JP2019172311A - コンテナの妻面構造及びこれを備えたコンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】コンテナの妻面の生産効率を向上させる。【解決手段】本発明のコンテナの妻面構造は、扉を有する妻面を構成するものであり、一対の妻柱32、2つの上部隅金具、及び、妻上梁を含んでいる。妻柱32は、その延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材34、50を含み、妻上梁は、その延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材を含んでいる。そして、妻柱32の2つの部材34、50同士を固定するための全ての溶接部分W1、W2と、妻上梁の少なくとも2つの部材同士を固定するための全ての溶接部分とは、夫々、特定の方向から同時に視認可能な位置に配置されている。これによって、上記のように視認可能な一側方向から、各部材の設置向き等を変更することなく、妻柱32又は妻上梁を構成する部材同士の全溶接部分の溶接作業を行うことができるため、コンテナの妻面の生産効率を向上することが可能となる。【選択図】図4

Description

本発明は、コンテナの妻面構造及びこれを備えたコンテナに関するものである。
様々な荷物を収容するコンテナは、通常、略直方体の中空構造を有し、一対の妻面と一対の側面とのうち、少なくとも1つの面に荷物を出し入れするための扉が設けられている。このようなコンテナは、平面視における4隅の夫々に隅柱を備えており、これら4本の隅柱のうち、扉が設けられている妻面の端部に位置する隅柱(以下、「妻柱」ともいう。)は、例えば図7に示すような断面構造を有している。図7において、下方向がコンテナの妻面、左方向がコンテナの側面に相当し、図7には、妻面と側面との双方に扉が設けられる構成の妻柱を示している。図7に示された妻柱100は、部材102と部材104とが溶接され、更に部材102及び104により形成された閉鎖空間に、補強材106及び108が設置されたものである。一方、特許文献1には、側面の上部に位置する上梁に工夫を施すことで、積載限界を超えることなく容量を拡大したコンテナが示されている。
特許第4003183号公報
ここで、図7には、部材102及び104間を溶接するための溶接部分が、符号W7及びW8で示されている。これらの溶接部分W7及びW8は、溶接部分W7が図中左上方向から溶接されるのに対し、溶接部分W8が図中右下方向から溶接される。このため、溶接作業の際に、溶接部分W7を溶接するときと溶接部分W8を溶接するときとで、部材102、104の設置向き等を変更する必要が生じる。このような作業は、生産効率を悪化させる要因となっていた。又、コンテナ妻面の上梁についても、溶接時の生産効率を向上することが望まれている。更に、図7に示された妻柱100には、軽量化等の点で改善の余地がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、コンテナの妻面の生産効率を向上することにある。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではなく、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)少なくとも一方の妻面と一方の側面との2面に扉が設けられたコンテナの、前記扉を有する妻面を構成する構造であって、一対の妻柱と、該一対の妻柱の上端に固定される2つの上部隅金具と、前記一対の妻柱の上端間及び前記2つの上部隅金具間を接続する妻上梁と、を含み、前記一対の妻柱のうち少なくとも一方の妻柱と前記妻上梁との各々は、夫々の延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材を含み、該少なくとも2つの部材同士を固定するための全ての溶接部分が、特定の方向から同時に視認可能な位置に配置されているコンテナの妻面構造(請求項1)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、扉を有する妻面を構成するものであり、一対の妻柱、2つの上部隅金具、及び、妻上梁を含んでいる。一対の妻柱は、コンテナの4本の隅柱のうちの2本の隅柱に相当するものであり、それら一対の妻柱のうち、少なくとも一方の妻柱は、妻柱の延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材を含んでいる。上部隅金具は、コンテナ上面の4隅に配置されるように各隅柱の上部に取り付けられ、船舶輸送等際にコンテナの固定のために用いられるものである。妻上梁は、一対の妻柱の上端間及び2つの上部隅金具間を接続するように、妻面の正面視で左右方向に延在するものであり、妻上梁の延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材を含んでいる。
又、上述した少なくとも一方の妻柱の、少なくとも2つの部材同士を固定するための全ての溶接部分は、特定の方向から同時に視認可能な位置に配置されている。同様に、妻上梁の少なくとも2つの部材同士を固定するための全ての溶接部分は、特定の方向から同時に視認可能な位置に配置されている。ここで、「特定の方向から同時に視認可能」とは、例えば、妻柱又は妻上梁をそれらの延在方向と平行な中心軸周りで周囲から視たときに、妻柱又は妻上梁を構成する部材同士を固定する全ての溶接部分を、同時に視認可能な視点位置が存在することを示している。この際、溶接部分が妻柱又は妻上梁の延在方向に沿って延びている場合や、それらの延在方向に沿って複数個所に分かれている場合は、視点位置が妻柱又は妻上梁の延在方向に沿ってシフトしてもよい。これによって、そのような視点位置が存在する一側方向から、妻柱又は妻上梁を構成する部材同士の全溶接部分の溶接作業が行われることになる。これにより、妻柱の異なる溶接部分を溶接する際、及び、妻上梁の異なる溶接部分を溶接する際の夫々において、部材の設置向き等を変更することなく溶接作業が行われるため、コンテナ妻面の生産効率が向上されるものである。
(2)上記(1)項において、前記妻上梁は、その延在方向と直交する断面視で、前記扉が開扉状態のときに前記側面に形成される開口形状を、前記側面の正面視方向から投影した範囲に対して、突出しない形状を有するコンテナの妻面構造(請求項2)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、妻上梁の、その延在方向と直交する断面形状を規定するものである。具体的に、妻上梁は、扉が設けられたコンテナの側面に、扉が開扉状態のときに形成される開口形状を、そのコンテナの側面の正面視方向から投影した範囲に対して、突出しない断面形状を有している。すなわち、妻上梁の上記の断面形状は、開扉状態の側面に形成される開口形状よりも、コンテナ側面の正面視で、上側及び/又は妻面側に位置するようになっている。これにより、コンテナの室内に、少なくとも側面の開口形状以上の幅及び高さの空間が確保されるため、コンテナ容量の拡大化に寄与することとなる。
(3)上記(2)項において、前記妻上梁は、前記少なくとも2つの部材として、前記妻面と直交する方向に延びる上側部材と、該上側部材の下方において室内と反対側に設置される外梁部材と、前記上側部材の下方において室内側に設置される内梁部材と、を含み、前記上側部材及び前記外梁部材間の溶接部分と、前記上側部材及び前記内梁部材間の溶接部分と、前記外梁部材及び前記内梁部材間の溶接部分とが、前記上側部材の下面方向から視認可能な位置に配置されているコンテナの妻面構造(請求項3)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、妻上梁が、その延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材として、上側部材と外梁部材と内梁部材との3つの部材を含むものである。上側部材は、妻上梁の延在方向に加えて、妻面と直交する方向にも延びるものであり、妻上梁の上面部分を構成する。外梁部材は、上側部材の下方において室内と反対側に設置され、内梁部材は、上側部材の下方において室内側に設置されるものである。ここで、本明細書における「室内側」及び「室内と反対側」とは、妻面と直交する方向におけるコンテナ内側の方向及びコンテナ外側の方向を示している。
又、妻上梁を構成する上記3つの部材は、各部材同士を固定するための溶接部分が、上側部材の下面方向から同時に視認可能な位置に配置されている。具体的には、上側部材及び外梁部材間の溶接部分と、上側部材及び内梁部材間の溶接部分と、外梁部材及び内梁部材間の溶接部分との全てが、上側部材の下面方向から同時に視認可能な位置に配置されている。これにより、妻上梁が具体的な3つの部材で構成されていても、それらの部材の設置向き等を変更することなく、一側方向から溶接作業が行われるため、コンテナ妻面の生産効率が向上されるものである。
(4)上記(3)項において、前記妻上梁の延在方向と直交する断面視で、前記上側部材は、室内と反対側から室内側へと延びて前記下面を形成し、室内と反対側の端部が下方へと折り曲げられると共に、室内側の端部が前記下面よりも下方において前記下面と平行に延びるように、クランク状に折り曲げられ、前記内梁部材は、一端が前記上側部材の前記下面に溶接された状態で下方へと延び、前記側面の正面視方向から前記妻柱及び前記上部隅金具を投影した範囲内において、他端側が室内と反対側及び下方へとクランク状に折り曲げられ、前記外梁部材は、一端が、前記内梁部材の一端よりも室内と反対側の位置で、前記上側部材の前記下面に溶接された状態で下方へと延び、前記側面の正面視方向から前記妻柱を投影した範囲内において、他端側が室内側及び上方へとコの字状に折り曲げられ、この状態で他端が前記内梁部材の他端と溶接されているコンテナの妻面構造(請求項4)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、妻上梁を構成する上側部材、内梁部材及び外梁部材の各々が、妻上梁の延在方向と直交する断面視で、以下のような形状を有しているものである。ここで、各部材は、板状から曲げ加工等が施されて形成されており、上記の断面視で2つの端部を有している。まず、上側部材は、室内と反対側から室内側へと延びており、その部位によって、上記(3)項に記載した溶接部分の視認方向の基準となる、上側部材の下面部分を形成している。更に、その室内と反対側の端部が、下方へと折り曲げられ、室内側の端部が、上述した下面よりも下方において下面と平行に延びるように、クランク状に折り曲げられている。
一方、内梁部材は、その一端が上側部材の下面に溶接された状態で、下方へと延びており、他端側が、室内と反対側及び下方へとクランク状に折り曲げられている。より詳しくは、内梁部材の他端側は、上記(2)項に記載した側面の開口形状を投影した範囲を避けるために、その開口形状の上隅部分の端縁を定める妻柱及び上部隅金具を、コンテナ側面の正面視方向から投影した範囲内において、クランク状に折り曲げられている。他方、外梁部材は、その一端が、内梁部材の一端よりも室内と反対側の位置において、上側部材の下面に溶接された状態で、下方へと延びている。更に、側面の開口形状を投影した範囲を避けるように、その開口形状の側方部分の端縁を定める妻柱を、コンテナ側面の正面視方向から投影した範囲内において、他端側が室内側及び上方へとコの字状に折り曲げられている。そして、クランク状に折り曲げられた内梁部材の他端と、コの字状に折り曲げられた外梁部材の他端とが、溶接されているものである。
すなわち、妻上梁を構成する3つの部材同士を固定するための溶接部分は、上側部材の下面及び内梁部材の一端間と、上側部材の下面及び外梁部材の一端間と、内梁部材の他端及び外梁部材の他端間とに存在する。そして、これらの溶接部分は、全て、上側部材の下面方向から視認可能な位置にあるため、一側方向から溶接作業が行われることとなり、コンテナ妻面の生産効率が向上されるものである。更に、妻上梁を構成する内梁部材及び外梁部材は、開扉状態の側面に形成される開口形状を投影した範囲を避けるように、クランク状やコの字状に折り曲げ加工されていることで、コンテナ容量の拡大化に寄与するものである。従って、妻上梁が、上述したようなより具体的な部材で構成されているにも関わらず、コンテナ妻面の生産効率の向上と、コンテナ容量の拡大化との双方が実現されるものである。
(5)上記(1)から(4)項において、前記少なくとも一方の妻柱は、前記少なくとも2つの部材として、室内と反対側に設置される外側部材と、室内側に設置される内側部材と、を含み、前記外側部材及び前記内側部材間の全ての溶接部分が、室内側から視認可能な位置に配置されているコンテナの妻面構造(請求項5)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、上記(1)項に記載した少なくとも一方の妻柱が、その延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材として、室内と反対側に設置される外側部材と、室内側に設置される内側部材との、2つの部材を含むものである。そして、これら2つの部材同士を固定するための全ての溶接部分が、妻柱の室内側から同時に視認可能な位置に配置されている。これにより、妻柱が具体的な2つの部材で構成されていても、それらの部材の設置向き等を変更することなく、一側方向から溶接作業が行われるため、コンテナ妻面の生産効率が向上されるものである。
(6)上記(5)項において、両側面のうちの、前記妻上梁の延在方向の手前側を近接側面側としたとき、前記少なくとも一方の妻面を構成する前記近接側面側の妻柱の延在方向と直交する断面視で、前記外側部材は、一端が室内側に向けられた状態から前記近接側面側へと折り曲げられ、続いて、室内と反対側及び前記近接側面側へとクランク状に折り曲げられて、前記近接側面側へと延びる平面部を形成し、次に、該平面部よりも室内と反対側の位置で前記近接側面側へと延びるように、クランク状に折り曲げられ、更に、他端が室内側へと折り曲げられ、前記内側部材は、一端が前記外側部材の一端近傍の前記近接側面側の面に対して溶接された状態で、前記近接側面側へと延びて室内と反対側へ折り曲げられ、他端が前記外側部材の前記平面部の室内側面に溶接されているコンテナの妻面構造(請求項6)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、コンテナの両側面のうちの、妻上梁の延在方向の手前側を近接側面側としたとき、少なくとも一方の妻面を構成する近接側面側の妻柱の、外側部材及び内側部材の各々が、妻柱の延在方向と直交する断面視で、以下のような形状を有しているものである。ここで、各部材は、板状から曲げ加工等が施されて形成されており、上記の断面視で2つの端部を有している。まず、外側部材は、その一端が室内側に向けられた状態から、近接側面側へと折り曲げられており、続いて、室内と反対側及び近接側面側へとクランク状に折り曲げられている。そして、近接側面側へと2度目に折り曲げられた部位から、後述する次に折り曲げられる部位までの間が、近接側面側へと延びる平面部を形成している。次に、その平面部よりも室内と反対側の位置において、近接側面側へと延びるように、クランク状に折り曲げられ、更に、他端が室内側へと折り曲げられている。
一方、内側部材は、その一端が、外側部材の一端近傍(一端から近接側面側へと折り曲げられる部位までの間)の、近接側面側の面に対して溶接された状態で、近接側面側へと延びている。続いて、室内と反対側へと折り曲げられ、他端が、外側部材の上述した平面部の室内側面に溶接されているものである。すなわち、妻柱を構成する2つの部材同士を固定するための溶接部分は、外側部材の一端近傍の近接側面側の面及び内側部材の一端間と、外側部材の平面部の室内側面及び内側部材の他端間とに存在する。そして、これら2つの溶接部分は、妻柱の室内側から視認可能な位置にあるため、一側方向から溶接作業が行われることになる。従って、妻柱が、上述したようなより具体的な部材で構成されているにも関わらず、コンテナ妻面の生産効率が向上されるものである。更に、近接側面側の妻柱は、上記のような構成で、例えば、内側部材に用いられる材料が従来よりも強度の高いものに変更される等の工夫により、従来の妻柱で用いられていたような補強材を備えなくとも、妻柱に必要とされる強度が維持されるものである。これにより、妻柱に用いられる部材が削減され、妻柱及びそれを備える妻面構造が軽量化されるものである。
(7)上記(6)項において、前記少なくとも一方の妻面を構成する前記近接側面側の妻柱は、前記外側部材及び前記内側部材間が溶接された状態における、前記妻面と直交する方向の幅が、可能な限り小さくなるように形成されているコンテナの妻面構造(請求項7)。
本項に記載のコンテナの妻面構造は、少なくとも一方の妻面を構成する近接側面側の妻柱の、外側部材及び内側部材間が溶接された状態における、妻面と直交する方向の幅が、可能な限り小さくなるように形成されているものである。すなわち、妻柱に必要とされる強度が維持される範囲で、外側部材及び内側部材の双方の、近接側面の正面視で左右方向の幅が、可能な限り小さく形成されている。これにより、妻柱によって側方の端縁が規定されるコンテナ側面の開口形状が、妻面側へと広がるため、コンテナ側面の開口幅が拡大されるものである。
(8)少なくとも一方の妻面に、上記(1)から(7)項のいずれか1項記載のコンテナの妻面構造を備えたコンテナ(請求項8)。
本項に記載のコンテナは、上記(1)から(7)項のいずれか1項記載のコンテナの妻面構造を、少なくとも一方の妻面に備えていることで、上記(1)から(7)項のコンテナの妻面構造と同等の作用を奏しながら、コンテナ全体の生産効率が向上されるものである。
本発明は上記のような構成であるため、コンテナの妻面の生産効率を向上することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るコンテナを示しており、(a)はコンテナの上面、(b)はコンテナの一方の側面、(c)はコンテナの一方の妻面を示している。 図1のコンテナを示しており、(a)はコンテナの他方の側面、(b)はコンテナの他方の妻面を示している。 本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造の妻柱を示しており、(a)は側面図、(b)は正面図である。 図3のA−A線での断面図である。 本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造の妻上梁を示しており、(a)は平面図、(b)は正面図である。 図5のB−B線での断面図である。 従来の妻柱の延在方向と直交する断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略することとし、又、図面の全体を通して、同一部分若しくは相当する部分は、同一の符号で示している。
図1及び図2は、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30を備えた、本発明の実施の形態に係るコンテナ10の構成の一例を模式的に示している。このコンテナ10は、略立方体の中空構造を有し、一対の妻面12、14と一対の側面16、18とのうち、一方の妻面14と双方の側面16、18との3つ面に、荷物を出し入れするための扉20が設けられている。一方、残りのもう一方の妻面12には、扉20が設けられておらず、図2(b)で確認できるように、図中上下方向に延在する凸条部と凹条部とが、図中左右方向に交互に形成された、波板状を有する外板88が取り付けられている。
図1及び図2に示したコンテナ10において、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、扉20が設けられた妻面14を構成するものである。本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、図1(c)で確認できるように、一対の妻柱(隅柱)32(32A、32B)と、一対の妻柱32の各々の上端に固定された2つの上部隅金具60(60A、60B)と、一対の妻柱32の上端間及び2つの上部隅金具60間を接続する妻上梁70と、観音開きの扉20とを含んでいる。このような構成のコンテナの妻面構造30のうち、妻柱32と妻上梁70との各々の構成について、以下で詳しく説明する。
まず、図3及び図4には、一対の妻柱32A、32Bのうち、図1(c)における左側に位置する一方の妻柱32Aを示している。なお、一対の妻柱32A、32Bは、図1(c)に示された配置において、左右対称の構成を有しているため、ここでは、一方の妻柱32Aを例にして、妻柱32の構成について説明する。図3に示すように、妻柱32(32A)は、外側部材34と、外側部材34に対して室内側(図3(a)における左側)から溶接固定された内側部材50とを含んでいる。更に、本実施例では、外側部材34及び内側部材50に、図中上下方向に間隔を空けて設けられた3箇所の切欠き部の夫々に、側面18及び妻面14に設けられる扉20(図1参照)の開閉構造を実現するための、ヒンジ組立が取り付けられている。具体的に、図中上部及び下部の切欠き部には、側面18に設けられる扉20用のヒンジ組立64と、妻面14に設けられる扉20用のヒンジ組立66とが、3つのヒンジラグ62を介して取り付けられている。更に、図中中央の切欠き部には、側面18に設けられる扉20用のヒンジ組立64が、2つのヒンジラグ62を介して取り付けられている。又、外側部材34及び内側部材50の上端部には、上部隅金具60(60A)が溶接固定されている。
更に、上述した外側部材34及び内側部材50の各々は、プレス加工等によって曲げ加工が施された板状部材で形成されている。以下に、本実施例における外側部材34及び内側部材50の形状について、図4を参照して説明する。なお、図4では、図中左方向がコンテナ10の側面18側(近接側面18側)、図中下方向が妻面14側に相当する。まず、外側部材34は、図4に示された断面視で、一方の端部34aから下方向へと延び、左方向に折り曲げられた後、更に下方向及び左方向に略直角のクランク状に折り曲げられて、第1クランク部36が形成されている。続いて、左方向に延びて平面部38が形成され、斜め左下方向及び左方向へと鈍角のクランク状に折り曲げられて、第2クランク部40が形成されている。更に、上方向へと折り曲げられ、他方の端部34bが上方向へ向けられている。
一方、内側部材50は、図4に示された断面視で、一方の端部50aから斜め左上方向へと延び、左方向へと折り曲げられて、外側部材34の平面部38と平行に延びている。更に、下方向へと折り曲げられ、他方の端部50bが下方向へ向けられている。そして、内側部材50の一方の端部50aが、外側部材34の端部34a近傍の左側(近接側面18側)の面34cに対して、溶接部分W1において溶接されている。更に、内側部材50の他方の端部50bが、外側部材34の平面部38の上側(室内側)の面38aに対して、溶接部分W2において溶接されている。これらの溶接部分W1、W2は、図3における上下方向に延在しており、図4における上側(室内側)から、同時に視認可能な位置に配置されている。又、上述した外側部材34及び内側部材50は、妻柱32に必要とされる強度を維持する範囲で、可能な限り図4における上下方向の幅が小さくなるように形成されている。
続いて、図5及び図6を参照して、妻上梁70の構成について説明する。なお、図5及び図6には、一対の妻柱32A、32Bと、2つの上部隅金具60A、60Bと、コンテナ10の側面18、16を構成する側上梁90A、90Bとを、二点鎖線で示している。図5に示すように、妻上梁70は、略一様の断面形状で図中左右方向に延在し、図中左側の端部が、妻柱32A、上部隅金具60A及び側上梁90Aに溶接固定されると共に、図中右側の端部が、妻柱32B、上部隅金具60B及び側上梁90Bに溶接固定される。更に図6も参照して、妻上梁70は、図5における左右方向に延在する3つの部材として、上側部材72、外梁部材78及び内梁部材82を含んでおり、上側部材72には、コンテナ10の上に重ねられるコンテナ用のズレ止め86が溶接固定されている。
又、上述した上側部材72、外梁部材78及び内梁部材82の各々は、プレス加工等によって曲げ加工が施された板状部材で形成されている。以下に、本実施例における上側部材72、外梁部材78及び内梁部材82の形状について、図6を参照して説明する。まず、上側部材72は、図6における断面視で、左右方向に延びて下面72cが形成されており、一方の端部72a側が下方向へと折り曲げられて、外梁部材78よりも左方向へ突出した庇部74が形成されている。更に、他方の端部72b側が、斜め右下方向及び右方向へと鈍角のクランク状に折り曲げられて、クランク部76が形成されている。
外梁部材78は、図6における断面視で、上側部材72の下方において、一方の端部78aから下方向へと延び、右方向及び上方向へとコの字状に折り曲げられてコの字部80が形成され、他方の端部78bが上方向へ向けられている。そして、外梁部材78の一方の端部78aが、上側部材72の下面72cに対して、溶接部分W3において溶接されている。又、内梁部材82は、図6における断面視で、上側部材72の下方及び外梁部材78よりも右方において、一方の端部82aから下方向へと延び、左方向及び下方向へと略直角のクランク状に折り曲げられてクランク部84が形成され、他方の端部82bが下方向へ向けられている。そして、内梁部材82の一方の端部82aが、上側部材72の下面72cに対して、溶接部分W4において溶接されており、更に、外梁部材78の他方の端部78b近傍と、内梁部材82の他方の端部82b近傍とが、図中左右方向に重ねられた状態で、溶接部分W5において溶接されている。これらの溶接部分W3〜W5は、図5における左右方向に延在しており、図6における下側から同時に視認可能な位置に配置されている。
ここで、図6で確認できるように、妻上梁70を構成している上側部材72、外梁部材78及び内梁部材82は、図6にグレーで示された範囲PRに対して、突出しない形状になっている。この範囲PRは、コンテナ10の側面16、18に、扉20が開かれたときに形成される開口形状を、図6における紙面と直交する方向から投影した範囲を示している。このような範囲PRの図中上側の端縁は、上部隅金具60及び側上梁90により規定され、図中左側の端縁は、妻柱32により規定される。そして、上側部材72、外梁部材78及び内梁部材82は、何れも、妻柱32、上部隅金具60及び側上梁90を、範囲PRと同方向から投影した範囲(図6に示されている各部材の範囲)内に配置されている。なお、妻上梁70には、例えば上側部材72、外梁部材78及び内梁部材82で囲まれた閉鎖空間内に、必要に応じて補強材が設置されていてもよい。
さて、上記構成をなす本発明の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能である。すなわち、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、図1及び図2に示すように、扉20を有する妻面14を構成するものであり、一対の妻柱32A、32B、2つの上部隅金具60A、60B、及び、妻上梁70を含んでいる。一対の妻柱32A、32Bは、コンテナ10の4本の隅柱のうちの2本の隅柱に相当するものであり、それら一対の妻柱32A、32Bのうち、少なくとも一方の妻柱32は、妻柱32の延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材(本実施例では図3及び図4に示す2つの部材34、50)を含んでいる。上部隅金具60は、図1(a)で確認できるように、コンテナ10上面の4隅に配置されるように各隅柱の上部に取り付けられ、船舶輸送等際にコンテナ10の固定のために用いられるものである。妻上梁70は、図1(c)に示すように、一対の妻柱32A、32Bの上端間及び2つの上部隅金具60A、60B間を接続するように、図中左右方向に延在するものであり、妻上梁70の延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材(本実施例では図5及び図6に示す3つの部材72、78、82)を含んでいる。
又、図4に示すように、上述した少なくとも一方の妻柱32の、2つの部材34、50同士を固定するための全ての溶接部分W1、W2は、特定の方向(図中上方向)から同時に視認可能な位置に配置されている。同様に、図6に示すように、妻上梁70の3つの部材72、78、82同士を固定するための全ての溶接部分W3〜W5は、特定の方向(図中下方向)から同時に視認可能な位置に配置されている。これによって、上記のように視認可能な一側方向から、妻柱32又は妻上梁70を構成する部材同士の全溶接部分の溶接作業を行うことができる。これにより、妻柱32の異なる溶接部分を溶接する際、及び、妻上梁70の異なる溶接部分を溶接する際の夫々において、部材の設置向き等を変更することなく溶接作業を行うことができるため、コンテナ10の妻面14の生産効率を向上することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、上述した少なくとも一方の妻柱32が、その延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材として、図3及び図4に示すように、室内と反対側(図3(a)における右側)に設置される外側部材34と、室内側(図3(a)における左側)に設置される内側部材50との、2つの部材を含むものである。そして、これら2つの部材34、50同士を固定するための全ての溶接部分W1、W2が、妻柱32の室内側(図4における上側)から同時に視認可能な位置に配置されている。これにより、妻柱32が具体的な2つの部材34、50で構成されていても、それらの部材34、50の設置向き等を変更することなく、一側方向から溶接作業を行うことができるため、コンテナ10の妻面14の生産効率を向上することができる。
更に、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、コンテナ10の両側面16、18のうちの、妻上梁70の延在方向の手前側(図4における左側)を近接側面18側としたとき、妻面14を構成する近接側面18側の妻柱32Aの、外側部材34及び内側部材50の各々が、図4に示す断面視で、以下のような形状を有しているものである。ここで、各部材34、50は、板状から曲げ加工等が施されて形成されており、図4の断面視で2つの端部を有している。まず、外側部材34は、その一方の端部34aが室内側(図中上側)に向けられた状態から、近接側面18側へと折り曲げられており、続いて、室内と反対側(図中下側)及び近接側面18側へとクランク状に折り曲げられて、第1クランク部36が形成されている。そして、第1クランク部36に続いて、近接側面18側へと延びる平面部38が形成されている。次に、その平面部38よりも室内と反対側の位置において近接側面18側へと延びるように、クランク状に折り曲げられて第2クランク部40が形成され、更に、他方の端部34bが室内側へと折り曲げられている。
一方、内側部材50は、その一方の端部50aが、外側部材34の端部34a近傍の近接側面18側の面34cに対して溶接された状態で、図中斜め左上方向及び左方向へと延びている。続いて、室内と反対側へと折り曲げられ、他方の端部50bが、外側部材34の平面部38の室内側面38aに溶接されているものである。すなわち、妻柱32Aを構成する2つの部材34、50同士を固定するための溶接部分W1、W2は、外側部材34の端部34a近傍の近接側面18側の面34c及び内側部材50の端部50a間と、外側部材34の平面部38の室内側面38a及び内側部材50の端部50b間とに存在する。そして、これら2つの溶接部分W1、W2は、妻柱32Aの室内側から視認可能な位置にあるため、一側方向から溶接作業を行うことができる。従って、妻柱32Aが、上述したようなより具体的な部材で構成されているにも関わらず、コンテナ妻面14の生産効率を向上することが可能となる。
更に、近接側面18側の妻柱32Aは、上記のような構成で、例えば、内側部材50に用いられる材料が従来よりも強度の高いものに変更される等の工夫により、図7に示した従来の妻柱100で用いられていたような補強材106、108を備えなくとも、妻柱32Aに必要とされる強度を維持することができる。これにより、妻柱32Aに用いられる部材を削減することができ、妻柱32A及びそれを備える妻面構造30を軽量化することができる。なお、図4では、一方の妻柱32Aを示しているため、近接側面側が図中左側の近接側面18側となるが、妻柱32Aと左右対称の構成を有する他方の妻柱32Bの場合は、近接側面側が図中右側の近接側面16側となる。
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、妻面14を構成する近接側面18側の妻柱32Aの、外側部材34及び内側部材50間が溶接された状態における、妻面14と直交する方向(図4における上下方向)の幅が、可能な限り小さくなるように形成されているものである。すなわち、妻柱32Aに必要とされる強度が維持される範囲で、外側部材34及び内側部材50の双方の、近接側面18の正面視(図3(a)の視点)で左右方向の幅が、可能な限り小さく形成されている。これにより、妻柱32Aによって側方の端縁が規定されるコンテナ側面18の開口形状が、妻面14側へと広がるため、コンテナ側面18の開口幅を拡大することができる。なお、本実施例では、妻柱32Bも妻柱32Aと同等の構成を有しているため、コンテナ側面16の開口幅を拡大することも可能となる。
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、妻上梁70の、その延在方向と直交する断面形状を、下記のように規定するものである。具体的に、妻上梁70は、図6に示すように、扉20が設けられたコンテナ10の側面16、18に、扉20が開扉状態のときに形成される開口形状を、そのコンテナ10の側面16、18の正面視方向から投影した範囲PRに対して、突出しない断面形状を有している。すなわち、妻上梁70の上記の断面形状は、開扉状態の側面16、18に形成される開口形状よりも、コンテナ側面16、18の正面視で、上側及び/又は妻面側(図6における左側)に位置するようになっている。これにより、コンテナ10の室内に、少なくとも側面16、18の開口形状以上の幅及び高さの空間を確保することができるため、コンテナ10の容量の拡大化に寄与することができる。
更に、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、妻上梁70が、その延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材として、上側部材72と外梁部材78と内梁部材82との3つの部材を含むものである。上側部材72は、妻上梁70の延在方向に加えて、妻面14と直交する方向(図6における左右方向)にも延びるものであり、妻上梁70の上面部分を構成する。外梁部材78は、上側部材72の下方において室内と反対側(図6における左側)に設置され、内梁部材82は、上側部材72の下方において室内側(図6における右側)に設置されるものである。
又、妻上梁70を構成する上記3つの部材72、78、82は、各部材同士を固定するための溶接部分W3〜W5が、上側部材72の下面72c方向(図6における下方向)から同時に視認可能な位置に配置されている。具体的には、上側部材72及び外梁部材78間の溶接部分W3と、上側部材72及び内梁部材82間の溶接部分W4と、外梁部材78及び内梁部材82間の溶接部分W5との全てが、上側部材72の下面72c方向から同時に視認可能な位置に配置されている。これにより、妻上梁70が具体的な3つの部材72、78、82で構成されていても、それらの部材の設置向き等を変更することなく、一側方向から溶接作業を行うことができるため、コンテナ妻面14の生産効率を向上することが可能となる。
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、妻上梁70を構成する上側部材72、内梁部材82及び外梁部材78の各々が、図6に示す断面視で、以下のような形状を有しているものである。ここで、各部材72、78、82は、板状から曲げ加工等が施されて形成されており、図6の断面視で2つの端部を有している。まず、上側部材72は、室内と反対側から室内側へと延びており、その部位によって、上側部材72の下面72cを形成している。更に、その室内と反対側の一方の端部72aが、下方へと折り曲げられて、外梁部材78よりも室内と反対側に突出した庇部74が形成されている。又、室内側の他方の端部72bが、下面72cよりも下方において下面72cと平行に延びるように、クランク状に折り曲げられてクランク部76が形成されている。
一方、内梁部材82は、その一方の端部82aが上側部材72の下面72cに溶接された状態で、下方へと延びており、他方の端部82b側が、室内と反対側及び下方へとクランク状に折り曲げられて、クランク部84が形成されている。より詳しくは、内梁部材82の他方の端部82b側は、側面16、18の開口形状を投影した範囲PRを避けるために、その開口形状の上隅部分の端縁を定める妻柱32及び上部隅金具60を、コンテナ側面16、18の正面視方向から投影した範囲(図6に図示されている範囲)内において、クランク状に折り曲げられている。
他方、外梁部材78は、その一方の端部78aが、内梁部材82の端部82aよりも室内と反対側の位置において、上側部材72の下面72cに溶接された状態で、下方へと延びている。更に、側面16、18の開口形状を投影した範囲PRを避けるように、その開口形状の側方部分の端縁を定める妻柱32を、コンテナ側面16、18の正面視方向から投影した範囲(図6に図示されている範囲)内において、他方の端部78b側が室内側及び上方へとコの字状に折り曲げられて、コの字部80が形成されている。そして、クランク状に折り曲げられた内梁部材82の端部82bと、コの字状に折り曲げられた外梁部材78の端部78bとが、溶接されているものである。
すなわち、妻上梁70を構成する3つの部材同士を固定するための溶接部分W3〜W5は、上側部材72の下面72c及び外梁部材78の端部78a間と、上側部材72の下面72c及び内梁部材82の端部82a間と、内梁部材82の端部82b及び外梁部材78の端部78b間とに存在する。そして、これらの溶接部分W3〜W5は、全て、上側部材72の下面72c方向から視認可能な位置にあるため、一側方向から溶接作業を行うことができ、コンテナ妻面14の生産効率を向上することができる。更に、妻上梁70を構成する内梁部材82及び外梁部材78は、開扉状態の側面16、18に形成される開口形状を投影した範囲PRを避けるように、クランク状やコの字状に折り曲げ加工されていることで、コンテナ10の容量の拡大化に寄与することができる。従って、妻上梁70が、上述したようなより具体的な部材で構成されているにも関わらず、コンテナ妻面14の生産効率の向上と、コンテナ10の容量の拡大化との双方を実現することができる。
一方、本発明の実施の形態に係るコンテナ10は、例えば、図1及び図2に示すように、上述したコンテナの妻面構造30を、少なくとも一方の妻面14に備えていることで、コンテナの妻面構造30と同等の作用効果を奏しながら、コンテナ10全体の生産効率を向上することができる。特に、コンテナ10は、妻柱32における部品点数の削減等により、従来のコンテナと比較して、重量を軽量化することができる。又、本発明の実施の形態に係るコンテナ10は、コンテナの妻面構造30を備えていながらも、その妻面構造30によって、側面16、18に設けられる扉20の厚み等に影響を受けるものではない。このため、例えば、従来のコンテナで採用されているような、ルーバー付きの扉20を側面16、18に備えることにより、コンテナ10の通風化に容易に対応することができる。
なお、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、上述した実施例に限定されるものではなく、例えば、図1及び図2に示したコンテナ10と異なる構成のコンテナに対して適用してもよい。すなわち、妻面12、14と側面16、18との4つの面に扉20が設けられたコンテナ、妻面12、14と側面18との3つの面に扉20が設けられたコンテナ、或いは、妻面14と側面18との2つの面に扉20が設けられたコンテナ等に対して適用してもよい。これらのうち、妻面12、14の何れの面にも扉20を有するコンテナであれば、妻面12、14の双方の面にコンテナの妻面構造30を適用してもよい。更に、コンテナの妻面構造30は、側面16、18の扉20の有無等に応じて、一対の妻柱32A、32Bのうちの一方の妻柱32のみに、図3及び図4に示した妻柱32の構造を有していてもよい。
又、本発明の実施の形態に係るコンテナの妻面構造30は、妻柱32の形状や構成が、図3及び図4に示した実施例に限定されるものではなく、妻柱32の延在方向に沿って延びて妻柱32を構成する部材間の、全ての溶接部分が、特定の方向から同時に視認可能な位置に配置されていれば、他の形状や構成であってもよい。同様に、妻上梁70の形状や構成も、図5及び図6に示した実施例に限定されるものではなく、他の形状や構成であってもよい。又、各部材間を接続する固定方法は、上述した溶接以外にも、各部材間において適切な固定方法を用いることができる。
10:コンテナ、12、14:妻面、16、18:側面、20:扉、30:妻面構造、32(32A、32B):妻柱、34:外側部材、34a、34b:端部、34c:端部近傍の近接側面側の面、38:平面部、50:内側部材、50a、50b:端部、60(60A、60B):上部隅金具、70:妻上梁、72:上側部材、72a、72b:端部、72c:下面、78:外梁部材、78a、78b:端部、82:内梁部材、82a、82b:端部、PR:側面の開口形状を投影した範囲、W1〜W5:溶接部分

Claims (8)

  1. 少なくとも一方の妻面と一方の側面との2面に扉が設けられたコンテナの、前記扉を有する妻面を構成する構造であって、
    一対の妻柱と、該一対の妻柱の上端に固定される2つの上部隅金具と、前記一対の妻柱の上端間及び前記2つの上部隅金具間を接続する妻上梁と、を含み、
    前記一対の妻柱のうち少なくとも一方の妻柱と前記妻上梁との各々は、夫々の延在方向に沿って延びる少なくとも2つの部材を含み、該少なくとも2つの部材同士を固定するための全ての溶接部分が、特定の方向から同時に視認可能な位置に配置されていることを特徴とするコンテナの妻面構造。
  2. 前記妻上梁は、その延在方向と直交する断面視で、前記扉が開扉状態のときに前記側面に形成される開口形状を、前記側面の正面視方向から投影した範囲に対して、突出しない形状を有することを特徴とする請求項1記載のコンテナの妻面構造。
  3. 前記妻上梁は、前記少なくとも2つの部材として、前記妻面と直交する方向に延びる上側部材と、該上側部材の下方において室内と反対側に設置される外梁部材と、前記上側部材の下方において室内側に設置される内梁部材と、を含み、
    前記上側部材及び前記外梁部材間の溶接部分と、前記上側部材及び前記内梁部材間の溶接部分と、前記外梁部材及び前記内梁部材間の溶接部分とが、前記上側部材の下面方向から視認可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項2記載のコンテナの妻面構造。
  4. 前記妻上梁の延在方向と直交する断面視で、
    前記上側部材は、室内と反対側から室内側へと延びて前記下面を形成し、室内と反対側の端部が下方へと折り曲げられると共に、室内側の端部が前記下面よりも下方において前記下面と平行に延びるように、クランク状に折り曲げられ、
    前記内梁部材は、一端が前記上側部材の前記下面に溶接された状態で下方へと延び、前記側面の正面視方向から前記妻柱及び前記上部隅金具を投影した範囲内において、他端側が室内と反対側及び下方へとクランク状に折り曲げられ、
    前記外梁部材は、一端が、前記内梁部材の一端よりも室内と反対側の位置で、前記上側部材の前記下面に溶接された状態で下方へと延び、前記側面の正面視方向から前記妻柱を投影した範囲内において、他端側が室内側及び上方へとコの字状に折り曲げられ、この状態で他端が前記内梁部材の他端と溶接されていることを特徴とする請求項3記載のコンテナの妻面構造。
  5. 前記少なくとも一方の妻柱は、前記少なくとも2つの部材として、室内と反対側に設置される外側部材と、室内側に設置される内側部材と、を含み、
    前記外側部材及び前記内側部材間の全ての溶接部分が、室内側から視認可能な位置に配置されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載のコンテナの妻面構造。
  6. 両側面のうちの、前記妻上梁の延在方向の手前側を近接側面側としたとき、前記少なくとも一方の妻面を構成する前記近接側面側の妻柱の延在方向と直交する断面視で、
    前記外側部材は、一端が室内側に向けられた状態から前記近接側面側へと折り曲げられ、続いて、室内と反対側及び前記近接側面側へとクランク状に折り曲げられて、前記近接側面側へと延びる平面部を形成し、次に、該平面部よりも室内と反対側の位置で前記近接側面側へと延びるように、クランク状に折り曲げられ、更に、他端が室内側へと折り曲げられ、
    前記内側部材は、一端が前記外側部材の一端近傍の前記近接側面側の面に対して溶接された状態で、前記近接側面側へと延びて室内と反対側へ折り曲げられ、他端が前記外側部材の前記平面部の室内側面に溶接されていることを特徴とする請求項5記載のコンテナの妻面構造。
  7. 前記少なくとも一方の妻面を構成する前記近接側面側の妻柱は、前記外側部材及び前記内側部材間が溶接された状態における、前記妻面と直交する方向の幅が、可能な限り小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項6記載のコンテナの妻面構造。
  8. 少なくとも一方の妻面に、請求項1から7のいずれか1項記載のコンテナの妻面構造を備えたことを特徴とするコンテナ。
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