JP2019186288A - 接合方法および接合システム - Google Patents

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浩史 前田
Hiroshi Maeda
浩史 前田
勇之 三村
Takeyuki Mimura
勇之 三村
賢治 菅川
Kenji Sugakawa
賢治 菅川
辰己 大西
Tatsumi Onishi
辰己 大西
亮一 坂本
Ryoichi Sakamoto
亮一 坂本
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Abstract

【課題】接合された基板に発生するエッジボイドを低減することができる技術を提供する。【解決手段】本開示の一態様による接合方法は、表面改質工程と、表面親水化工程と、接合工程と、を含む。表面改質工程は、水素ガスが含まれる処理ガスを供給しながら第1基板の接合面および第2基板の接合面をプラズマによって改質する。表面親水化工程は、改質された第1基板の接合面および第2基板の接合面を親水化する。接合工程は、親水化された第1基板の接合面および第2基板の接合面を分子間力によって接合する。【選択図】図8

Description

本開示は、接合方法および接合システムに関する。
従来、半導体ウェハなどの基板同士を接合する手法として、基板の接合される表面を改質し、改質された基板の表面を親水化し、親水化された基板同士をファンデルワールス力および水素結合(分子間力)によって接合する手法が知られている(特許文献1参照)。
特開2017−005058号公報
本開示は、接合された基板に発生するエッジボイドを低減することができる技術を提供する。
本開示の一態様による接合方法は、表面改質工程と、表面親水化工程と、接合工程と、を含む。表面改質工程は、水素ガスが含まれる処理ガスを供給しながら第1基板の接合面および第2基板の接合面をプラズマによって改質する。表面親水化工程は、改質された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を親水化する。接合工程は、親水化された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を分子間力によって接合する。
本開示によれば、接合された基板に発生するエッジボイドを低減することができる。
図1は、第1実施形態に係る接合システムの構成を示す模式平面図である。 図2は、第1実施形態に係る接合システムの構成を示す模式側面図である。 図3は、第1実施形態に係る上ウェハおよび下ウェハの模式側面図である。 図4は、第1実施形態に係る表面改質装置の構成を示す模式断面図である。 図5は、第1実施形態に係る接合装置の構成を示す模式平面図である。 図6は、第1実施形態に係る接合装置の構成を示す模式側面図である。 図7は、第1実施形態に係る接合装置の上チャックおよび下チャックの構成を示す模式側面図である。 図8は、第1実施形態に係る接合システムが実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。 図9Aは、実施例1の重合ウェハのC−SAM観察画像を示した図である。 図9Bは、実施例2の重合ウェハのC−SAM観察画像を示した図である。 図9Cは、参考例の重合ウェハのC−SAM観察画像を示した図である。 図10は、実施例1、実施例2および参考例のボンディングウェーブ到達時間を示した図である。 図11は、実施例1、実施例2および参考例の表面改質処理された接合面のToF−SIMSによる測定結果を示す図である。 図12は、第1実施形態に係る上ウェハおよび下ウェハの表面状態の推移を説明するための図である。 図13は、第2実施形態に係る接合システムが実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する接合方法および接合システムの各実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す各実施形態により本開示が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実と異なる場合があることに留意する必要がある。さらに、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
従来、半導体ウェハなどの基板同士を接合する手法として、基板の接合される表面を改質し、改質された基板の表面を親水化し、親水化された基板同士をファンデルワールス力および水素結合(分子間力)によって接合する手法が知られている。
一方で、親水化された基板同士を接合する際に、接合された基板の周縁部にボイド(以下、エッジボイドと呼称する。)が発生する場合がある。かかるエッジボイドが発生すると、発生した部分を製品として使用することができなくなることから、歩留まりが低下する恐れがある。
そこで、接合された基板に発生するエッジボイドを低減することが期待されている。
<接合システムの構成>
まず、第1実施形態に係る接合システム1の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、第1実施形態に係る接合システム1の構成を示す模式平面図であり、図2は、同模式側面図である。また、図3は、第1実施形態に係る上ウェハおよび下ウェハの模式側面図である。なお、以下参照する各図面では、説明を分かりやすくするために、鉛直上向きをZ軸の正方向とする直交座標系を示す場合がある。
図1に示す接合システム1は、第1基板W1と第2基板W2とを接合することによって重合ウェハTを形成する。
第1基板W1は、たとえばシリコンウェハや化合物半導体ウェハなどの半導体基板に複数の電子回路が形成された基板である。また、第2基板W2は、たとえば電子回路が形成されていないベアウェハである。第1基板W1と第2基板W2とは、略同径を有する。なお、第2基板W2に電子回路が形成されていてもよい。
以下では、第1基板W1を「上ウェハW1」と記載し、第2基板W2を「下ウェハW2」と記載する。すなわち、上ウェハW1は第1基板の一例であり、下ウェハW2は第2基板の一例である。また、上ウェハW1と下ウェハW2とを総称する場合、「ウェハW」と記載する場合がある。
また、以下では、図3に示すように、上ウェハW1の板面のうち、下ウェハW2と接合される側の板面を「接合面W1j」と記載し、接合面W1jとは反対側の板面を「非接合面W1n」と記載する。また、下ウェハW2の板面のうち、上ウェハW1と接合される側の板面を「接合面W2j」と記載し、接合面W2jとは反対側の板面を「非接合面W2n」と記載する。
図1に示すように、接合システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2および処理ステーション3は、X軸正方向に沿って、搬入出ステーション2および処理ステーション3の順番で並べて配置される。また、搬入出ステーション2および処理ステーション3は、一体的に接続される。
搬入出ステーション2は、載置台10と、搬送領域20とを備える。載置台10は、複数の載置板11を備える。各載置板11には、複数枚(たとえば、25枚)の基板を水平状態で収容するカセットC1、C2、C3がそれぞれ載置される。たとえば、カセットC1は上ウェハW1を収容するカセットであり、カセットC2は下ウェハW2を収容するカセットであり、カセットC3は重合ウェハTを収容するカセットである。
搬送領域20は、載置台10のX軸正方向側に隣接して配置される。かかる搬送領域20には、Y軸方向に延在する搬送路21と、この搬送路21に沿って移動可能な搬送装置22とが設けられる。
搬送装置22は、Y軸方向だけでなく、X軸方向にも移動可能かつZ軸周りに旋回可能である。そして、搬送装置22は、載置板11に載置されたカセットC1〜C3と、後述する処理ステーション3の第3処理ブロックG3との間で、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬送を行う。
なお、載置板11に載置されるカセットC1〜C3の個数は、図示のものに限定されない。また、載置板11には、カセットC1、C2、C3以外に、不具合が生じた基板を回収するためのカセットなどが載置されてもよい。
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数の処理ブロック、たとえば3つの処理ブロックG1、G2、G3が設けられる。たとえば、処理ステーション3の正面側(図1のY軸負方向側)には、第1処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のY軸正方向側)には、第2処理ブロックG2が設けられる。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のX軸負方向側)には、第3処理ブロックG3が設けられる。
第1処理ブロックG1には、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jを処理ガスのプラズマによって改質する表面改質装置30が配置される。表面改質装置30は、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jにおけるSiOの結合を切断して単結合のSiOとすることで、その後親水化されやすくするように当該接合面W1j、W2jを改質する。
なお、表面改質装置30では、たとえば、減圧雰囲気下において所定の処理ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。そして、かかる処理ガスに含まれる元素のイオンが、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jに照射されることにより、接合面W1j、W2jがプラズマ処理されて改質される。かかる表面改質装置30の詳細については後述する。
第2処理ブロックG2には、表面親水化装置40と、接合装置41とが配置される。表面親水化装置40は、たとえば純水によって上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jを親水化するとともに、接合面W1j、W2jを洗浄する。
表面親水化装置40では、たとえばスピンチャックに保持された上ウェハW1または下ウェハW2を回転させながら、当該上ウェハW1または下ウェハW2上に純水を供給する。これにより、上ウェハW1または下ウェハW2上に供給された純水が上ウェハW1または下ウェハW2の接合面W1j、W2j上を拡散し、接合面W1j、W2jが親水化される。
接合装置41は、上ウェハW1および下ウェハW2を接合する。かかる接合装置41の詳細については後述する。
第3処理ブロックG3には、図2に示すように、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのトランジション(TRS)装置50、51が下から順に2段に設けられる。
また、図1に示すように、第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3に囲まれた領域には、搬送領域60が形成される。搬送領域60には、搬送装置61が配置される。搬送装置61は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。
かかる搬送装置61は、搬送領域60内を移動し、搬送領域60に隣接する第1処理ブロックG1、第2処理ブロックG2および第3処理ブロックG3内の所定の装置に上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
また、接合システム1は、制御装置300を備える。制御装置300は、接合システム1の動作を制御する。かかる制御装置300は、たとえばコンピュータであり、図示しない制御部および記憶部を備える。記憶部には、接合処理などの各種処理を制御するプログラムが格納される。制御部は記憶部に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって接合システム1の動作を制御する。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御装置300の記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記録媒体としては、たとえばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
<表面改質装置の構成>
次に、表面改質装置30の構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、表面改質装置30の構成を示す模式断面図である。
図4に示すように、表面改質装置30は、内部を密閉可能な処理容器70を有する。処理容器70の搬送領域60(図1参照)側の側面には、上ウェハW1または下ウェハW2の搬入出口71が形成され、当該搬入出口71にはゲートバルブ72が設けられる。
処理容器70の内部には、ステージ80が配置される。ステージ80は、たとえば下部電極であり、たとえばアルミニウムなどの導電性材料で構成される。ステージ80の下方には、たとえばモータなどを備えた複数の駆動部81が設けられる。複数の駆動部81は、ステージ80を昇降させる。
ステージ80と処理容器70の内壁との間には、複数のバッフル孔が設けられた排気リング103が配置される。排気リング103により、処理容器70内の雰囲気が処理容器70内から均一に排気される。
ステージ80の下面には、導体で形成された給電棒104が接続される。給電棒104には、たとえばブロッキングコンデンサなどからなる整合器105を介して、第1の高周波電源106が接続される。プラズマ処理時には、第1の高周波電源106から所定の高周波電圧がステージ80に印加される。
処理容器70の内部には、上部電極110が配置される。ステージ80の上面と上部電極110の下面とは、互いに平行に、所定の間隔をあけて対向して配置されている。ステージ80の上面と上部電極110の下面との間隔は、駆動部81により調整される。
上部電極110は接地され、グランド電位に接続されている。このように上部電極110が接地されているため、プラズマ処理中、上部電極110の下面の損傷を抑制することができる。
このように、第1の高周波電源106から下部電極であるステージ80に、高周波電圧が印加されることにより、処理容器70の内部にプラズマが発生する。
第1実施形態において、ステージ80、給電棒104、整合器105、第1の高周波電源106、上部電極110、および整合器は、処理容器70内に処理ガスのプラズマを発生させるプラズマ発生機構の一例である。なお、第1の高周波電源106は、上述の制御装置300によって制御される。
表面改質装置30には、たとえば上部電極110に隣接して、所定の処理ガスを処理容器70に供給する処理ガス供給部120が設けられる。かかる処理ガス供給部120は、中空部121と、ガス供給管122と、処理ガス供給源123と、流量調節器124と、バルブ125と、バッフル板126と、ガス噴出口127とを有する。
中空部121は、上部電極110の内部に形成されている。そして、中空部121には、ガス供給管122が接続されている。ガス供給管122は、流量調節器124およびバルブ125を介して、処理ガス供給源123に連通している。
そして、処理ガス供給源123から供給された処理ガスは、流量調節器124およびバルブ125で流量制御され、ガス供給管122を介して、上部電極110の中空部121に導入される。
中空部121の内部には、処理ガスや除電用ガスの均一拡散を促進するためのバッフル板126が設けられている。バッフル板126には、多数の小孔が設けられている。上部電極110の下面には、中空部121から処理容器70の内部に処理ガスを噴出させる多数のガス噴出口127が形成されている。
なお、図4には図示されていないが、表面改質装置30には、処理容器70内に不活性ガスなどを供給するガス供給部や除電用ガスを供給する除電用ガス供給部が設けられている。
処理容器70には、吸気口130が形成される。吸気口130には、処理容器70の内部の雰囲気を所定の真空度まで減圧する真空ポンプ131に連通する吸気管132が接続される。
ステージ80の上面、すなわち上部電極110との対向面は、上ウェハW1および下ウェハW2よりも大きい径を有する平面視円形の水平面である。かかるステージ80の上面にはステージカバー90が載置され、上ウェハW1または下ウェハW2は、かかるステージカバー90の載置部91上に載置される。
<接合装置の構成>
次に、接合装置41の構成について、図5および図6を参照しながら説明する。図5は、第1実施形態に係る接合装置41の構成を示す模式平面図であり、図6は、第1実施形態に係る接合装置41の構成を示す模式側面図である。
図5に示すように、接合装置41は、内部を密閉可能な処理容器190を有する。処理容器190における搬送領域60側の側面には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口191が形成され、当該搬入出口191には開閉シャッタ192が設けられる。
処理容器190の内部は、内壁193によって搬送領域T1と処理領域T2に区画される。上述した搬入出口191は、搬送領域T1における処理容器190の側面に形成される。また、内壁193にも、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTの搬入出口194が形成される。
搬送領域T1のY軸負方向側には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを一時的に載置するためのトランジション200が設けられる。トランジション200は、たとえば2段に形成され、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTのいずれか2つを同時に載置することができる。
搬送領域T1には、搬送機構201が設けられる。搬送機構201は、たとえば鉛直方向、水平方向および鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有する。そして、搬送機構201は、搬送領域T1内、または搬送領域T1と処理領域T2との間で上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTを搬送する。
搬送領域T1のY軸正方向側には、上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する位置調節機構210が設けられる。かかる位置調節機構210では、図示しない保持部に吸着保持された上ウェハW1および下ウェハW2を回転させながら図示しない検出部で上ウェハW1および下ウェハW2のノッチ部の位置を検出する。
これにより、位置調節機構210は、当該ノッチ部の位置を調節して上ウェハW1および下ウェハW2の水平方向の向きを調節する。また、搬送領域T1には、上ウェハW1の表裏面を反転させる反転機構220が設けられる。
また、図6に示すように、処理領域T2には、上チャック230と下チャック231とが設けられる。上チャック230は、上ウェハW1を上方から吸着保持する。また、下チャック231は、上チャック230の下方に設けられ、下ウェハW2を下方から吸着保持する。
上チャック230は、図6に示すように、処理容器190の天井面に設けられた支持部材280に支持される。支持部材280には、下チャック231に保持された下ウェハW2の接合面W2jを撮像する図示しない上部撮像部が設けられる。かかる上部撮像部は、上チャック230に隣接して設けられる。
また、図5および図6に示すように、下チャック231は、当該下チャック231の下方に設けられた第1下チャック移動部290に支持される。第1下チャック移動部290は、後述するように下チャック231を水平方向(Y軸方向)に移動させる。また、第1下チャック移動部290は、下チャック231を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成される。
図5に示すように、第1下チャック移動部290には、上チャック230に保持された上ウェハW1の接合面W1jを撮像する図示しない下部撮像部が設けられている。かかる下部撮像部は、下チャック231に隣接して設けられる。
また、図5および図6に示すように、第1下チャック移動部290は、当該第1下チャック移動部290の下面側に設けられ、水平方向(Y軸方向)に延伸する一対のレール295に取り付けられる。第1下チャック移動部290は、レール295に沿って移動自在に構成される。
一対のレール295は、第2下チャック移動部296に設けられる。第2下チャック移動部296は、当該第2下チャック移動部296の下面側に設けられ、水平方向(X軸方向)に延伸する一対のレール297に取り付けられる。
そして、第2下チャック移動部296は、レール297に沿って移動自在に、すなわち下チャック231を水平方向(X軸方向)に移動させるように構成される。なお、一対のレール297は、処理容器190の底面に設けられた載置台298上に設けられる。
次に、接合装置41における上チャック230と下チャック231の構成について図7を参照して説明する。図7は、第1実施形態に係る接合装置41の上チャック230および下チャック231の構成を示す模式側面図である。
上チャック230は、略円板状であり、図7に示すように、複数、たとえば3つの領域230a、230b、230cに区画される。これらの領域230a、230b、230cは、上チャック230の中心部から周縁部(外周部)に向けてこの順で設けられる。領域230aは平面視において円形状を有し、領域230b、230cは平面視において環状形状を有する。
各領域230a、230b、230cには、図7に示すように上ウェハW1を吸着保持するための吸引管240a、240b、240cがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管240a、240b、240cには、異なる真空ポンプ241a、241b、241cがそれぞれ接続される。このように、上チャック230は、各領域230a、230b、230c毎に上ウェハW1の真空引きを設定可能に構成されている。
上チャック230の中心部には、当該上チャック230を厚み方向に貫通する貫通孔243が形成される。この上チャック230の中心部は、当該上チャック230に吸着保持される上ウェハW1の中心部W1aに対応している。そして、貫通孔243には、基板押圧機構250の押圧ピン253が挿通するようになっている。
基板押圧機構250は、上チャック230の上面に設けられ、押圧ピン253によって上ウェハW1の中心部W1aを押圧する。押圧ピン253は、シリンダ部251およびアクチュエータ部252によって鉛直軸沿いに直動可能に設けられ、先端部において対向する基板(第1実施形態では上ウェハW1)をかかる先端部で押圧する。
具体的には、押圧ピン253は、後述する上ウェハW1および下ウェハW2の接合時に、まず上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとを当接させるスタータとなる。
下チャック231は、略円板状であり、複数、たとえば2つの領域231a、231bに区画される。これらの領域231a、231bは、下チャック231の中心部から周縁部に向けてこの順で設けられる。そして、領域231aは平面視において円形状を有し、領域231bは平面視において環状形状を有する。
各領域231a、231bには、図7に示すように下ウェハW2を吸着保持するための吸引管260a、260bがそれぞれ独立して設けられる。各吸引管260a、260bには、異なる真空ポンプ261a、261bがそれぞれ接続される。このように、下チャック231は、各領域231a、231b毎に下ウェハW2の真空引きを設定可能に構成されている。
下チャック231の周縁部には、上ウェハW1、下ウェハW2および重合ウェハTが当該下チャック231から飛び出したり、滑落したりすることを防止するストッパ部材263が複数箇所、たとえば5箇所に設けられる。
<接合システムが実行する処理(第1実施形態)>
つづいて、図8を参照しながら、第1実施形態に係る接合システム1が実行する処理の詳細について説明する。図8は、第1実施形態に係る接合システム1が実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。なお、図8に示す各種の処理は、制御装置300による制御に基づいて実行される。
まず、複数枚の上ウェハW1を収容したカセットC1、複数枚の下ウェハW2を収容したカセットC2、および空のカセットC3が、搬入出ステーション2の所定の載置板11に載置される。その後、搬送装置22によりカセットC1内の上ウェハW1が取り出され、処理ステーション3の第3処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第1処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。このとき、ゲートバルブ72が開かれており、処理容器70内が大気圧に開放されている。表面改質装置30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。
このように発生したイオンが上ウェハW1の接合面W1jに照射されて、当該接合面W1jがプラズマ処理される。これにより、接合面W1jの最表面にシリコン原子のダングリングボンドが形成される。
ここで、第1実施形態では、水素ガスが含まれる処理ガスを供給しながら、上ウェハW1の接合面W1jが改質される(ステップS101)。すなわち、第1実施形態では、処理ガス供給部120から供給され、表面改質処理に用いられる処理ガスに水素ガスが含まれている。また、第1実施形態では、かかる処理ガスにさらに窒素やアルゴンなどの不活性ガスが含まれているとよい。
このように、水素ガスが含まれた処理ガスを供給しながら上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jを改質することにより、重合ウェハTに発生するエッジボイドV(図9A参照)を低減することができる。
つづいては、表面改質処理に用いられる処理ガスに水素ガスが含まれている場合と、水素ガスが含まれていない場合との違いについて説明する。具体的には、処理ガスがN+4%Hである場合(以降、「実施例1」と呼称する。)と、処理ガスがN+50%Hである場合(以降、「実施例2」と呼称する。)と、処理ガスがNのみである場合(以降、「参考例」と呼称する。)とを比較する。
上記実施例1、2および参考例の条件で接合された重合ウェハTについて、周縁部に形成されるエッジボイドVの観察を行った。なお、かかるエッジボイドVの観察は、C−SAM(Constant-depth mode Scaning Acoustic Microscorpe:超音波顕微鏡)で行った。
図9Aは、実施例1の重合ウェハTのC−SAM観察画像を示した図であり、図9Bは、実施例2の重合ウェハTのC−SAM観察画像を示した図であり、図9Cは、参考例の重合ウェハTのC−SAM観察画像を示した図である。なお、かかる観察画像は、すべて重合ウェハTにおけるノッチ部Nの近傍を観察した画像である。
参考例のC−SAM観察画像と、実施例1および実施例2のC−SAM観察画像との比較により、実施例1および実施例2において、エッジボイドVの発生が低減していることがわかる。
すなわち、第1実施形態によれば、水素ガスが含まれた処理ガスを供給しながら接合面W1jおよび接合面W2jの表面改質処理を行うことにより、重合ウェハTに発生するエッジボイドVを低減することができる。なお、このように重合ウェハTに発生するエッジボイドVが低減した要因については、接合システム1における各種処理の説明が終了した後に考察する。
図8の説明に戻る。ステップS101につづいて、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハW1を回転させながら、当該上ウェハW1上に純水を供給する。
そうすると、供給された純水は上ウェハW1の接合面W1j上を拡散する。これにより、表面改質装置30では、改質された上ウェハW1の接合面W1jにおけるシリコン原子のダングリングボンドにOH基(シラノール基)が付着して、当該接合面W1jが親水化される(ステップS102)。また、当該純水によって、上ウェハW1の接合面W1jが洗浄される。
次に、上ウェハW1は、搬送装置61によって第2処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハW1は、トランジション200を介して位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、上ウェハW1の水平方向の向きが調節される(ステップS103)。
その後、位置調節機構210から反転機構220に上ウェハW1が受け渡される。続いて搬送領域T1において、反転機構220を動作させることにより、上ウェハW1の表裏面が反転される(ステップS104)。すなわち、上ウェハW1の接合面W1jが下方に向けられる。
その後、反転機構220が回動して上チャック230の下方に移動する。そして、反転機構220から上チャック230に上ウェハW1が受け渡される。上ウェハW1は、上チャック230にその非接合面W1nが吸着保持される(ステップS105)。
上ウェハW1に上述したステップS101〜S105の処理が行われている間、下ウェハW2の処理が行われる。まず、搬送装置22によりカセットC2内の下ウェハW2が取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
次に、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが改質される(ステップS106)。なお、かかるステップS106は、上述のステップS101と同様の処理であり、水素ガスが含まれた処理ガスを供給しながら行われる。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが親水化される(ステップS107)。なお、かかるステップS107は、上述のステップS102と同様の処理である。
その後、下ウェハW2は、搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハW2は、トランジション200を介して位置調節機構210に搬送される。そして位置調節機構210によって、下ウェハW2の水平方向の向きが調節される(ステップS108)。
その後、下ウェハW2は、下チャック231に搬送され、下チャック231に吸着保持される(ステップS109)。下ウェハW2は、ノッチ部を予め決められた方向に向けた状態で、下チャック231にその非接合面W2nが吸着保持される。
次に、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS110)。
次に、第1下チャック移動部290によって下チャック231を鉛直上方に移動させて、上チャック230と下チャック231の鉛直方向位置の調節を行う。これにより、当該上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との鉛直方向位置の調節が行われる(ステップS111)。
このとき、下ウェハW2の接合面W2jと上ウェハW1の接合面W1jとの間の間隔は所定の距離、たとえば80μm〜200μmになっている。
次に、基板押圧機構250の押圧ピン253を下降させることによって、上ウェハW1の中心部W1aを押し下げて、上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとを所定の力で押圧する(ステップS112)。
これにより、押圧された上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとの間で接合が開始する。具体的には、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS101、S106において改質されているため、まず、接合面W1j、W2j間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該接合面W1j、W2j同士が接合される。
さらに、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jはそれぞれステップS102、S107において親水化されているため、接合面W1j、W2j間のOH基が水素結合し、接合面W1j、W2j同士が強固に接合される。
その後、上ウェハW1と下ウェハW2との接合領域は、上ウェハW1および下ウェハW2の中心部から外周部へ拡大していく。その後、押圧ピン253によって上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aを押圧した状態で、真空ポンプ241bの作動を停止して、領域230bにおける吸引管240bからの上ウェハW1の真空引きを停止する。
そうすると、領域230bに保持されていた上ウェハW1が下ウェハW2上に落下する。さらにその後、真空ポンプ241cの作動を停止して、領域230cにおける吸引管240cからの上ウェハW1の真空引きを停止する。
このように上ウェハW1の中心部W1aから外周部に向けて、上ウェハW1の真空引きを段階的に停止し、上ウェハW1が下ウェハW2上に段階的に落下して当接する。そして、上述した接合面W1j、W2j間のファンデルワールス力と水素結合による接合が中心部W1a、W2aから外周部に向けて順次拡がる。
こうして、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jが全面で当接し、上ウェハW1と下ウェハW2が接合される(ステップS113)。
その後、押圧ピン253を上チャック230まで上昇させる。また、下チャック231において吸引管260a、260bからの下ウェハW2の真空引きを停止して、下チャック231による下ウェハW2の吸着保持を解除する。これにより、接合装置41での接合処理が終了する。
<エッジボイドの発生が低減する要因>
つづいては、水素ガスが含まれる処理ガスを供給しながら表面改質処理を行うことにより、エッジボイドVが低減する要因について考察する。図10は、実施例1、実施例2および参考例のボンディングウェーブ到達時間を示した図である。
ここで、「ボンディングウェーブ」とは、上ウェハW1の中心部W1aと下ウェハW2の中心部W2aとが分子間力によって接合し接合領域が形成された後、ウェハWの外周部に向けて接合領域が拡大していく際に発生する波のことである。
また、「ボンディングウェーブ到達時間」とは、中心部W1a、W2aで接合領域が形成されてから、かかる接合領域がウェハWの端部まで到達する時間のことである。図10に示すように、実施例1および実施例2において、ボンディングウェーブ到達時間が長くなっていることがわかる。
ここで、エッジボイドVの発生要因の1つとして、ボンディングウェーブが速い速度でウェハWの周縁部に到達した場合に、ウェハWの周縁部において急激な圧力の変動が起こることが考えられる。
なぜなら、このような急激な圧力の変動により、上ウェハW1の接合面W1jの周縁部と下ウェハW2の接合面W2jの周縁部とで結露が発生し、かかる発生した結露に起因してエッジボイドVが形成されるからである。
すなわち、実施例1および実施例2では、ボンディングウェーブ到達時間が長くなることにより、ウェハWの周縁部における急激な圧力の変動を抑制することができることから、重合ウェハTの周縁部に発生するエッジボイドVを低減することができると考えられる。
次に、実施例1および実施例2において、ボンディングウェーブ到達時間が長くなった要因について考察する。図11は、実施例1、実施例2および参考例の表面改質処理された接合面W1j、W2jのToF−SIMS(Time-of-Flight Secondary Ion Mass Spectrometry:飛行時間型二次イオン質量分析法)による測定結果を示す図である。
図11では、実施例1、実施例2および参考例において、ToF−SIMSによって計測されたSiOイオンおよびSiイオンのカウント数を示している。かかるSiOイオンおよびSiイオンは、いずれも表面改質処理された接合面W1j、W2jの最表面におけるOH基の数を示している。
すなわち、図11から、実施例1および実施例2では、表面改質処理された接合面W1j、W2jにおける最表面のOH基が減少していることがわかる。ここまで示した評価結果から、第1実施形態における各種処理の際には、接合面W1j、W2jで次のような現象が起こっていると推測される。
図12は、第1実施形態に係る上ウェハW1および下ウェハW2の表面状態の推移を説明するための図である。上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jにはSiO層が形成され、表面改質処理前の接合面W1j、W2jにおける最表面のシリコン原子には、炭素原子や水素原子などが結合されている。
そこで、第1実施形態では、上ウェハW1および下ウェハW2に対して、処理ガスのプラズマ(以下、「処理用プラズマ」という場合がある。)による表面改質処理を行う。この際、処理用プラズマ中の不活性ガス元素のイオンが最表面のシリコン原子に結合される原子の除去に寄与する。
これにより、図12の(a)に示すように、接合面W1j、W2jの最表面には、シリコン原子のダングリングボンド(原子における未結合手)が形成される。
ここで、第1実施形態では、処理ガスに水素ガスが含まれていることから、処理用プラズマ内に水素イオンも含まれる。そして、図12の(b)に示すように、接合面W1j、W2jにおける一部のダングリングボンドにかかる水素イオンが結合され、かかるダングリングボンドが水素終端される。
この状態で、上ウェハW1および下ウェハW2が表面改質装置30から搬出され、大気雰囲気にさらされると、図12の(c)に示すように、大気中の水分に起因して、残りのシリコン原子のダングリングボンドがOH基で終端される。
すなわち、上述のToF−SIMSによる評価結果では、表面改質処理された接合面W1j、W2jにおける最表面のOH基が減少していたが、これはOH基で終端されていないダングリングボンドが水素終端されていることが原因であると推測される。
次に、表面改質装置30から搬出された上ウェハW1および下ウェハW2は、表面親水化装置40で接合面W1j、W2jが親水化処理され、接合装置41で接合処理される。かかる接合処理では、図12の(d)に示すように、接合面W1jのOH基と接合面W2jのOH基との間の水素結合により、ウェハWの中心部から端部に向かって接合が形成される。
ここで、第1実施形態では、ダングリングボンドの一部が水素終端されていることから、かかる水素終端されたシリコン原子においては上述のOH基に起因する接合が阻害される。すなわち、第1実施形態では、水素終端されたシリコン原子に起因して、接合領域が拡大していく際に発生するボンディングウェーブの進行が阻害されることから、ボンディングウェーブ到達時間が長くなったと推測される。
すなわち、第1実施形態では、水素終端されたシリコン原子に起因して、接合領域が拡大していく際に発生するボンディングウェーブの進行が阻害されることから、ウェハWの周縁部における急激な圧力の変動を抑制することができる。したがって、第1実施形態によれば、重合ウェハTに発生するエッジボイドVを低減することができる。
また、第1実施形態では、処理ガスに不活性ガスが含まれているとよい。これにより、処理ガスを供給しながら行う表面改質処理において、接合面W1j、W2jの最表面におけるシリコン原子のダングリングボンドを効率よく形成することができる。
また、第1実施形態では、処理ガスに水素ガスが含まれていることから、かかる水素ガスは還元性を有する。したがって、ともに電子回路が形成された上ウェハW1と下ウェハW2とを接合して、両方の電子回路を接続する場合に、電極表面を還元することができることから、電気抵抗の小さい良好な電子回路を形成することができる。
図12の説明に戻る。図12の(d)の状態から、接合された上ウェハW1および下ウェハW2は、所定の温度(たとえば、200℃〜1000℃)で熱処理される。これにより、接合面W1jと接合面W2jとの間から水分が除去され(図12の(e)参照)、接合面W1jと接合面W2jとの間にSi−O結合またはSi−Si結合が形成される(図12の(f)参照)。そして、上ウェハW1と下ウェハW2とは、エッジボイドVの発生が低減され、分子間力によって結合する重合ウェハTとなる。
第1実施形態に係る接合方法は、表面改質工程(ステップS101、S106)と、表面親水化工程(ステップS102、S107)と、接合工程(ステップS113)と、を含む。表面改質工程は、水素ガスが含まれる処理ガスを供給しながら第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jをプラズマによって改質する。表面親水化工程は、改質された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを親水化する。接合工程は、親水化された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを分子間力によって接合する。これにより、接合された重合ウェハTに発生するエッジボイドVを低減することができる。
また、第1実施形態に係る接合方法において、処理ガスは、不活性ガスを含む。これにより、接合面W1j、W2jの最表面におけるシリコン原子のダングリングボンドを効率よく形成することができる。
<第2実施形態>
ここまで説明した第1実施形態では、表面改質処理の際に処理ガスを供給することにより、最表面のシリコン原子のダングリングボンド形成と、形成されたダングリングボンドの水素終端とを並行して行う例について示した。一方で、最表面のシリコン原子のダングリングボンド形成と、形成されたダングリングボンドの水素終端とを別のタイミングで行ってもよい。
第2実施形態では、表面改質装置30において、まず不活性ガスなどを供給しながらプラズマを形成して表面改質処理を行う。これにより、第2実施形態では、接合面W1j、W2jの最表面におけるシリコン原子のダングリングボンドを形成する(図12の(a)参照)。
次に、第2実施形態では、かかる表面改質処理の後、表面改質装置30において、処理ガス供給部120を用いて、上ウェハW1および下ウェハW2の接合面W1j、W2jを水素ガスが含まれる処理ガスで処理する。これにより、図12の(b)に示したように、接合面W1j、W2jにおける一部のダングリングボンドにかかる水素原子が結合され、かかるダングリングボンドが水素終端される。
以降の処理については第1実施形態と同様の処理を行うことにより、第2実施形態でもダングリングボンドの一部が水素終端されていることから、接合領域が拡大していく際に発生するボンディングウェーブの進行を阻害することができる。
したがって、第2実施形態によれば、ウェハWの周縁部における急激な圧力の変動を抑制することができることから、重合ウェハTに発生するエッジボイドVを低減することができる。
また、第2実施形態において、上述のガス処理工程は、上ウェハW1および下ウェハW2が大気雰囲気にさらされる前に行うとよい。これにより、ダングリングボンドが大気中の水分に起因してOH基で終端される前に、ダングリングボンドの一部を効率よく水素終端することができる。
図13は、第2実施形態に係る接合システム1が実行する処理の処理手順の一部を示すフローチャートである。なお、図13に示す各種の処理は、制御装置300による制御に基づいて実行される。
最初に、上述のステップS101と同様に、上ウェハW1は、表面改質装置30に搬入される。そして、かかる表面改質装置30において、図示しないガス供給部から不活性ガスなどを供給しながら、所定の減圧雰囲気下で励起されたプラズマで処理される。これにより、シリコン原子のダングリングボンドが形成されるように、上ウェハW1の接合面W1jが改質される(ステップS201)。
次に、上ウェハW1は、表面改質装置30において、所定の減圧雰囲気下で処理ガス供給部120から処理ガスが供給されることにより、接合面W1jが処理ガスで処理される(ステップS202)。これにより、一部のシリコン原子のダングリングボンドが水素終端される。
その後、上ウェハW1は、表面親水化装置40に搬送され、上ウェハW1の接合面W1jが親水化される(ステップS203)。次に、上ウェハW1は、位置調節機構210に搬送され、上ウェハW1の水平方向の向きが調節される(ステップS204)。
その後、上ウェハW1は、反転機構220に搬送され、上ウェハW1の表裏面が反転される(ステップS205)。次に、上ウェハW1は、上チャック230に受け渡され、かかる上チャック230にその非接合面W1nが吸着保持される(ステップS206)。
なお、かかるステップS203〜S206は、上述のステップS102〜S105と同様の処理である。
上ウェハW1に上述したステップS201〜S206の処理が行われている間、下ウェハW2の処理が行われる。まず、下ウェハW2は、表面改質装置30に搬送され、かかる表面改質装置30において、下ウェハW2の接合面W2jが改質される(ステップS207)。なお、かかるステップS207は、上述のステップS201と同様の処理である。
次に、下ウェハW2は、表面改質装置30において、所定の減圧雰囲気下で処理ガス供給部120から処理ガスが供給されることにより、接合面W2jが処理ガスで処理される(ステップS208)。なお、かかるステップS208は、上述のステップS202と同様の処理である。
その後、下ウェハW2は、表面親水化装置40に搬送され、下ウェハW2の接合面W2jが親水化される(ステップS209)。次に、下ウェハW2は、位置調節機構210に搬送され、下ウェハW2の水平方向の向きが調節される(ステップS210)。
その後、下ウェハW2は、下チャック231に搬送され、下チャック231に吸着保持される(ステップS211)。なお、かかるステップS209〜S211は、上述のステップS107〜S109と同様の処理である。
次に、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との水平方向の位置調節が行われる(ステップS212)。その後、上チャック230に保持された上ウェハW1と下チャック231に保持された下ウェハW2との鉛直方向位置の調節を行う(ステップS213)。
次に、上ウェハW1の中心部と下ウェハW2の中心部とを所定の力で押圧する(ステップS214)。その後、上ウェハW1の接合面W1jと下ウェハW2の接合面W2jが全面で当接し、上ウェハW1と下ウェハW2が接合され(ステップS215)、処理が完了する。なお、かかるステップS212〜S215は、上述のステップS110〜S113と同様の処理である。
第2実施形態に係る接合方法は、表面改質工程(ステップS201、S207)と、ガス処理工程(ステップS202、S208)と、表面親水化工程(ステップS203、S209)と、接合工程(ステップS215)とを含む。表面改質工程は、第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを改質する。ガス処理工程は、改質された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを水素ガスが含まれる処理ガスで処理する。表面親水化工程は、処理ガスで処理された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを親水化する。接合工程は、親水化された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを分子間力によって接合する。これにより、接合された重合ウェハTに発生するエッジボイドVを低減することができる。
また、第2実施形態に係る接合方法において、ガス処理工程は、表面改質工程の後、第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jが大気雰囲気にさらされる前に行われる。これにより、ダングリングボンドが大気中の水分に起因してOH基で終端される前に、ダングリングボンドの一部を効率よく水素終端することができる。
また、第1および第2実施形態に係る接合システム1は、表面改質装置30と、表面親水化装置40と、接合装置41とを備える。表面改質装置30は、水素ガスが含まれる処理ガスを供給する処理ガス供給部120を有し、第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jをプラズマによって改質する。表面親水化装置40は、表面改質装置30によって改質された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを親水化する。接合装置41は、表面親水化装置40によって親水化された第1基板(上ウェハW1)の接合面W1jおよび第2基板(下ウェハW2)の接合面W2jを分子間力によって接合する。これにより、接合された重合ウェハTに発生するエッジボイドVを低減することができる。
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。たとえば、上述の各実施形態では、処理ガスに不活性ガスと水素ガスとを混合したガスを用いた場合について示したが、処理ガスは水素ガスのみで構成されていてもよい。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した各実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の各実施形態は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
1 接合システム
30 表面改質装置
40 表面親水化装置
41 接合装置
120 処理ガス供給部
W1 上ウェハ(第1基板の一例)
W1j 接合面
W2 下ウェハ(第2基板の一例)
W2j 接合面
V エッジボイド

Claims (5)

  1. 水素ガスが含まれる処理ガスを供給しながら第1基板の接合面および第2基板の接合面をプラズマによって改質する表面改質工程と、
    改質された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を親水化する表面親水化工程と、
    親水化された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を分子間力によって接合する接合工程と、
    を含む接合方法。
  2. 第1基板の接合面および第2基板の接合面を改質する表面改質工程と、
    改質された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を水素ガスが含まれる処理ガスで処理するガス処理工程と、
    前記処理ガスで処理された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を親水化する表面親水化工程と、
    親水化された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を分子間力によって接合する接合工程と、
    を含む接合方法。
  3. 前記ガス処理工程は、前記表面改質工程の後、前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面が大気雰囲気にさらされる前に行われる、請求項2に記載の接合方法。
  4. 前記処理ガスは、不活性ガスを含む、請求項1〜3のいずれか一つに記載の接合方法。
  5. 水素ガスが含まれる処理ガスを供給する処理ガス供給部を有し、第1基板の接合面および第2基板の接合面をプラズマによって改質する表面改質装置と、
    前記表面改質装置によって改質された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を親水化する表面親水化装置と、
    前記表面親水化装置によって親水化された前記第1基板の接合面および前記第2基板の接合面を分子間力によって接合する接合装置と
    を備える接合システム。
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