以下、添付図面を参照して、本発明に係る管理装置、管理システム及び管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。
<鍵管理装置の概念>
まず、本実施例1に係る鍵管理装置10の概念について説明する。図1は、本実施例1に係る鍵管理装置10の概念を説明する図である。本実施例1では、銀行等の金融機関の店舗に配設された貨幣処理装置や金庫等の鍵を鍵管理装置10で管理する場合について説明することとする。なお、鍵管理装置10は、本発明に係る管理装置の一例である。
図1に示す鍵管理装置10は、扉10aにて開閉される鍵収納庫10bと、表示操作部11と、カードリーダ12と、鍵交換操作部用扉10dによって開閉される鍵交換操作部15及びプリンタ16とを有する。鍵収納庫10bには、複数のホルダ収納部13が設けられている。ホルダ収納部13は、鍵がリング14aにより繋がれたキーホルダ14を着脱可能に収納する。各ホルダ収納部13は、キーホルダ14の取り出しを許可又は禁止できるように図示しないロック機構が設けられている。鍵管理装置10は、各ホルダ収納部13に対する図示しないロック機構を制御することによって、各キーホルダ14の取り出しの許可又は禁止を制御する。
各ホルダ収納部13の上部にはホルダランプ13aが設けられており、ホルダランプ13aは、鍵交換や鍵廃棄のために鍵とキーホルダ14との連結の解除があった場合に、この連結の解除に関連する鍵が連結されたキーホルダ14である旨を点滅して報知する。例えば、図1に示すように、No.2のホルダ収納部13に収納されたキーホルダ14と鍵との連結が解除された場合に、この連結が解除された鍵に関連する鍵を収納するNo.3のホルダ収納部13のホルダランプ13aを点滅させ、No.3の鍵とキーホルダ14との連結も解除すべき旨を報知する。なお、鍵とキーホルダ14との連結の解除には、鍵交換や鍵廃棄が含まれるが、以下では鍵交換を行う場合について説明する。なお、鍵交換に関連する鍵とは、1つの鍵交換に関連して同時に鍵交換すべき鍵であり、副鍵も含まれる。
このホルダランプ13aの点滅のタイミングは、鍵交換の受付があった場合に行ってもよいし、鍵交換操作部15による鍵交換操作が完了した場合に行ってもよいし、鍵交換したキーホルダ14が収納されて鍵交換が完了した場合に行ってもよい。また、鍵交換された鍵に関連して鍵交換すべき鍵を連結するキーホルダ14が複数ある場合には、この複数のキーホルダ14に対応するホルダランプ13aがすべて点滅されるようにしてもよいし、1つの鍵交換の完了ごとに次に鍵交換すべき鍵を連結する1つのキーホルダ14のホルダランプ13aを順次、点滅するようにしてもよい。
また、ホルダランプ13aの点滅に替えて、ホルダランプ13aを点灯してもよい。さらに、ホルダランプ13aは、最初に鍵交換する鍵を連結するキーホルダ14の位置の案内及びキーホルダ14の取り出しが可能である旨の報知のために、点滅するようにしてもよい。鍵交換する鍵を連結するキーホルダ14の位置の案内及びキーホルダ14の取り出しが可能である旨の報知のための点滅と同時に、この鍵交換に関連する鍵を連結するキーホルダ14のホルダランプ13aの点滅を行う場合、ホルダランプ13aの点滅間隔、点滅と点灯、色などの表示態様を異ならせるようにする。なお、ホルダランプ13aの点滅あるいは点灯の色は任意の色とすることができる。
表示操作部11は、タッチパネルディスプレイ等であり、操作員による操作入力を受け付けるとともに、各種情報を表示する。表示操作部11は、鍵交換に関連する鍵が他のキーホルダ14に連結されている場合に、他のキーホルダ14に連結された鍵を交換すべき旨の案内表示がなされる。例えば、図1に示すように、表示操作部11の表示領域Pには、「キーホルダNo.2が交換されました。関連するキーホルダNo.3を交換してください。」と表示される。
なお、ホルダランプ13aによる鍵交換すべきキーホルダ14の報知と、表示操作部11による鍵交換すべきキーホルダ14の報知とは、いずれか一方を行ってもよいし、双方行ってもよい。
カードリーダ12は、操作員が携帯するカードから識別情報等を読み取る読取装置である。ここではカードを磁気カードとする場合について説明するが、ICカードであってもよい。プリンタ16は、各種情報を印刷出力する。
鍵交換操作部15は、パネル15aに設けられ、パネル15aには鍵交換すべきキーホルダ14が挿入される挿入口15bが設けられる。挿入口15bの前面にはカバー15cが開閉可能に配置されている。操作員が鍵交換権限を有する者であると認証された場合に、鍵交換すべき鍵が連結されたキーホルダ14は挿入口15bへの挿入が可能となる図示しないロック機構を有する。キーホルダ14は、挿入口15bへの挿入によってキーホルダ14と鍵とを連結するリング14aを開放し、挿入口15bから抜くことによってリング14aを閉鎖するリング開閉機構を有する。鍵交換操作は、キーホルダ14を挿入口15bに挿入し、リング14aを開放させ、鍵のリング14aへの取り付け、取り外しが可能な開放状態で、現在連結されていた鍵を取り外し、新たに交換する鍵をリング14aに取り付ける。その後、キーホルダ14を挿入口15bから抜くことによってリング14aが閉鎖され、リング14aを介して交換した鍵とキーホルダ14とが連結される。なお、鍵交換ではなく、鍵廃棄を行う場合には、鍵をリング14aに取り付けることなく、キーホルダ14を挿入口15bから抜くことによって、キーホルダ14のリング14aに鍵が連結されない状態でロックされる。
操作員がカードリーダ12に対して図示しないカードを通すと、カードリーダ12は、該カードからカードIDを読み取り、読み取ったカードIDに基づいて操作員の認証を行う。この認証の結果、鍵交換権限が操作員に設定されている場合には、鍵収納庫10bの扉10aが解錠され、扉10aが開放可能になるとともに、鍵交換操作部用扉10dが解錠され、鍵交換操作部用扉10dが開放可能となり、鍵交換操作部15による鍵交換操作が可能になる。鍵収納庫10bには、1又は複数の鍵をリング14aにより繋いで保持するキーホルダ14が複数収納されている。それぞれのキーホルダ14は、それぞれ対応するホルダ収納部13に挿入され、ロックされている。なお、認証の結果、使用権限のみ操作員に設定されている場合には、鍵収納庫10bの扉10aが解錠され、扉10aが開放可能となり、キーホルダ14の取り出しのみが可能となる。
このように、鍵管理装置10は、鍵とキーホルダ14との連結の解除を受けたことを条件に、この鍵とキーホルダ14との連結の解除に関連する鍵を連結している他のキーホルダ14に対応するホルダランプ13aを点滅あるいは点灯させることよって、鍵の連結を解除すべき他のキーホルダ14が存在することを報知するので、鍵の交換漏れ又は廃棄漏れを効率良く防止することができる。また、他のキーホルダ14が存在することを表示操作部11に表示する報知を行っているので、鍵の交換漏れ又は廃棄漏れを効率良く防止することができる。
<管理システムのシステム構成>
次に、本実施例1に係る管理システムのシステム構成について説明する。図2は、本実施例1に係る管理システムのシステム構成を示す図である。図2に示すように、この管理システムは、鍵管理装置10と、貨幣入出金機40と、重要物管理装置50とがネットワークを介して管理サーバ20に接続される。また、管理サーバ20は、管理者端末30に接続される。
鍵管理装置10は、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵を管理する管理装置である。鍵管理装置10は、取出対象となる鍵の指定操作を受け付けたならば、操作員が正当であることを条件として、指定された鍵を取り出すことが可能となる。なお、ここでは説明の便宜上、鍵管理装置10が、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵を管理する場合について説明するが、店舗内に配設された他の装置(ATM(現金自動預払機;Automatic Teller Machine)、両替機、金庫等)の鍵を管理することもできる。
貨幣入出金機40は、貨幣の入金処理及び出金処理を行う出納機と呼ばれる装置であり、バラ紙幣、所定枚数単位で結束された束紙幣、バラ硬貨及び所定枚数単位で包装された包装硬貨を取り扱う。この貨幣入出金機40は、貨幣の払出指示操作を受け付けたならば、払出指示操作に応じた貨幣の払出処理を行うとともに、貨幣の収納指示操作を受け付けたならば、収納指示操作に応じた貨幣の収納処理を行う。貨幣入出金機40の鍵としては、貨幣入出金機の扉を開閉する貨幣入出金機鍵、貨幣入出金機内の貨幣処理機のカセット鍵やメンテナンス鍵がある。貨幣入出金機40の鍵を交換する場合に、これらの貨幣入出金機鍵、カセット鍵、メンテナンス鍵を同時に交換する必要があるとともに、これらの副鍵も同時に交換する必要がある。これらの貨幣入出金機鍵、カセット鍵、メンテナンス鍵は、上記の鍵交換に関連する鍵である。
重要物管理装置50は、通帳、証書及び有価証券等の重要物を保管するための装置である。この重要物管理装置50は、重要物を保管するための複数の収納部を有し、各収納部は、外部からのアクセスを制限するロック機構を有する。重要物管理装置50は、重要物を取り出す旨の操作を受け付けたならば、重要物の種類に応じて対応する収納部のロックを解除して、指定された重要物の取り出しを可能とする。
管理サーバ20は、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50の鍵の管理を行うサーバ装置である。具体的には、鍵の属性、ホルダ、使用権限、鍵交換権限等の鍵の使用及び鍵交換に関する各種情報を対応付けた鍵管理マスタを生成して記憶する。なお、必要に応じて鍵管理マスタを鍵管理装置10に配信する。
管理者端末30は、鍵管理マスタの生成や変更を行う権限を有する管理者により使用される装置である。鍵管理マスタの生成や変更を行う場合には、図2に示すように、管理者が管理者端末30を操作して、管理サーバ20に対して鍵管理マスタ登録・更新を要求する(S1)。
管理サーバ20は、管理者端末30から鍵管理マスタ登録・更新の要求を受け付けると、鍵管理マスタの生成又は更新を行って自装置に記憶するとともに、新たな鍵管理マスタを鍵管理装置10に配信する(S2)。鍵管理装置10は、配信された鍵管理マスタを保持し、管理サーバ20は、鍵管理マスタの配信完了を管理者端末30に通知する(S3)。
なお、ここでは管理サーバ20と管理者端末30とが別装置である場合について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、管理サーバ20と管理者端末30とを一体化し、管理者が管理サーバ20を直接操作する場合に適用することもできる。
また、上記の鍵管理装置10は、上記の管理システムに組み込まれることなく、単独の装置であってもよい。この場合、鍵管理マスタは、表示操作部11などから直接、鍵管理装置10に設定される。
<鍵管理装置10の内部構成>
次に、図1に示した鍵管理装置10の内部構成について説明する。図3は、図1に示した鍵管理装置10の内部構成を示す機能ブロック図である。図3に示すように、鍵管理装置10は、扉施錠機構10c、鍵交換操作部用扉施錠機構10e、表示操作部11、カードリーダ12、ホルダ収納部13、ホルダランプ13a、鍵交換操作部15、プリンタ16、通信部17、記憶部18、及び制御部19を有する。なお、表示操作部11、カードリーダ12、ホルダ収納部13、ホルダランプ13a及び鍵交換操作部15については、すでに図1を用いて説明したため、ここではその説明を省略する。
扉施錠機構10cは、鍵収納庫10bの扉10aを施錠する機構である。鍵交換操作部用扉施錠機構10eは、鍵交換操作部用扉10dを施錠する機構である。プリンタ16は、ロール紙に対して情報を印刷する感熱式又はインクジェット式等の印刷部である。
通信部17は、管理サーバ20等の他の装置類とデータ通信するためのインタフェース部である。なお、具体的な通信の手段については、周知の有線通信又は無線通信を用いることができる。
記憶部18は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、鍵管理マスタ18a、鍵貸出履歴情報18b、鍵交換履歴情報18c及び関連鍵情報18d等を記憶する。
鍵管理マスタ18aは、キーホルダの属性、使用権限、鍵交換権限など、キーホルダの使用及び鍵交換に関する各種情報を対応付けたデータである。この鍵管理マスタ18aを参照することにより、各キーホルダの使用権限や鍵交換権限等を確認することができる。図4は、図3に示した鍵管理マスタ18aの一例を示す図であり、図4に示すように、各ホルダ収納部番号について、属性、使用権限及び鍵交換権限が対応付けられている。属性には、鍵の名称と鍵の本数が含まれ、使用権限には、操作員の氏名及びカードIDごとの権限の有無が含まれている。また、鍵交換権限には、操作員の氏名及びカードIDごとの権限の有無が含まれている。例えば、ホルダ収納部番号「1」には、鍵の名称「金庫鍵」、鍵の本数「1」が設定され、また、氏名「A B」、カードID「1001」に対して、ホルダ収納部番号「1」の使用権限及び鍵交換権限「有」、ホルダ収納部番号「2」の使用権限及び鍵交換権限「有」、ホルダ収納部番号「3」の使用権限及び鍵交換権限「有」、ホルダ収納部番号「4」の使用権限及び鍵交換権限「有」等が設定されている。
鍵貸出履歴情報18bは、鍵の貸出の履歴を示すデータである。図5は、図3に示した鍵貸出履歴情報18bの一例を示す図である。図5に示すように、鍵貸出履歴情報18bは、貸出日時、返却日時、カードID、ホルダ収納部番号、キーホルダ14の使用時間が含まれる。例えば、貸出日時「2016 07/16 10:40」にカードID「1101」である操作員によってホルダ収納部番号「3」に対応するキーホルダ14が取り出され、返却日時「2016 07/16 10:53」に返却され、使用時間が13分であることが示されている。
鍵交換履歴情報18cは、鍵交換の履歴を示すデータである。図6は、図3に示した鍵交換履歴情報18cの一例を示す図である。図6に示すように、鍵交換履歴情報18cは、鍵交換日時、操作員カードID、ホルダ収納部番号が含まれている。例えば、交換日時「2016 07/15 18:00」にカードID「1101」である操作員によってホルダ収納部番号「3」に対応するキーホルダ14の鍵が交換されたことを示している。
関連鍵情報18dは、ホルダ収納部番号ごとに、ホルダ収納部番号のキーホルダ14に連結された鍵に関連する鍵が連結されたキーホルダ14が収納されているホルダ収納部13のホルダ収納部番号を示すデータである。図7は、図3に示した関連鍵情報18dの一例を示す図である。図3に示した関連鍵情報18dでは、ホルダ収納番号「2」に連結された鍵に関連する鍵が連結されている関連ホルダ収納部番号が「3」、「4」、「5」であることを示している。ホルダ収納部番号「2」のキーホルダ14に連結される鍵は、貨幣入出金機鍵であり、ホルダ収納番号「3」、「4」、「5」は、それぞれ貨幣入出金機のカセット鍵、メンテナンス鍵、副鍵である。
制御部19は、鍵管理装置10の全体を制御する制御部であり、鍵管理マスタ処理部19a、認証処理部19b、鍵使用操作受付部19c、鍵交換操作受付部19d、ホルダ処理部19e、鍵交換処理部19f及び表示制御部19gを有する。実際には、鍵使用後あるいは鍵交換完了後に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPU(Central Processing Unit)で実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
鍵管理マスタ処理部19aは、管理サーバ20から受信した鍵管理マスタを記憶部18に格納することで鍵管理マスタ18aを更新し、管理サーバ20に対して更新完了を通知する処理を行う。なお、鍵管理装置10が管理サーバ20に接続されない構成である場合、例えば、近距離無線通信機能を備え、鍵管理マスタ18aをあらかじめ記憶部18に記憶させておく。
認証処理部19bは、カードリーダ12によって操作員が所持するカードのカードIDを読み取って、該カードIDの認証処理を行う。この認証処理は、鍵管理マスタ18aを参照して行う。
鍵使用操作受付部19cは、使用する鍵が連結されたキーホルダ14を指定する操作を受け付ける処理部である。鍵使用操作受付部19cは、認証処理部19bによる認証の結果、操作員に鍵を取り出す使用権限が設定されており、操作員が表示操作部11を介し、鍵属性を指定して使用する鍵が連結されたキーホルダ14を特定した場合には、特定したキーホルダ14の鍵使用操作を受け付ける。
鍵交換操作受付部19dは、鍵が連結されたキーホルダ14の鍵交換を指定する操作を受け付ける処理部である。鍵交換操作受付部19dは、認証処理部19bによる認証の結果、操作員に鍵交換権限が設定されおり、操作員が表示操作部11を介し、鍵属性を指定して鍵交換のキーホルダ14を特定した場合には、特定したキーホルダ14の鍵交換操作を受け付ける。
ホルダ処理部19eは、鍵使用及び鍵交換に関する処理を行う処理部である。具体的には、このホルダ処理部19eは、鍵使用操作受付部19cが鍵使用操作を受け付けた場合には、扉施錠機構10cを解錠制御する。そして、ホルダ処理部19eは、鍵使用が特定されたキーホルダ14の上部にあるホルダランプ13aを点滅させる。
また、ホルダ処理部19eは、鍵交換操作受付部19dが鍵交換操作を受け付けた場合には、扉施錠機構10cを解錠制御する。そして、ホルダ処理部19eは、鍵交換が特定されたキーホルダ14の上部にあるホルダランプ13aを点滅させる。さらに、ホルダ処理部19eは、関連鍵情報18dを参照して、鍵交換が特定されたキーホルダ14に連結されている鍵に関連する鍵が連結されているキーホルダ14のホルダランプ13aを点滅させる。
なお、ホルダ処理部19eは、鍵使用あるいは鍵交換によるキーホルダ14が返却されたならば、ホルダ収納部13をロックする。
また、ホルダ処理部19eは、鍵の貸出日時及び返却日時にカードIDとホルダ収納部13の識別情報を対応付けて鍵貸出履歴情報18bに登録する。鍵貸出履歴情報18bには、鍵の使用時間も記録される。また、ホルダ処理部19eは、鍵交換日時にカードIDとホルダ収納部13の識別情報を対応付けて鍵交換履歴情報18cに登録する。
なお、ホルダ収納部13には、キーホルダ14の有無を検知するセンサが設けられている。そして、キーホルダ14が収納されていない状態からキーホルダ14が収納された状態に変化した場合には、キーホルダ14が返却されたものと判定する。
この他、あらかじめ他の装置から鍵使用のキーホルダ14の通知を受け付けることもできる。例えば、貨幣入出金機40にカードIDを読み取らせ、鍵の使用を予約する操作が行われると、貨幣入出金機40から管理サーバ20経由で鍵使用のキーホルダ14の通知を受けるようにしてもよい。貨幣入出金機40の鍵がどのキーホルダ14に保持されているかは、管理サーバ20で判定しても良いし、貨幣入出金機40で判定してもよい。貨幣入出金機40がキーホルダ14を特定する場合には、あらかじめ管理サーバ20から貨幣入出金機40に鍵管理マスタが配信されることになる。
鍵交換処理部19fは、鍵交換操作部15による鍵交換に関する処理を行う処理部である。鍵交換処理部19fは、鍵交換操作受付部19dが鍵交換操作を受け付けた場合には、鍵交換操作部用扉施錠機構10eを解錠制御する。鍵交換処理部19fは、ロック機構を解除し、鍵交換が特定されたキーホルダ14の挿入口15bへの挿入を可能にする。そして、鍵交換が特定されたキーホルダ14の挿入口15bへの挿入によってキーホルダ14のリング開閉機構が開放し、鍵の交換が可能となる。鍵交換操作が完了したキーホルダ14は、もとのホルダ収納部13に収納されることによって鍵交換が完了する。
表示制御部19gは、鍵使用及び鍵交換に関する各種情報を表示操作部11に表示する処理部である。具体的には、表示制御部19gは、鍵使用及び鍵交換の対象となるキーホルダ14を特定操作するための表示操作画面を表示する。また、表示制御部19gは、鍵交換操作受付部19dが鍵交換操作を受け付けた場合には、鍵交換が特定されたキーホルダ14の位置の案内及びキーホルダ14の取り出しが可能である旨の報知のための表示を行う。さらに、表示制御部19gは、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が連結されたキーホルダ14が存在することを報知する表示を行う。
<管理サーバの構成>
次に、図2に示した管理サーバ20の内部構成について説明する。なお、この管理サーバ20は、鍵管理装置10が通信接続される場合の装置構成の一例を示すものである。図8は、図2に示した管理サーバ20の内部構成を示す機能ブロック図である。図8に示すように、管理サーバ20は、表示部21、入力部22、通信部23、記憶部24及び制御部25を有する。
表示部21は、液晶ディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部22は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。通信部23は、鍵管理装置10、管理者端末30、貨幣入出金機40及び重要物管理装置50等と通信を行うための通信インタフェースである。記憶部24は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、鍵管理マスタ24aを記憶する。
制御部25は、管理サーバ20の全体を制御する制御部であり、鍵管理マスタ生成部25a、鍵管理マスタ更新部25b及び更新完了処理部25cを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、鍵管理マスタ生成部25a、鍵管理マスタ更新部25b及び更新完了処理部25cにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
鍵管理マスタ生成部25aは、管理者端末30からの鍵管理マスタ登録要求に基づき鍵管理マスタ24aを生成し、生成した鍵管理マスタ24aを記憶部24に記憶するとともに、該鍵管理マスタ24aを鍵管理装置10などに配信する。
鍵管理マスタ更新部25bは、管理者端末30からの鍵管理マスタ更新要求に基づき、記憶部24の鍵管理マスタ24aを更新し、更新後の鍵管理マスタ24aを鍵管理装置10などに配信する。
更新完了処理部25cは、鍵管理マスタ生成部25a又は鍵管理マスタ更新部25bが鍵管理マスタ24aを配信した後、配信先の鍵管理装置10などから更新完了通知を受信した場合に、鍵管理マスタの配信完了を管理者端末30に通知する処理を行う。
<鍵管理装置の処理>
次に、図3に示した鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例について説明する。図9は、図3に示した鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例を示すフローチャートである。ここでは、鍵交換が特定されたキーホルダ14に連結された鍵に関連する鍵が連結された他のキーホルダ14のホルダランプ13aの点滅及び表示操作部11への表示を、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵交換操作が鍵交換操作部15で完了した時点で行うようにしている。なお、鍵管理装置10の記憶部18にあらかじめ鍵管理マスタ18aが記憶されているものとする。
図9に示すように、まず、ホルダ処理部19eは、鍵交換操作受付部19dが鍵交換操作を受け付けたか否かを判定し(ステップS101)、鍵交換操作を受け付けていないならば(ステップS101;No)、そのまま処理を終了する。これに対して、鍵交換操作を受け付けているならば(ステップS101;Yes)、ホルダ処理部19eは、鍵交換が特定されたキーホルダ14の交換を案内する表示を表示操作部11に表示するとともに、このキーホルダ14のホルダランプ13aを点滅させる(ステップS102)。
その後、鍵交換が特定されたキーホルダ14のホルダ収納部13からの取り出し及び鍵交換操作部15による鍵交換処理を可能にするロック解除を含む鍵交換処理を行う(ステップS103)。その後、ホルダ処理部19eは、鍵交換操作部15からキーホルダ14が取り出されて鍵交換が終了したか否かを判定し(ステップS104)、鍵交換が終了していないならば(ステップS104;No)、ステップS103に戻って鍵交換処理を続行する。これに対し、鍵交換が終了したならば(ステップS104;Yes)、さらに、ホルダ処理部19eは、関連鍵情報18dを参照して、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵があるか否かを判定する(ステップS105)。
鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵があるならば(ステップS105;Yes)、ステップS102に戻り、関連する鍵が連結されたキーホルダ14の交換を案内する表示を表示操作部11に表示するとともに、このキーホルダ14のホルダランプ13aを点滅させる処理を行い、上記の処理を繰り返す。
一方、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵がないならば(ステップS105;No)、関連する鍵交換がないので、ホルダ処理部19eは、表示制御部19gを介して、鍵交換完了表示を表示操作部11に表示させ(ステップS106)、さらに上記の鍵交換処理で鍵交換された鍵交換完了情報を鍵交換履歴情報18cに記憶し(ステップS107)、本処理を終了する。なお、上記の処理は、所定時間毎に繰り返し行う。
次に、図9で説明した鍵交換処理の具体例を説明する。図10は、図9に示した鍵交換処理の具体例を示す説明図である。ここでは、表示操作部11の表示例を中心に説明する。
図10に示す待機画面P1では、「カードをリードしてください」等のメッセージが表示される。この状態で、操作員のカードIDをカードリーダ12により読み取り、カードIDの認証を終えた後に、認証結果が操作員に鍵交換権限が設定されている場合、扉10aの解錠及び鍵交換操作部用扉10dの解錠が行われる。
図10に示した待機画面P1において「モード」ボタンが押下操作されたならば、管理メニュー画面P2が表示操作部11に表示される。この管理メニュー画面には、「1.精査」ボタン、「2.登録」ボタン、「3.削除」ボタン、「4.時刻設定」ボタン及び「5.鍵交換」ボタンが含まれる。
この管理メニュー画面P2において、操作員により「5.鍵交換」ボタンが押下操作されたならば、鍵交換画面P3が表示操作部11に表示される。鍵交換画面P3には、鍵属性情報が表示され、「鍵を選択してください。」とのメッセージが表示される。なお、鍵属性情報とは、キーホルダ14に取り付けられている鍵の名称や本数などに関する情報である。鍵交換画面P3上で鍵交換すべき鍵が選択されたならば、鍵交換画面P4が表示される。鍵交換画面P4には、鍵交換を選択した鍵を連結するキーホルダ「No.2」が収納されるホルダ収納部13の位置と、「キーホルダNo.2を交換してください。」とする鍵交換のメッセージが表示される。また、鍵交換画面P3上で鍵交換すべき鍵が選択されたならば、鍵交換を選択した鍵を連結するキーホルダ「No.2」に対応するホルダランプ13aの点滅処理(A4)を行う。
その後、鍵交換画面P4及びホルダランプ13aの点滅を参考に、キーホルダ「No.2」をホルダ収納部13から取り外し、鍵交換操作部15で鍵交換操作を行い、この鍵交換操作が終了すると、鍵交換画面P5が表示されるとともに、鍵交換された鍵に関連する鍵が連結されたキーホルダ「No.3」に対応するホルダランプ13aの点滅処理(A5)を行う。鍵交換画面P5には、関連する鍵を連結するキーホルダ「No.3」が収納されるホルダ収納部13の位置と、キーホルダNo.3に連結される鍵の鍵属性情報とが表示されるとともに、「キーホルダNo.2が交換されました。関連するキーホルダNo.3を交換してください。」とする鍵交換のメッセージが表示される。
その後、キーホルダNo.3に連結された鍵の鍵交換操作を行い、この鍵交換操作の終了後、さらに、関連する鍵を連結するキーホルダ14、例えばキーホルダNo.4が存在する場合には、このキーホルダNo.4に対する鍵交換画面P5の表示及びホルダランプ13aの点滅処理(A5)を行い、関連する鍵を連結するキーホルダ14が存在しなくなるまで繰り返す。
関連する鍵を連結するキーホルダ14が存在しない場合には、鍵交換終了画面P6が表示操作部11に表示される。鍵交換終了画面P6では、「鍵の交換がすべて終わりました。関連する鍵はありません。」とするメッセージが表示される。なお、鍵交換終了画面P6の表示後、鍵交換履歴情報18cは更新され、鍵管理装置10が管理サーバ20に接続されている場合には、鍵交換履歴情報18cの更新情報は管理サーバ20に通知され、鍵管理装置10が管理サーバ20に接続されていない場合、例えば、操作員は鍵交換履歴情報18cの更新情報をプリンタ16からシートに印刷出力する。管理サーバ20は、鍵交換履歴情報18cの更新情報が印刷出力されたシートから更新情報を読み込んで、この更新情報を記憶部24内に取り込む。
本実施例1では、鍵交換操作受付部19dにより、鍵交換すべき鍵を連結したキーホルダ14が特定された場合、この鍵交換が特定された鍵に関連する鍵を連結するキーホルダ14を収納するホルダ収納部13のホルダランプ13aを点滅して鍵交換すべき鍵が存在することを報知し、また、表示操作部11上に鍵交換すべき鍵が存在することを表示して報知するようにしているので、鍵の交換漏れ又は廃棄漏れを効率良く防止することができる。
ところで、上記の実施例1では、1つの鍵管理装置10が鍵を管理する場合を示したが、本実施例2では、鍵管理装置10とは別体の鍵管理装置である副鍵管理装置110を設けた場合について説明する。すなわち、鍵管理装置10を第一の管理装置とすると、副鍵管理装置110は第二の管理装置となる。第二の管理装置は、鍵管理装置10と同じ構成であってもよいが、本変形例1では、第二の管理装置の一例として、副鍵を管理する副鍵管理装置110を設けている。副鍵管理装置110は、通常使用されない副鍵を管理するため、簡易な構成としている。
<鍵管理システムの概要>
図11は、本実施例2に係る管理システムの概要を示す図である。図11に示すように、鍵管理装置10は、鍵交換操作中に、関連鍵情報18dを参照して、鍵交換すべき副鍵が存在する場合、この副鍵の鍵交換に関する解除情報を二次元バーコード101として、プリンタ16からシート100に印刷出力する。この解除情報には、例えば鍵交換権限と、鍵交換すべき鍵の鍵交換情報とが含まれている。
副鍵管理装置110は、二次元バーコード101を読み取るコード読取部130を有する。コード読取部130は、二次元バーコード101が示す解除情報を読み取る。副鍵管理装置110は、読み取った解除情報を参照して副鍵の交換を可能な状態にする。
<副鍵管理装置の外観構成>
図12は、副鍵管理装置110の外観構成を示す斜視図である。図12に示すように、副鍵管理装置110は、上面に扉110aを有した鍵収納庫110bと、表示操作部111と、コード読取部130と、プリンタ116とを有する。鍵収納庫110bは、鍵が収納されるボックス状の複数の鍵収納部113が設けられている。鍵収納部113は、扉110aが開いていれば、自由に鍵の取り出しが可能である。鍵収納部113の上部には、ホルダランプ13aと同様な鍵収納部ランプ113aが設けられている。
表示操作部111は、タッチパネルディスプレイ等であり、表示操作部11と同様に、操作員による操作入力を受け付けるとともに、各種情報を表示する。表示操作部111は、鍵交換に関連する指示入力及び交換すべき鍵の案内表示を行う。
コード読取部130は、解除情報である二次元バーコード101を読み取る読取部である。プリンタ116は、プリンタ16と同様に、各種情報を印刷出力する。
<副鍵管理装置の内部構成>
次に、図12に示した副鍵管理装置110の内部構成について説明する。図13は、図12に示した副鍵管理装置110の内部構成を示す機能ブロック図である。図13に示すように、副鍵管理装置110は、扉施錠機構110c、表示操作部111、コード読取部130、鍵収納部ランプ113a、プリンタ116、記憶部118及び制御部119を有する。扉施錠機構110cは、鍵収納庫110bの扉110aを施錠する機構である。
記憶部118は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスであり、鍵管理マスタ118a、鍵交換履歴情報118c及び解除情報118e等を記憶する。鍵管理マスタ118a及び鍵交換履歴情報118cは、それぞれ鍵管理マスタ18a及び鍵交換履歴情報18cに対応する。解除情報118eは、二次元バーコード101が示す情報である。
制御部119は、鍵管理装置110の全体を制御する制御部であり、認証処理部119b、鍵交換操作受付部119d、鍵収納処理部119e及び表示制御部119gを有する。実際には、鍵使用後あるいは鍵交換完了後に対応するプログラムを不揮発性メモリや磁気ディスク装置などの記憶装置に記憶しておき、これらのプログラムをメモリにロードして、CPU(Central Processing Unit)で実行することで、対応するプロセスを実行させることになる。
認証処理部119b、鍵交換操作受付部119d、鍵収納処理部119e及び表示制御部119gは、それぞれ認証処理部19b、鍵交換操作受付部19d、ホルダ処理部19e及び表示制御部19gに対応する。
認証処理部119bは、コード読取部130が読み取った解除情報から、操作員のIDを取り出し、鍵管理マスタ118aを参照して認証処理を行う。
鍵交換操作受付部119dは、鍵の交換を受け付ける処理部である。鍵交換操作受付部119dは、認証処理部119bによる認証の結果、コード読取部130が読み取った解除情報118eが示す鍵交換に対する鍵交換権限が操作員に設定されている場合、鍵交換情報が示す鍵交換操作を受け付ける。
鍵収納処理部119eは、鍵交換操作受付部119dが鍵交換操作を受け付けると、鍵交換情報が示す鍵を収納する鍵収納部ランプ113aを点滅させる。さらに、鍵収納処理部119eは、さらに解除情報を参照して、鍵交換をする鍵が存在する場合には、その鍵を収納する鍵収納部ランプ113aを点滅させる。
表示制御部119gは、鍵交換操作受付部119dが受け付けた鍵交換操作に対する案内表示を行うとともに、各種情報の入力を行う。具体的には、鍵交換すべき鍵収納部113の位置を表示するとともに、鍵交換操作の案内表示を行う。
なお、図14に示すように、鍵管理装置10の関連鍵情報18dには、副鍵管理装置110の装置シリアル番号を示す関連鍵管理装置番号と、副鍵管理装置110内の鍵収納部番号とが登録されている。装置シリアル番号は、認証処理に用いることができ、装置シリアル番号が一致し、操作者の鍵交換権限がある場合に、扉110aを解錠することができる。
<鍵管理装置の処理>
次に、本実施例2における鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例について説明する。図15は、本実施例2における鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15に示すように、ステップS201〜S204の処理は、図9に示した実施例1のステップS101〜S104と同じ処理である。ステップS204において、鍵交換が終了したならば(ステップS204;Yes)、さらに、ホルダ処理部19eは、関連鍵情報18dを参照して、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵交換の対象となる鍵が、鍵管理装置10内にあるか否かを判定する(ステップS205)。
鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10内に存在する場合には(ステップS205;Yes)、ステップS202に戻り、関連する鍵が連結されたキーホルダ14の交換を案内するメッセージを表示操作部11に表示するとともに、このキーホルダ14のホルダランプ13aを点滅させる処理を行い、上記の処理を繰り返す。
一方、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10内にない場合には(ステップS205;No)、さらに、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10外にあるか否かを判定する(ステップS206)。ここでは、鍵管理装置10外の装置とは副鍵管理装置110である。鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10外にないならば(ステップS206;No)、本処理を終了する。
これに対し、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10外に存在するならば(ステップS206;Yes)、鍵管理装置10外の鍵交換情報を含む解除情報を生成して、プリンタ116から印刷出力し(ステップS207)、本処理を終了する。なお、上記の処理は、所定時間毎に繰り返し行う。
<副鍵管理装置の処理>
次に、本実施例2における副鍵管理装置110の鍵交換処理手順の一例について説明する。図16は、本実施例2における副鍵管理装置110の鍵交換処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16に示すように、まず、鍵収納処理部119eは、鍵交換操作受付部119dが鍵交換操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS301)。なお、鍵交換操作受付部119dは、コード読取部130が読み取った解除情報118e内の操作者のIDが、認証処理部119bによって鍵交換権限を有すると認証され、鍵交換情報が示す鍵交換すべき鍵が存在する場合に、鍵交換操作の受け付けがあったものを判定する。この鍵交換操作の受け付けがあった場合、鍵収納処理部119eは、扉施錠機構110cを解錠し、扉110aを開放する。
鍵収納処理部119eは、鍵交換操作を受け付けていないならば(ステップS301;No)、そのまま処理を終了する。これに対して、鍵交換操作を受け付けているならば(ステップS301;Yes)、鍵収納処理部119eは、鍵交換が特定された鍵の交換を案内するメッセージを表示操作部111に表示するとともに、この鍵収納部113の鍵収納部ランプ113aを点滅させる(ステップS302)。
その後、鍵収納処理部119eは、表示操作部111において、鍵交換が特定された鍵収納部113における鍵交換終了の入力があったか否かを判定し(ステップS303)、鍵交換終了の入力がないならば(ステップS303,No)、ステップS303の判定処理を繰り返し、鍵交換終了の入力があったならば(ステップS303,Yes)、解除情報118eを参照して、さらに関連する鍵があるか否かを判定する(ステップS304)。関連する鍵があるならば(ステップS304;Yes)、ステップS302に戻って次の鍵交換処理を続行する。
これに対し、関連する鍵がないならば(ステップS304;No)、鍵交換完了情報を鍵交換履歴情報118cに記憶し(ステップS305)、さらに鍵交換完了情報をプリンタ116から二次元バーコードで印刷出力し(ステップS306)、本処理を終了する。なお、上記の処理は、所定時間毎に繰り返し行う。
なお、鍵管理装置10は、コード読取部130に対応したコード読取部を設け、このコード読取部が、ステップS306で印刷出力された二次元バーコードを読み取ることによって、鍵管理装置10の鍵交換履歴情報18cが更新される。
また、鍵管理装置10のプリンタ16は、二次元バーコードではなく、文字や記号として解除情報を印字出力してもよい。この場合、副鍵管理装置110は、コード読取部130を設けず、操作員が直接、表示操作部111から解除情報の入力を行うことになる。
さらに、副鍵管理装置110における鍵交換は、扉110aが開放されるのみで、具体的な鍵交換履歴は表示操作部111に対する操作員の入力に従っている。このため、鍵交換履歴情報118cには、扉110aの扉開閉情報を追加記憶する。
本実施例2では、副鍵管理装置110などの第二の鍵管理装置を設ける場合であっても、他の装置の解除情報を二次元バーコードとして印刷媒体に出力し、この二次元バーコードをコード読取部130が読み取ることによって、第一の管理装置である鍵管理装置10と第二の管理装置である副鍵管理装置110とにおける、関連する鍵交換の管理連携を簡易な構成で行うことができる。
特に、副鍵を管理する副鍵管理装置110は、使用頻度が少なく、物理的に離隔した位置に配置される場合が多く、鍵交換時に副鍵の鍵交換漏れや鍵廃棄漏れが生じやすいが、本実施例2では、鍵管理装置10側において副鍵管理装置110での副鍵の鍵交換があることを報知するようにしているので、上記の副鍵の鍵交換漏れや鍵廃棄漏れを防止することができる。
<変形例1>
上記の実施例2では、他の装置の解除情報を二次元バーコードとして印刷媒体に出力し、この二次元バーコードをコード読取部130が読み取ることによって、第一の管理装置である鍵管理装置10と第二の管理装置である副鍵管理装置110とにおける、関連する鍵交換の管理連携を簡易な構成で行うようにしていたが、本変形例1では、印刷媒体に替えて、ICタグを用いるようにしている。
図17は、本変形例1に係る管理システムの概要を示す図である。図17に示すように、本変形例1では、鍵管理装置10のキーホルダ14内にRFIDタグなどのICタグ140が内蔵されている。また、鍵管理装置10及び副鍵管理装置110には、ICタグ140の情報読込とICタグ140に対する情報書込とを行うICタグリーダライタ60,160がそれぞれ設けられている。
鍵管理装置10のホルダ処理部19eは、鍵管理装置10内の鍵交換に関連する鍵が副鍵管理装置110に存在する場合、上記の報知とともに、ICタグリーダライタ60を用いてキーホルダ14内のICタグ140に解除情報118eを書き込む。操作員は、解除情報118eが書き込まれたICタグ140を内蔵するキーホルダ14を副鍵管理装置110に持っていき、ICタグリーダライタ160によりICタグ140に書き込まれた解除情報118eを読み込む。これにより、実施例2と同様に、鍵管理装置10と副鍵管理装置110との間における鍵交換の管理連携を簡易な構成で行うことができる。なお、解除情報118eが書き込まれるキーホルダ14は、鍵交換されたキーホルダ14であってもよいし、任意のキーホルダ14であってもよいし、全てのキーホルダ14であってもよい。ただし、ホルダ処理部19eは、操作員に鍵交換操作が許されたキーホルダ14のみを取り出し可能にする。
<変形例1の鍵管理装置の処理>
次に、本変形例1における鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例について説明する。図18は、本変形例1における鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例を示すフローチャートである。
図18に示すように、ステップS401〜S406の処理は、図15に示した実施例2のステップS201〜S206と同じ処理である。ステップS406において、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10外にあるならば(ステップS406;Yes)、鍵管理装置10外の鍵交換情報を含む解除情報を生成して、鍵交換されたキーホルダ14のICタグ140に解除情報を書き込み、このキーホルダ14の取り出しを可能にし(ステップS407)、本処理を終了する。なお、上記の処理は、所定時間毎に繰り返し行う。
<変形例2>
上記の実施例2では、他の装置の解除情報を二次元バーコードとして印刷媒体に出力し、この二次元バーコードをコード読取部130が読み取ることによって、第一の管理装置である鍵管理装置10と第二の管理装置である副鍵管理装置110とにおける、関連する鍵交換の管理連携を簡易な構成で行うようにしていたが、本変形例2では、印刷媒体に替えて、無線通信部70,170による無線通信で鍵交換の管理連携を行うようにしている。
図19は、本変形例2に係る管理システムの概要を示す図である。図19に示すように、本変形例2では、鍵管理装置10及び副鍵管理装置110がそれぞれ無線通信部70,170を有している。無線通信部70,170は、例えば、WiFi(登録商標)などの無線LANを構築する手段である。
鍵管理装置10のホルダ処理部19eは、鍵管理装置10内の鍵交換に関連する鍵が副鍵管理装置110に存在する場合、無線通信部70,170間の通信を確立し、無線通信部70から無線通信部170に対して解除情報118eに送信する。これにより、実施例2と同様に、鍵管理装置10と副鍵管理装置110との間における鍵交換の管理連携を簡易な構成で行うことができる。
<変形例2の鍵管理装置の処理>
次に、本変形例2における鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例について説明する。図20は、本変形例2における鍵管理装置10の鍵交換処理手順の一例を示すフローチャートである。
図20に示すように、ステップS501〜S506の処理は、図15に示した実施例2のステップS201〜S206と同じ処理である。ステップS506において、鍵交換が特定されたキーホルダ14の鍵に関連する鍵が、鍵管理装置10外にあるならば(ステップS506;Yes)、無線通信部70,170間の通信接続を確立し(ステップS507)、この無線回線を介して、鍵管理装置10外の鍵交換情報を含む解除情報を生成して、送信する(ステップS508)。その後、鍵管理装置10は、無線通信部70,170間の通信接続を切断して(ステップS509)、本処理を終了する。なお、上記の処理は、所定時間毎に繰り返し行う。
<変形例3>
上記の変形例2では、鍵管理装置10と副鍵管理装置110とが無線通信部70,170によって直接接続されるものであったが、変形例3の管理システムでは、管理サーバ20を介して鍵管理装置10と副鍵管理装置110とが接続されるようになっている。
図21は、本変形例3に係る管理システムの概要を示す図である。図21に示すように、本変形例3では、鍵管理装置10がネットワークNを介して管理サーバ20に常時接続されている。一方、副鍵管理装置110は、管理サーバ20に設けられた近距離無線通信部270と副鍵管理装置110に設けられた無線通信部170との無線通信回線N1の確立によって通信接続される。
図22は、本変形例3にかかる管理サーバ20の内部構成の一例を示す機能ブロック図である。図22に示すように、管理サーバ20は、図8に示した管理サーバ20に対し、制御部25に解除情報通知部25dを有し、記憶部24には解除情報24eが記憶される。また、管理サーバ20には、無線通信部270が設けられる。
なお、本図では通信部23と無線通信部270は、異なる通信部であるとしたが、これに限らず、一つの通信部で鍵管理装置10と、副鍵管理装置110に接続するようにしてもよい。また、通信の手段は有線であっても無線であってもよく、通信の方式もWiFi(登録商標)に限らず、Bluetooth(登録商標)やGigBee(登録商標)などの他の方式であっても良い。
解除情報通知部25dは、鍵管理装置10から通知された解除情報24eを記憶部24に記憶する。解除情報通知部25dは、鍵管理装置10から解除情報24eが通知された場合、無線通信部270,170との間の無線通信を確立し、解除情報24eを副鍵管理装置110に通知する。
<変形例3の管理システムの処理>
次に、本変形例3における管理システムの鍵交換処理手順の一例について説明する。図23は、本変形例3における管理システムの鍵交換処理手順の一例を示すシーケンス図である。
図23に示すように、まず、鍵管理装置10は、解除情報が生成された場合、この解除情報を管理サーバ20に送信する(ステップS601)。管理サーバ20は、鍵管理装置10から解除情報を受信すると、この解除情報を解除情報24eとして記憶部24に記憶する(ステップS602)。
その後、管理サーバ20は、副鍵管理装置110との間の無線通信を確立する(ステップS603)。そして、管理サーバ20は、記憶部24に記憶されている解除情報24eを副鍵管理装置110に送信する(ステップS604)。その後、管理サーバ20は、確立されていた無線通信を切断する(ステップS605)。
その後、副鍵管理装置110は、解除情報24eを用いて鍵交換処理を行う(ステップS606)。そして、副鍵管理装置110は、管理サーバ20との間の無線通信を確立する(ステップS607)。そして、鍵交換処理の結果である鍵交換履歴情報118cを管理サーバ20に送信する(ステップS608)。その後、副鍵管理装置110は、確立されていた無線通信を切断する(ステップS609)。
その後、管理サーバ20は、鍵交換履歴情報118cを鍵管理装置10に送信する(ステップS610)。鍵管理装置10は、受信した鍵交換履歴情報を鍵交換履歴情報18cとして記憶部18に記憶し(ステップS611)、本処理を終了する。
<変形例4>
上記の実施例1,2及び変形例1〜3は、いずれも1つの店舗内の構成であることを前提としている。本変形例4では、図24に示すように、鍵管理装置10に対応する鍵管理装置10A、10B、10Cをそれぞれ支店A、B、Cに配置し、鍵管理装置10A、10B、10Cが外部のネットワークNを介して、外部のサーバ装置320に接続される。副鍵管理装置110A、110B、110Cは、それぞれ実施例2、変形例1、2に対応した接続形態で接続される。
サーバ装置320は、例えば本店内に配置され、鍵管理装置10A、10B、10Cを介して、鍵管理装置10A、10B、10C及び副鍵管理装置110A、110B、110Cの鍵管理を統括的に行う。したがって、サーバ装置320は、鍵管理装置10A、10B、10C及び副鍵管理装置110A、110B、110Cの鍵管理マスタ、鍵貸出履歴情報、鍵交換履歴情報、関連鍵情報を記憶して管理している。
これにより、サーバ装置320は、全店一括して鍵管理を行うことが可能になり、現地支店における鍵に関する監査を行う必要がなくなる。
なお、副鍵管理装置110A、110B、110Cは、それぞれ対応する鍵管理装置10A、10B、10Cが配置される支店A、B、Cに配置する必要はない。逆に、いずれかの異なる支店A、B、Cに配置したり、支店A、B、C間で入れ替えて配置するようにしてもよい。このようにすると、鍵管理上のリスクを回避することができる。
また、上記の実施例1,2及び変形例1〜4において、鍵管理装置10は、例えば重要物管理装置50内の一部機能として組み込んでもよい。また、鍵管理装置10の鍵交換操作部15は、鍵管理装置10から切り離して別体としてもよい。
さらに、関連する鍵に包含関係を持たせても良い。例えば、鍵「C」が鍵「B」に包含され、鍵「B」が鍵「A」に包含される関係がある場合に、鍵「B」の鍵交換があった場合、すべての鍵「A」、「B」、「C」を関連する鍵とするのではなく、鍵「B」に包含される鍵「C」のみを関連する鍵としてもよい。
また、上記の実施例で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。