JP2019182017A - 車両用シートベルト装置 - Google Patents

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Keiichi Kondo
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Abstract

【課題】簡易な構成によってサブマリン現象の発生を抑制することができる車両用シートベルト装置を得る。【解決手段】シートベルト42のバックルステー52とアンカブラケット44との取り付けに軸部64Bを備えた段付きボルト64が用いられており、当該軸部64Bは、アンカブラケット44に設けられた被挿通部70に、当該軸部64Bの軸方向に挿通されている。また、アンカブラケット44には、その一部を構成すると共に被挿通部70と隣接するヒューズ部72、74が設けられている。そして、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、シート前方側に変位しようとする段付きボルト64の軸部64Bと接触することでヒューズ部72、74が塑性変形し、当該軸部64Bと被挿通部70とのシート前後方向の相対変位が許容される。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用シートベルト装置に関する。
下記特許文献1には、シートベルト装置に関する発明が開示されている。このシートベルト装置では、シートベルトのタングを係合可能なバックルが、このバックルの車両前方側への移動のみを許容するガイドを介してシートフレームに取り付けられている。また、バックルに車両前方側へ所定値以上の外力が加わったときには、エネルギ吸収機構によって、バックルのシート前方側への移動が抵抗力を伴いながら許容されるようになっている。このため、下記特許文献1に記載の先行技術では、シートベルトによる乗員への圧迫度合いを軽減しつつ、乗員拘束性能の向上を図ることができる。その結果、車両の衝突時等において、乗員がシートクッションに沈み込むことで乗員とシートベルトとの間に隙間が発生して乗員が慣性力によってクッションパッドに沿って滑る現象、所謂サブマリン現象の発生を抑制することができる。
特開2004−161037号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の先行技術では、バックルの移動にガイドのみでなくスライダも用いられる等構成が複雑になっているため、簡易な構成によってサブマリン現象の発生を抑制するという観点において改善の余地がある。
本発明は上記事実を考慮し、簡易な構成によってサブマリン現象の発生を抑制することができる車両用シートベルト装置を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る車両用シートベルト装置は、シートベルトが取り付けられると共に車両用シート又は車体に取り付けられたアンカ部と、前記シートベルト、前記車両用シート及び前記車体の何れか一つと前記アンカ部との取り付けに用いられると共に、軸部を備えた締結部材と、前記アンカ部及び前記車体の何れか一方に設けられると共に、前記軸部が当該軸部の軸方向に挿通された被挿通部と、前記一方の一部を構成しかつ前記被挿通部と隣接して設けられると共に前記シートベルトに所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用したときに塑性変形して前記軸部と前記被挿通部とのシート前後方向の相対変位を許容するヒューズ部と、を有している。
請求項1に記載の本発明によれば、アンカ部にシートベルトが取り付けられており、当該アンカ部は、車両用シート又は車体に取り付けられている。これにより、シートベルトで乗員を拘束し、車両への衝突荷重の入力時等において、車両用シートと乗員との相対変位を抑制することができる。
ところで、車両に衝突荷重等が入力されると、乗員にはシートベルトを中心としたモーメントが作用し、乗員の臀部がシートクッションに沈み込むことでシートベルトによる乗員の拘束力が弱まることが考えられる。その結果、乗員が慣性力によってシートクッションに沿って滑る現象、所謂サブマリン現象が発生することが考えられる。
ここで、本発明では、シートベルト、車両用シート及び車体の何れか一つとアンカ部との取り付けに軸部を備えた締結部材が用いられており、当該軸部は、アンカ部及び車体の何れか一方に設けられた被挿通部に、当該軸部の軸方向に挿通されている。また、アンカ部及び車体のうち被挿通部が設けられた一方には、当該一方の一部を構成すると共に被挿通部と隣接するヒューズ部が設けられている。そして、シートベルトに所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、ヒューズ部が塑性変形し、締結部材の軸部と被挿通部とのシート前後方向の相対変位が許容される。
つまり、車両の衝突時等においてシートベルトに所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用してヒューズ部が塑性変形することで、乗員はシートベルトと共にシート前方側に変位することが可能となる。
このため、車両への衝突荷重等の入力によって乗員に作用するシートベルトを中心としたモーメントは、ヒューズ部の塑性変形及び乗員の変位によって吸収される。その結果、本発明では、車両に衝突荷重等が入力されても乗員がシートクッションから滑り落ちることを抑制することができる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る車両用シートベルト装置は、簡易な構成によってサブマリン現象の発生を抑制することができるという優れた効果を有する。
第1実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるアンカブラケットの構成を示す車両幅方向から見た拡大側面図(図6の1方向矢視図)である。 第1実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるヒューズ部及びスリット部の変形例の構成を示す側面図であり、(A)は第1変形例を示しており、(B)は第2変形例を示しており、(C)は第3変形例を示している。 第1実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるアンカブラケット及びその周辺部の構成を示す車両前方側から見た断面図((図1の3−3線に沿って切断した状態を示す断面図))である。 第1実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるアンカブラケット及びその周辺部の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る車両用シートに乗員が着座した状態を模式的に示す側面図である。 第1実施形態に係る車両用シートの概略構成を模式的に示す斜視図である。 第2実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるアンカブラケットの構成を示す平面図である。 第3実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるアンカプレート及びその周辺部の構成を示す車両幅方向内側から見た側面図である。 第3実施形態に係る車両用シートベルト装置におけるヒューズ部、スリット部及びこれらの周辺部の構成を示す車両幅方向外側から見た拡大側面図である。
<第1実施形態>
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る車両用シートベルト装置の第1実施形態について説明する。なお、各図中に適宜示される矢印FR、矢印UP、矢印LHは、それぞれ本実施形態に係る「車両用シート10」(以下、シート10と称する)の前方向、上方向、左方向を示している。また、本実施形態では、シート10の前方向、上方向、左方向は、このシート10が搭載された車両の前方向、上方向、左方向と一致している。なお、本実施形態では、シート10が右ハンドル車の助手席用の車両用シートとされているが、シート10は、運転席用の車両用シートであってもよい。
図5及び図6に示されるように、シート10は、乗員12の臀部14及び大腿部16を支持するシートクッション18と、乗員12の背部20を支持するシートバック22と、乗員12の図示しない頭部を支持するヘッドレスト24と、シートスライドレール26とを含んで構成されている。
シートクッション18は、その骨格を構成する図示しないシートクッションフレームと、シートクッションフレームのシート上方側に配置されたシートクッションパッド28(以下、クッションパッド28と称する)を含んで構成されている。このクッションパッド28は、発泡ウレタン等の荷重が付加されることで圧縮変形可能な弾性体で構成されていると共に、その表面が図示しない表皮材で覆われている。
シートバック22は、シートクッション18のシート後方側の端部に傾倒可能に支持されており、シートバック22のシート上方側の端部には、ヘッドレスト24が上下動可能に支持されている。
シートスライドレール26は、シートクッション18のシート下方側にシート幅方向に一対となって配置されている。このシートスライドレール26は、「車体30」の一部を構成するフロアパネル32に取り付けられたロアレール34と、当該ロアレール34に支持されたアッパレール36とを備えている。
ロアレール34は、その主な部分を構成しかつシート前後方向に延在するレール本体部38と、当該レール本体部38の両端部に設けられると共にレール本体部38をフロアパネル32に対して支持する一対の脚部40とを備えている。また、レール本体部38は、その長手方向から見た断面形状がシート上方側に開放された略U字状に構成されている。そして、レール本体部38には、シート前後方向に延びるアッパレール36が、レール本体部38に対してシート前後方向にスライド移動可能に嵌合されている。なお、アッパレール36は、シートクッションフレームに設けられた図示しないアーム部を介してシートクッション18と連結されている。
そして、本実施形態では、図3及び図4にも示されるように、乗員12を拘束可能な「シートベルト42」と、アンカ部としての「アンカブラケット44」とを含んで、「車両用シートベルト装置46」が構成されている。
シートベルト42は、3点式とされると共に、ラップベルト48、バックル50及びバックルステー52を含んで構成されている。ラップベルト48は、着座状態の乗員12の腰部54を拘束可能とされていると共に、図示しないタングプレートを介して、シートクッション18のシート幅方向右側に配置されたバックル50に保持可能とされている。また、ラップベルト48の一方側の端部は、シートクッション18のシート幅方向左側において、当該端部に直接取り付けられたアンカ部としての「アンカプレート56」を介して車体30に取り付けられている(図8参照)。
一方、バックルステー52は、図4に示されるように、その板厚方向から見て略矩形の板状とされている。そして、バックルステー52の図示しない一方側の端部にはバックル50が取り付けられており、バックルステー52の他方側の端部52Aはアンカブラケット44を介してシート幅方向右側のアッパレール36におけるシート後方側の端部に取り付けられている。
アンカブラケット44は、図3にも示されるように、板厚方向をシート上下方向とされた下壁部44Aと、板厚方向をシート幅方向とされた縦壁部44Bとを含んで、シート前後方向から見た断面視でL字状に形成されている。
より詳しくは、下壁部44Aは、シート上下方向から見て長手方向をシート前後方向とされた略矩形の板状とされており、そのシート幅方向左側の周縁部における中央部がシート幅方向右側に向かって凹んでいる。この下壁部44Aには、シート前後方向に間隔をあけて一対の被挿通部58が形成されている。そして、被挿通部58には、それぞれアッパレール36に設けられた締結部材としての「スタッドボルト60」の「軸部60A」がシート下方側から挿通されていると共に、当該軸部60Aには、ナット62がシート上方側から締結されている。
一方、縦壁部44Bは、下壁部44Aのシート幅方向右側の周縁部からシート上方側に延びていると共に、シート幅方向から見てシート下方側からシート上方側に向かうに従って縮幅された台形の板状とされている。そして、縦壁部44Bには、締結部材としての「段付きボルト64」及びナット66によって、バックルステー52の端部52Aが取り付けられている。なお、段付きボルト64の段部64Aの外径は、段付きボルト64の「軸部64B」の外径よりも大きい長さに設定されている。
詳しくは、バックルステー52の端部52Aには、シート幅方向から見て段付きボルト64の段部64Aが収まる円形の貫通部68が形成されている。また、縦壁部44Bのシート前後方向中央部におけるシート上方側の部分には、シート幅方向から見て段付きボルト64の軸部64Bを当該軸部64Bの軸方向に挿通可能な略円形の「被挿通部70」が形成されている。そして、段付きボルト64の軸部64Bには、当該軸部64Bがシート幅方向左側から貫通部68を経て被挿通部70に挿通された状態で、シート幅方向右側からナット66が締結されている。なお、軸部64Bにナット66が締結された状態において、段部64Aは、貫通部68の内側に収まった状態となっている。
ここで、本実施形態では、図1に示されるように、縦壁部44Bに被挿通部70と隣接して「ヒューズ部72、74」が設けられている点に特徴がある。以下、本実施形態の要部であるヒューズ部72、74及びその周辺部の構成について詳細に説明することとする。
被挿通部70は、上述したように、シート幅方向から見て略円形とされているものの、その周縁部におけるシート前方側の一部が開放されている。そして、被挿通部70のシート前方側には、被挿通部70と連続してシート前後方向に延びるスリット部76が設けられている。このスリット部76は、そのシート上下方向の長さ(幅)W1が被挿通部70の直径D1と同じ長さに設定されている。
ヒューズ部72、74は、被挿通部70とスリット部76との境界部分にシート上下方向に一対となって設けられていると共に、被挿通部70の周縁部の一部を構成している。そして、シート上方側のヒューズ部72は、シート幅方向から見て、シート上方側からシート下方側に向かうにしたがって縮幅された略三角形状とされている。一方、シート下方側のヒューズ部74は、シート幅方向から見て、シート下方側からシート上方側に向かうにしたがって縮幅された略三角形状とされている。
上記のように構成された車両用シートベルト装置46では、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、ヒューズ部72、74が塑性変形して、段付きボルト64の軸部64Bのシート前方側への変位が許容されるようになっている。
詳しくは、シートベルト42のバックルステー52を介して段付きボルト64の軸部64Bに所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、当該軸部64Bを介してヒューズ部72、74に当該荷重が作用し、これらが塑性変形するようになっている。そして、この状態において、被挿通部70は、スリット部76と一体化され、段付きボルト64及びバックルステー52は、段付きボルト64の軸部64Bがスリット部76で案内されることでシート前方側にスライド移動するようになっている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
本実施形態では、図1に示されるように、アンカブラケット44にシートベルト42が取り付けられており、当該アンカブラケット44は、シート10に取り付けられている。これにより、シートベルト42で乗員12を拘束し、車両への衝突荷重の入力時等において、シート10と乗員12との相対変位を抑制することができる。
ところで、図5に示されるように、乗員12がシート10に着座した状態において、乗員12を拘束するラップベルト48は、車両側面視において、乗員12の骨盤78(着座状態の乗員12の重心位置G)の近傍に位置している。そして、乗員12の着座状態等によっては、重心位置Gが車両側面視においてラップベルト48のシート下方側に位置することが考えられる。
このような状態において、車両に衝突荷重等が入力されると、乗員12にはラップベルト48(シートベルト42)を中心としたモーメントが作用し、乗員12の臀部14がシートクッション18に沈み込むことでラップベルト48による乗員12の拘束力が弱まることが考えられる。その結果、乗員12が慣性力によってシートクッション18に沿って滑る現象、所謂サブマリン現象が発生することが考えられる。
ここで、本実施形態では、シートベルト42のバックルステー52とアンカブラケット44との取り付けに軸部64Bを備えた段付きボルト64が用いられており、当該軸部64Bは、アンカブラケット44に設けられた被挿通部70に、当該軸部64Bの軸方向に挿通されている。また、アンカブラケット44には、その一部を構成すると共に被挿通部70と隣接するヒューズ部72、74が設けられている。そして、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、シート前方側に変位しようとする段付きボルト64の軸部64Bと接触することでヒューズ部72、74が塑性変形し、当該軸部64Bと被挿通部70とのシート前後方向の相対変位が許容される。
つまり、車両の衝突時等においてシートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用してヒューズ部72、74が塑性変形することで、乗員12はシートベルト42と共にスリット部76が設けられている範囲においてシート前方側に変位することが可能となる。
このため、車両への衝突荷重等の入力によって乗員12に作用するラップベルト48を中心としたモーメントは、ヒューズ部72、74の塑性変形及び乗員12の変位によって吸収される。その結果、本実施形態では、車両に衝突荷重等が入力されても乗員12がシートクッション18から滑り落ちることを抑制することができる。したがって、本実施形態では、簡易な構成によってサブマリン現象の発生を抑制することができる。
<第1実施形態の変形例>
本実施形態では、ヒューズ部72、74及びスリット部76の形状を適宜変更することも可能である。例えば、図2(A)に示される第1変形例のように、スリット部76をシート前方側に向かうに従って縮幅された形状(先細り形状)としてもよい。そして、アンカブラケット44の縦壁部44Bにおけるスリット部76のシート上方側の周縁部をヒューズ部72とすると共に、縦壁部44Bにおけるスリット部76のシート下方側の周縁部をヒューズ部74としてもよい。このような構成によれば、段付きボルト64の軸部64Bがヒューズ部72、74の塑性変形によって受ける抵抗をシート後方側からシート前方側に向かうに従って大きくすることができる。
また、図2(B)に示される第2変形例のように、シート上下方向に一対とされたヒューズ部72、74をスリット部76に沿って複数組設ける構成としてもよい。このような構成によれば、シートベルト42に入力されることが想定されるシート前方側への荷重の大きさに応じて、ヒューズ部72、74の個数を調整することができる。
さらに、図2(C)に示される第3変形例のように、スリット部76をシート前方上側に凸となって湾曲しつつシート後方上側からシート前方下側に延びるように設ける構成としてもよい。このような構成によれば、シート前方側への荷重によってヒューズ部72、74が塑性変形して、段付きボルト64の軸部64Bがスリット部76で案内されるときに、ラップベルト48をシート下方側に変位させ、乗員12の拘束性能を向上させることができる。
<第2実施形態>
以下、図7を用いて、本発明に係る車両用シートベルト装置の第2実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る「車両用シートベルト装置80」では、基本的にアンカブラケット44と同様の構成とされたアンカ部としての「アンカブラケット82」の下壁部82Aに設けられた「被挿通部84」と隣接して「ヒューズ部86、88」が設けられている点に特徴がある。
具体的には、被挿通部84は、被挿通部58と同様にシート前後方向に間隔をあけて一対となって配置されていると共に、シート上下方向から見て略円形に形成されてスタッドボルト60の軸部60Aを挿通可能とされている。そして、被挿通部84の周縁部におけるシート後方側の一部は開放されており、被挿通部84のシート後方側には、当該被挿通部84と連続してシート前後方向に延びるスリット部90が設けられている。このスリット部90は、そのシート幅方向の長さ(幅)W2が被挿通部70の直径D2と同じ長さに設定されている。
ヒューズ部86、88は、被挿通部84とスリット部90との境界部分にシート幅方向に一対となって設けられていると共に、被挿通部84の周縁部の一部を構成している。そして、シート幅方向一方側のヒューズ部86は、シート上下方向から見て、シート幅方向一方側からシート幅方向他方側に向かうにしたがって縮幅された略三角形状とされている。一方、シート幅方向他方側のヒューズ部88は、シート上下方向から見て、シート幅方向他方側からシート幅方向一方側に向かうにしたがって縮幅された略三角形状とされている。なお、本実施形態では、第1実施形態と同様に、アンカブラケット82の縦壁部82Bにシートベルト42のバックルステー52が取り付けられているものの、当該縦壁部82Bにヒューズ部及びスリット部は設けられていない。なお、図7には、ヒューズ部86、88等の構成を理解しやすくするため、バックルステー52等を図示していない。
上記のように構成された車両用シートベルト装置80では、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用するとヒューズ部86、88が塑性変形して、アンカブラケット82のシート前方側への変位が許容されるようになっている。
詳しくは、シートベルト42からアンカブラケット82に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、ヒューズ部86、88は、アンカブラケット82に対して相対変位しようとするスタッドボルト60の軸部60Aから当該荷重を受けて塑性変形するようになっている。そして、この状態において、被挿通部84は、スリット部90と一体化され、アンカブラケット82は、スリット部90がスタッドボルト60の軸部60Aで案内されることでシート前方側にスライド移動するようになっている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
本実施形態では、シート10とアンカブラケット82との取り付けに軸部60Aを備えたスタッドボルト60が用いられており、当該軸部60Aは、アンカブラケット82に設けられた被挿通部84に、当該軸部60Aの軸方向に挿通されている。また、アンカブラケット82には、当該アンカブラケット82の一部を構成すると共に被挿通部84と隣接するヒューズ部86、88が設けられている。
そして、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、シート前方側に変位しようとするアンカブラケット82に設けられたヒューズ部86、88がスタッドボルト60の軸部60Aに接触する。その結果、ヒューズ部86、88が塑性変形し、スタッドボルト60の軸部60Aと被挿通部84とのシート前後方向の相対変位が許容される。
つまり、車両の衝突時等においてシートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用してヒューズ部86、88が塑性変形することで、上述した第1実施形態と同様に、乗員12はシートベルト42と共にスリット部90が設けられている範囲においてシート前方側に変位することが可能となる。このため、本実施形態では、上述した第1実施形態と基本的に同様の作用並びに効果を奏する。
ところで、シートベルト42のバックルステー52がアンカブラケット82の縦壁部82Bに取り付けられているため、シートベルト42に作用する荷重のシート幅方向の成分によって発生したモーメントが、縦壁部82Bに作用することが考えられる。そして、縦壁部82Bにおけるバックルステー52との連結部にヒューズ部が設けられている場合、縦壁部82Bが上記モーメントの影響を受けることで、シートベルト42からヒューズ部への荷重の伝達に影響を及ぼすことが考えられる。
ここで、本実施形態では、被挿通部84、ヒューズ部86、88及びスリット部90が、アンカブラケット82の下壁部82Aに設けられている。このため、シートベルト42に作用する荷重のシート幅方向の成分によるモーメントが縦壁部82Bに作用しても、シートベルト42からヒューズ部86、88への荷重の伝達に影響を及ぼすことを抑制することができる。
なお、本実施形態においても、ヒューズ部86、88及びスリット部90の形状を適宜変更することが可能であり、例えば、第1実施形態の変形例における図2(A)及び図2(B)に示されるような構成を適用することが可能である。
<第3実施形態>
以下、図8及び図9を用いて、本発明に係る車両用シートベルト装置の第3実施形態について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成部分については同一番号を付してその説明を省略する。
本実施形態に係る「車両用シートベルト装置100」では、アンカブラケット44にヒューズ部が設けられておらず、車体30におけるアンカプレート56の取付箇所に設けられた「被挿通部102」と隣接して「ヒューズ部104、106」が設けられている点に特徴がある。
具体的には、被挿通部102は、車両幅方向左側に配置されて車体30の一部を構成するロッカ108の車両幅方向内側の側壁部108Aにおけるセンタピラー110の車両下方側の部分に設けられている。この被挿通部102は、車両幅方向から見て略円形に形成されて締結部材としての「ボルト112」の「軸部112A」を挿通可能とされている。
そして、被挿通部102の周縁部における車両前方側の一部は開放されており、被挿通部102の車両前方側には、当該被挿通部102と連続して車両前後方向に延びるスリット部114が設けられている。このスリット部114は、その車両上下の長さ(幅)W3が被挿通部102の直径D3と同じ長さに設定されている。
ヒューズ部104、106は、被挿通部102とスリット部114との境界部分に車両上下方向に一対となって設けられていると共に、被挿通部102の周縁部の一部を構成している。そして、車両上方側のヒューズ部104は、車両幅方向から見て、車両上方側から車両下方側に向かうにしたがって縮幅された略三角形状とされている。一方、車両下方側のヒューズ部106は、車両幅方向から見て、車両下方側から車両上方側に向かうにしたがって縮幅された略三角形状とされている。なお、本実施形態では、アンカブラケット44にヒューズ部及びスリット部は設けられていない。
また、本実施形態では、ロッカ108の側壁部108Aにおける車両幅方向外側の面(車室外側の面)にウエルドナット116が設けられている。このウエルドナット116は、車両幅方向から見て、その雌ねじ部が被挿通部102の内側に収まるように配置されると共に、被挿通部102の車両後方側において、TIG溶接等による「溶接部118」で側壁部108Aに接合されている。なお、この溶接部118は、所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用したときに破断(塑性変形)するように構成されている。つまり、溶接部118は、ヒューズ部としても機能している。
そして、アンカプレート56は、ボルト112の軸部112Aが、アンカプレート56に設けられた図示しない被挿通部及び被挿通部102にシート幅方向内側(車室内側)から挿通された状態でウエルドナット116に締結されることで、車体30に取り付けられている。
上記のように構成された車両用シートベルト装置100では、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用するとヒューズ部104、106及び溶接部118が塑性変形して、ボルト112の軸部112Aのシート前方側への変位が許容されるようになっている。
詳しくは、シートベルト42のアンカプレート56を介してボルト112に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、ウエルドナット116を介して溶接部118に当該荷重が作用し、溶接部118が破断するようになっている。また、溶接部118が破断すると、ボルト112の軸部112Aを介してヒューズ部104、106にシート前方側への荷重が作用し、ヒューズ部104、106が塑性変形するようになっている。そして、この状態において、被挿通部102は、スリット部114と一体化され、ボルト112及びアンカプレート56は、ボルト112の軸部112Aがスリット部114で案内されることで車両前方側にスライド移動するようになっている。
(本実施形態の作用及び効果)
次に、本実施形態の作用及び効果を説明する。
本実施形態では、車体30とアンカプレート56との取り付けに軸部112Aを備えたボルト112が用いられており、当該軸部112Aは、車体30に設けられた被挿通部102に、当該軸部112Aの軸方向に挿通されている。また、車体30には、当該車体30の一部を構成すると共に被挿通部102と隣接するヒューズ部104、106が設けられている。そして、シートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用すると、溶接部118が破断すると共に、シート前方側に変位しようとするボルト112の軸部112Aと接触することでヒューズ部104、106が塑性変形する。その結果、ボルト112の軸部112Aと被挿通部102とのシート前後方向の相対変位が許容される。
つまり、車両の衝突時等においてシートベルト42に所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用してヒューズ部104、106が塑性変形することで、上述した第1実施形態と同様に、乗員12はシートベルト42と共にスリット部114が設けられている範囲においてシート前方側に変位することが可能となる。このため、本実施形態では、上述した第1実施形態と基本的に同様の作用並びに効果を奏する。
また、本実施形態では、ラップベルト48に直接取り付けられたアンカプレート56とボルト112とが直接連結されているため、シートベルト42に作用する荷重がヒューズ部104、106に伝達されるまでに当該荷重が経由する部品点数を低減することができる。その結果、シートベルト42に作用するシート前方側への荷重をバックル50側からヒューズ部に伝達させるような構成と比し、当該荷重をヒューズ部104、106に効率よく伝達させることができる。
なお、本実施形態においても、ヒューズ部104、106及びスリット部114の形状を適宜変更することが可能であり、例えば、第1実施形態の変形例における図2(A)〜図2(C)に示されるような構成を適用することが可能である。
また、本実施形態では、ヒューズ部104、106及び溶接部118の塑性変形で乗員12に作用するモーメントを吸収していたが、これに限らない。例えば、車体30にヒューズ部104、106を設けることなく、溶接部118のみをヒューズ部として用いて、車両への衝突荷重等の入力時に乗員12に作用するモーメントを吸収する構成としてもよい。
また、上述した車両用シートベルト装置46、80、100は、自動運転が可能な車両にも搭載可能である。さらに、車両用シートベルト装置46、80が搭載されている車両において、シート10の向き等は上述したものに限らず、任意に変更してもよい。
10 車両用シート
30 車体
42 シートベルト
44 アンカブラケット(アンカ部)
46 車両用シートベルト装置
56 アンカプレート(アンカ部)
60 スタッドボルト(締結部材)
60A 軸部
64 段付きボルト(締結部材)
64B 軸部
70 被挿通部
72 ヒューズ部
74 ヒューズ部
80 車両用シートベルト装置
82 アンカブラケット(アンカ部)
84 被挿通部
86 ヒューズ部
88 ヒューズ部
100 車両用シートベルト装置
102 被挿通部
104 ヒューズ部
106 ヒューズ部
112 ボルト(締結部材)
112A 軸部
118 溶接部(ヒューズ部)

Claims (1)

  1. シートベルトが取り付けられると共に車両用シート又は車体に取り付けられたアンカ部と、
    前記シートベルト、前記車両用シート及び前記車体の何れか一つと前記アンカ部との取り付けに用いられると共に、軸部を備えた締結部材と、
    前記アンカ部及び前記車体の何れか一方に設けられると共に、前記軸部が当該軸部の軸方向に挿通された被挿通部と、
    前記一方の一部を構成しかつ前記被挿通部と隣接して設けられると共に前記シートベルトに所定値以上の大きさのシート前方側への荷重が作用したときに塑性変形して前記軸部と前記被挿通部とのシート前後方向の相対変位を許容するヒューズ部と、
    を有する車両用シートベルト装置。
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