JP2019183398A - 飛散防止装置及び飛散防止方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】トンネルの内部における粉塵の飛散を防止すると共に、トンネルの内部で作業空間を一定の区間長に限定して行うための装置の設置及び撤去を迅速且つ確実に行うことで、作業性を向上させることができる飛散防止装置及び飛散防止方法を提供する。【解決手段】一実施形態に係る飛散防止装置1は、トンネルTの内周面T3に接触すると共にトンネルTの周方向に沿って延びる第1バルーン部21と、第1バルーン部21を支持し、第1バルーン部21の内部空間と連通する内部空間を有する第2バルーン部22と、第1バルーン部21に連結されておりトンネルTの断面を仕切るシート30と、を備え、トンネルTの軸線方向に沿って一対に設けられる。【選択図】図7

Description

本発明は、トンネルの内部における粉塵の飛散を防止する飛散防止装置及び飛散防止方法に関する。
特許文献1には、トンネルの内周面に沿って膨らむ外周面エアーチューブと、外周面エアーチューブの内周において外周面エアーチューブを支持する縦補強用エアーチューブと、外周面エアーチューブに取り付けられてトンネルの断面とほぼ同面積の半円状を成す仕切膜とを備えたトンネル用通気仕切りが記載されている。外周面エアーチューブ及び縦補強用エアーチューブのそれぞれには給排気口が設けられている。外周面エアーチューブの給排気口から圧縮空気を外周面エアーチューブに供給し、縦補強エアーチューブの給排気口から圧縮空気を縦補強エアーチューブに供給することによって、トンネル用通気仕切りがトンネルの断面の形状に沿って広がる。
特許文献2には、トンネルを構築する工程において打設されたコンクリートを養生するためにトンネルの壁部を間仕切りするトンネル内移動間仕切装置が記載されている。トンネル内移動間仕切装置は、地山に構築されたトンネルの壁部の内側にシートを介して密着する環状チューブを備える。このトンネル内移動間仕切装置では、環状チューブに空気等の流体を圧入して環状チューブを膨張させることによりシートがトンネルの内部を間仕切りする。また、環状チューブの内周には円弧状のチューブ保持部を両端に有する保持杆が取り付けられ、この保持杆の両端のそれぞれで環状チューブの内周を押さえることによって環状チューブの垂れ下がりが防止される。
特開平5−231100号公報 実用新案登録第3075320号公報
ところで、トンネルの内部において各種作業を行うときに、トンネルの内部において粉塵が飛散することがある。トンネルの内部は、換気等のために送風が行われており、空気流によってトンネルの内部の粉塵が飛散する。粉塵は、空気流によって遠くにまで飛散する可能性があり、回収不能となる問題が発生しうる。従って、トンネルの内部における粉塵の飛散を防止することが求められる。
また、トンネルには鉄道車両又は自動車等の車両が通るため、トンネルの工事を短時間で完了させなければならないことがある。例えば車両が走行しない深夜等の時間帯に、トンネルの工事で用いられる作業機器の搬入、作業機器の設置、作業、及び作業完了後における作業機器の撤収を行わなければならない。作業機器の搬入、設置、作業及び撤収を数時間で完了させなければならないことがある。しかしながら、前述したトンネル用通気仕切り、及びトンネル内移動間仕切装置では、特に各機器の搬入及び撤収に時間を要するため、トンネルの内部における作業の作業性において改善の余地がある。このように、トンネルの内部における作業性の向上が求められる。
本発明は、トンネルの内部における粉塵の飛散を防止すると共に、トンネルの内部で作業空間を一定の区間長に限定して行うための装置の設置及び撤去を迅速且つ確実に行うことで、作業性を向上させることができる飛散防止装置及び飛散防止方法を提供することを目的とする。
本発明に係る飛散防止装置は、トンネルの内周面に接触すると共にトンネルの周方向に沿って延びる第1バルーン部と、第1バルーン部を支持し、第1バルーン部の内部空間と連通する内部空間を有する第2バルーン部と、第1バルーン部に連結されておりトンネルの断面を仕切るシートと、を備え、トンネルの軸線方向に沿って一対に設けられる。
本発明に係る飛散防止装置は、トンネルの内周面に接触すると共にトンネルの周方向に沿って延びる第1バルーン部と、第1バルーン部を支持する第2バルーン部とを備え、第1バルーン部の内部空間と第2バルーン部の内部空間とは連通している。従って、第1バルーン部の内部空間に空気を供給することによって第1バルーン部をトンネルの内周面に密着させると共にシートでトンネルの断面を仕切ることにより、トンネルの内部における粉塵の飛散を防止することができる。また、第2バルーン部に空気を供給することによって第1バルーン部と第2バルーン部との両方を一度に膨らませることができる。従って、短時間で第1バルーン部及び第2バルーン部を膨らませたり萎ませたりすることができるので、作業性を向上させることができる。また、本発明に係る飛散防止装置は、トンネルの軸線方向に沿って一対に設けられる。よって、一対に設けられる飛散防止装置の間の空間を作業空間とすることにより、作業空間の内部において粉塵が飛散しても当該作業空間の外部に粉塵が飛散することを抑制することができる。従って、粉塵の飛散を抑制する飛散防止装置を一対に設けることによって粉塵が飛散する作業を行う作業空間を迅速且つ確実に設置することができるので、作業性の向上に寄与する。
また、この飛散防止装置は、トンネルの軸線方向に移動すると共に第1バルーン部、第2バルーン部及びシートを搭載する台車を備え、第2バルーン部は、台車から第1バルーン部まで延びていてもよい。この場合、飛散防止装置は、トンネルの軸線方向に移動する台車から第1バルーン部まで延びると共に第1バルーン部を支持する第2バルーン部と、第1バルーン部に連結されるシートとを備える。台車、第2バルーン部、第1バルーン部及びシートは、互いに連結されている。よって、第2バルーン部、第1バルーン部及びシートが台車に載せられた状態で台車をトンネルの軸線方向に移動させることができる。従って、第1バルーン部及び第2バルーン部を膨らませる前、並びに第1バルーン部及び第2バルーン部を萎ませた後に、飛散防止装置全体を台車に載せてトンネルの軸線方向に移動させることができる。その結果、飛散防止装置の各部品の搬入及び撤収を短時間で行うことができるため、トンネルの内部で行う作業の作業性を向上させることができる。
また、前述した飛散防止装置は、第1バルーン部及び第2バルーン部のいずれかから延びると共に、第1バルーン部のトンネルの軸線方向への移動を抑える展張ロープを備えてもよい。この場合、展張ロープによってトンネルの内周面に密着させた第1バルーン部の軸線方向への移動を抑制することができる。また、展張ロープを引っ張ることによって第1バルーン部の位置の微調整を容易に行うことができるので、第1バルーンを設置する作業の作業性を向上させることができる。
また、前述した飛散防止装置は、第1バルーン部の長さを調整する第1長さ調整部と、第2バルーン部の長さを調整する第2長さ調整部と、を備えてもよい。この場合、現場に応じて第1バルーン部又は第2バルーン部の長さを調整することができるので、飛散防止装置の汎用性を高めることができる。
また、シートは、メッシュ状に形成されていてもよい。ところで、トンネルの内部では、換気のため送風が行われており、この送風によって第1バルーン部、第2バルーン部及びシートは、軸線方向に流れる空気流を受ける。前述したように、シートがメッシュ状に形成されている場合、軸線方向に流れる空気流を逃がすことができるので、空気流による軸線方向への力を受け流すことができる。よって、第1バルーン部、第2バルーン部及びシートが空気流によって傾くことをより確実に抑制することができる。
また、前述した飛散防止装置は、シートを挟んで固定する錘を備えてもよい。この場合、錘でシートを挟んで固定することにより、軸線方向に流れる空気流等によってシートがばたつかないようにすることができる。従って、粉塵の飛散をより確実に防止することができる。
また、前述した展張ロープの一端は、第1バルーン部に固定され、展張ロープの他端は、第1バルーン部を軸線方向に引っ張った状態で固定されてもよい。この場合、展張ロープの一端が第1バルーン部に固定されることにより、展張ロープの位置を安定させることができる。また、展張ロープの他端が第1バルーン部を軸線方向に引っ張った状態で固定されることにより、第1バルーン部の軸線方向への傾きをより確実に抑えることができる。
本発明に係る飛散防止方法は、第1バルーン部、第2バルーン部及びシートを備えた飛散防止装置を用いて粉塵の飛散を防止する飛散防止方法であって、第1バルーン部、第2バルーン部及びシートをトンネルの軸線方向に移動する工程と、第2バルーン部に空気を入れて第2バルーン部及び第1バルーン部を膨らませる工程と、膨らんだ第2バルーン部及び第1バルーン部を立てて第1バルーン部をトンネルの周方向に沿うようにトンネルの内周面に接触する工程と、シートでトンネルの断面を仕切る工程と、を備え、飛散防止装置がトンネルの軸線方向に沿って一対に設けられる。
本発明に係る飛散防止方法は、第2バルーン部に空気を入れて第2バルーン部と第1バルーン部とを膨らませる。従って、膨らませた第1バルーン部をトンネルの内周面に密着させると共にシートでトンネルの断面を仕切ることにより、トンネルの内部における粉塵の飛散を防止することができる。また、第2バルーン部に空気を入れて第2バルーン部と第1バルーン部との両方を一度に膨らませることができる。従って、短時間で第1バルーン部及び第2バルーン部の両方を膨らませたり萎ませたりすることができるので、作業性を向上させることができる。また、本発明に係る飛散防止方法では、飛散防止装置をトンネルの軸線方向に沿って一対に設ける。よって、一対の飛散防止装置の間の空間を作業空間とすることにより、作業空間の内部において粉塵が飛散しても当該作業空間の外部に粉塵が飛散することを抑制することができる。従って、前述した飛散防止装置と同様、飛散防止装置を一対に設けることによって作業空間を迅速且つ確実に設置することができるので、作業性の向上に寄与する。
また、移動する工程では、第1バルーン部、第2バルーン部及びシートを搭載した台車をトンネルの軸線方向に移動してもよい。この場合、第1バルーン部、第2バルーン部及びシートが台車に載せられた状態で台車がトンネルの軸線方向に移動する。従って、第1バルーン部及び第2バルーン部を膨らませる前、並びに第1バルーン部及び第2バルーン部を萎ませた後に、飛散防止装置全体を台車に載せてトンネルの軸線方向に移動させることができる。その結果、飛散防止装置の各部品の搬入及び撤収を短時間で行うことができるため、トンネルの内部で行う作業の作業性を向上させることができる。
また、移動する工程では、2つの飛散防止装置のそれぞれを軸線方向に沿って互いに離間するように配置し、膨らませる工程、内周面に接触する工程、及びトンネルの断面を仕切る工程を経て2つの飛散防止装置のシートのそれぞれでトンネルの断面を仕切ることにより、2つの飛散防止装置の間に作業空間を形成する工程を備えてもよい。この場合、2つの飛散防止装置の間に作業空間を形成することにより、当該作業空間から粉塵が漏れることを抑制することができる。従って、作業空間の内部において粉塵が出る作業を行うことができる。また、2つの飛散防止装置のそれぞれの搬入及び撤収を短時間で行うことができるため、作業空間の形成及び撤去を短時間で行うことができる。
本発明によれば、トンネルの内部における粉塵の飛散を防止すると共に、トンネルの内部で行う作業の作業性を向上させることができる。
実施形態に係る飛散防止装置を用いた作業現場の一例を示す断面図である。 図1の作業現場を上から見た断面図である。 (a)は、図1の作業現場における合成セグメントの一部を示す図である。(b)は、図3(a)のセグメントの一部を示す平面図である。(c)は、図3(b)のA−A線断面を模式的に示す図である。 図1の作業現場におけるダクタイルセグメントの一部を模式的に示す断面図である。 図1の飛散防止装置を示す正面図である。 トンネルの軸線方向を含む平面に沿ったトンネルの断面における図1の飛散防止装置を示す側断面図である。 図1の飛散防止装置の一形態を示す図である。
以下では、図面を参照しながら本発明に係る飛散防止装置及び飛散防止方法の実施形態について詳細に説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
図1及び図2に示されるように、本実施形態に係る飛散防止装置1は、トンネルTの内部における粉塵の飛散を防止する装置である。トンネルTは、例えば、軌道T1及び第三軌条T2を備えた円弧状のシールドトンネルであり、軌道T1及び第三軌条T2は共にトンネルTの軸線方向D1に沿って延びている。一例として、トンネルTは地下鉄のトンネルであり、軌道T1は地下鉄の電車が通る線路である。第三軌条T2は、地下鉄の電車に対する給電用のサードレールであり、電車の集電靴が第三軌条T2を擦ることによって電車による集電が行われる。更に、トンネルTの内部には、第三軌条T2とは別の配線(図5の配線T4等)が軸線方向D1に沿うように設けられる。
トンネルTの内部における飛散防止装置1を用いた作業は、例えば、地下鉄の運行が終了してから運行が開始されるまでの深夜の時間帯に行われる。飛散防止装置1を用いたトンネルTの作業は、例えば、トンネルTの内周面T3のケレン作業であり、シールドトンネルの補修工事である。一例として、飛散防止装置1を用いたトンネルTの作業は、塩害対策且つトンネルTの長寿命化のために行われ、トンネルTの内周面T3にショットブラストを施して鉄面の錆を落とした後に、鉄面に錆止めを塗装して防錆対策を行う。
トンネルTは、図3(a)〜図3(c)及び図4に示されるように、土砂を押さえるセグメントとして合成セグメントG1とダクタイルセグメントG2(鋳鉄製)を含んでいる。トンネルTは、シールドマシンによってセグメントを組み立てていくシールド工法によって構築されており、セグメントを組み立てながらセグメントを基にシールドマシンを押し出して掘削を進めることによりトンネルTが構築されている。
合成セグメントG1は、鋼製のスキンプレートG11と、コンクリートG13とを含む。鋼製のスキンプレートG11は合成セグメントG1の内側表面に位置し、鉄筋がコンクリートG13に覆われている。スキンプレートG11はコンクリートG13に埋設されたジベル筋G12によって一体の構造となっている。ダクタイルセグメントG2は、鋳鉄(ダクタイル)製のセグメントである。ダクタイルセグメントG2は、トンネルTの周方向及び軸線方向D1に沿って配置される骨組みG21を備える。
図1及び図2に示されるように、トンネルTの作業は、軸線方向D1に沿って配置される2つの飛散防止装置1の間の作業空間Sにおいて行われる。作業空間Sには作業者M(図7参照)が入り込み、作業者Mによってショットブラスト等の作業が行われる。トンネルTの内周面T3にショットブラストを施す作業では、投射材である粒状体を内周面T3に衝突させるときに粉塵が発生する。本明細書において、「粉塵」は鉄、アルミ又はステンレス等によって構成されたブラスト材(投射材)を含んでおり、「粉塵の飛散を防止する」ことにはブラスト材等の飛散を防止することが含まれる。なお、ブラスト材は、再利用可能な投射材であってもよい。
軸線方向D1に沿って設けられる一対の飛散防止装置1は、作業空間Sにおいて発生した粉塵が作業空間Sの外部に飛散することを防止するために設けられる。一対の飛散防止装置1の間の距離(軸線方向D1の距離)は、例えば、5.5m以上且つ9m以下であり、作業空間Sの軸線方向D1の距離は3m程度であってもよい。一対の飛散防止装置1の間の距離が5.5m以上であることにより粉塵を薄めることができ、一対の飛散防止装置1の間の距離が9m以下であることにより施工後の粉塵の清掃を容易に行うことができる。
作業空間Sには、例えば、ショットブラストを行うときに用いられる足場A1が設けられ、足場A1は軌道T1に沿って移動可能な足場台車である。また、作業空間Sの外には粉塵を吸引する集塵機A8が配置される。また、足場A1の周囲では、軌道T1及び第三軌条T2等の軌道構造物を保護する養生を養生シートA2によって行い、更に養生シートA2の上に足場A1が設けられる。なお、図1では養生シートA2の図示を省略している。
養生シートA2は、例えば、一対の飛散防止装置1の間、及び各飛散防止装置1の下部に配置される。養生シートA2は、防炎シートであってもよい。養生シートA2は、研削材等の粉塵が入り込まないように軌道構造物の隅々にまで配置される。作業空間Sに1枚の養生シートA2が配置され、この養生シートA2の軸線方向D1の両側のそれぞれに別の養生シートA2が更に配置され、例えば、合計3枚の養生シートA2が配置される。養生シートA2は、ショットブラストによる粉塵を後で回収しやすくするために設けられたシートであり、作業中又は作業後に養生シートA2の上の粉塵をブラストマシンA4で吸引したり掃いたりすることによって粉塵を容易に回収することが可能となる。
3枚の養生シートA2の軸線方向D1の一方側には、作業台車A3、2台のブラストマシンA4を搭載したトロ台車A5、モーターカーA6及びトロ台車A7が設けられる。作業台車A3、ブラストマシンA4、トロ台車A5,A7及びモーターカーA6は、トンネルTの作業で用いられる作業機器である。作業台車A3は、例えば、塗装作業を行うために設けられる。例えば、作業台車A3、トロ台車A5,A7及びモーターカーA6は、軌道T1に沿って移動可能とされており、モーターカーA6によって軌道T1上を移動する。しかしながら、トンネルTの作業で用いられる作業機器は、作業台車A3、ブラストマシンA4、トロ台車A5,A7及びモーターカーA6に限定されず、適宜変更可能である。
前述したように、軸線方向D1に沿って一対に設けられる飛散防止装置1は、作業空間Sにおいて飛散する粉塵を遮蔽する遮蔽壁(エアーテント)である。飛散防止装置1は、空気の流入によって膨らむバルーン式遮蔽壁であり、内周面T3に密着することによって作業空間Sの外部への粉塵の飛散を防止する。なお、図1及び図2では、飛散防止装置1の図示を簡略化している。以下では、トンネルTの内部の構成について更に説明すると共に、飛散防止装置1の構成について説明する。
図5は、軸線方向D1に沿って飛散防止装置1を見た正面図である。図6は、軸線方向D1に沿ってトンネルTを切断したときの飛散防止装置1を示す断面図である。図7は、トンネルTに設置されている飛散防止装置1を示す斜視図である。図5〜図7に示されるように、トンネルTには、軌道T1、第三軌条T2、配線T4及び足場T5が適宜設けられる。第三軌条T2は、軌道T1の幅方向である方向D2における軌道T1の端部側に設けられる。配線T4は、第三軌条T2の方向D2の更に端部側に設けられる。足場T5は、内周面T3の方向D2の両端のそれぞれに設置される。例えば、配線T4側の足場T5の高さは、配線T4の反対側に位置する足場T5の高さよりも高い。
飛散防止装置1は、軸線方向D1に沿って移動する台車11と、台車11からトンネルTの高さ方向である方向D3に延びると共に内周面T3に密着して内周面T3の周方向に延びるバルーン20と、バルーン20から垂れ下がると共にトンネルTの断面を仕切るシート30とを備える。台車11は、例えば、軌道T1を走行するトロ台車である。一例として、台車11は、人力で移動可能な4輪の軽便トロであり、アルミ軽便トロであってもよい。
バルーン20は、樹脂製であり、例えばポリエステルシートによって構成されている。これにより、バルーン20の柔軟性、気密性及び耐久性を高めることが可能である。バルーン20は、台車11の上に固定されている。バルーン20は、トンネルTの内周面T3に沿って延びると共に内周面T3に密着する第1バルーン部21と、台車11から第1バルーン部21まで延びる第2バルーン部22とを備える。例えば、第1バルーン部21は円弧状に延びる円弧状バルーンであり、第1バルーン部21にはシート30が連結されている。シート30の第1バルーン部21への連結部31は、第1バルーン部21の周方向に沿って延びるように配置されている。また、第2バルーン部22は、台車11から鉛直上方に延びる縦型バルーンである。
シート30は、連結部31から下方に延びるように配置されてトンネルTの断面を覆うシート状の部材である。シート30は、例えば、メッシュ状に形成されていてもよい。シート30がメッシュ状に形成されていることにより、シート30がトンネルTの内部の空気流を通すと共に粉塵の通過を抑制することができる。なお、シート30は、メッシュを有しないシートであってもよく、例えば、ポリエチレン製の防炎シートであってもよい。また、シート30は、防音シート又は防臭シートであってもよい。この場合、シート30によって音又は臭いを遮断することが可能となる。
シート30の高さ(上下方向の長さ)は、トンネルTの断面の高さよりも高い(長い)。シート30の一部は第1バルーン部21から第2バルーン部22に沿って延びており、シート30の当該一部の下側は台車11に沿って曲げられる。シート30の台車11に沿った部分には錘12が設けられていてもよく、シート30は錘12と台車11の間に挟み込まれてもよい。また、シート30の下側は台車11以外の部分にも延びており、例えば、シート30は錘12と地面の間に挟み込まれてもよい。
シート30は方向D3に沿って延びる切れ目32を有しており、シート30の一部は簾状とされている。切れ目32は、作業者Mが作業空間Sに出入りするためのものである。また、切れ目32は、シート30に配線T4等を通すためのものでもあり、配線T4は切れ目32に軸線方向D1に通される。切れ目32に通された配線T4は、スポンジ等の衝撃吸収材35によって保護されてもよい。また、配線T4を通す切れ目32は、空気の逃げを抑制するために面ファスナー又はテープによって塞がれてもよい。
台車11は、バルーン20を固定する固定部13を備える。固定部13は、例えば、第2バルーン部22を囲んで支持するリング状とされている。一例として、固定部13は金属製である。第2バルーン部22は、空気が流入する内部空間22aを有し、内部空間22aに空気が流入されることによって例えば筒状に方向D3に延びる。第2バルーン部22の下部には第2バルーン部22の内部空間22aに空気を流入する1つの流入部22bが設けられ、流入部22bに送風機14(図1及び図2参照)を接続させることによって第2バルーン部22を膨らませることが可能である。送風機14は、一例として、100Vの送風機である。
第1バルーン部21は、第2バルーン部22の上端から左右に一対に延び出している。第1バルーン部21は、第2バルーン部22の内部空間22aに連通する内部空間21aを有する。よって、送風機14によって流入部22bから第2バルーン部22に空気が流入すると、第2バルーン部22と共に第1バルーン部21が膨らむ。第1バルーン部21はトンネルTの周方向に沿って並設される複数の縫い目21dを有し、複数の縫い目21dから空気が排出されている。なお、第1バルーン部21又は第2バルーン部22に空気を排出する排出弁が設けられてもよい。
第1バルーン部21は、第2バルーン部22に連続する大径部21bと、大径部21bから方向D2の両端のそれぞれに延びる小径部21cとを有する。なお、小径部21cは、大径部21bの方向D2の片側のみに設けられていてもよい。また、設備等が支障となる場合には大径部21bから小径部21cに鞘構造とすることも可能であり、本実施形態では、電気設備をかわすために小径部21cが設けられている。なお、設備の状況によっては小径部21cを省略してもよい。しかしながら、上記のように、第1バルーン部21の方向D2の両端の少なくともいずれかが小径部21cであることにより、配線T4の方向D2の端部側に第1バルーン部21を入り込ませることができる。なお、図5では、簡略化のため、大径部21b、小径部21c及び縫い目21dの図示を省略している。
第1バルーン部21は、トンネルTの周方向への長さを調整する第1長さ調整部21eを備える。第1長さ調整部21eは、例えば、第1バルーン部21の周方向の端部に設けられる。第1長さ調整部21eは、一例として蛇腹状とされており、トンネルTの周方向に伸縮可能とされている。第2バルーン部22は、方向D3への長さを調整する第2長さ調整部22cを備えており、第2長さ調整部22cは、例えば、第2バルーン部22の下端に設けられる。第2長さ調整部22cは、第1長さ調整部21eと同様に蛇腹状とされていてもよく、方向D3に伸縮可能とされている。なお、図7では、簡略化のため、第1長さ調整部21e及び第2長さ調整部22cの図示を省略している。
第1バルーン部21からは、第1バルーン部21の軸線方向D1の位置を定める展張ロープ33が延びている。なお、展張ロープ33は第2バルーン部22から延びていてもよい。展張ロープ33は、例えば、複数設けられており、予め第1バルーン部21に固定されている。展張ロープ33は、バルーン20の軸線方向D1の位置を決める位置決めロープであり、展張ロープ33の引っ張り具合を調整することによってバルーン20の位置の微調整が可能となる。展張ロープ33の一端33aは第1バルーン部21に固定されており、展張ロープ33は一端33aから軸線方向D1且つ鉛直下方に斜めに延びている。
展張ロープ33は、軸線方向D1且つ方向D2に斜めに延びていてもよい。展張ロープ33は、例えば、第1バルーン部21から軸線方向D1の両側に一対に延び出している。また、各展張ロープ33の他端33bは、例えば、軸線方向D1に引っ張られた状態で足場T5に固定される。このように、軸線方向D1の両側から展張ロープ33で第1バルーン部21を軸線方向D1に適度な力で引っ張ることにより、バルーン20の転倒が防止される。
第1バルーン部21には、第1バルーン部21をトンネルTの径方向内側から保持する保持部材34が設けられる。保持部材34は、例えば、第2バルーン部22の左右両側のそれぞれに一対に設けられ、一対の保持部材34が左右両側から第1バルーン部21を保持する。保持部材34は、例えば、第1バルーン部21から斜め下方に延びる棒状とされており、第1バルーン部21から台車11まで延びている。
一例として、保持部材34は、第1バルーン部21の大径部21bと小径部21cとの境目部分に押し当てられることによって第1バルーン部21を保持する。このように大径部21bと小径部21cとの境目部分に保持部材34を押し当てることにより、保持部材34を押し当てやすくすることができると共に、保持部材34による第1バルーン部21の保持を一層確実に行うことができる。
保持部材34は、第1バルーン部21に押し当てられる押し当て部34aと、押し当て部34aから斜め下方に延びる棒状部34bとを有する。押し当て部34aは、例えば、塩化ビニル等の硬いビニル素材で構成されており、すなわちビニル製である。押し当て部34aは、棒状部34bから左右両側に延びる一対の枠部34cを有し、一対の枠部34cが第1バルーン部21に下から押し当てられる。棒状部34bは、例えば鞘管構造を有しており、保持部材34の長さを調整可能となっている。棒状部34bの下端は、例えば、台車11の上面に設けられた筒状の固定部に固定されてもよい。
次に、本実施形態に係る飛散防止方法について説明する。本実施形態に係る飛散防止方法は、例えば、地下鉄のトンネルTの補修工事の一環として行われるため、以下では、トンネルTの補修工事の例についても説明を行う。地下鉄のトンネルTの補修工事は、地下鉄の運行が終了してから運行が開始されるまでの深夜の時間帯に行われる工事であり、例えば3時間程度で行う必要がある。
まず、図1及び図2に示されるように、トンネルTの補修工事で用いる作業機器の搬入を行う(搬入する工程)。このとき、トンネルTの内部空間において、3枚の養生シートA2を敷くと共に、作業台車A3、ブラストマシンA4を搭載したトロ台車A5、モーターカーA6及びトロ台車A7を軌道T1上で移動させて補修工事の対象となる現場に作業機器を搬入する。
上記のように作業機器の搬入を行うと共に、第1バルーン部21、第2バルーン部22、及びシート30を搭載した台車11をトンネルTの軸線方向D1に移動して現場に搬入する。このとき、2つの飛散防止装置1の台車11のそれぞれを軸線方向D1に沿って互いに離間するように配置する。この後、2つの飛散防止装置1の間において養生シートA2の上に足場A1を組むと共に、ブラストマシンA4を2つの飛散防止装置1の間に配置する(図示せず)。
次に、図5〜図7に示されるように、台車11の上の第2バルーン部22に空気を入れてバルーン20を膨らませる(膨らませる工程)。このとき、第2バルーン部22の流入部22bに送風機14を取り付けて送風機14から流入部22bを介して第2バルーン部22の内部空間22aに空気を送り込むことによって第1バルーン部21及び第2バルーン部22を膨らませる。流入部22bから第2バルーン部22の内部空間22aに送り込まれる空気の空気量は、例えば、一定でありショットブラスト等の作業中も継続して流入部22bから内部空間22aに空気が送り込まれる。
内部空間22a及び第1バルーン部21の内部空間21aに送り込まれた空気は、第1バルーン部21の縫い目21dから少量は排出されるが、第1バルーン部21及び第2バルーン部22は徐々に膨らみ、第1バルーン部21及び第2バルーン部22はトンネルTの内周面T3を押さえつけることが可能な程度の適度な硬さとなる。内部空間21aに送り込まれた空気は縫い目21dから適度に排出されるので、第1バルーン部21及び第2バルーン部22は、空気を入れ続けても適度な硬さに維持される。なお、流入部22bに空気を入れてから第1バルーン部21及び第2バルーン部22が適度な硬さになるまでの時間は例えば30秒程度である。
続いて、膨らんだ第2バルーン部22及び第1バルーン部21を立てて第1バルーン部21をトンネルTの周方向に沿うようにトンネルTの内周面T3に第1バルーン部21を接触する(内周面に接触する工程)。第1バルーン部21及び第2バルーン部22が十分に膨らんである程度硬くなると第1バルーン部21及び第2バルーン部22を持ち上げることが可能となり、持ち上げられた第1バルーン部21がトンネルTの内周面T3に押し付けられることによって第1バルーン部21は内周面T3に密着する。
このとき、保持部材34を設置して第1バルーン部21を保持部材34で下から押さえつける(保持部材を設置する工程)。具体的には、押し当て部34aの枠部34cを下から第1バルーン部21の大径部21bと小径部21cの境目部分に押し当てると共に、棒状部34bを台車11の上の固定部に固定する。また、展張ロープ33を引っ張って第1バルーン部21の軸線方向D1への位置決めを行う(位置決めを行う工程)。
具体的には、図6に示されるように、複数の展張ロープ33のうち、例えば、一方の展張ロープ33を軸線方向D1の一方側に引っ張り出すと共に、他方の展張ロープ33を軸線方向D1の他方側に引っ張り出す。そして、各展張ロープ33の引っ張り具合を調整して第1バルーン部21の位置の微調整を行い、位置の微調整が終わった後に各展張ロープ33の他端33bを足場T5に固定する。なお、展張ロープ33の他端33bは足場T5以外の場所に固定されてもよい。
そして、図5〜図7に示されるように、第1バルーン部21から下方に延び出すシート30によってトンネルTの断面を仕切る(トンネルの断面を仕切る工程)。このとき、シート30の切れ目32に配線T4等を通しつつ衝撃吸収材35によって配線T4を保護すると共に、シート30を第1バルーン部21から垂らしてトンネルTをシート30で塞ぐ。具体的には、シート30の端部をトンネルTの下部及び左右両端にテープ等で貼り付けたり、錘12を載せてシート30の端部を固定したりしてシート30でトンネルTを塞ぐ。このように、シート30でトンネルTを塞ぐことによって飛散防止装置1の設置が完了する。なお、作業機器の搬入から飛散防止装置1の設置までにかかる時間は例えば数十分である。
前述した膨らませる工程、内周面に接触する工程、及びトンネルの断面を仕切る工程は、2つの飛散防止装置1のそれぞれに対して行う。その結果、図1及び図2に示されるように、2つの飛散防止装置1のそれぞれにおいて、上記の各工程を経て各飛散防止装置1のシート30でトンネルTの断面を仕切ることにより、2つの飛散防止装置1の間に作業空間Sを形成する(作業空間を形成する工程)。
作業空間Sを形成した後は、作業空間Sにおいて内周面T3に対しブラストマシンによってショットブラストを行ってトンネルTの補修工事を実行する。補修工事が完了した後には、ショットブラスト等による粉塵を掃いたり吸い込んだりして粉塵を片付けて養生シートA2等を撤収する。そして、バルーン20への空気の流入を停止して第1バルーン部21及び第2バルーン部22の空気を抜いて飛散防止装置1を片付けた後に飛散防止装置1、作業台車A3、ブラストマシンA4を搭載したトロ台車A5、モーターカーA6及びトロ台車A7を撤収して一連の作業が完了する。この作業における作業機器の搬入、設置、作業及び撤収は例えば3時間程度で完了する。
次に、本実施形態に係る飛散防止装置1及び飛散防止方法から得られる作用効果について詳細に説明する。本実施形態に係る飛散防止装置1及び飛散防止方法は、図5〜図7に示されるように、トンネルTの内周面T3に接触すると共にトンネルTの周方向に沿って延びる第1バルーン部21と、第1バルーン部21を支持する第2バルーン部22とを備え、第1バルーン部21の内部空間21aと第2バルーン部22の内部空間22aとは連通している。従って、第1バルーン部21の内部空間21aに空気を供給することによって第1バルーン部21をトンネルTの内周面T3に密着させると共にシート30でトンネルTの断面を仕切ることにより、トンネルTの内部における粉塵の飛散を防止することができる。
また、本実施形態に係る飛散防止装置1は、トンネルTの軸線方向D1に沿って一対に設けられる。よって、一対に設けられる飛散防止装置1の間の空間を作業空間Sとすることにより、作業空間Sの内部において粉塵が飛散しても作業空間Sの外部に粉塵が飛散することを抑制することができる。従って、粉塵の飛散を抑制する飛散防止装置1を一対に設けることによって粉塵が飛散する作業を行う作業空間Sを迅速且つ確実に設置することができるので、作業性の向上に寄与する。
また、台車11から第1バルーン部21まで延びる第2バルーン部22に空気を供給することによって第1バルーン部21と第2バルーン部22との両方を一度に膨らませることができる。従って、短時間で第1バルーン部21及び第2バルーン部22を膨らませたり萎ませたりすることができるので、作業性を向上させることができる。また、飛散防止装置1は、トンネルTの軸線方向D1に移動する台車11から第1バルーン部21まで延びると共に第1バルーン部21を支持する第2バルーン部22と、第1バルーン部21に連結されるシート30とを備える。台車11、第2バルーン部22、第1バルーン部21及びシート30は、互いに連結されている。よって、第2バルーン部22、第1バルーン部21及びシート30が台車11に載せられた状態で台車11をトンネルTの軸線方向D1に移動させることができるので、飛散防止装置1の搬入及び撤去を容易に行うことができる。
従って、第1バルーン部21及び第2バルーン部22を膨らませる前、並びに第1バルーン部21及び第2バルーン部22を萎ませた後に、飛散防止装置1全体を台車11に載せてトンネルTの軸線方向D1に移動させることができる。その結果、飛散防止装置1の各部品の搬入及び撤収を短時間で行うことができるため、トンネルTの内部で行う作業の作業性を向上させることができる。
また、飛散防止装置1は、第1バルーン部21及び第2バルーン部22のいずれかから延びると共に、第1バルーン部21の軸線方向D1への移動を押さえる展張ロープ33を備える。従って、展張ロープ33によってトンネルTの内周面T3に密着させた第1バルーン部21の軸線方向D1への移動を抑制することができる。また、展張ロープ33を引っ張ることによって第1バルーン部21の位置の微調整を容易に行うことができるので、第1バルーン部21を設置する作業の作業性を向上させることができる。
また、飛散防止装置1は、第1バルーン部21の長さを調整する第1長さ調整部21eと、第2バルーン部22の長さを調整する第2長さ調整部22cと、を備える。従って、現場に応じて第1バルーン部21又は第2バルーン部22の長さを調整することができるので、異なるトンネルにも飛散防止装置1を用いることができ飛散防止装置1の汎用性を高めることができる。
また、シート30は、メッシュ状に形成されていてもよい。ところで、トンネルTの内部では、換気のため送風が行われており、この送風によって第1バルーン部21、第2バルーン部22及びシート30は、軸線方向D1に流れる空気流を受ける。上記のようにシート30がメッシュ状に形成されている場合、軸線方向D1に流れる空気流を逃がすことができるので、空気流による軸線方向D1への力を受け流すことができる。よって、第1バルーン部21、第2バルーン部22及びシート30が空気流によって傾くことをより確実に抑制することができる。なお、シート30がメッシュ状に形成されていなくても、切れ目32を有するシート30であれば、上記と同様の効果が得られる。
また、飛散防止装置1は、シート30を挟んで固定する錘12を備える。よって、錘12でシート30を挟んで固定することにより、軸線方向D1に流れる空気流等によってシート30がばたつくことを抑制することができる。従って、粉塵の飛散をより確実に防止することができる。
また、展張ロープ33の一端33aは、第1バルーン部21に固定され、展張ロープ33の他端33bは、第1バルーン部21を軸線方向D1に引っ張った状態で固定される。よって、展張ロープ33の一端33aが第1バルーン部21に固定されることにより、展張ロープ33の位置を安定させることができる。また、展張ロープ33の他端33bが第1バルーン部21を軸線方向D1に引っ張った状態で固定されることにより、第1バルーン部21の軸線方向D1への傾きをより確実に抑えることができる。
また、本実施形態に係る飛散防止方法において、前述した移動する工程では、図1及び図2に示されるように、2つの飛散防止装置1の台車11のそれぞれを軸線方向D1に沿って互いに離間するように配置し、膨らませる工程、内周面に接触する工程、及びトンネルの断面を仕切る工程を経て2つの飛散防止装置1のシート30のそれぞれでトンネルTの断面を仕切ることにより、2つの飛散防止装置1の間に作業空間Sを形成する工程を備える。
よって、2つの飛散防止装置1の間に作業空間Sを形成することにより、作業空間Sから粉塵が漏れることを抑制することができる。従って、作業空間Sの内部において粉塵が出る作業を行うことができる。また、2つの飛散防止装置1のそれぞれの搬入及び撤収を短時間で行うことができるため、作業空間Sの形成及び撤去を短時間で行うことができる。
以上、本発明に係る飛散防止装置及び飛散防止方法の実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、飛散防止装置の各部の構成、並びに、飛散防止方法の各工程の内容及び順序は、前述の実施形態の内容に限られず適宜変更可能である。
例えば、前述の実施形態では、錘12によってシート30を止める例について説明したが、錘12に代えて、例えばテープによってシート30を止めてもよい。すなわち、シート30の固定手段は適宜変更可能である。
また、前述の実施形態では、円弧状バルーンである第1バルーン部21、及び縦型バルーンである第2バルーン部22を備える飛散防止装置1について説明した。しかしながら、第1バルーン部及び第2バルーン部の形状、大きさ及び数は適宜変更可能である。例えば、1本の縦型バルーンである第2バルーン部22に代えてY字状を成す複数の第2バルーン部を備えていてもよいし、W字状の第2バルーン部を備えていてもよい。
また、前述の実施形態では、トンネルTの軸線方向D1に移動する台車11に第1バルーン部21、第2バルーン部22及びシート30が載せられる例について説明した。しかしながら、第1バルーン部21、第2バルーン部22及びシート30を搬入及び搬出する手段は、台車11に限定されず適宜変更可能である。例えば、トロ台車A5に第1バルーン部21、第2バルーン部22及びシート30を積んで移動し、トロ台車A5から降ろして床面に第1バルーン部21、第2バルーン部22及びシート30を置いて飛散防止装置1の設置を行ってもよい。
また、前述の実施形態では、第1長さ調整部21eを備える第1バルーン部21、及び第2長さ調整部22cを備える第2バルーン部22について説明した。しかしながら、第1バルーン部及び第2バルーン部のいずれかのみが長さ調整部を備えていてもよい。また、長さ調整部を省略してもよく、予め長さに余裕をもった第1バルーン部及び第2バルーン部を備えていてもよい。
また、前述の実施形態では、合成セグメントG1及びダクタイルセグメントG2を備えるトンネルTについて説明したが、合成セグメント及びダクタイルセグメントの構成は適宜変更可能である。また、本発明は、合成セグメント及びダクタイルセグメントを有しないトンネルにも適用可能である。
また、前述の実施形態では、軌道T1及び第三軌条T2を備えた円弧状のシールドトンネルであるトンネルTについて説明したが、トンネルの構成も適宜変更可能である。例えば、トンネルの形状は、円弧状でなくてもよく、放物線状又は矩形状等、他の形状であってもよい。また、トンネルは、地下鉄のトンネルでなくてもよく、山岳トンネル等であってもよい。更に、トンネルは、軌道T1を有しないトンネルであってもよく、例えば、自動車が通るトンネルであってもよい。このように、本発明は、種々のトンネルに対して適用可能である。
1…飛散防止装置、11…台車、12…錘、13…固定部、14…送風機、20…バルーン、21…第1バルーン部、21a…内部空間、21b…大径部、21c…小径部、21d…縫い目、21e…第1長さ調整部、22…第2バルーン部、22a…内部空間、22b…流入部、22c…第2長さ調整部、30…シート、31…連結部、32…切れ目、33…展張ロープ、33a…一端、33b…他端、34…保持部材、34a…押し当て部、34b…棒状部、34c…枠部、35…衝撃吸収材、A1…足場、A2…養生シート、A3…作業台車、A4…ブラストマシン、A5,A7…トロ台車、A6…モーターカー、A8…集塵機、D1…軸線方向、D2,D3…方向、G1…合成セグメント、G2…ダクタイルセグメント、G11…スキンプレート、G12…ジベル筋、G13…コンクリート、G21…骨組み、M…作業者、S…作業空間、T…トンネル、T1…軌道、T2…第三軌条、T3…内周面、T4…配線、T5…足場。

Claims (10)

  1. トンネルの内周面に接触すると共に前記トンネルの周方向に沿って延びる第1バルーン部と、
    前記第1バルーン部を支持し、前記第1バルーン部の内部空間と連通する内部空間を有する第2バルーン部と、
    前記第1バルーン部に連結されており前記トンネルの断面を仕切るシートと、
    を備え、
    前記トンネルの軸線方向に沿って一対に設けられる、
    飛散防止装置。
  2. 前記トンネルの軸線方向に移動すると共に前記第1バルーン部、前記第2バルーン部及び前記シートを搭載する台車を備え、
    前記第2バルーン部は、前記台車から前記第1バルーン部まで延びている、
    請求項1に記載の飛散防止装置。
  3. 前記第1バルーン部及び前記第2バルーン部のいずれかから延びると共に、前記第1バルーン部の前記トンネルの軸線方向への移動を抑える展張ロープを備える、
    請求項1又は2に記載の飛散防止装置。
  4. 前記第1バルーン部の長さを調整する第1長さ調整部と、
    前記第2バルーン部の長さを調整する第2長さ調整部と、
    を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の飛散防止装置。
  5. 前記シートは、メッシュ状に形成されている、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の飛散防止装置。
  6. 前記シートを挟んで固定する錘を備える、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の飛散防止装置。
  7. 前記展張ロープの一端は、前記第1バルーン部に固定され、
    前記展張ロープの他端は、前記第1バルーン部を前記軸線方向に引っ張った状態で固定される、
    請求項3に記載の飛散防止装置。
  8. 第1バルーン部、第2バルーン部及びシートを備えた飛散防止装置を用いて粉塵の飛散を防止する飛散防止方法であって、
    前記第1バルーン部、前記第2バルーン部及び前記シートをトンネルの軸線方向に移動する工程と、
    前記第2バルーン部に空気を入れて前記第2バルーン部及び前記第1バルーン部を膨らませる工程と、
    膨らんだ前記第2バルーン部及び前記第1バルーン部を立てて前記第1バルーン部を前記トンネルの周方向に沿うように前記トンネルの内周面に接触する工程と、
    前記シートで前記トンネルの断面を仕切る工程と、
    を備え、
    前記飛散防止装置が前記トンネルの軸線方向に沿って一対に設けられる、
    飛散防止方法。
  9. 前記移動する工程では、前記第1バルーン部、前記第2バルーン部及び前記シートを搭載した台車を前記トンネルの軸線方向に移動する、
    請求項8に記載の飛散防止方法。
  10. 前記移動する工程では、2つの前記飛散防止装置のそれぞれを前記軸線方向に沿って互いに離間するように配置し、
    前記膨らませる工程、前記内周面に接触する工程、及び前記トンネルの断面を仕切る工程を経て2つの前記飛散防止装置の前記シートのそれぞれで前記トンネルの断面を仕切ることにより、2つの前記飛散防止装置の間に作業空間を形成する工程を備える、
    請求項8又は9に記載の飛散防止方法。
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