JP2019171727A - シート材料および差圧成形容器 - Google Patents

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俊 小田切
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Abstract

【課題】 シートの剛性を低下させつつ意図しない接合の偶発を抑制することが可能なシート材料および差圧成形容器を提供すること。【解決手段】 差圧成形容器に用いられるシート材料であって、シート強度を担保するための第1樹脂層と、前記シート材料の片面を構成し、前記第1樹脂層よりも引張弾性率が低く且つ熱シールによる接合に用いられる第2樹脂層と、を備え、前記第1樹脂層の差圧成形が可能な硬さとなる成形可能温度よりも、前記第2樹脂層の熱シールによる接合が可能となる接合可能温度の方が高い。【選択図】 図1

Description

本発明は、シート材料および差圧成形容器に関する。
液体等の内容物を収容した容器包装体は、内容物を密閉状態で保持することが求められる。特許文献1には、このような容器包装体を製造する従来の容器包装体の一例が開示されている。同文献に開示された容器包装体には、シート材料を差圧成形することによって形成された差圧成形容器が用いられている。この差圧成形容器は、収容空間を規定する収容部を各々が有する一対の主板部を含むシートからなる。容器包装体は、この差圧成形容器の収容空間に内容物が収容されている。一対の主板部のうち収容部を囲む周辺領域同士は、シートのシーラント層同士が熱シールによって接合されたシール部を構成している。このシール部によって収容空間が密閉されており、内容物を密閉状態で保持することができる。
特開平8−174702号公報
シール部を形成する際には、収容空間を規定する殻部とすべき領域を未シール部として残存させる必要がある。対面する未シール部のシーラント層同士が接触すると、部分的に弱い接合力で接合される場合がある。このような未シール部を差圧成形によって殻部に成形すると、接合されてしまった部分が、たとえば白濁した部分として外観に表れてしまうという問題がある。このような問題は、たとえば容器包装体の開封性を高めるために、シートの剛性を低下させた場合に生じやすいと考えられる。
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、シートの剛性を低下させつつ意図しない接合の偶発を抑制することが可能なシート材料および差圧成形容器を提供することをその課題とする。
本発明の第1の側面によって提供されるシート材料は、差圧成形容器に用いられるシート材料であって、シート強度を担保するための第1樹脂層と、前記シート材料の片面を構成し、前記第1樹脂層よりも引張弾性率が低く且つ熱シールによる接合に用いられる第2樹脂層と、を備え、前記第1樹脂層の差圧成形が可能な硬さとなる成形可能温度よりも、前記第2樹脂層の熱シールによる接合が可能となる接合可能温度の方が高いことを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第2樹脂層の厚さは、前記第1樹脂層の厚さよりも薄い。
本発明の好ましい実施の形態においては、前記第1樹脂層は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂のいずれかから選択された樹脂を主として含み、前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む。
本発明の第2の側面によって提供される差圧成形容器は、本発明の第1の側面によって提供されるシート材料が用いられた差圧成形容器であって、収容部を構成する殻部と、当該殻部を密閉する前記第2樹脂層が熱シールによって接合されたシール部と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、シートの剛性を低下させつつ意図しない接合の偶発を抑制することが可能なシート材料および差圧成形容器を提供できる。
本発明のその他の特徴及び利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
本発明の第1実施形態に係るシート材料を示す要部拡大断面図である。 シート材料の実施例を示すグラフである。 シート材料の他の実施例を示すグラフである。 シート材料の他の実施例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態に係るシート材料を用いた差圧成形容器および容器包装体の製造方法を示す斜視図である。 図5(b)の工程を示す平面図である。 図5(c)の工程を示す平面図である。 図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。 図5(d)の工程において図8に相当する断面図である。 図5(e)の第3工程を示す断面図である。 図5(f)の工程を示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る容器包装体を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る容器包装体を示す平面図である。 図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。 (a)は、本発明の第1実施形態に係る差圧成形容器の一例を示し、(b)は、比較例の差圧成形容器を示す画像である。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
<シート材料1A>
図1は、本実施形態のシート材料1Aを示す要部拡大断面図である。本実施形態のシート材料1Aは、第1樹脂層101及び第2樹脂層102を有する。第1樹脂層101は、シート強度を担保するための層であり、シート材料1Aに必要とされる耐衝撃性、耐磨耗性、及び耐熱性等を発揮する層である。第2樹脂層102は、シート材料1Aの片面を構成しており、熱シール性を発揮する層であり、シーラント層と称されるものである。後述するように、第2樹脂層102は、第1樹脂層101よりも引張弾性率が低い。
なお、これら各層の積層は、慣用のラミネート法、例えば、共押出しラミネーション、接着剤によるドライラミネーション、熱接着性層を挟んで熱により接着させる熱ラミネーション等により行うことができる。また、上述の各層が単体の層として形成された後に互いに接合されることによってシート材料1Aを形成してもよいし、たとえばある層上に他の層を形成するための溶融樹脂等の材料を押出しや塗布等によって配置した後に当該材料を冷却させることにより、複数の層が積層されたシート材料1Aを形成してもよい。
第1樹脂層101は、たとえば基材層を含む。基材層を構成する樹脂としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリカーボネート(PC)等)、ポリスチレン(汎用ポリスチレン(GPPS)、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)等)、ポリオレフィン(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等)、ポリアミド(ナイロン−6、ナイロン−66等)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリイミド(PI)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルスルフォン(PES)等が挙げられる。基材層は、これらの同種または異種の樹脂からなる一層または二層以上の延伸または未延伸フィルムによって構成してもよい。第1樹脂層の厚みは、通常20μm〜500μm、好ましくは50μm〜450μm、特に好ましくは100μm〜400μmである。
第1樹脂層101は、基材層に加えてバリア層を含む構成であってもよい。バリア層は、シート材料1Aに高いガスバリア性や遮光性が要求される場合に設けられる。バリア層としては、アルミニウム等の金属薄膜、又は塩化ビニリデン(PVDC)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)等の樹脂フィルム、或いは任意の合成樹脂フィルム(例えば、基材層であってもよい)に、アルミニウム、酸化アルミニウムやシリカ等の無機酸化物等を蒸着、スパッタリング、コーティング等して形成した層が例示できる。バリア層の厚さは、例えば1〜50μmである。第1樹脂層101が、基材層およびバリア層を含む場合、1層の基材層と1層のバリア層とが互いに積層されたものであってもよいし、たとえば2層の基材層の間1層のバリア層が介在するように積層されたものであってもよい。
第2樹脂層102を構成する樹脂は、好ましくはオレフィン系樹脂であり、より好ましくはポリエチレン系樹脂である。より具体的には、第2樹脂層102を構成するオレフィン系樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレン−プロピレン共重合体(EP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、二軸延伸ナイロン(ON)、エチレン−オレフィン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)及びエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等が挙げられる。第2樹脂層102は、これらの樹脂からなる一層または二層以上の延伸または未延伸フィルムによって構成してもよい。第2樹脂層102は、例えば10〜90μmであり、本例においては30μmとされている。
ここで、第1樹脂層101は、第2樹脂層102と比べて硬質な層であり、第2樹脂層102は、第1樹脂層101と比べて軟質な層である。硬質及び軟質の指標は、第1樹脂層101と第2樹脂層102との相対的な硬軟関係を定義可能なものであれば特に限定されず、第1樹脂層101及び第2樹脂層102が一般的な樹脂からなる場合、例えば引張弾性率によって硬軟関係が判断される。第1樹脂層101及び第2樹脂層102の引張弾性率の一例を挙げると、第1樹脂層101の引張弾性率は、常温において1,000MPa以上、好ましくは1,500MPa以上であり、第2樹脂層102の引張弾性率は、常温において900MPa以下、好ましくは800MPa以下である。なお、これらの引張弾性率は、株式会社島津製作所製 オートグラフAG−X 500Nを用い、15mm×200mmの短冊状の試験片を、初期チャック間距離100mm、試験速度毎分10mmで引っ張った時に得られた応力/ひずみ曲線の最も大きい傾きを引張弾性率とするものである。
また、本実施形態では、第1樹脂層101の差圧成形が可能な硬さとなる温度を成形可能温度T1とし、第2樹脂層102の熱シールによる接合が可能となる温度を接合可能温度T2とした場合、成形可能温度T1よりも接合可能温度T2の方が高い。
なお、シート材料1Aは、さらに他の層を有する構成であってもよい。たとえば、第1樹脂層101に対して第2樹脂層102とは反対側に積層された表層を有していてもよい。表層は、シート材料1Aの片面を構成しており、例えばシート材料1Aに表示すべき文字や図形を印刷するための印刷層である。表層の内面に印刷を施した場合、この印刷部分を表層によって保護することができる。表層を構成する樹脂フィルムとしては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(NY)等からなる未延伸フィルムが選択される。表層の厚さは、第1樹脂層101よりも薄く、例えば10〜150μmである。
また、シート材料1Aは、たとえば第1樹脂層101と第2樹脂層102との間に介在する補助層を有していてもよい。補助層は、差圧成形容器の靭性を高めるための層である。補助層を構成する樹脂としては、ナイロン(NY)等が挙げられる。補助層の厚さは、例えば5〜40μmである。
<実施例1>
図2は、実施例1としての第1樹脂層101と第2樹脂層102を示している。同図の横軸は温度であり、右側の縦軸は、第1樹脂層101の動的粘弾性測定(DMC測定)における弾性率であり、左側の縦軸は、第2樹脂層102のシール強度である。本例においては、第2樹脂層102として3つの第2樹脂層102a,102b,102cを例示している。本例の第1樹脂層101は、ポリスチレン(PS)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリスチレン(PS)の3層がこの順に積層されたものである。各層の厚さは、180μm/15μm/55μmであり、第1樹脂層101の厚さは、250μmである。第2樹脂層102aは、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロン(NY)・直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)がこの順に積層されたものである。各層の厚さは、10μm/20μm/30μmであり、第2樹脂層102aの厚さは、60μmである。第2樹脂層102bは、ポリエチレンの単層からなり、厚さは30μmである。第2樹脂層102cは、ポリエチレンの単層からなり、厚さは50μmである。なお、図中点線のグラフは、一般的なシーラント層として用いられる樹脂層から選択された参考例Xa,Xb,Xcである。参考例Xaは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層からなる樹脂層である。参考例Xbは、低密度ポリエチレン(LDPE)の単層からなる樹脂層である。参考例Xcは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の単層からなる層である。
第1樹脂層101の成形可能温度T1は、第1樹脂層101の動的粘弾性測定(DMC測定)における弾性率が、差圧成形を適切に行うことが可能な基準弾性率R1以下となる温度である。本例においては、基準弾性率R1は、100MPaと設定されており、成形可能温度T1は、107℃程度である。動的粘弾性測定における弾性率は、セイコーインスツル株式会社製 粘弾性スペクトロメーターDMS6100を用い、10mm×10mmの試験片を測定周波数1Hzで振動させながら、昇温速度毎分2℃で、20℃から160℃まで昇温して測定した値である。
第2樹脂層102の接合可能温度T2は、シール強度が、熱シールによる接合が可能となる基準シール強度S1以上となる温度である。本例においては、基準シール強度S1は、5N/15mmと設定されており、第2樹脂層102a,102b,102cの接合可能温度T2a,T2b,T2cは、それぞれ127℃程度、123℃程度、114℃程度である。すなわち、成形可能温度T1は、接合可能温度T2a,T2b,T2cよりも低い。これは、シート材料1Aを構成する層として本例に示す第1樹脂層101を用いた場合に、第2樹脂層102a,102b,102cのいずれかを用いることができることを意味する。一方、比較例Xa,Xb,Xcは、いずれも成形可能温度T1より低い温度領域において、シール強度が基準シール強度S1を上回っている。このため、比較例Xa,Xb,Xcのシートは、本例の第1樹脂層101との組み合わせでは、第2樹脂層102には適さない。なお、シール強度は、15mm×90mmの短冊状の二枚の樹脂シートを長手方向一方端から15mm退避した位置に各所定の測定温度で10mm幅でヒートシールしたものを試験片として用い、株式会社島津製作所製 オートグラフAG−X 500Nにより、試験片の長手方向他方端の各樹脂シートそれぞれをチャックで保持し、初期チャック間距離100mm、試験速度毎分200mmで引張剥離させて測定された値である。
<実施例2>
図3は、実施例2としての第1樹脂層101と第2樹脂層102を示している。本例においては、第2樹脂層102として2つの第2樹脂層102a,102bを例示している。本例の第1樹脂層101は、ポリエチレンテレフタレート(PET)の単層からなる。第1樹脂層101の厚さは、350μmである。第2樹脂層102a,102bおよび比較例Xa〜Xcは、実施例1と同様である。比較例Xdは、実施例1の第2樹脂層102cが、本例の第1樹脂層101との関係で第2樹脂層102としての要件を満たさないことから、比較例として扱うものである。
本例においては、成形可能温度T1は、117℃程度である。接合可能温度T2a,T2bは、それぞれ127℃程度、123℃程度である。
<実施例3>
図4は、実施例2としての第1樹脂層101と第2樹脂層102を示している。本例においては、第2樹脂層102として2つの第2樹脂層102a,102bを例示している。本例の第1樹脂層101は、ポリプロピレン(PP)の単層からなる。第1樹脂層101の厚さは、350μmである。第2樹脂層102a,102bおよび比較例Xa〜Xcは、実施例1と同様である。比較例Xdは、実施例1の第2樹脂層102が、本例の第1樹脂層101との関係で、第2樹脂層102としての要件を満たさないことから、比較例として扱うものである。
本例においては、成形可能温度T1は、122℃程度である。接合可能温度T2a,T2bは、それぞれ127℃程度、123℃程度である。
<差圧成形容器A1及び容器包装体B1の製造方法例>
次に、シート材料1Aを用いた差圧成形容器および容器包装体の製造方法の一例について、図5〜図11を参照しつつ以下に説明する。なお、これらの図に例示される製造方法は、5つの差圧成形容器A1および容器包装体B1に相当する部分を一単位として各工程を行う場合であるが、これは例えば製造効率の便宜による。4つ以下の差圧成形容器A1および容器包装体B1に相当する部分を一単位として各工程を行う構成であってもよいし、6つ以上の差圧成形容器A1および容器包装体B1に相当する部分を一単位として各工程を行う構成であってもよい。
図5(a)〜(f)は、差圧成形容器A1および容器包装体B1の製造方法の主要な工程を模式的に示している。まず、図5(a)に示すように、シート材料1Aを、一対の主板部11及び折り返し部12を有する形態に折り曲げ加工する。折り返し部12は、シート材料1Aがy方向下端において折り曲げられた部分である。一対の主板部11は、折り返し部12を介して繋がっており、z方向において互いに正対している。この折返しにおいては、第2樹脂層102同士が対面するように折り曲げられる。
図示された例においては、折り曲げ工程の直後に、一対の主板部11のそれぞれに対して、切断予定線139を形成する。この形成は、たとえば一対の主板部11の両側からカッタ71を当接させることにより行う。これにより、一対の主板部11には、シート材料1Aの送り方向であるx方向に沿って延びる一対の切断予定線139が形成される。なお、折り曲げ工程の直後にカッタ71によって切断予定線139を形成する手法は、あくまで一例である。カッタ71以外の手段を用いて切断予定線139を形成してもよい。また、シート材料1Aに折り曲げ工程を施す前に、シート材料1Aの第1樹脂層101に切断予定線139を形成してもよい。例えば、より幅広のシート材料から複数のシート材料1Aを形成する工程において、当該幅広のシート材料を切断する際に、複数の切断予定線139を形成してもよい。また、以降に説明する工程におけるいずれかの所望のタイミングで、切断予定線139を形成してもよい。
次いで、図5(b)及び図6に示す第1シール工程を行う。第1シール工程では、一対の主板部11に対して、熱シールを施す。図示された例においては、加熱機能を有するシール金型72によって一対の主板部11の所定箇所を加熱する。これにより、一対の主板部11の第2樹脂層102同士が熱シールされ、第1シール部141が形成される。同図においては、理解の便宜上、第1シール部141に複数の離散点からなるハッチングを付している。図6によく表れているように、主板部11のうち熱シールが施されていない箇所は、未シール部18となっている。この未シール部18は、主板部11のy方向上端に吹込口161を有する。吹込口161は、未シール部18が外部に通じている箇所である。
また、図5(b)及び図6に示す工程においては、一対の主板部11に拡開部115を形成しておく。拡開部115は、主板部11の上端付近の部分が、z方向に互いに離間するように形成された部分である。
次いで図5(c)、図7及び図8に示す成形工程を行う。この成形工程では、シート材料1Aを所定の凹部を有する金型73によって挟む。また、この際、吹込口161のy方向直上に吐出孔731を配置する。吐出孔731は、吹込口161に吹き込む圧縮空気や窒素ガス等の気体を吐出するものである。なお、図5及び図7においては、吐出孔731を省略している。
吹込口161に気体が吹き込まれると、図6に示した第1未シール部181が、図8に示すように金型73の凹部に沿うように膨出加工される。これにより、第1未シール部181が殻部111となる。また、同図に示す状態においては、一対の主板部11の殻部111によって、収容空間19及び注出部15が規定されている。
次いで、図5(d)及び図9に示すように、収容空間19に内容物3を充填する充填工程を行う。この充填は、例えば充填ノズル74を用いて行う。すなわち、充填ノズル74を吹込口161から挿入し、充填ノズル74から内容物3を吐出する。これにより、内容物3は、収容空間19に充填される。
次いで、図5(e)に示すように、吹込口161を封止する第2シール工程を行う。図10は、第2シール工程の一例を示す要部断面図である。図示された例においては、加熱機能を有するシール金型等の封止手段6によって、一対の主板部11の拡開部115及び吹込口161を挟むことにより、これらの部分同士を熱シールによって接合し、第2シール部142を形成する。
以上の第2シール工程を経ることにより、シート材料1Aは、図11に示す状態に仕上げられる。同図に示す状態においては、殻部111によって規定された収容空間19が、シール部14によって密閉されている。シール部14は、第1シール工程によって形成された第1シール部141と第2シール工程によって形成された第2シール部142とによって構成されている。収容空間19には、内容物3が収容されている。
この後は、たとえば、図11に示す切断線CLに沿って、シート材料1Aを切断する。この切断線CLは、容器包装体B1の外形線である。また、本実施形態においては、切断線CLは、開封起点薄肉部13を横断している。この切断工程によって、図12〜図14に示す差圧成形容器A1及び容器包装体B1が得られる。
<差圧成形容器A1および容器包装体B1>
図12〜図14は、本発明の第1実施形態に係る差圧成形容器A1及び容器包装体B1を示している。本実施形態の容器包装体B1は、差圧成形容器A1に収容された内容物3を備えている。
図12は、容器包装体B1を示す斜視図である。図13は、容器包装体B1を示す平面図である。図14は、図13のXIV−XIV線に沿う断面図である。
差圧成形容器A1は、上述したシート材料1Aによって形成された容器包装体B1の本体部分であり、内容物3を密閉状態で収容するための機能を果たす。差圧成形容器A1は、一対の主板部11を有する。一対の主板部11は、z方向において互いに対面しており、殻部111及びフランジ部113を有している。
殻部111は、主板部11が部分的にz方向に膨出する形状に加工された部分である。本実施形態においては、一対の主板部11の双方に同形状及び同サイズの殻部111が形成されている。これらの殻部111によって規定された空間が、収容空間19及び注出部15となっている。なお、一対の主板部11の殻部111の互いの形状あるいは大きさが異なる構成であってもよい。また、一対の主板部11のそれぞれに膨出形状の殻部111が形成された構成に限定されるものではない。たとえば、一方の主板部11に殻部111が形成され、他方の主板部11が殻部111を有さない構成であってもよい。このような構成であっても、収容空間19及び注出部15が構成されうる。収容空間19は、内容物3を収容するための空間である。収容空間19の形状及び大きさは、特に限定されず、図示された例においては、収容空間19は、z方向視において楕円形状または略矩形状に類似の形状である。注出部15は、内容物3の少なくとも一部を注出するためのものである。注出部15は、収容空間19からy方向上方に延びている。
フランジ部113は、殻部111を取り囲む部分である。フランジ部113は、x方向及びy方向に沿った平板状である。
差圧成形容器A1には、シール部14が形成されている。シール部14は、一対の主板部11のフランジ部113同士の第2樹脂層102が接合された部位である。シール部14は、z方向視において収容空間19を囲んでいる。シール部14には、内容物3の商品名称や成分、あるいは注意事項などを記載してもよい。シール部14を形成するための接合手段は、熱シールが用いられている。本実施形態においては、シール部14は、第1シール部141及び第2シール部142を含む。第2シール部142は、容器包装体B1の製造工程の充填の痕跡として形成されたものである。
図示された例においては、差圧成形容器A1は、切断予定線139を有している。切断予定線139は、周囲部分に対して切断が容易とされた線状部分であり、差圧成形容器A1をよりスムーズに切断するためのものである。図示された例においては、一対の主板部11のそれぞれの厚さ方向における一部が切断または切削されることにより、切断予定線139が形成されている。図12及び図13に示すように、切断予定線139は、注出部15を横切っており、図示された例においては、主板部11をx方向に横断している。
図示された例においては、差圧成形容器A1には、2つの切欠き部198が形成されている。切欠き部198は、主板部11の一部がx方向に凹んだ部位である。切欠き部198の最深部に、切断予定線139の端部が位置している。切欠き部198を設けることにより、容器包装体B1の開封動作をよりスムーズに行うことができる。
図12及び図13に示すように、図示された例においては、差圧成形容器A1には、吊り下げ孔199が形成されている。吊り下げ孔199は、一対の主板部11を貫通する例えば円孔であり、容器包装体B1を陳列する際にフック(図示略)等を挿通させるためのものである。
内容物3は、差圧成形容器A1の収容空間19に密閉状態で収容されるものである。本実施形態においては、内容物3の例としては、医薬品、化粧品、食品などがあげられるが、特に限定されない。また、収容空間19に収容される内容物3の量は、一回の使用に供される量とされることが使用者の便宜の面で好ましいが、これに限定されない。
次に、容器包装体B1及び容器包装体B1の製造方法の作用について説明する。
図6に示すシール部14は、図8に示す成形工程において、差圧成形によって膨らまされることにより、殻部111となる部位である。殻部111は、容器包装体B1において外観に表れるため、図15(a)に示す例のように、むら等の少ない見栄えであることが好ましい。
しかし、図5(a)に示す折り曲げ工程から図5(b)に示す第1シール工程の間に、一対の主板部11のうち未シール部18となるべき部分同士が、意図せず接してしまう場合がある。このような接触は、たとえば容器包装体B1の開封性を高めるために、シート材料1Aを薄くする等によりシート材料1Aの剛性を低下させた場合に生じやすい。この接触の際に、第2樹脂層102が熱シールによる接合が可能な状態であると、接触した部分同士に熱シールによる意図しない接合が生じうる。この接合は、シール部14を形成するための接合のように密閉性を実現する接合と比べて、弱い接合強度となる可能性が高い。このような接合部分が、図5(c)および図8に示す成形工程において剥離されると、図15(b)に示す例のように、剥離部分が白濁した部分として外観に表れてしまう。
本実施形態によれば、第1樹脂層101の成形可能温度T1よりも、第2樹脂層102の接合可能温度T2が高い。このため、第1樹脂層101の温度が成形可能温度T1に到達し、第1樹脂層101の剛性低下によって一対の主板部11同士が接触しても、第2樹脂層102の温度が接合可能温度T2に到達していなければ、意図しない接合を回避することが可能である。したがって、シートの剛性を低下させつつ意図しない接合の偶発を抑制すること可能であり、図15(b)に示すような白濁部分が生じることを抑制することができる。
実施例1の第1樹脂層101は、成形可能温度T1が107℃程度であり、比較的低い。このため、第2樹脂層102として、第2樹脂層102a〜102cを用いることが可能である。これは、製造すべき差圧成形容器A1および容器包装体B1に求められる仕様に応じて、第2樹脂層102を使い分けることが可能であるという利点がある。
実施例2,3の第1樹脂層101は、成形可能温度T1が比較的高い。このため、差圧成形容器A1および容器包装体B1の製造工程において、剛性が低下する可能性が小さく、一対の主板部11同士の意図しない接触を抑制することが可能である。これは、図15(b)に示す白濁部分の防止に好ましい。
本発明に係るシート材料及び差圧成形容器は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るシート材料及び差圧成形容器の製造方法の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
A1 :差圧成形容器
B1 :容器包装体
1A :シート材料
3 :内容物
6 :封止手段
11 :主板部
12 :折り返し部
13 :開封起点薄肉部
14 :シール部
15 :注出部
18 :未シール部
19 :収容空間
71 :カッタ
72 :シール金型
73 :金型
74 :充填ノズル
101 :第1樹脂層
102,102a,102b,102c:第2樹脂層
111 :殻部
113 :フランジ部
115 :拡開部
139 :切断予定線
141 :第1シール部
142 :第2シール部
161 :吹込口
181 :第1未シール部
198 :切欠き部
199 :吊り下げ孔
731 :吐出孔
1012 :表層
CL :切断線
R1 :基準弾性率
S1 :基準シール強度
T1 :成形可能温度
T2,T2a,T2b,T2c:接合可能温度

Claims (4)

  1. 差圧成形容器に用いられるシート材料であって、
    シート強度を担保するための第1樹脂層と、
    前記シート材料の片面を構成し、前記第1樹脂層よりも引張弾性率が低く且つ熱シールによる接合に用いられる第2樹脂層と、を備え、
    前記第1樹脂層の差圧成形が可能な硬さとなる成形可能温度よりも、前記第2樹脂層の熱シールによる接合が可能となる接合可能温度の方が高いことを特徴とする、シート材料。
  2. 前記第2樹脂層の厚さは、前記第1樹脂層の厚さよりも薄い、請求項1に記載のシート材料。
  3. 前記第1樹脂層は、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン系樹脂およびポリオレフィン系樹脂のいずれかから選択された樹脂を主として含み、
    前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1または2に記載のシート材料。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載のシート材料が用いられた差圧成形容器であって、
    収容部を構成する殻部と、当該殻部を密閉する前記第2樹脂層が熱シールによって接合されたシール部と、を備えることを特徴とする、差圧成形容器。
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