JP2019173079A - 水素生成システムとその運転方法 - Google Patents

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聡司 大谷
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Shigeru Iiyama
繁 飯山
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Tomonori Aso
智倫 麻生
安本 栄一
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
尾関 正高
Masataka Ozeki
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Abstract

【課題】カソードから水素を生成する電気化学デバイスのアノードの触媒に蓄積する不純物を除去することで、水素生成効率の低下を抑制する。【解決手段】電気化学デバイス1と、電気化学デバイス1のアノード側入口に水素含有ガスを供給するガス供給手段30と、電気化学デバイス1のアノードとカソードとの間に直流電流を流す電源40と、制御器60と、を備え、所定の条件を満足する第1状態のときと、所定の条件を満足しない第2状態のときとが存在する水素生成システム100であって、制御器60は、第1状態のときに、アノードでの水素含有ガスの相対湿度を、第2状態のときよりも、高くする。【選択図】図2

Description

本発明は、電気化学デバイスを用いて、ガス供給装置から供給される水素含有ガスから純度の高い水素を生成する水素生成システムとその運転方法に関するものである。
この種の水素生成システムは、水素含有ガスから電気化学反応を利用して、高純度水素を生成するシステムである。この水素生成システムは、例えば、水素イオンを選択的に輸送する電解質膜の両側(両主面)に、それぞれアノード及びカソードを設けた電解質膜−電極接合体(MEA)を、一対のセパレータによって挟持した電気化学デバイスを備えている。
そして、上記構成の電気化学デバイスのアノードに水素含有ガス(水素の他に不純物を含む水素含有ガス)を供給し、アノード側がカソード側よりも高電位になるようにして、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、アノードでは、(化1)に示す、水素がプロトン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、カソードでは、(化2)に示す、プロトン(H)と電子から水素が生成する還元反応が起こる。
Figure 2019173079
Figure 2019173079
以上の反応により、アノードに供給された水素含有ガスから水素を分離して、カソードにおいて高純度の水素を生成することができる。
上記水素生成システムに供給される水素含有ガスは、例えば、燃料処理器によって、炭化水素系の燃料、例えば13Aガスやプロパンガスなどを水蒸気改質や部分酸化改質、又はオートサーマル改質することにより生成される。ここで生成された水素含有ガスには、窒素や一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアなどの不純物が含まれており、水素純度が低い。
このようにして得られた純度の低い水素含有ガスを電気化学デバイスのアノードに供給し、アノードとカソードとの間に所定方向の直流電流を流すことで、カソードにおいて水素を発生させ、純度の高い水素を製造し水素需要家に供給するシステムが、提案されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第9574275号明細書
しかしながら、従来の構成では、天然ガスの水蒸気改質により得られた純度の低い水素含有ガスから、電気化学デバイスを用いて純度の高い水素を製造しているために、水素含有ガス中の不純物のうち、一酸化炭素やアンモニアがアノードの触媒に吸着し蓄積することで反応を阻害して、水素生成効率が低下するという課題があった。
ここで、水素生成効率とは、電気化学デバイスに投入する電気エネルギーに対する生成する水素のエネルギーの割合であり、水素生成効率が低下するとは、同じ水素を生成するために必要な電気エネルギーが多くなることである。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、アノードの触媒に蓄積する不純物を除去することで、水素生成効率の低下を抑制できる水素生成システムとその運転方法を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の水素生成システムは、電解質膜の両主面がアノードとカソードとで挟まれた電解質膜−電極接合体を構成しており、アノードに水素含有ガスを供給して、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードから水素を生成する電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するガス供給手段と、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流す電源と、制御器と、を備え、所定の条件を満足する第1状態のときと、所定の条件を満足しない第2状態のときとが存在する水素生成システムであって、制御器は、第1状態のときに、アノードでの水素含有ガスの相対湿度を、第2状態のときよりも、高くするのである。
これによって、所定の条件を満足した場合に、一時的に相対湿度の高いアノードから水素をカソードに生成させるため、アノードの水素が減少して相対湿度が100%以上となり、アノードで結露する水分量が多くなる。
そして、アノードで結露する水分量が多くなると、アノードの触媒に吸着して蓄積した不純物が、水中に溶解されるので、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することができる。さらに所定の条件を満たさない場合は、アノードで結露する水分量が少ないためアノードでの結露水による閉塞を抑えることができる。
本発明の水素生成システムは、所定の条件を満足した場合に、アノードにおける水素含有ガスの相対湿度を、所定の条件を満足していないときよりも高くなるように、アノードにおける水素含有ガスの湿度を制御する。
アノードにおける水素含有ガスの相対湿度を高くすることにより、アノードで結露する水分量が多くなり、アノードの触媒に蓄積した不純物を水と共に除去することができる。これにより、アノードを洗浄することが可能となり、水素生成効率が低下することを抑制する水素生成システムを提供することができる。
本発明の実施の形態1〜6における水素生成システムに用いた電気化学デバイスの概略構成図 本発明の実施の形態1における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態1における水素生成システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態1における水素生成システムの運転時間と電源の電流値との関係を示す特性図 本発明の実施の形態2および3における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態2における水素生成システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態2における水素生成システムの運転時間と電気化学デバイスの温度との関係を示す特性図 本発明の実施の形態3における水素生成システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態3における水素生成システムの運転時間と電源の電流値と電気化学デバイスの温度との関係を示す特性図 本発明の実施の形態4における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態4における水素生成システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態4における水素生成システムの運転時間と水素含有ガスの相対湿度との関係を示す特性図 本発明の実施の形態5および6における水素生成システムの概略構成図 本発明の実施の形態5における水素生成システムの運転方法を示すフローチャート 本発明の実施の形態5における水素生成システムの運転時間と水素生成効率とS/Cのとの関係を示す特性図 本発明の実施の形態6における水素生成システムの運転方法を示すフローチャート
第1の発明は、電解質膜の両主面がアノードとカソードとで挟まれた電解質膜−電極接合体を構成しており、アノードに水素含有ガスを供給して、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流すことで、カソードから水素を生成する電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するガス供給手段と、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流す電源と、制御器と、を備え、所定の条件を満足する第1状態のときと、所定の条件を満足しない第2状態のときとが存在する水素生成システムであって、制御器は、第1状態のときに、アノードでの水素含有ガスの相対湿度を、第2状態のときよりも、高くすることを特徴とする。
これにより、相対湿度の高いアノードから水素のみをカソードに生成させるため、アノードの水素が減少して相対湿度が100%以上となり、アノードで結露する水分量が多くなる。
そして、アノードで結露する水分量が多くなると、アノードの触媒に吸着して蓄積した不純物が、水中に溶解されるので、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することができる。これにより、アノードを洗浄することが可能となり、アノードの触媒での不純物による反応阻害が軽減され、同じ水素を生成するために必要な電気化学デバイスに投入する電気エネルギーが少なくなり、水素生成効率が低下することを抑制できる。
さらに所定の条件を満たさない場合は、結露する水分量が少なくなり、アノードでの結露水による閉塞を抑えることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の第1状態のときに、電源から電気化学デバイスに流す電流値を、第2状態のときよりも、小さくすることにより、プロトンと共に同伴して移動する水も減少する。
このため、アノードの水素含有ガスの相対湿度が高くなって、相対湿度が100%以上となり、アノードで結露する水分量が多くなる。これにより、アノードの触媒に吸着して蓄積した不純物が、水中に溶解されるので、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することが可能となり、水素生成効率の低下を抑制できる。
第3の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の水素生成システムに、電気化学デバイスの温度を調節する温度調整器をさらに備え、制御器は、第1状態のときに、電気化学デバイスの温度を、第2状態のときよりも、温度調整器により低くすることにより、第1状態のときの電気化学デバイスの温度が低くなるため、アノードの水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなり、相対湿度が100%以上となる。
そして、アノードで結露する水分量が多くなると、アノードの触媒に吸着して蓄積した不純物が、水中に溶解されるので、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することが可能となり、水素生成効率の低下を抑制できる。
第4の発明は、特に、第1の発明または第2の発明の水素生成システムに、水素含有ガスの湿度を調節する湿度調整器をさらに備え、制御器は、第1状態のときに、水素含有ガスの湿度を、第2状態のときよりも、湿度調整器により高くすることにより、湿度調整器による湿度調整を行うだけで、相対湿度の高い水素含有ガスを、電気化学デバイスのアノードに供給することが可能となり、容易な方法で水素生成効率の低下を抑制できる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明の水素生成システムのガス供給手段を、炭化水素系の燃料から水素含有ガスを生成する燃料処理器と、燃料処理器に燃料を供給する燃料供給器と、燃料処理器に水を供給する水供給器とすることにより、安価な炭化水素系燃料から純度の高い水素を生成することができる。
第6の発明は、特に、第5の発明の第1状態のときに、第2状態のときの水素含有ガスの相対湿度よりも高くなるように、燃料供給器と水供給器のどちらか一方の供給流量を制御することにより、燃料供給器または水供給器の供給流量を制御するだけで、水素含有ガスの相対湿度を高くすることができるため、水素含有ガスの相対湿度を高くするための追加機器が不要となり、容易にアノードの触媒に蓄積した不純物が、水中に溶解され、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することができる。
第7の発明は、特に、第1〜第6の発明の所定の条件を、第2状態の継続時間が設定値となることとすることにより、アノードの触媒への不純物の蓄積状態を第2状態の継続時間で判断し、アノードの触媒に蓄積した不純物が、水中に溶解され、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することができる。
第8の発明は、特に、第1〜第6の発明の所定の条件を、第2状態の累積時間が設定値となることとすることにより、アノードの触媒への不純物の蓄積状態を第2状態の累積時間で判断し、アノードの触媒に蓄積した不純物が、水中に溶解され、水中に溶解された不純物を、より確実に水と共に除去することができる。
第9の発明は、特に、第1〜6の発明の所定の条件を、第2状態における水素生成効率が設定値となることとすることにより、アノードの触媒に吸着した不純物の蓄積状態を第2状態の水素生成効率で判断し、アノードの触媒に吸着して蓄積した不純物が、水中に溶解され、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することができる。
第10の発明は、電解質膜の両主面がアノードとカソードとで挟まれた電解質膜−電極接合体を構成しており、アノードに水素含有ガスを供給して、アノードとカソードとの間
に所定方向の電流を流すことで、カソードから水素を生成する電気化学デバイスと、アノードに水素含有ガスを供給するガス供給手段と、アノードとカソードとの間に所定方向の電流を流す電源と、を備え、所定の条件を満足する第1状態のときと、所定の条件を満足しない第2状態のときとが存在する水素生成システムの運転方法であって、第1状態のときに、アノードでの水素含有ガスの相対湿度を、第2状態のときよりも、高くすることを特徴とする。
これにより、相対湿度の高いアノードから水素のみをカソードに生成させるため、アノードの水素が減少して相対湿度が100%以上となり、アノードで結露する水分量が多くなる。
そして、アノードで結露する水分量が多くなると、アノードの触媒に吸着して蓄積した不純物が、水中に溶解されるので、水中に溶解された不純物を、水と共に除去することができる。これにより、アノードを洗浄することが可能となり、アノードの触媒での不純物による反応阻害が軽減され、水素生成効率が低下することを抑制できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における水素生成システム100に用いた電気化学デバイスの概略構成図である。図2は、本発明の実施の形態1における水素生成システム100の概略構成図である。図3は、本発明の実施の形態1における水素生成システム100の運転方法を示すフローチャートである。図4は、本発明の実施の形態1における水素生成システム100の運転時間と電源の電流値との関係を示す特性図である。
図1に示すように、本実施の形態の水素生成システム100に用いる電気化学デバイス1は、電解質膜16一方の主面にアノード17を設けると共に、電解質膜16の他方の主面にカソード18を設けた電解質膜−電極接合体19が、アノードセパレータ20及びカソードセパレータ21によって挟持された構成となっている。
ここで、電解質膜16には、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンスルホン酸系の高分子電解質膜を用いる。アノード17とカソード18は、白金を担持したカーボン触媒をカーボン製フェルト上に塗布形成したものを用いる。
アノードセパレータ20及びカソードセパレータ21は、ガス透過性のない導電性部材である圧縮カーボンによって構成されている。またアノードセパレータ20には、アノード17に水素含有ガスを供給するためのアノード側入口13と、水素含有ガスを排出するためのアノード側出口14が設けられている。一方、カソードセパレータ21には、生成された水素を排出するためのカソード側出口15が設けられている。
また、図2に示すように、本実施の形態の水素生成システム100には、電気化学デバイス1と、電気化学デバイス1のアノード側入口13に加湿された不純物を含む水素含有ガスを供給するガス供給手段30が設置されている。水素含有ガスの不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアである。ガス供給手段30には、ポンプを用いる。
電気化学デバイス1には、アノード17とカソード18との間に所定方向の電流を流すための電源40が接続されている。電源40には直流電源を用いる。
さらに、水素生成システム100は、ガス供給手段30と電源40とを制御するための
制御器60を備えている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム100について、以下、その動作、作用を図1〜図4を参照しながら説明する。
まず、ガス供給手段30から、不純物である一酸化炭素と、二酸化炭素と、アンモニアとを含む加湿された水素含有ガスを、電気化学デバイス1のアノード側入口13に供給する(S001)。
次に、電気化学デバイス1のアノード17とカソード18との間に電源40から電流を流す(S002)。この電流値を100%と定義する。S002では、電気化学反応を利用して、水素含有ガスから水素をカソード18に生成する。
この電流値100%で水素を生成している状態を第2状態とする。また、電気化学デバイス1のアノード側出口14からは、アノード17に供給された水素含有ガスから、カソード18に移動した水素を除いたオフ水素含有ガスが排出される。
次に、所定の条件である第2状態の継続時間が設定値の5時間となるかどうかをS003で判定し、5時間となれば、S004に移行する。判定の結果、5時間経過していない場合は、再びS003に戻る。
S004に移行したら、電源40の電流値を第2状態のときに比べて50%にして、30分間保持する。この電流値50%で水素を生成している状態を第1状態とする。第1状態が終了したら、S005で、電源40の電流値を100%に戻し、再びS003に移行する。
図4に運転時間と電源40との関係を示す。図中のAが第2状態を、Bが第1状態を示している。また電源40の電流値は、第2状態の電流値を100%として示している。
第1状態では、電源40の電流値が小さくなるため、アノード17からカソード18に移動するプロトンと共に同伴して移動する水も減少する。
このため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が高くなって、相対湿度が100%以上となり、結露する水分量が多くなる。よって、第1状態でアノード17の触媒に蓄積した一酸化炭素、アンモニアが水中に溶解して、水と共に除去することができる。
以上のように、実施の形態1の水素生成システム100においては、第2の状態の継続時間が設定値の5時間となることを満足する第1状態のときに、電源40の電流値を、電流値を100%にしている第2状態のときよりも小さくすることで、プロトンと共に同伴して移動する水も減少する。
このため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が高くなって、相対湿度が100%以上となり、アノード17で結露する水分量が多くなる。そして、アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に吸着して蓄積した一酸化炭素やアンモニアが、水中に溶解されるので、水中に溶解された一酸化炭素やアンモニアを、水と共に除去することができる。
これにより、アノード17を洗浄することが可能となり、アノード17の触媒での不純物による反応阻害が軽減され、水素生成効率が低下することを抑制できる。さらに所定の条件を満たさない場合は、アノード17で結露する水分量が少なくなり、アノード17で
の結露水による閉塞を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、水素含有ガス中の不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアとしたが、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、所定の条件として設定する設定値を5時間としたが、水素生成システム100の仕様に合せて自由に設定することができる。
なお、本実施の形態では、第2状態の継続時間が設定値となったら、電源40の電流値を小さくしたが、逆に電流値を100%以上に大きくすることもできる。
このときは、相対湿度の高いアノード17から水素のみをカソード18に生成させるため、アノード17の水素が減少して相対湿度が100%以上となりアノード17で結露する水分量を多くできる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における水素生成システム101の概略構成図である。本発明の実施の形態2の水素生成システム101に用いた電気化学デバイス1の概略構成図は、図1に示す実施の形態1の水素生成システム100に用いた電気化学デバイス1の概略構成図と同じである。
図6は、本発明の実施の形態2における水素生成システム101の運転方法を示すフローチャートである。図7は、実施の形態2における水素生成システム101の運転時間と電気化学デバイス1の温度との関係を示す特性図である。
図5に示すように、実施の形態2における水素生成システム101には、電気化学デバイス1と、電気化学デバイス1のアノード側入口13に加湿された不純物を含む水素含有ガスを供給するガス供給手段31とが、設置されている。不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアである。ガス供給手段31には、ポンプを用いる。
本実施の形態の水素生成システム101に用いる電気化学デバイス1には、温度を調節するための温度調整器9が備えられると共に、アノード17とカソード18との間に所定方向の電流を流すための電源40が接続されている。温度調整器9には、ヒーターを用い、電源40には直流電源を用いる。
さらに、水素生成システム101は、ガス供給手段31と電源40と温度調整器9を制御するための制御器60を備えている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム101について、以下、その動作、作用を図1と図5〜図7を参照しながら説明する。
まず、ガス供給手段31から、不純物である一酸化炭素と、二酸化炭素と、アンモニアとを含む加湿された水素含有ガスを、電気化学デバイス1のアノード側入口13に供給する(S011)。
次に、電気化学デバイス1の温度を温度調整器9で70℃に調節し、アノード17とカソード18との間に、アノード17側がカソード18側よりも高電位になる(アノード17で、水素含有ガスの水素がプロトン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、カソード18で、プロトン(H)と電子から水素が生成する還元反応が起こる)ように電源40から所定方向の直流電流を流す(S012)。
これにより、電気化学反応を利用して、水素含有ガスから水素をカソード18において生成する。この電気化学デバイス1の温度が70℃の状態を第2状態とする。また、電気化学デバイス1のアノード側出口14からは、アノード17に供給された水素含有ガスから、カソード18に移動した水素を除いたオフ水素含有ガスが排出される。
次に、所定の条件である第2状態の継続時間が設定値の5時間となるかどうかをS013で判定し、5時間となれば、S014に移行する。判定の結果、5時間経過していない場合は、再びS013に戻る。
S014に移行したら、電気化学デバイス1の温度を温度調整器9で50℃に下げて30分間保持する。この電気化学デバイス1の温度が50℃の状態を第1状態とする。第1状態が終了したら、再びS012に移行する。
図7に運転時間と電気化学デバイス1の温度との関係を示す。図中のAが第2状態を、Bが第1状態を示している。第1状態では、電気化学デバイス1の温度が低くなるため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなり、相対湿度が100%以上となる。このため、アノード17で結露する水分量が多くなり、第1状態でアノード17の触媒に蓄積した一酸化炭素、アンモニアを水と共に除去することができる。
以上のように、実施の形態2の水素生成システム101においては、第2の状態の継続時間が設定値の5時間となることを満足する第1状態のときに、電気化学デバイス1の温度が70℃の第2状態のときよりも低くすることで、第1状態のときの電気化学デバイス1の温度が低くなるため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなり、相対湿度が100%以上となる。
そして、アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に吸着して蓄積した一酸化炭素やアンモニアが、水中に溶解されるので、水中に溶解された一酸化炭素やアンモニアを、水と共に除去することが可能となり、水素生成効率の低下を抑制できる。
なお、本実施の形態では、水素含有ガス中の不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアとしたが、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態では、所定の条件として設定する設定値を5時間としたが、水素生成システム101の仕様に合せて自由に設定することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の水素生成システム101の概略構成図は、図5に示す実施の形態2における水素生成システム101の概略構成図と同じであり、本発明の実施の形態3の水素生成システム101に用いた電気化学デバイス1の概略構成図は、図1に示す実施の形態1の水素生成システム100に用いた電気化学デバイス1の概略構成図と同じである。
図8は、本発明の実施の形態3における水素生成システム101の運転方法を示すフローチャートである。図9は、本発明の実施の形態3における水素生成システム101の運転時間と電源の電流値と電気化学デバイスの温度との関係を示す特性図である。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム101について、以下、その動作、作用を図1および図5および図8および図9を参照しながら説明する。
まず、ガス供給手段31から、不純物である一酸化炭素と、二酸化炭素と、アンモニアとを含む加湿された水素含有ガスを、電気化学デバイス1のアノード側入口13に供給する(S021)。
次に、電気化学デバイス1の温度を温度調整器9で70℃に調節し、アノード17とカソード18との間に、アノード17側がカソード18側よりも高電位になる(アノード17で、水素含有ガスの水素がプロトン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、カソード18で、プロトン(H)と電子から水素が生成する還元反応が起こる)ように電源40から所定方向の直流電流を流す(S022)。この電流値を100%と定義する。
S022では、電気化学反応を利用して、水素含有ガスから水素をカソード18において生成する。この電流値100%で水素を生成し、かつ、電気化学デバイス1の温度が70℃の状態を第2状態とする。また、電気化学デバイス1のアノード側出口14からは、アノード17に供給された水素含有ガスから、カソード18に移動した水素を除いたオフ水素含有ガスが排出される。
次に、所定の条件である第2状態の継続時間が設定値の5時間となるかどうかをS023で判定し、5時間となれば、S024に移行する。判定の結果、5時間経過していない場合は、再びS023に戻る。
S024に移行したら、電源40の電流値を第2状態の50%に変更し、さらに、電気化学デバイス1の温度を温度調整器9で50℃に下げ、30分間保持する。この電流値50%で水素を生成し、かつ、電気化学デバイス1の温度が50の状態を第1状態とする。第1状態が終了したら、再びS022に移行する。
図7に運転時間と電源40の電流値と電気化学デバイス1の温度との関係を示す。図中のAが第2状態を、Bが第1状態を示している。また電源40の電流値は、第2状態の電流値を100%として示している。
第1状態では、電源40の電流値が小さくなるため、アノード17からカソード18に移動するプロトンと共に同伴して移動する水も減少する。さらに、第1状態では、電気化学デバイス1の温度が低くなるため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなる。
このため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が確実に高くなって、相対湿度が100%以上となり、アノード17で結露する水分量が多くなる。よって、第1状態でアノード17の触媒に蓄積した一酸化炭素、アンモニアが水中に溶解して、水中に溶解した一酸化炭素、アンモニアを水と共に除去することができる。
以上のように、実施の形態3の水素生成システム101においては、第2の状態の継続時間が設定値の5時間となることを満足する第1状態のときに、電源40の電流値を100%としている第2状態のときよりも小さくすることで、プロトンと共に同伴して移動する水も減少する。
さらに、所定の条件を満足する第1状態のときに、電気化学デバイス1の温度を、第2状態のときよりも低くすることで、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなる。
このため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が高くなって、相対湿度が100%
以上となり、アノード17で結露する水分量が多くなる。
そして、アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に吸着して蓄積した一酸化炭素やアンモニアが、水中に溶解されるので、水中に溶解された一酸化炭素やアンモニアを、水と共に除去することができる。
これにより、アノード17を洗浄することが可能となり、アノード17の触媒での不純物による反応阻害が軽減され、水素生成効率が低下することを抑制できる。さらに所定の条件を満たさない場合は、結露する水分量が少なくなり、アノード17での結露水による閉塞を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、水素含有ガス中の不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアとしたが、これに限定されるものではない。
なお、本実施の形態では、所定の条件として設定する設定値を5時間としたが、水素生成システム101の仕様に合せて自由に設定することができる。
なお、本実施の形態では、第2状態の継続時間が設定値となったら、電源40の電流値を小さくしたが、逆に電流値を100%以上に大きくすることもできる。このときは、相対湿度の高いアノード17から水素のみをカソード18に生成させるため、アノード17の水素が減少して相対湿度が100%以上となり、アノード17で結露する水分量を多くできる。
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4における、水素生成システム102の概略構成図である。本発明の実施の形態4の水素生成システム102に用いた電気化学デバイス1の概略構成図は、図1に示す実施の形態1の水素生成システム100に用いた電気化学デバイス1の概略構成図と同じである。
図11は、本発明の実施の形態4における水素生成システム102の運転方法を示すフローチャートである。図12は、本発明の実施の形態4における水素生成システム102の運転時間と水素含有ガスの相対湿度との関係を示す特性図である。
図10に示すように、本実施の形態の水素生成システム102は、不純物を含む水素含有ガスを供給するガス供給手段32と、ガス供給手段32から供給された水素含有ガスの湿度を調整する湿度調整器50と、湿度調整器50で湿度調整された水素含有ガスを供給する電気化学デバイス1が備えられている。
ここで、水素含有ガスの不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアである。ガス供給手段32には、ポンプを用いる。湿度調整器50には、スチームインジェクション式の加湿器を用いる。
電気化学デバイス1には、アノード17とカソード18との間に所定方向の電流を流すための電源40が接続されている。電源40には直流電源を用いる。
さらに、水素生成システム102は、ガス供給手段32と電源40と湿度調整器50とを制御するための制御器60を備えている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム102について、以下、その動作、作用を図1および図10〜12を参照しながら説明する。
まず、ガス供給手段32から、不純物である一酸化炭素と、二酸化炭素と、アンモニアとを含む水素含有ガスを、湿度調整器50に供給する(S031)。次に、湿度調整器50で相対湿度60%に加湿された水素含有ガスを、電気化学デバイス1のアノード側入口13に供給する(S032)。この水素含有ガスの相対湿度が60%の状態を第2状態とする。
次に、電気化学デバイス1のアノード17とカソード18との間に電源40から所定方向の電流を4時間流す(S033)。これにより、電気化学反応を利用して、水素含有ガスから水素をカソード18に生成する。また、電気化学デバイス1のアノード側出口14からは、アノード17に供給された水素含有ガスから、カソード18に移動した水素を除いたオフ水素含有ガスが排出される。
次に、S034で、電源40からの電流を停止すると共に、湿度調整器50の湿度供給を停止する。次に、S035で水素含有ガスの供給を停止して、30分間保持する。
次に、S036で、所定の条件である第2状態の時間を累積した累積時間が、設定値の12時間となるか判定し、12時間経過していれば、S037に移行する。判定の結果、12時間経過していない場合は、再びS031に戻る。
S037に移行したら、湿度調整器50で水素含有ガスの相対湿度を90%に上げて、60分間保持する。この水素含有ガスの相対湿度が90%の状態を第1状態とする。その後、S038で第2状態の累積時間を0に設定して、S032に戻る。
図12に、本実施の形態の水素生成システム102の運転時間と水素含有ガスの相対湿度との関係を示す。図中のAが第2状態を、Bが第1状態を示している。
第1状態では、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなり、相対湿度の高いアノード17から水素のみをカソード18において生成させる。
よって、アノード17の水素が減少して相対湿度が100%以上となり、アノード17で結露する水分量を多くできる。そして、アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に蓄積した一酸化炭素、アンモニアを水に溶解させ、水に溶解された一酸化炭素、アンモニアを水と共に除去することができる。
また、第2状態の累積時間が20時間になると、再度湿度調整器50で水素含有ガスの相対湿度を高くすることができ、より確実にアノード17の触媒に蓄積した一酸化炭素等の不純物を水と共に除去することができる。
以上のように、実施の形態4の水素生成システム102においては、第2状態の累積時間が設定値の12時間となることを満足する第1状態のときに、湿度調整器50の相対湿度を高くするだけで、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が100%以上となる。
アノード17の水素含有ガスの相対湿度が100%以上となると、アノード17で結露する水分量が多くなる。アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に吸着して蓄積した一酸化炭素やアンモニアが、水中に溶解されるので、水中に溶解された一酸化炭素やアンモニアを、水と共に除去することができる。
これにより、アノード17を洗浄することが可能となり、アノード17の触媒での不純物による反応阻害が軽減され、水素生成効率が低下することを抑制できる。さらに所定の
条件を満たさない場合は、結露する水分量が少なくなり、アノード17での結露水による閉塞を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、水素含有ガス中の不純物は、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニアとしたが、これに限定されるものではない。
また、所定の条件として設定する時間も、本実施の形態以外でもよく、水素生成システム102の詳細構成・仕様に合せて自由に設定することができる。
(実施の形態5)
図13は、本発明の実施の形態5における、水素生成システム103の概略構成図である。本発明の実施の形態5の水素生成システム103に用いた電気化学デバイス1の概略構成図は、図1に示す実施の形態1の水素生成システム100に用いた電気化学デバイス1の概略構成図と同じである。
図14は、本発明の実施の形態5における水素生成システム103の運転方法を示すフローチャートである。図15は、本発明の実施の形態5における水素生成システム103の運転時間と水素生成効率とS/Cのとの関係を示す特性図である。
図13に示すように、本実施の形態の水素生成システム103は、燃料供給器80と、水供給器90と、燃料供給器80から供給されたメタンと、水供給器90から供給された供給水とから水素含有ガスを生成する燃料処理器70と、燃料処理器70で生成された水素含有ガスがアノード17に供給されて、カソード18において水素を生成する電気化学デバイス1が備えられている。
なお、燃料処理器70で生成される水素含有ガスには、水素以外の不純物として、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、メタン、窒素が含まれている。燃料供給器80と水供給器90としては、いずれもポンプを用いる。
電気化学デバイス1には、温度を調整するための温度調整器9が備えられると共に、アノード17とカソード18の間に電流を流すための電源40が接続されている。温度調整器9には、ヒーターを用い、電源40には直流電源を用いる。
さらに、水素生成システム103は、燃料供給器80と、水供給器90と、燃料処理器70と電源40とを制御するための制御器60を備えている。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム103について、以下、その動作、作用を図1および図13〜15を参照しながら説明する。
まず、燃料供給器80からメタンを、水供給器90から水蒸気改質に必要な供給水を、それぞれ燃料処理器70に供給する(S041)。ここで供給水と、原料となるメタン中のカーボンの比率をスチーム/カーボン比(S/C)と呼び、水蒸気改質反応に理論上必要なS/Cよりも高いS/C=3でとなるように供給する。
燃料処理器70では、メタンと水との水蒸気改質反応により、不純物を含む水素含有ガスを生成する。この水素含有ガスには、水素以外の不純物として、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、メタン、窒素が含まれると共に、S/C=3としているため反応に使用されなかった供給水が水蒸気として含まれている。このS/C=3の状態を第2状態とする。
燃料処理器70で生成した不純物を含む水素含有ガスを、電気化学デバイス1のアノー
ド側入口13に供給する(S042)。次に、電気化学デバイス1のアノード17とカソード18間に電源40から電流を流す(S043)。
これにより、電気化学反応を利用して、水素含有ガスから水素をカソード18に生成する。電流を流し始めた直後の水素生成効率は99%である。また、電気化学デバイス1のアノード側出口14からは、アノード17に供給された水素含有ガスから、カソード18に移動した水素を除いたオフ水素含有ガスが排出される。
次に、所定の条件である第2状態の水素生成効率が設定値の95%となっているかS044で判定し、95%になっていれば、S045に移行する。判定の結果、95%よりも大きい場合は、再びS044に戻る。
S045に移行したら、燃料供給器80の供給量を減らして、S/C=3.5となるようにして、30分間保持する。このS/C=3.5の状態を第1状態とする。その後、S031に移行する。
図15に運転時間と電気化学デバイスの水素生成効率とS/Cのとの関係を示す。図中のAが第2状態を、Bが第1状態を示している。
第1状態では、燃料処理器70のS/Cが3.5と高くなるため、燃料処理器70で水蒸気改質反応に使用されない供給水の割合が多くなり、水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなり、相対湿度が100%以上となる。
アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に蓄積した一酸化炭素、アンモニアを、水と共に除去することができる。
以上のように、実施の形態5の水素生成システム103においては、第2状態の水素生成効率が設定値の95%となることを満足する第1状態のときに、燃料供給器80の供給量を少なくするだけで、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が高くなって、相対湿度が100%以上となり、アノード17で結露する水分量が多くなる。
アノード17で結露する水分量が多くなると、アノード17の触媒に吸着して蓄積した一酸化炭素やアンモニアが、水中に溶解されるので、水中に溶解された一酸化炭素やアンモニアを、水と共に除去することができる。
これにより、アノード17を洗浄することが可能となり、アノード17の触媒での不純物による反応阻害が軽減され、水素生成効率が低下することを抑制できる。さらに所定の条件を満たさない場合は、結露する水分量が少なくなり、アノード17での結露水による閉塞を抑えることができる。
なお、本実施の形態では、燃料供給器80の供給量を少なくして、水素含有ガスの相対湿度を高くしたが、これ以外に、水供給器90の水供給量を増やして、水素含有ガスの相対湿度を高くすることもできる。
また、本実施の形態では、所定の条件として設定する設定値を95%としたが、これに限らず、水素生成システム103の仕様に合せて自由に設定することができる。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6の水素生成システム103の概略構成図は、図13に示す実施の形態5における水素生成システム103の概略構成図と同じである。本発明の実施の形態
5の水素生成システム103に用いた電気化学デバイス1の概略構成図は、図1に示す実施の形態1の水素生成システム100に用いた電気化学デバイス1の概略構成図と同じである。
図16は、本発明の実施の形態6における水素生成システム103の運転方法を示すフローチャートである。
以上のように構成された本実施の形態の水素生成システム103について、以下、その動作、作用を図1および図13および図16を参照しながら説明する。
まず、燃料供給器80からメタンを、水供給器90から水蒸気改質に必要な供給水を、それぞれ燃料処理器70に供給する(S051)。ここで供給水と、原料となるメタン中のカーボンの比率をスチーム/カーボン比(S/C)と呼び、水蒸気改質反応に理論上必要なS/Cよりも高いS/C=3でとなるように供給する。
燃料処理器70では、メタンと水との水蒸気改質反応により、不純物を含む水素含有ガスを生成する。この水素含有ガスには、水素以外の不純物として、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、メタン、窒素が含まれると共に、S/C=3としているため、反応に使用されなかった供給水が水蒸気として含まれている。
燃料処理器70で生成した不純物を含む水素含有ガスを、電気化学デバイス1のアノード側入口13に供給する(S052)。次に、電気化学デバイス1の温度を温度調整器9で70℃に調節し、アノード17とカソード18間に電源40から電流を流す(S053)。
これにより、電気化学反応を利用して、水素含有ガスから水素をカソード18に生成する。電流を流し始めた直後の水素生成効率は99%である。この電源40から電流をして水素を生成し、かつ、電気化学デバイス1の温度が70℃の状態を第2状態とする。
また、電気化学デバイス1のアノード側出口14からは、アノード17に供給された水素含有ガスから、カソード18に移動した水素を除いたオフ水素含有ガスが排出される。
次に、所定の条件である第2状態の水素生成効率が設定値の95%となっているかS054で判定し、95%になっていれば、S055に移行する。判定の結果、95%よりも大きい場合は、再びS054に戻る。
S055に移行したら、電源40から電流を流すことを停止し、電気化学デバイス1の温度を温度調整器9で温度25℃に下げて5分間保持する。この電源40から電流を流すことを停止し、かつ、電気化学デバイス1の温度が25℃の状態を第1状態とする。
その後、水素生成システム103の運転を停止する(S056)。第1状態では、電気化学デバイス1の温度が25℃であるため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度が第2状態のときよりも高くなり、相対湿度が100%以上となる。
さらに、第1状態では、電源40から電流を流すことを停止しているため、アノード17からカソード18に移動するプロトンが存在せず、従って水が同伴しない。このため、アノード17の水素含有ガスの相対湿度がさらに高くなって、アノード17で結露する水分量が確実に多くなる。
これにより、アノード17の触媒に吸着して蓄積した一酸化炭素やアンモニアが、確実
に水中に溶解され、水中に溶解された一酸化炭素やアンモニアを、水と共に除去することが可能となり、水素生成効率の低下を抑制できる。
以上のように、本発明に係る水素生成システムとその運転方法によると、アノードの触媒に蓄積する不純物を除去することで、水素生成効率の低下を抑制できるので、家庭用コージェネレーションシステム、電気自動車用電源およびポータブル電源などに使用される燃料電池の用途に適用することができる。
1 電気化学デバイス
9 温度調整器
13 アノード側入口
14 アノード側出口
15 カソード側出口
16 電解質膜
17 アノード
18 カソード
19 電解質膜−電極接合体
20 アノードセパレータ
21 カソードセパレータ
30、31、32 ガス供給手段
40 電源
50 湿度調整器
60 制御器
70 燃料処理器
80 燃料供給器
90 水供給器
100、101、102、103 水素生成システム

Claims (10)

  1. 電解質膜の両主面がアノードとカソードとで挟まれた電解質膜−電極接合体を構成しており、前記アノードに水素含有ガスを供給して、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードから水素を生成する電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するガス供給手段と、
    前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流す電源と、
    制御器と、
    を備え、所定の条件を満足する第1状態のときと、前記所定の条件を満足しない第2状態のときとが存在する水素生成システムであって、
    前記制御器は、前記第1状態のときに、前記アノードでの水素含有ガスの相対湿度を、前記第2状態のときよりも、高くすることを特徴とする水素生成システム。
  2. 前記制御器は、前記第1状態のときに、前記電源から前記アノードと前記カソードとの間に流す電流値を、前記第2状態のときよりも、小さくすることを特徴とする請求項1に記載の水素生成システム。
  3. 前記電気化学デバイスの温度を調節する温度調整器をさらに備え、
    前記制御器は、前記第1状態のときに、前記電気化学デバイスの温度を、前記第2状態のときよりも、前記温度調整器により低くすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の水素生成システム。
  4. 前記水素含有ガスの湿度を調節する湿度調整器をさらに備え、
    前記制御器は、前記第1状態のときに、前記水素含有ガスの湿度を、前記第2状態のときよりも、前記湿度調整器により高くすることを特徴とする請求項1または2に記載の水素生成システム。
  5. 前記ガス供給手段は、
    炭化水素系の燃料と水から水素含有ガスを生成する燃料処理器と、
    前記燃料処理器に前記燃料を供給する燃料供給器と、
    前記燃料処理器に前記水を供給する水供給器と、
    からなることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の水素生成システム。
  6. 前記制御器は、前記第1状態のときに、前記第2状態のときの前記水素含有ガスの相対湿度よりも高くなるように、前記燃料供給器と前記水供給器のどちらか一方の供給流量を制御することを特徴とする請求項5に記載の水素生成システム。
  7. 前記所定の条件とは、前記第2状態の継続時間が設定値に達することである、請求項1から6のいずれか1項に記載の水素生成システム。
  8. 前記所定の条件とは、前記第2状態の累積時間が設定値に達することである、請求項1から6のいずれか1項に記載の水素生成システム。
  9. 前記所定の条件とは、前記第2状態における水素生成効率が設定値になることである、請求項1から6のいずれか1項に記載の水素生成システム。
  10. 電解質膜の両主面がアノードとカソードとで挟まれた電解質膜−電極接合体を構成しており、前記アノードに水素含有ガスを供給して、前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流すことで、前記カソードから水素を生成する電気化学デバイスと、
    前記アノードに前記水素含有ガスを供給するガス供給手段と、
    前記アノードと前記カソードとの間に所定方向の電流を流す電源と、
    を備え、所定の条件を満足する第1状態のときと、前記所定の条件を満足しない第2状態のときとが存在する水素生成システムの運転方法であって、
    前記第1状態のときに、前記アノードでの水素含有ガスの相対湿度を、前記第2状態のときよりも、高くすることを特徴とする水素生成システムの運転方法。
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