JP2019182917A - 付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数種の蛍光体を均一に混じり合った状態で沈降させることができ、発光効率が良好であり、常に所定の発光色を得ることができる付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置を提供する。【解決手段】1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(B)と、付加反応に必要な硬化触媒(C)と、下記式(1)で表わされ、重量平均分子量が80,000以下であるオルガノポリシロキサン(D)と、(HO)R2SiO−(SiR2O)n−SiR2(OH)(1)(式中、Rは同種または異種の一価炭化水素基であり、nはn≧0を満たす整数である。)から成ることを特徴とする付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物及びこれで封止された光半導体装置である。【選択図】なし
Description
本発明は、比重の異なる複数種の蛍光体を分散させたのち、均一に混じり合った状態で沈降させて硬化する付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物及びこの硬化物によって光半導体素子が封止された光半導体装置に関する。
従来、光半導体素子が樹脂で封止された光半導体装置である発光ダイオード(LED)は、1種または複数種の蛍光体を付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物に分散させ、光半導体素子を該組成物によって封止し硬化させることで、光半導体素子から発せられる青色光等と、蛍光体がこれらの光を吸収して発する光とを組み合わせて白色光や必要とする色を得ている。
複数種の蛍光体を分散させる付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物としては、使用前に蛍光体の沈降を抑制でき、光半導体素子が封止された複数の光半導体装置を作製したときに、得られた複数の光半導体装置から発せられる光の色のばらつきが生じ難い光半導体装置用封止剤として、下記特許文献1の請求項1に示される特定の化学式(1)で表され、かつアリール基及びアルケニル基を有する第1のオルガノポリシロキサン(但し、珪素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンを除く)と、同特定の化学式(51)で表され、かつアリール基及び珪素原子に結合した水素原子を有する第2のオルガノポリシロキサンと、ヒドロシリル化反応用触媒とを含み、前記第2のオルガノポリシロキサンの全構造単位100モル%中、ジフェニルシロキサン構造単位の割合が30モル%以上である、光半導体装置用封止剤が提案されている(特許文献1)。
また、耐熱性、耐光性に優れ、時間の経過に伴う蛍光体の沈降・凝集が抑制された、蛍光体が均一に分散した蛍光体含有シリコーン系組成物として、アルケニル基および/またはヒドロシリル基を有するポリシロキサン(a)、(a)成分とヒドロシリル化反応可能なヒドロシリル基またはアルケニル基を有する化合物(b)、および必要に応じてアルケニル基またはヒドロシリル基を1分子中に1個有する有機ケイ素化合物(a’)、とを蛍光体の存在下でヒドロシリル化反応することにより得られることを特徴とする蛍光体含有シリコーン系組成物が提案されている(特許文献2)
しかしながら、特許文献1に係る光半導体装置用封止剤や特許文献2に係る蛍光体含有シリコーン系組成物は、蛍光体が均一に混合され分散された状態で封止剤又は組成物が硬化した場合は、発光素子からの光により発熱した蛍光体が実装基板より離れているため、実装基板を介しての放熱が難しく、実装基板に仮に放熱性に優れた金属基板を使用しても同様に十分な放熱が難しく、結果として発熱した蛍光体により発光効率が低下するという課題がある。また、蛍光体が均一に混合され分散されているといっても封止剤又は組成物を熱硬化させる際の温度上昇過程において、該封止剤又は組成物の樹脂粘度が低下し僅かな蛍光体の沈降が起こる場合がある。これは封止剤又は組成物の粘度が高粘度であっても同様であり、この場合、硬化後のLEDの色の均一性が十分でない、という課題がある。
また、特許文献1に係る光半導体装置用封止剤においては、複数種の蛍光体をまず分散させ、次に沈降させた状態で封止剤を硬化させると、複数種の蛍光体が比重の異なる蛍光体である場合、比重の重い蛍光体が下層に多く沈降し、逆に比重の軽い蛍光体は上層に多く留まる場合があって、複数種の蛍光体が不均一に分散された状態となり、所定の発光色が得られない場合があるという課題がある。
本発明が解決しようとする課題は、複数種の蛍光体を沈降させた状態で、封止剤である付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を硬化させることにより、発光効率が良好であり、また比重の異なる複数種の蛍光体を配合し、組成物を加熱等することにより該複数種の蛍光体を沈降させても、複数種の蛍光体を均一に混じり合った状態で沈降させることができ、常に所定の発光色を得ることができる付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物及びこの硬化物で光半導体素子が封止されている光半導体装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、
1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(B)と、
付加反応に必要な硬化触媒(C)と、
下記式(1)で表わされ、重量平均分子量が80,000以下であるオルガノポリシロキサン(D)と、
(HO)R2SiO−(SiR2O)n−SiR2(OH) (1)
(式中、Rは同種または異種の一価炭化水素基であり、nはn≧0を満たす整数である。)
から成ることを特徴とする付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、
1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(B)と、
付加反応に必要な硬化触媒(C)と、
下記式(1)で表わされ、重量平均分子量が80,000以下であるオルガノポリシロキサン(D)と、
(HO)R2SiO−(SiR2O)n−SiR2(OH) (1)
(式中、Rは同種または異種の一価炭化水素基であり、nはn≧0を満たす整数である。)
から成ることを特徴とする付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
また、請求項2記載の発明は、
オルガノポリシロキサン(D)は、オルガノビニルポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)の合計100重量部に対して0.1〜15重量部であることを特徴とする請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
オルガノポリシロキサン(D)は、オルガノビニルポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)の合計100重量部に対して0.1〜15重量部であることを特徴とする請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
また、請求項3記載の発明は、さらに2種類以上の蛍光体(E)を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
また、請求項4記載の発明は、前記蛍光体(E)は、少なくとも比重4.0以上の蛍光体(E1)と比重4.0未満の蛍光体(E2)を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を提供する。
また請求項5記載の発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物で光半導体素子が封止されていることを特徴とする光半導体装置を提供する。
本発明の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、加熱硬化する際に、複数種の比重の異なった蛍光体が均一に混じり合った状態で沈降して実装基板に接した状態で硬化する効果があり、発光素子からの光により発熱する蛍光体の熱は実装基板を介して効率よく放熱される効果がある。このため結果として本発明の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物によって封止された光半導体装置は発光効率が高い、という効果がある。また、沈降した蛍光体は例え比重が異なっていても均一に混合された状態で硬化しているため、常に所定の発光色を得ることができ、得られる光にばらつきが無い、という効果がある。
以下、本発明に係る付加反応硬化型樹脂組成物について具体的に説明する。
<オルガノビニルポリシロキサン(A)>
本発明に使用するオルガノビニルポリシロキサン(A)は、1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、該アルケニル基はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などの炭素−炭素二重結合である。該オルガノポリシロキサン(A)は例えば主鎖がジオルガノシロキサンの繰返し単位であり、末端がトリオルガノシロキサン構造であるものが例示され、分岐や環状構造を有するものであってもよい。末端や繰返し単位中のケイ素に結合するオルガノ基としてはメチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。具体例としては、両末端にビニル基を有するメチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。
本発明に使用するオルガノビニルポリシロキサン(A)は、1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有し、該アルケニル基はビニル基、アリル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ブテニル基、イソブテニル基、ヘキセニル基などの炭素−炭素二重結合である。該オルガノポリシロキサン(A)は例えば主鎖がジオルガノシロキサンの繰返し単位であり、末端がトリオルガノシロキサン構造であるものが例示され、分岐や環状構造を有するものであってもよい。末端や繰返し単位中のケイ素に結合するオルガノ基としてはメチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。具体例としては、両末端にビニル基を有するメチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。
<オルガノ水素ポリシロキサン(B)>
本発明に使用するオルガノ水素ポリシロキサン(B)は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する。珪素原子に結合している水素原子の含有量は1.0mmol/g〜20.0mmol/gであることが好ましく、1.0mmol/g以上であると硬化性がよくなり、硬さも得やすくなる。水素原子の含有量が20.0mmol/g超であると、硬化物表面にタックが生じやすくなる。良好な硬さを得るためには水素原子含有比率が1.5mmol/g以上であることがより好ましい。タックを生じ難くするためには水素原子含有量は10.0mmol/g未満であることがより好ましい。珪素原子に結合するオルガノ基としては、メチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。該オルガノ水素ポリシロキサンは、例えば直鎖状または分岐鎖状、であってもよく、具体例としては、メチルフェニル水素ポリシロキサンが挙げられる。
本発明に使用するオルガノ水素ポリシロキサン(B)は、1分子中に少なくとも2個のSiH基を含有する。珪素原子に結合している水素原子の含有量は1.0mmol/g〜20.0mmol/gであることが好ましく、1.0mmol/g以上であると硬化性がよくなり、硬さも得やすくなる。水素原子の含有量が20.0mmol/g超であると、硬化物表面にタックが生じやすくなる。良好な硬さを得るためには水素原子含有比率が1.5mmol/g以上であることがより好ましい。タックを生じ難くするためには水素原子含有量は10.0mmol/g未満であることがより好ましい。珪素原子に結合するオルガノ基としては、メチル基、エチル基、フェニル基などが例示される。該オルガノ水素ポリシロキサンは、例えば直鎖状または分岐鎖状、であってもよく、具体例としては、メチルフェニル水素ポリシロキサンが挙げられる。
<付加反応に必要な硬化触媒(C)>
付加反応に必要な硬化触媒(C)は、上記(A)成分と上記(B)成分のヒドロシリル化反応を促進させるために添加され、ヒドロシリル化反応の触媒活性を有する公知の金属、金属化合物、金属錯体などを用いることができる。特に白金、白金化合物、それらの錯体を用いることが好ましい。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、助触媒を併用してもよい。硬化触媒(C)の配合量は組成物全体に対して0.1ppm〜1000ppmとすることが好ましく、より好ましくは0.5〜200ppmであり、さらにより好ましくは1〜50ppmである。
付加反応に必要な硬化触媒(C)は、上記(A)成分と上記(B)成分のヒドロシリル化反応を促進させるために添加され、ヒドロシリル化反応の触媒活性を有する公知の金属、金属化合物、金属錯体などを用いることができる。特に白金、白金化合物、それらの錯体を用いることが好ましい。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、助触媒を併用してもよい。硬化触媒(C)の配合量は組成物全体に対して0.1ppm〜1000ppmとすることが好ましく、より好ましくは0.5〜200ppmであり、さらにより好ましくは1〜50ppmである。
<オルガノポリシロキサン(D)>
本発明に使用するオルガノポリシロキサン(D)は、下記式(1)で表わされ、重量平均分子量が80,000以下である。
(HO)R2SiO−(SiR2O)n−SiR2(OH) (1)
(式中、Rは同種または異種の一価炭化水素基であり、nはn≧0を満たす整数である。)
重量平均分子量とは、ゲル浸透クオマトグラフィーにより測定される値をいい、重量平均分子量が80,000超では、2種以上の蛍光体を含ませた場合に、該蛍光体が均一に分散しないか、加熱硬化時に沈降しても均一に混合された状態でない場合がある。
本発明に使用するオルガノポリシロキサン(D)は、下記式(1)で表わされ、重量平均分子量が80,000以下である。
(HO)R2SiO−(SiR2O)n−SiR2(OH) (1)
(式中、Rは同種または異種の一価炭化水素基であり、nはn≧0を満たす整数である。)
重量平均分子量とは、ゲル浸透クオマトグラフィーにより測定される値をいい、重量平均分子量が80,000超では、2種以上の蛍光体を含ませた場合に、該蛍光体が均一に分散しないか、加熱硬化時に沈降しても均一に混合された状態でない場合がある。
オルガノポリシロキサン(D)の配合量は、上記オルガノビニルポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)の合計100重量部に対して0.1〜15重量部であることが好ましく、0.1重量部未満では、2種以上の蛍光体を含ませた場合に該蛍光体が均一に分散しないか、加熱硬化時に沈降しても均一に混合された状態でない場合がある。15重量部超では組成物が硬化した際の硬度が低くなり耐熱性が低下し、またオルガノビニルポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)との相溶性が低下して組成物が硬化した際の光透過率が低下する場合がある。
<2種類以上の蛍光体(E)>
本発明に使用する2種類以上の蛍光体(E)は、例えば黄色蛍光体としては、Y3(Al,Ga)5O12;Ce、(Y,Gd)3Al5O12;Ce等のYAG系蛍光体、Tb3Al5O12;Ce等のTAG系蛍光体、CaGa2S4;Eu等の硫化物系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)2SiO4;Eu等のシリケート系蛍光体、Ca−α−Sialon;Eu等のオキシナイトライド系蛍光体が挙げられ、緑色蛍光体としては、SrGa2S4;Eu、(Ba,Sr)2SiO4;Eu、Ca3Sc2Si3O12;Ce、CaSc2O4;Ce、β−Sialon;Eu、(Sr,Ba)Si2O2N2;Eu、Ba3Si6O12N2;Eu等が挙げられ、赤色蛍光体としては(Ca,Sr)2Si5N8;Eu、CaAlSiN3;Eu等のナイトライド系蛍光体、(Sr,Ca)S;Eu、(Sr,Ba)3SiO5;Eu、K2SiF6;Mn等が挙げられ、青色蛍光体としては、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2;Eu、(Ba,Sr)MgAl10O17;Eu、SrSi9Al19ON31;Eu、(Sr,Ba)3MgSi2O8;Eu等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら蛍光体は2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。2種類以上の蛍光体を用いることでLEDの演色性が向上する。
本発明に使用する2種類以上の蛍光体(E)は、例えば黄色蛍光体としては、Y3(Al,Ga)5O12;Ce、(Y,Gd)3Al5O12;Ce等のYAG系蛍光体、Tb3Al5O12;Ce等のTAG系蛍光体、CaGa2S4;Eu等の硫化物系蛍光体、(Sr,Ca,Ba)2SiO4;Eu等のシリケート系蛍光体、Ca−α−Sialon;Eu等のオキシナイトライド系蛍光体が挙げられ、緑色蛍光体としては、SrGa2S4;Eu、(Ba,Sr)2SiO4;Eu、Ca3Sc2Si3O12;Ce、CaSc2O4;Ce、β−Sialon;Eu、(Sr,Ba)Si2O2N2;Eu、Ba3Si6O12N2;Eu等が挙げられ、赤色蛍光体としては(Ca,Sr)2Si5N8;Eu、CaAlSiN3;Eu等のナイトライド系蛍光体、(Sr,Ca)S;Eu、(Sr,Ba)3SiO5;Eu、K2SiF6;Mn等が挙げられ、青色蛍光体としては、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(PO4)6Cl2;Eu、(Ba,Sr)MgAl10O17;Eu、SrSi9Al19ON31;Eu、(Sr,Ba)3MgSi2O8;Eu等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。これら蛍光体は2種以上を任意の比率及び組み合わせで用いることができる。2種類以上の蛍光体を用いることでLEDの演色性が向上する。
比重が4.0以上の蛍光体(E1)としては、例えば黄色蛍光体のY3(Al,Ga)5O12;Ceが、また比重が4.0未満の蛍光体(E2)としては、例えば赤色蛍光体のCaAlSiN3;Euがある。
本組成物には、その他任意の成分として、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、エチニルシクロヘキサノール等のアルキンアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエンイン化合物;1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラヘキセニルシクロテトラシロキサン、1,3ジビニルテトラメチルジシロキサン等の脂肪族不飽和結合を有する化合物、ベンゾトリアゾール等の反応抑制剤を含有してもよい。この反応抑制剤は硬化性を抑制しない程度の含有量として(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して0.0001〜1重量部の範囲内であることが好ましい。
また、本組成物には、その接着性を向上させるために接着性付与剤を含有してもよい。この接着性付与剤としては、エポキシ基またはアルコキシ基含有有機ケイ素化合物、またはそれらの縮合物を用いても良い。このアルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基が例示され、特に、メトキシ基であることが好ましい。また、この有機ケイ素化合物のケイ素原子に結合するアルコキシ基以外の基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン置換アルキル基等の置換もしくは非置換の一価炭化水素基;3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基等のグリシドキシアルキル基;2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基等のエポキシシクロヘキシルアルキル基;4−オキシラニルブチル基、8−オキシラニルオクチル基等のオキシラニルアルキル基等のエポキシ基含有一価有機基;3−メタクリロキシプロピル基等のアクリル基含有一価有機基;水素原子が例示される。またこの有機ケイ素化合物は前記(A)成分又は(B)成分と反応し得る基を有することが好ましく、具体的には、ケイ素原子結合アルケニル基またはケイ素原子結合水素原子を有することが好ましい。また、各種の基材に対して良好な接着性を付与できることから、この有機ケイ素化合物は一分子中に少なくとも1個のエポキシ基含有一価有機基を有するものであることが好ましい。
また、本組成物には、さらに耐熱性を向上させるために酸化防止剤を含有してもよい。この酸化防止剤としては一般的に使用されているものを用いる事ができる。例えばヒンダートフェノール系の他、リン系、ヒンダートアミン系、チオエーテル系酸化防止剤が挙げられる。この酸化防止剤の含有量として(A)成分と(B)成分と(C)成分の合計100重量部に対して0.0001〜1重量部の範囲内であることが好ましい。
また本組成物には発明の目的を損なわない程度に、その他任意成分として粘度調整、硬さ調整のために炭酸カルシウム、硅砂、タルク、カーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン、二酸化ケイ素、メラミン等の無機充填材を含有してもよく、有機充填材、硬化樹脂の補強のためにガラス繊維等の補強材、軽量化及び粘度調整などのためにシラスバルーン、ガラスバルーン等の中空体を添加できる。その他、酸化防止剤、有機顔料、蛍光顔料、腐食防止剤などを適宜使用することができる。
本発明の請求項5に記載の光半導体装置は、上記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物により光半導体(LED)等の光半導体素子が封止されている光半導体装置である。
次に、本発明である付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物について、実施例及び比較例により詳細に説明する。
<実施例及び比較例>
オルガノビニルポリシロキサン(A)として、末端MVi単位で封止され、Q単位を有する重量平均分子量3,900の分岐鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A1)と、末端MVi単位で封止され、重量平均分子量69,000の直鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A2)と、末端MVi単位で封止され、重量平均分子量35,000の直鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A3)を使用し、オルガノ水素ポリシロキサン(B)として、末端MH単位で封止され、Q単位を有する重量平均分子量1,600の分岐鎖状ジメチル水素ポリシロキサン(B1)(水素原子の含有量は7mmol/g)を使用し、付加反応に必要な硬化触媒(C)として、白金−ビニルダイマー錯体(白金含有量12重量%)を使用し、オルガノポリシロキサン(D)として、重量平均分子量が760であるヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサン(D1)と、重量平均分子量が1,600であるヒドロキシ末端ジメチルジフェニルポリシロキサン(D2)と、重量平均分子量が850であるヒドロキシ末端ジメチルビニルポリシロキサン(D3)と、重量平均分子量が91,000であるヒドロキシ末端ジメチルビニルポリシロキサン(D4)を使用し、比重4.0以上の蛍光体(E1)としてセリウムドープイットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体(Y3(Al,Ga)5O12;Ce、比重:4.5、粒子径:体積によるメジアン径(D50):17.0μm)を、比重4.0未満の蛍光体(E2)として、ユーロピウムドープカルシウム・アルミニウム・シリコンナイトライド蛍光体(CaAlSiN3;Eu、比重:3.2、粒子径:体積によるメジアン径(D50):18.1μm)を使用し、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールを使用し、表1に示す配合にて均一に混合し、実施例1乃至実施例4及び比較例1乃至比較例4の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を得た。なお、上記略号はそれぞれ以下の構造式で表される。
オルガノビニルポリシロキサン(A)として、末端MVi単位で封止され、Q単位を有する重量平均分子量3,900の分岐鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A1)と、末端MVi単位で封止され、重量平均分子量69,000の直鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A2)と、末端MVi単位で封止され、重量平均分子量35,000の直鎖状ジメチルビニルポリシロキサン(A3)を使用し、オルガノ水素ポリシロキサン(B)として、末端MH単位で封止され、Q単位を有する重量平均分子量1,600の分岐鎖状ジメチル水素ポリシロキサン(B1)(水素原子の含有量は7mmol/g)を使用し、付加反応に必要な硬化触媒(C)として、白金−ビニルダイマー錯体(白金含有量12重量%)を使用し、オルガノポリシロキサン(D)として、重量平均分子量が760であるヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサン(D1)と、重量平均分子量が1,600であるヒドロキシ末端ジメチルジフェニルポリシロキサン(D2)と、重量平均分子量が850であるヒドロキシ末端ジメチルビニルポリシロキサン(D3)と、重量平均分子量が91,000であるヒドロキシ末端ジメチルビニルポリシロキサン(D4)を使用し、比重4.0以上の蛍光体(E1)としてセリウムドープイットリウム・アルミニウム・ガーネット蛍光体(Y3(Al,Ga)5O12;Ce、比重:4.5、粒子径:体積によるメジアン径(D50):17.0μm)を、比重4.0未満の蛍光体(E2)として、ユーロピウムドープカルシウム・アルミニウム・シリコンナイトライド蛍光体(CaAlSiN3;Eu、比重:3.2、粒子径:体積によるメジアン径(D50):18.1μm)を使用し、反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノールを使用し、表1に示す配合にて均一に混合し、実施例1乃至実施例4及び比較例1乃至比較例4の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を得た。なお、上記略号はそれぞれ以下の構造式で表される。
MVi単位:(CH3)2(CH2=CH)SiO1/2
MH単位:(CH3)2HSiO1/2
Q単位:SiO4/2
MH単位:(CH3)2HSiO1/2
Q単位:SiO4/2
<評価項目及び評価方法>
<蛍光体の均一沈降性>
表1の配合にて均一に混合した組成物を、混合後23℃にて15時間静置し、その後150℃4時間加熱し硬化物を得る。該硬化物の断面を光学顕微鏡(倍率20倍)で観察し、配合した蛍光体(E1)と蛍光体(E2)が均一に沈降しているかどうかを評価した。均一に沈降しているものを○、そうでないものを×と評価した。
表1の配合にて均一に混合した組成物を、混合後23℃にて15時間静置し、その後150℃4時間加熱し硬化物を得る。該硬化物の断面を光学顕微鏡(倍率20倍)で観察し、配合した蛍光体(E1)と蛍光体(E2)が均一に沈降しているかどうかを評価した。均一に沈降しているものを○、そうでないものを×と評価した。
<硬度(ショアA)>
各付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を150℃4時間で硬化させ、厚み6mmの試験体を作製した。JIS K6253−3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ)に準拠し、タイプAデュロメータを用いて23℃において硬度(ショアA)を測定した。
各付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を150℃4時間で硬化させ、厚み6mmの試験体を作製した。JIS K6253−3(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ)に準拠し、タイプAデュロメータを用いて23℃において硬度(ショアA)を測定した。
<全光線透過率>
表1の配合から蛍光体(E1)及び蛍光体(E2)を除いた各付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を150℃4時間で金型により硬化させ、厚み2mmの試験体を作製し、該試験体をヘイズメーター(株式会社東洋精機製作所)を用いてD65光源における全光線透過率(%)を測定した。
表1の配合から蛍光体(E1)及び蛍光体(E2)を除いた各付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を150℃4時間で金型により硬化させ、厚み2mmの試験体を作製し、該試験体をヘイズメーター(株式会社東洋精機製作所)を用いてD65光源における全光線透過率(%)を測定した。
<評価結果>
評価結果を表2に示す。
評価結果を表2に示す。
Claims (5)
- 1分子中にSiH基と反応する珪素結合アルケニル基を少なくとも2個有するオルガノビニルポリシロキサン(A)と、
1分子中に少なくとも2個のSiH基を有するオルガノ水素ポリシロキサン(B)と、
付加反応に必要な硬化触媒(C)と、
下記式(1)で表わされ、重量平均分子量が80,000以下であるオルガノポリシロキサン(D)と、
(HO)R2SiO−(SiR2O)n−SiR2(OH) (1)
(式中、Rは同種または異種の一価炭化水素基であり、nはn≧0を満たす整数である。)
から成ることを特徴とする付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物。 - オルガノポリシロキサン(D)は、オルガノビニルポリシロキサン(A)とオルガノ水素ポリシロキサン(B)の合計100重量部に対して0.1〜15重量部であることを特徴とする請求項1記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物。
- さらに2種類以上の蛍光体(E)を含むことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物。
- 前記蛍光体(E)は、少なくとも比重4.0以上の蛍光体(E1)と比重4.0未満の蛍光体(E2)を含有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物の硬化物で光半導体素子が封止されていることを特徴とする光半導体装置。
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JP2018070994A JP2019182917A (ja) | 2018-04-02 | 2018-04-02 | 付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物及び光半導体装置 |
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