから、AT当選報知用処理を終了する。
本実施形態においても、回転演出中にAT用出力端子121dがON状態となるように予約状態の設定が行われる。また、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされている場合の回転演出が行われる場合には、当該回転演出中にAT当選用出力端子がON状態となるように予約状態の設定が行われる。具体的には、上記の外部出力設定第1処理(図60)において、第1開始時フリーズフラグ、第2開始時フリーズフラグ及び報知用開始時フリーズフラグのいずれかがセットされている場合に(ステップS2601:YES)、予約出力フラグがセットされ(ステップS2602)、予約出力カウンタに2100が入力される(ステップS2603)。
図94は、本実施形態におけるタイマ更新処理を示すフローチャートである。既に説明した通り、タイマ更新処理は、主制御装置101によるタイマ割込み処理における一処理として実施される処理である。
ステップS4801〜ステップS4804の処理は、上記ステップS2701〜ステップS2704の処理と同様である。ステップS4805では、上記の予約出力フラグがセットされているか否かを判定する。予約出力フラグがセットされている場合には、ステップS4806にて予約出力カウンタを1減算する処理を実行する。そして、ステップS4807にて予約出力カウンタが0となったか否かを判定し、0となった場合には、ステップS4808にて予約出力フラグをクリアする処理を実行する。続くステップS4809では、上記の報知用開始時フリーズフラグがセットされているか否かを判定し、セットされておらず、第1開始時フリーズフラグや第2開始時フリーズフラグに基づく予約状態である場合には、ステップS4810にてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する。これに対して、ステップS4809にて報知用開始時フリーズフラグがセットされており、ATモード移行抽選に当選したことの報知を行う回転演出における予約状態である場合には、ステップS4811にてAT当選用出力端子をON状態とする処理を実行する。
ステップS4805若しくはステップS4807にて否定判定した場合、又は、ステップS4810若しくはステップS4811の処理を実行した後は、ステップS4812にてその他の各種カウンタの更新処理を実行してから、タイマ更新処理を終了する。
以上のように、第1の実施形態等の準備モードにおけるATモードを開始することの報知用の構成を、CZモード中のATモード移行抽選に当選したことの報知に適用してもよく、ATモード移行抽選に当選してATモードへ移行させることを目指す本スロットマシン10の遊技性からすると、ATモード移行抽選に当選した後、ATモード開始用の結果報知が回転演出を含めて行われる第1の実施形態等の構成よりも、ATモード移行抽選に当選したことの結果報知が回転演出を含めて行われる本実施形態の構成の方が、これらの結果報知を心待ちにさせる効果が高いといえる。つまり、本実施形態の方が、報知対象となっている結果(ATモード移行当選)を自らの操作で勝ち取った印象を強く与えることが可能となり、回転演出を行う効果や、回転演出中に遊技機外部の装置に情報出力すること等の効果をより好適に奏することが可能となる。
<その他の実施形態>
なお、上述した各実施形態や各変形例の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態や各変形例に対して適用してもよい。また、上記各実施形態や各変形例に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施形態や変形例の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)ATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果として、通常リプA〜Cを用いる構成を説明したが、通常リプA〜Cとは異なる結果を用いる構成としてもよい。また、通常リプA〜Cの当選確率は上記のものに限定されず、これよりも当選し易い(当選確率が高い)ものであってもよいし、当選しにくい(当選確率が低い)ものであってもよい。例えば、ATモード開始用の結果として通常リプA〜Cを用いる場合、通常リプA〜Cの当選確率の分母が、準備モードの上限ゲーム数以上の数となるような当選確率としてもよく、この場合、準備モードにおいて上限ゲーム数(40)に到達し易いことを前提とした遊技性を実現できる。例えば、準備モードの上限到達前にATモード開始用の結果当選となった場合に遊技者に特典が付与される構成とすることで、準備モード中にATモード開始用の結果当選となることを心待ちにさせる効果や、ATモード開始用の結果入賞を表示させることで自らの操作によりATモードの開始を勝ち取った印象を与える効果を好適に高めることが可能である。なお、上限到達前にATモード開始用の結果当選となった場合に付与する特典とは、例えば、ATモードの初期ゲーム数の上乗せ等が考えられる。また、準備モードの上限到達により第2ATモードへの昇格が確定する構成を変更し、上限到達前にATモード開始用の結果当選となることで第2ATモードへの昇格が確定するといった特典とすることも可能である。
(2)ATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果は、当選確率の設定処理にて設定される設定値によって、その結果当選となる確率が異なる(特に通常リプA)構成としたが、設定値に関わらず、これらATモード開始用の結果やATモード移行当選の報知用の結果当選となる確率が同じ確率である構成としてもよい。また、設定値によって当選確率が異なる構成においても、設定値が高いほど当選しにくい構成に限定されず、設定値が高いほど当選し易い構成としてもよいし、偶数設定と奇数設定とで当選確率が異なる構成としてもよい。
(3)AT種別決定処理を、前兆ゲーム数が0となって準備モードに移行する際に実行する構成としたが、ATモード移行抽選に当選した場合に実行する構成としてもよい。この場合、前兆モード中のゲームにおいても昇格抽選を行う構成としてもよい。
(4)ATモード開始用の結果当選時の押し順報知を、主制御装置101側の指示モニタ68と、表示制御装置81側の補助表示部65との両方で実行する構成としたが、いずれか一方にて実行する構成としてもよく、例えば、主制御装置101側では実行せずに、表示制御装置81側では実行する構成としてもよい。
(5)指示モニタ68は6通りの操作順序をそれぞれ報知可能な構成としたが、例えば、通常リプA〜Cのように、ストップスイッチ42〜44の操作順序のうち最初に操作すべきストップスイッチ42〜44だけが対応付けられた押し順役について、最初に操作すべきストップスイッチ42〜44だけを報知する押し順報知の態様が含まれる構成としてもよい。
(6)ATモード終了時に有利区間を終了させる構成としたが、ATモード終了時に有利区間が終了しない場合もある構成としてもよい。例えば、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数に応じて有利区間が終了しない構成としてもよく、具体的には、ATモード終了時の有利区間の残りゲーム数が、当該残りゲーム数にATモード1ゲーム当たりの期待増加枚数を乗じた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよく、現状の有利区間増減枚数MYに上記の乗じた枚数を加えた枚数が、有利区間の上限増加数(2400枚)以下である場合や上限増加数よりも少ない場合には、有利区間を終了させないようにしてもよい。
(7)有利区間移行時に、区間表示器としての第8表示用セグメントN8を点灯制御する構成としたが、有利区間移行時であっても、第8表示用セグメントN8を点灯制御せず、有利区間中に所定の点灯条件が成立した場合に点灯制御する構成としてもよい。所定の点灯条件は、例えば、ATモードへの移行が確定した場合等、押し順報知が発生し得る状況となった場合に成立するものとしてもよい。
(8)CZモード中に押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよい。また、ATモードにおいても押し順報知が少なくとも1回は実行される構成としてもよく、これらATモードやCZモードの残りゲーム数が0となっても、押し順報知が1回実行されるまでは、当該ATモードやCZモードが終了しない構成としてもよい。
(9)ATモードの開始に際して、AT準備カウンタの値に応じてATモードの初期ゲーム数を決定する構成としてもよい。例えば、AT準備カウンタの値が大きいほど、ATモードの初期ゲーム数(ステップS1611やステップS1618等でATゲームカウンタに加算する値)が大きくなり易い構成又は大きくなる構成とすることで、準備モードの消化ゲーム数が少ない状況でATモードが開始された場合に、準備モードを十分に消化できなかったこと(昇格抽選を多く受けられなかったこと等)の代償とすることが可能である。
(10)回転演出処理において、低速回転にて回転させた後、仮停止させる構成としたが、通常遊技と同様に、定速回転にて回転させた後、仮停止させる構成としてもよい。
(11)回転演出において、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としたが、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せとは異なる図柄組合せを仮停止する構成としてもよい。
(12)回転演出において、有効ラインMLにATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としたが、有効ラインMLとは異なるラインに当該ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを仮停止させる構成としてもよい。
(13)疑似遊技を含め、回転演出において各リール32L,32M,32Rを仮停止させる場合、停止させずに小刻みに振動させたり、揺れ動かせたり、動作させながら一定の位置に留まらせる構成としてもよい。その意味では、これら各リール32L,32M,32Rを動作させながら一定の位置に留まらせる等することを仮停止とし、動作させないことを停止としてもよい。
(14)疑似遊技を含め、回転演出において停止又は仮停止させずに、低速にて回転させる構成としてもよく、少なくとも、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが遊技者から視認可能となる状況が生じるように制御される構成であればよい。
(15)準備モードにおいて上限ゲーム数に到達した場合に第2ATモードとなる構成としたが、上限ゲーム数に到達した場合に別途昇格抽選を実行する等して、所定の確率で第2ATモードとなる構成としてもよく、上限ゲーム数に到達した場合であっても第1ATモードである場合があるようにしてもよい。
(16)ATモード開始用の結果当選時に当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった場合に、次ゲームで回転演出を実行することでATモードを開始させる構成としたが、回転演出にてATモードを開始させるゲームは次ゲームに限定されず、次回以降のゲームであればよく、例えば、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったゲームから、所定数(例えば3)のゲーム後に回転演出を伴ってATモードを開始させる構成としてもよい。この場合、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったゲームから、所定数のゲームまでの間のゲームにおいて、再度ATモード開始用の結果当選となった場合には、回転演出を行うことなく当該ATモード開始用の結果入賞を成立させるように操作指示報知を行う構成としてもよく、再度ATモード開始用の結果当選となったゲームで、回転演出を行うとともに当該操作指示報知を行わないように、回転演出の実行を前倒しにする構成としてもよい。
(17)一の準備モードにおいて、ATモード開始用の結果当選時にATモード開始用の結果入賞を成立させることができなければ、その情報を次回以降の準備モードにも引き継ぎ可能な情報として記憶する構成としてもよい。この場合、例えば、当該ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった情報があれば、当該準備モードにおいて最初のATモード開始用の結果当選であっても、当該ゲームにて回転演出を行うとともに操作指示報知を行わないようにしてもよい。また、ATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった回数が所定回数に達した場合には、上記のように、最初のATモード開始用の結果当選であっても、回転演出を優先する構成としてもよいし、当該入賞を成立させることができなかった回数に応じて抽選等により、ATモード開始用の結果当選時に回転演出を優先することの決定を行う構成としてもよい。なお、ATモード開始用の結果当選時にATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかった情報は、有利区間情報の初期化処理の対象とならない情報として記憶する構成とするとよい。
(18)疑似遊技において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、未停止のリール32L,32M,32Rを全て停止させる構成としたが、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合に、未停止のリール32L,32M,32Rのうちの一部のリールを停止させる構成としてもよい。この場合、いずれのリールを停止させるかは、抽選等により決定する構成としてもよいし、押し順報知を伴って操作指示報知を行っている場合には、その操作順序に応じてリールを停止させる構成としてもよい。
(19)疑似遊技において、第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合には、未停止のリール32L,32M,32Rを同時に停止させる構成としたが、順次停止させる構成としてもよい。この場合、停止させる順序は、抽選等により決定する構成としてもよいし、押し順報知を伴って操作指示報知を行っている場合には、その操作順序に応じてリールを停止させる構成としてもよい。
(20)疑似遊技に限られず、回転演出を行うタイミングは、通常遊技の前に限定されるものではなく、通常遊技の後であってもよいし、通常遊技と通常遊技との間であってもよい。
(21)疑似遊技において、5図柄以上のスベリ数を許容する構成としたが、通常遊技と同様に4図柄以内のスベリ数となるように停止制御を行う構成としてもよい。この場合、疑似遊技において停止操作を行っても、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せが停止しない場合もある。停止しなかった場合には、全リール32L,32M,32R停止後に、又は全リール32L,32M,32R停止前に、再変動を伴って第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せを停止させるようにしても良い。再変動は、対応する図柄が停止していなかったリールだけ行う構成とてもよいし、全リール32L,32M,32R行う構成としてもよい。また、再変動を行わず、第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せが停止していない状態で回転演出を終了してもよく、この場合、次のゲームで再度回転演出を行う構成としてもよい。再度の回転演出では、停止操作を伴わずに自動的に第2再遊技入賞や第3再遊技入賞等に対応する図柄組合せを停止させる態様(第1の実施形態の態様)にて回転演出を行う構成としてもよい。
(22)回転演出の対象ゲームの抽選結果がATモード開始用の結果当選であった場合、準備モードの上限ゲーム消化を契機とする対象ゲームであれば回転演出の実行を制限する一方、前ゲームでATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったことを契機とする対象ゲームであれば回転演出の実行を許容する構成としたが、いずれも制限する構成としてもよく、また、いずれも許容する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム消化を契機とする対象ゲームであれば疑似遊技での回転演出(第2の実施形態の態様)を実行する一方、前ゲームでATモード開始用の結果入賞を成立させることができなかったことを契機とする対象ゲームであれば疑似遊技を伴わない回転演出(第1の実施形態の態様)を実行する構成としてもよい。
(23)リール制御処理における外部出力設定第1処理においてゲーム用出力端子121aをON状態とする構成としたが、ゲーム用出力端子121aをON状態とするタイミングは、ゲームの消化に応じたタイミングであればよく、ゲームの終了時(例えば、払出判定処理や、入賞結果対応処理の実行時)であってもよいし、リール制御処理における回転開始処理にて、ゲーム用出力端子121aをON状態とする構成としてもよい。回転開始処理にてゲーム用出力端子121aをON状態とする構成においては、例えば、ウェイト期間の経過後に各リール32L,32M,32Rの回転を開始する際にON状態とする構成としてもよい。この場合、回転開始処理を通常動作の開始タイミングとするならば、回転演出に際してAT用出力端子121dをON状態とするタイミングは、一のゲームにおける通常動作よりも前にON状態等する構成といえる。
(24)AT用出力端子121dをON状態とするタイミングは上記のタイミングに限定されない。例えば、回転演出中にON状態とするならば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが仮停止するよりも前のタイミングであってもよく、当該ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速にて回転するタイミングであってもよく、当該図柄組合せが揃うよりも前のタイミングであってもよい。また、当該図柄組合せが停止するタイミングと同じタイミングであってもよい。
(25)AT用出力端子121dをON状態とするための予約用の処理(準備カウンタをセットする処理や、予約出力カウンタをセットする処理等)の実行タイミングは、上記のものに限定されない。例えば、ATモード移行抽選に当選した場合に前兆ゲーム数と準備モードの上限ゲーム数との合算のゲーム後にAT用出力端子121dをON状態とするための処理(合算のゲーム数を所定のカウンタにセットする等)を行う構成としてもよく、有利区間移行時に天井ゲーム数と前兆ゲーム数(前兆ゲーム数の上限ゲーム数)と準備モードの上限ゲーム数との合算のゲーム数後にAT用出力端子121dをON状態とするための処理を行う構成としてもよい。また、AT用出力端子121dをON状態とするタイミング(予約出力カウンタ)を設定する処理についても、回転演出を実行する対象ゲームよりも前のゲームにて(例えば準備モード移行時、ATモード移行当選時、有利区間移行時)に当該タイミングを設定する処理を実行する構成としてもよい。
(26)準備モード等に移行する場合にAT準備カウンタ等によってAT用出力端子121dをON状態とするゲームを管理する構成としたが、準備モード等に移行する場合に、別途、AT用出力端子121dをON状態とする予約状態であることを示すフラグをセットする構成としてもよい。この場合、準備モード中等においてATモード開始用の結果当選等となった場合には、上記のフラグをクリアする構成としてもよく、当該結果入賞時に当該フラグをクリアする構成としてもよく、当選時にフラグをクリアするのであれば、当該結果当選時に当該結果入賞を成立させることができなければ、再度当該フラグをセットする構成としてもよい。
(27)ATモード開始用の結果入賞が成立した場合にAT用出力端子121dをON状態とすることを前提とし、回転演出中においてもAT用出力端子121dをON状態とする構成としたが、回転演出においては別の出力端子からATモードへの移行が生じる旨の情報を出力する構成としてもよく、また、回転演出においては別の情報を出力する構成としてもよい。
(28)通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて停止させた図柄とを利用してATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としたが、通常遊技にて停止させた図柄数と、疑似遊技にて停止させた図柄数との割合は上記のものに限定されず、通常遊技にて停止させた図柄を1つ用い、疑似遊技にて停止させた図柄を2つ用いてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としてもよい。また、当該図柄組合せが全リール数よりも少ない2つの図柄により構成されるようにしたうえで、通常遊技にて停止させた図柄を1つ用い、疑似遊技にて停止させた図柄を1つ用いてATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としてもよい。
(29)1のゲームを前提として、通常遊技にて停止させた図柄と、疑似遊技にて停止させた図柄とを利用してATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せを停止させる構成としたが、ゲームを跨いで当該図柄組合せを停止させる構成としてもよい。具体的には、前ゲームの通常遊技にて停止させた図柄と、次ゲームの疑似遊技にて停止させた図柄とを用いて当該図柄組合せを停止させる構成としてもよい。この場合、回転演出処理において、前ゲームの通常遊技にて停止させた図柄についてのリールは停止させたままで、当該疑似遊技を行わせるリールを回転させ、当該リールを停止させることで、上記図柄組合せが停止するようにするとよい。そして、当該図柄組合せを停止させた後、回転開始処理により全リール32L,32M,32Rの回転を開始させる構成とするとよい。
(30)回転演出の態様は一例である。例えば、ATモード開始用の結果入賞に対応する図柄組合せが揃った状態で低速回転となるまでの期間を上記のものよりも長くしてもよいし短くしてもよいし、当該図柄組合せが揃った状態で回転することなく、停止タイミングを異ならせることで、停止時に当該図柄組合せが停止する構成としてもよい。また、当該図柄組合せが停止した状態を維持する期間等についても、上記のものよりも長くてもよい短くてもよく、当該期間の経過前に所定の操作(例えば第1クレジット投入スイッチ56の操作)に基づき回転開始処理に移行する構成としてもよい。
(31)準備モードにおいて押し順報知を実行しないようにしたり、昇格抽選や上乗せ抽選を実行しないようにして、準備モードにおいて早期にATモード開始用の結果当選となった方が有利な構成としてもよい。また、CZモードにおいても、ATモード移行抽選に当選した後であっても、ATモード移行当選を報知する結果当選となるまでは上乗せ抽選を実行しない等して、ATモード移行抽選に当選した後、早期にATモード移行当選を報知する結果当選となった方が有利な構成としてもよい。
(32)ATモードを開始させること等を報知するために、通常リプA〜Cを用いて、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等の図柄組合せを停止させる構成としたが、ATモードを開始させること等を報知しない場合には、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等が成立しないようにしてもよい。例えば、第2再遊技入賞、第3再遊技入賞、第13再遊技入賞等とは異なる操作順序を押し順報知や押し順報知演出にて実行する構成としてもよい。
(33)3ベットゲームにて当選し得るBBとして第1BBを設け、2ベットゲームにて当選し得るBBとして第2BBを設けたが、いずれか一方のBBだけであってもよく、例えば、2ベットゲームにて第2BBに当選し、3ベットゲームではいずれのBBにも当選しない構成としてもよい。
(34)2ベットゲームにて、第2BBに当選する構成としたが、2ベットゲームにて複数種類のBBに当選し得る構成としてもよく、例えば、2ベットゲームにて第1BBと第2BBに当選し得る構成としてもよい。この場合、2ベットゲームにて第1BB入賞と第2BB入賞とが成立し得る構成とし、3ベットゲームでは第1BB及び第2BBのいずれにも当選もせず、更に3ベットゲームでは第1BB入賞と第2BB入賞とのいずれも成立しない構成としてもよい。なお、2ベットゲームと3ベットゲームとの関係が上記のものと逆であってもよい。
(35)第1BB状態と第2BB状態とでいずれも同じ抽選テーブルを用いて、同じ遊技ベースとなるようにしたが、異なる抽選テーブルを用いて、異なる純増枚数となるようにしてもよい。
(36)第1BB状態と、第2BB状態とを、いずれも3ベットゲームにて遊技する構成としたが、例えば、第1BB状態は3ベットゲームにて遊技し、第2BB状態は2ベットゲームにて遊技する、といったように、BB状態の種類によってベット数が異なる構成としてもよい。この場合、第1BB状態の各ゲームは特定規定数とは異なるベット数によるゲームとなり、第2BB状態の各ゲームは特定規定数のベット数によるゲームとなる。
(37)第1BB状態と、第2BB状態との遊技は、いずれも押し順報知用の処理や特定処理等の指示機能に関する実行が制限される構成としたが、例えば、第1BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が制限される一方、第2BB状態の遊技はこれらの指示機能に関する処理の実行が許容される、といったように、BB状態の種類によって制限の有無が異なる構成としてもよい。また、CB状態やSB状態、MB状態を設け、これらのうちのいずれか又は全部で、各指示機能に関する処理が制限される又は制限されない構成としてもよい。
(38)3ベットゲームでは第2BB入賞を成立させることができず、2ベットゲームでは第1BB入賞を成立させることができない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BB入賞しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BB入賞しにくい構成としてもよい。
(39)3ベットゲームでは第2BB当選とならず、2ベットゲームでは第1BB当選とならない構成としたが、3ベットゲームでは2ベットゲームよりも第2BBに当選しにくい構成としてもよく、2ベットゲームでは3ベットゲームよりも第1BBに当選しにくい構成としてもよい。
(40)1ベットを設定可能な操作部を設けてもよい。この場合、当該操作部を操作した回数に応じてベット数を異ならせることが可能な構成としてもよい。具体的には、当該操作部を1回操作した場合には1ベットとなり、2回操作した場合には2ベットとなり、3回操作した場合には3ベットとなる構成としてもよい。更に、4回操作した場合には1ベットとなり、5回操作した場合には2ベットとなる、といったように、所望のベット数を通り越してしまった場合でも、再操作によって所望のベット数に設定可能な構成とするとよい。
(41)CZモードの上限ゲーム数を、一律で10ゲームとしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。また、準備モードの上限ゲーム数を、一律で40ゲームととしたが、そのゲーム数を抽選等により決定する構成としてもよい。
(42)第1BB状態や第2BB状態の1ゲーム当たりのメダルの純増枚数を約プラス0.00枚として、第1BB状態や第2BB状態ではメダルが増えもせず、減りもしない構成としたが、メダルが増加し得る構成としてもよいし、メダルが減少し得る構成としてもよい。この場合、第1BB状態や第2BB状態での純増枚数が、少なくとも内部状態や非内部状態を3ベットゲームにて遊技した場合の純増枚数よりも多い純増枚数数であればよい。
(43)遊技者が、内部状態や非内部状態を3ベットゲームではなく2ベットゲームにて遊技したり、第1BB入賞や第2BB入賞を成立させることで、指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としたが、遊技機側で、例えば、所定ゲーム数の消化によって指示機能に関する各処理の実行が許容される状態から制限される状態に移行する構成としてもよい。
(44)各設定値によって出玉率が変化する構成とし、設定1が最も出玉率が低く、設定6が最も出玉率が高くなる構成としたが、設定値によって出玉(遊技媒体)の増減率や増減態様が変化する構成であればよい。例えば、設定1と設定2との出玉率が同じであるなど、一部の設定値の出玉率が同じであって、他の設定値の出玉率が異なる構成としてもよい。また、設定1,3,5は出玉の増減率が高く、設定2,4,6は出玉の増減率が低い構成としてもよい。また、設定1,5は短時間で出玉が所定量増加し長時間で出玉が所定量減少し、設定2,3,4は所定量の増加に設定1,5よりも長時間要するとともに所定量の減少に設定1,5よりも短時間で済み、設定6は出玉の増減がほとんど発生しない構成としてもよい。これらの場合、各設定値の出玉率は同じであってもよい。
(45)リール及びそれに対応するストップスイッチを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリール及びそれに対応するストップスイッチを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。リールの停止操作における誤操作を抑制するという観点からすると、リール及びそれに対応するストップスイッチは少なくとも2つあればよい。また、ベット数が3である状況で有効ラインが1ラインに設定されるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えば、有効ラインは5ラインであってもよい。
(46)スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機(所謂、球使用回胴式遊技機)としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
(47)上記実施形態では遊技媒体としてのメダルを投入することベット数を設定して遊技が開始可能となり、当該遊技の入賞に対応する特典として所定数のメダルが払い出されるタイプの遊技機について例示したが、メダルを使用しないメダルレスタイプの遊技機を否定するものではない。このようなメダルレスタイプの遊技機においては、例えば、仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を用いてゲームのベット数を設定して遊技を開始可能とし、当該遊技の入賞に対応する特典として上記所定数のメダルに応じた仮想遊技媒体(所定の遊技価値)を付与する構成とするとよい。この場合、当該仮想遊技媒体数を所定の表示部にて表示する構成としてもよいし、当該仮想遊技媒体数に対応する情報を本遊技機外部に出力する構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機においては、遊技球の払い出しが行われるタイプのパチンコ機だけでなく、遊技機外部に遊技球が排出されない封入タイプのパチンコ機であってもよい。このような封入タイプのパチンコ機においては、例えば賞球数を示す情報を報知する構成とするとよい。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される特徴的な構成について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
予め定められた判定契機に基づいて、遊技者にとって有利な有利状態(ATモード)へ移行させることを可能とする移行判定を実行する移行判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記有利状態へ移行させることが可能な移行結果(ATモード移行当選)であって、前記抽選手段による抽選結果が予め定められた移行対応結果(通常リプA〜C)である場合に前記有利状態へ移行させる第1有利移行手段(主制御装置101による第2,第3再遊技入賞に基づきATモード開始用の処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果であって、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とは異なる結果である場合に、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御する特定手段(主制御装置101による回転演出処理において第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する機能)と、
前記特定動作が行われる場合に、前記有利状態へ移行させる第2有利移行手段(主制御装置101による回転演出を伴いATモード開始用の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、遊技者にとって有利な有利状態への移行判定の結果が移行結果である場合に、遊技の抽選結果が移行対応結果であれば有利状態へ移行するため、移行判定の結果が移行結果となることと、遊技の抽選結果が移行対応結果と、がセットとなることで有利状態へ移行するようになる。このようにすることで、移行判定の結果が移行結果となることなく有利状態へ移行してしまう事象を生じさせないようにすることができるし、移行結果となっただけでは有利状態へ移行しないようになるため、各遊技の抽選の結果への関心の低下を回避しながら有利状態へ移行することを楽しみにさせることが可能となる。
その一方で、上記のように、移行結果となっても遊技の抽選結果が移行対応結果となるまで有利状態への移行が生じないようにすると、移行対応結果の当選確率等によっては、移行結果となった後、延々と有利状態への移行が待機される可能性があり、遊技の中だるみの要因となり得る。かといって、自動的に有利状態へ移行させてしまうと、せっかく抽選結果とセットで有利状態への移行が生じるようにした意義が消失してしまう。
そこで、移行結果となった場合において遊技の抽選結果が移行対応結果とならなかった場合には、周回体を用いた演出動作制御である特定動作を実行して有利状態へ移行させるようにしたことで、各周回体の停止出目等によって特典が付与されることになる、というスロットマシンの遊技を模した態様で有利状態への移行を生じさせることが可能となり、遊技の抽選の結果への関心の低下を回避しながら、上記のような有利状態へなかなか移行しないことの不都合を好適に解消することが可能となる。
なお、上記構成は、抽選手段の結果が移行対応結果である場合において特定動作が実行されることを否定するものではない。その点を明確にするために、例えば、上記の「特定手段」を、「前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果であって、前記抽選手段による抽選結果に関わらず、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御する特定手段(主制御装置101による回転演出処理において第1回転演出や第2回転演出を行うための処理を実行する機能)」と表現してもよい。
また、「前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作」について、「前記通常動作の開始又は進行が制限される特定動作」と表現してもよく、かかる表現の変更は他の特徴や他の特徴群についても同様である。
特徴A2.前記特定手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった後、予め定められた特定数の遊技にて前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とならなかった場合に、前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能であることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の結果が移行対応結果となることに基づいて有利状態へ移行させることが優先され、特定数の遊技を行っても移行対応結果とならなかった場合に特定動作が行われて有利状態へ移行させる構成となる。このように、移行対応結果にて有利状態へ移行させることを優先するようにすれば、遊技の抽選の結果への関心を低下させることなく、移行対応結果とならない場合の不都合を解消することが可能となる。
特徴A3.前記抽選手段は、各遊技で所定数分の1の確率にて前記移行対応結果となるように前記抽選を実行し、
前記特定数は前記所定数よりも大きい数として設定されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果となる確率の分母よりも大きい数の遊技数に亘って移行対応結果とならなければ、特定動作が行われて有利状態へ移行するようになる。このようにすることで、基本的には移行対応結果当選で有利状態へ移行させることを前提とする遊技であって、特定動作を介して有利状態へ移行することがあくまで補助的な役割であることが明確化される。よって、各遊技の抽選結果が移行対応結果となることへの期待感を低下させないようにすることができる。
特徴A4.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技結果入賞となる出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行させる場合は、当該移行対応結果となった遊技において当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せが有効位置に停止した場合に、当該有利状態への移行が生じるようになる。言い換えると、移行対応結果となっても、移行用の絵柄組合せが停止しなければ有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態へ移行させるためには、遊技の結果が移行対応結果となるだけでは足りず、停止操作手段の操作を駆使して移行対応結果の入賞を成立させる、といったように、有利状態への移行に遊技者の介入が必要な構成となり、かかる遊技者の介入の必要性を通じて、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴A5.前記特定手段は、前記特定動作として、前記移行用の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に存在する特定状況を生じさせるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行する場合と、特定動作が行われて有利状態へ移行する場合とで、表示部を介して視認可能となる停止出目が共通なものとなる。よって、両有利状態への移行を似せることによる効果を高めることが可能となる。
特徴A6.前記特定手段は、前記特定状況において前記移行用の絵柄組合せが前記特定位置に停止又は仮停止するように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に移行用の絵柄組合せが特定位置に存在するだけでなく、移行用の絵柄組合せが特定位置に仮停止するため、移行対応結果が入賞することで有利状態へ移行する場合と、停止出目が共通なものとなり、両移行を似せる効果が高められる。
なお、上記の「停止」とは、周回体の周回が終了して当該周回体が動作しない状態を意味し、「仮停止」とは、周回体の周回は終了しているもののその周回が終了した位置にて小刻みに振動したり、揺れ動いたり、動作する状態を含み、完全に動作しない状態とは異なる状態を意味する。この点は、当該「停止」や「仮停止」を用いて表現する他の特徴についても同様である。
特徴A7.前記特定手段は、特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に少なくとも所定期間に亘って停止又は仮停止している特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが特定位置に所定期間に亘って停止している特況が生じて有利状態へ移行するため、移行対応結果の入賞に基づき有利状態へ移行する場合の状況と似せる効果を高めることができる。
なお、上記構成を特徴A5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴A8.前記通常動作が開始された後、次の前記通常動作が開始されるまでに予め定められた特定期間が経過していない場合、当該次の通常動作の開始を待機させる手段(主制御装置101による回転開始処理においてウェイトを設定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段は、前記特定動作を前記通常動作の前に実行するものであり、
前記所定期間が設定されることにより、前記特定動作が開始された後、前記通常動作が開始されるまでの期間が前記特定期間以上の長さとなることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が行われて有利状態への移行が生じる場合の特定の絵柄組合せが停止し、その状態が所定期間に亘って維持されることにより、特定動作が開始されてから次に通常動作が開始されるまでの期間が、移行対応結果入賞が生じて有利状態への移行が生じる場合の次のゲームの回転開始までの期間以上の期間となる。このようにすることで、特定動作を通常動作に似せる効果を高めることができるし、移行対応結果入賞が生じた場合に実行する演出を、特定動作にて特定の絵柄組合せを停止させた状態でも容易に流用することが可能となる。
特徴A9.前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段が操作された場合に対応する前記周回体を停止又は仮停止させることで、前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第1停止手段(主制御装置101による回転演出中にストップスイッチ42〜44の操作に基づき対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常動作と同様に、特定動作においても停止操作手段の操作に基づいて周回体が停止又は仮停止するようになる。このようにすることで、移行対応結果入賞で有利状態へ移行する場合と似せる効果が劇的に高められ、移行対応結果に当選しなくても、自らの操作によって有利状態を勝ち取った満足感を提供することが可能となる。
なお、上記構成を特徴A5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴A10.前記特定手段は、前記特定動作を開始してから予め定められた期間が経過した場合には、前記停止操作手段が操作されていなくても前記周回体を停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第2停止手段(主制御装置101による回転演出中に時間経過でストップスイッチ42〜44の操作に関わらず対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作においても停止操作手段の操作に基づき特定の絵柄組合せを停止させる構成において、停止操作手段の操作が行われなかった場合には時間の経過によって停止させるようにしたため、いつまでも停止しないといった事象が生じないようになるし、特定動作において停止操作手段を操作したくない遊技者に対して、その操作を強要せず、遊技者の意思を尊重することが可能な遊技機とすることができる。
なお、上記構成は、以下のように限定してもよい。
「前記特定手段は、前記特定動作を開始してから予め定められた期間が経過した場合には、前記停止操作手段が操作されていなくても停止していない周回体を全て停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第2停止手段(主制御装置101による回転演出中に時間経過でストップスイッチ42〜44の操作に関わらず対応するリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機」。
このようにすることで、時間の経過で全ての周回体が停止することになり、特定動作による有利状態への移行をスムーズに実現することが可能となる。
特徴A11.前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段とは異なる所定の操作手段(第1クレジット投入スイッチ56)が操作された場合、前記停止操作手段が操作されていなくても対応する前記周回体を停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第3停止手段(主制御装置101による回転演出中に第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作においても停止操作手段の操作に基づき特定の絵柄組合せを停止させる構成において、停止操作手段とは異なる所定の操作手段の操作が行われた場合には停止操作手段が操作されていなくても周回体を停止させるようにしたため、いつまでも停止しないといった事象が生じないようになるし、特定動作において停止操作手段を操作したくない遊技者に対して、その操作を強要せず、遊技者の意思を尊重することが可能な遊技機とすることができる。
なお、上記構成は、以下のように限定してもよい。
「前記特定手段は、前記特定動作において、前記停止操作手段とは異なる所定の操作手段が操作された場合、停止していない周回体を全て停止させることで、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止する特定状況が生じるように前記特定駆動制御手段を制御可能な第3停止手段(主制御装置101による回転演出中に第1クレジット投入スイッチ56の操作に基づいてリールの停止制御を行う処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A9又は特徴A10に記載の遊技機」。
このようにすることで、複数存在する周回体に対応する停止操作手段をそれぞれ操作して停止させるよりも、所定の操作手段を操作したほうが操作回数が少なくなり易く、特定動作における停止操作手段の操作を億劫に感じる遊技者であっても容易に特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる。
特徴A12.前記特定手段が前記特定動作において前記周回体を停止又は仮停止させたのにもかかわらず、前記特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に停止又は仮停止していない場合、当停止又は仮停止していないことに対応する特定処理を実行可能な特定処理実行手段(主制御装置101によるステップS3214〜ステップS3228、表示制御装置81によるステップS3301〜ステップS3306の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せを停止又は仮停止させる特定動作において、周回体が停止又は仮停止しているのにも関わらず特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していない場合には、それをエラー等として対応する特定処理が行われるため、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していないことに対して適切に対処することが可能となる。
なお、上記構成を特徴A5に適用するならば、「特定の絵柄組合せ」を「移行用の絵柄組合せ」と限定するとよい。
特徴A13.前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる遊技を特定遊技とし、
前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップS2302等の通常リプA〜C当選である場合に回転演出の実行を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技と、第2有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技とが重複した場合には、第1有利移行手段による移行が優先される構成となる。このように、遊技の抽選結果が移行対象結果となって有利状態へ移行することに期待させる遊技を前提とし、特定動作を介する有利状態への移行を補助的な役割とすることで、遊技の抽選結果への関心が薄れてしまってスロットマシンの醍醐味が抹殺されてしまうことを回避することができる。
特徴A14.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる遊技を特定遊技とし、
前記特定遊技における前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限することが可能な制限手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップS2302等の通常リプA〜C当選である場合に回転演出の実行を制限する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果にて有利状態へ移行させる場合は、当該移行対応結果となった遊技において当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せが有効位置に停止した場合に、当該有利状態への移行が生じるようになる。言い換えると、移行対応結果となっても、移行用の絵柄組合せが停止しなければ有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態へ移行させるためには、遊技の結果が移行対応結果となるだけでは足りず、停止操作手段の操作を駆使して移行対応結果の入賞を成立させる、といったように、有利状態への移行に遊技者の介入が必要な構成となる。
しかも、第1有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技と、第2有利移行手段により有利状態へ移行させることが可能な遊技とが重複した場合には、第1有利移行手段による移行が優先されるため、遊技の抽選結果が移行対応結果となって当該移行対応結果の入賞を成立させることで有利状態へ移行することに期待させる遊技を前提とし、特定動作を介して有利状態への移行を生じさせることが可能な遊技であっても、遊技者の操作により有利状態へ移行させる機会が奪われないようになる。よって、遊技者の操作により有利状態へ移行させる楽しみを好適に担保することが可能となる。
特徴A15.前記特定遊技において、前記制限手段により前記特定動作の実行が制限され、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合、前記有利状態へ移行させることが可能な第3有利移行手段(主制御装置101による回転演出処理におけるステップS2302等の通常リプA〜C当選である場合に回転演出の実行を制限する一方で、前ゲームでATモード当選フラグをクリアしたままとする機能)を備えていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において第2有利移行手段よりも第1有利移行手段が優先された場合において、移行用の絵柄組合せを停止させることができなくても、有利状態への移行は生じることになる。このようにすることで、例えば、移行対応結果当選が連続して発生したような場合において、移行対応結果入賞を成立させることができない遊技者であるのにもかかわらず、いつまでも移行対応結果入賞を狙わせることを強要しないようにすることができ、延々と有利状態が開始されない、といった事象を生じさせないようにすることができる。
特徴A16.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合に、当該遊技の次の遊技を、前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる特定遊技として設定する設定手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果当選となったゲームにてATモード開始用の結果入賞が成立しなかった場合に次ゲームで回転演出を実行するようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行対応結果に当選したのにも関わらず、移行対応結果入賞を成立させることができなければ、次のゲームにて特定動作を伴って有利状態への移行が生じることになる。このようにすることで、移行対応結果入賞を成立させることができずに、いつまでも有利状態へ移行させることができない、といった不都合を生じさせないようにすることが可能となる。
特徴A17.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記特定手段は、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果となった後、予め定められた特定数の遊技にて前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果とならなかった場合の次回の遊技を第1特定遊技(準備モード後のゲーム)とし、当該第1特定遊技にて前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能な第1特定手段(主制御装置101によるAT準備カウンタが0となることにより回転演出を行うようにする処理を実行する機能)と、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せが停止しなかった場合に、当該遊技の次の遊技を、前記特定手段による前記特定動作の実行対象となる第2特定遊技(ATモード開始用の結果当選後のゲーム)とし、当該第2特定遊技にて前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段の駆動制御を実行可能な第2特定手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果に非入賞となったことに基づき回転演出を行うようにする処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第1特定遊技おける前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を制限する一方、前記第2特定遊技おける前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記特定動作の実行を許容する手段(主制御装置101による回転演出処理における準備モードの最終ゲームが通常リプA〜C当選である場合に回転演出の実行を制限する一方、準備モードにおいて通常リプA〜C当選となり当該ゲームで第2再遊技や第3再遊技入賞が成立しなかった場合の次ゲームが通常リプA〜C当選であった場合は回転演出が行われるようにする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となって有利状態へ移行させることが可能な状態となってから、特定数の遊技が消化されるまでに移行対応結果入賞が成立すれば有利状態へ移行し、特定数の遊技が消化されるまでに移行対応結果当選とならなければ特定動作を伴って有利状態へ移行することを前提とし、移行対応結果当選となったのにもかかわらず移行対応結果入賞が成立しなかった場合には次のゲームで特定動作を伴って有利状態へ移行する構成としたうえで、これら移行対応結果入賞が成立しなかったゲームの次のゲームや、特定数の遊技が消化された後のゲームといったように特定動作の実行対象となるゲームの抽選結果が移行対応結果となった場合、特定数の遊技が消化された後のゲームでは特定動作の実行が制限されて移行対応結果入賞を成立させる機会が与えられる一方で、移行対応結果入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームでは特定動作の実行は制限されない。これは、移行対応結果入賞を成立させることができなかったゲームの次のゲームにおいては、既に移行対応結果入賞を成立させる機会は付与されているのに対して、特定数の遊技が消化された後のゲームでは、移行対応結果入賞を成立させる機会は付与されていないことの差によるものである。つまり、このようにすることで、移行対応結果入賞を成立させる機会を付与しながらも、その機会を過剰に付与してしまうことを特定動作によって解消することが可能となる。
特徴A18.前記移行判定の結果が前記移行結果となってから、前記有利状態が開始されるまでの遊技数が多いほど、遊技者にとって有利となり易い構成であることを特徴とする特徴A1乃至A17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となり有利状態への移行を生じさせることが可能な状況となった後、移行対応結果となって有利状態へ移行させることを心待ちにさせながらも、有利状態へ移行するまでのゲーム数が多いほど有利となるため、移行対応結果とならないことを遊技者は望むようになる。そのうえで、特定動作を伴って有利状態へ移行する場合もあるようにしていることから、移行対応結果当選となるまでのゲーム数に上限を設けたりすることも可能となり、有利状態へ移行するまでのゲームが過剰に有利となり過ぎることを抑制することができる。
特徴A19.前記第1有利移行手段は、前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であり、前記有効位置に当該移行対応結果に対応する移行用の絵柄組合せ(第2,第3再遊技入賞に対応する出目)が停止した場合に前記有利状態へ移行させるものであり、
前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果である場合、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せを停止させて前記有利状態への移行が生じるようにする一方、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には、前記有効位置に前記移行用の絵柄組合せを停止させずに前記有利状態への移行が生じないようにする手段(主制御装置101によるステップS4113の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A18のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、移行結果となってから移行対応結果となっても第1の操作態様ではなく第2の操作態様にて操作することで有利状態への移行を遅延させることができる。このようにすることで、遊技者の好みのタイミングで有利状態を開始させることが可能となるし、特徴A18のように有利状態へ移行するまでの遊技数が多いほど遊技者にとって有利となるような構成に適用することで、有利状態への移行を遅延させることで有利となるといった、斬新な遊技性を実現することが可能となる。
特徴A20.前記移行判定手段による移行判定の結果が前記移行結果である状況において、前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であって、前記停止操作手段が前記第2の操作態様のうちの所定操作態様(2コマ滑り以上となる操作)にて操作された場合、当該移行対応結果となった遊技の次の遊技にて前記特定手段にて前記特定動作が行われるようにして前記有利状態へ移行させる一方、前記停止操作手段が前記第2の操作態様のうちの特定操作態様(1マ滑り以下となる操作)にて操作された場合、当該移行対応結果となった遊技の次の遊技にて前記特定手段にて前記特定動作が行われないようにして前記有利状態へ移行させないようにする手段(主制御装置101によるステップS4112の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A19に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2の操作態様にて移行用の絵柄組合せが停止させないようにして有利状態への移行を回避したとしても、第2の操作態様のうちの所定操作態様である場合には次のゲームで特定動作が発生して有利状態への移行が生じ、特定操作態様であれば特定動作が発生して有利状態への移行が生じない。このようにすることで、有利状態への移行を遅延させたい遊技者としては、第2の操作態様を行った後、特定動作が行われないことを願いながら次のゲームを消化するようになり、遊技の面白みを向上させることが可能となる。
特徴A21.前記抽選手段による抽選結果が前記移行対応結果であって、前記停止操作手段が前記所定操作態様にて操作された場合には所定の絵柄組合せが前記有効位置に停止し、前記停止操作手段が前記特定操作態様にて操作された場合には前記所定の絵柄組合せが前記有効位置に停止することを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
上記構成によれば、第2の操作態様のうち所定操作態様にて操作した場合と特定操作態様にて操作した場合とで、有効位置に停止する停止出目が共通なものとなる。そうすると、次のゲームにて特定動作が行われるか否かをもって、いずれの操作態様にて操作されたかの答え合わせを行うことが可能な構成となり、当該次ゲームにて特定動作が行われるか否かへの注目度を劇的に高めることが可能となる。
特徴A22.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作が行われるよりも前に前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴A1乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の開始時に実行される構成となり、特定動作が行われることを期待しながら、又は行われないことを期待しながら、始動操作手段を操作することになり、始動操作手段の操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴A23.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作が行われた後で前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の終了時に実行される構成となり、特定動作が行われることを期待しながら、又は行われないことを期待しながら、停止操作手段を操作することになり、停止操作手段の操作に力が入る面白みのある遊技性を実現することができる。
特徴A24.前記特定手段は、一の遊技において、前記通常動作と前記通常動作との間で前記特定動作が行われるように前記特定駆動制御手段を制御可能であることを特徴とする特徴A1乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は一の遊技の途中で実行される構成となり、特定動作が行われるタイミングが任意なものとなるし、特定動作と通常動作との境目がわかりにくくなり、一の遊技の遊技性を大幅に向上させることが可能となる。
特徴A25.前記特定手段は、前記特定動作を行う遊技において、前記通常動作として第1の周回体が停止した後、当該第1の周回体の停止出目を利用して、当該第1の周回体とは異なる周回体であって停止前の第2の周回体による前記特定動作を行うことが可能であることを特徴とする特徴A24に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が遊技の途中で行われる構成において、実際に通常動作にて停止させた停止出目が特定動作に利用されることから、特定動作を演出上の動作の印象を与えにくくすることができ、特定動作にて有利状態へ移行させることにより与える満足感を高めることが可能となる。
なお、上記特徴A1乃至A25に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴A1乃至A25の各構成に対して、特徴A1乃至A25、特徴B1乃至B22、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴B群>
特徴B1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御として、前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、「特定位置」を「有効位置」とすることで、特定動作を通常動作と似せる行為を高めることが可能である。この点は、「特定位置」と「有効位置」との表現が併存する他の特徴についても同様である。
特徴B2.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた前記特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典を付与可能となる構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
上記構成によれば、有効位置に特定の絵柄組合せが有効位置に停止することで特定結果の入賞が成立することを前提としたうえで、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われるため、特定動作をあたかも特定結果に基づく通常動作である印象を与えることが可能となる。そして、これら特定結果当選時に第1特定情報が出力され、更に特定動作が行われる場合にも第1特定情報や第2特定情報が出力されるため、データ表示器等の更新も含めて、特定結果入賞として特定の絵柄組合せが停止しているのか、それとも特定動作として特定の絵柄組合せが特定位置に存在しているのかの見分けがつきにくくなる。このようにすることで、特定動作を利用した遊技性をより好適に向上させることが可能となる。
特徴B3.前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定の絵柄組合せが前記特定位置に存在する前記特定状況が生じた場合に、前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが有効位置に停止して特定結果入賞が成立した場合に第1特定情報が出力されることを前提とし、特定動作においても、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じた場合に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技進行に合わせて第1特定情報の出力が行われる通常動作と、周回体を用いた演出動作制御である特定動作との見分けがつきにくくなり、特定動作を利用する特徴B1の効果をより好適に向上させることが可能である。
特徴B4.前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合、当該遊技の次の遊技にて前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在しない状況となる場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが有効位置に停止して特定結果入賞が成立した場合に、当該遊技の次の遊技において第1特定情報が出力されることを前提とし、特定動作においても、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じた後、特定の絵柄組合せが特定位置に存在しない状況となる場合に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技進行に合わせて第1特定情報の出力が行われる通常動作と、周回体を用いた演出動作制御である特定動作との見分けがつきにくくなり、特定動作を利用する特徴B1の効果をより好適に向上させることが可能である。
特徴B5.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せを停止又は仮停止させることで前記特定状況を生じさせることが可能であって、当該特定状況を生じさせた後、各前記周回体が周回するように制御可能であり、
前記第1特定情報出力手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である遊技において前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合、当該遊技の次の遊技にて各前記周回体の周回が開始される場合に前記第1特定情報を出力するようにし、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、各前記周回体の周回が開始される場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するようにすることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
上記構成は、特徴B4の具体的構成であり、このように通常動作と特定動作とにおいて特定の絵柄組合せが停止等した後、周回体の周回が開始されるタイミングで第1特定情報等の出力が行われるようにすることで、両動作の見分けをつきにくくさせる効果をより向上させることが可能である。
特徴B6.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能な第1設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御手段による特定動作が行われている最中に第1特定情報等を出力するための設定処理を行う必要が生じず、複数の処理の実行が重複することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特徴B7.前記第1設定手段は、前記特定駆動制御手段による前記特定動作において前記周回体の周回が開始されるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能であることを特徴B6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体の周回が行われることを含む動作であることを前提とし、当該特定動作において周回体の周回が開始されるよりも前に、第1特定情報等の出力用の設定処理が実行される。このようにすることで、周回体の駆動制御用の処理と、特定情報出力用の処理とが重複しないようになり、処理の分散化を図ることができる。
特徴B8.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことの設定処理を実行可能な第2設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定駆動制御手段による特定動作が行われている最中に第1特定情報等を出力するための設定処理を行う必要が生じず、複数の処理の実行が重複することによる処理負荷の増大化を好適に回避することができる。
特に本構成では、特定動作が行われるゲームよりも前のゲームにて第1特定情報等の出力を行うことの設定を行う構成となるため、特定動作用の処理との重複は一切生じないようになり、上記の処理負荷の増大化を回避する効果を高めることができる。
特徴B9.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う出力状態の設定処理を実行可能な第2設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)と、
前記出力状態に設定されている状況における前記対象遊技にて、前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングの設定処理を実行可能な第1設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、対象遊技よりも前の特定遊技にて出力状態に設定され、当該出力状態の対象遊技において特定動作が行われるよりも前に第1特定情報等の出力を行うタイミングが設定される。このように、第1特定情報等の出力を複数の処理にて分担して設定する構成としたうえで、いずれの処理についても第1特定情報等を出力するよりも前のタイミングに完了するようにしたことで、処理負荷の増大化を好適に抑制することが可能となる。
特徴B10.前記第1設定手段は、前記出力状態に設定されている状況における前記対象遊技にて、前記特定駆動制御手段による前記特定動作において前記周回体の周回が開始されるよりも前に、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングの設定処理を実行可能であることを特徴B9に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作は周回体の周回が行われることを含む動作であることを前提とし、当該特定動作において周回体の周回が開始されるよりも前に、第1特定情報等を出力するタイミングの設定処理が実行される。このようにすることで、周回体の駆動制御用の処理と、特定情報出力用の処理とが重複しないようになり、処理の分散化を図ることができる。
特徴B11.前記第1設定手段は、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力が行われるまでの特定期間(予約出力カウンタ)を設定する処理を実行可能な構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、前記第1設定手段による前記特定期間の設定が行われた後、当該特定期間が経過した場合に前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う構成であることを特徴とする特徴B9又は特徴B10に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段は、第1特定情報等を出力するタイミングを設定する処理として、出力までの特定期間を設定し、その特定期間が経過することで第1特定情報等が出力される構成となる。このようにすることで、比較的簡素な構成にて、第1特定情報等の出力を事前に設定する構成を実現することが可能となる。
特徴B12.前記特定駆動制御手段による前記特定動作が行われる対象遊技よりも前の特定遊技にて、前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うことを設定可能な第2特定設定手段(主制御装置101による予約状態に設定する処理を実行する機能)を備え、
前記特定駆動制御手段は、前記特定遊技よりも後の遊技であって、前記対象遊技よりも前の前遊技にて、前記特定動作を実行する場合がある構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、当該前遊技にて前記特定動作が行われた場合にも前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力する構成であることを特徴とする特徴B1乃至B11のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成のように、第1特定情報等の出力を行うことを設定する特定遊技よりも後の遊技であって、もともと特定動作を行うはずであった対象遊技よりも前の前遊技にて特定動作が行われる場合があるような構成であっても、特定動作に対応させて第1特定情報等の出力が行われる。このような第1特定情報等の出力をすべき状況が予定よりも早まる可能性がある構成においては、事前の遊技にて第1特定情報等の出力を行うことの設定を済ませておく必要性が高く、かかる構成に特徴B1の構成を適用することにより、特徴B1の優れた効果をより好適に期待することが可能となる。
特徴B13.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記第2特定情報出力手段により前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行うタイミングを設定可能な設定手段(主制御装置101による外部出力設定第1処理を実行する機能)を備え、
前記設定手段は、前記特定状況が生じるタイミングより所定期間後のタイミングにて前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するように設定することを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特定動作は、通常動作とは異なる遊技動作であるところ、周回体の駆動制御等を通常の駆動制御と異ならせる等、特殊な制御が必要になり得る。そのため、特定状況が生じるピッタリのタイミングで特定情報等の出力を行うように設定してしまうと、特定状況の発生タイミングと第1特定情報等の出力タイミングとがズレてしまう可能性があり、第1特定情報等の出力の方が特定状況の発生よりも先に生じると、せっかく演出によって特定状況を生じさせているのにもかかわらず第1特定情報等の出力により(データ表示器の更新により)、その特定状況が生じることが事前に察知されてしまう可能性がある。そこで、上記構成では、そもそも、特定状況が生じるタイミングよりも後のタイミングで第1特定情報が出力されるように設定しておくことで、特定状況が生じるよりも前に第1特定情報等が出力される可能性を低減することが可能となる。
特徴B14.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することで前記特定状況が生じる構成であることを特徴とする特徴B1乃至B13のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作によって特定の絵柄組合せが特定位置に停止又は仮停止し、この場合に、第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、特定結果当選となった遊技において特定の絵柄組合せが停止して特定結果入賞が成立する通常動作と同様の流れで、遊技機外部の装置に対して第1特定情報等の出力が行われるようになり、第1特定情報等が出力されることを通じて特定動作を遊技進行に必要な動作であることの印象等を強めることが可能となる。
特徴B15.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定駆動制御手段は、前記通常動作の前に前記特定動作を実行する構成であり、
前記第2特定情報出力手段は、前記特定状況が生じた後、前記通常動作が開始される場合に、前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力を行う構成であることを特徴とする特徴B1乃至B14のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定状況が生じた後、通常動作に移行する際に第1特定情報等の出力が行われる。このようにすることで、遊技者は、特定の絵柄組合せが特定位置に存在することの確認と、第1特定情報等が出力されること(データ表示器が更新されること)の確認と、を別々のタイミングで行うことが可能となり、当該第1特定情報等が出力されることの確認を行おうとするあまり、特定の絵柄組合せが特定位置に存在することを見逃してしまう、といった事象が生じにくくなる。
特徴B16.前記特典付与手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に予め定められた特定の絵柄組合せが停止した場合に当該特定結果に対応する特典が付与可能となる構成であり、
前記特定動作において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していることを判定する判定手段(主制御装置101による回転演出処理において第2再遊技や第3再遊技に対応する停止出目が仮停止していることの判定を行う処理を実行する機能)を備え、
前記第2特定情報出力手段は、前記判定手段による判定結果に基づいて前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力することが可能であることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、実際に特定の絵柄組合せが停止又は仮停止している場合に、第1特定情報等の出力が行われるようになるため、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止していないのにもかかわらず第1特定情報等が出力される、といった矛盾を生じさせないようにすることができる。
特徴B17.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするように駆動制御することを特徴とする特徴B1乃至B16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段を操作することで周回体を停止させることが可能な疑似遊技において、第1特定情報等の外部出力が行われる。このようにすることで、単に、周回体を演出として回転制御等するような構成と比較して、停止操作手段の操作を伴うことから通常の遊技に似せる効果を好適に高めることが可能となる。
なお、「疑似遊技」について、以下のように限定してもよく、当該「疑似遊技」の表現により限定される他の特徴についても同様である。
「前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段により当該所定結果に対応する特典が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果であって、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段による前記所定結果に対応する特典の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技」。
または、「前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記停止操作手段の操作に基づき、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段により当該所定結果に対応する特典が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記所定結果であって、前記停止操作手段の操作に基づき、前記有効位置に当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記特典付与手段による前記所定結果に対応する特典の付与が行われない又はその付与が制限される疑似遊技」。
特徴B18.前記第2特定情報出力手段は、前記特定動作の実行後に前記第1特定情報又は前記第2特定情報を出力するように、前記特定動作中に前記第1特定情報又は前記第2特定情報の出力設定を行うことを特徴とする特徴B1乃至B17のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作中に第1特定情報等の出力設定を行い、当該出力設定により、特定動作の実行後に第1特定情報等が出力されるようになる。このようにすることで、特定動作に基づいて遊技が進行している印象を強く与えることが可能となり、例えば、特徴B17のように特定動作にて疑似遊技を行うことによる演出効果を劇的に高めることが可能となる。
特徴B19.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応して、遊技機外部の装置に対して特定情報の出力設定を行う特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われて特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が生じる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
その反面、上記のような特定動作は、通常動作とは異なる演出上の動作である印象を与えやすく、速やかな遊技進行を望む遊技者には当該特定動作を煩わしく感じさせてしまう可能性もある。また、遊技ホールの管理者としては、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が、通常動作において抽選手段による抽選結果として生じているのか、それとも、特定動作において生じているのかの見分けがつきにくくなり、ゲームの抽選を経ることなく不正に利益を得ようとする不正行為を特定しにくくなる不都合も生じ得る。
そこで、上記構成においては、特定動作において特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況に対応して、遊技機外部に対して特定情報を出力可能な構成としていることから、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が特定情報に基づいてそのデータの表示の更新を行うことが可能となり、特定動作を通常動作と思わせる効果を高めることができるし、当該データの更新を通じて、特定動作が遊技の進行に必要な動作である印象を遊技者に与えることが可能となる。さらに、遊技機に接続されている遊技ホールのホールコンピュータでは、特定動作にて特定状況が生じたことを把握することができるようになり、上記の不正行為を特定し易くなる。以上の結果、上記の不都合を生じさせることなく、特定動作を用いて遊技の注目度を好適に高めることが可能となる。
なお、上記特徴B19に対して、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴B20.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技操作に応じて、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御として、前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定状況に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定の絵柄組合せが特定位置に存在する特定状況が生じるように特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴B20に対して、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴B21.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とならなかった場合、前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定結果当選とならなかった遊技において、特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴B21に対して、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
特徴B22.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する特典を付与することが可能な特典付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報を出力することが可能な第1特定情報出力手段(主制御装置101によるATモード開始用の結果入賞に基づいてAT用出力端子121dをON状態とする処理を実行する機能)を備え、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、前記特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作に対応させて、遊技機外部の装置に対して前記第1特定情報又はそれとは異なる第2特定情報を出力することが可能な第2特定情報出力手段(主制御装置101によるタイマ管理処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与されることを通常動作とする所謂スロットマシンの遊技機において、周回体を用いた演出動作制御である特定動作が行われる場合があるようにしているため、周回体の動作を利用した演出を遊技性の向上に役立てることができる。
しかも、抽選の結果が特定結果当選となった場合、遊技機外部の装置に対して第1特定情報が出力される場合があることを前提としながら、特定動作が行われる場合にも遊技機外部の装置に対して第1特定情報や第2特定情報の出力が行われる場合がるようにしていることから、例えば通常動作に似せて特定動作を行う場合、周回体の動作を似せるだけにとどまらず、遊技機外部の装置に対する情報出力の面からも当該似せる効果を得ることが可能となる。この場合、例えば、遊技機に接続されているデータ表示器が第1特定情報等に基づいてそのデータの表示の更新を行う等の構成においては、当該データ表示器が更新されることを通じて遊技者は情報出力が行われたことを把握可能である。このようにすることで、特定動作を用いた遊技の興趣向上の効果を高めることが可能となる。
なお、上記特徴B22に対して、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成を適用してもよく、特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の一部を適用してもよく、これら特徴B1乃至B18のいずれか1にて限定した各構成の全部又は一部を組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴B1乃至B22に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴B1乃至B22の各構成に対して、特徴A1乃至A25、特徴B1乃至B22、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴C群>
特徴C1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せ(第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる停止出目)を停止させることが可能な特定結果(例えば、通常リプA〜C)であった場合、特定特典(ATモード)を付与することが可能な特定特典手段(主制御装置101によるATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段により前記特定動作が行われることを制限可能な特定手段(主制御装置101による回転演出処理において通常リプA〜C当選である場合に回転演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の抽選結果が特定結果である場合は、特定の絵柄組合せが停止して対応する特定特典が付与される構成とし、更に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況は、周回体を用いた演出動作制御としての特定動作においても発生し得るようにしたため、遊技の結果が特定結果当選とならなくても、特定の絵柄組合せを自由に表示させることが可能となり、特定特典を付与するタイミングの自由度を大幅に向上させることができ、例えば、特定特典を付与したいのにもかかわらず、なかなか特定結果当選とならないことによって特定特典を付与できない、といった不都合を解消することができる。
そのうえで、特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる遊技と、特定動作の実行対象となる遊技とが重複した場合には、特定動作ではなく、通常動作にて特定の絵柄組合せを停止させることを優先するように、特定動作の実行を制限する特定手段を備えるようにしたため、遊技者が自らの操作によって周回体を停止させて特典を獲得する、といったスロットマシンの醍醐味を抹殺しないようにしながら、上記の特定動作による自由なタイミングで特定特典を付与可能となるといった優れた効果を期待することができる。
特徴C2.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段(主制御装置101による各種開始時フリーズフラグやAT準備カウンタをセットする処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
上記構成によれば、先設定手段により特定遊技にて特定動作を行うことの設定が行われた後、当該特定遊技の抽選結果が特定結果ではなければ特定動作が実行され、特定遊技の抽選結果が特定結果であると特定動作の実行が制限されることになる。このようにすることで、特定動作を実行する遊技を事前に設定して処理の分散化を図りながらも、当該遊技にて特定の絵柄組合せが何度も停止してしまう不都合を解消することが可能となる。
特徴C3.予め定められた有利状態へ移行させることの有利判定を実行する有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利状態へ移行可能とする有利結果である場合、前記有利状態へ移行可能とする移行前状態(準備モード、CZモード)に設定する移行前状態設定手段(主制御装置101による準備モードやCZモードに設定する処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特定特典手段は、前記移行前状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記特定特典として前記有利状態へ移行させる構成であり、
前記特定駆動制御手段による前記特定状況が生じた場合に、前記有利状態へ移行させる第2特定特典手段(主制御装置101による回転演出を行う際にATモード開始用の処理を実行する機能)を備え、
前記先設定手段は、前記移行前状態設定手段により前記移行前状態の設定が行われる場合、当該設定が行われる遊技よりも後の遊技である前記特定遊技にて前記特定動作が行われるように設定することを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
上記構成のようにすることで、有利状態へ移行することが可能な移行前状態となり、当該移行前状態にて特定結果となると特定の絵柄組合せが停止可能となって有利状態への移行が生じ、また、移行前状態において特定遊技にて特定動作が行われても有利状態への移行が生じることになる。このように、特定遊技となる事象と、特定結果となる事象とのいずれかで有利状態への移行が生じる構成を前提とし、両事象が重複した場合に、特定結果側を優先する構成とすれば、両事象によって特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう事象を回避することができるだけでなく、有利状態の移行用の処理についても重複して実施されてしまう不都合も回避することができる。
特徴C4.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技における抽選結果が特定結果である場合、一律で特定動作の実行が制限されるわけではなく、特定条件が成立している場合には、特定結果当選であっても特定動作の実行が許容されるようになる。このような構成とすることで、特定動作の実行の自由度を大幅に向上させることが可能となる。
特徴C5.前記特定遊技よりも前の遊技であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せを停止させることができなかった場合に前記特定条件が成立することを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特定遊技よりも前の遊技において、特定結果であるのにもかかわらず特定の絵柄組合せを停止させることができなかった遊技者は、自らの操作で特定の絵柄組合せを停止させるよりも特定動作によって特定の絵柄組合せが停止等してくれた方が好ましく感じるものと考えられる。そこで、上記のように、特定結果当選時に特定の絵柄組合せを停止させることができなかったことを一の条件として、特定遊技において特定結果となっても特定動作の実行を許容する構成とすることで、遊技者の更なる操作を強要することなく、遊技者の熟練度等にあわせた柔軟な遊技性を提供することが可能となる。
特徴C6.前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段(主制御装置101による各種開始時フリーズフラグやをセットする処理を実行する機能)を備え、
前記先設定手段は、前記所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止しなかった場合に前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行うことを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
上記構成は、特徴C5の具体的構成であり、上記構成のようにすることで、特定の絵柄組合せを停止させることができない遊技者であることを判断したうえで、特定動作を実行する構成とすることが可能となる。よって、遊技者の操作によって周回体を停止させて特典を付与するスロットマシンの醍醐味を活かしながら、その操作が未熟な遊技者を特定動作によって的確にフォローすることが可能となる。
特徴C7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段と(表示制御装置81によるAT開始用処理を実行する機能)を備え、
前記特定手段により前記特定動作の実行が制限される場合、前記特別報知手段による前記特別報知が実行されることを特徴とする特徴C1乃至C6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技にて特定動作と特定結果とが重複して、特定動作の実行が制限される場合、特定結果当選に基づく特定の絵柄組合せを停止させることを可能とする特別報知が実行される。このようにすることで、通常動作側にて特定の絵柄組合せを停止させることを優先したのにもかかわらず、遊技者がそれに気づかない等して特定の絵柄組合せが停止しない、といった残念な事象を生じさせないようにすることができる。
なお、上記「特別報知手段」は、以下のように限定してもよく、このようにすることで、特別報知を実行する意義が高められる。
「前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であり、前記停止操作手段が第1の操作態様にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の操作態様とは異なる第2の操作態様にて操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記第1の操作態様に対応する特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段」。
また、上記構成は、抽選手段による抽選結果が特定結果である場合であって、特定手段により特定動作の実行が制限されない状況で特別報知手段が特別報知を実行することを否定するものではない。
特徴C8.前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であり、
前記特定条件が成立している場合、前記特別報知手段による前記特別報知の実行が制限されることを特徴とする特徴C7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が実行されているのにもかかわらず、特別報知が実行され、特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう事象を生じさせないようにすることができる。
特徴C9.前記特定状況が生じたことに基づいて、前記特定特典を付与可能な手段(主制御装置101による回転演出処理の実行に際してATモード開始用の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定動作が行われることによって特定特典が付与されるようになるため、特定動作を実行する特定遊技において特定結果となった場合には、特定特典が重複して付与される可能性が生じることとなる。その点、特徴C1のように、このような場合には特定動作の実行が制限されるようになるため、当該制限する意義が高められる。
なお、上記構成は、特徴C3における「第2特定特典手段」に相当するものである。
特徴C10.前記特定状況において、前記特定位置に前記特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することを特徴とする特徴C1乃至C9のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、単に特定位置に特定の絵柄組合せが存在するだけではなく、特定の絵柄組合せが停止又は仮停止することになる。このような構成とすることで、特定の絵柄組合せが停止等することと、特定特典が付与されることと、がセットであることの印象を強め、特定動作による演出効果が高められる。
特徴C11.前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするものであることを特徴とする特徴C1乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定遊技において、停止操作手段を操作することで周回体を停止させることが可能な疑似遊技中に特定の絵柄組合せが有効位置に存在する状況が生じ得るものとなり、このような疑似遊技と、実際の特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させる遊技とが重複する場合には、疑似遊技の実行が制限されることとなる。このようにすることで、特定動作の実行を制限することは、遊技者に重複する操作を強要してしまうことを回避することにもつながり、当該制限することの意義を高めることが可能となる。
特徴C12.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せ(第2再遊技入賞又は第3再遊技入賞となる停止出目)を停止させることが可能な特定結果(例えば、通常リプA〜C)であった場合、特定特典(ATモード)を付与することが可能な特定特典手段(主制御装置101によるATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段と(表示制御装置81によるAT開始用処理を実行する機能)と、
前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)と、
前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段による前記特定動作の実行、及び前記特別報知手段による前記特別報知の実行のいずれかを制限可能な特定手段(主制御装置101による回転演出処理において通常リプA〜C当選である場合に回転演出を行わないようにする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき遊技が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する特典が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、遊技の抽選結果が特定結果である場合は、特定の絵柄組合せが停止して対応する特定特典が付与される構成とし、更に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況は、周回体を用いた演出動作制御としての特定動作においても発生し得るようにしたため、遊技の結果が特定結果当選とならなくても、特定の絵柄組合せを自由に停止させることが可能となり、特定特典を付与するタイミングの自由度を大幅に向上させることができ、例えば、特定特典を付与したいのにもかかわらず、なかなか特定結果当選とならないことによって特定特典を付与できない、といった不都合を解消することができる。
そのうえで、特定結果当選に基づいて特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる遊技と、特定動作の実行対象となる遊技とが重複した場合には、特定動作の実行と通常動作において特定の絵柄組合せを停止させる特別報知の実行とのいずれかが制限されることから、特定の絵柄組合せが何度も表示されてしまう、といった不都合を解消することができる。
なお、上記特徴C12に対して、特徴C1乃至C11にて限定した構成をそれぞれ個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。また、特徴C1乃至C11にて限定した構成のうちの一部の構成を適用してもよく、その一部の構成を相互に組み合わせて適用してもよい。
なお、上記特徴C1乃至C12に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴C1乃至C12の各構成に対して、特徴A1乃至A25、特徴B1乃至B22、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴D群>
特徴D1.遊技者による所定の開始操作に基づいて開始され、所定の終了条件を満たすことに基づいて終了することを一の遊技とし、
所定の報知手段により前記遊技の結果が報知される遊技機において、
前記遊技の結果に対応する特定情報を、当該遊技機の外部の装置に対して出力する出力手段(主制御装置101によるタイマ更新処理を実行する機能)と、
前記出力手段により前記特定情報が出力されることとなる遊技を特定遊技とし、当該特定遊技よりも前の遊技にて前記特定情報を出力するための第1設定を行う第1設定手段(主制御装置101によるAT準備カウンタをセットする等して予約状態に設定する処理を行う機能)と、
前記第1設定手段による設定が行われた後であって、前記出力手段による前記特定情報の出力が行われるよりも前に、前記特定情報を出力するための第2設定を行う第2設定手段(主制御装置101による予約出力カウンタをセットする処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技機外部の装置に対する遊技の結果に対応する特定情報の出力が、第1設定と第2設定とを介して行われる構成となる。このように、複数の設定処理を介して特定情報が出力される構成としたことによって、出力される特定情報の正確性が向上し、例えば、遊技の結果に関わらず特定情報を出力したり出力しなかったりさせることで、遊技機に接続されたデータ表示器等の更新を不正に操作する行為を行いにくくさせることが可能となる。しかも、上記構成においては、特定情報の出力設定を、先ず、当該特定情報が出力される遊技よりも前の遊技において設定する第1設定と、当該第1設定が行われた後であって、特定情報が出力されるよりも前に設定する第2設定と、に担わせる構成としていることから、いずれの設定処理の実行タイミングも、特定情報の出力タイミングと重複しないようになり、処理の重複による処理負荷の増大化を解消することが可能となる。
特徴D2.前記第2設定手段は、前記第2設定として、前記特定遊技における前記特定情報の出力タイミングを設定することを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
上記構成によれば、事前の遊技において特定情報出力の第1設定が行われた後、第2設定では、特定遊技における特定情報の出力タイミングを設定する処理が行われることとなる。このような構成とすることで、特定情報を出力する出力手段においては、第2設定手段により設定されたタイミングを見定めればよいだけとなり、特定情報の出力時の処理を劇的に簡素なものとすることが可能となる。よって、処理の分散化による処理負荷の増大化を解消することが可能となるし、更に、特定情報の出力時のエラーの発生の可能性も低減することができ、特定情報の正確性も向上させることが可能となる。
特徴D3.前記第2設定手段は、前記特定遊技が開始された後、当該特定遊技が終了するよりも前のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定情報の出力タイミングは特定遊技が開始されてから終了するまでの途中のタイミングとなる。このように一の遊技の途中で外部出力する構成においては、遊技の進行用の処理と、外部出力用の処理とが重複することとなり、処理負荷の増大化が懸念されるところ、上記のように外部出力用の処理の簡素化が図られており、当該処理負荷の増大化を好適に回避することが可能となる。
特徴D4.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
前記開始操作が行われる始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記終了条件を成立させるための終了操作が行われる停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2設定手段は、各前記周回体の周回が開始された後、前記停止操作手段の操作に基づき各前記周回体が停止するよりも前のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
上記構成は、特徴D3の具体的構成である。このような始動操作手段の操作に基づき複数の周回体の周回が開始され、停止操作手段の操作に基づきそれぞれ周回体が停止する、といった所謂スロットマシンにおいては、遊技が遊技者の操作によって進行する構成であり、遊技進行用の処理が複雑化し易い。そこで、上記構成のように、遊技進行用の処理が行われるタイミングと特定情報の出力タイミングとが重複するような構成であっても、特定情報の出力用の処理を簡素なものとしていることから、処理負荷の増大化を回避することが可能となる。
特徴D5.前記周回体の周回が開始された後であって、所定期間に亘って前記停止操作手段の操作又は操作に基づく前記周回体の停止を無効化する無効手段(主制御装置101による回転開始処理において無効期間を設定する処理を実行する機能)を備え、
前記第2設定手段は、前記無効手段により無効化される前記所定期間中のタイミングを前記特定情報の出力タイミングとして設定することを特徴とする特徴D4に記載の遊技機。
上記構成によれば、停止操作手段の無効期間としての所定期間中に特定情報が出力される。このような構成とすることで、遊技者の操作に基づく駆動制御を行う必要のない状況、すなわち、遊技者の操作を監視しなくてもよい状況で特定情報を出力する構成となり、処理の重複を好適に回避することが可能となる。
なお、「疑似遊技」を行う遊技機に本構成を適用する場合、上記無効期間としての「所定期間」は、当該疑似遊技を行う期間に相当する。この場合、「遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段」と、「前記周回体の停止結果に基づいて前記抽選手段による抽選結果に対応する特典を付与する特典付与手段」と、を備える構成としたうえで、「無効手段」による「所定期間」を、「前記周回体の停止が前記特典付与手段による特典付与の対象とならない又は付与が制限される期間」として限定してもよい。
特徴D6.各前記周回体の周回が開始された後、前記停止操作手段の操作に基づき各前記周回体を停止させることが可能となるよりも前のタイミングにおいて、予め定められた特定の絵柄組合せが遊技者から視認可能な位置に設定される特定位置に存在する特定状況が生じるように、各前記周回体を駆動制御する特定駆動制御手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D4又は特徴D5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者の操作によって遊技が進行するスロットマシンにおいて、その遊技の終了操作が可能となるよりも前に、特定位置に特定の絵柄組合せが存在する特定状況が生じるように周回体の駆動制御が行われる場合があり、このような状況下で、特定情報の出力が行われるように特定情報の出力タイミングが設定される。このような、所謂周回体の回転演出が行われるタイミングで特定情報の出力を行う構成とすることで、当該回転演出が行われることにより遊技機に接続されているデータ表示器等の更新が行われるようにすることも可能であり、回転演出を遊技の結果と好適に関連付けることが可能となる。しかも、事前に特定情報の出力設定を行う構成であることから、このような特殊な回転制御が行われる状況化であっても、出力用の処理によって処理負荷の増大化を招くことがなく、上記の特定情報の出力を回転演出とを関連付ける効果を好適に享受することができる。
特徴D7.前記第1設定手段は、予め定められた設定契機(準備モード移行)が生じた場合、前記第1設定として、当該設定契機が生じた遊技よりも後の遊技のうちの所定の遊技を前記特定遊技と設定することを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段は、特定情報出力用の第1設定として、特定情報を出力する遊技を設定する構成となる。このように、先ず第1設定手段にてどの遊技で特定情報を出力するかを設定しておけば、第2設定手段は、第2設定を行うにあたってその設定された特定遊技か否かを判断すればよく、特定情報の出力契機が生じているか否かを判断する処理が必要なくなる。
特徴D8.前記第1設定手段は、前記特定遊技の設定を行った後、当該特定遊技よりも前の遊技において予め定められた特定事象(ATモード開始用の結果当選且つ非入賞となった場合)が生じた場合、当該設定済みの特定遊技よりも前の遊技を前記特定遊技に再設定することが可能であることを特徴とする特徴D7に記載の遊技機。
上記構成によれば、第1設定手段により特定遊技の設定を行った後、特定事象が生じた場合には特定遊技が前倒しになって、設定済みの特定遊技よりも前の遊技が特定遊技として再設定される。このようにすることで、特定情報を出力する遊技を事前に設定する構成において、当該出力する遊技の自由度が向上する。しかも、このような遊技であっても、第1設定手段は、特定遊技を再設定するのであるから、第2設定手段は、第2設定を行うにあたって特定遊技か否かを判断すればよく、特定遊技の自由度を向上させながらも、当該特定遊技における処理負荷の増大化を招かないようにすることができる。
なお、上記特徴D1乃至D8に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴D1乃至D8の各構成に対して特徴A1乃至A25、特徴B1乃至B22、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
<特徴E群>
特徴E1.複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体(各リール32L,32M,32R)と、
各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部(表示窓26L,26M,26R)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段(主制御装置101による抽選処理を実行する機能)と、
操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段(主制御装置101によるリール制御処理を実行する機能)と、
前記抽選手段における抽選結果が所定結果であって、前記表示部を介して前記絵柄が視認可能な位置に設定される有効位置に、当該所定結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に前記所定結果に対応する遊技価値を付与することが可能な遊技価値付与手段(主制御装置101による払出判定処理を実行する機能)と、
を備える遊技機であって、
前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止し場合に、前記遊技価値付与手段により当該所定結果に対応する遊技価値が付与可能に制御される遊技を通常遊技とし、
前記停止操作手段による操作に基づき前記有効位置に前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せが停止した場合に、前記遊技価値付与手段により前記所定結果に対応する遊技価値の付与が行われない又はその付与が制限される遊技である疑似遊技を実行可能な疑似遊技手段(主制御装置101による回転演出処理を実行する機能)を備え、
前記疑似遊技手段は、前記通常遊技において前記周回体のうちの第1の周回体が停止した後、前記疑似遊技として、前記周回体のうちの第2の周回体を停止させることで、少なくとも前記第1の周回体及び前記第2の周回体にそれぞれ付された絵柄を含んだ特定の絵柄組合せが前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に停止する特定疑似遊技を実行可能であることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、始動操作手段の操作に基づき周回体の周回が開始されて当該遊技の抽選が行われ、停止操作手段の操作に基づき当該抽選の結果に対応する絵柄組合せが有効位置に停止すると当該抽選の結果に対応する遊技価値が付与される、といった所謂スロットマシンの遊技機において、停止操作手段の操作に基づき周回体を停止させても遊技価値付与の対象とならない疑似遊技が設定されていることから、各遊技の抽選と一対一で対応付けられた通常遊技だけでなく、当該抽選と対応しない疑似遊技を通常遊技と織り交ぜて遊技させることで遊技性を大幅に向上することができる。
しかも、本遊技機においては、当該疑似遊技を、通常遊技における停止出目を利用して特定の絵柄組合せを停止させることが可能な構成としており、一の遊技において通常遊技と疑似遊技との境目が把握しにくくなり、抽選結果に対応しない結果を疑似遊技の停止出目によって報知するにしても、疑似的に演出で報知している印象を遊技者に与えにくくすることが可能となる。また、疑似遊技において全ての周回体を停止させる構成と比較して、特定の絵柄組合せを停止させるために一のゲームにおいて必要な停止操作の回数が通常遊技の分だけ少なくなり、当該特定の絵柄組合せを停止させる遊技をスムーズに行わせることも可能となる。よって、疑似遊技による演出効果を好適に高めることができ、遊技の興趣向上を図ることが可能となる。
特徴E2.前記疑似遊技手段により前記特定の絵柄組合せを停止させる前記疑似遊技が行われた後、前記第1の周回体を停止させたまま、前記第2の周回体の前記通常遊技が行われる構成であることを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において、第1の周回体が通常遊技として停止した後、第2の周回体は疑似遊技として停止し、その後、当該第2の周回体の通常遊技が行われる。この場合、第1の周回体は停止したままであるため、第1の周回体の停止操作を再度強要させず、第1の周回体の停止出目を利用した疑似遊技を行う意義を高めることができる。
特徴E3.前記疑似遊技手段により前記特定の絵柄組合せを停止させる前記疑似遊技が行われた後、前記第1の周回体を停止させたまま、前記第2の周回体の前記通常遊技が行われ、前記第1の周回体及び前記第2の周回体にそれぞれ付された絵柄を含む絵柄組合せが、当該遊技における前記抽選手段による抽選結果に対応する絵柄組合せである場合、当該抽選結果に対応する遊技価値が前記遊技価値付与手段により付与されることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
上記構成によれば、一の遊技において通常遊技が行われた後、疑似遊技が行われ、その後、通常遊技が行われる。そして、疑似遊技にて停止させた第2の周回体の絵柄を用いずに、当該疑似遊技の前後で行われた通常遊技にて停止させた絵柄を用いて、遊技価値の付与が行われる構成となる。このようにすることで、一の遊技の最中に疑似遊技が盛り込まれる遊技性において、当該一の遊技の抽選結果に対応する遊技価値を得るための通常遊技としての操作を増やすことなく、当該遊技価値を好適に付与することが可能となる。
特徴E4.前記抽選手段による抽選結果が予め定められた特定結果である場合、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止することで前記特定結果に対応する遊技価値が前記遊技価値付与手段により付与される構成であることを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の抽選結果が特定結果である場合に、通常遊技として特定の絵柄組合せが有効位置に停止することで当該特定結果に対応する遊技価値が付与される。このような構成を前提として、疑似遊技にて特定の絵柄組合せを停止させるようにすることで、当該疑似遊技を通常遊技と似せる効果を高めることができ、疑似遊技による演出効果を向上させることが可能となる。
特徴E5.予め定められた判定契機に基づいて遊技者にとって有利な有利事象を生じさせる有利判定(ATモード移行抽選)を行う有利判定手段(主制御装置101によるAT抽選用処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利事象を生じさせる有利結果となった場合であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果となり、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記有利事象を生じさせる第1有利手段(主制御装置101による入賞結果対応処理においてATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利結果となった場合であって、前記疑似遊技において前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記有利事象を生じさせる第2有利手段(主制御装置101による回転演出に際してATモードを開始させる処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
上記構成によれば、通常遊技において特定の絵柄組合せが停止した場合には、特定結果に対応する遊技価値が付与されるだけでなく、有利判定の結果が有利結果であることを条件として有利事象が発生し、疑似遊技において特定の絵柄組合せが停止した場合にも有利事象が発生する。このようにすることで、特定の絵柄組合せが停止することと有利事象が発生することとがセットとなり、疑似遊技にて特定の絵柄組合せが停止したことを、通常遊技にて特定の絵柄組合せが停止したことに似せる効果が高められる。しかも、一の遊技の抽選結果に対応しない疑似遊技であっても、その疑似遊技にて周回体を停止させたことに対して、当該遊技の抽選結果とは異なる結果に基づく特典を付与することが可能となり、疑似遊技の存在意義を高めることができる。
特徴E6.前記疑似遊技手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果とは異なる特別結果(押し順ベル)である場合に、前記特定疑似遊技を実行することを特徴とする特徴E4又は特徴E5に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技の抽選結果が特定結果とは異なる特別結果であって、通常遊技にて特定の絵柄組合せを有効位置に停止させることができない場合に、特定疑似遊技として特定の絵柄組合せを停止させることが可能となる。言い換えると、特定結果であって、通常遊技にて特定の絵柄組合せを停止させることができる遊技であれば、特定疑似遊技の実行に頼ることなく、通常遊技が優先される構成となる。このようにすることで、遊技者が抽選結果に応じた停止出目を停止させることで特典を得るといった通常遊技の遊技性を尊重しながら、特定疑似遊技を用いた演出効果を期待することが可能となる。
特徴E7.前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記停止操作手段が第1の停止順序で操作された場合には前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第1の停止順序とは異なる第2の停止順序で操作された場合には前記特定の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記停止操作手段が前記第1の停止順序で操作された場合には前記有効位置に特別の絵柄組合せが停止可能となり、前記停止操作手段が前記第2の停止順序で操作された場合には前記特別の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止可能となる構成であり、
前記疑似遊技手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果である場合、前記第1の停止順序となるように前記第1の周回体及び前記第2の周回体を利用した前記特定疑似遊技を実行することを特徴とする特徴E6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特定の絵柄組合せが停止可能となる特定結果や、特定疑似遊技の実行契機となる特別結果は、いずれも停止操作手段の操作順序によって停止出目が異なることとなる結果であり、特定結果当選時に第1の停止順序で操作することで特定の絵柄組合せが停止可能となり、特別結果当選時に第1の停止順序で操作することで特別の絵柄組合せが停止可能となる。そして、特別結果当選時に特定疑似遊技を実行する場合には、第1の周回体、第2の周回体を当該第1の停止順序で操作させる構成としており、その結果、当該遊技の結果としては、特別の絵柄組合せが停止することになる。このようにすることで、特別結果当選であっても、特定結果当選時の操作順序にて操作させて特定の絵柄組合せが停止することを期待させつつ、当該遊技の抽選結果に対応する停止出目を停止させることが可能となる。
特徴E8.前記第1の停止順序及び前記第2の停止順序を含む順序報知を、所定の報知手段にて実行可能な順序報知手段(主制御装置101による押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備え、
前記順序報知手段は、前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記疑似遊技手段による前記特定疑似遊技が実行される場合、前記第1の停止順序に対応する前記順序報知を実行する特定順序報知手段(主制御装置101による回転演出を実行するゲームにて押し順ベル当選となった場合の押し順報知を行うための処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特徴E7のように特別結果当選時に第1の操作順序にて操作させる遊技を好適に実現することが可能となる。
特徴E9.前記抽選手段による抽選結果が前記特別結果であって、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せが停止した場合の方が、前記有効位置に前記特別の絵柄組合せとは異なる絵柄組合せが停止した場合よりも、遊技者にとって有利であることを特徴とする特徴E7又は特徴E8に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別結果当選時に特定疑似遊技を行うことによって遊技者の損失が生じないようにしながら、特定疑似遊技による演出効果を期待することが可能となる。
なお、上記特徴E1乃至E9に記載された発明は、「遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機では、所定の抽選条件が成立したことに基づいて内部抽選が行われ、当該内部抽選の結果に応じて遊技者に特典が付与される構成が知られている。スロットマシンについて具体的には、遊技媒体としてのメダルがベットされている状況でスタートレバーが操作されると、内部抽選が実施されるとともに、リールの回転が開始され、当該リールの回転中にストップスイッチが操作された場合には、リールの回転が停止する。そして、リールの停止結果が内部抽選の結果に対応したものである場合には、結果に応じた特典が付与される(例えば特開2008−295707号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上記例示等した遊技機においては遊技の興趣向上を図る必要があり、この点について、未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
なお、上記特徴E1乃至E9の各構成に対して、特徴A1乃至A25、特徴B1乃至B22、特徴C1乃至C12、特徴D1乃至D8、特徴E1乃至E9のいずれか1の構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想の一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以上詳述した特徴A群乃至特徴E群の各構成に対して、他の特徴A群乃至特徴E群の各構成にて示した技術的思想をそれぞれ個別に適用することも可能であるし、それぞれの技術的思想を組合せて適用することも可能である。各技術的思想を組み合わせて適用する場合、特徴群を跨いで組み合わせることも可能である。
以下に上述した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。
10…遊技機としてのスロットマシン、32…周回体としてのリール、41…開始操作手段としてのスタートレバー、42〜44…停止操作手段としてのストップスイッチ、64…補助演出部を構成するスピーカ、65…補助演出部を構成する補助表示部、68…指示モニタ、N8…区間表示器としての第8表示用セグメント、81…サブ制御基板としての表示制御装置、101…メイン制御基板としての主制御装置、102…抽選手段やメイン制御手段等の各種制御手段を構成するCPU。

Claims (8)

  1. 複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
    各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段と、
    前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段と、
    前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せを停止させることが可能な特定結果であった場合、特定特典を付与することが可能な特定特典手段と、
    前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
    前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定される特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段と、
    前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段により前記特定動作が行われることを制限可能な特定手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
  2. 前記特定遊技よりも前の遊技において、前記特定遊技にて前記特定動作を実行することの設定を行う先設定手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 予め定められた有利状態へ移行させることの有利判定を実行する有利判定手段と、
    前記有利判定手段による有利判定の結果が前記有利状態へ移行可能とする有利結果である場合、前記有利状態へ移行可能とする移行前状態に設定する移行前状態設定手段と、
    を備え、
    前記特定特典手段は、前記移行前状態において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であって、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せが停止した場合に前記特定特典として前記有利状態へ移行させる構成であり、
    前記特定駆動制御手段による前記特定状況が生じた場合に、前記有利状態へ移行させる第2特定特典手段を備え、
    前記先設定手段は、前記移行前状態設定手段により前記移行前状態の設定が行われる場合、当該設定が行われる遊技よりも後の遊技である前記特定遊技にて前記特定動作が行われるように設定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 前記特定手段は、前記特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果であっても、予め定められた特定条件が成立している場合には前記特定動作の実行を許容可能であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
  5. 前記特定遊技よりも前の遊技であって、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である所定遊技において、前記有効位置に前記特定の絵柄組合せを停止させることができなかった場合に前記特定条件が成立することを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 前記特定状況が生じたことに基づいて、前記特定特典を付与可能な手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
  7. 前記特定駆動制御手段は、前記特定動作として、前記停止操作手段が操作された場合に、対応する前記周回体を停止させることが可能な疑似遊技を実行可能とするものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の遊技機。
  8. 複数種の絵柄が周方向に付された複数の周回体と、
    各前記周回体について一部の絵柄を視認可能とする表示部と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が開始される始動操作手段と、
    前記始動操作手段の操作に基づき、遊技者に特典を付与することの抽選を行う抽選手段と、
    操作された場合に各前記周回体の周回が停止される停止操作手段と、
    前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させる駆動制御手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が前記表示部を介して視認可能な位置に設定される有効位置に特定の絵柄組合せを停止させることが可能な特定結果であった場合、特定特典を付与することが可能な特定特典手段と、
    前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定の絵柄組合せを停止可能とする特別報知を所定の報知手段にて実行する特別報知手段とと、
    前記駆動制御手段により、前記始動操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を開始させ、前記停止操作手段が操作された場合に各前記周回体の周回を停止させ、特典付与手段により前記特典が付与可能に制御されることを通常動作とし、
    前記周回体を用いた演出動作制御として前記表示部を介して視認可能な位置に設定された特定位置に前記特定の絵柄組合せが存在する特定状況を生じさせる特定動作が行われるように各前記周回体を制御する特定駆動制御手段と、
    前記特定動作の実行対象となる特定遊技において、前記抽選手段による抽選結果が前記特定結果である場合、前記特定駆動制御手段による前記特定動作の実行、及び前記特別報知手段による前記特別報知の実行のいずれかを制限可能な特定手段と、
    を備えていることを特徴とする遊技機。
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