JP2019187329A - 茶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
その他、嬉野茶などで採用されている炒り蒸や、湿度60〜90%、温度250〜390℃程度の高湿度熱風を当てて加熱処理を行う殺青方法(特許文献1、2参照)なども知られている。
碾茶の製造方法においても、近年、蒸熱による殺青処理の代わりに、熱風による殺青処理が提案されている(例えば特許文献3参照)。
また、特許文献5には、生茶葉を炒る殺青工程と、殺青された茶葉から夾雑物を除く粉取り工程と、該粉取り工程後の茶葉から易破砕茶葉を除く除去工程と、該易破砕茶葉が除去された茶葉を揉み込む揉捻工程とを具備する製茶方法により、焦げ葉を含む易破砕茶葉を完全に除去することにより、荒茶の品質を向上させる製茶方法が開示されている。
そして、上記加熱処理を行った後、茶葉に力を加えて焦げ部分を正常部から分離する焦げ部分離処理を行い、当該焦げ部分を除去する焦げ部除去処理を行うことで、大きな焦げ部をそのまま分離除去することができる。
このように、本発明が提案する茶の製造方法によれば、正常な葉の歩留りを維持しつつ、焦げ部、中でも大きな面積の焦げ部を効率良く除去することができる。
本発明が提案する茶の製造方法(「本茶製造方法」とも称する)は、茶葉を加熱して茶葉の水分量を50〜70%(W.B.)に調整する加熱処理を行った後、茶葉に力を加えて焦げ部分を正常部から分離する焦げ部分離処理を行い、当該焦げ部分を除去する焦げ部除去処理を行うことを特徴とする茶の製造方法である。
本茶製造方法における加熱処理は、茶葉の水分量を50〜70%(W.B.)に調整することができれば、釜炒りなどの直火加熱、炒り蒸、熱風を当てる熱風殺青又は乾燥など、任意の加熱手段を採用可能である。これらを組み合わせることも可能である。
かかる観点から、加熱処理では、茶葉の水分量を50〜70%(W.B.)に調整することが好ましく、中でも52%(W.B.)以上或いは68%(W.B.)以下、その中でも55%(W.B.)以上或いは65%(W.B.)以下に調整することがさらに好ましい。
焦げ部分離処理で分離除去される茶葉(分離焦げ部)の多くは、焦げた茶葉であるか若しくは後工程で焦げる可能性の高い茶葉であり、病変部の多くが含まれている。そのため、上記比率(B/A)になるように前記加熱処理を実施することで、正常な茶葉部に柔軟性を保たせつつ、焦げ部となる可能性の高い病変部などの異常な茶葉部を脆くすることができるため、後工程の焦げ部分離処理において、焦げた茶葉若しくは後工程で焦げる可能性の高い茶葉を容易に分離することができる。
更に、病変部の過度な乾燥を抑制することで、焦げ部が脆くなり過ぎることを防止し、病変部を大きな面積の焦げ部として得られるようにすることができる。加えて、正常部の柔軟性を保たせることで、焦げ部分離処理において茶葉に力を加えた場合であっても、正常部から葉切れ、葉こぼれなどの細かい葉が発生するのを抑制することができ、焦げ部を選択的かつ効率よく分離することができ、正常部の歩留りを向上させることができる。
よって、加熱処理は、焦げ部分離処理において分離除去されない茶葉(正常部)の水分量(A)に対する、分離除去される茶葉(分離焦げ部)の水分量(B)の比(B/A)が0.2〜0.7となるように実施することが好ましく、中でも0.22以上或いは0.60以下、その中でも0.25以上或いは0.50以下となるように実施することがさらに好ましい。
また、本発明において、「正常部」とは商品となり得る茶葉及びそのような部分を示し、「病変部」とは病変した茶葉若しくは茶葉の一部のほか、病気以外の要因、例えば外傷や害虫などの影響で損傷し、正常部と比較して水分量が少ない部分も包含する意である。
本茶製造方法における焦げ部分離処理において、茶葉に力を加えて焦げ部分を分離する方法としては、茶葉に打圧力を加える方法、茶葉に摩擦力を加える方法、茶葉を挟む又は押し付けるなどして圧力を加える方法など、焦げ部を正常部から分離することができれば任意の方法を採用可能である。なお、この際の正常部は焦げ部でない部分の意味である。
上述したように正常部から分離した焦げ部を除去する方法としては、例えば篩い分け、風選、色彩選別などの公知の選別方法を採用することができる。具体的には、金網などの網からなる回転胴内に通して、篩下に分離除去したり、或いは、金網などの網からなる篩に入れて振動させて篩下に分離除去したりすることができる。
本茶製造方法では、前記加熱処理後であって前記焦げ部分離処理の前に、細かい葉を除去する小茶葉分離処理を行うようにしてもよい。
この小茶葉分離処理を導入して、焦げ部分離処理の前に予め小さい茶葉片を除去しておくことにより、焦げ部分離処理において、乾燥が進んでいる小さい葉が混じらないため、茶葉に力を加えた際に、小さい葉が砕けて生じる細かい焦げ葉の発生を抑制し、正常部に細かい焦げ葉が付着することによる分離不良を抑制することができる。
なお、上記「小さい茶葉片」の目安としては、5mm四方〜10mm四方に相当する大きさのものであり、上記「細かい茶葉片」の目安としては、5mm四方に相当する大きさよりも小さい大きさのものである。
本茶製造方法は、殺青処理や乾燥処理などの加熱処理を行う茶の製造方法であれば利用可能である。
本発明の実施形態の一例に係る製造方法(「本碾茶製造方法」と称する)は、生茶葉を加熱して茶葉の殺青を行う殺青処理を実施した後、必要に応じて小さい葉を除去する小茶葉分離処理を行い、次いで、焦げ部分離処理を行うと共に焦げ部除去処理を行い、必要に応じて散茶処理を行い、次に、茶葉に熱を与えて茶葉の乾燥を行う乾燥処理を実施し、その後、つる切り処理を実施することを特徴とする碾茶の製造方法である。
本碾茶製造方法の原料茶葉である生茶葉は、茶の品種、茶の栽培方法及び摘採時期を限定するものではない。例えば、収穫前に一定期間被覆栽培して摘採した覆下茶葉を使用することも可能であるし、被覆栽培しない茶葉を使用することもできる。また、一番茶、二番茶、三番茶、四番茶、秋冬番茶などを使用することもできる。
また、茶の品種や、茶の栽培方法や、摘採時期などが異なる二種類以上の茶葉を組み合わせて使用することも可能である。
なお、本発明における「生茶葉」とは、酵素の失活処理(殺青)が為されていない茶葉をいう。
本碾茶製造方法の殺青処理では、上述した理由により、茶葉の水分量を50〜70%(W.B.)に調整することが好ましく、中でも52%(W.B.)以上或いは68%(W.B.)以下、その中でも55%(W.B.)以上或いは65%(W.B.)以下に調整することがさらに好ましい。
以下、熱風を用いて殺青と同時に乾燥を行う場合の条件に付いて説明する。
180℃以上の温度の熱風を作製して生茶葉に供給すれば、生茶葉を必要十分に殺青することができ、且つ、茶葉の茶葉の水分量を好ましい範囲に調整することができる。但し、あまりに高い温度の熱風と接触させると、焦げる可能性がある。
かかる観点から、殺青処理では、180℃以上、中でも190℃以上或いは350℃以下、その中でも200℃以上或いは335℃以下の温度に調整した熱風を作製し、当該熱風を生茶葉に供給して接触させるのがさらに好ましい。
殺青処理における生茶葉の流量(kg/min)と熱風の風量(m3/min)との比率(茶葉流量/熱風風量×100)を10〜17と調整することにより、殺青を的確に行いつつ、碾茶の緑色度合いを高めることができる。
かかる観点から、殺青処理における生茶葉の流量(kg/min)と熱風の風量(m3/min)との比率(茶葉流量/熱風風量×100)を10〜17(単位kg/m3)と調整するのが好ましく、中でも11以上或いは16以下、その中でも12以上或いは15以下とするのがさらに好ましい。
なお、生茶葉の流量とは、殺青処理装置に単位時間当たりに供給する生茶葉量を意味し、熱風風量とは、単位時間当たりに供給する熱風の量を意味する。
本碾茶製造方法では、前記殺青処理後であって前記焦げ部分離処理の前に、小さい葉を除去する小茶葉分離処理を行うのが好ましい。但し、必要に応じて小茶葉分離処理を行えばよく、必ず必要な処理ではない。
乾燥処理の前に、焦げ部分離処理及び焦げ部除去処理を行うことで、病変部由来の焦げている葉や、水分量が少ないために乾燥処理で焦げる葉を、乾燥処理に供する量を減らすことができる。これにより、乾燥処理にて病変部が焦げたり、茶葉が碾炉内を移動する際に脆くなった病変部が正常部から分離して碾炉内に落下して焦げたりすることなどを少なくすることができ、碾茶への焦げ臭の付着を抑制することができる。
さらに、乾燥処理前の加熱処理、小茶葉分離処理、焦げ部分離処理及び焦げ部除去処理の各処理において、細かい焦げ葉が正常な茶葉に付着するのを抑制することができ、乾燥処理において正常な茶葉表面に焦げが発生することを抑制することができ、碾茶への焦げ臭の付着を抑制することができる。
このような装置、すなわち回転金網胴内に回転軸及び多数の攪拌羽根を備えた装置を用いて茶葉を処理すれば、多数の攪拌羽根によって、茶葉に打圧を加えることができ、焦げ部分を、焦げていない部分から分離させることができるばかりか、回転羽根の先端部と回転金網胴の内周との隙間において、茶葉に摩擦圧を加えることができ、焦げ部分の分離を促進させることができる。
また、回転金網胴の網目の形状は、正方形、長方形、菱形、円、楕円その他の形状であってもよく、網目の大きさは、長径が1〜10mmであるのが好ましく、中でも1.5mm以上或いは8mm以下、その中でも2mm以上或いは6mm以下であるのがさらに好ましく、短径が0.5〜8mmであるのが好ましく、中で1mm以上或いは7mm以下、その中でも2mm以上或いは5mm以下であるのがさらに好ましい。
上記焦げ部除去処理後、散茶機などを用いて、茶葉を攪拌して、茶葉を冷却させると共に茶葉を分散させる散茶処理を行うのが好ましい。
このように、茶葉を冷却させると共に、茶葉を分散させて茶葉同士が重なって付着するのを抑制することにより、乾燥処理の効果を均一に付与することができるばかりか、茶葉の色沢が黒くなることを抑制することができる。
乾燥処理では、茶葉を加熱して茶葉の水分量を3〜50%(W.B.)に乾燥するのが好ましい。
本碾茶製造方法において、茶葉を乾燥させる方法としては、熱媒体を用いた間接加熱が好ましく、更に空気、蒸気、加熱した無機固形物や有機物固形物に接触させる方法が好ましく、更に赤外線や遠赤外線を用いる方法、熱風を用いる方法、加熱水蒸気を用いる方法、加熱した容器に茶葉を接触させる方法が好ましく、特に碾炉などを用いて、輻射熱を利用して茶葉に熱を与えて乾燥を行うのが好ましい。輻射熱を利用して茶葉を加熱することにより、茶葉に独特の炙り香を付けることができる。
碾炉は、煉瓦で囲まれており、煉瓦の輻射熱すなわち遠赤外線による熱を利用した炉である。
この際、複数の段のうち最も温度の高い領域の雰囲気温度を170〜220℃、中でも180℃以上或いは210℃以下とし、その領域を通過する時間を90〜210秒、中でも100秒以上或いは200秒以下、その中でも150秒以上或いは190秒以下とするのが好ましい。
また、全ての段を移動する全段移動時間は、10〜21分、中でも12分以上或いは19分以下、その中でも13分以上或いは19分以下とするのが好ましい。
つる切り処理では、乾燥処理した後、葉脈及び茎を除いて葉肉のみとして選別するのが好ましい。
さらに、必要に応じて、葉肉を選別した際の茶葉の径(最長部分の幅×長さ)が25×35mm、中でも幅が2mm以上或いは15mm以下、長さが2mm以上30mm以下となるように、粉砕及び選別するのが好ましい。
本碾茶製造方法により得られる碾茶は、緑色度合いに優れた碾茶であるから、粉状に挽いて抹茶として利用することができる。
さらに本碾茶製造方法によれば、秋冬番茶などのより安価な原料茶を使用して緑色度合いを効果的に高めることができるため、安価な加工食品用原料を提供することができる。
本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(一番茶、被覆あり、摘採日5月30日)を使用した。この原料茶葉(生葉)の水分量は80.4%(W.B.)であった。
なお、茶葉の水分量は、水分計測計(株式会社島津製作所水分計「MOC63u」)を用いて105℃の常圧乾燥で計測した(後も同様)。
この際、殺青処理時間、すなわち熱風を生茶葉に接触させる時間、すなわち回転処理胴内を生茶葉が通過する時間は3分であり、生茶葉の流量は280kg/h(4.7kg/min)であり、熱風の風量(m3/min)は33.9であり、茶葉流量/熱風風量×100は13.8(kg/m3)であった。
殺青処理後の茶葉(D)の水分量は64.8%(W.B.)であった。
回転金網胴が回転しながら茶葉を移動させることができ、多数の攪拌羽根によって茶葉はたたかれ、細かくなった茶葉片は回転金網胴の網目から下に篩い落されるようになっている。
この際、原料茶葉(生葉)の0.94質量%相当の茶葉が、網目から下に篩い落されて除去された。すなわち、分離焦げ部の原料生葉に対する除去率は0.94質量%であった(表には「除去率」として示されている)。そして、篩上の茶葉(「正常部」)及び篩下に分離除去された茶葉(「分離焦げ部」)それぞれの中から任意に20gを抽出し、正常部の水分量(A)及び分離焦げ部の水分量(B)をそれぞれ測定し、正常部の水分量(A)に対する分離焦げ部の水分量(B)の比(B/A)を算出した。
なお、上記分離焦げ部の茶葉を観察したところ、焦げ部であるか、後工程で焦げ部となる病変部であった。この点は、他の実施例についても同様であった。
この際用いた碾炉は、側壁が断熱性能に優れた耐火煉瓦からなり、炉内が上段、二段、取出し段、下段に区画され、下段のコンベヤの下の耐火煉瓦で囲われた地下空間に重油燃焼式のバーナーを備えており、バーナーの火焔によって加熱された高温ガスは、火炉から分岐した複数本の煙道に沿って下段からその他の段へと折り返され、碾茶機の側面に設けられた煙突から外部へ排気される構成になっていた。そして、この碾炉内をベルトコンベヤ式の搬送手段に乗せて茶葉を、下段、上段、二段、取出し段の順に移動させながら乾燥し、下段領域の雰囲気温度を211℃、下段領域を通過する時間を1分50秒とし、上段領域の雰囲気温度を118℃、上段領域を通過する時間を3分50秒とし、二段領域の雰囲気温度を104℃、二段領域を通過する時間を4分57秒とし、そして取出し段領域の雰囲気温度を101℃、取出し段領域を通過する時間を5分23秒とし、全段移動時間を16分とした。
小茶葉分離処理を追加した以外、実施例1と同様に碾茶(サンプル)を得た。すなわち、殺青処理を行った後、回転攪拌羽根付きの回転金網胴に搬送しながら小茶葉分離処理を行った以外は、実施例1と同様に碾茶(サンプル)を得た。
この際、小茶葉分離処理は、殺青処理済の茶葉を、ワイヤネットコンベヤ(網目:長径8mm×短径6mm)に載せて、搬送速度25cm/秒、搬送時間10秒で搬送しながら小茶葉分離処理を行った。
原料茶葉(生葉)の0.22質量%相当の茶葉が篩下に除去された。すなわち、分離された小茶葉の原料生葉に対する除去率は0.22質量%であった(表には「除去率」として示されている)。そして、除去された小茶葉の水分量(E)は38.4%(W.B.)であった。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(一番茶、被覆あり、摘採日5月30日、水分量は78.3%(W.B.))を使用した以外、実施例1と同様に碾茶(サンプル)を得た。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(二番茶、被覆あり、摘採日7月18日、水分量は79.3%(W.B.))を使用した以外、実施例2と同様に碾茶(サンプル)を得た。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(秋冬番茶、無被覆、摘採日10月26日、水分量は69.6%(W.B.))を使用した以外、実施例2と同様に碾茶(サンプル)を得た。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(秋冬番茶、無被覆、摘採日10月26日、水分量は69.6%(W.B.))を使用した以外、実施例1と同様に碾茶(サンプル)を得た。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(秋冬番茶、無被覆、摘採日10月26日、水分量は71.2%(W.B.))を使用した以外、実施例2と同様に碾茶(サンプル)を得た。
焦げ部分離処理を行わなかった以外、実施例1と同様に、碾茶(サンプル)を得た。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(二番茶、被覆あり、摘採日7月18日、水分量は79.3%(W.B.))を使用した以外、比較例1と同様に碾茶(サンプル)を得た。
原料茶葉として、奈良県産品種やぶきた(秋冬番茶、無被覆、摘採日10月26日、水分量は69.6%(W.B.))を使用した以外、比較例1と同様に碾茶(サンプル)を得た。
碾茶製造方法を次の指標で評価した。
上記実施例において、焦げ部除去処理で除去された茶葉を目視にて、製品となり得る正常な茶葉すなわち正常部を選別して「除去された葉のうち正常部が占める割合」を求めて下記基準で評価した。
◎:焦げ部除去処理後の除去率が1.5質量%未満であり、除去された葉のうち正常部が占める割合が10%未満である(各割合は生葉換算。以下同じ)
○:焦げ部除去処理後の除去率が1.5質量%未満であり、除去された葉のうち正常部が占める割合が30%未満である
×:焦げ部除去処理後の除去率が1.5質量%以上、又は除去された葉のうち正常部が占める30%以上
上記実施例・比較例で得た碾茶(つる切り唐箕後葉)から任意に200gを抽出し、目視にて焦げ葉を選別して焦げ葉の割合(質量%)を測定し、下記基準で焦げ葉の除去率を評価した。
◎:焦げ葉の割合が0.25質量%未満
○:焦げ葉の割合が0.25質量%以上0.30質量%未満
×:焦げ葉の割合が0.30質量%以上
上記実施例・比較例で得た碾茶(サンプル)を、茶葉の製造に従事する10人のパネラーを選出し、下記の基準で評価し、最も評価の多かったものを採用した。
○:焦げ臭をほとんど感じなかった。
×:焦げ臭を感じた。
上記実施例及び本発明者がこれまでおこなってきた試験結果から、茶葉の水分量を50〜70%(W.B.)に調整する加熱処理を行った後、茶葉に力を加えて焦げ部分を分離する焦げ部分離処理を行い、当該焦げ部分を除去する焦げ部除去処理を行うことにより、例えば後工程の加熱乾燥などで焦げ部となる部分を含めて、大きな面積の焦げ部を大きいまま得ることができ、正常な葉の歩留りを維持しつつ、焦げ部、中でも大きな面積の焦げ部を効率良く除去することができることが分かった。
Claims (5)
- 茶葉を加熱して茶葉の水分量を50〜70%(W.B.)に調整する加熱処理を行った後、茶葉に力を加えて焦げ部分を正常部から分離する焦げ部分離処理を行い、当該焦げ部分を除去する焦げ部除去処理を行うことを特徴とする茶の製造方法。
- 前記加熱処理は、焦げ部分離処理において分離除去されない茶葉の水分量(A)に対する、分離除去される茶葉の水分量(B)の比(B/A)が0.2〜0.7となるように実施することを特徴とする請求項1に記載の茶の製造方法。
- 前記焦げ部分離処理と前記焦げ部除去処理とを同時に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の茶の製造方法。
- 前記加熱処理後であって前記焦げ部分離処理の前に、小さい葉を除去する小茶葉分離処理を行うことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の茶の製造方法。
- 前記焦げ部除去処理後に、茶葉を乾燥する乾燥処理を行うことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の茶の製造方法。
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