JP2019172659A - 含フッ素アルキン化合物及びその製造方法、並びに製造用中間体 - Google Patents

含フッ素アルキン化合物及びその製造方法、並びに製造用中間体 Download PDF

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Abstract

【課題】両末端にアセチレン結合を持つペルフルオロアルカン化合物、及び前記化合物の効率的且つ安価な製造方法の提供。【解決手段】一般式(1)で表される含フッ素アルキン化合物(式中、mは2〜4の整数を表す)。並びに、一般式(3)で表される化合物に塩基性化合物を反応させて、末端にアセチニル基を有する、含フッ素アルキン化合物(例えば、一般式(1)で表される化合物)の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、新規な含フッ素アルキン化合物、及び工業的に安価で簡便な含フッ素アルキン化合物の製造方法に関する。
含フッ素化合物は、フッ素原子の持つ特性により、ユニークな物性や反応性を示す。例えば、有機化合物の水素原子の全てがフッ素原子に置換されているペルフルオロ化合物は、C−F結合エネルギーが非常に強くその結合が切れにくいため、高い耐熱性や耐薬品性を示す。
一方、アセチレンに代表されるアルキン化合物は、多岐にわたる反応性を示す。特に、末端にアルキン基を持つ化合物は、環化付加あるいはカップリング反応、重合反応等を利用して機能性材料の合成に応用され、両末端にアルキン基を持つ化合物は、架橋剤や硬化性組成物としても有用であることが報告されている。
このようなフッ素原子とアルキン基を併せ持つ含フッ素アルキン化合物は、材料化学や合成化学において非常に重要な化合物であり、中でも両末端アセチレン基と、それらを連結するスペーサーがペルフルオロアルキル基である含フッ素アルキン化合物は、フッ素原子の持つ特性を付与した機能性材料を合成するのに非常に有用な中間体であると考えられる。
末端にアセチレン基が直接結合したペルフルオロアルカン化合物(以後「Rf−C≡CH」と略すことがある。)の合成方法にはいくつか報告例がある。
特許文献1や非特許文献1には、両末端にアセチレン基を有するペルフルオロアルカン化合物(以後「HC≡C−Rf−C≡CH」と略すことがある。)を合成した例が報告されており、具体的には、ジヨードペルフルオロアルカン化合物(I−Rf−I)と、過剰のトリメチルシリルアセチレン又はビス(トリメチルシリル)アセチレンとのラジカル付加反応を行い、次いで脱HI、最後に脱トリメチルシリル化によって合成できる。しかし、この方法で用いるトリメチルシリルアセチレン又はビス(トリメチルシリル)アセチレンは高価であり、両末端への反応のため大量に用いなければならないという課題がある。
非特許文献1に記載されているトリメチルシリルアセチレンを用いた両末端へのトリメチルシリル付加反応は、Rf鎖の鎖長の短い炭素数が4(‐(CF‐)や炭素数が2(‐(CF‐)の場合は、1段目のシリル化反応の段階の収率が非常に低く、このため本発明者らは続く反応を断念し、目的のRf鎖の鎖長の短い炭素数が4(‐(CF‐)や炭素数が2(‐(CF‐)である両末端アセチレン化合物を合成することはできなかった。
すなわち、非特許文献1の第2252頁左欄には‘Lower diiodides, however, did not readily give diadducts. Thus, 1,4-diiodoperfluorobutane gave a complex mixture containing 33% of the monoadduct and 22% of the diadduct, on the basis of GC analysis. Only the monoadduct was isolated from 1,2-diiodoperfluoroethane.’(しかしながら、炭素数の短いジヨード化合物では、二付加物を旨く得ることができなかった。すなわち、1,4−ジヨードペルフルオロブタンからは、GC分析値として付加物33%と二付加物22%を含む複雑混合物しか得られなかった。1,2−ジヨードペルフルオロエタンからは一付加物しか得られなかった。)との記載が示すように、炭素数が4(‐(CF‐)や炭素数が2(‐(CF‐)である両末端アセチレン化合物を旨く合成するには至っていない。
これに対し、非特許文献1の第2253頁左欄に記載の反応式(7)の例に示されるように、Rf鎖の炭素数が6以上では、目的のHC≡C−Rf−C≡CHを得ることに成功したが、脱シリル化反応の収率が、Rf鎖の炭素数が6(‐(CF‐)の場合は32.5%、炭素数が長くなる8〜12でも45〜72%と向上したものの、収率の面で課題がある。
また、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−アルキン化合物を用いたラジカル付加反応を行い、次いで脱ケトンを経由し、Rf−C≡CHを合成する方法(特許文献2、非特許文献2)も報告されているが、上記課題と同じく特殊な反応剤を大量に使用しなければならず、両末端への付加となるとその課題が顕著となってしまうことになる。
また、非特許文献3には、末端にビニル基等のアルケン基を持つペルフルオロアルカン化合物(Rf−CH=CH2)のアルケン基への光塩素付加反応を利用して高度塩素化化合物を合成し、次いで亜鉛との反応による亜鉛アセチリド化合物の形成を経由し、Rf−C≡CHを得る方法が報告されている。しかし、この方法も、亜鉛粉末の大量使用と、毒性の高い亜鉛廃棄物の大量排出が予想され、工業的に有利な方法とは言い難い。
特許文献1:米国特許第4347376号明細書
特許文献2:欧州特許出願公開第0083274号明細書
非特許文献1:Journal of Organic Chemistry,1982年,第47巻,2251頁−2257頁,(2253頁 式(6)、式(9))。
非特許文献2:Journal оf Fluorine Chemistry,1994年,第68巻,21頁−24頁。
非特許文献3:Journal оf Fluorine Chemistry,1988年,第38巻,119頁−123頁。
上記の通り、末端にアセチレン基を持つペルフルオロアルカン化合物(Rf−C≡CH)、特に、両末端にアセチレン基を持つペルフルオロアルカン化合物(HC≡C−Rf−C≡CH)の合成には、特殊な反応剤や亜鉛粉末を大量に使用しなければならないという課題がある。
又、HC≡C−Rf−C≡CHのうちRf鎖の鎖長が短い化合物は、Rf鎖の鎖長が比較的長い化合物よりも合成しにくいことが文献等から伺えた。特に、Rf鎖の炭素数が4以下の化合物であるHC≡C−(CF−C≡CHやHC≡C−(CF−C≡CHは未だかつて合成されたとの報告は見当たらない。
非特許文献1では、Rf鎖の炭素数が4のI‐(CF‐Iと、トリメチルシリルアセチレン又はビス(トリメチルシリル)アセチレンとのラジカル付加反応を行い、Rf鎖の炭素数が4の化合物(HC≡C−(CF−C≡CH)の合成を試みているが、トリメチルシリルアセチレンを用いた場合は、ラジカル付加反応の収率が低く、続く末端アセチレン化合物への誘導を断念している。又、ビス(トリメチルシリル)アセチレンを用いた場合は、下記反応式に示す様な環を形成する反応が主に進行してしまい、Rf鎖の炭素数が4の化合物(HC≡C−(CF−C≡CH)を合成することはできていない。
Figure 2019172659
一方で、Rf鎖の炭素数が4よりも長い6、8及び10のI‐(CF‐Iを用いた場合は、目的の両末端アセチレン化合物の製造についての記載がある。
また、非特許文献1において、Rf鎖の炭素数が2のI‐(CF‐Iと、トリメチルシリルアセチレンとのラジカル付加反応を行い、Rf鎖の炭素数が2の化合物(HC≡C−(CF−C≡CH)の合成を試みているが、片末端のみへの付加しか起こらず、目的化合物の合成はできていない。
以上の通り、Rf鎖の炭素数が短い4の化合物(HC≡C−(CF−C≡CH)や炭素数が2の化合物(HC≡C−(CF−C≡CH)は非特許文献1に記載の方法では合成するのが難しかった。
さらに、近年、人体蓄積性の観点から、Rf鎖の鎖長の長い化合物の製造には制限があるため、Rf鎖の鎖長の短いHC≡C−Rf−C≡CHを効率的且つ簡便に合成できる方法が望まれていた。
そこで本発明の目的は、末端にアセチレン結合を持つペルフルオロアルカン化合物(Rf−C≡CH)、さらには両末端にアセチレン結合を持つペルフルオロアルカン化合物(HC≡C−Rf−C≡CH)を効率的且つ工業的に安価に合成できる方法、及び当該方法により合成できるRf鎖の炭素数が4である3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1,7−オクタジイン、及びRf鎖の炭素数が2である3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジインなどの新規な化合物を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、末端さらには両末端にアセチレン基を有するペルフルオロアルカン化合物を効率的且つ工業的に簡便に合成できる方法を見出し、さらに当該方法を用いてRf鎖の炭素数が4である新規な3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1,7−オクタジイン、及びRf鎖の炭素数が2である新規な3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジインを製造することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
本発明は、下記一般式(1)
Figure 2019172659
(式(1)中のmは2から4の整数である)
で表される含フッ素アルキン化合物に係る。さらに式(1)中のmは2又は4である含フッ素アルキン化合物であることが好ましい。
また本発明は、下記一般式(2)
Figure 2019172659
(式(2)中、nは2から6の整数であり、Pはフッ素原子又はビニル基(−CH=CH)である。)で示される含フッ素アルケン化合物を、ハロゲン化して下記一般式(3)
Figure 2019172659
(式(3)中、nは前記式(1)と同じであり、Xは臭素又は塩素であり、Qはフッ素原子又はハロゲン化エチル基(−CHX−CHX)である。)で示される化合物とし、
当該一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物を反応させて、下記一般式(4)
Figure 2019172659
(式(4)中、nは前記式(1)と同じであり、Rはフッ素原子又はアセチニル基(−C≡CH)である。)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
また本発明は、上記一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物Aを反応させ、下記一般式(5)
Figure 2019172659
(式(5)中、n及びXは前記式(1)と同じであり、Sはフッ素原子又はハロゲン化ビニル基(−CX=CH)である。)で示される含フッ素アルケン化合物を得、さらに塩基性化合物Bを反応させて、上記一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、上記の含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
ここで、一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物を反応させる際、一般式(3)で示される化合物の脱ハロゲン化水素反応(以後「脱HX化」と略すことがある。)を一段階または二段階にて行い、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得ることができる。
二段階にて一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る場合、まず塩基性化合物Aによる脱HX化反応を行い、次いで脱HX化反応により得られた、含フッ素アルケン化合物を精製し、あるいは精製することなく、塩基性化合物Bによる脱HX化反応を行い、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得ることができる。
なお一段階にて一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る場合、二段階にて一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る場合に用いられる塩基性化合物を適宜用いることができる。
さらに本発明は、一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物Aを反応させ、さらに塩基性化合物Bを反応させて、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、上記の含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
さらに本発明は、一般式(2)中のPがビニル基(−CH=CH)であり、一般式(3)中のQがハロゲン化エチル基(−CHX−CHX)であり、一般式(4)中のRがアセチニル基(−C≡CH)であり、かつ一般式(5)中のSがハロゲン化ビニル基(−CX=CH)である、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
さらに本発明は、一般式(2)中のnが2、4又は6である、含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
さらに本発明は、塩基性化合物Aが無機塩基性化合物及び/又はアミン化合物である、上記の含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。さらに無機塩基性化合物についてはアルカリ金属の水酸化物が好ましく用いられる。
さらに本発明は、上記塩基性化合物Bがアルカリ金属の水素化物、アルカリ金属のアミド化合物及びアルカリ金属のアルコキシド化合物からなる群より選ばれる、含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。さらにリチウムジイソプロピルアミド又はカリウムtert‐ブトキシドが好ましく用いられる。
さらに本発明は、上記一般式(3)のXが臭素である、含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
さらに本発明は、下記式(6)
Figure 2019172659
で表される含フッ素アルケン化合物に係る。
さらに本発明は、下記式(7)
Figure 2019172659
で表される含フッ素アルケン化合物に係る。
本発明によれば、末端にアセチレン結合を持つペルフルオロアルカン化合物(Rf−C≡CH)、さらには両末端にアセチレン結合を持つペルフルオロアルカン化合物(HC≡C−Rf−C≡CH)を効率的且つ工業的に安価に合成できる方法を提供できる。
さらに本発明によれば、その方法を利用した新規な含フッ素アルキン化合物3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1,7−オクタジイン及び3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジインを提供できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
<本発明の含フッ素アルキン化合物>
上記の通り、本発明の含フッ素アルキン化合物は、一般式(1)
Figure 2019172659
(式(1)中、mは2から4の整数である。)で表される含フッ素アルキン化合物に係る。
<本発明の含フッ素アルキン化合物の製造方法>
上記の通り、本発明の含フッ素アルキン化合物の製造方法は、下記一般式(2)
Figure 2019172659
(式(2)中、nは2から6の整数であり、Pはフッ素原子又はビニル基(−CH=CH)である。)で示される含フッ素アルケン化合物を、ハロゲン化して下記一般式(3)
Figure 2019172659
(式(3)中、nは前記式(2)と同じであり、Xは臭素又は塩素であり、Qはフッ素原子又はハロゲン化エチル基(−CHX−CHX)である。)で示される化合物とし、
当該一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物を反応させて、下記一般式(4)
Figure 2019172659
(式(4)中、nは前記式(2)と同じであり、Rはフッ素原子又はアセチニル基(−C≡CH)である。)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、含フッ素アルキン化合物の製造方法である。
また本発明は、上記一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物Aを反応させ、下記一般式(5)
Figure 2019172659
(式(5)中、n及びXは前記式(2)と同じであり、Sはフッ素原子又はハロゲン化ビニル基(−CX=CH)である。)で示される含フッ素アルケン化合物を得、さらに塩基性化合物Bを反応させて、上記一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、上記の含フッ素アルキン化合物の製造方法に係る。
上記の含フッ素アルキン化合物の製造方法において、一般式(2)中のPがビニル基(−CH=CH)であり、一般式(3)中のQがハロゲン化エチル基(−CHX−CHX)であり、一般式(4)中のRがアセチニル基(−C≡CH)であり、かつ一般式(5)中のSがハロゲン化ビニル基(−CX=CH)であることが好ましい。さらに一般式(2)中のnは2から6の整数、特にnは2、4又は6の整数であることが好ましい。このような範囲であれば目的物をより好適に製造できる。
一般式(2)で示される含フッ素アルケン化合物は、例えばヨード又はジヨードペルフルオロアルカン化合物に対し末端に工業的に安価なエチレンをラジカル付加させ、脱HI(脱ヨー化水素)することで容易に合成することができ、工業的にも大量に生産されているため入手可能である。
一般式(2)で示される含フッ素アルケン化合物としては、具体的に例えば、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロ−1,9−デカジエン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロ−1,8−ノナジエン、3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−オクタジエン、3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,6−ヘプタジエン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−1−ヘプテン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテンが挙げられる。
上記一般式(2)で示される含フッ素アルケン化合物を、ハロゲン化剤と反応させ、あるいは光等を用いたハロゲン化反応を施してハロゲン化して、下記一般式(3)
Figure 2019172659
(式(3)中、nは前記式(2)と同じであり、Xは臭素又は塩素であり、Qはフッ素原子又はハロゲン化エチル基(−CHX−CHX)である。)で示される化合物とする反応は、公知の反応を利用することができる。
例えば、一般式(2)の含フッ素アルケン化合物に対し、鉄触媒の存在下、ハロゲン化剤として臭素を添加することで、一般式(3)の臭素化された含フッ素アルカン化合物(Xは臭素)を得ることができる。又、例えば、光塩素化反応を行うことでも一般式(3)の塩素化された含フッ素アルカン化合物(Xは塩素)を合成できる。
一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物を反応させる際、一般式(3)で示される化合物の脱ハロゲン化水素反応を一段階または二段階にて行い、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得ることができる。
一段階にて一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る場合に用いられる塩基性化合物としては、例えば、リチウムtert‐ブトキシド、ナトリウムtert‐ブトキシド、カリウムtert‐ブトキシド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。これらの内、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムtert‐ブトキシドが好ましく用いられる。また、リチウムアミド化合物は、アルキルリチウムとアミン化合物から予め調製してある市販の薬品を用いても良いし、自ら事前に調製したものを用いても良い。
一段階による脱HX化に用いられる塩基性化合物の使用量としては、一般式(3)で示される化合物の一末端に対し、通常2モル倍〜100モル倍、好ましくは2モル倍〜20モル倍の範囲で用いるとよい。
一段階による脱HX化に用いられる溶媒は、塩基性化合物に対し不活性な溶媒が好ましく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert‐ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、ジグライム、トリグライム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert‐ブタノール、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエン、キシレン、アニソール等が挙げられる。
一段階による脱HX化に用いられる溶媒の使用量としては、一般式(3)で示される化合物と塩基性化合物が溶解、又は分散されるだけの量があれば特に限定されないが、一般式(3)で示される化合物の一末端に対して通常1重量倍〜100重量倍、好ましくは1重量倍〜10重量倍である。
一段階による脱HX化の反応温度は、−100℃〜100℃の範囲で行うことができるが、用いられる溶媒の融点以上、且つ沸点以下での実施が好ましい。
一段階による脱HX化の反応時間は特に範囲はないが、例えば、1分から72時間の間での実施が好ましい。
一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物を反応させる際、一般式(3)で示される化合物の脱ハロゲン化水素反応を二段階にて行い、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得ることができる。
この場合、最初の脱HX化工程に用いられる塩基性化合物を塩基性化合物Aとし、次の脱HX化工程に用いられる塩基性化合物を塩基性化合物Bとする。すなわち、一般式(3)で示される化合物にまず塩基性化合物Aを反応させ、生成物となる下記一般式(5)
Figure 2019172659
(式(5)中、n及びXは前記式(2)と同じであり、Sはフッ素原子又はハロゲン化ビニル基である。)で示される含フッ素アルケン化合物を、精製しあるいは精製せずにワンポットで、塩基性化合物Bと反応させて、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得ることになる。
一般式(5)で示される含フッ素アルケン化合物としては、具体的に例えば、2,9−ジブロモ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロ−1,9−デカジエン、2,8−ジブロモ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロ−1,8−ノナジエン、2,7−ジブロモ−3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−オクタジエン、2,6−ジブロモ−3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,6−ヘプタジエン、2,5−ジブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン、2−ブロモ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、2−ブロモ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−1−ヘプテン、2−ブロモ−3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、2−ブロモ−3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテン,2,9−ジクロロ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロ−1,9−デカジエン、2,8−ジクロロ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロ−1,8−ノナジエン、2,7−ジクロロ−3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−オクタジエン、2,6−ジクロロ−3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,6−ヘプタジエン、2,5−ジクロロ−3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジエン、2−クロロ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクテン、2−クロロ−3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−1−ヘプテン、2−クロロ−3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキセン、2−クロロ−3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンテンが挙げられる。
二段階にて一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る場合に用いられる塩基性化合物Aとしては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化アルミニウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムtert‐ブトキシド、ナトリウムtert‐ブトキシド、カリウムtert‐ブトキシド、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN),1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)などが挙げられるが、脱離するXの脱離性に応じて選択することが好ましい。
これらの内でも塩基性化合物Aがアルカリ金属の水酸化物、アミン化合物であることが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることもできる。このような化合物を用いることで目的物をより好適に製造できる。
塩基性化合物Aを用いた脱HX化に用いられる塩基性化合物Aの使用量は、一般式(3)で示される化合物の一末端に対し、通常1モル倍〜50モル倍、好ましくは1モル倍〜10モル倍の範囲で用いるとよい。
塩基性化合物Aを用いた脱HX化に用いられる溶媒は、塩基性化合物Aに対し不活性な溶媒が好ましく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert‐ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル、ジグライム、トリグライム、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert‐ブタノール、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール等が挙げられ、塩基性化合物Aにアミン化合物を用いる場合は、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等も用いられる溶媒として挙げられる。
塩基性化合物Aを用いた脱HX化に用いられる溶媒の使用量は、一般式(3)で示される化合物と塩基性化合物Aが溶解、又は分散されるだけの量があれば特に限定されないが、一般式(3)で示される化合物の一末端に対して通常1重量倍〜100重量倍、好ましくは1重量倍〜10重量倍である。
塩基性化合物Aを用いた脱HX化の反応温度としては、−100℃〜100℃の範囲で行うことができるが、用いる溶媒の融点以上、且つ沸点以下での実施が好ましい。
塩基性化合物Aを用いた脱HX化の反応時間は、特に範囲はないが、例えば、1分から72時間の間での実施が好ましい。
さらに本発明は、下記式(6)
Figure 2019172659
で表される含フッ素アルケン化合物に係る。
上記式(6)で表される含フッ素アルケン化合物は、上記一般式(1)で表される含フッ素アルキン化合物を製造する際に、上記一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物Aを反応させて得られる、一般式(5)で示される含フッ素アルケン化合物の内の一化合物である。この化合物は一般式(1)で表される含フッ素アルキン化合物の製造用中間体として有用である。
また式(6)で表される含フッ素アルケン化合物は、単独で取り出すことができ、医薬、農薬その他の種々の用途にも適用可能である。
さらに本発明は、下記式(7)
Figure 2019172659
で表される含フッ素アルケン化合物に係る。
上記式(7)で表される含フッ素アルケン化合物は、上記一般式(2)で表される含フッ素アルキン化合物を製造する際に、上記一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物Aを反応させて得られる、一般式(5)で示される含フッ素アルケン化合物の内の一化合物である。この化合物は一般式(2)で表される含フッ素アルキン化合物の製造用中間体として有用である。
また式(7)で表される含フッ素アルケン化合物は、単独で取り出すことができ、医薬、農薬その他の種々の用途にも適用可能である。
さらに、上記一般式(5)で示される含フッ素アルケン化合物を脱HX化するために用いられる塩基性化合物Bとしては、例えば、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、リチウムtert‐ブトキシド、ナトリウムtert‐ブトキシド、カリウムtert‐ブトキシド、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウム−2,2,6,6−テトラメチルピペリジド、リチウムヘキサメチルジシラジド、ナトリウムヘキサメチルジシラジド、カリウムヘキサメチルジシラジド等が挙げられる。これらアルカリ金属のアミド化合物は、アルキルリチウムとアミン化合物から予め調製してある市販の薬品を用いても良いし、自ら事前に調製したものを用いても良い。
これらの内でも塩基性化合物Bがアルカリ金属の水素化物、アルカリ金属のアミド化合物及びアルカリ金属のアルコキシド化合物からなる群より選ばれる化合物であるが好ましい。これらの化合物は2種以上を組み合わせて用いることもできる。このような化合物あるいはその混合物を用いることで目的物をより好適に製造できる。
塩基性化合物Bを用いた脱HX化に用いられる塩基性化合物Bの使用量としては、一般式(3)で示される化合物の一末端に対しては、通常2モル倍〜100モル倍、好ましくは2モル倍〜20モル倍の範囲で用いるとよく、塩基性化合物Aによる脱HXを行って得られた化合物の場合は、その一末端に対し、通常1モル倍〜50モル倍、好ましくは1モル倍〜10モル倍の範囲で用いるとよい。
塩基性化合物Bによる脱HX化に用いられる溶媒としては、塩基性化合物Bに対し不活性な溶媒が好ましく、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert‐ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジグライム、トリグライム、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、アニソール等が挙げられ、これら溶媒は、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
塩基性化合物Bを用いた脱HX化に用いられる溶媒の使用量は、一般式(3)で示される化合物、又は塩基性化合物Aによって脱HXを行って得られた化合物と塩基性化合物Bが溶解、又は分散されるだけの量があれば特に限定されないが、一般式(3)で示される化合物、又は塩基性化合物Aによって脱HXを行って得られた化合物の一末端に対して通常1重量倍〜100重量倍、好ましくは1重量倍〜10重量倍である。
塩基性化合物Bによる脱HX化の反応温度としては、−100℃〜50℃の範囲で行うことができるが、用いる溶媒の融点以上、且つ沸点以下での実施が好ましい。
塩基性化合物Bによる脱HX化の反応時間としては、特に範囲はないが、1分から72時間の間での実施が好ましい。
一般式(2)で示される含フッ素アルケン化合物がハロゲン化された後は、余剰のハロゲン化合物あるいはハロゲン残分を還元剤等でクエンチし、抽出、水洗、蒸留、シリカゲルクロマトグラフィーなどの一般的な精製操作で単離精製することができ、抽出により回収した一般式(3)で示される化合物を含む有機層をそのまま次の脱HX化に用いることもできる。
上記の通り、一段階の脱HX化に用いられた塩基性化合物、二段階の脱HX化に用いられた塩基性化合物A及び塩基性化合物Bは、脱HX化反応の後は、余剰の塩基性化合物を酸により中和し、抽出、水洗、蒸留、シリカゲルクロマトグラフィーなどの一般的な精製操作で単離精製することができる。
上記の通りに製造することで、下記一般式(1)
Figure 2019172659
(式(1)中、mは2から4の整数である。)で示される含フッ素アルキン化合物が得られる。
一般式(1)で示される含フッ素アルキン化合物として具体的には、例えば、3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−オクタジイン、3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,6−ヘプタジイン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジインが挙げられる。
さらには、上記の通りに製造することで、下記一般式(4)
Figure 2019172659
(式(4)中、nは2から6の整数である。)で示される含フッ素アルキン化合物が得られる。
一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物として具体的には、例えば、3,3,4,4,5,5,6,6−デカフルオロ−1,7−オクタジイン、3,3,4,4,5,5−デカフルオロ−1,6−ヘプタジイン、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジイン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロ−1,9−デカジイン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−デカフルオロ−1,8−ノナジイン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−1−オクチン、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7−ウンデカフルオロ−1−ヘプチン、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロ−1−ヘキシン、3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ−1−ペンチンが挙げられる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何らの制限を受けるものではない。
分析には下記機器を使用した。
H NMR、19F NMR:ブルカー・バイオスピン株式会社製 AVANCE−III NMR分光計
IR:島津製作所製 IRAffinity フーリエ変換型赤外分光光度計
GC−MS:島津製作所製GCMS−QP2010Plus.
〔実施例1〕3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1,7−オクタジイン(化合物4)の合成
Figure 2019172659
化合物1(東ソー・ファインケム製,27.9g,110mmol)のジクロロメタン(和光純薬工業製,100mL)溶液に対し、触媒量の鉄粉(和光純薬工業製,70.0mg,1.25mmol)、臭素(和光純薬工業製,12.0mL,232mmol)を加え、25℃で48時間撹拌した。反応混合物に亜硫酸ナトリウム水溶液を加え過剰の臭素を分解した後、水層をジクロロメタンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、化合物2を白色固体として54.2g(94.4mmol)得た(収率86%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):
δ=4.50(m,2H),4.03 (dd,J=12.0,3.3Hz,2H),3.61(dd,J=12.0,3.3Hz,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−108.83〜−110.12(m,4F),−112.25〜−113.50(m,2F),−117.34〜−120.12(m,2F)。
Figure 2019172659
化合物2(54.2g,94.4mmol)のテトラヒドロフラン(和光純薬工業製,150mL)溶液に対し、水酸化ナトリウム水溶液(15.0M,80.0mL,1.20mol)を加え、25℃で24時間撹拌した。反応混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、化合物3を38.9g(94.4mmol)得た(収率100%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.49(s,2H),6.21(s,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−108.47(s,4F),−119.97(s,4F)。
Figure 2019172659
アルゴン雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,5.00g,44.6mmol)の脱水ジエチルエーテル(和光純薬工業製,100mL)溶液に対し、0℃で化合物3(6.30g, 15.3mmol)の脱水ジエチルエーテル(和光純薬工業製,10mL)溶液をゆっくりと滴下し、0℃で3時間撹拌した。塩酸(1M,40mL)を加えて反応を停止した後、水層をジエチルエーテルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、溶媒を常圧蒸留で留去し、残渣を蒸留(2mmHg,25℃)する事で6.84gの無色油状物を得た。
H NMRから、この油状物には、3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロ−1,7−オクタジイン(4)、ジエチルエーテル、およびtert‐ブタノールが1.0:1.9:1.4のモル比で含まれていることが分かった(収率90%)。化合物1から化合物4までのトータル収率は78%であった。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=3.05(t,J=5.5Hz,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−99.53〜−99.42(m,4F),−122.03〜−121.94(m,4F).
IR(neat):3308cm−1(C−H),2133cm-1(C≡C)。
〔実施例2〕
アルゴン雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,2.20g,19.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,60mL)溶液を−78℃に冷却した。そこへ、実施例1と同様に得た化合物3(1.00g, 2.43mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,15mL)溶液をゆっくりと滴下し、−78℃で2時間撹拌した。その後、実施例1と同様の後処理を実施した結果、目的物である化合物4が得られていることが分かった(収率100%)。
〔実施例3〕
アルゴン雰囲気下、ジイソプロピルアミン(和光純薬工業製,1.6mL,11.0mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,60mL)溶液を−78℃に冷却し、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(関東化学製,7.0mL,11.0mmоl)をゆっくり加え、リチウムジイソプロピルアミドの溶液を調製した。そこへ、実施例1と同様に得た化合物3(1.00g, 2.43mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,15mL)溶液をゆっくりと滴下し、−78℃で1時間撹拌した。その後、実施例1と同様の後処理を実施した結果、目的物である化合物4が得られていることが分かった(収率100%)。
〔実施例4〕3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロ−1,9−デカジイン(化合物8)の合成
Figure 2019172659
化合物5(東ソー・ファインケム製,39.0g,110mmol)のジクロロメタン(和光純薬工業製,100mL)溶液に対し、触媒量の鉄粉(和光純薬工業製,70.0mg, 1.25mmol)、臭素(和光純薬工業製,12.0mL,232mmol)を加え、25℃で48時間撹拌した。化合物2の合成と同様の処理を行い、白色固体として化合物6を72.1g(107mmol)得た(収率97%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=4.47〜4.38(m,2H),3.96(dd,J=12.1,3.4Hz,2H),3.55(dd,J=12.1,3.4Hz,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−109.12〜−110.39(m,2F),−112.11〜−113.23(m,2F),−117.43〜−120.19(m,4F),−120.48〜−122.50(m,4F)。
Figure 2019172659
化合物6(57.1g,84.8mmol)のテトラヒドロフラン(和光純薬工業製,110mL)溶液に対し、水酸化ナトリウム水溶液(12.9M,70.0mL,0.903mol)を加え、25℃で24時間撹拌した。化合物3の合成と同様の処理を行い、化合物7を43.4g(84.8mmol)得た(収率100%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.51(s,2H),6.23(s,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−108.47(s,4F),−120.38(s,4F),−121.52(s,4F)。
Figure 2019172659
アルゴン雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,3.33g,29.7mmol)の脱水ジエチルエーテル(和光純薬工業製,80mL)溶液に対し、0℃で化合物3(5.12g, 10.0mmol)の脱水ジエチルエーテル(和光純薬工業製,10mL)溶液をゆっくりと滴下し、0℃で3時間撹拌した。塩酸(1M,40mL)を加えて反応を停止した後、水層をジエチルエーテルで抽出し、有機層を蒸留水で洗い、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、残渣を真空蒸留(2mmHg,25℃)する事で、3.05gの無色油状物を得た。1HNMRから、この油状物には、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8−ドデカフルオロ−1,9−デカジイン(8)、ジエチルエーテル、およびtert‐ブタノールが1.0:1.0:1.2のモル比で含まれていることが分かった(収率53%)。化合物5から化合物8までの総合収率は51%であった。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=3.01(t,J=5.6Hz,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−99.24(s,4F),−121.19(m,4F),−122.71(s,4F).
IR(neat):3310cm−1(C−H),2225cm-1(C≡C)。
〔実施例5〕3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジイン(化合物12)の合成
Figure 2019172659
化合物9(東ソー・ファインケム製,7.70g,50mmol)のジクロロメタン(和光純薬工業製,50mL)溶液に対し、触媒量の鉄粉(和光純薬工業製,35mg, 0.63mmol)、臭素(和光純薬工業製,17.4g,109mmol)を加え、15〜25℃で6時間撹拌した。化合物2の合成と同様の処理を行い、ジクロロメタンを少量含んだ無色透明油状の化合物10を22.8g(47.5mmol,純度95wt%)得た(収率92%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=4.57〜4.48(m,2H),4.05〜4.00(dd,J=12.0,4.4Hz,2H),3.63〜3.57(dd,J=12.0,4.4Hz,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−104.91〜−106.77(m,2F),−109.84〜−111.98(m,2F)。
Figure 2019172659
化合物10(11.0g,22.1mmol,純度95wt%)のジクロロメタン(和光純薬工業製,40mL)溶液に対し、ジアザビシクロウンデセン(和光純薬工業製,8.40g,55.2mmol)をゆっくりと加え、20℃で0.5時間撹拌した。反応混合物を塩酸水溶液(1M、30ml)、次いで飽和食塩水にて洗浄を行い、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ロータリーエバポレーターで濃縮し、ジクロロメタンを約22wt%含んだ淡黄色油状の化合物11を8.12g(20.3mmol、純度78wt%)得た(収率87%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.43(d,2H,J=2.8Hz),6.12(d,2H,J=2.8Hz).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−107.78(s,4F)。
GC−MS:231(M−79,40),212(3),181(4),155(100),151(60),129(45),107(13),75(50),57(20),51(15).
Figure 2019172659
窒素雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,2.99g,26.6mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,50mL)溶液に対し、−70〜−60℃でジクロロメタンを約22wt%含む化合物11(2.66g, 6.65mmol,純度78wt%)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,8mL)溶液をゆっくりと滴下し、−70〜−60℃で1時間撹拌した。塩酸水溶液(1M,30mL)を加えて反応を停止した後、飽和食塩水とテトラヒドロフランを加えて有機層を抽出し、回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液の19FNMR分析から、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジイン(12)が0.87g(5.79mmоl,収率87%)含まれていることが分かった。化合物9から化合物12までの総合収率は73%であった。
分析結果は以下の通りであった。又、FT−IR測定に替えてGC−MS測定を実施し、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジイン(12)であることを確認した。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=2.73〜2.76(m,2H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−101.59〜101.58(m,4F).
GC−MS:150(M,3),131(2),124(1),100(10),81(28),75(100),61(7),56(30),50(15),37(9).
〔実施例6〕
窒素雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,5.20g,46.3mmol)の脱水ジエチルエーテル(和光純薬工業製,70mL)溶液を−70〜−60℃に冷却した。そこへ、実施例5と同様に得たジクロロメタンをわずかに含む化合物10(3.70g, 7.42mmol,純度95wt%)の脱水ジエチルエーテル(和光純薬工業製,6mL)溶液をゆっくりと滴下し、−70〜−60℃で1時間撹拌し、0℃まで昇温した。その後、塩酸水溶液(1M,20mL)を加えて反応を停止した後、飽和食塩水とジエチルエーテルを加えて有機層を抽出し、回収した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液の19FNMR分析から、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジイン(12)が0.34g(2.27mmоl,収率31%)、化合物11が1.57g(5.03mmоl,収率68%)含まれていることが分かった。
〔実施例7〕
窒素雰囲気下、ナトリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,13.48g,140.3mmol)とカリウムtert‐ブトキシド(6.42g,57.2mmol)、溶媒として脱水n−ヘプタン(和光純薬工業製,200mL)と脱水トルエン(和光純薬工業製,50mL)を共存させ、−50〜−40℃に冷却した。そこへ実施例5と同様に得たジクロロメタンをわずかに含む化合物10(7.00g, 14.0mmol,純度95wt%)の脱水n−ヘプタン(和光純薬工業製,8mL)溶液をゆっくりと滴下した。次いで、室温まで昇温し、そのまま室温で16時間攪拌した。塩酸水溶液(1M,300mL)を加えて反応を停止した後、有機層を回収し無水硫酸マグネシウムで乾燥した。硫酸マグネシウムをろ別した後、ろ液の19FNMR分析から、3,3,4,4−テトラフルオロ−1,5−ヘキサジイン(12)が1.05g(7.02mmоl,収率50%)、化合物11が1.44g(4.62mmоl,収率33%)含まれていることが分かった。
〔実施例8〕ノナフルオロブチルアセチレン(化合物16)の合成
Figure 2019172659
化合物13(東ソー・ファインケム製,5.0g,20mmol)のジクロロメタン(和光純薬工業製,40mL)溶液に対し、触媒量の鉄粉(和光純薬工業製,30mg, 0.51mmol)、臭素(和光純薬工業製,6.5g,41mmol)を加え、15〜25℃で6時間撹拌した。化合物2の合成と同様の処理を行い、ジクロロメタンを約21wt%含んだ無色透明油状の化合物14を8.3g(16mmol,純度79wt%)得た(収率79%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=4.52〜4.43(m,1H),4.03〜3.99(dd,J=12.0,3.6Hz,1H),3.63〜3.58(m,1H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−81.32(t,J=9.8Hz,3F),110.33〜−113.69(m,2F),−119.03〜−121.72(m,2F),−126.26〜−126.37(m,2F).
Figure 2019172659
化合物14(8.3g,16mmol,純度79wt%)のジクロロメタン(和光純薬工業製,40mL)溶液に対し、ジアザビシクロウンデセン(和光純薬工業製,2.4g,16mmol)をゆっくりと加え、20℃で1時間撹拌した。化合物11の合成と同様の処理を行い、ジクロロメタンを約87wt%含んだ淡黄色油状の化合物15を9.9g(4mmol、純度13wt%)得た(収率48%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.51(d,J=3.2Hz,1H),6.25〜6.24(m,1H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−81.38(m,3F),109.10〜−109.17(m,2F),−121.72〜−121.79(m,2F),−126.29〜−126.37(m,2F).
Figure 2019172659
窒素雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,3.30g,29mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,50mL)溶液に対し、−70〜−60℃でジクロロメタンを約87wt%含む化合物15(4.4g、2mmol、純度13wt%)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,38mL)溶液をゆっくりと滴下し、−60〜−50℃で1時間撹拌した。化合物12の合成と同様の処理を行い、ろ液の19FNMR分析から、ノナフルオロブチルアセチレン(16)が0.38g(2mmоl,収率89%)含まれていることが分かった。化合物13から化合物16までの総合収率は34%であった。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=2.92(s,1H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−81.59(t,J=9.8Hz,3F),99.51(d,J=2.6Hz,2F),−123.98〜−124.00(m,2F),−125.88〜−125.93(m,2F).
〔実施例9〕トリデカフルオロヘキシルアセチレン(化合物20)の合成
Figure 2019172659
化合物17(東ソー・ファインケム製,10.0g,29mmol)のジクロロメタン(和光純薬工業製,40mL)溶液に対し、触媒量の鉄粉(和光純薬工業製,40mg, 0.75mmol)、臭素(和光純薬工業製,9.6g,60mmol)を加え、15〜25℃で6時間撹拌した。化合物2の合成と同様の処理を行い、ジクロロメタンを約76wt%含んだ無色透明油状の化合物17を60.6g(29mmol,純度24wt%)得た(収率100%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=4.55〜4.45(m,1H),4.04〜4.00(dd,J=12.0,3.6Hz,1H),3.65〜3.60(m,1H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−81.30(m,3F),110.04〜−113.44(m,2F),−118.11〜−119.87(m,2F),−122.16〜−122.27(m,2F),−123.13〜−123.14(m,2F),−126.56〜−126.60(m,2F).
Figure 2019172659
化合物18(29.8g,14mmol,純度24wt%)のジクロロメタン(和光純薬工業製,40mL)溶液に対し、トリエチルアミン(和光純薬工業製,1.5g,15mmol)をゆっくりと加え、20℃で1時間撹拌した。化合物11の合成と同様の処理を行い、ジクロロメタンを約78wt%含んだ淡黄色油状の化合物19を26.8g(14mmol、純度22wt%)得た(収率99%)。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=6.52(d,J=3.2Hz,1H),6.25〜6.24(m,1H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−81.37(t,J=9.8Hz,3F),108.91〜−108.99(m,2F),−120.82〜−120.88(m,2F),−122.14〜−122.15(m,2F),−123.28〜−123.29(m,2F),−126.62〜−126.72(m,2F).
Figure 2019172659
窒素雰囲気下、カリウムtert‐ブトキシド(和光純薬工業製,3.96g,35mmol)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,50mL)溶液に対し、−70〜−60℃でジクロロメタンを約78wt%含む化合物19(13.34g、7mmol、純度22wt%)の脱水テトラヒドロフラン(和光純薬工業製,67mL)溶液をゆっくりと滴下し、−60〜−50℃で1時間撹拌した。化合物12の合成と同様の処理を行い、ろ液の19FNMR分析から、トリデカフルオロヘキシルアセチレン(20)が2.13g(6mmоl,収率88%)含まれていることが分かった。化合物17から化合物20までの総合収率は87%であった。
分析結果は以下の通りであった。
H NMR(400MHz,CDCl):δ=2.94(s,1H).
19F NMR(376MHz,CDCl):δ=−81.45(t,J=9.8Hz,3F),98.99(d,J=2.6Hz,2F),−121.77〜−121.79(m,2F),−123.27〜−123.28(m,4F),−126.64〜−126.72(m,2F).
〔比較例1〕1,4−ジヨードペルフルオロブタン(化合物13)と(トリメチルシリル)アセチレンとの反応(非特許文献1より)
Figure 2019172659
1,4−ジヨードペルフルオロブタン(13)(1.4g,3.0mmоl)と(トリメチルシリル)アセチレン(0.90g,9.2mmоl),ジ−tert−ブチルパーオキサイド(0.2g,1.4mmоl)の混合物をシールドチューブ中、120℃で6日間加熱した。加熱後のGC分析の結果、7成分の混合物が得られた(12%,23%,20%,13%,6%,22%,3%)。主生成物は片末端側だけに(トリメチルシリル)アセチレンが付加した化合物(14)(幾何異性体含め33%)であり、両末端に(トリメチルシリル)アセチレンが付加した化合物は更に低い生成比(22%)で観測される程度であった。原料の1,4−ジヨードペルフルオロブタンも残存していた(12%)。
〔比較例2〕1,4−ジヨードペルフルオロブタン(化合物13)とビス(トリメチルシリル)アセチレンとの反応(非特許文献1より)
Figure 2019172659
1,4−ジヨードペルフルオロブタン(13)(10.0g,0.022mоl)とビス(トリメチルシリル)アセチレン(41g,0.024mоl),ヨウ素(0.11g,0.00044mоl)をモネル製耐圧装置に入れ、200℃で70時間加熱した。その結果、目的とする鎖状の生成物(15)ではなく、環状生成物が81%の収率で得られた。
〔比較例3〕1,2−ジヨードペルフルオロブタン(化合物16)と(トリメチルシリル)アセチレンとの反応(非特許文献1より)
Figure 2019172659
1,2−ジヨードペルフルオロエタン(16)(0.106g,0.30mmоl)と(トリメチルシリル)アセチレン(0.088g,0.90mmоl),ジ−tert−ブチルパーオキサイド(0.007g,0.05mmоl)の混合物をシールドチューブ中、120℃で36時間、更に150℃で25時間加熱した。加熱後のガスクロマトグラフ分析における主成分は、(トリメチルシリル)アセチレンが片側のみに付加した化合物(17)であった(両末端に付加した化合物(18)が観測された記述はない)。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2019172659
    (式(1)中、mは2から4の整数である。)
    で表される含フッ素アルキン化合物。
  2. 一般式(5)のmが2又は4である請求項1に記載の含フッ素アルキン化合物。
  3. 下記一般式(2)
    Figure 2019172659
    (式(2)中、nは2から6の整数であり、Pはフッ素原子又はビニル基である。)で示される含フッ素アルケン化合物を、ハロゲン化して下記一般式(3)
    Figure 2019172659
    (式(3)中、nは前記式(2)と同じであり、Xは臭素又は塩素であり、Qはフッ素原子又はハロゲン化エチル基である。)で示される化合物とし、
    当該一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物を反応させて、下記一般式(4)
    Figure 2019172659
    (式(4)中、nは前記式(2)と同じであり、Rはフッ素原子又はアセチニル基である。)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、含フッ素アルキン化合物の製造方法。
  4. 前記一般式(3)で示される化合物に塩基性化合物Aを反応させ、下記一般式(5)
    Figure 2019172659
    (式(5)中、n及びXは前記式(2)と同じであり、Sはフッ素原子又はハロゲン化ビニル基である。)で示される含フッ素アルケン化合物を得、さらに塩基性化合物Bを反応させて、一般式(4)で示される含フッ素アルキン化合物を得る、請求項3に記載の含フッ素アルキン化合物の製造方法。
  5. 一般式(2)中のPがビニル基であり、一般式(3)中のQがハロゲン化エチル基であり、一般式(4)中のRがアセチニル基であり、かつ一般式(5)中のSがハロゲン化ビニル基である請求項3又は請求項4に記載の含フッ素アルキン化合物の製造方法。
  6. 一般式(2)中のnが2、4又は6である、請求項3〜5のいずれか一項に記載の含フッ素アルキン化合物の製造方法。
  7. 前記塩基性化合物Aが無機塩基性化合物及び/又はアミン化合物である、請求項3〜6の何れか一項に記載の含フッ素アルキン化合物の製造方法。
  8. 前記塩基性化合物Bが、アルカリ金属の水素化物、アルカリ金属のアミド化合物及びアルカリ金属のアルコキシド化合物からなる群より選ばれる、請求項3〜7の何れか一項に記載の含フッ素アルキ
  9. 前記一般式(3)のXが臭素である、請求項3〜8のいずれか一項に記載の含フッ素アルキン化合物の製造方法。
  10. 下記式(6)
    Figure 2019172659
    又は、下記式(7)
    Figure 2019172659
    で表される含フッ素アルケン化合物。
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