JP2019186150A - 金属空気電池、及び金属空気電池の極間距離設定方法 - Google Patents

金属空気電池、及び金属空気電池の極間距離設定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高性能な金属空気電池を効率良く得ること。【解決手段】金属極15と、金属極15に対向する空気極13A、13Bとを備える金属空気電池10において、空気極13A、13Bは金属極15の両側にそれぞれ配置され、金属極15は両側の空気極13A、13Bのいずれか一方に寄せた位置に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、金属空気電池、及び金属空気電池の極間距離設定方法に関するものである。
一般的に、金属空気電池は、正極である空気極と負極である金属極とが対に存在している。また、金属空気電池には、金属極(燃料極)の両側に空気極を等距離で配置した構成も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−99740号公報
ところで、金属空気電池は主に空気極と金属極が対向した面で反応が起こるため、空気極が金属極の片面にしか対向していない構成の場合、一セルあたりの反応面積が制約され、電池性能の向上に制約がある。例えば、電流が流れたときの電流密度が大きくなるため、結果として分極が大きくなり易い。
一方、特許文献1の構成は、一セルあたりの空気極面積を広くすることで電流密度が小さくなるため、結果として分極が小さくなる。しかし、市場からはより高性能の電池が望まれ、特に、災害用の金属空気電池には、高電流充電が可能なスマートフォン等の充電用途が望まれる。すなわち、金属空気電池は更に分極を小さくする必要がある。
そこで、本発明は、高性能な金属空気電池を効率良く得ることを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明は、金属極と、前記金属極に対向する空気極とを備える金属空気電池において、前記空気極は、前記金属極の両側にそれぞれ配置され、前記金属極は、両側の前記空気極のいずれか一方に寄せた位置に配置されていることを特徴とする。
上記構成において、前記金属極と一方の前記空気極の極間距離である第1距離と、前記金属極と他方の前記空気極の極間距離である第2距離は、次の条件、即ち、前記金属極と前記一方の空気極とを前記第1距離で配置した第1電池から得られる電圧と、前記金属極と他方の前記空気極とを前記第2距離で配置した第2電池から得られる電圧との平均値が、前記金属極を両側の前記空気極の中央位置に配置する場合に得られる電圧よりも高いことを満たしてもよい。
また、上記構成において、前記極間距離の短い方を値LA、極間距離の長い方を値LBとした場合に、値(LB/LA)を2以上にしてもよい。
また、上記構成において、前記金属極を、この金属極を収容する電槽の底板部から浮かして支持する支持部材を有するようにしてもよい。
また、金属極と、前記金属極に対向する空気極とを備え、前記空気極を、前記金属極の両側にそれぞれ配置し、前記金属極を、両側の前記空気極のいずれか一方に寄せた位置に配置した金属空気電池の極間距離設定方法であって、前記金属極と一方の前記空気極の極間距離である第1距離と、前記金属極と他方の前記空気極の極間距離である第2距離とを、極間距離と電圧との関係を示す非直線特性に基づき、前記金属極と前記一方の空気極とを前記第1距離で配置した第1電池から得られる電圧と、前記金属極と他方の前記空気極とを前記第2距離で配置した第2電池から得られる電圧との平均値が、前記金属極を両側の前記空気極の中央位置に配置する場合に得られる電圧よりも高くなるように設定していることを特徴とする。
本発明は、空気極は、金属極の両側にそれぞれ配置され、前記金属極は、両側の前記空気極のいずれか一方に寄せた位置に配置されているので、容量を確保しつつ高い電圧を得やすくなり、高性能な金属空気電池を効率良く得ることができる。
本発明の実施形態に係る金属空気電池の斜視図である。 図1のA−A縦断面図である。 (A)は実施例1を示し、(B)は比較例1を示し、(C)は比較例2を示す図である。 実施例1、比較例1及び比較例2の容量試験の結果を示した図である。 極間距離LA、LBの組み合わせ毎の分極試験を示した図である。 極間距離LA、LBの組み合わせ毎の定電流放電試験の結果を示した図である。 極間距離[mm]−電圧[V]の関係を示す非直線特性の図である。 他の極間距離LA、LBの組み合わせ毎の分極試験結果を示した図である。 図8に示す組み合わせ毎の定電流放電試験の結果を示した図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る金属空気電池10の斜視図であり、図2は図1のA−A縦断面図である。
金属空気電池10は、電槽11(セルとも称する)を備え、この電槽11に二枚の空気極13A、13Bと一枚の金属極15とを配置し、電槽11内に電解液が注液されることによって発電を開始する一次電池である。発電時には、空気極13A、13Bが正極として機能し、金属極15が負極として機能する。なお、図2中、符号ULは、電槽11に注入される電解液の上面位置を示している。
なお、前記電槽11の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、紙、又は樹脂を用いることが可能である。前記電槽11を紙にする場合には、基材を構成する紙の表面にフィルムを設けたシート材が用いられ、具体例を挙げると、熱融着性樹脂(例えば、ポリエチレン(PE))で少なくとも内面がラミネート加工されたラミネート紙を用いることが可能である。前記ラミネート加工を施すことで、電解液の漏出等を防止することが可能である。
本説明において、上下左右等の各方向は、金属空気電池10を使用するときの方向に対応しており、図1等に示す符号Xは前方向を示し、符号Yは右方向を示し、符号Zは上方向を示している。X方向は空気極13A、金属極15及び空気極13Bの並び方向と一致している。なお、使用状況等によって設置方向は変更される場合もある。
電槽11は、薄型の直方体形状であり、紙を含有するシートを折り曲げることによって、電槽11の底面を構成する底板部21と、前面を構成する前壁部22と、後面を構成する後壁部23と、左右側面を構成する左右の側壁部(左壁部、右壁部)24と、上面を構成する上板部25とを一体に有している。
前壁部22及び後壁部23は、同一形状の面であって、互いに平行に配置され、電槽11の中で最も大きい面を形成しており、形状及びサイズが同じ矩形の開口部22Kを有している。前壁部22の開口部22Kは、矩形の空気極13Aで覆われ、後壁部23の開口部22Kは、矩形の空気極13Bで覆われる。
空気極13A、13Bは、同一の形状及び同一サイズで形成され、金属極15の両側にそれぞれ配置されている。各空気極13A、13Bは、外部の空気を電槽11内に通気可能にする通気性、及び電解液を漏らさない非透液性を有する部材であり、例えば、集電体を構成する矩形状の銅メッシュ(集電体とも言う)の両面に、触媒層を構成する触媒シートを圧迫(プレス)等により一体化して形成される。
各空気極13A、13Bは、電槽11に設けられた開口部22Kを介して電槽11内に露出し、各開口部22K内の領域が実質的に空気極13A、13Bとして機能する。なお、非透液性については、非透液性を有するシートを別途設けて確保してもよい。また、空気極13A、13Bは上記構成に限らず、公知の構成を広く適用可能である。
前記集電体は、多孔質集電体であり、矩形状の銅メッシュ(銅の網状体)にすることで、良好な通気性を有する。なお、前記集電体は銅に限定されず、鉄、ニッケル及び真鍮などの他の金属でも良い。また、メッシュ(網状体)からなる多孔構造に限定されず、メッシュ以外の通気性を有する多孔構造を広く適用可能である。特に銅メッシュが電池特性とコストの両面において好適である。
前記触媒シートは、導電剤と有機物バインダとを水で混練したペーストを、ポリエチレンテレフタレート(PET)製のフィルム(以下、PETフィルムと言う)で挟み、ローラープレス機でプレスしてシート状にし、乾燥工程を経て作製される。
前記導電剤は、カーボンパウダー、銅又はアルミニウムなどの金属材料、又はポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを用いることができる。なお、カーボンパウダーは、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック、グラファイト、活性炭、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンの粉末が好ましい。
前記有機物バインダは、高分子ディスパージョンであり、具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、テフロン(登録商標)などのフッ素系樹脂、又はポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂が好適である。
金属極15は、左右一対の支持部材30によって電槽11内に支持され、各空気極13A、13Bと対向する。金属極15には、マグネシウム合金からなる金属板で形成され、各空気極13A、13Bと平行に配置されている。この金属空気電池10の電解液には、塩化ナトリウム水溶液が使用される。つまり、本実施形態の金属空気電池10はマグネシウム空気電池である。マグネシウム空気電池は、電解液に海水を用いたり、水道水に塩を混合した液体を用いることができるので、電解液の調達が容易である。なお、電槽11の内部に、電解質である塩化ナトリウムを収容した袋体を予め配置し、水道水等の水を注液するだけで発電するように構成してもよい。電解液中の塩化ナトリウムの質量は、溶媒の質量に対し4%〜18%が好ましい。4%未満では電解質不足により、液抵抗が大きく電池としての性能が見込めず、18%を超えると、放電に伴い電解液が徐々に蒸発し食塩が析出してしまい抵抗となり、電池としての性能が見込めないためである。
金属極15は、上方に延びて電解液の上方に露出する左右一対のタブ部15A1を有し、いずれか一方のタブ部15A1が電気配線52(図3)を接続する配線接続部として利用される。
なお、図1に示すように、金属極15の左右下端部には、上方に切り欠かれた切り欠き部15A2が形成され、各切り欠き部15A2の外形状はタブ部15A1の外形状と一致する。これにより、金属極15の上面と下面とが同一形状に形成され、一枚の金属板(本構成ではマグネシウム合金の板)から金属極15を切り抜く際に、隙間を空けずに連続で切り抜くことが可能になる。
本構成では、左右一対の支持部材30とともに金属極15を電槽11内に挿入した場合に、支持部材30によって金属極15が電槽11に位置決めされる。これにより、金属極15が、開口部22Kを介して内部に露出する空気極13A、13Bに対向し、且つ、空気極13A、13Bと金属極15との間の離間距離である極間距離LA、LBがそれぞれ一定に保たれる。なお、支持部材30を予め電槽11内に挿入しておき、その後、金属極15を挿入してもよい。
左右一対の支持部材30が同一部品で形成されており、より具体的には、支持部材30は、金属極15に着脱自在に装着されて上下方向(Y方向)に延びる支持部材本体31と、支持部材本体31から張り出して電槽11の内面に当接する複数(4個)の当接部41とを備えている。各当接部41は、支持部材本体31から前方(+X方向)に向けて張り出す上下一対の前側張り出し部42と、支持部材本体31から後方(−X方向)に張り出す上下一対の後側張り出し部43とを備えている。
支持部材30を電槽11内に挿入した際に、支持部材30の前側張り出し部42の突出面が前壁部22に当接し、後側張り出し部43の突出面が後壁部23に当接することで、支持部材30に支持された金属極15の前後位置が位置決めされる。また、前側張り出し部42は、左右外側にも張り出して電槽11の側壁部24に当接し、金属極15の左右位置を位置決めする。これによって、金属極15を電槽11に位置決めし、極間距離LA、LB等を一定に保持することができる。
また、左右一対の支持部材30は、金属極15を電槽11の底板部21から浮かして支持している。
ところで、負極活物質である金属極15が充分な量である場合、電池容量は電解液の溶媒である水の量に依存する。そこで、発明者らは同一の電池容積を有する空気電池において、容量を確保しつつ高い発電電圧を得るために、種々検討を行った。本構成では、図2に示すように、金属極15を両側の空気極13A、13Bのいずれか一方に寄せた位置に配置することによって、容量を確保しつつ高い発電電圧を得ている。以下、実施例及び比較例について説明する。なお、実施例は以下のものに限定されるものではない。
図3(A)は実施例1を示し、図3(B)は比較例1を示し、図3(C)は比較例2を示している。なお、図3(A)〜図3(C)は実施例1、比較例1及び2に係る金属空気電池10の左右中央の断面構造を示している。各図において、符号51は空気極13A、13Bに接続された電気配線を示し、符号52は金属極15に接続された電気配線を示している。
実施例1は、金属極15を一方の空気極13Aに寄せて配置した構成であり、オフセットタイプと表記することができる。これに対し、比較例1は、金属極15を両側の空気極13A、13Bの中央に配置した構成であり、以下、中央配置タイプと適宜に表記する。また、比較例2は、実施例1から右側の空気極13Bを除いた構成であり、つまり、金属極15の片側にだけ空気極13Aを配置した片側タイプである。
図4は上記3タイプの金属空気電池10の定電流放電試験を下記条件下で行った結果(容量−電圧特性)を示した図である。図4及び後述する各図に示す特性図は、内容積が650cmであり、空気極13Aと空気極13Bとの離間距離が26mmの電槽11に、四辺が150mmで厚さ3mmの金属極15を利用し、定電流放電試験を行った結果である。なお、前記電槽には電解液として食塩水を600cm程度注液した。
前記定電流放電試験は、常温(25℃とする)環境下で2A相当の一定電流を、電池電圧が0Vに達するまで(金属極15が消耗して電池寿命となるまで)流し続ける定電流放電試験である。なお、図4中の横軸は電池容量[Ah]であり、縦軸は電池電圧[V]である。
図4に示すように、実施例1は、比較例1、2よりも分極が小さくなっており、さらに分極が小さいまま放電末期まで維持されていることが判る。比較例1は、比較例2と比べると電圧は上昇したものの、実施例1と比較すると電圧は低かった。
次に、極間距離の影響を確認するため、複数種類の極間距離LA、LBとした以外は実施例1と同様の電池を用いて試験を行った。試験結果を図5(分極試験)及び図6(定電流放電試験)に示す。
前記分極試験は、電解液を注液した状態で、電池状態を同一条件に揃えると共に反応を活性化させることを目的として、3分間放置した後、放電装置に接続して10分間−2A相当の電流を流し、その後、3分間の休止を行った。次に、1.0A、1.5A、2.0A、2.5A、3.0A、4.0A、5.0A、6.0Aの電流を、5分間ずつ流した時の夫々の電流値における平均放電電圧を測定したものである。
図5は極間距離LA、LBの組み合わせ毎の電流−電圧の関係を示した図であり、横軸は電池電流[A]、縦軸は平均電池電圧[V]である。
図5に示すように、極間距離0.5mm、22.5mmの組み合わせがいずれの電流値でも相対的に高い電圧値が得られた。この組み合わせ以外では、極間距離5.5mm、17.5mmの組み合わせ、極間距離9.5mm、13.5mmの組み合わせの順で良好な結果が得られた。一方、比較例2に相当する極間距離11.5mm、11.5mmの組み合わせは、いずれの電流値でも最も電圧が低かった。
発明者等の検討によれば、極間距離の短い方を値LAとした場合に、値(LB/LA)が2以上のときに電圧を効率良く向上させることが可能であった。なお、値(LB/LA)が2以上の場合は、図5の例では、極間距離0.5mm、22.5mmの組み合わせ、及び極間距離5.5mm、17.5mmの組み合わせである。
図6は極間距離LA、LBの組み合わせ毎の定電流放電試験の結果を示した図であり、横軸は電池容量[Ah]であり、縦軸は電池電圧[V]である。なお、定電流放電試験は実施例1と同様の方法で行った。
図6に示すように、図5に示した極間距離LA、LBの全ての組み合わせで、略容量が変わらなかった。このことは、上記極間距離LA、LBの各組み合わせのように極間距離を変更しても、容量への影響が小さいことを示している。
但し、極間距離LA又はLBを狭くし過ぎると、空気極13A、13Bと金属極15との間に反応生成物が堆積し、放電容量の低下を招いてしまう。このことから、少なくとも極間距離は0.5mm以上が好ましく、0.5mm以上にすることで、放電に伴って生成される反応生成物が空気極13A、13Bと金属極15との間にほとんど堆積することなく、発電への影響を抑えることができる。
さらに、極間距離LA、LBの値については、極間距離[mm]−電圧[V]の関係を示す非直線特性に基づき設定することが好ましい。以下、極間距離設定方法について説明する。
図7は極間距離[mm]−電圧[V]の関係を示す非直線特性(以下、特性曲線f1と言う)の図である。この特性曲線f1は、空気極13A、13B、金属極15等が決定すると一意に決まる曲線である。
この特性曲線f1を利用することによって、図7に示すように、極間距離LAを空けて対向配置される一対の極板(金属極15と空気極13A)からなる第1電池の電圧VAと、極間距離LBを空けて対向配置される一対の極板(金属極15と空気極13B)からなる第2電池の電圧VBとを算出可能である。
算出した値VA、VBの和は、極間距離LA、LBに設定した図2に示す金属空気電池10の電圧とみなすことができる。
また、図7に示すように、特性曲線f1に基づき、中央配置タイプの極間距離LCを空けて対向配置される一対の極板(金属極15と空気極13A)からなる電池の電圧VCを算出する。算出した電圧VCを2倍にした値は、中央配置タイプの金属空気電池10の電圧とみなすことができる。
そして、次の式(1)が成立するように極間距離LA、LBを設定する。
(VA+VB)>2×VC
=(VA+VB)/2>VC・・・・(1)
上記式(1)は、電圧VAと電圧VBとの平均値が、中央配置タイプの電圧VCよりも大きいことを示している。
この式(1)を満足するように極間距離LA、LBを設定することによって、中央配置タイプよりも高い電圧を得ることが可能である。
要するに、極間距離LA、LBは、極間距離−電圧の関係を示す特性曲線f1に基づき、金属極15と空気極13Aとを極間距離LAを空けて配置した第1電池から得られる電圧VAと、金属極15と空気極13Bとを極間距離LBを空けて配置した第2電池から得られる電圧VBとの平均値が、金属極15を両側の空気極13A、13Bの中央位置に配置する場合に得られる電圧VCよりも高くなるように設定する。これによって、金属極15を両側の空気極13A、13Bのいずれか一方に寄せた金属空気電池10に対し、高い電圧が得られる極間距離LA、LBを容易に設定することが可能である。
図8及び図9に、内容積が350cmであり、空気極13Aと空気極13Bとの離間距離が14mmの電槽11に四辺が150mmで厚さ3mmの金属極15を利用した金属空気電池10の分極試験および定電流放電試験を行った結果を示す。なお、前記電槽11には電解液として食塩水を330cm程度注液した。
図8は他の極間距離LA、LBの組み合わせ毎の分極試験結果を示した図であり、電流値−電圧の関係を示している。分極試験は、前記同様、3分間放置した後、放電装置に接続して10分間−2A相当の電流を流し、その後、3分間の休止を行った。次に、1.0A、2.0A、3.0A、4.0A、5.0A、6.0Aの電流を、5分間ずつ流した時の夫々の電流値における平均電圧を測定したものである。
図9は、図8に示す組み合わせ毎の定電流放電試験の結果を示した図であり、横軸は電池容量[Ah]、縦軸は電池電圧[V]である。なお、定電流放電試験は実施例1と同様の方法で行った。
図8に示すように、極間距離LA、LBの組み合わせを極間距離0.5mm、10.5mmの組み合わせ、及び極間距離4.5mm、6.5mmの組み合わせとした場合には、極間距離0.5mm、10.5mmの組み合わせ、極間距離4.5mm、6.5mmの組み合わせの順で高い電圧が得られた。一方、中央配置タイプに相当する極間距離5.5mm、5.5mmの組み合わせは最も電圧が低かった。
図9に示すように、図8に示した極間距離LA、LBの全ての組み合わせで略容量が変わらないことを確認している。したがって、図8からも、金属極15を両側の空気極13A、13Bのいずれか一方に寄せることによって、容量を確保しつつ高い電圧が得られることが判る。
以上説明したように、本実施形態の金属空気電池10は、金属極15の両側に空気極13A、13Bを配置し、金属極15は、両側の空気極13A、13Bのいずれか一方に寄せた位置に配置されているので、容量を確保しつつ高い電圧を得やすくなる。したがって、高性能な金属空気電池を効率良く得ることができる。
また、金属極15と一方の空気極13Aの極間距離LA(第1距離に相当)と、金属極15と他方の空気極13Bの極間距離LB(第2距離に相当)とは、次の条件を満たしている。その条件は、金属極15と一方の空気極13Aとを極間距離LAで配置した第1電池から得られる電圧VAと、金属極15と他方の空気極13Bとを極間距離LBで配置した第2電池から得られる電圧VBとの平均値が、金属極15を両側の空気極13A、13Bの中央位置に配置する場合に得られる電圧VCよりも高いことである。これにより、中央配置タイプよりも高い電圧を得ることが可能になる。
しかも、極間距離設定方法として、極間距離LA、LBを、極間距離−電圧の関係を示す特性曲線f1に基づき、金属極15と空気極13Aとを極間距離LAを空けて配置した第1電池から得られる電圧VAと、金属極15と空気極13Bとを極間距離LBを空けて配置した第2電池から得られる電圧VBとの平均値が、金属極15を両側の空気極13A、13Bの中央位置に配置する場合に得られる電圧VCよりも高くなるように設定するので、高い電圧が得られる極間距離LA、LBを容易に設定することが可能である。
さらに、極間距離の短い方を値LA、極間距離の長い方を値LBとした場合に、値(LB/LA)を2以上にすることによって、高い電圧を得る極間距離LA、LBをより容易に設定することができる。
さらに、極間距離の値LAを0.5mm以上にすることにより、放電に伴って生成される反応生成物が空気極13A、13Bと金属極15との間にほとんど堆積することなく、発電への影響を十分に抑えやすくなる。
また、本実施形態の金属空気電池10は、金属極15を電槽11の底板部21から浮かして支持する左右一対の支持部材30を備えている。これにより、放電に伴って生成される反応生成物の堆積を抑制できるとともに、電解液の対流を促進することができ、電池反応への反応生成物の影響を効果的に抑制することが可能である。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形、及び変更が可能である。例えば、空気極13A、13B、金属極15を含む金属空気電池10の各部は適宜に変更してもよい。
また、金属極15はマグネシウム合金に限らず、他の素材を用いてもよい。他の素材としては、例えば、亜鉛、鉄、アルミニウム等の金属、又はこれらのいずれかを含む合金を挙げることができる。金属極15に亜鉛を用いる場合には、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いるようにすれば良く、金属極15に鉄を用いる場合には、電解液にアルカリ系水溶液を用いるようにすればよい。また、金属極15にアルミニウムを用いる場合には、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウムを含む電解液を用いるようにすればよい。
10 金属空気電池
11 電槽
13A、13B 空気極
15 金属極
21 底板部)
22 前壁部
22K 開口部
23 後壁部
24 側壁部
30 支持部材
LA、LB、LC 極間距離
VA、VB、VC 電圧
f1 特性曲線(極間距離−電圧の関係を示す非直線特性)
上述した課題を解決するため、本発明は、金属極と、前記金属極に対向する空気極とを備える金属空気電池において、前記空気極は、前記金属極の両側にそれぞれ配置され、前記金属極は、両側の前記空気極のいずれか一方に寄せた位置に配置され、前記金属極と一方の前記空気極の極間距離である第1距離と、前記金属極と他方の前記空気極の極間距離である第2距離は、次の条件、即ち、前記金属極と前記一方の空気極とを前記第1距離で配置した第1電池から得られる電圧と、前記金属極と他方の前記空気極とを前記第2距離で配置した第2電池から得られる電圧との平均値が、前記金属極を両側の前記空気極の中央位置に配置する場合に得られる電圧よりも高いことを満たしていることを特徴とする。
本発明によれば、容量を確保しつつ高い電圧を得やすくなり、高性能な金属空気電池を効率良く得ることができる。

Claims (5)

  1. 金属極と、前記金属極に対向する空気極とを備える金属空気電池において、
    前記空気極は、前記金属極の両側にそれぞれ配置され、
    前記金属極は、両側の前記空気極のいずれか一方に寄せた位置に配置されていることを特徴とする金属空気電池。
  2. 前記金属極と一方の前記空気極の極間距離である第1距離と、前記金属極と他方の前記空気極の極間距離である第2距離は、次の条件、
    即ち、前記金属極と前記一方の空気極とを前記第1距離で配置した第1電池から得られる電圧と、前記金属極と他方の前記空気極とを前記第2距離で配置した第2電池から得られる電圧との平均値が、前記金属極を両側の前記空気極の中央位置に配置する場合に得られる電圧よりも高いこと
    を満たすことを特徴とする請求項1に記載の金属空気電池。
  3. 前記極間距離の短い方を値LA、極間距離の長い方を値LBとした場合に、値(LB/LA)が2以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属空気電池。
  4. 前記金属極を、この金属極を収容する電槽の底板部から浮かして支持する支持部材を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の金属空気電池。
  5. 金属極と、前記金属極に対向する空気極とを備え、
    前記空気極を、前記金属極の両側にそれぞれ配置し、
    前記金属極を、両側の前記空気極のいずれか一方に寄せた位置に配置した金属空気電池の極間距離設定方法であって、
    前記金属極と一方の前記空気極の極間距離である第1距離と、前記金属極と他方の前記空気極の極間距離である第2距離とを、
    極間距離と電圧との関係を示す非直線特性に基づき、前記金属極と前記一方の空気極とを前記第1距離で配置した第1電池から得られる電圧と、前記金属極と他方の前記空気極とを前記第2距離で配置した第2電池から得られる電圧との平均値が、前記金属極を両側の前記空気極の中央位置に配置する場合に得られる電圧よりも高くなるように設定していることを特徴とする金属空気電池の極間距離設定方法。
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