JP2003048501A - 車両用樹脂製内装部品、およびその設計方法 - Google Patents

車両用樹脂製内装部品、およびその設計方法

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JP2003048501A JP2001238896A JP2001238896A JP2003048501A JP 2003048501 A JP2003048501 A JP 2003048501A JP 2001238896 A JP2001238896 A JP 2001238896A JP 2001238896 A JP2001238896 A JP 2001238896A JP 2003048501 A JP2003048501 A JP 2003048501A
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groove
vehicle
grooves
resin
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Masamori Hirose
正盛 廣瀬
Katsutoshi Kamiya
勝俊 神谷
Keiichi Fukushima
啓市 福島
Shigehiro Hara
茂宏 原
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Toyoda Iron Works Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定の剛性を確保しつつ十分なエネルギー吸
収量が得られるとともに、そのエネルギー吸収量の調整
も容易な衝撃吸収構造を提供する。 【解決手段】 車両の側面衝突時などに乗員がぶつかり
易い所定範囲12の裏面14に網目状の溝16が設けら
れ、乗員が所定範囲12に打ち当てられた時に、その所
定範囲12が変形することによって衝突エネルギーが吸
収されることにより、乗員に与える衝撃が緩和されて安
全性が向上する。その場合に、平面視において異方性を
有するように網目状の溝16が所定範囲12の全域に分
布して設けられているため、単純に多数の平行溝を設け
る場合に比較して、必要な剛性を確保しつつ十分なエネ
ルギー吸収量を得ることができる。また、溝16の間隔
wや深さ寸法dなどを適宜変更することにより、衝突エ
ネルギーを良好に吸収できる溝16の形態を容易に設定
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両用樹脂製内装部
品に係り、特に、車両衝突時の乗員の安全性を高くする
技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ドアトリムやインストルメントパネルな
どの車両用内装部品として、樹脂成形品が広く用いられ
ているが、このような車両用樹脂製内装部品において、
車両衝突時などに乗員がぶつかった時の衝突エネルギー
を変形によって吸収するため溝やスリットを設けること
が提案されている。例えば、実開平6−6123号公報
にはアームレストの周縁部に沿って溝を設ける技術が記
載されており、特開平11−139232号公報にはア
ームレストの上面に多数のスリットを平行に形成する技
術が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、周縁部
に溝を形成するだけでは、十分なエネルギー吸収量が得
られないとともに、そのエネルギー吸収量の調整が困難
である。また、スリットを設ける方法は、表皮層を備え
ていない樹脂製基材のみから成る内装部品には適用でき
ない一方、十分なエネルギー吸収量を得るためにスリッ
トの間隔を狭くすると剛性(腕の押圧などに対する変形
抵抗)が低下し、剛性とエネルギー吸収量との両立が難
しい。スリットの代わりに溝を形成することが考えられ
るが、この場合も、多数の平行溝の間隔や溝深さによっ
てエネルギー吸収量を調整できるが、剛性との両立が難
しい。また、溝深さを深くすると樹脂材料の肉厚が薄く
なるため、表面にヒケやツヤムラが発生し易く、見栄え
が悪くなることがある。
【0004】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その目的とするところは、所定の剛性を確保し
つつ十分なエネルギー吸収量が得られるとともに、その
エネルギー吸収量の調整も容易な衝撃吸収構造を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、第1発明は、車両衝突時などに乗員がぶつかった
時の衝突エネルギーを変形によって吸収するため裏面に
溝が設けられている車両用の樹脂製板状の内装部品であ
って、前記溝は、予め定められた衝撃吸収領域の略全域
に分布するように、平面視において異方性を有する所定
の形状で繰り返し設けられていることを特徴とする。
【0006】なお、上記変形による衝突エネルギーの吸
収は、曲げ変形などの変形のみによる場合の他、最終的
に亀裂が生じたり破断したりすることによるエネルギー
吸収も含む。また、「異方性を有する」とは、剛性が得
られ難い平行な多数の直線溝や単純な1本の直線溝を除
く趣旨である。
【0007】第2発明は、第1発明の車両用樹脂製内装
部品において、前記溝の平面視形状は、複数の溝が交差
するクロス形状、波線形状、ジグザグ形状、直線または
曲線が閉じている環形状、の何れかであることを特徴と
する。
【0008】第3発明は、第1発明または第2発明の車
両用樹脂製内装部品において、前記溝は直線部分を有す
るもので、その直線部分は、前記衝撃吸収領域の外周縁
に対して交差する向きとなるように定められていること
を特徴とする。
【0009】第4発明は、車両衝突時などに乗員がぶつ
かった時の衝突エネルギーを変形によって吸収するため
裏面に溝が設けられている車両用の樹脂製板状の内装部
品で、その溝が、予め定められた衝撃吸収領域の略全域
に分布するように、平面視において異方性を有する所定
の形状で繰り返し設けられているものの設計方法であっ
て、(a) 形態が異なる複数種類の溝を設定する設定工程
と、(b) 前記複数種類の溝がそれぞれ設けられた前記衝
撃吸収領域の剛性およびエネルギー吸収量をそれぞれ求
め、その剛性およびエネルギー吸収量に基づいて適当な
溝の形態を決定する選択工程と、を有することを特徴と
する。
【0010】上記溝の形態は、例えば複数の溝が交差す
るクロス形状、波線形状、ジグザグ形状、直線または曲
線が閉じている環形状、などの平面視形状や、その平面
視形状の繰り返しパターン、数、間隔、溝の断面形状、
深さ寸法など、剛性やエネルギー吸収量に影響する種々
の要素が考えられる。
【0011】
【発明の効果】このような車両用樹脂製内装部品におい
ては、平面視において異方性を有する所定の形状の溝が
繰り返し設けられて衝撃吸収領域の略全域に分布してい
るため、単純に多数の平行溝を設ける場合に比較して、
必要な剛性を確保しつつ十分なエネルギー吸収量を得る
ことができる。また、溝の形態、すなわち複数の溝が交
差するクロス形状、波線形状、ジグザグ形状、直線また
は曲線が閉じている環形状、などの平面視形状や、その
平面視形状の繰り返しパターン、数、間隔、溝の断面形
状、深さ寸法などを適宜変更することにより、エネルギ
ー吸収量の調整を比較的容易に行うことができる。ま
た、溝深さをそれ程深くすることなく所定のエネルギー
吸収量を得ることが可能で、樹脂材料の肉厚が薄くなっ
て表面にヒケやツヤムラなどが発生して見栄えが悪くな
ることを回避できる。
【0012】第3発明は、溝の直線部が衝撃吸収領域の
外周縁に対して交差する向きとなるように定められてい
るため、外周縁と平行に設ける場合に比較して剛性が高
くなり、必要な剛性を確保しつつ十分なエネルギー吸収
量を容易に得ることができる。
【0013】第4発明の設計方法では、溝の平面視形状
や、その平面視形状の繰り返しパターン、数、間隔、溝
の断面形状、深さ寸法などの形態が異なる複数種類の溝
を設定するとともに、そのような複数種類の溝がそれぞ
れ設けられた衝撃吸収領域の剛性およびエネルギー吸収
量をそれぞれ求め、その剛性およびエネルギー吸収量に
基づいて適当な溝の形態を決定するようになっているた
め、必要な剛性を確保しつつ十分なエネルギー吸収量が
得られる溝形態を比較的容易に設定できるなど、実質的
に上記車両用樹脂製内装部品の場合と同様の効果が得ら
れる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は、車室の側面の内張り部
品、例えばドアトリムなどに好適に適用されるが、イン
ストルメントパネルや座席の背面部品など、車両用の種
々の内装部品に適用され得る。必要な剛性やエネルギー
吸収量は、内装部品の種類や衝撃吸収領域の設定場所な
どに応じて適宜定められる。衝撃吸収領域は、車両衝突
時などに乗員がぶつかり易い場所に設定され、特にぶつ
かって損傷を受け易い突出部分などに設定される。
【0015】溝の平面視形状は、第2発明のように複数
の溝が交差するクロス形状、波線形状、ジグザグ形状、
直線または曲線が閉じている環形状、の何れかであるこ
とが望ましいが、規則性の無い多数の直線や曲線から成
るものなど、異方性を有する種々の溝形状を採用でき
る。クロス形状の溝は、例えば互いに交差する2種類の
平行な多数の直線溝から成る網目状のものや、一対の直
線溝が略中央で交差している「×」形状のものである
が、円弧形状などの曲線状の溝が交差している場合も含
む。ジグザグ形状は、直線が繰り返し反対方向へ折り曲
げられた溝で、環形状は、円環形状や「△」形状、
「□」形状などである。網目状やジクザグ形状の溝は、
第3発明のように直線部が衝撃吸収領域の外周縁と平行
にならないように設けることが望ましい。
【0016】波線形状やジクザグ形状の溝は、例えば互
いに交差しないように一定寸法ずつ平行移動させた位置
に多数設けられ、「×」形状や環形状の溝は、例えば互
いに交差しないように離間して所定の繰り返しパターン
で多数設けられることにより、衝撃吸収領域の略全域に
分布させられる。
【0017】溝の断面形状は、V字形状、U字形状、四
角形状、円弧形状など種々の形状を採用できる。なお、
本発明の実施に際しては、補強用のリブは必ずしも必要
でないが、条件によって補強用リブを設けることを妨げ
るものではない。
【0018】溝の深さは、所定のエネルギー吸収量を得
るために0.5mm以上とすることが望ましい一方、内
装部品の表面にヒケやツヤムラなどが発生することを防
止する上で、溝底部分の残りの板厚を0.5mm以上確
保できる範囲で設定することが望ましい。なお、表皮層
を有する内装部品の場合は、溝の一部がスリット状に貫
通していても差し支えない。
【0019】第4発明の設定工程は、平面視形状や繰り
返しパターン、数、間隔、断面形状、深さ寸法などの形
態要素の少なくとも一つが異なる複数種類の溝を設定す
るものであれば良く、それ等の何れか一つだけ(例えば
深さ寸法)が異なる場合でも、任意の複数の形態要素
(例えば間隔および深さ寸法)が異なる場合でも良い。
また、予め複数種類の溝を任意に設定するものでも良い
が、一種類の溝を設定して剛性およびエネルギー吸収量
を求め、その剛性およびエネルギー吸収量に応じて間隔
や深さ寸法など形態の一部を部分的に修正することによ
り、結果的に複数種類の溝を設定するものでも良い。
【0020】第4発明の選択工程は、例えばコンピュー
タを利用して剛性(曲げ強度など)およびエネルギー吸
収量を演算処理で求め、所定の要求値を満足するか否
か、或いは所定の剛性を満足する複数種類の溝の中でエ
ネルギー吸収量が最も大きいか否か、などにより適切な
溝形態を選択するように構成されるが、複数種類の溝が
設けられた複数種類の内装部品を実際に試作して、実験
により剛性およびエネルギー吸収量を測定するようにし
ても良い。適当な溝が存在しない場合は、選択すること
なく更に形状や数、間隔、深さ寸法などを変更するよう
にしても良い。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳
細に説明する。図1の(a) は、本発明の一実施例で車室
の側面の内張り部品である車両用ドアトリム10の斜視
図で、運転席側のものであり、合成樹脂材料を主体とし
て構成されているとともに、射出成形などにより板状で
所定の凹凸形状に成形されている。そして、このドアト
リム10のうち、車両の側面衝突時などに乗員がぶつか
り易い場所、例えば運転者が腕などを打ち付けて損傷し
易い突出部分の所定範囲12には、その平坦な裏面1
4、すなわち車室の内側と反対のドア内部側の面に、
(b) および(c) に示すように断面がV字形状で、平面視
において異方性を有するように互いに交差する2種類の
平行な多数の直線状の溝16が網目を形成するととも
に、所定範囲12の全域に分布するように設けられてい
る。このように網目状に多数の溝16が設けられた所定
範囲12は、予め定められた衝撃吸収領域であり、ドア
トリム10は車両用樹脂製内装部品である。
【0022】上記溝16は、所定範囲12が所定の剛性
を有するように、その所定範囲12の外周縁すなわち本
実施例では略長方形の各辺に対して傾斜するように設け
られているとともに、間隔wや深さ寸法dは、所定の剛
性が得られる範囲で乗員との衝突時のエネルギーを良好
に吸収して衝撃を緩和するように定められている。深さ
寸法dについては、所定のエネルギー吸収量を得るため
に0.5mm以上の寸法で定められ、且つドアトリム1
0の表面にヒケやツヤムラなどが発生することを防止す
るため、溝底部分の残りの板厚を0.5mm以上確保で
きる範囲で設定されている。なお、図1(a) の所定範囲
12を示す一点鎖線は、裏側に網目状の溝16が設けら
れている範囲を示すためのもので、外観上は他の部分と
全く同じである。
【0023】図2は、上記網目状の溝16の代わりに設
けられる各種の溝形態を例示したもので、(a) は複数の
ジグザグ形状の溝18を所定の間隔wで略平行に設ける
場合、(b) は複数の波線形状の溝20を所定の間隔wで
略平行に設ける場合、(c) は多数の円環形状の溝22を
所定の間隔w1 、w2 で略均等に分散して設ける場合、
(d) は多数の三角形の環形状の溝24を所定の間隔
1 、w2 で略均等に分散して設ける場合、(e) は多数
の「×」(罰点)形状の溝26を所定の間隔w1 、w2
で略均等に分散して設ける場合であり、平面視において
異方性を有する種々の形状や繰り返しパターンを採用で
きるとともに、その平面視形状(図2の各形状)や間隔
w、w1 、w2 、平面視形状の大きさを変更することに
より、剛性やエネルギー吸収量を調整できる。また、図
3は、溝16の断面形状の別の例で、(a) は四角形状の
場合、(b) は円弧形状の場合であり、その断面形状や深
さ寸法dを変更することによっても、剛性やエネルギー
吸収量を調整できる。図2の溝18、20、22、2
4、26の断面形状も、図1(c) のV字形状だけでな
く、図3の(a) 、(b) の四角形状、円弧形状など種々の
形状を採用できる。
【0024】図4は、前記ドアトリム10の設計手順、
特に前記所定範囲12の裏面14に設ける溝の形態を決
定する手順を説明する図で、コンピュータを用いて行う
こともできるが、モデルや試作品などを用いて行うこと
もできる。ステップS1では、予め定められたドアトリ
ム10の基本形状に対して側面衝突時などに乗員が体を
ぶつけて損傷し易い部位、すなわち前記所定範囲12な
どを設定する。ステップS2では、ステップS1で設定
された所定範囲12などの裏面14に形成すべき溝の平
面視形状や繰り返しパターン、間隔w、w1 、w2 、平
面視形状の大きさ、断面形状、深さ寸法dなどの溝形態
を設定する。この溝形態の設定に際しては、例えばステ
ップS1で設定された部位に要求される剛性やエネルギ
ー吸収量などを考慮して、1または複数設定する。コン
ピュータで設計する場合、予め定められた種々の形態か
ら選択操作して設定するようにしたり、複数種類の溝形
態が自動的に設定されるようにしたりしても良い。
【0025】ステップS3では、ステップS2で設定さ
れた溝を有するドアトリム10の剛性(曲げ強度など)
およびエネルギー吸収量を、コンピュータによる演算処
理で算出したり、試作品を製作して実験で測定したりし
て求める。そして、ステップS4では、得られた剛性お
よびエネルギー吸収量が所定の要求値を満足するか否か
を判断したり、所定の剛性を満たす複数種類の溝形態の
中でエネルギー吸収量が最も大きいものを選択したりす
ることにより、適切な溝形態を決定する。剛性およびエ
ネルギー吸収量に関して満足できる溝形態が得られれば
そのまま終了するが、満足できない場合は、ステップS
5で溝の平面視形状や間隔w、w1 、w 2 、平面視形状
の大きさ、断面形状、深さ寸法dなどの溝形態を変更す
る。ここでは、ステップS3で求められた剛性やエネル
ギー吸収量を考慮して、大幅な変更が必要であれば平面
視形状や繰り返しパターンなどの基本形態を変更する一
方、僅かな修正で良い場合は例えば深さ寸法dなど一部
を部分的に修正すれば良く、その後ステップS3、S4
を繰り返して適切な溝形態を決定する。なお、前記ドア
トリム10は、網目状の溝16が設けられた場合である
が、溝18、20、22、24、26などの他の溝形態
を採用することもできる。
【0026】図4のステップS2およびS5は複数種類
の溝形態を設定する設定工程で、ステップS3およびS
4は、剛性およびエネルギー吸収量を求めて適当な溝形
態を決定する選択工程である。
【0027】このような本実施例のドアトリム10は、
所定範囲12の裏面14に溝16が網目状に設けられ、
車両の側面衝突時などに乗員が所定範囲12に打ち当て
られた時に、その所定範囲12が変形することによって
衝突エネルギーが吸収されるようになっているため、乗
員に与える衝撃が緩和されて安全性が向上する。
【0028】その場合に、本実施例では平面視において
異方性を有するように網目状の溝16が所定範囲12の
全域に分布して設けられているため、単純に多数の平行
溝を設ける場合に比較して、必要な剛性を確保しつつ十
分なエネルギー吸収量を得ることができる。特に、本実
施例では直線状の溝16が所定範囲12の外周縁に対し
て交差する向きとなるように定められているため、外周
縁と平行に直線溝を設ける場合に比較して剛性が高くな
り、必要な剛性を確保しつつ十分なエネルギー吸収量を
容易に得ることができる。
【0029】また、溝16の間隔wや深さ寸法dなどの
形態を適宜変更することにより、衝突エネルギーを良好
に吸収できる溝16の形態を比較的容易に設定でき、本
実施例では剛性およびエネルギー吸収量を求めて深さ寸
法dなどの溝形態を決定しているため、乗員が所定範囲
12にぶつかった時の衝突エネルギーが良好に吸収され
て衝撃が緩和される。
【0030】また、深さ寸法dをそれ程深くすることな
く所定のエネルギー吸収量を得ることが可能で、本実施
例では溝底部分の残りの板厚を0.5mm以上確保する
ように深さ寸法dが設定されているため、ドアトリム1
0の肉厚が部分的に薄くなって表面にヒケやツヤムラな
どが発生し、見栄えが悪くなることが防止される。
【0031】なお、前記ドアトリム10は、網目状の溝
16が設けられた場合であるが、溝18、20、22、
24、26などの他の溝形態を採用した場合にも同様の
作用効果が得られる。
【0032】以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳
細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、
本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加
えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を説明する図で、(a) は本発
明が適用されたドアトリムの斜視図、(b) は所定範囲の
裏面に設けられた溝形状を示す図、(c) は溝の断面図で
ある。
【図2】溝の別の形態を示す図で、それぞれ図1(b) に
対応する図である。
【図3】溝の断面形状の別の例を示す図で、それぞれ図
1(c) に対応する図である。
【図4】図1のドアトリムの設計手順を説明する図であ
る。
【符号の説明】
10:ドアトリム(内装部品) 14:裏面 1
6、18、20、22、24、26:溝 ステップS2、S5:設定工程 ステップS3、S4:選択工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B60R 21/045 B60N 3/00 C // B60N 3/00 B60J 5/00 501B (72)発明者 福島 啓市 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 原 茂宏 愛知県豊田市豊栄町2−88 株式会社トヨ タテクノサービス内 Fターム(参考) 3B088 BA01 3D023 BA01 BA07 BB08 BD03 BD12 BD29 BE03 BE09

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両衝突時などに乗員がぶつかった時の
    衝突エネルギーを変形によって吸収するため裏面に溝が
    設けられている車両用の樹脂製板状の内装部品であっ
    て、 前記溝は、予め定められた衝撃吸収領域の略全域に分布
    するように、平面視において異方性を有する所定の形状
    で繰り返し設けられていることを特徴とする車両用樹脂
    製内装部品。
  2. 【請求項2】 前記溝の平面視形状は、複数の溝が交差
    するクロス形状、波線形状、ジグザグ形状、直線または
    曲線が閉じている環形状、の何れかであることを特徴と
    する請求項1に記載の車両用樹脂製内装部品。
  3. 【請求項3】 前記溝は直線部分を有するもので、該直
    線部分は、前記衝撃吸収領域の外周縁に対して交差する
    向きとなるように定められていることを特徴とする請求
    項1または2に記載の車両用樹脂製内装部品。
  4. 【請求項4】 車両衝突時などに乗員がぶつかった時の
    衝突エネルギーを変形によって吸収するため裏面に溝が
    設けられている車両用の樹脂製板状の内装部品で、該溝
    が、予め定められた衝撃吸収領域の略全域に分布するよ
    うに、平面視において異方性を有する所定の形状で繰り
    返し設けられているものの設計方法であって、 形態が異なる複数種類の溝を設定する設定工程と、 前記複数種類の溝がそれぞれ設けられた前記衝撃吸収領
    域の剛性およびエネルギー吸収量をそれぞれ求め、該剛
    性およびエネルギー吸収量に基づいて適当な溝の形態を
    決定する選択工程と、 を有することを特徴とする車両用樹脂製内装部品の設計
    方法。
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