JP2019178737A - 液化天然ガス気化器及び液化天然ガス気化器の運転方法 - Google Patents

液化天然ガス気化器及び液化天然ガス気化器の運転方法 Download PDF

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政和 中川
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Abstract

【課題】通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを抑制し得る液化天然ガス気化器及びその運転方法を提供する【解決手段】外殻体5の内部が、縦向きの管板6にてヘッダ室形成空間7と熱交換空間8とに仕切られ、ヘッダ室形成空間7が、管板6から延びる仕切り板9にて入口側ヘッダ室10及び出口側ヘッダ室11とに仕切られ、液化天然ガス気化用の複数の伝熱管12が、夫々の一端が管板6を貫通して入口側ヘッダ室10に連通し且つ夫々の他端が管板6を貫通して出口側ヘッダ室11に連通する状態で、熱交換空間8に配設され、入口側ヘッダ室10に、液化天然ガスを導入する液化天然ガス導入部13が設けられ、出口側ヘッダ室11に、気化された天然ガスを排出する天然ガス排出部14が設けられた液化天然ガス気化器であって、液化天然ガス導入部13が、入口側ヘッダ室10の底部に設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、外殻体の内部が、縦向きの管板にてヘッダ室形成空間と液化天然ガスを気化させる熱媒体が通流する熱交換空間とに仕切られ、ヘッダ室形成空間が、管板から延びる仕切り板にて入口側ヘッダ室及び出口側ヘッダ室とに仕切られ、液化天然ガス気化用の複数の伝熱管が、夫々の一端が管板を貫通して入口側ヘッダ室に連通し且つ夫々の他端が管板を貫通して出口側ヘッダ室に連通する状態で、熱交換空間に配設され、入口側ヘッダ室に、液化天然ガスを導入する液化天然ガス導入部が設けられ、出口側ヘッダ室に、気化された天然ガスを排出する天然ガス排出部が設けられた液化天然ガス気化器及び液化天然ガス気化器の運転方法に関する。
かかる液化天然ガス気化器は、液化天然ガス(LNG)を気化させて天然ガス(NG)を生成するものである。つまり、液化天然ガスを液化天然ガス導入部から入口側ヘッダ室に供給して伝熱管に通流させる。そして、伝熱管を通流する液化天然ガスを伝熱管の外周部の熱媒体との熱交換により気化させて、天然ガスを生成し、生成された天然ガスを出口側ヘッダ室に流入させて、天然ガス排出部から天然ガス消費先に向けて送出するように構成されている。
ところで、このような液化天然ガス気化器では、天然ガス消費先での天然ガスの需要がないときは、液化天然ガスを通常運転における流量よりも少ない流量で入口側ヘッダ室に供給する待機運転を継続して、液化天然ガス気化器を冷却状態に保持するか、あるいは、液化天然ガス導入部から入口側ヘッダ室への液化天然ガスの供給を停止して、液化天然ガス気化器の運転を停止するようになっている。
又、液化天然ガス気化器を停止状態から通常運転で運転を再開するときは、液化天然ガスの供給による急激な冷却により、液化天然ガス気化器(特に管板)に大きな熱応力が発生するのを抑制するために、液化天然ガスを通常運転における流量よりも少ない流量で供給する起動運転を実行した後、通常運転を開始するようになっている。
従来、このような液化天然ガス気化器では、液化天然ガス導入部は、入口側ヘッダ室の横側部に設けられて、入口側ヘッダ室の内部空間には、液化天然ガス導入部よりも低い部分が存在するようになっていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開2016−125567号公報
ところで、液化天然ガスの主成分はメタンであるが、液化天然ガスには、エタン、プロパン、ブタン等、メタンよりも沸点が高く、熱量が大きい成分(以下、重質分と記載する場合がある)が含有されている。ちなみに、液化天然ガス中のメタンの含有率は、例えば90%程度であり、残りがエタン、プロパン、ブタン等である。
そして、液化天然ガス中で沸点の低いメタンは重質分に比べて気化し易いので、入口側ヘッダ室への液化天然ガスの供給流量が通常運転よりも少ない待機運転や起動運転では、入口側ヘッダ室の底部や、複数の伝熱管のうちで、入口側ヘッダ室の底部に連通する伝熱管の液相部分(液化天然ガスが通流する部分)に、重質分が残留し易い。
一方、従来では、液化天然ガス導入部が入口側ヘッダ室の横側部に設けられていて、入口側ヘッダ室の内部空間には、液化天然ガス導入部よりも低い部分が存在するので、待機運転や起動運転中に、液化天然ガス中の重質分が、入口側ヘッダ室の内部空間における液化天然ガス導入部よりも低い部分や、そこに連通する伝熱管の液相部分に溜まり易かった。
従って、通常運転の開始時に、入口側ヘッダ室の底部やその入口側ヘッダ室底部に連通する伝熱管の液相部分に溜まっている重質分が、通常流量で供給される液化天然ガスと共に伝熱管に押し流されて気化されるので、天然ガス消費先に供給される天然ガスの熱量が一時的に高くなるという問題があった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを抑制し得る液化天然ガス気化器及びその運転方法を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明に係る液化天然ガス気化器は、外殻体の内部が、縦向きの管板にてヘッダ室形成空間と液化天然ガスを気化させる熱媒体が通流する熱交換空間とに仕切られ、
前記ヘッダ室形成空間が、前記管板から延びる仕切り板にて入口側ヘッダ室及び出口側ヘッダ室とに仕切られ、
液化天然ガス気化用の複数の伝熱管が、夫々の一端が前記管板を貫通して前記入口側ヘッダ室に連通し且つ夫々の他端が前記管板を貫通して前記出口側ヘッダ室に連通する状態で、前記熱交換空間に配設され、
前記入口側ヘッダ室に、液化天然ガスを導入する液化天然ガス導入部が設けられ、前記出口側ヘッダ室に、気化された天然ガスを排出する天然ガス排出部が設けられた液化天然ガス気化器であって、その特徴構成は、
前記液化天然ガス導入部が、前記入口側ヘッダ室の底部に設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、液化天然ガス導入部が入口側ヘッダ室の底部に設けられているため、待機運転や起動運転中に、入口側ヘッダ室の底部やその入口側ヘッダ室底部に連通する伝熱管に重質分が残留し易くなっても、液化天然ガス導入部から導入される液化天然ガスにより、入口側ヘッダ室の底部の液化天然ガスは常に攪拌混合されつつ、伝熱管に押し流されるので、入口側ヘッダ室の底部やその入口側ヘッダ室底部に連通する伝熱管に重質分が溜まるのが抑制される。
そして、待機運転や起動運転中に、入口側ヘッダ室の底部やその入口側ヘッダ室底部に連通する伝熱管に重質分が溜まるのが抑制されるので、通常運転の開始時に、伝熱管に重質分が流入するのを抑制することができる。
従って、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを抑制し得る液化天然ガス気化器を提供することができる。
本発明に係る液化天然ガス気化器の更なる特徴構成は、前記入口側ヘッダ室の底部に、排液口が設けられ、
前記排液口からの排液を断続する排液弁が設けられている点にある。
上記特徴構成によれば、待機運転や起動運転中、あるいは、待機運転や起動運転の終了後、通常運転を開始する前に、排液弁を開いて、排液口から入口側ヘッダ室の底部の液化天然ガスを排出することにより、入口側ヘッダ室の底部に重質分が溜まっていても、排液口から排出されるので、通常運転の開始時に、伝熱管に重質分が流入するのを一層抑制することができる。
従って、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを一層抑制することができる。
本発明に係る液化天然ガス気化器の更なる特徴構成は、前記入口側ヘッダ室の底部に、前記入口側ヘッダ室の内部空間における、前記入口側ヘッダ室に臨む複数の前記伝熱管の開口部のうちの最下部の開口部よりも低い部分を縮小する下敷き部材が設けられ、
前記液化天然ガス導入部が、前記入口側ヘッダ室の内部空間における前記下敷き部材の上方の部分に連通するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、下敷き部材によって、入口側ヘッダ室の内部空間において、入口側ヘッダ室に臨む複数の伝熱管の開口部のうちの最下部の開口部よりも低い部分が縮小されると共に、入口側ヘッダ室の底部に設けられた液化天然ガス導入部から、液化天然ガスが下敷き部材の上部に供給される。すると、待機運転や起動運転中は、液化天然ガス導入部から導入される液化天然ガスにより、入口側ヘッダ室の下敷き部材上の液化天然ガスが攪拌混合されながら、伝熱管に押し流されるので、入口側ヘッダ室の底部に重質分が溜まるのが更に抑制される。
これにより、通常運転の開始時に、伝熱管に重質分が流入するのを更に抑制することができる。
ちなみに、伝熱管は、その端部を管板に形成された貫通孔に挿通した状態で管板に溶接接合することにより、管板に支持するので、伝熱管を管板の下端又は下端近くに支持することは難しく、入口側ヘッダ室の内部空間には、入口側ヘッダ室に臨む複数の伝熱管の開口部のうちの最下部の開口部よりも低い部分が生じることになり、その部分に重質分が溜まり易いのである。
従って、上記特徴構成によれば、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを更に抑制することができる。
本発明に係る液化天然ガス気化器の更なる特徴構成は、前記入口側ヘッダ室の底部に、前記排液口に近づくほど低くなるように上面が傾斜する下敷き部材が設けられ、
前記液化天然ガス導入部が、前記入口側ヘッダ室の内部空間における前記下敷き部材の上方の部分に連通するように構成されている点にある。
上記特徴構成によれば、液化天然ガスは下敷き部材上に溜まり、待機運転や起動運転中、あるいは、待機運転や起動運転の終了後、通常運転を開始する前に、排液弁を開くと、液化天然ガスは、排液口に向かって下向きに傾斜する下敷き部材の上面を流動して、排液口から排出されるので、通常運転の開始時に、下敷き部材上に重質分が残留するのを十分に抑制することができる。
これにより、通常運転の開始時に、伝熱管に重質分が流入するのを更に抑制することができる。
従って、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを更に抑制することができる。
本発明に係る液化天然ガス気化器の運転方法の特徴構成は、液化天然ガスを通常流量にて前記液化天然ガス導入部に供給する通常運転の前に、液化天然ガスを前記通常流量よりも少ない予冷用流量にて前記液化天然ガス導入部に供給する予冷運転を実行し、
前記予冷運転中、又は、前記予冷運転の終了後、前記通常運転を開始する前に、所定の設定時間の間、前記排液弁を開弁する排液処理を実行する点にある。
上記特徴構成によれば、通常運転の前に、液化天然ガスを通常運転における液化天然ガスの供給流量である通常流量よりも少ない予冷用流量にて液化天然ガス導入部に供給する予冷運転を実行する。ちなみに、予冷運転は、起動運転や待機運転に相当する。
そして、予冷運転中、又は、予冷運転の終了後、通常運転を開始する前に、所定の設定時間の間、排液弁を開弁する排液処理を実行して、排液口から入口側ヘッダ室の底部の液化天然ガスを排出することにより、入口側ヘッダ室の底部に重質分が溜まっていても、排液口から排出されるので、通常運転の開始時に、伝熱管に重質分が流入するのを抑制することができる。
従って、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを抑制し得る液化天然ガス気化器の運転方法を提供することができる。
第1実施形態に係る液化天然ガス気化器を備えた液化天然ガス気化システムのブロック図 第1実施形態に係る液化天然ガス気化器の縦断正面図 図2のIII−III矢視図 図2のIV−IV矢視図 第2実施形態に係る液化天然ガス気化器を備えた液化天然ガス気化システムのブロック図 第2実施形態に係る液化天然ガス気化器の縦断正面図 図6のVII−VII矢視図 図6のVIII−VIII矢視図
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
この実施形態では、本発明を液化天然ガス気化システムで用いる液化天然ガス気化器に適用した場合について説明する。
〔第1実施形態〕
先ず、第1実施形態を図面に基づいて説明する。
液化天然ガス気化システムは、液化天然ガス気化用の熱を得るための熱源流体と、その熱源流体よりも沸点の低い液状の中間熱媒体とを熱交換させて、中間熱媒体を気化させ、その気体状の中間熱媒体と液化天然ガスとを熱交換させて、液化天然ガスを気化させることにより、天然ガスを生成するように構成される。
この実施形態の液化天然ガス気化システムでは、熱源流体の一例として海水を用い、中間熱媒体の一例として、沸点が海水よりも低く且つ凝縮点が液化天然ガスよりも高いプロパンを用いる。
図1に示すように、液化天然ガス気化システムは、海水SWとその海水SWよりも沸点の低い液化石油ガスLPG(液状の中間熱媒体)とを熱交換させて、液化石油ガスLPGを気化させる中間熱媒体気化器E1と、中間熱媒体気化器E1で気化されたプロパンガスPG(気体状の中間熱媒体)と液化天然ガスLNGとを熱交換させて、プロパンガスPGを凝縮させると共に液化天然ガスLNGを気化させて、天然ガスNGを生成する本発明に係る液化天然ガス気化器E2とを備えて構成されている。更に、中間熱媒体気化器E1に供給される前の海水SWと、液化天然ガス気化器E2で生成された天然ガスNGとを熱交換させて、天然ガスNGを昇温する生成ガス昇温器E3も設けられている。
図1に示すように、中間熱媒体気化器E1は、シェルアンドチューブ型熱交換器で構成され、プロパンガスPGを充満させる気相部1gを形成する状態で下方側の液溜まり部1fに液化石油ガスLPGを貯留可能なシェル1と、そのシェル1の液溜まり部1f内に収容されて、海水SWを通流させる多数の伝熱管2とを備えて構成される。
各伝熱管2は、直線状であり、多数の伝熱管2が、夫々の両端部夫々をシェル1の側部に支持した状態で、シェル1の液溜まり部1f内に設けられている。
更に、シェル1における複数の伝熱管2の一端が支持された側部には、複数の伝熱管2の一端に連通する状態で、海水SWを流入させる入口側ヘッダ室として機能させると共に後述する生成ガス昇温器E3の出口側ヘッダ室に兼用する連結室3が設けられ、シェル1における複数の伝熱管2の他端が支持された側部には、複数の伝熱管2の他端に連通する状態で、海水SWを流出させる出口側ヘッダ室4が設けられている。
図1及び図2に示すように、液化天然ガス気化器E2も、シェルアンドチューブ型熱交換器で構成されている。
この液化天然ガス気化器E2は、外殻体5の内部が、縦向きの管板6にてヘッダ室形成空間7と液化天然ガスLNGを気化させるプロパンガスPG(熱媒体の一例)が通流する熱交換空間8とに仕切られている。
ヘッダ室形成空間7が、管板6から延びる仕切り板9にて入口側ヘッダ室10及び出口側ヘッダ室11とに仕切られ、液化天然ガス気化用の多数の伝熱管12が、夫々の一端が管板6を貫通して入口側ヘッダ室10に連通し且つ夫々の他端が管板6を貫通して出口側ヘッダ室11に連通する状態で、熱交換空間8に配設されている。
入口側ヘッダ室10に、液化天然ガスLNGを導入する液化天然ガス導入口13(液化天然ガス導入部の一例)が設けられ、出口側ヘッダ室11に、気化された天然ガスNGを排出する天然ガス排出口14(天然ガス排出部の一例)が設けられている。
外殻体5は、気相部1gを熱交換空間8として用いることにより、中間熱媒体気化器E1のシェルとして共用するシェル1と、ヘッダ室形成空間7を形成するヘッダ室形成体15とを備えて構成されている。
シェル1は、概略両端が閉じられた円筒形状であり、その軸心を水平方向に沿わせた姿勢で配置される。
このシェル1における一方の側壁上部の気相部1gに対応する部分に、円形の横向きの開口部が設けられ、円板状の管板6が、この開口部を塞ぐ状態で設けられ、有底円筒状のヘッダ室形成体15が、その軸心を水平方向に沿わせた姿勢で、その開口部が管板6にて塞がれる状態で、シェル1の一端に付設されている。尚、以下では、ヘッダ室形成体15に関連する説明については、有底円筒状のヘッダ室形成体15が、その軸心が水平方向に沿う姿勢で配設されている点を特に記載しなくても、そのような姿勢で配設されていることを前提にして説明する。又、有底円筒状のヘッダ室形成体15において、有底円筒状形状における円筒状の部分を円筒状部分15cと、有底円筒状形状における底部に相当する部分を鏡板状部分15hと夫々記載する。
多数の伝熱管12夫々は、両端開口が同方向を向く形態に折り返されたU字状であり、当該多数の伝熱管12が、夫々の一端が入口側ヘッダ室10に連通し、且つ、夫々の他端が出口側ヘッダ室11に連通する状態で、管板6に支持されている。
図2及び図4に示すように、この第1実施形態では、平板状の仕切り板9が、管板6の上下方向の中間から水平方向に延びて、ヘッダ室形成空間7を上下方向に仕切るように設けられ、仕切り板9の下方に入口側ヘッダ室10が形成され、仕切り板9の上方に出口側ヘッダ室11が形成される。
筒状の液化天然ガス導入口13が、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの周方向における最低位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設けられている。つまり、液化天然ガス導入口13が、入口側ヘッダ室10の最底部に設けられていることになる。
又、筒状の天然ガス排出口14が、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの周方向における最高位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設けられている。
図2〜図4に示すように、更に、この第1実施形態では、入口側ヘッダ室10の底部に、入口側ヘッダ室10の内部空間における、入口側ヘッダ室10に臨む複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aよりも低い部分を縮小する下敷き板41(下敷き部材の一例)が設けられている。
下敷き板41について説明を加えると、平板状の下敷き板41が、管板6における複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aの下端から水平方向に延びて、外周縁が全周にわたって、管板6における入口側ヘッダ室10側の面、並びに、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15c及び鏡板状部分15hにわたる内面に密着するように設けられている。
下敷き板41における液化天然ガス導入口13の鉛直方向上方に相当する部分には、液化天然ガス導入口13の外径と同径の連通口41aが設けられ、連結筒42が、液化天然ガス導入口13と下敷き板41の連通口41aとを連結させるように設けられている。
つまり、液化天然ガス導入口13が、入口側ヘッダ室10の内部空間における下敷き板41の上方の部分に連通するように構成されていることになる。
これによって、入口側ヘッダ室10の内部空間における下敷き板41の下方の部分が上方の部分から仕切られることになり、入口側ヘッダ室10の内部空間における、入口側ヘッダ室10に臨む複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aよりも低い部分が略無くされることになる。
そして、液化天然ガスLNGが、液化天然ガス導入口13から上向きに、入口側ヘッダ室10における下敷き板41の上方の部分に供給されることになる。
図1に示すように、生成ガス昇温器E3も、シェルアンドチューブ型熱交換器にて構成され、天然ガスNGを通流させるシェル16と、そのシェル16内に収容されて、海水SWを通流させる多数の伝熱管17とを備えて構成される。
各伝熱管17は、直線状であり、管軸芯を略水平方向に沿わせて、両端部夫々をシェル16の側部に支持した状態で、シェル16内に設けられている。
更に、シェル16における複数の伝熱管17の一端が支持された側部は、中間熱媒体気化器E1の連結室3に対して、それら複数の伝熱管17の一端が連結室3に連通する状態で接続され、シェル16における複数の伝熱管17の他端が支持された側部には、複数の伝熱管17の他端に連通する状態で、海水SWを流入させる入口側ヘッダ室18が設けられている。
つまり、夫々シェルアンドチューブ型熱交換器にて構成される液化天然ガス気化器E2、中間熱媒体気化器E1及び生成ガス昇温器E3が、一体的に組み付けられて、一体物として構成されている。
図1に示すように、生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に海水供給路19が接続され、中間熱媒体気化器E1の出口側ヘッダ室4に海水排出路20が接続されている。
液化天然ガス気化器E2の入口側ヘッダ室10の液化天然ガス導入口13に、液化天然ガスLNGを供給する液化天然ガス供給路21が接続され、出口側ヘッダ室11の天然ガス排出口14には、各伝熱管12を通流する液化天然ガスLNGが気化されて生成された天然ガスNGを送出する天然ガス移送路22が接続されている。その天然ガス移送路22の先端が生成ガス昇温器E3のシェル16に連通接続されて、液化天然ガス気化器E2で生成された天然ガスNGが生成ガス昇温器E3のシェル16内に移送されるように構成されている。
又、生成ガス昇温器E3のシェル16には、シェル16から天然ガスNGを外部の天然ガス消費先に送出する天然ガス送出路23が接続されている。
海水供給路19には、生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に向けて海水SWを圧送する海水ポンプ24、海水供給路19を開閉する海水供給路開閉弁25、海水SWの供給流量を調整する海水流量調整弁26が設けられている。
又、液化天然ガス供給路21には、液化天然ガス気化器E2の液化天然ガス導入口13へ向けて液化天然ガスLNGを圧送する液化天然ガスポンプ27、液化天然ガス供給路21を開閉する液化天然ガス供給路開閉弁28、液化天然ガスLNGの供給流量を調整する液化天然ガス流量調整弁29が設けられている。
更に、上記の各種ポンプ、弁等の機器の作動を制御して液化天然ガス気化システムの運転を制御する制御部30、その制御部30に各種制御情報を送信する操作部31が設けられている。
次に、制御部30の制御動作について説明する。
制御部30は、液化天然ガスLNGを液化天然ガス通常流量にて液化天然ガス導入口13に供給する通常運転、液化天然ガスLNGを液化天然ガス通常流量よりも少ない液化天然ガス起動流量にて液化天然ガス導入口13に供給する起動運転、液化天然ガスLNGを液化天然ガス通常流量よりも少ない液化天然ガス待機流量にて液化天然ガス導入口13に供給する待機運転を実行可能に構成されている。
ちなみに、液化天然ガス通常流量は、例えば40t/hに設定される。
又、液化天然ガス待機流量は、液化天然ガス気化器E2の温度(この実施形態では、管板6の温度)を、熱応力が大きくなるのを抑制して、適切に通常運転に移行できる温度(以下、目標予冷温度と記載する場合がある)以下に維持可能な流量に設定される。例えば、液化天然ガス待機流量は、10t/hに設定され、目標予冷温度は−80℃に設定される。
又、液化天然ガス起動流量は、例えば、液化天然ガス待機流量と同一に設定される。
生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に海水SWを供給する流量として、通常運転において液化天然ガス通常流量の液化天然ガスLNGを完全に気化させるための海水通常流量、起動運転において液化天然ガス起動流量の液化天然ガスLNGを完全に気化させるための海水起動流量、及び、待機運転において液化天然ガス待機流量の液化天然ガスLNGを完全に気化させるための海水待機流量がそれぞれ設定されている。
操作部31には、図示を省略するが、通常運転の開始を指令する運転スイッチ、待機運転の開始を指令する待機スイッチ、通常運転や待機運転の停止を指令する停止スイッチ等が設けられている。
そして、制御部30は、操作部31の運転スイッチにより、通常運転の開始が指令されたときに、液化天然ガス気化システムが停止中の場合は、起動運転を所定の起動用設定時間実行した後、通常運転を開始し、待機運転を実行中のときは、待機運転から通常運転に切り換えるように構成されている。
ちなみに、起動用設定時間は、液化天然ガス気化器E2を目標予冷温度に冷却するのに要する起動運転の継続時間に設定される。
又、制御部30は、通常運転の実行中に、操作部31の待機スイッチにより待機運転が指令されると、通常運転から待機運転に切り換えるように構成されている。
次に、各運転における制御部30の制御動作について詳細に説明する。
制御部30は、通常運転の開始が指令されたときに、液化天然ガス気化システムが停止中の場合は、海水ポンプ24を作動し、海水供給路開閉弁25を開弁すると共に、海水SWの供給流量が海水起動流量になるように海水流量調整弁26を調整した後、液化天然ガスポンプ27を作動し、液化天然ガス供給路開閉弁28を開弁すると共に、液化天然ガスLNGの供給流量が液化天然ガス起動流量になるように液化天然ガス流量調整弁29を調整して、起動運転を開始し、その起動運転を起動用設定時間実行し、続いて、海水SWの供給流量が海水通常流量になるように海水流量調整弁26を調整した後、液化天然ガスLNGの供給流量が液化天然ガス通常流量になるように液化天然ガス流量調整弁29を調整して、通常運転を開始する。
制御部30は、通常運転の開始が指令されたときに、待機運転を実行中のときは、海水SWの供給流量が海水通常流量になるように海水流量調整弁26を調整した後、液化天然ガスLNGの供給流量が液化天然ガス通常流量になるように液化天然ガス流量調整弁29を調整して、待機運転から通常運転に切り換える。
制御部30は、通常運転の実行中に待機運転が指令されると、液化天然ガスLNGの供給流量が液化天然ガス待機流量になるように液化天然ガス流量調整弁29を調整した後、海水SWの供給流量が海水待機流量になるように海水流量調整弁26を調整して、通常運転から待機運転に切り換える。
制御部30は、通常運転や待機運転の実行中に、操作部31の停止スイッチにより運転の停止が指令されると、液化天然ガスポンプ27を停止し、液化天然ガス供給路開閉弁28及び液化天然ガス流量調整弁29を閉弁した後、海水ポンプ24を停止し、海水供給路開閉弁25及び海水流量調整弁26を閉弁して、液化天然ガス気化システムの運転を停止する。
次に、図1に基づいて、通常運転における液化天然ガス気化システムの作動形態について説明する。
海水SWは、海水通常流量にて、海水供給路19を通して、生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に供給され、液化天然ガスLNGは、液化天然ガス通常流量にて、液化天然ガス供給路21を通して液化天然ガス気化器E2の入口側ヘッダ室10に供給される。
生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に供給された海水SWは、連結室3を経由して、生成ガス昇温器E3の複数の伝熱管17と中間熱媒体気化器E1の複数の伝熱管2とを通流して、中間熱媒体気化器E1の出口側ヘッダ室4に流出し、更に、海水排出路20を通して海に廃棄される。
生成ガス昇温器E3においては、複数の伝熱管17を通流する海水SWと、液化天然ガス気化器E2から天然ガス移送路22を通してシェル16内に供給された天然ガスNGとが熱交換して、天然ガスNGが昇温される。
中間熱媒体気化器E1においては、複数の伝熱管2を通流する海水SWとシェル1の液溜まり部1fに溜まっている液化石油ガスLPGとが熱交換して、液化石油ガスLPGの一部が気化する。
液化天然ガス気化器E2においては、入口側ヘッダ10から各伝熱管12に液化天然ガスLNGが供給される。各伝熱管12を通流する液化天然ガスLNGとシェル1の気相部1gのプロパンガスPGとが熱交換して、プロパンガスPGが凝縮すると共に、液化天然ガスLNGがプロパンガスPGの顕熱及び凝縮潜熱により加熱されて気化し、気化した天然ガスNGは出口側ヘッダ室11を介して天然ガス移送路22に送出され、凝縮した液化石油ガスLPGは、シェル1の液溜まり部1fに滴下して溜まる。
そして、天然ガス移送路22を通して生成ガス昇温器E3のシェル16に供給された天然ガスNGは、上述したように、伝熱管17を通流する海水SWとの熱交換により昇温されて、天然ガス送出路23を通して外部の天然ガス消費先に供給される。
天然ガス消費先において、天然ガスNGの需要がないときは、通常運転から待機運転に切り換えられるか、液化天然ガス気化システムの運転が停止される。
待機運転では、海水SWが、海水待機流量にて生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に供給され、液化天然ガスLNGが、液化天然ガス待機流量にて液化天然ガス気化器E2の入口側ヘッダ室10に供給され、管板6の温度が目標予冷温度以下に維持される。
又、起動運転では、海水SWが、海水起動流量にて生成ガス昇温器E3の入口側ヘッダ室18に供給され、液化天然ガスLNGが、液化天然ガス起動流量にて液化天然ガス気化器E2の入口側ヘッダ室10に供給され、その起動運転が起動用設定時間継続されると、管板6が目標予冷温度以下に冷却される。
上記構成の液化天然ガス気化器E2であれば、液化天然ガス導入口13が入口側ヘッダ室10の最底部に設けられ、その入口側ヘッダ室10から液化天然ガスLNGが鉛直方向上向きに供給される。すると、液化天然ガス導入口13から導入される液化天然ガスLNGにより、入口側ヘッダ室10の底部の液化天然ガスLNGは常に攪拌混合されつつ、伝熱管12に押し流されるので、待機運転や起動運転中に、入口側ヘッダ室10の底部やその入口側ヘッダ室10の底部に連通する伝熱管12に重質分が残留し易くなっても、入口側ヘッダ室10の底部やその入口側ヘッダ室10の底部に連通する伝熱管12に重質分が溜まるのが抑制される。
更に、下敷き板41によって、入口側ヘッダ室10の内部空間において、入口側ヘッダ室10に臨む複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aよりも低い部分が略無くされることになり、液化天然ガスLNGが、液化天然ガス導入口13から鉛直方向上向きに、入口側ヘッダ室10における下敷き板41の上方の部分に供給される。
すると、液化天然ガス導入口13から下敷き板41の上方に導入される液化天然ガスLNGにより、入口側ヘッダ室10の下敷き板41上の液化天然ガスLNGが攪拌混合されながら、伝熱管12に押し流されるので、待機運転や起動運転中に、入口側ヘッダ室10の底部に液化天然ガスLNGが滞留するのが更に抑制されて、入口側ヘッダ室10の底部に重質分が溜まるのが更に抑制される。
従って、通常運転の開始時に送出する天然ガスNGの熱量が高くなるのを抑制することができる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を説明するが、液化天然ガス気化システムの全体構成は上記の第1実施形態と同様であるので、重複説明を避けるために、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、同じ符号を付すことにより説明を省略する。
図5及び図6に示すように、第2実施形態においても、上記の第1実施形態と同様に、平板状の仕切り板9が、管板6の上下方向の中間から水平方向に延びて、ヘッダ室形成空間7を上下方向に仕切るように設けられ、仕切り板9の下方に入口側ヘッダ室10が形成され、仕切り板9の上方に出口側ヘッダ室11が形成される。
筒状の液化天然ガス導入口13が、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの周方向における最低位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設けられている。つまり、液化天然ガス導入口13が、入口側ヘッダ室10の最底部に設けられていることになる。
又、筒状の天然ガス排出口14が、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの周方向における最高位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設けられている。
図6〜図8に示すように、この第2実施形態では、入口側ヘッダ室10の底部に、排液口43が設けられ、その排液口43からの排液を断続する排液弁44が設けられている。
説明を加えると、排液口43は、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの周方向における最低位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設けられている。つまり、排液口43も、入口側ヘッダ室10の最底部に設けられていることになる。
尚、排液口43は、液化天然ガス導入口13よりも管板6側に設けられている。ところで、排液口43の設置位置は、液化天然ガス導入口13よりも管板6側に限定されるものではなく、液化天然ガス導入口13に対して管板6と反対側でも良く、必要に応じて適宜設定することができる。
排液口43には、排液路45が接続され、排液弁44は、その排液路45に設けられている。
更に、この第2実施形態では、入口側ヘッダ室10の底部に、排液口43に近づくほど低くなるように上面が傾斜する下敷き板46(下敷き部材の一例)が設けられている。
下敷き板46は、排液口43の外周縁近傍から管板6側に延びる平板状の第1下敷き板部分46Fと、排液口43の外周縁近傍から管板6側とは反対側の鏡板状部分15hに延びる平板状の第2下敷き板部分46Sとからなる。
第1下敷き板部分46Fは、排液口43側ほど低くなる傾斜姿勢で、管板6における複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aの下端とヘッダ室形成体15の円筒状部分15cにおける排液口43の外周縁が位置する部分とにわたって架け渡される状態で、且つ、外周縁が全周にわたって、管板6における入口側ヘッダ室10側の面、及び、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの内面に密着するように設けられている。
第2下敷き板部分46Sは、排液口43側ほど低くなる傾斜姿勢で、ヘッダ室形成体15の鏡板状部分15hとヘッダ室形成体15の円筒状部分15cにおける排液口43の外周縁が位置する部分とに架け渡される状態で、且つ、外周縁が全周にわたってヘッダ室形成体15の円筒状部分15c及び鏡板状部分15hにわたる内面に密着する状態で設けられている。
第2下敷き板部分46Sにおける液化天然ガス導入口13の鉛直方向上方に相当する部分には、平面視にて、液化天然ガス導入口13の外径と同径の円となるように、連通口46aが設けられている。
更に、連結筒47が、液化天然ガス導入口13と第2下敷き板部分46Sの連通口46aとを連結させるように設けられている。尚、連結筒47の上端の端面は、第2下敷き板部分46Sの上面と面一になるように傾斜面に構成されている。
つまり、液化天然ガス導入口13が、入口側ヘッダ室10の内部空間における下敷き板46の上方の部分に連通するように構成されていることになる。
これによって、入口側ヘッダ室10における下敷き板46(第1下敷き板部分46F及び第2下敷き板部分46S)の下方の部分が上方の部分から仕切られることになる。
そして、液化天然ガス導入口13を通して、液化天然ガスLNGが入口側ヘッダ室10における下敷き板46の上方の部分に供給されることになる。
次に、制御部30の制御動作について説明する。
この第2実施形態では、排液弁44を制御する制御動作が加わっている点が、上記の実施形態の制御動作と異なる。
つまり、制御部30は、操作部31の運転スイッチにより、通常運転の開始が指令されたときに、液化天然ガス気化システムが停止中の場合は、第1実施形態と同様に起動運転を所定の起動用設定時間実行した後、液化天然ガスポンプ27を停止して起動運転を終了し、続いて、排液弁44を開弁し、排液設定時間(設定時間の一例)が経過すると、排液弁44を閉弁する排液処理を実行し、続いて、海水SWの供給流量が海水通常流量になるように海水流量調整弁26を調整した後、液化天然ガスポンプ27を作動し、液化天然ガスLNGの供給流量が液化天然ガス通常流量になるように液化天然ガス流量調整弁29を調整して、通常運転を開始する。
制御部30は、通常運転の開始が指令されたときに、待機運転を実行中のときは、液化天然ガスポンプ27を停止して待機運転を終了し、続いて、排液弁44を開弁し、排液設定時間が経過すると、排液弁44を閉弁する排液処理を実行し、続いて、海水SWの供給流量が海水通常流量になるように海水流量調整弁26を調整した後、液化天然ガスポンプ27を作動し、液化天然ガスLNGの供給流量が液化天然ガス通常流量になるように液化天然ガス流量調整弁29を調整して、通常運転を開始する。
ちなみに、排液設定時間は、第1下敷き板部分46F及び第2下敷き板部分46S上に残留している重質分を略完全に排液口43を通して排出するのに十分な時間に設定される。
制御部30は、上記の第1実施形態と同様に、通常運転の実行中に待機運転が指令されると、通常運転から待機運転に切り換え、通常運転や待機運転の実行中に、操作部31の停止スイッチにより運転の停止が指令されると、上記の第1実施形態と同様に、液化天然ガス気化システムの運転を停止する。
つまり、液化天然ガス起動流量や液化天然ガス待機流量は、液化天然ガス通常流量(通常流量の一例)よりも少ない予冷用流量に相当し、起動運転や待機運転は、液化天然ガスLNGを液化天然ガス通常流量よりも少ない予冷用流量にて液化天然ガス導入口13に供給する予冷運転に相当する。
そして、この第2実施形態では、液化天然ガスLNGを液化天然ガス通常流量にて液化天然ガス導入口13に供給する通常運転の前に、液化天然ガスLNGを液化天然ガス通常流量よりも少ない予冷用流量にて液化天然ガス導入口13に供給する予冷運転を実行し、予冷運転の終了後、通常運転を開始する前に、所定の排液設定時間の間、排液弁44を開弁する排液処理を実行する運転方法が記載されている。
上記構成の液化天然ガス気化器E2であれば、液化天然ガスLNGは下敷き板46上に溜まり、通常運転を開始する前に、排液処理が実行される。
すると、下敷き板46上に溜まっている液化天然ガスLNGは、排液口43から排出される。しかも、下敷き板46の上面は排液口43に近づくほど低くなるように傾斜しているので、液化天然ガスLNGは、排液口43に向かって下向きに傾斜している下敷き板46の上面を流動して、排液口43から排出されるので、通常運転の開始時に、下敷き板46上に重質分が残留するのを十分に抑制することができる。
従って、通常運転の開始時に、重質分が伝熱管12に流入するのを抑制することができるので、通常運転の開始時に送出する天然ガスNGの熱量が高くなるのを抑制することができる。
〔別実施形態〕
(A)上記の第1実施形態において、下敷き板41を省略しても良い。
又、第2実施形態においても、下敷き板46(第1下敷き板部分46F及び第2下敷き板部分46S)を省略しても良い。
この場合、排液設定時間は、入口側ヘッダ室10の底部に残留している重質分を略完全に排液口43を通して排出するのに十分な時間に設定される。
(B)下敷き部材の一例として、上記の第1実施形態では下敷き板41を、第2実施形態では下敷き板46を夫々例示したが、下敷き部材としては、上記の第1及び第2の各実施形態の如き板状の部材に限定されるものではなく、断熱ブロックの如きブロック状の部材を用いることができる。この場合は、入口側ヘッダ室10において、下敷き部材の下方に空間が存在しないようにすることが可能となり、例えば、施工性を向上できたり、断熱作用を向上できるなどの効果が得られる。
(C)上記の第1及び第2の各実施形態では、仕切り板9を平板状としたが、これに限定されるものではない。
例えば、仕切り板9を略直角に屈曲した屈曲板状とし、この屈曲板状の仕切り板9を、管板6の上下方向の中間から略水平方向に延び、有底円筒状のヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの軸心方向の中間で下方に曲がって、円筒状部分15cに接続される形態で、ヘッダ室形成空間7に設けても良い。
この場合は、ヘッダ室形成空間7において、管板6の下方側の隅部に相当する部分に、入口側ヘッダ室10が形成され、残りの部分が出口側ヘッダ室11に形成される。
この場合、筒状の液化天然ガス導入口13は、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cにおける入口側ヘッダ室10を囲う部分の最低位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設ける。
又、天然ガス排出口14は、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cにおける出口側ヘッダ室11を囲う部分の最低位置部分に、軸心を鉛直方向に沿わせた状態で設ける。
つまり、液化天然ガス導入口13及び天然ガス排出口14を、いずれも、ヘッダ室形成体15の円筒状部分15cの周方向における最低位置部分に設けることができる。
(D)上記の第1実施形態において、平板状の下敷き板41を、入口側ヘッダ室10に臨む複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aに向かって下向きに傾斜する姿勢で設けても良い。
この場合は、下敷き部材41の上部に供給される液化天然ガスLNGは、入口側ヘッダ室10に臨む複数の伝熱管12の開口部12aのうちの最下部の開口部12aに向かって下向きに傾斜する下敷き部材41の上面を流動して、伝熱管12に流入するので、待機運転や起動運転において、重質分が下敷き部材41上に残留するのを更に抑制することができる。
(E)上記の第2実施形態では、排液処理を起動運転や待機運転の終了後に実行したが、排液処理を起動運転や待機運転の実行中に実行するように構成しても良い。
つまり、制御部30は、操作部31の運転スイッチにより、通常運転の開始が指令されたときに、液化天然ガス気化システムが停止中の場合は、第1実施形態と同様に起動運転を起動用設定時間実行すると共に、その起動運転の実行中に、排液弁44を開弁し、排液設定時間が経過すると、排液弁44を閉弁する排液処理を実行し、起動運転を終了すると、第1実施形態と同様に通常運転を開始する。
但し、排液処理を起動運転の実行中に実行するにしても、起動運転の終了直前に実行するのが好ましい。
又、制御部30は、通常運転の開始が指令されたときに、待機運転を実行中のときは、待機運転の実行中に、排液弁44を開弁し、排液設定時間が経過すると、排液弁44を閉弁する排液処理を実行した後、第1実施形態と同様に通常運転を開始する。
要するに、通常運転の前に、予冷運転を実行し、予冷運転中に、所定の排液設定時間の間、排液弁44を開弁する排液処理を実行する運転方法が実行される。
(F)上記の実施形態では、本発明に係る液化天然ガス気化器E2と中間熱媒体気化器E1とで、シェル1を共用して、液化天然ガス気化器E2と中間熱媒体気化器E1とを一体的に構成した。
これに代えて、液化天然ガス気化器E2と中間熱媒体気化器E1とを別個のシェルで構成して、液化天然ガス気化器E2と中間熱媒体気化器E1とを別体に構成しても良い。
この場合、中間熱媒体気化器E1から液化天然ガス気化器E2にプロパンガスPGを供給する流路の途中に、そのプロパンガスPGにより駆動されるタービン式発電機を設けることが可能である。
又、液化天然ガス気化器E2から中間熱媒体気化器E1に液化石油ガスLPGを圧送するポンプを設ける。
(G)本発明に係る液化天然ガス気化器E2に加えて、中間熱媒体気化器E1を備えた液化天然ガス気化システムでは、熱源流体としては、上記の実施形態で例示した海水SW以外に、河川水、湖沼水、地下水及び地表水等の自然水のうちのいずれか一つを用いることができる。あるいは、海水SW、河川水、湖沼水、地下水及び地表水等の自然水のうちのいずれか二つ以上を混合したものを用いることができる。又、熱源流体としては、自然水の他に、工業用水や水道水等を用いることができる。
又、中間熱媒体としては、上記の実施形態において例示したプロパンに限定されるものではなく、フロン、ブタン等、沸点が熱源流体(上記の実施形態では、海水SW)の温度よりも低い種々のものを用いることができる。
尚、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、又、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
以上説明したように、通常運転の開始時に送出する天然ガスの熱量が高くなるのを抑制し得る液化天然ガス気化器及びその運転方法を提供することができる。
5 外殻体
6 管板
7 ヘッダ室形成空間
8 熱交換空間
9 仕切り板
10 入口側ヘッダ室
11 出口側ヘッダ室
12 伝熱管
12a 開口部
13 液化天然ガス導入口(液化天然ガス導入部)
14 天然ガス排出口(液化天然ガス排出部)
41 下敷き板(下敷き部材)
43 排液口
44 排液弁
46 下敷き板(下敷き部材)

Claims (5)

  1. 外殻体の内部が、縦向きの管板にてヘッダ室形成空間と液化天然ガスを気化させる熱媒体が通流する熱交換空間とに仕切られ、
    前記ヘッダ室形成空間が、前記管板から延びる仕切り板にて入口側ヘッダ室及び出口側ヘッダ室とに仕切られ、
    液化天然ガス気化用の複数の伝熱管が、夫々の一端が前記管板を貫通して前記入口側ヘッダ室に連通し且つ夫々の他端が前記管板を貫通して前記出口側ヘッダ室に連通する状態で、前記熱交換空間に配設され、
    前記入口側ヘッダ室に、液化天然ガスを導入する液化天然ガス導入部が設けられ、前記出口側ヘッダ室に、気化された天然ガスを排出する天然ガス排出部が設けられた液化天然ガス気化器であって、
    前記液化天然ガス導入部が、前記入口側ヘッダ室の底部に設けられている液化天然ガス気化器。
  2. 前記入口側ヘッダ室の底部に、排液口が設けられ、
    前記排液口からの排液を断続する排液弁が設けられている請求項1に記載の液化天然ガス気化器。
  3. 前記入口側ヘッダ室の底部に、前記入口側ヘッダ室の内部空間における、前記入口側ヘッダ室に臨む複数の前記伝熱管の開口部のうちの最下部の開口部よりも低い部分を縮小する下敷き部材が設けられ、
    前記液化天然ガス導入部が、前記入口側ヘッダ室の内部空間における前記下敷き部材の上方の部分に連通するように構成されている請求項1に記載の液化天然ガス気化器。
  4. 前記入口側ヘッダ室の底部に、前記排液口に近づくほど低くなるように上面が傾斜する下敷き部材が設けられ、
    前記液化天然ガス導入部が、前記入口側ヘッダ室の内部空間における前記下敷き部材の上方の部分に連通するように構成されている請求項2に記載の液化天然ガス気化器。
  5. 請求項2又は4に記載の液化天然ガス気化器の運転方法であって、
    液化天然ガスを通常流量にて前記液化天然ガス導入部に供給する通常運転の前に、液化天然ガスを前記通常流量よりも少ない予冷用流量にて前記液化天然ガス導入部に供給する予冷運転を実行し、
    前記予冷運転中、又は、前記予冷運転の終了後、前記通常運転を開始する前に、所定の設定時間の間、前記排液弁を開弁する排液処理を実行する液化天然ガス気化器の運転方法。
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