JP2019177385A - 熱間プレス加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記第1ワークをプレス成形するための上型と下型を有する第1金型と、プレス成形済みの当該第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形するための上型と下型を有する第2金型とを並設して備え、
上記第1金型を用いて、上記第1ワークをプレス成形する第1プレス工程と、
上記第1金型からプレス成形済みの上記第1ワークを上記第2金型に移送する移送工程と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱工程と、
上記第2金型を用いて、上記プレス成形済みの第1ワークに上記加熱された第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る第2プレス工程とを備え、
上記第1プレス工程及び上記第2プレス工程は、上記両金型各々の上型を同時に下降させるワンショットで行ない、
上記第1プレス工程において、第1金型により、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を上記第1ワークに形成し、
上記第2プレス工程において、上記第2金型により、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を塑性変形させて該係合部に係合させることを特徴とする。
上記第1プレス工程において、上記第1金型によって上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、
上記上方に凸になった第1ワークを上記第2金型の下型の上記凸状成形面に嵌め、
上記第2プレス工程において、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形する。
上記第2プレス工程において、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させる。
上記第1ワークをプレス成形する上型と下型を有する第1金型と、
上記第1金型によってプレス成形された上記第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る上型と下型を有する第2金型と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱装置とを備え、
上記第1金型は、上記第1ワーク、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を形成する係合部成形部を備え、
上記第2金型は、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を該係合部に係合するように塑性変形させる係合用の成形部を備え、
上記第1金型と上記第2金型が並設され、上記第1金型の上型と上記第2金型の上型が同時に昇降するように連係していることを特徴とする。
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させる。
上記第2金型の上記係合用の成形部は、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させる。
図1に本実施形態に係る熱間プレス加工装置1を示す。熱間プレス加工装置1は、プレス成形により、図2に示すように第1ワーク2と第2ワーク3が少なくとも一部において互いに重なった高張力鋼製プレス成形品4を得るものである。
本実施形態のプレス成形品4は、断面形状がハット状であり、具体的には、自動車の車体の骨格を構成するピラー部品である。第2ワーク3がフランジ3aを有する断面ハット状のピラー本体を形成し、第1ワーク2がピラー本体を内側から補強する断面ハット状の補強パッチ(言わば、内パッチ構造)になっている。
図1に示す熱間プレス加工装置1において、101はワーク加熱装置(加熱炉)、102は第1ワーク2及び第2ワーク3からプレス成形品4を得るトランスファータイプのプレス装置、103はワーク搬入装置、104はワークの移送及び成形品の搬出を行なう移送搬出装置である。ワーク搬入装置103と移送搬出装置104がトランスファープレスを円滑に行なうためのマテハン装置を構成している。
ワーク加熱装置101は、図3に示すように、各々平板状である第1ワーク2と第2ワーク3を、互いに重ね合わせることなく、同一平面に並べて、オーステナイト温度域に加熱する。
プレス装置102は、並設された第1金型8と第2金型9を備えている。第1金型8は、平板状の第1ワーク2を断面ハット状にプレス成形するものである。そのために、第1金型8は、下方に開口した凹状成形面を有する上型8aと、上方に凸になった凸状成形面を有する下型8bとを備えている。第2金型9は、第1金型8によってプレス成形された第1ワーク2に平板状の第2ワーク3を上から重ねてプレス成形し、断面ハット状のプレス成形品4を得るものである。そのために、第2金型9は、下方に開口した凹状成形面を有する上型11と、上方に凸になった凸状成形面を有する下型12とを備えている。
ワーク搬入装置103は、加熱装置101からプレス装置102に第1ワーク2及び第2ワーク3を搬入するものである。そのために、ワーク搬入装置102は、第1ワーク2を運搬するための第1ホルダ105と、第2ワーク3を運搬するための第2ホルダ106とを備えている。第1ホルダ105と第2ホルダ106は、第1金型8と第2金型9の並設間隔に対応する間隔をあけてフィードバー107に取付けられている。加熱装置101においても、第1ワーク2と第2ワーク3は第1金型8と第2金型9の並設間隔に対応する間隔をあけて設けられる。
移送搬出装置104は、第1金型8から第2金型9への第1ワーク2の移送と、第2金型9から搬送装置(ベルトコンベア)120へのプレス成形品の搬出を行なうものである。そのために、移送搬出装置104は、第1ワーク2を運搬するための第1ホルダ108とプレス成形品4を運搬するための第2ホルダ109とを備えている。第1ホルダ108と第2ホルダ109は、第1金型8と第2金型9の並設間隔に対応する間隔をあけてフィードバー111に取付けられている。
図示は省略するが、第1金型8の上型8a及び下型8bには、第1ワーク2をプレス状態で型冷却するための液状冷媒(例えば、冷却水)が供給される冷媒通路が設けられている。
図4に示すように、第2金型9の下型12は、上方に突出した凸状成形面15を備えている。上型11は、下型12の凸状成形面15に対応する凹状成形面16を備えている。上型11及び下型12には、プレス成形品4をプレス状態で型冷却するための液状冷媒が供給される冷媒通路17,18が設けられている。
[加熱工程]
図1に示すように、第1ワーク2及び第2ワーク3を、加熱装置101により、所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
加熱された第1ワーク2及び第2ワーク3をワーク搬入装置103の第1ホルダ105及び第2ホルダ106によって加熱装置101から取り上げ、プレス装置102に搬送する。第1ワーク2は第1金型8の下型8aの上に載置し、第2ワーク3は第2金型9の下型12に嵌められたプレス成形済みの第1ワーク2の上に載置する。
プレス機械のスライダを下降させることにより、第1金型8及び第2金型9の上型8a,11を同時に下降させて、第1金型8による第1ワーク2のプレス成形と、第2金型9による第1ワーク2と第2ワーク3を重ねた状態での第2ワーク3のプレス成形を行なう。第2金型9による当該プレス成形によってプレス成形品4が得られることになる。第1金型8による第1ワーク2のプレス成形が第1プレス工程であり、第2金型9によるプレス成形品4を得るプレス成形が第2プレス工程である。両金型8,9各々の上型8a,11を同時に下降させるから、第1プレス工程及び第2プレス工程をワンショットで行なうことになる。
第1金型8では、上型8aと下型8bによって第1ワーク2をプレスした状態において、上型8a及び下型8bの冷媒通路に冷媒を通す。これにより、第1ワーク2は、型冷却されて焼入れ状態になる。すなわち、第1ワーク2が硬化する。冷媒は、第1ワーク2がプレス状態になる直前から冷媒通路に供給するようにしてもよい。
プレス機械のスライダを上昇させることにより、第1金型8及び第2金型9の上型8a,11を同時に上昇させて、第1ワーク2を第1金型8から脱型し、プレス成形品4を第2金型9から脱型する。図7にプレス成形品4を脱型した状態を示す。このプレス成形品4においては、第2ワーク3側の冷却による熱収縮によって、第1ワーク2の下縁5に対する第2ワーク3の塑性変形部7の係合が強くなる。
図1に示すように、第1金型8で成形された第1ワーク2及び第2金型9で成形されたプレス成形品4を移送搬出装置104の第1ホルダ108と第2ホルダ109で取り上げる。そして、第1ワーク2については第2金型9の下型12に移し、プレス成形品4については搬送装置120に載せる。プレス成形品4は、搬送装置120により、次の加工ステーション等に送られる。
プレス成形品4には、第1ワーク2と第2ワーク3の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク2と第2ワーク3の重なり部分にスポット溶接を行なう。
第1ワーク2については、第1金型によって冷間プレスで成形するようにしてもよい。
(プレス成形品)
図8に本実施形態に係るプレス成形品21を示す。このプレス成形品21も、断面形状はハット状であり、自動車の車体の骨格を構成するピラー部品である。このプレス成形品21では、実施形態1のブレス成形品4とは違って、第1ワーク22がフランジ22aを有する断面ハット状のピラー本体を形成し、第2ワーク23がピラー本体を外側から補強する断面ハット状の補強パッチ(言わば、外パッチ構造)になっている。
熱間プレス加工装置の第2金型の要部を図9に示す。第2金型は、上記プレス成形品21を得るためのプレス成形用の上型26及び下型27を備える。第1ワーク22をプレス成形するための第1金型については、その図示を省略するが、平板状の第1ワーク22を断面ハット状に成形するための凹状成形面を有する上型と凸状成形面を有する下型とを組み合わせたものであり、冷媒通路を備えている。
[加熱工程]
平板状の第1ワーク22及び平板状の第2ワーク23を、加熱装置により、互いに重ねることなく、所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
加熱された第1ワーク22及び第2ワーク23をワーク搬入装置によって加熱装置から取り上げ、プレス装置に搬送する。第1ワーク22は第1金型の下型の上に載置し、第2ワーク23は第2金型の下型27に嵌められたプレス成形済みの第1ワーク22の上に載置する。
プレス機械のスライダを下降させることにより、第1金型の上型及び第2金型の上型26を同時に下降させて、第1金型による第1ワーク22のプレス成形と、第2金型による第1ワーク22と第2ワーク23を重ねた状態での第2ワーク23のプレス成形を行なう。第2金型による当該プレス成形によってプレス成形品21が得られる。
第1金型では、上型と下型によって第1ワーク22をプレスした状態において、上型及び下型の冷媒通路に冷媒を通す。これにより、第1ワーク22は、型冷却されて焼入れ状態になる(硬化する)。冷媒は、第1ワーク22がプレス状態になる直前から冷媒通路に供給するようにしてもよい。
プレス機械のスライダを上昇させることにより、第1金型の上型及び第2金型の上型26を同時に上昇させて、第1ワーク22を第1金型から脱型し、プレス成形品21を第2金型から脱型する。プレス成形品21においては、第2ワーク23側の冷却による熱収縮によって、第1ワーク22の係合孔24の縁に対する第2ワーク23の塑性変形部25の係合が強くなる。
第1金型で成形された第1ワーク及び第2金型で成形されたプレス成形品21を移送搬出装置で取り上げる。そして、第1ワーク22については第2金型の下型27に移し、プレス成形品21については搬送装置に載せる。プレス成形品21は、搬送装置により、次の加工ステーション等に送られる。
プレス成形品21には、第1ワーク22と第2ワーク23の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク22と第2ワーク23の重なり部分にスポット溶接を行なう。
第1ワーク22については、第1金型によって冷間プレスで成形するようにしてもよい。
実施形態1及び実施形態2では、第1ワーク又は第2ワークの端部を両ワークの係合に利用しているが、図11乃至図14に示すように、両ワークを互いに重なった部分において互いにずれないように係合させてもよい。
図11にプレス成形品41の概略構成を示すように、このプレス成形品41は断面ハット状のピラー本体を形成する第1ワーク42と、補強パッチ(外パッチ構造)としての第2ワーク43とを頂部において係合させてなる。すなわち、第1ワーク42の頂部には外側(上方)に略垂直に突出した係合部としての係合凸部44が形成されている。そして、第2ワーク43の頂部に、第1ワーク42の係合凸部44に嵌合して係合している塑性変形部45が形成されている。係合凸部44及び塑性変形部45は、プレス成形品41の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。
図12に第1ワーク42を成形するための第1金型(下型46及び上型49)を示す。下型46は、上方に突出した凸状成形面47を備え、該凸状成形面47の頂部に上方に突出した凸部48を有する。上型49は、下型46の凸状成形面47に対応する凹状成形面51を備え、該凹状成形面51に下型46の凸部48に対応する凹部52を有する。凸部48は下型46の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられ、これに対応して、凹部52も上型49の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。上型49及び下型46には冷媒通路53,54が設けられている。
[加熱工程]
平板状の第1ワーク42及び平板状の第2ワーク43を、加熱装置により、互いに重ねることなく、所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
加熱された第1ワーク42及び第2ワーク43をワーク搬入装置によって加熱装置から取り上げ、プレス装置に搬送する。第1ワーク42は第1金型の下型46の上に載置し、第2ワーク43は第2金型の下型55に嵌められたプレス成形済みの第1ワーク42の上に載置する。
プレス機械のスライダを下降させることにより、第1金型の上型49及び第2金型の上型58を同時に下降させて、第1金型による第1ワーク42のプレス成形と、第2金型による第1ワーク42と第2ワーク43を重ねた状態での第2ワーク43のプレス成形を行なう。第2金型による当該プレス成形によってプレス成形品41が得られる。
第1金型では、上型49と下型46によって第1ワーク42をプレスした状態において、上型49及び下型46の冷媒通路53,54に冷媒を通す。これにより、第1ワーク42は、型冷却されて焼入れ状態になる(硬化する)。すなわち、第1ワーク42が硬化する。冷媒は、第1ワーク42がプレス状態になる直前から冷媒通路に供給するようにしてもよい。
プレス機械のスライダを上昇させることにより、第1金型の上型49及び第2金型の上型58を同時に上昇させて、第1ワーク42を第1金型から脱型し、プレス成形品41を第2金型から脱型する。プレス成形品41においては、第2ワーク43側の冷却による熱収縮によって、第2ワーク43の塑性変形部45が第1ワーク42の係合凸部44に焼嵌めされた状態になる。これにより、第1ワーク42の係合凸部44に対する第2ワーク43の塑性変形部45の係合が強くなる。
第1金型で成形された第1ワーク42及び第2金型で成形されたプレス成形品41を移送搬出装置で取り上げる。そして、第1ワーク42については第2金型の下型55に移し、プレス成形品41については搬送装置に載せる。プレス成形品41は、搬送装置により、次の加工ステーション等に送られる。
プレス成形品41には、第1ワーク42と第2ワーク43の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク42と第2ワーク43の重なり部分にスポット溶接を行なう。
第1ワーク42については、第1金型によって冷間プレスで成形するようにしてもよい。
図15及び図16に示すように、本実施形態は、実施形態3と同じく、第1ワーク71と第2ワーク72を互いに重なった部分において係合させるようにしたものである。
すなわち、第1ワーク71と第2ワーク72を重ねてなるプレス成形品は、自動車の車体の骨格を構成する断面ハット状のピラー部品である。第1ワーク71の頂部に第2ワーク72側(上側)に向かって開口した係合部としての係合凹部73が形成されている。係合凹部73は第1ワーク71の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。第2ワーク72の頂部には第1ワーク71の係合凹部73に係合する下方へ凸になった塑性変形部80が形成されている。当該プレス成形品においては、第1ワーク71と第2ワーク72は、係合凹部73と凸状の塑性変形部80との係合により互いにずれないように一体化した状態になっている。
図15及び図16は熱間プレス加工装置のトランスファプレス装置の第2金型(上型74及び下型75)を示す。なお、図15及び図16では冷媒通路の図示を省略している。
[加熱工程]
平板状の第1ワーク71及び平板状の第2ワーク72を、加熱装置により、互いに重ねることなく、所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
加熱された第1ワーク71及び第2ワーク72をワーク搬入装置によって加熱装置から取り上げ、プレス装置に搬送する。第1ワーク71は第1金型の下型の上に載置し、第2ワーク72は第2金型の下型75に嵌められたプレス成形済みの第1ワーク71の上に載置する。
プレス機械のスライダを下降させることにより、第1金型の上型及び第2金型の上型74を同時に下降させて、第1金型による第1ワーク71のプレス成形と、第2金型による第1ワーク71と第2ワーク72を重ねた状態での第2ワーク72のプレス成形を行なう。第2金型による当該プレス成形によってプレス成形品が得られる。
第1金型では、上型と下型によって第1ワーク71をプレスした状態において、上型及び下型の冷媒通路に冷媒を通す。これにより、第1ワーク71は、型冷却されて焼入れ状態になる(硬化する)。冷媒は、第1ワーク71がプレス状態になる直前から冷媒通路に供給するようにしてもよい。
プレス機械のスライダを上昇させることにより、第1金型の上型及び第2金型の上型74を同時に上昇させて、第1ワーク71を第1金型から脱型し、プレス成形品を第2金型から脱型する。
第1金型で成形された第1ワーク71及び第2金型で成形されたプレス成形品を移送搬出装置で取り上げる。そして、第1ワーク71については、第2金型に移して下型75の凸状成形面76に嵌める。プレス成形品については搬送装置に載せる。プレス成形品は、搬送装置により、次の加工ステーション等に送られる。
プレス成形品には、第1ワーク71と第2ワーク72の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク71と第2ワーク72の重なり部分にスポット溶接を行なう。
第1ワーク71については、第1金型によって冷間プレスで成形するようにしてもよい。
図17及び図18に示すように、本実施形態も、実施形態3,4と同じく、第1ワーク81と第2ワーク82を互いに重なった部分において係合させるようにしたものである。
すなわち、第1ワーク81と第2ワーク82を重ねてなるプレス成形品は、自動車の車体の骨格を構成する断面ハット状のピラー部品である。第1ワーク81の頂部には、第2ワーク82側(上側)に向かって開口した係合部としての係合孔83が形成されている。係合孔83は第1ワーク81の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。第2ワーク82の頂部の貫通孔部に形成された塑性変形部(フランジ)90が第1ワーク81の係合孔83の縁に係合している。この係合により、第1ワーク81と第2ワーク82は、互いにずれないように一体化した状態になっている。
図17及び図18は熱間プレス加工装置のトランスファプレス装置の第2金型(上型84及び下型85)を示す。なお、図17及び図18では冷媒通路の図示を省略している。
[加熱工程]
平板状の第1ワーク81及び平板状の第2ワーク82を、加熱装置により、互いに重ねることなく、所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。第1ワーク81には係合孔83が設けられ、第2ワーク82にはバーリング用孔91が設けられている。
加熱された第1ワーク81及び第2ワーク82をワーク搬入装置によって加熱装置から取り上げ、プレス装置に搬送する。第1ワーク81は第1金型の下型の上に載置し、第2ワーク82は第2金型の下型85に嵌められたプレス成形済みの第1ワーク81の上に載置する。
プレス機械のスライダを下降させることにより、第1金型の上型及び第2金型の上型84を同時に下降させて、第1金型による第1ワーク81のプレス成形と、第2金型による第1ワーク81と第2ワーク82を重ねた状態での第2ワーク82のプレス成形を行なう。第2金型による当該プレス成形によってプレス成形品が得られる。
第1金型では、上型と下型によって第1ワーク81をプレスした状態において、上型及び下型の冷媒通路に冷媒を通す。これにより、第1ワーク81は、型冷却されて焼入れ状態になる(硬化する)。冷媒は、第1ワーク81がプレス状態になる直前から冷媒通路に供給するようにしてもよい。
プレス機械のスライダを上昇させることにより、第1金型の上型及び第2金型の上型84を同時に上昇させて、第1ワーク81を第1金型から脱型し、プレス成形品を第2金型から脱型する。
第1金型で成形された第1ワーク81及び第2金型で成形されたプレス成形品を移送搬出装置で取り上げる。そして、第1ワーク81については、第2金型に移して下型84の凸状成形面86に嵌める。プレス成形品については搬送装置に載せる。プレス成形品は、搬送装置により、次の加工ステーション等に送られる。
プレス成形品には、第1ワーク81と第2ワーク82の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク81と第2ワーク82の重なり部分にスポット溶接を行なう。
第1ワーク81については、第1金型によって冷間プレスで成形するようにしてもよい。
上記各実施形態ではプレス状態でのワークの焼入れ硬化に型冷却を採用したが、金型から液状冷媒をプレス成形品に向けて噴出させてプレス成形品を冷媒で直接冷却するようにしてもよい。
2,22,42,71,81 第1ワーク
3,23,43,72,82 第2ワーク
4,21,41 プレス成形品
5 第1ワークの下縁(係合部)
6 第2ワーク張出し部
7,25,45,80,90 塑性変形部
8 第1金型
8a 上型
8b 下型
9 第2金型
11,26,58,74,84 上型
12,27,55,75,85 下型
15,28,56,76,86 凸状成形面
16,29,59,78,88 凹状成形面
19,33,61,79,89 係合用の成形部
24,83 係合孔(係合部)
44 係合凸部(係合部)
73 係合凹部(係合部)
101 加熱装置
102 プレス装置
103 ワーク搬入装置(マテハン装置)
104 移送搬出装置(マテハン装置)
Claims (14)
- 第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する熱間プレス加工方法であって、
上記第1ワークをプレス成形するための上型と下型を有する第1金型と、プレス成形済みの当該第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形するための上型と下型を有する第2金型とを並設して備え、
上記第1金型を用いて、上記第1ワークをプレス成形する第1プレス工程と、
上記第1金型からプレス成形済みの上記第1ワークを上記第2金型に移送する移送工程と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱工程と、
上記第2金型を用いて、上記プレス成形済みの第1ワークに上記加熱された第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る第2プレス工程とを備え、
上記第1プレス工程及び上記第2プレス工程は、上記両金型各々の上型を同時に下降させるワンショットで行ない、
上記第1プレス工程において、第1金型により、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を上記第1ワークに形成し、
上記第2プレス工程において、上記第2金型により、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を塑性変形させて該係合部に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項1において、
上記第2金型の下型は上方に突出した凸状成形面を備え、
上記第1プレス工程において、上記第1金型によって上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、
上記上方に凸になった第1ワークを上記第2金型の下型の上記凸状成形面に嵌め、
上記第2プレス工程において、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形することを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項2において、
上記第2プレス工程において、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項2において、
上記第1プレス工程において、上記第1ワークに、上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を形成し、
上記第2プレス工程において、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得ることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項5において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車の車体構成部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項5において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車の車体の骨格構成部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項5において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車のピラー部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する熱間プレス加工装置であって、
上記第1ワークをプレス成形する上型と下型を有する第1金型と、
上記第1金型によってプレス成形された上記第1ワークに上記第2ワークを重ねてプレス成形し、上記プレス成形品を得る上型と下型を有する第2金型と、
上記第2ワークをプレス成形前に上記第1ワークと重ねることなく加熱する加熱装置とを備え、
上記第1金型は、上記第1ワーク、上記第2ワークをずれないように係合させるための係合部を形成する係合部成形部を備え、
上記第2金型は、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を該係合部に係合するように塑性変形させる係合用の成形部を備え、
上記第1金型と上記第2金型が並設され、上記第1金型の上型と上記第2金型の上型が同時に昇降するように連係していることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項9において、
上記第1金型及び上記第2金型各々への上記第1ワーク及び上記第2ワーク搬入、上記第1金型殻状記第2金型への上記第1ワークの移送、並びに上記第2金型からの上記プレス成形品の搬出を行なうマテハン装置を備えていることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項9又は請求項10において、
上記第1金型は、上記第1ワークを上方に凸になった形状に成形し、
上記第2金型は、上記上方に凸になった第1ワークが嵌まる上方に凸になった凸状成形面を下型に備え、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形することを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項11において、
上記第2金型は、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項9乃至請求項11のいずれか一において、
上記第1金型は、上記第1ワークに、上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を形成し、
上記第2金型の上記係合用の成形部は、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項9乃至請求項13のいずれか一において、
上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得ることを特徴とする熱間プレス加工装置。
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