JP2019185246A - 自動運転制御システム - Google Patents

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恒毅 中村
Nobutaka Nakamura
恒毅 中村
大久保 陽一
Yoichi Okubo
陽一 大久保
昭暢 杉山
Akinobu Sugiyama
昭暢 杉山
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Abstract

【課題】本発明は、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能な自動運転制御システムを提供することを目的とする。【解決手段】本発明による自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の自動運転を制御する自動運転制御装置2と、路側に設置され、自動運転制御装置2の故障に対応する故障対応装置3とを備え、故障対応装置3は、自動運転制御装置2が故障したと判断したとき、自動運転制御装置2の故障に応じて自動運転制御装置2に代わり自動運転を制御する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両の自動運転を制御する自動運転制御システムに関し、特に、自動運転に係る機器が故障したときの自動運転を制御する自動運転制御システムに関する。
近年、複数の先進運転支援システム(ADAS:Advanced Driver Assistance System)の機能が搭載された制御装置が開発されている。当該制御装置は、レーダー、カメラ、およびソナーなどの種々の入力装置と、自動ブレーキ機能およびレーンキープアシスト機能などの種々のソフトウェアと、駆動、制動、操舵、およびHMI(Human Machine Interface)などの種々の出力装置とを有している。
自動運転システムをはじめとする先進運転支援システムでは、車両に不具合が生じることを防ぐ観点から設計の安全性が重要視されている。
例えば、従来、2つのCPU(Central Processing Unit)で二重化した処理系における各演算結果を比較することによって当該処理系の故障すなわち異常を検出するとともに、二重化した処理系を2系統用意して冗長化し、一方の処理系が故障しても他方の処理系を用いることによって自動運転システムの機能を継続することができるフェールセーフ化が図られた自動運転システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3866536号公報
特許文献1では、処理系を冗長化することによって、一方の処理系が故障したときであっても自動運転システムの機能を継続することを実現している。しかし、自動運転システムを実現する高性能の装置を多重化することはコストがかかるという問題がある。
また、複数の入力装置、複数のソフトウェア、および複数の出力装置を有するといった複雑な構成の制御装置では、機器に故障が発生したときの適切な自動運転の制御方法が常に同じであるとは限らず、故障した機器およびその故障度合いによって適切な自動運転の制御方法が異なる。特許文献1では、故障が発生したときに自動運転のオンまたはオフのみを制御しているため、故障が発生したときに継続可能なADAS機能があったとしても全てのADAS機能を停止させてしまう。このように、特許文献1では、自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行っているとはいえない。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能な自動運転制御システムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御する。
また、本発明による自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、車両に搭載され、周辺情報取得装置が取得した周辺情報に基づいて車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、周辺情報取得装置の故障に応じて周辺情報取得装置に代わり周辺情報を取得する。
また、本発明による自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、車両に搭載され、周辺情報取得装置が取得した周辺情報に基づいて車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置および周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御し、周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、周辺情報取得装置の故障に応じて周辺情報取得装置に代わり周辺情報を取得する。
本発明によると、自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御するため、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。
また、自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、車両に搭載され、周辺情報取得装置が取得した周辺情報に基づいて車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、周辺情報取得装置の故障に応じて周辺情報取得装置に代わり周辺情報を取得するため、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。
また、自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、車両に搭載され、周辺情報取得装置が取得した周辺情報に基づいて車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置および周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御し、周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、周辺情報取得装置の故障に応じて周辺情報取得装置に代わり周辺情報を取得するため、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態1による自動運転制御システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による自動運転制御システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による自動運転制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による故障対応装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1による自動運転制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1による自動運転制御システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による自動運転制御システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による自動運転制御システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による故障対応テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態2による自動運転制御システムの動作の一例を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
<実施の形態1>
<構成>
図1は、自動運転制御システム1の構成の一例を示すブロック図である。図2は、図1の詳細を示している。
自動運転制御システム1は、自動運転制御装置2と、故障対応装置3とを備えている。自動運転制御装置2は、自車両に搭載され、当該自車両の自動運転を制御する。故障対応装置3は、車両が走行する道路などの路側に設置されており、例えばインフラ設備に用いられる。故障対応装置3は、自動運転制御装置2と路車間通信によって互いに通信可能となっている。
<自動運転制御装置2の構成>
自動運転制御装置2は、周辺情報取得部4と、車両情報取得部5と、自動運転全体制御部6と、車両制御部7と、通信部8とを備えている。周辺情報取得部4は、周辺情報取得装置11に接続されている。車両情報取得部5は、車両情報取得装置12に接続されている。車両制御部7は、通知装置13およびアクチュエータ14に接続されている。
周辺情報取得部4は、周辺情報取得装置11から、車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する。周辺情報取得装置11は、自車両に搭載され、周辺情報を取得するためのセンサ群を有している。当該センサ群としては、例えば、GPS(Global Positioning System)装置、車載通信機、周辺センサ、およびナビゲーションシステムなどが挙げられる。
GPS装置は、複数のGPS衛星からGPS信号を受信して、自車両の位置を測位する。車載通信機は、自車両と他車両との間の車車間通信、または自車両と路側機との間の路車間通信を行う。周辺センサは、ミリ波レーダーおよび超音波ソナーなどの距離感知センサであり、自車両の周辺に存在する他車両、歩行者、建物、および障害物などの物体の位置を検出し、検出した物体が他車両および歩行者などの移動体であるときは当該移動体の移動速度も検出する。ナビゲーションシステムは、地図情報と、GPS装置が取得した自車両の位置情報とを用いて、地図上に自車両の現在位置を表示する、または自車両の現在位置から目的地までの経路を案内する。地図情報は、例えば車載通信機を用いて外部から取得することができる。
なお、周辺情報取得装置11を構成するセンサ群は、上記で例示したセンサに限るものではない。例えば車載カメラなど、自車両の周辺の状態を認識することができれば他のセンサであってもよい。
車両情報取得部5は、車両情報取得装置12から、自車両の動作状態を示す情報である車両情報を取得する。車両情報取得装置12は、自車両に搭載され、車両情報を取得するためのセンサ群を有している。当該センサ群としては、例えば、舵角センサ、車速センサ、ウィンカーセンサ、ライトセンサなどが挙げられる。
舵角センサは、自車両のステアリング角を検出する。車速センサは、自車両の走行速度を検出する。ウィンカーセンサは、自車両の方向指示器の指示方向を検出する。ライトセンサは、自車両のライトのオンおよびオフを検出する。
なお、車両情報取得装置12を構成するセンサ群は、上記で例示したセンサに限るものではない。例えばブレーキ、ギア、またはワイパーなどの動作状態を検出するセンサなど、自車両の動作状態を認識することができれば他のセンサであってもよい。
自動運転全体制御部6は、ECU(Electronic Control Unit)で構成され、自動運転制御部15と緊急制動部16とを有している。自動運転制御部15は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報、および車両情報取得部5が取得した車両情報のうちの少なくとも1つに基づいて、自車両の自動運転を制御する。
ここで、自動運転の自動運転レベルについて説明する。
内閣府が2017年5月21日に発表した戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program)における自動走行システム研究開発計画では、自動車の自動運転レベルを定義している。具体的には、レベル1は、加速、操舵、および制動のうちのいずれか1つをシステムが行う。レベル2は、加速、操舵、および制動のうちの複数の操作をシステムが行う。レベル3は、加速、操作、および制動の全てをシステムが行い、システムが要請したときは運転者が対応する。レベル4は、加速、操舵、および制動の全てをシステムが行い、運転者が全く関与しない。
上記のシステムとは、自動車が自律センサおよび通信などによって得られる情報から道路環境などを判断し、自動車の加速、操舵、および制動の全てまたは一部を行う仕組みのことをいう。なお、本実施の形態1では、説明容易のため、レベル4の自動運転制御は扱わないものとする。
上記の各レベルの定義から分かるように、自動車の運転権限は、レベル3以上ではシステム側にあり、レベル2以下では運転者側にある。レベル2以下の自動運転の制御は、運転者の安全運転を支援するものであり、予防安全制御とも呼ばれている。
図1,2の説明に戻り、緊急制動部16は、緊急時に自車両を路肩などの停止可能な地点に誘導して停止させるように、自車両の自動運転を制御する。このように、緊急制動部16が緊急時に行う動作のことを緊急制動という。緊急時としては、例えば、レベル3の自動運転が許可されない状況になったにも関わらずに運転者がレベル3の自動運転を解除しない場合、運転者の運転準備が不十分であるため運転権限を運転者に移行できない場合、自動運転全体制御部6が故障したときに故障対応装置3が自動運転全体制御部6の代わりをすることができない場合などが挙げられる。
レベル3の自動運転が許可されない状況としては、例えば、周辺情報取得装置11および車両情報取得装置12のうちの少なくとも一方を構成するセンサの検出精度が不十分になった場合が考えられる。例えば、複数のセンサのうちの予め定められた数以上のセンサの検出精度が不十分になると、レベル3の自動運転が許可されないと判断してもよい。なお、当該判断は、各センサの重要度に応じて重み付けをして行ってもよい。
また、レベル3の自動運転が許可されない状況の他の例としては、周辺情報取得装置11を構成するセンサによって自動運転に適さない環境が検出され場合、または自車両の位置が自動運転に適さないエリア内である場合などが挙げられる。自動運転に適さない環境としては、例えば、自車両の周辺に多数の歩行者または障害物が存在しているような環境などが挙げられる。自動運転に適さないエリアとしては、例えば、スクールゾーン、住宅地、または市街地などが挙げられる。自動運転に適さないエリアの情報は、周辺情報取得装置11を構成するナビゲーションシステムに記憶されている地図情報に含まれていてもよく、周辺情報取得装置11を構成する車載通信機を用いて車車間通信または路車間通信によって取得してもよい。
なお、本実施の形態1では、運転権限がシステム側にあるレベル3の自動運転のみに許可の条件を設定したが、レベル1およびレベル2の自動運転にも許可の条件を設定してもよい。各レベルの自動運転が許可される条件は、レベルごとに異なってもよく、レベルが高くなるほど厳しい条件とすることが好ましい。例えば、レベル3の自動運転は、周辺情報取得装置11および車両情報取得装置12を構成する全てのセンサの検出精度が十分である場合にのみ許可され、レベル1およびレベル2の自動運転は、周辺情報取得装置11および車両情報取得装置12を構成する複数のセンサのうちの予め定められた数以下のセンサの検出精度が低下しても許可されるようにしてもよい。
運転者の運転準備が不十分であるため運転権限を運転者に移行できない場合、すなわちレベル3の自動運転からレベル2以下の自動運転に移行できない場合としては、例えば後述する図9に示す運転者情報取得装置26によって取得された運転者情報に基づいて、運転者が居眠りまたは脇見をしていると判断された場合、運転者が興奮状態であると判断された場合、運転者が死亡または意識不明などの事態に陥ったと判断された場合などが考えられる。
緊急制動部16は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報と、車両情報取得部5が取得した車両情報とに基づいて、緊急時に自車両を停止させる地点である緊急停止地点を算出する。具体的には、例えば以下に示す手順で算出することができる。
まず、緊急制動部16は、自車両が停止するために必要な距離である停止可能距離を算出する。停止可能距離は、自車両の位置、自車両の走行速度、および自車両の周辺に存在している他車両の数などに基づいて算出することができる。例えば、自車両の走行速度が遅いほど停止可能距離が短くなり、自車両の走行速度が速いほど停止可能距離は長くなる。また、自車両が走行中の車線が路肩に近いほど停止可能距離は短くなり、自車両が走行中の車線が道路の中央寄りであるほど停止可能距離が長くなる。さらに、自車両の周辺に存在している他車両の数が少ないほど停止可能距離が短くなり、自車両の周辺に存在している他車両の数が多いほど停止可能距離が長くなる。
なお、緊急制動部16は、上記の各パラメータの値と停止可能距離との関係を表すテーブルを保持しておいてもよく、各パラメータを変数とする関数として定義して演算によって停止可能距離を算出してもよい。停止可能距離を決定するために用いられるパラメータは、上記に限らず他のパラメータであってもよい。
次に、緊急制動部16は、自車両の現在位置と地図情報とに基づいて、自車両の進行方向を対象として、自車両を停止させることが可能な地点である停止可能地点を探索する。停止可能地点としては、例えば、十分な幅を有する路側帯、非常駐車帯、または待避所などが考えられる。ただし、自車両の現在位置から停止可能地点までの距離が、上記で算出した停止可能距離よりも近い停止可能地点は除外する。緊急制動部16は、探索して得られた停止可能地点を自車両の緊急停止地点とする。
なお、緊急制動部16は、緊急時に備えて、停止可能地点の探索を事前に行ってもよい。例えば、緊急制動部16は、周辺情報取得部4および車両情報取得部5のうちの少なくとも一方から情報を取得する度に停止可能地点を探索してもよく、定期的に停止可能地点を探索してもよい。
図1,2の説明に戻り、車両制御部7は、自動運転全体制御部6または後述する故障対応装置3からの指示に従って、アクチュエータ14を制御して自車両を走行させる、または通知装置13を用いて運転者に通知を行う。このとき、車両制御部7は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報、および車両情報取得部5が取得した車両情報のうちの少なくとも一方を用いて上記の制御または通知を行ってもよい。
通知装置13は、車両に搭載され、自動運転制御装置2が出力する種々の情報を運転者に通知する機能を有している。通知装置13としては、例えば、表示装置および音声出力装置などのHMIである。表示装置としては、例えば、液晶表示装置およびHUD(Head Up Display)などが挙げられる。音声出力装置としては、例えば、スピーカなどが挙げられる。自動運転制御装置2は、通知装置13を用いて、例えば、自動運転レベル、故障状態、運転権限の移行、および自車両の状態遷移などの自車両の状態を運転者に通知することができる。
アクチュエータ14は、例えば、ステアリング、スロットル、ブレーキ、シフト、ウィンカーなど、自車両の自動運転を実現するために必要な制御対象である。自動運転の具体例としては、自動ブレーキおよびアダプディブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)などの自動加減速、自動駐車、およびレーンキープアシストなどが挙げられる。
通信部8は、後述する故障対応装置3の通信部9と路車間通信を行う。
図3は、自動運転制御装置2のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
自動運転制御装置2における周辺情報取得部4、車両情報取得部5、車両制御部7、通信部8、自動運転制御部15、および緊急制動部16の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、自動運転制御装置2は、周辺情報を取得し、車両情報を取得し、自車両の走行を制御し、故障対応装置3と通信を行い、自車両の自動運転を制御し、自車両を緊急制動するための処理回路を備える。処理回路は、メモリ21に格納されたプログラムを実行するプロセッサ20(中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)ともいう)である。
自動運転制御装置2における周辺情報取得部4、車両情報取得部5、車両制御部7、通信部8、自動運転制御部15、および緊急制動部16の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ21に格納される。処理回路は、メモリ21に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、自動運転制御装置2は、周辺情報を取得するステップ、車両情報を取得するステップ、自車両の走行を制御するステップ、故障対応装置3と通信を行うステップ、自車両の自動運転を制御するステップ、自車両を緊急制動するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ21を備える。また、これらのプログラムは、周辺情報取得部4、車両情報取得部5、車両制御部7、通信部8、自動運転制御部15、および緊急制動部16の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
<故障対応装置3の構成>
故障対応装置3は、通信部9と、故障対応部10とを備えている。通信部9は、自動運転制御装置2の通信部8と路車間通信を行う。
故障対応部10は、故障監視部17と、自動運転制御部18と、故障対応テーブル記憶部19とを有している。
故障監視部17は、自動運転制御装置2の自動運転制御部15を監視し、自動運転制御部15が故障したか否かを判断する。故障監視部17は、例えば、自動運転制御部15の自己診断機能、いわゆるウォッチドッグタイマーを用いて自動運転制御部15が故障したか否かを判断してもよい。また、故障監視部17は、自動運転制御部15と故障対応装置3との相互監視を目的とした同一のアプリケーションプログラムを実行して自動運転制御部15および故障対応装置3のそれぞれで同一の演算を行わせ、両者の演算結果が一致していないときに自動運転制御部15が故障したと判断してもよい。
自動運転制御部18は、自動運転制御部15が故障したと故障監視部17が判断したとき、自動運転制御部15に代わり自車両の自動運転を制御する。具体的には、自動運転制御部18は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報、および車両情報取得部5が取得した車両情報のうちの少なくとも一方と、故障対応テーブル記憶部19に記憶されている故障対応テーブルとに基づいて、自車両の自動運転を制御する。当該自動運転の制御に係る指示は、通信部9および通信部8を介して、車両制御部7および緊急制動部16のうちの少なくとも一方に伝達される。
故障対応テーブル記憶部19は、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が故障したときに故障対応装置3の自動運転制御部18が行うべき制御内容および対応内容が示される故障対応テーブルを記憶している。
図4〜6は、故障対応テーブルの一例を示している。図4は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべき自動ブレーキ機能の制御内容および対応内容が示されている。図5は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべきアダプティブクルーズコントロール機能の制御内容および対応内容が示されている。図6は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべきレーンキープアシスト機能の制御内容および対応内容が示されている。なお、図4,5,6に示す故障対応テーブルは、1つにまとめて記憶されてもよく、別個に記憶されてもよい。
図7〜9は、故障対応テーブルの他の一例を示している。図7は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべき自動ブレーキ機能の制御内容および対応内容が故障内容ごとに示されている。図7において、故障内容が「故障」とは、復旧が不可能な故障であることを示している。故障内容が「過渡的エラー、復旧処理可能」とは、復旧が可能な故障であることを示している。以降で説明する図面に示される「故障」および「過渡的エラー、復旧処理可能」も同様である。図8は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべきアダプティブクルーズコントロール機能の制御内容および対応内容が故障内容ごとに示されている。図9は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべきレーンキープアシスト機能の制御内容および対応内容が故障内容ごとに示されている。なお、図7,8,9に示す故障対応テーブルは、1つにまとめて記憶されてもよく、別個に記憶されてもよい。
図10〜12は、故障対応テーブルの他の一例を示している。図10は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべき自動ブレーキ機能の制御内容および対応内容が、故障内容および周辺状況ごとに示されている。図10において、「周辺状況」は、例えば、自車両が高速道路を走行しているのか、自車両が一般道を走行しているのか、自車両が走行している道路が渋滞しているのか、自車両が住宅地を走行しているのか、または自車両の現在位置の天候など、自車両の周辺の状況を示している。「機能継続」は、自動運転制御部15がそのまま自動ブレーキ機能を継続することを示している。以降で説明する図面に示される「周辺状況」および「機能継続」も同様である。図11は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべきアダプティブクルーズコントロール機能の制御内容および対応内容が、故障内容および周辺状況ごとに示されている。図12は、自動運転制御部15が故障したときに自動運転制御部18が行うべきレーンキープアシスト機能の制御内容および対応内容が、故障内容および周辺状況ごとに示されている。なお、図10,11,12に示す故障対応テーブルは、1つにまとめて記憶されてもよく、別個に記憶されてもよい。
図13は、故障対応装置3のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
故障対応装置3における通信部9、故障監視部17、および自動運転制御部18の各機能は、処理回路により実現される。すなわち、故障対応装置3は、自動運転制御装置2と通信を行い、自動運転制御部15を監視し、自車両の自動運転を制御するための処理回路を備える。処理回路は、メモリ23に格納されたプログラムを実行するプロセッサ22である。
故障対応装置3における通信部9、故障監視部17、および自動運転制御部18の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアは、プログラムとして記述され、メモリ23に格納される。処理回路は、メモリ23に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、故障対応装置3は、自動運転制御装置2と通信を行うステップ、自動運転制御部15を監視するステップ、自車両の自動運転を制御するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ23を備える。また、これらのプログラムは、通信部9、故障監視部17、および自動運転制御部18の手順または方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリとは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等、または、今後使用されるあらゆる記憶媒体であってもよい。
<動作>
図14は、自動運転制御システム1の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS11において、故障対応装置3の故障監視部17は、自動運転制御装置2の自動運転制御部15の状態を監視する。
ステップS12において、故障対応装置3の故障監視部17は、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が故障したか否かを判断する。自動運転制御装置2の自動運転制御部15が故障したと判断した場合は、ステップS13に移行する。一方、自動運転制御装置2の自動運転制御部15は故障していないと判断した場合は、ステップS11に戻る。
ステップS13において、故障対応装置3の自動運転制御部18は、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が故障したと故障監視部17が判断したとき、自動運転制御部15に代わり自車両の自動運転を制御する。具体的には、自動運転制御部18は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報、および車両情報取得部5が取得した車両情報のうちの少なくとも一方と、故障対応テーブル記憶部19に記憶されている故障対応テーブルとに基づいて、自車両の自動運転を制御する。
例えば、故障対応テーブル記憶部19に図4〜6に示す故障対応テーブルが記憶され、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が自動ブレーキ機能を実行している場合について説明する。この場合、故障対応装置3の故障監視部17は、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が自動ブレーキ機能の実行を監視し、当該自動ブレーキ機能が故障したか否かを判断する。そして、自動運転制御部15による自動ブレーキ機能が故障したと故障監視部17が判断したとき、故障対応装置3の自動運転制御部18は、図4に示す故障対応テーブルに基づいて、自動運転制御装置2の自動運転制御部15に代わり自車両の自動運転を制御する。具体的には、自動運転制御部18は、自動運転制御装置2の車両制御部7に対して、自動ブレーキ機能に係る自車両の制御を指示する。また、自動運転制御部18は、自動運転制御装置2の車両制御部7に対して、自動運転制御部15による自動ブレーキ機能が故障したことを運転者に通知し、運転権限を運転者に移行する旨を指示する。運転権限を運転者に移行することができないとき、自動運転制御部18は、自動運転制御装置2の緊急制動部16に対して、緊急制動を行う旨を指示する。
上記では、故障対応テーブル記憶部19に図4〜6に示す故障対応テーブルが記憶されている場合について説明したが、故障対応テーブル記憶部19に図7〜9に示す故障対応テーブルが記憶されている場合、または故障対応テーブル記憶部19に図10〜12に示す故障対応テーブルが記憶されている場合についても同様である。
故障対応テーブル記憶部19に図7〜9に示す故障対応テーブルが記憶されている場合、自動運転制御部18は、自動運転制御部15の故障内容に応じて自車両の自動運転を制御する。この場合、故障監視部17が自動運転制御部15の故障内容の判断を行ってもよく、故障監視部17が自動運転制御部15から故障内容を取得してもよい。
故障対応テーブル記憶部19に図10〜12に示す故障対応テーブルが記憶されている場合、自動運転制御部18は、自動運転制御部15の故障内容、および自車両の周辺の状況に応じて自車両の自動運転を制御する。この場合、自動運転制御部18は、例えば自動運転制御装置2の周辺情報取得部4が取得した周辺情報から自車両の周辺の状況を判断してもよい。
<変形例>
図15は、変形例による自動運転制御システム24の構成の一例を示すブロック図である。
自動運転制御システム24は、自動運転制御装置2が運転者情報取得部25を備えることを特徴としている。その他の構成および動作は、図1,2に示す自動運転制御システム1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
運転者情報取得部25は、運転者情報取得装置26から、自車両の運転者の状態を示す情報である運転者情報を取得する。運転者情報取得装置26は、自車両に搭載され、運転者の状態を検出するためのセンサ群を有している。当該センサ群としては、例えば、運転者を撮影するカメラなどが挙げられる。運転者情報取得装置26が検出する運転者の状態としては、例えば、運転者に眠気があるか、運転者が脇見運転をしているか、運転者が冷静であるか、および運転者が興奮しているかなどが挙げられる。具体的には、運転者情報取得装置26がカメラである場合、当該カメラが撮影した運転者の画像を解析することによって運転者の眼球および顔の動きを検出し、運転者の視線方向および顔の向きなどから運転者の状態を判定する。
なお、運転者情報取得装置26を構成するセンサ群は、カメラに限るものではない。例えば、運転者の音声を取得する集音マイク、ハンドルに設けられた生体センサ、および脳波センサなど、運転者の状態を検出することができれば他のセンサであってもよい。
運転者情報取得部25が取得した運転者情報は、車両制御部7および緊急制動部16で用いられる。車両制御部7は、運転者情報を用いてアクチュエータ14を制御してもよく、運転者の状態を通知装置13を用いて通知してもよい。緊急制動部16は、上述の通り、運転者情報に基づいて緊急制動を行ってもよい。
以上のことから、本実施の形態1によれば、自動運転制御装置2が故障したときに、故障した自動運転の機能に応じて、故障対応装置3が自動運転制御装置2に代わって自動運転の制御を行う。これにより、自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。また、故障内容および車両の周辺の状況に応じて適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。さらに、路側に故障対応装置3を設置することによって、故障対応装置3の故障対応部10の機能を複数の車両で共有することができるため、多重化に伴うコストの増加を抑えることができる。
<実施の形態2>
実施の形態1では、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が故障したときに、故障対応装置3が自動運転制御装置2に代わって自動運転の制御を行う場合について説明した。本発明の実施の形態2では、周辺情報取得装置11が故障した場合について説明する。
<構成>
図16は、自動運転制御システム27の構成の一例を示すブロック図である。図17は、図16の詳細を示している。
自動運転制御システム27は、故障対応装置3が周辺情報取得部28を備えることを特徴としている。その他の構成および動作は、実施の形態1の図1,2に示す自動運転制御システム1と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
故障監視部17は、周辺情報取得装置11を監視し、周辺情報取得装置11が故障したか否かを判断する。例えば、故障監視部17は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報に基づいて、周辺情報取得装置11が故障したか否かを判断してもよい。
周辺情報取得部28は、周辺情報取得装置11が故障したと故障監視部17が判断したとき、周辺情報取得装置11に代わり周辺情報を取得し、自動運転制御装置2の自動運転制御部15に周辺情報を送信する。このとき、周辺情報取得部28は、故障対応テーブル記憶部19に記憶されている故障対応テーブルに基づいて、取得すべき周辺情報を決定する。
自動運転制御部18は、周辺情報取得装置11が故障したと故障監視部17が判断したとき、自車両の自動運転の制御内容を決定する。具体的には、自動運転制御部18は、周辺情報取得部4が取得した周辺情報、および車両情報取得部5が取得した車両情報のうちの少なくとも一方と、故障対応テーブル記憶部19に記憶されている故障対応テーブルとに基づいて、自車両の自動運転の制御内容を決定する。当該自動運転の制御内容は、通信部9および通信部8を介して、自動運転制御装置2の自動運転制御部15に伝達される。
図18〜20は、故障対応テーブル記憶部19に記憶される故障対応テーブルの一例を示す図である。図18は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべき自動ブレーキ機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが示されている。図18では、周辺情報取得装置11として、自車両の前方の状態を検出する前方ミリ波レーダおよび前方監視カメラを例示しているが、他のセンサであってもよい。図19は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべきアダプティブクルーズコントロール機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが示されている。図20は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべきレーンキープアシスト機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが示されている。図20において、「目標軌跡」とは、自車両が現在走行している車線からはみ出すことなく走行するための経路のことをいう。以降で説明する図面に示される「目標軌跡」も同様である。「目標軌跡」は、自動運転制御部18が算出してもよい。なお、図18,19,20に示す故障対応テーブルは、1つにまとめて記憶されてもよく、別個に記憶されてもよい。
図21〜23は、故障対応テーブル記憶部19に記憶される故障対応テーブルの一例を示す図である。図21は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべき自動ブレーキ機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが、故障内容ごとに示されている。図22は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべきアダプティブクルーズコントロール機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが、故障内容ごとに示されている。図23は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべきレーンキープアシスト機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが、故障内容ごとに示されている。なお、図21,22,23に示す故障対応テーブルは、1つにまとめて記憶されてもよく、別個に記憶されてもよい。
図24〜26は、故障対応テーブル記憶部19に記憶される故障対応テーブルの一例を示す図である。図24は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべき自動ブレーキ機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが、故障内容および周辺状況ごとに示されている。図25は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべきアダプティブクルーズコントロール機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが、故障内容および周辺状況ごとに示されている。図26は、周辺情報取得装置11が故障したときに自動運転制御部18が行うべきレーンキープアシスト機能の制御内容および対応内容と、周辺情報取得部28が取得すべき周辺情報とが、故障内容および周辺状況ごとに示されている。なお、図24,25,26に示す故障対応テーブルは、1つにまとめて記憶されてもよく、別個に記憶されてもよい。
<動作>
図27は、自動運転制御システム27の動作の一例を示すフローチャートである。
ステップS21において、故障対応装置3の故障監視部17は、周辺情報取得装置11の状態を監視する。
ステップS22において、故障対応装置3の故障監視部17は、周辺情報取得装置11が故障したか否かを判断する。周辺情報取得装置11が故障したと判断した場合は、ステップS23に移行する。一方、周辺情報取得装置11は故障していないと判断した場合は、ステップS21に戻る。
ステップS23において、故障対応装置3の自動運転制御部18は、周辺情報取得装置11が故障したと故障監視部17が判断したとき、自車両の自動運転の制御内容を決定し、当該制御内容を自動運転制御装置2の自動運転制御部15に送信する。また、故障対応装置3の周辺情報取得部28は、周辺情報取得装置11が故障したと故障監視部17が判断したとき、周辺情報取得装置11に代わって取得すべき周辺情報を決定し、当該周辺情報を取得して自動運転制御装置2の自動運転制御部15に送信する。
例えば、故障対応テーブル記憶部19に図18〜20に示す故障対応テーブルが記憶され、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が自動ブレーキ機能を実行しているときに周辺情報取得装置11である前方ミリ波レーダが故障した場合について説明する。この場合、故障対応装置3の故障監視部17は、周辺情報取得装置11の状態を監視し、周辺情報取得装置11が故障したか否かを判断する。そして、周辺情報取得装置11が故障したと故障監視部17が判断したとき、故障対応装置3の自動運転制御部18は、図18に示す故障対応テーブルに基づいて、前方監視カメラを用いて自動ブレーキ機能を継続し、前方ミリ波レーダから送られてくるミリ波レーダ情報を遮断する旨を、自動運転制御装置2の自動運転制御部15に指示する。
また、周辺情報取得装置11として前方監視カメラが自車両に設置されていない場合、周辺情報取得部28は、図18に示す故障対応テーブルに基づいて、自車両の周辺に存在している移動体の位置の情報を周辺情報として取得する。そして、周辺情報取得部28は、取得した周辺情報を自動運転制御部15に送信するとともに、自動ブレーキ機能の実行を継続する旨を指示する。
センサの性能によって検出範囲または検出距離が異なるため、複数のセンサを用いて自車両の走行速度の制御を行っている場合、検出距離が長いセンサが故障すると障害物等の検出が遅れてしまうため、自車両の走行速度を通常より制限してもよい。この場合、周辺情報取得部28は、センサが故障したときの制限速度を予め定めておいてもよく、当該制限速度を自動運転制御部15に送信すればよい。
上記では、故障対応テーブル記憶部19に図18〜20に示す故障対応テーブルが記憶されている場合について説明したが、故障対応テーブル記憶部19に図21〜23に示す故障対応テーブルが記憶されている場合、または故障対応テーブル記憶部19に図24〜26に示す故障対応テーブルが記憶されている場合についても同様である。
故障対応テーブル記憶部19に図21〜23に示す故障対応テーブルが記憶されている場合、自動運転制御部18は、周辺情報取得装置11の故障内容に応じて自車両の自動運転の制御内容を決定し、当該制御内容を自動運転制御装置2の自動運転制御部15に送信する。また、周辺情報取得部28は、周辺情報取得装置11の故障内容に応じて、必要に応じて周辺情報を取得して自動運転制御装置2の自動運転制御部15に送信する。
故障対応テーブル記憶部19に図24〜26に示す故障対応テーブルが記憶されている場合、自動運転制御部18は、周辺情報取得装置11の故障内容、および自車両の周辺の状況に応じて自車両の自動運転の制御内容を決定し、当該制御内容を自動運転制御装置2の自動運転制御部15に送信する。また、周辺情報取得部28は、周辺情報取得装置11の故障内容、および自車両の周辺の状況に応じて、必要に応じて周辺情報を取得して自動運転制御装置2の自動運転制御部15に送信する。
以上のことから、本実施の形態2によれば、周辺情報取得装置11が故障したときに、故障したセンサに応じて、故障対応装置3が周辺情報取得装置11に代わって周辺情報を取得し、自動運転の制御内容を決定する。これにより、周辺情報取得装置11が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。また、周辺情報取得装置11の故障内容および車両の周辺の状況に応じて適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。さらに、路側に故障対応装置3を設置することによって、故障対応装置3の故障対応部10の機能を複数の車両で共有することができるため、多重化に伴うコストの増加を抑えることができる。
<実施の形態3>
本発明の実施の形態3は、実施の形態1と実施の形態2との組み合わせである。すなわち、本実施の形態3では、自動運転制御装置2の自動運転制御部15が故障したときに、故障対応装置3が自動運転制御装置2に代わって自動運転の制御を行い、周辺情報取得装置11が故障したときに、故障対応装置3が周辺情報取得装置11に代わって周辺情報を取得し自動運転の制御内容を決定する。
本実施の形態3による自動運転制御システムの構成は、図16,17に示す実施の形態2による自動運転制御システム27と同様であるため、ここでは説明を省略する。また、本実施の形態3による自動運転制御システムの動作は、図14に示す実施の形態1による自動運転制御システム1の動作と、図27に示す実施の形態2による自動運転制御システム27の動作とを組み合わせた動作であるため、ここでは説明を省略する。
以上のことから、本実施の形態3によれば、実施の形態1および実施の形態2と同様の効果が得られる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 自動運転制御システム、2 自動運転制御装置、3 故障対応装置、4 周辺情報取得部、5 車両情報取得部、6 自動運転全体制御部、7 車両制御部、8 通信部、9 通信部、10 故障対応部、11 周辺情報取得装置、12 車両情報取得装置、13 通知装置、14 アクチュエータ、15 自動運転制御部、16 緊急制動部、17 故障監視部、18 自動運転制御部、19 故障対応テーブル記憶部、20 プロセッサ、21 メモリ、22 プロセッサ、23 メモリ、24 自動運転制御システム、25 運転者情報取得部、26 運転者情報取得装置、27 自動運転制御システム、28 周辺情報取得部。
上記の課題を解決するために、本発明による自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障内容に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御する。
また、本発明による自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、車両に搭載され、周辺情報取得装置が取得した周辺情報に基づいて車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置および周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障内容に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御し、周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、周辺情報取得装置の故障に応じて周辺情報取得装置に代わり周辺情報を取得する。
本発明によると、自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障内容に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御するため、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。
また、自動運転制御システムは、車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、車両に搭載され、周辺情報取得装置が取得した周辺情報に基づいて車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、路側に設置され、自動運転制御装置および周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置とを備え、故障対応装置は、自動運転制御装置が故障したと判断したとき、自動運転制御装置の故障内容に応じて自動運転制御装置に代わり自動運転を制御し、周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、周辺情報取得装置の故障に応じて周辺情報取得装置に代わり周辺情報を取得するため、コストの増加を抑え、かつ自動運転に係る機器が故障したときに適切な自動運転の制御を行うことが可能となる。

Claims (16)

  1. 車両に搭載され、当該車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、
    路側に設置され、前記自動運転制御装置の故障に対応する故障対応装置と、
    を備え、
    前記故障対応装置は、前記自動運転制御装置が故障したと判断したとき、前記自動運転制御装置の故障に応じて前記自動運転制御装置に代わり前記自動運転を制御することを特徴とする、自動運転制御システム。
  2. 前記故障対応装置は、
    前記自動運転制御装置が故障したか否かを監視する故障監視部と、
    前記自動運転制御装置が故障したと前記故障監視部が判断したときに前記自動運転を制御する自動運転制御部と、
    を備えることを特徴とする、請求項1に記載の自動運転制御システム。
  3. 前記故障対応装置は、前記車両の周辺状況に応じて前記自動運転を制御することを特徴とする、請求項1または2に記載の自動運転制御システム。
  4. 前記故障対応装置は、前記自動運転制御装置の故障内容、および前記車両の周辺状況に応じて行うべき前記自動運転の制御に関する情報が示される故障対応テーブルを記憶する故障対応テーブル記憶部をさらに備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の自動運転制御システム。
  5. 車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、
    前記車両に搭載され、前記周辺情報取得装置が取得した前記周辺情報に基づいて前記車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、
    路側に設置され、前記周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置と、
    を備え、
    前記故障対応装置は、前記周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、前記周辺情報取得装置の故障に応じて前記周辺情報取得装置に代わり前記周辺情報を取得することを特徴とする、自動運転制御システム。
  6. 前記故障対応装置は、
    前記周辺情報取得装置が故障したか否かを監視する故障監視部と、
    前記周辺情報取得装置が故障したと前記故障監視部が判断したときに前記周辺情報を取得する周辺情報取得部と、
    を備えることを特徴とする、請求項5に記載の自動運転制御システム。
  7. 前記故障対応装置は、
    前記周辺情報取得装置が故障したと前記故障監視部が判断したときに前記自動運転を制御する自動運転制御部をさらに備えることを特徴とする、請求項6に記載の自動運転制御システム。
  8. 前記故障対応装置は、前記自動運転制御装置および前記周辺情報取得装置の故障内容、および前記車両の周辺状況に応じて行うべき前記自動運転の制御に関する情報が示される故障対応テーブルを記憶する故障対応テーブル記憶部をさらに備えることを特徴とする、請求項5から7のいずれか1項に記載の自動運転制御システム。
  9. 前記故障対応装置は、前記周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、前記周辺情報に含まれる前記車両の周辺に存在する移動体に関する情報を前記自動運転制御装置に送信することを特徴とする、請求項5または6に記載の自動運転制御システム。
  10. 前記故障対応装置は、前記周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、前記周辺情報に含まれる前記車両の目標軌跡の情報を前記自動運転制御装置に送信することを特徴とする、請求項5または6に記載の自動運転制御システム。
  11. 車両に搭載され、当該車両の周辺の状態を示す情報である周辺情報を取得する周辺情報取得装置と、
    前記車両に搭載され、前記周辺情報取得装置が取得した前記周辺情報に基づいて前記車両の自動運転を制御する自動運転制御装置と、
    路側に設置され、前記自動運転制御装置および前記周辺情報取得装置の故障に対応する故障対応装置と、
    を備え、
    前記故障対応装置は、前記自動運転制御装置が故障したと判断したとき、前記自動運転制御装置の故障に応じて前記自動運転制御装置に代わり前記自動運転を制御し、前記周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、前記周辺情報取得装置の故障に応じて前記周辺情報取得装置に代わり前記周辺情報を取得することを特徴とする、自動運転制御システム。
  12. 前記故障対応装置は、
    前記自動運転制御装置および前記周辺情報取得装置のうちの少なくとも一方が故障しているか否かを監視する故障監視部と、
    前記自動運転制御装置が故障したと前記故障監視部が判断したときに前記自動運転を制御する自動運転制御部と、
    前記周辺情報取得装置が故障したと前記故障監視部が判断したときに前記周辺情報を取得する周辺情報取得部と、
    を備えることを特徴とする、請求項11に記載の自動運転制御システム。
  13. 前記故障対応装置は、前記車両の周辺状況に応じて前記自動運転を制御することを特徴とする、請求項11または12に記載の自動運転制御システム。
  14. 前記故障対応装置は、前記自動運転制御装置および前記周辺情報取得装置の故障内容、および前記車両の周辺状況に応じて行うべき前記自動運転の制御に関する情報が示される故障対応テーブルを記憶する故障対応テーブル記憶部をさらに備えることを特徴とする、請求項11から13のいずれか1項に記載の自動運転制御システム。
  15. 前記故障対応装置は、前記周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、前記周辺情報に含まれる前記車両の周辺に存在する移動体に関する情報を前記自動運転制御装置に送信することを特徴とする、請求項11または12に記載の自動運転制御システム。
  16. 前記故障対応装置は、前記周辺情報取得装置が故障したと判断したとき、前記周辺情報に含まれる前記車両の目標軌跡の情報を前記自動運転制御装置に送信することを特徴とする、請求項11または12に記載の自動運転制御システム。
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