JP2019187358A - 作業車両 - Google Patents

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章紘 町田
Akihiro Machida
章紘 町田
藤岡 伸悟
Shingo Fujioka
伸悟 藤岡
浩史 加茂田
Hiroshi Kamoda
浩史 加茂田
久定 藤家
Hisasada Fujiie
久定 藤家
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Abstract

【課題】自動走行において旋回を行う場合に、旋回を円滑に行うことができる作業車両を提供する。【解決手段】走行車体と、エンジンと、動力伝達装置と、変速装置と、変速センサと、測位装置と、制御装置とを備える。走行車体は、駆動輪を有し、エンジンは、走行車体の駆動源である。動力伝達装置は、エンジンからの回転動力を駆動輪に伝達する。変速装置は、エンジンから伝達される回転動力を複数の変速段に切り替える。変速センサは、変速段を検出する。測位装置は、走行車体の位置を測定する。制御装置は、予定走行経路に沿って走行車体が自動で走行するよう各部を制御するとともに、旋回開始地点の手前に減速地点を設定し、変速段が所定の変速段よりも高速側であれば減速地点において所定の変速段に切り替える。【選択図】図5

Description

本発明は、作業車両に関する。
従来、トラクタなどの作業車両において、所定以上の操舵角を検出すると旋回と判断し、車体後部に装着された作業機を自動で上昇させるとともにブレーキを自動で作動させる技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2004−135674号公報
しかしながら、上記したような従来技術は、有人走行の場合には操縦者の負担が減り旋回を円滑に行えるようになるものの、無人で走行する自動走行(自律走行ともいう)における旋回に適用する場合には更なる改良の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、自動走行において旋回を行う場合に、旋回を円滑に行うことができる作業車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両(1)は、駆動輪(4)を有する走行車体(2)と、前記走行車体(2)の駆動源であるエンジン(E)と、前記エンジン(E)からの回転動力を前記駆動輪(4)に伝達する動力伝達装置(12)と、前記動力伝達装置(12)内に設けられ、前記エンジン(E)から伝達される回転動力を複数の変速段のうちいずれかの変速段に切り替える変速装置(121)と、前記複数の変速段のうちいずれの変速段であるかを検出する変速センサ(112)と、前記走行車体(2)の位置を測定する測位装置(150)と、前記走行車体(2)の予定走行経路(R)を記憶し、前記測位装置(150)の測定結果に基づいて、前記記憶された予定走行経路(R)に沿って前記走行車体(2)が自動で走行するよう各部を制御する制御装置(100)とを備え、前記制御装置(100)は、前記走行車体(2)が旋回を行う場合、前記予定走行経路(R)上における前記走行車体(2)の旋回開始地点(P1)の手前に減速地点(P3)を設定するとともに、前記変速センサ(112)によって検出された変速段が所定の変速段よりも高速側であれば前記減速地点(P3)において低速側となる前記所定の変速段に切り替えることを特徴とする。
請求項2に記載の作業車両(1)は、請求項1に記載の作業車両(1)において、前記制御装置(100)は、前記走行車体(2)が旋回を行う場合、前記変速センサ(112)によって検出された変速段が所定の変速段よりも高速側であるほど前記減速地点(P3)を前記旋回開始地点(P1)に対して離れた位置に設定することを特徴とする。
請求項3に記載の作業車両(1)は、請求項1または2に記載の作業車両(1)において、前記走行車体(2)に装着される作業機(6)と、前記作業機(6)を昇降させる昇降装置(13)とを備え、前記制御装置(100)は、前記昇降装置(13)を制御して前記作業機(6)を昇降駆動し、前記走行車体(2)が前記減速地点(P3)に到達後、前記所定の変速段に切り替えると前記作業機(6)を上昇駆動することを特徴とする。
請求項4に記載の作業車両(1)は、請求項3に記載の作業車両(1)において、前記制御装置(100)は、前記エンジン(E)の回転数を制御し、前記作業機(6)を上昇駆動した後に前記エンジン(E)の回転数を変速段に応じて低下させることを特徴とする。
請求項5に記載の作業車両(1)は、請求項4に記載の作業車両(1)において、前記制御装置(100)は、前記予定走行経路(R)上に前記走行車体(2)の旋回終了地点(P2)を設定し、前記走行車体(2)が前記旋回終了地点(P2)に到達すると、前記作業機(6)を下降駆動するとともに前記エンジン(E)の回転数を旋回開始前の回転数に復帰させることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、走行車体が旋回を行う場合、走行車体が旋回開始地点に近づくと変速段が所定の変速段よりも高速側であれば低速側の変速段に切り替えて走行速度を減速させるため、旋回を円滑に行うことができる。また、旋回を安全に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、走行車体が旋回を行う場合、変速段が所定の変速段よりも高速側であるほど減速地点を旋回開始地点から遠い位置に設定することで、旋回開始地点において走行速度が適切に減速され、旋回を円滑に行うことができる。また、旋回を安全に行うことができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、走行車体の減速後に作業機を上昇させることで、走行車体の走行負荷を低減することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の効果に加えて、作業機の上昇後にエンジンの回転数を低下させることで、エンジンストールを防ぎつつ走行速度を旋回に適した速度(旋回速度)に制御することができるとともに、燃料の消費を抑制することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、走行車体の旋回終了後、作業を速やかに再開することができる。
図1は、実施形態に係る作業車両を示す概略左側面図である。 図2は、実施形態に係る作業車両の動力伝達構成の説明図である。 図3は、実施形態に係る作業車両の制御系の一例を示すブロック図である。 図4は、圃場内における自動走行の説明図である。 図5は、旋回開始制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図6は、旋回時の作業機昇降制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図7Aは、各停止モードにおける各部の説明図(その1)である。 図7Bは、各停止モードにおける各部の説明図(その2)である。
以下、添付図面を参照して本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<作業車両(トラクタ)1の全体構成>
まず、図1を参照して実施形態に係る作業車両1の全体構成について説明する。図1は、実施形態に係る作業車両1を示す概略左側面図である。なお、以下では、作業車両1としてトラクタを例に説明する。また、作業車両であるトラクタ1は、自走しながら圃場で農作業を行う農用トラクタである。
また、作業車両であるトラクタ1は、操縦者(作業者ともいう)が搭乗して圃場内を走行しながら所定の作業を実行する他、制御装置100を中心とする制御系による各部の制御により、圃場内を自動走行しながら所定の作業を実行する。
なお、図1を用いた説明において、前後方向とは、トラクタ1の直進時における進行方向であり、進行方向前方側を「前」、後方側を「後」と規定する。トラクタ1の進行方向とは、トラクタ1の直進時において後述する操縦席8からハンドル9へと向かう方向である。
また、左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向である。以下では、「前」側へ向けて左右を規定する。すなわち、操縦者が操縦席8に着席して前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。上下方向とは、鉛直方向である。前後方向、左右方向および上下方向は、互いに3次元で直交する。
図1に示すように、トラクタ1は、走行車体2と、作業機6とを備える。走行車体2は、圃場内を走行可能であり、前輪3と、後輪4とを備える。前輪3は、左右一対で設けられた操舵用の車輪である。後輪4は、左右一対で設けられた駆動用の車輪(駆動輪)である。なお、走行車体2は、車輪(前輪3および後輪4)に代えてクローラ装置を備えてもよい。この場合、走行クローラが駆動輪である。
駆動輪である後輪4には、ボンネット5内に収容された駆動源であるエンジンEで発生した回転動力が、動力伝達装置(ミッションケース)12内に設けられた変速装置(トランスミッション)121(図3参照)で適宜減速されて伝達される。後輪4は、エンジンEから伝達された回転動力によって駆動される。変速装置121は、エンジンEから伝達される回転動力を複数(たとえば、1速〜8速)の変速段のうちいずれかの変速段に切り替える。
走行車体2は、エンジンEで発生し、かつ、変速装置121で減速された動力を、4WDクラッチを介して前輪3にも伝達可能に構成される。この場合、4WDクラッチが動力を伝達すると、エンジンEから伝達される動力によって前輪3および後輪4の四輪が駆動される。また、4WDクラッチが動力の伝達を遮断すると、エンジンEから伝達される動力によって後輪4のみの二輪が駆動される。このように、走行車体2は、二輪駆動(2WD)と四輪駆動(4WD)とを切り替え可能に構成される。
走行車体2の後部には、圃場内で作業を行う作業機6が連結され、作業機6を駆動する動力を伝達するPTO(Power take-off)軸71を有するPTO装置7が設けられる。走行車体2の中央部には、操縦者がトラクタ1を操縦する場合に座る操縦席8が設けられる。操縦席8の前方には、前輪3の操舵用のハンドルであるステアリングホイール9が設けられる。ステアリングホイール9は、ハンドルポスト10の上端部に設けられる。ハンドルポスト10の下方、操縦席8に操縦者が座った場合における操縦者の足元付近には、各種操作ペダル11(アクセルペダルやブレーキペダル、クラッチペダルなど)が設けられる。
また、走行車体2の後部には、作業機6を昇降させる昇降装置13が設けられる。昇降装置13は、作業機6を上昇させることで、作業機6を非作業位置に移動させる。また、昇降装置13は、作業機6を下降させることで、作業機6を対地作業位置に移動させる。昇降装置13は、油圧式の昇降シリンダ131と、リフトアーム132と、リフトロッド133と、ロアリンク134と、トップリンク135を備える。
リフトアーム132は、昇降シリンダ131に作動油が供給されると、軸AXまわりに作業機6を上昇させるように回動し、昇降シリンダ131から作動油が排出されると、軸AXまわりに作業機6を下降させるように回動する。なお、リフトアーム132の基部(軸AX付近)には、リフトアーム132の回動角度を検出するリフトアームセンサが設けられる。作業機6の高さは、リフトアームセンサの検出値に基づいて算出される。
また、リフトアーム132は、リフトロッド133を介してロアリンク134に連結される。このように、昇降装置13は、ロアリンク134とトップリンク135とで、走行車体2に対して作業機6を昇降可能に連結する。
なお、図1においては、作業機6がロータリ耕耘機の場合を例示している。ロータリ耕耘機は、PTO装置7のPTO軸71から伝達された動力によって耕耘爪61が回転することで、圃場面(土壌)を耕起する。
トラクタ1は、制御装置100(図2参照)を備える。制御装置100は、エンジンEを制御するとともに、走行車体2の走行速度を制御する。また、制御装置100は、作業機6を制御する。
また、トラクタ1は、測位装置150を備える。測位装置150は、走行車体2の上部に設けられ、走行車体2の位置を測定する。測位装置150は、たとえば、GNSS(Global Navigation Satellite System)であり、上空を周回している航法衛星Sからの電波を受信して測位および計時することができる。
また、トラクタ1は、作業者による情報処理端末(タブレット端末などの携帯端末)160の操作で特定の圃場における各種作業の設定を行うことができる。情報処理端末160は、インターネットなどの通信ネットワークに接続可能であり、通信ネットワークを介して作業管理装置と互いに接続可能である。この場合、作業管理装置は、いわゆるクラウドコンピューティングが可能なシステムである。情報処理端末160と作業管理装置とは、たとえば、無線LAN(Local Area Network)で接続される。
情報処理端末160は、たとえば、ハードディスク、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される記憶部と、タッチパネルにより構成される表示部および操作部とを備える。なお、操作部として、各種キーやボタンなどが別に設けられてもよい。作業管理装置は、CPU(Central Processing Unit)などを有する処理装置やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置、さらには入出力装置が設けられたコンピュータなどである。
<作業車両(トラクタ)1の動力伝達構成>
次に、図2を参照して作業車両(トラクタ)1の動力伝達構成について説明する。図2は、実施形態に係る作業車両(トラクタ)1の動力伝達構成(動力伝達装置12)の説明図である。図2に示すように、トラクタ1は、走行車体2の左右両側のそれぞれに、左右の前車軸31L,31Rに取り付けられた前輪3L,3Rと、左右の後車軸41L,41Rに取り付けられた左右の後輪4L,4Rとを備える。なお、以下の説明においては、符号に「L」を付して左側を示し、「R」を付して右側を示しているが、左右を区別する必要が無い場合は、たとえば、「前輪3」、「後輪4」のように「L」や「R」を付していない。
走行車体2の前部には、上記したように、エンジンEが搭載される。エンジンEからの回転動力は動力伝達機構を介して前輪3や後輪4に伝達される。また、上記したように、トラクタ1は、4WDクラッチ301を備え、4WDクラッチ301の切り替えによって、後輪4のみ駆動する2WD方式と前輪3および後輪4が共に駆動する4WD方式とに切り替え可能に構成される。
後輪4への動力伝達機構は、エンジンEの後段に前後進クラッチ303を介して変速装置121(図3参照)である主変速部302が配設され、さらに後段に変速装置121である副変速部304が配設され、さらに後段に後輪差動歯車装置305が配設される。また、後輪差動歯車装置305と後輪4とを連結する後車軸41の基部にはそれぞれブレーキ装置306が配設される。後輪4への動力伝達機構には、副変速部304の後段に設けられたアイドルギヤを介して変速軸307に入力され、4WDクラッチ301、前輪差動歯車装置308を介して前輪3へと動力が伝達される。
制御装置100には、前輪3の切れ角(操舵角ともいう)を検出する切れ角センサ309が接続される。なお、制御装置100は、切れ角センサ309の検出値を用いて、前輪3の切れ角をフィードバックしながらステアリングシリンダ310を制御して操舵する、自動走行モードを設定可能に構成される。
後輪4に設けられたブレーキ装置306は、走行車体2に設けられた左右のブレーキペダル311L,311Rを操縦者が踏み込み操作することで、ブレーキシリンダ317が油圧により作用して機能する。すなわち、左後車軸41Lの基部に設けられた左ブレーキ装置306Lが左ブレーキシリンダ317Lに接続され、右後車軸41Rの基部に設けられた右ブレーキ装置306Rが右ブレーキシリンダ317Rに接続される。
左右のブレーキシリンダ317L,317Rは、制御装置100に接続された左右のブレーキソレノイド312L,312Rと接続される。このため、制御装置100に所定のブレーキ信号が入力されると、制御装置100は、ブレーキソレノイド312を駆動して、左右のブレーキ装置306L,306Rのいずれか一方または両方を作動させることができる。なお、ブレーキソレノイド312L,312Rは、たとえば、比例調圧弁313を介して、油圧ポンプ314、リリーフバルブ315などと共に油圧回路を形成する。
また、トラクタ1は、PTOクラッチ316を備える。PTOクラッチ316は、電子制御クラッチであり、作業機6(図1参照)に連結されるPTO軸71への動力を接続または非接続する。PTO軸71には、エンジンEからの回転動力が、PTOクラッチ316によって継断可能に伝達される。また、PTO軸71は、前段側にPTO変速第1シフタおよびPTO変速第2シフタが設けられ、これら各シフタが操作されることにより、低速から高速でPTO軸71を順回転させることができるとともに、逆転させることもできる。
<作業車両(トラクタ)1の制御系>
次に、図3を参照して制御装置100を中心とする作業車両(トラクタ)1の制御系について説明する。図3は、実施形態に係る作業車両(トラクタ)1の制御系の一例を示すブロック図である。図3に示すように、制御装置100は、エンジンECU(Electronic Control Unit)101と、走行系ECU102と、作業機昇降系ECU103とを備える。エンジンECU101は、エンジンEの回転数を制御する。走行系ECU102は、駆動輪(後輪4)の回転を制御することで、走行車体2(図1参照)の走行速度を制御する。作業機昇降系ECU103は、昇降装置13を制御して作業機6を昇降駆動する。
制御装置100は、電子制御によって各部を制御することが可能であり、CPU(Central Processing Unit)などを有する処理部をはじめ、各種プログラムや圃場ごとに予め設定された走行車体2の後述する予定走行経路Rなどの必要なデータ類が記憶される記憶部などを備える。
図3に示すように、制御装置100には、測位装置(GNSS)150、エンジン回転センサ110、車速センサ111、変速センサ112、切れ角センサ309などの各種センサ類が接続される。エンジン回転センサ110は、エンジンEの回転数を検出する。車速センサ111は、走行車体2(図1参照)の走行速度(車速)を検出する。変速センサ112は、変速装置121において複数の変速段のうちいずれの変速段であるかを検出する。切れ角センサ309は、上記したように、前輪3(図1参照)の切れ角を検出する。
制御装置100には、測位装置150から圃場などにおける走行車体2の位置情報、エンジン回転センサ110からエンジンEの回転数、車速センサ111から走行車体2の走行速度、変速センサ112から現在の変速段、切れ角センサ309から前輪3の切れ角がそれぞれ入力される。
なお、制御装置100は、トラクタ1を自動走行させる場合、上記したように、切れ角センサ309の検出値を用いて、前輪3の切れ角をフィードバックしながらステアリングホイール9に連結されたステアリングシリンダ310(図2参照)を制御することで、ステアリングホイール9を操舵する。
制御装置100においては、エンジンECU101がエンジンEに接続され、走行系ECU102が変速装置121に接続され、作業機昇降系ECU103が昇降装置13に接続される。エンジンECU101は、エンジンEに向けて回転制御信号を出力する。走行系ECU102は、変速装置121に向けて変速段切替制御信号を出力する。作業機昇降系ECU103は、昇降装置13に向けて作業機昇降信号を出力する。また、昇降装置13は、作業機昇降系ECU103から出力された作業機昇降信号に基づいて作業機6を昇降させる。
また、制御装置100においては、トラクタ1を自動走行させる場合には、作業機6による作業内容に応じた予定走行経路R(図4参照)が予め圃場ごとに定められ、データ化されて記憶部に記憶される。制御装置100は、測位装置150の測定結果に基づいて、記憶された予定走行経路Rに沿って走行するように、エンジンE、変速装置121、昇降装置13などを制御する。予定走行経路Rは、圃場の形状、大きさ、圃場内に形成された畝の幅、長さおよび本数、さらには作物の種類などに応じて設定される。なお、予定走行経路Rについては、図4を用いて後述する。
また、上記したように、制御装置100は、たとえば、トラクタ1の作業者が携行可能な情報処理端末(携帯端末)160と無線接続される。制御装置100は、作業者の操作による情報処理端末160からの指示信号に基づいてトラクタ1の各部を制御する。
また、制御装置100は、トラクタ1の機体情報データベースを保持し、型式などの情報の受け渡しを携帯端末160などからも行えるように構成してもよい。
ここで、図1に戻り、作業車両(トラクタ)1の監視制御について説明する。図1に示すように、トラクタ1は、たとえば、走行車体2の上部における前部および後部に設けられた前方監視カメラ170aおよび後方監視カメラ170bを備える。なお、トラクタ1は、ステアリングホイール9付近のメータパネル前方に設けられた監視カメラをさらに備えてもよい。制御装置100は、たとえば、Wi−Fi(登録商標)などの無線LANによって各監視カメラ170a,170bに接続される。前方監視カメラ170aでは、トラクタ1の進行方向の障害物などの確認を行う。また、後方監視カメラ170bでは、作業機6による作業跡の確認を行う。また、メータパネル前方の監視カメラでは、トラクタ1の走行速度、その他の異常状態の確認を行う。
なお、各監視カメラ170a,170bにIPアドレスを設定し、各監視カメラ170a,170bを、たとえば、無線LANを経由して携帯端末160と通信可能に構成してもよい。また、各監視カメラ170a,170bによる撮影画像を分割表示する構成としてもよい。
また、制御装置100は、リモコンに接続され、リモコンに対して常時通信可能に構成される。制御装置100は、リモコンとの通信途絶が確定した場合には、トラクタ1を停止させるように各部を制御する。これにより、リモコンによる遠隔操作が不能な状態におけるトラクタ1(走行車体2)の自動走行を停止させることができる。
また、制御装置100は、測位装置150による上空の航法衛星S(図1参照)の捕捉(以下、衛生捕捉という)が不安定になった場合にトラクタ1を停止させるように各部を制御する。また、制御装置100は、衛生捕捉の異常による停止であることを作業者(監視者)に知らせるように、たとえば、警告表示や警告音を発生させる。これにより、トラクタ1(走行車体2)が正確に直進できない場合に自動走行を停止させることができる。また、制御装置100は、衛生捕捉が不安定な状態で停止させている場合にはその他の遠隔指示を受け付けない。また、制御装置100は、衛生捕捉が不安定な状態から復帰した場合には、復帰したことを作業者(監視者)に警告表示や警告音などで知らせたうえで遠隔指示を受け付ける。なお、衛生捕捉の異常による停止中であることや、リモコンによる遠隔操作を受け付けない状態であることを、たとえば、ウィンカの点滅などにより作業者(監視者)に報知するように構成してもよい。
<圃場F内における自動走行>
次に、図4を参照して作業車両(トラクタ)1の圃場F内における自動走行について説明する。図4は、圃場F内における自動走行の説明図である。たとえば、自動走行しながら無人で作業を行うトラクタ1による耕耘作業の場合、制御装置100(図3参照)の導出部は、トラクタ1(走行車体2および作業機6)の全長、全幅、トレッド、作業機6(たとえば、ロータリ耕耘機)の能力、圃場Fの形状や面積などが含まれる情報などに基づいて、適切な旋回位置や、耕深などが規定された走行経路(予定走行経路R)を生成するための情報を導出する。
図4に示すように、トラクタ1は、予定走行経路Rに沿って、圃場Fの入り口Finから圃場F内に進入し、適切に旋回走行しながら耕耘作業を自動で行う。また、プログラムによっては、耕耘作業の後、圃場Fの出口Foutから圃場F外に出て、所定の場所で停止するといった制御も可能である。
なお、制御装置100は、予定走行経路Rを設定する場合に、トラクタ1(走行車体2)を圃場Fの端部から横方向に1回、縦方向に1回走行させ、圃場Fの四隅となる4つの点を取得することで圃場Fを計測し、計測結果に基づいて予定走行経路Rを算出するように構成してもよい。
トラクタ1(走行車体2)は、圃場F内において直進し、畦(圃場Fの端縁)付近に到達すると旋回して再度直進することを繰り返しながら対地(耕耘)作業を行う。トラクタ1は、旋回を行う場合、旋回開始地点P1で旋回を開始し、旋回終了地点P2で旋回を終了する。制御装置100(図3参照)は、トラクタ1(走行車体2および作業機6)の全長や全幅、機体能力に応じて予定走行経路R上に予め旋回開始地点P1および旋回終了地点P2を設定する。
また、制御装置100は、トラクタ1が旋回を行う場合、予定走行経路R上における旋回開始地点P1のトラクタ1の進行方向手前に減速地点P3を設定する。なお、トラクタ1が旋回を行う場合、トラクタ1は適切な走行速度で旋回する必要がある。このため、制御装置100は、旋回開始地点P1において所定の変速段で旋回を開始することができるように、減速地点P3において変速装置121(図3参照)が所定の変速段よりも高速側の変速段に操作されている場合には低速側となる所定の変速段に切り替える。
<旋回開始制御>
次に、図4および図5を参照して制御装置100が実行する作業車両(トラクタ)1の旋回開始制御の処理手順について説明する。図5は、旋回開始制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。図4および図5に示すように、トラクタ1の旋回開始制御においては、まず、制御装置100は、自動走行センサの検出結果に基づいて、トラクタ1、すなわち、走行車体2(図1参照)が自動走行であるか否かを検出する(ステップS101)。制御装置100は、走行車体2が自動走行であることを検出した場合(ステップS101:Yes)には予定走行経路R上に旋回開始地点P1を設定する(ステップS102)。なお、制御装置100は、ステップS101の処理において自動走行を検出しない場合(ステップS101:No)には処理を終了する。
次いで、制御装置100は、変速センサ112(図3参照)の検出結果に基づいて変速装置121(図3参照)の現在の変速段を検出する(ステップS103)。なお、変速センサ112は、変速装置121の主変速部302(図2参照)の主変速ギヤの位置を検出する。次いで、制御装置100は、変速センサ112の検出結果に基づいて、現在の変速段が予め設定された所定の変速段よりも高速側であるか否かを検出する(ステップS104)。制御装置100は、現在の変速段が所定の変速段よりも高速側であることを検出した場合(ステップS104:Yes)には、旋回開始地点P1の手前に減速地点P3を設定する(ステップS105)。なお、制御装置100は、ステップS104の処理において所定の変速段よりも高速側であることを検出しない場合(ステップS104:No)には減速地点P3の設定を行わない。すなわち、後述するステップS108の処理に移行する。たとえば、変速段が「1速」から「4速」までは減速しない。
次いで、制御装置100は、走行車体2が減速地点P3に到達したか否かを検出する(ステップS106)。制御装置100は、走行車体2が減速地点P3に到達したことを検出した場合(ステップS106:Yes)には変速装置121の主変速ギヤを操作して現在の変速段よりも低速側となる所定の変速段に切り替える(ステップS107)。すなわち、制御装置100は、円滑な旋回を行える速度まで走行車体2の走行速度(車速)を減速させる。なお、制御装置100は、ステップS106の処理において走行車体2が減速地点P3に到達したことを検出しない場合(ステップS106:No)は減速地点P3に到達したことを検出するまで処理を繰り返す。
制御装置100は、たとえば、所定の変速段が「4速」に設定されていれば、現在の変速段が「5速」以上の場合は「4速」まで1段ずつ減速させる。また、制御装置100は、走行車体2を減速させる場合には所定時間(たとえば、0.7秒)ごとに主変速ギヤを操作するように段階的に減速指示を出力する。また、制御装置100は、所定の変速段に応じて予め減速時のエンジンEの回転数を決定する。なお、減速時のエンジンEの回転数は、たとえば、「4速」の場合は1000rpm、「3速」の場合は1300rpm、「1速」および「2速」の場合は1600rpm、と設定することが好ましい。
次いで、制御装置100は、走行車体2が旋回開始地点P1に到達したか否かを検出する(ステップS108)。制御装置100は、走行車体2が旋回開始地点P1に到達したことを検出した場合(ステップS108:Yes)にはステアリングホイール9(図1参照)を自動操舵して旋回を開始し(ステップS109)、旋回開始制御の処理を終了する。なお、制御装置100は、ステップS108の処理において走行車体2が旋回開始地点P1に到達したことを検出しない場合(ステップS108:No)は旋回開始地点P1に到達したことを検出するまで処理を繰り返す。
かかる構成によれば、走行車体2が旋回を行う場合、走行車体2が旋回開始地点P1に近づくと変速装置121の現在の変速段が所定の変速段よりも高速側であれば低速側の変速段に切り替えて走行速度(車速)を減速させるため、旋回を円滑に行うことができる。また、旋回を安全に行うことができる。
なお、制御装置100は、走行車体2が旋回開始地点P1に到達すると、エンジンE(図2参照)の回転数を低下させる。この場合、制御装置100は、たとえば、「4速」であれば1000rpm、「3速」であれば1300rpm、「1速」および「2速」であれば1600rpm、というようにエンジンEの回転数を低下させる。
また、制御装置100は、旋回開始地点P1を設定するとともに、予定走行経路R上に、走行車体2が旋回を終了する旋回終了地点P2を設定する。制御装置100は、走行車体2が旋回終了地点P2に到達すると、エンジンEの回転数を、走行車体2が旋回を開始する前の回転数に復帰(上昇)させる。このように、制御装置100は、走行車体2が旋回を終了すると、走行車体2の走行速度を旋回前の速度まで上昇させる。この場合、制御装置100は、減速時と同様、所定時間(たとえば、0.7秒)ごとに変速段を切り替える。
また、制御装置100は、減速地点P3において所定の変速段に切り替える場合に所定時間(たとえば、2秒間)切り替え操作が実行されないと、走行車体2を停止する。
ここで、制御装置100は、上記した旋回開始制御において減速地点P3を設定する場合に、現在の変速段が所定の変速段よりも高速側であるほど減速地点P3を旋回開始地点P1に対して離れた位置に設定する。この場合、制御装置100は、測位装置150の測定結果に基づいて走行車体2が旋回開始地点P1に到達するまでの距離を算出し、現在の変速段に応じて、たとえば、「8速」であれば8m、「7速」であれば6m、「6速」であれば4m、「5速」であれば2m、というように旋回開始地点P1から距離をあけて減速地点P3を設定する。なお、制御装置100は、所定の変速段が「4速」に設定されている場合に現在の変速段が「4速」であれば、減速地点P3を設定しない。
かかる構成によれば、走行車体2が旋回を行う場合、現在の変速段が所定の変速段よりも高速側であるほど減速地点P3を旋回開始地点P1から遠い位置に設定することで、旋回開始地点P1において走行速度(車速)が適切に減速され、旋回を円滑に行うことができる。また、旋回を安全に行うことができる。
<旋回時の作業機昇降制御>
次に、図4および図6を参照して制御装置100が実行する作業車両(トラクタ)1の旋回時の作業機昇降制御について説明する。図6は、作業機昇降制御の処理手順の一例を示すフローチャートである。図4および図6に示すように、トラクタ1の旋回時の作業機昇降制御においては、まず、制御装置100は、トラクタ1、すなわち、走行車体2(図1参照)が減速地点P3に到達したか否かを検出する(ステップS201)。制御装置100は、走行車体2が減速地点P3に到達したことを検出した場合(ステップS201:Yes)には、上記したように、現在の変速段よりも低速側となる所定の変速段に切り替える(ステップS202)。なお、制御装置100は、ステップS201の処理において走行車体2が減速地点P3に到達したことを検出しない場合(ステップS201:No)は減速地点P3に到達したことを検出するまで処理を繰り返す。
次いで、制御装置100は、昇降装置13を制御して作業機6を非作業位置に向けて上昇駆動する(ステップS203)。また、制御装置100は、変速装置121の変速段に応じて、エンジンEを制御してエンジンEの回転数を低下させる(ステップS204)。
次いで、制御装置100は、走行車体2が旋回開始地点P1に到達したか否かを検出する(ステップS205)。制御装置100は、走行車体2が旋回開始地点P1に到達したことを検出した場合(ステップS205:Yes)には走行車体2の旋回を開始する(ステップS206)。なお、制御装置100は、ステップS205の処理において走行車体2が旋回開始地点P1に到達したことを検出しない場合(ステップS205:No)は旋回開始地点P1に到達したことを検出するまで処理を繰り返す。
次いで、制御装置100は、走行車体2が旋回終了地点P2に到達したか否かを検出する(ステップS207)。制御装置100は、走行車体2が旋回終了地点P2に到達したことを検出した場合(ステップS207:Yes)には走行車体2の旋回を終了する(ステップS208)。なお、制御装置100は、ステップS207の処理において走行車体2が旋回終了地点P2に到達したことを検出しない場合(ステップS207:No)は旋回終了地点P2に到達したことを検出するまで処理を繰り返す。
次いで、制御装置100は、昇降装置13を制御して作業機6を(対地)作業位置に向けて下降駆動する(ステップS209)。また、制御装置100は、作業機6を下降駆動するとともに、エンジンEの回転数を、走行車体2が旋回を開始する前の回転数に復帰(上昇)させ(ステップA210)、作業機昇降制御を終了する。この場合、制御装置100は、たとえば、エンジンEの回転数を2200rpmまで上昇させる。また、制御装置100は、減速時と同様、所定時間(たとえば、0.7秒)ごとに変速段を切り替える。
かかる構成によれば、走行車体2の減速後に作業機6を上昇させることで、走行車体2の走行負荷を低減することができる。また、作業機6の上昇後にエンジンEの回転数を低下させることで、エンジンストールを防ぎつつ走行速度(車速)を旋回に適した速度(旋回速度)に制御することができるとともに、燃料の消費を抑制することができる。また、走行車体2の旋回終了後、作業を速やかに再開することができる。
ここで、トラクタ1(走行車体2)の自動走行時におけるリモコンによる遠隔操作時の誤操作防止について説明する。本実施形態においては、リモコンによる遠隔操作時、PTOをONにする場合にはPTOボタンの所定時間(たとえば、0.5秒)以上の長押しを必要とする。また、トラクタ1(走行車体2)を前進させる場合には前進ボタンの所定時間(たとえば、0.5秒)以上の長押しを必要とする。また、トラクタ1(走行車体2)を後進させる場合にも後進ボタンの所定時間(たとえば、0.5秒)以上の長押しを必要とする。
また、トラクタ1(走行車体2)の主変速を増速させる場合には増速ボタンの所定時間(たとえば、0.5秒)以上の長押しを必要とする。さらに、トラクタ1(走行車体2)の主変速を減速させる場合にも減速ボタンの所定時間(たとえば、0.5秒)以上の長押しを必要とする。このように、各操作ボタンについて長押しが必要な構成とすることで、リモコンによる遠隔操作時の誤操作を防止することができる。
また、トラクタ1(走行車体2)の自動走行時におけるエンジンEの回転数を変更する場合の遠隔操作について説明する。本実施形態においては、エンジンEの回転数を変更する場合、リモコンにファンクションキーを(たとえば、1つ)設け、ファンクションキーと増速ボタンとを共に長押しすることで、エンジンEの回転数を100rpm増加させる構成とする。なお、エンジンEの回転数の増加は、たとえば、定格回転数である2200rpmを上限とすることが好ましい。
また、ファンクションキーを設け、ファンクションキーと減速ボタンとを共に長押しすることで、エンジンEの回転数を100rpm減少させる構成とする。なお、エンジンEの回転数の減少は、たとえば、1000rpmを下限とすることが好ましい。
また、トラクタ1(走行車体2)の自動走行時におけるリモコンによる遠隔操作不能時のトラクタ1の停止条件について説明する。本実施形態においては、リモコンによる遠隔操作不能時、トラクタ1とリモコンとの常時通信ラインが所定時間(たとえば、0.5秒)以上途切れた場合にトラクタ1を一時停止させる。また、常時通信ラインが切断状態となり、さらに所定時間(たとえば、1.0秒)以上接続されなかった場合にはトラクタ1を通常の停止状態よりも高いランクの非常停止状態とする。なお、非常停止状態を解除する場合、トラクタ1(走行車体2)の内部に設けられたリセットボタン(物理ボタン)を押さなければ解除されない構成とする。
なお、トラクタ1(走行車体2)の自動走行時、リモコンによる遠隔操作で増速させる場合は中3速(3.5km/h)までを上限とすることが好ましい。また、自動走行を始めるにあたり、中3速(3.5km/h)以上に操作されている場合は自動走行をONにできない。また、たとえば、トラクタ1(走行車体2)が想定した速度(たとえば、4km/h)以上で所定時間(たとえば、3秒)以上走行した場合には、異常状態とみなしてトラクタ1を停止させる。このように、自動走行において速度規制することで安全性が向上する。
<作業車両(トラクタ)1のモード>
次に、図7Aおよび図7Bを参照して作業車両(トラクタ)1の各モードについて説明する。図7Aおよび図7Bは、停止モードを含む各モードにおける各部の説明図である。なお、図7Aには、各モードの関係を模式化して示し、図7Bには、各モードにおける各部の動作の一例を表にしている。
図7Aに示すように、トラクタ1のモードは、「通常モード」、「停止モード」、「エンドストップ(モード)」、「初期化停止(モード)」を含む。なお、各モードにはそれぞれ優先度が設定され、「通常モード」が最も低い優先度「1」であり、停止モードが最も高い優先度「4」である。各モードは、優先度に応じて使用可能な機能が制限される。図示の例では、優先度が高いほど機能が制限される。
なお、図中の矢線A1で示す「通常モード」から「停止モード」に移行する場合には、たとえば、測位装置150(図1参照)の受信が途切れた場合、リモコンの電源が切れた場合、CAN通信できない場合、後述するガイダンス装置異常や操舵装置異常の場合、さらには障害物を検知した場合などがある。また、図中の矢線A2で示す「通常モード」から「エンドストップ(モード)」に移行する場合には、作業が終了した場合がある。
また、図中の矢線A3で示す「エンドストップ(モード)」から「初期化停止(モード)」に移行する場合には、リニアシフトが前進または後進になった場合がある。なお、図中の一点破線で示すように、「エンドストップ(モード)」から「初期化停止(モード)」に移行する動作はトラクタ1(図1参照)におけるモード遷移の一連の動作である。また、図中の矢線A4で示す「初期化停止(モード)」から「通常モード」に移行する場合には、リニアシフトが前進または後進からニュートラルになった場合がある。
図7Bに示すように、たとえば、「通常モード」では、警報1(警告灯)がON、警報2(警告音)がON、PTOがONまたはOFF、前後進が前進(F)、後進(B)、ニュートラル(N)、エンジン回転が高速(H)または低速(L)である。また、「停止モード」では、警告灯がOFF、警告音がON、PTOがOFF、前後進がニュートラル(N)、エンジン回転が低速(L)である。また、「エンジンストップ(モード)」では、警告灯がOFF、警告音がON、PTOがOFF、前後進がニュートラル(N)、エンジン回転が低速(L)である。また、「緊急停止モード」では、警告灯がOFF、警告音がON、PTOがOFF、前後進がニュートラル(N)、エンジン回転が低速(L)である。
なお、本実施形態においては、トラクタ1(走行車体2)の手動走行(手動モード)と自動走行(自動モード)とを遷移することができる。制御装置100は、トラクタ1(走行車体2)の自動走行においてリモコンによる遠隔操作が不能となった場合には「停止モード」になり、トラクタ1を停止させる。また、制御装置100は、自動走行において測位信号(たとえば、GPS信号)が途切れた場合には「停止モード」になり、トラクタ1を停止させる。
また、制御装置100は、トラクタ1とのCAN通信が確立できない場合には「停止モード」になり、トラクタ1を停止させる。また、制御装置100は、トラクタ1の前方に障害物がありトラクタ1が障害物に衝突すると判断した場合には「停止モード」になり、トラクタ1を停止させる。また、制御装置100は、ガイダンス装置や操舵装置に異常が発見された場合には「停止モード」になり、トラクタ1を停止させる。なお、ガイダンス装置の異常とは、たとえば、測位情報に含まれる捕捉された航法衛星S(図1参照)の数が規定基(たとえば、3基)に満たないような場合がある。また、操舵装置の異常とは、たとえば、制御装置100(図2参照)から操舵指示が出ているにもかかわらず、切れ角センサ309(図2参照)が変化しない場合がある。
また、制御装置100は、ガイダンス装置から作業終了信号を受信した場合には「エンドストップモード」になり、トラクタ1を停止させる。なお、「エンドストップモード」では、リモコンによる遠隔操作(トラクタ1の動作指示)を受け付けないものとし、作業者などが操縦席8(図1参照)からトラクタ1(走行車体2)を前後進操作させない限り解除されない。また、作業者がトラクタ1(走行車体2)に搭乗して作業者による前後進操作を検出した場合には自動走行に係る指示はすべて停止し、作業者による手動操作を優先する。
また、制御装置100は、図7Aに示すように、いずれの停止モードからでも緊急停止スイッチが押された場合には「緊急停止モード」になり、自動走行に係る指示を受け付けない。この場合、制御装置100は、トラクタ1の主電源をOFFにするまで通常モードには復帰しない。また、制御装置100は、いずれの停止モードにも当てはまらない場合はリモコン操作モードとしてリモコンによる遠隔操作を可能にする。
また、制御装置100は、図7Bに示すように、「通常モード」から「停止モード」に移行した場合、たとえば、前後進をニュートラル(N)にしてトラクタ1を停止させ、PTOをOFFにし、エンジンEの回転数を1000rpmまで低下(低速)させる。また、制御装置100は、「停止モード」からリモコンによる操作を可能とする「リモコン操作モード」に移行した場合に、リモコンから前後進操作が行われた場合には、たとえば、PTOをONにし、エンジンEの回転数を低下させる指示をキャンセルし、トラクタ1(走行車体2)を前進させる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 作業車両(トラクタ)
2 走行車体
3 前輪
31 前車軸
4 後輪
41 後車軸
5 ボンネット
6 作業機
61 耕耘爪
7 PTO装置
71 PTO軸
8 操縦席
9 ハンドル(ステアリングホイール)
10 ハンドルポスト
11 操作ペダル
12 動力伝達装置(ミッションケース)
13 昇降装置
131 昇降シリンダ
132 リフトアーム
133 リフトロッド
134 ロアリンク
135 トップリンク
100 制御装置
101 エンジンECU
102 走行系ECU
103 作業機昇降系ECU
110 エンジン回転センサ
111 車速センサ
112 変速センサ
150 測位装置(GNSS)
160 情報処理端末(携帯端末)
170a 前方監視カメラ
170b 後方監視カメラ
301 4WDクラッチ
302 主変速部
303 前後進クラッチ
304 副変速部
305 後輪差動歯車装置
306 ブレーキ装置
307 変速軸
308 前輪差動歯車装置
309 切れ角センサ
310 ステアリングシリンダ
311 ブレーキペダル
312 ブレーキソレノイド
313 比例調圧弁
314 油圧ポンプ
315 リリーフバルブ
316 PTOクラッチ
317 ブレーキシリンダ
AX 軸
E エンジン
F 圃場
in 入り口
out 出口
P1 旋回開始地点
P2 旋回終了地点
P3 減速地点
R 予定走行経路
S 航法衛星

Claims (5)

  1. 駆動輪を有する走行車体と、
    前記走行車体の駆動源であるエンジンと、
    前記エンジンからの回転動力を前記駆動輪に伝達する動力伝達装置と、
    前記動力伝達装置内に設けられ、前記エンジンから伝達される回転動力を複数の変速段のうちいずれかの変速段に切り替える変速装置と、
    前記複数の変速段のうちいずれの変速段であるかを検出する変速センサと、
    前記走行車体の位置を測定する測位装置と、
    前記走行車体の予定走行経路を記憶し、前記測位装置の測定結果に基づいて、前記記憶された予定走行経路に沿って前記走行車体が自動で走行するよう各部を制御する制御装置と
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記走行車体が旋回を行う場合、前記予定走行経路上における前記走行車体の旋回開始地点の手前に減速地点を設定するとともに、前記変速センサによって検出された変速段が所定の変速段よりも高速側であれば前記減速地点において低速側となる前記所定の変速段に切り替えること
    を特徴とする作業車両。
  2. 前記制御装置は、
    前記走行車体が旋回を行う場合、前記変速センサによって検出された変速段が所定の変速段よりも高速側であるほど前記減速地点を前記旋回開始地点に対して離れた位置に設定すること
    を特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記走行車体に装着される作業機と、
    前記作業機を昇降させる昇降装置と
    を備え、
    前記制御装置は、
    前記昇降装置を制御して前記作業機を昇降駆動し、
    前記走行車体が前記減速地点に到達後、前記所定の変速段に切り替えると前記作業機を上昇駆動すること
    を特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
  4. 前記制御装置は、
    前記エンジンの回転数を制御し、
    前記作業機を上昇駆動した後に前記エンジンの回転数を変速段に応じて低下させること
    を特徴とする請求項3に記載の作業車両。
  5. 前記制御装置は、
    前記予定走行経路上に前記走行車体の旋回終了地点を設定し、
    前記走行車体が前記旋回終了地点に到達すると、前記作業機を下降駆動するとともに前記エンジンの回転数を旋回開始前の回転数に復帰させること
    を特徴とする請求項4に記載の作業車両。
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