本発明に係るスロットマシンを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明がスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。
[スロットマシンの構成]
図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筐体1aと、この筐体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。透視窓3を介しては、筐体1a内部に並設されているリール2L,2C,2R(以下、左リール,中リール,右リールとも称する)が視認可能となる。
図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L,2C,2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
図1に示すように、液晶表示器51の画面上には、メイン画面51aおよびサブ画面51bといった2つの表示領域が設けられている。メイン画面51aは、サブ画面51bよりも表示領域が大きい。このため、メイン画面51aは、サブ画面51bよりも、遊技者にとって視認性が高い。メイン画面51aおよびサブ画面51bともに所定の演出画像が表示される。たとえば、メイン画面51aにおいては後述する宝探し演出の演出画像が表示され、サブ画面51bにおいては後述するチェンジ演出の演出画像が表示される。
また、サブ画面51bにおいては、AT(アシストタイム)中に実行されるナビ演出の演出画像が表示される。ATとは、ナビ演出が実行される期間である。ナビ演出とは、特定の役(本実施の形態においては、後述する押し順ベル,押し順リプ)に当選したゲームにおいて、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能な情報を演出画像の表示によって報知する演出である。また、サブ画面51bには、リール2L,2C,2Rにおいて図柄組合せが導出されたことに伴なって、所定の出目画像が表示されることもある。たとえば、リール2L,2C,2Rにおいて弱チェリー当選に対応する図柄組合せが導出されたときには、左,中,右の順にチェリー画像,チェリー画像,リプレイ画像といった2連チェリーとなる出目画像が表示される。リール2L,2C,2Rにおいて強チェリー当選に対応する図柄組合せが導出されたときには、左,中,右の順にチェリー画像,チェリー画像,チェリー画像といった3連チェリーとなる出目画像が表示される。また、リール2L,2C,2Rにおいてリプレイ当選に対応する図柄組合せが導出されたときには、左,中,右の順にリプレイ画像,リプレイ画像,リプレイ画像といった出目画像が表示される。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53,54が設けられている。また、前面扉1bの中央より少し下部、ストップスイッチ8L,8C,8Rとメダル払出口9との間のスペースには下パネル(図示は省略する)が設けられている。下パネルの内部には、後述する演出効果LED52が設けられており、演出効果LED52が点灯すると下パネルに光が照射されて下パネルも点灯し、演出効果LED52が消灯すると下パネルも消灯する。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L,2C,2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L,8C,8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L,2C,2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6の操作などにより規定数の賭数(たとえば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L,2C,2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(所謂ばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(たとえば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L,2C,2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L,8C,8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L,33C,33Rからの信号に基づき、リールモータ32L,32C,32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、図示しないCPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53,54などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。たとえば、通常時(共通演出状態ともいう)は演出効果LED52が点灯駆動されており、RT状態に応じた態様で下パネルが点灯あるいは点滅する。また、通常(共通演出状態)時はスピーカ53,54が駆動されており、スピーカ53,54からRT状態に応じたBGMが出力される。
演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
ここで、本実施の形態においては、回転中のリールを停止させるためのストップスイッチ8L,8C,8Rの操作(ストップ操作ともいう)が行われずに30秒間放置された場合、演出効果LED52が消灯することで下パネルが消灯するとともに、スピーカ53,54からのBGM出力も停止する。これにより、遊技者にストップ操作を促すようになっている。このような処理を無操作時処理ともいう。
具体的には、スタートスイッチ7の操作によってリールが回転開始した後に第1停止されることなく30秒間放置された場合、第1停止の後に第2停止されることなく30秒間放置された場合、および第2停止の後に第3停止されることなく30秒間放置された場合のいずれかの状況になった場合に、メイン制御部41の指令に基づきサブ制御部91によって無操作時処理が実行されて、下パネルが消灯するとともに、BGM出力が停止する。これにより、遊技者にストップ操作を促すようになっている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組合せ、および入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払い出し、再遊技付与)を示している。
BB1およびBB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1およびBB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払い出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払い出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。「/」は、「または」を示している。たとえば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。また、特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のいずれかが当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0,RT2,RT3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態およびRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄参照)。
BB1およびBB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1およびBB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT1およびRT3中よりも高く、RT0およびRT2中よりも低い確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払い出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払い出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類ごとに定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態ごとに抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類ごとに、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。たとえば、ベルは、RT0〜RT3のいずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
図11に示すように、特別リプレイは、RT2に制御されているときにのみ抽選対象役となるように定められている。また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(たとえば、64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングに関わらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順に関わらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。たとえば、弱チェリーは、下段チェリーを含む。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図10で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6やボーナス12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役ごとに、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行われる。たとえば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、たとえば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。なお、リプレイGR1〜GR6、リプレイGR11〜GR13、およびリプレイGR21〜GR23は、遊技者によるストップスイッチの操作手順(押し順)に応じて入賞する再遊技役(リプレイ)が異なるため、押し順リプとも称する。また、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4は、遊技者によるストップスイッチの操作手順(押し順)に応じて入賞する小役(ベル)が異なるため、押し順ベルとも称する。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L,2C,2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L,2C,2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1,BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1,BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無に関わらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(たとえば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L,2C,2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13,図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L,8C,8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L,8C,8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L,2C,2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払い出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1およびBB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8,図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御する権利となるナビストックの付与に関するAT抽選を実行する。具体的には、メイン制御部41は、ナビストックを付与するか否か、およびナビストックを付与する場合の付与数(ナビストック数)をAT抽選で決定する。なお、AT抽選においてナビストックを付与することが決定されることをAT当選とも称し、AT抽選においてナビストックを付与することが決定されないことを非AT当選とも称する。また、本実施の形態においては、AT抽選でAT当選する確率が高い状態としてCZ(Chance Zone)に制御される。CZに制御するための権利となるCZゲームは、CZ抽選によって決定される。なお、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されることをCZ当選とも称し、CZ抽選においてCZゲームを付与することが決定されないことを非CZ当選とも称する。
また、メイン制御部41は、AT抽選でナビストックを付与すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
本実施の形態においては、ナビストック1つにつき50ゲームに亘りATに制御され、付与されたナビストック数および換算されたATに制御可能なゲーム数(ATゲーム数)は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶される。
メイン制御部41は、AT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数に亘りAT+RT2に制御可能となる。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちのいずれかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1〜6のいずれかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうちいずれかに当選した場合において、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうちいずれかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6のいずれかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13のいずれかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23のいずれかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうちいずれかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と称する)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかに関わらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されてもよい。これにより、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払い出されたときに終了して、RT3へ移行される。
[CZ抽選]
図15(a)は、CZ抽選を説明するための図である。メイン制御部41は、CZ抽選を実行することにより、CZ制御への権利となるCZゲームを付与するか否かを決定する。CZ抽選は、所定の抽選条件が成立したときに、当該抽選条件が成立したゲーム以降のゲームで実行される。
図15(a)に示すように、CZ抽選においては、0ゲーム、10ゲーム、20ゲーム、および30ゲームのいずれかのCZゲームの付与が決定される。
CZ抽選は、チェリー当選(弱チェリー当選、強チェリー当選、中段チェリー当選)、スイカ当選、およびボーナス当選のいずれかが成立したときに実行される。そして、CZ抽選においては、図15(a)に示す当選確率に基づいて、CZゲームを付与するか否か(すなわち、CZ当選するか否か)、および付与する場合のCZゲーム数が決定される。
なお、本実施の形態においては、CZゲームを付与するか否かの抽選と、付与するCZゲーム数を決定するための抽選とが1回の抽選で行われる例について説明するが、これに限らない。たとえば、CZ抽選は、まずCZゲームを付与するか否かの抽選を行い、CZゲーム数を付与すると決定されたときに付与するCZゲーム数を決定するための抽選を行うといったように、2回の抽選で構成されるものであってもよい。また、チェリーおよびスイカのそれぞれは、名称に「弱」が付された役よりも名称に「強」や「中段」が付された役の方が当選確率が高く、また付与されるCZゲーム数が多くてもよい。また、CZ抽選が実行される条件は、上記の例に限らず他の条件を設けてもよい。
[AT抽選]
図15(b)は、非CZ中のAT抽選を説明するための図であり、図15(c)は、CZ中のAT抽選を説明するための図である。メイン制御部41は、CZ中であるか否かに応じて設定されたAT抽選テーブルに基づきAT抽選を実行することにより、AT制御への権利となるナビストックを付与するか否かを決定する。AT抽選は、図15(b),(c)に示す所定の抽選条件が成立したゲーム以降のゲームで実行される。
図15(b)に示すように、非CZ中のAT抽選は、チェリー当選(弱チェリー当選、強チェリー当選、中段チェリー当選)、スイカ当選、およびボーナス当選のいずれかが成立したときに実行される。また、図15(c)に示すように、CZ中のAT抽選は、チェリー当選(弱チェリー当選、強チェリー当選、中段チェリー当選)、スイカ当選、ボーナス当選、その他の役当選、および内部抽選ではずれのいずれかが成立したときに実行される。
そして、AT抽選においては、図15(b),(c)に示す当選確率に基づいて、ナビストックを付与するか否か(すなわち、AT当選するか否か)、および付与する場合のナビストック数が決定される。
CZ中においては、非CZ中よりもナビストックが付与される確率が高く、かつ付与されるナビストック数が多くなっている。たとえば、非CZ中にチェリー当選したときには、10%の確率でしかナビストックが付与されないが、CZ中にチェリー当選したときには、30%の確率でナビストックが付与される。さらに、非CZ中にチェリー当選したときには、AT当選したとしても1個のナビストックしか付与されないが、CZ中にチェリー当選したときには、AT当選すると2個や3個のナビストックが付与されることがある。さらに、非CZ中よりもCZ中の方が抽選条件が多いため、CZ中は非CZ中よりもAT抽選の実行機会が増える。この点においても、CZ中は、非CZ中よりも有利である。
このように、CZに制御されているときには、CZに制御されていないときよりも、AT当選の期待値が高く、多くのナビストックが付与される可能性がある。これにより、CZに制御されたときには、ナビストックの付与に対して遊技者に期待させることができるため、遊技の興趣を向上させることができる。すなわち、CZは、非CZよりも遊技者にとって有利な状態であるといえる。
なお、本実施の形態においては、ナビストックを付与するか否かの抽選と、付与するナビストック数を決定するための抽選とが1回の抽選で行われる例について説明するが、これに限らない。たとえば、AT抽選は、まずナビストックを付与するか否かの抽選を行い、ナビストック数を付与すると決定されたときに付与するナビストック数を決定するための抽選を行うといったように、2回の抽選で構成されるものであってもよい。また、チェリーおよびスイカのそれぞれは、名称に「弱」が付された役よりも名称に「強」や「中段」が付された役の方が当選確率が高く、また付与されるナビストック数が多くてもよい。また、AT抽選が実行される条件は、上記の例に限らず他の条件を設けてもよい。たとえば、所定ゲーム消化ごと(たとえば、100ゲーム消化ごと)にAT抽選が実行されてもよいし、所定ゲーム間(たとえば、100ゲーム間)に亘ってAT抽選が実行されなかったときにAT抽選が実行されてもよい。なお、前述した所定ゲームは、非CZ中の遊技に限った消化ゲームであってもよいし、CZ中の遊技に限った消化ゲームであってもよいし、非CZおよびCZの両方の遊技における消化ゲームであってもよい。
[CZ煽り演出]
図16(a)は、CZ煽り演出抽選を説明するための図である。サブ制御部91は、CZ抽選でCZ当選しているか否かに応じて設定されたCZ煽り演出抽選テーブルに基づきCZ煽り演出抽選を実行することにより、CZ煽り演出の種類(演出種別)を決定する。CZ煽り演出抽選は、CZ抽選が実行されたゲーム以降のゲームで実行される。
CZ煽り演出には、a1およびa2といった2種類の演出種別が設けられている。演出種別としてa1が決定されたときのCZ煽り演出では、メイン画面51aにおいて複数ゲームに亘って宝探し演出が実行される。演出種別としてa2が決定されたときのCZ煽り演出では、サブ画面51bにおいて複数ゲームに亘ってチェンジ演出が実行される。
図16(a)に示すように、CZ煽り演出抽選では、CZ当選しているか否かに応じて異なる当選確率で、いずれかの演出種別が決定される。具体的には、CZ当選時は、非CZ当選時よりも、演出種別としてa1が決定される確率が高い。よって、CZ当選時は、サブ画面51bよりも視認性の高いメイン画面51aにおいて宝探し演出が実行されやすくなり、非CZ当選時は、メイン画面51aよりも視認性の低いサブ画面51bにおいてチェンジ演出が実行されやすくなる。これにより、CZ当選時は、非CZ当選時よりも遊技者に臨場感を与えながらCZ当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、CZ煽り演出抽選は、サブ制御部91が実行するものに限らず、メイン制御部41が実行し、その抽選結果を示すCZ煽り演出コマンドをサブ制御部91に送信してもよい。そして、サブ制御部91は、CZ煽り演出コマンドに基づきCZ煽り演出を実行してもよい。
また、CZ煽り演出抽選は、付与されたCZゲーム数に応じて異なる当選確率で、いずれかの演出種別が決定されてもよい。たとえば、付与されたCZゲーム数が所定ゲーム数よりも多いときには、付与されたCZゲーム数が所定ゲーム数よりも少ないときよりも、CZ煽り演出として宝探し演出に決定される確率が高くてもよい。このようにすれば、サブ画面51bよりも視認性の高いメイン画面51aで宝探し演出が実行されたときには、CZ当選に対して遊技者に期待させるとともに付与されたCZゲーム数に対しても遊技者に期待させることができる。
[AT煽り演出]
図16(b)は、AT煽り演出抽選を説明するための図である。サブ制御部91は、AT抽選でAT当選しているか否かに応じて設定されたAT煽り演出抽選テーブルに基づきAT煽り演出抽選を実行することにより、AT煽り演出の種類(演出種別)を決定する。AT煽り演出抽選は、AT抽選が実行されたゲーム以降のゲームで実行される。
AT煽り演出には、b1およびb2といった2種類の演出種別が設けられている。演出種別としてb1が決定されたときのAT煽り演出では、メイン画面51aにおいて複数ゲームに亘って宝探し演出が実行される。演出種別としてb2が決定されたときのAT煽り演出では、サブ画面51bにおいて複数ゲームに亘ってチェンジ演出が実行される。
図16(b)に示すように、AT煽り演出抽選では、AT当選しているか否かに応じて異なる当選確率で、いずれかの演出種別が決定される。具体的には、AT当選時は、非AT当選時よりも、演出種別としてb1が決定される確率が高い。よって、AT当選時は、サブ画面51bよりも視認性の高いメイン画面51aにおいて宝探し演出が実行されやすくなり、非AT当選時は、メイン画面51aよりも視認性の低いサブ画面51bにおいてチェンジ演出が実行されやすくなる。これにより、AT当選時は、非AT当選時よりも遊技者に臨場感を与えながらAT当選を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、AT煽り演出抽選は、サブ制御部91が実行するものに限らず、メイン制御部41が実行し、その抽選結果を示すAT煽り演出コマンドをサブ制御部91に送信してもよい。そして、サブ制御部91は、AT煽り演出コマンドに基づきAT煽り演出を実行してもよい。
また、AT煽り演出抽選は、付与されたナビストック数に応じて異なる当選確率で、いずれかの演出種別が決定されてもよい。たとえば、付与されたナビストック数が所定ゲーム数よりも多いときには、付与されたナビストック数が所定ゲーム数よりも少ないときよりも、AT煽り演出として宝探し演出に決定される確率が高くてもよい。このようにすれば、サブ画面51bよりも視認性の高いメイン画面51aで宝探し演出が実行されたときには、AT当選に対して遊技者に期待させるとともに付与されたナビストック数に対しても遊技者に期待させることができる。
[宝探し演出およびチェンジ演出]
図17を参照しながら、本実施の形態において実行される宝探し演出およびチェンジ演出について説明する。図17は、宝探し演出およびチェンジ演出について説明するための図である。なお、図17においては、AT煽り演出における宝探し演出およびチェンジ演出について説明するが、CZ煽り演出における宝探し演出およびチェンジ演出に対しても適用することができる。
図17(A)を参照しながら、宝探し演出のみが実行される場合について説明する。この例では、強チェリー当選したときにAT抽選によって3個のナビストックの付与が決定され、かつAT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定されている。
図17(A)の(a)に示すように、強チェリー当選したときには、メイン制御部41によってAT抽選が実行されて3個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定される。このとき、メイン画面51aには、「CHANCE」の文字画像が表示される。一方、サブ画面51bには、3連チェリーとなる出目画像が表示される。これにより、メイン画面51aおよびサブ画面51bによって、AT当選が遊技者に示唆され、遊技者を期待させることができる。
次に、図17(A)の(b)に示すように、チェリー当選した次のゲームからAT煽り演出として宝探し演出が実行され、メイン画面51aには、「宝探し開始」の文字画像が表示される。
次に、図17(A)の(c)に示すように、次のゲームにおいてキャラクタが宝探しをする演出画像がメイン画面51aに表示される。
次に、図17(A)の(d)に示すように、次のゲームにおいて宝探しをしたキャラクタが宝箱からコインを見つける演出画像がメイン画面51aに表示されるとともに、獲得したコインが3個であることを示す演出画像がメイン画面51aに表示される。このコインはAT当選を示す演出画像であり、コインの数はナビストック数を示す演出画像である。このようにして、AT煽り演出における宝探し演出によって、AT当選した結果、3個のナビストックが付与されたことが遊技者に報知される。
図17(B)を参照しながら、チェンジ演出のみが実行される場合について説明する。この例では、強チェリー当選したときにAT抽選によって1個のナビストックの付与が決定され、かつAT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定されている。
図17(B)の(a)に示すように、強チェリー当選したときには、メイン制御部41によってAT抽選が実行されて1個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定される。このとき、メイン画面51aには、何も表示されない。なお、この場合であっても、メイン画面51aに「CHANCE」などの文字画像が表示されてもよい。一方、サブ画面51bには、3連チェリーとなる出目画像が表示される。これにより、サブ画面51bによって、AT当選が遊技者に示唆され、遊技者を期待させることができる。
次に、図17(B)の(b)に示すように、次のゲームのサブ画面51bにおいて、3連チェリーの出目画像から、コインが1個付与されたことを示す演出画像に切り替わる。このコインはAT当選を示す演出画像であり、コインの数はナビストック数を示す演出画像である。このようにして、AT煽り演出におけるチェンジ演出によって、AT当選した結果、1個のナビストックが付与されたことが遊技者に報知される。
図17(C)を参照しながら、AT当選時の宝探し演出中にさらにAT当選した場合について説明する。この例では、強チェリー当選したときにAT抽選によって3個のナビストックの付与が決定され、かつAT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定されている。その後、さらに強チェリー当選したときにAT抽選によって1個のナビストックの付与が決定され、かつAT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定されている。
図17(C)の(a)に示すように、強チェリー当選したときには、メイン制御部41によってAT抽選が実行されて3個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定される。このとき、メイン画面51aには、「CHANCE」の文字画像が表示される。一方、サブ画面51bには、3連チェリーとなる出目画像が表示される。
次に、図17(C)の(b)に示すように、チェリー当選した次のゲームからAT煽り演出として宝探し演出が実行され、メイン画面51aには、「宝探し開始」の文字画像が表示される。
次に、図17(C)の(c)に示すように、次のゲームにおいてキャラクタが宝探しをする演出画像がメイン画面51aに表示される。このとき、さらに、強チェリー当選しているため、メイン制御部41によってAT抽選が実行されて1個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定される。
ここで、従来ならば、先のAT当選に基づく宝探し演出によって3個のナビストックの付与が決定されたことが報知され、後のAT当選に基づくチェンジ演出によって1個のナビストックの付与が決定されたことが報知されるが、この場合、宝探し演出とチェンジ演出との間にAT当選報知について連動性がない。すなわち、メイン画面51aにおける煽り演出と、サブ画面51bにおける煽り演出との間にAT当選報知について連動性がないため、いまいち遊技の興趣を向上させることができない。
そこで、本実施の形態においては、AT当選時の宝探し演出中にさらにAT当選したときには、宝探し演出によってAT当選報知する前に、チェンジ演出によってAT当選報知する。
たとえば、図17(C)の(d)に示すように、宝探し演出よりも先にチェンジ演出が割り込まれて実行され、サブ画面51bにおいて、3連チェリーの出目画像が、コインが1個付与されたことを示す演出画像に切り替わる。その後、図17(C)の(e)に示すように、宝探し演出によって宝探しをしたキャラクタがコインを見つける演出画像がメイン画面51aに表示されるとともに、獲得したコインが3個であることを示す演出画像がメイン画面51aに表示される。
このように、AT当選時の宝探し演出中にさらにAT当選したときには、当該宝探し演出によってAT当選報知される前に、チェンジ演出によってAT当選報知される。これにより、メイン画面51aにおけるAT当選報知とサブ画面51bにおけるAT当選報知とを連動させることができるため、複数の表示領域におけるAT当選報知によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、宝探し演出によってAT当選報知される前にチェンジ演出によってAT当選報知されるときには、当該チェンジ演出によってAT当選報知されるナビストック数よりも当該宝探し演出によってAT当選報知されるナビストック数の方が多い。たとえば、図17(C)に示す例では、先の宝探し演出によって1個のナビストックの付与を示す演出画像としてコインを1個獲得した旨の演出画像が表示され、その後、チェンジ演出によって3個のナビストックの付与を示す演出画像としてコインを3個獲得した旨の演出画像が表示される。このように、メイン画面51aにおけるAT当選報知とサブ画面51bにおけるAT当選報知とが連動するときには、サブ画面51bにおいて先にAT当選報知されるナビストック数よりもメイン画面51aにおいて後にAT当選報知されるナビストック数の方が多いため、段階的に遊技者の喜びを大きくすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、サブ画面51bよりもメイン画面51aの方が視認性が高い。そして、先に視認性の低いサブ画面51bにおけるAT当選報知によって少ないナビストック数の付与が報知され、その後、視認性の高いメイン画面51aにおけるAT当選報知によって多いナビストック数の付与が報知される。このように、サブ画面51bよりも視認性が高いメイン画面51aにおいてAT当選報知に関して強調する使い方をすることにより、遊技者にAT当選をより期待させることができる。
図17(D)を参照しながら、非AT当選時の宝探し演出中にAT当選した場合について説明する。この例では、強チェリー当選したときにAT抽選されたがAT当選せず、かつAT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定されている。その後、さらに強チェリー当選したときにAT抽選によって1個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定される。
図17(D)の(a)に示すように、強チェリー当選したときには、メイン制御部41によってAT抽選が実行されたときに非AT当選になるとともに、AT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定される。このとき、メイン画面51aには、「CHANCE」の文字画像が表示される。一方、サブ画面51bには、3連チェリーとなる出目画像が表示される。
次に、図17(D)の(b)に示すように、チェリー当選した次のゲームからAT煽り演出として宝探し演出が実行され、メイン画面51aには、「宝探し開始」の文字画像が表示される。
次に、図17(D)の(c)に示すように、次のゲームにおいてキャラクタが宝探しをする演出画像がメイン画面51aに表示される。このとき、さらに、強チェリー当選しているため、メイン制御部41によってAT抽選が実行されて1個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定される。このとき、先の宝探し演出では非AT当選を報知することになっているが、後に実行予定のチェンジ演出はキャンセルされるとともに、後に決定されたAT当選に基づき当該先の宝探し演出においてAT当選を報知するように演出が切り替わる。
たとえば、図17(D)の(d)に示すように、チェンジ演出が実行されることなく、先に実行されていた宝探し演出がそのまま利用されて宝探しをしたキャラクタがコインを見つける演出画像がメイン画面51aに表示される。そして、獲得したコインが1個であることを示す演出画像がメイン画面51aに表示される。
このように、非AT当選時の宝探し演出中にAT当選したときには、チェンジ演出によってAT当選報知されることなく、当該宝探し演出によってAT当選報知される。これにより、サブ画面51bにおいてAT当選報知されなくても、メイン画面51aにおいてAT当選報知されることに対して遊技者に期待させることができる。
また、サブ画面51bにおいては、AT中に実行されるナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が表示される。このように、ナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されるサブ画面51bを利用してAT当選報知することができる。
[変形例]
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[宝探し演出およびチェンジ演出について]
本実施の形態においては、図17(D)に示すように、非AT当選時の宝探し演出中にAT当選したときには、チェンジ演出によってAT当選報知することなく、当該宝探し演出によってAT当選報知されるものであったが、これに限らない。
たとえば、非AT当選時の宝探し演出中にAT当選したときにおいて、当該AT当選によってナビストックを複数回に分けて付与報知可能なとき(本実施の形態においては、ナビストックが2個以上付与決定されたとき)には、図17(C)の(d)に示すように、付与決定されたナビストック数のうちの一部のナビストックの付与を宝探し演出によって先に報知した後に、図17(C)の(e)に示すように、付与決定されたナビストック数のうちの残りのナビストックの付与をチェンジ演出によって報知してもよい。
このように、非AT当選時にサブ画面51bにおいて宝探し演出が実行されていても、付与が決定されたナビストック数を複数回に分けて付与報知可能なときには、メイン画面51aにおけるAT当選報知とサブ画面51bにおけるAT当選報知とを連動させることができるため、複数の表示領域におけるAT当選報知によって遊技の興趣を向上させることができる。
また、図17(E)は、非AT当選時の宝探し演出中にAT当選した場合についての変形例を示している。この例では、強チェリー当選したときにAT抽選されたがAT当選せず、かつAT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定されている。その後、さらに強チェリー当選したときにAT抽選によって1個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定される。
図17(E)の(a)に示すように、強チェリー当選したときには、メイン制御部41によってAT抽選が実行されたときに非AT当選になるとともに、AT煽り演出抽選によって宝探し演出の実行が決定される。このとき、メイン画面51aには、「CHANCE」の文字画像が表示される。一方、サブ画面51bには、3連チェリーとなる出目画像が表示される。
次に、図17(E)の(b)に示すように、チェリー当選した次のゲームからAT煽り演出として宝探し演出が実行され、メイン画面51aには、「宝探し開始」の文字画像が表示される。
次に、図17(E)の(c)に示すように、次のゲームにおいてキャラクタが宝探しをする演出画像がメイン画面51aに表示される。このとき、さらに、強チェリー当選しているため、メイン制御部41によってAT抽選が実行されて1個のナビストックの付与が決定されるとともに、AT煽り演出抽選によってチェンジ演出の実行が決定される。このとき、図17(E)の(d)に示すように、先に実行されていた宝探し演出ではそのまま非AT当選が報知される。さらに、後の強チェリー当選時のAT抽選によるAT当選についても、チェンジ演出がキャンセルされる。
その後、図17(E)の(e)に示すように、複数ゲーム後に再びAT煽り演出(宝探し演出またはチェンジ演出)が実行され、当該AT煽り演出によって図17(E)の(d)において報知されなかったAT当選が報知される。
このように、非AT当選時の宝探し演出中にAT当選したときには、宝探し演出およびチェンジ演出のいずれによってもAT当選報知されることなく、その後に実行したAT煽り演出によってAT当選報知される。これにより、メイン画面51aおよびサブ画面51bのいずれにおいてもAT当選報知されなくても、その後に実行されたAT煽り演出に対して遊技者に期待させることができる。
なお、図17(C)に示す例において、後の強チェリー当選時にAT当選したときにAT煽り演出抽選で宝探し演出およびチェンジ演出のいずれが決定されていても、先にチェンジ演出によってAT当選報知した後に宝探し演出によってAT当選報知してもよい。あるいは、後の強チェリー当選時にAT当選したときにAT煽り演出抽選を実行しない場合において、先にチェンジ演出によってAT当選報知した後に宝探し演出によってAT当選報知してもよい。
また、図17(D)に示す例において、後の強チェリー当選時にAT当選したときにAT煽り演出抽選で宝探し演出およびチェンジ演出のいずれが決定されていても、チェンジ演出によってAT当選報知することなく宝探し演出によってAT当選報知してもよい。あるいは、後の強チェリー当選時にAT当選したときにAT煽り演出抽選を実行しない場合において、チェンジ演出によってAT当選報知することなく宝探し演出によってAT当選報知してもよい。
また、図17(E)に示す例において、後の強チェリー当選時にAT当選したときにAT煽り演出抽選で宝探し演出およびチェンジ演出のいずれが決定されていても、宝探し演出およびチェンジ演出のいずれによってもAT当選報知することなく、その後のAT煽り演出によってAT当選報知してもよい。あるいは、後の強チェリー当選時にAT当選したときにAT煽り演出抽選を実行しない場合において、宝探し演出およびチェンジ演出のいずれによってもAT当選報知することなく、その後のAT煽り演出によってAT当選報知してもよい。
また、図17(E)に示す例では、図17(E)の(e)に示すように、複数ゲーム後に再びAT煽り演出が実行されているが、当該AT煽り演出は、図17(E)の(d)の後に再びAT抽選が実行されてAT煽り演出が実行されたときに決定されたAT煽り演出を利用してもよい。つまり、AT当選報知を持ち越した状態で、その後、再びAT当選したときには、先のAT当選に対応するナビストック数に後のAT当選に対応するナビストック数を合算して、AT当選報知するものであってもよい。あるいは、AT当選報知を持ち越した状態で、その後、AT抽選が実行された結果、非AT当選であったときには、先のAT当選を後のAT抽選時のAT煽り演出によってAT当選報知するものであってもよい。
また、図17(C)の例において、先にチェンジ演出によってAT当選報知し、その後、宝探し演出によってAT当選報知する場合、以下のような報知内容であってもよい。たとえば、先のAT当選によって1個のナビストックの付与が決定され、その後のAT当選によって4個のナビストックの付与が決定された場合、先のチェンジ演出によって1個のナビストックの付与を報知し、後の宝探し演出によって4個のナビストックの付与を報知してもよい(つまり、付与決定されたナビストック数をそのままの順番で報知する)。あるいは、先のチェンジ演出によって2個のナビストックの付与を報知し、後の宝探し演出によって3個のナビストックの付与を報知してもよい(つまり、付与決定されたナビストック数を合算したものを分割して報知する)。あるいは、先のチェンジ演出によって4個のナビストックの付与を報知し、後の宝探し演出によって1個のナビストックの付与を報知してもよい(つまり、付与決定されたナビストック数を逆の順番で報知する)。なお、先の煽り演出によって報知される特典と、後の煽り演出によって報知される特典とは同じ有利度であってもよいし、いずれかの有利度が大きいものであってもよい。なお、先の煽り演出によって報知される特典よりも、後の煽り演出によって報知される特典の方が有利度が高いものが段階的に遊技者に期待させることができるため、好ましい。
[メイン画面およびサブ画面について]
本実施の形態においては、サブ画面51bにおいてナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されるものであったが、メイン画面51aにおいてナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されてもよい。また、メイン画面51aおよびサブ画面51bのいずれにおいてもナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されてもよい。あるいは、メイン画面51aおよびサブ画面51bのいずれにおいてもナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されなくてもよい。
また、本実施の形態においては、サブ画面51bにおいて特定の役を入賞させるためのナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されたが、入賞を取りこぼす図柄組合せを導出させるためのナビ演出の演出画像(ストップスイッチの操作手順)が報知されてもよい。
本実施の形態においては、メイン画面51aおよびサブ画面51bは、ともに液晶表示器51の画面上における表示領域であったが、これに限らず、互いに異なる表示装置の画面上における表示領域であってもよい。
[AT煽り演出およびCZ煽り演出について]
本実施の形態においては、図17に示す例はAT煽り演出の場合について説明したが、CZ煽り演出の場合においても同様の処理が実行されてもよい。
また、AT当選に関する処理と、CZ当選に関する処理とが重複する場合においても、図17に示した処理が実行されてもよい。たとえば、図17(C)の例の場合、AT当選時の宝探し演出中にCZ当選したときに、先にチェンジ演出によってCZ当選報知し、その後宝探し演出によってAT当選報知してもよい。また、図17(D)の例の場合、非AT当選時の宝探し演出中にCZ当選したときに、チェンジ演出によってCZ当選報知することなく、宝探し演出によってCZ当選報知してもよい。また、図17(E)の例の場合、非AT当選時の宝探し演出中にCZ当選したときに、宝探し演出およびチェンジ演出のいずれによってもCZ当選報知することなく、その後複数ゲーム経過後に再び煽り演出を実行したときにCZ当選報知してもよい。なお、上記においては、AT当選とCZ当選とを入れ替えてもよい。
また、本実施の形態においては、AT煽り演出とCZ煽り演出とで演出内容が同じであったが、互いの演出内容が異なるものであってもよい。
[特典について]
前述した例では、特典として、ナビストックやCZゲームなど、メダルの払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよい。たとえば、BBなどの小役の当選確率が通常時よりも向上するボーナスであってもよい。また、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行う場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間にたとえば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。たとえば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの他の変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筐体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。