JP2019171963A - 内装用衝撃吸収部材 - Google Patents

内装用衝撃吸収部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2019171963A
JP2019171963A JP2018060091A JP2018060091A JP2019171963A JP 2019171963 A JP2019171963 A JP 2019171963A JP 2018060091 A JP2018060091 A JP 2018060091A JP 2018060091 A JP2018060091 A JP 2018060091A JP 2019171963 A JP2019171963 A JP 2019171963A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
absorbing member
interior
strength
passenger
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018060091A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7077096B2 (ja
Inventor
直茂 松尾
Naoshige Matsuo
直茂 松尾
広一郎 難波
Koichiro Nanba
広一郎 難波
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sharyo Ltd
Original Assignee
Nippon Sharyo Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sharyo Ltd filed Critical Nippon Sharyo Ltd
Priority to JP2018060091A priority Critical patent/JP7077096B2/ja
Publication of JP2019171963A publication Critical patent/JP2019171963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7077096B2 publication Critical patent/JP7077096B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vibration Dampers (AREA)

Abstract

【課題】2次衝突時に発生する反力値を抑える事ができる内装用衝撃吸収部材の提供。【解決手段】鉄道車両100に備えられる前面パネル120において、鉄道車両100の座席110の前面に設けられる板状部材であり、板状部材の厚みは均一で、板状部材には複数の取付用孔であるボルト孔121と複数の強度調整孔122が設けられ、1の強度調整孔122とその周囲に隣接して設けられる6つの他の強度調整孔122はその中心間距離が等しく、強度調整孔122の直径の大きさによって、座席110に座る乗客が衝突した際に生ずる反力値が低くなるように調整され、ボルト孔121に締結部材を挿入して鉄道車両100に固定される。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の内装パネルに関し、具体的には衝突時に緩衝機能を発揮する内装用衝撃吸収部材の技術に関する。
鉄道車両の走行中に線路上の障害物と衝突すると、車体に衝撃加速度が生じる。乗客は、車体に生じた衝撃によって客室内で車両進行方向に移動し、車内装備又は他の乗客と衝突する2次衝突と呼ばれる現象により被害を受ける可能性が指摘されている。しかしながら、鉄道車両の運行の特殊性から、座席に座る乗客用にシートベルトのような安全設備を備える事に馴染まず、別の対策が求められている。
特許文献1には、鉄道車両の衝突安全評価方法に関する技術が開示されている。特許文献2には、袖仕切り板の取り付け方法についての技術が開示されている。特許文献1に示される様に2次衝突による乗客の被害軽減についての技術は求められているが、特許文献2に示すように、ロングシートのサイドに設ける袖仕切り板を工夫するような技術は検討されているものの、クロスシートに対する技術はあまり検討されていない。
特開2015−215249号公報 特開2012−180029号公報
しかしながら、クロスシートに座る乗客に対しても、2次衝突による乗客被害の低減が求められる。一般的には、クロスシートに座る場合、多くのクロスシートは鉄道車両の進行方向前側に前列のクロスシートが配置されるために、前列のクロスシートでの衝撃緩和が期待できる。ただし、進行方向最前列のクロスシートではそうした効果は期待できない。このために考えられる2次衝突の対策としては、例えば、ゴムや発泡素材を用いた緩衝材を妻構体の内装に施すことも考えられる。ただ、ゴムや発泡素材は経年劣化により比較的早期に交換が必要になる点と、デザイン上の制約を生じる事もある点を考えると、利用しにくい側面がある。また、車内に突起物を設けることも避けたい事情がある。これは、クロスシートは回転式のものが多いので、回転させた際に干渉することは避けたい為である。
もちろん、妻構体の内装部分に弾性構造体を用いて2次衝突の対策とすることも考えられるが、複雑な構造を内装部分に埋め込むことは乗客が触れて故障する懸念があり好ましくないし、あまり厚みが採れないという問題点もある。このため、変形しやすいアルミニウムなどの素材を妻構体の内装部分に用いて、内装材を塑性変形させて2次衝突時に発生するエネルギーを吸収する手法も考えられる。内装材を塑性変形させて受け止めると反発が抑制されるので、弾性変形と比べて乗客同士の衝突や、反発による衝突(3次衝突)の被害を軽減出来る。しかし、例えば内装材に金属素材を用いる場合には、衝撃反力値が高くなる傾向にある。反力値を抑えるために板厚を薄くすると、今度は取り付け部付近に応力集中による破壊を生じる虞がある。
そこで、本発明はこの様な課題を解決する為に、2次衝突時に発生する反力値を抑える事ができる内装用衝撃吸収部材を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の一態様による内装用衝撃吸収部材は、以下のような特徴を有する。
(1)鉄道車両に備えられる内装用衝撃吸収部材において、前記鉄道車両の車室内装に設けられる板状部材であり、前記板状部材の厚みは均一で、前記板状部材には、複数の強度調整孔が設けられる衝撃吸収領域と、該衝撃吸収領域の外周に設けられる取付領域が備えられ、1の前記強度調整孔とその周囲に隣接して設けられる6つの他の前記強度調整孔はその中心間距離が等しく、前記強度調整孔の直径の大きさによって、前記車室内の乗客が衝突した際に前記乗客に対して生ずる反力値が低くなるように調整され、前記取付領域にて前記板状部材が前記鉄道車両に固定されていること、を特徴とする。
上記(1)に記載の態様によって、鉄道車両内における2次衝突によって乗客に生じる被害を低減することが可能となる。これは、座席に座っている乗客が妻構体の内側に配置される内装材に設けた板状部材にぶつかった際に、板状部材に強度調整孔が設けられ反力値が低くなるように設定されているため、2次衝突による乗客への被害の低減が可能となる。その上で、板状部材に強度調整孔を設けて反力値を調整するという手法を採っていることで、コスト削減も可能となる。
板状部材の強度を調整する方法としては、板厚を増減することも考えられるが、任意の場所の板厚を調整する為には製造コストが問題となると考えられる。これは、例えば取付領域に設けた取付用孔など、取り付け部分の周辺には応力が集中しやすい為、取付領域の板厚はそれなりの厚さを要する一方で、反力値を低く抑えるためには板厚を薄くしなければならず、板状部材の厚みを取付領域と衝突すると予想される位置周辺では変化させる必要がある為である。板厚の調整には切削や化学処理などの手間が必要となると考えられ、同じ板厚の部材を用いる場合に比べてコスト高となる。一方で、強度調整孔を設けることで板厚を変えずに反力値を調整する事が可能となり、こうした加工の手間を省くことができるため、コスト低減に貢献することが可能となる。
(2)(1)に記載の内装用衝撃吸収部材において、前記強度調整孔の直径は、座席に座る前記乗客が衝突すると予想される位置の中央部よりその周辺部の方が大きく形成されること、が好ましい。
(3)(2)に記載の内装用衝撃吸収部材において、前記板状部材には、前記座席に座る前記乗客の膝の位置を中心として左右に第1の直径を有する第1強度調整孔と、該第1強度調整孔に隣接した、前記第1強度調整孔より直径の大きな第2の直径を有する第2強度調整孔が設けられること、が好ましい。
上記(2)又は(3)に記載の態様によって、強度調整孔の直径を部位によって変更することで、反力値を調整することができる。これは、ある程度強度が必要となる乗客が衝突すると予想される部位の強度を高め、一方で、衝突部位から離れた周辺の強度調整孔の直径を大きくしておくことで、内装用衝撃吸収部材の塑性変形し易さを高めて反力値を抑える事が可能となるからである。こうすることで、より効果的に反力値の調整が可能となる。
(4)(1)に記載の内装用衝撃吸収部材において、前記強度調整孔の直径は全て等しいこと、が好ましい。
上記(4)に記載の態様によって、強度調整孔の直径は等しくするものの、全体的に反力値を調整することで2次衝突の被害を低減することが可能となる。座席に座る乗客の体格には個人差があり、衝突すると予想される部位が絞り込めないようなケースでは、強度調整孔の直径が等しく、内装用衝撃吸収部材全体で反力値が調整されていることが望ましい。
(5)(1)に記載の内装用衝撃吸収部材において、前記取付領域に取付用孔が設けられ、該取付用孔に締結部材を挿入して前記鉄道車両に固定されること、が好ましい。
上記(5)に記載の態様によって、取付用孔を設けることで内装用衝撃吸収部材を鉄道車両に取り付け可能となるので、内装用衝撃吸収部材の製造コストを低減することが可能となり、取り替えなどの作業もやり易くなるなどのメリットがある。
(6)(2)に記載の内装用衝撃吸収部材において、前記板状部材に設けられる前記衝撃吸収領域は、前記座席に座る前記乗客が前記車室内装に衝突した際に前記乗客の肩または頭部が衝突すると想定される位置であること、が好ましい。
上記(6)に記載の態様によって、クロスシートだけで無く、ロングシートに腰掛けている乗客に対しても、内装用衝撃吸収部材による保護を実現することができる。
第1実施形態の、鉄道車両の模式斜視図である。 第1実施形態の、前面パネルの正面図である。 第1実施形態の、座席に乗客が座っている様子を示す模式斜視図である。 第1実施形態の、2次衝突が発生した様子を示す模式図である。 第1実施形態の、前面パネルに衝突想定位置を重ねた正面図である。 第1実施形態の、最大反力値に関するグラフである。 第2実施形態の、前面パネルの正面図である。 第2実施形態の変形例として示す、前面パネルの正面図である。 第3実施形態の、2次衝突が発生した様子を示す模式図斜視図である。
まず、本発明の第1の実施形態について、図面を用いて説明を行う。図1に、第1実施形態の、鉄道車両100の模式斜視図を示す。鉄道車両100は、側面に配置される側構体101と前後に配置される妻構体102、上部に配置される屋根構体103とを備えており、内部には複数の座席110が設けられている。
座席110は鉄道車両100の進行方向と交差する方向に図示しない乗客500が並んで着席する、いわゆるクロスシートと呼ばれるものである。このうち鉄道車両100の進行方向最前列に設置される座席110の前には前面パネル120が配置される。なお、座席110が回転式クロスシートであれば、反対側にも必要に応じて配置される。この前面パネル120は着座の状態で図示しない乗客500の膝の前辺りに配置されることになる。
前面パネル120は内装材として用いられるハードボードか、妻構体102を支持する図示しない妻柱などにボルト等によって固定される構造になっている。なお、鉄道車両100が先頭車両の場合には、運客仕切りに前面パネル120が配置され、或いは展望室構造を有する鉄道車両100の場合には、妻構体102だけではなく先頭車両内部の進行方向最前列の座席110前に前面パネル120が配置される。前面パネル120の背面、つまり妻構体102の内部は、前面パネル120の変形を許容する程度の空洞が設けられている。また、説明の都合上、第1実施形態の前面パネル120の表面は、客室側に露出するような図として説明されているが、前面パネル120の表面に内装用の化粧シートなどを貼り付けることを妨げない。
図2に、前面パネル120の正面図を示す。前面パネル120は、薄手の金属板よりなり、第1実施形態では2mm厚程度のアルミニウム合金を用いて構成されている。均一の厚みの金属板を用いる事が望ましい。また、この前面パネル120には、複数の強度調整孔122が設けられている。強度調整孔122の設けられるエリアである衝撃吸収領域Ar1とその外周に設けられる取付用孔としてボルト孔121の開けられるエリアである取付領域Ar2の2つの領域に分けられている。前面パネル120に空けられた強度調整孔122は、隣接する6つの穴との中心間距離が全て等しくなるように配置されている。
強度調整孔122の大きさは、3種類用意されている。第1強度調整孔122a、第2強度調整孔122b、第3強度調整孔122cを備えている。これらがそれぞれ異なる直径で設けられており、中心位置L1と中心位置L2を中心として直径の小さな第3強度調整孔122cが配置され、そこから遠くなるに従ってより直径の大きな第2強度調整孔122b及び第1強度調整孔122aが順に配置されている。この結果、中心位置L1及び中心位置L2の周辺は直径の小さな第3強度調整孔122cが配置されて空隙部分が少なく粗になり、そこから離れる毎により直径の大きな第2強度調整孔122b及び第1強度調整孔122aが順に配置され空隙が大きく密になるような構成になっている。
第1実施形態の内装用衝撃吸収部材は上記構成であるため、以下に示すような作用及び効果を奏する。
まず、第1実施形態の内装用衝撃吸収部材である前面パネル120を用いる事で、鉄道車両に乗車している乗客の2次衝突による被害を低減することが可能となる。鉄道車両100に備えられる前面パネル120において、鉄道車両100の座席110の前面に設けられる板状部材であり、板状部材の厚みは均一で、板状部材には複数の取付用孔であるボルト孔121と複数の強度調整孔122が設けられ、1の強度調整孔122とその周囲に隣接して設けられる6つの他の強度調整孔122はその中心間距離が等しく、強度調整孔122の直径の大きさによって、座席110に座る乗客が衝突した際に生ずる反力値が低くなるように調整され、ボルト孔121に締結部材を挿入して鉄道車両100に固定されている。
この様な構成であるので、内装用衝撃吸収部材となる前面パネル120の反力値を低下させることができる。前面パネル120には中心間距離が等しくなるように複数の強度調整孔122が設けられている。中心間距離が等しくなることで、前面パネル120の一点にものが衝突した場合にも均等に力が分散するような効果が期待できる。また、強度調整孔122は第1強度調整孔122a、第2強度調整孔122b、第3強度調整孔122cの3種類よりなり、それぞれ異なる直径にて配置されている。そして、図2に示すように、中心位置L1及び中心位置L2の周辺は孔が粗になって空隙部分が少なく、そこから離れる毎に孔が密になって空隙が大きくなるような構成となっている。
図3に、座席110に乗客500が座っている様子を模式斜視図に示す。説明の為に座席110には乗客500が一人座っている状態としているが、座席110が複数ある場合には、複数の前面パネル120を用意するか、又は複数の前面パネル120を一体化したものを用いる事が好ましい。図4に、2次衝突が発生した様子を模式図に示す。鉄道車両100に1次衝突による影響が及ぶと、乗客500が内装に衝突する2次衝突が発生する事がある。この際、図3に示すように座席110に座った乗客500は、図4に示すように、鉄道車両100の進行方向に移動して妻構体102に衝突する虞がある。この際に、乗客500が最初に触れると想定されるのが前面パネル120であり、乗客500の膝部分が前面パネル120に衝突すると予想される。
この為、前面パネル120に設けられる強度調整孔122は、膝の衝突想定位置は直径が小さく、衝突想定位置から離れる毎に直径が大きく設定されている。図5に、前面パネル120に衝突想定位置Aを重ねた正面図を示す。前面パネル120には衝突想定位置Aが設けられていて、この衝突想定位置Aの中心を貫通するように中心位置L1と中心位置L2が設けられている。この中心位置L1と中心位置L2を基準にして、直径の小さな第3強度調整孔122cが配置され、前述したようにそこから遠くなるに従ってより直径の大きな第2強度調整孔122b及び第1強度調整孔122aが順に配置されている。
この様な、衝突想定位置A付近の空隙部分が粗、そこから離れる毎に空隙部分が密になって、空隙が大きくなるような構成にすることで、前面パネル120からの反力値を下げることが可能となる。反力値が小さいと言う事は、乗客に対するダメージが少ないことを意味するので、2次衝突による被害を軽減することができる。なお、前面パネル120に設ける強度調整孔122は、反力値のピーク値を抑えつつ、運動エネルギーを吸収できる構成が好ましい。また、前面パネル120が破断してしまうと、乗客を前面パネル120で受け止めきれなくなるため、破断が生じない塑性変形の範囲内で運動エネルギーを吸収する構成にする事が好ましい。こうした構成に対して効果があるのが、強度調整孔122の配置を、1の強度調整孔122に対して他の近接する6つの強度調整孔122の中心位置の距離が全て等しくなるように設計することと、前述した強度調整孔122の直径を変化させることで粗、密の構成にすることである。
これは、強度調整孔122を正六角形の頂点と、その中心位置に配置する構成にすることで、衝突時のエネルギーを均等に分散させる効果が期待できるからである。また、中心位置L1と中心位置L2を基準にした粗・密な構成は、衝突想定位置Aの空隙が粗となることで、前面パネル120の衝突想定位置A周辺が変形するのを防ぎ、そこから離れた位置が塑性変形することで運動エネルギーを吸収することが期待できる。図6に最大反力値に関するグラフを示す。縦軸は最大反力値を示し、「条件1」は前面パネル120に強度調整孔122を設けていないもの、「条件2」は第1実施形態に示すような強度調整孔122を設けているものを示している。この最大反力値は、前面パネル120が350Jのエネルギーを吸収するまでに生じるピーク値である。「条件1」に対して「条件2」の最大反力値は8割程度であり、2割程度の反力値の減殺が見込めた。よって、2次衝突による被害の低減が期待できる。
このような前面パネル120に強度調整孔122を設けて2次衝突時に生じる運動エネルギーを吸収する手法を採る一方、前面パネル120の厚みは一定となっている構成を採ることで、前面パネル120の製造コストを下げる効果が期待できる。例えば、前面パネル120の厚みを変化させることで反力値のピークを下げる手法も考えられるが、こうした厚みのコントロールはコストが高くなりやすいなどの問題がある。強度調整孔122を設ける構成にしてあれば、比較的安価に前面パネル120の製造が期待できる。1つの鉄道車両に複数の前面パネル120を用いる事を考えれば、コスト低減の効果が期待できる。
また、前面パネル120には、衝撃吸収領域Ar1と、取付領域Ar2が設けられている。強度調整孔122が配置されるのが衝撃吸収領域Ar1で、ボルト孔121が設けられているのが取付領域Ar2である。ボルト孔121は集中応力が発生し易く、2次衝突を受ける事でボルト孔121付近より亀裂が入るような損傷を受けることが考えられるが、取付領域Ar2を適切な幅に設定しておくことで、この損傷を低減する効果が期待できる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と同じような構成であるが、内装用衝撃吸収部材の構成が異なる。図7に、第2実施形態の、前面パネル220の正面図を示す。図8に、第2実施形態の変形例として紹介する、前面パネル320の正面図を示す。第2実施形態の前面パネル220及び前面パネル320は、何れも衝撃吸収領域Ar1に強度調整孔122が設けられている。ただし、前面パネル220の強度調整孔122Aは小径の、前面パネル320の強度調整孔122Bは大径の強度調整孔122が設けられている点で異なる。強度調整孔122の配置に関しては、第1実施形態と同様に正六角形の頂点と中心に位置する関係となっている。ただし、異なる点は衝撃吸収領域Ar1に設けられた強度調整孔122A及び強度調整孔122Bは何れも同じ径で設けられている点である。
強度調整孔122Aより大径の強度調整孔122Bが設けられた前面パネル320の方が最大反力値を抑える事が可能であり、強度調整孔122の大きさに関しては設計思想によって適宜選択されることが望ましい。また、このような前面パネル220及び前面パネル320に設けられる強度調整孔122A、122Bは、最大反力値を抑えると共に、2次衝突によって容易に破断しないよう最適化される事が望ましい。こうした前面パネル220及び前面パネル320は、第1実施形態で用いられた前面パネル120に比べて最大反力値を抑える効果は低いが、同じ孔径で用意すれば良いため、衝突想定位置Aが設定しにくいケースやよりコストを削減したい場合には効果的である。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第3実施形態は第1実施形態と同じような構成であるが、内装用衝撃吸収部材の構成が異なる。図9に、2次衝突が発生した様子を模式図斜視図として示す。第3実施形態では、他の実施形態と事なり鉄道車両100の内部に設けられる座席110がクロスシートでは無く、鉄道車両100の進行方向に添った方向で乗客500が並んで着席する、いわゆるロングシートと呼ばれるものが用いられる。そして、図9には乗客500が妻構体102の内装面に2次衝突する様子が示されている。
この妻構体102には、内装用衝撃吸収部材として側面パネル130が設けられている。側面パネル130は第1実施形態の前面パネル120に相当する機能を有しており、衝撃吸収領域Ar1を2箇所に設けている。ただし、側面パネル130の衝撃吸収領域Ar1は、2次衝突が発生した際に乗客500の頭部と肩部があたると想定される衝突想定位置Aに設けられている点が、第1実施形態及び第2実施形態とは異なる。
なお側面パネル130には、図示しない第1強度調整孔122a、第2強度調整孔122b、第3強度調整孔122cに相当する孔が、他の実施形態と同様に設けられており、乗客500があたると想定される場所の周辺は直径の小さな第3強度調整孔122cが配置されて空隙部分が少なく、そこから離れたより直径の大きな第2強度調整孔122b及び第1強度調整孔122aが順に配置され空隙が大きく密になるような構成となっている。
以上、本発明に係る内装用衝撃吸収部材を説明したが、本発明はこれに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、第1実施形態及び第2実施形態では、説明の都合上、座席110に乗客一人で座るように説明しているが、2人又は3人並んで座るケースが多いので、これに対応して前面パネル120を複数並べて設ける、或いは一体的に構成することを妨げない。
また、本発明はクロスシートに適用するような事例として紹介したが、ロングシートの袖仕切りに適用することも可能である。具体的には、袖仕切り部分には乗客の肩や肘、腕、或いは頭部などが当接する可能性があるため、第1実施形態同様に衝突想定位置Aの周辺を中心に直径の小さな第3強度調整孔122cを配置し、その周囲に第2強度調整孔122b及び第1強度調整孔122aを配置した前面パネル120の構成と同じ袖仕切りを設けることで、衝撃の緩和が期待できる。また、第2実施形態同様に、最大反力値が小さくなり、かつ、破断しない程度の強度を保つような強度調整孔122を有する前面パネル220、320の構成と同じ袖仕切りを設けることでも、衝撃の緩和が期待できる。
100 鉄道車両
101 側構体
102 妻構体
110 座席
120 前面パネル

Claims (6)

  1. 鉄道車両に備えられる内装用衝撃吸収部材において、
    前記鉄道車両の車室内装に設けられる板状部材であり、
    前記板状部材の厚みは均一で、
    前記板状部材には、複数の強度調整孔が設けられる衝撃吸収領域と、該衝撃吸収領域の外周に設けられる取付領域が備えられ、1の前記強度調整孔とその周囲に隣接して設けられる6つの他の前記強度調整孔はその中心間距離が等しく、
    前記強度調整孔の直径の大きさによって、前記車室内の乗客が衝突した際に前記乗客に対して生ずる反力値が低くなるように調整され、
    前記取付領域にて前記板状部材が前記鉄道車両に固定されていること、
    を特徴とする内装用衝撃吸収部材。
  2. 請求項1に記載の内装用衝撃吸収部材において、
    前記強度調整孔の直径は、座席に座る前記乗客が衝突すると予想される位置の中央部よりその周辺部の方が大きく形成されること、
    を特徴とする内装用衝撃吸収部材。
  3. 請求項2に記載の内装用衝撃吸収部材において、
    前記板状部材には、
    前記座席に座る前記乗客の膝の位置を中心として左右に第1の直径を有する第1強度調整孔と、
    該第1強度調整孔に隣接した、前記第1強度調整孔より直径の大きな第2の直径を有する第2強度調整孔が設けられること、
    を特徴とする内装用衝撃吸収部材。
  4. 請求項1に記載の内装用衝撃吸収部材において、
    前記強度調整孔の直径は全て等しいこと、
    を特徴とする内装用衝撃吸収部材。
  5. 請求項1に記載の内装用衝撃吸収部材において、
    前記取付領域に取付用孔が設けられ、該取付用孔に締結部材を挿入して前記鉄道車両に固定されること、
    を特徴とする内装用衝撃吸収部材。
  6. 請求項2に記載の内装用衝撃吸収部材において、
    前記板状部材に設けられる前記衝撃吸収領域は、前記座席に座る前記乗客が前記車室内装に衝突した際に前記乗客の肩または頭部が衝突すると想定される位置であること、
    を特徴とする内装用衝撃吸収部材。
JP2018060091A 2018-03-27 2018-03-27 内装用衝撃吸収部材 Active JP7077096B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060091A JP7077096B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 内装用衝撃吸収部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018060091A JP7077096B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 内装用衝撃吸収部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019171963A true JP2019171963A (ja) 2019-10-10
JP7077096B2 JP7077096B2 (ja) 2022-05-30

Family

ID=68168239

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018060091A Active JP7077096B2 (ja) 2018-03-27 2018-03-27 内装用衝撃吸収部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7077096B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS493308A (ja) * 1972-05-06 1974-01-12
US5435594A (en) * 1993-12-03 1995-07-25 Trw Inc. Dual air bag system for occupant restraint
JP2003048501A (ja) * 2001-08-07 2003-02-18 Toyoda Iron Works Co Ltd 車両用樹脂製内装部品、およびその設計方法
JP2006077934A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Honda Motor Co Ltd 衝撃吸収部材及びこれを用いたヘルメット並びに車両用バンパー
JP2012180029A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Railway Technical Research Institute 袖仕切り板の取り付け方法
JP2013244963A (ja) * 2012-05-26 2013-12-09 Bombardier Transportation Gmbh 鉄道車両用の、エネルギー吸収手段が設けられた運転操作卓
JP2015016844A (ja) * 2013-07-15 2015-01-29 日本車輌製造株式会社 鉄道車両の車内構造
JP2015215249A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 川崎重工業株式会社 鉄道車両の衝突安全性評価方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS493308A (ja) * 1972-05-06 1974-01-12
US5435594A (en) * 1993-12-03 1995-07-25 Trw Inc. Dual air bag system for occupant restraint
JP2003048501A (ja) * 2001-08-07 2003-02-18 Toyoda Iron Works Co Ltd 車両用樹脂製内装部品、およびその設計方法
JP2006077934A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Honda Motor Co Ltd 衝撃吸収部材及びこれを用いたヘルメット並びに車両用バンパー
JP2012180029A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Railway Technical Research Institute 袖仕切り板の取り付け方法
JP2013244963A (ja) * 2012-05-26 2013-12-09 Bombardier Transportation Gmbh 鉄道車両用の、エネルギー吸収手段が設けられた運転操作卓
JP2015016844A (ja) * 2013-07-15 2015-01-29 日本車輌製造株式会社 鉄道車両の車内構造
JP2015215249A (ja) * 2014-05-12 2015-12-03 川崎重工業株式会社 鉄道車両の衝突安全性評価方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7077096B2 (ja) 2022-05-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8864227B2 (en) Seat device comprising an energy absorption unit
US20120119475A1 (en) Center airbag module for vehicle
EP2462003B1 (en) Seat assembly having an impact load transfer structure
EP3898324B1 (en) A table for means of transport
CA2872533A1 (en) Floor connection assembly of an aircraft seat
JP2017510512A (ja) 広告面を有する座席ユニット
US8408592B2 (en) Vehicle seat
US10046678B2 (en) Shock attenuating mounting
JP2007069664A (ja) 防振浮き床構造
JP2019171963A (ja) 内装用衝撃吸収部材
US6585318B1 (en) Safety seat
US10850650B2 (en) Vehicle seat
JP7051393B2 (ja) 内装用衝撃吸収構造
JP5963072B2 (ja) 鉄道車両。
US9517742B2 (en) Shock absorber member for vehicle, vehicle door panel assembly including shock absorber member and vehicle including door panel assembly
JP5023586B2 (ja) 車両の後部車体構造
JP2020197224A (ja) 衝撃吸収体
JP2012056455A (ja) 車両用シート
JP7239801B2 (ja) 乗物用シート
JP5223074B2 (ja) 鉄道車両
EP3962774A1 (en) Seat arrangement provided with a knee bolster for a public transportation vehicle
JP6791773B2 (ja) 鉄道車両用排障装置及び緩衝板
JP2001341565A (ja) 自動車用座席
KR100821791B1 (ko) 차량의 3열 시트에 설치된 시트벨트 브라켓 조립체
JP2013124026A (ja) 車両用ニーボルスタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220518

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7077096

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150