JP2022110891A - 車両用bピラーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】成形性の向上ならびに低コスト化を図りながら、所期の車両衝突性能を確保することが可能な車両用Bピラーの製造方法の提供。【解決手段】外形が平面視でT字形状に形成されかつ縦バー2とそれに直交する横バー3との前後の交差部位に部分円弧状の入隅フランジ4,5が設けられているとともに、縦バー2の前部および後部に入隅フランジ4,5に連接されるフランジ2b,2cが設けられている車両用Bピラー1を製造する方法であって、一枚の高張力鋼板をT字形状に外形抜き加工することによりブランク材10を得る工程と、ブランク材10において前後の入隅フランジ4,5の形成予定領域11,12ならびに後側のフランジ2cの形成予定領域における上下方向の中間領域13に焼き戻し処理を施す工程と、ブランク材10を冷間プレス成形することにより前記車両用Bピラー1を得る工程と、を実行する。【選択図】図3
Description
本発明は、車両用Bピラーの製造方法に関する。
近年では、車両の衝突性能の向上ならびに軽量化を図るために、車両用部品の高強度化が求められている。
難成形形状の高強度部品を成形するには、例えばホットスタンプが有効である。
このホットスタンプは、鋼板の全体を高温に加熱してから、熱間プレス成形することにより、難成形領域の成形性を良好にするとともに、焼き入れを行うことにより、高強度化を図る加工方法である。
ところで、いろいろな車両用部品のなかには、全領域のうち難成形領域でない領域つまり成形性に支障がない領域や、高い車両衝突性能が要求されない領域つまり高強度が要求されない領域が存在するものがある。
しかしながら、前記ホットスタンプでは、前記鋼板の全体を加熱しているために、大規模な加熱設備を用いて加熱時間を長くする必要があるとともにプレス速度を遅くする必要がある他、前記加熱設備とプレス設備とを連動制御する必要があるなど、製造コストが嵩むことが指摘される。
例えば特許文献1には、「1枚の板材からなる金属板を、予め設定した形状の外周輪郭形状にせん断加工した後の単一の金属板に対し、伸びフランジ成形を含むプレス加工を施して製造するプレス成形品の製造方法において、上記単一の金属板を上記プレス加工でプレス成形した際に、上記金属板の外周部における、伸びフランジ割れが発生しやすいと推定される領域の位置を特定する処理を行い、その特定した領域を伸びフランジ割れ領域とした場合に、上記せん断加工後の単一の金属板における、上記伸びフランジ割れ領域内に位置する金属板端面及びその近傍のうち、せん断加工で割れの起点になりやすくなった金属板端面を加熱し冷却してから、上記プレス加工を施す」ということが記載されている。
上記特許文献1では、例えば製造対象を車両用Bピラーに特化した場合について冷間プレス成形時に伸びて割れやすい領域や縮んで皺になりやすい領域などの難成形領域や、製品強度低下が車両衝突性能に及ぼす影響について何ら言及されていない。このようなことから、改良の余地がある。
このような事情に鑑み、本発明は、成形性の向上ならびに低コスト化を図りながら、所期の車両衝突性能を確保することが可能な車両用Bピラーの製造方法の提供を目的としている。
本発明は、外形が平面視でT字形状に形成されかつ縦バーとそれに直交する横バーとの前後の交差部位に部分円弧状の入隅フランジが設けられているとともに、前記縦バーの前部および後部に前記前後の入隅フランジに連接されるフランジが設けられている車両用Bピラーを製造する方法であって、一枚の高張力鋼板をT字形状に外形抜き加工することによりブランク材を得る工程と、前記ブランク材において前記前後の入隅フランジの形成予定領域ならびに前記後側のフランジの形成予定領域における上下方向の中間領域に焼き戻し処理を施す工程と、前記ブランク材を冷間プレス成形することにより前記車両用Bピラーを得る工程と、を実行することを特徴としている。
ところで、前記縦バーは、車両上下方向(長手方向)に沿わされつつ後傾姿勢にされていて、前記横バーは、車両前後方向に沿わされており、前記縦バーの車両上下方向の全長範囲の車両前後方向(幅方向)の中間が厚み方向の一方に隆起する天板部が設けられていて、さらに、前記天板部は、上から上下方向の中間付近に向けて徐々に幅広にされていて、当該中間付近から下へ向けて徐々に幅狭にされている、構成とすることができる。
なお、前記焼き戻し処理とは、前記ブランク材における前記前後の入隅フランジの形成予定領域と前記上下方向中間領域との三ケ所をAc1点(加熱時の材料の変態点)以下の温度で加熱し、その後、所定時間について自然放熱させることにより、前記高張力鋼板の組織を制御して延性を向上させる処理のことである。
また、本願の発明者は、前記車両用Bピラーを製作するにあたって、仮に前記高張力鋼板の一部を焼き戻し処理せずに冷間プレス成形する場合、前記前後の入隅フランジの形成予定領域は伸びて割れやすくなり、また、前記後側のフランジの形成予定領域における上下方向の中間領域は縮んで皺になりやすくなるなど、難成形領域であることを知見した。しかも、前記前後の入隅フランジの形成予定領域と前記中間領域は、高い車両衝突性能が要求されない領域であることを知見した。
この構成によれば、前記冷間プレス成形前に、前記三ケ所の組織を制御して延性を向上させることが可能になる。
そのため、前記冷間プレス成形時に、前記三ケ所に割れや皺が発生することを抑制または防止できるなど、上記特許文献1に比べて成形性を高めることが可能になる。
しかも、ホットスタンプに比べると、加熱範囲が小さく、加熱温度も低いため、簡素な加熱設備を用いることができる他、前記焼き戻し処理における加熱時間を大幅に短くできるなど、生産性を高めることができる。
なお、前記ブランク材において前記焼き戻し処理を施していない領域つまり前記三ケ所を除く領域は、高張力鋼板に対する冷間プレス成形の作用により、冷間プレス成形後において前記焼き戻し処理を施した領域よりも強度を高めることができる。
このようなことから、本発明を適用した実施形態の車両用Bピラー1の製造方法によれば、成形性の向上ならびに低コスト化を図りながら、所期の車両衝突性能を確保することが可能になる。
本発明によれば、成形性の向上ならびに低コスト化を図りながら、所期の車両衝突性能を確保することが可能な車両用Bピラーの製造方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図3に本発明の一実施形態を示している。図中、1は完成状態の車両用Bピラーを示している。図において、車両前方をFr、車両上方をUpとしている。
この車両用Bピラー1は、縦バー2と横バー3とを平面視でT字形状に連接したような形状とされている。
図1および図2に示すように、縦バー2は、車両上下方向に沿わされつつ後傾姿勢とされていて、横バー3は、車両前後方向に沿わされている。
縦バー2の車両上下方向の全長範囲の車両前後方向(幅方向)の中間が厚み方向の一方に隆起されている。この隆起している部分を天板部2aと言う。
天板部2aは、上から上下方向の中間付近に向けて徐々に幅広にされていて、当該中間付近から下へ向けて徐々に幅狭にされている。換言すれば、天板部2aは、あたかも樽を側面から見たような形状になっていて、その上下方向の中間部分の車両前後方向(幅方向)寸法が最も大きくされている。
また、縦バー2において天板部2aよりも車両前後方向の前部および後部には、フランジ2b,2cが設けられている。これら前後のフランジ2b,2cは、直線形状になっている。
さらに、縦バー2は、図1および図2に示すように、その上下方向の中間部分が車両外向きに最も張り出すように全体的に湾曲されている。
縦バー2と横バー3とが交差する部位の前後には、入隅フランジ4,5が設けられている。これら前後の入隅フランジ4,5は、部分円弧状に形成されている。
なお、縦バー2が後傾姿勢にされている関係より、前側の入隅フランジ4は鋭角にされており、また、後側の入隅フランジ5は鈍角にされている。
前側の入隅フランジ4は、前側のフランジ2bに連接されている。後側の入隅フランジ5は、後側のフランジ2cに連接されている。
このような車両用Bピラー1は、車両衝突性能の向上ならびに軽量化が求められるので、高張力鋼板(冷間プレス用高張力鋼板とも言う)を素材として製作される。
ところで、本願の発明者は、車両用Bピラー1を製作するにあたって、仮に前記高張力鋼板の一部を焼き戻し処理せずに冷間プレス成形する場合、前後の入隅フランジ4,5が伸びて割れやすくなり、また、後側のフランジ2cにおける上下方向の中間領域6が縮んで皺になりやすくなるなど、難成形領域であることを知見した。
しかも、前側の入隅フランジ4と、後側の入隅フランジ5と、中間領域6との三ケ所は、高い車両衝突性能が要求されない領域であることを知見した。前記三ケ所には、図1および図3に示すようにドット模様を付している。
ところで、車両用Bピラー1の内側には、図示していないが、カバープレートが接合される。
この接合は、前後の入隅フランジ4,5および前後のフランジ2b,2cと前記カバープレートの所定部位とを重ね合わせて、この重ね合わせた部分の複数ケ所にスポット溶接を施す形態とされる。このスポット溶接の打点は、図1に符号7で示している。
このような知見に基づき、車両用Bピラー1の最適な製造方法を見出したので、以下において詳細に説明する。
車両用Bピラー1の素材は、当該車両用Bピラー1に要求される強度と軽量化とを考慮して、高張力鋼板とする。
まず、図3に示すように、高張力鋼板をT字形状に外形抜き加工する。この外形抜き加工されたものをブランク材10と言う。
この図3に示すブランク材10において前側の入隅フランジ4の形成予定領域11と、後側の入隅フランジ5の形成予定領域12と、後側のフランジ2cの形成予定領域における上下方向の中間領域13(図1に示す完成品の中間領域6の形成予定領域に相当)との三ケ所を焼き戻し処理する。
ここで、前記焼き戻し処理とは、前記三ケ所11,12,13をAc1点(加熱時の材料の変態点)以下の温度にするように加熱し、その後、所定時間について自然放熱させることにより、ブランク材10の組織を制御して延性を向上させる処理のことである。
なお、前記加熱の方法としては、例えばレーザ加熱または高周波加熱などが挙げられる。このような加熱を行うための設備は、例えばホットスタンプで用いるような大規模な加熱設備に比べて遥かに簡素であると言える。
この後、ブランク材10を冷間プレス成形することにより、図1および図2に示すような形状の車両用Bピラー1を得る。
このような製造方法では、前記冷間プレス成形前に、前記三ケ所11~13における組織を制御して延性を向上させることが可能になる。
そのため、前記冷間プレス成形時に、前記三ケ所11~13に割れや皺が発生することを抑制または防止できるなど、上記特許文献1に比べて成形性を高めることが可能になる他、車両用Bピラー1の成形後に車両に組み付けた状態で車両が衝突した場合に前記スポット溶接の打点7が破断することを防止するうえで有利になる。
しかも、ホットスタンプに比べると、加熱範囲が小さく、加熱温度も低いため、簡素な加熱設備を用いることができる他、前記焼き戻し処理における加熱時間を大幅に短くできるなど、生産性を高めることができる。
なお、ブランク材10において前記焼き戻し処理を施していない領域つまり前記三ケ所11~13を除く領域は、高張力鋼板に対する冷間プレス成形の作用により、冷間プレス成形後において前記三ケ所11~13よりも強度が高くなる。ちなみに、前記三ケ所11~13を除く領域については、要求される車両衝突性能を担保できるように高い強度にすることができる。
但し、前記三ケ所11~13は、前記焼き戻し処理を施さずに冷間プレス成形する場合に比べると低強度になるが、この三ケ所11~13は、上述しているように、高い車両衝突性能が要求されない領域であるから、車両用Bピラー1の全体的な車両衝突性能が問題ないレベルに収めることができる。つまり、本発明では、車両用Bピラー1全体の車両衝突性能を犠牲にすることなく、成形性を高めるために、前記三ケ所11~13に焼き戻し処理を施しているのである。
以上説明したことから、本発明を適用した実施形態の車両用Bピラー1の製造方法によれば、車両用Bピラー1において難成形領域でかつ高い車両衝突性能が要求されない領域である三ケ所(前側の入隅フランジ4、後側の入隅フランジ5、中間領域6)を、衝突性能に問題のないレベルの強度でかつ割れや皺の発生がないレベルの延性にすることができる。そのため、成形性の向上ならびに低コスト化を図りながら、所期の車両衝突性能を確保することが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
本発明は、プレス成形品の製造方法に好適に利用することが可能である。
1 車両用Bピラー
2 縦バー
2a 天板部
2b 前側のフランジ
2c 後側のフランジ
3 横バー
4 前側の入隅フランジ
5 後側の入隅フランジ
6 後側のフランジ2cの上下方向の中間領域
10 ブランク材
11 前側の入隅フランジ4の形成予定領域
12 後側の入隅フランジ5の形成予定領域
13 中間領域6の形成予定領域
2 縦バー
2a 天板部
2b 前側のフランジ
2c 後側のフランジ
3 横バー
4 前側の入隅フランジ
5 後側の入隅フランジ
6 後側のフランジ2cの上下方向の中間領域
10 ブランク材
11 前側の入隅フランジ4の形成予定領域
12 後側の入隅フランジ5の形成予定領域
13 中間領域6の形成予定領域
Claims (1)
- 外形が平面視でT字形状に形成されかつ縦バーとそれに直交する横バーとの前後の交差部位に部分円弧状の入隅フランジが設けられているとともに、前記縦バーの前部および後部に前記入隅フランジに連接されるフランジが設けられている車両用Bピラーを製造する方法であって、
一枚の高張力鋼板をT字形状に外形抜き加工することによりブランク材を得る工程と、
前記ブランク材において前記前後の入隅フランジの形成予定領域ならびに前記後側のフランジの形成予定領域における上下方向の中間領域に焼き戻し処理を施す工程と、
前記ブランク材を冷間プレス成形することにより前記車両用Bピラーを得る工程と、を実行することを特徴とする車両用Bピラーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021006603A JP2022110891A (ja) | 2021-01-19 | 2021-01-19 | 車両用bピラーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021006603A JP2022110891A (ja) | 2021-01-19 | 2021-01-19 | 車両用bピラーの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022110891A true JP2022110891A (ja) | 2022-07-29 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021006603A Pending JP2022110891A (ja) | 2021-01-19 | 2021-01-19 | 車両用bピラーの製造方法 |
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2021
- 2021-01-19 JP JP2021006603A patent/JP2022110891A/ja active Pending
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