JP2007247797A - Lngベーパライザ - Google Patents

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Abstract

【課題】清浄な海水が得られないところ、あるいは冷排水が環境上問題となるところでも使用でき、プロパン、ブタン等の中間媒体に比べ安全に取り扱え、運転、保守が容易であり、かつ内部での局部的凍結を防止することができるLNGベーパライザを提供する。
【解決手段】複数の鉛直伝熱管11とこれを囲む胴部12を有し鉛直伝熱管の内面に下端から液化天然ガス1を供給しその上端から気化した天然ガス2を排出する多管筒形熱交換器10と、多管筒形熱交換器の胴部に不凍液3を供給し胴部内で冷却され胴部から排出された不凍液を再加熱しこれを胴部に再循環させる不凍液加熱循環装置20と、胴部内で不凍液が凍結しないように不凍液流量を制御する不凍液流量制御装置30とを備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、極低温(約−160℃)かつ液体状態の液化天然ガスを間接加熱して気体状態の天然ガスにするLNGベーパライザに関する。
LNG貯蔵プラントに通常併設されるLNGベーパライザ(ガス化装置)は、極低温(約−160℃)のLNG(液化天然ガス)を常温のNG(天然ガス)にまで加熱気化し、需要先に送出する装置である。
このLNGベーパライザの運転圧力は、用途により異なり、都市ガスのように遠隔地まで供給する場合には高圧(約5〜7MPa)、隣接地に供給する場合には低圧(約0.5〜1MPa)となる。またLNGベーパライザの出口温度は、着霜を防止する観点から通常0〜10℃である。
従来から実績のあるLNGベーパライザとして、オープンラック式、サブマージ式、空気加熱式および中間媒体式の各ベーパライザが広く知られている。
オープンラック式ベーパライザは、LNGが内部を流れる伝熱管を鉛直に設置し、伝熱管の外表面に海水を上部から流下させてLNGを加熱するものである。
オープンラック式ベーパライザは、海水という最も安価で豊富な熱源を利用したものであり、我国では最も主流となっている。建設コストは高いが、運転コストは低い特徴がある。また、万が一、海水が凍結しても外面であり、プラント停止は不要である。ただし、凍結すると氷が伝熱抵抗となるため蒸発能力が低下する。
しかし、オープンラック式ベーパライザは、汚染海水しか得られない場合は適用できない。また寒冷地には向かない。さらに低温海水が放出されるため、環境対策などの課題がある。
サブマージ式ベーパライザは、LNGの一部を燃焼させ、この熱で水槽内に設置した伝熱管内のLNGを蒸発させるものである。 サブマージ式ベーパライザは、比較的高価な燃料を熱源とするが、イニシャルコストが比較的安価であるため、我国では主としてピークロード用として用いられる。特に、オープンラック式ベーパライザが適用できない、清浄海水が得られないところや、冬期海水温度が低下する基地で、これに代わるものとなっている。
サブマージ式ベーパライザは、伝熱効率が高く、設置面積は小さいが、燃料費がかかるため、運転コストとして、一般的には、基地供給量の数%が燃料費としてかかる欠点がある。
空気加熱式ベーパライザは、加熱源として大気を用いるものであり、比較的小規模設備向けとして用いられる。
構造はシンプルで、運転コストは安い。しかしフィンチューブ型伝熱管を用いた場合でも、伝熱性能は低く、単位蒸発量あたりの建設コストは高い。また、環境条件としての大気温度、湿度により蒸発容量が左右される。さらに、空気中の湿分がフィン表面に凍結するため、凍結すると伝熱量が低下し、蒸発量が低下する欠点がある。
この空気加熱式ベーパライザは、LNG貯蔵プラントでは、極小規模のサテライト基地を除きほとんど使用されていない。
中間媒体式ベーパライザは、海水或いは温排水という安価で豊富な熱源とLNGとの間で中間熱媒体を介して熱交換させるものである。中間熱媒体としては、中間温度で適当な沸点と凝固点を有するプロパン、ブタン等が通常用いられる。
中間媒体式ベーパライザは、プロパン等を中間媒体として用いるため、凍結のおそれがない。また、清浄な海水が得られないところでも使用できる。さらに、多管式熱交換器を用いるため、オープンラック式ベーパライザに比較し、設置面積が小さい利点がある。
なお、プロパン等を中間媒体として用いる中間媒体式ベーパライザは、特許文献1及び2に開示されている。
プロパン等を中間媒体として用いる場合、加熱側で中間媒体を加熱して蒸発させ、冷却側で中間媒体を凝縮して液化するため、沸騰伝熱と凝縮伝熱による高い伝熱性能を得ることができる。
しかし、プロパン等の中間媒体は、漏洩による発火、爆発のおそれがあり、かつオープンラック式と比較すると建設費が高く、かつプロパン等を大量に使用するため運転コストも高い欠点がある。冷却水を中間媒体とするLNGベーパライザが、特許文献3に開示されている。
特開平8−291899号公報、「液化天然ガスの気化装置及びその冷却待機保持方法」 特開2000−227200号公報、「中間媒体式気化器及び当該気化器を用いた天然ガスの供給方法」 特開平8−296797号公報、「ガスタービン吸気冷却システムにおけるLNG気化器出口冷却水温度制御装置」
特許文献3のシステムでは、図5に示すように、LNG気化器51と吸気冷却器53との間で冷却水を循環させ、この冷却水をLNG気化器51の気化熱源として使用する。LNG気化器51では、冷却水が冷却される代わりにLNGが気化されてNGとなり、ガスタービン燃焼器55に供給される。また、吸気冷却器53では、ガスタービンの軸流空気圧縮機54に流入する吸気を冷却すると共に冷却水は熱交換により昇温し、ポンプ52に到る。吸気冷却器53での吸気冷却用の低温冷却水を得るためには、冷却水の流量が制御される必要があり、そのため、LNG気化器51の出口に設置した温度検出器56で検出した温度が所定の目標値になるように制御弁57が調節される。
上述したように特許文献3のシステムでは、LNG気化器51の出口に設置した温度検出器56で検出した温度が氷結温度以下にならないように、制御弁57を調節している。しかし、LNG気化器51の出口温度が氷結温度以上であっても、内部で局部的な滞留があると冷却水が局部的に凍結するおそれがあった。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、清浄な海水が得られないところ、あるいは冷排水が環境上問題となるところでも使用でき、プロパン、ブタン等の中間媒体に比べ安全に取り扱え、運転、保守が容易であり、かつ内部での局部的凍結を防止することができるLNGベーパライザを提供することにある。
本発明によれば、液化天然ガスを不凍液で間接加熱して気化させ天然ガスにするLNGベーパライザであって、
複数の鉛直伝熱管とこれを囲む胴部を有し、該鉛直伝熱管の内面に下端から液化天然ガスを供給し、その上端から気化した天然ガスを排出する多管円筒形熱交換器と、
該多管円筒形熱交換器の胴部に不凍液を供給し、該胴部内で冷却され胴部から排出された不凍液を再加熱し、これを前記胴部に再循環させる不凍液加熱循環装置と、
前記胴部内で不凍液が凍結しないように不凍液流量を制御する不凍液流量制御装置と、を備えたことを特徴とするLNGベーパライザが提供される。
本発明の好ましい実施形態によれば、前記多管円筒形熱交換器は、鉛直伝熱管の下端部外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って一方向に流す第1熱交換部を有し、
前記不凍液流量制御装置は、第1熱交換部の胴部から排出された不凍液の温度を検出する温度検出器と、第1熱交換部へ供給する不凍液の流量を調節する流量調節弁とを有し、これにより胴部内の不凍液の温度をその凍結温度より十分高く維持する。
また、前記多管円筒形熱交換器は、前記第1熱交換部より上方に位置し、第1熱交換部より上方の鉛直伝熱管外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って下方から上方に交互に流す第2熱交換部を有する。
更に、前記多管円筒形熱交換器は、前記第2熱交換部より上方に位置し、第2熱交換部より上方の鉛直伝熱管外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って上方から下方に交互に流す第3熱交換部を有する。
前記不凍液は、エチレングリコール又はプロピレングリコールを主成分とし、これらを約30〜50重量%含む、ことが好ましい。
上記本発明の構成によれば、鉛直伝熱管の外面を不凍液で間接加熱して内部の液化天然ガスを気化させるので、熱源として海水に限らず、温排水、大気などプラントの経済性にあったものを選択できる。
また、不凍液は、プロパン、ブタン等の中間媒体に比べ安全に取り扱え、運転、保守が容易である。
さらに、不凍液加熱循環装置と不凍液流量制御装置を備え、熱交換器の胴部内で不凍液が凍結しないように不凍液流量を制御するので、内部での局部的凍結を防止することができる。
特に、同一胴内にそれぞれLNGの伝熱形態に見合って3つの熱交換部を有することを特徴とする。鉛直伝熱管の下端部外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って一方向に流す第1熱交換部を有することにより、鉛直伝熱管の外面に沿って一方向に流れる不凍液の局部的な滞留を防止することができる。
また、第1熱交換部の胴部から排出された不凍液の温度を不凍液の凍結温度より十分高く維持することにより、第1熱交換部内の不凍液の最低温度を不凍液の凍結温度より十分高く維持でき、極低温(−160℃)のLNGと鉛直伝熱管を介して熱交換する不凍液の局部的凍結を防止することができる。第1熱交換部は、不凍液の凍結が最も懸念される管束入口部の流れを整流化し、滞留部を無くし、かつ伝熱管メタル温度を凍結点以上に管理することを目的として設置する。
また、前記第1熱交換部より上方に位置する第2熱交換部の鉛直伝熱管の外面に沿って下方から上方に交互に流すことにより、第2熱交換部の下端部でのLNGと不凍液の温度差を大きく維持することで凍結防止を図り、第3熱交換部は、超臨界状態での疑似沸以上の温度域での熱交換を担当し、温度上昇と伝熱形態の変化によりもはや凍結の問題が無くなるため、対向流とすることで有効温度差を大きくとることができ、結果として、所要伝熱面積を最小限にすることができる。
以下本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、LNGのモリエル(圧力−エンタルピー)線図(P−I線図)の概念図である。
一般的に熱交換器における運転状態は、P−I線図では水平な線で示され、流体が加熱される場合は左から右へ移動していく。この図において、入口圧力1MPa又は3ないし4MPaでベーパライザに導入されたLNG(液体)は、外部熱源により(1)飽和液温までの液顕熱、(2)飽和液温から飽和ガス温までの蒸発潜熱、(3)飽和ガス温よりのガス顕熱を与えられて、出口圧力、出口温度のNG(気体)となってベーパライザより送り出される。
また、さらに入口圧力が高い(この例では9MPa)の場合には、気液混合相を超える超臨界圧であるため、通常の沸騰現象を伴わず、LNG(液体)は疑似沸騰を経て直接NG(気体)となる。
図2は、本発明で使用する不凍液の特性図である。この図において、横軸は不凍液の濃度、左側の縦軸は不凍液の凍結温度、右側の縦軸は不凍液の粘度である。
本発明で使用する不凍液3は、30〜40重量%程度のものが好ましい。不凍液の濃度を高くすれば、凍結温度が低くなりより安全側の運転が可能となるが、一方で粘性が上がるため伝熱係数が低下する。また、運転コストも増加する。不凍液はできる限り濃度を低いものが、低温度での粘性の上昇を抑え、高い伝熱係数を維持できる点でよいが、防食上の観点、凍結に対する安全性から制限がある。
この図からわかるように、不凍液の粘性は温度の低下と共に大きくなり、この結果、レイノルズ数が小さくなり、一般的に伝熱効率が低下する。そのためできるだけ不凍液の濃度を上げずにすめば、伝熱効率を高く維持でき、伝熱管温度も凍結温度以上に維持できることになる。
なお、本発明はこれに限定されず、その他の周知の不凍液を周知の濃度で用いることもできる。
図3は、本発明によるLNGベーパライザの全体構成図である。この図に示すように、本発明のLNGベーパライザは、貯蔵タンクから供給されたLNG(液化天然ガス)1を不凍液3で間接加熱して気化させNG(天然ガス)2にし需要先へ供給する装置である。
本発明のLNGベーパライザは、多管円筒形熱交換器10、不凍液加熱循環装置20及び不凍液流量制御装置30を備える。
多管円筒形熱交換器10(又はシェル・アンド・チューブ型熱交換器10)は、複数の鉛直伝熱管11とこれを囲む胴部12を有し、鉛直伝熱管11の内面に下端の下部仕切室13から液化天然ガス1を供給し、上端の上部仕切室14から気化した天然ガス2を排出するようになっている。胴部12は、中空円筒形であるのが好ましいが、これに限定されず、中空楕円形或いは中空矩形であってもよい。
この多管円筒形熱交換器10は、胴部12の下方から上方に順に第1熱交換部15、第2熱交換部16及び第3熱交換部17を有する。
第1熱交換部15は、下部固定管板13aと第1中間仕切板16aの間であり、鉛直伝熱管11の下端部外面を囲み、不凍液3を鉛直伝熱管11の外面に沿って一方向(この図では左から右)に流すようになっている。なおこの場合、鉛直伝熱管11内のLNG(又はNG)に対し、不凍液3の流れはクロス流となる。
第1熱交換部15において、胴部12内を貫通する複数の鉛直伝熱管11は、不凍液3の流れを阻害しないように配置され、不凍液3の一方向の流れが内部に滞留箇所を形成しないように設定されている。
第2熱交換部16は、第1中間仕切板(隔壁)16aと第2中間仕切板(隔壁)17aの間であり、その間に複数(この図では2枚)の邪魔板16bを有する。この第2熱交換部16は、第1熱交換部15より上方に位置し、第1熱交換部15より上方の鉛直伝熱管11の外面を囲み、不凍液3を鉛直伝熱管11の外面に沿って下方から上方に交互に流すようになっている。なおこの場合、鉛直伝熱管11内のLNG(又はNG)に対し、不凍液3の流れは向流となる。
第2熱交換部16において、胴部12内を貫通する複数の鉛直伝熱管11の配置は、第1熱交換部15と同一である。また、邪魔板16bは、不凍液3が下方から上方に交互に流れ、かつ特に下方部において、不凍液3の流れが内部に滞留箇所をできるだけ形成しないように設定されている。
第3熱交換部17は、第2中間仕切板(隔壁)17aと上部固定管板14aの間であり、その間に複数(この図では4枚)の邪魔板17bを有する。この第3熱交換部17は、第2熱交換部16より上方に位置し、第2熱交換部16より上方の鉛直伝熱管11の外面を囲み、不凍液3を鉛直伝熱管11の外面に沿って上方から下方に交互に流すようになっている。なおこの場合、鉛直伝熱管11内のLNG(又はNG)に対し、不凍液3の流れは対向流となる。
第3熱交換部17において、胴部12内を貫通する複数の鉛直伝熱管11の配置は、第1熱交換部15及び第2熱交換部16と同一である。また、邪魔板16bは、不凍液3が上方から下方に交互に流れるように設定されている。
不凍液加熱循環装置20は、不凍液加熱器21、不凍液供給管22、不凍液排出管23及び不凍液循環ポンプ24を備える。
不凍液加熱器21は、一例として、プラントの余剰廃熱等を用いて不凍液3をその凍結温度より十分高い温度(例えば10〜20℃)まで加熱する。不凍液供給管22は、加熱した不凍液3を第1熱交換部15、第2熱交換部16及び第3熱交換部17に並行に供給する。不凍液排出管23は、第1熱交換部15、第2熱交換部16及び第3熱交換部17から並行に排出された不凍液3を不凍液加熱器21に戻す。不凍液循環ポンプ24は、好ましくは不凍液加熱器21内又は不凍液供給管22の途中に設けられ、不凍液3を不凍液加熱器21から不凍液供給管22を介して各熱交換部15,16,17に供給し、各熱交換部15,16,17から不凍液排出管23を介して不凍液加熱器21に循環させる。
この構成により、多管円筒形熱交換器10の胴部12に加熱した不凍液を供給し、かつ胴部12内で冷却され胴部から排出された不凍液を再加熱し、これを胴部に再循環させることができる。
不凍液流量制御装置30は、第1熱交換部15の胴部から排出された不凍液3の温度を検出する温度検出器32と、第1熱交換部15へ供給する不凍液3の流量を調節する流量調節弁34,35と、流量調節弁34,35を制御する制御器36とを備える。
この構成により、胴部内の不凍液の流量を制御することで、凍結が問題となる第1熱交換部での不凍液の温度低下を防ぎ、伝熱管11の外表面メタル温度を凍結温度以上に維持し、第1熱交換部15の胴部内で不凍液3が凍結しないように不凍液流量を制御するようになっている。
図4は、図3の装置における温度特性図の一例である。この図において、横軸は鉛直伝熱管の長さ(左がLNG入口側)、縦軸は温度である。また図中の4本の曲線4,5,6,7は、上から順に、不凍液3、鉛直伝熱管11の外面、鉛直伝熱管11の内面、LNG(又はNG)の温度を示している。
不凍液3は、この例では、例えば、30%程度のエチレングリコールであり、その凍結温度は約−15℃程度である。LNG側はLNG送出のため9MPa程度まで加圧した状態である。
図3に示したように、本発明では、多管円筒形熱交換器10の胴部を15、16,17の3つの熱交換部に分け、各熱交換部ごとにLNGの加熱を行う。
LNG1は貯蔵タンクからおよそ−160℃、9〜10MPa程度で熱交換器10に供給され、0℃程度まで加熱蒸発される。熱交換器10の鉛直伝熱管11は蒸発をスムースに行うため1パス縦型である。加熱媒体である不凍液3は10〜20℃程度(加熱源によっては更に高い温度)で供給される。伝熱的には、LNG側は、加熱源との温度差が極めて大きいが、超臨界状態であるため沸騰状態にはならず、比較的伝熱係数は小さい。一方、管外を不凍液とすることで高い伝熱係数が得られる。このことは、適切な伝熱設計を行うことで伝熱管メタル温度を不凍液側へ近づけ、局所的凍結を防止できることになる。
第1熱交換部15では加熱媒体である不凍液3の出口温度で、第1熱交換部15に入る不凍液3の流量を制御し、胴部内の不凍液の温度を不凍液の凍結温度より十分高く維持することにより、鉛直伝熱管11の外面温度を凍結温度以上に維持している。
第2熱交換部16では、LNG1の温度が第1熱交換部15に比較すると高くなっているが、極低温であり依然として凍結のおそれがあるので、向流配置(LNG1の低温側へ不凍液3の高温側を配置する)とすることで凍結を防止している。
第3熱交換部17では、LNG温度が上昇していることでもはや凍結のおそれがないため、対向流配置(両流体の温度差を大きくとる配置)とし、伝熱面積の増大を抑制している。
上述したように本発明の構成によれば、多管円筒形熱交換器10が、複数の鉛直伝熱管11とこれを囲む胴部12を有し、鉛直伝熱管11の内面に下端から液化天然ガス1を供給し、その上端から気化した天然ガス2を排出するので、鉛直伝熱管内における液化天然ガス及び天然ガスを同一の上向きに流すことができ、内部の流れを安定化できる。
また、鉛直伝熱管11の外面を不凍液3で間接加熱して内部の液化天然ガス1を気化させるので、清浄な海水が不要であり、清浄な海水が得られないところでも使用できる。
また、不凍液3は、プロパン、ブタン等の中間媒体に比べ安全に取り扱え、運転、保守が容易である。
さらに、不凍液加熱循環装置20と不凍液流量制御装置30を備え、熱交換器10の胴部内で不凍液3が凍結しないように制御するので、内部での局部的凍結を防止することができる。
特に、鉛直伝熱管11の下端部外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って一方向に流す第1熱交換部15を有することにより、鉛直伝熱管11の外面に沿って一方向に流れる不凍液の局部的な滞留を防止することができる。
また、第1熱交換部15の胴部から排出された不凍液の温度を不凍液の凍結温度より十分高く維持することにより、第1熱交換部内の不凍液の最低温度を不凍液の凍結温度より十分高く維持でき、前述の仕組み(第1熱交換部をクロス流とすること)と併せて極低温(−160℃)のLNGと鉛直伝熱管を介して熱交換する不凍液の局部的凍結を防止することができる。
また、第1熱交換部15より上方に位置する第2熱交換部16の鉛直伝熱管の外面に沿って下方から上方に交互に流すことにより、第2熱交換部16の下端部でのLNGと不凍液の温度差を大きく維持し、不凍液の凍結防止ができる。また、第1熱交換部15で加熱されているが依然として極低温(約−90℃)のLNGとの温度差を大きくとることで、疑似沸騰前のLNGによる不凍液の局部的凍結を防止することができる。
従って、本発明のLNGベーパライザは以下の特徴を有する。
(1)多管円筒形熱交換器10の1つの胴を胴側流れが異なる3分割方式を採用し、安価なコストで製作できる。
(2)第1熱交換部15は、凍結上最も厳しい条件となるため、LNG負荷変動に対し、伝熱管メタル温度を維持できるように温度制御を行う。この部分は、偏流の少ないクロス流とし伝熱係数を高くとると共に、局所の流れ滞留を抑制するようにしている。
(3)第2熱交換部16は、LNG温度がまだ低いため、向流とし、温度効率を犠牲にして凍結防止を図る。
(4)第3熱交換部17は、LNG温度が不凍液の局所凍結に十分問題とならないレベルの温度域とし、温度効率が高くとれる対向流としている。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することができることは勿論である。
LNGの圧力−エンタルピー線図(P−I線図)の概念図である。 本発明で使用する不凍液の特性図である。 本発明によるLNGベーパライザの全体構成図である。 図3の装置における温度特性図である。 特許文献3のシステム図である。
符号の説明
1 LNG(液化天然ガス)、2 NG(天然ガス)、3 不凍液、
4,5,6,7 曲線、
10 多管円筒形熱交換器、
11 鉛直伝熱管、12 胴部、13 下部仕切室、13a 下部固定管板、
14 上部仕切室、14a 上部固定管板、
15 第1熱交換部、16 第2熱交換部、
16a 第1中間仕切板、16b 邪魔板、
17 第3熱交換部、17a 第2中間仕切板、17b 邪魔板、
20 不凍液加熱循環装置、21 不凍液加熱器、
22 不凍液供給管、23 不凍液排出管、24 不凍液循環ポンプ、
30 不凍液流量制御装置、32 温度検出器、
34,35 流量調節弁、36 制御器

Claims (5)

  1. 液化天然ガスを不凍液で間接加熱して気化させ天然ガスにするLNGベーパライザであって、
    複数の鉛直伝熱管とこれを囲む胴部を有し、該鉛直伝熱管の内面に下端から液化天然ガスを供給し、その上端から気化した天然ガスを排出する多管円筒形熱交換器と、
    該多管円筒形熱交換器の胴部に不凍液を供給し、該胴部内で冷却され胴部から排出された不凍液を再加熱し、これを前記胴部に再循環させる不凍液加熱循環装置と、
    前記胴部内で不凍液が凍結しないように不凍液流量を制御する不凍液流量制御装置と、を備えたことを特徴とするLNGベーパライザ。
  2. 前記多管円筒形熱交換器は、鉛直伝熱管の下端部外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って一方向に流す第1熱交換部を有し、
    前記不凍液流量制御装置は、第1熱交換部の胴部から排出された不凍液の温度を検出する温度検出器と、第1熱交換部へ供給する不凍液の流量を調節する流量調節弁とを有し、これにより胴部内の不凍液の温度をその凍結温度より十分高く維持する、ことを特徴とする請求項1に記載のLNGベーパライザ。
  3. 前記多管円筒形熱交換器は、前記第1熱交換部より上方に位置し、第1熱交換部より上方の鉛直伝熱管外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って下方から上方に交互に流す第2熱交換部を有する、ことを特徴とする請求項2に記載のLNGベーパライザ。
  4. 前記多管円筒形熱交換器は、前記第2熱交換部より上方に位置し、第2熱交換部より上方の鉛直伝熱管外面を囲み、不凍液を鉛直伝熱管の外面に沿って上方から下方に交互に流す第3熱交換部を有する、ことを特徴とする請求項3に記載のLNGベーパライザ。
  5. 前記不凍液は、エチレングリコール又はプロピレングリコールを主成分とし、これらを約30〜50重量%含む、ことを特徴とする請求項1に記載のLNGベーパライザ。
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