JP7110685B2 - プレス成形品の製造方法、プレス成形品、及び熱間プレス成形金型 - Google Patents

プレス成形品の製造方法、プレス成形品、及び熱間プレス成形金型 Download PDF

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Description

本発明は、プレス成形品の製造方法、プレス成形品、及び熱間プレス成形金型に関する。
自動車の燃費向上のためには、自動車用車体の軽量化が重要である。
自動車の衝突安全規制は年々強化される傾向にある。このため、自動車車体を軽量化する際には、自動車車体を構成するプレス成形品の強度低下を抑制し、衝突安全と両立することが必要である。
プレス成形品の軽量化と強度低下の抑制を両立させるための技術として、テーラードブランク材(TB材)に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。テーラードブランク材とは、板厚の異なる材料を溶接、接合して板厚を差厚化したブランクである。すなわち、テーラードブランクとは、要求強度が大きい部位を厚肉化し要求強度が大きくない部位を薄肉化することで、プレス成形品内における肉厚を部位に応じて好適化する技術である。
板厚差をつける手段は板厚の異なる材料の接合以外でもよい。予め一部に肉厚差を設けた鋼板をプレス成形して、ハット形断面の縦壁部をフランジ部よりも肉厚に形成することで、強度を向上したプレス成形品を製造する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
他の板厚差をつける手段として、粉末金属をレーザビームによって肉盛りして、鋼板に肉盛り形状部を形成することにより、構造部材の強度を向上させる技術も開示されている(例えば、非特許文献1参照。)。
特開2008‐68759 特開2005‐178695
https://www.slideshare.net/ChristopheCazes2/great-design-in-steel-gestamp-2016 「Be the first to clip this slide の25 of 32」
しかしながら、例えば、特許文献1に記載されたテーラードブランク材(TB材)は、複数の材料を溶接によって接合することが必要であり、大幅なコストアップにつながる可能性がある。
さらに、接合した材料の間には溶接線が形成され、溶接線は成形時や衝撃等によって負荷が生じ、この負荷によって破断する虞がある。このため、製造面、強度面において溶接線の数を増やすことは不利である。
また、テーラードブランク材(TB材)の場合には、板厚を局所的に厚くすることは困難であり、軽量化と強度向上を両立させることは容易ではない。
特許文献2に記載の技術は、予め板厚差を設けた鋼板を準備することが必要である。そのようにすると製造コストが増大するうえに、プレス成形品の長手方向に沿って同じ肉厚とする必要がある。また、プレス成形品材内の長手方向における部位に応じて好適な強度を確保することは困難である。
非特許文献1に記載の技術は、構造部材の鋼板部における任意の部位に適宜肉盛り形状部を形成することで、肉厚分布を好適化することは可能である。しかし、肉盛り形状部を形成する際に熱影響部(HAZ)が生じて鋼板の強度が低下することから、構造部材の強度を効率よく向上することは困難である。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、必要に応じて強度を向上することが可能なプレス成形品の製造方法、プレス成形品、センターピラーアウター、熱間プレス成形金型を提供することを目的とする。
発明者らは、軽量化と負荷される外力や衝撃に対応することが可能な強度を確保するうえで好適なプレス成形品について鋭意研究した。その結果、増肉部を備えた差厚鋼板を用いることで形状的に補強するとともに、差厚鋼板を熱間プレス成形した後にプレス成形中間品を熱間プレス成形金型を型締めした状態で焼き入れることにより、仮に増肉部を形成する際に鋼板部に熱影響部(HAZ)が生じた場合であっても、焼き入れによって熱影響部(HAZ)を消滅(又は減少)させることができ、プレス成形品の軽量化と強度向上を両立できるとの知見を得た。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
(1)本発明の一態様に係るプレス成形品の製造方法は、線状の増肉部を備えた差厚鋼板をAc3変態点以上に加熱することと、Ac3変態点以上に加熱した前記差厚鋼板を熱間プレス成形金型によって熱間プレス成形してプレス成形中間品に成形することと、前記プレス成形中間品を前記熱間プレス成形金型で型締めしたまま冷却して焼き入れすることと、を備える。
この態様に係るプレス成形品の製造方法は、線状の増肉部を備えた差厚鋼板(増肉部が形成されたブランクを含む)を熱間プレスし、型締めしたままで冷却して焼き入れする。この製造方法によれば、必要に応じて増肉部を備えるとともに増肉部に隣接する部位の鋼板部に生じた熱影響部(HAZ)を消滅(又は減少)させたプレス成形品を得ることができる。このプレス成形品は焼き入れにより鋼板部の材料強度自体が向上することで、軽量化と強度向上を両立することができる。
また、線状の増肉部を備えた差厚鋼板を用いることで、複数の鋼板を溶接により接合する必要がなくなり内部に溶接線が形成されないので、プレス成形品の強度を安定して向上することができる。
ここで、線状の増肉部とは、鋼板の面上に、直線状、曲線状の部分を含んで延在する増肉部をいい、増肉部の鋼板部からの高さ、増肉部の幅に変化をもたせたものを含むものとする。また、増肉部の形成方法としては、肉盛り溶接や金属(粉末金属の場合を含む)を溶融又は半溶融状態にして凝固させて形成したもの等を含む。
また、鋼板部とは、差厚鋼板、プレス成形中間品、プレス成形品における増肉部以外の部分(鋼板由来部分)をいう。
また、熱間プレス成形によってプレス成形品の形状を成形する際に、熱影響部(HAZ)を消滅又は減少させることができる。このため、熱影響部(HAZ)を消滅又は減少させるための新たな工程を設置する必要がなく、生産性が高い。
(2)上記(1)に記載のプレス成形品の製造方法は、前記線状の増肉部は肉盛り溶接部であってもよい。
この場合、差厚鋼板の任意の部位に所望(例えば、局所的に細い又は小さな)の肉盛り溶接部(増肉部)を形成することが可能であり、肉厚分布を適宜変化させることができる。
(3)上記(1)又は(2)に記載のプレス成形品の製造方法は、前記増肉部と等距離を保って前記差厚鋼板を前記増肉部に沿って曲げて前記成形中間品に成形してもよい。
この場合、増肉部と等距離を保って増肉部に沿って曲げて(例えば、増肉部と等距離を保って曲線を含む形状や、増肉部と平行に曲げて)稜線部を形成するので、稜線部を安定して成形することができ、プレス成形品を効率的に製造することができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法は、前記増肉部の突出部がある側に前記差厚鋼板を曲げて稜線部を形成して前記成形中間品に成形してもよい。
この場合、差厚鋼板を安定的して曲げることが可能となり、プレス成形品を効率的に製造することができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法は、前記増肉部を前記増肉部の延在方向に沿って曲げて稜線部を形成して前記成形中間品に成形してもよい。
この場合、増肉部が稜線部に形成されて、稜線部と増肉部が協働してプレス成形品の強度を安定的かつ効率的に向上することができる。
(6)上記(1)~(4)のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法は、前記プレス成形中間品を焼き入れする際に、前記プレス成形中間品に向かって冷媒を吐出して焼き入れしてもよい。
この場合、プレス成形中間品に向かって冷媒を吐出(例えば、噴射)して、冷媒とプレス成形中間品とを直接接触させて焼き入れするので、差厚鋼板において熱間プレス成形金型との密着が困難な部分(例えば、増肉部や鋼板部の増肉部に隣接する部分等)を効率的に焼き入れすることができる。
その結果、周囲(隣接部分)に熱影響部(HAZ)が残留するのを抑制することができる。
(7)本発明の一態様に係る差厚鋼板のプレス成形品は、線状の増肉部を備え、鋼板部が全領域にわたって焼入れ組織である。
この態様に係るプレス成形品によれば、線状の増肉部を備えた差厚鋼板からなり、鋼板部が全領域にわたって焼入れ組織とされて鋼板部に熱影響部(HAZ)が残留していないので、プレス成形品の強度を安定して向上することができる。
また、線状の増肉部を備えた差厚鋼板を用いることで、複数の鋼板を溶接により接合する必要がなくなり内部に溶接線が形成されないので、プレス成形品の強度を安定して向上することができる。
(8)上記(7)に記載のプレス成形品は、前記線状の増肉部は肉盛り溶接部であってもよい。
この場合、差厚鋼板の任意の部位に所望(例えば、局所的に細い又は小さな)の肉盛り溶接部(増肉部)を形成することが可能であり、肉厚分布を効率的に好適化することができる。
(9)上記(7)又は(8)に記載のプレス成形品は、鋼板部の硬度はHv400以上、かつ前記硬度の最小値は前記硬度の最大値の80%以上であってもよい。
この場合、鋼板部の硬度がHv400以上であることで強度が向上され、かつ硬度の最小値が硬度の最大値の80%以上であるので、プレス成形品内における強度のばらつきが抑制され、安定した強度のプレス成形品を得ることができる。
(10)上記(7)~(9)のいずれか一項に記載のプレス成形品は、稜線部を備え、前記増肉部は前記稜線部上にあってもよい。
この場合、増肉部が稜線部上にあるので、稜線部と増肉部が協働して、プレス成形品の強度を安定的に向上させることができる。
(11)上記(7)~(9)のいずれか一項に記載のプレス成形品は、稜線部と、前記稜線部に沿って形成された前記増肉部とを備え、前記増肉部と前記稜線部とが最も近接する部位において、前記増肉部の接線と前記稜線部の接線とがなす角度は15°以下であってもよい。
この場合、増肉部と稜線部とが最も近接する部位において、増肉部と稜線部が協働することにより、プレス成形品の強度を効率的に向上することができる。
(12)本発明の一態様に係る差厚鋼板製のセンターピラーアウターは、車高方向に沿って伸び、車高方向下部がロッカーパネルと連結されるとともに車高方向上部がルーフパネルと連結される主壁部と、前記主壁部の幅方向の両側に形成された稜線部と、前記稜線部を介して前記主壁部と接続される縦壁部と、前記主壁部のうち前記稜線部の間に位置されるパネル本体に形成され前記稜線部に沿って伸びる増肉部と、を備え、前記主壁部及び前記稜線部のうち前記増肉部と沿って位置される領域の鋼板部は焼入れ組織、である。
この態様に係るセンターピラーアウターによれば、パネル本体に稜線部に沿って伸びる増肉部が形成され、主壁部及び稜線部のうち増肉部と沿って位置される領域の鋼板部が焼入れ組織であるのでセンターピラーアウターの強度が向上される。その結果、自動車用車体に側面から衝突が発生した場合に、車高方向における中央寄りの部位が車両幅方向内方に変位するのが抑制されて車体の内部空間に大きく入り込むのを抑制することができる。
(13)上記(12)に記載のセンターピラーアウターにおいて、前記増肉部は、前記パネル本体の上側端から下方に向かって伸びる第1増肉部と前記パネル本体の下側端から上方に向かって伸びる第2増肉部の少なくともいずれか一方を備えてもよい。
この場合、第1増肉部と第2増肉部の少なくともいずれかを備えているので、自動車用車体に側面から衝突が発生した場合における強度を更に向上することができる。また、第1増肉部と第2増肉部の車高方向の間に増肉部を形成しない構成とした場合に、センターピラーアウターを更に軽量化することができる。
(14)上記(13)に記載のセンターピラーアウターにおいて、前記第1増肉部は、前記上側端から前記パネル本体の車高方向寸法に対して75%以上の領域に伸びていてもよい。
この場合、第1増肉部は上側端からパネル本体の車高方向寸法に対して75%以上の領域に伸びているので、自動車用車体に側面から衝突が発生した場合に、車体内部空間の車高方向中央部近傍における車両幅方向内方への変位を抑制することができる。
(15)上記(13)又は(14)に記載のセンターピラーアウターにおいて、前記第2増肉部は、前記下側端から前記パネル本体の車高方向寸法に対して25%以上の領域に伸びていてもよい。
この場合、第2増肉部は下側端からパネル本体の車高方向寸法に対して25%以上の領域に伸びているので、自動車用車体に側面から衝突が発生した場合に、車体内部空間の車高方向中央部近傍における車両幅方向内方への変位を抑制することができる。
(16)上記(12)から(15)のいずれか一項に記載のセンターピラーアウターは、前記増肉部は肉盛り溶接部であってもよい。
この場合、センターピラーアウターの任意の部位に所望の肉盛り溶接部(増肉部)を形成したり、局所的に細い(又は、小さい)肉盛り溶接部を形成することが可能であり、肉厚分布の好適化及び軽量化を行うことができる。
(17)上記(12)から(16)のいずれか一項に記載のセンターピラーアウターは、前記増肉部は焼入れ組織、であってもよい。
この場合、増肉部が焼き入れされた結果、大きな強度が得られているので、センターピラーアウターの強度を向上させることができる。
(18)本発明の一態様に係る熱間プレス成形金型は、表面に溝部を備えたパンチと、前記パンチの表面に開口した冷媒吐出口と、前記パンチの表面に開口した冷媒排出口と、前記パンチの前記溝部を除く表面に設けられた複数の突起部と、を備える。
この態様に係る熱間プレス成形金型によれば、冷媒吐出口を備えているので、プレス成形中間品に向かって冷媒を容易に吐出することができる。
増肉部と対応する領域に溝部が形成されているため、冷媒が溝の中を流れて増肉部を冷却することができる。また、溝部以外の箇所に複数の突起部があるため、冷媒が複数の突起部の間を流れて増肉部以外も冷却することができる。
(19)上記(1)~(6)のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法は、上記(18)の熱間プレス成形金型を用いる際に、Ar3変態点以上の温度の前記差厚鋼板の前記増肉部を前記パンチの前記溝部にあわせて前記差厚鋼板を配置してもよい。
この場合、差厚鋼板の増肉部をパンチの溝部にあわせて配置するので、溝部に吐出した冷媒が、熱間成形されたプレス成形中間品の増肉部、増肉部と隣接する鋼板部に安定して接触して、プレス成形中間品を効率的かつ安定して冷却することができる。
また、Ar3変態点以上の温度の差厚鋼板を熱間プレス成形金型に短時間で安定して配置できるので差厚鋼板の温度低下を効率的に抑制することができる。
その結果、熱影響部(HAZ)が消滅又は減少したプレス成形品を効率的に製造することができる。
また、増肉部をパンチの溝部に配置することにより熱間プレス成形における成形不良が生じるのを抑制することができる。
本発明に係るプレス成形品の製造方法、プレス成形品、センターピラーアウター、熱間プレス成形金型によれば、効率的に製造することが可能とされ、プレス成形品の軽量化と強度向上を両立できる。
本発明の第1実施形態に係る閉断面部材の概略構成の一例を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る閉断面部材の概略構成の一例を説明する図であり、図1において矢視II-IIで示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係るハット形部材の製造方法の概略の一例を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態に係るハット形部材を製造する熱間プレス成形金型の概略構成の一例を説明する概念図であり、(A)は差厚鋼板をセットした状態を示しており、(B)は熱間プレス成形後にプレス成形中間品を冷却、焼き入れする状態を示している。 本発明の第2実施形態に係るハット形部材の概略構成の一例を説明する断面図である。 本発明の第3実施形態に係るハット形部材の概略構成の一例を説明する断面図である。 本発明の実施に係る動的3点曲げシミュレーション解析の概略を説明する図である。 本発明の実施例に係る動的3点曲げシミュレーション解析による評価結果の概略を説明するグラフである。 本発明の第4実施形態に係るセンターピラーの概略構成を説明する分解斜視図である。 本発明の第4実施形態に係るセンターピラーアウターの概略構成を説明する概念図であり、(A)は図9に示す矢視XAに沿って見たセンターピラーアウターの背面図であり、(B)は(A)において矢視XB‐XBで示す断面図であり、(C)は(A)において矢視XC‐XCで示す断面図である。 本発明の第5実施形態に係るバンパーの概略構成を説明する概略構成図であり、(A)は斜視図を、(B)は(A)において矢視XIB-XIBで示す断面図である。 本発明の第6実施形態に係るロッカーパネルの概略構成の一例を示す断面図である。
<第1実施形態>
以下、図1~図4を参照して、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る閉断面部材の概略構成を説明する斜視図であり、図2は図1において矢視II-IIで示す閉断面部材の概略構成を説明する断面図である。図1、図2において、符号1は閉断面部材を、符号10はハット形部材(プレス成形品)を、符号11は主壁部を、符号12は稜線部を、符号13は縦壁部を、符号16、17は肉盛り溶接部を、符号40はプレート部材を示している。なお、図1、図2において、ハット形部材10の幅方向をX軸方向、長手方向をY軸方向、縦壁部13の上下方向(高さ方向)をZ軸方向とする。
閉断面部材1は、図1、図2に示すように、長手方向(Y軸方向)に沿って見たときにハット形断面となるハット形部材(プレス成形品)10と、平板状のプレート部材20と、ハット形部材10とプレート部材20とを幅方向(X軸方向)の両側で連結する複数のスポット溶接部Pとを備えている。
また、閉断面部材1は、横断面(XZ断面)が、ハット形部材10とプレート部材20とで閉断面を構成する。
ハット形部材(プレス成形品)10は、図2に示すように、例えば、主壁部11と、主壁部11の幅方向両側に配置された二つの稜線部12と、それぞれの稜線部12を介して主壁部11と接続され主壁部11から立ち上る二つの縦壁部13と、それぞれの縦壁部13の端部に接続されるフランジ部14と、を備えるハット形断面形状である。
更に、主壁部11の内方側に配置され稜線部12に沿って形成された肉盛り溶接部16と、ハット形断面における稜線部12の内方側に形成された肉盛り溶接部17とを備えている。すなわち、ハット形部材10は肉盛り溶接部16、17を増肉部とした差厚鋼板製のプレス成形品である。
差厚鋼板をAc3変態点以上加熱した後にハット断面形状に熱間プレス成形して、ハット形部材(プレス成形品)10は製造される。差厚鋼板は、熱間プレス成形後に型締めしたまま冷却することにより、肉盛り溶接部16、17も含め焼き入れされる。
この実施形態において、差厚鋼板の増肉されていない箇所は、例えば、1500MPa級の板厚2mmの超高張力鋼により形成される。少なくとも差厚鋼板の増肉されていない箇所は焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。ハット部材の強度を高めるため、肉盛り溶接部16、17も焼き入れ組織となっていることが望ましい。
また、差厚鋼板の増肉されていない箇所の硬度は、Hv400以上、かつ硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。なお、この明細書において差厚鋼板の硬度について特に記載なく言及する場合、その硬度は差厚鋼板(プレス成形中間品、プレス成形品を含む)の増肉されていない箇所の硬度を意味するものとする。
また、ハット形部材(プレス成形品)10は、この実施形態において、例えば、主壁部11の幅方向(X軸方向)寸法L1が110mm、それぞれの縦壁部13の高さ(Z軸方向)寸法L2が60mm、左右のフランジ部14を含めた全幅寸法L3が140mm、長手方向(Y軸方向)寸法L4が1000mmである。
主壁部11は、ハット形断面の頂部を構成していて、この実施形態では矩形平板状である。
稜線部12は、主壁部11の幅方向(X軸方向)の両側に配置され長手方向(Y軸方向)に沿って形成されている。また、横断面において、稜線部12は、ハット形断面における外方に突出するとともに、主壁部11と縦壁部13を緩やかに接続する略円弧状の形状である。
また、稜線部12は、熱間プレス成形により差厚鋼板を曲げて主壁部11と縦壁部13を成形する際に形成される。
縦壁部13は、主壁部11と稜線部12を介して接続されている。
フランジ部14は、稜線部12と反対側の縦壁部13の端部に接続され、ハット形断面の幅方向外方に向かって伸びている。
肉盛り溶接部16は、例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接ワイヤをアーク溶接することにより、主壁部11のハット形断面における内方側(裏面)に、主壁部11から突出して形成されている。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部16は、稜線部12と等距離を保ち稜線部12に沿って平行に形成されている。また、隣接する肉盛り溶接部16は、等距離を保って平行に形成されている。
また、肉盛り溶接部16は、例えば、長手方向に沿って見たときに、幅4mm、高さ2mmの断面半円状に形成されている。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部16は焼き入れ組織(マルテンサイト組織)に限定していないが、ハット形部材10の強度向上のためには焼き入れ組織とすることが望ましい。
肉盛り溶接部17は、この実施形態において、例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接用ワイヤをアーク溶接することにより、稜線部12のハット形断面における内方側の凹部を埋めるように形成されている。
具体的には、例えば、稜線部12の裏側に凹部がない程度に肉盛り溶接されている。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部17は焼き入れ組織(マルテンサイト組織)とされていないが、焼き入れ組織としてもよい。
プレート部材20は、例えば、1500MPa級の板厚1.4mmの超高張力鋼からなる鋼板からなる。
スポット溶接部Pは、例えば、両側のフランジ部14の幅方向の中央部に、長手方向(Y軸方向)に沿って30mmの間隔をあけて形成されている。スポット溶接部Pはフランジ部14とプレート部材20とを接合する。
以下、図3、図4を参照して、ハット形部材10の製造方法について説明する。図3はハット形部材(プレス成形品)10の製造方法の概略の一例を説明するフローチャートである。
ハット形部材の製造工程は、例えば、図3に示すように、素材準備工程(S01)と、ブランク形成工程(S02)と、肉盛り溶接工程(S03)と、差厚鋼板(肉盛り溶接後のブランク)加熱工程(S04)と、差厚鋼板セット工程(S05)と、熱間プレス成形工程(S06)と、焼き入れ工程(S07)とを備えている。
(1)鋼板準備工程
ブランクを形成するための鋼板を準備する(S01)。
鋼板の組成は、焼き入れして高強度化が可能な組成の鋼種を用いる。
具体的には、例えば、Cが0.15%以上が好適である。
また、鋼板の板厚は、特に限定されるものではなく任意に設定することが可能であるが、例えば、板厚は1.0mm以上3.2mm以下であることが好適である。板厚を1.0mm以上とすることはプレス成形品として充分な強度を効果的に確保するうえで好適である。板厚を3.2mm以下とすることは効率的に軽量化するうえで好適である。
(2)ブランク形成工程
鋼板をブランクに形成する(S02)。
準備した鋼板は、プレスによる打ち抜き等、周知の種々の手段によってブランク(ブランキングされた鋼板)にする。
ブランキング工程は、肉盛溶接する前に実施することが望ましい。なぜなら、ブランクの形状に基づいて位置決めしてブランクの形状と肉盛り溶接部を対応させて肉盛り溶接することが可能である点や、肉盛り溶接部を形成後の中間品(差厚鋼板)を効率的かつ高精度に検査する点で有利であるからである。
なお、ブランキングする際に、肉盛り溶接や熱間プレスをする際に効率的かつ高精度に位置決めするために位置決め穴をあけておいてもよい。
(3)肉盛り溶接工程
ブランクに肉盛り溶接して差厚鋼板(肉盛り溶接部を形成したブランク)を形成する(S03)。
肉盛り溶接のワイヤーは特に限定しない。
ハット形部材(プレス成形品)における肉盛り溶接部の高強度化する場合には、溶接ワイヤーのC量を鋼板と同等とすることが好適である。C量の高い溶接ワイヤーは、溶接金属割れの危険が高くなる。対策として、例えば、肉盛り溶接する際に肉盛り溶接のワイヤーの材質等に応じて溶接速度等を注意することが好適である。
肉盛り溶接部の位置が所定の位置からずれてしまうと、肉盛り溶接した箇所とその周囲の焼き入れに支障をきたす可能性がある。そのため、ブランクの縁の形状あるいはブランクに形成した穴等を目印にして肉盛り溶接することが好適である。
(4)差厚鋼板加熱工程
差厚鋼板を加熱する(S04)。
差厚鋼板の加熱方法としては、一般的な炉加熱を適用することが可能である。
加熱方法は、ブランクをAc3変態点以上に加熱することが可能であれば、炉加熱に限定されることはない。例えば、通電加熱等を適用してもよい。
以下、図4に示す第1実施形態に係る熱間プレス成形金型を参照して、差厚鋼板セット工程(S05)、熱間プレス成形工程(S06)、焼き入れ工程(S07)について説明する。
一般的な熱間プレス金型を用いた熱間プレスの冷却は、金型内に冷媒配管を設け、被加工材と金型を密着させ、間接冷却による冷却を行う。しかし、この方法は、増肉部が金型に密着できないため増肉部を備えた差厚鋼板を熱間プレス成形した後のプレス成形中間品の焼き入れには採用することは困難である。そこで、本発明では金型から被加工材に直接冷媒を噴射して冷却する。
図4は、ハット形部材を製造する熱間プレス成形金型の概略構成の一例を説明する概念図である。図4(A)は差厚鋼板(肉盛り溶接部が形成されたブランク)をセットした状態を示す。図4(B)は熱間プレス成形後にプレス成形中間品を冷却、焼き入れする状態を示す。図4において、符号100は熱間プレス成形金型を、符号W10は差厚鋼板(例えば、肉盛り溶接部が形成されたブランク)を、符号W20はプレス成形中間品(熱間プレス成形により成形され冷却される前の中間品)を示す。
熱間プレス成形金型100は、図4に示すように、下型110と、上型120とを備える。下型110と上型120とが協働して、差厚鋼板W10を熱間プレス成形してハット形断面を有するプレス成形中間品W20を形成する。
下型110は、パンチ111を備えている。
パンチ111は、この実施形態において、複数の突起部114と、肉盛り溶接逃がし部(溝部)115と、冷却水流通路(冷媒流通路)116と、冷却水吐出口(冷媒吐出口)117と、冷却水排出口(冷媒排出口)(不図示)とを備える。パンチ111の側面にも冷却水吐出口117と冷却水排出口があるが、図4では記載を省略する。
突起部114は、パンチ11の表面に形成される。突起部114は、差厚鋼板W10をプレス成形中間品W20に成形する際に、差厚鋼板W10を支持する。更に、突起部114は、プレス成形中間品W20が突起部114によって所定外の形状に形成されたり打痕等を生じることがない押圧面積及び分布密度を有している。また、突起部114の間には、パンチ111の表面に沿って冷媒が流通する流路118が形成されている。
肉盛り溶接逃がし部115は、突起部114の間にある凹部である。肉盛り溶接逃がし部115は肉盛り溶接部を収納可能である。
冷却水流通路(冷媒流通路)116は、パンチ111の内部に形成される。冷却水流通路(冷媒流通路)116は、肉盛り溶接逃がし部115に開口する冷却水吐出口(冷媒吐出口)117に冷却水を移送する。
冷却水流通路(冷媒流通路)116を通った冷却水は、冷却水吐出口(冷媒吐出口)117からプレス成形中間品W20に向かって吐出(例えば、噴射)する。
また、冷却水排出口(冷媒排出口)(不図示)は、吐出された冷却水をパンチ111の表面から熱間プレス成形金型100の外部に排出する。
なお、必要に応じて、ダイス122にも冷媒吐出口、冷媒排出口、突起部を設けてもよい。
ダイス122は、パンチ11と協働して、差厚鋼板W10を稜線部12で曲げて縦壁部13を形成する。
(5)差厚鋼板セット工程
加熱した差厚鋼板を、熱間プレス成形金型にセットする(S05)。
具体的には、加熱した差厚鋼板W10をAr3変態点を下回らないうちに、下型110の上面(頂部)にセットする。
差厚鋼板W10を熱間プレス成形金型100にセットする際には、差厚鋼板W10の肉盛り溶接部W16、W17がパンチ111から浮き上がらないように位置決めする。そのため、肉盛り溶接部W16、W17をパンチ111の肉盛り溶接逃がし部115に正確にセットする。
差厚鋼板W10がパンチ111から浮き上がらないようにセットすることで、熱間プレス成形において稜線部12と肉盛り溶接部16、17の相対位置が正確に形成される。更に、プレス成形中間品の肉盛り溶接部が型締めした状態で適正に冷却され、焼き入れに起因する支障を抑制することができる。
また、熱間プレス成形後におけるプレス成形中間品の温度をAr3変態点以上から焼き入れするために、差厚鋼板W10を熱間プレス成形金型100にセットする時間は短時間になるよう注意する。
差厚鋼板W10を短時間でセットするために、差厚鋼板W10に位置決め穴をあけて、その位置決め穴に基づいて熱間プレス成形金型100にセットすることが好適である。
(6)熱間プレス成形工程
差厚鋼板を熱間プレス成形金型によって熱間プレス成形する(S06)。
熱間プレス成形金型100にセットした差厚鋼板W10を熱間プレス成形して、ハット形部材の形状を有するプレス成形中間品W20を形成する。
(7)焼き入れ工程
熱間プレス成形で形成したプレス成形中間品を焼き入れする(S07)。
熱間プレスに引き続き、熱間プレス成形金型を型締めした状態でプレス成形中間品W20を冷却して焼き入れする。
主壁部11は、この実施形態において、肉盛り溶接部16及び差厚鋼板の肉盛り溶接部16と隣接する全領域はマルテンサイト組織である。すなわち肉盛り溶接によって生じた熱影響部(HAZ)がすべて消滅している。
なお、ハット形部材は、縦壁部13を含めて全領域がマルテンサイト組織であることが強度向上の上で好適である。そのために、冷却を開始する際にプレス成形中間品の全領域がAr3変態点以上に維持されていることが望ましい。
また、マルテンサイト組織が形成される冷却速度で成形中間品を急冷するとともに、冷却終了温度をMs点以下にする。
この実施形態では、パンチ111に形成された冷却水吐出口117から肉盛り溶接逃がし部115に冷却水を噴射(吐出)して、パンチ111の表面に沿って冷却水を流路118に流通させて、冷却水をプレス成形中間品W20と直接接触させて冷却、焼き入れする。冷却水は肉盛り溶接逃がし部115にも流通する。かかる構成によって、パンチ111と密着されにくい肉盛り溶接部W16、W17及びその隣接領域が効率的に冷却、焼き入れされる。
また、金型を介して間接的に冷却する間接冷却、直接的に冷却する直接冷却のいずれの場合であっても、熱間プレス成形の際に、セットしたブランクが動いたり肉盛り溶接部の位置が所定の位置からずれると、肉盛り溶接部及び隣接した領域の冷却に支障をきたす虞がある。しかし、肉盛り溶接部W16、W17の位置に対応して肉盛り逃がし部115が形成されていることで、差厚鋼板W10をセットする際に、肉盛り溶接部を肉盛り逃がし部115に正確にセットすることが可能である。すなわち、位置ずれ等が生じるのを抑制することができる。
第1の実施形態に係るハット形部材(プレス成形品)の製造方法によれば、差厚鋼板W10を熱間プレス成形したプレス成形中間品W20を、型締めしたまま冷却して焼き入れする。このため、差厚鋼板の肉盛り溶接部16、17の隣接部分に生じた熱影響部(HAZ)を消滅させて強度を向上させることが可能になる。すなわち、軽量化と強度向上が両立するハット形部材(プレス成形品)を製造することができる。
第1の実施形態に係るハット形部材の製造方法によれば、熱影響部(HAZ)を消滅又は減少させるための新たな工程を設置する必要がない。さらに熱間プレスされた超高張力鋼板の特性を有効に活用することが可能である。
また、差厚鋼板(肉盛り溶接部が形成されたブランク)W10を用いることにより、差厚鋼板の任意の部位に任意の大きさの肉盛り溶接部を形成することが可能である。他に、局所的に細い(又は、小さな)肉盛り溶接部を形成することも可能である。すなわち、肉厚分布の好適化を効率的に行うことができる。
また、差厚鋼板W10を用いることで、鋼板内部に溶接線が形成されることがないので、ハット形部材10の強度を安定して向上することができる。
第1の実施形態に係るハット形部材の製造方法によれば、焼き入れ工程において、プレス成形中間品に冷却水(冷媒)を噴射(吐出)して、プレス成形中間品を冷却水と直接接触させて焼き入れる。このため、プレス成形品において熱間プレス成形金型100との密着が困難な肉盛り溶接部16、17が形成された部分についても効率的かつ安定して焼き入れすることができる。
その結果、肉盛り溶接部16、17の周囲(隣接部分)に熱影響部(HAZ)が残留するのを抑制することができる。
また、第1実施形態に係る閉断面部材1によれば、ハット形部材10の肉盛り溶接部16が稜線部12に沿って平行に形成されている。ハット形部材の断面が長手方向位置のいずれにおいても同等に形成されているため、ハット形部材10の強度を長手方向に安定して確保することができる。
また、第1実施形態に係るハット形部材10によれば、肉盛り溶接部17が稜線部12に形成されている。このため、稜線部12と肉盛り溶接部17が協働して、ハット形部材10の強度を安定的かつ効率的に向上することができる。
第1実施形態に係るハット形部材10によれば、差厚鋼板の鋼板部全体が焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。すなわち、鋼板部に熱影響部(HAZ)が残留していないので、ハット形部材10の強度を安定して向上することができる。
第1実施形態に係るハット形部材10によれば、差厚鋼板の鋼板部の硬度がHv400以上である。更に、硬度の最小値が硬度の最大値の80%以上である。これらにより、強度が効率的に向上するとともに、ハット形部材10内における強度のばらつきが抑制されて安定した強度を確保することができる。
<第2実施形態>
以下、図5を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る閉断面部材の概略構成を説明する斜視図である。また、図5は閉断面部材の概略構成を説明する図1において矢視II-IIで示す断面図である。図1、図5において、符号2は閉断面部材を、符号10Aはハット形部材(プレス成形品)を、符号16は肉盛り溶接部を示す。
閉断面部材2は、図1、図5に示すように、長手方向(Y軸方向)に沿って見たときに(横断面に)ハット形断面のハット形部材(プレス成形品)10Aと、平板状に形成されたプレート部材20と、ハット形部材10Aとプレート部材20とを幅方向(X軸方向)の両側で連結する複数のスポット溶接部Pとを備える。
また、閉断面部材2は、横断面に、ハット形部材10Aとプレート部材20とが閉断面を構成する。
ハット形部材(プレス成形品)10Aは、図5に示すように、例えば、主壁部11と、主壁部11の幅方向両側に配置された二つの稜線部12と、それぞれの稜線部12を介して主壁部11と接続され主壁部11から立ち上る二つの縦壁部13と、それぞれの縦壁部13の端部に接続されるフランジ部14と、を備えるハット形断面である。更に、ハット形断面における主壁部11の内方側に配置され稜線部12に沿って形成された肉盛り溶接部16とを備えている。
その他は、第1実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
<第3実施形態>
以下、図6を参照して、本発明の第3実施形態について説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係る閉断面部材の概略構成を説明する断面図である。図6は閉断面部材の概略構成を説明する図1において矢視II-IIで示す断面図である。図1、図6において、符号3は閉断面部材を、符号10Bはハット形部材(プレス成形品)を、符号17は肉盛り溶接部を示している。
閉断面部材3は、図1、図6に示すように、横断面にハット形断面のハット形部材(プレス成形品)10Bと、平板状のプレート部材20と、ハット形部材10Bとプレート部材20とを幅方向(X軸方向)の両側で連結する複数のスポット溶接部Pとを備えている。
また、閉断面部材3は、横断面においてハット形部材10Bとプレート部材20とが閉断面を構成する。
ハット形部材(プレス成形品)10Bは、図6に示すように、例えば、主壁部11と、主壁部11の幅方向両側に配置された二つの稜線部12と、それぞれの稜線部12を介して主壁部11と接続され主壁部11から立ち上る二つの縦壁部13と、それぞれの縦壁部13の端部に接続されるフランジ部14と、を備えるハット形断面である。更に、ハット形断面における稜線部12の内方側の凹部を埋めるように形成された肉盛り溶接部17とを備えている。
その他は、第1実施形態と同様であるので同じ符号を付して説明を省略する。
次に、図7、図8を参照して、本発明の実施例について説明する。
実施例では、第1~第3実施形態に係る閉断面部材1、2、3を本発明例1~3とする。肉盛り溶接部を形成していない閉断面部材は比較例として用いた。
そして、本発明例1~3、比較例につき、動的3点曲げシミュレーション解析によって評価した。
以下、図7を参照して、実施に係る動的3点曲げシミュレーション解析の概略について説明する。図7は、実施に係る動的3点曲げシミュレーション解析の概略を説明する図である。
動的3点曲げシミュレーション解析のモデルは、図7に示すように、プレート部材20を下側に向けて支点S1、支点S2上に閉断面部材を配置する。
支点S1、支点S2には、閉断面部材がその全幅にわたって載せて置かれる。支点S1と支点S2の間隔は800mmに設定されている。
荷重の負荷は次のように行われる。支点S1と支点S2の中央部の閉断面部材の上側に、円筒状の荷重負荷部材S3を閉断面部材の幅方向全範囲にわたって押し当てる。荷重負荷速度は9(km/h)で図7の矢印方向に荷重を負荷してたわみを形成する。
そして、閉断面部材の中央部に生じたたわみ量(ストローク)と負荷荷重との関係を図8に示すグラフにして評価した。
次に、図8を参照して、動的3点曲げシミュレーション解析による評価結果について説明する。図8は、実施例に係る動的3点曲げシミュレーション解析による評価結果の概略を説明するグラフである。
本発明例1~3に係る閉断面部材の概略構成は以下のとおりである。
また、比較例は、本発明例と同様のハット部材、プレート部材を用いて、肉盛り溶接部を形成しない構成とした。
〔ハット部材(プレス成形品)〕
差厚鋼板は、第1~3実施形態と同様とした。すなわち、本発明例1が第1実施形態、本発明例2が第2実施形態、本発明例3が第3実施形態に対応する。
差厚鋼板は1500MPa級鋼板(板厚2.0mm)から形成される。その組織は全体にわたって焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。
また、寸法は、主壁部幅L1=110mm、縦壁部高さL2=60mm、全幅L3=140mmに設定した。
肉盛り溶接部16、17は、溶着金属の引張強さが750MPaとし、焼き入れはされていない。
また、肉盛り溶接部の寸法は、肉盛り溶接部16を高さ2mm、幅4mmに設定し、肉盛り溶接部17を高さ2mm、幅4mmに設定した。
〔プレート部材〕
1500MPa級鋼板(板厚1.4mm)により形成した。
〔スポット溶接部〕
ハット部材とプレート部材との接合は、スポット溶接部を30mmピッチでフランジ部の長手方向に沿って形成した。
<比較例>
比較例では、図8に示すように、ストローク約22mmで最大荷重となり、最大荷重は48.2(kN)である。
また、(最大荷重/重量)は、8.48(kN/kg)である。
<本発明例1>
本発明例1では、ストローク約22mmで最大荷重となり、最大荷重は59.9(kN)である。
また、(最大荷重/重量)は、10.5(kN/kg)である。
したがって、本発明例1は、比較例に対して、最大荷重で24.3%、(最大荷重/重量)で23.8%向上する。
<本発明例2>
本発明例2では、ストローク約22mmで最大荷重となり、最大荷重は52.1(kN)である。
また、(最大荷重/重量)は、8.72(kN/kg)である。
したがって、本発明例2は、比較例に対して、最大荷重で8.0%、(最大荷重/重量)で2.8%向上する。
<本発明例3>
本発明例3では、ストローク約22mmで最大荷重となり、最大荷重は56.6(kN)である。
また、(最大荷重/重量)は、9.63(kN/kg)である。
したがって、本発明例3は、比較例に対して、最大荷重で17.4%、(最大荷重/重量)で13.6%向上する。
以上のように、本発明例1~3は、最大荷重で比較例に対して8.0~24.3%向上し、(最大荷重/重量)で比較例に対して2.8~23.8%向上することが確認できた。
また、第3実施形態と同様の形状を有し熱影響部が残留する非特許文献1相当品と本発明例3の最大荷重を比較すると、前者は約50(kN)、本発明例2は56.6(kN)であり、本発明例3は非特許文献1相当品よりも13.2%優れている。
一方、非特許文献1相当品は、稜線部に肉盛り溶接部が形成されているにもかかわらず、最大荷重が比較例に対して約3.7%しか向上しておらず、熱影響部(HAZ)の影響を大きく受けることが判明した。
<第4実施形態>
以下、図9、図10を参照して、本発明の第4実施形態について説明する。
図9は本発明の第4実施形態に係るセンターピラーの概略構成を説明する分解斜視図である。また、図10は、第4実施形態に係るセンターピラーアウターを説明する概念図である。図10(A)は、図9に示す矢視XAに沿って見たセンターピラーアウターの背面図である。図10(B)は、図10(A)に矢視XB‐XBで示す断面図である。図10(C)は、図10(A)に矢視XC‐XCで示す断面図である。図9、図10において、符号4はセンターピラー(閉断面部材)を、符号40はセンターピラーアウタープレス成形品を示している。図9、10において、X軸方向は車長方向、Y軸方向は車高方向、Z軸方向は車幅方向である。
センターピラー(閉断面部材)4は、図9に示すように、例えば、センターピラーアウター40と、センターピラーインナー4Aと、を備える。更に、これらを連結するため、センターピラーアウター40とセンターピラーインナー4Aの幅方向(X軸方向)両側に配置され所定間隔をあけて車高方向(Y軸方向)に沿って複数のスポット溶接部(不図示)とを備えている。
センターピラーアウター40とセンターピラーインナー4Aとは、長手方向に沿って見たとき(横断面)に、閉断面を構成するようになっている。
また、センターピラー4は、自動車用車体(不図示)の前後方向における中央近傍の側面に配置される。センターピラー4の下部はロッカーパネル(不図示)と連結され、上部はルーフレール(不図示)に連結されている。
自動車用車体が側方から衝突された際に、センターピラー4が車体幅方向内方に曲げ変形することで衝突エネルギーを吸収する。同時に、外部からキャビン内への進入を抑制する。
センターピラーアウター40は、図10(A)~図10(C)に示すように、車高方向に沿って伸びる主壁部41と、主壁部41の幅方向(X軸方向)両側に形成された二本の稜線部42と、縦壁部43と、フランジ部44と、第1肉盛り溶接部(第1増肉部)46と、第2肉盛り溶接部(第2増肉部)48とを備えている。
すなわち、主壁部41、稜線部42、縦壁部43、フランジ部44は、差厚鋼板から構成されている。差厚鋼板は、例えば、板厚3.2mm、引張強さ1500MPa級の超高張力鋼に肉盛溶接して製造される。センターピラー4は、この差厚鋼板を熱間プレス成形によりハット形断面に成形して製造されている。
また、この実施形態において、センターピラーアウター40は、例えば、差厚鋼板全体にわたって焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。また、差厚鋼板は、硬度がHv400以上である。硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。
なお、センターピラーアウター40を形成する差厚鋼板の素材として、例えば、板厚1.2mm以上3.2mm以下、引張強さ1500MPa級以上の鋼板を適用することが好適である。
主壁部41は、この実施形態において、稜線部42と対応して形成され左右の稜線部42の間に位置されるパネル本体41Pと、パネル本体41Pの下方に位置されロッカーパネル(不図示)に連結される下部連結フランジ41Fとを備えている。
なお、主壁部41の構成は任意に設定することが可能である。例えば、パネル本体41Pの下方に下部連結フランジ41Fを設けない構成としてもよい。他の例ではパネル本体41Pの上方に上部連結フランジを設ける構成としてもよい。
この実施形態において、稜線部42は、主壁部41の車高方向における車高方向上側端411から下部連結フランジ41Fの手前まで主壁部41の幅方向両側に形成されている。パネル本体41Pの車高方向上側端411は主壁部41の車高方向上側端、パネル本体41Pの車高方向下側端412は下部連結フランジ41Fの車高方向上側端にある。
稜線部42は、熱間プレス成形により差厚鋼板を曲げて主壁部41と縦壁部43を成形する際に形成される。
縦壁部43は、図10に示すように、二本の稜線部42を介して主壁部41の幅方向両側に接続されている。横断面において、主壁部41から立ち上って形成されている。
フランジ部44は、車長方向の縦壁部43の先端に接続している。横断面において、フランジ部44は幅方向(車長方向)外方に伸びて形成されている。
第1肉盛り溶接部(第1増肉部)46は、図10(A)、図10(B)に示すように、3本の肉盛り溶接部46Aと二本の稜線肉盛り溶接部(肉盛り溶接部)46Bとを備えている。
また、第1肉盛り溶接部46は、パネル本体41Pの車高方向上側端411から車高方向寸法L41の領域に形成されている。
第1肉盛り溶接部46の車高方向寸法L41は、必要に応じて適宜設定する。
なお、第1肉盛り溶接部46の車高方向寸法L41を、パネル本体41Pの車高方向寸法L40に対して75%以上としてもよい。
また、第1肉盛り溶接部46とともに、パネル本体41Pの車高方向寸法L41の領域の一部に肉盛り溶接部(増肉部)を形成してもよい。
また、肉盛り溶接部46Aは、車高方向における稜線部42と最も近接する部位(例えば、車高方向上側端411からL41の位置)において、肉盛り溶接部46Aの接線と稜線部42の接線とがなす角度が15°以下である。
なお、稜線肉盛り溶接部46Bは稜線部42に形成されているので、肉盛り溶接部46Bと稜線部42とは接線を共有している。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部46A、稜線肉盛り溶接部46Bは、例えば、焼き入れ可能な溶接ワイヤー(例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接ワイヤー)を用いて形成され、全体が焼き入れ組織(マルテンサイト組織)になっている。
第2肉盛り溶接部(第2増肉部)48は、図10(A)、図10(C)に示すように、4本の肉盛り溶接部48Aと二本の稜線肉盛り溶接部(肉盛り溶接部)48Bとを備えている。
また、第2肉盛り溶接部48は、パネル本体41Pの車高方向下側端412から車高方向寸法L42の領域に形成されている。
第2肉盛り溶接部48の車高方向寸法L42は、必要に応じて適宜設定する。
なお、第2肉盛り溶接部48の車高方向寸法L41を、パネル本体41Pの車高方向寸法L40に対して25%以上としてもよい。
また、第2肉盛り溶接部48とともに、パネル本体41Pの車高方向寸法L42の領域の一部に肉盛り溶接部(増肉部)を形成してもよい。
また、肉盛り溶接部48Aは、車高方向における稜線部42と最も近接する部位(例えば、車高方向下側端412からL42の位置)において、肉盛り溶接部48Aの接線と稜線部42の接線とがなす角度が15°以下である。
なお、稜線肉盛り溶接部48Bは稜線部42に形成されているので、肉盛り溶接部48Bと稜線部42とは接線を共有している。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部48A、稜線肉盛り溶接部48Bは、例えば、焼き入れ可能な溶接ワイヤー(例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接ワイヤー)を用いて形成され、全体が焼き入れ組織(マルテンサイト組織)になっている。
なお、肉盛り溶接部46A、稜線肉盛り溶接部46B、肉盛り溶接部48A、稜線肉盛り溶接部48Bを焼き入れ組織(マルテンサイト組織)とするかどうかは任意に設定することが可能である。全てを焼き入れ組織としない構成としてもよい。肉盛り溶接部46A(48A)、稜線肉盛り溶接部46B(48B)のいずれか一方のみを焼き入れ組織としてもよい。肉盛り溶接部46A(48A)の一部のみを焼き入れ組織としてもよい。
また、第1肉盛り溶接部46、第2肉盛り溶接部48のいずれか一方のみを焼き入れ組織としてもよい。
また、第1肉盛り溶接部46、第2肉盛り溶接部48の構成(稜線肉盛り溶接部46A、46Bを配置するかどうか、左右の一方のみに形成するかどうか、稜線肉盛り溶接部46B、48Bを配置するかどうか、左右の一方のみに形成するかどうか)は任意に設定することができる。また、第1肉盛り溶接部46と、第2肉盛り溶接部48が、中央部で連結されていてもよい。
センターピラーインナー4Aは、例えば、板厚3.2mmの引張強さ980MPa級の超高張力鋼により形成されている。センターピラーインナー4Aの形状は、長尺の略平板状である。Z軸方向(車幅方向)に沿って見たときに、センターピラーアウター410の外形形状と対応する外形形状である。
第4実施形態に係るセンターピラーアウター40によれば、差厚鋼板が全領域にわたって焼入れ組織(マルテンサイト組織)であって、硬度がHv400以上、かつ硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。更に、第1肉盛り溶接部46、第2肉盛り溶接部48が全領域にわたって焼入れ組織(マルテンサイト組織)である。これらの構成により、センターピラー4の強度を向上することができる。
また、第1肉盛り溶接部46が、センターピラーアウター40のパネル本体41Pの車高方向寸法L40に対して車高方向上側端411から75%の一部に形成されている。更に、第2肉盛り溶接部48が、パネル本体41Pの車高方向寸法L40に対して車高方向下側端412から25%以上の一部に形成されている。これらにより、自動車用車体に側面から衝突が発生した場合に、センターピラー4が車体内部空間に入り込むのを効率的に抑制することができる。
また、センターピラー4の車高方向中央寄りの部分に肉盛り溶接部46、48を形成しない構成とすることにより、センターピラー4及びセンターピラーアウター40の軽量化と強度向上を効率的に行うことができる。
また、センターピラーアウター40によれば、肉盛り溶接部46A、48Aと稜線部42とが最も近接する部位において、肉盛り溶接部46A、48Aの接線と稜線部42の接線とが角度は15°以下となる。そうすると、肉盛り溶接部46A、48Aと稜線部42が協働して、センターピラーアウター40の強度を効率的に向上することができる。
<第5実施形態>
以下、図11を参照して、本発明の第5実施形態について説明する。
図11は、第5実施形態に係るバンパーの概略構成を説明する概略構成図である。図11(A)は斜視図を、図11(B)は図11(A)において矢視XIB-XIBで示す断面図である。図11において、符号5はバンパー(閉断面部材)を、符号50はバンパー本体(プレス成形品)を示している。図11において、例えば、X軸方向は車高方向、Y軸方向は車幅方向、Z軸方向は車長方向である。
バンパー(閉断面部材)5は、図11に示すように、例えば、バンパー本体(プレス成形品)50と、ベースプレート5Pと、スポット溶接部Pとを備えている。
また、バンパー5は、支持部材58を介して自動車用車体の前部又は後部に取り付けられる。バンパー5は自動車用車体の車幅方向(Y軸方向)に長尺に形成されている。
また、バンパー本体50と、ベースプレート5Pとは、長手方向に沿って間隔をあけて形成されたスポット溶接部Pによって連結される。バンパー5の横断面は閉断面である。
バンパー本体(プレス成形品)50は、例えば、図11(B)に示すように、自動車用車体において車幅方向に伸びる主壁部51と、主壁部51の車高方向外方(X軸方向)の両側に長手方向に形成された二本の稜線部52と、縦壁部54と、フランジ部55と、肉盛り溶接部(増肉部)56とを備えている。
また、主壁部51、稜線部52、縦壁部54、フランジ部55は、差厚鋼板から構成される。例えば、差厚鋼板は板厚1.6mmの引張強さ1500MPa級の超高張力鋼である。バンパー本体50は、熱間プレス成形によりハット形断面に形成されている。
また、差厚鋼板は、この実施形態において、例えば、全体にわたって焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。
また、差厚鋼板は、硬度がHv400以上である。その硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。
なお、バンパー本体50を形成する鋼板として、例えば、板厚1.4mmの1800MPa級の超高張力鋼等、種々の鋼板を適用してもよい。
主壁部51は、バンパー本体50の横断面である図11(B)に示すように、この実施形態において、主壁部51の車高方向における両側に配置される二つの第1主壁部51Aと、その間にある第2主壁部51Bとを備えている。
また、第2主壁部51Bは、二つの曲げ部53を介して第1主壁部51Aと接続されベースプレート5P側にくぼんで形成されている。
稜線部52は、主壁部51の車高方向(X軸方向)の両側に配置され長手方向(Y軸方向、車幅方向)に沿って形成されている。また、長手方向に沿って見たとき(横断面)に、外方に突出するとともに、主壁部51と縦壁部54を緩やかに接続する略円弧状である。
また、稜線部52は、熱間プレス成形により差厚鋼板を曲げて主壁部51と縦壁部54を成形する際に形成される。
縦壁部54は、図11(B)に示すように、二本の稜線部52を介して主壁部51の車高方向(X軸方向)両側に接続されている。縦壁部54は、バンパー本体50の横断面では、主壁部51から立ち上って形成されている。
また、縦壁部54は、この実施形態において、稜線部52を介して主壁部51の車高方向における両側とそれぞれ接続される第1縦壁部54Aと、それぞれの第1縦壁部54Aと接続され、主壁部51に対して第1縦壁部54Aよりも大きく傾斜した第2縦壁部54Bとを備えている。
フランジ部55は、車高方向それぞれの縦壁部54の先端に接続され、バンパー本体50の横断面では、車高方向(X軸方向)外方に伸びている。
肉盛り溶接部(増肉部)56は、図11(B)に示すように、それぞれの第1主壁部51Aの内面側に配置され、稜線部52に沿って形成される。
また、肉盛り溶接部56は、稜線部52と最も近接する部位において、肉盛り溶接部56の接線と稜線部52の接線とがなす角度が15°以下である。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部56は、例えば、焼き入れ可能な溶接ワイヤー(例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接ワイヤー)を用いて形成され、全体が焼き入れ組織(マルテンサイト組織)になっている。
なお、肉盛り溶接部56を焼き入れ組織(マルテンサイト組織)とするかどうかは任意に設定することが可能である。全てを焼き入れ組織としない構成としてもよいし、肉盛り溶接部56の一部のみを焼き入れ組織としてもよい。
ベースプレート5Pは、例えば、板厚1.4mmの引張強さ980MPa級の超高張力鋼からなる。ベースプレート5Pの形状は長尺の略平板状である。ベースプレート5Pの形状は、車長方向に沿って見たときにバンパー本体50の外形形状と対応している。なお、ベースプレート5Pを形成する鋼板として、例えば、板厚1.2mmの1180MPa級の超高張力鋼等、種々の鋼板を適用してもよい。
第5実施形態に係るバンパー5によれば、差厚鋼板が全領域にわたって焼入れ組織(マルテンサイト組織)であって、硬度がHv400以上、かつ硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。更に、肉盛り溶接部56が全領域にわたって焼入れ組織(マルテンサイト組織)である。これらにより強度を向上することができる。
また、バンパー5によれば、バンパー本体50の稜線部52と肉盛り溶接部56とが概ね平行である。すなわち、互いになす角度が15°以下である。これにより、稜線部52と肉盛り溶接部46が協働することで強度を効率的に向上することができる。
<第6実施形態>
以下、図12を参照して、本発明の第6実施形態について説明する。
図12は、第6実施形態に係るロッカーパネルの概略構成の一例を説明する断面図である。図12において、符号6は、ロッカーパネル(閉断面部材)を示している。図12において、X軸方向は車高方向、Z軸方向は車幅方向である。
ロッカーパネル(閉断面部材)6は、図12に示すように、第1構造部材(プレス成形品)60と、第2構造部材(プレス成形品)70と、長手方向(車両前後方向)に間隔をあけて形成され第1構造部材60と第2構造部材70とを接合する複数のスポット溶接部Pとを備えている。また、ロッカーパネル6は、横断面において、第1構造部材60と第2構造部材70とが閉断面を形成し、この閉断面が車両前後方向に伸びた構成である。
第1構造部材(プレス成形品)60は、横断面において、主壁部61と、主壁部61の車高方向における一方側(図12における左側)に形成される稜線部62Aと、主壁部61の車高方向における他方側に形成される稜線部62Bと、稜線部62Aを介して主壁部61と接続され主壁部61から立ち上る第1縦壁部63と、第1縦壁部63の先端部に接続し車高方向外方に伸びるフランジ部64と、稜線部62Aを介して主壁部61と接続され主壁部61から立ち上る第2縦壁部65と、主壁部61の内側面に形成され長手方向に沿って伸びる肉盛り溶接部(増肉部)66と、肉盛り溶接部(増肉部)67とを備えている。
また、主壁部61、稜線部62A、62B、縦壁部63、65、フランジ部64は、差厚鋼板から構成されている。例えば、差厚鋼板は板厚2mmの引張強さ1500MPa級の超高張力鋼からなり、熱間プレス成形により形成されている。
また、差厚鋼板は、この実施形態において、例えば、全体にわたって焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。
また、差厚鋼板は、硬度がHv400以上であって、硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。
なお、第1構造部材60を形成する鋼板として、例えば、板厚1.8mmの1800MPa級の超高張力鋼等、種々の鋼板を適用してもよい。
稜線部62A、62Bは、主壁部61の車高方向(X軸方向)の両側に配置され長手方向(Y軸方向)に沿って形成されている。稜線部62A、62Bの形状は、横断面において、外方に突出するとともに、主壁部61と縦壁部63、65を緩やかに接続する略円弧状である。
また、稜線部62A、62Bは、熱間プレス成形により差厚鋼板を曲げて主壁部61と縦壁部63、65を成形する際に形成される。
肉盛り溶接部(増肉部)66は、例えば、稜線部62A、62Bと略平行(稜線部となす角度が15°以下)である。
また、肉盛り溶接部(増肉部)67は、例えば、稜線部62A、62Bに形成されている。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部66、67は、例えば、焼き入れ可能な溶接ワイヤー(例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接ワイヤー)を用いて形成され、全体が焼き入れ組織(マルテンサイト組織)となっている。
第2構造部材(プレス成形品)70は、例えば、主壁部71と、主壁部71の他端側に形成される稜線部72と、稜線部72を介して主壁部71と接続され主壁部71から立ち上る縦壁部73と、主壁部71に形成され稜線部72に沿って略平行に形成された肉盛り溶接部(増肉部)74とを備える。
また、主壁部71、稜線部72、縦壁部73は、差厚鋼板から構成される。例えば、差厚鋼板は板厚1.8mmの引張強さ1500MPa級の超高張力鋼からなり、熱間プレス成形により、横断面は略L字形である。
また、差厚鋼板は、この実施形態において、全体にわたって焼き入れ組織(マルテンサイト組織)である。
また、鋼板部は、硬度がHv400以上、硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。
なお、第2構造部材70を形成する鋼板として、例えば、板厚1.2mmの1800MPa級の超高張力鋼等、種々の鋼板を適用してもよい。
稜線部72は、熱間プレス成形により差厚鋼板を曲げて主壁部71と縦壁部73を成形することにより、長手方向(車体前後方向)に沿って形成される。稜線部72の形状は、横断面において、外方に突出するとともに、主壁部71と縦壁部73を緩やかに接続する略円弧状である。
肉盛り溶接部(増肉部)74は、例えば、稜線部72と略平行(稜線部となす角度が15°以下)である。
また、この実施形態において、肉盛り溶接部74は、例えば、焼き入れ可能な溶接ワイヤー(例えば、溶着金属の引張強さが400MPa以上となる溶接ワイヤー)を用いて形成され、全体が焼き入れ組織(マルテンサイト組織)になっている。
なお、肉盛り溶接部66、74を焼き入れ組織(マルテンサイト組織)とするかどうかは任意に設定することが可能である。全てを焼き入れ組織としない構成としてもよいし、肉盛り溶接部66、74のいずれか一方のみを焼き入れ組織としてもよいし、肉盛り溶接部66(74)の一部のみを焼き入れ組織としてもよい。
また、第1構造部材60と第2構造部材70とは、長手方向(車長方向)に沿って形成されたスポット溶接部Pによって、フランジ部64と主壁部71、及び縦壁部65と縦壁部73が連結されている。
第6実施形態に係るロッカーパネル6によれば、第1構造部材60、第2構造部材70の差厚鋼板が全領域にわたって焼入れ組織(マルテンサイト組織)になっていて、硬度がHv400以上、かつ硬度の最小値は硬度の最大値の80%以上である。更に、肉盛り溶接部66、74が全領域にわたって焼入れ組織(マルテンサイト組織)である。これらにより、強度を効率的に向上することができる。
また、ロッカーパネル6によれば、第1構造部材60の稜線部62A,62Bと肉盛り溶接部66とが略平行である。第2構造部材70の稜線部72と肉盛り溶接部74ともまた略平行である。これらにより強度を向上することができる。
なお、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることができる。
例えば、上記実施形態においては、プレス成形品を、センターピラーアウター、バンパー、ロッカーパネルに適用する場合について説明したが、プレス成形品の適用対象は任意に設定することが可能であり、自動車用車体を構成する他の構造部材や自動車用車体以外の構造部材に適用してもよい。
また、上記実施形態においては、プレス成形品を構成する差厚鋼板が全領域にわたって焼き入れ組織である場合について説明したが、例えば、縦壁部やフランジ部等、肉盛り溶接部が形成されていなくて熱影響部(HAZ)が生じない領域については任意に設定することが可能である。
また、上記実施形態においては、肉盛り溶接部を主壁部と稜線部、主壁部、稜線部に形成する場合について説明した。これに限らず、肉盛り溶接部を稜線部のみ、主壁部のみ、縦壁部のみ、これらを組み合わせて構成して構成部材の性能を変化させる構成としてもよい。また、肉盛り溶接部を形成する部位については任意に設定することが可能である。
例えば、最大荷重のみが重要な場合に主壁部のみに肉盛り溶接部を形成して質量効率を高くしたり、エネルギー吸収量が重要な場合に、主壁部と稜線部、又は稜線部のみに肉盛り溶接部を形成してもよい。
また、上記実施形態においては、肉盛り溶接部と稜線部とが最も近接する部位において、肉盛り溶接部の接線と稜線部の接線とがなす角度は15°以下に形成されている場合について説明したが、例えば、互いになす角度を15°より大きく形成してもよい。但し、その場合はなす角度が大きくなるほど強度向上効果は低下する。
また、上記実施形態においては、プレス成形品がフランジ部を備えている場合について説明したが、フランジを備えるかどうかは任意に設定することができる。
また、上記実施形態においては、プレス成形品が稜線部を備えている場合について説明したが、例えば、円弧状断面を長尺にすることで形成した場合等、稜線部を備えていないプレス成形品に適用してもよい。
また、肉盛り溶接部を焼入れ組織とするかどうかは任意に設定することが可能である。例えば、焼き入れ組織とする場合に一部の領域を焼き入れ組織としてもよいし、複数の肉盛り溶接部が形成される場合に一部の肉盛り溶接部を焼き入れ組織としてもよい。
また、上記実施形態においては、プレス成形品の鋼板部の硬度をHv400以上とし、かつ硬度の最小値が硬度の最大値の80%以上とする場合について説明した。プレス成形品における硬さの構成は任意に設定することが可能であり、例えば、差厚鋼板の硬度をHv400以上として硬度の最小値が硬度の最大値の-80%未満とし、又は差厚鋼板の硬度をHv500未満として硬度の最小値が硬度の最大値の80%以上とし、又は差厚鋼板の硬度をHv500未満として硬度の最小値が硬度の最大値の80%未満としてもよい。但し、その場合は、硬度が逸脱するほど強度向上効果は低下する。
また、上記第4実施形態においては、センターピラーアウター40が、パネル本体41Pの車高方向上側端411から伸びる第1肉盛り溶接部46と、パネル本体41Pの車高方向下側端412から伸びる第2肉盛り溶接部48とを備える場合について説明したが、第1肉盛り溶接部46と第2肉盛り溶接部48のいずれか一方を備えてもよい。
また、第1肉盛り溶接部46、第2肉盛り溶接部48に代えて、車高方向上側端411及び車高方向下側端412から離れて形成された肉盛り溶接部(増肉部)を備える構成としてもよい。
すなわち、センターピラーアウター40のパネル本体41Pに形成する増肉部の形態、寸法、数については必要に応じて適宜設定することができる。
また、上記実施形態においては、熱間プレス成形金型100が、パンチ111と、ダイス122とを備えている場合について説明したが、熱間プレス成形金型100の構成については任意に設定することが可能であり、板押さえ、ホルダ、パッドを備えた構成としてもよい。
また、冷媒を冷却水とするか他の冷媒とするか、吐出する形態を噴射とするかどうかは任意に設定することが可能である。
本発明に係るプレス成形品の製造方法、プレス成形品、センターピラーアウター、熱間プレス成形金型によれば、強度の高い熱間プレス成形品を製造することが可能になる。プレス成形品内の部位に応じて好適な板厚とするとともに強度を向上することができるので、産業上利用可能である。
W10 差厚鋼板
W20 プレス成形中間品
10、20、30 ハット形部材(プレス成形品)
11 主壁部
12 稜線部
13 縦壁部
40 センターピラーアウター(プレス成形品)
41 主壁部
41P パネル本体
411 パネル本体の車高方向上側端(上側端)
412 パネル本体の車高方向下側端(下側端)
42 稜線部
43 縦壁部
46 第1肉盛り溶接部
46A 稜線部
46B 稜線肉盛り溶接部(肉盛り溶接部)
48 第2肉盛り溶接部
48A 稜線部
48B 稜線肉盛り溶接部(肉盛り溶接部)
50 バンパー本体(プレス成形品)
51 主壁部
52 稜線部
54 縦壁部
56 肉盛り溶接部(増肉部)
60 第1構造部材(プレス成形品)
61 主壁部
62A,62B 稜線部
63、65 縦壁部
66 肉盛り溶接部(増肉部)
67 肉盛り溶接部(増肉部)
70 第2構造部材(プレス成形品)
71 主壁部
72 稜線部
73 縦壁部
74 肉盛り溶接部(増肉部)
100 熱間プレス成形金型
111 パンチ
114 突起部
115 肉盛り溶接逃がし部
116 冷却水流通路(冷媒流通路)
117 冷却水吐出口(冷媒吐出口)
118 流路
122 ダイス

Claims (10)

  1. 線状の増肉部を片面にのみ備えた差厚鋼板をAc3変態点以上に加熱することと、
    Ac3変態点以上に加熱した前記差厚鋼板を熱間プレス成形金型によって熱間プレス成形してプレス成形中間品に成形することと、
    前記プレス成形中間品を前記熱間プレス成形金型で型締めしたまま冷却して焼き入れすることと、
    を備え
    前記増肉部の突出部がある側に前記差厚鋼板を曲げて稜線部を形成して前記プレス成形中間品に成形するとともに、
    前記増肉部を前記増肉部の延在方向に沿って曲げて前記稜線部を形成して前記プレス成形中間品に成形するプレス成形品の製造方法。
  2. 前記線状の増肉部は肉盛り溶接部である請求項1のプレス成形品の製造方法。
  3. 前記増肉部と等距離を保って前記差厚鋼板を前記増肉部に沿って曲げて前記成形中間品に成形する請求項1又は2のプレス成形品の製造方法。
  4. 前記プレス成形中間品を焼き入れする際に、前記プレス成形中間品に向かって冷媒を吐出して焼き入れする請求項1~のいずれか一項に記載のプレス成形品の製造方法。
  5. 線状の増肉部と、稜線部とを備え、
    鋼板部が全領域にわたって焼入れ組織であり、
    前記増肉部は、前記鋼板部の両面のうち前記稜線部の内側がある面にのみ形成され、かつ、前記稜線部の内側に配置されている差厚鋼板のプレス成形品。
  6. 前記線状の増肉部は肉盛り溶接部である請求項5のプレス成形品。
  7. 鋼板部の硬度はHv400以上、
    かつ前記硬度の最小値は前記硬度の最大値の80%以上の
    請求項5又は6のプレス成形品。
  8. 稜線部と、前記稜線部に沿って形成された前記増肉部とを備え、
    前記増肉部と前記稜線部とが最も近接する部位において、前記増肉部の接線と前記稜線部の接線とがなす角度は15°以下である
    請求項5~7のいずれか一項に記載のプレス成形品。
  9. 請求項4に記載のプレス成型品の製造方法に使用される熱間プレス成形金型であって、
    表面に溝部を備えたパンチと、
    前記パンチの表面に開口した冷媒吐出口と、
    前記パンチの表面に開口した冷媒排出口と、
    前記パンチの前記溝部を除く表面に設けられた複数の突起部と、
    を備える熱間プレス成形金型。
  10. Ar3変態点以上の温度の前記差厚鋼板の前記増肉部を前記パンチの前記溝部にあわせて前記差厚鋼板を配置する
    請求項の熱間プレス成形金型を用いた請求項に記載のプレス成形品の製造方法。
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