JP2019187205A - 電力変換装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】回路の大型化を抑制しつつノイズを低減可能な電力変換装置を提供する。【解決手段】電力変換装置は、スイッチングデバイスを有するパワーモジュール13と、一端がパワーモジュール13と接続される導電性部材からなるケーブル10Nと、パワーモジュール13及びケーブル10Nを収納する金属製の筐体6と、を備える。ケーブル10Nは、ケーブル10Nの側面にて接続される導電性部材からなる追加導電部材19を有する。追加導電部材19は、パワーモジュール13からケーブル10Nに伝播するノイズに含まれる波長の4分の1の長さである。【選択図】図3
Description
本発明は、電力変換装置に関する。
電力変換装置は、供給される直流電流を交流電流に変換し、変換した交流電流を電動機などに供給する。電力変換装置が備えるインバータなどの回路モジュール(パワーモジュール)は、複数のパワー半導体素子がモジュール化されて構成されるスイッチ群を有しており、それらのスイッチ群がコントローラによって制御されることで、直流電流から交流電流への変換を行う。しかしながら、回路モジュールにおいては、スイッチ開閉の際に生じる漏れ電流に起因してノイズが発生してしまうことがある。
特許文献1に開示の技術によれば、スイッチング素子の近傍においてインダクタとコンデンサとからなる直列回路を浮遊容量と並列に介挿し、この直列回路と浮遊容量とによって共振回路を構成する技術が開示されている。この技術によれば、共振周波数をノイズの周波数に一致させることによって、アースからフレームへと逆流するノイズが共振回路によって抑制される。
特許文献1に開示される技術によれば、直列回路が介挿されることによってノイズを低減できる。しかしながら、ノイズの強度や周波数などによっては回路が大型化してしまい製造コストが上昇するおそれがあるという課題がある。
本発明はこのような課題を解決するために発明されたもので、回路の大型化を抑制しつつノイズの低減を図る電力変換装置を提供するものである。
本発明の一態様の電力変換装置は、スイッチングデバイスを有するパワーモジュールと、一端がパワーモジュールと接続される導電性部材からなるケーブルと、パワーモジュール、及び、ケーブルを収納する金属製の筐体と、を有する。ケーブルは、ケーブルの側面にて接続される導電性部材からなる追加導電部材を備える。追加導電部材は、パワーモジュールからケーブルに伝播するノイズに含まれる波長の4分の1の長さである。
本発明によれば、ケーブルにノイズ波長の4分の1の波長を有する追加導電部材を設けることにより、回路の大型化を抑制しつつノイズの低減を図ることができる。
本発明の実施形態、本発明の利点については、添付された図面を参照しながら以下に詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電力変換装置に関する回路図である。
図1は、第1実施形態に係る電力変換装置に関する回路図である。
電力変換装置1は、直流電源2と電動機(回転電機)3との間に設けられている。なお、これらの構成が電動車両などに用いられる場合には、電動機3が駆動源となる。このような電動車両は、三相交流電力モータなどの電動機3を走行駆動源として走行する車両であり、電動機3は電気自動車の車軸に結合されている。電動車両には、ハイブリッド自動車(HEV)も含まれている。なお、電力変換装置1は、車両以外の装置に搭載されてもよい。
直流電源2は、動力源であり、複数の電池などにより構成されている。直流電源2は、正極が正極配線4Pを介して、筐体6内においてインバータ13と接続される正極給電母線10Pと接続されており、負極が負極配線4Nを介して、筐体6内においてインバータ13と接続される負極給電母線10Nと接続される。なお、正極配線4P、負極配線4Nは、メッシュなどに覆われてシールドされていることが多い。なお、負極給電母線10Nは、その側面に後述のスタブ19を備える。
電動機3は、複数の相(本実施形態では3相:U相、V相、及び、W相)で動作するものとする。電動機3は、直流電源2からの直流電流を電力変換装置1により変換された交流電流を受けて、回転駆動する。なお、電力変換装置1と電動機3とは、U相配線5U、V相配線5V、及び、W相配線5Wを介して接続されている。
電力変換装置1は、複数のスイッチングデバイスであるパワー半導体素子11A、11B、11C、12A、12B、12Cがモジュール化された回路モジュールであるインバータ13を有する。インバータ13は、パワーモジュールの一例である。これらのパワー半導体素子11A、11B、11C、12A、12B、12Cは、スイッチとして機能し、制御回路14からの信号に応じてスイッチを開閉することで、直流電力から交流電力への変換がなされる。そして、電動機3にて所望の回転力を得るための交流電力が生成されると、生成された交流電流は電動機3に出力される。なお、以下において、パワー半導体素子11A、11B、11C、12A、12B、12Cを区別しない場合には、単にパワー半導体素子と称するものとする。
上述のように電力変換装置1は3相にて動作しており、パワー半導体素子11Aと12AとがU相の交流電力を生成し、パワー半導体素子11Bと12BとがV相の交流電力を生成し、パワー半導体素子11Cと12CとがW相の交流電力を生成する。また、パワー半導体素子11A、11B、及び、11Cは、正極配線4P及び正極給電母線10Pを介して、直流電源2の正極と接続されて、それぞれの相における上アームとして動作する。パワー半導体素子12A、12B、及び、12Cは、負極配線4N及び負極給電母線10Nを介して、直流電源2の負極と接続されて、下アームとして動作する。なお、負極配線4N及び負極給電母線10Nが筐体6にて結線されるとともに、負極配線4Nがアースされていてもよい。
U相配線5U、V相配線5V、及び、W相配線5Wは、それぞれの一端が電動機3と接続される。そして、U相配線5Uの他端は、パワー半導体素子11Aとパワー半導体素子12Aとの間に接続されている。V相配線5Vの他端は、パワー半導体素子11Bとパワー半導体素子12Bとの間に接続されている。W相配線5Wの他端は、パワー半導体素子11Cとパワー半導体素子12Cとの間に接続される。U相配線5U、V相配線5V、及び、W相配線5Wは、電力変換装置1内に設けられる板状の導体(バスバー)を介して、パワー半導体素子と接続されてもよい。
電力変換装置1は、正極給電母線10Pと負極給電母線10Nとの間に、コンデンサ15を有する。このコンデンサ15により、直流電源2から電力変換装置1へと供給される電源に含まれるノイズを抑制することができる。
電動機3は、例えば、電気自動車などに用いられる交流電力モータなどであり、電動機3が電気自動車に用いられる場合には、電動機3の出力軸は電気自動車の車軸に結合される。なお、電動機3は、電気自動車に限らず、イブリッド自動車(HEV)にも適用することができ、また車両以外の装置にも適用可能である。
図2は、具体的な電力変換装置1の概略構成図である。この図には、図1に対応する構成が示されている。
電力変換装置1は、例えば金属製の筐体6の中に設けられており、筐体6は、直流電源2と正極配線4P、及び、負極配線4Nを介して接続されるとともに、電動機3とU相配線5U、V相配線5V、及び、W相配線5Wを介して接続されている。なお、筐体6は、電力変換装置1の一部として構成されてもよい。
また、筐体6内には、正極給電母線10P、及び、負極給電母線10Nが、板状の電極として構成される。また、筐体6内には、U相配線5Uと接続されるU相バスバー16U、及び、V相配線5Vと接続されるV相バスバー16V、及び、W相配線5Wと接続されるW相バスバー16Wが設けられる。筐体6内では、正極給電母線10P、及び、負極給電母線10Nと、U相バスバー16U、V相バスバー16V、及び、W相バスバー16Wとが、半導体素子と不図示の配線を介して接続されている。
インバータ13においては、筐体6内にてモジュール化されたパワー半導体素子11A、11B、11C、12A、12B、12Cが制御回路14からの信号により開閉されることで、電動機3において所望の回転力を得るための交流電力が、直流電力から変換して生成される。なお、制御回路14は、インバータ13の上方に設けられているものとする。
インバータ13は、筐体6の上に設けられる絶縁性部材からなるトレイ17の第1面(表面)上に設けられている。なお、トレイ17は、インバータ13の取付台に相当し、冷却器であってもよい。
図3は、電力変換装置1の要部の概略構成図である。
この図では、電力変換装置1の要部が開示されており、電力変換装置1は、全体が金属性の筐体6の内に設置されている。そして、トレイ17上に設けられるインバータ13が概略的に示されている。
負極給電母線10Nは、一端がインバータ13と接続されている。負極給電母線10Nにおける側面の一部である接続部20において、負極給電母線10Nの延伸方向に対して略垂直となるように導電性部材により構成される追加導電部材であるスタブ19が接続される。
スタブ19の長さは、下記の(1)、(2)式を用いて定められる。
ただし、各パラメータは次の式のとおりである。なお、fmn及びλは、インバータ13にて発生するノイズのうちの除去したいノイズの周波数及び波長であるものとする。例えば、fmn及びλは、ノイズのうちの比較的強度の大きい周波数及び波長となる。
スタブ19は、その長さが、除去したいノイズの波長λの4分の1である「λ/4」となるように設定される。
例えば、筐体6において、fmn=1000MHzの平面波のノイズが、比誘電率εr=4,比透磁率μr=1のカバー内を伝播する場合には、伝播速度はc=1.5×108(m/s)となるため、λ=0.15(m)と定められる。したがって、スタブ19の長さである「λ/4」が0.0375(m)として設定されることで、所望の周波数のノイズを抑制できる。
次に、図4を用いて、スタブ19によりノイズが抑制される原理について説明する。
この図に示すように、インバータ13にて発生するノイズが、負極給電母線10Nを介して伝播すると仮定する。このノイズの一部は、接続部20からスタブ19へと伝播する。接続部20からスタブ19へと伝播したノイズは、接続部20の反対側の端部である反射端21に到達すると、反射端21において反射して、再び接続部20へと伝播する。
スタブ19は、その長さが負極給電母線10Nを伝播するノイズの波長λの4分の1に相当する「λ/4」である。そのため、接続部20から伝播したノイズは、スタブ19において反射端21にて反射して往復する間に、「λ/2」だけ位相が遅れるため実質的に相転換が行われる。そのため、接続部20から再び負極給電母線10Nへと伝播する反射波の位相は、スタブ19を経由せずに負極給電母線10Nを伝播するノイズとは逆相になるので、負極給電母線10Nを伝播するノイズの一部は反射波により打ち消される。そのため、筐体6には、一部の周波数が反射により打ち消されたノイズが搬送される。
このように、スタブ19の長さをノイズの波長λに応じて定めることで、負極給電母線10Nを伝播するノイズを抑制することができる。なお、負極給電母線10Nはコモンモードノイズが流れる経路に該当するため、負極給電母線10Nが負極スタブ19Nを備えることにより、コモンモードのノイズを抑制することができる。
ここで、筐体6においては、筐体6の大きさに応じた空洞共振が発生することが知られている。そこで、スタブ19を空洞共振の波長に応じた長さとすることで、発生するノイズを効率よく低減することができる。以下では、この空洞共振について説明する。
図5は、空洞共振の周波数に関するパラメータを示す図である。
筐体6において発生する空洞共振の共振周波数fxは、次式により表される。
図5に示されるように、a、b及びcは、筐体6のx軸、y軸及びz軸に相当する。m、n及びpは、それぞれ、x軸、y軸及びz軸方向における振動モードを表すパラメータである。
(4)式を(1)、(2)式と組み合わせることにより、共振周波数fxに応じた共振波長λxを求めることができる。そして、スタブ19の長さを「λx/4」とすることで、空洞共振に起因するノイズが低減される。
図6Aは、第1実施形態の変形例の回路図である。図6Bは、変形例の電力変換装置1の要部の概略構成図である。
これらの図では、インバータ13が、ケーブル18を介して筐体6と接続されている。そして、ケーブル18が、スタブ19を有する。このように構成しても、インバータ13からケーブル18へと伝播するノイズを抑制することができる。
第1実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
第1実施形態の電力変換装置1は、インバータ13と接続するケーブル18や負極給電母線10Nは、側面に接続される追加電導部材であるスタブ19を備える。スタブ19は、その長さが、インバータ13にて発生するノイズに含まれる周波数fmnに応じた波長λの4分の1(λ/4)となる。
インバータ13にて発生するノイズは、負極給電母線10Nを介して搬送される際に、その一部は接続部20を介してスタブ19へと伝播する。接続部20からスタブ19へと伝播されたノイズは、反射端21において反射して再び接続部20へと伝播する。
接続部20からスタブ19に伝播したノイズは、スタブ19において反射端21にて反射して往復する間にスタブ19の長手方向の往復距離(「λ/4」×2)だけ伝播経路が長くなるので、「λ/2」だけ位相が遅れ、実質的に相転換が行われる。そのため、反射端21にて反射した反射波の位相は、インバータ13から直接負極給電母線10N内を伝播するノイズとは逆相になるので、ノイズの一部が反射波により打ち消される。したがって、負極給電母線10N内において、スタブ19の長さに応じた一部の周波数fmnのノイズが打ち消される。
このようなスタブ19は、筐体6の内部においてインバータ13と接続される負極給電母線10Nの側面に備えられる。スタブ19が筐体6内に位置することにより、筐体6からのノイズの漏出を抑制することができる。したがって、筐体6をモジュールとして扱う場合には、ノイズの漏出対策の必要性を低減できる。
第1実施形態の電力変換装置1によれば、スタブ19は負極給電母線10Nの側面に設けられる。このように構成されることで、スタブ19を設けるケーブルを別途設ける必要がなくなるので、電力変換装置1の構成が簡略化され、構成の追加を抑制しながらノイズを低減できる。
第1実施形態の電力変換装置1において、スタブ19は、その長さが、筐体6が空洞共振する場合の共振波長λxの4分の1(λx/4)となる。ここで、インバータ13を覆う筐体6において空洞共振が発生してしまうと、式(4)に示されるような空洞共振周波数fxにおいて、ノイズが強くなる。そこで、スタブ19を共振周波数fxに応じた長さ(λx/4)とすることにより、強度の比較的強いノイズを抑制できるので、ノイズ抑制を効率的に行うことができる。
(第2実施形態)
第1実施形態においては、負極給電母線10Nにスタブ19が設けられる例について説明したが、これに限らない。正極給電母線10Pにスタブ19が設けられもよい。第2実施形態においては、負極給電母線10N及び正極給電母線10Pの双方がスタブ19を備える例について説明する。
第1実施形態においては、負極給電母線10Nにスタブ19が設けられる例について説明したが、これに限らない。正極給電母線10Pにスタブ19が設けられもよい。第2実施形態においては、負極給電母線10N及び正極給電母線10Pの双方がスタブ19を備える例について説明する。
図7は、第2実施形態の電力変換装置1の要部の概略構成図である。
インバータ13には、正極給電母線10P、及び、負極給電母線10Nが接続されている。なお、正極給電母線10P、及び、負極給電母線10Nは、それぞれにおいて、一端がインバータ13と接続され、他端が筐体6の内面と接続される。また、正極給電母線10Pの側面に正極スタブ19Pを備え、負極給電母線10Nの側面に負極スタブ19Nを備える。
2つの正極給電母線10P、及び、負極給電母線10Nを介して、直流電源2とインバータ13との間に閉回路が構成される。
第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第2実施形態の電力変換装置1によれば、インバータ13にて発生するノイズは、正極給電母線10Pに接続される正極スタブ19Pでの反射波、及び、負極給電母線10Nに接続される負極スタブ19Nでの反射波によって、打ち消される。正極給電母線10Pまたは負極給電母線10Nの何れか一方にスタブを設ければ、ノーマルモードのノイズを抑制することが可能となる。一方、正極給電母線10P及び負極給電母線10Nの両方にスタブを設けた場合には、さらに、コモンモードのノイズを抑制することが可能になる。
(第3実施形態)
第1及び第2実施形態においては、スタブ19が直線状である例について説明したが、これに限らない。第3実施形態においては、スタブ19が屈曲する例について説明する。
第1及び第2実施形態においては、スタブ19が直線状である例について説明したが、これに限らない。第3実施形態においては、スタブ19が屈曲する例について説明する。
図8は、第3実施形態の電力変換装置1の要部概略構成図である。
インバータ13に接続される負極給電母線10Nは、側面に、屈曲したスタブ19を備える。スタブ19は、負極給電母線10Nの側面と一端が接続する第1スタブ19−1と、第1スタブ19−1の他端と接続される第2スタブ19−2との2つの部分からなり、第1スタブ19−1の他端と第2スタブ19−2の一端とは屈曲部22において折れ曲がるように構成される。なお、第1スタブ19−1と第2スタブ19−2との長さの和が、負極給電母線10Nを伝播するノイズの波長λの4分の1に相当する「λ/4」となる。
負極給電母線10Nの接続部20から第1スタブ19−1へと伝播するノイズは、合計長が「λ/4」となる第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2を伝播し、第2スタブ19−2の反射端21において反射した後に、再び合計長が「λ/4」となる第2スタブ19−2及び第1スタブ19−1を伝播して、接続部20から負極給電母線10Nへと戻る。
このように構成されても、反射波は、第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2によって「λ/2」だけ経路長が長くなるため、インバータ13にて発生するノイズに対して位相が反転する。したがって、反射波によってノイズが打ち消されるので、インバータ13から筐体6へと伝播するノイズにおいて、第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2の全長に応じた周波数fmnのノイズを打ち消すことができる。
第3実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第3実施形態の電力変換装置1は、反射波は、第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2によって「λ/2」だけ経路長が長くなるため、インバータ13にて発生するノイズに対して位相が反転する。したがって、反射波によってノイズが打ち消されるので、インバータ13から伝播するノイズにおいて、第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2の全長に応じた周波数fmnのノイズを打ち消すことができる。
さらに、スタブ19が屈曲部22を有するため、第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2の長さを設計に応じて変更できるので、電子部品のレイアウトの自由度が向上し、筐体6内のスペースの活用を図ることができる。
(第4実施形態)
第1乃至第3実施形態においては、スタブ19が筐体6の中において大気中に設けられる例について説明した。第4実施形態においては、スタブ19がカバーにより覆われている例について説明する。なお、カバーは、誘電体や磁性体などで構成される。
第1乃至第3実施形態においては、スタブ19が筐体6の中において大気中に設けられる例について説明した。第4実施形態においては、スタブ19がカバーにより覆われている例について説明する。なお、カバーは、誘電体や磁性体などで構成される。
図9Aは、第4実施形態の電力変換装置1の概略構成図である。
図9Bは、図9Aにおける位置Aの縦断面図である。
図9Aに示されるように、インバータ13に接合される負極給電母線10Nには、下側面に接する中実のカバー23が設けられている。カバー23は一面に深さが「λ/4」でありスタブ19が挿入または圧入可能な凹部を備える。カバー23の凹部を備える一面と負極給電母線10Nの下側面と接するとともに、カバー23の凹部に「λ/4」の長さのスタブ19(不図示)が挿入または圧入される。なお、図9Bに示されるように、カバー23は、筐体6の底面(内面)とも接する。
ここで、式(2)に示されるように、カバー23が誘電体である場合には比誘電率εrが比較的小さいのでノイズの伝播速度(光速)cが遅く(小さく)なる。そのため、(1)式に示されるように、抑制したいノイズの周波数fmnが同じであっても波長λを短くできるため、長さが「λ/4」であるスタブ19を短く構成することができる。同様に、カバー23が磁性体である場合には比透磁率μrが比較的小さいので、ノイズの伝播速度(光速)cが遅くなり、スタブ19を短く構成することができる。
なお、本実施形態においてはスタブ19の全てがカバー23により覆われる例について説明したが、これに限らない。スタブ19の一部だけがカバー23に覆われていても、スタブ19がカバー23により全く覆われていない場合と比較すると、スタブ19の全長を短くできる。
第4実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第4実施形態の電力変換装置1によれば、スタブ19は、誘電体または磁性体からなるカバー23により覆われている。スタブ19が誘電体からなるカバー23により覆われる場合には、比誘電率εsが大きくなり、式(2)により示される光速cが遅くなる。そのため、式(3)に示すように抑制したいノイズの周波数fmnが同じであれば波長λを短くできる。カバー23が磁性体からなる場合には、比透磁率μsが大きくなり光速cが遅くなるので、波長λを短くできる。そのため、長さが「λ/4」であるスタブ19を短く構成することができるので、筐体6を含む電力変換装置1の全体の小型化を図ることができる。
第4実施形態の電力変換装置1によれば、カバー23は筐体6の内面に接するように設けられる。このようにすることで、インバータ13における発熱は、ケーブルである負極給電母線10Nを介して筐体6へと排熱されるだけでなく、スタブ19及びカバー23を介しても筐体6へと排熱されるので、冷却効率が向上し電力変換装置1の温度上昇を抑制することができる。
(第5実施形態)
第4実施形態では、直線状のスタブ19がカバー23に覆われる例について説明したが、これに限らない。本実施形態においては、第3実施形態に示した屈曲するスタブ19がカバー23に覆われる例について説明する。
第4実施形態では、直線状のスタブ19がカバー23に覆われる例について説明したが、これに限らない。本実施形態においては、第3実施形態に示した屈曲するスタブ19がカバー23に覆われる例について説明する。
図10Aは、第5実施形態の電力変換装置1の要部の概略構成図である。
図10Bは、図10Aにおける位置Bの縦断面図である。
図10Aに示されるように、スタブ19と接続される負極給電母線10Nの大部分が、カバー23に覆われている。そして、図10Bに示されるように、負極給電母線10Nの側面にスタブ19が接続されており、スタブ19は、第1スタブ19−1と第2スタブ19−2との間に屈曲部22を有し、屈曲したスタブ19がカバー23により覆われている。このように構成される場合でも、第1スタブ19−1と第2スタブ19−2との長さが「λ/4」である限り、インバータ13にて発生するノイズを抑制することができる。
第5実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第5実施形態の電力変換装置1によれば、第1スタブ19−1及び第2スタブ19−2を有するスタブ19における反射波によって、インバータ13から伝播するノイズの一部が抑制される。
さらに、第3実施形態と同様に、スタブ19が屈曲部22を有するため、電子部品のレイアウトの自由度が向上する。その上、第4実施形態と同様に、スタブ19がカバー23により覆われることで、比誘電率εsまたは比透磁率μsが大きくなり、波長λを短くできるので、スタブ19を短く構成することができるので、電力変換装置1の小型化を図ることができる。
(第6実施形態)
第1乃至第5実施形態においては、1つの負極給電母線10Nに対して、1つのスタブ19を設ける例について説明したが、これに限らない。第6実施形態においては、1つの負極給電母線10Nに対して、2つのスタブ19が接続される例について説明する。
第1乃至第5実施形態においては、1つの負極給電母線10Nに対して、1つのスタブ19を設ける例について説明したが、これに限らない。第6実施形態においては、1つの負極給電母線10Nに対して、2つのスタブ19が接続される例について説明する。
図11は、第6実施形態の電力変換装置1の概略構成図である。
この図に示されるように、インバータ13に接続される負極給電母線10Nに対して、2つのスタブ19A、19Bが接合されている。なお、スタブ19A、19Bは、例えば、複数の周波数(fmn1、fmn2)に対応した長さ(λmn1/4、λmn2/4)であるものとする。なお、周波数(fmn1、fmn2)として、共振振動のノイズのうちの強度が比較的強い周波数を選択する。このように構成することで、複数の周波数のノイズを抑制できるので、ノイズ抑制の周波数帯域が拡大され、ノイズ抑制効果を向上させることができる。なお、スタブ19A、19Bは、同じ長さであっても、複数のスタブ19が設けられることにより、ノイズ抑制効果を向上させることができる。
第6実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第6実施形態の電力変換装置1は、1つの負極給電母線10Nに対して複数のスタブ19を有する。例えば、インバータ13において発生するノイズのうち最大の強度の周波数fmn1、及び、2番目に大きな強度の周波数fmn2とすると、スタブ19は、周波数fmn1、及び、fmn2に応じた、長さ「λ1/4」、「λ2/4」とする。このように構成することにより、スタブ19によって比較的強度の大きなノイズが抑制されることになり、インバータ13において発生するノイズを効率よく抑制することができる。また、スタブ19A、19Bは、同じ長さであっても、複数のスタブ19が設けられることにより、負極給電母線10N全体におけるノイズ抑制効果を向上させることができる。
(第7実施形態)
第1乃至第6実施形態においては、負極給電母線10Nに対してスタブ19を設ける例について説明したが、これに限らない。第1実施形態の変形例に示したように、負極給電母線10N以外のケーブル18がスタブ19を有してもよい。第7実施形態においては、負極給電母線10N以外のケーブル18がスタブ19を有する他の例について説明する。
第1乃至第6実施形態においては、負極給電母線10Nに対してスタブ19を設ける例について説明したが、これに限らない。第1実施形態の変形例に示したように、負極給電母線10N以外のケーブル18がスタブ19を有してもよい。第7実施形態においては、負極給電母線10N以外のケーブル18がスタブ19を有する他の例について説明する。
図12は、第7実施形態の電力変換装置1の回路図である。
この図に示されるように、インバータ13に接続される負極給電母線10Nは接地されており、さらに、負極給電母線10Nとは別に接地されるケーブル18を備える。このように構成される場合には、浮遊容量などを介して接地面へと漏れるノイズが、負極給電母線10N、ケーブル18、及び、接地面を経由して、電力変換装置1へと還流することが知られている。
ケーブル18の側面にスタブ19を備えることで、この電流の還流経路の一部を構成するケーブル18がスタブ19を備えることになる。これにより、筐体6から接地面に向かってケーブル18を流れるノイズを抑制できる。それに伴い、接地面から電力変換装置1へと還流するノイズも低減することができる。
また、図13に示すような、変形例のように電力変換装置1を構成してもよい。
この図に示されるように、インバータ13に接続される負極給電母線10Nは接地されており、さらに、負極給電母線10Nとは別に接地されるケーブル18を備える。そして、正極給電母線10Pが正極スタブ19Pを有し、負極給電母線10Nが負極スタブ19Nを有してもよい。このように構成しても、接地面を介したノイズの還流経路の一部を構成する負極給電母線10Nがスタブ19を備えることになる。
負極給電母線10Nが負極スタブ19Nを有することで、負極給電母線10N、ケーブル18、及び、接地面を経由して、電力変換装置1へと還流するノイズが低減できる。さらに、正極給電母線10Pと負極給電母線10Nとの両者がスタブ19を有することで、閉回路におけるノーマルモードのノイズも低減できる。
第7実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
第7実施形態の電力変換装置1によれば、ケーブル18や負極給電母線10Nは接地されるとともに、さらに、インバータ13と接続されている。また、ケーブル18や負極給電母線10Nはスタブ19を備える。接地面からの還流経路である負極給電母線10Nまたはケーブル18にスタブ19を設けることで、接地面から還流されるノイズを低減することができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されるわけではなく、特許請求の範囲に記載の技術的思想の範囲内で様々な変更を成し得ることは言うまでもない。
1 電力変換装置
3 電動機
6 筐体
4N 負極配線
10N 負極給電母線
13 インバータ
19 スタブ
22 屈曲部
23 誘電体
3 電動機
6 筐体
4N 負極配線
10N 負極給電母線
13 インバータ
19 スタブ
22 屈曲部
23 誘電体
Claims (9)
- スイッチングデバイスを有するパワーモジュールと、
一端が前記パワーモジュールと接続される導電性部材からなるケーブルと、
前記パワーモジュール、及び、前記ケーブルを収納する金属製の筐体と、を有する電力変換装置であって、
前記ケーブルは、該ケーブルの側面にて接続される導電性部材からなる追加導電部材を備え、
前記追加導電部材は、前記パワーモジュールから前記ケーブルに伝播するノイズに含まれる波長の4分の1の長さである、電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記ケーブルは、前記パワーモジュールに電力を供給する電源ケーブルである、
電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記ケーブルは、前記パワーモジュールにて発生するコモンモードのノイズが流れる経路の一部を構成する、
電力変換装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
前記ノイズの波長は、前記筐体が空洞共振する場合の共振波長である、
電力変換装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
前記追加導電部材は、屈曲部を有する、電力変換装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
前記追加導電部材の少なくとも一部は、誘電体または磁性体からなるカバーにより覆われる、電力変換装置。 - 請求項6に記載の電力変換装置であって、
前記カバーは、前記筐体の内面と接するように配置される、電力変換装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
前記ケーブルは、2つのケーブルからなり、それぞれが前記パワーモジュールに電力供給する電源の正極及び負極と接続される、電力変換装置。 - 請求項1から8のいずれか1項に記載の電力変換装置であって、
1つの前記ケーブルの側面には、複数の前記追加導電部材が接続され、
前記追加導電部材は、それぞれが、前記ノイズに含まれる波長の4分の1の長さである、電力変換装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018079256A JP2019187205A (ja) | 2018-04-17 | 2018-04-17 | 電力変換装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2018079256A JP2019187205A (ja) | 2018-04-17 | 2018-04-17 | 電力変換装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019187205A true JP2019187205A (ja) | 2019-10-24 |
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ID=68337441
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JP2018079256A Pending JP2019187205A (ja) | 2018-04-17 | 2018-04-17 | 電力変換装置 |
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JP (1) | JP2019187205A (ja) |
-
2018
- 2018-04-17 JP JP2018079256A patent/JP2019187205A/ja active Pending
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