JP2019177384A - 熱間プレス加工方法及び加工装置 - Google Patents
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Abstract
Description
上記第1ワーク及び上記第2ワークのうちの一方をプレス成形前に他方と重ねることなく加熱する加熱工程と、
上記第1ワーク及び上記第2ワーク各々をプレス成形用の上型と下型の間に搬入する搬入工程と、
上記上型を下降させることにより、上記第1ワークと上記第2ワークが各々の少なくとも一部において互いに重なったプレス成形品を得るプレス工程とを備え、
上記上型と下型の間に搬入される上記第1ワークは、上記第2ワークを該第1ワークに対してずれないように係合させるための係合部を有していて、
上記プレス工程において、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を塑性変形させて該係合部に係合させることを特徴とする。
上記第1ワークを、上記下型の上記凸状成形面に倣った形状に成形しておいて上記下型の上記凸状成形面に嵌め、
上記プレス工程において、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形する。
上記プレス工程において、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させる。
上記第1ワークは上記第2ワークを該第1ワークに対してずれないように係合させるための係合部を有し、且つ上記第1ワーク及び上記第2ワークのうちの一方が加熱されてプレス成形に供されるものであり、
上記第1ワークと上記第2ワークが各々の少なくとも一部において互いに重なったプレス成形品を得るためのプレス成形用の上型及び下型を備え、
上記上型及び上記下型のうちの上記第2ワークが接触する型に、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を該係合部に係合するように塑性変形させる係合用の成形部が設けられていることを特徴とする。
上記第1ワークは、上記下型の上記凸状成形面に倣った形状に成形されていて上記下型の上記凸状成形面に嵌められ、上記第2ワークが上記第1ワークの外面に倣った形状に成形される。
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させる。
上記係合用成形部は、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて該上記縁に係合させる。
図1乃至図4に本実施形態に係る熱間プレス加工装置1を示す。熱間プレス加工装置1は、プレス成形により、図4に示すように第1ワーク2と第2ワーク3が少なくとも一部において互いに重なった高張力鋼製プレス成形品4を得るものである。
本実施形態のプレス成形品4は、断面形状がハット状であり、具体的には、自動車の車体の骨格を構成するピラー部品である。第2ワーク3がフランジ3aを有する断面ハット状のピラー本体を形成し、第1ワーク2がピラー本体を内側から補強する断面ハット状の補強パッチ(言わば、内パッチ構造)になっている。
図1に示すように、熱間プレス加工装置1は、上記プレス成形品4を得るための金型、すなわち、プレス成形用の上型11及び下型12を備える。上型11は上型ホルダ13に固定されている。上型ホルダ13はプレス機械の昇降するスライダ(図示省略)に取り付けられている。下型12は下型ホルダ14に固定されている。
[加熱工程]
プレス成形前の平板状の第2ワーク2を所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
図1に示すように、予めハット状に成形した第1ワーク2を上型11と下型12の間に搬入して、下型12の凸状成形面15に嵌める。加熱された第2ワーク3を上型11と下型12の間に搬入して第1ワーク2の上に位置付ける。
図2及び図3に示すように、上型11を下降させて第2ワーク3を上型11の凹状成形面16及び下型12の凸状成形面15に倣った形状に成形する。この場合、下型11に嵌められた第1ワーク2の外面は、第2ワーク3をハット状に成形する成形面の一部を構成することになる。すなわち、第2ワーク3の上部の下面は第1ワーク2の外面に倣った形状に成形される。
上型11と下型12によって第1ワーク2と第2ワーク3をプレスした状態において、上型11及び下型12の冷媒通路17,18に冷媒を通す。これにより、第2ワーク3は、型冷却されて焼入れ状態になる。すなわち、第2ワーク3が硬化する。冷媒は、第1ワーク2と第2ワーク3がプレス状態になる直前から冷媒通路17,18に供給するようにしてもよい。
図4に示すように、上型11を上昇させてプレス成形品4を脱型する。プレス成形品4においては、第2ワーク3側の冷却による熱収縮によって、第1ワーク2の下縁5に対する第2ワーク3の塑性変形部7の係合が強くなる。
脱型したプレス成形品4を次の加工ステーション等に送るべく、下型12から取り上げてベルトコンベヤ等の搬送装置に移載する。
プレス成形品4には、第1ワーク2と第2ワーク3の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク2と第2ワーク3の重なり部分にスポット溶接を行なう。
(プレス成形品)
図5に本実施形態に係るプレス成形品21を示す。このプレス成形品21も、断面形状はハット状であり、自動車の車体の骨格を構成するピラー部品である。このプレス成形品21では、実施形態1のブレス成形品4とは違って、第1ワーク22がフランジ22aを有する断面ハット状のピラー本体を形成し、第2ワーク23がピラー本体を外側から補強する断面ハット状の補強パッチ(言わば、外パッチ構造)になっている。
図6に示すように、熱間プレス加工装置は、上記プレス成形品21を得るための金型であるプレス成形用の上型26及び下型27を備える。
[加熱工程]
プレス成形前の平板状の第2ワーク23を所定温度(オーステナイト温度域)に加熱する。
図6に示すように、予めハット状に成形した第1ワーク22を上型26と下型27の間に搬入して、下型27の凸状成形面28に嵌める。そして、加熱された第2ワーク23を上型26と下型27の間に搬入して第1ワーク22の上に位置付ける。
図7に示すように、上型26を下降させて第2ワーク23を上型26の凹状成形面29及び下型27に嵌められた第1ワーク22の外面に倣った形状に成形する。このとき、上型26の係合用の成形部33が、第2ワーク23の下端を内側に塑性変形させて第1ワーク22の係合孔24の縁に係合する塑性変形部25を形成する。
上型26と下型27によって第1ワーク22と第2ワーク23をプレスした状態において、上型26及び下型27の冷媒通路31,32に冷媒を通す。これにより、第2ワーク23は、型冷却されて焼入れ状態になる。すなわち、第2ワーク23が硬化する。冷媒は、第1ワーク22と第2ワーク23がプレス状態になる直前から冷媒通路31,32に供給するようにしてもよい。
上型26を上昇させてプレス成形品21を脱型する。プレス成形品21においては、第2ワーク23側の冷却による熱収縮によって、第1ワーク22の係合孔24の縁に対する第2ワーク23の塑性変形部25の係合が強くなる。
脱型したプレス成形品21を次の加工ステーション等に送るべく、下型27から取り上げてベルトコンベヤ等の搬送装置に移載する。
プレス成形品21には、第1ワーク22と第2ワーク23の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク22と第2ワーク23の重なり部分にスポット溶接を行なう。
実施形態1及び実施形態2では、第1ワーク又は第2ワークの端部を両ワークの係合に利用しているが、図8乃至図11に示すように、両ワークを互いに重なった部分において互いにずれないように係合させてもよい。
図8にプレス成形品41の概略構成を示すように、このプレス成形品41は断面ハット状のピラー本体を形成する第1ワーク42と、補強パッチ(外パッチ構造)としての第2ワーク43とを頂部において係合させてなる。すなわち、第1ワーク42の頂部には外側(上方)に略垂直に突出した係合部としての係合凸部44が形成されている。そして、第2ワーク43の頂部に、第1ワーク42の係合凸部44に嵌合して係合している塑性変形部45が形成されている。係合凸部44及び塑性変形部45は、プレス成形品41の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。
図10及び図11にプレス成形品41を得るための熱間プレス加工装置の金型を示す。下型55は、第1ワーク42を成形するための下型46と同じ構成であり、凸状成形面56の頂部に上方に突出した凸部57を有する。上型58は、下型55の凸状成形面57に対応する凹状成形面59の奥部に、塑性変形部45を形成するための凹状の係合用の成形部61を有する。凸部59は下型55の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられ、これに対応して、嵌合用の成形部61も上型58の長手方向に間隔をおいて複数箇所に設けられている。上型58及び下型55には冷媒通路62,63が設けられている。
[加熱工程]
プレス成形前の平板状の第2ワーク43を所定温度に加熱する。
予め成形した断面ハット状の第1ワーク42を上型58と下型55の間に搬入して下型55の凸状成形面56に嵌める。加熱した平板状の第2ワーク43を上型58と下型55の間に搬入して第1ワーク42の上に位置付ける。
上型58を下降させて第2ワーク43を上型58の凹状成形面59及び下型55に嵌められた第1ワーク42の外面に倣った形状に成形する。このとき、上型58の係合用の成形部61が、第2ワーク43の頂部を塑性変形させて第1ワーク42の係合凸部44に係合する上方へ凸になった塑性変形部45を形成する。
上型58と下型55によって第1ワーク42と第2ワーク43をプレスした状態において、上型58及び下型55の冷媒通路62,63に冷媒を通す。これにより、第2ワーク43は、型冷却されて焼入れ状態になる(硬化する)。冷媒は、第1ワーク42と第2ワーク43がプレス状態になる直前から冷媒通路62,63に供給するようにしてもよい。
上型58を上昇させてプレス成形品41を脱型する。プレス成形品41においては、第2ワーク43側の冷却による熱収縮によって、第2ワーク43の塑性変形部45が第1ワーク42の係合凸部44に焼嵌めされた状態になる。これにより、第1ワーク42の係合凸部44に対する第2ワーク43の塑性変形部45の係合が強くなる。
脱型したプレス成形品41を次の加工ステーション等に送るべく、下型55から取り上げてベルトコンベヤ等の搬送装置に移載する。
プレス成形品41には、第1ワーク42と第2ワーク43の結合を強化すべく、必要に応じて、第1ワーク42と第2ワーク43の重なり部分にスポット溶接を行なう。
プレス成形品41は、第1ワーク42がピラー本体であり、第2ワーク43が補強パッチとして第1ワーク42の外側に設けられた外パッチ構造になっているが、本実施形態は内パッチ構造にも適用することができる。すなわち、実施形態1と同様に、第2ワークをピラー本体とし、第1ワークを補強パッチとしてピラー本体の内側に設ける構造である。
図12及び図13に示すように、本実施形態は、実施形態3と同じく、第1ワーク71と第2ワーク72を互いに重なった部分において係合させるようにしたものである。
図14及び図15に示すように、本実施形態も、実施形態3,4と同じく、第1ワーク81と第2ワーク82を互いに重なった部分において係合させるようにしたものである。
上記各実施形態ではプレス状態でのワークの焼入れ硬化に型冷却を採用したが、金型から液状冷媒をプレス成形品に向けて噴出させてプレス成形品を冷媒で直接冷却するようにしてもよい。
2,22,42,71,81 第1ワーク
3,23,43,72,82 第2ワーク
4,21,41 プレス成形品
5 第1ワークの下縁(係合部)
6 第2ワーク張出し部
7,25,45,80,90 塑性変形部
11,26,58,74,84 上型
12,27,55,75,85 下型
15,28,56,76,86 凸状成形面
16,29,59,78,88 凹状成形面
19,33,61,79,89 係合用の成形部
24,83 係合孔(係合部)
44 係合凸部(係合部)
73 係合凹部(係合部)
Claims (15)
- 第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する熱間プレス加工方法であって、
上記第1ワーク及び上記第2ワークのうちの一方をプレス成形前に他方と重ねることなく加熱する加熱工程と、
上記第1ワーク及び上記第2ワーク各々をプレス成形用の上型と下型の間に搬入する搬入工程と、
上記上型を下降させることにより、上記第1ワークと上記第2ワークが各々の少なくとも一部において互いに重なったプレス成形品を得るプレス工程とを備え、
上記上型と下型の間に搬入される上記第1ワークは、上記第2ワークを該第1ワークに対してずれないように係合させるための係合部を有していて、
上記プレス工程において、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を塑性変形させて該係合部に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項1において、
上記加熱工程において、上記第1ワーク及び上記第2ワークのうちの、上記係合部に係合するように塑性変形される上記第2ワークを加熱することを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項2において、
上記下型は上方に突出した凸状成形面を備え、
上記第1ワークを、上記下型の上記凸状成形面に倣った形状に成形しておいて上記下型の上記凸状成形面に嵌め、
上記プレス工程において、上記第2ワークを上記第1ワークの外面に倣った形状に成形することを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項3において、
上記プレス工程において、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成し、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項2において、
上記第1ワークは上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を有し、
上記プレス工程において、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて上記縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項1乃至請求項5のいずれか一において、
上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得ることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項6において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車の車体構成部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項6において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車の車体の骨格構成部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 請求項6において、
上記断面ハット状のプレス成形品が自動車のピラー部品であることを特徴とする熱間プレス加工方法。 - 第1ワークと第2ワークを各々の少なくとも一部が互いに重なったプレス成形品に加工する熱間プレス加工装置であって、
上記第1ワークは上記第2ワークを該第1ワークに対してずれないように係合させるための係合部を有し、且つ上記第1ワーク及び上記第2ワークのうちの一方が加熱されてプレス成形に供されるものであり、
上記第1ワークと上記第2ワークが各々の少なくとも一部において互いに重なったプレス成形品を得るためのプレス成形用の上型及び下型を備え、
上記上型及び上記下型のうちの上記第2ワークが接触する型に、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記係合部に対応する部位を該係合部に係合するように塑性変形させる係合用の成形部が設けられていることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項10において、
上記第1ワーク及び上記第2ワークのうちの、上記係合部に係合するように塑性変形される上記第2ワークが加熱されることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項11において、
上記下型は上方に突出した凸状成形面を備え、
上記第1ワークは、上記下型の上記凸状成形面に倣った形状に成形されていて上記下型の上記凸状成形面に嵌められ、上記第2ワークが上記第1ワークの外面に倣った形状に成形されることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項12において、
上記上型及び下型は、上記第2ワークに上記第1ワークの下縁から下方へ張り出した張出し部を形成するものであり、
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの下縁を上記係合部として、上記第2ワークの張出し部を塑性変形させて上記第1ワークの当該下縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項11において、
上記第1ワークは上記第2ワークに向かって開口した凹部又は孔を有し、
上記係合用の成形部は、上記第1ワークの上記凹部又は孔の縁を上記係合部として、上記第2ワークにおける上記第1ワークの上記凹部又は孔に対応する部位を塑性変形させて該上記縁に係合させることを特徴とする熱間プレス加工装置。 - 請求項10乃至請求項14のいずれか一において、
上記第1ワークと上記第2ワークとによって断面ハット状のプレス成形品を得ることを特徴とする熱間プレス加工装置。
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