JP2019171694A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】印刷中に媒体に発生した浮きを印刷しながら消滅又は縮小できる印刷装置を提供する。【解決手段】印刷装置11は、液体を媒体Mに吐出する吐出ヘッドと、媒体Mを搬送する搬送部40とを備える。搬送部40は、媒体Mを押圧するための従動ローラー46を媒体Mの幅方向Xに複数有する。印刷装置11は、複数の従動ローラー46のうち媒体Mの幅方向Xの端部を含む一部の従動ローラー46の押圧を解除する押圧解除機構90を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、媒体を挟んで搬送するローラー対を有する搬送部を備えた印刷装置に関する。
この種の印刷装置は、例えば媒体を搬送する搬送部と、媒体にインク(液体の一例)を吐出して印刷する吐出ヘッドとを備える(例えば特許文献1等)。搬送部は、媒体を挟んで搬送するローラー対を有する。媒体の搬送方向において、吐出ヘッドよりも上流側に位置に設けられたローラー対は、駆動ローラーと複数の従動ローラーとを備える。従動ローラーは媒体の幅方向に複数設けられている。
媒体は吐出ヘッドの上流側の位置に設けられたローラー対は、駆動ローラーと複数の従動ローラーとを備える。媒体は搬送方向と交差する幅方向に複数箇所で複数の従動ローラー46により押圧された状態で駆動ローラーの回転により搬送方向に搬送される。特許文献1に記載の印刷装置では、従動ローラーの種類の切り替えが可能に構成され、ローラー対が媒体をクランプするクランプ状態を変更可能な構成が開示されている。
特開2011−57405号公報
しかしながら、特許文献1に記載の印刷装置においては、吐出ヘッドから吐出されたインクを付着させて画像等が印刷される媒体が薄紙であったり、薄紙でなくてもベタ印刷など媒体の単位面積当たりのインクの付着量が多い印刷が行われたりする場合、媒体がインクを吸収して膨張する。この結果、インクを吐出した後に媒体が膨張することで、媒体の浮き又はうねりが生ずることが多々ある。
印刷中の媒体は幅方向に並ぶ複数の従動ローラーの押圧でニップされているため、そのニップ箇所で、媒体に生じた皺又はうねり等の浮きの幅方向への伝播が阻止される。このため、印刷中の媒体に一旦生じた皺又はうねり等による浮きは消滅しにくい。媒体の浮きは、吐出ヘッドとの接触に起因する吐出ヘッドの破損、吐出ヘッドとの擦れに起因する媒体のインク汚れ、ノズル内のインクのメニスカスの破壊に起因するインクの吐出不良、媒体の浮きに起因する印刷ずれなどの原因となる。よって、この種の浮きに起因する吐出ヘッドの破損又は印刷品質の低下を回避するうえで、印刷中に生じた浮きは解消されることが望ましい。
本発明の目的は、印刷中に媒体に発生した浮きを印刷しながら消滅又は縮小できる印刷装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
上記課題を解決する印刷装置は、液体を媒体に吐出する吐出ヘッドと、前記媒体を搬送するための搬送部と、を備えた印刷装置において、前記搬送部は、前記媒体を押圧するための従動ローラーを前記媒体の幅方向に複数有し、前記複数の従動ローラーのうち前記媒体の幅方向の端部を含む一部の従動ローラーの押圧を解除する押圧解除機構を備える。
この構成によれば、押圧解除機構により、複数の従動ローラーのうち媒体の幅方向の端部を含む一部の従動ローラーの押圧が解除される。この結果、印刷中に媒体に生じた皺又はうねり等による浮きを消滅又は縮小させることができる。よって、印刷中に生した媒体の浮きと吐出ヘッドとの接触、あるいは媒体の浮きに起因する印刷品質の低下を抑制できる。
上記印刷装置において、前記押圧解除機構は、前記従動ローラーを支持する支持部材のうち当該支持部材の回動中心に対して前記従動ローラーが配置された側とは反対側の端部を押すことで、前記従動ローラーの押圧を解除することが好ましい。
この構成によれば、押圧解除機構は、従動ローラーを支持する支持部材のうち回動中心に対して従動ローラーと反対側の端部を押することで、従動ローラーの押圧を解除する。よって、梃子の原理を利用した小さな力で従動ローラーの押圧を解除できる。
上記印刷装置は、前記従動ローラーの押圧力を調整する押圧力調整機構を更に備え、前記押圧解除機構と前記押圧力調整機構は、同一の駆動源により駆動されることが好ましい。
この構成によれば、押圧解除機構と押圧力調整機構との間で駆動源を共通化できるので、簡単な構成で済む。
上記印刷装置において、前記駆動源はモーターであり、前記モーターが正転駆動されると、前記押圧解除機構と前記押圧力調整機構のうち一方が駆動され、前記モーターが逆転駆動されると、前記押圧解除機構と前記押圧力調整機構のうち他方が駆動されることが好ましい。
この構成によれば、押圧解除機構と押圧力調整機構との間で駆動源を共通化して簡単な構成で済むうえ、モーターの正転駆動と逆転駆動とを切り換える構成により、制御も簡単である。
上記印刷装置は、前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に前記吐出ヘッドを移動させるキャリッジと、前記キャリッジに設けられ前記媒体の浮き部を検知するセンサーとを更に備え、前記押圧解除機構は、前記センサーが前記浮き部を検知すると駆動されることが好ましい。
この構成によれば、センサーが媒体の浮き部を検知すると、押圧解除機構が駆動され、従動ローラーによる媒体の端部の押圧が解除される。よって、媒体に生じた皺又はうねり等の浮き部を速やかに縮小又は消滅させることができる。また、浮き部が生じたときには従動ローラーの搬送力が多少なりとも低下するが、浮き部が生じていないときには大きな搬送力を確保できる。
上記印刷装置は、前記媒体の幅方向の側端を検知する第2センサーを更に備え、前記押圧解除機構は、複数の前記従動ローラーのうち前記媒体の端部の押圧を解除する従動ローラーを、前記第2センサーの検知結果に基づき決定することが好ましい。
この構成によれば、押圧解除機構は、複数の従動ローラーのうち、第2センサーが媒体の幅方向の側端を検知した側端位置に応じて、媒体の端部を押圧する従動ローラーを決定する。その決定した従動ローラーの押圧を解除する。よって、媒体の幅方向の端部を押圧する従動ローラーの押圧を確実に解除できる。例えば、印刷装置が媒体のサイズ情報を取得して媒体の幅方向の端部を押圧する従動ローラーを特定することもできるが、この場合、ユーザーが印刷装置にサイズ情報と異なる媒体をセットしたり、セットした媒体と異なるサイズ情報を印刷装置に入力したりすると、媒体の幅方向の端部とは関係のない位置にある従動ローラーの押圧が解除されるミスが発生する。しかし、第2センサーの検知結果(側端位置)に基づき、押圧を解除すべき従動ローラーを決定する構成であるため、上記のミスを回避できる。
一実施形態における印刷装置を示す模式断面図。 印刷装置の搬送部の周辺を示す模式平面図。 キャリッジを示す側面図。 キャリッジ及び従動ローラーを示す底面図。 押圧力調整機構及び押圧解除機構を示す斜視図。 押圧力調整機構及び押圧解除機構を示す側面図。 ローラー対が非挟持状態にあるときの変更部を示す模式側面図。 ローラー対が第1押圧力で挟持状態にあるときの変更部を示す模式側面図。 ローラー対が第2押圧力で挟持状態にあるときの変更部を示す模式側面図。 レリースカム機構の動作を説明する変更部を示す模式側面図。 レリースカム機構の動作を説明する模式側面図。 印刷装置の電気的構成を示すブロック図。 媒体浮き解消制御を含む印刷制御を示すフローチャート。
以下、印刷装置の一実施形態について図面を参照して説明する。図1に示す印刷装置11は、例えば、大判サイズの長尺の媒体Mに印刷するラージフォーマットプリンターである。また、印刷装置11は、シリアル印刷方式のインクジェットプリンターでもある。印刷装置11は、筐体12と、媒体Mを支持する支持部20と、媒体Mを図1に矢印で示す方向に搬送する搬送装置25と、筐体12内で媒体Mに印刷を行う印刷部50とを備える。
以下の説明では、媒体Mの長手方向と直交する幅方向(図1では紙面と直交する方向)を走査方向Xとし、印刷部50が印刷を行う位置において媒体Mが搬送される方向を搬送方向Yとする。本実施形態において、走査方向X及び搬送方向Yは互いに交差(例えば、直交)する方向であって、いずれも鉛直方向Zと交差(例えば、直交)する方向である。なお、走査方向Xを幅方向Xという場合もある。
図1に示すように、支持部20は、媒体Mの搬送経路を形成する第1の支持部21、第2の支持部22及び第3の支持部23を有する。第2の支持部22の下側には吸引機構24が配置されている。吸引機構24が駆動されて発生する負圧は不図示の複数の吸引孔を介して第2の支持部22の面上に作用し、媒体Mは第2の支持部22の面上に吸着される。なお、第1〜第3の支持部21〜23は、印刷前及び印刷中の媒体Mの予熱加熱および印刷後の媒体M上のインクの乾燥を促進させるために不図示のヒーターにより加熱される。
図1に示すように、搬送装置25は、媒体Mを給送する給送部30と、給送された媒体Mを搬送方向Yに搬送する搬送部40と、印刷後の媒体Mを第3の支持部23の上面を搬送された後にロール状に巻き取る巻取部35とを備える。給送部30は、媒体Mがロール状に巻回されたロール体31を回転可能に支持する支持軸32Aを含む保持部32と、給送部30の動力源となる給送モーター33とを備える。給送モーター33が駆動されて支持軸32Aが回転することで、ロール体31から長尺状の媒体Mが繰り出される。
搬送部40は、給送部30から給送された媒体Mを挟持(ニップ)して搬送方向Yに搬送するローラー対41と、ローラー対41の動力源となる搬送モーター42とを備える。ローラー対41は、搬送方向Yにおいて吐出ヘッド53よりも上流側の位置に配置されている。ローラー対41は、フレーム43に支持された駆動ローラー45と、駆動ローラー45の回転に連れ回りして回転する従動ローラー46とを備える。搬送モーター42の動力により駆動ローラー45が回転駆動すると、ローラー対41は媒体Mを挟んで搬送する。
従動ローラー46は、駆動ローラー45に対する押圧力を変更可能な変更部47に支持されている。詳しくは、変更部47は、駆動ローラー45に対する従動ローラー46の押圧力を調整する後述する押圧力調整機構80(図5、図6)の一部を構成する。変更部47は、従動ローラー46の押圧力を段階的に変化させ、媒体Mの種類に応じた適切な押圧力に調整する。ローラー対41が媒体Mを挟むニップ力は、従動ローラー46の押圧力を変更する変更部47が、後述する駆動源の動力で駆動されることで調整される。また、変更部47は、従動ローラー46が駆動ローラー45を押圧する接触位置と駆動ローラー45から離間する離間位置とに従動ローラー46を変位させる変位機能を有する。この変位機能には、後述する操作レバー49をユーザーが操作して行う手動方式と、後述する押圧解除機構90(図5、図6)が電動で駆動されて行う電動方式とがある。この点で、変更部47は、電動方式の押圧解除機構90の一部を構成する。
また、図1に示す巻取部35は、巻取軸36Aを含む保持部36と、巻取軸36Aを回転させる巻取モーター37とを備える。印刷後の媒体Mにおける第3の支持部23と巻取部35との間の部分が、回動軸38Aを中心に回動するアーム38の先端部に支持されたテンションバー38Bにより押圧されることで、媒体Mに張力が付与される。巻取モーター37はテンションバー38Bの上限と下限とを検知する一対の検知器39の検知結果に基づき、テンションバー38Bが下限位置に達すると駆動されるとともに上限位置に達すると駆動停止される。巻取部35はテンションバー38Bにより張力が付与された媒体Mを巻き取る。
図1に示すように、印刷部50は、第2の支持部22と対向する位置に配置されている。印刷部50は、シリアル印刷方式であり、筐体12内に架設されたガイド軸51に沿って走査方向Xに往復移動可能なキャリッジ52を備える。キャリッジ52における媒体Mの搬送経路と対向する下部には、媒体Mに対してインクを吐出する吐出ヘッド53が設けられている。キャリッジ52は、吐出ヘッド53を媒体Mの搬送方向Yと交差する幅方向Xに移動させる。吐出ヘッド53は、ローラー対41よりも搬送方向Yの下流側に位置する。
キャリッジ52は、キャリッジモーター55(図12を参照)の動力で走査方向Xに往復移動する。吐出ヘッド53はキャリッジ52と共に走査方向Xに移動する。キャリッジ52が走査方向Xに移動する過程で、吐出ヘッド53がノズルN(図4を参照)からインクを吐出することで、媒体Mに文字や画像が印刷される。また、印刷装置11は、筐体12内に制御部100を備える。制御部100は、図1に示す搬送装置25及び印刷部50を制御する。
図2に示すように、印刷装置11は、搬送部40を支持する幅方向Xに延びる長尺状の支持フレーム13を備える。支持フレーム13には、従動ローラー46を支持する支持部材の一例としての回動部材61(ローラーホルダー)を含む変更部47が、媒体Mの幅方向Xにほぼ一定ピッチで複数支持されている。各回動部材61は、搬送方向Yの下流側端部に複数(図2の例では2つ)の従動ローラー46を支持する。各回動部材61は、支軸14(図7を参照)を中心に回動自在に支持されている。回動部材61が支軸14を中心に回動することで、複数の従動ローラー46は、駆動ローラー45に対する接触と離間とが可能となっている。搬送部40は、媒体Mの幅方向Xに複数の従動ローラー46を有する。図2に示す例では、変更部47が、幅方向Xにほぼ一定のピッチで20個配置されている。20個の回動部材61は2つずつの従動ローラー46を支持する。図2に示す例では、最大幅の媒体M1が搬送される搬送領域FAには、40個の従動ローラー46が幅方向Xにほぼ一定のピッチで配列されている。
図2に示すように、支持フレーム13における幅方向Xに搬送領域FAの外側となる一端部(図2では右端部)には、媒体Mをセットする際にユーザーが操作する操作レバー49(メディアセットレバー)が設けられている。操作レバー49は、幅方向Xに延びる1本のレリース軸15と連結されている。レリース軸15は、幅方向Xにおいて搬送領域FAのほぼ全域に亘る長さを有する。レリース軸15上には全ての回動部材61と係合するカム65(図7を参照)が連結されている。操作レバー49をセット位置に操作すると、レリース軸15上のカム65の回転を介して複数の回動部材61が一方向に回動し、複数の従動ローラー46が一斉に上昇する。これにより駆動ローラー45と従動ローラー46の間に媒体Mをセットするために必要な隙間が確保される。ユーザーが、ローラー対41の隙間に媒体Mをセットした後、操作レバー49をニップ位置に操作すると、レリース軸15上のカム65の回転を介して複数の回動部材61が他方向に回動し、複数の従動ローラー46が一斉に下降する。回動部材61は、ばね73(図7を参照)により従動ローラー46を駆動ローラー45に押圧する方向に付勢されており、ローラー対41により媒体Mは所定の押圧力でニップされる。
印刷装置11では、最大幅の媒体M1をはじめとする幅の異なる複数サイズの媒体M1〜M5が搬送される。図2において幅方向Xに搬送領域FAの一方側が、キャリッジ52の非印刷時の待機位置となるホーム位置HPとなっている。幅方向Xにおいて搬送領域FAに対してホーム位置HP側と反対側となる反ホーム位置AH側(図2では左側)の端部には、押圧力調整機構80の駆動系が配設されている。押圧力調整機構80の駆動系は、駆動源の一例としての電動モーター81と、電動モーター81の動力を伝達する歯車機構82と、歯車機構82の出力軸と連結された状態で幅方向Xに延びる調整軸16とを有する。調整軸16は、幅方向Xにおいて搬送領域FAのほぼ全域に亘る長さを有する。押圧力調整機構80は、電動モーター81の動力で従動ローラー46の押圧力を調整する。詳しくは、押圧力調整機構80は、電動モーター81の動力で調整軸16を回転させてカム65(図7)を介して回動部材61を付勢するばね73の長さを調整することで、従動ローラー46の押圧力を複数段階に調整する。
また、図2に示すように、印刷装置11は、複数の従動ローラー46のうち媒体M1〜M5の幅方向Xの端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除する押圧解除機構90を備える。押圧解除機構90は、複数の変更部47のうち、媒体M1〜M5の幅方向Xの端部を押圧する従動ローラー46を支持する回動部材61を含む変更部47を個別に駆動し、回動部材61単位で従動ローラー46の押圧を個別に解除する。押圧解除機構90は、媒体M1〜M5のうちそのときの媒体サイズに応じて媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧力を選択的に解除する。押圧解除機構90は、押圧力調整機構80と共通の電動モーター81を駆動源とする。押圧力調整機構80を駆動させるときと、押圧解除機構90を駆動させるときとで、電動モーター81の回転方向が反対となっている。
図2に示すように、どの幅サイズの媒体Mが印刷に用いられたときでも、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧力を解除すべく、各幅サイズの媒体M1〜M5の幅方向Xの端部に相当する変更部47には、押圧解除機構90の一部を構成するレリースカム機構93が設けられている。電動モーター81が押圧解除機構90を駆動することでレリースカム機構93が駆動され、レリースカム機構93の駆動位置が制御されることで、媒体Mの幅方向Xの両端部の押圧を解除する従動ローラー46が選択される。また、レリースカム機構93の駆動位置が制御されることにより、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧力の解除と、押圧力の付与との切り替えが可能となっている。本実施形態の印刷装置11では、媒体Mは幅方向Xにおいてホーム位置HP側に寄せて位置決めされる。このため、媒体M1〜M5のうちどの幅サイズにおいても、従動ローラー46の押圧を解除するときは、最もホーム位置HP側に位置する回動部材61を含む変更部47に対応するレリースカム機構93を介して最もホーム位置HP側の端部を押圧する従動ローラー46の押圧が解除される。また、媒体M1〜M5ごとに反ホーム位置AH側の端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除するときは、反ホーム位置AH側の端部に位置する回動部材61を含む変更部47に対応するレリースカム機構93を介して反ホーム位置AH側の端部を押圧する従動ローラー46の押圧が解除される。
図2に示す印刷装置11の例では、64インチ幅の媒体M1の他端部を押圧する従動ローラー46を支持する変更部47、50インチ幅の媒体M2の他端部を押圧する従動ローラー46を支持する変更部47、44インチ幅の媒体M3の他端部を押圧する従動ローラー46を支持する変更部47のそれぞれにレリースカム機構93が設けられている。さらに、36インチ幅の媒体M4の他端部を押圧する従動ローラー46を支持する変更部47、24インチ幅の媒体M5の他端部を押圧する従動ローラー46を支持する変更部47のそれぞれにレリースカム機構93が設けられている。
このように押圧解除機構90は、複数の回動部材61のうち最もホーム位置HP側に位置する従動ローラー46を支持する回動部材61を含む変更部47と、媒体M1〜M5の反ホーム位置AH側の端部を押圧可能な位置に配置された従動ローラー46を支持する回動部材61を含む変更部47とを個別に駆動させる。押圧解除機構90は、電動モーター81により印刷中に駆動され、そのとき印刷対象とされる媒体Mのサイズに応じて媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧力を解除する。
なお、媒体Mが幅方向Xのセンターを基準にして位置決めされる構成の印刷装置11においては、押圧解除機構90を次のように構成する。センターを基準にして幅方向Xに位置決めされる各種幅サイズの媒体M1〜M5の幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46を支持する回動部材61を含む変更部47にレリースカム機構93を設ける。幅サイズことに媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46を支持する一対の回動部材61を含む一対の変更部47に対応するレリースカム機構93を駆動して、媒体Mごとに幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除する構成とする。
次に図3、図4を参照して、キャリッジ52、吐出ヘッド53及び従動ローラー46について説明する。キャリッジ52は、ガイド軸51等に走査方向Xに往復移動可能な状態で支持されるとともに、キャリッジモーター55(図12を参照)により駆動される不図示の無端状のタイミングベルト58の一部に固定されている。キャリッジ52はキャリッジモーター55が正逆転駆動されることで走査方向Xに往復移動する。
図4に示す例では、キャリッジ52の底面に吐出ヘッド53が搬送方向Yに位置をずらして2つ設けられている。吐出ヘッド53は、複数のノズルNが開口するノズル開口面53Aを有する。吐出ヘッド53は、複数のノズルNが搬送方向Yに並んで形成されるノズル列をインク色ごとに有する。図4に示す吐出ヘッド53は、インク色が、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及び黒(K)を含む5色の例であるが、インク色の数は、3色、4色、6色でもよい。また、キャリッジ52に設けられる吐出ヘッド53の数は、1つ又は3つ以上でもよい。
キャリッジ52の搬送方向Yの上流側には、幅方向Xに一定のピッチで配置された回動部材61の下流側端部に支持された複数の従動ローラー46が、幅方向Xに一定ピッチで並んで配置されている。変更部47は、回動部材61の回動方向における付勢力を変更することで従動ローラー46の押圧力の調整が可能となっている。
図3、図4に示すように、キャリッジ52には、媒体Mの浮き部MFを検知するセンサーの一例としての第1センサー56が設けられている。第1センサー56は、例えば変位センサーであり、印刷中に第2の支持部22上の支持面22Aに支持された媒体Mの部分を検知対象とし、媒体Mまでの距離に応じた検出値を含む検出信号を出力する。
図3、図4に示すように、第1センサー56は、搬送方向Yにおいて吐出ヘッド53よりも上流側、かつ従動ローラー46よりも下流側の範囲内の位置を検知する。詳しくは、第1センサー56は、従動ローラー46のニップ位置NPよりも下流側の位置を検出対象とする。図4に示すように、第1センサー56は、支持面22A上の媒体Mと対向する下面に検出部56Aを有する。検出部56Aから鉛直方向Zの下方に向かって出射された図3に示す検出光L1は、搬送方向Yにおいて従動ローラー46のニップ位置NPよりも下流側かつ吐出ヘッド53よりも上流側の位置となる検出位置で媒体Mの表面に照射される。図3及び図4に示す例では、第1センサー56は、下方へ向かって出射した検出光L1を走査方向Xに移動させながらその反射光を受光して媒体Mの表面までの距離を検出する。このため、検出光L1の走査ライン上に従動ローラー46などの部品が存在すると誤検知を招くので、従動ローラー46を外して検出対象エリアを設定している。よって、第1センサー56は、搬送方向Yにおいて従動ローラー46よりも下流側、かつ吐出ヘッド53よりも上流側の範囲内の位置を、検出対象とする。
第1センサー56は、例えば、媒体Mの表面までの鉛直方向Zの距離を検出する変位センサーである。第1センサー56は、例えば光を用いる方式であれば、光を出射してからその光が媒体Mに反射した反射光を受光するまでの時間が閾値よりも短ければ、媒体Mが浮いていると検出する。本実施形態では、第1センサー56は、吐出ヘッド53のノズル開口面53Aと第2の支持部22の支持面22Aとの距離であるプラテンギャップを管理するためにも用いられる。第1センサー56から吐出ヘッド53のノズル開口面53Aまでの鉛直方向Zの距離に、媒体種に応じたプラテンギャップを加えた値が、浮き部MF(図3を参照)のないときの媒体Mと第1センサー56との適正な距離となる。この適正な距離から、問題となる浮きの最低高さ分の距離を減算した距離を閾値とする。制御部100は、第1センサー56が検出した媒体Mまでの検出距離が閾値未満になると、媒体Mの浮き部MFを検知したと判定する。なお、第1センサー56は、光を用いる方式に限らず、磁界又は音波を用いる方式の変位センサーでもよいし、媒体Mの浮き部MFを検知可能な他の方式のセンサーでもよい。
また、キャリッジ52には、媒体Mの幅方向Xの側端を検知する第2センサー57が設けられている。第2センサー57は、鉛直方向Zの下向きに検出光を出射し、その反射光を受光した光量の違いに基づき媒体Mの幅方向Xの側端を検知する。第2センサー57は、キャリッジ52が走査方向Xに移動する過程で媒体Mの幅方向の両側の側端を検知することで、媒体Mの幅の取得にも用いられる。また、第2センサー57が媒体Mの側端を検知した検知結果に基づいて、複数の従動ローラー46のうち、押圧解除機構90が媒体M1〜M5の端部の押圧を解除する従動ローラー46が決定される。
図5、図6に示すように、押圧力調整機構80は、駆動源の一例としての電動モーター81と、電動モーター81の動力を変更部47へ伝達する歯車機構82(輪列)とを備える。歯車機構82の動力伝達経路の終端に位置する第1出力歯車83の回転は、複数の変更部47を支持する調整軸16の端部に固定されている。第1出力歯車83の回転によって調整軸16は回転する。調整軸16には変更部47と対応する部分にカム66(図7も参照)が固定されている。変更部47は、調整軸16とともに回転するカム66の回転角に応じて従動ローラー46の押圧力を3段階に調整する。従動ローラー46の押圧力は、押圧力調整機構80により、例えば媒体Mの種類に応じて3段階に切り替えられる。
押圧力調整機構80は、基本的に印刷前に従動ローラー46の押圧力を調整する押圧力調整時にしか駆動されない。つまり、印刷中において押圧力調整機構80は停止している。そのため、印刷中に駆動される押圧解除機構90の駆動源として電動モーター81を利用する。すなわち、押圧力調整機構80と押圧解除機構90は、電動モーター81を共通の駆動源とする。
図5、図6に示すように、歯車機構82は、電動モーター81の動力伝達経路を途中で切り替え可能な切替機構84を備える。切替機構84は、歯車機構82における動力伝達経路の途中に配置された太陽歯車85と、太陽歯車85とリンク部材86を介して連結された遊星歯車87とを備える。図5、図6に示すように、歯車機構82は、電動モーター81の出力軸に固定された歯車81A(ピニオン)と、3つの歯車821〜823とを備え、これらの歯車81A,821〜823が直列に噛合している。歯車823は二段歯車であり、その第1歯部823Aが歯車822と噛合し、その第2歯部823Bが太陽歯車85と噛合している。遊星歯車87は二段歯車であり、その第1歯部87Aが太陽歯車85と噛合し、その第2歯部87Bが図5、図6の状態では第1出力歯車83と噛合している。遊星歯車87は、印刷前は、図5、図6に実線で示す第1位置に配置される。
電動モーター81の軸回転方向は、押圧力調整機構80と押圧解除機構90とを制御する場合に各々異なる回転方向である。電動モーター81の正転駆動と逆転駆動とを切り替えることで、その動力伝達経路の途中に設けられた遊星歯車87の噛合先が、押圧力調整機構80を構成する第1出力歯車83と、押圧解除機構90を構成する歯車91との間で切り替わる。これにより、電動モーター81の動力伝達先が押圧力調整機構80と押圧解除機構90との間で切り替えられる。
電動モーター81が正転駆動されると、押圧力調整機構80と押圧解除機構90とのうち一方が駆動され、電動モーター81が逆転駆動されると、押圧力調整機構80と押圧解除機構90のうち他方が駆動される。図5及び図6に示す構成では、電動モーター81が正転駆動されると、歯車機構82を構成する太陽歯車85が正転することで遊星歯車87が逆転しながら反時計方向へ公転し、歯車91と噛合する。そして、歯車91と噛合する第2出力歯車92が逆転方向へ回転することでレリースカム95が回動し、レリースカム95が回動部材61の端部に設けられた当接部63を押し下げる。この結果、回動部材61が回動し、従動ローラー46が上昇することで従動ローラー46の押圧が解除される。
ここで、図6において、電動モーター81の時計方向を正転方向とする。電動モーター81が逆転駆動されると、太陽歯車85が逆転するとともに遊星歯車87が正転する。遊星歯車87の回転は第1出力歯車83を介して調整軸16に伝達され、調整軸16と共にカム66(図5、図8を参照)が回動することでアーム部材71が回動し、ばね73の伸び量が段階的に切り替わる。これにより従動ローラー46の押圧力が3段階のうち調整軸16の回転角に応じた値に調整される。
一方、図6に示すように、電動モーター81が正転駆動されると、太陽歯車85が正転するとともに遊星歯車87が逆転し、遊星歯車87が図6に矢印で示す反時計方向へ同図に二点鎖線で示す第2位置まで移動し、歯車91と噛合する。歯車91は、図5に示すように二段歯車であり、その第1歯部91Aに遊星歯車87は噛合し、第2歯部91Bは第2出力歯車92と噛合する。第2出力歯車92は、押圧解除機構90を構成するレリースカム機構93の支軸94の一端部に固定されている。遊星歯車87の逆転時の第2出力歯車92の回転によって支軸94が回転する。そして、図5に示すように、支軸94の回転と共にレリースカム95が回動することで、レリースカム95が回動部材61の当接部63を下方へ押し込む。すると、回動部材61が支軸14(図7を参照)を中心に回動して従動ローラー46が上昇し、従動ローラー46の押圧力が解除される。なお、歯車91、第2出力歯車92及びレリースカム機構93は、押圧解除機構90の一部を構成する。
図5、図6に示すように、電動モーター81には、その回転を検出可能な例えばロータリーエンコーダーよりなるエンコーダー74が設けられている。また、押圧力調整機構80は、第1出力歯車83の回転の原点位置を検出する第3センサー75を備える。制御部100は、第3センサー75が第1出力歯車83の原点位置マーク83Aを検知した時の回転角を原点として第1出力歯車83の回転角を管理する。また、押圧解除機構90は、第2出力歯車92の回転の原点位置を検出する第4センサー76を備える。制御部100は、第4センサー76が第2出力歯車92の原点位置マーク92Aを検知した時の回転角を原点として第2出力歯車92の回転角を管理する。なお、原点位置マーク83A,92Aは、例えば孔又は凸部よりなる。
図5に示すように、レリースカム機構93は、第2出力歯車92が固定された支軸94と、支軸94における複数(20個)の変更部47のうち一部(例えば6個)の変更部47と対応する箇所に固定されたレリースカム95とを備える。レリースカム95は図5に示す例では、1つの変更部47につき支軸94の軸方向に所定の間隔を開けて一対設けられている。変更部47を構成する回動部材61の長手方向において従動ローラー46と反対側となる端部には、支軸94を中心に所定の回転角に回転した一対のレリースカム95が当接して押し下げ可能な当接部63が形成されている。
レリースカム95は、図11に二点鎖線で示す退避位置から同図に実線で示す押込位置まで回動することで、回動部材61の回動中心である支軸14を挟んだ反対側の端部に形成された当接部63を押し下げる。図11に示すように、レリースカム95が回動部材61の当接部63を押し下げることによって、回動部材61が支軸14を中心に同図における時計方向に回動し、従動ローラー46が所定量持ち上がる。これにより、従動ローラー46の媒体Mに対する押圧力を解除する。なお、図11に二点鎖線で示す退避位置は一例であり、レリースカム95が押込位置以外の所定の回転角範囲に亘り退避位置は設定されている。
レリースカム機構93が設けられた変更部47では、レリースカム95の支軸94に対する取付角度が、変更部47ごとに異なっている。このため、制御部100が、電動モーター81の回転位置を制御して第2出力歯車92の回転角を調整することで、所望の変更部47に対等するレリースカム95を押込位置に配置して所望の従動ローラー46の押圧力を解除することが可能である。一番ホーム位置HP側の変更部47に対応するレリースカム95は、他のレリースカム95の1つでも押込位置にあるときは、必ず押込位置にあるように、他のレリースカム95よりも広い回転角の範囲に亘り当接部63を押し下げ可能な形状を有する。各種のサイズの媒体M1〜M5の反ホーム位置AH側の端部を押圧する従動ローラー46の押圧力が解除されるときには、常に一番ホーム位置HP側の端部を押圧する従動ローラー46の押圧力も解除される。
また、サイズの異なる媒体M1〜M5の反ホーム位置AH側の端部を押圧する従動ローラー46を支持する回動部材61に対応する複数のレリースカム95は、支軸94に対する取付け角(位相角)が互いに異なっている。このため、電動モーター81の制御で、第2出力歯車92の回転角を制御することで、そのときの媒体サイズに応じて媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧力が解除される。
次に、図7〜図10を参照して、変更部47の構成を説明する。なお、図7〜図10は、レリースカム機構93が設けられた変更部47を示す。その他の変更部47の構成は、レリースカム機構93が設けられていない点のみ異なる。
図7に示すように、回動部材61は、支軸14を中心に回動可能に支持されている。回動部材61は、搬送方向Yにおける下流側端部に従動ローラー46を回転自在に支持する。支軸14、レリース軸15及び調整軸16は、図2に示す支持フレーム13に回転可能に支持されている。搬送方向Yにおいて支軸14より上流となる位置にレリース軸15が回転可能に支持されるとともに、搬送方向Yにおいてレリース軸15より上流となる位置に調整軸16が回転可能に支持されている。レリース軸15の一端部には、図2に示す操作レバー49が不図示の動力伝達機構を介して連結されている。操作レバー49の回転操作力はレリース軸15を回転させ、レリース軸15の回転によって複数の変更部47が一斉に駆動される。これにより、操作レバー49をレリース位置に操作すると、従動ローラー46が上昇し、駆動ローラー45と従動ローラー46との間に隙間が確保され、操作レバー49をニップ位置に操作すると、従動ローラー46が下降し媒体Mが押圧される。
図7に示すように、変更部47は、係合凹部64を介して支軸14に回動可能に取り付けられた回動部材61と、回動部材61に対して基端部が回動可能に支持されたアーム部材71と、伸長することにより押圧力を発生させるばね73と、レリース軸15に取り付けられた第1カム65と、調整軸16に取り付けられた第2カム66とを有する。
アーム部材71は、回動部材61の長手方向において支軸14と第2カム66との間となる位置に設けられたピン72を中心に回動部材61に対して回動自在な状態で支持されている。回動部材61における搬送方向Yの上流側端部には延設部62が上流側へ向かって延びている。アーム部材71は、回動部材61において延設部62の上方に位置する。
延設部62の上流側端部と、アーム部材71の上流側端部との間には、ばね73が掛装されている。すなわち、ばね73の第1端(下端)が延設部62に掛止され、ばね73の第2端(上端)がアーム部材71の上流側端部に掛止されている。延設部62の先端部には、レリースカム95が当接可能な当接部63が形成されている。つまり、回動部材61のうち回動中心である支軸14に対して従動ローラー46と反対側の端部に当接部63が設けられている。
回動部材61は、支軸14よりも搬送方向Yの上流側となる位置に、第1カム65と係合可能な係合部67を有する。第1カム65は操作レバー49の操作によってレリース軸15が回転することより、図7に示す回転角と図8に示す回転角とに配置される。第1カム65が図7に示す回転角にあるとき、ローラー対41は媒体Mを挟持不能な隙間を開けた非挟持状態(レリース状態)となる。一方、第1カム65が図8に示す回転角にあるとき、ローラー対41は媒体Mを挟持可能な挟持状態(ニップ状態)となる。
次に、図8、図9を参照して、押圧力調整機構80が変更部47によって従動ローラー46を駆動ローラー45に対して押し付ける押圧力を調整する機構について説明する。本例では、ばね73には引張りばねを用いている。特に、無荷重の状態でもコイル同士が密着する方向の初張力を持つ引張りコイルばねが好ましい。この場合、ばね73は、初張力により最も収縮した状態が自然長となっており、初張力を超える荷重をかけなければ自然長から伸長しない。
第2カム66は、調整軸16からの距離が連続的に変化するカム面66Aを有し、そのカム面66Aがアーム部材71の基端部と先端部との間となる位置の部分に接触する。アーム部材71は、第2カム66の回転によりカム面66Aとの当接位置が変化することにより、基端部に挿通されたピン72を中心に先端部がばね73を伸縮させる方向に変位するように回動する。
このとき、アーム部材71は、第2カム66から押圧力を受ける部分を力点PE、基端部を支点PF、先端部を作用点PLとする梃子として機能する。アーム部材71では、力点PEが支点PFと作用点PLの間にあるので、力点PEの変位は、それよりも大きな変位となって作用点PLでばね73の第2端を変位させ、ばね73を伸縮させる。
そして、図8に示すように、従動ローラー46が挟持位置にあるとき、アーム部材71が第2カム66の押圧力を受けてばね73を伸長させることにより、回動部材61の先端部分に支持された従動ローラー46が駆動ローラー45に媒体Mを押し付ける押圧力が発生する。ばね73が伸長したときの付勢力が従動ローラー46の押圧力となるので、ばね73が伸長するに連れて、従動ローラー46の押圧力が強くなる。つまり、第2カム66の回転角の変化によってばね73が伸びるほど、ローラー対41が媒体Mを挟持するニップ力が強くなる。
従動ローラー46が挟持位置にある状態のもとで、第2カム66が回転してアーム部材71の回動角度が変化すると、ばね73の長さが段階的に変化する。本実施形態では、ばね73の長さが3段階に変化することにより、印刷中に媒体Mを搬送するときの従動ローラー46の押圧力が媒体Mの種類に応じて設定される。また、印刷開始前に媒体Mをセットするときの従動ローラー46の押圧力を、その媒体Mが印刷中に搬送されるときの従動ローラー46の押圧力よりも弱く設定してもよい。
例えば、バナー紙など、薄い又はコシの弱い媒体Mの場合、変更部47が従動ローラー46の押圧力として複数段階のうち弱い力を選択することが好ましい。また、例えばポリ塩化ビニル樹脂のフィルムなど、厚い又はコシの強い媒体Mの場合、変更部47が従動ローラー46の押圧力として複数段階のうち強い力を選択することが好ましい。さらに厚さ又はコシの強さが、これらの中間の媒体Mの場合、変更部47がローラー対41の押圧力として複数段階のうち中間の強さの力を選択することが好ましい。なお、第2カム66の回転角の調整によってばね73の長さを3段階以上の複数段階に変化させ、従動ローラー46の押圧力を3段階以上の複数段階に調整してもよい。
図7〜図9に示すように、レリースカム機構93のレリースカム95は、印刷前と印刷中において基本的に回動部材61の当接部63と接触しない実線で示す退避位置に配置される。印刷中において第1センサー56が媒体Mの浮き部MFを検知して、従動ローラー46の押圧の解除が必要になると、レリースカム95は、図9に実線で示す退避位置から、図9に二点鎖線で示す押込位置に駆動される。図11に示すように、レリースカム95が、同図に二点鎖線で示す退避位置から同図に実線で示す押込位置に回動することで、レリースカム95は、回動部材61の当接部63を押し下げる。このため、回動部材61は、図11に実線で示す位置から同図に二点鎖線で示す位置まで支軸14を中心に回動する。
図10に示すように、カム65と回動部材61との間にはガタによる隙間があるので、レリースカム95は回動部材61の当接部63をガタによる隙間の分だけ押し下げることができる。この隙間分の押し下げによって従動ローラー46の押圧力が解除される。媒体Mを幅方向Xに複数箇所で押圧している複数の従動ローラー46のうち、媒体Mの幅方向Xの両端部の箇所を押圧している従動ローラー46の押圧力が解除される。このときの従動ローラー46の押圧力の解除は、媒体Mをニップする押圧力が少し残っていてもよい。つまり、媒体Mをニップするローラー対41のニップ力を媒体Mに生じた浮き部MFを幅方向Xに移動できる程度に従動ローラー46の押圧力を弱められればよく、押圧力は必ずしも零である必要はない。
次に、図12を参照して、印刷装置11の電気的構成について説明する。図12に示すように、制御部100は、CPU101(中央処理装置)、ASIC102(Application Specific IC、特定用途向けIC)、RAM103及び不揮発性メモリー104を備える。制御部100の出力端子には、吐出ヘッド53、キャリッジモーター55、給送モーター33、搬送モーター42、巻取モーター37及び電動モーター81が電気的に接続されている。制御部100の入力端子には、リニアエンコーダー54、エンコーダー48、第1センサー56、第2センサー57、第3センサー75、第4センサー76及びエンコーダー74が電気的に接続されている。
不揮発性メモリー104には、印刷装置11を制御するためのプログラムが記憶されている。本例では、プログラムの1つとして、図13にフローチャートで示す媒体浮き解消制御を含む印刷制御を実行するためのプログラムPRが含まれる。そして、制御部100は、不揮発性メモリー104から読み出したプログラムPRを実行して媒体浮き解消制御を行いつつ印刷制御を行う。
例えば、媒体Mに印刷を行う場合、制御部100が給送モーター33を駆動させてロール体31から媒体Mを繰り出すことで給送する。制御部100は、搬送モーター42を駆動させることでローラー対41にニップされた状態で媒体Mを搬送させる。また、制御部100は、キャリッジモーター55を駆動させてキャリッジ52を走査方向Xに移動させ、キャリッジ52の移動過程で吐出ヘッド53を制御してノズルからインクを吐出させることで、媒体Mに画像等を印刷する。また、制御部100は、巻取モーター37を駆動させることで、印刷後の媒体Mをロール状に巻き取る。
また、制御部100は、印刷開始に先立ち、キャリッジ52を走査方向Xに往復移動させ、第2センサー57により媒体Mの幅方向X両側の側端を検知する。制御部100は、リニアエンコーダー54の検出パルスのパルスエッジを不図示のカウンターにより計数することで、ホーム位置HPを原点とするキャリッジ52の走査方向Xの位置を検出する。制御部100は、第2センサー57が媒体Mの側端を検知した時のキャリッジ52の位置を基に媒体Mの側端位置を取得する。媒体Mの側端位置は、キャリッジ52が走査方向Xに移動する過程で吐出ヘッド53がインクの吐出を開始する印刷開始位置を決めるために使用される。また、制御部100は、媒体Mの幅方向Xの両側の側端位置を検出することで、媒体Mの幅を取得する。また、媒体Mの側端位置は、その時々の媒体Mの幅に応じた端部を押圧する従動ローラー46を支持する回動部材61を含む変更部47、つまりその変更部47に対応するレリースカム機構93を決定するために使用される。なお、第2センサー57が検出した媒体Mの幅方向Xの側端位置情報は、不揮発性メモリー104の所定記憶領域に記憶される。
制御部100は、押圧力調整機構80を駆動させるときは、電動モーター81を正転駆動させる。制御部100は、第3センサー75が第1出力歯車83の原点位置を検知したときに電動モーター81の回転を検出するエンコーダー74の検出パルスのパルスエッジを計数する不図示のカウンターをリセットする。制御部100は、カウンターの計数値により第1出力歯車83の回転軸である調整軸16の回転角を検出する。制御部100は、電動モーター81を制御して調整軸16に支持されたカム66を、媒体Mの種類に応じた回転角に調整することで、従動ローラー46の押圧力を媒体Mの種類に応じた値に調整する。
制御部100は、第1センサー56が媒体Mの浮き部MFを検出すると、媒体Mの側端位置情報を基に従動ローラー46の押圧を解除するために駆動させるべき変更部47を特定する。本実施形態では、媒体Mは幅方向Xにホーム位置HP側の基準位置に寄せて位置決めされるため、媒体Mのホーム位置HP側の側端位置は、媒体Mがどのサイズであっても一義的に決まる。つまり、ホーム位置HP側の変更部47は一義的に決まる。このため、制御部100は、媒体Mの反ホーム位置AH側の端部を押圧する従動ローラー46を支持する回動部材61を含む変更部47を、媒体Mの反ホーム位置AH側の側端位置情報に基づいて特定する。制御部100は、特定した変更部47を駆動させるべく押圧解除機構90を駆動する。
制御部100は、押圧解除機構90を駆動させるときは、電動モーター81を逆転駆動させる。制御部100は、第4センサー76が第2出力歯車92の原点位置を検知したときに電動モーター81の回転を検出するエンコーダー74の検出信号のパルスエッジを計数する不図示のカウンターをリセットする。制御部100は、カウンターの計数値により第2出力歯車92の回転軸である支軸94の回転角を検出する。制御部100は、電動モーター81を制御して支軸94の回転角を、媒体Mの側端位置情報に応じた所定の回転角に調整することで、所望のレリースカム95を退避位置から押込位置に配置して所望の従動ローラー46の押圧力を解除する。
次に、印刷装置11の作用を説明する。ユーザーは搬送部40に対して媒体Mをセットする際は、操作レバー49をレリース位置に操作して、ローラー対41の隙間を開けた非挟持状態(図7参照)とし、ロール体31から引き出した媒体Mの先端部を手動でローラー対41の隙間に挿入する。ユーザーは操作レバー49をニップ位置に操作して媒体Mを駆動ローラー45と従動ローラー46との間にニップさせる。
ユーザーによる印刷開始操作に基づき制御部100が印刷開始を指示すると、給送部30から媒体Mが給送され、その給送された媒体Mは、支持部20の上面よりなる搬送経路に沿って搬送される。媒体Mは複数の従動ローラー46により押圧されることで、走査方向Xの複数箇所でローラー対41によりニップされる。
制御部100は、不揮発性メモリー104から読みだした図13のフローチャートで示されるプログラムPRを実行する。以下、制御部100がプログラムPRを実行して行う媒体浮き解消制御を含む印刷制御について説明する。
ステップS11では、制御部100は、媒体の幅を検出する。制御部100は、印刷開始に先立ち、キャリッジ52を走査方向Xに1往復移動させ、第2センサー57により媒体Mの幅方向Xの両側の側端を検知する。制御部100は、リニアエンコーダー54の検出パルスのパルスエッジを不図示のカウンターにより計数することで、ホーム位置HPを原点とするキャリッジ52の走査方向Xの位置を検出する。制御部100は、第2センサー57が媒体Mの側端を検知した時のキャリッジ52の位置を基に媒体Mの側端位置を取得する。そして、制御部100は、媒体の幅方向Xの両側の側端位置から媒体の幅を取得する。制御部100は、媒体Mの幅に関する情報として2つの側端位置情報を不揮発性メモリー104の所定記憶領域に記憶する。なお、制御部100は、この側端位置情報を利用して、媒体Mの幅方向Xの端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除する際に該当する従動ローラー46の位置、すなわち該当する従動ローラー46の押圧を解除するために駆動させるレリースカム機構93の位置を特定するために使用する。
ステップS12では、制御部100は、印刷を開始する。制御部100は、キャリッジモーター55、吐出ヘッド53及び搬送モーター42等を駆動制御して媒体Mに対する印刷を行う。キャリッジモーター55の駆動によりキャリッジ52と共に走査方向Xに移動する吐出ヘッド53による1走査分の印刷と、搬送モーター42の駆動により次の記録位置まで媒体Mを搬送するローラー対41による搬送動作とが略交互に行われることで、媒体Mに画像等が印刷される。ローラー対41よりも搬送方向Yの下流側の印刷領域PA(図1を参照)では、キャリッジ52が走査方向Xに往復移動しその移動過程で吐出ヘッド53がインクを吐出することで媒体Mにインクが付着する。
インクを付着させて画像等が印刷される媒体Mが薄紙であったり、薄紙でなくてもベタ印刷など媒体Mの単位面積当たりのインクの付着量が多い印刷が行われたりする場合、媒体Mがインクを吸収して膨張する。特に昇華転写用の媒体Mにおいては水系インクを利用し、媒体Mへのインクの打ち込み量の割に媒体Mのインク許容量が小さいことが多い。そのため、インクを吸収した媒体Mが膨張し、媒体Mに皺又はうねり等の浮き部MFが生ずることが多々ある。印刷中の媒体Mは幅方向Xに並ぶ複数の従動ローラー46と駆動ローラー45とによって複数箇所でニップされているため、媒体Mがインクを吸収して膨張して生じた皺又はうねり等の浮き部MFは、ニップ箇所で幅方向Xへの移動が阻止される。このため、印刷中の媒体Mに一旦生じた浮き部MFは消滅しにくい。
ステップS13では、制御部100は、媒体の浮き検出を開始する。すなわち、制御部100は、印刷の開始に伴って第1センサー56による媒体Mの検出を開始する。印刷中においては、第1センサー56は、キャリッジ52と共に走査方向Xに移動するため、媒体Mの幅方向Xのほぼ全域を検出対象とし、媒体Mの表面までの距離を検出する。第1センサー56は、搬送方向Yにおいて吐出ヘッド53よりも上流側、かつ従動ローラー46よりも下流側の位置において、媒体Mの表面までの距離を検出する。第1センサー56は、媒体Mの表面までの距離に応じた検出値を含む検出信号を出力する。制御部100は、第1センサー56からの検出信号に基づいて第1センサー56から媒体Mの表面までの検出距離を取得し、検出距離が閾値未満に小さくなったか否かを判断する。制御部100は、検出距離が閾値以上であるうちは、媒体Mが浮き部MFのない正常であると判断し、検出距離が閾値未満になると、皺又はうねり等の浮き部MFが発生した異常であると判断する。
ステップS14では、制御部100は、媒体Mの浮きを検知したか否かを判断する。制御部100は、第1センサー56により媒体Mの浮き部MFを検知した場合はステップS15に進み、浮き部MFを検知していなければ、ステップS18に進む。印刷終了前であれば、ステップS18からステップS14に戻るため、印刷中は浮き部MFを検知するまで(S14で肯定判定)、ステップS14の判定処理を継続する。
ステップS15では、制御部100は、媒体Mの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除する。制御部100は、第1センサー56が媒体Mの浮き部MFを検知すると(S14で肯定判定)、電動モーター81を正転駆動させ、レリースカム機構93を駆動させることで、媒体Mの端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除する。制御部100は、不揮発性メモリー104の所定記憶領域から媒体Mの幅方向Xの側端位置を含む側端位置情報を読み出し、側端位置情報を基に媒体Mの反ホーム位置AH側の端部を押圧する従動ローラー46を支持する変更部47を特定し、特定した変更部47に対応するレリースカム95を押込位置に配置可能な目標回転角を求める。そして、制御部100は、支軸94の回転角が目標回転角に達するまで電動モーター81を正転駆動する。これにより媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46を支持する回動部材61の当接部63が、図10、図11に示すように、レリースカム95により押し下げられる。この結果、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧が解除される。
媒体Mの幅方向Xの両端部の箇所でローラー対41によるニップが解除されたことによって、媒体Mの幅方向Xの両端部が押さえ付けのない状態に解放される。媒体Mの幅方向Xの両端部のニップが浮き部MFの移動を阻止していたので、媒体Mの両端部のニップが解放されることで、媒体Mの端部以外の他のニップ箇所についても浮き部MFの幅方向Xへ移動し易くなる。この結果、媒体Mの浮き部MFは幅方向Xの一方へ移動する。特に、ローラー対41の回転により媒体Mが搬送される過程で皺やうねりの縮小を伴って浮き部MFが幅方向Xの外側へ移動する。なお、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧力が解除されるものの、その押圧が解除される従動ローラー46の数は全体(例えば40個)のうち媒体Mの幅方向Xの両端部に対応する数(例えば4個)に限られる。このため、ローラー対41によって媒体Mの搬送に必要な搬送力は確保される。
ステップS16では、制御部100は、媒体Mの浮きを検知したか否かを判断する。制御部100は、浮き部MFを検知している間は、浮き部MFを検知しなくなるまで(S16で否定判定)、ステップS16の判定処理を継続し、浮き部MFを検知しなくなると、ステップS17に進む。ここで、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46の押圧が解除された後、媒体Mの浮き部MFは幅方向Xのうち一方の側端に向かって移動する。浮き部MFが第1センサー56に検知されているうちは、媒体Mの幅方向のX両端部を押圧すべき従動ローラー46は押圧が解除された状態に維持される。移動する浮き部MFは、媒体Mの側端に達する前に閾値未満に縮小するか、媒体Mの側端に達することで消滅する。そして、第1センサー56が浮き部MFを検知しなくなると、ステップS17に進む。
ステップS17では、制御部100は、解除中の従動ローラーを押圧する。すなわち、制御部100は、電動モーター81を正転駆動させ、媒体Mの端部の押圧を解除している従動ローラー46の押圧力を復帰させる。詳しくは、電動モーター81が正転駆動されると、レリースカム95が、図10、図11に実線で示す押込位置にあるときの回転角から、図11に二点鎖線で示す回転角まで回転することで、レリースカム95による回動部材61の当接部63の押し下げが解除される。この結果、媒体Mは、幅方向Xの全域で複数の従動ローラー46に押圧され、複数のローラー対41によりニップされた状態で搬送される。
本実施形態の印刷装置11では、印刷中に媒体Mに発生した浮き部MFが検知されると、印刷中に媒体Mの両端部を押圧する両側の従動ローラー46の押圧が解除される。このため、媒体Mに生じた皺又はうねり等の浮き部MFは、媒体Mの幅方向Xに移動することで消滅又は縮小する。よって、媒体Mに発生した皺又はうねり等の浮き部MFが、吐出ヘッド53のノズル開口面53Aに衝突して発生する吐出ヘッド53の破損、媒体Mがノズル開口面53Aに擦れて発生するインク汚れ、ノズルN内のインクのメニスカスの破壊に起因するインク吐出不良による印刷ミス、媒体Mの皺やうねりに起因する印刷ずれなどを回避できる。
上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)印刷装置11は、インクを媒体Mに吐出する吐出ヘッド53と、媒体Mを搬送するための搬送部40とを備える。搬送部40は、媒体Mを押圧するための従動ローラー46を媒体Mの幅方向Xに複数有し、複数の従動ローラー46のうち媒体Mの幅方向Xの端部の従動ローラー46の押圧を解除する押圧解除機構90を備える。印刷中において媒体Mに皺又はうねりが発生した場合、押圧解除機構90により、複数の従動ローラー46のうち媒体Mの幅方向Xの端部の従動ローラー46の押圧が解除される。この結果、印刷中において媒体Mに生じた皺又はうねり等の浮き部MFは幅方向Xに移動し易くなるため、媒体Mの浮き部MFが消滅又は縮小する。よって、印刷中に媒体Mに生じた皺又はうねり等の浮き部MFに起因する、媒体Mと吐出ヘッド53との接触、あるいは吐出ヘッド53との擦れによるインク汚れ、インクの吐出不良や印刷ずれ等の印刷不良を低減できる。
(2)押圧解除機構90は、従動ローラー46を支持する回動部材61のうち当該回動部材61の回動中心に対して従動ローラー46が配置された側とは反対側の端部を押すことで、従動ローラー46の押圧を解除する。よって、梃子の原理を利用した小さな力で従動ローラー46の押圧を解除できる。このため、電動モーター81を小型にできる上、従動ローラー46の押圧力の制御のための省電力に寄与する。
(3)印刷装置11は、従動ローラー46の押圧力を調整する押圧力調整機構80を備える。押圧解除機構90と押圧力調整機構80は、同一の電動モーター81により駆動される。よって、押圧解除機構90と押圧力調整機構80との間で駆動源を共通化できるので、簡単な構成で済む。
(4)駆動源を電動モーター81とし、電動モーター81が正転駆動されると、押圧解除機構90と押圧力調整機構80のうち一方が駆動され、電動モーター81が逆転駆動されると、押圧解除機構90と押圧力調整機構80のうち他方が駆動される。よって、押圧解除機構90と押圧力調整機構80との間で駆動源を共通化して簡単な構成で済むうえ、電動モーター81の正転駆動と逆転駆動とを切り換える構成により、制御も簡単である。
(5)印刷装置11は、媒体Mの搬送方向Yと交差する幅方向Xに吐出ヘッド53を移動させるキャリッジ52と、キャリッジ52に搭載され媒体Mの浮き部MFを検知する第1センサー56とを備える。押圧解除機構90は、第1センサー56が浮き部MFを検知すると駆動される。よって、媒体Mに皺又はうねり等の浮き部MFが生じたときに、従動ローラー46による媒体Mの端部の押圧が解除される。このため、媒体Mに生じた浮き部MFを速やかに縮小又は消滅させることができる。また、浮き部MFが生じたときには従動ローラー46の搬送力が多少なりとも低下するが、浮き部が生じていないときには大きな搬送力を確保できる。
(6)印刷装置11は、媒体Mの幅方向Xの側端を検知する第2センサー57を備える。押圧解除機構90は、複数の従動ローラー46のうち媒体Mの端部の押圧を解除する従動ローラー46を、第2センサー57の検知結果に基づいて決定する。押圧解除機構90は、複数の従動ローラー46のうち、第2センサー57が媒体Mの幅方向Xの側端を検知した際の側端位置に基づいて決定した従動ローラー46の押圧を解除する。よって、従動ローラー46による媒体Mの幅方向Xの端部の押圧を確実に解除できる。例えば、印刷装置11が媒体Mのサイズ情報を取得して媒体Mの幅方向Xの端部を押圧する従動ローラー46を特定することもできる。しかし、この場合、ユーザーが印刷装置11にサイズ情報と異なる媒体Mをセットしたり、セットした媒体Mと異なるサイズ情報を印刷装置11に入力したりすると、媒体Mの幅方向Xの端部とは関係のない位置の従動ローラー46の押圧が解除されるミスが発生する。しかし、第2センサー57の検知結果に基づき決定した従動ローラー46の押圧を解除する構成であるため、上記ミスを回避できる。
なお、上記実施形態は以下のような形態に変更することもできる。
・第1センサー56は、搬送方向Yにおいて吐出ヘッド53と同じ位置に配置されてもよい。例えば、第1センサー56をキャリッジ52において走査方向Xに吐出ヘッド53の隣の位置に配置してもよい。
・従動ローラー46による媒体Mの幅方向Xの両端部の押圧を解除したが、従動ローラー46による媒体Mの一方の端部の押圧を解除する構成でもよい。例えば第1センサー56が検知した浮き部MFの位置が、媒体Mの幅方向Xの中心(幅中心)に対してどちら側にあるかを判定し、従動ローラー46による媒体Mの幅中心に対して浮き部MFの位置する側の端部の押圧を解除する構成でもよい。この場合、媒体Mの端部の従動ローラー46の押圧解除に加え、媒体Mの両端部の従動ローラー46の間に位置する他の従動ローラー46の押圧も併せて解除してもよい。要するに、複数の従動ローラー46のうち媒体Mの一方の端部を含む一部の従動ローラー46の押圧を解除すればよい。
・押圧を解除する従動ローラー46は、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46に限らず、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46に加え、媒体Mの両端部を押圧する従動ローラー46の間に位置する他の従動ローラー46の押圧を解除してもよい。すなわち、ローラー対41による媒体Mの搬送力を確保できる限りにおいて、媒体Mの幅方向Xの両端部を押圧する従動ローラー46を支持する2つの回動部材を含む3つ以上の回動部材に支持される複数の従動ローラー46の押圧を解除してもよい。要するに、複数の従動ローラー46のうち媒体Mの両端部を含む一部の従動ローラー46の押圧を解除すればよい。
・従動ローラー46は、全てを幅方向X1列に配列する1列配置としたが、搬送方向Yの異なる二位置に1列ずつ配列してもよい。
・回動部材61のうち回動中心に対して従動ローラー46と同じ側の部分を、例えば下側から上方に向かって押し上げることで、従動ローラー46の押圧を解除してもよい。また、回動部材61のうち回動中心に対して従動ローラー46と同じ側の部分を、引き上げてもよい。
・第1センサー56をキャリッジ52に設けたが、本体フレームに設けてもよい。例えば、搬送領域FAの幅方向Xの両側に、第1センサーを構成する発光部と受光部を設け、発光部から幅方向Xへ出射した光線を浮き部MFが遮って受光部が受光しなくなることで、浮き部MFを検知する構成とする。
・第1センサー56は、第2の支持部22に埋設して媒体Mの裏面を検出する構成でもよい。媒体Mの皺やうねり等の浮き部MFは第1センサー56からの距離が遠くなるので、第1センサー56が媒体Mまでの距離が閾値を超えたときに浮き部MFを検知する構成とすればよい。
・第1センサー56は、光学式センサー等の非接触センサーに限らず、媒体Mの浮き部MFを検知できる限りにおいて、接触式センサーでもよい。
・印刷装置は、印刷部50としてライン印刷方式を採用するラインプリンターでもよい。ライン印刷方式の吐出ヘッド53は、幅方向Xに媒体最大幅よりも若干長い長尺状を有するラインヘッドであり、印刷モードに応じた定速度で搬送される媒体Mに対して1ライン分のインクを一斉に吐出して印刷を行う。例えば、第1センサーを媒体Mの幅方向の複数箇所に配置したり、第1センサーを媒体Mの幅方向Xに移動可能な走査式とし、印刷中において定期又は不定期に第1センサー56を走査させることで浮き部MFを検出したりする。この構成によれば、印刷装置11がラインプリンターであっても、印刷中に媒体Mの皺又はうねり等の浮き部MFを縮小又は消滅させることができる。
・第1センサー56は無くてもよい。例えば印刷中において定期的又は不定期に媒体Mの端部を押圧する従動ローラー46の押圧を解除してもよい。
・第2センサー57は無くてもよい。例えば、印刷装置11が印刷条件情報として取得する媒体サイズ情報から媒体Mの幅方向Xの端部を押圧する従動ローラー46を特定し、その特定した従動ローラー46の押圧を押圧解除機構が解除する構成でもよい。
・押圧力調整機構80と押圧解除機構90は、別々の駆動源により駆動されてもよい。この場合、押圧解除機構90の駆動源は、電動モーターでもよいし、ソレノイド、電動シリンダー、その他のアクチュエーターでもよい。
レリースカム機構93の駆動源は、複数の変更部47間で共通にしたが、レリースカム機構93が設けられた変更部47ごとに個別にレリースカム機構93の駆動源を設けてもよい。駆動源は電動モーターが好ましいが、レリースカム機構93を駆動できれば、電動モーター以外のアクチュエーターでもよい。
・媒体Mは、ロール状媒体に限定されず、所定長さのカット紙などの枚葉媒体でもよい。A0サイズ、B0サイズ、A4サイズ等の規格サイズの媒体でもよい。この種の枚葉媒体でも、媒体Mの皺やうねりによる浮き部MFが生じた場合に、従動ローラー46による媒体Mの幅方向Xの少なくとも一方の端部の押圧を解除することで、浮き部に起因する吐出ヘッドの破損又は印刷品質の低下を回避できる。
・媒体浮き解消制御を含む印刷制御を行う制御部100は、プログラムを実行するコンピューターによりソフトウェアで実現する構成の他、例えばFPGA(field-programmable gate array)やASIC(Application Specific IC)等の電子回路(例えば半導体集積回路)によりハードウェアで実現したり、ソフトウェアとハードウェアとの協働により実現したりしてもよい。
・媒体は、用紙に限定されず、合成樹脂製のフィルムやシート、布、不織布、ラミネートシートなどでもよい。なお、合成樹脂製のフィルムやシートであっても、インクが溶剤系インクであれば、媒体は膨潤するため、皺やうねり等の浮き部が発生する。
・液体は、有色インクに限定されず透明インクでもよい。また、液体は、染料インク、顔料インク、溶剤系インクでもよいし、さらに紫外線の照射により硬化する紫外線硬化性インクでもよい。要するに、液体は、印刷のために媒体に吐出された液体が媒体を膨張又は収縮させて、媒体に皺又はうねり等の浮きを生じさせる液体であればよい。
・吐出ヘッドは、インクジェット式の吐出ヘッド53に限らず、例えば定量の液体を吐出するディスペンサーでもよい。
11…印刷装置、12…筐体、14…支軸、15…レリース軸、16…調整軸、20…支持部、24…吸引機構、30…給送部、31…ロール体、33…給送モーター、40…搬送部、41…ローラー対、42…搬送モーター、45…駆動ローラー、46…従動ローラー、47…変更部、50…印刷部、52…キャリッジ、53…吐出ヘッド、54…リニアエンコーダー、55…キャリッジモーター、56…センサーの一例としての第1センサー、57…第2センサー、61…支持部材の一例としての回動部材、63…端部の一例としての当接部、65…第1カム、66…第2カム、80…押圧力調整機構、81…駆動源及びモーターの一例としての電動モーター、82…歯車機構、83…第1出力歯車、84…切替機構、90…押圧解除機構、92…第2出力歯車、93…レリースカム機構、94…支軸、95…レリースカム、100…制御部、X…幅方向(走査方向)、Y…搬送方向、Z…鉛直方向、M,M1〜M5…媒体、PA…印刷領域、MF…浮き部、PR…プログラム。

Claims (6)

  1. 液体を媒体に吐出する吐出ヘッドと、
    前記媒体を搬送するための搬送部と、を備えた印刷装置において、
    前記搬送部は、前記媒体を押圧するための従動ローラーを前記媒体の幅方向に複数有し、
    前記複数の従動ローラーのうち前記媒体の幅方向の端部を含む一部の従動ローラーの押圧を解除する押圧解除機構を備えた、ことを特徴とする印刷装置。
  2. 請求項1に記載の印刷装置において、
    前記押圧解除機構は、前記従動ローラーを支持する支持部材のうち当該支持部材の回動中心に対して前記従動ローラーが配置された側とは反対側の端部を押すことで、前記従動ローラーの押圧を解除する、ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1又は2に記載の印刷装置において、
    前記従動ローラーの押圧力を調整する押圧力調整機構を更に備え、
    前記押圧解除機構と前記押圧力調整機構は、同一の駆動源により駆動される、ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項3に記載の印刷装置において、
    前記駆動源はモーターであり、
    前記モーターが正転駆動されると、前記押圧解除機構と前記押圧力調整機構のうち一方が駆動され、前記モーターが逆転駆動されると、前記押圧解除機構と前記押圧力調整機構のうち他方が駆動される、ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記媒体の搬送方向と交差する幅方向に前記吐出ヘッドを移動させるキャリッジと、
    前記キャリッジに設けられ前記媒体の浮き部を検知するセンサーと、を更に備え、
    前記押圧解除機構は、前記センサーが前記浮き部を検知すると駆動される、ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の印刷装置において、
    前記媒体の幅方向の側端を検知する第2センサーを更に備え、
    前記押圧解除機構は、複数の前記従動ローラーのうち前記媒体の端部の押圧を解除する従動ローラーを、前記第2センサーの検知結果に基づき決定する、ことを特徴とする印刷装置。
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