以下、スキャナー装置の一実施形態について説明する。
本実施形態のスキャナー装置は、読取機能に加えて、印刷機能を備えた複機能装置として構成されている。本実施形態のスキャナー装置において、印刷機能は、用紙などの媒体に液体の一例であるインクを吐出することにより印刷を行うインクジェット方式によって実現されている。
図1〜図3に示すように、スキャナー装置11は、本体部12と、本体部12を支持する脚部13と、を備える。本体部12は、高さ、奥行及び幅としてそれぞれ所定の長さを有する。本実施形態において、幅方向と奥行方向は実質的に水平であり、スキャナー装置11は、水平面上に置かれているものとする。そして、鉛直方向をZ軸で、奥行方向をY軸で、幅方向をZ軸及びY軸と交差するX軸で、それぞれ示す。X軸、Z軸及びY軸は、それぞれ幅、高さ及び奥行の長さを示す座標軸となる。
以下の説明では、幅方向をX軸方向と示し、X軸方向のうち一方の方向を+X方向と示し、X軸方向のうち他方の方向を−X方向と示す。奥行方向をY軸方向と示し、Y軸方向のうち一方の方向を第1方向の一例である+Y方向と示し、Y軸方向のうち他方の方向を第2方向の一例である−Y方向と示す。また、鉛直方向をZ軸方向と示し、鉛直下方向を−Z方向と示し、鉛直上方向を+Z方向と示す。
以下の説明では、説明の便宜のため、上、下、左、右、前、及び後と示す場合がある。これらの方向は、スキャナー装置11の+Y方向側にユーザーがいると仮定したときに、そのユーザーを基準とした各方向を示すものとする。
本体部12は、+X方向に面する左側面21と、−X方向に面する右側面22と、+Y方向に面する第2面の一例である前面23と、−Y方向に面する後面24と、+Z方向に面する第1面の一例である上面25と、−Z方向に面する下面26と、を有する。前面23は、上面25に交差する方向に延びる。本体部12は、略四角箱のような形状である。
本体部12は、外装体28を有する。外装体28は、+X方向に面する左側面281と、−X方向に面する右側面282と、+Y方向に面する前面283と、−Y方向に面する後面284と、+Z方向に面する上面285と、−Z方向に面する下面286と、を有する。外装体28の上面285は、X軸方向及びY軸方向に沿って延びる平面を構成する。
外装体28は、上面285において、本体部12の内部を視認可能にする覗き窓29を有する。覗き窓29は、Y軸方向に所定の奥行を有するとともに、X軸方向に沿って延びている。覗き窓29は、外装体28において、+Z方向に開口する覗き孔30と、覗き孔30を覆うことができる覗き孔カバー31と、を有する。
本実施形態の覗き孔カバー31は、外装体28の内部を視認可能とするように、透明な材料製である。なお、覗き孔カバー31は、半透明であってもよく、不透明であってもよい。覗き孔カバー31は、X軸方向に沿って延びる覗き孔カバー軸32を中心に回動可能に構成されている(図3参照)。覗き孔カバー31を+Z方向側の開位置に回動させると、覗き孔30が開かれる。覗き孔カバー31を−Z方向側の閉位置に回動させると、覗き孔30が閉じられる。覗き孔カバー31は、+Z方向に面する上面311を有する。覗き孔カバー31が閉位置にあるとき、上面311は、X軸方向及びY軸方向に沿って延びる平面を構成する。
本体部12は、インク等の液体を収容する液体収容体(図示略)を着脱可能に保持する保持部33と、スキャナー装置11を操作するための操作部34と、長尺状である印刷用の媒体90を収容可能な収容部35と、を備える。収容部35は、本体部12において、−Y方向側の端部に設けられている。以下の説明では、単に媒体90と示す場合、印刷用の媒体90を意味する。媒体90は、印刷媒体の一例である。
収容部35は、媒体90がロール状に巻き重ねられることにより形成された媒体ロール91を収容可能な収容空間36を有する(図3参照)。収容空間36は、+Z方向に開口する。収容部35は、収容空間36内において、媒体ロール91の軸線を中心として回転可能となるように、媒体ロール91を支持する支持部37を有する。媒体90は、媒体ロール91が回転することによって、繰り出される。
本体部12は、収容部35の収容空間36を覆うことが可能な収容部カバー40を有する。収容部カバー40は、第1収容部カバー41と、第2収容部カバー42と、を有する。第1収容部カバー41は、収容空間36の開口部のうち、−Y方向側の部分を覆うことができる。第2収容部カバー42は、収容空間36の開口部のうち、+Y方向側の部分を覆うことができる。
第1収容部カバー41は、−Y方向側の端部にある軸部411を中心に、Y軸方向に沿って回動可能である(図1参照)。軸部411の軸線は、X軸方向に沿って延びる。第1収容部カバー41を−Y方向側の開位置に回動させると、収容空間36が開かれる。第1収容部カバー41を+Y方向側の閉位置に回動させると、収容空間36が閉じられる。
第2収容部カバー42は、−Y方向側の端部にある軸部421を中心として、Y軸方向に沿って回動可能である。また、本体部12は、X軸方向における収容部35の外側に隣り合う位置において、+Z方向に突出するカバー支持部43を有する(図1参照)。カバー支持部43は、軸部411、及び軸部421を支持する。また、カバー支持部43は、支持部37を支持する。カバー支持部43は、収容部35の+X方向側にある左カバー支持部431と、−X方向側にある右カバー支持部432と、を有する。左カバー支持部431及び右カバー支持部432は、Y軸方向に沿って延びる壁状の部分である。
第2収容部カバー42を、+Y方向側の開位置へ(図3において時計回りの方向に)回動させると、収容空間36が開かれる。第2収容部カバー42を、−Y方向側の閉位置へ(図3において反時計回りの方向に)回動させると、収容空間36が閉じられる。
なお、図1〜図3には、第1収容部カバー41及び第2収容部カバー42が閉位置にある状態が示されている。第1収容部カバー41及び第2収容部カバー42を回動させることによって、収容空間36が開かれると、媒体ロール91の交換が可能になる。
第1収容部カバー41が閉じられた状態において、第1収容部カバー41の外表面412は、+Z方向に面する平面を構成する。第2収容部カバー42が閉じられた状態において、第2収容部カバー42の外表面422は、−Y方向に向かうほど+Z方向に上がる傾斜面を構成する。
図3に示すように、スキャナー装置11は、収容部35に収容される媒体ロール91から繰り出される媒体90を搬送する印刷用の搬送部45を備える。印刷用の搬送部45は、印刷用の搬送ローラー46と、印刷用の搬送ローラー46を駆動する印刷用の搬送モーター(不図示)と、を有する。以下の説明では、単に搬送部45と示す場合、印刷用の搬送部45を意味する。
スキャナー装置11は、媒体90に印刷を行う印刷部50を備える。媒体90は、搬送部45によって、印刷部50に搬送される。印刷部50は、X軸方向に沿って延びるガイド軸51と、ガイド軸51に支持された移動体52と、移動体52をガイド軸51に沿って往復移動させる印刷モーター(不図示)と、を有する。印刷部50は、移動体52の−Z方向側に取り付けられた液体吐出ヘッド54を有する。
搬送部45によって搬送される媒体90は、液体吐出ヘッド54の−Z方向側をY軸方向に沿って通過する。液体吐出ヘッド54は、X軸方向に沿って往復移動されながら、−Z方向に液体を吐出する。スキャナー装置11では、液体吐出ヘッド54から液体が吐出され、液体が媒体90に付着することによって、印刷が行われる。
本実施形態の液体吐出ヘッド54は、シリアル型のヘッドであるが、これに限らず、X軸方向において、媒体90の全体に跨ることが可能に延びるライン型のヘッドであってもよい。本実施形態において、収容部35、搬送部45、及び印刷部50は、印刷機能部18を構成している。
本体部12は、印刷部50によって印刷された媒体90が排出される印刷用の排出口55を有する。印刷用の排出口55は、本体部12の前面23において+Y方向に開口する。印刷用の排出口55は、X軸方向に沿って延びる。以下の説明では、単に排出口55と示す場合、印刷用の排出口55を意味する。
本体部12は、排出口55の−Z方向側にガイド板56を備える。ガイド板56は、本体部12の前面23において+Y方向に突出している。ガイド板56は、+Z方向に面するガイド面561を有する。ガイド面561は、+Y方向に向かうほど−Z方向に下るように傾斜している。
印刷部50によって印刷された媒体90は、排出口55から排出されるときに、ガイド面561にガイドされる。このため、排出口55における媒体90の排出方向D1は、X軸方向と直交し、Y軸方向と交差し、且つ−Z方向に傾いた方向となる。即ち、印刷部50によって印刷された媒体90が排出口55から排出される方向は、+Y方向側の方向となる。なお、本実施例においては、ある方向が、所定の方向の成分を含む場合に、所定の方向側の方向である、とする。すなわち、媒体90が排出口55から排出される方向は、+Y方向の成分を含む。
図1〜図5に示すように、本体部12は、読取用の媒体95を読み取る読取機能部60を備える。以下の説明では、単に媒体95と示す場合、読取用の媒体95を意味する。媒体95は、読取媒体の一例である。媒体95は、読取機能部60による読み取りの対象物である。読取機能部60は、本体部12における+Y方向側の端部に設けられている。読取機能部60は、X軸方向に沿って延びている箱状である。
読取機能部60の概略について説明する。
図5に示すように、読取機能部60は、媒体95が挿入される読取用の挿入口61と、読取用の挿入口61から挿入された媒体95を搬送方向に沿って搬送する読取用の搬送部62と、搬送部62によって搬送される媒体95を読み取る読取部63と、読取部63によって読み取られた媒体95が排出される読取用の排出口64と、を有する。以下の説明では、単に挿入口61と示す場合、読取用の挿入口61を意味し、単に搬送部62と示す場合、読取用の搬送部62を意味し、単に排出口64と示す場合、読取用の排出口64を意味する。
読取機能部60は、本体部12の+Y方向側の端部に固定された固定部67と、固定部67に対して開閉可能に支持された読取部カバー68と、を有する。挿入口61、搬送部62、読取部63、及び排出口64は、固定部67及び読取部カバー68の一方に設けられた部材、又は両方に分割して設けられた部材によって構成される。また、読取機能部60において、媒体90が通過する搬送経路は、読取部カバー68が閉じられた状態において、固定部67と読取部カバー68との間の空間として構成される。
以下、読取機能部60の構造について詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、読取部カバー68は、X軸方向に沿って延びる四角板状である。読取部カバー68は、+Z方向に面する上面681と、+Y方向に面する外表面の一例である前面682と、−Z方向に面する下面684と、を有する。
読取部カバー68は、上面681に、ユーザーが挿入口61に対する媒体95の挿入位置を決定することを補助するための補助記号685を有する。補助記号685は、読取部カバー68の上面681に、印刷により形成されていてもよく、凹部又は凸部として形成されていてもよい。補助記号685は、ユーザーが挿入口61に媒体95を挿入するときの目安となる位置を示す。
補助記号685は、読取部63における読み取り範囲のうちX軸方向における中央からの距離を示す記号の一例である目盛り、及び媒体95の規格寸法ごとに、媒体95のX軸方向における端部を配置すべき位置を示す記号の一例である文字又は図形のうち、何れか一方であってもよく、両方であってもよい。また、X軸方向における端部からの距離を示す記号として目盛りが設けられてもよい。
読取部カバー68は、+X方向及び−X方向にそれぞれ延びる回動軸の一例であるカバー軸683を有する。つまり、カバー軸683の軸線は、X軸方向に沿って延びる。カバー軸683は、読取部カバー68のうち、−Z方向側に位置する。カバー軸683は、読取部カバー68のうち、−Z方向側の端部に位置してもよい。読取部カバー68は、カバー軸683の軸線を中心として、Z軸方向に沿って回動するように移動可能に支持されている。
読取部カバー68を+Z方向側における第1位置の一例である閉位置P1に回動させると、固定部67が読取部カバー68により覆われることによって、媒体95の搬送経路が閉じられる(図1参照)。閉位置P1は、読取部63による媒体95の読み取りが可能な位置である。読取部カバー68を−Z方向側における第2位置の一例である開位置P2に回動させると、固定部67が開かれることによって、媒体95の搬送経路が開かれる(図2参照)。開位置P2は、搬送経路における読取部63による媒体95の読取位置が開放される位置である。
読取部カバー68が閉じられた状態において、上面681は、+Z方向に面する平面を構成し、前面682は、+Y方向に面する平面を構成する。なお、読取部カバー68が開かれた状態において、上面681は、+Y方向に面し、前面682は、−Z方向に面するようになる。読取部カバー68において、カバー軸683の軸方向の一例であるX軸方向に沿った寸法L2は、軸方向と直交する方向の一例であるZ軸方向に沿った寸法L1よりも大きい(図1参照)。
図4及び図5に示すように、挿入口61は、固定部67が有する固定側ガイド面70と、読取部カバー68が有するカバー側ガイド面71とによって、Z軸方向に挟まれた空間として形成されている。挿入口61は、読取機能部60において、+Z方向に開口する。つまり、挿入口61は、本体部12の上面25に設けられている。
固定側ガイド面70は、覗き窓29の+Y方向側に隣り合う第1部分701と、第1部分701の+Y方向側の部分に繋がる第2部分702と、を有する。第1部分701は、X軸方向及びY軸方向に沿って延びる平面を構成する。第2部分702は、+Y方向に向かうほど−Z方向に下がるように傾斜する。
カバー側ガイド面71は、読取部カバー68において、固定部67における固定側ガイド面70と対向する位置に設けられる(図5参照)。カバー側ガイド面71は、−Z方向に面する。固定側ガイド面70及びカバー側ガイド面71は、読取機能部60における媒体95の搬送方向における上流側において最も相互に離間しており、搬送方向における下流側に向かうほど相互に近接する。挿入口61における媒体95の挿入方向D3は、−Z方向側の方向である。
読取機能部60において、搬送部62は、第1搬送機構73と、第1搬送機構73よりも媒体95の搬送方向における下流側にある第2搬送機構77と、を有する。また、搬送部62は、第1搬送機構73及び第2搬送機構77を駆動する読取用の駆動モーター621を有する(図5参照)。
第1搬送機構73は、第1駆動ローラー74と、第1従動ローラー75と、第2従動ローラー76と、を有する。第1駆動ローラー74は、固定部67に設けられている。第1従動ローラー75及び第2従動ローラー76は、読取部カバー68に設けられている。
読取部カバー68が閉じられた状態において、第1従動ローラー75及び第2従動ローラー76は、第1駆動ローラー74と対向する。第1従動ローラー75は、第2従動ローラー76よりも媒体95の搬送方向における上流側に設けられる。
第1駆動ローラー74は、X軸方向に沿って延びる第1駆動軸741の軸線を中心として回転可能に支持されている。本実施形態の第1駆動ローラー74は、第1駆動軸741と共に回転可能な複数の第1駆動回転体742を有する。複数の第1駆動回転体742は、X軸方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶ。第1駆動ローラー74は、駆動モーター621によって駆動される。
第1従動ローラー75は、X軸方向に沿って延びる第1従動軸751の軸線を中心として回転可能に支持されている。第1従動ローラー75は、第1従動軸751と共に回転可能な複数の第1従動回転体752を有する。複数の第1従動回転体752は、X軸方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶ。なお、第1従動ローラー75の構成は、複数の第1従動回転体752が、共通の第1従動軸751により支持されている構成に限定されない。
第2従動ローラー76は、X軸方向に沿って延びる第2従動軸761の軸線を中心として回転可能に支持されている。第2従動ローラー76は、第2従動軸761と共に回転可能な複数の第2従動回転体762を有する。複数の第2従動回転体762は、X軸方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶ。なお、第2従動ローラー76の構成は、複数の第2従動回転体762が、共通の第2従動軸761により支持されている構成に限定されない。
第1搬送機構73では、各第1駆動回転体742に対応させて、それぞれ1つの第1従動回転体752と、1つの第2従動回転体762とが設けられている。第1駆動ローラー74、第1従動ローラー75、及び第2従動ローラー76の軸線は、相互に略平行である。
第1搬送機構73は、第1駆動ローラー74と第1従動ローラー75との間に媒体95を挟み込むことによって、媒体95を保持可能に構成されている。第1駆動ローラー74と第1従動ローラー75は、読取用の挿入口61から挿入される媒体95を保持する保持機構65を構成している。
例えば、媒体95が所定の厚さを有する場合、第1駆動ローラー74の外周面と、第1従動ローラー75の外周面との離間距離は、媒体95の厚さより小さい距離であるとよい。また、媒体95が存在していない状態において、第1駆動ローラー74の外周面と、第1従動ローラー75の外周面とが接触していてもよい。なお、第1駆動ローラー74及び第1従動ローラー75のうち少なくとも第1駆動ローラー74の外周面は、天然ゴム又は合成ゴムなどのように、弾性変形が可能な部材によって覆われているとよい。
第2搬送機構77は、第2駆動ローラー78と、第3従動ローラー79と、を有する。第2駆動ローラー78は、固定部67に設けられている。第3従動ローラー79は、読取部カバー68に設けられている。読取部カバー68が閉じられた状態において、第3従動ローラー79は、第2駆動ローラー78と対向する。
第2駆動ローラー78は、X軸方向に沿って延びる第2駆動軸781の軸線を中心として回転可能に支持されている。本実施形態の第2駆動ローラー78は、第2駆動軸781と共に回転可能な複数の第2駆動回転体782を有する。複数の第2駆動回転体782は、X軸方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶ。第2駆動ローラー78は、駆動モーター621によって駆動される。
第3従動ローラー79は、X軸方向に沿って延びる第3従動軸791の軸線を中心として回転可能に支持されている。第3従動ローラー79は、第3従動軸791と共に回転可能な複数の第3従動回転体792を有する。複数の第3従動回転体792は、X軸方向に沿って所定の間隔を空けて並ぶ。なお、第3従動ローラー79の構成は、複数の第3従動回転体792が、共通の第3従動軸791により支持されている構成に限定されない。
本実施形態において、第1駆動ローラー74、第1従動ローラー75、及び第2従動ローラー76、並びに第2駆動ローラー78、及び第3従動ローラー79は、読取用の挿入口61から挿入される媒体95を搬送する搬送ローラーの一例である。以下、第1駆動ローラー74を、読取用の搬送ローラー622と示す。以下の説明において、単に搬送ローラー622と示す場合、読取用の搬送ローラー622を意味する。なお、第1従動ローラー75、第2従動ローラー76、第2駆動ローラー78、及び第3従動ローラー79を、読取用の搬送ローラー622としてもよい。
第1駆動ローラー74、第1従動ローラー75及び第2従動ローラー76、並びに第2駆動ローラー78及び第3従動ローラー79の軸方向は、何れもX軸方向に沿って延びる。即ち、+Y方向は、Z軸方向と、搬送ローラー622の軸方向とに交差する方向であり、より好ましくは直交する方向である。上述のように、読取部カバー68のカバー軸683の軸線は、X軸方向に沿って延びる。したがって、カバー軸683の軸方向は、搬送ローラー622の軸方向と平行である。そして、搬送部62による媒体95の搬送経路は、挿入口61から排出口64へ向かう方向に沿って延びている。本実施形態において、媒体95の搬送経路は、−Z方向に延びる。
読取部63は、媒体95の搬送方向における第1搬送機構73と第2搬送機構77との間に設けられている。読取部63は、読取部カバー68に設けられている。読取部63は、読取部カバー68が閉位置P1に位置する場合に、カバー軸683よりも、+Z方向側に位置する。読取部63は、読取部カバー68が閉じられた状態において、媒体95の搬送経路に面する。
本実施形態の読取部63は、複数のコンタクトイメージセンサー(CIS)モジュール80を有する。CISモジュール80は、媒体95と接するコンタクトガラス801と、媒体95に光を照射するLEDなどの光源(不図示)と、媒体95からの反射光を受光するCMOSセンサーなどの受光素子(不図示)と、を有する。
CISモジュール80の光源は、コンタクトガラス801を介して白色光を媒体95に照射する。CISモジュール80は、赤色、青色、及び緑色のカラーフィルターを有する複数の受光素子によって、媒体95からの反射光を読み取る。
CISモジュール80の光源及び受光素子の制御は、後述する制御部100が行ってもよいし、CISモジュール80に設けられたマイクロプロセッサなどの専用の制御部が行ってもよい。CISモジュール80の受光素子による読み取り結果は、後述の制御部100によって合成され、カラーイメージデータが生成される。
本実施形態のCISモジュール80において、受光素子は、X軸方向に沿って配列されている。CISモジュール80は、そのX軸方向に沿った寸法分の範囲において、一括して媒体95の読み取りが可能に構成されている。読取機能部60において、複数のCISモジュール80は、X軸方向に沿うように、且つZ軸方向において相互に一部を重複させた状態で配列されている(図1参照)。
読取機能部60は、媒体95をCISモジュール80のコンタクトガラス801に押し付けるように付勢する付勢部82を備えている。付勢部82は、媒体95の搬送方向における第1搬送機構73と第2搬送機構77との間に設けられている。付勢部82は、固定部67に設けられている。付勢部82は、読取部カバー68が閉じられた状態において、媒体95の搬送経路に面する。
付勢部82は、X方向に沿って延びる複数の付勢機構83を有する。各付勢機構83は、+Y方向に面する付勢面831を有する付勢部材832と、付勢部材832を+Y方向に付勢するばねなどの部材(不図示)と、を有する。読取部カバー68が閉じられた状態において、各付勢機構83の付勢面831は、それぞれCISモジュール80のコンタクトガラス801と各別に対向するように設けられている。即ち、読取機能部60において、複数の付勢機構83は、X軸方向に沿うように、且つZ軸方向において相互に一部を重複させた状態で配列されている(図2参照)。
本実施形態における複数の付勢面831は、読取部63と対向する領域の一例である。また、CISモジュール80のコンタクトガラス801と、付勢機構83の付勢面831とに挟まれる領域は、読取部63が媒体95を読み取る読取位置631である。即ち、搬送部62は、挿入口61から挿入される媒体95を読取位置631へ搬送する。また、読取部63は、挿入口61から挿入される媒体95を読み取る。
図5に示すように、読取用の排出口64は、固定部67が有するフラップ85と、読取部カバー68が有するガイドローラー86とによって、Z軸方向に挟まれた空間として形成されている。
フラップ85は、固定部67において、第2搬送機構77よりも−Z方向側に設けられている。フラップ85は、X軸方向に沿って延びる板状の部材である。フラップ85は、−Y方向側においてX軸方向に沿って延びるフラップ軸851を中心として、+Y方向側の先端部が−Z方向に変位可能に構成されている。
フラップ85は、+Z方向に面する排出ガイド面852を有する。排出ガイド面852は、+Y方向に向かうほど−Z方向に下がるように傾斜する。また、X軸方向に直交する平面で切断したと仮定したときに、排出ガイド面852の断面形状は、−Z方向に凸となるように湾曲する円弧状である。ガイドローラー86は、X軸方向に沿って延びるガイド軸861の軸線を中心として回転可能に支持されている。なお、ガイドローラー86の構成は、ガイドローラー86を構成する複数の回転体が、共通の軸により支持されている構成に限定されない。
読取機能部60において、読取用の媒体95は、挿入口61に挿入されると、第1搬送機構73の第1駆動ローラー74及び第1従動ローラー75による挟み込みによって、保持される。媒体95は、搬送部62によって、固定部67と読取部カバー68との間においてZ軸方向に沿って延びる搬送経路を−Z方向に搬送される。
第1搬送機構73と第2搬送機構77との間において、媒体95は、付勢部82によって読取部63に向けて付勢される。即ち、付勢部82を構成する各付勢機構83は、媒体95を挟んで反対側にあるCISモジュール80のコンタクトガラス801に対して、媒体95を押し付ける。
読取部63は、コンタクトガラス801に押し付けられた状態で搬送される媒体95を読み取る。読取部63によって読み取られた媒体95は、排出口64から排出される。第2搬送機構77を通過するときの媒体95の搬送方向は、−Z方向である。そして、媒体95は、媒体95が搬送部62の駆動による推進力を受けつつ、フラップ85の排出ガイド面852と接触することによって、排出ガイド面852に沿って進行する。
このため、排出口64における媒体95の排出方向D2は、フラップ85の先端部における排出ガイド面852の延長方向となる。即ち、排出口64における媒体95の排出方向D2は、+Y方向側の方向である。本実施形態におけるフラップ85は、媒体95の排出方向D2を規定する規定部の一例である。
なお、媒体95の進行方向は、排出口64から排出された後、重力の影響を受けて−Z方向に近づくなどして、上記排出方向D2とは一致しなくなることもある。本明細書における排出方向D2は、排出口64から排出されるときの方向を意味する。即ち、排出方向D2は、排出口64から排出された後における媒体95の進行方向を意味するものではない。
図1及び図2に示すように、本実施形態において、読取機能部60は、本体部12の一部を構成している。したがって、読取機能部60の読取部カバー68は、外装体28、覗き孔カバー31、及び収容部カバー40とともに、本体部12の筐体14を構成している。
即ち、筐体14は、読取用の挿入口61及び読取用の排出口64を有する。筐体14において、+Z方向に面する上面25は、挿入口61を有するともいえる。また、読取機能部60は、本体部12において、+Y方向側の端部に設けられている。即ち、挿入口61及び排出口64は、筐体14のうち、+Y方向側に設けられている。そして、第2面の一例である前面23は、印刷用の排出口55を有する。
また、収容部35は、本体部12において、−Y方向側の端部に設けられている。即ち、筐体14は、収容部35及び収容部カバー40を備える。そして、収容部35は、筐体14のうち、−Y方向側に設けられている。
本明細書において「筐体14のうち+Y方向側に設けられる」とは、筐体14のY軸方向における中央よりも+Y方向側にあることを意味する。同様に、本明細書において「筐体14のうち−Y方向側に設けられる」とは、筐体14のY軸方向における中央よりも−Y方向側にあることを意味する。
本体部12の前面23は、外装体28の前面283と、読取部カバー68の前面682と、を含んで構成されている。即ち、読取部カバー68が閉位置P1に位置するとき、読取部カバー68の前面682は、前面23に含まれる。本体部12の左側面21は、外装体28の左側面281を含んで構成されており、本体部12の右側面22は、外装体28の右側面282を含んで構成されている。本体部12の下面26は、外装体28の下面286を含んで構成されている。
また、本体部12の上面25は、外装体28の上面285、覗き孔カバー31の上面311、読取部カバー68の上面681、第1収容部カバー41の外表面412、及び第2収容部カバー42の外表面422を含んで構成されている。即ち、収容部カバー40の外表面412,422は、上面25に含まれる。
本実施形態のスキャナー装置11において、外装体28の上面285と、覗き孔カバー31の上面311と、読取部カバー68の上面681とは、Z軸方向と直交する同一平面に含まれる。また、本体部12において、第2収容部カバー42の外表面422と、第1収容部カバー41の外表面412は、外装体28の上面285と−Y方向に繋がる面を形成している。
本実施形態において、覗き孔カバー31、読取部カバー68、第2収容部カバー42、及び第1収容部カバー41が閉じられた状態において、外装体28の上面285、覗き孔カバー31の上面311、読取部カバー68の上面681、第2収容部カバー42の外表面422、及び第1収容部カバー41の外表面412は、載置面15を構成している。即ち、収容部35の収容部カバー40は、載置面15の一部を構成する。また、読取部カバー68は、載置面15の一部を構成する。
載置面15のうち、外装体28の上面285と、覗き孔カバー31の上面311と、読取部カバー68の上面681と、によって構成される部分は、水平な第1載置面151である。載置面15のうち、第2収容部カバー42の外表面422と、第1収容部カバー41の外表面412とによって構成される部分は、第2載置面152である。第2載置面152は、第2収容部カバー42の外表面422を含むことから、少なくとも一部が傾斜する。
載置面15は、外装体28の上面285と、覗き孔カバー31の上面311と、読取部カバー68の上面681とがそれぞれ隣り合う隙間を除いて、平滑な面である。そして、載置面15は、筐体14において、読取用の挿入口61から、+Y方向とは反対方向である−Y方向に延びる。即ち、載置面15は、本体部12の上面25の一部である。そして、読取用の排出口64は、筐体14の載置面15、及び読取用の挿入口61よりも−Z方向側に位置するといえる。
保持機構65及び補助記号685は、本体部12の+Y方向側にある読取機能部60に設けられている。即ち、筐体14は、補助記号685を有する。そして、保持機構65及び補助記号685は、筐体14のうち、+Y方向側に設けられている。
次に、スキャナー装置11の電気的な構成について説明する。
図1及び図6に示すように、スキャナー装置11は、制御部100を備える。制御部100は、CPU101と、RAM及びROMなどを含むメモリー102と、を備える。メモリー102には、スキャナー装置11を制御するための種々のプログラムが記憶されている。制御部100は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア(特定用途向け集積回路:ASIC)を備えた構成であってもよい。即ち、制御部100は、コンピュータープログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASICなどの1つ以上の専用のハードウェア、又はそれらの組み合わせを含んだ構成であってもよい。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROMなどのメモリーを含む。メモリーは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は指令を格納している。コンピューター可読媒体の一例であるメモリーは、汎用または専用のコンピューターでアクセスできるあらゆるものを含む。
制御部100は、操作部34と接続されている。制御部100は、操作部34が操作されたときに出力する操作信号を入力可能である。制御部100は、操作部34が所定の操作をされたときに出力する複写要求信号を入力すると、複写要求を受け付ける。複写要求は、読取機能部60により媒体95を読み取ってイメージデータを生成するとともに、生成したイメージデータを印刷用の媒体90に印刷して複写するように、スキャナー装置11を動作させる契機となる。
制御部100は、入出力部103と双方向通信が可能となるように接続されている。入出力部103は、ノート型のパーソナルコンピューターといった端末機器105と接続可能に構成されている。なお、入出力部103は、有線接続を可能に構成されていてもよく、無線接続を可能に構成されていてもよい。制御部100は、入出力部103に接続された端末機器105が出力する印刷要求信号及び読取要求信号を入力可能である。
制御部100は、端末機器105から印刷要求信号を入力すると、印刷要求を受け付ける。印刷要求は、端末機器105から入力した画像及び文字などのイメージデータを印刷用の媒体90に印刷するように、スキャナー装置11を動作させる契機となる。印刷要求信号は、ユーザーが端末機器105を操作することによって出力される。
制御部100は、端末機器105から読取要求信号を入力すると、読取要求を受け付ける。読取要求は、読取用の媒体95を読み取ってイメージデータを生成するとともに、生成したイメージデータを入出力部103から端末機器105に出力するように、スキャナー装置11を動作させる契機となる。読取要求信号は、ユーザーが端末機器105を操作することによって出力される。
制御部100は、印刷機能部18の搬送部45及び印刷部50と電気的に接続されている。制御部100は、搬送部45及び印刷部50を制御することによって、スキャナー装置11のうち、印刷機能部18を動作させる。制御部100は、読取機能部60の搬送部62及び読取部63と電気的に接続されている。制御部100は、搬送部62及び読取部63を制御することによって、スキャナー装置11のうち、読取機能部60を動作させる。制御部100は、第1搬送機構73及び第2搬送機構77を制御する。
制御部100の制御内容について説明する。
制御部100は、複写要求を受け付けると、媒体95を読み取る読取動作を行うように、読取機能部60を制御する。以下、読取機能部60に読取動作を行わせる処理を、読取制御処理と示す。
読取制御処理において、制御部100は、挿入口61に挿入された媒体95を、読取用の搬送経路に沿って搬送するように、搬送部62の駆動モーター621を制御する。制御部100は、媒体95が読取位置631を通過するときに、媒体95に記録された画像及び文字などを読み取るように、読取部63を制御する。
制御部100は、媒体95に白色光を照射するように、各CISモジュール80の光源(不図示)を制御する。制御部100は、赤色、青色、及び緑色のフィルターを介して複数の受光素子(不図示)が検出した結果を入力する。制御部100は、複数のCISモジュール80の受光素子による検出結果を合成することによって、媒体95に記録された文字及び画像などのカラーイメージデータを生成する。なお、制御部100は、生成したカラーイメージデータをメモリー102に格納する。その後、制御部100は、読取制御処理を終了する。
続けて、制御部100は、印刷用の媒体90に印刷する印刷動作を行うように、印刷機能部18を制御する。以下、印刷機能部18に印刷動作を行わせる処理を、印刷制御処理と示す。
印刷制御処理において、制御部100は、収容部35に収容されている媒体90を、印刷用の搬送経路に沿って搬送するように、搬送部45の搬送モーターを制御する。制御部100は、媒体90が印刷部50による印刷位置を通過するときに、液体を媒体90に吐出するように、印刷部50の印刷モーター及び液体吐出ヘッド54を制御する。制御部100は、印刷対象としたイメージデータが印刷されるように、印刷部50を制御する。複写要求を受け付けたときに印刷対象とするイメージデータは、媒体95を読み取って生成されたイメージデータである。制御部100は、印刷対象としたイメージデータの印刷が完了すると、印刷制御処理を終了する。
制御部100は、印刷要求を受け付けると、印刷制御処理を実行する。印刷要求を受け付けたときに印刷対象とするイメージデータは、端末機器105から入力されたイメージデータである。また、制御部100は、読取要求を受け付けると、読取制御処理を実行する。読取要求を受け付けている場合、制御部100は、読取制御処理を終了すると、媒体95から読み取って生成したイメージデータを、入出力部103から端末機器105に出力する。
本実施形態の作用について説明する。
仮に、挿入口61及び排出口64が筐体14のうち+Y方向側に設けられ、筐体14の内部における媒体95の搬送経路がU字型に折り返されるように、スキャナー装置が構成されているものと想定する。このような構成であれば、ユーザーは、媒体95のうち排出口64から排出された第1端部951側の部分と、挿入口61に挿入される前の第2端部952側の部分とを、同じ+Y方向側から取り扱うことが可能になる。
その一方で、上記仮想したスキャナー装置では、排出口64から排出された第1端部951側の部分と、挿入口61に挿入される前の第2端部952側の部分とが相互に干渉しあったり、排出口64から排出された第1端部951側の部分が再び挿入口61に挿入されたりすることによって、媒体95の搬送に影響を及ぼす虞がある。このような問題は、U字型の搬送経路を通過するときに、媒体95に巻き癖がついたときに顕著である。
このため、上記仮想したスキャナー装置では、媒体95のうち排出口64から排出される第1端部951側の部分が、挿入口61に挿入される前の第2端部952側の部分に干渉しないようにするため、媒体95を支持する支持部を備えたり、ユーザーが媒体95を支持したりする必要がある。媒体95の支持部を備える場合、スキャナー装置が大型化する。また、ユーザーが媒体95を支持する場合、ユーザーの利便性が低下する。
図7に示すように、本実施形態のスキャナー装置11において、読取用の挿入口61は、筐体14のうち、+Y方向側に設けられている。このため、ユーザーは、+Y方向側から、挿入口61に対して媒体95を挿入し易い。スキャナー装置11において、読取用の排出口64は、筐体14のうち、+Y方向側に設けられている。このため、ユーザーは、+Y方向側から、排出口64において排出される媒体95を容易に取り扱うことができる。
例えば、媒体95の排出方向D2が−Y方向側の方向であると仮定した場合、媒体95は、スキャナー装置11の+Y方向側にいるユーザーから離間する方向へ排出されてしまう。即ち、ユーザーは、排出口64から排出される媒体95を回収するために、スキャナー装置11の−Y方向側に回り込む必要が生じる。
これに対して、本実施形態において、排出口64における媒体95の排出方向D2は、+Y方向側の方向である。このため、ユーザーは、+Y方向側から、排出口64において排出される媒体95を容易に取り扱うことができる。
以上のように、スキャナー装置11において、ユーザーは、挿入口61に媒体95を挿入する作業、及び排出口64から排出された媒体95の取り扱いを、同じ+Y方向側から行うことが可能になる。
そして、筐体14は、挿入口61から−Y方向に延びる載置面15を有する。このため、載置面15は、媒体95の第1端部951が挿入口61に挿入された状態において、媒体95のうち第1端部951とは反対側である第2端部952側の部分を支持可能である。即ち、ユーザーは、媒体95の第1端部951を挿入口61に挿入した状態において、媒体95のうち第2端部952側を載置面15に載置することが可能である。
このため、スキャナー装置11において、第2端部952側の部分は、−Y方向に延びるように載置面15に載置される一方、第1端部951側の部分は、+Y方向側の方向に排出される。つまり、媒体95のうち、読取済みの第1端部951側の部分と、読取前の第2端部952側の部分とが、相互に接触し難い。したがって、本実施形態のスキャナー装置11は、上記仮想した、搬送経路がU字型に折り返されている構成を有するスキャナー装置では必要な媒体95の第2端部952側を支持する支持部を備えなくても、媒体95の第1端部951側と第2端部952側とが相互に干渉することが抑制される。
また、スキャナー装置11において、搬送部62による媒体95の搬送経路は、挿入口61から排出口64へ向かう方向に沿って延びる。このため、媒体95を読み取るための構成要素が筐体14の載置面15より上方でZ軸方向に占める寸法は、媒体95の搬送経路がU字型に折り返されている構成を採用した場合に比べて小さい。したがって、収容部35より+Y方向側に、媒体を読み取るための構成要素が配置される構成であっても、ユーザーが、スキャナー装置11の+Y方向側から収容部35にアクセスすることを阻害しにくい。
また、本実施形態においては、媒体95を読み取るための構成要素より−Y方向側に覗き窓29が設けられる。したがって、媒体95を読み取るための構成要素が筐体14の載置面15より上方でZ軸方向に占める寸法が大きく、当該構成要素と覗き窓29とのY軸方向における距離が短い場合に、スキャナー装置11の+Y方向側に立つユーザーによる、覗き窓29を介する本体部12の内部の視認が阻害されやすい。このため、媒体95の搬送経路がU字型に折り返されている構成においては、媒体95を読み取るための構成要素と覗き窓29とのY軸方向における距離を十分に長くする必要がある。これに対して、本実施形態においては、媒体95を読み取るための構成要素がZ軸方向に占める寸法が比較的小さいため、筐体14の+Y方向側の端部から、収容部35までの距離を減少させることができる。よって、ユーザーは、筐体14の+Y方向側から、収容部35に対して容易にアクセスすることができる。そして、上述のように、本実施形態の収容部カバー40は、載置面15の一部を構成することから、広い面積の載置面15を実現することができる。
特に、スキャナー装置11において、排出口64は、筐体14の載置面15及び挿入口61よりも−Z方向側に位置する。このため、媒体95の搬送経路は、−Z方向に向かう成分を含む。したがって、媒体95の搬送経路のY軸方向に沿った寸法を小さくできる。即ち、読取機能部60は、Y軸方向における寸法を小さくできるように構成されている。
このため、筐体14において、読取用の挿入口61を更に+Y方向側に寄せることが可能になる。よって、読取用の挿入口61に媒体95を挿入し易くすることができる。また、筐体14のY軸方向における寸法を増大させることなく、更に広い面積の載置面15を実現することができる。
また、読取機能部60において、挿入口61と排出口64とは、Z軸方向に沿って並んでおり、且つ媒体95の搬送経路も、Z軸方向に沿って延びる板状の空間である。したがって、媒体95は、挿入口61に挿入されてから、排出口64において排出されるまでの間、搬送部62による軽微な湾曲を除いて、大きく屈曲及び湾曲されない。したがって、媒体95に巻き癖がつくことを抑制できる。
収容部カバー40が閉じられた状態において、第1収容部カバー41の外表面412は、水平面であり、第2収容部カバー42の外表面422は、−Y方向に向かうほど+Z方向に上がる傾斜面である。したがって、収容空間36の体積を確保しつつ、載置面15として、第1載置面151に連続する第2載置面152を形成することが可能である。
スキャナー装置11において、印刷用の排出口55は、筐体14において、+Y方向側に設けられている。また、排出口55における媒体90の排出方向D1は、排出口64における媒体95の排出方向D2と同じように、+Y方向側の方向である。このため、ユーザーは、読取部63によって読み取られた媒体95、及び印刷部50によって印刷された媒体90を、筐体14の同じ+Y方向側から取り扱うことができる。
スキャナー装置11は、挿入口61から挿入される媒体95を保持する保持機構65を備える(図5参照)。このため、ユーザーが媒体95を挿入口61に対して位置決めして挿入したにもかかわらず、媒体95の搬送が開始されるまでに意図せず媒体95の位置がずれてしまうことが抑制される。また、保持機構65は、筐体14において+Y方向側に設けられているため、ユーザーは、媒体95を容易に保持機構65に保持させることができる。
また、スキャナー装置11は、ユーザーが挿入口61に媒体95を挿入するときの目安となる位置を示す補助記号685を備える。このため、ユーザーは、補助記号685を手掛かりに、適正な位置となるように、媒体95を挿入口61に挿入することができる。
そして、保持機構65及び補助記号685は、挿入口61及び排出口64と同じように、筐体14のうち、+Y方向側に設けられている。よって、挿入口61に媒体95を挿入する作業が簡単になる。
また、図7及び図8に示すように、載置面15がスキャナー装置11の+Z方向側の部分に存在することは、媒体95を載置すること(図7参照)、又は端末機器105などの載置対象物を載置すること(図8参照)に有用である。載置面15は、端末機器105を用いて作成したイメージデータの印刷要求をするときや、スキャナー装置11の読み取り結果の一例であるイメージデータを確認するときに、端末機器105を載置できる点で便利である。
仮に、本体部12の+Z方向側の部分のうちY軸方向の中央に読取機能部60を設け、読取部カバーを+Z方向に開放することによって、媒体95の搬送経路及び読取部による読取位置を開放可能となるように、スキャナー装置が構成されているものと想定する。
このようなスキャナー装置においても、読取部カバーが閉じられた状態において、読取部カバーの+Z方向側の面を載置面とすることも想定できる。しかしながら、上記仮想したスキャナー装置において、読取部カバーを+Z方向に開放させている状態では、載置対象物を置くスペースとして載置面を利用し難い。
また、本体部12の+Z方向側の部分において、読取部カバーとY軸方向に並ぶように載置面を設けることも考えられる。しかしながら、読取部カバーは、スキャナー装置の外部から読取部へと光が進入することを抑制するために、媒体95の搬送経路のうち、読取部の前後を覆うのに十分な長さであることが好ましい。このため、上記仮想したスキャナー装置において、載置面の面積を大きくすることが困難である。
本実施形態のスキャナー装置11では、読取部カバー68を閉位置P1から開位置P2に移動させることによって、読取部63による読取位置631を開放させることができる。このため、読取部63のメンテナンス、又は媒体95の詰りを解消させる処置などが容易になる。
そして、読取部カバー68の前面682は、本体部12において、上面25と交差する方向に延びる前面23を構成する。即ち、読取部カバー68は、スキャナー装置11において、+Y方向側の端部を構成する。したがって、載置面15として利用可能な上面25の面積を大きくすることが可能になる。よって、ユーザーの利便性を高めることができる。
読取部カバー68が開位置P2に移動されている場合であっても、第1載置面151のうち、外装体28の上面285及び覗き孔カバー31の上面311は、水平面を維持する。このため、第1載置面151のなかでも、外装体28の上面285及び覗き孔カバー31の上面311は、読取部カバー68の開閉に関係なく、載置対象物を置くスペースとして利用できる。つまり、第1載置面151に載置対象物を載置したまま、読取部カバー68を開位置P2に移動させ、読取部63のメンテナンスなどを行うことができる。また、読取部カバー68を閉位置P1に移動させれば、読取部カバー68の上面681も含め、第1載置面151の全体を、載置対象物を置くスペースとして利用することができる。
上述のように、スキャナー装置11の読取機能部60は、Y軸方向における寸法が小さくなるように構成されている。このため、第1載置面151のうち、読取部カバー68の上面681が占める割合を少なくすることができる。即ち、本実施形態では、外装体28の上面285及び覗き孔カバー31の上面311を、広くすることが可能になる。また、載置対象物が、収容部35に収容される媒体ロール91のように転動しやすい形状である場合に、第1載置面151のうち上面681を除く領域への載置対象物の載置が容易であり、読取部カバー68の形状の自由度が増す。また、第2載置面152は、少なくとも一部が水平ではない部分を含むものの、読取部カバー68の開閉に関係なく、載置対象物を載置するスペースとして利用することが可能である。
また、上記仮想したスキャナー装置では、スキャナー装置の+Y方向側にいるユーザーが、読取部カバーを+Z方向に開放させたとき、スキャナー装置の+Z方向側の部分において、読取部カバーが収容部35へのアクセスを遮るかのように立ち上がる。即ち、読取部カバー68が収容部35に対するアクセスの邪魔になる。
これに対して、本実施形態のスキャナー装置11において、読取部カバー68は、上面25と交差する方向に延びる前面23に含まれる一方で、収容部カバー40の外表面412,422は、本体部12の上面25に含まれる。したがって、読取部カバー68を開位置P2に移動させたときであっても、収容部カバー40に対するアクセスの邪魔になることが抑制される。
特に、本実施形態において、読取部カバー68の開位置P2は、−Z方向側に回動した位置である。したがって、読取部カバー68が開かれた状態において、読取部カバー68は収容部カバー40に対するアクセスを阻害しない。
本実施形態の効果について説明する。
(1)スキャナー装置11では、挿入口61に媒体95を挿入する作業、及び排出口64から排出される媒体95の取り扱いは、同じ+Y方向側から行うことができる。よって、ユーザーの利便性を高めることができる。また、媒体95の第1端部951を挿入口61に挿入した状態において、第2端部952側を載置面15に載置することが可能である。このため、媒体の第2端部952側を支持する支持部を備えなくても、媒体95の第1端部951側と第2端部952側とが相互に干渉することが抑制される。よって、スキャナー装置11の大型化を抑制することができる。
(2)読取機能部60は、Y軸方向における寸法を小さくできるように構成されている。このため、筐体14の+Y方向側の端部から、収容部35までの距離を減少させることができる。よって、筐体14の+Y方向側から、収容部35に対して容易にアクセスすることが可能になる。そして、収容部カバー40は、載置面15の一部を構成することから、広い面積の載置面15が実現される。
(3)搬送部62による媒体95の搬送経路は、−Z方向の成分を含む。このため、読取機能部60のY軸方向における寸法を更に小さくできる。つまり、筐体14において、挿入口61を更に+Y方向側に寄せることが可能となる。よって、挿入口61に媒体95を挿入し易くすることができる。
(4)排出口64における媒体95の排出方向D2、及び排出口55における媒体90の排出方向D1は、何れも+Y方向側の方向である。このため、媒体90及び媒体95の両方を、筐体14の+Y方向側から取り扱うことができる。
(5)保持機構65及び補助記号685は、挿入口61及び排出口64と同じように、筐体14のうち、+Y方向側に設けられている。よって、挿入口61に媒体95を挿入する作業が簡単になる。
(6)読取部カバー68を閉位置P1から開位置P2に移動させることによって、読取位置631を開放させることができる。このため、読取部63のメンテナンス、又は媒体95の詰りを解消させる処置などが容易になる。そして、読取部カバー68の前面682は、本体部12の前面23を構成する。即ち、読取部カバー68は、スキャナー装置11において、+Y方向における端部を構成する。したがって、載置面15として利用可能な部分の面積を大きくすることが可能になる。よって、ユーザーの利便性を高めることができる。
(7)読取部カバー68の前面682が本体部12の前面23に含まれる構成であることから、読取部カバー68を開位置P2へと移動させる場合であっても、収容部カバー40に対するアクセスの邪魔になることが抑制される。
(8)読取部カバー68は、カバー軸683を中心として、閉位置P1と開位置P2とに回動する。このため、読取部カバー68をスライドさせるようにして移動させる構成に比して、読取部カバー68の移動が簡単にできる。
(9)読取部カバー68は、カバー軸683の軸方向の寸法L2が、カバー軸683の軸方向と直交する方向の寸法L1よりも大きい。このため、寸法L2が寸法L1より小さい場合と比較して、読取部カバー68を回動させる場合に必要となる空間を小さくすることができる。
(10)読取部カバー68は、読取部63より−Z方向側にあるカバー軸683を中心として回動する。即ち、読取部カバー68は、重力方向に回動する。このため、読取部カバー68が開位置P2にある状態を維持するために、特別な機構を設ける必要がない。
(11)印刷用の排出口55は、読取部カバー68の外表面が含まれる前面23に設けられる。このため、ユーザーは、読取部カバー68と、印刷部50によって印刷された媒体90とを、同じ+Y方向側から取り扱うことができる。
(12)ユーザーは、覗き窓29を介して、印刷部50による印刷直後の媒体90を視認することができる。したがって、ユーザーは、覗き孔カバー31の上面311を含む載置面15を利用しながらも、印刷部50による印刷が正常に行われているか否かを容易に確認することができる。
(13)第1載置面151の−Y方向側の部分及び第2載置面152は、左カバー支持部431と右カバー支持部432とによってX軸方向に挟まれている。よって、媒体95の第2端部952側の部分が、X軸方向にずれてしまうことが抑制される。即ち、左カバー支持部431と右カバー支持部432とは、媒体95をガイドする媒体ガイドの一例といえる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。なお、以下の説明において、既出の構成要素と同様の機能を有するものには同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
・図9に示すように、上記実施形態のスキャナー装置11において、読取機能部60は、本体部12の+Y方向側の端部においてZ軸方向に沿って延びる。即ち、読取機能部60は、X軸方向から見たときにI字型である。読取機能部60は、+Z方向に面する上面601に挿入口61を有し、+Y方向に面する前面602に排出口64を有する。媒体95の排出方向D2は、+Y方向側の方向である。なお、読取機能部60の上面601は、読取部カバー68の上面681である。読取機能部60の前面602は、読取部カバー68の前面682である。
挿入口61及び排出口64の開口する方向及び位置、並びに媒体95の排出方向D2は、上記実施形態に限らず、次に説明するような構成に変更できる。
図9には、上記実施形態のスキャナー装置11に加えて、第1変更例のスキャナー装置11が模式的に示されている。第1変更例のスキャナー装置11において、読取機能部60は、本体部12の+Y方向側の端部においてZ軸方向に沿って延びる。即ち、読取機能部60は、X軸方向から見たときにI字型である。
読取機能部60は、+Z方向に面する上面601に挿入口61を有し、−Z方向に面する下面603に排出口64を有する。第1変更例において、媒体95の排出方向D2は、−Z方向である。読取機能部60の下面603は、読取部カバー68の下面684である。なお、第1変更例のスキャナー装置11は、前面602に排出口64を有さない。
図10には、第2変更例及び第3変更例のスキャナー装置11が模式的に示されている。第2変更例及び第3変更例のスキャナー装置11において、読取機能部60は、X軸方向から見たときに、本体部12の上面25及び前面23に跨るように屈曲するL字型である。読取機能部60の上面601である読取部カバー68の上面681は、外装体28の上面285と同一平面上には存在しないが、本体部12の上面25を構成する。
第2変更例の読取機能部60は、+Z方向に面する上面601に挿入口61を有し、+Y方向に面する前面602に排出口64を有する。第2変更例において、媒体95の排出方向D2は、+Y方向側の方向である。第3変更例の読取機能部60は、+Z方向に面する上面601に挿入口61を有し、−Z方向に面する下面603に排出口64を有する。第3変更例において、媒体95の排出方向D2は、−Z方向である。
第2変更例及び第3変更例において、読取機能部60の−Y方向に面する後面604は、読取部カバー68のうち−Y方向に面する面であってもよく、固定部67のうち−Y方向に面する面であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
・図11に示すように、排出口64における媒体95の排出方向D2は、+Y方向側の方向に限らない。排出方向D2は、+Z方向及び−Y方向側の方向を除いた範囲において、任意に選択可能である。即ち、排出方向D2は、−Z方向であってもよい。また、排出方向D2は、Y方向側の方向のうち、水平方向よりも+Z方向側に傾斜する方向であってもよく、水平方向よりも−Z方向側に傾斜する方向であってもよい。
・図11に示すように、スキャナー装置11は、排出口64から排出された媒体95を受ける読取用の媒体受け161を備えていてもよい。スキャナー装置11は、排出口55から排出された媒体90を受ける印刷用の媒体受け162を備えていてもよい。読取用の媒体受け161と、印刷用の媒体受け162は、兼用されていてもよいし、相互に独立していてもよい。
・挿入口61は、本体部12の上面25に開口しており、且つ筐体14のうち+Y方向側の部分であれば、上記実施形態とは異なる部分に設けられていてもよい。排出口64は、筐体14のうち+Y方向側の部分であれば、上記実施形態とは異なる部分に設けられていてもよい。
・読取機能部60は、フラップ85に代えて、排出口64に一対の排出口ローラーを備えてもよい。一対の排出口ローラーによって媒体95を挟み込みつつ、媒体95を送出する場合、媒体95の排出方向D2は、排出口ローラー同士の接触部分における接線方向となる。即ち、一対の排出口ローラーは、媒体95の排出方向D2を規定する規定部の一例である。
・第1載置面151は、載置対象物を載置可能な範囲であれば、傾斜していてもよい。第1載置面151は、載置対象物を載置可能な範囲であれば、凹部や凸部などの構造を有していてもよい。
・第1載置面151において、外装体28の上面285と、覗き孔カバー31の上面311と、読取部カバー68の上面681とは、同一平面に含まれなくてもよい。即ち、外装体28の上面285と、覗き孔カバー31の上面311と、読取部カバー68の上面681のうち、一部の面が他の面に対して+Z方向又は−Z方向にずれていてもよい。
・第1載置面151は、全体として平面であることに限らない。例えば、第1載置面151は、+Z方向又は−Z方向に湾曲していてもよい。
・第2載置面152は、全体が平面であってもよい。この場合、第1載置面151及び第2載置面152は、同一平面に含まれていてもよく、含まれていなくてもよい。
・第1載置面151は、外装体28の上面285のみから構成されていてもよく、覗き孔カバー31の上面311のみから構成されていてもよく、これらの組み合わせから構成されていてもよい。即ち、読取部カバー68の上面681は、載置面15を構成しなくてもよい。また、読取部カバー68は、+Z方向に面する上面を有さなくてもよい。
・載置面15は、挿入口61と−Y方向に離間していてもよい。
・収容部カバー40は、載置面15を構成しなくてもよい。スキャナー装置11は、収容部カバー40を備えなくてもよい。
・補助記号685の位置は、読取部カバー68の上面681に限らない。補助記号685は、読取部カバー68のうち、Z軸方向においてカバー側ガイド面71とは反対側の外面に設けられていてもよい。本変更例によれば、補助記号685が挿入口61に近接することから、媒体95の位置決めがさらに容易になる。
・印刷機能部18は、印刷部50よりも搬送方向における下流側において、媒体90を切断する切断部を備えていてもよい。
・読取機能部60は、媒体95を読み取ってカラーイメージデータを生成する構成に限らない。読取機能部60は、単色のイメージデータを生成するように構成されていてもよい。この場合、読取部63は、単色の光を照射し、媒体95からの反射光を読み取るとよい。また、読取部63において、媒体95に照射する光は、可視光に限らない。
・読取機能部60は、媒体95を読み取ってイメージデータを生成する構成に限られない。読取部63として、媒体95の色を測定する測色部を備えていてもよい。
・読取機能部60に代えて、少なくとも挿入口61、搬送部62(搬送ローラー622)、及び排出口64を備えた処理部が設けられてもよい。処理部として、例えば、媒体を切断する切断機構や、媒体の表面を加工するラミネーターが設けられてもよい。
・読取部63は、複数のCISモジュール80を有することに限らない。読取部63は、媒体95の搬送経路のX軸方向における全幅にわたって延びる単一のCISモジュール80を有する構成であってもよい。
・読取部63を構成するCISモジュール80は、光源が赤色光、青色光、及び緑色光を切り替えながら媒体95に照射し、受光素子が順番に切り替えられる光の色ごとに反射光を読み取る構成であってもよい。
・読取部カバー68の回動方向は、上記実施形態に限らない。読取部カバー68のカバー軸683は、読取部カバー68の+Z方向側の部分において、X軸方向に延びていてもよい。この場合、読取部カバー68の開位置P2は、+Z方向側に回動した位置となる。読取部カバー68のカバー軸683は、読取部カバー68のX軸方向における両端部のうち何れかの端部において、Z軸方向に沿って延びていてもよい。この場合、読取部カバー68は、Y軸方向に沿って回動可能になる。読取部カバー68は、+X方向側と−X方向側とに分割されていてもよい。この場合、分割された読取部カバー68は、それぞれZ軸方向又はY軸方向に沿って回動可能に支持されているとよい。このように、読取部カバー68の第1位置及び第2位置は、読取部カバー68を開閉可能とするための構造に応じて任意に変更できる。
・読取部カバー68は、X軸方向又はZ軸方向にスライドするように開閉が可能な構成であってもよい。また、読取部カバー68は、固定部67から取り外し可能な構成であってもよい。
・読取機能部60は、読取部カバー68が付勢機構83を有し、固定部67が読取部63を有する構成であってもよい。読取機能部60は、固定部67及び読取部カバー68の両方に読取部63を有する構成であってもよい。即ち、読取機能部60は、媒体95の片面を読み取り可能に構成されていてもよく、両面を読取可能に構成されていてもよい。
・印刷機能部18は、ページ単位で印刷するページプリンターであってもよい。即ち、媒体90は、長尺状のものに限定されず、短尺状のものであってもよい。
・印刷用の媒体90と、読取用の媒体95とは、同じ種類の媒体であってもよく、異なる種類の媒体であってもよい。
・スキャナー装置11において、挿入口61は、印刷用の媒体90を挿入するための挿入口として兼用される構成であってもよい。この場合、載置面15は、印刷用の媒体90のうち、挿入口61に挿入されていない部分を載置できる点で便利である。また、載置面15は、端末機器105を用いて、媒体95の読み取り結果を確認するときに、端末機器105を載置できる点で便利である。
・スキャナー装置11は、脚部13を備えていなくてもよい。
・スキャナー装置11は、印刷機能部18を備えていなくてもよい。即ち、スキャナー装置11は、読取機能のみを有する単機能装置として構成されていてもよい。
・スキャナー装置11は、印刷機能、通信機能及び製版機能などのうち、任意の1又は複数の機能を有していてもよい。印刷機能は、印刷機能部18によって実現できる。通信機能は、媒体95を読み取って生成したイメージデータをローカルエリアネットワーク、インターネット、又は電気通信回線を介して送信する通信部を備えることにより実現できる。製版機能は、媒体95を読み取って生成したイメージデータをもとに物理的に製版する製版部によって実現できる。