JP2014181397A - フェライト系ステンレス鋼製品の製造方法 - Google Patents

フェライト系ステンレス鋼製品の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】窒化温度を1100℃よりも低温としても、窒化層を安定的に形成できるようにする。
【解決手段】フェライト系ステンレス鋼製の被処理品を、Nガスを含む不活性ガス雰囲気とされた窒化炉1の窒化室2の内部で、変態点以上の高い窒化温度で加熱して、その表面に窒化層を形成する窒化処理工程を行う際に、窒化処理工程での窒化温度を1100℃よりも低い温度とするとともに、窒化室2の内壁に固体炭素11が存在する状態とする。これによれば、窒化室2の内壁に存在する固体炭素11および被処理品の素材に含有される炭素の作用によって不動態膜を破壊できる。このため、窒化温度を1100℃よりも低い温度としても、フェライト系ステンレス鋼の表面に窒素を安定的に固溶させることができ、窒化層を安定的に形成することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、フェライト系ステンレス鋼に対して高温窒化工程を行うフェライト系ステンレス鋼製品の製造方法に関するものである。
従来、フェライト系ステンレス鋼の表面改質方法として、フェライト系ステンレス鋼を、Nガスを含む不活性ガス雰囲気中で、変態点以上の高い窒化温度で加熱する高温窒化法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この高温窒化法によれば、表面に窒化層を形成することで、フェライト系ステンレス鋼の高硬度化と高耐食性化の両立が可能となる。
特許文献1には、好ましい窒化温度として1150〜1200℃が記載されている。また、特許文献1には、高温窒化工程を行う前に、フェライト系ステンレス鋼表面の不動態膜を除去する除去工程を行うことが記載されており、この除去工程は、水素ガスを用いた還元処理であることが記載されている。
特開2006−316338号公報
ところで、本発明者らが、上記した高温窒化法を種々の窒化温度にて行ったところ、窒化温度を1100℃未満とした場合では、窒化層が安定的に形成されなかった。ここで、窒化層が安定的に形成されるとは、複数の被処理品を同じ炉内で同時に窒化処理したときに、複数の被処理品の全部において窒化層が形成されることを意味する。したがって、窒化層が安定的に形成されないとは、複数の被処理品を同じ炉内で同時に窒化処理したときに、複数の被処理品の全部もしくは一部において窒化層が形成されないことを意味する。この理由としては、窒化温度が1100℃未満では、フェライト系ステンレス鋼表面に存在する不動態膜の破壊が不十分となり、フェライト系ステンレス鋼表面に窒素が安定的に固溶しないためであると考えられる。
一方、窒化温度を1100℃以上とした場合では、窒化層を安定的に形成できたが、金属組織の結晶粒の粗大化が生じるとともに、炉や熱処理治具の寿命が短くなってしまう。このため、窒化温度を1100℃未満とした場合でも、窒化層が安定的に形成されることが望まれる。
本発明は上記点に鑑みて、窒化温度を1100℃よりも低温としても、窒化層を安定的に形成できるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
フェライト系ステンレス鋼製の被処理品を、Nガスを含む不活性ガス雰囲気とされた加熱炉(2)の内部で、変態点以上の高い窒化温度で加熱して、その表面に窒化層を形成する窒化処理工程を備え、
窒化処理工程は、窒化温度が1100℃よりも低い温度であるとともに、加熱炉の内部に固体炭素(11)が存在する状態で行われることを特徴としている。
これによれば、窒化温度を1100℃よりも低い温度としても、加熱炉の内部に存在する固体炭素および被処理品の素材に含有される炭素の作用によって、フェライト系ステンレス鋼の不動態膜を十分に破壊できるので、フェライト系ステンレス鋼の表面に窒化層を安定的に形成することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の一実施形態における窒化処理工程の熱処理パターンを示す図である。 図1の窒化工程での窒化温度範囲を示す図である。 本発明の実施例で用いた加熱炉を示す模式図である。 本発明の実施例および参考例における窒化層の安定的形成の有無の確認結果を示す図である。
以下、本発明の一実施形態について説明する。本発明は、フェライト系ステンレス鋼製の被処理品を、Nガスを含む不活性ガス雰囲気とされた加熱炉の内部で加熱して、その表面に窒化層を形成する窒化処理工程を行うことで、フェライト系ステンレス鋼製品を製造するものである。
本発明によって製造される製品としては、自動車のエンジン制御部品、燃料系部品、排気系部品が挙げられる。他の用途において高硬度、高耐食性が要求される製品の製造に本発明を適用しても良い。
窒化処理工程に用いる加熱炉として、バッチ型、連続型のあらゆるタイプの炉が使用可能である。この加熱炉は、真空引き装置を備えた密閉炉である。
ここで、本発明では、加熱炉の内部に固体炭素が存在する状態で、窒化処理工程を行うことが必要である。そこで、窒化処理工程の前に、窒化処理工程に用いる加熱炉の内壁を固体炭素で覆う炉壁被覆工程を行い、窒化処理工程では、この炉壁被覆工程によって内壁が固体炭素で覆われた加熱炉を用いる。
炉壁被覆工程では、具体的には、被処理品挿入前の炉壁がステンレス鋼等で構成された加熱炉の内部に炭素供給ガスを導入して加熱する。炭素供給ガスとしては、C、CH、CO等が挙げられる。これにより、加熱炉の内壁を固体炭素で直接覆うことができる。この際、加熱炉の内壁全域が固体炭素で覆われていることが好ましい。
図1に示すように、窒化処理工程は、昇温工程、第1均熱工程、窒化工程、降温工程、第2均熱工程、焼入工程で構成される。
昇温工程および第1均熱工程では、被処理品を設置した加熱炉の内部を窒化温度まで上昇させて保持する。このとき、加熱炉の内部を10Pa以下の真空としたり、10〜101300Pa(大気圧)の圧力としたり、加熱炉内部にガスを導入しても良い。この導入ガスとしては、N、Ar等を単独又は混合して用いることができる。
窒化工程では、変態点以上の高い窒化温度で加熱しながら、加熱炉内部にNガスを含む不活性ガスを導入する。ここでいう変態点とは、フェライト相の一部でもオーステナイト相への変態が生じる温度である。窒化温度の詳細については後述する。導入ガスとしては、N単独ガス、N+Ar等の混合ガスが挙げられる。また、窒化工程時の加熱炉内部の全圧としては、10000〜101300Pa(大気圧)の範囲のあらゆる圧力が利用可能である。ただし、窒化中の表面窒素濃度は、ジーベルツの法則より、窒素圧力に比例するため、より高い窒素圧力を用いると窒化時間を短くすることができる。また、窒化工程時の全圧を30000Pa以上とすれば、気体の対流が促進されるため、より雰囲気ガスを被処理品の表面に接触させることができるとともに、被処理品からの脱離ガスを除去できる。また、窒化工程時の全圧を90000Pa以下とすれば、大気からの酸素混入をより効果的に防止できる。
降温工程および第2均熱工程では、被処理品を設置した加熱炉の内部を窒化温度から所定温度まで降温させて保持する。このとき、加熱炉の内部を10Pa以下の真空としたり、10〜101300Pa(大気圧)の圧力としたり、加熱炉内部にガスを導入しても良い。この導入ガスとしては、N、Ar等を単独又は混合して用いることができる。なお、降温工程および第2均熱工程を省略しても良い。
焼入工程では、被処理品を急冷する。なお、焼入工程後に、サブゼロ処理および焼き戻し処理を必要に応じて追加することができる。冷却後の窒化層は、製品の素材組成等の条件により、マルテンサイト相もしくはオーステナイト相となる。
次に、窒化工程の窒化温度や、窒化処理がされる被処理品の素材組成について説明する。窒化工程では、素材の炭素含有量およびクロム含有量に応じて、窒化温度を図2に示す斜線領域内の温度に設定する。すなわち、窒化温度をA℃、素材の炭素含有量およびクロム含有量をそれぞれB重量%およびC重量%としたとき、被処理品として、0<B<0.2、14≦C≦24を満たすものを用い、窒化温度をA<1100、かつ、下記の数式(1)を満たす温度とする。
Figure 2014181397

この数式(1)は、下記の通り、炉内に固体炭素が存在する場合に不動態膜の除去反応が進行するときの条件式から、本発明者らが導き出したものである。窒化温度が数式(1)を満たしていれば、窒化工程時にフェライト系ステンレス鋼表面に存在する不動態膜を除去でき、フェライト系ステンレス鋼表面に窒化層を安定的に形成できる。
ここで、フェライト系ステンレス鋼表面に存在する不動態膜はCrであり、不動態膜の除去反応は下記の1番目の反応式で示される。この不動態膜の除去反応の自由エネルギー変化ΔG は、下記の2、3番目の反応式で示されるCOおよびCrの標準生成自由エネルギーΔG CO、ΔG Cr2O3を用いて、下記の数式(2)で表される。なお、下記反応式中の<C>、<Cr>は、ステンレス中に固溶したC、Crを示し、下記反応式中の(S)、(g)は、固体、気体であることを示している。
Figure 2014181397
Figure 2014181397

また、例えば、渡辺啓著「化学熱力学」(サイエンス社)によれば、上記した1番目の反応式で示される不動態膜の除去反応が進行するためには、不動態膜の除去反応の自由エネルギー変化が負の値であることが必要である。このため、不動態膜の除去反応が進行する条件は、下記の数式(3)で表される。
Figure 2014181397

数式(3)において、Rは気体定数、Tは絶対温度、aCrはステンレス中に固溶したCrの活量、PCOは気体CO分圧、aはステンレス中に固溶したCの活量、aCr2O3はCrの活量を表す。
ここで、Crが純粋相(aCr2O3=1)であり、かつ、Cr、Cの活量aCr、aがCr、Cのモル分率XCr、Xに等しいと仮定する(aCr=XCr、a=X)。また、数式(2)のΔG Cr2O3およびΔG COとして、一般的な熱力学データ(ΔG Cr2O3=259.83×T−1120266[J]、ΔG CO=−87.66×T−111720[J])を数式(3)に代入する。これにより、数式(3)から下記の数式(4)が得られる。
Figure 2014181397

この数式(4)のPCOに計測値(PCO=10−4[atm])を代入する。また、数式(4)において、絶対温度Tを窒化温度A℃に、炭素のモル分率Xを素材の炭素含有量Bwt%に、クロムのモル分率XCrを素材のクロム含有量Cwt%に、それぞれ単位変換することで、数式(1)が得られる。なお、PCOの計測値は炉内のCO分圧の計測結果である。
窒化温度は、図2に示す斜線領域内で用途に応じて設定する。このとき、窒化温度を低く設定すると、金属組織の結晶粒の粗大化を効果的に抑制すると共に、炉や熱処理治具の寿命を長くすることができる。窒化温度を高く設定すると、窒素の拡散係数が高まるため、より短時間で窒化層を形成できる。
また、被処理品の素材組成において、炭素含有量をY<0.2とするのは、炭素含有量が高すぎることによる耐食性の劣化を防止するためである。Cr含有量を14重量%以上とするのは、Cr含有量が14重量%未満では、フェライト系ステンレス鋼表面への窒素の固溶が効果的に行われないからである。また、Cr含有量を24重量%以下とするのは、本発明者らの実験結果によると、Cr量が24重量%を超えた場合、フェライト系ステンレス鋼表面に形成される不動態膜が非常に強固となり、不動態膜除去が困難になるからである。本発明者らの実験結果によると、Cr含有量は、16重量%以上18重量%以下であることが、より好ましい。なお、素材には、炭素、クロム以外の他の成分が含まれていても良い。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、窒化温度を1100℃よりも低い温度とするとともに、内壁が固体炭素で覆われた加熱炉を用いて窒化処理工程を行うようにしている。
ここで、上記課題の欄での説明の通り、本実施形態と異なり、内壁が固体炭素で覆われていない加熱炉を用い、窒化温度を1100℃よりも低い温度として窒化処理工程を行った場合、フェライト系ステンレス鋼表面に窒化層を安定的に形成することができない。これは、窒化温度が1100℃未満では、フェライト系ステンレス鋼表面上に存在するCrからなる不動態膜の破壊が不十分となり、フェライト系ステンレス鋼表面に窒素が安定的に固溶しないためであると考えられる。
これに対して、本実施形態によれば、内壁が固体炭素で覆われた加熱炉を用いて窒化処理工程を行うので、加熱炉の内壁に存在する固体炭素および被処理品の素材に含有される炭素の作用によって不動態膜を破壊できる。より詳細には、加熱炉の内壁に存在する固体炭素および素材中の炭素が炉内雰囲気中の酸素と反応することで、炉内雰囲気中の残留酸素分圧が低減され、不動態膜の還元反応が生じることで、不動態膜を破壊できる。
このため、窒化温度を1100℃よりも低い温度としても、フェライト系ステンレス鋼の表面に窒素を安定的に固溶させることができ、窒化層を安定的に形成することができる。この結果、窒化処理工程のときに、内壁が固体炭素で覆われていない加熱炉を用い、窒化温度を1100℃以上とする場合と比較して、フェライト系ステンレス鋼の結晶粒の粗大化を抑制でき、加熱炉や熱処理治具の寿命を延ばすことができる。
(2)本実施形態では、窒化処理工程の前に、窒化処理工程で用いる加熱炉の内部に炭素供給ガスを導入して加熱することにより、加熱炉の内壁を固体炭素で覆う炉壁被覆工程を行う。
ここで、上記した従来技術では、窒化処理工程の前に、水素ガスを用いた還元処理によって不動態膜を除去する除去工程を行っていた。このため、加熱炉に水素ガスを導入し、加熱炉から水素ガスを排出するための装置が必要となり、設備が複雑となる。
これに対して、本実施形態によれば、窒化処理工程中に不動態膜を除去でき、窒化処理工程の前に不動態膜の除去工程を行う必要がないので、水素ガスの導入および排出のための設備が不要となり、設備を簡略化できる。
また、上記した従来技術では、製品を大量生産する際、バッチ毎もしくは製品毎に窒化処理工程を行うが、その都度、不動態膜の除去工程を事前に行わなければならない。
これに対して、本実施形態では、各窒化処理工程において、固体炭素で覆われた状態が解消されるまで、同じ加熱炉を繰り返し使用できる。このため、本実施形態では、一度、窒化処理工程の前に炉壁被覆工程を行えば、その後の窒化処理工程では、炉壁被覆工程を行わなくても良い。したがって、本実施形態によれば、従来技術よりも工程数を削減でき、製品の生産性を高められる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、下記のように、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
上記した実施形態では、窒化処理工程において、炉壁被覆工程によって内壁が固体炭素で覆われた加熱炉を用いたが、固体炭素が内部に存在する他の加熱炉を用いても良い。このような加熱炉としては、例えば、カーボン製マッフル等の固体炭素を内部に配置した加熱炉が挙げられる。
なお、上記した各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
以下、本発明の実施例および参考例について説明する。図3に示す窒化炉1の窒化室2に対して炉壁被覆工程を行った後、その窒化室2を用いて円板状のワークに対して窒化処理工程を行った。
図3に示す窒化炉1は、高温部である窒化室2および冷却室3を備えている。窒化室2は、図示しないヒータによって内部が加熱される。窒化室2が特許請求の範囲に記載の加熱炉に対応する。窒化室2の内壁は耐熱ステンレス製である。冷却室3は、冷却用の油槽4を備えている。窒化室2と冷却室3には、ともに、真空ポンプ5が接続されているとともに、大気圧以上に加圧可能なNガスボンベ6が接続されている。窒化室2には、対流ファン7が設置されている。また、窒化室2には、Cガスボンベ8がMFC(マスフローコントローラ)9を通じて接続されている。窒化室2と冷却室3の間には、ワーク10を移動可能な図示しない搬送装置が取り付けられている。また、冷却室3には、ワーク10を油槽4に出し入れするための図示しないエレベータが設置されている。
炉壁被覆工程では、窒化室2にワーク10を入れることなく空炉の状態で、窒化室2を真空引きしながら、炉内温度900℃まで昇温した。この際、昇温速度を1000℃/hrとした。次に、窒化室2全体を均熱させるため、窒化室2を真空引きしながら、炉内温度900℃のまま30分間保持した。次に、窒化室2に真空ポンプ5を接続したまま、MFC9を通じて炭素供給ガスとしてのCガスを30SLM、1時間導入した。次に、Cガス導入を停止した後、窒化室2をNガス50000Paまで復圧し、700℃まで降温した。これにより、Cガスを分解させて、固体炭素11を窒化室2の内壁に付着させ、窒化室2の内壁を固体炭素11で覆った。
窒化処理工程では、表1に示す組成1〜3の3種類のSUS430製のワーク10を用意した。なお、表1に示す組成1〜3は、それぞれの残部がFeと不可避不純物である。
Figure 2014181397

そして、十分に脱脂したワーク10をSUS304製のバスケットに設置して窒化室2に装入し、窒化室2を真空引きしながら、所定の窒化温度まで昇温した。この際、昇温速度は1000℃/hrとした(昇温工程)。次に、ワーク10全体を均熱させるため、窒化室2を真空引きしながら、所定の窒化温度のまま30分間保持した(第1均熱工程)。次に、真空ポンプを停止し、対流ファン7を作動させながら、窒化室2にNガスを50000Pa導入した(窒化工程)。
次に、窒化室2のヒータを停止し、950℃まで降温した(降温工程)。続いて、ワーク10全体を均熱させるため、950℃のまま30分間保持した(第2均熱工程)。なお、窒化温度を950℃以下とした場合では、降温工程および第2均熱工程を省略した。
次に、窒化室2から冷却室3にワーク10を搬送し、ワーク10を油槽4に装入した。10分間油冷した後、エレベータを上昇させ、ワーク10の油切りを行った(焼入工程)。その後、冷却室3を大気圧まで窒素雰囲気で復圧し、ワーク10を炉外へと取り出した。
そして、各窒化温度にて窒化処理したワーク10について、金属顕微鏡による組織観察を行い、窒化層(硬化層)の形成の有無を確認した。
また、比較例として、窒化室2の炉壁が固体炭素11で覆われていない図3に示す窒化炉1を用いて、炉壁被覆工程を行わずに、実施例と同様に窒化処理工程を行った。窒化温度は1050℃である。そして、比較例においても、窒化処理したワーク10について、金属顕微鏡による組織観察を行い、窒化層の形成の有無を確認した。その結果、表1に示す組成の3種類のワーク10のいずれも、窒化層が安定的に形成されなかった。
図4に、数式(1)から導かれる設定すべき窒化温度範囲と、実際に炉壁被覆工程および窒化処理工程を行ったときの窒化層の安定的形成の評価結果とを重ねて示す。
図4中の斜線領域が、クロム含有量が17wt%の場合に、数式(1)から導かれる設定すべき窒化温度範囲である。図4の斜線領域は、例えば、炭素含有量が0.10%のとき、窒化温度を940℃よりも高温とし、炭素含有量が0.04%のとき、窒化温度を980℃よりも高温とし、炭素含有量が0.01%のとき、窒化温度を1070℃よりも高温とすべきことを示している。
一方、図4中の○、×は、各条件につきワーク5個における窒化層の安定的形成を評価した結果である。ワーク5個全てで窒化層が形成された条件を○(安定)で示し、ワーク5個中、1つでも窒化層が形成されなかった条件を×(不安定)で示している。○が本発明の実施例であり、×が参考例である。
図4より、斜線領域内の温度条件であれば、窒化層が安定的に形成され、斜線領域外の温度条件だと、窒化層が安定的に形成されないことがわかる。なお、本実施例で形成された窒化層はマルテンサイト相であった。また、本実施例において、窒化温度が1040℃以下のとき、結晶粒の粗大化を抑制できることが確認された。
1 窒化炉
2 窒化室(加熱炉)
11 固体炭素

Claims (3)

  1. フェライト系ステンレス鋼製の被処理品を、Nガスを含む不活性ガス雰囲気とされた加熱炉(2)の内部で、変態点以上の高い窒化温度で加熱して、その表面に窒化層を形成する窒化処理工程を備え、
    前記窒化処理工程は、前記窒化温度が1100℃よりも低い温度であるとともに、前記加熱炉の内部に固体炭素(11)が存在する状態で行われることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼製品の製造方法。
  2. 前記窒化処理工程の前に、前記加熱炉の内部に炭素供給ガスを導入して加熱することにより、前記加熱炉の内壁を固体炭素で覆う炉壁被覆工程を備え、
    前記窒化処理工程では、前記内壁が固体炭素で覆われた前記加熱炉を用いることを特徴とする請求項1に記載のフェライト系ステンレス鋼製品の製造方法。
  3. 前記窒化温度をA℃、前記被処理品におけるフェライト系ステンレス鋼の炭素含有量およびクロム含有量をそれぞれB重量%およびC重量%としたとき、
    前記被処理品として、0<B<0.2、14≦C≦24を満たすものを用い、
    前記窒化温度を、A<1100、かつ、下記の数式(1)を満たす温度とすることを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼製品の製造方法。
    Figure 2014181397
JP2013058113A 2013-03-21 2013-03-21 フェライト系ステンレス鋼製品の製造方法 Active JP5835256B2 (ja)

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