JP2019173171A - ステンレス鋼の熱処理方法 - Google Patents

ステンレス鋼の熱処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019173171A
JP2019173171A JP2019059543A JP2019059543A JP2019173171A JP 2019173171 A JP2019173171 A JP 2019173171A JP 2019059543 A JP2019059543 A JP 2019059543A JP 2019059543 A JP2019059543 A JP 2019059543A JP 2019173171 A JP2019173171 A JP 2019173171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
temperature
treatment
nitrogen
furnace
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019059543A
Other languages
English (en)
Inventor
康弘 岩佐
Yasuhiro Iwasa
康弘 岩佐
茂敬 松田
Shigetaka Matsuda
茂敬 松田
研児 土井
Kenji Doi
研児 土井
寿 北垣
Hisashi Kitagaki
寿 北垣
俊太郎 寺内
Shuntaro Terauchi
俊太郎 寺内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Yakin Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Osaka Yakin Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Yakin Kogyo Co Ltd filed Critical Osaka Yakin Kogyo Co Ltd
Publication of JP2019173171A publication Critical patent/JP2019173171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)

Abstract

【課題】困難ではない手法を用いて、ステンレス鋼の強度と耐食性とを確実に両立させることができるようにする。【解決手段】マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で240〜800分保持し、そのときの炉内圧力を1×104〜3×105Paとし、その後に0℃以下の温度まで冷却し、さらに、その後に450℃以下の温度に加熱する。フェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で180〜600分保持し、そのときの炉内圧力を1×104〜3×105Paとし、その後に450℃以下の温度に加熱する。【選択図】図1

Description

本発明はステンレス鋼の熱処理方法に関する。
たとえばマルテンサイト系ステンレス鋼は、高強度であり、しかも高硬度で耐摩耗性に優れるという長所がある。しかし、他のステンレス鋼に比べて耐食性が必ずしも十分ではないという欠点がある。その対策として、特許文献1では、マルテンサイト系ステンレス鋼の表層に単体の炭素および窒素を所定量含有させてその硬度を高くするとともに、その表層における炭化物および窒化物の合計析出量をきわめて低く抑えることによって、これらを成分とするクロム化合物量を減少させて単体のクロムを増加させ、それによって耐食性の向上を図っている。
特開2014−101904号公報
しかし、特許文献1に記載のレベルまで炭化物および窒化物の析出量を低減させることは、実際問題として容易ではない。特に炭化物の析出量を低減させることは困難である。
そこで本発明は、このような問題点を解決し、困難ではない手法を用いて、ステンレス鋼の強度と耐食性とを確実に両立させることができるようにすることを目的とする。
この目的を達成するため、本発明のステンレス鋼の熱処理方法は、マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で240〜800分保持し、そのときの炉内圧力を1×10〜3×10Paとし、その後に0℃以下の温度まで冷却し、さらに、その後に450℃以下の温度に加熱することを特徴とする。
本発明の他のステンレス鋼の熱処理方法は、フェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で180〜600分保持し、そのときの炉内圧力を1×10〜3×10Paとし、その後に450℃以下の温度に加熱することを特徴とする。
本発明のステンレス鋼の熱処理方法によれば、マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気でしかも圧力を1×10〜3×10Paとした炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で240〜800分または180〜600分保持するため、窒素がステンレス鋼の表面に固溶される。そのとき、窒素加圧雰囲気であるために窒素の固溶量を多くすることができ、また1000℃を超える高温であるために窒素の拡散速度を高くすることができ、しかもステンレス鋼に含まれる鉄やクロムと窒素との化合物を形成させないという利点がある。
このため本発明によれば、ステンレス鋼がマルテンサイト系ステンレス鋼である場合には、マルテンサイト系ステンレス鋼の本来の特性である高硬度を維持しながら、その耐食性を向上させることができる。ステンレス鋼がフェライト系ステンレス鋼である場合にも、硬度などのフェライト系ステンレス鋼の本来の特性を維持したまま、その耐食性を向上させることができる。
本発明の実施の形態のマルテンサイト系ステンレス鋼の熱処理方法のタイムチャートを示す図である。 熱処理されたマルテンサイト系ステンレス鋼についての、表面からの深さ方向の距離と孔食電位との関係を例示する図である。
[高温熱処理]
本発明のステンレス鋼の熱処理方法においては、主としてステンレス鋼の硬度を高くすることを目的として、まず、ステンレス鋼の表面に窒素を固溶させる。このときに、窒化物および炭化物、すなわち、ステンレス鋼を構成するクロムと、窒素や炭素との化合物を、実質的に形成しないようにする。窒化物、炭化物が生成されると、それによる硬度の上昇は期待されるが、ステンレス鋼の特長であるところの、クロムによる不働態被膜の形成が妨げられることになり、その分だけ耐食性の低下を招くためである。窒素が固溶されていると、何らかの理由によって不働態被膜が破壊されてしまった場合でも、その固溶している窒素が不動態被膜の修復を促進することからも、素材のステンレス鋼を上回る耐食性を達成することができる。
ステンレス鋼の表面に窒素を固溶させる処理を行うときには、ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で、マルテンサイト系ステンレス鋼の場合は240〜800分保持し、フェライト系ステンレス鋼の場合は180〜600分保持し、そのときの炉内圧力を1×10〜3×10Paとする。
まず、処理温度について説明する。本発明のように窒素を固溶するのではなく、窒化物を形成することを目的とした一般的な窒化処理においては、その処理温度は450〜570℃程度である。上述の特許文献1の場合は一般的な温度範囲よりも高温であり、950〜1050℃での処理が行われている。これに対し本発明では、さらに高温の範囲である上述の1000℃以上かつ1200℃以下の温度範囲とすることが必要である。この温度範囲とすることで、上述のように窒化物、炭化物を実質的に形成することなく、もっぱら窒素を固溶させることができる。また、上記の温度範囲よりも低温で熱処理する場合と比べて、窒素の拡散速度を高くすることができ、さらに拡散層すなわち窒素が固溶している範囲を深いものとすることができる。加えて、1200℃以下の温度範囲とすることにより、結晶粒径の粗大化を抑制することができる。この観点から、本発明においては、マルテンサイト系ステンレス鋼の場合は1050℃以上かつ1200℃以下の温度範囲とすることが好ましく、1070℃以上かつ1200℃以下の温度範囲とすることがさらに好ましい。また、フェライト系ステンレス鋼の場合は1050℃以上かつ1200℃以下の温度範囲とすることが好ましく、1070℃以上かつ1200℃以下の温度範囲とすることがさらに好ましい。
処理時間は、処理対象がマルテンサイト系ステンレス鋼の場合は240〜800分であることが必要であり、処理対象がフェライト系ステンレス鋼の場合は180〜600分であることが必要である。この範囲で、窒素が飽和状態で固溶するまでの時間を掛けることが望ましい。また、時間を掛けるほど、固溶した窒素が対象物の内部において良好に拡散する。詳細な処理時間は、この範囲内で、処理対象物の材質や、製品に必要とされる性能などに応じて変化させることになる。ただし、あまりに長時間の処理を行うと、過飽和の状態となって、窒化物が生成し始めるため、そのような事態の発生は避けなければならない。その意味で、処理対象がマルテンサイト系ステンレス鋼の場合の好ましい処理時間の範囲は、240分〜600分である。特に、処理時間を600分程度とすると、窒素の固溶状態の安定性をきわめて良好なものとすることができる。また処理対象がフェライト系ステンレス鋼の場合の好ましい処理時間の範囲は、180分〜400分である。
高温熱処理は、真空雰囲気、すなわち処理炉内の空気を排出した雰囲気で、そこに低圧の窒素を導入することにより行う。その時の導入窒素の圧力は、1×10〜3×10Pa(およそ100mbar〜3000mbar)とする。この範囲の窒素圧力とすることで、窒素の固溶量を大きくすることができる。しかし、窒素圧力を高くしすぎると、窒化物が生成し始める。このため、より好ましい範囲は1×10〜1×10Pa(およそ100mbar〜1000mbar)である。場合によっては、炉内の酸素分圧を低下させることを目的として、高温での熱処理を開始した直後かつ窒素を導入する前の短い時間のみ、一時的に、10Pa(10mbar)以下の低圧状態としてもよい。
本発明において、ステンレス鋼の固溶処理は、ステンレス鋼に窒素を導入する処理すなわち本来の固溶処理と、それに続いて、固溶した窒素をステンレス鋼内で拡散させる拡散処理とに分けることができる。一方、処理温度、処理時間、窒素圧力の詳細は、対象となるステンレス鋼の材質、目的とする物性などによって、上記の範囲内で任意に変更することができる。一般的な傾向としては、本来の固溶処理の際には、必要量の窒素を固溶させるために、拡散処理の際に比べて窒素圧力を高くすることが好ましい。また拡散処理の際には、良好な拡散状態を達成するために、本来の固溶処理の際よりも長時間の処理とすることが好ましい。
処理炉の中へ窒素を導入するときには、炉内雰囲気における酸素分圧を下げた状態で炉内へ窒素を供給することが好ましい。酸素分圧が高いと、処理対象のステンレス鋼の表面が酸化してしまって、その内部へ窒素を固溶させることが困難となる。このため、炉内の真空化すなわち炉内の酸素の排出と、その後の炉内への窒素の導入とを、複数回に分けて行うと効果的である。
[サブゼロ処理]
ステンレス鋼がマルテンサイト系ステンレス鋼である場合には、高温での熱処理が終了したなら、その後に温度を下げたうえで、対象物を炉内から取り出す。そして、対象物を専用の設備に搬入して、0℃以下の温度で処理を行う。この処理を行うことで、対象物に所要の硬度を付与し、使用時の変寸を抑制することができる。具体的には、数十分程度の時間をかけて、炉内温度をマイナス数十℃程度まで低下させる。その後は、あまり長時間をおかずに、対象物の取り出しを行う。より詳細には、処理空間内に窒素を導入し、その圧力を1×10Pa程度とし、たとえば温度−75℃、時間60分程度で処理を行う。
ステンレス鋼がフェライト系ステンレス鋼である場合には、高温での熱処理の後に、サブゼロ処理を省略したうえで、後述の焼戻し熱処理を行う。サブゼロ処理を省略しても、所要の性能を達成可能なためである。あるいは、フェライト系ステンレス鋼である場合においても、マルテンサイト系ステンレス鋼の場合と同様のサブゼロ処理を実施することもできる。サブゼロ処理を実施することで、後述する焼戻し熱処理を行った後の硬度を飛躍的に高めることができる。
[焼戻し熱処理]
サブゼロ処理が終了したなら、次に焼戻し熱処理を行う。この焼戻し熱処理を実施することによっても、ステンレス鋼の耐食性を向上させることができる。焼戻し熱処理に際しては、その処理温度を450℃以下とする。450℃を超えると、窒化物が形成されることで耐食性が低下するなどの弊害が生じる。具体的な処理温度は、処理対象物の材質や、製品に必要とされる性能などに応じて、適宜に変更することができる。処理炉は、一般的な大気炉を用いることができる。処理時間も、処理対象物の材質や、製品に必要とされる性能などに応じて、適宜に変更することができるが、一般的には数時間程度が好適である。処理後は、大気中で放冷する。
[処理方法のまとめ]
以上の処理をチャート化すると、図1に示すようになる。図1は、対象をマルテンサイト系ステンレス鋼としてサブゼロ処理を行う場合を示している。対象がフェライト系ステンレス鋼である場合には、サブゼロ処理が省略される場合と、同様にサブゼロ処理が実施される場合とがある。
[処理したステンレス鋼の物性]
本発明の方法による熱処理を施したステンレス鋼は、マルテンサイト鋼であっても、またフェライト鋼であっても、硬度と耐食性とを兼備することができる。
詳細には、硬度として、マルテンサイト系ステンレス鋼の場合は、マイクロビッカース硬度500以上を達成することができ、マイクロビッカース硬度700以上を達成することもできる。フェライト系ステンレス鋼の場合は、マイクロビッカース硬度500以上を達成することができ、特にサブゼロ処理を併用した場合にはマイクロビッカース硬度640以上を達成することもできる。
耐食性について、マルテンサイト系ステンレス鋼の場合は、本発明の熱処理を施さない場合の孔食電位は−0.4V〜0.1V程度であるが、本発明の処理を施すことによって、これを0.15〜0.30V程度まで向上させることができる。すなわち、従来の熱処理方法においては、マルテンサイト系ステンレス鋼について、その硬度を向上させることはできたが、その硬度の向上と耐食性の向上とを両立させることは達成されていない。これに対し、本発明によれば、硬度の向上と、耐食性の向上とを、問題なく両立させることができる。フェライト系ステンレス鋼の場合は、本発明の熱処理を施さない場合の孔食電位は0V〜0.15V程度であるが、本発明の処理を施すことによって、これを0.3〜0.5V程度まで向上させることができる。孔食電位は、JIS G0577:2005 A法にしたがって測定される。
特に本発明によれば、ステンレス鋼の最表面の耐食性に比べて、最表面から数μm〜10μm程度の範囲の耐食性を格段に向上させることができる。図2は、表面からの距離(μm)と孔食電位(V)との関係の一例を示す測定結果である。その詳細は後述する。
(実施例1)
JIS G4303に規定されるSUS420J2マルテンサイト鋼について、処理を施した。窒素雰囲気における熱処理温度は1100℃に設定し、昇温に際しては300℃と850℃とにおいて一時的に温度保持して、段階的に1100℃に到達させた。そして、1100℃で273分間保持し、その後に室温まで降温させた。1100℃に保った状態で、炉内の窒素圧力を本来の固溶処理のために10Paのレベルで高圧に保った状態と、拡散処理のために10Paのレベルで固溶処理の場合よりも低圧に保った状態とを、それぞれ所定時間ずつ持続させた。
その後に、−75℃×1時間のサブゼロ処理を施し、さらに450℃×3時間の焼戻し処理を行った。それによって、マイクロビッカース硬度600以上を達成することができた。孔食電位に関し、本発明の熱処理を施さない場合は0V程度であるが、これを0.1V以上に向上させることができた。
(実施例2)
実施例1と比べて、1100℃で保持する時間を435分に変更し、また焼戻し温度を160℃に変更した。そして、それ以外は実施例1と同じとして、処理を行った。その結果、マイクロビッカース硬度700以上、孔食電位0.24V以上を達成することができた。
(実施例3)
実施例2と比べて、1100℃で保持する時間を595分に変更した。そして、それ以外は実施例2と同じとして、処理を行った。その結果、マイクロビッカース硬度700以上、孔食電位0.28V以上を達成することができた。
図2は、実施例3により熱処理されたマルテンサイト鋼の、表面からの深さと孔食電位との関係についての測定結果を示す。図示のように、最表面の耐食性よりも、深さ方向に5μmほど入り込んだ部分での耐食性の方が向上しており、その部分において上記の0.28V以上の孔食電位が測定されている。
(実施例4)
実施例1と比べて、本来の固溶処理の際の炉内の窒素圧力を2.0×10Paに変更した。そして、それ以外は実施例1と同じとして、処理を行った。その結果、十分な固溶処理が行われて、マイクロビッカース硬度700以上を達成することができた。
(実施例5)
JISに規定されるSUS430フェライト鋼について、処理を施した。窒素雰囲気における熱処理温度は1100℃に設定し、昇温に際しては850℃において一時的に温度保持したうえで1100℃に到達させた。そして、1100℃で215分保持し、その後に室温まで降温させた。1100℃に保った状態で、炉内の窒素圧力を本来の固溶処理のために10Paのレベルで高圧に保った状態と、拡散処理のために10Paのレベルで固溶処理の場合よりも低圧に保った状態とを、それぞれ所定時間ずつ持続させた。
その後に、サブゼロ処理は施さずに、450℃×3時間の焼き戻し処理を行った。それによって、マイクロビッカース硬度600以上を達成することができた。孔食電位に関し、本発明の熱処理を施さない場合は0V程度であるが、これを0.1V以上に向上させることができた。
(実施例6)
実施例5と比べて、熱処理温度を1150℃に変更した。そして、それ以外は実施例5と同じとして、処理を行った。その結果、対象フェライト鋼の表面マイクロビッカース硬度650以上を達成することができた。
(実施例7)
実施例5と比べて、処理時間を335分に変更した。そして、それ以外は実施例5と同じとして、処理を行った。その結果、実施例5と比べて処理時間を長くしたことで、その分だけ十分な拡散処理を行うことが可能であった。対象フェライト鋼の表面マイクロビッカース硬度500以上を達成することができた。孔食電位は、実施例5の0.3Vを0.47V以上に向上させることができた。
(実施例8)
本来の固溶処理の際の炉内の窒素圧力を実施例6と比べて低く設定した。そして、それ以外は実施例6と同じとして、処理を行った。その結果、十分な固溶処理が行われて、マイクロビッカース硬度600以上を達成することができた。
(実施例9)
実施例5と比べて、熱処理温度を1200℃に変更した。そして、それ以外は実施例5と同じとして、処理を行った。その結果、マイクロビッカース硬度650以上を達成することができた。
(実施例10)
JISに規定されるSUS430フェライト鋼について、処理を施した。窒素雰囲気における熱処理温度は1100℃に設定し、昇温に際しては300℃と850℃とにおいて一時的に温度保持したうえで1100℃に到達させた。そして、1100℃で335分保持し、その後に室温まで降温させた。1100℃に保った状態で、炉内の窒素圧力を本来の固溶処理のために10Paのレベルで高圧に保った状態と、拡散処理のために10Paのレベルで固溶処理の場合よりも低圧に保った状態とを、それぞれ所定時間ずつ持続させた。
その後に、−75℃×1時間のサブゼロ処理を施し、さらに160℃×3時間の焼戻し処理を行った。それによって、マイクロビッカース硬度640を達成することができた。孔食電位は0.44V以上に向上させることができた。

Claims (2)

  1. マルテンサイト系ステンレス鋼またはフェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で240〜800分保持し、そのときの炉内圧力を1×10〜3×10Paとし、
    その後に0℃以下の温度まで冷却し、
    さらに、その後に450℃以下の温度に加熱することを特徴とするステンレス鋼の熱処理方法。
  2. フェライト系ステンレス鋼を、窒素雰囲気の炉内で1000℃以上かつ1200℃以下の温度で180〜600分保持し、そのときの炉内圧力を1×10〜3×10Paとし、
    その後に450℃以下の温度に加熱することを特徴とするステンレス鋼の熱処理方法。
JP2019059543A 2018-03-27 2019-03-27 ステンレス鋼の熱処理方法 Pending JP2019173171A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018059116 2018-03-27
JP2018059116 2018-03-27

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019173171A true JP2019173171A (ja) 2019-10-10

Family

ID=68166598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019059543A Pending JP2019173171A (ja) 2018-03-27 2019-03-27 ステンレス鋼の熱処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019173171A (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07278762A (ja) * 1994-04-06 1995-10-24 Fag Kugelfischer Georg Schaefer Ag 窒素肌焼き用ステンレス鋼
JP2007321198A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Nano Gijutsu Kenkyusho:Kk 表面硬化遷移金属及びその製造方法
JP2010138425A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Minebea Co Ltd マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2014181397A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Denso Corp フェライト系ステンレス鋼製品の製造方法
WO2017150738A1 (ja) * 2016-03-04 2017-09-08 日立金属株式会社 ステンレス鋼部材およびその製造方法、ならびに、ステンレス鋼部品およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07278762A (ja) * 1994-04-06 1995-10-24 Fag Kugelfischer Georg Schaefer Ag 窒素肌焼き用ステンレス鋼
JP2007321198A (ja) * 2006-05-31 2007-12-13 Nano Gijutsu Kenkyusho:Kk 表面硬化遷移金属及びその製造方法
JP2010138425A (ja) * 2008-12-09 2010-06-24 Minebea Co Ltd マルテンサイト系ステンレス鋼
JP2014181397A (ja) * 2013-03-21 2014-09-29 Denso Corp フェライト系ステンレス鋼製品の製造方法
WO2017150738A1 (ja) * 2016-03-04 2017-09-08 日立金属株式会社 ステンレス鋼部材およびその製造方法、ならびに、ステンレス鋼部品およびその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
RU2366746C2 (ru) Способ термообработки конструктивного элемента из прокаливаемой жаростойкой стали и конструктивный элемент из прокаливаемой жаропрочной стали
US8733199B2 (en) Gears and its process of manufacture
JP5680185B2 (ja) 金属コンポーネントの浸炭窒化法
JP2009079294A (ja) 転がり負荷用に形成された、コアゾーンまで硬化する鋼からなる工作物および熱処理する方法
JP4876668B2 (ja) 鋼部材の熱処理方法
JP2006028541A (ja) 高強度機械構造用部品の製造方法、および高強度機械構造用部品
JP2007238969A (ja) 窒化処理方法
CN110144546B (zh) 一种发动机正时链条销轴碳氮共渗工艺
JP3867376B2 (ja) 転動部材の製造方法
JP4711403B2 (ja) 鋼製ばね部材及びその製造方法
JP2019173171A (ja) ステンレス鋼の熱処理方法
JP5944797B2 (ja) 鉄基合金材及びその製造方法
JP3159372B2 (ja) 金型およびその焼入れ方法
JP2002256336A (ja) 高周波焼入れ方法および鋼部品
CN106244979A (zh) 一种提高中碳铬锰钢氮化白层硬度的方法
JP3301857B2 (ja) 浸炭処理方法
JP2015232164A (ja) 転がり軸受の製造方法及び熱処理装置
JP5130150B2 (ja) 高周波焼入れ方法および軸受部品
JP6759842B2 (ja) 鋼材の製造方法
JP6171910B2 (ja) 鉄系金属部品の製造方法
JP2015059248A (ja) 鋼の熱処理方法
US10894992B2 (en) Method for producing steel member
JP2013194292A (ja) 軌道盤、スラストニードルころ軸受およびこれらの製造方法
JP2007077425A (ja) 浸炭方法および浸炭部材
JP2733608B2 (ja) 軸受用鋼およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20190327

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190509

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20190509

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20190522

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20191008

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200121

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200714