JP2019182731A - セラミックス複合体の製造方法、セラミックス複合体及び発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】発光強度が高いセラミックス複合体の製造方法、セラミックス複合体及び発光装置を提供する。【解決手段】下記式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、酸化アルミニウム粒子とを混合した成形体を準備することと、1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で前記成形体を一次焼成し、第一の焼結体を得ることを含む、セラミックス複合体の製造方法。MwLn1xAyNz(I)(式(I)中、Mは、Ce及びPrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Ln1は、Sc、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、Si及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、w、x、y及びzは、0<w≦1.0、2.5≦x≦3.5、5.5≦y≦6.5、10≦z≦12を満たす数である。)【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」ともいう。)やレーザーダイオード(Laser Diode、以下「LD」ともいう。)から発せられた光を異なる波長を有する光へ変換するセラミックス複合体の製造方法、セラミックス複合体及び発光装置に関する。
LEDやLDの発光素子を用いる発光装置は、変換効率の高い光源であり、消費電力が少なく、長寿命であり、サイズの小型化が可能であることから、白熱電球や蛍光灯に代わる光源として利用されている。LEDやLDを用いた発光装置は、車載用や室内照明用の発光装置、液晶表示装置のバックライト光源、イルミネーション、プロジェクター用の光源装置などの広範囲の分野で利用されている。なかでも発する発光素子と蛍光体を組み合わせて、それらの混色光を放出する発光装置が広く利用されている。
このような発光装置に用いられる蛍光体として、例えば(Y,Gd,Tb,Lu)(Al,Ga)12:Ceで表される希土類アルミン酸塩蛍光体、(Sr,Ca,Ba)SiO:Euで表されるシリケート蛍光体、LnSi11:Ce(Lnは賦活剤以外の希土類元素)で表される窒化物蛍光体等の無機蛍光体が知られている。このような無機蛍光体を含むセラミックス複合体として、例えば、フッ化物無機バインダと無機蛍光体粉末とを焼結させたセラミックス複合体が開示されている(特許文献1)。
国際公開第2016/117623号
しかしながら、特許文献1に開示されたセラミックス複合体は、フッ化物がバインダとなっているため、熱伝導率が悪く、発光強度が低いことが懸念される。
そこで本発明の一態様は、発光強度が高いセラミックス複合体の製造方法、セラミックス複合体及び発光装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、下記化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、酸化アルミニウム粒子とを混合した成形体を準備することと、1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で前記成形体を一次焼成し、第一の焼結体を得ることを含む、セラミックス複合体の製造方法である。
本発明の第二の態様は、下記化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、酸化アルミニウムを含み、前記窒化物蛍光体と前記酸化アルミニウムの合計量に対して前記窒化物蛍光体の含有量が0.1質量%以上70質量%以下である、セラミックス複合体である。
化学式(I)中、Mは、Ce及びPrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Lnは、Sc、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、Si及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、w、x、y及びzは、0<w≦1.0、2.5≦x≦3.5、5.5≦y≦6.5、10≦z≦12を満たす数である。
本発明の第三の態様は、前記セラミックス複合体と、350nm以上500nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子を含む、発光装置である。
本発明の態様によれば、発光強度が高いセラミックス複合体の製造方法、セラミックス複合体及び発光装置を提供することができる。
図1は、本開示の第一の実施形態に係るセラミックス複合体の製造方法の工程順序を示すフローチャートである。 図2は、本開示の第一の実施形態に係り、好ましいセラミックス複合体の製造方法の工程順序示すフローチャートである。 図3は、実施例3に係るセラミックス複合体の外観写真である。 図4は、実施例13に係るセラミックス複合体の外観写真である。 図5は、比較例4に係るセラミックス複合体の外観写真である。 図6は、実施例15から20及び比較例5に係るセラミックス複合体を用いた発光装置の温度と相対発光強度の関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るセラミックス複合体の製造方法及びセラミックス複合体を実施形態に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下のセラミックス複合体の製造方法及びセラミックス複合体に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。
本発明の第一の実施形態に係るセラミックス複合体の製造方法は、下記化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、酸化アルミニウム粒子と、を混合した成形体を準備することと、1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で前記成形体を一次焼成し、第一の焼結体を得ることを含む。
化学式(I)中、Mは、Ce及びPrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Lnは、Sc、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、Si及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、w、x、y及びzは、0<w≦1.0、2.5≦x≦3.5、5.5≦y≦6.5、10≦z≦12を満たす数である。
本発明の第一の実施形態に係るセラミックス複合体の製造方法は、前記成形体を準備する工程において、下記化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を混合した成形体を準備してもよい。
化学式(II)中、Lnは、Y、Gd、Lu及びTbからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b及びcは、0<a≦0.022、0≦b≦0.4、0<c≦1.1、0.9≦b+c≦1.1を満たす数である。
本発明の第一の実施形態に係る製造方法よって、成形体に含まれる酸化アルミニウム粒子が一次焼成によって融着され、セラミックス複合体の母材を形成する。酸化アルミニウムは、例えば酸化チタニウム又は酸化ジルコニウム等の他の酸化物に比べて、1250℃を超える比較的高温で焼成することが可能である。また、酸化アルミニウムは、熱による組織変化を受け難く、酸化アルミニウムの組成中から放出された酸素と、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体中の窒素が反応し難いため、窒化物蛍光体の発光に影響を及ぼす欠陥などが生じにくく、発光強度の高いセラミックス複合体が得られると推測される。また、酸化アルミニウム粒子の表面が融着可能な温度で一次焼成して第一の焼結体を得ているため、窒化物蛍光体の欠陥の生成を抑制して、酸化アルミニウムの母材中に窒化物蛍光体、又は、窒化物蛍光体及び希土類アルミン酸塩蛍光体が含まれる第一の焼結体を得ることができる。得られた第一の焼結体は、母材が熱伝導率の高い酸化アルミニウムによって形成されているため、熱伝導率が高く、また、熱による悪影響を蛍光体へ与えることが少ない。化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体、又は、前記窒化物蛍光体及び化学式(II)で表される希土類アルミン酸塩蛍光体は、酸化アルミニウム粒子の表面が融着して形成された母材中に含まれるため、湿度や大気中の酸化による劣化を抑制することができる。なお、酸化アルミニウムは、酸化アルミニウムの種類によっても異なるが、熱伝導率が30W/m・k以上40W/m・k以下の範囲であり、高い熱伝導率を有する。一方、フッ化カルシウムは熱伝導率が9.7W/m・k程度であり、フッ化マグネシウムは熱伝導率が0.3W/m・k程度であり、酸化ジルコニウムは熱伝導率が3.0W/m・k程度である。酸化アルミニウムは、前記フッ化物よりも熱伝導率が高い。
窒化物蛍光体
窒化物蛍光体は、化学式(I)で表される組成を有し、化学式(I)において、元素Mは好ましくはCeである。化学式(I)において、変数wは、元素Mのモル比を表す。本明細書において、化学式における「モル比」とは、化学式で表される化学組成1モル中の各元素のモル比を表す。化学式(I)において、変数wは、0を超えて1.0以下(0<w≦1.0)であり、好ましくは0.001以上0.9以下(0.001≦w≦0.9)、より好ましくは0.002以上0.8以下(0.002≦w≦0.8)、さらに好ましくは0.003以上0.7以下(0.003≦w≦0.7)を満たす数である。
化学式(I)で表される組成において、元素Lnは、好ましくはLa、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Er、及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、より好ましくはLa、Eu、Gd、Tb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。化学式(I)において、変数xは、元素Lnのモル比を表す。化学式(I)において、変数xは、2.5以上3.5以下(2.5≦x≦3.5)であり、好ましくは2.6以上3.4以下(2.6≦x≦3.4)、より好ましくは2.7以上3.3以下(2.7≦x≦3.3)を満たす数である。
化学式(I)で表される組成において、元素Aは、好ましくはSiである。化学式(I)で表される組成において、変数yは、元素Aのモル比を表す。化学式(I)において、変数yは、5.5以上6.5以下(5.5≦y≦6.5)であり、好ましくは5.6以上6.4以下(5.6≦y≦6.4)、より好ましくは5.7以上6.3以下(5.7≦y≦6.3)、さらに好ましくは5.8以上6.2以下(5.8≦y≦6.2)を満たす数である。また、化学式(I)において、窒素(N)のモル比を表す変数zは、好ましくは10.5以上11.5以下(10.5≦z≦11.5)を満たす数である。
化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体は、その中心粒径が、2μm以上100μm以下の範囲であることが好ましい。化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の中心粒径は、より好ましくは3μm以上50μm以下の範囲であり、さらに好ましくは5μm以上30μm以下の範囲である。前記窒化物蛍光体の中心粒径が2μm以上であると、前記窒化物蛍光体を成形体に略均一に分散させることができる。前記窒化物蛍光体の中心粒径が100μm以下であると、第一の焼結体の空隙が少なくなるので発光強度を高くすることができる。本明細書において、窒化物蛍光体の中心粒径とは、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の粒度分布における小径側からの体積累積頻度が50%に達する粒径(メジアン径)をいう。レーザー回折散乱式粒度分布測定法には、例えばレーザー回折式粒度分布測定装置(MASTER SIZER(マスターサイザー)3000、MALVERN社製)を用いて測定することができる。
成形体を準備する工程において、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体は、成形体100質量%に対して、好ましくは0.1質量%以上70質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上50質量%以下、さらに好ましくは0.8質量%以上40質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以上30質量%以下の割合で使用する。化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体は、粉体であることが好ましい。成形体100質量%に対して、前記窒化物蛍光体の割合が0.1質量%以上70質量%以下であると、発光強度の高いセラミックス複合体を得ることができる。成形体100質量%に対して、前記窒化物蛍光体の割合を0.1質量%以上にすることにより、窒化物蛍光体の含有量を多くすることができ、発光強度の高いセラミックス複合体を得ることができる。また、成形体100質量%に対して、前記窒化物蛍光体の割合が70質量%以下であると、相対的に酸化アルミニウム粒子を多くすることができ、第一の焼結体の母材を構成する酸化アルミニウムの量を多くし第一の焼結体の密度を大きくし、機械的な強度を高めることができる。また、前記窒化物蛍光体の割合が70質量%以下であると、セラミックス複合体中の体積当たりの窒化物蛍光体の粉体の割合を少なくし、例えば所望の色調及び発光強度を得るために、セラミックス複合体の厚さを所定の厚みとして、所望の強度を得ることができ、取り扱いやすい利点がある。セラミックス複合体中の窒化物蛍光体の質量割合(質量%)は、成形体100質量%又は混合粉体100質量%における、窒化物蛍光体の配合割合(質量%)と同じである。
化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の他に、後述する化学式(II)で表される希土類アルミン酸塩蛍光体を成形体又はセラミックス複合体に含む場合には、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体の含有量は、好ましくは15質量%以上であり、より好ましくは20質量%以上であり、100質量%であってもよく、99質量%以下でもよい。前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体の含有量が15質量%以上であれば、例えば150℃以上の高温の環境で使用した場合であっても、発光強度の低下を抑制し、高い発光強度を維持したセラミックス複合体が得られる。前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対する前記窒化物蛍光体の量は、混合粉体、この混合粉体を成形した成形体、又は、成形体を焼成した第一の焼結体若しくは第二の焼結体で変化せず、混合粉体若しくは成形体中の配合割合(質量%)と同じである。
酸化アルミニウム粒子
酸化アルミニウム粒子は、酸化アルミニウムの純度が99.0質量%以上であることが好ましく、より好ましくは酸化アルミニウムの純度が99.5質量%以上である。成形体中に、酸化アルミニウムの純度が99.0質量%以上である酸化アルミニウム粒子が含まれると、酸化アルミニウム粒子に含まれる有機物や水分などが少なく、酸化アルミニウム粒子と窒化物蛍光体との反応が抑制され、得られる第一の焼結体及び第二の焼結体の透明性が高くなり、発光強度を高くすることができ、良好な熱伝導率を有するセラミックス複合体を得ることができる。市販の酸化アルミニウム粒子を用いた場合には、酸化アルミニウムの純度は、カタログに記載された酸化アルミニウムの純度の値を参照することができる。酸化アルミニウム粒子の酸化アルミニウムの純度が不明である場合には、酸化アルミニウム粒子の質量を測定した後、酸化アルミニウム粒子を800℃で1時間、大気雰囲気で焼成し、酸化アルミニウム粒子に付着している有機分や酸化アルミニウム粒子が吸湿している水分を除去し、焼成後の酸化アルミニウム粒子の質量を測定し、焼成後の酸化アルミニウム粒子の質量を焼成前の酸化アルミニウム粒子の質量で除すことによって、酸化アルミニウムの純度を測定することができる。酸化アルミニウムの純度は、例えば、以下の計算式(1)によって算出することができる。
酸化アルミニウム粒子は、その平均粒径が好ましくは0.1μm以上1.5μm以下の範囲であり、より好ましくは0.2μm以上1.2μm以下の範囲であり、さらに好ましくは0.3μm以上1.1μm以下の範囲である。酸化アルミニウム粒子の平均粒径が前記範囲であると、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と酸化アルミニウム粒子を均一に混合して成形体を形成することができ、この成形体を一次焼成して空隙が少なく密度の高い焼結体を含むセラミックス複合体を製造することができる。本明細書において、酸化アルミニウム粒子の平均粒径とは、フィッシャーサブシーブサイザー(Fisher sub-sieve sizer、以下「FSSS」ともいう。)法により測定した平均粒径(Fisher sub-sieve sizer’s number)をいう。
セラミックス複合体中の蛍光体と酸化アルミニウム粒子の合計量100質量%に対する酸化アルミニウム粒子の割合は、蛍光体を除く残部であり、好ましくは30質量%以上99.9質量%以下である。セラミックス複合体中の酸化アルミニウムの質量割合(質量%)は、蛍光体と酸化アルミニウムの合計量を100質量%とした場合に、蛍光体と酸化アルミニウム粒子とを混合した混合粉体中又は混合粉体を成形した成形体中の酸化アルミニウム粒子の配合割合(質量%)と同じである。
酸化アルミニウム粒子を構成する酸化アルミニウムの種類は、特に限定されない。酸化アルミニウムは、結晶構造が異なる酸化アルミニウムを用いてもよく、γ−酸化アルミニウム、δ−酸化アルミニウム、θ−酸化アルミニウム、α−酸化アルミニウムのいずれも用いることができる。酸化アルミニウムは、入手しやすく、蛍光体と酸化アルミニウム粒子を混合しやすく、成形体を形成しやすいため、α−酸化アルミニウムを用いることが好ましい。
希土類アルミン酸塩蛍光体
希土類アルミン酸塩蛍光体は、化学式(II)で表される組成を有する。化学式(II)で表される組成において、Lnで表される元素は、Y、Gd、Lu及びTbからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、式(II)で表される組成中に2種以上の元素Lnが含まれていてもよい。式(II)で表される組成において、Lnは、より好ましくはY、Gd及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素である。
化学式(II)で表される組成において、変数aはCeの賦活量を表し、変数aと3の積はCeのモル比を表す。化学式(II)において、変数aは、好ましくは0を超えて0.022以下(0<a≦0.022)、より好ましくは0.0001以上0.020以下(0.0001≦a≦0.020)、さらに好ましくは0.0002以上0.015以下(0.0002≦a≦0.015)、さらにより好ましくは0.0002以上0.012以下(0.0002≦a≦0.012)、特に好ましくは0.0003以上0.012以下(0.0003≦a≦0.012)を満たす数である。化学式(II)において、Ceの賦活量である変数aの数値が、0であると発光中心となる元素が結晶構造中に存在せず発光しない。変数aの数値が0.022を超えると、賦活元素の量が多すぎて濃度消光が起こり、発光強度が低下する傾向がある。
化学式(II)において、変数bは、Alに代わって希土類アルミン酸塩蛍光体中に含まれるGaの量を表し、変数bと5の積はGaのモル比を表す。化学式(II)において、所望の粒径及び色調に波長変換するために、変数bは、0.00001以上0.35以下(0.001×10−2≦b≦0.35)を満たす数であってもよく、0.00005以上0.30以下(0.005×10−2≦b≦0.30)を満たす数であってもよい。
化学式(II)において、変数cは、希土類アルミン酸塩蛍光体中に含まれるAlの量を表し、変数cと5の積はAlのモル比を表す。化学式(II)において、結晶構造の安定性のため、変数cは、好ましくは0.5以上1.1以下(0.5≦c≦1.1)、より好ましくは0.6以上1.0以下(0.6≦c≦1.0)である。変数bと変数cの和(b+c)は、好ましくは0.9以上1.1以下(0.9≦b+c≦1.1)であり、より好ましくは0.95以上1.10(0.95≦b+c≦1.10)を満たす数である。
希土類アルミン酸塩蛍光体の中心粒径は好ましくは15μm以上40μm以下の範囲であり、より好ましくは17μm以上40μm以下の範囲であり、さらに好ましくは18μm以上40μm以下の範囲であり、よりさらに好ましくは19μm以上35μm以下の範囲であり、特に好ましくは20μm以上30μm以下の範囲である。これにより、希土類アルミン酸塩蛍光体が含まれる場合にセラミックス複合体に入射された光を効率よく波長変換することができ、発光強度を高くすることができる。また、セラミックス複合体中に蛍光体を均等に配置することができる。希土類アルミン酸塩蛍光体の中心粒径は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法によって測定した小径側からの体積累積頻度が50%に達する粒径(メジアン径)をいう。セラミックス複合体は、例えば酸化アルミニウム粒子の表面を融着させて、酸化アルミニウムによって母材を形成し、粒界が明らかに確認できる状態で希土類アルミン酸塩蛍光体を酸化アルミニウムの母材中に含有させることができる。
成形体を準備する工程において、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体及び化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体の合計は、成形体100質量%に対して、好ましくは0.2質量%以上80質量%以下、より好ましくは0.5質量%以上75質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上70質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以上70質量%以下の割合で使用する。前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体は、粉体であることが好ましい。成形体100質量%に対して、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の割合が0.2質量%以上80質量%以下であると、発光強度の高いセラミックス複合体を得ることができ、例えば150℃以上の高温下でセラミックス複合体を使用した場合であっても、発光強度の低下を抑制し、高い発光強度を維持することができる。
セラミックス複合体の製造方法
図1は、第一の実施形態に係るセラミックス複合体の製造方法の工程順序の一例を示すフローチャートである。図1を参照にしてセラミックス複合体の製造方法の工程を説明する。セラミックス複合体の製造方法は、成形体準備工程S102と、一次焼成工程S103とを含む。セラミックス複合体の製造方法は、成形体準備工程S102の前に、粉体混合工程S101を含んでいてもよく、一次焼成工程S103の後に、加工工程S104を含んでいてもよい。
粉体混合工程
粉体混合工程では、成形体を構成する粉体として、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の粉体と、必要に応じて化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体と、酸化アルミニウム粒子とを混合する。粉体の混合は、乳鉢及び乳棒を用いて混合することができる。粉体の混合には、ボールミルなどの混合媒体を用いて混合してもよい。また、粉体の混合を行いやすくし、さらに混合後の粉体を成形しやすくするために、成形助剤を用いてもよい。成形助剤は、水又はエタノールが挙げられる。成形助剤は、後の焼成工程において揮発しやすいものであるものが好ましい。成形助剤を用いなくてもよい。成形助剤を加える場合は、粉体100質量部に対して、成形助剤が10質量部以下であることが好ましく、より好ましくは8質量部以下、さらに好ましくは5質量部以下である。
成形体準備工程
成形体準備工程では、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、必要に応じて化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体と、酸化アルミニウム粒子とを含む粉体を、所望の形状に成形し、成形体を得る。成形体の成形方法は、粉体をプレスして成形するプレス成形法や、粉体を含むスラリーを調製し、スラリーから成形体を得るスラリー成形法など知られている方法を採用することができる。プレス成形法としては、例えば金型プレス成形法、冷間等方圧加圧法(CIP:Cold Isostatic Pressing、以下、「CIP処理」ともいう。)などが挙げられる。成形方法は、成形体の形状を整えるために、2種の方法を採用してもよく、金型プレス成形をした後に、CIP処理を行ってもよい。CIP処理では、水を媒体として成形体をプレスすることが好ましい。
金型プレス成形時の圧力は、好ましくは5MPaから50MPaであり、より好ましくは5MPaから20MPaである。金型プレス成形時の圧力が前記範囲であれば、成形体を所望の形状に整えることができる。
CIP処理における圧力は、好ましくは50MPaから250MPaであり、より好ましくは100MPaから200MPaである。CIP処理における圧力が前記範囲であると、成形体の密度を高め、全体が略均一な密度を有する成形体を得ることができ、後の一次焼成工程及び二次焼成工程において、得られる焼結体の密度を高めることができる。
一次焼成工程
一次焼成工程は、成形体を1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で一次焼成し、第一の焼結体を得る工程である。一次焼成工程において、成形体に含まれる化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、必要に応じて含まれる化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体と、酸化アルミニウム粒子との焼結密度を高めることによって、相対密度の高い第一の焼結体を得ることができる。また、一次焼成工程において焼結密度を高め、相対密度の高い第一の焼結体を得ることによって、二次焼成を行う場合に、二次焼成によって第二の焼結体の相対密度をより高めることができる。一次焼成工程によって得られる第一の焼結体は、相対密度が80%以上と高い場合には、後述する二次焼成工程によって、相対密度がより高い第二の焼結体を得ることができる。一次焼成工程によって得られる第一の焼結体からなるセラミックス複合体は、励起光の照射によって所望の発光ピーク波長を有する光を発し、セラミックス複合体として用いることができる。また、一次焼成の温度や第一の焼結体中の前記窒化物蛍光体の含有量によっては、後述する熱間等方圧加圧処理(HIP:Hot Isostatic Pressing、以下「HIP処理」ともいう。)による二次焼成によって第一の焼結体に含まれる閉空孔(クローズドポア)が潰れるとともに、第一の焼結体中に含まれる窒化物蛍光体が一部分解、蒸散して第二の焼結体に開空孔(オープンポア)が生成される場合もあり、第一の焼結体の方が第二の焼結体よりも密度が高くなる場合もある。
一次焼成の温度は、1250℃以上1600℃以下の範囲である。一次焼成の温度が前記範囲であると、酸化アルミニウム粒子の表面が融着し、窒化物蛍光体の結晶構造が分解されることなく、第一の焼結体の相対密度を高めることができる一次焼成の温度が1250℃未満であると、焼成温度が低く、酸化アルミニウム粒子の表面が溶融して酸化アルミニウム粒子同士が融着しないため、空隙が生成されやすく、第一の焼結体の相対密度を高めることができない。一次焼成の温度が1600℃を超えると、成形体中で、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と酸化アルミニウム粒子とが反応し、前記窒化物蛍光体の結晶構造が分解されて、得られる第一の焼結体は、励起光を照射しても発光しない。一次焼成の温度は、窒化物蛍光体の結晶構造を分解することなく、相対密度を高めるために、好ましくは1300℃以上℃以上1550℃以下の範囲であり、より好ましくは1300℃以上1500℃以下の範囲であり、さらに好ましくは1350℃以上1450℃以下の範囲である。必要に応じて含まれる化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体は、一次焼成の温度が1600℃を超える場合であっても、酸化アルミニウム粒子と反応することはない。焼結体の中の前記希土類アルミン酸塩蛍光体は、酸化アルミニウム粒子が溶融して、酸化アルミニウム粒子が融着して構成される母材中に、酸化アルミニウム粒子とは粒界によって区別される状態で含有される。
一次焼成は、加圧や荷重をかけずに非酸化性雰囲気のもとで焼成を行う雰囲気焼結法、非酸化性雰囲気のもと加圧下で焼成を行う雰囲気加圧焼結法、ホットプレス焼結法、放電プラズマ焼結法(SPS:Spark Plasma Sintering)が挙げられる。
一次焼成は、窒素ガスを含む雰囲気のもとで行なうことが好ましい。窒素ガスを含む雰囲気は、少なくとも99体積%以上の窒素を含む雰囲気である。窒素ガスを含む雰囲気中の窒素は、99体積%以上であることが好ましく、より好ましくは99.5体積%以上である。窒素ガスを含む雰囲気中には、窒素の他に、酸素等の微量のガスが含まれていてもよいが、窒素ガスを含む雰囲気中の酸素の含有量は、1体積%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5体積%以下、さらに好ましくは0.1体積%以下、よりさらに好ましくは0.01体積%以下、特に好ましくは0.001体積%以下である。一次焼成の雰囲気が窒素ガスを含む雰囲気であると、一次焼成における化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の結晶構造の劣化が抑制され、結晶構造を維持した前記窒化物蛍光体及び必要に応じて前記希土類アルミン酸塩蛍光体を含む第一の焼結体を得ることができる。
一次焼成の雰囲気圧力は、ゲージ圧として、0.2MPa以上2.0MPa以下であることが好ましく、0.8MPa以上1.0MPa以下であることがより好ましい。化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体は高温になるほど分解し易くなるが、一次焼成を上記雰囲気圧力で行うことにより、前記窒化物蛍光体の分解がより抑制されて、高い発光強度を有する第一の焼結体が得られる。
一次焼成の時間は、雰囲気圧力に応じて適宜選択すればよい。熱処理の時間は、例えば0.5時間以上20時間以下であり、1時間以上10時間以下が好ましい。
図2は、第一の実施形態に係り、好ましいセラミックス複合体の製造方法の工程順序の一例を示すフローチャートである。本発明の第一の実施形態に係り好ましいセラミックス複合体の製造方法は、成形体準備工程S202と、一次焼成工程S203を含み、さらに二次焼成工程S204を含むことが好ましい。好ましいセラミックス複合体の製造方法は、成形体準備工程S202の前に、粉体混合工程S201を含んでいてもよく、二次焼成工程S204の後に、セラミックス複合体を加工する加工工程S205を含んでいてもよい。
二次焼成工程
二次焼成工程は、第一の焼結体をHIP処理により1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で二次焼成し、第二の焼結体を得る工程である。二次焼成工程において、HIP処理により、第一の焼結体に含有される空隙をより少なくし、第二の焼結体の密度を高めることができる。HIP処理により得られる密度の高い第二の焼結体は、透明性がより高くなる。二次焼成工程によって得られる第二の焼結体からなるセラミックス複合体は、より焼結体の密度を高めることができ、励起光の照射によって所望の発光ピーク波長を有する光を発し、セラミックス複合体として用いることができる。
二次焼成の温度は、1250℃以上1600℃以下の範囲であることが好ましい。二次焼成の温度が1250℃以上1600℃以下の範囲であると、窒化物蛍光体の結晶構造を分解することなく、第一の焼結体の相対密度をより高めることができる。二次焼成の温度は、好ましくは1280℃以上1580℃以下の範囲であり、より好ましくは1300℃以上1570℃以下の範囲であり、さらに好ましくは1320℃以上1550℃以下の範囲であり、よりさらに好ましくは1350℃以上1500℃以下の範囲である。
二次焼成は、不活性ガス雰囲気のもとで行なうことが好ましい。不活性ガス雰囲気とは、アルゴン、ヘリウム、窒素等を雰囲気中の主成分とする雰囲気を意味する。ここでアルゴン、ヘリウム、窒素等を雰囲気中の主成分とするとは、雰囲気中に、アルゴン、ヘリウム及び窒素からなる群から選択される少なくとも1種の気体を50体積%以上含むことをいう。不活性ガス雰囲気中の酸素の含有量は、1体積%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5体積%以下、さらに好ましくは0.1体積%以下、よりさらに好ましくは0.01体積%以下、特に好ましくは0.001体積%以下である。不活性ガス雰囲気は、一次焼成における窒素ガスを含む雰囲気と同様の雰囲気であってもよく、窒素ガスを含む雰囲気中に含まれる窒素ガスの含有量は、好ましくは99体積%以上、より好ましくは99.5体積%以上である。二次焼成の雰囲気が不活性ガス雰囲気であると、二次焼成における化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の結晶構造の劣化が抑制され、結晶構造を維持した前記窒化物蛍光体及び必要に応じて化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む第二の焼結体を得ることができる。
二次焼成を行うHIP処理における圧力は、好ましくは50MPa以上300MPa以下であり、より好ましくは80MPa以上200MPa以下である。HIP処理における圧力が前記範囲であると、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の結晶構造を劣化させることなく、焼結体の全体を均一に、より高い密度にすることができる。
二次焼成をHIP処理の時間は、例えば0.5時間以上20時間以下であり、1時間以上10時間以下が好ましい。
加工工程
セラミックス複合体の製造方法において、得られた第二の焼結体からなるセラミックス複合体を加工する加工工程を含んでいてもよい。加工工程は、得られたセラミックス複合体を所望の大きさに切断加工する工程等が挙げられる。セラミックス複合体の切断方法は、公知の方法を利用することができ、例えば、ブレードダイシング、レーザーダイシング、ワイヤーソー等が挙げられる。これらのうち、切断面が高精度に平らになる点からワイヤーソーが好ましい。加工工程によって、所望の厚さや大きさのセラミックス複合体を得ることができる。セラミックス複合体の厚さは特に制限されないが、機械的強度や波長変換効率を考慮して、好ましくは1μm以上1mm以下の範囲、より好ましくは10μm以上800μm以下、さらに好ましくは50μm以上500μm以下、よりさらに好ましくは100μm以上400μm以下の範囲である。
第一の焼結体の相対密度
第一の実施形態のセラミックス複合体の製造方法において、一次焼成工程において得られる第一の焼結体は、相対密度が、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは91%以上、特に好ましくは92%以上である。第一の焼結体の相対密度は100%であってもよく、第一の焼結体の相対密度は、99%以下であるか、98%以下である。第一の焼結体の相対密度が80%以上であることによって、一次焼成後の二次焼成においてさらに第二の焼結体の密度を高めることができ、得られるセラミックス複合体の空隙が少なくなり、空隙内での光の散乱が抑制されるため、発光強度の高いセラミックス複合体を製造することができる。
本明細書において第一の焼結体の相対密度とは、第一の焼結体の真密度に対する第一の焼結体の見掛け密度により算出される値をいう。相対密度は、下記計算式(2)により算出される。
第一の焼結体の真密度は、成形体100質量%に対して、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の質量割合(以下、「窒化物蛍光体の質量割合(質量%)」ともいう。)に前記窒化物蛍光体の真密度を乗じて得られた値と、酸化アルミニウム粒子の質量割合(以下、「酸化アルミニウムの質量割合(質量%)」ともいう。)に酸化アルミニウム粒子の真密度を乗じて得られた値との和である。第一の焼結体の真密度は、下記式(3−1)により算出される。
第一の焼結体に、更に化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を含む場合には、第一の焼結体の真密度は、成形体100質量%に対して、窒化物蛍光体の質量割合(質量%)に前記窒化物蛍光体の真密度を乗じて得られた値と、必要に応じて含まれる化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体の質量割合(以下、「希土類アルミン酸塩蛍光体の質量割合(質量%)」ともいう。)に前記希土類アルミン酸塩蛍光体の真密度を乗じて得られた値と、酸化アルミニウムの質量割合(質量%)に酸化アルミニウム粒子の真密度を乗じて得られた値との和である。第一の焼結体の真密度は、下記計算式(3−2)より算出される。
第一の焼結体の見掛け密度は、第一の焼結体の質量をアルキメデス法によって求められる第一の焼結体の体積で除した値をいう。第一の焼結体の見掛け密度は、下記計算式(4)により算出される。
第二の焼結体の相対密度
二次焼成後に得られる第二の焼結体は、相対密度が、好ましくは90%以上、より好ましくは91%以上、さらに好ましくは92%以上、よりさらに好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。第二の焼結体からなるセラミックス複合体の相対密度が90%以上であることによって、セラミックス複合体の空隙が少なくなり、発光強度を高くすることができる。また、第二の焼結体の相対密度が90%以上であることによって、例えば加工工程において、加工を行っても欠けたりすることなく、加工した第二の焼結体からなるセラミックス複合体を得ることができる。第二の焼結体の相対密度は100%であってもよく、第二の焼結体の相対密度は、99.9%以下であるか、99.8%以下である。
本明細書において第二の焼結体の相対密度とは、第二の焼結体の真密度に対する第二の焼結体の見掛け密度により算出される値をいう。セラミックス複合体は、第二の焼結体からなるものであり、セラミックス複合体の相対密度は、第二の焼結体の相対密度と同じである。相対密度は、下記計算式(5)により算出される。
第二の焼結体の真密度の算出方法は、第一の焼結体の真密度と同様の方法によって算出される。第二の焼結体の真密度は、第一の焼結体の真密度と同じ値である。
第二の焼結体の見掛け密度は、第二の焼結体の質量をアルキメデス法によって求められる第二の焼結体の体積で除した値をいう。第二の焼結体の見掛け密度は、下記計算式(6)により算出される。
得られる第一の焼結体又は第二の焼結体からなるセラミックス複合体は、励起光の照射によって所望の発光ピーク波長を有する光を発することができ、セラミックス複合体として用いることができる。相対密度が90%以上の第一の焼結体又は第二の焼結体からなるセラミックス複合体は、相対発光強度を高くすることができ、光変換効率を高くすることができる。
セラミックス複合体
セラミックス複合体は、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、必要に応じて化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体と、酸化アルミニウムとを含み、化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の含有量が0.1質量%以上70質量%以下である。セラミックス複合体中の化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の含有量が0.1質量%以上70質量%以下であると、セラミックス複合体の相対密度を高くすることができ、発光強度が高く、所望の色調に波長変換することができる。セラミックス複合体中の化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の含有量が0.1質量%未満であると、所望の変換効率が得られない。セラミックス複合体中の化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の含有量が70質量%を超えると、セラミックス複合体中の体積当たりの前記窒化物蛍光体の粉体の含有量が多すぎて、所望の色調及び光変換効率を得るためにセラミックス複合体の体積を小さくする必要がある。例えば得られたセラミックス複合体の体積を小さくするためには、セラミックス複合体の厚さを薄くしなければならず、取り扱いが困難となる。また、セラミックス複合体中の化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の含有量が70質量%を超えると、相対的にセラミックス複合体中の酸化アルミニウムの量が減少し、セラミックス複合体中で前記窒化物蛍光体と酸化アルミニウムの密着性が低下して空隙が形成され、発光強度が低下する場合がある。セラミックス複合体中の化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体の含有量は、ICP発光分光分析法(Inductively Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)を用いて、前記窒化物蛍光体を構成する元素の元素分析によって測定することができる。
セラミックス複合体は、化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を更に含み、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計の含有量が0.2質量%以上80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.5質量%以上75質量%以下、さらに好ましくは1.0質量%以上70質量%以下、よりさらに好ましくは2質量%以上70質量%以下である。セラミックス複合体中の前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計の含有量が、0.2質量%以上80質量%以下であれば、150℃以上の高温で使用した場合であっても、発光強度の低下を抑制し、高い発光強度を維持することができる。
セラミックス複合体において、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体を15質量%以上含むことが好ましく、より好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは25質量%以上であり、100質量%であってもよく、99質量%以下であってもよい。セラミックス複合体において、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体の含有量が15質量%以上であれば、例えば150℃以上の高温の環境で使用した場合であっても、発光強度の低下を抑制し、高い発光強度を維持することができる。希土類アルミン酸塩蛍光体は、例えば150℃以上の高温において、そのメカニズムは明らかではないが、発光強度が著しく減少することが知られている。セラミックス複合体は、前記希土類アルミン酸塩蛍光体と共に又は、前記希土類アルミン酸塩蛍光体の代わりに、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体を15質量%以上含有することによって、150℃以上の高温で使用した場合であっても、発光強度の低下を抑制し、高い発光強度を維持することができる。セラミックス複合体を使用する高温の環境としては、例えば150℃以上であってもよく、200℃以上であってもよく、220℃以上であってもよく、400℃以下でもよく、340℃以下でもよい。
セラミックス複合体中の化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体は、セラミックス複合体中の酸化アルミニウム粒界によって区別される。セラミックス複合体の母材を構成する酸化アルミニウムは、原料となる酸化アルミニウム粒子の表面が溶融し、酸化アルミニウム粒子の粒界を保持したまま、酸化アルミニウム粒子の表面が融着してセラミックス複合体の母材が構成される。セラミックス複合体中には、酸化アルミニウム粒子の母材と、酸化アルミニウムの結晶構造とは結晶構造が異なる化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、必要に応じて化学式(II)で表される希土類アルミン酸塩蛍光体が存在し、酸化アルミニウムと前記窒化物蛍光体が一体となってセラミックス複合体が構成されるか、酸化アルミニウムと前記窒化物蛍光体と前記希土類アルミン酸塩蛍光体が一体となってセラミックス複合体が構成される。
本発明の第二の実施形態に係るセラミックス複合体は、本発明の第一の実施形態に係る製造方法によって得られる第一の焼結体からなるセラミックス複合体又は第二の焼結体からなるセラミックス複合体であることが好ましい。本発明の第一の実施形態に係る製造方法によって得られる第一の焼結体からなるセラミックス複合体又は第二の焼結体からなるセラミックス複合体は、相対密度が80%以上であることが好ましい。セラミックス複合体の相対密度が80%以上であることによって、発光強度が高くなる。また、セラミックス複合体は、相対密度が80%以上であることによって、切断等の加工を施した場合であっても、割れや欠けを生じることなく、セラミックス複合体を発光装置に用いた場合に、色むらの発生を抑制することができる。セラミックス複合体の相対密度は、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは91%以上、特に好ましくは92%以上である。セラミックス複合体の相対密度は、100%であってもよく、99.9%以下であるか、99.8%以下である。
発光装置
第一の実施形態の製造方法によって得られるセラミックス複合体又は第二の実施形態に係るセラミックス複合体は、LEDやLDの発光素子と組み合わせることによって、発光素子から発せられた励起光を変換して、所望の発光ピーク波長を有する光を発する。発光装置は、発光素子からの光とセラミックス複合体で波長変換された光によって、混色光を発する。
本発明の第三の実施形態に係る発光装置は、第一の実施形態の製造方法によって得られるセラミックス複合体又は第二の実施形態に係るセラミックス複合体と、350nm以上500nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子を含むことが好ましい。発光素子には、例えば、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた半導体発光素子を用いることができる。励起光源として半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対する出力のリニアリティが高く、機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
粉体混合工程
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した中心粒径20.0μmのCe0.15La2.75Si11で表される組成を有する窒化物蛍光体を1質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して1質量%)と、FSSS法により測定した平均粒径1.0μmのα−酸化アルミニウム粒子(品名:AKP-700、住友化学工業株式会社製、酸化アルミニウムの純度99.5質量%)99質量部とを秤量し、乳鉢及び乳棒を用いて混合し、成形体用の混合粉体を準備した。
成形体準備工程
混合粉体を金型に充填し、7MPa(71.38kgf/cm)の圧力で直径28.5mm、厚さ10mmの円筒形状の成形体をプレス形成した。得られた成形体を包装容器に入れて真空包装し、冷間等方圧加圧(CIP)装置(KOBELCO社製)により、圧力媒体に水を用いて、176MPaでCIP処理を行った。
一次焼成工程
得られた成形体を焼成炉(富士電波工業株式会社製)、窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)で、1350℃、0.9MPaで6時間保持して、一次焼成を行い、第一の焼結体を得た。得られた第一の焼結体1をセラミックス複合体とした。実施例1から14の第一の焼結体又は第二の焼結体からなるセラミックス複合体中の窒化物蛍光体の含有量(質量%)は、混合粉体又は成形体における窒化物蛍光体の質量割合とほぼ等しい。
実施例2
窒化物蛍光体を3質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を97質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体2を得て、セラミックス複合体とした。実施例2乃至14において、窒化物蛍光体は、実施例1と同様のCe0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体を用いた。また、実施例2乃至14において、酸化アルミニウム粒子は、実施例1と同様のα−酸化アルミニウム粒子と用いた。表1に、実施例1乃至11に係る第一の焼結体からなるセラミックス複合体中のCe0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の含有量(質量%)を記載した。また、表2に、実施例12乃至14に係る第二の焼結体からなるセラミックス複合体中のCe0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の含有量(質量%)を記載した。
実施例3
窒化物蛍光体を5質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体3を得て、セラミックス複合体とした。
実施例4
窒化物蛍光体を10質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を90質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体4を得て、セラミックス複合体とした。
実施例5
窒化物蛍光体を20質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を80質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体5を得て、セラミックス複合体とした。
実施例6
窒化物蛍光体を30質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を70質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体6を得て、セラミックス複合体とした。
実施例7
窒化物蛍光体を50質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を50質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体7を得て、セラミックス複合体とした。
実施例8
窒化物蛍光体を5質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、一次焼成温度を1250℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体8を得て、セラミックス複合体とした。
実施例9
窒化物蛍光体を5質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、一次焼成温度を1300℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体9を得て、セラミックス複合体とした。
実施例10
窒化物蛍光体を5質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、一次焼成温度を1400℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体10を得て、セラミックス複合体とした。
実施例11
窒化物蛍光体を5質量部と、α−酸化アルミニウム粒子を95質量部とを混合した混合粉体を準備し、二次焼成温度を1450℃とした以外は、実施例1と同様にして、第一の焼結体11を得て、セラミックス複合体とした。
実施例12
二次焼成工程
実施例3で得られた第一の焼結体3を用い、熱間等方圧加圧(HIP)装置(KOBELCO社製)を用いて、圧力媒体に窒素ガスを用いて窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)のもとで、1400℃、195MPaで1時間のHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体12を得て、この第二の焼結体12をセラミックス複合体とした。
実施例13
二次焼成工程
実施例10で得られた第一の焼結体10を用い、実施例12と同様にしてHIP処理を行い、第二の焼結体13を得て、この第二の焼結体13をセラミックス複合体とした。
実施例14
二次焼成工程
実施例10で得られた第一の焼結体10を用いて、圧力媒体に窒素ガスを用いて窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)のもとで、1500℃、195MPaで1時間のHIP処理により二次焼成を行い、第二の焼結体14を得て、この第二の焼結体14をセラミックス複合体とした。
比較例1
粉体混合工程
実施例1と同様の窒化物蛍光体を5質量部と、フッ化カルシウム(CaF)粒子(日亜化学工業株式会社製、フッ化カルシウム純度99.5質量%、FSSS法による平均粒径:9.0μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備した。
成形体準備工程
混合粉体を金型に充填し、7MPa(71.38kgf/cm)の圧力で直径28.5mm、厚さ10mmの円筒形状の成形体を形成した。得られた成形体を包装容器に入れて真空包装し、冷間等方圧加圧(CIP)装置(KOBELCO社製)により、圧力媒体に水を用いて、176MPaでCIP処理を行った。
一次焼成工程
得られた成形体を焼成炉(富士電波工機株式会社製)、窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)で、1200℃、0.9MPaで6時間保持して、一次焼成を行い、第一の焼結体を得たが相対密度は81.6%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も81.6%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。第一の焼結体の相対密度が90%未満の場合は、第一の焼結体に含まれる空隙が多く、HIP処理により二次焼成を行っても得られる第二の焼結体の相対密度を90%以上に高くすることはできないためである。
比較例2
実施例1と同様の窒化物蛍光体を5質量部と、フッ化マグネシウム(MgF)粒子(日亜化学工業株式会社製、フッ化マグネシウム純度99.5質量%、FSSS法による平均粒径1.5μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得た。得られた第一の焼結体の相対密度は88.1%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も88.1%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
比較例3
実施例1と同様の窒化物蛍光体を5質量部と、酸化チタン粒子(昭和電工株式会社製、酸化チタン純度99.0質量%、FSSS法による平均粒径0.6μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得た。得られ第一の焼結体の相対密度は79.1%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も79.1%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
比較例4
実施例1と同様の窒化物蛍光体を5質量部と、酸化ジルコニウム粒子(新日本電工株式会社製、酸化ジルコニウム純度99.6質量%、FSSS法による平均粒径0.3μm)を95質量部とを混合した混合粉体を準備したこと以外は、比較例1と同様にして、第一の焼結体を得た。得られた第一の焼結体の相対密度は52.5%であった。第一の焼結体の発光は確認できなかった。発光が確認できず、相対密度も52.5%と小さかったため、第一の焼結体のHIP処理は実施しなかった。
レーザー回折散乱式粒度分布測定法の中心粒径の測定
各実施例及び比較例に用いたCe0.15La2.75Si11で表される組成を有する窒化物蛍光体の粒子及び(Y0.995Ce0.005Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体の粒子は、レーザー回折散乱式粒度分布測定法による体積基準の粒度分布における小径側からの体積累積頻度が50%に達する粒径(メジアン径)を中心粒径とし、レーザー回折式粒度分布測定装置(MASTER SIZER(マスターサイザー)3000、MALVERN社製)を用いて測定した。
FSSS法による平均粒径の測定
実施例に用いたα−酸化アルミニウム粒子、並びに比較例に用いたフッ化カルシウム粒子、フッ化マグネシウム粒子、酸化チタン粒子及び酸化ジルコニウム粒子、は、FSSS法により、平均粒径(Fisher sub-sieve sizer’s number)を測定した。
α−酸化アルミニウムの純度の測定
実施例に用いたα−酸化アルミニウム粒子の質量を測定した後、α−酸化アルミニウム粒子を800℃で1時間、大気雰囲気で焼成し、α−酸化アルミニウム粒子に付着している有機分やα−酸化アルミニウム粒子が吸湿している水分を除去し、焼成後のα−酸化アルミニウム粒子の質量を測定し、前記計算式(1)に基づき、焼成後のα−酸化アルミニウム粒子の質量を焼成前のα−酸化アルミニウム粒子の質量で除すことによって、α−酸化アルミニウム粒子の酸化アルミニウムの純度を測定した。
第一の焼結体の相対密度の測定
実施例1から14及び比較例1から4において、各第一の焼結体の相対密度を測定した。実施例1から14の結果を表1及び表2に示し、比較例1から4の結果を表3に示す。第一の焼結体の相対密度は、前記計算式(2)、前記計算式(3−1)及び前記計算式(4)に基づき、算出した。実施例1から14及び比較例1から4で用いたCe0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の真密度は4.78g/cmとし、実施例1から14で用いたα−酸化アルミニウム粒子の真密度は3.98g/cmとし、比較例1で用いたフッ化カルシウム粒子の真密度は3.17g/cm、比較例2で用いたフッ化マグネシウム粒子の真密度は3.17g/cm、比較例3で用いた酸化チタン粒子の真密度は4.26g/cm、比較例4で用いた酸化ジルコニウム粒子の真密度は5.86g/cm、として算出した。比較例1から4の第一の焼結体の相対密度は、前記計算式(3−1)において、酸化アルミニウム粒子を、それぞれフッ化カルシウム粒子、フッ化マグネシウム粒子、酸化チタン粒子、酸化ジルコニウム粒子に置き換えて算出した。
第二の焼結体の相対密度の測定
実施例12から14の第二の焼結体12から14の相対密度を測定した。結果を表2に示す。前記第二の焼結体の相対密度は前記計算式(5)に基づき算出した。前記第二の焼結体の見掛け密度は、前記計算式(6)に基づき算出した。
相対発光強度の測定
実施例1から11の第一の焼結体からなるセラミックス複合体、実施例12から14の第二の焼結体からなるセラミックス複合体、及び比較例1から4の第一の焼結体を、ワイヤーソーを用いて厚さ300μmに切断し、サンプルを形成した。発光ピーク波長が455nmである窒化物半導体からなるLEDチップを光源として用いて、この光源からセラミックス複合体のサンプルに光を照射し、光源からの光を受けて実施例1から11、実施例12から14、及び比較例1から4の各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を、分光蛍光光度計(日亜化学工業株式会社製)を用いて測定した。実施例3のセラミックス複合体のサンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を100%として、各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を相対発光強度(%)として表した。実施例1から11のセラミックス複合体の結果を表1に示す。実施例12から14のセラミックス複合体の結果を表2に示す。比較例1から4の第一の焼結体からなるサンプルは、光源から光を照射しても発光しなかった。比較例1から4の第一の焼結体の結果を表3に示す。
外観写真
実施例3のセラミックス複合体の外観写真を得た。図3は、実施例3のセラミックス複合体をワイヤーソーで切断したサンプルの外観写真である。
実施例13のセラミックス複合体の外観写真を得た。実施例13は、実施例3の第一の焼結体を二次焼成して得られた第二の焼結体からなるものである。図4は、実施例13のセラミックス複合体をワイヤーソーで切断したサンプルの外観写真である。
比較例4のセラミックス複合体の外観写真を得た。図5は、比較例4の第一の焼結体をワイヤーソーで切断したサンプルの外観写真である。
実施例1から11の第一の焼結体1から11からなるセラミックス複合体及び実施例12から14の第二の焼結体12から14からなるセラミックス複合体2は、光源から発光ピーク波長が455nmである励起光の照射により、430nm以上800nm以下の波長範囲に発光ピーク波長を有する光を発し、セラミックス複合体として用いることができた。
表1に示すように、実施例1から7は、Ce0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の含有量を1質量%から50質量%に変化させて、一次焼成の温度を1350℃として第一の焼結体1から7を得てセラミックス複合体としたものである。表1に示すように、実施例1から5の第一の焼結体1から5は、相対密度が90%以上と高くなった。実施例1から2の第一の焼結体1及び2は、酸化アルミニウムの含有量が多いため、相対密度は90%以上であったが、窒化物蛍光体の含有量が少ないため、相対発光強度は実施例3よりも低くなった。実施例3から5の第一の焼結体3から5は、相対密度も90%以上であり、相対発光強度も100%以上と高くなった。実施例6の第一の焼結体6は、実施例3の第一の焼結体3と比べて酸化アルミニウムの量が少なくなるため、相対密度は90%以下となったが、高い相対発光強度を維持していた。実施例7の第一の焼結体7は、実施例6の第一の焼結体6よりも酸化アルミニウムの量が少ないため、相対密度が80%以下となり、相対発光強度も低下した。
表1に示すように、実施例8から11に係るセラミックス複合体は、Ce0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の含有量が5質量%であり、一次焼成の温度を1250℃以上1450℃以下の範囲で変化させて第一の焼結体8から11を得てセラミックス複合体としたものである。表1に示すように、実施例8のセラミックス複合体は、一次焼成の温度が1250℃と低く、第一の焼結体6の相対密度が86.2%と低いことから、第一の焼結体8中に空隙が存在すると推測される。このことから実施例8のセラミックス複合体は、相対発光強度が61.0%と低くかった。表1に示すように、実施例9のセラミックス複合体は、一次焼成の温度が1300℃であり、第一の焼結体9の相対密度は89.6%と相対密度が90%以下であることから、第一の焼結体9中に若干の空隙が存在すると推測され、相対発光強度が69.3%と低くなった。表1に示すように、実施例10のセラミックス複合体は、一次焼成の温度が1400℃であり、第一の焼結体10の相対密度が96.1%と高くなり、空隙が抑制され緻密化されていることから、相対発光強度が205.0%と高くなった。実施例11のセラミックス複合体は、一次焼成の温度が1450℃と高いことから、第一の焼結体11は相対密度が96.4%と高くなった。その一方で、実施例11のセラミックス複合体は、相対発光強度が129.1%と第一の焼結体10よりも低いことから、一次焼成の温度が高いため、窒化物蛍光体中の窒素と、酸化アルミニウム中の酸素が反応して、窒化物蛍光体の結晶構造が一部分解していると推測された。
表2に示すように、実施例12から14に係るセラミックス複合体は、第一の焼結体3又は10をHIP処理により1400℃又は1500℃で二次焼成して得られた第二の焼結体12から14からなるものであり、HIP処理による二次焼成によってより緻密化し、特に実施例13のセラミックス複合体は、実施例3のセラミックス複合体よりも相対発光強度が225%以上高くなった。
表2に示すように、実施例12から14において、第一の焼結体3又は10よりも第二の焼結体12から14の方が高い相対密度を有していた。
表2に示すように、実施例12に係るセラミックス複合体は、一次焼成の温度が1350℃と低いため、得られる第一の焼結体3の相対密度が95%以下であり、HIP処理による二次焼成を1400℃で行っても、得られる第二の焼結体12の相対密度が94.2%となった。このことから実施例12に係るセラミックス複合体は、第一の焼結体3を得るための温度が低いと、HIP処理による二次焼成を行っても得られる第二の焼結体12には多数の空隙が存在すると推測され、相対発光強度が実施例13のセラミックス複合体のように高くならなかったと考えられる。
表2に示すように、実施例14に係るセラミックス複合体は、第一の焼結体10よりも相対密度は高くなるものの、相対発光強度は、第一の焼結体10よりも低下した。実施例14に係るセラミックス複合体は、HIP処理による1500℃で二次焼成した段階で、窒化物蛍光体と、酸化物である酸化アルミニウム粒子が反応し、窒化物蛍光体の結晶構造のごく一部が分解するため、二次焼成を行っても相対発光強度が高くならなかったと推測された。
表3に示すように、前記窒化物蛍光体を酸化アルミニウム粒子以外の無機フッ化物粒子又は無機酸化物粒子とともに一次焼成を行った比較例1から4に係る第一の焼結体は、いずれも相対密度が90.0%以下であり、励起光を照射しても発光しなかった。比較例1から4の結果から、1200℃で酸化アルミニウム粒子以外の無機化合物粒子と化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体が反応し、窒化物蛍光体の結晶構造の一部又は全部が分解されたと推測される。
実施例3に係るセラミックス複合体の外観は、全体的に黄色であり、Ce0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の本来の体色を維持していた。図3に示すように、実施例3に係るセラミックス複合体の外観は、色むらが確認できず、全体的に均質な色であり、一次焼成によりセラミックス複合体中に含まれる窒化物蛍光体が変質していないことが確認できた。なお、図3乃至図5において、セラミックス複合体の端部に黒っぽい部分が認められるのは、各セラミックス複合体をワイヤーソーで切断するサンプル作製時に目印を付けた際の目印の残存部であり、窒化物蛍光体に由来するものではない。
実施例13に係るセラミックス複合体の外観は、全体的に明るく、実施例3よりも濃い黄色であり、前記窒化物蛍光体の本来の体色を維持していた。実施例13に係るセラミックス複合体の外観が、実施例3に係るセラミックス複合体の外観よりも明るく、濃い黄色に見えるのは、HIP処理による二次焼成によって得られる第二の焼結体11の緻密化が進み、透明性が高くなったためと考えられる。図4に示すように、実施例13に係るセラミックス複合体の外観は、色むらが確認できず、全体的に均質な色であり、一次焼成及びHIP処理による二次焼成に窒化物蛍光体が変質していないことが確認できた。
比較例4に係る第一の焼結体の外観は、図5に示すように、全体的に白っぽく、窒化物蛍光体の本来の体色である黄色を維持していなかった。比較例4に係る第一の焼結体の外観が全体的に白っぽく、窒化物蛍光体の体色である黄色を維持していないのは、緻密化不足による透明性の低さが原因していると推測された。
実施例15
粉体混合工程
レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した中心粒径20.0μmのCe0.15La2.75Si11で表される組成を有する窒化物蛍光体を1質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して1質量%)と、レーザー回折散乱式粒度分布測定法により測定した中心粒径が25.0μmの(Y0.995Ce0.005Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を19質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して19質量%)と、FSSS法により測定した平均粒径1.0μmのα−酸化アルミニウム粒子(品名:AKP-700、住友化学工業株式会社製、酸化アルミニウムの純度99.5質量%)80質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して80質量%)を、秤量し、乳鉢及び乳棒を用いて混合し、成形体用の混合粉体を準備した。
成形体準備工程
混合粉体を金型に充填し、7MPa(71.38kgf/cm)の圧力で直径28.5mm、厚さ10mmの円筒形状の成形体をプレス形成した。得られた成形体を包装容器に入れて真空包装し、冷間等方圧加圧(CIP)装置(KOBELCO社製)により、圧力媒体に水を用いて、176MPaでCIP処理を行った。
一次焼成工程
得られた成形体を焼成炉(富士電波工業株式会社製)、窒素ガス雰囲気(窒素:99体積%以上)で、1400℃、0.9MPaで6時間保持して、一次焼成を行い、第一の焼結体を得た。得られた第一の焼結体をセラミックス複合体とした。実施例15から20及び比較例5の第一の焼結体からなるセラミックス複合体中の窒化物蛍光体の含有量(質量%)、希土類アルミン酸塩蛍光体の含有量、及びα−酸化アルミニウムの含有量は、混合粉体又は成形体における窒化物蛍光体の質量割合、希土類アルミン酸塩蛍光体の質量割合、α−酸化アルミニウムの質量割合とほぼ等しい。
実施例16
窒化物蛍光体を3質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して3質量%)と、希土類アルミン酸塩蛍光体を17質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して17質量%)としたことは、実施例15と同様にして、第一の焼結体を得て、この第一の焼結体をセラミックス複合体とした。
実施例17
窒化物蛍光体を5質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して5質量%)と、希土類アルミン酸塩蛍光体を15質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して15質量%)としたことは、実施例15と同様にして、第一の焼結体を得て、この第一の焼結体をセラミックス複合体とした。
実施例18
窒化物蛍光体を10質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して10質量%)と、希土類アルミン酸塩蛍光体を10質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して10質量%)としたことは、実施例15と同様にして、第一の焼結体を得て、この第一の焼結体をセラミックス複合体とした。
実施例19
窒化物蛍光体を15質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して15質量%)と、希土類アルミン酸塩蛍光体を5質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して5質量%)としたことは、実施例15と同様にして、第一の焼結体を得て、この第一の焼結体をセラミックス複合体とした。
実施例20
窒化物蛍光体を20質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して20質量%)とし、希土類アルミン酸塩蛍光体を含まないこと以外は、実施例15と同様にして、第一の焼結体を得て、この第一の焼結体をセラミックス複合体とした。
比較例5
希土類アルミン酸塩蛍光体を20質量部(混合粉体又は成形体100質量%に対して20質量%)とし、窒化物蛍光体を含まないこと以外は、実施例15と同様にして、第一の焼結体を得て、この第一の焼結体をセラミックス複合体とした。
第一の焼結体の相対密度の測定
実施例15から20及び比較例5において、各第一の焼結体の相対密度を測定した。結果を表4に示す。第一の焼結体の相対密度は、前記計算式(2)、前記計算式(3−2)及び前記計算式(4)に基づき、算出した。Ce0.15La2.75Si11で表される窒化物蛍光体の真密度は4.78g/cm、(Y0.995Ce0.005Al12で表される希土類アルミン酸塩蛍光体の真密度は4.60g/cm、α−酸化アルミニウム粒子の真密度は3.98g/cmとして算出した。実施例15から20及び比較例5のセラミックス複合体は、各温度における各セラミックス複合体の相対発光強度を比較するために、各セラミックス複合体の相対密度が93.1g/cmから93.8g/cmの範囲になるように製造した。
温度に対応した相対発光強度の測定
実施例15から20及び比較例5の第一の焼結体からなるセラミックス複合体を、ワイヤーソーを用いて厚さ300μmに切断し、サンプルを形成した。サンプルをヒータに設置し、光源としてキセノンランプを使用し、光源からの光をモノクロメータに導入した。導入された光のうち目的とする波長をモノクロメータで選択し、サンプルに照射した。照射された光を受けて、ヒータで20℃、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃の各温度に熱せられた各サンプルから発せられた光の発光スペクトルをマルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス株式会社製、商品名PMA12)を用いて測定し、430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を測定した。20℃における実施例20のセラミックス複合体のサンプルから得られた430nm以上800nm以下の範囲にある発光ピーク波長の発光強度を100%とし、各温度における各サンプルから得られた430nm以上800nm以下の波長範囲にある発光ピーク波長の発光強度を相対発光強度(%)として表した。各サンプルの20℃の相対発光強度を表4に示し、各サンプルの20℃、100℃、150℃、200℃、250℃、300℃における相対発光強度を表5に示す。
実施例15から20及び比較例5の第一の焼結体からなるセラミックス複合体は、ほぼ同程度の相対密度を有していた。20℃においては、(Y0.995Ce0.005Al12で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体の含有量の多いセラミックス複合体ほど、相対発光強度が高くなるが、150℃以上の高温になると、Ce0.15La2.75Si11で表される組成を有する窒化物蛍光体を含む実施例15から20のセラミックス複合体のほうが、比較例5の前記窒化物蛍光体を含まないセラミックス複合体よりも相対発光強度の低下が抑制されていた。この結果から前記希土類アルミン酸塩蛍光体と共に、若しくは前記希土類アルミン酸塩蛍光体の代わりに前記窒化物蛍光体を含むセラミックス複合体のほうが、発光強度の低下が抑制され、高い発光強度を維持していることが確認できる。表5における、窒化物蛍光体の質量割合(質量%)と希土類アルミン酸塩蛍光体の質量割合(質量%)は、窒化物蛍光体及び希土類アルミン酸塩蛍光体の合計100質量%に対する各蛍光体の質量割合(質量%)である。
図6に示すように、300℃では、実施例16から20のセラミックス複合体のほうが、比較例5の窒化物蛍光体を含まないセラミックス複合体よるも相対発光強度が高くなっており、実施例15から20のセラミックス複合体は、150℃以上の高温域で、発光強度の低下が抑制されている。
本発明の実施形態に係るセラミックス複合体は、LEDやLDから発せられた光の波長を変換することができるセラミックス複合体、固体シンチレーターの材料として利用できる。

Claims (18)

  1. 下記化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、酸化アルミ二ウム粒子と、を混合した成形体を準備することと、
    1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で前記成形体を一次焼成し、第一の焼結体を得ることを含む、セラミックス複合体の製造方法。
    (化学式(I)中、Mは、Ce及びPrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Lnは、Sc、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、Si及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、w、x、y及びzは、0<w≦1.0、2.5≦x≦3.5、5.5≦y≦6.5、10≦z≦12を満たす数である。)
  2. 前記第一の焼結体を熱間等方圧加圧(HIP)処理により1250℃以上1600℃以下の範囲の温度で二次焼成し、第二の焼結体を得ることを含む、請求項1に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  3. 前記一次焼成の温度が1300℃以上1500℃以下の範囲である、請求項1又は2に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  4. 前記二次焼成の温度が1350℃以上1500℃以下の範囲である、請求項2又は3に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  5. 前記窒化物蛍光体の中心粒径が2μm以上100μm以下の範囲である、請求項1から4のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  6. 前記酸化アルミ二ウム粒子の平均粒径が0.1μm以上1.5μm以下の範囲である、請求項1から5のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  7. 前記成形体を準備する工程において、前記窒化物蛍光体と前記酸化アルミ二ウム粒子との合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体を0.1質量%以上70質量%以下の割合を使用することを含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  8. 前記酸化アルミ二ウム粒子の酸化アルミニウムの純度が99.0質量%以上である、請求項1から7のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  9. 前記成形体を準備する工程において、下記化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を混合した成形体を準備する、請求項1から8のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
    (化学式(II)中、Lnは、Y、Gd、Lu及びTbからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b及びcは、0<a≦0.022、0≦b≦0.4、0<c≦1.1、0.9≦b+c≦1.1を満たす数である。)
  10. 前記希土類アルミン酸塩蛍光体の中心粒径が15μm以上40μm以下である、請求項9に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  11. 前記成形体を準備する工程において、前記成形体100質量%に対して、前記希土類アルミン酸塩蛍光体と前記窒化物蛍光体の合計が0.2質量%以上80質量%以下である、請求項9又は10に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  12. 前記第一の焼結体の相対密度が80%以上である、請求項1から11のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  13. 前記第二の焼結体の相対密度が90%以上である、請求項2から12のいずれか1項に記載のセラミックス複合体の製造方法。
  14. 下記化学式(I)で表される組成を有する窒化物蛍光体と、酸化アルミニウムと、を含み、前記窒化物蛍光体の含有量が0.1質量%以上70質量%以下である、セラミックス複合体。
    (化学式(I)中、Mは、Ce及びPrからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Lnは、Sc、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb及びLuからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、Aは、Si及びBからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、w、x、y及びzは、0<w≦1.0、2.5≦x≦3.5、5.5≦y≦6.5、10≦z≦12を満たす数である。)
  15. 下記化学式(II)で表される組成を有する希土類アルミン酸塩蛍光体を更に含み、前記窒化物蛍光体及び前記希土類アルミン酸塩蛍光体の合計の含有量が0.2質量%以上80質量%以下である、請求項14に記載のセラミックス複合体。
    (化学式(II)中、Lnは、Y、Gd、Lu及びTbからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素であり、a、b及びcは、0<a≦0.022、0≦b≦0.4、0<c≦1.1、0.9≦b+c≦1.1を満たす数である。)
  16. 相対密度が80%以上である、請求項14又は15に記載のセラミックス複合体。
  17. 前記希土類アルミン酸塩蛍光体と、前記窒化物蛍光体との合計100質量%に対して、前記窒化物蛍光体を15質量%以上含む、請求項14から16のいずれか1項に記載のセラミックス複合体。
  18. 請求項14から17のいずれか一項に記載のセラミックス複合体と、350nm以上500nm以下の範囲に発光ピーク波長を有する発光素子を含む、発光装置。
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