JP2012197697A - バルブリフト装置 - Google Patents

バルブリフト装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2012197697A
JP2012197697A JP2011061270A JP2011061270A JP2012197697A JP 2012197697 A JP2012197697 A JP 2012197697A JP 2011061270 A JP2011061270 A JP 2011061270A JP 2011061270 A JP2011061270 A JP 2011061270A JP 2012197697 A JP2012197697 A JP 2012197697A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
oil
supply
discharge
passage
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2011061270A
Other languages
English (en)
Inventor
Hironori Yumura
洋典 湯村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Heavy Industries Ltd filed Critical Fuji Heavy Industries Ltd
Priority to JP2011061270A priority Critical patent/JP2012197697A/ja
Publication of JP2012197697A publication Critical patent/JP2012197697A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】バルブの駆動制御を油圧駆動系統で行うようにし、構造および制御ロジックを簡素化することが可能なバルブリフト装置を提供する。
【解決手段】シリンダ室11cに開口した吸気ポート11bを開閉するバルブ22aを、その後端部に設けた給排室21aへのオイルOの給排により駆動制御するようにし、給排室21aへのオイルOの給排を、レシプロエンジン11の駆動により回転するロータリバルブ34を有する通路開閉機構30により行うようにした。したがって、バルブ22aの駆動制御を、レシプロエンジン11の駆動と同期するロータリバルブ34を介して油圧駆動系統で行うことができ、バルブリフト装置10の構造および制御ロジックを簡素化することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、シリンダ室に開口したポートを開閉するバルブを、油圧により駆動制御するバルブリフト装置に関する。
エンジンのシリンダ室(燃焼室)と当該シリンダ室に開口したポート(吸排気通路)とを開閉するバルブ(吸排気弁)は、クランク軸と連動するカムシャフトに設けたカムの回転により、所定のタイミングで開閉されるようになっている。また、エンジンの特性を変えて燃費を向上させたりするために、エンジンの回転数に応じてバルブの開閉量と開閉時期、つまりバルブリフト量とバルブタイミングを調整することが行われている。
カムシャフトに設けたカムによりバルブリフト量を調整するには、異なるバルブリフト量に対応した形状が異なる複数のカムを設け、当該各カムに対応させて複数のロッカーアームを設けたりする必要がある(例えば特許文献1参照)。そのため、エンジンの大型化や組み立て性低下等の問題が生じていた。
そこで、上述のような複数のカムおよびロッカーアームに換えて、バルブの駆動制御に電磁コイルによる推力を用いるとともに、バルブリフト量の調整に油圧制御装置を用いたものが知られている(例えば特許文献2参照)。これにより、カムシャフトやロッカーアームのような駆動部品を省略可能として、エンジンの小型化や組み付け性向上を実現している。
特開平11−287139号公報(図1) 特開2001−289017号公報(図2)
しかしながら、上述の特許文献2に記載されたバルブリフト装置によれば、制御系統として、電磁コイルを有する電気駆動系統および油圧ポンプを有する油圧駆動系統を備えており、これらの各駆動系統を制御する制御装置が必要となる。例えば、電気駆動系統においてはクランク軸の回転と同期させる制御を行い、油圧駆動系統においてはエンジンの回転数と同期させる制御を行う。したがって、制御ロジックが複雑化し、特に電気駆動系統(バルブの開閉制御)においては、その失陥(フェイル)を考慮した制御ロジックが必要となる場合がある。よって、バルブリフト装置を簡素化すべく、当該バルブリフト装置の構造や制御ロジックを根本的に見直す必要が生じていた。
本発明の目的は、バルブの駆動制御を油圧駆動系統で行うようにし、構造および制御ロジックを簡素化することが可能なバルブリフト装置を提供することにある。
本発明のバルブリフト装置は、シリンダ室に開口したポートを開閉するバルブを、油圧により駆動制御するバルブリフト装置であって、タンクに貯留された油液を吐出するポンプと、前記ポンプの吐出口に一端側が接続された第1油液通路と、前記バルブの後端部に設けられ、前記バルブを駆動制御するための前記油液が給排される給排室と、前記給排室に一端側が接続された第2油液通路と、前記第1油液通路の他端側と前記第2油液通路の他端側との間に設けられ、前記第1,第2油液通路間を開閉する通路開閉機構と、一端側が前記タンクに接続され、他端側が前記通路開閉機構に接続された第3油液通路とを備え、前記通路開閉機構は、エンジンの駆動により回転するロータリバルブを有し、前記ロータリバルブは、一の回転位置で前記第1,第2油液通路間を開/前記第2,第3油液通路間を閉とし、他の回転位置で前記第1,第2油液通路間を閉/前記第2,第3油液通路間を開とすることを特徴とする。
本発明のバルブリフト装置は、前記第1油液通路に、前記ポンプから前記通路開閉機構に向かう油液の圧力を制御する圧力制御バルブを設けることを特徴とする。
本発明のバルブリフト装置は、前記第2油液通路を前記シリンダ室の数に対応させて設け、前記ロータリバルブは、当該ロータリバルブが1回転する間に、前記各第2油液通路のそれぞれに対応した前記一の回転位置および前記他の回転位置を通過することを特徴とする。
本発明のバルブリフト装置は、前記ロータリバルブを、板状本体部とその回転中心に設けられる回転軸とから形成し、前記板状本体部と前記回転軸との間に、前記板状本体部と前記回転軸との相対回転位置を調整する調整部を設けることを特徴とする。
本発明のバルブリフト装置によれば、シリンダ室に開口したポートを開閉するバルブを、その後端部に設けた給排室への油液の給排により駆動制御するようにし、給排室への油液の給排を、エンジンの駆動により回転するロータリバルブを有する通路開閉機構により行う。したがって、バルブの駆動制御を、エンジンの駆動と同期するロータリバルブを介して油圧駆動系統で行うことができ、バルブリフト装置の構造および制御ロジックを簡素化することができる。また、油液を吐出するポンプとして、エンジンオイルを循環させるためのオイルポンプを利用することができるので、バルブを駆動制御するための専用のポンプを別途設ける必要が無く、エンジンが大型化するのを抑制できる。
本発明のバルブリフト装置によれば、ポンプと通路開閉機構との間に設ける第1油液通路に、ポンプから通路開閉機構に向かう油液の圧力を制御する圧力制御バルブを設けるので、エンジンの回転数等に応じて圧力制御バルブを制御することで、給排室内の圧力、つまりバルブに掛かる油圧を制御できる。これにより、バルブリフト量を調整することができる。この場合、圧力制御バルブの制御ロジックのみを構築すれば良いので、従前に比して制御ロジックが複雑化するようなことは無い。
本発明のバルブリフト装置によれば、給排室と通路開閉機構との間に設ける第2油液通路を、シリンダ室の数に対応させて設け、ロータリバルブは、当該ロータリバルブが1回転する間に、各第2油液通路のそれぞれに対応した一の回転位置(給排室へ油液を供給する位置)および他の回転位置(給排室から油液を排出する位置)を通過する。したがって、一のロータリバルブで複数のバルブを駆動制御することができ、4気筒等の多気筒エンジンに対応することができる。
本発明のバルブリフト装置によれば、ロータリバルブを、板状本体部とその回転中心に設けられる回転軸とから形成し、板状本体部と回転軸との間に、板状本体部と回転軸との相対回転位置を調整する調整部を設けるので、バルブの開閉タイミング(バルブタイミング)を調整することができる。また、調整部は、エンジンオイルを循環させるためのオイルポンプからの油圧により制御することができる。
本発明の一実施の形態に係るバルブリフト装置の概略を示す部分断面図である。 図1の矢印A方向から見たロータリバルブと第1〜第4吸気バルブ機構との接続関係を説明する説明図である。 図1の通路開閉機構の詳細構造を説明する分解斜視図である。 バルブの開弁動作を説明する図2のB−B線に沿う断面図である。 バルブの閉弁動作を説明する図2のC−C線に沿う断面図である。 (a),(b)は調整部の動作を説明する動作説明図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の一実施の形態に係るバルブリフト装置の概略を示す部分断面図を、図2は図1の矢印A方向から見たロータリバルブと第1〜第4吸気バルブ機構との接続関係を説明する説明図を、図3は図1の通路開閉機構の詳細構造を説明する分解斜視図を、図4はバルブの開弁動作を説明する図2のA−A線に沿う断面図を、図5はバルブの閉弁動作を説明する図2のB−B線に沿う断面図を、図6(a),(b)は、調整部の動作を説明する動作説明図をそれぞれ表している。
図1に示すバルブリフト装置10は、4気筒のレシプロエンジン(エンジン)11に搭載され、図2に示す第1吸気バルブ機構20a,第2吸気バルブ機構20b,第3吸気バルブ機構20cおよび第4吸気バルブ機構20dを駆動制御(開閉駆動)するようになっている。
ここで、本実施の形態においては、バルブリフト装置10により各吸気バルブ機構20a〜20dを駆動制御する場合を例に挙げて説明するが、バルブリフト装置10は、図示しない各排気バルブ機構の駆動制御にも用いることができる。つまり、吸排気バルブ機構のそれぞれをバルブリフト装置10により同様に駆動制御する場合には、吸排気側のそれぞれに対応させてバルブリフト装置10を設けるようにすれば良い。
また、本実施の形態においては、1気筒あたり1つの吸気バルブ機構を備えたレシプロエンジン11を例に挙げて説明するが、例えば、1気筒あたり2つの同期する吸気バルブ機構を備えたレシプロエンジンにも用いることができる。この場合、図1に示す給排油路17aから油圧を分岐させ、同期する他の吸気バルブ機構(図示せず)に油圧を給排すれば良い。
図1に示すように、バルブリフト装置10は、レシプロエンジン11のクランク軸12により駆動されるオイルポンプ(ポンプ)13を備えている。オイルポンプ13は、オイルパン(タンク)14に貯留されたオイル(油液)Oを、オイルフィルタ15を介して吸い込んで吐出するようになっている。オイルポンプ13から吐出されたオイルOは、レシプロエンジン11に形成された冷却油路等(図示せず)に供給されるとともに、バルブリフト装置10を形成する供給油路16に供給されるようになっている。
バルブリフト装置10は、さらに通路開閉機構30と、各吸気バルブ機構20a〜20dのそれぞれに対応して設けられた給排室21a〜21d(図2参照)とを備えている。通路開閉機構30とオイルポンプ13との間には、供給油路(第1油液通路)16が設けられ、供給油路16の一端側は、オイルポンプ13の吐出口13aに接続され、供給油路16の他端側は、通路開閉機構30の給油孔31に接続されている。
通路開閉機構30と各給排室21a〜21dとの間には、図2に示すように、各給排室21a〜21dのそれぞれ対応する給排油路(第2油液通路)17a〜17dが設けられている。各給排油路17a〜17dは、シリンダ室11cの数(4気筒)に対応させて4つ設けられ、各給排油路17a〜17dの一端側は、各給排室21a〜21dのそれぞれに接続され、各給排油路17a〜17dの他端側は、通路開閉機構30の各第1給排孔32a〜32dに接続されている。
ここで、各吸気バルブ機構20a〜20dはそれぞれ同じ形状に形成されているため、以下、第1吸気バルブ機構20aを代表してその詳細な構造について説明する。
図1に示すように、第1吸気バルブ機構20aは、バルブ22aと駆動機構23aとを備えている。バルブ22aは、バルブ本体24aとバルブステム25aとを備え、バルブステム25aは、レシプロエンジン11を形成するシリンダヘッド11aを、摺動自在に貫通している。
バルブ本体24aは、シリンダヘッド11aに形成された吸気ポート(ポート)11bを開閉するもので、吸気ポート11bのシリンダ室11c側に装着されたバルブシート11dに対して離着座するようになっている。そして、駆動機構23aの給排室21aにオイルOを給排することで、バルブ22aは駆動制御(開閉駆動)され、ひいてはシリンダ室11cに開口した吸気ポート11bを開閉することができる。なお、吸気ポート11bからは、シリンダ室11cに向けて、図示しないスロットルバルブを介して混合気(図示せず)が供給されるようになっている。
駆動機構23aは、ケーシング26a,ピストン27aおよびコイルスプリング28aを備えている。ケーシング26aおよびピストン27aは、それぞれ鋼板等をプレス加工することにより有底筒状に形成され、ピストン27aはケーシング26a内に摺動自在に設けられている。バルブ22aの後端部で、ケーシング26aとピストン27aとの間には給排室21aが形成され、つまり、給排室21a内にオイルOを給排することで給排室21aの容積が変化し、ピストン27aが移動するようになっている。
ピストン27aの底部側(図中上側)には、バルブステム25aの後端部が固定され、バルブ22aはピストン27aの移動に伴って上下動するようになっている。また、ケーシング26aの底部側(図中上側)には連通穴29aが設けられ、当該連通穴29aには給排油路17aの一端側が接続されている。
コイルスプリング28aは、ピストン27aの内側で、ピストン27aとバルブステム25aとの間に設けられ、給排室21aの容積が増加したときに押し縮められ、給排室21aの容積が減少したときに延びるようになっている。つまり、コイルスプリング28aの弾性力は、バルブ本体24aをバルブシート11dに押し付ける方向(閉弁方向)に作用している。これにより、給排室21aにオイルOを供給することでバルブ22aは開弁し、給排室21aからオイルOを排出することでバルブ22aは閉弁する。
通路開閉機構30は、供給油路16aと各給排油路17a〜17dとの間を開閉するもので、ハウジング33とロータリバルブ34とを備えている。ハウジング33はシリンダヘッド11aの各吸気バルブ機構20a〜20dの近傍に設けられ、ロータリバルブ34はハウジング33の内部に回転自在に設けられている。
ハウジング33は、第1ハウジング部材33aと第2ハウジング部材33bとを備え、これらを突き合わせることで略箱形状に形成されている。第1ハウジング部材33aには、供給油路16の他端側が接続される給油孔31が形成され、当該給油孔31はロータリバルブ34の上流側(オイルポンプ13寄り)に配置されている。第2ハウジング部材33bには、各給排油路17a〜17dの他端側がそれぞれ接続される各第1給排孔32a〜32d(図2,3参照)が形成され、これらの各第1給排孔32a〜32dはロータリバルブ34の下流側(各吸気バルブ機構20a〜20d寄り)に配置されている。
第1ハウジング部材33aには、さらに、排出孔35および第2給排孔36が形成されている。排出孔35は、各第1給排孔32a〜32dよりもロータリバルブ34のさらに下流側(オイルパン14寄り)に配置され、排出孔35とオイルパン14との間には、排出油路(第3油液通路)18が設けられている。つまり、排出油路18の一端側はオイルパン14に接続され、排出油路18の他端側は通路開閉機構30の排出孔35に接続されている。
第2給排孔36には、供給油路16の下流側で分岐した分岐供給油路16aと、排出油路18の上流側で分岐した分岐排出油路18aとが接続されている。つまり、第2給排孔36には、オイルOが給排されるようになっている。分岐供給油路16aおよび分岐排出油路18aには、それぞれ電磁式の開閉バルブ16b,18bが設けられ、これらの各開閉バルブ16b,18bは、ロータリバルブ34の調整部34eを形成する油室34hに対してオイルOを給排する給排弁37を形成している。
具体的には、図示しない車載コントローラ(C/U)からの指令により、一方の開閉バルブ16bを開き、他方の開閉バルブ18bを閉じることで、第2給排孔36(油室34h)にオイルOが供給され、一方の開閉バルブ16aを閉じ、他方の開閉バルブ18bを開くことで、第2給排孔36(油室34h)からオイルOが排出される。
供給油路16の給油孔31の近傍には、電磁式の圧力制御バルブ38が設けられ、当該圧力制御バルブ38は、車載コントローラ(C/U)からの指令により、オイルポンプ13から通路開閉機構30に向かうオイルOの圧力を制御するようになっている。これにより、圧力制御バルブ38の下流側にある各吸気バルブ機構20a〜20dの各給排室21a〜21d内の圧力(油圧)が制御されて、各バルブ22a〜22d(図2参照)のバルブリフト量が調整される。
第1ハウジング部材33aには、図3に示すように、環状供給油路33cと環状排出油路33dとが設けられている。環状供給油路33cは、環状排出油路33dよりも大径に形成され、ロータリバルブ34の板状本体部34a上に二点鎖線で示した大径仮想円C1と対向している。環状供給油路33cは、給油孔31に接続されており、これにより環状供給油路33cの周方向に沿う全域には、圧力制御バルブ38(図1参照)で調圧されたオイルOが供給される。
一方、環状排出油路33dは、ロータリバルブ34の板状本体部34a上に二点鎖線で示した小径仮想円C2と対向している。環状排出油路33dは、排出孔35に接続されており、これにより環状排出油路33dの周方向に沿う全域は、オイルパン14(図1参照)と略同じ圧力(略大気圧)となっている。
ロータリバルブ34は、円盤状に形成された板状本体部34aと、その回転中心P(図1,2参照)に設けられた回転軸34bとを備えている。板状本体部34aには、大径仮想円C1上に位置するよう、つまり第1ハウジング部材33aの環状供給油路33cと対向するよう1つの供給連通穴34cが設けられている。また、板状本体部34aには、小径仮想円C2上に位置するよう、つまり第1ハウジング部材33aの環状排出油路33dと対向するよう1つの排出連通穴34dが設けられている。各連通穴34c,34dは、板状本体部34aの周方向に沿って、それぞれ所定の角度差(例えば60°)を有するよう互いに離間して設けられ、各第1給排孔32a〜32dと対向可能となっている(図2参照)。
図1に示すように、回転軸34bの基端側はハウジング33内で板状本体部34aに接続され、回転軸34bの先端側はハウジング33の外部に延出されている。回転軸34bの先端側には、減速機構40を形成する大径ギヤ(平歯車)40aが一体回転可能に固定されている。回転軸34bの先端側に固定された大径ギヤ40aは、レシプロエンジン11のクランク軸12に一体回転可能に固定された小径ギヤ(平歯車)40bと噛み合わされており、これにより、クランク軸12の回転が減速されて回転軸34bに伝達される。
ここで、レシプロエンジン11は4サイクル機関であり、減速機構40の減速比は、クランク軸12が2回転(720°回転)する間に、回転軸34b(ロータリバルブ34)が1回転(360°回転)する減速比(2分の1)に設定されている。
図2,3に示すように、板状本体部34aと回転軸34bとの間には、板状本体部34aと回転軸34bとの相対回転位置を調整するための調整部34eが設けられている。調整部34eは、回転軸34bと一体の半円状部34fと、板状本体部34aと一体の突起部34gとを備えており、板状本体部34aの周方向に沿う突起部34gの両側には、それぞれ油室34hとバネ室34iとが形成されている。
油室34hには、第1ハウジング部材33aの第2給排孔36(図1,3参照)が接続されてオイルOが給排されるようになっており、バネ室34iには戻しバネSが設けられている。戻しバネSは、油室34hからオイルOを排出するときに延びるようになっており、つまり、戻しバネSの弾性力は、油室34hを押し縮める方向に作用している。
次に、以上のように形成したバルブリフト装置10の動作について、図面を用いて詳細に説明する。
<始動動作>
イグニッションスイッチ(図示せず)をオン操作する等して、レシプロエンジン11を始動すると、図1に示すようにクランク軸12が回転する。すると、クランク軸12と連動するオイルポンプ13および小径ギヤ40bが回転駆動される。オイルポンプ13は、オイルパン14からオイルOを吸い込み、吸い込んだオイルOを吐出口13aから供給油路16に供給する。
小径ギヤ40bはクランク軸12とともに回転し、これに伴い減速機構40が作動する。すると、減速機構40の作動によって、大径ギヤ40aは小径ギヤ40bの回転数の2分の1にまで減速されて回転し、これにより大径ギヤ40aと連動するロータリバルブ34が回転駆動される。つまり、クランク軸12が2回転する間にロータリバルブ34は1回転するようになっている。
<開弁動作>
図2,4に示すように、ハウジング33内でロータリバルブ34が矢印R方向に回転すると、まず、板状本体部34aの供給連通穴34cが第2ハウジング部材33bの第1給排孔32aと対向する。すると、オイルポンプ13から吐出されたオイルOは、矢印(1)に示すように供給油路16から圧力制御バルブ38,給油孔31を流れて、環状供給油路33cに供給される。
次いで、環状供給油路33cに供給されたオイルOは、供給連通穴34cを通過して第1給排孔32aに流れて、矢印(2)に示すように給排油路17aに流れ込む。そして、給排油路17aを流れるオイルOは、矢印(3)に示すように連通穴29aを介して給排室21aに供給される。
これにより、給排室21a内の圧力が所定圧にまで上昇し、ひいてはコイルスプリング28aを押し縮めて給排室21aの容積が増加し、バルブ22aが矢印(4)に示すように開弁する。そして、シリンダ室11cと吸気ポート11bとが連通するようになり、矢印(5)に示すようにシリンダ室11c内に混合気が流入する。
ここで、給排室21aに供給されるオイルOの圧力(油圧)は、例えばレシプロエンジン11の回転数等に応じて圧力制御バルブ38により調圧されており、これによりバルブ22aのバルブリフト量は調整された状態となっている。また、バルブ22aの開弁動作時においては、図2に示すように板状本体部34aの排出連通穴34dは、第2ハウジング部材33bの第1給排孔32aとは対向せず、給排室21a内のオイルOが給排油路17aに排出されることは無い。
なお、このようなバルブ22aを開弁動作させる状態でのロータリバルブ34のハウジング33に対する相対回転位置は、本発明における「一の回転位置」を構成している。つまり、ロータリバルブ34が「一の回転位置」にある場合には、供給油路16,給排油路17a間が開/給排油路17a,排出油路18間が閉となり、バルブ22aが開弁動作することになる。
<閉弁動作>
図2,5に示すように、ハウジング33内でロータリバルブ34が矢印R方向に引き続き回転すると、今度は、板状本体部34aの排出連通穴34dが第2ハウジング部材33bの第1給排孔32aと対向する。すると、排出連通穴34dを介して第1給排孔32aと排出孔35とが連通状態となり、ひいては給排油路17aと排出油路18とが連通する。これにより、給排油路17a内のオイルOが破線矢印(6)に示すように流れて、排出連通穴34dを介して排出油路18に開放される。排出油路18に流れ出たオイルOは、破線矢印(7)に示すように流れてオイルパン14に到達する。
給排油路17aの油圧が低下すると、給排室21a内のオイルOが、破線矢印(8)に示すように連通穴29aから給排油路17aに流れ出し、これにより給排室21a内の油圧も低下する。その後、コイルスプリング28aの弾性力によってピストン27aが給排室21aを押し縮めるよう図中上側に移動し、ひいてはバルブ22aが破線矢印(9)に示すように閉弁する。
ここで、オイルポンプ13からは、矢印(1)に示すように、オイルOが供給油路16に供給され続けるが、オイルOは循環回路(図示せず)を介してオイルパン14に戻されるようになっている。したがって、オイルポンプ13に無理な負荷が掛かるようなことは無く、エンジン出力の低下や燃費の低下等の不具合の発生を抑制することができる。
なお、このようなバルブ22aを閉弁動作させる状態でのロータリバルブ34のハウジング33に対する相対回転位置は、本発明における「他の回転位置」を構成している。つまり、ロータリバルブ34が「他の回転位置」にある場合には、供給油路16,給排油路17a間が閉/給排油路17a,排出油路18間が開となり、バルブ22aが閉弁動作することになる。
<他の吸気バルブ機構の動作>
図2に示すように、第1吸気バルブ機構20aは、ロータリバルブ34の各連通穴34c,34dが[0°〜90°]の回転範囲で回転することで、上述したように開弁動作および閉弁動作する。つまり、各連通穴34c,34dが[0°〜90°]の回転範囲にある場合は、ロータリバルブ34が給排油路17aに対応した「一の回転位置」および「他の回転位置」を通過し、第1吸気バルブ機構20aのみが作動する。この場合、第2,第3,第4吸気バルブ機構20b,20c,20dは非作動状態(閉弁状態)となっている。
また、各連通穴34c,34dが[90°〜180°]の回転範囲にある場合は、ロータリバルブ34が給排油路17cに対応した「一の回転位置」および「他の回転位置」を通過し、第3吸気バルブ機構20cのみが作動する。その他の第1,第2,第4吸気バルブ機構20a,20b,20dは非作動状態(閉弁状態)となっている。
さらに、各連通穴34c,34dが[180°〜270°]の回転範囲にある場合は、ロータリバルブ34が給排油路17bに対応した「一の回転位置」および「他の回転位置」を通過し、第2吸気バルブ機構20bのみが作動する。その他の第1,第3,第4吸気バルブ機構20a,20c,20dは非作動状態(閉弁状態)となっている。
また、各連通穴34c,34dが[270°〜360°(0°)]の回転範囲にある場合は、ロータリバルブ34が給排油路17dに対応した「一の回転位置」および「他の回転位置」を通過し、第4吸気バルブ機構20dのみが作動する。その他の第1,第2,第3吸気バルブ機構20a,20b,20cは非作動状態(閉弁状態)となっている。
このように、ロータリバルブ34が1回転する間で90°回転する毎に、第1吸気バルブ機構20a〜第4吸気バルブ機構20dが、順次切り替わって開閉動作するようになっている。つまり、ロータリバルブ34が1回転する間に、当該ロータリバルブ34は、各給排油路17a〜17dに対応した「一の回転位置」および「他の回転位置」を通過するようになっている。
<バルブタイミング調整の動作>
各バルブ22a〜22dの開閉タイミング(バルブタイミング)を調整するには、ロータリバルブ34の調整部34eを形成する油室34hにオイルOを給排するようにする。具体的には、図1に示すように、給排弁37を形成する一方の開閉バルブ16bを開き、他方の開閉バルブ18bを閉じることで、分岐供給油路16aのオイルOを第2給排孔36から油室34hに供給する。すると、油室34hの容積が大きくなって、図6(a)に示すように、板状本体部34aの矢印R方向への回転に対して、半円状部34fが矢印(10)の方向へ戻しバネSを押し縮めつつ相対回転する。これにより、回転軸34bの板状本体部34aに対する回転位置が一方にずれて、各バルブ22a〜22dの開閉タイミングを進めることができる。
一方、図1に示すように、給排弁37を形成する一方の開閉バルブ16bを閉じ、他方の開閉バルブ18bを開くことで、油室34hのオイルOを第2給排孔36から分岐排出油路18aに開放する。すると、油室34h内の圧力が低下して、図6(b)に示すように、戻しバネSの弾性力により、板状本体部34aの矢印R方向への回転と同じ方向、つまり矢印(11)の方向に半円状部34fが相対回転する。これにより、回転軸34bの板状本体部34aに対する回転位置が他方にずれて、各バルブ22a〜22dの開閉タイミングを遅らせることができる。
以上詳述したように、本実施の形態に係るバルブリフト装置10によれば、シリンダ室11cに開口した吸気ポート11bを開閉するバルブ22aを、その後端部に設けた給排室21aへのオイルOの給排により駆動制御するようにし、給排室21aへのオイルOの給排を、レシプロエンジン11の駆動により回転するロータリバルブ34を有する通路開閉機構30により行うようにした。したがって、バルブ22aの駆動制御を、レシプロエンジン11の駆動と同期するロータリバルブ34を介して油圧駆動系統で行うことができ、バルブリフト装置10の構造および制御ロジックを簡素化することができる。また、オイルOを吐出するポンプとして、エンジンオイルを循環させるためのオイルポンプ13を利用するので、バルブ22aを駆動制御するための専用のポンプを別途設ける必要が無く、レシプロエンジン11が大型化するのを抑制できる。
また、本実施の形態に係るバルブリフト装置10によれば、オイルポンプ13と通路開閉機構30との間の供給油路16に、オイルポンプ13から通路開閉機構30に向かうオイルOの圧力を制御する圧力制御バルブ38を設けたので、レシプロエンジン11の回転数等に応じて圧力制御バルブ38を制御することで、給排室21a内の圧力、つまりバルブ22aに掛かる油圧を制御できる。これにより、バルブリフト量を調整することができる。この場合、圧力制御バルブ38の制御ロジックのみを構築すれば良いので、従前に比して制御ロジックが複雑化するようなことは無い。
さらに、本実施の形態に係るバルブリフト装置10によれば、給排室21aと通路開閉機構30との間の給排油路17a〜17dを、シリンダ室11cの数に対応させて設け、ロータリバルブ34は、当該ロータリバルブ34が1回転する間に、各給排油路17a〜17dのそれぞれに対応した一の回転位置(給排室21a〜21dへオイルOを供給する位置)および他の回転位置(給排室21a〜21dからオイルOを排出する位置)を通過する。したがって、一のロータリバルブ34で複数のバルブ22a〜22dを駆動制御することができ、4気筒等の多気筒エンジンに対応することができる。
また、本実施の形態に係るバルブリフト装置10によれば、ロータリバルブ34を、板状本体部34aとその回転中心Pに設けられる回転軸34bとから形成し、板状本体部34aと回転軸34bとの間に、板状本体部34aと回転軸34bとの相対回転位置を調整する調整部34eを設けたので、バルブ22aの開閉タイミングを調整することができる。また、調整部34eは、エンジンオイルを循環させるためのオイルポンプ13からのオイルOにより制御できるので、調整部34eのための専用のポンプを別途設ける必要が無い。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上記実施の形態においては、板状本体部34aの各連通穴34c,34dを円形形状に形成し、第2ハウジング部材33bの各第1給排孔32a〜32dを扇形形状に形成(図2参照)したが、本発明はこれに限らず、例えば、各バルブ22a〜22dの開閉の応答性に応じて、三角形や四角形等任意の形状に形成しても良い。また、各連通穴34c,34dおよび各第1給排孔32a〜32dを設ける位置や大きさは、レシプロエンジン11に必要とされる特性(トルク特性等)に応じて任意に設定すれば良い。
さらに、上記実施の形態においては、ロータリバルブ34とクランク軸12との間の減速機構40を、大径ギヤ40aとそれに噛み合う小径ギヤ40bとから形成したものを示したが、本発明はこれに限らず、大径ギヤ40aと小径ギヤ40bとの噛み合いに換えて、両者間にタイミングベルト(タイミングチェーン)を設けて動力伝達できるようにしても良い。また、他の形式の減速機構、例えば遊星歯車機構等を用いることもできる。
さらに、上記実施の形態においては、エンジンとして、4気筒のレシプロエンジン11であるものを示したが、本発明はこれに限らず、例えば6気筒のレシプロエンジンにも適用することができる。この場合、減速機構40による減速比を調整し、ロータリバルブ34が1回転する間で60°回転する毎に、第1吸気バルブ機構〜第6吸気バルブ機構が、順次切り替わって開閉動作するようにすれば良い。
10 バルブリフト装置
11 レシプロエンジン(エンジン)
11b 吸気ポート(ポート)
11c シリンダ室
13 オイルポンプ
13a 吐出口
14 オイルパン(タンク)
16 供給油路(第1油液通路)
17a〜17d 給排油路(第2油液通路)
18 排出油路(第3油液通路)
21a〜21d 給排室
22a〜22d バルブ
30 通路開閉機構
34 ロータリバルブ
34a 板状本体部
34b 回転軸
34e 調整部
38 圧力制御バルブ
O オイル(油液)

Claims (4)

  1. シリンダ室に開口したポートを開閉するバルブを、油圧により駆動制御するバルブリフト装置であって、
    タンクに貯留された油液を吐出するポンプと、
    前記ポンプの吐出口に一端側が接続された第1油液通路と、
    前記バルブの後端部に設けられ、前記バルブを駆動制御するための前記油液が給排される給排室と、
    前記給排室に一端側が接続された第2油液通路と、
    前記第1油液通路の他端側と前記第2油液通路の他端側との間に設けられ、前記第1,第2油液通路間を開閉する通路開閉機構と、
    一端側が前記タンクに接続され、他端側が前記通路開閉機構に接続された第3油液通路とを備え、
    前記通路開閉機構は、エンジンの駆動により回転するロータリバルブを有し、前記ロータリバルブは、一の回転位置で前記第1,第2油液通路間を開/前記第2,第3油液通路間を閉とし、他の回転位置で前記第1,第2油液通路間を閉/前記第2,第3油液通路間を開とすることを特徴とするバルブリフト装置。
  2. 請求項1記載のバルブリフト装置において、前記第1油液通路に、前記ポンプから前記通路開閉機構に向かう油液の圧力を制御する圧力制御バルブを設けることを特徴とするバルブリフト装置。
  3. 請求項1または2記載のバルブリフト装置において、前記第2油液通路を前記シリンダ室の数に対応させて設け、前記ロータリバルブは、当該ロータリバルブが1回転する間に、前記各第2油液通路のそれぞれに対応した前記一の回転位置および前記他の回転位置を通過することを特徴とするバルブリフト装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のバルブリフト装置において、前記ロータリバルブを、板状本体部とその回転中心に設けられる回転軸とから形成し、前記板状本体部と前記回転軸との間に、前記板状本体部と前記回転軸との相対回転位置を調整する調整部を設けることを特徴とするバルブリフト装置。
JP2011061270A 2011-03-18 2011-03-18 バルブリフト装置 Withdrawn JP2012197697A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011061270A JP2012197697A (ja) 2011-03-18 2011-03-18 バルブリフト装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011061270A JP2012197697A (ja) 2011-03-18 2011-03-18 バルブリフト装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012197697A true JP2012197697A (ja) 2012-10-18

Family

ID=47180175

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011061270A Withdrawn JP2012197697A (ja) 2011-03-18 2011-03-18 バルブリフト装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012197697A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9494057B2 (en) 2014-09-30 2016-11-15 Hyundai Motor Company Variable valve lift system

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9494057B2 (en) 2014-09-30 2016-11-15 Hyundai Motor Company Variable valve lift system

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7699030B2 (en) Variable valve system of internal combustion engine
EP2133516B1 (en) Internal combustion engine controller
JP2013545013A (ja) 中間位置ロックを備えたカムトルク駆動型位相器
US9188030B2 (en) Internal combustion engine with variable valve opening characteristics
JP6308163B2 (ja) バルブタイミング調整装置
JP2016200031A (ja) バルブタイミング調整装置
JP2009264133A (ja) カム位相可変型内燃機関
KR20090064013A (ko) 연속 가변 밸브 리프트 장치
US6131541A (en) Variable valve performance mechanism in internal combustion engine
JP2012197697A (ja) バルブリフト装置
JP2002227667A (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP2003322007A (ja) 内燃機関の油圧制御装置
JP2009264153A (ja) カム位相可変型内燃機関
JP2011220349A (ja) 内燃機関の可変動弁システム及び可変動弁装置
JP2010133272A (ja) カム位相可変型内燃機関
JP5432306B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2010255575A (ja) 内燃機関のカム位相可変装置
JP7106933B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP2008184952A (ja) エンジンの可変動弁装置
JP6607530B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2016217327A (ja) チェーンケース
JP5827304B2 (ja) 内燃機関の動弁装置
JP6097116B2 (ja) 可変バルブタイミング装置
JP2002115511A (ja) 弁開閉時期制御装置
JP2011001898A (ja) カム位相可変型内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20140603