JP2019186752A - 光回線ルート設計支援システム - Google Patents

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隆行 土屋
Takayuki Tsuchiya
隆行 土屋
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Abstract

【課題】伝送損失等の面で適切な光回線ルート設計が行える光回線ルート設計支援システムを提供する。【解決手段】本発明の光回線ルート設計支援システムは、敷設状態データベースと、光回線ルートを抽出するルート抽出手段と、伝送損失を推定する伝送損失推定手段と、を備え、敷設状態データベースは、敷設済みの複数の光テープ芯線のデータと、光テープ芯線の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータと、を備え、ルート抽出手段は、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線である第1条件を満たす光テープ芯線だけで、起点から終点に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を行い、伝送損失推定手段が、光回線ルートの光テープ芯線の伝送損失の推定値と光回線ルート中の光テープ芯線間の接続損失の推定値に基づいて、光回線ルート全体としての伝送損失を推定する。【選択図】図1

Description

本発明は光回線ルート設計支援システムに関するものである。
従来、光ファイバ芯線がクロージャ内で、既に、接続されている場合、その接続された2つの光ファイバ芯線を単一パスとして取り扱い、最短距離を採用する経路探索条件を付与したダイクストラ法で接続工事負荷の少ない光ケーブル網における光ファイバ経路設計支援装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2011−254221号公報
ところで、光ケーブルの敷設は、光通信網に加入する加入者が現れるごとに、光ケーブルが敷設されていない地域であれば、新たに敷設するといった具合に拡大し、現在では、既に、全国津々浦々に光ケーブルが敷設され、光ケーブル網が構築されている。
そして、新たな加入者のために光ケーブルを敷設するに当たっては、将来の加入者を見込んで、余剰の光ファイバ芯線を有する光ケーブルの敷設が実施されている。
このため、光ケーブル内に収容されている光ファイバ芯線は、加入者に割り当てられた現用回線(現用光ファイバ芯線)と、新たな加入者に割り当てることが可能な空き回線(空き光ファイバ芯線)と、に区別して管理することが行われている。
そして、光ケーブル網内で新たな加入者が現れると、光ケーブルを新たに敷設することなく、既に、敷設されている光ケーブル内の光ファイバ芯線のうち、空き回線になっている光ファイバ芯線を、その新たな加入者に対して割り当てる工事が実施される。
このためには、基地局等から、その新たな加入者のところまで空き回線で構成される光回線ルートを求めて、回線開通作業を行うことになる。
ここで、ダイクストラ法とは、基本的な概念が、検索開始点となる起点から順次、分岐点で分岐する枝葉について、全て辿っていくアルゴリズムであるため、例えば、光ケーブル網として、既に、敷設されている光ファイバ芯線に対して、基地局等から加入者のところまでのルートを検索するのにダイクストラ法を適用すると、数多のルートを検出することになる。
このため、特許文献1では、起点から順次分岐する枝葉を辿って行った結果、同じクロージャ(途中経由点ともいう。)に行き着いた複数のルートについて、最も光ファイバ芯線の距離が短くなるルートを採用し、途中経由点から先の枝葉を辿っていく処理を、その採用したルートについてだけ行うことを繰り返すことで、最終的に、起点から終点までに至る光ファイバ芯線の総延長距離が最短になるルートだけを求めることを行っている。
しかしながら、総延長距離が最短であるルートが、例えば、伝送損失等の面で見て、適切なルート(光回線ルートともいう。)とは限らない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、例えば、伝送損失等の面で見て、適切な光回線ルート設計が行える光回線ルート設計支援システムを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために以下の構成によって把握される。
(1)本発明の光回線ルート設計支援システムは、光回線ルート設計を支援する光回線ルート設計支援システムであって、前記光回線ルート設計支援システムは、敷設状態データベースと、前記敷設状態データベースに基づいて、起点から終点に至る光回線ルートを抽出するルート抽出手段と、前記ルート抽出手段によって抽出された前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定する伝送損失推定手段と、を備え、前記敷設状態データベースは、敷設済みの複数の光テープ芯線のデータと、前記光テープ芯線の有する複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータと、を備え、前記ルート抽出手段は、所定の条件を満たす前記光テープ芯線だけで、前記起点から前記終点に至る前記光テープ芯線の組み合わせからなる前記光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を行い、前記所定の条件は、回線使用状況が全て空きである前記光ファイバ芯線だけを有する前記光テープ芯線である第1条件を含み、前記伝送損失推定手段が、前記光回線ルートの前記光テープ芯線の伝送損失の推定値と前記光回線ルート中の前記光テープ芯線間の接続損失の推定値に基づいて、前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定する。
(2)上記(1)の構成において、前記所定の条件は、前記光テープ芯線の有する前記光ファイバ芯線の数が、必要な光ファイバ芯線の芯線数以上である第2条件を含む。
(3)本発明の光回線ルート設計支援システムは、光回線ルート設計を支援する光回線ルート設計支援システムであって、前記光回線ルート設計支援システムは、敷設状態データベースと、前記敷設状態データベースに基づいて、起点から終点に至る光回線ルートを抽出するルート抽出手段と、前記ルート抽出手段によって抽出された前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定する伝送損失推定手段と、を備え、前記敷設状態データベースは、敷設済みの複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況データを備え、前記ルート抽出手段は、回線使用状況が空きである前記光ファイバ芯線だけで前記起点から前記終点に至る前記光ファイバ芯線の組み合わせからなる前記光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を行い、前記伝送損失推定手段が、前記光回線ルートの前記光ファイバ芯線の伝送損失の推定値と前記光回線ルート中の前記光ファイバ芯線間の接続損失の推定値に基づいて、前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定する。
(4)上記(1)から(3)のいずれか1つの構成において、前記光回線ルート設計支援システムは、前記光回線ルート抽出処理によって抽出された1以上の前記光回線ルートと、対応する前記光回線ルート全体としての推定された前記伝送損失と、を併せて表示することができる表示部を備えている。
本発明によれば、例えば、伝送損失等の面で見て、適切な光回線ルート設計が行える光回線ルート設計支援システムを提供することができる。
本発明に係る第1実施形態の光回線ルート設計を支援する光回線ルート設計支援システムの構成を説明するための概略図である。 本発明に係る第1実施形態のケーブル経路情報データファイルを説明するための概略図である。 本発明に係る第1実施形態の芯線経路情報データファイル、及び、接続点情報データファイルを説明するための概略図である。 本発明に係る第1実施形態の接続点損失情報データファイル、及び、ケーブル損失情報データファイルを説明するための概略図である。 本発明に係る第1実施形態の光回線ルート設計支援システムの検索条件を入力する入力画面を表示部に表示したところを示す図である。 本発明に係る第1実施形態の光回線ルート設計のためのルート検索のフローチャートである。 本発明に係る第1実施形態の光回線ルート設計支援システムの光回線ルート設計の結果(空きルート検索結果)を表示する結果表示画面を表示部に表示したところを示す図である。 本発明に係る第2実施形態の光回線ルート設計支援システムの光回線ルート設計の結果(空きルート検索結果)を表示する結果表示画面を表示部に表示したところを示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」と称する。)について詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号又は符号を付している。
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の光回線ルート設計を支援する光回線ルート設計支援システム1の構成を説明するための概略図である。
図1に示すように、光回線ルート設計支援システム1は、光回線ルート設計支援システム1の本体となるシステムサーバ10と、システムサーバ10に接続され、光回線ルート設計支援システム1の表示部11となるモニタと、システムサーバ10に接続され、光回線ルート設計支援システム1の操作部12となるキーボード及びマウスと、を備えている。
なお、本実施形態では、コンピュータとしてシステムサーバ10だけを示すようにしているが、ネットワーク経由でシステムサーバ10に接続され、光回線ルート設計支援システム1を操作するためのパソコンやノートPCを設けるようにしてもよい。
また、近年は、パソコンの処理能力が向上していることから、システムサーバ10は、パソコンであってもよく、これから説明する機能を実現できる本体を構成するものであればよい。
システムサーバ10は、ROMやRAMで構成される記憶部と、記憶部に記憶された光回線ルート設計支援システム1としての動作を実現するためのプログラムの指示に従って、光回線ルート設計支援システム1の全体的な制御を司るCPU等で構成される制御部と、を備えている。
なお、上述のように、ネットワーク経由でシステムサーバ10に接続され、光回線ルート設計支援システム1を操作するためのパソコンやノートPCを設ける場合には、システムサーバ10は、それらパソコンやノートPCとの間で通信するための通信部を備えることになる。
そして、システムサーバ10は、記憶部に図1に示す敷設状態データベースも記憶している。
ただし、敷設状態データベースは、システムサーバ10とは別に設けられた外部記憶装置に記憶され、その外部記憶装置とシステムサーバ10が通信可能に接続され、データのやり取りができるようになっていてもよい。
また、システムサーバ10の制御部は、後述する光回線ルート設計支援システム1の動作のための各種の手段としての機能を果たす。
一方、敷設状態データベースは、敷設済みの複数の光ケーブル(敷設済みの複数の光テープ芯線及び敷設済みの複数の光ファイバ芯線)に関するデータを備えており、図1に示すように、それらのデータが、ケーブル経路情報データファイル、芯線経路情報データファイル、接続点情報データファイル、接続点損失情報データファイル、及び、ケーブル損失情報データファイルの形式で記録されたものになっている。
ただし、このようなファイル形式で保存されていなくても、光回線ルート設計が可能なデータ保存形式になっていればよいことは言うまでもない。
なお、各データファイル(ケーブル経路情報データファイル、芯線経路情報データファイル、接続点情報データファイル、接続点損失情報データファイル、及び、ケーブル損失情報データファイル)の詳細については後述するが、新しい光ケーブルが敷設されるごとに、その新しい光ケーブルに関する情報が工事業者又はその工事を依頼した通信事業者から送られてくるので、それに基づいて、その新しい光ケーブルに関する情報を加えるように各データファイルが更新される。
ただし、接続点損失情報データファイル、及び、ケーブル損失情報データファイルは、後ほどの説明でわかるように、新しい光ケーブルの追加によって、更新する必要がない場合もあり、そのような場合には、更新されることはなくそのままである。
また、各データファイルは、上記のように新規で光ケーブルを敷設するのではなく、敷設済みの光ケーブルから新規加入者向けに光回線を開通させた場合にも、その変更すべき内容が、工事業者又はその工事を依頼した通信事業者から送られてくるので、それに基づいて、変更が必要な箇所を変更するように更新される。
次に、図2から図4を参照しながら各データファイルの構造について説明する。
図2は、ケーブル経路情報データファイルを説明するための概略図であり、上段に模式的に示した光ケーブル網を示し、下段にケーブル経路情報データファイルの構造を示している。
上段に示す光ケーブル網の概略図は、局又はクロージャ等の機器が介在している箇所を四角枠で示し、それら機器の区別のためにAからGのアルファベットを記載している。
また、その機器間を繋ぐ光ケーブルを線で示し、それらの光ケーブルを区別するためにj、k、m、n、p、r、s、tのアルファベットを記載している。
例えば、機器Aと機器Bの間には、機器Aと機器Bを繋ぐように光ケーブルjが敷設されており、機器Bと機器Dの間には、機器Bと機器Dを繋ぐように光ケーブルmが敷設されているといった具合に、光ケーブル網を模式的に示したものになっている。
そして、下段に示すケーブル経路情報データファイルを見るとわかるように、項目として、始点機器、終点機器、ケーブルID、ケーブル長さ、ケーブル芯数、テープ芯数、空き芯数、空きテープ数、空き芯率、及び、ケーブル種別といった項目を有している。
具体的に、項目の次の行(1つ下の行)の内容で説明すると、機器Aを始点として機器Bを終点とした場合、機器Aと機器Bの間には、機器Aと機器Bを繋ぐようにケーブルIDがjである光ケーブルjが設けられている。
そして、その光ケーブルjの長さは50mであり、光ケーブルj内に収容されている光ファイバ芯線の数が100芯であることが引き続き示されている。
また、光ケーブルjには、4芯の光ファイバ芯線をまとめた光テープ芯線の形態で光ファイバ芯線が収容されていることが示されており、続いて、光ケーブルj内に収容されている光ファイバ芯線のうち60芯は空き回線であることが示されている。
つまり、光テープ芯線として見れば、光ケーブルjは25本の光テープ芯線を収容した光ケーブルになっており、個別の光ファイバ芯線で見たときに、現状、60芯の光ファイバ芯線が空き回線になっており、逆に、40芯が現用回線になっていることがわかるようになっている。
このように、空き芯数を見れば、それぞれの光ファイバ芯線を全体的に見たときの回線使用状況が把握できるので、空き芯数は光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況データの一例である。
さらに、光テープ芯線の有する4芯の光ファイバ芯線の全てが空き回線になっている光テープ芯線の数を空きテープ数として示しており、本例の場合、先に説明した25本の光テープ芯線のうち、13本が4芯の光ファイバ芯線の全てが空き回線になっていることが示されている。
この空きテープ数も光テープ芯線のうちその光テープ芯線の有する光ファイバ芯線について、全てが空きである光ファイバ芯線だけを有するものを把握できるデータであるため、光テープ芯線の有する複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータの一例である。
なお、この場合、空きテープ数×光テープ芯線の有する光ファイバ芯線数は、13×4=52となり、空き芯数の60と一致しないが、これは、空きテープ数が4芯の光ファイバ芯線の全てが空き回線になっている光テープ芯線の数を示しているためである。
つまり、一例をあげれば、8本の光テープ芯線は4芯の光ファイバ芯線の全てが現用回線になっている一方、4本の光テープ芯線はそれぞれ4芯の光ファイバ芯線のうちの2本だけが現用回線となっており、残りの2本の光ファイバ芯線は空き回線のままであるような状態にあり、そして、残る13本の光テープ芯線は4芯の光ファイバ芯線の全てが空き回線であるような状況であるため、全ての光ファイバ芯線が空き回線である光テープ芯線で見れば13本ということになっている。
さらに、光ケーブルjに収容されている光ファイバ芯線のうち何芯の光ファイバ芯線が空き回線であるのかを示す空き芯率に続いて、ケーブル種別が示されている。
なお、ケーブル種別は、例えば、光ケーブル内に収容されている光ファイバ芯線の製造メーカーの区別、及び、光ファイバ芯線の種類(例えば、ITU-T G.652.D準拠のシングルモードファイバやITU-T G655準拠のノンゼロ分散シフトファイバ等の種類)自体を区別するために付与される種別であり、主には、後者であって、この種別によって伝送損失が変わるためである。
一方、本実施形態では、下段に示すケーブル経路情報データファイルの項目から下側に2つ目の行を見るとわかるように、始点機器と終点機器の関係が先ほどとは逆になっただけでその他の項目は同じである行が設けられている。
このように始点終点の機器の関係を逆転させたデータを持たせておくことで、プログラムで逆方向探査も可能なプログラムにせずともよいため、プログラムの簡素化を実現することができ、この点については、図5を参照した後述の説明で明らかになる。
図3は、芯線経路情報データファイル、及び、接続点情報データファイルを説明するための概略図である。
なお、図3は上段に図2の機器Aと機器Bと機器Dの間の光ケーブル網の箇所だけを模式的に示し、中段に芯線経路情報データファイルの構造を示し、下段に接続点情報データファイルの構造を示している。
また、図3では、上段の光ケーブル網を示す模式図において、光ケーブルの部分を横向きの円柱形状で模式的に示し、光ケーブル内の1つの光テープ芯線を平行四辺形形状で示し、光ファイバ芯線を線で示し、接続点となる箇所を丸形状で示しており、局又はクロージャ等の機器を縦長長方形状で示している。
ただし、全ての光ファイバ芯線を図示するスペースがないため、2番目以降の光ファイバ芯線については、4芯をまとめて横長の点線長方形状として省略し、それら点線長方形状で示しているところは接続点の図示も省略している。
図3に示すように、芯線経路情報データファイルは、項目として、始点接続点ID、終点接続点ID、芯線ID、線番、テープ番号、ケーブルID、現用・非現用フラグ、及び、追跡方向といった項目を有している。
まず、ケーブルIDは、先に図2を説明したケーブルIDと同じであり、光ケーブルjに収容されている光ファイバ芯線(光テープ芯線)に対してはケーブルIDとしてjが付与されている。
そして、芯線IDは、光ファイバ芯線ごとに与えられているIDであり、テープ番号は光テープ芯線ごとに与えられた番号になっている。
なお、線番は、芯線IDの数字部分だけを示したものになっている。
例えば、光ケーブルjに収容されている光テープ芯線は、先に説明したように25本あり、上段の模式図では、それらの光テープ芯線をjt1〜jt25で示している。
そして、各光テープ芯線は4芯の光ファイバ芯線を有しているため、それぞれに光ファイバ芯線を区別するための芯線IDが与えられている。
具体的には、中段の芯線経路情報データファイルに示すように、光テープ芯線jt1には、テープ番号1が与えられるとともに、その光テープ芯線jt1の有する光ファイバ芯線には、それぞれ芯線IDとしてjf1、jf2、jf3、及び、jf4が与えられている。
なお、中段の芯線経路情報データファイルでは、光テープ芯線jt2以降の光テープ芯線について、図示されていないが、例えば、光テープ芯線jt2であれば、テープ番号2が与えられるとともに、その光テープ芯線jt2の有する光ファイバ芯線には、それぞれ芯線IDとして、jf5、jf6、jf7、及び、jf8が与えられている。
なお、光テープ芯線jt2の有する光ファイバ芯線の線番は、先に説明したとおり、芯線IDの数字部分だけのため、それぞれ5、6、7、及び、8となる。
また、現用・非現用フラグは、上述で説明した現用回線として使用されているのか、空き回線で新規加入者に割り当て可能なのかを示すフラグであり、中段の芯線経路情報データファイルに示すように、それぞれの光ファイバ芯線に対して現用・非現用フラグが設けられている。
例えば、芯線IDがjf1の光ファイバ芯線は、現用・非現用フラグが1になっているので現用回線として使用されていることがわかり、逆に、芯線IDがjf3の光ファイバ芯線は、現用・非現用フラグが0になっているので空き回線であって、新規加入者に割り当て可能であることがわかる。
なお、現用・非現用フラグは、それぞれの光ファイバ芯線の回線使用状況が把握できる回線使用状況データの一例である。
さらに、始点接続点ID及び終点接続点IDは、各光ファイバ芯線がどの機器内のどこで接続されているかを示すIDであり、追跡方向は、その始点と終点の方向性を示している。
具体的には、追跡方向が1になっている光ファイバ芯線jf1についてみると、機器Aから機器Bに向かって延在する光ファイバ芯線であって、始点が機器A内の接続点管理における始点接続点IDがA1である接続点で接続される光ファイバ芯線であり、終点が機器B内の接続点管理における終点接続点IDがB1である接続点で接続される光ファイバ芯線である
また、図3の上段の模式図に示すように、光テープ芯線jt2のように接続前の状態のものも存在する。
例えば、光テープ芯線jt2が機器A内では、図示されていないが他の光テープ芯線と接続されており、機器B内では他の光テープ芯線と接続されていないとすると、始点を機器A側としたときの始点接続点IDは付与されるが、終点を機器Bとしたときの終点接続点IDは、ブランク又は未接続を示す番号等が付与される。
なお、上記では、わかりやすいように光テープ芯線として説明したが、芯線経路情報データファイルを見ればわかるように始点接続点ID及び終点接続点IDは光ファイバ芯線ごとに与えられるので、正しくは、それぞれの光ファイバ芯線に対して接続がない場合にはブランク又は未接続を示す番号等が付与されるというのがより正確な説明である。
また、本実施形態では、追跡方向が1の場合と2の場合が設けられているので、先の光テープ芯線jt2で説明すれば、始点を機器B側としたときの始点接続点IDは、ブランク又は未接続を示す番号等が付与され、終点を機器A側としたときの終点接続点IDは付与されるということになる。
当然、光テープ芯線の両端が未接続である場合も存在し、その場合には、追跡方向1の場合と2の場合のどちらも始点接続点ID及び終点接続点IDのところは、ブランク又は未接続を示す番号等が付与される。
また、光テープ芯線の4芯の光ファイバ芯線のうち、接続が完了しているものと接続が完了していないものが存在する場合もあるが、その場合も始点接続点ID及び終点接続点IDについては上記の説明と同様であり、接続されていない場合には、ブランク又は未接続を示す番号等が付与され、接続されている場合にはIDが与えられる。
なお、光ファイバ芯線が未接続で始点接続点ID、終点接続点IDが与えられていなかったとしても、芯線経路情報データファイルには、ケーブルIDが付与されているので、その光ファイバ芯線が、どの機器とどの機器の間にある光ファイバ芯線(光テープ芯線)であるのかは、ケーブル経路情報データファイルを参照することでわかる。
そして、図3の上段の模式図では、始点接続点IDがA1のところで、光ファイバ芯線jf1に接続されている光ファイバ芯線が描かれていないが、下段に示す接続点情報データファイルの接続点IDがA1のところに対応する接続状況の接続種別が1とされているので、既に、融着接続済みであることを示している。
同様に、接続種別が2である場合には、メカニカルスプライスで接続されていることを示している。
この接続状況を表す接続種別は、接続が行われている光テープ芯線のそれぞれの光ファイバ芯線の接続状況を示すものといえるため、光テープ芯線の接続状況を表すものにもなっている。
なお、芯線経路情報データファイルでも、同じ芯線IDである光ファイバ芯線について、追跡方向が1の場合(機器Aから機器Bに向かう場合)と、追跡方向が2の場合(機器Bから機器Aに向かう場合)と、が設けられており、これら2つを見比べればわかるように、始点接続点IDと終点接続点IDが逆転しているだけになっている。
これも、先にケーブル経路情報データファイルで説明したのと同様であり、このように始点終点の関係を逆転させたデータを持たせておくことで、プログラムで逆方向探査も可能なプログラムにせずともよいため、プログラムの簡素化を実現することができる。
一方、中段の芯線経路情報データファイルでは、光ケーブルmの有する光テープ芯線及び光ファイバ芯線に関する図示がないが、当然、それらについても、同様に、芯線経路情報データファイルは、始点接続点ID、終点接続点ID、芯線ID、線番、テープ番号、ケーブルID、現用・非現用フラグ、及び、追跡方向といった項目についてのデータを有している。
例えば、光テープ芯線mt1も4芯の光ファイバ芯線を有しているので、それらの光ファイバ芯線のそれぞれに芯線IDとしてmf1(線番1)、mf2(線番2)、mf3(線番3)、及び、mf4(線番4)が与えられている。
また、光テープ芯線mt1の4芯の光ファイバ芯線に対しては、いずれもテープ番号として1が与えられるとともに、ケーブルIDとしてmが与えられている。
当然、追跡方向1の場合(機器Bから機器Dに向かう場合)に対応して、例えば、光ファイバ芯線mf1には、始点接続点IDがB1で、終点接続点IDがD1であるデータと、追跡方向が2の場合(機器Dから機器Bに向かう場合)に対応して、始点接続点IDがD1で、終点接続点IDがB1であるデータと、が存在し、それぞれの光ファイバ芯線に対して現用・非現用フラグも与えられている。
なお、図2に示すように、光ケーブルmは、光ファイバ芯線を200芯(50本の光テープ芯線)有する光ケーブルであるので、図3に示すように、機器B内では、接続待ちの光ファイバ芯線が100芯あることになり、例えば、機器Bから、更に、別の地域に向かって新たに光ケーブルを敷設するときに、100芯までであれば、光ケーブルを増設することなく、機器D側に向かうルートを確保することが可能である。
次に、接続点損失情報データファイル、及び、ケーブル損失情報データファイルを説明するための概略図である図4を参照して、接続点損失情報データファイル、及び、ケーブル損失情報データファイルについて説明する。
接続点損失情報データファイルは、先に少し触れた接続点情報データファイルの接続種別に対応した接続損失のデータを有するファイルである。
例えば、先に、接続種別が1の場合は、融着接続であると説明したが、融着接続の場合、0.2dB程度の接続損失が発生するため、接続点損失情報データファイルの接続種別1には、0.2dBという接続損失(dB)が与えられている。
同様に、接続種別が2の場合、メカニカルスプライスであると説明したが、この場合は、融着接続より高い損失となり、0.4dB程度となるため、接続点損失情報データファイルの接続種別2には、0.4dBという接続損失(dB)が与えられている。
一方、接続点損失情報データファイルの接続種別が0である場合には、接続損失として0dBが与えられている。
これは、接続点として見なしているものの、実際には接続が行われていない箇所に与えられる接続種別になっている。
例えば、光ケーブル間の接続部分ではなく、1本の光ケーブルの途中に加入者がいる場合、その途中の箇所から加入者宅に光ファイバ芯線をドロップする場合がある。
この場合も、光ファイバ芯線を取り出すことが可能な程度の範囲の光ケーブルのケーブル被覆を取り除かなければ、光ファイバ芯線をドロップすることができない。
しかしながら、ケーブル被覆を取り除いた部分は、別途、保護しなければ、紫外線、雨風等の影響を受けて光テープ芯線、及び、光ファイバ芯線が劣化することになるので、このような箇所にも機器(クロージャ)が設置される。
しかしながら、この場合には、加入者宅にドロップするための光ファイバ芯線(例えば、上り、下りの計2本)だけがあればよいので、1本の光テープ芯線を切断し、そのうちの2本だけを使用することになる。
なお、1本の光テープ芯線のテープ被覆を光ファイバ芯線にばらすのに必要な範囲だけ取り除き、2本の芯線だけを切断し、残る2本は切断せずに必要な2回線を確保して加入者宅にドロップする場合もある。
したがって、このような箇所では、その切断する光テープ芯線(又は光ファイバ芯線)以外は、切断されることなく、機器(クロージャ)を素通りしているだけの状態になっている。
しかしながら、機器(クロージャ)が設けられている場所でもあるため、更に、ドロップや別の光ケーブルを接続するポイントとしては利用しやすい場所となっているため、接続点として見なしているものの、実際には接続が行われていない箇所になっていることから、接続損失が発生していないので、接続損失については0dBという取り扱いとなっている。
なお、接続種別3は、接続損失が発生しやすい光ファイバ芯線間をメカニカルスプライスで接続している場合等に該当する。
例えば、一方がシングルモードファイバで、他方がノンゼロ分散シフトファイバである場合には、MFD(モードフィールド径)が不一致であるため接続損失が発生しやすく、このようなときに該当する。
ただし、接続種別は0〜3に限られる必要はなく、更に増やしてもよく、一方、新しい光ケーブルの敷設が行われても、既に、準備されている接続種別で事足りる場合には、増やす必要はない。
このため、先に少し触れたように、接続点損失情報データファイルは、新しい光ケーブルが敷設されたからと言って、必ずしも、更新されるわけではない。
次に、ケーブル損失情報データファイルは、先に少し触れたケーブル種別に対応した伝送損失のデータを有するファイルである。
例えば、光ケーブル内に収容されている光ファイバ芯線が、シングルモードファイバである場合よりも、ノンゼロ分散シフトファイバの方が伝送損失は高くなるので、その収納される光ファイバ芯線の種類に応じてケーブル種別が与えられ、伝送損失(dB/m)が設定されている場合が多い。
ただし、収容される光ファイバ芯線が同じ規格に準拠していても、ケーブル化の際にでるケーブル損失が高めになる傾向のあるメーカーもあるため、このような場合には、そのメーカーの製品である光ケーブルにケーブル種別を与え、それに対応した伝送損失の値が設定される場合もある。
なお、ケーブル損失情報データファイルについても、新たに設定しなければならないときには、種別を増やすことになるが、新しい光ケーブルの敷設が行われても、既に、準備されているケーブル種別で事足りる場合には、増やす必要がない。
このため、先に少し触れたように、ケーブル損失情報データファイルは、新しい光ケーブルが敷設されたからと言って、必ずしも、更新されるわけではない。
以上、敷設状態データベースについての主な内容の説明が終わったので、以下では、具体的に、光回線ルート設計支援システム1を活用して、光回線ルートが、どのように設計されるのかについて説明する。
光回線ルートの設計としては、例えば、大きく分けて、光テープ芯線だけで起点から終点に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する態様と、光ファイバ芯線だけで起点から終点に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する態様と、が考えられ、まず、本実施形態では、光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する場合について説明し、光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する場合については、第2実施形態として説明することにする。
例えば、多くの光ケーブルでは、複数の光ファイバ芯線をテープ被覆と呼ばれる外皮で束ねた光テープ芯線の形態で収容しており、最も多用されている汎用光ケーブルでは、4芯又は8芯の光ファイバ芯線を束ねた光テープ芯線が用いられている。
そして、一加入者(一人ではなく、一軒がより正確な表現である。)当たりに割り当てる必要がある光ファイバ芯線の本数は、上り線(家から局に向かう線)と下り線(局から家に向かう線)があれば、ほぼ問題ない場合が多い。
このため、一般的には、一加入者当たり、2芯の光ファイバ芯線が割り当てられればよく、4芯の光ファイバ芯線を有する光テープ芯線であれば、外皮を取り除いて、4芯中の2芯の光ファイバ芯線を使用すれば事足りることになり、残りの2芯は、別の加入者に割り当てることが可能である。
なお、この2芯の割り当ては、1つの光ケーブルだけではなく、当然、基地局等から加入者宅までの光ケーブルのそれぞれで2芯の光ファイバ芯線を割り当てることになり、加入者宅まで光回線を開通させるためには、それら割り当てられた光ファイバ芯線が基地局等から加入者宅までつながるように、光ファイバ芯線間の接続(例えば、一般的には、融着接続が多いがメカニカルスプライスによる接続の場合もある。)を行うこととなる。
そして、光ケーブルは、電柱間を渡すように設けられたメッセンジャーワイヤーで支持するように敷設されていることが多いため、このような光テープ芯線の外皮を取り除いて接続を行う作業は、作業環境のよくない高所作業となる場合が多い。
しかも、光ファイバ芯線間を接続する作業は、光ケーブルのケーブル被覆が取り除かれ、クロージャ内に露出している多数の光ファイバ芯線及び光テープ芯線の中から特定の光ファイバ芯線同士を接続する作業となる。
なお、接続後は、接続部を含む光ファイバ芯線を保護するために、接続部を含む光ファイバ芯線はクロージャ内に収容される。
したがって、このように多数の光ファイバ芯線及び光テープ芯線が込み合った環境下で、光テープ芯線の外皮を取り除いて光ファイバ芯線に分離する作業を行っていると、誤って現用回線になっている光ファイバ芯線を切断することもある。
このようなことを考慮した場合、加入者宅までの光回線ルートを設計する際に、光テープ芯線をそれぞれの光ファイバ芯線に単芯分離しないでよい光回線ルート設計が行えることが望ましく、これから説明するように、光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する場合、光テープ芯線をそれぞれの光ファイバ芯線に分離する単芯分離の作業を行うことなく、光テープ芯線同士を一括接続する光テープ芯線用の融着接続器を用いて接続作業が行えるため、現用回線の切断トラブルが発生する確率を低減できるというメリットがある。
図5は、光回線ルート設計支援システム1の検索条件を入力する入力画面20を表示部11に表示したところを示す図である。
入力画面20は、起点となる位置を入力する起点入力部21と、終点となる位置を入力する終点入力部22と、を備えている。
起点入力部21及び終点入力部22は、いわゆる道路地図等の地図上で場所が特定できる入力形態(番地、建物名等)で入力すればよく、先ほどまでの説明では説明を省略したが、各機器等は、地図上での位置データとしても記録されているので、起点入力部21及び終点入力部22に地図上で場所が特定できる入力を行うと、その位置から近い最寄りの機器が設定されるようになっている。
なお、最寄りの機器からは、ドロップケーブル等を用いて、開通させたい加入者宅等に光ファイバ芯線を引き込むことになる。
また、入力画面20には、経過点(経由点ともいう。)となる位置を入力する経過点入力部23も備えているので、設計する光回線ルートとして経由させたい地域等がある場合には、そこに地図上で場所が特定できる入力を行えばよい。
一方、入力画面20は、検索する単位を光テープ芯線(テープ単位)とするのか、光ファイバ芯線(芯線単位)とするのかを選択するラジオボタンが設けられた単位選択部24を備えており、本実施形態は、先に述べたように、光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する場合であるため、そのラジオボタンの選択が図5に示すように光テープ芯線(テープ単位)を選択したものになっている。
また、入力画面20は、光回線ルートに必要な回線数を入力する回線数入力部25があるので、そこに必要な回線数の入力を行う。
このようにして、検索条件を入力した後に、空きルート(光回線ルート)の検索を開始させる検索開始アイコン26(空きルート検索)を押すと、検索が開始される。
例えば、今回の光回線ルート検索の起点の最寄り機器が図2に示す機器Aで終点の最寄り機器が機器Gであった場合について、具体的に説明することとし、本説明では、経過点の入力は行われていないものとする。
図6は、光回線ルート設計のためのルート検索のフローチャートである。
先に説明したように、検索開始アイコン26(空きルート検索)が押されると、図6のフローチャートに従ったルート検索が開始(図6のスタート)され、光回線ルートの設計が行われる。
(ステップS1)
まず、システムサーバ10の制御部は、敷設状態データベースに基づいて、起点から終点までに至る光回線ルートを抽出するルート抽出手段として機能し、初めに、起点から終点に至る光ケーブルの組み合わせからなる光ケーブルルートを抽出する光ケーブルルート抽出処理を行う。
具体的には、本実施形態では、ルート検索にダイクストラ法を用いており、ダイクストラ法は、検索開始点となる起点(本例では、機器A)から順次、枝葉を辿っていくアルゴリズムである。
しかし、このアルゴリズムでは、無限ループに陥るおそれがあるため、何らかの打ち切り条件等を加える必要があり、本実施形態では、光ケーブルルートに含まれる光ケーブル数があらかじめ設定される光ケーブル数以下で、同じ光ケーブルを複数回含まない光ケーブルルートを全て抽出する処理としている。
具体的には、ルート抽出手段は、起点が機器Aであるので、図2に示したケーブル経路情報データファイルで、始点機器Aとされているデータの終点機器を検索し、ケーブル経路情報データファイルの光ケーブルのデータから、その終点機器に至るためのケーブル(ケーブルID)を抽出して記録するとともに、終点機器を記録する。
図2に示すケーブル経路情報データファイルでは、全てのデータ部分について示していないが、上段の模式的に示した光ケーブル網を網羅したものになっているので、機器Aを起点とすると、光ケーブルjを経由して終点機器Bに到達する枝葉と、光ケーブルkを経由して終点機器Cに到達する枝葉と、が発見され、それらが、まず、記録される。
そして、引き続き、ルート抽出手段は、始点機器を機器Bとした場合、及び、始点機器を機器Cとした場合について、同様に、ケーブル経路情報データファイルで終点機器を検索する。
例えば、始点機器を機器Bとした場合、終点機器としては機器Dと機器Aとが発見されることになるが、本実施形態では、同じ光ケーブルを複数回含まない光ケーブルルートを抽出するための打ち切り条件として同じ機器が複数回出現しない条件を課している。
このため、機器Aに至る検索は、そこで打ち切りとなり、始点機器を機器Bとした場合には、ケーブル経路情報データファイルの光ケーブルのデータから、打ち切り条件によって打ち切られない、機器である終点機器Dに至るためのケーブル(ケーブルID)を抽出して、終点機器を記録する。
つまり、光ケーブルmを経由して終点機器Dに到達する枝葉だけが次の検索対象として生き残ることになる。
同様に、始点機器を機器Cとした場合には、終点機器として機器A、機器D及び機器Eが発見されるが、機器Aは打ち切り対象となるため、光ケーブルnを経由して機器Dに至る枝葉と、光ケーブルpを経由して機器Eに至る枝葉と、が次の検索対象として生き残ることになる。
このようにして、順次、打ち切り条件によって打ち切られない終点機器を発見し、その終点機器を次の始点機器として探索を続けていくと、図2の場合には、3つの光ケーブルルートが抽出されることになる。
具体的には、機器Aから光ケーブルjを経由して機器Bから光ケーブルmを経由して機器Dから光ケーブルtを経由して機器Gに至る光ケーブルルート(以下、第1光ケーブルルートともいう。)と、機器Aから光ケーブルkを経由して機器Cから光ケーブルnを経由して機器Dから光ケーブルtを経由して機器Gに至る光ケーブルルート(以下、第2光ケーブルルートともいう。)と、機器Aから光ケーブルkを経由して機器Cから光ケーブルpを経由して機器Eから光ケーブルsを経由して機器Fから光ケーブルrを経由して機器Dから光ケーブルtを経由して機器Gに至る光ケーブルルート(以下、第3光ケーブルルートともいう。)と、が抽出される。
なお、図2はあくまでも模式的に光ケーブル網を示しているだけなので、極めて単純であるが、実際の光ケーブル網は、全国津々浦々に網の目のように張り巡らされている。
このため、上述のように、同じ機器が複数回出現しない条件を課しただけでは、極端な話し、千葉から東京までのルートを検索しているのに、千葉から東北、北海道等に向かって新潟等を経由して東京に至るようなルートや、更には、新潟等から山口、九州等といった方向に向かい、広島、岡山、大阪、名古屋経由で東京に至るルート等も検索されてしまうことになる。
しかしながら、そのような大幅に迂回したルートを発見しても光回線ルートとして採用される確率は極めて低いため、本実施形態では、あらかじめ設定される光ケーブル数以下の光ケーブルルートとなる打ち切り条件を加えている。
具体的には、打ち切り条件として、ダイレクトに光ケーブル数が設定の光ケーブル数を超えた場合(例えば、20本を超えた場合)、又は、経由する機器の数が設定される光ケーブル数+1を超えた場合に、そのルート検索を打ち切るようにしている。
ただし、ルート検索で次々と求められる光ケーブルの長さの合計長が所定の長さ(例えば20km)を超えた場合にルート検索を打ち切るといった方法で打ち切ってもよく、光ケーブルの本数と長さの両方を打ち切り条件に課しておいてもよい。
なお、ケーブル経路情報データファイルのデータと芯線経路情報データファイルの光テープ芯線のデータを用いれば、光テープ芯線がどの機器間を繋ぐように設けられているのかやどこまでが接続済みで一連長の光テープ芯線とみなせるのかといった状態を記述することが可能なため、ダイレクトに光テープ芯線を対象として先に光ケーブルで説明したのと同様のルート検索を実施することが可能である。
したがって、本実施形態のように、必ずしも、光ケーブルルートを抽出する光ケーブルルート抽出処理を行わなければ光回線ルートの設計ができないわけではない。
例えば、ステップS1を省略し、これから説明するステップS2の処理に代えて、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線だけに対して、光ケーブルルートを抽出したときと同様に、光回線ルートを構成する光テープ芯線数が所定数以下で、かつ、同じ光テープ芯線を複数回含まない(例えば、複数回同じ機器を経由しない)条件を課してダイクストラ法を光テープ芯線に対して行うことで、光回線ルート抽出処理を実施し、多数の光回線ルートを抽出することは可能である。
しかしながら、1つの光ケーブル中には数十から数百の光テープ芯線が存在するため、ダイレクトにそれを対象としてルート検索を実施すると、ルート検索に必要な演算量が大幅に増えることになるので、本実施形態のように、まず、光ケーブルルート抽出処理を行うことが好ましい。
そして、本実施形態の場合、光ケーブルルート抽出処理の結果、光回線ルート設計の対象とする光ケーブルルートが3つに絞られたので、次に、ルート抽出手段は、光ケーブルルート抽出処理で抽出された光ケーブルルートの光ケーブルに収容されている光テープ芯線を対象として、ステップS2の光回線ルート抽出処理を行い、所定の条件を満たす光テープ芯線だけで、起点から終点に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する。
(ステップS2)
本例では、3つの光ケーブルルートが抽出されているので、ステップS2では、それぞれの光ケーブルルートに対して、個別に所定の条件を満たす光テープ芯線だけで、起点から終点に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートが実現できるのかについて見ていくことになるが、それぞれの光ケーブルルートに対して行われる内容自体は同様であるため、ここでは、第1光ケーブルルートを主な例として説明を行う。
まず、所定の条件のうちの1つ(以下、第1条件ともいう。)は、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線で光回線ルート設計が可能であるかである。
そのために、ルート抽出手段は、第1光ケーブルルート上に存在する光ケーブル(光ケーブルj、光ケーブルm、及び、光ケーブルt)のそれぞれについて、ケーブル経路情報データファイルに記録されている光テープ芯線のデータ(空きテープ数)に基づいて、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線自体が存在するのかを判定する。
この空きテープ数は、光テープ芯線の有する複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータの一例である。
なお、この判定は、芯線経路情報データファイルに記録されている光テープ芯線のデータ(テープ番号、ケーブルID及び現用・非現用フラグ等)に基づいて行うことも可能であり、現用・非現用フラグは、光テープ芯線の有する複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータの他の例である。
例えば、光ケーブルjについて、ケーブル経路情報データファイルを参照すると、空きテープ数が13本あるので、ルート抽出手段は、光ケーブルjについては、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線自体が存在すると判定する。
同様に、光ケーブルmも空きテープ数が20本あるので、ルート抽出手段は、光ケーブルmについても、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線自体が存在すると判定する。
さらに、図2では示されていないが、光ケーブルtについても空きテープ数の記述があれば、ルート抽出手段は、光ケーブルtについても、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線自体が存在すると判定する。
そして、ルート抽出手段は、光ケーブルルート上に存在する全ての光ケーブルについて、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線自体が存在すると判定すると、この第1光ケーブルルートから第1条件を満たす光テープ芯線だけで、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行する。
一方、例えば、光ケーブルj、光ケーブルm又は光ケーブルtのうちのいずれかの光ケーブルが空きテープ数0である場合、第1条件(回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線)を満たす光テープ芯線だけで、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出することができない。
このため、ルート抽出手段は、光ケーブルj、光ケーブルm又は光ケーブルtのうちのいずれかの光ケーブルが空きテープ数0である判定となった場合には、第1光ケーブルルートに対しての光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行しない。
詳細な説明は省略するが、同様に、ルート抽出手段は、第1光ケーブルルートに対して行った判定と同様の判定を第2光ケーブルルート(第3光ケーブルルート)に対しても行い、その判定の結果、第2光ケーブルルート(第3光ケーブルルート)上に存在する光ケーブルの全てが、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線を有する判定の場合、第2光ケーブルルート(第3光ケーブルルート)に対しても光回線ルート抽出処理を実行し、そうでない場合には光回線ルート抽出処理を実行しない。
また、本実施形態では、光回線ルート抽出処理を実行するに当たり、先の第1条件に加え、所定の条件として、第2条件を含むものとしており、具体的には、光テープ芯線の有する光ファイバ芯線の数が、必要な光ファイバ芯線の芯線数以上である第2条件を満たす、光テープ芯線の組み合わせで起点(機器A)から終点(機器G)に至る光回線ルートを抽出するようにしている。
このため、光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルtの全てが、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線を有する判定となると、次に、ルート抽出手段は、ケーブル経路情報データファイルに記録されている光テープ芯線のデータ(テープ芯数)に基づいて、光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルtのそれぞれに収容されている光テープ芯線が、光ファイバ芯線の数として、光回線ルートに求められている回線数以上(必要な光ファイバ芯線の芯線数以上)を有するものであるかを判定する。
なお、この判定は、芯線経路情報データファイルに記録されている光テープ芯線のデータ(テープ番号、ケーブルID及び現用・非現用フラグ等)に基づいて行うことも可能である。
例えば、本実施形態では、上り下りのために2回線を確保する場合で説明しており、光テープ芯線の有する光ファイバ芯線の数としては最小単位である。
つまり、光テープ芯線は、一般に、2芯、4芯、8芯、及び、12芯であるため、最小単位は2芯であることから、第1条件を満たせば、基本的に第2条件を満たす。
しかしながら、必要な回線数が、4、6、8、及び、12回線等の場合、当然、2芯の光ファイバ芯線しか有していない光テープ芯線では、その回線数を賄うことができないため、そのような芯数の光テープ芯線を収容する光ケーブルは、この第2条件を満たすことができないので、光ケーブルルート上に存在する光ケーブルがこの第2条件を満たさない光テープ芯線を収容している場合、ルート抽出手段は、本実施形態では、その光ケーブルルートに対しての光回線ルート抽出処理を実行しないことになる。
なお、第1条件だけを課している場合には、仮に、光ケーブルルート上に存在する光ケーブル中に2芯の光ファイバ芯線しか有しない光テープ芯線を収容している光ケーブルが存在し、かつ、求められている回線数が4回線であったとしても、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光テープ芯線の組み合わせが、2組設計できればよいことになるため、光回線ルートの設計ができることになる。
ただし、第1条件しか課していない場合でも、ルート抽出手段は、光回線ルート抽出処理を実行するに当たり、それぞれの光ケーブルに対して、光テープ芯線の有する光ファイバ芯線数×空きテープ数(回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけを有する光テープ芯線数)の演算を行い、その演算で求められた光ファイバ芯線の数が求められている回線数以上であるかを判定し、演算で求められた光ファイバ芯線の数が求められている回線数未満である場合、その光ケーブルを含む光ケーブルルートに対する光回線ルート抽出処理を実行しない。
そして、ルート抽出手段は、第1条件及び第2条件を満たす光テープ芯線だけで、起点から終点に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートの設計が可能である場合、実際に、第1条件及び第2条件を満たす光テープ芯線だけで、起点から終点に至る光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行する。
ここまで来ると、例えば、第1光ケーブルルートの場合であっても、光テープ芯線の組み合わせで起点(機器A)から終点(機器G)に至る多数の光回線ルートが存在することになり、その中から1つの光回線ルートをピックアップできればよいだけなので、多数の抽出方法が存在するため、以下では、その一例について、手順がわかりやすい表現で説明するものとする。
ルート抽出手段は、例えば、光ケーブルjについて、芯線経路情報データファイルのケーブルIDがjであって、同じテープ番号に対する現用・非現用フラグが全て0である光テープ芯線を全て抽出する。
なお、説明の簡略化のために、この抽出した光テープ芯線を指して抽出光テープ芯線Jと呼ぶことにする。
ルート抽出手段は、光ケーブルm及び光ケーブルtについても、同様にして、抽出光テープ芯線M及び抽出光テープ芯線Tを抽出する。
そして、ルート抽出手段は、抽出光テープ芯線間の接続状態を求める。
具体的には、芯線経路情報データファイルの始点接続点ID及び終点接続点IDを参照して、抽出光テープ芯線Jと抽出光テープ芯線Mの間で、既に、接続が完了している第1接続完了抽出光テープ芯線JMと、接続が行われていない未接続抽出光テープ芯線(未接続抽出光テープ芯線J及び未接続抽出光テープ芯線M)と、に区別する。
さらに、ルート抽出手段は、第1接続完了抽出光テープ芯線JMが存在した場合、第1接続完了抽出光テープ芯線JMと抽出光テープ芯線Tの間で、既に、接続が完了している第2接続完了抽出光テープ芯線JMTと、未接続抽出光テープ芯線Tと、に区別する。
一方、ルート抽出手段は、第1接続完了抽出光テープ芯線JMが存在しなかった場合には、抽出光テープ芯線Mと抽出光テープ芯線Tの間で、既に、接続が完了している第3接続完了抽出光テープ芯線MTと、接続が行われていない未接続抽出光テープ芯線(未接続抽出光テープ芯線M及び未接続抽出光テープ芯線T)と、に区別する。
そして、ルート抽出手段は、第2接続完了抽出光テープ芯線JMTが存在した場合、その第2接続完了光テープ芯線について、機器Aで他の光テープ芯線に接続されていないものを抽出し、そのような第2接続完了抽出光テープ芯線JMTが存在した場合、その中の1つを光回線ルートとしてピックアップする。
なお、ここで、機器Aで他の光テープ芯線に接続されていないものを抽出しているのは、機器Aで切断する作業を伴わないものを優先的にピックアップするためである。
一方、第2接続完了抽出光テープ芯線JMTが存在した場合であっても、機器Aで他の光テープ芯線に接続されていないものが抽出できなかった場合には、ルート抽出手段は、未接続抽出光テープ芯線Jのうち、機器Aで他の光テープ芯線に接続されていないものを1つピックアップするとともに、第3接続完了抽出光テープ芯線MTの中から1つをピックアップして、その組み合わせを光回線ルートとする。
さらに、第2接続完了抽出光テープ芯線JMT及び第3接続完了抽出光テープ芯線MTがどちらも存在しない場合には、ルート抽出手段は、未接続抽出光テープ芯線Jのうち、機器Aで他の光テープ芯線に接続されていないものを1つピックアップするとともに未接続光テープ芯線M及び未接続抽出光テープ芯線Tをそれぞれ1つピックアップし、そのピックアップした未接続抽出光テープ芯線J、未接続抽出光テープ芯線M及び未接続抽出光テープ芯線Tの組み合わせを光回線ルートとする。
なお、例えば、最後のピックアップの処理を一義的なものとするために、光テープ芯線に付与されているテープ番号の小さなものを優先的にピックアップ対象とし、その中の優先順位を光ケーブルj、光ケーブルm、光ケーブルtの順に定めるようにすればよい。
このようにして、第1光ケーブルルートでの光回線ルートとなる光テープ芯線の組み合わせが求められると、ルート抽出手段は、第2光ケーブルルートに対して同様のことを行い、第2光ケーブルルートでの光回線ルートとなる光テープ芯線の組み合わせを求める。
さらに、第2光ケーブルルートでの光回線ルートとなる光テープ芯線の組み合わせが求められると、ルート抽出手段は、第3光ケーブルルートに対して同様のことを行い、第3光ケーブルルートでの光回線ルートとなる光テープ芯線の組み合わせを求める。
(ステップS3)
そして、光回線ルートとなる光テープ芯線の組み合わせを求め終えると、システムサーバ10の制御部は、光回線ルート全体としての伝送損失を推定する伝送損失推定手段として機能し、抽出された光回線ルートそれぞれの伝送損失を推定する伝送損失の推定処理を実施する。
具体的には、光ケーブルjに収容されている光ファイバ芯線の1m当たりの伝送損失の推定値は、ケーブル経路情報データファイルのケーブル種別、及び、ケーブル損失情報データファイルの伝送損失からわかり、それが光テープ芯線の1m当たりの伝送損失の推定値となるから、その光テープ芯線の1m当たりの伝送損失の推定値にケーブル経路情報データファイルの光ケーブルjの長さを掛ければ、光ケーブルjの箇所に対応した光回線ルートの伝送損失の推定値を求めることができる。
また、光回線ルートの光ケーブルm及び光ケーブルtに対応する箇所での伝送損失の推定値も同様にして求めることができる。
そして、光回線ルートが機器B及び機器D内で接続済みであるか否かは、光回線ルートを求めたときに既にわかっており、接続済みである場合には、接続点損失情報データファイルから接続損失の推定値を得ることができる。
さらに、接続済みでない箇所については、例えば、融着接続が一般的に多いことから、融着接続をデフォルトとして接続損失の推定値を付与し、先ほど求めた伝送損失の推定値の合計に各接続点での接続損失の推定値の合計を加えれば、光回線ルート全体としての伝送損失の推定値を得ることができる。
例えば、図2に示した模式図では、先に、説明した第1光ケーブルルート又は第2光ケーブルルートのどちらかが光回線ルートとして最短距離になり、光回線ルートの長さが長いほど光テープ芯線の伝送損失が大きくなるので、確かに、第3光ケーブルルートの光回線ルートは光回線ルート全体としての伝送損失が大きい可能性が高い。
しかしながら、融着接続のような接続形態の中で最も接続損失が低い接続形態を選んだとしても、その接続点1点で発生する接続損失は、光ファイバ芯線の伝送損失で言えば、1km分の損失に該当するほどに大きな損失になる。
このため、機器Aと機器Bの間や機器Bと機器Dの間に複数の機器が存在している場合には、必ずしも、第1光ケーブルルートの光回線ルート全体の伝送損失が第3光ケーブルルートの光回線ルート全体の伝送損失よりも低いものになるとは言い切れない。
なお、第2光ケーブルルートについても機器Cと機器Dの間に複数の機器が存在している場合も同様である。
このため、従来技術のように、起点(機器A)から終点(機器G)に至るまでの光回線ルートを最短の長さのルートで絞るようにして光回線ルートを抽出すると伝送損失等の面で適切な光回線ルートになっているとは言えない。
一方で、本実施形態では、最短の長さのルートに絞るようなことを行っていないため、伝送損失等の面で適切な光回線ルートが光回線ルートの設計から漏れることがない。
さらに、トータルの伝送損失だけの観点であれば、後述する表示部11に表示するときに1つの光回線ルートに絞って表示させることも可能であるが、本実施形態では、伝送損失等の面で適切な光回線ルートを設計することだけに着目せず、更に、以下で説明することも考慮して、後述する表示部11に表示するときに1つの光回線ルートに絞って表示することがないようにしている。
具体的には、光回線を開通させる場合には、当然、そのための工事が伴い、機器によっては、工事することを避けたいと工事業者が考える機器も存在する。
例えば、クロージャ内は、接続した光ファイバ芯線や光テープ芯線をきれいに収納できるように余長を円形に巻いて接続部を収容できるようにした融着トレイが何段も設けられており、本来は整頓された状態で収納されている。
しかし、そのようにきれいに収容されていない場合には、作業に際して誤って現用回線を切断する等の危険性が高まる。
そして、工事業者は、これまでの経験からできれば触りたくない機器等を知っており、その機器を経由しない光回線ルートが可能であれば、伝送損失の面で最良の光回線ルートではない光回線ルートであっても、伝送損失の面で見て適切な範囲内の伝送損失である光回線ルートであれば、その機器を避けたルートを選択したいと考える場合もあり、このような観点に立てば、表示部11に表示する光回線ルートを1つに絞らない方がよいと考えられる。
なお、クロージャ内の整頓状態だけでなく、そのクロージャを経由している光回線に切断すると被害が大きい重要回線が通っている場合にも、できれば避けたいと考えることが多い。
このように、光回線ルートの候補は、基本的には多い方が好ましいので、例えば、先に、本実施形態では、所定の条件として、第2条件を含むものとしていると説明したが、第2条件を満たすことができない光ケーブルルートに対しては、第1条件だけを課すようにして、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光テープ芯線の組み合わせからなる組を複数組にした光回線ルートを抽出するものとしてもよい。
ただし、光回線ルートの候補数が著しく多い場合には、逆に、煩わしい場合もあるので、図5に示すように、入力画面20に光回線ルート設計の結果として、表示部11に表示する光回線ルートの数の上限を決める表示ルート数入力部27を設けるようにしておくことが好ましい。
そして、設計された光回線ルートの数が、表示ルート数入力部27に入力される数を超えている場合には、光回線ルート全体としての伝送損失の推定値が小さいものを優先して表示部11に表示させるようにすればよい。
(ステップS4)
話をもとに戻すと、上記のようにして光回線ルート設計が終わると、システムサーバ10の制御部は、設計した光回線ルートを表示部11に表示させる結果表示手段として機能し、設計した全ての光回線ルートを表示部11に表示する表示処理を実行する。
図7は、光回線ルート設計支援システム1の光回線ルート設計の結果(空きルート検索結果)を表示する結果表示画面30を表示部11に表示したところを示す図である。
図7に示すように、結果表示画面30は、上側に設計された光回線ルートの一覧が表示される結果一覧画面31が設けられ、下側に個別に光回線ルートを表示する詳細画面32が設けられている。
結果一覧画面31では、地図上でルートを見るときに、そのルートの表示色を示す「地図表示色」、詳細画面32に表示させるルートを選択できるルート選択アイコン33として機能する「ルート表示」、そのルートの長さを示す「距離(m)」、そのルートにある機器の数を示す「機器数」及びそのルートで推定されるトータルの伝送損失を示す「トータル伝送損失(dB)」等が示されている。
一方、図7では、操作部12を操作して、表示部11に表示された光回線ルートの1つであるルート1を選択して詳細画面32に表示したところを示しているが、このルート1は、先に説明した第1光ケーブルルートの光回線ルートになっている。
このため、起点の「XXビル」の最寄り機器であって機器の中で起点となる機器Aまではドロップケーブルで接続する工事が必要であるため機器Aは、丸で囲まれ接続が必要な機器として表示されている。
一方、機器Bでは、既に接続がされていたため、丸で囲まれておらず、機器Dでは接続されていなかったため、機器Aと同様に丸で囲まれたものになっている。
そして、終点の「YYビル」の最寄り機器であって機器の中で終点となる機器Gから終点の「YYビル」までは、やはり、ドロップケーブルで接続する工事が必要であるため機器Gは、丸で囲まれ接続が必要な機器として表示されている。
なお、機器間を結ぶ線は、光テープ芯線を表している。
このように、表示部11に表示された1以上の光回線ルートから1つの光回線ルートが選択されると、表示部11に選択された光回線ルート中の光テープ芯線を起点から終点に向けて順に並べた表示とともに、表示された光テープ芯線間の接続の有無が表示されるので、順番にルート1、ルート2及びルート3を表示させて見ることで接続作業が少なくて済むルートを視覚的に理解することができるようになっている。
なお、この画面では示されていないが、光回線ルートのために実際に選択すべき、各光ケーブル中の光テープ芯線についても表示することが可能であり、工事業者は、それを見て機器A、機器D、及び、機器Gでの接続作業を行うことになる。
一方、詳細画面32には、この表示されている光回線ルートが実際に地図上で見たときに、どのようなルートになっているのかを見るときのための、地図上表示アイコン34である「地図上で確認」があるので、それを押すと、地図上で、この光回線ルートがどのようなところを通っているのかが赤色の線で表示されるので、地図上でのルートの状態も視覚的に確認することができるものになっている。
ただし、地図上で表示するときには、他のルート(例えば、ルート2は黄色の線で表示され、ルート3は青色の線で表示される。)も合わせて表示されるようになっており、このため、選択されたルートのそれぞれを同じ地図上で比較することができるようになっている。
そして、本実施形態の光回線ルート設計では、先に説明したように、光回線ルートが最短になるという絞り込みをせず、抽出した光回線ルートのそれぞれについて、伝送損失推定手段が光回線ルート全体としての伝送損失を推定して、光回線ルートと併せて伝送損失が表示部11に提示(表示)され、伝送損失等の面で適切な光回線ルート設計が行えるものになっている。
なお、本実施形態では、表示部11に各光回線ルートと各光回線ルートに対応する伝送損失を表示する提示方法になっているが、提示方法は、表示部11に表示することに限定されることはなく、例えば、プリンタ等から印刷される紙ベースでの提示であってもよい。
また、本実施形態では、先に説明したように、回線使用状況が空きである光テープ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出しているので、接続作業に当たっては、光テープ芯線同士を一括接続する融着接続器を使用して接続を行えばよいため、接続のために個別の光ファイバ芯線に単芯分離するような必要がない光回線ルート設計になっているというメリットもある。
なお、例えば、光回線を開通させるに当たって、光ケーブル内の空きである光ファイバ芯線の残り数が少ない光ケーブルは極力肝心なときだけ使用し、それ以外のときは避けたいと考えるようなときもある。
そこで、先ほどは、ステップS2で、所定の条件として、第1条件と第2条件を含むものとしたが、光回線ルートを構成する光テープ芯線が、光ケーブルに収容されている光ファイバ芯線のうち回線使用状況が空きである光ファイバ芯線の割合が設定された割合以上である光ケーブルに収容された光テープ芯線であるものとする第3条件を含むものとしてもよい。
そして、そのために、図5に示すように、入力画面20には、この空きの割合を入力する割合入力部28を設けるようにするのが好ましい。
例えば、ここの割合を30%にした場合、図2に示すように、先の第2光ケーブルルート及び第3光ケーブルルートの光ケーブルkは、この条件を満たせず、また、第2光ケーブルルートの光ケーブルnもこの条件を満たせないため、第2光ケーブルルート及び第3光ケーブルルートについての光回線ルート抽出処理は実行されない。
この結果、設計される光回線ルートは第1光ケーブルルートの光回線ルートだけになるため、このときには、図7に示した結果表示画面30には、ルート1だけが表示されることになる。
なお、全ての光ケーブルルートで条件を満たせない場合もあるが、この場合には、図7に示した結果表示画面30には「設定された条件では光回線ルートの設計ができませんでした。」のような表示が行われるので、条件を緩和するか、後述するように、図5に示した単位選択部24のラジオボタンによる選択を光ファイバ芯線(芯線単位)に変更して、光テープ芯線の組み合わせでなく、光ファイバ芯線の組み合わせで光回線ルート設計を行わせるように変更すればよい。
そして、それでも光回線ルートの設計ができなかった場合は、新しい光ケーブルを敷設することになる。
(第2実施形態)
先に触れたように、第2実施形態では、光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する場合について説明する。
なお、第1実施形態と同じ図で説明できる部分については、これまでの図の記載を借りて説明を行うこととする。
第2実施形態でも、敷設状態データベースの内容は、第1実施形態で説明したものと同じであり、やはり、図5に示す入力画面20で検索条件を入力した後に、空きルート(光回線ルート)の検索を開始させる検索開始アイコン26(空きルート検索)を押して検索が開始されることになる。
ただし、第2実施形態では、光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計する場合のため、単位選択部24のラジオボタンによる選択が、光ファイバ芯線(芯線単位)を選択した状態で、検索開始アイコン26(空きルート検索)を押して検索が開始される点が異なる。
(ステップS1)
そして、検索開始アイコン26(空きルート検索)が押されると、図6のフローチャートに従ったルート検索が開始(図6のスタート)され、光回線ルートの設計が行われる。
第2実施形態でも、第1実施形態で説明したのと同様に、ステップS1で光ケーブルルート抽出処理を行うことになり、その内容は第1実施形態と同様であるので説明を省略する。
ただし、第1実施形態でも触れたように、必ずしも、光ケーブルルートを抽出する光ケーブルルート抽出処理を行わなければ光回線ルートの設計ができないわけではなく、起点となる機器のそれぞれの光ファイバ芯線を開始点としてダイクストラ法を適用することも可能である。
例えば、ステップS1を省略し、これから説明するステップS2の処理に代えて、光ケーブルルートを抽出したときと同様に、光回線ルートを構成する光ファイバ芯線数が所定数以下で、かつ、同じ光ファイバ芯線を複数回含まない(例えば、複数回同じ機器を経由しない)条件を課してダイクストラ法を光ファイバ芯線に対して行うことで、光回線ルート抽出処理を実施し、多数の光回線ルートを抽出することは可能である。
しかし、1つの光ケーブル中には数十から数百(場合によっては数千)の光ファイバ芯線が存在するため、そのようにすると、ルート検索に必要な演算量が大幅に増えることになるので、やはり、光ケーブルルート抽出処理を行うことが好ましい。
(ステップS2)
そして、第1実施形態のときと同様に、ステップS1によって、3つの光ケーブルルートが抽出されているので、ステップS2では、光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを設計するために、今度は、それぞれの光ケーブルルートに対して、個別に所定の条件を満たす光ファイバ芯線だけで、起点から終点に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートが実現できるのかについて見ていくことになる。
なお、それぞれの光ケーブルルートに対して行われる内容自体は同様であるため、ここでも、第1光ケーブルルートを主な例として説明を行う。
まず、所定の条件のうちの1つ(以下、第1条件ともいう。)は、回線使用状況が全て空きである光ファイバ芯線だけで光回線ルート設計が可能であるかである。
そのために、ルート抽出手段は、第1光ケーブルルート上に存在する光ケーブル(光ケーブルj、光ケーブルm、及び、光ケーブルt)のそれぞれについて、ケーブル経路情報データファイルに記録されている光ファイバ芯線のデータ(空き芯数)に基づいて、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が存在するのかを判定する。
この空き芯数は、光ケーブル内に収容された光ファイバ芯線のそれぞれについて、全体的に回線使用状況が把握できるデータであり、光ケーブル内に収容された光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータの一例である。
なお、この判定は、芯線経路情報データファイルに記録されている光ファイバ芯線のデータ(ケーブルID及び現用・非現用フラグ等)に基づいて行うことも可能であり、現用・非現用フラグは、光ケーブル内に収容された光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータの他の例である。
例えば、光ケーブルjについて、ケーブル経路情報データファイルを参照すると、空き芯数が60本あるので、ルート抽出手段は、光ケーブルjについては、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が存在すると判定する。
なお、例えば、ルート抽出手段は、芯線経路情報データファイルのケーブルIDにjが付与されている現用・非現用フラグに基づいて、現用・非現用フラグに0が付与されているものがある場合に、光ケーブルjについては、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が存在すると判定するようになっていてもよい。
同様に、光ケーブルmも空き芯数が100本あるので、ルート抽出手段は、光ケーブルmについても、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が存在すると判定する。
さらに、図2では示されていないが、光ケーブルtについても空き芯数の記述があれば、ルート抽出手段は、光ケーブルtについても、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が存在すると判定する。
そして、ルート抽出手段は、光ケーブルルート上に存在する全ての光ケーブルについて、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が存在すると判定すると、この第1光ケーブルルートから第1条件を満たす光ファイバ芯線だけで、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行する。
一方、例えば、光ケーブルj、光ケーブルm又は光ケーブルtのうちのいずれかの光ケーブルが空き芯数0である場合、第1条件(回線使用状況が空きである光ファイバ芯線)を満たす光ファイバ芯線だけで、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出することができない。
このため、ルート抽出手段は、光ケーブルj、光ケーブルm又は光ケーブルtのうちのいずれかの光ケーブルが空き芯数0である判定となった場合には、第1光ケーブルルートに対しての光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行しない。
詳細な説明は省略するが、同様に、ルート抽出手段は、第1光ケーブルルートに対して行った判定と同様の判定を第2光ケーブルルート(第3光ケーブルルート)に対しても行い、その判定の結果、第2光ケーブルルート(第3光ケーブルルート)上に存在する光ケーブルの全てが、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線を有する判定の場合、第2光ケーブルルート(第3光ケーブルルート)に対しても光回線ルート抽出処理を実行し、そうでない場合には光回線ルート抽出処理を実行しない。
また、本実施形態では、光回線ルート抽出処理を実行するに当たり、先の第1条件に加え、所定の条件として、第2条件を含むものとしており、具体的には、同じ光ケーブル内に第1条件(回線使用状況が空きである光ファイバ芯線)を満たす光ファイバ芯線が、必要な回線数分以上存在する光ケーブル内の光ファイバ芯線である第2条件を満たす、光ファイバ芯線の組み合わせで起点(機器A)から終点(機器G)に至る光回線ルートを抽出するようにしている。
このため、本実施形態では、光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルtの全てが、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線を有する判定のときに、ルート抽出手段は、ケーブル経路情報データファイルに記録されている光ファイバ芯線のデータ(空き芯数)に基づいて、第1条件(回線使用状況が空きである光ファイバ芯線)を満たす光ファイバ芯線が必要な回線数分以上になっているかについても判定を行っている。
つまり、本実施形態では、上り下りのために2回線を確保する場合で説明しており、ルート抽出手段は、光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルtのそれぞれについて、それぞれの光ケーブル(光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルt)が、第1条件(回線使用状況が空きである光ファイバ芯線)を満たす光ファイバ芯線を2本以上有するものであるかについても判定している。
具体的には、ルート抽出手段は、光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルtのそれぞれについて、ケーブル経路情報データファイルに記録されている光ファイバ芯線の空き芯数のデータが2本以上になっているかの判定を行い、光ケーブルルート上に存在する全ての光ケーブルについて、回線使用状況が空きである光ファイバ芯線が2本以上存在すると判定すると、この第1光ケーブルルートから第1条件及び第2条件を満たす光ファイバ芯線だけで、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行する。
なお、ルート抽出手段が行う、光ケーブルj、光ケーブルm及び光ケーブルtのそれぞれについて、光ファイバ芯線の空き芯数のデータが2本以上になっているかの判定は、芯線経路情報データファイルに記録されている光テープ芯線のデータ(ケーブルID及び現用・非現用フラグ等)に基づいて行うことも可能である。
ただし、必ずしも第2条件を課す必要はなく、第1条件だけを課している場合には、仮に、光ケーブルルート上に存在する光ケーブル中に第1条件(回線使用状況が空きである光ファイバ芯線)を満たす光ファイバ芯線が1本しかない光ケーブルが存在していたとしてもその光ケーブルルートで1回線分の光回線ルートを設計でき、残る光ケーブルルートから不足するもう1回線分の光回線ルートを設計することで、トータル2回線分の光回線ルートを確保することができる。
例えば、極めて稀な例であると思われるが、抽出された光ケーブルルートのいずれもが、第1条件(回線使用状況が空きである光ファイバ芯線)を満たす光ファイバ芯線が1本しかない光ケーブルを含んでしまっている場合、第2条件を課すと抽出された光ケーブルルートのいずれに対しても光回線ルート抽出処理が実行されないことになり、光回線ルートの設計ができなかったという結果になる。
なお、光回線ルートの設計ができない場合は、新たな光ケーブルを敷設する等の対応が必要になる。
しかしながら、第2条件を課さないものとして条件を緩和すれば、光回線ルート抽出処理を実行することになるので、必要な回線数分の光回線ルートの設計を可能とすることができる。
したがって、第1条件だけを課して光回線ルートの設計が可能なようにしておく方が好ましい。
そして、上記のように、第1条件及び第2条件を満たす光ファイバ芯線だけで、起点から終点に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートの設計が可能である光ケーブルルートがあった場合、ルート抽出手段は、実際に、第1条件及び第2条件を満たす光ファイバ芯線だけで、起点から終点に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を実行する。
ここまで来ると、光ファイバ芯線の組み合わせで起点(機器A)から終点(機器G)に至る必要な回線数分の光回線ルートをピックアップできればよいだけであり、光回線ルートをピックアップするための光ファイバ芯線の抽出方法は多数存在するため、以下では、その一例について、手順がわかりやすい表現で説明するものとする。
なお、以下では、1回線分の光回線ルートの抽出について説明するが、もう1回線分の光回線ルートの抽出も行うことは同じである。
ルート抽出手段は、例えば、光ケーブルjについて、芯線経路情報データファイルのケーブルIDがjであって、現用・非現用フラグが全て0である光ファイバ芯線を全て抽出する。
なお、以下では、この抽出した光ファイバ芯線を指して抽出光ファイバ芯線Jと呼ぶことにし、本実施形態は、第2条件を満たす場合であるので、2本以上の光ファイバ芯線が抽出光ファイバ芯線Jとして抽出されることになる。
ルート抽出手段は、光ケーブルm及び光ケーブルtについても、同様にして、抽出光ファイバ芯線M及び抽出光ファイバ芯線Tを抽出する。
なお、本実施形態では、第2条件を満たす場合であるので、ここでも2本以上の光ファイバ芯線が抽出光ファイバ芯線Mとして抽出されるとともに、2本以上の光ファイバ芯線が抽出光ファイバ芯線Tとして抽出されることになる。
そして、ルート抽出手段は、抽出光ファイバ芯線間の接続状態を求める。
具体的には、芯線経路情報データファイルの始点接続点ID及び終点接続点IDを参照して、抽出光ファイバ芯線Jと抽出光ファイバ芯線Mの間で、既に、接続が完了している第1接続完了抽出光ファイバ芯線JMと、接続が行われていない未接続抽出光ファイバ芯線(未接続抽出光ファイバ芯線J及び未接続抽出光ファイバ芯線M)と、に区別する。
さらに、ルート抽出手段は、第1接続完了抽出光ファイバ芯線JMが存在した場合、第1接続完了抽出光ファイバ芯線JMと抽出光ファイバ芯線Tの間で、既に、接続が完了している第2接続完了抽出光ファイバ芯線JMTと、未接続抽出光ファイバ芯線Tと、に区別する。
一方、ルート抽出手段は、第1接続完了抽出光ファイバ芯線JMが存在しなかった場合には、抽出光ファイバ芯線Mと抽出光ファイバ芯線Tの間で、既に、接続が完了している第3接続完了抽出光ファイバ芯線MTと、接続が行われていない未接続抽出光ファイバ芯線(未接続抽出光ファイバ芯線M及び未接続抽出光ファイバ芯線T)と、に区別する。
そして、ルート抽出手段は、第2接続完了抽出光ファイバ芯線JMTが存在した場合、その第2接続完了光ファイバ芯線について、機器Aで他の光ファイバ芯線に接続されていないものを抽出し、そのような第2接続完了抽出光ファイバ芯線JMTが存在した場合、その中の1つを光回線ルートとしてピックアップする。
ここで、機器Aで他の光テープ芯線に接続されていないものを抽出しているのは、機器Aで切断する作業を伴わないものを優先的にピックアップするためである。
なお、この時点で、機器Aで他の光ファイバ芯線に接続されていない第2接続完了抽出光ファイバ芯線JMTが2つ以上存在すれば、その中の2つを光回線ルートとしてピックアップすればよい。
一方、第2接続完了抽出光ファイバ芯線JMTが存在した場合であっても、機器Aで他の光ファイバ芯線に接続されていないものが抽出できなかった場合には、ルート抽出手段は、未接続抽出光ファイバ芯線Jのうち、機器Aで他の光ファイバ芯線に接続されていないものを1つピックアップするとともに、第3接続完了抽出光ファイバ芯線MTの中から1つをピックアップして、その組み合わせを1回線分の光回線ルートとする。
さらに、第2接続完了抽出光ファイバ芯線JMT及び第3接続完了抽出光ファイバ芯線MTがどちらも存在しない場合には、ルート抽出手段は、未接続抽出光ファイバ芯線Jのうち、機器Aで他の光ファイバ芯線に接続されていないものを1つピックアップするとともに未接続抽出光ファイバ芯線M及び未接続抽出光ファイバ芯線Tをそれぞれ1つピックアップし、そのピックアップした未接続抽出光ファイバ芯線J、未接続光ファイバ芯線M及び未接続抽出光ファイバ芯線Tの組み合わせを1回線分の光回線ルートとする。
なお、この1回線分の光回線ルートのことを全体としてのルートの説明との区別がわかりやすいものとするために第1光回線ともいう。
そして、上記で説明したのと同様の手順をもう1回線分の光回線ルート(以下、第2光回線ともいう。)のために行えば、2回線分の光回線ルートを抽出することができる。
当然、このもう1回線分の光回線ルートの抽出を行うときには、第1光回線の光ファイバ芯線は抽出対象から外される。
なお、例えば、最後のピックアップの処理を一義的なものとするために、光ファイバ芯線に付与されている線番の小さなものを優先的にピックアップ対象とし、その中の優先順位を光ケーブルj、光ケーブルm、光ケーブルtの順に定めるようにすればよい。
このようにして、第1光ケーブルルートでの光回線ルートとなる光ファイバ芯線の組み合わせ(第1光回線及び第2光回線)が求められると、ルート抽出手段は、第2光ケーブルルートに対して同様のことを行い、第2光ケーブルルートの光回線ルートのための2組の光ファイバ芯線の組み合わせ(第2光ケーブルルートの光回線ルートの第1光回線及び第2光回線)を求める。
さらに、第2光ケーブルルートの光回線ルートの第1光回線及び第2光回線が求められると、ルート抽出手段は、第3光ケーブルルートに対して同様のことを行い、第3光ケーブルルートの光回線ルートのための2組の光ファイバ芯線の組み合わせ(第3光ケーブルルートの光回線ルートの第1光回線及び第2光回線)を求める。
なお、本実施形態では、上り下りの2回線を確保する場合で説明しているが、双方向のデータのやり取りがない従来のテレビに類似した使用形態の場合、下りだけの1回線を確保すればよい場合もあるため、光回線ルートの設計では、少なくとも1つ以上の光回線となる光ファイバ芯線の組み合わせを有する光回線ルートが設計される。
(ステップS3)
そして、光回線ルートとなる光ファイバ芯線の組み合わせを求め終えると、システムサーバ10の制御部は、光回線ルート全体としての伝送損失を推定する伝送損失推定手段として機能し、抽出された光回線ルートそれぞれの伝送損失を推定する伝送損失の推定処理を実施する。
具体的には、光ケーブルjに収容されている光ファイバ芯線の1m当たりの伝送損失の推定値は、ケーブル経路情報データファイルのケーブル種別、及び、ケーブル損失情報データファイルの伝送損失からわかり、その光ファイバ芯線の1m当たりの伝送損失の推定値にケーブル経路情報データファイルの光ケーブルjの長さを掛ければ、光ケーブルjの箇所に対応した光回線ルートの伝送損失の推定値を求めることができる。
また、光回線ルートの光ケーブルm及び光ケーブルtに対応する箇所での伝送損失の推定値も同様にして求めることができる。
そして、光回線ルートが機器B及び機器D内で接続済みであるか否かは、光回線ルートを求めたときに既にわかっており、接続済みである場合には、接続点損失情報データファイルから接続損失の推定値を得ることができる。
なお、光回線ルートの有する第1光回線及び第2光回線で接続形態が異なり、接続損失が異なっている場合も考えられるが、この場合には、安全を見て接続損失の大きい方の値を採用するようにすればよい。
さらに、接続済みでない箇所については、例えば、融着接続が一般的に多いことから、融着接続をデフォルトとして接続損失の推定値を付与し、先ほど求めた伝送損失の推定値の合計に各接続点での接続損失の推定値の合計を加えれば、光回線ルート全体としての伝送損失の推定値を得ることができる。
また、本実施形態でも、トータルの伝送損失だけの観点であれば、後述する表示部11に表示するときに1つの光回線ルートに絞って表示させることも可能であるが、第1実施形態で説明したように、工事業者が光回線ルートを選択する選択肢を残すために、1つの光回線ルートに絞って表示しないようにしている。
このような光回線ルートの候補は、基本的には多い方が好ましいので、本実施形態では、所定の条件として、第2条件を含むものとしていると説明したが、第1条件だけを課すようにして、起点(機器A)から終点(機器G)に至る光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートの候補が多く抽出できるようにしてもよい。
ただし、光回線ルートの候補数が著しく多い場合には、逆に、煩わしい場合もあるので、第1実施形態と同様に、入力画面20に光回線ルート設計の結果として、表示部11に表示する光回線ルートの数の上限を決める表示ルート数入力部27(図5参照)を設けるようにしておくことが好ましい。
そして、設計された光回線ルートの数が、表示ルート数入力部27に入力される数を超えている場合には、必要な回線数が確保できる光回線ルートを優先させるとともに、その光回線ルートの中でも光回線ルート全体としての伝送損失の推定値が小さいものを優先して表示部11に表示させるようにすればよい。
(ステップS4)
上記のようにして光回線ルート設計が終わると、システムサーバ10の制御部は、設計した光回線ルートを表示部11に表示させる結果表示手段として機能し、設計した全ての光回線ルートを表示部11に表示する表示処理を実行する。
図8は、本実施形態の光回線ルート設計支援システム1の光回線ルート設計の結果(空きルート検索結果)を表示する結果表示画面30を表示部11に表示したところを示す図である。
図8に示すように、第2実施形態でも、結果表示画面30は、上側に設計された光回線ルートの一覧が表示される結果一覧画面31が設けられ、下側に個別に光回線ルートを表示する詳細画面32が設けられている。
そして、結果一覧画面31では、地図上でルートを見るときに、そのルートの表示色を示す「地図表示色」、詳細画面32に表示させるルートを選択できるルート選択アイコン33として機能する「ルート表示」、そのルートの長さを示す「距離(m)」、そのルートにある機器の数を示す「機器数」及びそのルートで推定されるトータルの伝送損失を示す「トータル伝送損失(dB)」等が示されている点は第1実施形態と同じであり、第2実施形態では、そのルートで確保した回線数を示す「回線数」の表示が加わっている点が異なっている。
なお、回線数は、今回必要とされている回線数を上限として表示するようにしている。
つまり、本実施形態では、2回線を確保しようとしており、いずれの光回線ルート(ルート1、ルート2、及び、ルート3)でも2回線分の光回線が確保されているため「回線数」は2と表示されている。
ただし、本実施形態では、回線数が、今回必要とされる回線数を上限として表示するものとしているが、これに限定される必要はなく、その光回線ルート(ルート1、ルート2、及び、ルート3)で確保可能な最大の光回線の数を表示するようにしてもよい。
例えば、ルート1は、第1光ケーブルルート(光ケーブルj、光ケーブルm、及び、光ケーブルtからなる光ケーブルルート)であったので、この場合について、最大の光回線の数を表示する方法を簡単に説明すると、結果表示手段が、敷設状態データベース(図1参照)に基づいて、最大何回線の光回線が確保できるのかを求め、その求めた光回線の数を表示するようにすればよい。
具体的な一例としては、敷設状態データベース(図1参照)のケーブル線路情報データファイル(図2参照)には、各光ケーブルの空き芯数が記憶されているので、結果表示手段は、光ケーブルj、光ケーブルm、及び、光ケーブルtのうち最も少ない空き芯数をルート1の光回線ルートで確保できる光回線の数として、回線数に表示する。
なお、ルート2(第2光ケーブルルート)及びルート3(第3光ケーブルルート)の光回線ルートについても同様のことを行えばよい。
このように回線数に確保可能な最大の光回線の数を表示するようにすれば、光回線ルートのうち、どの光回線ルートが最も新しい光回線を開設するときに余裕があるのかがわかるため、このように回線数に確保可能な最大の光回線の数を表示するようにしてもよい。
一方、本実施形態では、第2条件を課しているため、必要な回線数を確保できていないルートは設計対象から外れることになるので、設計されたルートは、必ず、必要分の回線数が確保したものとなっているが、第2条件を課していない場合、つまり、第1条件だけの場合には、回線数が不足しているルートも設計されることになる。
そして、第1条件だけを課していた場合に、例えば、ルート3が1回線分しか光回線を確保できない光回線ルートであった場合には、ルート3の回線数が1と表示される。
本実施形態のように、同じ加入者宅に対して2回線の光回線を確保する場合、同じ光回線ルートで2回線の光回線を確保できるルートを本来選択することが多く、上記のように確保できる回線数を表示させるようにすることで、ルート3を工事対象から外すといった判断が行いやすくなる。
また、図8でも図7と同様に、操作部12を操作して、表示部11に表示された光回線ルートの1つであるルート1を選択して詳細画面32に表示したところを示しているが、このルート1は、先に説明した第1光ケーブルルートの光回線ルートになっている。
このため、起点の「XXビル」の最寄り機器であって機器の中で起点となる機器Aまではドロップケーブルで接続する工事が必要であるため機器Aは、丸で囲まれ接続が必要な機器として表示されている。
一方、機器Bでは、既に接続がされていたため、丸で囲まれておらず、機器Dでは接続されていなかったため、機器Aと同様に丸で囲まれたものになっている。
そして、終点の「YYビル」の最寄り機器であって機器の中で終点となる機器Gから終点の「YYビル」までは、やはり、ドロップケーブルで接続する工事が必要であるため機器Gは、丸で囲まれ接続が必要な機器として表示されている。
なお、機器間を結ぶ線は、2回線分の光ファイバ芯線を模式的に表している。
ただし、本実施形態の詳細画面32の表示は、光回線ルートが有する2回線分の光回線の状態を総合した総合表示になっている。
例えば、2回線分のうちの1つの光回線である第1光回線が機器B、及び、機器Dで接続が完了していたとしても、もう一方の光回線である第2光回線が機器Bでの接続だけしか行われていない場合には、図8に示すように表示される。
これは、第1光回線又は第2光回線のどちらか一方でも接続が必要な機器であれば、工事業者がその機器のところに行って接続作業を行うことになることを考慮し、どこで接続作業を行う必要があるかを正確に示すためである。
このように、表示部11に表示された1以上の光回線ルートから1つの光回線ルートが選択されると、表示部11に選択された光回線ルート中の光ファイバ芯線を起点から終点に向けて順に並べた表示とともに、表示された光ファイバ芯線間の接続の有無が表示されるので、順番にルート1、ルート2及びルート3を表示させて見ることで接続作業が少なくて済むルートを視覚的に理解することができるようになっている。
なお、第1実施形態と同様に、この画面では示されていないが、光回線ルートのために実際に選択すべき、各光ケーブル中の光ファイバ芯線についても表示することが可能であり、工事業者は、それを見て機器A、機器D、及び、機器Gでの接続作業を行うことになる。
また、この表示のときには、光回線ルートの有するそれぞれの光回線(第1光回線及び第2光回線)において、どの光ファイバ芯線間で接続作業が必要かも表示されるようになっている。
一方、詳細画面32には、第1実施形態と同様に、この表示されている光回線ルートが実際に地図上で見たときに、どのようなルートになっているのかを見るときのための、地図上表示アイコン34である「地図上で確認」があるので、それを押すと、地図上で、この光回線ルートがどのようなところを通っているのかが赤色の線で表示されるので、地図上でのルートの状態も視覚的に確認することができるものになっている。
また、地図上で表示するときには、第1実施形態で説明したように、他のルート(例えば、ルート2は黄色の線で表示され、ルート3は青色の線で表示される。)も合わせて表示されるようになっており、このため、選択されたルートのそれぞれを同じ地図上で比較することができるようになっている。
そして、本実施形態においても、光回線ルートが最短になるという絞り込みをせず、抽出した光回線ルートのそれぞれについて、伝送損失推定手段が光回線ルート全体としての伝送損失を推定して、光回線ルートと併せて伝送損失が表示部11に提示(表示)され、伝送損失等の面で適切な光回線ルート設計が行えるものになっている。
なお、本実施形態でも、表示部11に各光回線ルートと各光回線ルートに対応する伝送損失を表示する提示方法に限定される必要はなく、例えば、プリンタ等から印刷される紙ベースでの提示であってもよい。
特に光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルートの場合には、稀ではあるものの、多分岐カプラで分岐(例えば、1本の光ファイバ芯線を末端で3分岐や4分岐等に多分岐)している部分が、設計された光回線ルートに含まれる場合が考えられ、そうすると、その光ファイバ芯線を含むだけで光のパワーが3分の1や4分の1に減衰することになるので、光ファイバ芯線の伝送損失等、比較にならないぐらい大きな伝送損失が発生するが、単に長さを最短にすることだけを念頭に光回線ルートを設計すると、このような大きな伝送損失となる光回線ルートを避けることができない。
なお、先の説明では省略したが、敷設状態データベースは、接続点情報データファイルの接続種別に、多分岐カプラ等の接続が行われている場合には、それに対応した接続種別も設けられており、それに対応した接続損失として分岐損失を見込んだ損失を記録しているので、設計した光回線ルートに多分岐カプラ等が含まれる場合には、それに対応した伝送損失が推定されるので、上記のような大きな伝送損失となる光回線ルートを避けるようにして光回線を開通させることが可能である。
また、本実施形態でも、ステップS2での所定の条件を第1条件と第2条件に加え、光回線ルートを構成する光ファイバ芯線が、光ケーブルに収容されている光ファイバ芯線のうち回線使用状況が空きである光ファイバ芯線の割合が設定された割合以上である光ケーブルに収容された光ファイバ芯線であるものとする第3条件を含むものとしてもよい。
そして、そのために、図5に示すように、入力画面20には、この空きの割合を入力する割合入力部28を設けるようにするのが好ましいことは第1実施形態と同様である。
なお、全ての光ケーブルルートで条件を満たせない場合もあるが、この場合には、第1実施形態と同様に、図8に示した結果表示画面30には「設定された条件では光回線ルートの設計ができませんでした。」のような表示が行われるので、条件を緩和するように変更して、再度、光ファイバ芯線の組み合わせからなる光回線ルート設計を行うようにすればよく、それでも光回線ルートの設計ができなかった場合は、新しい光ケーブルを敷設することになる。
以上、具体的な実施形態に基づいて、本発明の説明を行ってきたが、具体的な実施形態に限定される必要はなく、実施形態に対して変更や改良を行ったものも発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは特許請求の範囲の記載から当業者にとって明らかである。
また、本明細書には、主たる課題とは別の課題を解決する上で有用な発明も開示されていることから、その別の課題のために、開示される有用な発明を実施してもよいことは言うまでもない。
1 光回線ルート設計支援システム
10 システムサーバ
11 表示部
12 操作部
20 入力画面
21 起点入力部
22 終点入力部
23 経過点入力部
24 単位選択部
25 回線数入力部
26 検索開始アイコン
27 表示ルート数入力部
28 割合入力部
30 結果表示画面
31 結果一覧画面
32 詳細画面
33 ルート選択アイコン
34 地図上表示アイコン

Claims (4)

  1. 光回線ルート設計を支援する光回線ルート設計支援システムであって、
    前記光回線ルート設計支援システムは、
    敷設状態データベースと、
    前記敷設状態データベースに基づいて、起点から終点に至る光回線ルートを抽出するルート抽出手段と、
    前記ルート抽出手段によって抽出された前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定する伝送損失推定手段と、を備え、
    前記敷設状態データベースは、
    敷設済みの複数の光テープ芯線のデータと、
    前記光テープ芯線の有する複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況のデータと、を備え、
    前記ルート抽出手段は、所定の条件を満たす前記光テープ芯線だけで、前記起点から前記終点に至る前記光テープ芯線の組み合わせからなる前記光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を行い、
    前記所定の条件は、回線使用状況が全て空きである前記光ファイバ芯線だけを有する前記光テープ芯線である第1条件を含み、
    前記伝送損失推定手段が、前記光回線ルートの前記光テープ芯線の伝送損失の推定値と前記光回線ルート中の前記光テープ芯線間の接続損失の推定値に基づいて、前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定することを特徴とする光回線ルート設計支援システム。
  2. 前記所定の条件は、前記光テープ芯線の有する前記光ファイバ芯線の数が、必要な光ファイバ芯線の芯線数以上である第2条件を含むことを特徴とする請求項1に記載の光回線ルート設計支援システム。
  3. 光回線ルート設計を支援する光回線ルート設計支援システムであって、
    前記光回線ルート設計支援システムは、
    敷設状態データベースと、
    前記敷設状態データベースに基づいて、起点から終点に至る光回線ルートを抽出するルート抽出手段と、
    前記ルート抽出手段によって抽出された前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定する伝送損失推定手段と、を備え、
    前記敷設状態データベースは、敷設済みの複数の光ファイバ芯線のそれぞれについての回線使用状況データを備え、
    前記ルート抽出手段は、回線使用状況が空きである前記光ファイバ芯線だけで前記起点から前記終点に至る前記光ファイバ芯線の組み合わせからなる前記光回線ルートを抽出する光回線ルート抽出処理を行い、
    前記伝送損失推定手段が、前記光回線ルートの前記光ファイバ芯線の伝送損失の推定値と前記光回線ルート中の前記光ファイバ芯線間の接続損失の推定値に基づいて、前記光回線ルート全体としての伝送損失を推定することを特徴とする光回線ルート設計支援システム。
  4. 前記光回線ルート設計支援システムは、前記光回線ルート抽出処理によって抽出された1以上の前記光回線ルートと、対応する前記光回線ルート全体としての推定された前記伝送損失と、を併せて表示することができる表示部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の光回線ルート設計支援システム。
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