JP2019171053A - 移乗器具、及び、移乗器具の使用方法 - Google Patents

移乗器具、及び、移乗器具の使用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】被介護者の移乗介助を効率的に行うことができる移乗器具を提供する。【解決手段】移乗器具1は、被介護者の上半身の一部を支持する上半身支持部材10と、被介護者の下半身の一部を支持する下半身支持部材20と、介護者の操作に応じて、上半身支持部材10と下半身支持部材20との少なくとも一方を、被介護者の上下方向に移動させる脚柱40とを有する。上半身支持部材10は、被介護者を支持した状態において、下半身支持部材20より高い位置に保持されている。また、上半身支持部材10の厚みは、3cm以上27cm以下の厚みであり、少なくとも被介護者の上半身の一部と接触する位置において、弾力性のある素材により構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、移乗器具、及び、移乗器具の使用方法に関する。
例えば、特許文献1には、被介護者を移乗及び移動可能な介護補助装置において、被介護者が腰掛ける腰掛け部と、この腰掛け部の外周側の一端部を片持ち構造で支持して腰掛け部を昇降する昇降手段と、前記腰掛け部の上方側で被介護者の上体を保持する上体保持部と、前記腰掛け部の上方側であって前記腰掛け部の左右両側にそれぞれ配設された一対の吊下げ支持部と、この一対の吊下げ支持部の一方に一端側が固定されかつ他方に他端側が固定されるとともに、前記腰掛け部に腰掛けた被介護者における前記腰掛け部との当接部位を延在途中で位置固定するベルト状の位置固定用部材とを備えたことを特徴とする介護補助装置が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、介護される被介護者の胸の前側を受けて、前後方向に回動可能に設けられた胸部保持部材と、前記被介護者の大腿部を支持するとともに前記大腿部の前方への移動がスムーズに行われるように抵抗が軽減された支持面とを備えたことを特徴とする移乗器具が開示されている。
特開2001−129033号公報 特開2011−156255号公報
本発明は、被介護者の移乗介助を効率的に行うことができる移乗器具を提供することを目的とする。
本発明に係る移乗器具は、被介護者の上半身の前面の一部を支持する第1の支持部材と、被介護者の下半身の一部を支持する第2の支持部材と、介護者の操作に応じて、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方を、被介護者の上下方向に移動させる駆動力伝達装置とを有し、前記第1の支持部材は、被介護者を支持した状態において、前第2の支持部材より高い位置に保持され、前記第1の支持部材は、3cm以上27cm以下の厚みであり、少なくとも被介護者の上半身の一部と接触する位置において、弾力性のある素材により構成されている。
好適には、前記第1の支持部材の支持面の形状は、縦長の形状であり、前記第2の支持部材の支持面の形状は、横長の形状、縦長の形状、又は縦横比が略同じ形状である。
好適には、前記第1の支持部材の支持面の大きさは、前記第2の支持部材の支持面の大きさの2倍以上7倍以下である。
好適には、前記第1の支持部材は、被介護者の支持する面において、被介護者の胸部及び腹部にそれぞれ適した曲面状に形成されている。
好適には、前記第1の支持部材の外形の形状は、被介護者に対して左右対称に形成されている。
好適には、前記第1の支持部材の外形の形状は、被介護者に対して左右非対称に形成されている。
好適には、前記第2の支持部材は、板状であり、板幅が10cm以上25cm以下の幅に形成されている。
好適には、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方において、被介護者の前後方向に対する角度を変更する角度変更部をさらに有する。
好適には、被介護者を支持した状態において、前第2の支持部材より高い位置に前記第1の支持部材を保持する保持アームをさらに有し、前記角度変更部は、前記保持アームを軸回転させる前後で、前記第1の支持部材の角度を変更する。
好適には、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方において、保持された状態の被介護者の上下方向に対する当該第1の支持部材と当該第2の支持部材との相対的な位置を変更する位置変更部をさらに有する。
好適には、被介護者を支持した状態において、前記第2の支持部材より高い位置に前記第1の支持部材を保持する保持アームをさらに有し、前記保持アームは、被介護者の左側または右側のどちらか一方にのみに配置され、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材における、右端または左端の一方を接続し、前記角度変更部は、前記第1の支持部材と前記保持アームとの接続位置、及び、前記第2の支持部材と前記保持アームとの接続位置の少なくとも一方に配置され、被介護者の前後方向に対する当該第1の支持部材の角度を変更する。
好適には、前記駆動力伝達装置は、被介護者を支持した状態において、前記第1の支持部材を被介護者の前方向に傾けながら、当該第1の支持部材を被介護者の上方向に移動させる。
好適には、被介護者の負ぶい上げが完了したときにおいて、前記駆動力伝達装置は、前記第1の支持部材の支持面の傾斜方向と、鉛直方向との間の角度が45度以上65度以下となるよう、被介護者の前方向に前記第1の支持部材を傾ける。
好適には、前記第1の支持部材の上方に保持され、当該第1の支持部材との接続位置を中心として回転自在に設けられ、支持された状態の被介護者の頭部を支持する頭部支持部材と、支持された状態の被介護者の左右方向に、前記頭部支持部材の位置を変更する左右位置変更部をさらに有する。
また、本発明に係る移乗器具は、被介護者の上半身の一部を支持する第1の支持部材と、被介護者の下半身の一部を支持する第2の支持部材と、被介護者を支持した状態において、被介護者の左側または右側のどちらか一方にのみに配置され、前第2の支持部材より高い位置に前記第1の支持部材を保持する保持アームと、介護者の操作に応じて、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方を、被介護者の上下方向に移動させる駆動力伝達装置とを有する。
また、本発明に係る移乗器具の使用方法は、被介護者の上半身の一部を支持する、マネキン型に成形された第1の支持部材に、被服を着せる工程と、被服を着せた前記第1の支持部材に被介護者を抱き付かせる工程とを有する。
好適には、前記第1の支持部材に抱き付かせた被介護者の下半身の一部を第2の支持部材に乗せる工程をさらに有する。
本発明によれば、被介護者に対して、移乗器具への乗り降りにおける移乗介助を効率的に行うことができる。
実施例1における移乗器具1を例示する図である。 実施例1における上半身支持部10の構成を詳細に説明する図である。 実施例1における移乗器具1の動作を説明する図である。 実施例1における移乗器具1の使用方法(S10)を説明するフローチャートである。 実施例1における移乗器具1の使用方法を説明する図である。 実施例2における移乗器具2を例示する図である。 実施例1における移乗器具1の変形例1を例示する図である。 実施例1における移乗器具1の変形例2を例示する図である。 実施例2における移乗器具2の変形例3を例示する斜視図である。 変形例3における上半身支持部材10の構成を説明する図である。 変形例3における移乗器具200の他の構成を詳細に説明する図である。 変形例3における駆動伝達部400の構成を詳細に説明する図である。 変形例3における頭部支持部材70を説明する図である。 上半身支持部材10を前後方向に傾斜させた状態を例示する図である。 変形例3における移乗器具200の負ぶい上げ動作を説明する図である。 変形例3における移乗器具200の負ぶい下ろし動作を説明する図である。 図15及び図16に例示した上半身支持部材10の動作軌跡を示す模式図である。 負ぶい上げ及び負ぶい下ろしのシミュレーションにおける重心位置の動作軌跡を例示する比較図である。 負ぶい上げ及び負ぶい下ろしのシミュレーションにおける股関節(大転子)の動作軌跡を例示する比較図である。 負ぶい上げ及び負ぶい下ろしのシミュレーションにおける肩(肩峰)の動作軌跡を示する比較図である。 変形例3における移乗器具200に搭乗する前、及び、搭乗中における、自律神経系活性、交感神経系活性、及び副交感神経系活性を示する棒グラフである。 変形例3における移乗器具200に搭乗する前、及び、搭乗中における、脈拍を示する棒グラフである。
まず、本発明における背景を説明する。
車椅子を使用する高齢者または障害者(以下被介護者)にとって、例えばベッドから車椅子への移乗、又は、車椅子から椅子への移乗等が生活上必要な移乗動作である。例えば介護福祉施設等の介護現場において、介護者が被介護者の移乗動作の介助を頻繁に行う必要があり、介護者の負担が増大している。そのため、介護者の負担を軽減するニーズが高くなっている。
一方で、今日の介護現場において、介護者の負担を軽減させるための移乗器具は、車椅子のように普及していないのが現状である。移乗器具が普及していない理由として、例えば、移乗器具に被介護者を乗降させる時間や労力が掛かる点、移乗器具から被介護者が落下する危険性がある点、または、移乗器具が高価である点等が挙げられる。そのため、介護者は、移乗器具を使用せずに被介護者の移乗動作の介助を行い、肉体的精神的に負担を強いている。
そこで、既存の移乗器具より安価であり、介護者が簡単に速く移乗動作の介助を行うことができると共に、被介護者が抱き着きやすく(言い換えると、直感的におんぶ姿勢に基づいて介護者が操作しやすく、被介護者がおんぶ姿勢をとりやすい)、安心感を抱ける新たな移乗器具を開発した。
次に、本発明における実施形態を説明する。
本発明に係る実施形態の構成を、図面を参照して説明する。ただし、本発明の範囲は、図示例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1は、実施例1における移乗器具1を例示する図であり、図1(A)は斜視図であり、図1(B)は側面図である。
図1に例示するように、移乗器具1は、上半身支持部材10、下半身支持部材20、保持アーム30、脚柱40、及び、脚体50を有し、本実施形態における移乗器具1は、上半身支持部材10、下半身支持部材20、保持アーム30、脚柱40、及び、脚体50により構成されている。上半身支持部材10は、被介護者を支持した状態において、下半身支持部材20より高い位置に保持されている。また、脚柱40および脚体50は、下半身支持部材20の下方に設けられている。
また、本実施形態における移乗器具1は、トイレや病室で回転又は旋回が可能な大きさであり、少なくとも既存の歩行器と同様、又は、小さいサイズが好ましく、縦幅及び横幅ともに、例えば40cm以上60cm以下の大きさである。
(上半身支持部材10)
図1に例示するように、上半身支持部材10は、被介護者の上半身の一部を支持する支持部材であり、主として被介護者の胴部を支持する。
上半身支持部材10は、少なくとも被介護者の上半身の一部と接触する位置において、弾力性のある素材により構成されている。これにより、被介護者と直接接触する領域において、被介護者の胴体に掛かる圧力(体圧)を分散する。なお、本実施形態の上半身支持部材10は、被介護者の頭部、胴体、及び、上肢が接触する範囲において、弾力性のある素材で構成している。
また、本実施形態の上半身支持部材10は、被介護者の身体と直接触れる上張り材と、弾力性のある素材であるクッション材と、基礎材とにより構成されている。上張り材は、例えば、合成皮革生地(例えばポリ塩化ビニル系生地、ウレタン系生地、ポリアミド系生地)、パイル織生地(例えばモケット生地)、編物生地(例えばトリコット生地やニット生地)、又は、繊維織物(例えば平織り生地やコブラン織生地)等の素材である。
また、クッション材は、例えば、ポリウレタンフォーム、又は、スポンジ等の素材である。
また、基礎材は、例えば、合板材、セットスプリング、S字スプリング、又は、ウェービングテープ等である。
図2は、実施例1における上半身支持部10の構成を詳細に説明する図であり、図2(A)は正面図であり、図2(B)は側面図である。
図1及び図2に例示するように、上半身支持部10は、胴部支持部12と頭部支持部14とを有し、いわゆる頭部および胴部を有するマネキン型に形成されている。また、上半身支持部10の外形の形状は、正面視において左右非対称に形成されている。
胴部支持部12は、被介護者の胴体を支持する大きさに形成されている。例えば、胴部支持部12の厚みTは、7cm以上27cm以下の厚みに形成され、本実施形態の胴部支持部12の厚みTは、18cm以上25cm以下の厚みに形成されている。
また、胴部支持部12は、被介護者の胸部及び腹部と接触する支持面10Aを備える。支持面10Aは、被介護者の胸部及び腹部と接触する面である。支持面10Aは、縦長の形状であり、被介護者の胸部及び腹部にそれぞれ適した曲面状に形成されている。言い換えると、被介護者の胸部及び腹部に局部加圧のないような曲面状に形成されている。また、支持面10Aは、被介護者を負ぶう人の背中の曲面形状に相当する面形状に形成してもよい。
また、支持面10Aの大きさは、後述する下半身支持部材20の支持面の大きさの2倍以上3倍以下の大きさである。
また、胴部支持部12は、頭部支持部14とは反対方向に、略円錐状に突出した突出部16を備える。
頭部支持部14は、被介護者の頭部を支持する程度の大きさに形成されている。また、頭部支持部14は、任意の角度に曲げることができる。
このように、上半身支持部材10は、胴部支持部12と頭部支持部14とにより構成されている。なお、上半身支持部材10は、本発明に係る第1の支持部材の一例である。
(下半身支持部材20)
図1に例示するように、下半身支持部材20は、被介護者を支持した状態において、上半身支持部10より低い位置にあり、被介護者の下半身の一部を支持する支持部材である。下半身支持部材20は、主として被介護者の下肢(具体的には大腿部の裏)を支持する。
下半身支持部材20は、被介護者を支持した状態において、被介護者の前後方向の長さより左右方向の長さの方が長くなるよう(つまり横長となるよう)設けられた板材である。下半身支持部材20は、被介護者の大腿部の裏を支持する程度の大きさに形成されている。具体的には、下半身支持部材20の板幅が10cm以上25cm以下に形成され、本実施形態の板幅は16cm以上18cm以下に形成されている。また、下半身支持部材20の板長が40cm以上50cm以下に形成され、本実施形態の下半身支持部材20は43cm以上46cm以下に形成されている。このように、下半身支持部材20は、被介護者の大腿部の裏を支持する程度の大きさに形成されている。
また、下半身支持部材20の一方の面は、被介護者の大腿部を支持する支持面20Aとなっている。支持面20Aの表面は、例えば、被介護者の下肢を滑らせる程度の滑らかな面に形成されている。一方、下半身支持部材20の他方の面には、脚柱40を接続されている。
また、支持面20Aの大きさは、上半身支持部材10の支持面の大きさの1/3倍以上1/2倍以下の大きさである。
なお、下半身支持部材20は、本発明に係る第2の支持部材の一例である。
(保持アーム30)
保持アーム30は、下半身支持部材20より高い位置に上半身支持部材10を保持する棒体である。例えば、保持アーム30は、蛇腹状のカバーを備え、指や衣服等の挟み込みがないよう構成してもよい。
保持アーム30は、被介護者を支持した状態において、被介護者の左側または右側のどちらか一方にのみに配置されている。また、保持アーム30は、上半身支持部材10と下半身支持部材20とを接続、又は、上半身支持部材10と脚柱40とを接続している。なお、本実施形態の保持アーム30は、移乗器具1に乗った状態における被介護者の左側に位置し、下半身支持部材20の端部と上半身支持部材10とを接続している。
また、保持アーム30は、高さ調節部32と角度変更部34とを有する。
高さ調節部32は、保持された状態の被介護者の上下方向において、上半身支持部材10と下半身支持部材20との相対的な位置を変更することにより、上半身支持部材10と下半身支持部材20との離間間隔を調整する。高さ調節部32は、油圧式、手動式、又は、電動式のいずれか一つの駆動方式を採用しており、本実施形態の高さ調節部32は、油圧式である。なお、高さ調節部32は、本発明に係る位置変更部の一例である。
角度変更部34は、上半身支持部材10と下半身支持部材20との少なくとも一方において、被介護者の前後方向に対する角度を変更する。本実施形態の角度変更部34は、保持アーム30を軸回転させる前後で、被介護者の前後方向に対する上半身支持部材10の傾斜する角度を変更する。なお、角度変更部34は、本発明に係る角度変更部の一例である。
(脚柱40)
脚柱40は、介護者の操作に応じて、上半身支持部材10と下半身支持部材20との少なくとも一方を、被介護者の上下方向に移動させる駆動力伝達装置である。脚柱40は、油圧式、手動式、又は、電動式のいずれか一つの駆動方式により、上半身支持部材10と下半身支持部材20とを昇降させ高さを調節する。なお、本実施形態の脚柱40は、油圧式であり、油圧を調節する足踏みレバー(以下、油圧調節レバー)(不図示)にて圧力を調節し、上半身支持部材10と下半身支持部材20との両方を一体的に上下方向に移動させる。また、脚柱40は、±7cm以上±10cm以下の範囲内で、上半身支持部材10と下半身支持部材20とを昇降させることができる。このように、脚柱40は、上方向だけでなく下方向にも適宜に高さを調節できる。
(脚体50)
脚体50は、キャスター52と足置き台54とを備えた脚である。脚体50は、格子状の脚であってもよいし、放射状の脚であってもよい。本実施形態の脚体50は、格子状の骨組みの四隅にキャスター52を備え、格子状の骨組みの中央に足置き台54を備える。また、脚体50のキャスターは、全て同じサイズであってもよいし、一部が異なるサイズであってもよい。本実施形態の脚体50のキャスターは、移乗器具1に乗った状態における被介護者の前方側にあるキャスター52Aの大きさと、被介護者の後方側にあるキャスター52Bの大きさとが異なり、キャスター52Bの大きさよりキャスター52Aの大きさの方が大きい。例えば、キャスター52Aの車輪の大きさがキャスター52Bの車輪の大きさの2倍〜3倍である。なお、本実施形態におけるキャスター52は、キャスター52Aの車輪直径が10cmであり、キャスター52Bの車輪直径が5cmである。
これにより、介護者は、例えば、被介護者の後方側にあるキャスター52Bをベッド等の下の隙間に挿入し、上半身支持部材10および下半身支持部材20をよりベッドに近づけた状態で、被介護者を移乗器具1に移乗することができる。
このように、本実施形態における移乗器具1は、上半身支持部材10、下半身支持部材20、保持アーム30、脚柱40、及び、脚体50により構成されている。
次に、移乗器具1の動作を説明する。
図3は、実施例1における移乗器具1の動作を説明する図である。図3(A)は上半身支持部材10が後方側に回転した状態を例示する図であり、図3(B)は上半身支持部材10が前方側に回転した状態を例示する図である。
図3(A)及び図3(B)に例示するように、移乗器具1は、保持アーム30を介して上半身支持部材10と下半身支持部材20とが相対的に回転する。言い換えると、移乗器具1は、下半身支持部材20に対して上半身支持部材10が回転する。上半身支持部材10は、上半身支持部材10の回転に伴い、被介護者の前後方向に対する傾斜角度が変化する。具体的には、上半身支持部材10の傾斜角度は、上半身支持部材10が後方側に位置するときの傾斜角度Zに比べて、上半身支持部材10が前方側に位置するときの傾斜角度Yの方が大きくなる。つまり、被介護者は、前傾姿勢(前屈み)となる。
このように、移乗器具1は、従来の移乗器具のように被介護者を前後方向に回転させ前傾姿勢をとらせるものではなく、上半身支持部材10の保持アーム30における軸方向の回転と共に、被介護者を前方側に前傾させるため、被介護者は、上半身支持部材10に安心して身を任せることができる。
次に、実施例1における移乗器具1の使用方法を説明する。なお、移乗器具1の使用方法を説明するにあたり、ベッドから移乗器具1に移乗する場合を具体例として説明する。
図4は実施例1における本実施形態における移乗器具1の使用方法(S10)を説明するフローチャートであり、図5は実施例1における移乗器具1の使用方法を説明する図である。
図4に例示するように、ステップ100(S100)において、介護者は、上半身支持部材10に被服を着せる。上半身支持部材10に被服を着せることにより、上半身支持部材10を擬人化させることができる。上半身支持部材10に着せる被服には、衣服や帽子が含まれる。この被服は、例えば、被介護者自身の被服であってもよいし、被介護者の親族や配偶者の被服ものであってもよい。被服を着せることにより、例えば、被介護者の認知機能の回復や心のケア等に寄与することが期待できる。また、介護者は、着せた被服が汚れても簡単に取り換えることができるため、洗い替えカバーとして代用することができる。
ステップ102(S102)において、介護者は、移乗元のベッドの高さと、移乗先の移乗器具1の下半身支持部材20の支持面20Aの高さとを同じ高さに調整する。介護者は、ベッドの高さが例えば、床面から40cm程度の高さである場合、油圧調節レバーを操作して脚柱40の圧力を調節し、下半身支持部材20の支持面20Aの高さをベッドの高さと略同じ高さである40cm程度の高さに調節する。
ステップ104(S104)において、介護者は、上半身支持部材10に被介護者を抱き着かせる。
具体的には、図5(A)に例示するように、介護者は、被介護者をベッドに対して斜めに座位させる。介護者は、斜めに座位させた被介護者とベッドとの間に下半身支持部材20を挿入可能なように、下半身支持部材20の長手方向と下半身支持部材20の挿入方向とが同じ方向となるように移乗器具1を配置する。
図5(B)に例示するように、介護者は、保持アーム30の角度変更部34により、上半身支持部材10を被介護者の前方側に回転させた状態で、被介護者の下肢とベッドとの間に下半身支持部材20を挿入する。
図5(C)に例示するように、介護者は、被介護者の下肢とベッドとの間に下半身支持部材20を挿入した状態で、前方側に回転させた状態の上半身支持部材10を後方側に回転させ、上半身支持部材10を被介護者に接触させる。これにより、被介護者を上半身支持部材10に抱き着かせる。
図4に例示するように、ステップ106(S106)において、介護者は、上半身支持部材10に抱き着かせた状態の被介護者を、下半身支持部材20に乗せる。
具体的には、図5(D)に例示するように、介護者は、被介護者を抱き着かせた上半身支持部材10を軸回転させ、軸回転させると同時に被介護者を引き寄せながら下半身支持部材20に乗せる。また、介護者は、保持アーム30の高さ調節部32により上半身支持部材10を昇降させて、被介護者の股の間に上半身支持部材10の突出部16を挿入する。これにより、下半身支持部材20に乗った被介護者が、被介護者の前方側へのずり落ちを防止する。また、介護者は、必要に応じて、ベルト80を用いて被介護者の背面を支持する。
このように、介護者は、ベッドから被服を着せた移乗器具1に被介護者を移乗させることができる。
以上説明したように、本実施形態における移乗器具1によれば、介護者は、被介護者の移乗介助を効率的に行うことができる。
移乗器具1は、上半身支持部材10を回転させる回転動作に伴って、被介護者の前方側に上半身支持部材10を傾斜させることにより、被介護者は、腰をひねる動作を行いながら自然に前屈みとなることができる。これにより被介護者は、恐怖心を抱くことなく、安心して移乗器具を利用することができる。
また、移乗器具1は、マネキン型の上半身支持部材10に被服を着せることにより、被介護者に対しておんぶを連想させやすく、上半身支持部材10に自然と抱き着かせることが期待できる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらに限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、追加等が可能である。
[実施例2]
次に、実施例2を説明する。なお、本例では、上記実施例1と実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
図6は、実施例2における移乗器具2を例示する図であり、図6(A)は、斜視図であり、図6(B)は、正面図である。
上記実施例1において、被介護者の横方向からアプローチし被介護者を移乗させる移乗器具を説明したが、本例では、被介護者の正面からアプローチし被介護者を移乗させる移乗器具を説明する。
図6に例示するように、本変形例の移乗器具102は、上半身支持部10と下半身支持部20と保持アーム30とを有する。
上半身支持部材10は、左右対称である胴部支持部12を有する。胴部支持部12は、頭部保持凹部15と上肢支持凹部17とを有する。
頭部保持凹部15は、胴部支持部12の側壁に設けられた凹部であり、被介護者の頭部を保持する程度の凹みである。
上肢支持凹部17は、胴部支持部12の左右両方の側壁に設けられた凹部であり、被介護者の腕を保持する程度の凹みである。
下半身支持部20は、後述する保持アーム30の右側及び左側にそれぞれ設けられている。下半身支持部20は、例えば、掌程度の大きさに形成されている。
保持アーム30は、被介護者を保持した状態において、被介護者の正面に配置され、下半身支持部20より高い位置に上半身支持部10を保持するアームである。保持アーム30は、上半身支持部10と下半身支持部20との離間距離を被介護者の上下方向に可変することができる。
このように、本例の移乗器具102は、保持アーム30の右側及び左側に下半身支持部20を配置する構成により、被介護者の正面で移乗させることができる。
以上のように、本例の移乗器具102によれば、被介護者の正面からアプローチアプローチし被介護者を移乗させることができる。
次に、上記実施形態における変形例を説明する。なお、変形例では、上記実施形態と実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
[変形例1]
図7は、実施例1における移乗器具1の変形例1を例示する図である。
上記実施形態において、保持した被介護者の左側に頭部支持部14を備えた左右非対称の上半身支持部10と、保持した被介護者の左側に設けられた保持アーム30とを有する移乗器具1を説明したが、これに限定するものではない。
図7に例示するように、本変形例の移乗器具100は、保持した被介護者の右側に頭部支持部14を備えた左右非対称の上半身支持部10と、保持した被介護者の右側に設けられた保持アーム30とを有する。
このように、半身麻痺のある被介護者の状態に合わせて、上記実施例1の移乗器具1と、本変形例の移乗器具100とを使い分けることができる。
[変形例2]
図8は、実施例1における移乗器具1の変形例2を例示する図である。
図8に例示するように、変形例2における移乗器具102は、上半身支持部材10、下半身支持部材20、保持アーム30、脚柱40、及び、脚体50に加えて、背面支持部材60をさらに有する。移乗器具102は、上半身支持部材10と背面支持部材60との間に被介護者(不図示)を移乗させ、移乗した被介護者の前面の一部である胸腹部を上半身支持部材10により支持し、移乗した被介護者の背面を背面支持部材60により支持する。また、脚体50は、2輪型であるが、上記実施例1と同様に4輪型でも良い。
図8に例示した上半身支持部材10は、前面側及び後面側(不図示)において同様の構造であり、前面側及び後面側のどちらの面においても被介護者の胸腹部を支持することができる。以下、上半身支持部材10の構成説明として、便宜上、前面側に基づいて説明する。
上半身支持部材10は、移乗した被介護者の左側、言い換えると、移乗した被介護者からみた上半身支持部材10の左端に、保持アーム30を回転自在に接続される。また、移乗した被介護者の右側、言い換えると、上半身支持部材10の右端に背面支持部材60を回転自在に接続している。
また、上半身支持部材10は、被介護者により加えられた圧力を検知する圧力検知部18と、支持した状態の被介護者の心拍を検知する心拍検知部19を有する。
圧力検知部18は、弾力性のある素材により形成され、表面がメッシュ状の生地となっている。
心拍検知部19は、上半身支持部材10の支持面のうち、支持した被介護者の心臓の位置と近接する位置に配置されている。
頭部支持部14は、被介護者の頭部を支持する程度の大きさに形成されている。頭部支持部14は、被介護者の前後方向に移動でき、位置を変更することができる。頭部支持部14は、位置を変更することにより、被介護者を支持する上半身支持部材10の前面側、又は後面側のどちらかの面に傾けることができる。また、頭部支持部14は、上記で説明した圧力検知部18と、移乗器具102の進行方向を撮影するカメラ16(不図示)とを有する。
保持アーム30は、支持した状態における被介護者の左側に位置している。被介護者の左側に位置する保持アーム30は、上半身支持部材10の左端と、下半身支持部材20の左端とを接続してる。
また、保持アーム30と上半身支持部材10とを接続する接続位置と、保持アーム30と上下半身支持部材20とを接続する接続位置とには、角度変更部34がそれぞれ配置されている。保持アーム30は、角度変更部34Aを介して上半身支持部材10と回転自在に接続している。角度変更部34Aは、支持した状態の被介護者の前後方向おける、上半身支持部材10の角度を変更することができる。また、保持アーム30は、角度変更部34Bを介して下半身支持部材20と回転自在に接続している。角度変更部34Bは、支持した状態の被介護者の前後方向おける、上半身支持部材10の角度や位置を変更することができる。
背面支持部材60は、支持した状態における被介護者の右側、言い換えると、移乗した被介護者からみた上半身支持部材10の右端に配置される。背面支持部材60は、可角度変更部35Aを介して、上半身支持部材10と回転自在に接続している。これにより、背面支持部材60は、支持した状態の被介護者の前後方向おける、背面支持部材60の位置、すなわち、上半身支持部材10の前面側と後面側とに位置を変更することができる。
このように、変形例2における移乗器具102は、角度変更部34を介して上半身支持部材10の角度を変更することにより、被介護者の胸腹部を支持する面を前面側または後面側のどちらかに選択することができる。これにより、移乗器具102は、上半身支持部材10の前面側で被介護者の胸腹部を支持する場合、被介護者の右側に支持アーム30を配置する形態となるため、介護者は、被介護者の右側からアプローチし移乗させることができる。また、移乗器具102は、上半身支持部材10の後面側で被介護者の胸腹部を支持する場合、被介護者の左側に支持アーム30を配置する形態となるため、介護者は、被介護者の左側からアプローチし移乗させることができる。
また、変形例2における移乗器具102は、上半身支持部材10の右端及び左端にそれぞれに、保持アーム30及び背面支持部材60を配置することにより、被介護者に対して負ぶう人の背中を想起させることが期待できる。よって、おんぶを想起した被介護者は、直感的に移乗器具102に負ぶさるように移乗させることができる。さらに、移乗器具102に衣服を着せることでより擬人化を図ることができる。
[変形例3]
図9は、実施例2における移乗器具2の変形例3を例示する斜視図である。
図9に例示するように、変形例3における移乗器具200は、上半身支持部材10、下半身支持部材20、保持アーム30、及び、脚体50に加えて、駆動伝達部400と、頭部支持部材70をさらに有する。上半身支持部材10及び下半身支持部材20は、保持アーム30により一体的に構成され、駆動伝達部400に接続されている。また、駆動伝達部400は、脚体50に接続されている。
図9及び図10を参照し、上半身支持部材10を説明する。
図10は、変形例3における上半身支持部材10の構成を説明する図である。
図9に例示した上半身支持部材10は、被介護者の上半身の前面の一部を支持する支持部材であり、被介護者の上半身の前面の一部とは、被介護者の胴体のうち胸腹部を支持する。上半身支持部材10は、被介護者の胸腹部、及び、上肢が接触する範囲において、弾力性のある素材で構成されている。上半身支持部材10の構造は、上記実施例1及び実施例2と実質的に略同様の構造である。
また、図10に例示するように、上半身支持部材10の外形の形状は、左右対称でありかつ角を丸めた、略台形の形状に形成されている。上半身支持部材10は、左右方向の各側面が丸く凹状に窪んだ上肢支持凹部17を備え、被介護者の腕を支持する程度の凹みとなっている。また、上半身支持部材10の下方向の側面も丸く凹状に窪んでいる。
また、上半身支持部材10の支持面は、周縁部より中央部が凹んでおり、周縁部から中央部に滑らかに連続している。
上半身支持部材10の上方に位置する横幅W1寸法は、約23cm以上約29cm以下の大きさであり、上半身支持部材10の下方に位置する横幅W2寸法は、約36m以上約42cm以下の大きさである。本例の上半身支持部材10の横幅W1寸法は約26cmであり、横幅W2寸法は約39cmである。また、上半身支持部材10の高さH寸法は、約30cm以上約36cm以下であり、本例の上半身支持部材10の高さH寸法は、約33cmである。また、上半身支持部材10の厚みTは、約3cm以上約27cm以下の厚みに形成され、本例の上半身支持部材10の厚みTは、約15cmである。なお、上半身支持部材10に支持された被介護者の上半身において、局所加圧のない、又は、加圧力が増加しないのであれば上半身支持部材10の厚みを変更することができる。例えば、約15cmの厚みの上半身支持部材10に支持された被介護者の上半身にかかる圧力分布と、約4cmの厚みの上半身支持部材10に支持された被介護者の上半身にかかる圧力分布とを比較して、取り分け局所加圧のない、又は、加圧力が増加しないのであれば、厚みを薄くすることができる。
また、上半身支持部10の支持面の大きさは、下半身支持部材20の支持面の大きさの2倍以上7倍以下の大きさであり、本例の上半身支持部10の支持面の大きさは、下半身支持部材20の支持面の大きさの4倍以上7倍以下の大きさである。
次に、図9及び図11を参照し、下半身支持部材20を説明する。
図11は、変形例3における移乗器具200の他の構成を詳細に説明する図である。
図9に例示した下半身支持部材20は、被介護者を支持した状態において、上半身支持部10より低い位置にあり、被介護者の下肢(具体的には大腿部の裏)を支持する。下半身支持部材20は、下肢が接触する範囲において、弾力性のある素材で構成されている。下半身支持部材20の構造は、上記実施例の上半身支持部材10と略同様の構造である。
また、図11に例示するように、下半身支持部材20は、半球状の形状の支持面を備える、縦横比が略同じ形状、すなわち、正方形の形状の形成されている。なお、下半身支持部材20の支持面形状は、これに限定するものではなく、支持した被介護者の前後方向に伸ばした、いわゆる縦長の形状や、上記実施例2と実質的に同様の被介護者の左右方向に伸ばした、いわゆる横長の形状に適宜変更することができる。例えば、被介護者を支持した状態において、被介護者の大腿部の裏との接触面積をより小さくする場合、支持面形状の縦横比が略同じ形状である下半身支持部材20を選択し、また、被介護者の大腿部の裏との接触面積をより大きくする場合、支持面形状が縦長の形状である下半身支持部材20を選択し、また、被介護者の大腿部周りとの接触をより多くする場合は、支持面形状が横長の形状である下半身支持部材20を選択することができる。
また、下半身支持部材20の大きさは、介護者の手の大きさを想定した大きさに形成されている。下半身支持部材20の支持面の大きさは、上半身支持部10の支持面の大きさの1/7倍以上1/2倍以下の大きさであり、本例の半身支持部材20の支持面の大きさは、上半身支持部10の支持面の大きさの1/4倍以上1/7倍以下の大きさである。下半身支持部材20の縦寸法W及び横寸法Dが約12cm以上約18cm以下であり、本例の下半身支持部材20の縦寸法W及び横寸法Dは、約13cmである。
次に、図9及び図11を参照し、保持アーム30を説明する。
図9に例示した保持アーム30は、支持した被介護者の正面に位置し、上半身支持部材10と下半身支持部材20とを接続してる。保持アーム30は、上半身支持部材10と下半身支持部材20との離間距離を変更することができる。
また、保持アーム30には、支持した被介護者の下肢が接触する位置、具体的には、下半身支持部材20との間において、保護カバー36が配置されている。図11に例示した保護カバー36は、可撓性を有する合成樹脂製シート材である。これにより、支持された被介護者は、保持アーム30の接触による局所的な加圧を下肢に受けることなく、移乗器具200に乗ることができる。
次に、図12を参照し、駆動伝達部400の構成を説明する。
図12は、変形例3における駆動伝達部400の構成を詳細に説明する図である。
図12に例示するように、駆動伝達部400は、上半身支持部材10および下半身支持部材20を、被介護者の前後方向に傾ける動作と、上半身支持部材10および下半身支持部材20を、被介護者の上下方向に移動させる動作とを複合的に行う装置である。なお、詳細は、図15及び図16にて後述する。
駆動伝達部400は、第1支柱402と、第2支柱404と、第1アクチュエータ410と、第2アクチュエータ412と、操作装置430とを有する。
第1支柱402、及び、第2支柱404は、柱状の中空材である。第1支柱402の一方の端部には、脚体50が接続され、第1支柱402の他方の端部には、第2支柱404が接続されている。第1支柱402と脚体50との接続位置(第1関節部440)において、第1支柱402は、回転自在となっている。
また、第2支柱404の一方の端部には、第1支柱402が接続され、第2支柱404の他方の端部には、保持アーム30が接続されている。第2支柱404と第1支柱402との接続位置(第2関節部442)において、第2支柱404は、回転自在となっている。
第1アクチュエータ410、及び、第2アクチュエータ412は、油圧式、手動式、又は、電動式のいずれか一つの駆動方式により、被介護者の前後方向及び上下方向に上半身支持部材10および下半身支持部材20を移動させる動作装置である。本例の第1アクチュエータ410、及び、第2アクチュエータ412は、電動式である。
第1アクチュエータ410は、第1支柱402と脚体50とに接続されている。第1アクチュエータ410は、ピストンロッドを往復させることにより、第1関節部440を中心として、第1支柱402を前後方向に回転させる。また、第2アクチュエータ412は、第1支柱402と第2支柱404とに接続されている。第2アクチュエータ412は、ピストンロッドを往復させることにより、第2関節部442を中心として、第2支柱404を前後方向に回転させる。
操作装置430は、第1アクチュエータ410、及び、第2アクチュエータ412のピストンロッドのピストン操作を行う操作装置である。操作装置430は、有線又は無線形式により、各アクチュエータに対してピストン操作を行う。操作装置430は、各アクチュエータそれぞれを操作してもよし、各アクチュエータを同時に操作してもよい。本例の操作装置430は、各アクチュエータそれぞれを個別に操作する。
次に、図13を参照し、頭部支持部材70を説明する。
図13は、変形例3における頭部支持部材70を説明する図である。図13(A)は頭部支持部材70の構成を詳細に説明する図であり、図13(B)は頭部支持部材70の位置を例示する図である。
図13(A)に例示するように、頭部支持部材70は、支持された状態の被介護者の頭部を支持する支持部材である。頭部支持部材70は、土台72とクッション42とを有し、これらを組み合わせてなる。
土台72は、クッション42を保持する半円状の土台である。
クッション42は、復元力のある弾性部材であり、被介護者の頭部を支持する。
また、頭部支持部材70は、左右位置変更部75を介して、上半身支持部材10に固定されている。
左右位置変更部75は、支持した被介護者の左右方向に、頭部支持部材70の位置を自在に変更する。左右位置変更部75は、2枚のプレート(プレートA及びB)を互いに接続し、一方のプレートを回転自在とする。具体的には、左右位置変更部75は、プレートAの一方の端部と、プレートB一方の端部とを回転自在に接続している。また、左右位置変更部75は、プレートAの他方の端部に上半身支持部材10が固定され、プレートBの他方の端部に土台72が回転自在に接続されている。これにより、土台72は、プレートB及びプレートAの接続位置(第1接続部76)を中心とした回転動作を行うことができる。また、土台72は、プレートBと土台72との接続位置(第2接続部78)を中心とした回転動作を行うことができる。
このように、頭部支持部材70は、図13(A)に例示した左右位置変更部75による回転動作により、図13(B)に例示するように、介護者は、頭部支持部材70を左右方向に移動させることができる。また、頭部支持部材70は、図13(A)に例示した第2接続部78を中心とした回転動作により、図13(B)に例示するように、介護者は、頭部支持部材70をその場で回転させることができる。
次に、図14を参照し、上半身支持部材10の傾斜角度を説明する図である。
図14は、上半身支持部材10を前後方向に傾斜させた状態を例示する図であり、図14(A)は、負ぶい上げ動作完了時における上半身支持部材10を前方向に傾斜させた状態であり、図14(B)は、負ぶい下ろし動作完了時における上半身支持部材10を後方向に傾斜させた状態である。ここで、負ぶい上げ動作とは、一方の人の背中に他方の人を乗せた状態において、一方の人が腰を落とした状態から立位の状態となることで、他方の人を担ぎ上げる動作である。即ち、他方の人を担ぎ上げる動作である。本例では、移乗元であるベッドや椅子等に座る被介護者を上半身支持部材10に抱き着かせ、上半身支持部材10に抱き着かせた状態の被介護者を移乗元から担ぎ上げる動作である。
また、負ぶい下ろし動作とは、例えば一方の人が他方の人を担ぎ上げた状態において、一方の人が立位の状態から腰を落とした状態となることで、担ぎ上げた状態にある他方の人を下ろす動作である。即ち、担ぎ上げた状態の他方の人を下ろす動作である。本例では、上半身支持部材10に抱き着き、担ぎ上げた状態の被介護者を移乗先であるベッドや椅子等に下ろす動作である。
図14(A)に例示するように、負ぶい上げ動作完了時において、駆動伝達部400は、既定の角度の範囲内で、上半身支持部材10を前方向に傾ける。前方向に傾ける既定の角度とは、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と、垂直方向との間の角度Aであり、垂直方向からのなす角度Aが45度以上65度以下の範囲となる角度である。これにより、被介護者の安心感を損なうことなく、被介護者を搭乗させることができる。
一方で、駆動力伝達部400は、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と垂直方向との間の角度が66度以上となる場合、被介護者の頭部が前方に傾く。これにより被介護者は、前方に転倒するという不安感を抱く可能性がある。さらに、被介護者の胸部や腹部を圧迫し苦痛にさせるおそれがある。また、駆動力伝達部400は、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と垂直方向との間の角度が44度以下となる場合、被介護者が後方に傾く。これにより、被介護者は、後方に転倒するという不安感を抱く可能性がある。
よって、駆動力伝達部400は、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と垂直方向との間の角度Aが45度以上65度以下の範囲となるよう、被介護者の前方向に上半身支持部材10を傾けることが好ましい。なお、本例の駆動力伝達部400は、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と垂直方向との間の角度Aが60度程度となるよう、被介護者の前方向に上半身支持部材10を傾けるものとする。
また、図14(B)に例示するように、負ぶい下ろし動作完了時において、駆動伝達部400は、既定の角度の範囲内で、上半身支持部材10を後方向に傾ける。後方向に傾ける既定の角度とは、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と、垂直方向との間の角度Bであり、垂直方向からのなす角度Bが0度以上10度以下の範囲となる角度である。なお、本例の駆動力伝達部400は、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と垂直方向との間の角度Bが0度以上3度以下程度となるよう、被介護者の後方向に上半身支持部材10を傾けるものとする。これにより、被介護者は、臀部を移乗先に載せることができるため、安心感して本移乗器具200から下りることができる。
次に、図15及び図16を参照し、変形例3における移乗器具200の動作を説明する。動作の一例として、被介護者を負ぶい上げた後、負ぶい下ろし動作を行う場合を説明する。
(負ぶい上げ動作)
図15は、変形例3における移乗器具200の負ぶい上げ動作を説明する図である。
図15(A)に例示するように、まず、介護者は、被介護者CRを移乗させる前に上半身支持部材10の位置を調節する。介護者は、第1アクチュエータ410のピストンロッドを伸ばし第1支柱402を後方向に傾ける。これにより、上半身支持部材10は、鉛直方向に対して平行に近い位置となる。介護者は、上半身支持部材10の位置の調節後に、移乗器具200に被介護者CRを移乗させる。
介護者は、移乗器具200を手動で運搬し、被介護者CRに対して正面から近づける。介護者は、上半身支持部材10に被介護者CRを抱き着かせると共に、被介護者CRの下肢を下半身支持部材20の上に配置する。このとき、被介護者CR大腿部の裏が下半身支持部材20の上に載る位置に配置する。
次に、図15(B)に例示するように、介護者は、移乗器具200を操作し、ベッドに座位する被介護者を持ち上げる。ここで、移乗器具200は、ベッドの高さBH寸法が約45cmの位置に座位する被介護者を持ち上げる。
介護者は、被介護者の前方向に上半身支持部材10と下半身支持部材20とを傾けながら、被介護者の上方向に移動させる。すなわち被介護者CRを負ぶい上げる。具体的には、介護者は、第1アクチュエータ410のピストンロッドを縮め、第1支柱402を前方向に傾ける。これにより、被介護者は、前方向に傾きながら上方向に持ち上がる。
次に、図15(C)に例示するように、介護者は、操作装置430を操作し、上半身支持部材10をさらに前方向に傾けることにより、被介護者CRをさらに負ぶい上げる(負ぶい上げ完了)。具体的には、介護者は、第2アクチュエータ412のピストンロッドを伸ばし、第2支柱404を前方向に傾ける。これにより、被介護者は、前方向に傾きながら上方向にさらに持ち上がる。このとき、第2アクチュエータ412は、上半身支持部材10の支持面の傾斜方向と垂直方向との間の角度Aが垂直方向との間の角度Aが約60度程度となるよう、上半身支持部材10を傾ける。
介護者は、移乗器具200に被介護者を乗させた状態で、移乗器具200を移乗先に移動させる。このように、介護者は、被介護者をベッドBから移乗器具200に移乗させることができる。
(負ぶい下ろし動作)
図16は、変形例3における移乗器具200の負ぶい下ろし動作を説明する図である。
図16(A)に例示するように、介護者は、移乗先である椅子Cに移乗器具200を近づける。介護者は、操作装置430を操作し、被介護者の後方向に上半身支持部材10と下半身支持部材20とを傾けながら、被介護者を下方向に移動させる。具体的には、第2アクチュエータ412のピストンロッドを縮め、第2支柱404を後方向に傾ける。これにより、被介護者は、後方向に傾きながら下方向に降下する。
図16(B)に例示するように、介護者は、操作装置430を操作し、上半身支持部材10をさらに後方向に傾けることにより、被介護者CRを椅子C上に降下させる。具体的には、介護者は、第1アクチュエータ410のピストンロッドを伸ばし、第1支柱402を後方向に傾ける。これにより、被介護者は、後方向に傾きながら下方向に下りることができる。
図16(C)に例示するように、介護者は、操作装置430を操作し、被介護者CRを椅子Cの上に下ろした後に、上半身支持部材10を垂直方向よりさらに後方向に傾ける(負ぶい上げ完了)。このとき、第1アクチュエータ410は、垂直方向と上半身支持部材10の支持面の傾斜方向との間の角度Bが約0度以上3度程度となるよう、上半身支持部材10を傾ける。介護者は、被介護者を椅子Cの上に下ろした後に、下半身支持部材20に載せられた被介護者CRの下肢を下ろすと共に、上半身支持部材10の抱き着きを解かせる。その後、介護者は、手動で移乗器具200を運搬し他の場所に移動させる。このように、介護者は、被介護者を移乗器具200から椅子Cに移乗させることができる。
以上のように、本例の移乗器具200によれば、被介護者をおんぶするかのように、被介護者の負ぶい上げ下ろし動作を行うことができる。
図17は、図15及び図16に例示した上半身支持部材10の動作軌跡を示す模式図である。
図17に例示するように、移乗器具200の上半身支持部材10の動作軌跡は、負ぶい上げ動作及び負ぶい下ろし動作ともに、略同様の軌跡を取る。このうち、以下の説明を負ぶい上げ動作を具体例に説明する。
上半身支持部材10の負ぶい上げ動作順に10Aから10Hとすると、負ぶい上げ動作開始時10Aから負ぶい上げ動作完了時10Hまでにおいて、上下方向における上半身支持部材10の位置は、負ぶい上げ動作開始時10Aの位置において一番低い位置となり、負ぶい上げ動作完了時10Hにおいて一番高い位置となる。
上半身支持部10の軌跡(10Aから10H)は、時間の経過に伴って、被介護者の前方向に対して回転している。また、上半身支持部材10(10Aから10H)の各上部位置をG点とし、動作順にG1からG8とすると、上半身支持部材10の上部位置G点の軌跡は、時間の経過に伴って被介護者の前方向に移動しながら、上方向に移動している。即ち、上半身支持部材10は、時間の経過に伴って、被介護者の前方向に対して傾きながら、被介護者の上方向に移動していることを意味する。
以上説明したように、介護者が約45cm程度の位置(ベッドや椅子)に座位する被介護者を負ぶい上げること(いわゆる低重心位置からのおんぶ動作)は困難であったが、変形例3における移乗器具200によれば、低重心位置からのおんぶ動作を容易に行うことができる。
また、移乗器具200によれば、被介護者をおんぶの状態で持ち上げるため、介護者は、被介護者の排泄介助において、被介護者の下肢衣服の着脱衣作業を容易に行うことができる。
[低重心位置からのおんぶ動作におけるシミュレーションの比較]
人間(成人)が低重心位置からのおんぶ動作を行った場合(以下、パターンA)と、移乗器具200が低重心位置からのおんぶ動作を行った場合(以下、パターンB)とのおんぶ動作をシミュレーション比較した。
(シミュレーションの条件)
(パターンA:人間が低重心位置からのおんぶ動作を行った場合)
おぶう側の被験者と、おぶわれる側の被験者とを同身長の成人男性とし、モーションキャプチャ計測を行った。
(パターンB:移乗器具200が低重心位置からのおんぶ動作を行った場合)
ぶわれる側の被験者として、パターンAに採用したおぶわれる側の被験者と同身長の成人男性とし、モーションキャプチャ計測を行った。
(シミュレーションの結果)
以下、図18〜図20を参照し説明する。
図18は、負ぶい上げ及び負ぶい下ろしのシミュレーションにおける重心位置の動作軌跡を例示する比較図である。
図19は、負ぶい上げ及び負ぶい下ろしのシミュレーションにおける股関節(大転子)の動作軌跡を例示する比較図である。
図20は、負ぶい上げ及び負ぶい下ろしのシミュレーションにおける肩(肩峰)の動作軌跡を示する比較図である。
図18〜図20に例示するように、パターンAと、パターンBとのシミュレーションの結果から、両パターンの動作軌跡に類似性を確認できた。また、パターンBは、パターンAより、滑らかな曲線を描いており、さらに負ぶい上げ動作の軌跡と、下ろす動作の軌跡とが略同じ曲線を描くことが確認できた。即ち、パターンBの方が、動作軌跡の急激な変位が制御されているため、滑らかな動きを再現に繋がったと考えられる。
[移乗器具200に搭乗する前、及び、搭乗中における上半身支持部材10から受ける精神的な負荷比較]
移乗器具200に搭乗する前の安静座位の場合(以下、パターンA)、及び、搭乗してから1分後の場合(以下、パターンB)において、負ぶわれる側の被験者の心身に生じる負荷活動の変化を、自律神経反応器を用いて計測をした。
(計測条件)
被験者の指尖部の動脈圧波形を1?2分間計測し、1拍ごとの収縮期圧を時系列波形に変換し、血管運動由来のゆっくりと変動する波(低周波数帯LF:0.04?0.15Hz)と、呼吸の機械的な血圧変動由来の速く変動する波(高周波数帯HF:0.15?0.5Hz)とを周波数解析を行い、LF/HF の比率を計測した。
(計測方法)
自律神経系の変化として、交感神経系(SNS)、副交感神経系(PSNS)SNS/PSNS の比率(ANS activity:自律神経活性)の評価を実施した。計測対象は、女性2 名、男性4 名に2 施行ずつ、計12 施行を実施した。
(実験結果)
以下、図21及び図22を参照し説明する。
図21は、変形例3における移乗器具200に搭乗する前、及び、搭乗中における、自律神経系活性、交感神経系活性、及び副交感神経系活性を示する棒グラフである。
図22は、変形例3における移乗器具200に搭乗する前、及び、搭乗中における、脈拍を示する棒グラフである。
図21(A)に例示する、自律神経系活性(ANS activity)によれば、パターンAが7.4±0.5 であるのに対し、パターンBが6.3±0.8となった。
また、図21(B)に例示する、交感神経活性(SNS Act)によれば、パターンAが6.4±0.7であるのに対し、パターンBが5.5±1.0となった。
また、図21(C)に例示する、副交感神経系(PSNS)によれば、パターンAが5.7±0.5であるのに対し、パターンBが4.9±0.9 となった。
図22に例示する、心拍数の変化(HRV index)によれば、パターンAが11.9±3.1 であるのに対し、パターンBが8.5±2.5 となった。
(結論)
移乗器具200を用いた自律神経系の反応を測定した結果、パターンAに比してパターンBの方が、自律神経の活性、脈拍変位などは低下したことが確認できた。すなわち、搭乗中における心身機能への著しい負荷増大には繋がっていないと考えられる。また、搭乗中においてリラックス状態となっていると考えられる。
1、2、100、102、200…移乗器具
10…上半身支持部材
12…胴部支持部
14…頭部支持部
20…下半身支持部材
30…保持アーム
32…高さ調節部
34…角度変更部
40…脚柱
50…脚体
15…頭部保持凹部
17…上肢支持凹部
18…圧力検知部
19…心拍検知部
16…カメラ
60…背面支持部材
36…保護カバー
400…駆動伝達部
402…第1支柱
404…第2支柱
410…第1アクチュエータ
412…第2アクチュエータ
440…第1関節部
442…第2関節部
430…操作装置
70…頭部支持部材
72…土台
74…クッション
76…第1接続部
78…第2接続部
79…左右位置変更部

Claims (17)

  1. 被介護者の上半身の前面の一部を支持する第1の支持部材と、
    被介護者の下半身の一部を支持する第2の支持部材と、
    介護者の操作に応じて、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方を、被介護者の上下方向に移動させる駆動力伝達装置と
    を有し、
    前記第1の支持部材は、被介護者を支持した状態において、前第2の支持部材より高い位置に保持され、
    前記第1の支持部材は、3cm以上27cm以下の厚みであり、少なくとも被介護者の上半身の一部と接触する位置において、弾力性のある素材により構成されている
    移乗器具。
  2. 前記第1の支持部材の支持面の形状は、縦長の形状であり、
    前記第2の支持部材の支持面の形状は、横長の形状、縦長の形状、又は縦横比が略同じ形状である
    請求項1に記載の移乗器具。
  3. 前記第1の支持部材の支持面の大きさは、前記第2の支持部材の支持面の大きさの2倍以上7倍以下である
    請求項2に記載の移乗器具。
  4. 前記第1の支持部材は、被介護者の支持する面において、被介護者の胸部及び腹部にそれぞれ適した曲面状に形成されている
    請求項3に記載の移乗器具。
  5. 前記第1の支持部材の外形の形状は、被介護者に対して左右対称に形成されている
    請求項4に記載の移乗器具。
  6. 前記第1の支持部材の外形の形状は、被介護者に対して左右非対称に形成されている
    請求項4に記載の移乗器具。
  7. 前記第2の支持部材は、板状であり、板幅が10cm以上25cm以下の幅に形成されている
    請求項2に記載の移乗器具。
  8. 前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方において、被介護者の前後方向に対する角度を変更する角度変更部
    をさらに有する
    請求項1に記載の移乗器具。
  9. 被介護者を支持した状態において、前記第2の支持部材より高い位置に前記第1の支持部材を保持する保持アーム
    をさらに有し、
    前記角度変更部は、前記保持アームを軸回転させる前後で、前記第1の支持部材の角度を変更する
    請求項8に記載の移乗器具。
  10. 前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方において、保持された状態の被介護者の上下方向に対する当該第1の支持部材と当該第2の支持部材との相対的な位置を変更する位置変更部
    をさらに有する
    請求項1に記載の移乗器具。
  11. 被介護者を支持した状態において、前記第2の支持部材より高い位置に前記第1の支持部材を保持する保持アーム
    をさらに有し、
    前記保持アームは、被介護者の左側または右側のどちらか一方にのみに配置され、前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材における、右端または左端の一方を接続し、
    前記角度変更部は、前記第1の支持部材と前記保持アームとの接続位置、及び、前記第2の支持部材と前記保持アームとの接続位置の少なくとも一方に配置され、被介護者の前後方向に対する当該第1の支持部材の角度を変更する
    請求項8に記載の移乗器具。
  12. 前記駆動力伝達装置は、被介護者を支持した状態において、前記第1の支持部材を被介護者の前方向に傾けながら、当該第1の支持部材を被介護者の上方向に移動させる
    請求項1に記載の移乗器具。
  13. 被介護者の負ぶい上げ動作が完了したときにおいて、
    前記駆動力伝達装置は、前記第1の支持部材の支持面の傾斜方向と、垂直方向との間の角度が45度以上65度以下となるよう、被介護者の前方向に前記第1の支持部材を傾ける
    請求項12に記載の移乗器具。
  14. 前記第1の支持部材の上方に保持され、当該第1の支持部材との接続位置を中心として回転自在に設けられ、支持された状態の被介護者の頭部を支持する頭部支持部材と、
    支持された状態の被介護者の左右方向に、前記頭部支持部材の位置を変更する左右位置変更部と
    をさらに有する
    請求項12に記載の移乗器具。
  15. 被介護者の上半身の一部を支持する第1の支持部材と、
    被介護者の下半身の一部を支持する第2の支持部材と、
    被介護者を支持した状態において、被介護者の左側または右側のどちらか一方にのみに配置され、前第2の支持部材より高い位置に前記第1の支持部材を保持する保持アームと、
    介護者の操作に応じて、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材との少なくとも一方を、被介護者の上下方向に移動させる駆動力伝達装置と
    を有する
    移乗器具。
  16. 被介護者の上半身の一部を支持する、マネキン型に成形された第1の支持部材に、被服を着せる工程と、
    被服を着せた前記第1の支持部材に被介護者を抱き付かせる工程と
    を有する移乗器具の使用方法。
  17. 前記第1の支持部材に抱き付かせた被介護者の下半身の一部を第2の支持部材に乗せる工程
    をさらに有する
    請求項16に記載の移乗器具の使用方法。
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