JP2019173641A - 内燃機関の動弁装置 - Google Patents

内燃機関の動弁装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2019173641A
JP2019173641A JP2018062102A JP2018062102A JP2019173641A JP 2019173641 A JP2019173641 A JP 2019173641A JP 2018062102 A JP2018062102 A JP 2018062102A JP 2018062102 A JP2018062102 A JP 2018062102A JP 2019173641 A JP2019173641 A JP 2019173641A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
torque
valve
cancel
cam
camshaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018062102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7106933B2 (ja
Inventor
大雅 日比
Taiga Hibi
大雅 日比
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Isuzu Motors Ltd filed Critical Isuzu Motors Ltd
Priority to JP2018062102A priority Critical patent/JP7106933B2/ja
Priority to CN201980022779.8A priority patent/CN111919014B/zh
Priority to PCT/JP2019/011412 priority patent/WO2019188579A1/ja
Publication of JP2019173641A publication Critical patent/JP2019173641A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7106933B2 publication Critical patent/JP7106933B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/02Valve drive
    • F01L1/04Valve drive by means of cams, camshafts, cam discs, eccentrics or the like
    • F01L1/08Shape of cams
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01LCYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
    • F01L1/00Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear
    • F01L1/34Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift
    • F01L1/344Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear
    • F01L1/356Valve-gear or valve arrangements, e.g. lift-valve gear characterised by the provision of means for changing the timing of the valves without changing the duration of opening and without affecting the magnitude of the valve lift changing the angular relationship between crankshaft and camshaft, e.g. using helicoidal gear making the angular relationship oscillate, e.g. non-homokinetic drive

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Valve-Gear Or Valve Arrangements (AREA)

Abstract

【課題】可変機構に対する流体圧制御を簡素化する。【解決手段】内燃機関の動弁装置は、クランクシャフトにより回転駆動されるカムシャフト1であって、バルブスプリングの付勢力に抗じてエンジンバルブを開弁するカム4を有するカムシャフトと、クランク位相に対するエンジンバルブのバルブタイミングを可変にするように構成された可変機構5と、カムシャフトに設けられ、エンジンバルブの開閉によりカムシャフトに発生する変動トルクを打ち消すようなキャンセルトルクをカムシャフトに発生させるキャンセルカム6A,6Bとを備える。キャンセルカムは、変動トルクとキャンセルトルクの和である総合トルクが、常時、カムシャフトを逆転方向に押し戻そうとする正トルクになるように、構成および配置されている。【選択図】図1

Description

本開示は内燃機関の動弁装置に係り、特に、内燃機関の吸気弁または排気弁(これらを総称してエンジンバルブという)を開閉するための動弁装置に関する。
かかる動弁装置においては、クランクシャフトによりカムシャフトが回転駆動され、カムシャフトに設けられたカムが、バルブスプリングの付勢力に抗じてエンジンバルブを開弁するようになっている。
エンジンバルブの開閉時、カムシャフトには、バルブスプリングの付勢力により、カムシャフトを回転方向反対側すなわち逆転方向に押し戻そうとする開弁時トルク(これを正トルクとする)と、カムシャフトを回転方向すなわち正転方向に押し進めようとする閉弁時トルク(これを負トルクとする)とが交互に発生する。このトルク変動に起因して、カムシャフトの回転変動が生じ、この回転変動に起因して、例えばカムシャフトに設けられたギヤと、これに噛合されてクランクシャフトからの回転駆動力を伝達するギヤとの間でラトル音(歯打音)が発生するなどの問題がある。
そこで従来は、カムシャフトに、その変動トルクを打ち消すような逆位相のキャンセルトルクを発生させるためのキャンセルカムを設けている。
特開2008−180214号公報 特開2010−84526号公報 特開2010−281221号公報
ところで、エンジンバルブのバルブタイミングを可変にする可変機構が設けられる場合がある。この場合、バルブタイミングの制御のため、可変機構に供給される流体圧が制御される。
そこで本開示の目的は、可変機構に対する流体圧制御を簡素化できる内燃機関の動弁装置を提供することにある。
本開示の一の態様によれば、
内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるカムシャフトであって、バルブスプリングの付勢力に抗じてエンジンバルブを開弁するカムを有するカムシャフトと、
クランク位相に対する前記エンジンバルブのバルブタイミングを可変にするように構成された可変機構と、
前記カムシャフトに設けられ、前記エンジンバルブの開閉により前記カムシャフトに発生する変動トルクを打ち消すようなキャンセルトルクを前記カムシャフトに発生させるキャンセルカムと、
を備え、
前記キャンセルカムは、変動トルクとキャンセルトルクの和である総合トルクが、常時、前記カムシャフトを逆転方向に押し戻そうとする正トルクになるように、構成および配置されている
ことを特徴とする内燃機関の動弁装置が提供される。
好ましくは、前記動弁装置は、前記可変機構に供給される流体圧を制御するように構成された流体圧制御装置をさらに備え、
前記流体圧制御装置は、バルブタイミングを遅角側に変更するとき、前記可変機構への流体圧の供給を停止する。
好ましくは、前記キャンセルカムが複数設けられる。
本開示によれば、可変機構に対する流体圧制御を簡素化することができる。
動弁装置の概略縦断面図である。 図1のII−II断面図である。 動弁装置の概略平面図である。 バルブタイミングの変化の様子を示すバルブリフト線図である。 キャンセルカムのプロファイルを示す図である。 キャンセルカムのカムリフト線図である。 気筒毎の変動トルク(カムトルク)とトータルカムトルクを示すグラフである。 キャンセルカム毎のキャンセルトルクとトータルキャンセルトルクを示すグラフである。 トータルカムトルク、トータルキャンセルトルクおよび総合トルクを示すグラフである。 バルブタイミング進角時の可変機構および油圧制御装置の状態を示す図である。 バルブタイミング遅角時の可変機構および油圧制御装置の状態を示す図である。 バルブタイミング保持時の可変機構および油圧制御装置の状態を示す図である。
以下、添付図面を参照して本開示の実施形態を説明する。
図1〜図3に本実施形態の動弁装置を示す。図1は動弁装置の概略縦断面図、図2は図1のII−II断面図、図3は動弁装置の概略平面図である。
本実施形態の内燃機関(エンジン)は、トラック、バス等の大型車両に搭載される多気筒ディーゼルエンジンであり、具体的には直列6気筒ディーゼルエンジンである。但し車両およびエンジンの用途、種類等は限定されず任意である。
クランクシャフト(図示せず)からの回転駆動力が、ギヤ機構からなる動力伝達機構(図示せず)を通じてカムシャフト1に伝達される。本実施形態のエンジンはDOHCエンジンであり、カムシャフト1は、吸気弁を開閉駆動するための吸気カムシャフトである。但し付加的または代替的に、本開示を、排気弁(図示せず)を駆動するための排気カムシャフトに適用してもよい。吸気弁および排気弁を総称してエンジンバルブという。
便宜上、カムシャフト1の中心軸C1の方向(軸方向)における一端側(図1の左側)を前、他端側(図1の右側)を後とする。これら前後方向は、エンジンおよび車両の前後方向と一致する(エンジンは縦置きされる)。但し必ずしも一致しなくてもよい。前方から順に#1気筒〜#6気筒が配置される。図1および図3はそのうちの1気筒分(#6気筒)の構成を示す。
動弁装置は、バルブスプリング2の付勢力に抗じて吸気弁3を開弁するカム4を有するカムシャフト1と、クランク位相に対する吸気弁3のバルブタイミングを可変にするように構成された可変機構5と、カムシャフト1に設けられ、吸気弁3の開閉によりカムシャフト1に発生する変動トルクを打ち消すようなキャンセルトルクをカムシャフト1に発生させるキャンセルカム6A,6Bとを備える。
吸気弁3は1気筒当たりに二つ設けられ、これら二つの吸気弁3がバルブブリッジ8により同時に開閉されるようになっている。吸気弁3の開弁時には、カム4およびロッカーアーム9により、バルブブリッジ8が、バルブスプリング2の付勢力に抗じて下方(図3の紙面厚さ方向裏側に向かう方向)に押し下げられる。他方、吸気弁3の閉弁時には逆に、バルブスプリング2の付勢力によってバルブブリッジ8が上方(図3の紙面厚さ方向表側に向かう方向)に押し上げられる。
カムシャフト1は、下側のカムキャリア12と、上側のシリンダヘッド13との間に挟まれてラジアル方向に回転可能に支持される。カムシャフト1には、これらカムキャリア12およびシリンダヘッド13を軸方向に挟んでカムシャフト1をスラスト方向に位置決めするフランジ14,15が設けられる。
カムキャリア12およびシリンダヘッド13の後方に位置するカムシャフト1の後端部は、可変機構5のハウジング30内に回転可能に収容されている。ハウジング30には、前述の動力伝達機構の最終ギヤ16が噛合される入力ギヤ17が設けられる。カムシャフト1は、この入力ギヤ17を通じて、クランクシャフトからの回転駆動力を受ける。
カム4はカムシャフト1の外周部に固設される。ロッカーアーム9はロッカーシャフト18に回動可能に支持される。C2はロッカーシャフト18の中心軸を示す。ロッカーアーム9にはロッカーローラ19が回転可能に設けられ、ロッカーローラ19はカム4に常時当接される。ロッカーアーム9に、バルブブリッジ8の上面部に係合される延在部20が設けられる。
可変機構5は、吸気弁3のバルブタイミングを、図4に示すような最進角位置S1と最遅角位置S2の間で無段階かつ連続的に変化させるように構成されている。ここでバルブタイミングには、エンジンバルブが開弁を開始する開タイミングと、エンジンバルブが閉弁を終了する閉タイミングとの両方が含まれる。またエンジンバルブが開弁している(すなわちバルブリフト量VLがゼロより大きくなっている)クランク位相期間またはカム位相期間を作用角という。本実施形態では、作用角Δαsと最大バルブリフトVLmaxが一定とされる一方で、開タイミングと閉タイミングが可変幅Δαhだけ連続的に変化させられる。
図1および図2に示すように、可変機構5は、カムシャフト1の後端部に形成されたロータ31と、ロータ31を相対回転可能に収容する前述のハウジング30とを有する。
図2に示すように、ハウジング30には半径方向内側に突出する複数(4つ)のハウジングベーン32が周方向等間隔で形成され、これらハウジングベーン32の間に油圧室33が形成される。他方、ロータ31には半径方向外側に突出する複数(4つ)のロータベーン34が周方向等間隔で形成され、これらロータベーン34は各油圧室33を、カムシャフト回転方向Rの前後に仕切る。仕切られた油圧室33のうち、回転方向後方に位置するのは進角室35であり、回転方向前方に位置するのは遅角室36である。
カムシャフト1の内部には、進角室35に連通された進角用オイル通路37と、遅角室36に連通された遅角用オイル通路38とが形成される。シリンダヘッド13の内部には、進角用オイル通路37をオイルギャラリ41に連通させるための進角用オイル供給穴39が形成される。カムキャリア12の内部には、遅角用オイル通路38をオイルギャラリ41に連通させるための遅角用オイル供給穴40が形成される。オイルギャラリ41は、シリンダブロックの内部に形成され高圧オイル(圧力流体としての圧油)を貯留するオイル溜めとしての空間である。
進角室35、進角用オイル通路37および進角用オイル供給穴39は進角用流路を構成する。また遅角室36、遅角用オイル通路38および遅角用オイル供給穴40は遅角用流路を構成する。これら進角用流路および遅角用流路に供給される油圧を制御し、ひいては可変機構5に供給される油圧を制御するため、油圧制御装置が設けられる。
油圧制御装置は、油圧源としてのオイルギャラリ41と、オイルを常圧で貯留するオイルタンクとしてのオイルパン43と、これらオイルギャラリ41、オイルパン43、進角用オイル供給穴39および遅角用オイル供給穴40の連通状態を切り替える切替バルブ(OCVという)42と、OCV42を制御するように構成された制御ユニット、回路要素(circuitry)もしくはコントローラとしての電子制御ユニット(ECUという)100とを備える。ECU100はエンジンの制御を司るもので、CPU、ROM、RAM、入出力ポートおよび記憶装置等を含む。OCV42はソレノイドバルブにより構成される。
図10に示すように、OCV42は、オイルの出入口をなす複数(具体的には四つ)のポート、すなわち第1切替ポートQ1、第2切替ポートQ2、第3切替ポートQ3および第4切替ポートQ4を有する。第1切替ポートQ1はオイルギャラリ41に接続される。第2切替ポートQ2は進角用オイル供給穴39に接続され、ひいては進角室35に連通される。第3切替ポートQ3は遅角用オイル供給穴40に接続され、ひいては遅角室36に連通される。第4切替ポートQ4はオイルパン43に接続される。
なお、図示しないオイルポンプがオイルパン43の常圧オイルを吸引し、高圧オイルとしてオイルギャラリ41に供給する。オイルギャラリ41の代わりに、オイルポンプを直接的に油圧源として用いてもよい。
図1および図3に示すように、本実施形態において、キャンセルカムは複数設けられ、具体的には二つのキャンセルカム、すなわち後側の第1キャンセルカム6Aと前側の第2キャンセルカム6Bとが設けられる。これら第1および第2キャンセルカム6A,6Bは、互いに近接してカムシャフト1の外周部に固設されている。
これらキャンセルカム6A,6Bも、カム4と同様、カムシャフト1の回転時に、それぞれキャンセル用であるロッカーアーム25A,25Bおよびバルブブリッジ26A,26Bを介してスプリング27A,27Bを押し下げることにより、カムシャフト1に対するキャンセルトルクを発生させる。かかるトルクキャンセル機構は、前述の吸気弁駆動機構とほぼ同様に構成され、違いは吸気弁3が無いことだけである。従って吸気弁駆動機構の部品を流用してトルクキャンセル機構を安価に製造できる。
キャンセル用第1および第2ロッカーアーム25A,25Bは、前述のロッカーアーム9と同様に構成され、ロッカーローラ19および延在部20を有し、共通のロッカーシャフト18に回動可能に支持される。これらロッカーアーム25A,25Bは互いに連結されず、個別に動作する。各キャンセルカム6A,6Bに対して二つずつ、キャンセル用第1および第2スプリング27A,27Bがそれぞれ設けられる。これらスプリング27A,27Bは、キャンセル用第1および第2バルブブリッジ26A,26Bと、カムキャリア12の上面部との間に挟まれて設置される。スプリング27A,27Bの外寸はバルブスプリング2の外寸とほぼ同様であり、バルブブリッジ26A,26Bの構成は前述のバルブブリッジ8と同じである。従って部品共通化によるコスト低減が可能である。キャンセルカム6A,6Bがスプリング27A,27Bを圧縮し、スプリング27A,27Bによって逆転方向に押し戻されるときにカムシャフト1に正トルクが付与される。また、キャンセルカム6A,6Bがスプリング27A,27Bを伸長させ、スプリング27A,27Bにより正転方向に押し進められるときにカムシャフト1に負トルクが付与される。
本実施形態の場合、前方から順に#1気筒〜#6気筒が配置され、各気筒の吸気弁2の開閉に対応してカムシャフト1には、1エンジンサイクル(=720°クランク位相)当たりに6回(=N回、Nは気筒数)の周期的な変動トルクが発生する。この変動トルクを打ち消す逆位相のキャンセルトルクも6回発生させればよいため、原理的には、6個(N個)のカムロブ部を有する一つのキャンセルカムをカムシャフト1に設ければよい。
但しこうすると、キャンセルカムの短い全周に6個という多くのカムロブ部を加工しなければならないため、カムロブ部の加工が困難か実質的に不可能となる問題がある。そこで本実施形態では、1本のカムシャフト1に対しキャンセルカムを複数、具体的には二つ(n=2)設け、各キャンセルカムに3回(=N/n回)ずつキャンセルトルクを発生させるようにしている。これにより、一つのキャンセルカムに加工するカムロブ部の数を半分(3個=N/n個)に減少させ、カムロブ部の加工を容易にすることができる。
図5には、第1キャンセルカム6Aのカムプロファイルを示す。また図6には、第1キャンセルカム6Aのカムリフト線図を示す。第1キャンセルカム6Aは、ベース円28から半径方向外側に突出された、周方向等間隔(120°=360/(N/2)°のカム位相間隔)で同形状の三つのカムロブ部29を有する。第1キャンセルカム6Aは、これらカムロブ部29でスプリング27Aを押し下げる度に正のキャンセルトルクを発生させる。第2キャンセルカム6Bも第1キャンセルカム6Aと同じカムプロファイルを有する。第1キャンセルカム6Aと第2キャンセルカム6Bは、互いに60°(=360/(N/2)/2°)カム位相だけずれた状態で、内側カムシャフト11に固設されており、両者で60°カム位相間隔、すなわち120°クランク位相間隔のキャンセルトルクを発生させる。
図7には、#1気筒から#6気筒までの各気筒の吸気弁開閉毎に、カムシャフト1に発生させられる変動トルク(カムトルクという)を線aで示す。各カムトルクに関して、吸気弁3の開弁時に、カム4がバルブスプリング2の付勢力に抗じて吸気弁3を押し下げると、カムシャフト1には、これを押し戻そうとする、回転方向Rと反対方向(すなわち逆転方向)の正トルクが発生させられる。また吸気弁3の閉弁時には、逆にバルブスプリング2が、カム4Aおよびカムシャフト1を回転方向R(すなわち正転方向)に押し進めようとするため、カムシャフト1には正転方向の負トルクが発生させられる。
これら気筒毎のカムトルクを足し合わせると、図7に線bで示すようなトータルカムトルクとなる。トータルカムトルクbは、トルクゼロの位置を中心に、正側と負側に対称的に、120°(=720/N°)クランク位相周期で変動する変動トルクである。なおここでは前提として、可変機構5は最進角位置S1に制御されているものとする。
他方、図8には、第1および第2キャンセルカム6A,6Bによりそれぞれカムシャフト1に発生させられる変動トルク(キャンセルトルクという)を、線c、dで示す。キャンセルトルクの正負は、前述した通り、カムトルクの正負と同じである。これらキャンセルトルクc、dを足し合わせると、図8に線eで示すようなトータルキャンセルトルクとなる。
トータルカムトルクbと異なり、トータルキャンセルトルクeは、正の所定値Tcのトルク位置を中心にして、正側と負側に対称的に、120°(=720/N°)クランク位相周期で変動する変動トルクである。トータルキャンセルトルクeのトルク中心位置をゼロから正側にずらした点が特徴的である。こうしたトータルキャンセルトルクeが得られるように、第1キャンセルカム6Aと第2キャンセルカム6Bが構成および配置されている。
図9には、トータルカムトルクbと、トータルキャンセルトルクeと、これらトータルカムトルクbおよびトータルキャンセルトルクeを足し合わせた結果としての和である総合トルクfとを示す。
トータルキャンセルトルクeはトータルカムトルクbよりクランク位相が60°(=720/N/2°)ずれており、逆位相である。従ってトータルキャンセルトルクeによりトータルカムトルクbを打ち消すことができ、吸気弁3の開閉に起因するカムシャフト1のトルク変動を抑制することができる。
実際、総合トルクfのトルク変動量(トルク変動波形の上下幅)は、キャンセル前のトータルカムトルクbより大幅に減少しており、カムシャフト1のトルク変動は大幅に抑制されている。
また、カムシャフト1のトルク変動を抑制することで、カムシャフト1の回転変動を抑制することができる。そしてカムシャフト1に設けられた入力ギヤ17と、これに噛合される最終ギヤ16との間で発生するラトル音(歯打音)を低減することができる。一般的に、このラトル音低減のためシザースギヤを設けることがあるが、本実施形態ではこのシザースギヤも省略できるため、製造コストを低減できる。
ところで図示するように、総合トルクfは、常時正トルクとなっており、言い換えれば、1エンジンサイクル(=720°クランク位相)中の総合トルクfの最小値Tfminが、ゼロより大きい正の値となっている。こうした総合トルクfが得られるように、第1キャンセルカム6Aと第2キャンセルカム6Bが構成および配置されている。
カム4と第1および第2キャンセルカム6A,6Bの位相差は変化せず一定である。従って可変機構5により、クランク位相に対するカム位相が変更されても、トータルカムトルクbとトータルキャンセルトルクeの位相差は変わらない。従ってバルブタイミングの変化とは無関係に、総合トルクfは常に正トルクとなる。バルブタイミングが変更されても、図9に示す各線b,e,fの全体が横軸方向に移動するだけである。
このように総合トルクfを常時正トルクとすると、カムシャフト1には、これを逆転方向に押し戻そうとする逆トルクが常時働く。これにより以下に述べるように、油圧制御装置によって可変機構5に対し行われる油圧制御を大幅に簡素化することが可能である。
図10には、バルブタイミングを進角側に変更するとき(進角時)の可変機構5および油圧制御装置の状態を示す。同様に、図11には、バルブタイミングを遅角側に変更するとき(遅角時)の可変機構5および油圧制御装置の状態を示す。図12には、バルブタイミングを同一位相に保持するとき(位相保持時)の可変機構5および油圧制御装置の状態を示す。
図10に示すように、カムシャフト1には、前述した正の総合トルクfに起因した逆トルクTrが常に付与されている。この逆トルクTrは、あたかも、カムシャフト1を逆転方向に付勢するバネの如く働く。この逆トルクTrの存在を前提として、可変機構5は以下のように制御される。
図10に示すように、バルブタイミングの進角時には、OCV42がECU100により進角位置に切り替えられ、第1切替ポートQ1と第2切替ポートQ2が連通状態になると共に、第3切替ポートQ3と第4切替ポートQ4が連通状態になる。すると、オイルギャラリ41に貯留された高圧オイルが第1切替ポートQ1、第2切替ポートQ2を順に経て進角室35に導入される。また遅角室36内の高圧オイルは、第3切替ポートQ3、第4切替ポートQ4を順に経てオイルパン43に排出される。すると、進角室35内の油圧によりロータ31ひいてはカムシャフト1に付与される正転方向トルクが、逆トルクTrを上回り、そのトルク差により矢印gで示すように、カムシャフト1はハウジング30に対し進角動作される。
他方、図11に示すように、バルブタイミングの遅角時には、OCV42がECU100により遅角位置に切り替えられ、第1切替ポートQ1がいずれの切替ポートにも連通されず、第2切替ポートQ2および第3切替ポートQ3が第4切替ポートQ4と連通状態になる。
すると、可変機構5への油圧供給は停止され、油圧は、進角室35および遅角室36のいずれにも供給されない。また、進角室35内の高圧オイルは、第2切替ポートQ2、第4切替ポートQ4を順に経てオイルパン43に排出される。遅角室36内の高圧オイルは、第3切替ポートQ3、第4切替ポートQ4を順に経てオイルパン43に排出される。
こうして進角室35および遅角室36の両方から油圧が排出され、カムシャフト1は逆トルクTrのみにより、矢印hで示すように、ハウジング30に対し遅角動作される。
一般的には、図11に仮想線iで示すように、第1切替ポートQ1が第3切替ポートQ3に連通され、油圧が遅角室36に供給されることによりカムシャフト1が遅角動作される。しかし本実施形態では、カムシャフト1を遅角動作させる際に、こうした遅角室36ひいては可変機構5への油圧供給は不要である。従って、遅角動作時の油圧制御を大幅に簡素化することが可能である。
また、油圧供給停止によりオイルポンプの駆動負荷も軽減することができ、燃費向上にも有利である。また油路やOCV42の構造も簡素化できる可能性がある。
カムシャフト1が遅角動作するとき、遅角室36の容積が増大するため、遅角室36に常圧オイルを補充する必要がある。このため、第4切替ポートQ4からオイルパン43に延びるオイル通路の先端部を、オイルパン43のオイル内に没入させている。これにより、遅角室36の容積増大に応じてオイルパン43内の常圧オイルを吸引し、遅角室36に常圧オイルを補充することができる。
なお、バルブタイミングの位相保持時には、例えば、OCV42がECU100により図12に示すような保持位置に切り替えられ、第1切替ポートQ1、第2切替ポートQ2、第3切替ポートQ3および第4切替ポートQ4のいずれもが、いずれの切替ポートにも連通されない。すると、可変機構5への油圧供給が停止され、進角室35の油圧による正転方向トルクと、遅角室36の油圧による逆転方向トルクおよび逆トルクTrの和とが釣り合う位相位置にカムシャフト1は保持される。
ところで、吸気弁開閉に基づくトルク変動がカムシャフト1に生じると、これに起因して進角室35および遅角室36の少なくとも一方の油圧が変動し、トルク変動と同位相の油圧脈動が、オイルギャラリ41を経て、これに繋がる別のオイル供給部(図示せず)にも伝達され、その別のオイル供給部に影響を及ぼす可能性がある。
しかし、本実施形態によれば、キャンセルカム6A,6Bにより吸気弁開閉に基づくトルク変動を抑制できるため、かかる油圧脈動を抑制し、別のオイル供給部への影響を低減することが可能である。
以上、本開示の実施形態を詳細に述べたが、本開示は他の実施形態や変形例によっても実施可能である。
(1)可変機構の構成は任意に変更可能であり、バルブタイミングを段階的に変更可能なものであってもよい。また可変機構を作動させる流体圧は油圧以外の流体圧であってもよく、例えば空圧であってもよい。
(2)上記実施形態では、最も後方に位置する#6気筒のカム4の直前、あるいは#5気筒と#6気筒のカム4の間に、二つのキャンセルカム6A,6Bを設けた。しかしながら、キャンセルカムの数は任意であり、問題なくカムロブが加工できる等、制約がなければキャンセルカムを一つとしてもよい。逆に、キャンセルカムを三つ以上としてもよい。またキャンセルカムは、これが設けられるカムシャフトの気筒数と等しい合計数のカムロブを有するのがよく、例えばV型DOHC6気筒エンジンなら一本のカムシャフト当たりに3個(=N/2個)のカムロブを有するのがよい。キャンセルカムの設置位置も任意に変更でき、例えば二つのキャンセルカム6A,6Bを一乃至複数気筒分、離して設置してもよい。
(3)上記実施形態では、キャンセルカム6A,6Bによるキャンセルトルクを発生させるために、ロッカーアーム25A,25B、バルブブリッジ26A,26Bおよびスプリング27A,27Bを備えたトルクキャンセル機構を用いた。しかしながら、当該機構は適宜変更可能である。
(4)上記実施形態では、エンジンバルブ(吸気弁3)の開タイミングと閉タイミングの両方を可変としたが、いずれか一方のみを可変としてもよい。また作用角を可変としてもよく、バルブリフト量を可変としてもよい。
本開示の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本開示の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本開示に含まれる。従って本開示は、限定的に解釈されるべきではなく、本開示の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 カムシャフト
2 バルブスプリング
3 吸気弁
4 カム
5 可変機構
6A,6B キャンセルカム
41 オイルギャラリ
42 切替バルブ(OCV)
43 オイルパン
100 電子制御ユニット

Claims (3)

  1. 内燃機関のクランクシャフトにより回転駆動されるカムシャフトであって、バルブスプリングの付勢力に抗じてエンジンバルブを開弁するカムを有するカムシャフトと、
    クランク位相に対する前記エンジンバルブのバルブタイミングを可変にするように構成された可変機構と、
    前記カムシャフトに設けられ、前記エンジンバルブの開閉により前記カムシャフトに発生する変動トルクを打ち消すようなキャンセルトルクを前記カムシャフトに発生させるキャンセルカムと、
    を備え、
    前記キャンセルカムは、変動トルクとキャンセルトルクの和である総合トルクが、常時、前記カムシャフトを逆転方向に押し戻そうとする正トルクになるように、構成および配置されている
    ことを特徴とする内燃機関の動弁装置。
  2. 前記可変機構に供給される流体圧を制御するように構成された流体圧制御装置をさらに備え、
    前記流体圧制御装置は、バルブタイミングを遅角側に変更するとき、前記可変機構への流体圧の供給を停止する
    請求項1に記載の内燃機関の動弁装置。
  3. 前記キャンセルカムが複数設けられる
    請求項1または2に記載の内燃機関の動弁装置。
JP2018062102A 2018-03-28 2018-03-28 内燃機関の動弁装置 Active JP7106933B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018062102A JP7106933B2 (ja) 2018-03-28 2018-03-28 内燃機関の動弁装置
CN201980022779.8A CN111919014B (zh) 2018-03-28 2019-03-19 内燃机的气门装置
PCT/JP2019/011412 WO2019188579A1 (ja) 2018-03-28 2019-03-19 内燃機関の動弁装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018062102A JP7106933B2 (ja) 2018-03-28 2018-03-28 内燃機関の動弁装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019173641A true JP2019173641A (ja) 2019-10-10
JP7106933B2 JP7106933B2 (ja) 2022-07-27

Family

ID=68061693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018062102A Active JP7106933B2 (ja) 2018-03-28 2018-03-28 内燃機関の動弁装置

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP7106933B2 (ja)
CN (1) CN111919014B (ja)
WO (1) WO2019188579A1 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6073807U (ja) * 1983-10-28 1985-05-24 トヨタ自動車株式会社 カムシヤフトのトルク変動低減装置
JPS6149005U (ja) * 1984-09-04 1986-04-02
JPH07259519A (ja) * 1994-03-23 1995-10-09 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2008180214A (ja) * 2006-12-28 2008-08-07 Toyota Motor Corp 内燃機関のカム軸トルク低減機構
JP2010019245A (ja) * 2008-06-13 2010-01-28 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の動弁装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3201147B2 (ja) * 1994-06-14 2001-08-20 いすゞ自動車株式会社 4サイクル4気筒エンジンの動弁装置
JP3488585B2 (ja) * 1996-12-19 2004-01-19 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の動弁装置
DE19904934A1 (de) * 1999-02-06 2000-08-10 Schaeffler Waelzlager Ohg Nockenwelle eines Ventiltriebs einer Brennkraftmaschine
JP4657238B2 (ja) * 2007-04-03 2011-03-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2008019876A (ja) * 2007-10-05 2008-01-31 Toyota Motor Corp 内燃機関の動弁装置
JP2010084526A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の動弁装置

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6073807U (ja) * 1983-10-28 1985-05-24 トヨタ自動車株式会社 カムシヤフトのトルク変動低減装置
JPS6149005U (ja) * 1984-09-04 1986-04-02
JPH07259519A (ja) * 1994-03-23 1995-10-09 Nissan Motor Co Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2008180214A (ja) * 2006-12-28 2008-08-07 Toyota Motor Corp 内燃機関のカム軸トルク低減機構
JP2010019245A (ja) * 2008-06-13 2010-01-28 Honda Motor Co Ltd 内燃機関の動弁装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN111919014B (zh) 2022-05-03
WO2019188579A1 (ja) 2019-10-03
JP7106933B2 (ja) 2022-07-27
CN111919014A (zh) 2020-11-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100093453A1 (en) Dual independent phasing system to independently phase the intake and exhaust cam lobes of a concentric camshaft arrangement
JPH11148426A (ja) 内燃エンジンのシリンダヘッド構造
JP4883330B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
EP2133516B1 (en) Internal combustion engine controller
JP4609729B2 (ja) 弁開閉時期制御装置
US9188030B2 (en) Internal combustion engine with variable valve opening characteristics
WO2011070976A1 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2009264133A (ja) カム位相可変型内燃機関
WO2019188579A1 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2005248805A (ja) 内燃機関のバルブ特性変更装置
JP2004092567A (ja) エンジンの可変動弁装置
JP2011144746A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2009264153A (ja) カム位相可変型内燃機関
JP7028010B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2018048579A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2013163973A (ja) 可変動弁式内燃機関
JP3344278B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2016217327A (ja) チェーンケース
WO2020054699A1 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2014209004A (ja) カムシャフトの支持構造
JP5783876B2 (ja) カム位相可変型内燃機関
JP2008101568A (ja) エンジンの給油構造
JP2012197697A (ja) バルブリフト装置
JP5288134B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5783308B2 (ja) カムシャフトの支持構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180328

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220203

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220203

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220614

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220627

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7106933

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150