JP2019173911A - 軸受装置の冷却構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却用の圧縮エアを有効利用することで、圧縮エアの使用量を抑えつつ、転がり軸受の冷却とエアパージの両方を効果的に行うことができ、特別な転がり軸受を用いずに構成することが可能な軸受装置の冷却構造を提供する。【解決手段】この冷却構造が適用される軸受装置は、転がり軸受3,4の外輪3a,4aおよび内輪3b,4bに隣り合って外輪間座15および内輪間座16がそれぞれ介在する。外輪3a,4aおよび外輪間座15はハウジング2に設置され、内輪3b,4bおよび内輪間座16は回転軸1に嵌合する。外輪間座15の内周面に、内輪間座16の外周面に向けて冷却用の圧縮エアAを吹き付けるエア供給口23が設けられている。間座空間21A,21Bから回転軸1の先端の外周に圧縮エアAを導く排気経路30が設けられている。排気経路30は、ハウジング2の内部を通っている。【選択図】図2

Description

この発明は、軸受装置の冷却構造に関し、例えば、工作機械の主軸および主軸に組み込まれる軸受装置の冷却構造に関する。
現在、工作機械の主軸装置は、装置内部に駆動用のモータを組込んだいわゆるモータビルトインタイプが多くなってきている。モータビルトインタイプの主軸装置では、モータの発熱による軸受の温度上昇を抑えるために、圧縮エアを用いて軸受を冷却することが行われている(例えば特許文献1)。特許文献1の軸受装置は、軸受をグリース潤滑するものであって、外輪間座に設けられたエア供給口から内輪間座に向けて圧縮エアを吐出して、内輪間座およびそれに隣接する軸受、主軸等を冷却する。
また、工作機械の主軸装置では、内部に洗浄液、切削液、加工時に発生する切屑等が浸入するのを防止するために、圧縮エアを用いたエアパージ機能を有するものがある(例えば特許文献2)。特許文献2の主軸装置は、外部からハウジングの内部に供給される圧縮エアが、軸受を迂回する経路を通って外部に排出されるようにすることで、圧縮エアに包含された不純物が軸受に付着したり、軸受に塗布されているグリースが漏出したりすることを防止している(段落0043)。
1台の空気圧縮機から供給される圧縮エアで軸受の冷却とエアパージの両方を行う場合、従来は、図7に示すように、軸受冷却用およびエアパージ用の各圧縮エアの経路をそれぞれ独立させていた。すなわち、軸受冷却用の圧縮エアA1は、ハウジング2に設けられた軸受冷却用経路40を通って、外輪間座15に設けられたエア供給口23から内輪間座16に向けて吹き付けられ、内輪間座16およびその両側の転がり軸受3,4を冷却した後、外輪間座15に設けられた排気溝41とハウジング2に設けられた排気経路42とを通って外部に排出される。また、エアパージ用の圧縮エアA2は、ハウジング2の前蓋14に設けられたエアパージ用経路43を通って、主軸1と前蓋14との間の隙間44に流され、この隙間44から主軸1の先端の外周に吐出される。
特開2014−062619号公報 特開2007−105850号公報
通常、工作機械1台当たり1機の空気圧縮機が用いられる。その場合、工作機械の小型化やエネルギー消費を抑える観点から、余力を抑えた容量の小さい空気圧縮機が使用される。そのため、圧縮エアを無駄なく有効に使用しなければならない。しかし、従来のように軸受を冷却した後の圧縮エアをそのまま排気すると、1機の空気圧縮機で軸受冷却用とエアパージ用の両方の圧縮エアを賄わなくてはならず、空気圧縮機が容量不足となって、軸受の冷却とエアパージの両方について十分な効果が得られない可能性がある。
この発明の目的は、圧縮エアを有効利用することで、圧縮エアの使用量を抑えつつ、転がり軸受の冷却とエアパージの両方を効果的に行うことができ、特別な転がり軸受を用いずに構成することが可能な軸受装置の冷却構造を提供することである。
この発明の軸受装置の冷却構造は、転がり軸受の外輪および内輪に隣り合って外輪間座および内輪間座がそれぞれ介在し、前記外輪および前記外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および前記内輪間座が回転軸に嵌合した軸受装置において、
前記外輪間座の内周面に、前記内輪間座の外周面に向けて冷却用の圧縮エアを吹き付けるエア供給口が設けられ、前記内輪間座と前記外輪間座との間の間座空間から前記回転軸の先端の外周に前記圧縮エアを導く排気経路が設けられ、この排気経路は前記ハウジングの内部を通ることを特徴とする。
この構成によると、外輪間座に設けられたエア供給口より、冷却用の圧縮エアが内輪間座の外周面に向けて吹き付けられる。内輪間座に衝突した圧縮エアが内輪間座の熱を奪うことで、それに隣接する転がり軸受の内輪および回転軸を効率良く冷却する。転がり軸受等を冷却した後の圧縮エアは、排気経路を通って回転軸の先端の外周に排出されて、その周辺部に存在する洗浄液、切削液、切屑等を吹き飛ばす。このように、転がり軸受等の冷却に使用した圧縮エアをエアパージにも使用するため、圧縮エアの供給系統が1系統だけで済み、圧縮エアの全体使用量が抑えられる。このため、比較的小容量の空気圧縮機であっても、転がり軸受の冷却とエアパージの両方を効果的に行うことができる。
排気経路をハウジングの内部に通すことで、ハウジングだけで排気経路を完結することができる。そのため、特別な転がり軸受を使用しなくてもよい。
この発明において、前記排気経路は、前記ハウジングの内部に設けられたハウジング内経路部分と、前記間座空間と前記ハウジング内経路部分とを連通する連絡経路部分とを有し、前記連絡経路部分が、前記外輪間座の軸方向端面に設けられた溝であるとよい。
連絡経路部分が外輪間座の軸方向端面に設けられた溝であると、連絡経路部分を容易に加工することができる。
前記連絡経路部分が、前記外輪間座の軸方向両端面に設けられていてもよい。
この場合、間座空間内の圧縮エアが外輪間座の軸方向両端からハウジング内経路部分へと排気されるので、間座空間内における圧縮エアの流れの偏りが少なくなり、内輪間座を均等に冷却することができる。
この発明において、前記内輪間座の軸方向両端部に、外径側に張り出して前記エア供給口から供給された圧縮エアが前記転がり軸受における前記内輪と前記外輪との間の軸受空間に流入するのを阻む障害壁が設けられていてもよい。
障害壁により圧縮エアが軸受空間に流入することが阻まれるため、軸受空間内のグリースの漏出をより一層抑えることができる。
この発明において、前記エア供給口は、前記回転軸の回転方向の前方に傾斜させて設けられていると共に、前記外輪間座の軸心に垂直な断面における任意の半径方向の直線から、この直線と直交する方向にオフセットした位置にあってもよい。
このようにエア供給口が傾斜していると、エア供給口から吹き出された圧縮エアが、内輪間座の外周面に沿って旋回しながら軸方向に流れる。圧縮エアが旋回すると、軸方向にまっすぐ流れる場合と比べて、圧縮エアが内輪間座の外周面を接している時間が長くなり、内輪間座をより一層効率良く冷却することができる。このため、冷却効果が向上し、圧縮エアの使用量を抑えることができる。
また、エア供給口が傾斜していると、エア供給口から吹き出された圧縮エアが内輪間座の外周面に当たる際に、圧縮エアの押圧力を内輪間座に与えることができ、回転軸を駆動する作用を期待することができる。
この発明の軸受装置の冷却構造は、転がり軸受の外輪および内輪に隣り合って外輪間座および内輪間座がそれぞれ介在し、前記外輪および前記外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および前記内輪間座が回転軸に嵌合した軸受装置において、前記外輪間座の内周面に、前記内輪間座の外周面に向けて冷却用の圧縮エアを吹き付けるエア供給口が設けられ、前記内輪間座と前記外輪間座との間の間座空間から前記回転軸の先端の外周に前記圧縮エアを導く排気経路が設けられ、この排気経路は前記ハウジングの内部を通るため、冷却用の圧縮エアを有効利用することで、圧縮エアの使用量を抑えつつ、転がり軸受の冷却とエアパージの両方を効果的に行うことができ、特別な転がり軸受を用いずに構成することが可能である。
この発明の一実施形態に係る冷却構造を備えた軸受装置の断面図である。 図1の部分拡大図である。 図2の一部分を取り出して示す図である。 (A),(B)はいずれも外輪間座の一部分を展開して示す図である。 図2のV−V面となる横断面図である。 異なる軸受装置の横断面図である。 従来の軸受装置の断面図である。
この発明の一実施形態に係る軸受装置の冷却構造を図1ないし図5と共に説明する。
図1は軸受装置の全体を示す断面図である。この軸受装置は、工作機械用のものであって、回転軸である主軸1の先端側(図の左側)に工具またはチャックが取り付けられる。主軸1は、軸方向に離れた先端部分および後端部分で、それぞれ転がり軸受3,4,5によりハウジング2に対して回転自在に支持されている。
主軸1の先端部分を支持する転がり軸受3,4は、共にアンギュラ玉軸受であって、背面組合せで配置されている。これら転がり軸受3,4よりも後端側の位置に、主軸1の先端部分を支持する別の転がり軸受が設けられていてもよい。主軸1の後端部分を支持する転がり軸受5は、円筒ころ軸受であって、単独で用いられている。
この主軸用の軸受装置は、ハウジング2の内部にモータを内蔵した、いわゆるビルトインモータ駆動方式であって、先端側の転がり軸受3,4と後端側の転がり軸受5との間に、ビルトインモータ7が設けられている。ビルトインモータ7は、主軸1に取り付けられたロータ8、ハウジング2に取り付けられたステータ9等で構成される。ロータ8は永久磁石等からなり、ステータ9はコイルおよびコア等からなる。
ハウジング2は、ハウジング本体11と、このハウジング本体11の後端側に配置された後部ハウジング部材12と、前記ビルトインモータ7とほぼ同じ軸方向位置でハウジング本体11の内周に嵌合した円筒状のモータハウジング部材13と、ハウジング本体11の先端面に当接して設けられた前蓋14とからなる。そして、ハウジング本体11の前端部の内周に前記転がり軸受3,4の外輪3a,4aが嵌め合わされ、後部ハウジング部材12の内周に前記転がり軸受5の外輪5aが嵌め合わされている。各転がり軸受3,4,5の内輪3b,4b,5bは、それぞれ主軸1の外周面に嵌め合わされている。また、モータハウジング部材13の内周に、前記ステータ9が取り付けられている。
図2はこの発明の冷却構造が適用された軸受装置の主要部を示す。また、図3は図2の一部分を取り出して示す図である。
主軸1の先端部分を支持する転がり軸受3,4は、前述したようにアンギュラ玉軸受であって、外輪3a,4aおよび内輪3b,4bの各軌道面間に複数の転動体3c,4cが介在し、これら転動体3c,4cが保持器3d,4dにより円周方向に等配に保持される。この例では、一対の転がり軸受3,4が背面組合せの配置で設置されているが、正面組合せの配置であってもよい。
図3において、転がり軸受3は、外輪3aの軸方向両端にシール部材3e,3fがそれぞれ取り付けられている。各シール部材3e,3fは、外輪3aに設けられた円周溝に外径端を嵌め込んで取り付けられ、内径端のシールリップが内輪3bの外周面に接触または近接している。そして、外輪3aと内輪3bと両側のシール部材3e,3fとに囲まれた軸受空間にグリースが封入される。
転がり軸受4も、転がり軸受3と同様に、外輪4aの軸方向両端にシール部材4e,4fがそれぞれ取り付けられている。各シール部材4e,4fは、外輪4aに設けられた円周溝に外径端を嵌め込んで取り付けられ、内径端のシールリップが内輪4bの外周面に接触または近接している。そして、外輪4aと内輪4bと両側のシール部材4e,4fとに囲まれた軸受空間にグリースが封入される。
図2において、一対の転がり軸受3,4の間には、外輪間座15および内輪間座16がそれぞれ介在している。外輪間座15はハウジング本体11の内周に嵌合し、内輪間座16は主軸1に嵌合している。
転がり軸受3の外輪3aは、外輪間座15と前蓋14とによって軸方向に位置決めされている。転がり軸受4の外輪4aは、外輪間座15とハウジング本体11の段面11とによって軸方向に位置決めされている。転がり軸受3の内輪3bは、内輪間座16と前側の位置決め間座17とによって軸方向に位置決めされている。前側の位置決め間座17は、主軸1の先端フランジ部1aの後端側に配置された回転体である。転がり軸受4の内輪4bは、内輪間座16と後側の位置決め間座18とによって軸方向に位置決めされている。
図3において、外輪間座15は、円筒部15aと、この円筒部15aの軸方向中央から内径側へ突出する環状凸部15bとからなる断面凸形状である。一方、内輪間座16は、円筒部16aと、この円筒部16aの軸方向両端から外径側へ張り出す一対の障害壁16bとからなる断面凹形状である。そして、外輪間座15の環状凸部15bの内周面と内輪間座16の円筒部16aの外周面とが、径方向隙間20を介して対向している。環状凸部15bの軸方向両側は、外輪間座15と内輪間座16とがある程度の距離を隔てて対向する間座空間21A,21Bとなっている。
なお、外輪間座15の環状凸部15bが内輪間座16の障害壁16bと干渉して組み立てられないこと防ぐために、内輪間座16は、例えば軸方向中間部で2つに分割されている。
内輪間座16の前記障害壁16bは、この例では、軸方向外側へ行くに従い外径側に張り出す形状であって、その外径端が周方向および軸方向共に転がり軸受3,4の外輪3a,4aに近接している。これにより、障害壁16bの軸方向外側の側面とシール部材3e,4eとの間に、ラビリンス効果を持つ軸方向隙間22が形成されている。
外輪間座15の環状凸部15bの内周面に、内輪間座16の円筒部16aの外周面に向けて冷却用の圧縮エアAを吹き付けるエア供給口23が設けられている。この例では、図2のV−V断面図である図5に示すように、エア供給口23の数が3個であり、各エア供給口23は円周方向に等配とされている。
前記圧縮エアAは、軸受装置の外部に設けられた空気圧縮機(図示せず)から供給される。すなわち、図1に示すように、ハウジング本体11の外周面に空気圧縮機に接続するエア取込み口24が開いており、このエア取込み口24に続くエア供給経路25がハウジング本体11の内部に形成されている。エア供給経路25は、外輪間座15の外周面まで延びている。
図3、図5に示すように、外輪間座15の外周面には、圧縮エアAを導入する導入溝26が設けられている。この導入溝26は、外輪間座15の外周面における軸方向中間に設けられ、エア供給口23と同数の接続孔27を介して各エア供給口23に連通している。接続孔27は、例えば径方向に延びる孔である。エア供給口23は、接続孔27よりも孔径が小さいノズル状の孔である。
エア取込み口24(図1)から取り込まれた圧縮エアAが、エア供給経路25、導入溝26、および接続孔27を順に通って、エア供給口23から内輪間座16の円筒部16aの外周面に向けて吹き付けられる。
図2に示すように、間座空間21A,21Bから主軸1の先端側の外部空間へ圧縮エアAを導く排気経路30が構成されている。この排気経路30は、外輪間座15に設けられた連絡経路部分31と、ハウジング2の内部に設けられたハウジング内経路部分32とで構成される。排気経路30の数は特に限定されないが、例えば周方向の3箇所に等配で設けられる。
連絡経路部分31は、外輪間座15の円筒部15aの軸方向両端面に設けられた径方向の溝である。この溝からなる連絡経路部分31は、例えば図4に示すような矩形の断面形状であり、外輪間座15に隣接して転がり軸受3,4の外輪3a,4aが配置されることで孔形状となる。連絡経路部分31の周方向位置は、図4(A)のようにエア供給口23と同じであってもよく、また図4(B)のようにエア供給口23に対してずれていてもよい。
図2において、ハウジング内経路部分32は、連絡経路部分31に続いてハウジング本体11の内部を外径側に延びる2つの径方向部32aと、これら径方向部32aの外径端に繋がりハウジング本体11の内部を軸方向に延びる軸方向部32bと、前蓋14の内部に形成され軸方向部32bの前端と排気隙間33とを繋ぐ折曲り部32cとからなる。排気隙間33は、前蓋14と主軸1および前側の位置決め間座17との間に形成された環状の隙間であって、前蓋14と主軸1との間の隙間部分に前記折曲り部32cの先端が開口している。
排気隙間33の後端は、前側の転がり軸受3の軸受空間に繋がっている。このため、軸受空間の圧力が高い場合に、軸受空間内の空気が排気隙間33を通って主軸1の先端側の外部空間へ流れる。しかし、排気隙間33の断面形状は、全体的に複雑に折れ曲がったラビリンス構造をしているため、主軸1の先端側の外部空間から軸受空間へ異物が通ることが抑制される。
[軸受装置の冷却構造の作用]
この軸受装置は、運転時等に、冷却用の圧縮エアAが、外輪間座15に設けられたエア供給口23から、内輪間座16の円筒部16aの外周面に向けて吹き付けられる。そして、圧縮エアAは、径方向隙間20を通って軸方向両側の間座空間21A,21Bに流れる。この間に、圧縮エアAが内輪間座16の熱を奪うことで、それに隣接する転がり軸受3,4の内輪3b,4bおよび主軸1を効率良く冷却する。
その後、間座空間21A,21Bの圧縮エアAは、排気経路30を通って、排気隙間33から主軸1の先端側の外部空間へ排出される。これにより、主軸1の先端フランジ部1aの外周に存在する洗浄液、切削液、切屑等を吹き飛ばすエアパージ作用が得られる。
排気経路30を通って間座空間21A,21Bから圧縮エアAを排気させることで、転がり軸受3,4の軸受空間を通る圧縮エアAの量を減らすことができる。このため、軸受空間内のグリースの漏出が抑えられる。特に、この実施形態の場合、内輪間座16の軸方向両端部に障害壁16bが設けられているため、圧縮エアAが軸受空間に流入することが阻まれて、軸受空間内のグリースの漏出をより一層抑えることができる。
このように、内輪間座16、転がり軸受3,4等の冷却に使用した圧縮エアAをエアパージにも使用するため、圧縮エアAの使用量が抑えられる。そのため、比較的小容量の空気圧縮機であっても、内輪間座16、転がり軸受3,4等の冷却とエアパージの両方を効果的に行うことができる。排気経路30をハウジング2の内部に通すことで、ハウジング2だけで排気経路30を完結することができる。そのため、特別な転がり軸受3,4を使用しなくてもよい。
[他の実施形態]
主軸1の回転方向が一定である場合、図6のように、前記接続孔27および前記エア供給口23を、内径側が主軸1の回転方向の前方に位置するように傾斜させてもよい。つまり、接続孔27およびエア供給口23が、外輪間座15の軸心に垂直な断面における任意の半径方向の直線Lから、この直線Lと直交する方向にオフセットした位置にある。
このように接続孔27およびエア供給口23が傾斜していると、エア供給口23から吹き出された圧縮エアAが、内輪間座16の外周面に沿って旋回しながら軸方向に流れる。圧縮エアAが旋回すると、軸方向にまっすぐ流れる場合と比べて、圧縮エアAが内輪間座16の外周面を接している時間が長くなり、内輪間座16をより一層効率良く冷却することができる。そのため、冷却効果が向上し、圧縮エアAの使用量を抑えることができる。
また、接続孔27およびエア供給口23が傾斜していると、エア供給口23から吹き出された圧縮エアAが内輪間座16の外周面に当たる際に、圧縮エアAの押圧力を内輪間座16に与えることができ、主軸1を駆動する作用を期待することができる。
この実施形態では、転がり軸受3,4がグリース潤滑方式であるが、転がり軸受3,4がエアオイルやオイルミスト等のオイル潤滑方式である場合にも、この発明の冷却構造を適用することができる。
以上、実施例に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…主軸(回転軸)
2…ハウジング
3,4…転がり軸受
3a,4a…外輪
3b,4b…内輪
15…外輪間座
16…内輪間座
16b…障害壁
21A,21B…間座空間
23…エア供給口
30…排気経路
31…連絡経路部分
32…ハウジング内経路部分
L…直線
A…圧縮エア

Claims (5)

  1. 転がり軸受の外輪および内輪に隣り合って外輪間座および内輪間座がそれぞれ介在し、前記外輪および前記外輪間座がハウジングに設置され、前記内輪および前記内輪間座が回転軸に嵌合した軸受装置において、
    前記外輪間座の内周面に、前記内輪間座の外周面に向けて冷却用の圧縮エアを吹き付けるエア供給口が設けられ、前記内輪間座と前記外輪間座との間の間座空間から前記回転軸の先端の外周に前記圧縮エアを導く排気経路が設けられ、この排気経路は前記ハウジングの内部を通ることを特徴とする軸受装置の冷却構造。
  2. 請求項1に記載の軸受装置の冷却構造において、前記排気経路は、前記ハウジングの内部に設けられたハウジング内経路部分と、前記間座空間と前記ハウジング内経路部分とを連通する連絡経路部分とを有し、前記連絡経路部分が、前記外輪間座の軸方向端面に設けられた溝である軸受装置の冷却構造。
  3. 請求項2に記載の軸受装置の冷却構造において、前記連絡経路部分が、前記外輪間座の軸方向両端面に設けられた軸受装置の冷却構造。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の軸受装置の冷却構造において、前記内輪間座の軸方向両端部に、外径側に張り出して前記エア供給口から供給された圧縮エアが前記転がり軸受における前記内輪と前記外輪との間の軸受空間に流入するのを阻む障害壁が設けられている軸受装置の冷却構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の軸受装置の冷却構造において、前記エア供給口は、前記回転軸の回転方向の前方に傾斜させて設けられていると共に、前記外輪間座の軸心に垂直な断面における任意の半径方向の直線から、この直線と直交する方向にオフセットした位置にある軸受装置の冷却構造。
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