以下、本開示の実施形態に係るヒータについて、図面を参照しつつ説明する。但し、以下で参照する各図は、説明の便宜上の模式的なものである。従って、細部は省略されていることがあり、また、寸法比率は必ずしも現実のものとは一致していない。また、ヒータは、各図に示されていない周知の構成要素をさらに備えていても構わない。
(ヒータシステム)
図1は、実施形態に係るヒータ1の構成を示す模式的な分解斜視図である。図2は、図1のヒータ1を含むヒータシステム101の構成を示す模式図である。図2において、ヒータ1については、図1のII−II線断面図が示されている。図1は、ヒータ1の構造を示すために便宜的にヒータ1を分解して示しており、実際の完成後のヒータ1は、図1の分解斜視図のように分解可能である必要はない。
なお、ヒータ1は、必ずしも図1及び図2の紙面上方を実際の上方として利用される必要はない。以下では、便宜上、図1及び図2の紙面上方が実際の上方であるものとして、上面及び下面等の用語を用いることがある。また、特に断りがない限り、単に平面視という場合、図1及び図2の紙面上方から見ることを指すものとする。
ヒータシステム101は、ヒータ1と、ヒータ1に電力を供給する電力供給部3(図2)と、ヒータ1に冷媒を供給する冷媒供給部5(図2)と、これらを制御する制御部6(図2)と、を有している。ヒータ1と電力供給部3とは配線部材7(図2)によって接続されている。
(ヒータ)
ヒータ1は、例えば、概略板状(図示の例では円盤状)のヒータプレート9と、ヒータプレート9から下方へ延びているパイプ11とを有している。パイプ11は、第1パイプ13及び第2パイプ15が直列に接続されて構成されている。
ヒータプレート9は、その上面9aに加熱対象物の一例としてのウェハ(不図示)が載置され(重ねられ)、ウェハの加熱に直接に寄与する。パイプ11は、例えば、ヒータプレート9の支持及び配線部材7の保護に寄与する。
(ヒータプレート)
ヒータプレート9の上面9a及び下面9bは、例えば、概ね平面である。ヒータプレート9の平面形状及び各種の寸法は、加熱対象物の形状及び寸法等を考慮して適宜に設定されてよい。例えば、平面形状は、円形(図示の例)又は多角形(例えば矩形)である。寸法の一例を示すと、直径は20cm以上35cm以下、厚さは5mm以上30mm以下である。
ヒータプレート9は、例えば、絶縁性の基体17と、基体17に埋設されている抵抗発熱体19と、抵抗発熱体19に電力を供給するための端子21とを備えている。抵抗発熱体19に電流が流れることによって、ジュールの法則に従って熱が発生し、ひいては、基体17の上面9aに載置されているウェハが加熱される。
基体17の外形は、ヒータプレート9の外形を構成している。従って、上述のヒータプレート9の形状及び寸法に係る説明は、そのまま基体17の外形及び寸法の説明と捉えられてよい。基体17の材料は、例えば、セラミックスである。セラミックスは、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、酸化アルミニウム(Al2O3、アルミナ)、炭化珪素(SiC)、及び窒化珪素(Si3N4)等を主成分とする焼結体である。なお、主成分は、例えば、その材料の50質量%以上又は80質量%以上を占める材料である(以下、同様。)。
図1では、基体17は、第1絶縁層17a及び第2絶縁層17bによって構成されている。なお、基体17は、第1絶縁層17a及び第2絶縁層17bとなる材料(例えばセラミックグリーンシート)が積層されて作製されてもよいし、そのような方法とは異なる方法によって作製され、完成後に抵抗発熱体2等の存在によって概念的に第1絶縁層17a及び第2絶縁層17bによって構成されていると捉えることができるだけであってもよい。
抵抗発熱体19は、基体17の上面9a及び下面9bに沿って(例えば平行に)延びている。また、抵抗発熱体19は、平面視において、例えば、基体17の概ね全面に亘って延びている。図1では、抵抗発熱体19は、第1絶縁層17a及び第2絶縁層17bとの間に位置している。
平面視における抵抗発熱体19の具体的なパターン(経路)は適宜なものとされてよい。例えば、抵抗発熱体19は、ヒータプレート9において1本のみ設けられており、その一端から他端まで自己に対して交差することなく延びている。また、図示の例では、抵抗発熱体19は、ヒータプレート9を2分割した各領域において、円周方向に往復するように(ミアンダ状に)延びている。この他、例えば、抵抗発熱体19は、渦巻状に延びていたり、一の半径方向において直線状に往復するように延びていたりしてよい。
抵抗発熱体19を局部的に見たときの形状も適宜なものとされてよい。例えば、抵抗発熱体19は、上面9a及び下面9bに平行な層状導体であってもよいし、上記の経路を軸として巻かれたコイル状(スプリング状)であってもよいし、メッシュ状に形成されているものであってもよい。各種の形状における寸法も適宜に設定されてよい。
抵抗発熱体19の材料は、電流が流れることによって熱を生じる導体(例えば金属)である。導体は、適宜に選択されてよく、例えば、タングステン(W)、モリブデン(Mo)、プラチナ(Pt)若しくはインジウム(In)又はこれらを主成分とする合金である。また、抵抗発熱体19の材料は、前記のような金属を含む導電ペーストを焼成して得られるものであってもよい。すなわち、抵抗発熱体19の材料は、ガラス粉末及び/又はセラミック粉末等の添加剤(別の観点では無機絶縁物)を含むものであってもよい。
端子21は、例えば、抵抗発熱体19の長さ方向両端に接続されているとともに、当該両端の位置にて、基体17のうちの下面9b側の部分を貫通して下面9bから露出している。これにより、ヒータプレート9の外部から抵抗発熱体19へ電力を供給可能になっている。1対の端子21(抵抗発熱体19の両端)は、例えば、ヒータプレート9の中央側に位置している。
(パイプ)
パイプ11は、上下(軸方向両側)が開口している中空状である。別の観点では、パイプ11は、上下に貫通する空間11sを有している。パイプ11の横断面(軸方向に直交する断面)及び縦断面(軸方向に平行な断面。図2に示す断面)の形状は適宜に設定されてよい。図示の例では、パイプ11は、軸方向の位置に対して径が一定の円筒形状である。もちろん、パイプ11は、高さ方向の位置によって径が異なっていてもよい。また、パイプ11の寸法の具体的な値は適宜に設定されてよい。
第1パイプ13は、パイプ11の上部(ヒータプレート9側部分)を構成している。第2パイプ15は、パイプ11の下部を構成している。第1パイプ13及び第2パイプ15それぞれの形状及び大きさは適宜に設定されてよい。図示の例では、これらのパイプの横断面(軸に直交する断面)の形状は、円形とされているが、多角形等の他の形状であってもよい。また、第1パイプ13及び第2パイプ15の横断面又は縦断面の形状及び寸法は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。ただし、両者は互いに連結されるものであるから、第1パイプ13の下端及び第2パイプ15の上端において、両者の横断面は、概略、同様の形状及び大きさとされてよい。
また、第2パイプ15は、第1パイプ13に比較して長くされてもよい。例えば、第2パイプ15の長さは、第1パイプ13の長さに対して、1倍超、3倍以上又は5倍以上とされてよい。なお、ここでいう第1パイプ13又は第2パイプ15の長さは、両者の連結部において、両者が長さ方向に関して重複する部分がある場合は、当該重複する部分を除くものとする。
(パイプの材料)
<第1条件>
第1パイプ13を構成する材料(以下、「第1材料」ということがある。)、及び第2パイプ15を構成する材料(以下、「第2材料」ということがある。)は、いずれも絶縁材料であり、また、互いに異なる材料とされている。また、第1材料と基体17の材料との線膨張係数の差(0であってもよい。)は、第2材料と基体17の材料との線膨張係数の差よりも小さい。また、第2材料は、第1材料よりも線膨張係数が高い。
上記の条件(「第1条件」というものとする。)を満たす基体17の材料、第1材料及び第2材料の組み合わせは、種々可能である。例えば、基体17の材料及び第1材料は同じものとし(又は主成分を同じものとし)、第2材料を前者よりも線膨張係数が高いものとしてよい。
基体17の材料及び第1材料を同じものとする場合について、セラミックを例にとり、かつ主成分のみに着目して、第1条件を満たす具体例を挙げる。焼結の態様等にもよるが、線膨張係数が低い順に代表的なセラミックを挙げると、窒化珪素(Si3N4)、炭化珪素(SiC)、窒化アルミニウム(AlN)及び酸化アルミニウム(Al2O3)を挙げることができる。従って、例えば、基体17及び第1材料が窒化珪素である場合は、上記において炭化珪素以降の3つの材料のいずれかが第2材料として用いられてよい。同様に、基体17及び第1材料が炭化珪素であれば、第2材料として窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムが用いられてよいし、基体17及び第1材料が窒化アルミニウムであれば、第2材料として酸化アルミニウムが用いられてよい。
もちろん、基体17の材料及び第1材料を互いに異なる材料にしつつ、上記第1条件が満たされてもよい。この場合、基体17の材料及び第1材料は、いずれが他方よりも線膨張係数が大きくされてもよい。また、基体17の材料及び第1材料は、主成分が同一とされつつ、副成分及び/又は焼結態様が異なる材料とされてもよい。
基体17の材料及び第1材料を異なるものとする場合について、セラミックを例にとり、かつ主成分のみに着目して、第1条件を満たす具体例を挙げる。例えば、基体17は、窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミニウムのうちの1つとされ、第1材料は前記3つのうちの他の1つとされ、第2材料は、酸化アルミニウムとされてよい。また、例えば、基体17は、窒化珪素及び炭化珪素の一方とされ、第1材料は前記2つのうちの他方とされ、第2材料は、窒化アルミニウム又は酸化アルミニウムとされてよい。
<第2条件>
また、上記の第1条件に加えて、第2材料の熱伝導率が第1材料の熱伝導率よりも低いという条件(「第2条件」というものとする。)が満たされてもよい。なお、このとき、基体17の材料及び第1材料は、同じものであってもよいし(又は主成分が同じものであってもよいし)、異なるものであってもよい。
第1条件に加えて、第2条件が満たされる場合について、セラミックを例にとり、かつ主成分のみに着目して、具体例を挙げる。焼結の態様等にもよるが、例えば、上述した代表的なセラミックでは、窒化珪素(Si3N4)及び酸化アルミニウム(Al2O3)は、炭化珪素(SiC)及び窒化アルミニウム(AlN)に比較して熱伝導率が低い。従って、例えば、基体17の材料が窒化珪素、炭化珪素及び窒化アルミニウムのいずれか1つとされ、第1材料が炭化珪素又は窒化アルミニウム(基体17の材料と同じであっても、異なっていてもよい。)とされ、第2材料が酸化アルミニウムとされてよい。
<第3条件>
第1材料の熱伝導率は、基体17の材料の熱伝導率に対して同等以下とされてよい(「第3条件」というものとする。)。
第1条件及び第2条件に加えて、第3条件が満たされる場合について、セラミックを例にとり、かつ主成分のみに着目して、具体例を挙げる。例えば、基体17の材料が炭化珪素又は窒化アルミニウムとされ、第1材料が炭化珪素又は窒化アルミニウム(基体17の材料と同じであっても、異なっていてもよい。)とされ、第2材料が酸化アルミニウムとされてよい。
第1材料の熱伝導率が基体17の材料の熱伝導率よりも低くされる場合、基体17の材料及び第1材料は、主成分(例えば炭化珪素又は窒化アルミニウム)が同じで、かつ副成分及び/又は焼結態様が異なるものとされてもよい。
例えば、基体17は、液相焼結によって形成される一方で、第1パイプ13は、固相焼結によって形成されてよい。別の観点では、第1材料は、基体17の材料に比較して、主成分よりも融点が低い副成分(助剤)の質量%が低くされてよい(第1材料が副成分を含まない場合を含む。)。液相焼結によって形成されたセラミック材料は、固相焼結によって形成されたセラミック材料に比較して、緻密化されるとともに熱伝導率が高くされる。
上記のような場合において、副成分は、適宜なものとされてよい。例えば、副成分は、アルカリ土類金属又は希土類から選択される1種類以上の元素を含むものとされてよい。添加される際には、上記元素の酸化物が添加されてよい。例えば、Y2O3又はCaOが添加されてよい。上記元素の、質量%又は酸化物換算の質量%は、適宜に設定されてよいが、例えば10質量%以下である。
なお、以上のパイプ11(及び基体17)の材料の説明では、限られた種類のセラミックを例にとったが、当然に、例示したものに限定されない。例えば、基体17及びパイプ11の材料としては、耐熱性に優れた有機材料が用いられたり、焼結されていない無機材料が用いられたりしてもよい。また、セラミックとして、例示したもの以外に、サイアロン(SiAlON:ケイ素、アルミニウム、酸素及び窒素)、コージライト、ムライト、イットリア、サーメット、サファイア、ステアタイト、フォルステライト又はジルコニアが用いられてもよい。第1〜第3条件を満たす材料の組み合わせは、副成分の種類及び質量%等も含めて考えれば、無数に存在する。
(第2パイプの流路)
図3は、図2のIII−III線における断面図である。
図2及び図3に示すように、第2パイプ15には、流路15pが設けられている。この流路15pには、例えば、冷媒が流される。ここで、第2パイプ15は、上述のように、第1パイプ13よりも線膨張係数が高い(第1条件)。従って、例えば、第2パイプ15が冷却されることによって、両者の間の熱応力が緩和される。
流路15pの位置、形状及び寸法は適宜に設定されてよい。図示の例では、流路15pは、第2パイプ15の軸方向(高さ方向)の所定の位置(一の位置)にて、第2パイプ15の軸回りに延びる主流路15paを含んでいる。主流路15paは、第2パイプ15を略1周するC字状である。なお、略1周は、例えば、360°×8割以上である。なお、主流路15paは、C字状ではなく、環状であってもよい(360°に亘って延びていてもよい。)。
第2パイプ15の軸方向において、主流路15paの位置は、例えば、第1パイプ13寄りとされている。例えば、主流路15paの全体又は主流路15paの上面(第1パイプ13側の面)は、第2パイプ15の上端からの距離が、第2パイプ15の長さの1/2、1/5又は1/10となる位置よりも上に位置している。なお、ここでいう第2パイプ15の上端及び長さは、第1パイプ13と第2パイプ15との連結部において両者が長さ方向に関して重複する部分がある場合は、当該重複する部分を除くものとする。
主流路15paの横断面(図2に示す断面)の形状及び寸法は適宜に設定されてよい。図示の例では、主流路15paの横断面の形状は、矩形とされている。また、図示の例では、主流路15paは、高さ(第2パイプ15の軸方向の大きさ。高さが幅方向において一定でない場合は例えば最大高さ)が幅(第2パイプ15の内面から外面への方向(径方向)の大きさ。幅が高さ方向において一定でない場合は例えば最大幅)よりも大きい。なお、図示の例とは異なり、主流路15paの横断面は、円形であったり、矩形以外の多角形であったり、幅が高さよりも大きくされていたりしてもよい。
流路15p(主流路15pa)を流れる流体の供給及び排出は適宜になされてよい。図示の例では、流路15pは、第2パイプ15内を主流路15paから下方へ延び、第2パイプ15の下端に開口する2本の副流路15pbを含んでいる。2本の副流路15pbは、主流路15paの両端に開口している。従って、一方の副流路15pbに流体を供給することによって、主流路15paに流体を流し、当該流体を他方の副流路15pbから排出することができる。
なお、図示の例とは異なり、副流路15pbを設けずに、主流路15paとその外部とを通じさせる開口を第2パイプ15の内面又は外面に形成して、流体の供給及び排出を行ってもよい。また、主流路15paがC字状ではなく、環状の場合においては、例えば、第2パイプ15の軸を挟んで互いに反対側に2本の副流路15pb(又は2つの開口)を通じさせて、流体の供給及び排出を行ってもよい。
以上の流路15pの位置、形状及び寸法は一例であり、上記以外に種々の態様が可能である。例えば、流路15pは、高さ方向の複数の位置に、第2パイプ15の軸回りに延びる主流路15paを有し、この複数の主流路15paが副流路15pbによって互いに接続されていてもよい。また、例えば、流路15pは、螺旋状に延びていてもよい。なお、螺旋状の流路も、C字状又は環状の流路と同様に、第2パイプ15の軸回りに延びている流路の一例である。また、第2パイプ15の軸方向に延びる流路が、第2パイプ15の軸回りに複数(例えば多数)設けられたり、第2パイプ15内に網目状に張り巡らされた流路が設けられたりしてもよい。
(配線部材)
図2に示す配線部材7は、パイプ11の空間11s内に挿通されている。平面透視において、ヒータプレート9のうちパイプ11の空間11s内に露出する領域では、複数の端子21が基体17から露出している。そして、配線部材7は、その一端が複数の端子21に接続されており、これにより、抵抗発熱体19と電力供給部3とを接続している。
複数の配線部材7は、可撓性の電線であってもよいし、可撓性を有さないロッド状のものであってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。また、複数の可撓性の電線は、纏められて1本のケーブルのようになっていてもよいし、纏められていなくてもよい。また、配線部材7と端子21との接続も適宜なものとされてよい。例えば、両者は、導電性の接合材によって接合されてよい。また、例えば、両者は、一方に雄ねじ部が形成され、他方に雌ねじ部が形成されることにより、螺合されていてもよい。
(電力供給部、冷媒供給部及び制御部)
電力供給部3は、例えば、特に図示しないが、電源回路及びコンピュータ等を含んで構成されており、商用電源からの電力を適宜な電圧の交流電力及び/又は直流電力に変換してヒータ1(複数の端子21)に供給する。電力供給部3(の制御部)は、ヒータ1に設けられた不図示の温度センサが検出する温度に基づいてヒータ1の温度のフィードバック制御をしてもよい。
なお、温度センサは、例えば、熱電対又はサーミスタである。抵抗発熱体19がサーミスタとして用いられてもよい。温度センサの位置は適宜な位置とされてよい。例えば、熱電対は、パイプ11の空間11s内に配置され、その少なくとも先端がヒータプレート9に埋設されていてもよい。
冷媒供給部5は、例えば、冷媒(流体)を流路15pに供給する。冷媒の状態は適宜なものとされてよい。例えば、冷媒は、液体であってもよいし、気体であってもよいし、流路15p内で気化したり、流路15p内で液体と気体との比率が変化したりしてもよい。別の観点では、冷媒は、顕熱、潜熱及びこれらの組み合わせのいずれが利用されてもよい。また、冷媒の成分も適宜なものとされてよい。例えば、冷媒は、水又は空気であってもよいし、窒素、フロン、アルゴン若しくはクリプトン又はこれらの組み合わせであってもよい。
冷媒供給部5の構成は、適宜なものとされてよい。例えば、多くの工場は、冷却水を供給する設備を有している。この設備が冷媒供給部5とされてもよいし、当該設備からの冷却水の流量を制御する装置によって冷媒供給部5が構成されてもよい。また、冷媒供給部5は、冷媒の経路上に順に圧縮機、凝縮器及び膨張弁を有し、流路15pを含んで循環路を構成しているものであってもよい。また、冷媒供給部5は、圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を有し、流路15pを流れる冷媒を蒸発器によって冷却するものであってもよい。冷媒の流量は、例えば、ポンプ及び/又はバルブによって適宜に制御されてよい。
制御部6は、冷媒供給部5を制御する。具体的には、例えば、制御部6は、冷媒供給部5から流路15pへ供給される冷媒の流量を制御する。この流量の制御は、冷媒の供給及びその停止を含むものとする。また、制御部6は、冷媒の流量の制御に加えて、又は代えて、冷媒の温度を制御してもよい。
また、制御部6は、例えば、第1パイプ13及び第2パイプ15(特にその連結部)の熱膨張差を小さくするように、冷媒供給部5を制御してよい。この制御は、例えば、単に、第2パイプ15の温度が予め定められた目標温度になるように冷媒供給部5を制御するオープン制御又はフィードバック制御であってもよいし、第1パイプ13及び第2パイプ15の線膨張係数と、第1パイプ13の検出温度とから、熱膨張差が小さくなる第2パイプ15の目標温度を特定し、その目標温度に第2パイプ15の温度が至るように冷媒供給部5を制御するオープン制御又はフィードバック制御であってもよい。
なお、第1パイプ13と第2パイプ15との間に生じる熱応力は、両者の連結部で最も大きいと考えられ、また、連結部において両者の温度は近い。従って、上記の制御において、第1パイプ13の温度と第2パイプ15の温度とは同一視されてもよい。また、上記の説明から理解されるように、第1パイプ13及び第2パイプ15の一方又は双方には、又は両者の連結部には、温度センサ(不図示)が設けられてもよいし、設けられなくてもよい。また、制御部6は、電力供給部3の制御装置と統合されていてもよい。
(ヒータの製造方法)
ヒータ1の製造方法においては、例えば、ヒータプレート9、第1パイプ13及び第2パイプ15が互いに別個に作製される。その後、これらの部材が互いに固定される。これにより、ヒータ1が作製される。なお、ヒータプレート9及び第1パイプ13は共に作製されてもよい。第1パイプ13及び第2パイプ15も、焼成が共に行われるなど、一部の工程が共に行われてもよい。
ヒータプレート9の作製方法は、例えば、公知の種々の方法と同様とされてよい。例えば、ヒータプレート9の作製方法においては、まず、ドクターブレード法等により、基体17を構成する複数のセラミックグリーンシートを用意する。次に、必要に応じて、抵抗発熱体19及び端子21等が配置される溝又は孔を形成する加工(例えば切削加工又はプレス加工)を行う。次に、いずれかのセラミックグリーンシートに抵抗発熱体19となる材料(例えば導電ペースト)を配置する。そして、複数のセラミックグリーンシートを積層して焼成する。この他、例えば、ヒータプレート9は、ホットプレス法によって形成されてもよい。
第1パイプ13の作製方法も、例えば、具体的な寸法等を除いて、公知の種々の方法と同様とされてよい。例えば、セラミックの第1パイプ13は、押出成形法、射出成形法又はホットプレス法によって作製されてよい。また、ドクターブレード法等によって形成したセラミックグリーンシートを軸状部材に巻き付けて焼成してもよい。
第2パイプ15の作製方法も、ヒータプレート9及び第1パイプ13の作製方法に倣って作製されてよい。例えば、第2パイプ15がセラミックの場合は、上記の第1パイプ13と同様に、材料をパイプ状に成形する。その後、パイプの上端面に主流路15paとなる凹溝を形成し、この凹溝を塞ぐセラミックグリーンシートを被せて焼成したり、又は凹溝を塞ぐ部材を接着剤又は固相接合により接合したりする。
ドクターブレード法等によって形成したセラミックグリーンシートを軸状部材に巻き付けて焼成する場合においては、第2パイプ15の内面側部分を構成するセラミックグリーンシート及び第2パイプ15の外面側部分を構成するセラミックグリーンシートの一方又は双方に流路15pとなる凹溝を形成してもよい。あるいは、第2パイプ15となるセラミックグリーンシートの、流路15pとなる部分に、焼成によって消失する材料を埋設しておくことによって、流路15pを形成してもよい。
また、副流路15pbは、空間11sと共に型によって形成されてもよいし、パイプ11の成形後にドリル等を用いた切削加工によって形成されてもよい。
(部材同士の固定)
図4(a)〜図4(e)は、第1パイプ13と第2パイプ15との接続に関して種々の例を示す模式的な断面図である。なお、図4(a)〜図4(c)においては、例えば、紙面左側がヒータ1の中心側である。図4(d)及び図4(e)は、基体17と第1パイプ13との接続に関しての例を示す断面図として捉えられてもよく、この場合の符号も括弧内に付している。
図4(a)の例では、第2パイプ15の上端面に凹溝15rが形成されている。凹溝15rは、例えば、第2パイプ15の軸回りに1周している。そして、第1パイプ13の下端がこの凹溝15rに嵌合されていることによって、第1パイプ13と第2パイプ15とは連結されている。なお、両者は、着脱可能に嵌合しているだけであってもよいし、後述する図4(d)及び図4(e)のように接着剤又は固相接合によって接合されていてもよい。また、図示の例では、凹溝15rの1対の内壁面が、第1パイプ13の内面と外面とに接しているが、一方のみが接して嵌合していてもよい。凹溝15rは、1周していなくてもよく、また、周方向において複数に分割されていてもよい。
第1パイプ13と凹溝15rとの嵌合には、第2パイプ15の収縮を利用してもよい。具体的には、例えば、第1パイプ13及び第2パイプ15(いずれも焼結後)のうち、第2パイプ15のみを適宜な温度まで加熱する。そして、凹溝15rに第1パイプ13の下端を挿入し、第2パイプ15の加熱を停止する(積極的に冷却してもよい。)。その結果、第2パイプ15は収縮し、第1パイプ13は、凹溝15rの1対の内壁面に締め付けられ、及び/又は1対の内壁面のうち外側の内壁面が第1パイプ13の外面を締め付ける(押圧する)。これにより、両者の間の摩擦力が増加し、第1パイプ13が凹溝15rから抜けにくくなる。
上記のように第2パイプ15の収縮を利用する場合、第2パイプ15を加熱するときの温度よりも低い温度範囲で、第1パイプ13及び第2パイプ15が同一の温度である状態においては、例えば、凹溝15rの幅は第1パイプ13の下端の厚さよりも小さくされ、及び/又は外側の内壁面は第1パイプ13の下端の外面よりも内側に位置している。上記の嵌合のために第2パイプ15を加熱したときの第2パイプ15の温度は、例えば、ヒータ1の使用温度(例えば350℃以下)よりも高くされる。一例として、第2パイプ15の温度は、400℃以上800℃以下である。凹溝15rへの挿入時の第1パイプ13の温度は、上記の加熱温度よりも低い温度であればよく、例えば、室温(5℃以上35℃以下)又はヒータ1の使用温度以下(例えば350℃以下)である。
なお、製造方法の観点から説明したが、完成後のヒータ1の観点からは、例えば、第1パイプ13及び第2パイプ15は、所定の温度範囲で同一の温度とされた場合に凹溝15rの壁面が第1パイプ13の外周面(又は、外周面及び内周面)に圧縮方向の応力を付与する寸法を有しているということができる。なお、上記の温度範囲は、例えば、25℃以上300℃以下である。
図4(b)の例では、第1パイプ13及び第2パイプ15は、着脱可能に連結されている。また、第1パイプ13と前記第2パイプ15とは、両者の連結部において、所定の遊びの範囲内で径方向において相対変位可能に連結されている。
具体的には、例えば、第1パイプ13の下端及び第2パイプ15の上端は、概略L字に構成されており、前者が後者に載置されているとともに、両者は径方向において互いに対向する第1対向部13f及び第2対向部15fを有している。この対向部には、ボルト23が挿通され、ナット25に螺合している。ボルト23のボルト頭23aとナット25との距離は、第1対向部13f及び第2対向部15fの合計の厚さよりも所定の差(遊び)で大きくされている。これにより、第1パイプ13と前記第2パイプ15とは、上記の遊びの範囲内で相対変位可能に連結されている。
なお、遊びの大きさは、第1パイプ13が第2パイプ15から脱落してしまわない範囲で適宜に設定されてよい。図示の例では、第2対向部15fが第1対向部13fの外側に位置しているが、両者の位置関係は逆であってもよい。ボルト23の挿通方向も図示とは逆であってもよい。また、ボルト23及びナット25は、例えば、適宜な数で、パイプ11の軸回りに配置されてよい。
図4(c)の例では、第1パイプ13及び第2パイプ15は接着剤27によって接合されている。具体的には、接着剤27は、第1パイプ13と第2パイプ15とのつなぎ目に対して、内面側及び外面側の少なくとも一方(図示の例では双方)から接着されている。接着剤27は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよいし、導電材料であってもよいし、絶縁材料であってもよい。例えば、接着剤27は、セラミックを溶射することによって形成されてよい。
図4(c)の例では、第1パイプ13の下端及び第2パイプ15の上端は、図4(b)の例と同様に、概略L字に構成されており、前者が後者に載置されているとともに、径方向において互いに対向する第1対向部13f及び第2対向部15fを有している。ただし、これらの互いに対向する面は、第1対向部13f及び第2対向部15fの先端ほど薄くなるようにパイプ11の軸方向に対して傾斜している。図4(b)及び図4(c)の例において、このような傾斜の有無及び角度は適宜に設定されてよい。図4(c)においても、第2対向部15fが第1対向部13fの外側に位置しているが、両者の位置関係は逆であってもよい。
図4(d)の例では、第1パイプ13及び第2パイプ15は接着剤29(接着層)によって接合されている。具体的には、接着剤29は、第1パイプ13と第2パイプ15との間に介在している。接着剤29は、有機材料であってもよいし、無機材料であってもよいし、導電材料であってもよいし、絶縁材料であってもよい。具体的には、接着剤29としては、例えば、ガラス系のものが用いられてよい。すなわち、第1パイプ13と第2パイプ15とはガラス接合されてよい。
図4(e)の例では、第1パイプ13及び第2パイプ15は、互いに対向する面が、その間に接着材を介在させずに直接に接合されている。この接合には、例えば、固相接合が利用されてよい。固相接合としては、例えば、拡散接合が利用されてよい。拡散接合では、第1パイプ13と第2パイプ15とが加熱加圧されることによって接合される。図4(e)では、多角形によってセラミックの粒子が模式的に示されている。なお、拡散接合は、第1パイプ13及び第2パイプ15を直接に当接させるものだけでなく、両者の間に接合を促進するための材料が配置されるものも含むものとする。当該材料は、接合に際して、固相状態のままであってもよいし、液相状態となってもよい。
なお、図4(d)及び図4(e)では、上下方向に互いに対向する面同士の接合を示しているが、当該面に加えて、又は代えて、図4(b)又は図4(c)のように第1対向部13f及び第2対向部15fの互いに対向する面同士が、接着剤29又は固相接合によって接合されてよい。
第1パイプ13と第2パイプ15との固定について述べたが、ヒータプレート9(基体17)と第1パイプ13との固定も、適宜な方法によって実現されてよい。例えば、両者は、図4(d)に示すように、両者の間に介在する接着剤29によって接合されてもよいし、図4(e)に示すように、固相接合(拡散接合)によって接合されてもよいし、ボルト及びナット等を用いた機械的結合によって固定されてもよい。
以上のとおり、本実施形態では、ヒータ1は、絶縁性の基体17と、抵抗発熱体19と、第1パイプ13と、第2パイプ15とを有している。基体17は、上面9a及びその背面の下面9bを有している。抵抗発熱体19は、基体17内で上面9a及び下面9bに沿って延びている。第1パイプ13は、下面9bから下方(下面9bが面している方向)へ延びている。第2パイプ15は、第1パイプ13の下端(下面9bとは反対側の端部)から下方(下面9bが面している方向)へ延びている。第1パイプ13は、絶縁性の第1材料からなる。第2パイプ15は、第1材料よりも線膨張係数が高く、かつ基体17の材料との線膨張係数の差が、第1材料と基体17との線膨張係数の差よりも大きい、絶縁性の第2材料からなる(すなわち、第1条件が満たされる。)。第2パイプ15には、流路15pが形成されている。
従って、例えば、第1パイプ13及び第2パイプ15のいずれも絶縁材料から構成されていることから、これらが抵抗発熱体19若しくは配線部材7、又はウェハに対する加工(例えばプラズマ処理)に干渉するおそれが低減される。また、例えば、第2材料によってパイプ11の全体が形成されたと仮定した場合に比較して、基体17とパイプ11(第1パイプ13)との間の熱応力を低減することができる。また、例えば、第1材料によってパイプ11の全体が形成されたと仮定した場合に比較して、設計の自由度が高くなる。例えば、第2材料として、伝熱性が低いもの、安価なもの等を選択することができる。その一方で、例えば、第1材料及び第2材料の2種類を用いることから、1種類の材料でパイプ11を形成したと仮定した場合に比較して、パイプ11内(第1パイプ13と第2パイプ15との間)の熱応力が大きくなるおそれがある。しかし、第1パイプ13よりも線膨張係数が大きい第2パイプ15に流路15pを形成し、冷媒を流すことによって、熱応力を緩和することができる。
また、本実施形態では、第2材料は、第1材料よりも熱伝導率が低くされてよい(第2条件が満たされてよい。)。
この場合、例えば、基体17からパイプ11へ逃げる熱を低減できる。その結果、例えば、ヒータプレート9のパイプ11との接続位置において温度が低下するおそれが低減され、ヒータプレート9の温度を均一化することが容易化される。ひいては、ウェハの加工精度が向上する。また、第2材料の熱伝導率が低いことから、第2パイプ15を冷却するための流路15pの冷媒によってヒータプレート9まで冷却されてしまうおそれが低減される。ただし、流路15pの冷媒は、ヒータプレート9の温度を積極的に下げることに利用されても構わない。
また、本実施形態では、第1材料の主成分は、基体17の材料の主成分と同一とされてよい。そして、第2材料の主成分は、基体17の材料の主成分及び第1材料の主成分と異なっていてよい。
この場合、例えば、基体17の線膨張係数と第1パイプ13の線膨張係数とを近づけやすい。その一方で、例えば、基体17及び第1パイプ13とは特性等が大きく異なる第2パイプ15を構成することができる。例えば、既述のように、第2パイプ15の熱伝導率を低くしたり、パイプ11全体として材料費を低減したりすることができる。
また、本実施形態では、第2材料は、主成分よりも融点が低い成分の質量%が基体17の材料よりも低くてもよい。なお、この場合には、既述のように、第1材料にそのような副成分が含まれていない場合も含む。別の観点では、基体17が液相焼結体とされる一方で、第1パイプ13が固相焼結体とされてよい。
この場合、基体17及び第1パイプ13の主成分が同じであることにより、両者の線膨張係数の差を小さくすることが容易である。その一方で、第1パイプ13の熱伝導率を下げて、基体17からパイプ11へ逃げる熱を低減できる。
また、本実施形態では、第1材料は、窒化アルミニウムを主成分として含んでよく、また、第2材料は、酸化アルミニウム(アルミナ)を主成分として含んでよい。
この場合、窒化アルミニウムは耐食性がよく、酸化アルミニウムは窒化アルミニウムよりも断熱性が高いことから、パイプ11全体として耐久性及び断熱性が向上する。なお、この場合において、基体17の主成分と第1材料の主成分とが同じ窒化アルミニウムの場合においては、ヒータ1全体としての耐久性等が向上する。
また、本実施形態では、基体17と第1パイプ13とは固相接合又は接着剤(27及び/又は29)により固定されてよく、また、第1パイプ13と第2パイプ15とは着脱可能に連結されてよい。
この場合、例えば、ヒータプレート9及び第1パイプ13は汎用のものにして、第2パイプ15をヒータ1が組み込まれるシステムに応じたものにできる。その逆に、第2パイプ15を汎用のものとして、ヒータプレート9及び第1パイプ13はシステムに応じたものにすることもできる。すなわち、ウェハ付近の設計と、ウェハから離れた部分の設計との独立性が向上する。その結果、設計が容易化される。別の観点では、ヒータプレート9及び第2パイプ15の組み合わせの変更により、ヒータの種々のバリエーションを低コストで実現可能である。設計段階ではなく、販売直前又は使用直前に、システムに応じた組み合わせを実現したり、適宜な時期にヒータ1の一部を交換したりすることも可能である。
また、本実施形態では、基体17と第1パイプ13とは固相接合又は接着剤により固定されてよく、第1パイプ13と第2パイプ15とは、両者の連結部において、所定の遊びの範囲内で径方向において相対変位可能であってもよい。
この場合、第1パイプ13と第2パイプ15との熱膨張差の大きさに対して、両者の間に生じる熱応力を小さくすることができる(熱応力を無くす場合を含む。)。その結果、第2パイプ15を構成する第2材料の選択の自由度が向上する。ひいては、パイプ11全体として、耐久性及び/又は断熱性等の特性を向上させることが容易化される。また、遊びによって第1パイプ13と第2パイプ15との間の断熱がなされ、ヒータプレート9の熱が第2パイプ15へ逃げるおそれを低減できる。
また、本実施形態では、第2パイプ15は、第1パイプ13側の端部に、第1パイプ13の第2パイプ15側の端部が嵌合する凹溝15rを有していてもよい。
この場合、例えば、第1パイプ13の第2パイプ15からの脱落のおそれを低減できる。また、第1パイプ13を凹溝15rに差し込むだけでよいので、第1パイプ13と第2パイプ15との連結作業も簡素化される。
また、本実施形態では、第1パイプ13及び第2パイプ15は、25℃以上300℃以下の範囲で同一の温度とされた場合に凹溝15rの壁面が第1パイプ13の外周面に圧縮方向の応力を付与する寸法を有していてもよい。
この場合、例えば、上記の温度範囲よりも高い温度まで第2パイプ15を加熱することによって第1パイプ13及び第2パイプ15の着脱を行うことができる。また、ボルトを用いた場合のように局所に力が加えられるのではないことから、第1パイプ13及び第2パイプ15に生じる応力を分散させやすい。
また、本実施形態では、流路15pは、第2パイプ15の軸回りに延びる部分(主流路15pa)を有し、当該部分は、第2パイプ15の内面から外面への方向における幅よりも、第2パイプ15の軸方向における深さの方が大きい。
この場合、流路15pの第1パイプ13に対して対向する面積を相対的に小さくしつつ、流路15pの流体が第2パイプ15に接触する面積を大きくできる。すなわち、第1パイプ13が冷却されるおそれを低減しつつ、第2パイプ15を効率的に冷却することができる。その結果、第1パイプ13と第2パイプ15との間に生じる熱応力を低減する効果が向上する。
本開示に係るヒータは、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
ヒータは、ヒータとしての機能以外の機能を有していてもよい。例えば、基体内には、抵抗発熱体以外に、ヒータプレートを静電チャックとして機能させるための電極、及び/又はプラズマを発生させるための電極等が設けられていてもよい。このような電極は、例えば、抵抗発熱体に対して第1主面(上面)側に位置してよい。
また、例えば、ヒータは、抵抗発熱体を1層のみ有するものに限定されず、2層以上の抵抗発熱体を有していてもよい。また、1層の抵抗発熱体は、複数に分割されて、又は1本の抵抗発熱体の複数個所に給電点が設けられて、個別に発熱量を制御可能とされていてよい。ヒータは、抵抗発熱体及び端子に加えて、端子と抵抗発熱体とを接続する配線パターンを抵抗発熱体の層とは別個の層に有していてもよい。上記の説明からも理解されるように、抵抗発熱体が埋設された基体は、2層の絶縁層によって構成されるものに限定されず、適宜な枚数の絶縁層によって構成されてよい。