JP2019168629A - 光変調装置及びプロジェクター - Google Patents

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Abstract

【課題】コントラストの低下を抑制できる光変調装置及びプロジェクターを提供する。【解決手段】光変調装置は、素子基板、対向基板及び液晶層を備え、素子基板は、第1方向及び第2方向に延在する遮光層と、それぞれ遮光層によって囲まれた複数の画素開口部と、複数の画素開口部に応じてそれぞれ設けられた複数の画素電極とを有し、遮光層は、第1方向に延在する複数の第1配線部、第2方向に延在する複数の第2配線部、及び、複数のスイッチング素子を有し、対向基板は、共通電極と、複数のマイクロレンズとを有し、マイクロレンズを介して進行する光の進行方向とマイクロレンズの光軸との最大の交差角をθとし、画素ピッチをaとし、第1配線部及び第2配線部のいずれかの線幅をbとすると、遮光層の位置は、マイクロレンズのレンズ主面から次式;L=(a−b/2)・tan(90°−θ)によって示される寸法Lまでの範囲内である。【選択図】図6

Description

本発明は、光変調装置及びプロジェクターに関する。
従来、入射される光を変調して画像を形成する光変調装置が知られている。このような光変調装置として、素子基板と対向基板とがシール材によって貼り合わされ、素子基板と対向基板との間に液晶層が設けられた液晶パネルが知られている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載の液晶パネルでは、素子基板において対向基板と対向する面側に、画素電極及び画素トランジスター等がマトリクス状に配列されている。また。対向基板において素子基板と対向する面には、共通電極が形成されている他、共通電極の下層側に遮光層が形成され、共通電極の表面には配向膜が形成されている。遮光層は、表示領域の外周縁に沿って延在する額縁部分として形成されており、遮光層の内周縁によって表示領域が規定される。遮光層は、隣り合う画素電極により挟まれた画素間領域に重なるブラックマトリクス部としても形成されている。
また、TFT等のスイッチング素子を遮光する遮光部の開口部に対応するマイクロレンズを有する液晶パネルを、上記光変調装置として備える液晶表示装置が知られている(例えば特許文献2参照)。
特許文献2に記載の液晶表示装置では、光源としてのランプから出射された白色光は、色分解ダイクロイックミラーによって赤、緑及び青の色光に色分解され、各色光を変調する液晶パネルにそれぞれ入射される。各液晶パネルによって変調された各色光は、クロスダイクロイックプリズムによって色合成され、投射レンズを通じて外部のスクリーン等に投射される。
各液晶パネルは、各色光の焦点距離を同じとするマイクロレンズを有する。このため、各液晶パネルにおいて、遮光部の開口部に対する集光スポットを同等に合わせることができ、それぞれの結像位置を一致させることができる。つまり、各色光において、形成される集光スポットが同じ大きさとなり、開口部から出射された後の発散角が略同じとなることから、各色光の光利用効率が向上され、より明るい画像表示が得られる。
特開2016−177230号公報 特開2002−148617号公報
近年、画像表示装置は、高精細化及び高輝度化の要望が高まってきている。高精細化に対しては、液晶パネルの画素ピッチを小さくして、液晶パネルに形成される画素数を多くすることによって実現することが提案され、また、高輝度化に対しては、各画素の開口率を高めることが提案されている。
しかしながら、高精細化及び高輝度化を同時に実現しようとすると、各画素の開口率を高めるために、スイッチング素子、走査線及びデータ線が配設された配線部分の線幅(画素の平面視で配線部分の延在方向に直交する方向の寸法)を小さくすることが求められるが、配線部分の線幅を小さくすると配線部分の層数の増加につながり、配線部分の層厚(画素を光が通過する方向の寸法)が大きくなりやすい。
一方、凸曲面を有するマイクロレンズに対する光の入射位置が外縁側に向かうに従って、マイクロレンズを通過した光の進行方向とマイクロレンズの光軸との交差角は、大きくなりやすい。例えば、マイクロレンズの中心近傍の位置を通過した光では、上記交差角は小さく、当該光は、マイクロレンズの光軸に沿うように進行する。しかしながら、マイクロレンズの外縁近傍の位置を通過した光では、上記交差角は大きくなりやすく、当該光は、マイクロレンズの光軸を中心として、マイクロレンズに対する光の入射位置とは反対側の周縁部分に向かって進行し得る。
このように周縁部分に向かう光は、配線部分の内側側面(画素の中心側の側面)に入射される可能性があり、配線部分の内側側面に光が入射されると、光の偏光状態が変化してしまい、形成される画像のコントラストが低下するという問題がある。
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決することを目的としたものであり、コントラストの低下を抑制できる光変調装置及びプロジェクターを提供することを目的の1つとする。
本発明の第1態様に係る光変調装置は、それぞれ入射される光を変調する複数の画素を有する光変調装置であって、素子基板と、前記素子基板に対向する対向基板と、前記素子基板及び前記対向基板の間に位置する液晶層と、を備え、前記素子基板は、前記光変調装置に入射される光の進行方向に交差し、かつ、互いに交差する第1方向及び第2方向に延在する遮光層と、前記複数の画素に応じて設けられ、それぞれ前記遮光層によって囲まれ、入射された光が通過する複数の画素開口部と、前記複数の画素開口部に応じてそれぞれ設けられた複数の画素電極と、を有し、前記遮光層は、それぞれ前記第1方向に延在する複数の第1配線部と、それぞれ前記第2方向に延在する複数の第2配線部と、前記複数の第1配線のうちの1つ、前記複数の第2配線部のうちの1つ、及び、前記複数の画素電極のうちの1つとそれぞれ接続される複数のスイッチング素子と、を有し、前記対向基板は、前記液晶層を挟んで前記複数の画素電極と対向する共通電極と、前記複数の画素に応じてそれぞれ配置され、入射される光を集光する複数のマイクロレンズと、を有し、前記マイクロレンズを介して進行する光の進行方向と、前記マイクロレンズの光軸に平行な軸との交差角のうち、最大の交差角をθとし、前記複数の画素の画素ピッチをaとし、前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向における寸法、及び、前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向における寸法のいずれかの寸法をbとすると、前記光の進行方向における前記遮光層の位置は、前記マイクロレンズのレンズ主面から、次式;
L = (a−b/2)・tan(90°−θ)
によって示される寸法Lまでの範囲内であることを特徴とする。
なお、スイッチング素子としては、TFT(Thin Film Transistor)及びTFD(Thin Film Diode)を例示できる。
このような構成によれば、マイクロレンズに入射されてレンズ主面から出射される光のうち、上記交差角が最も大きい光線が、遮光層の内側側面(遮光層において画素の中心側の側面)に入射されることを抑制できる。詳述すると、マイクロレンズにおいて一端側の外縁に入射されてレンズ主面から最も大きな上記交差角で出射された光が、マイクロレンズの中心を挟んで他端側の周縁に位置する遮光層の内側側面に入射することを抑制できる。換言すると、上記交差角が最も大きい光が内側側面に入射しづらい位置に、遮光層を配置できる。このため、画素内を通過する光の一部が遮光層の内側側面に入射することを抑制できるので、偏光状態が変化する光の発生を抑制でき、光変調装置によって形成される画像のコントラストが低下することを抑制できる。
上記第1態様では、前記対向基板は、前記マイクロレンズと前記液晶層との間に設けられる光路長調整層を備えることが好ましい。
このような構成によれば、光路長調整層の層厚を調整することによって、マイクロレンズからの遮光層の位置を調整できる。従って、上記範囲内に遮光層を配置しやすくすることができる。
上記第1態様では、前記複数のマイクロレンズは、光入射側から見て中心側に位置する低屈折率部と、光入射側から見て前記低屈折率部より外縁側に位置する高屈折率部と、を有することが好ましい。
ここで、上記範囲内に遮光層を配置した場合、画素の平面視でマイクロレンズにおける一端側の外縁に入射された光が、他端側に位置する遮光層の内側側面に入射することを抑制できる。一方で、レンズ主面に対して遮光層の位置が近くなると、画素の平面視でマイクロレンズの外縁に入射された光が、遮光層におけるマイクロレンズ側の端面に入射され、遮光されやすくなる。このため、画素を通過する光量が低下し、光変調装置によって形成される画像の明るさが低下する。
これに対し、マイクロレンズが、低屈折率部に対して外縁側に位置する高屈折率部を有することにより、マイクロレンズの外縁に入射された光を、画素の中心側に屈折させて進行させることができる。従って、遮光層によって遮光される光量を低減できるので、光変調装置によって形成される画像の明るさの低下を抑制でき、当該画像の明るさを高めることができる。
なお、低屈折率材料は、高屈折率材料に比べて、光が通過する際の光量損失が少ない。このため、入射光量が外縁側に比べて高いことが想定されるマイクロレンズの中心部に低屈折率部が位置することにより、マイクロレンズの通過光量の低下を抑制でき、形成される画像の明るさの低下を好適に抑制できる。
本発明の第2態様に係るプロジェクターは、光源装置と、前記光源装置から出射された光を変調する上記光変調装置と、前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とする。
このような第2態様に係るプロジェクターによれば、上記第1態様に係る光変調装置と同様の効果を奏することができるので、コントラストが高い画像を形成及び投射できる。
本発明の第1実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図。 上記第1実施形態における液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 図1のIII−III線における液晶装置の構造を示す概略断面図。 上記第1実施形態におけるマイクロレンズの配置を示す概略平面図。 上記第1実施形態における液晶装置の比較例である液晶装置の画素を通過する1つの光線の光路を示す模式図。 上記第1実施形態における液晶装置の画素を通過する1つの光線の光路を示す模式図。 上記第1実施形態におけるTFTの位置と明るさの比率とを示すグラフ。 上記第1実施形態におけるTFTの位置とコントラストの比率とを示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る液晶装置が備える画素を示す模式図。 上記第2実施形態における液晶装置の比較例である液晶装置の画素を通過する光線の光路を示す模式図。 上記第2実施形態における液晶装置の画素を通過する光線の光路を示す模式図。 上記第2実施形態におけるマイクロレンズの第1製造工程を示す模式図。 上記第2実施形態におけるマイクロレンズの第2製造工程を示す模式図。 上記第2実施形態における第1変形例の液晶装置の画素を示す模式図。 上記第2実施形態における第2変形例の液晶装置の画素を示す模式図。 上記第2実施形態における第3変形例の液晶装置の画素を示す模式図。 本発明の第3実施形態に係るプロジェクターを示す模式図。
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、以下の説明では、説明する部分が認識可能な状態となるように、参照する図における所定の部位を適宜拡大又は縮小して示している。
また、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合の他、基板の上に他の構成物を介して配置される場合や、基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合も含むものとする。
[第1実施形態]
[光変調装置の概略構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る液晶装置1の構成を示す概略平面図である。
本実施形態に係る液晶装置1は、TFT(Thin Film Transistor)をスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置であり、本発明の光変調装置に相当する。液晶装置1は、例えば、プロジェクターの光変調装置として採用できるものである。
液晶装置1は、図1に示すように、互いに対向配置された素子基板2及び対向基板3と、素子基板2及び対向基板3の間に配置された液晶層4と、を有する。
これらのうち、素子基板2は、対向基板3よりも一回り大きく形成されている。素子基板2と対向基板3とは、対向基板3の外縁に沿って額縁状に配置されたシール材SMを介して貼り合わされている。
液晶層4は、素子基板2及び対向基板3と、シール材SMとによって囲まれた空間に形成されており、正又は負の誘電異方性を有する液晶によって構成されている。
シール材SMは、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂等の接着剤である。シール材SMには、素子基板2と対向基板3との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材SMの内側には、マトリックス状に配列された複数の画素Pxを含む表示領域DAが設けられている。
シール材SMと表示領域DAとの間には、表示領域DAを囲む見切り部APが設けられている。見切り部APは、遮光性の金属又は金属化合物等からなる遮光膜32(図3参照)によって規定されている。なお、表示領域DAは、表示に寄与する複数の画素Pxに加えて、複数の画素Pxを囲むように配置されたダミー画素を含むこととしてもよい。
素子基板2は、複数の外部接続端子511が配列された端子部51を有する。素子基板2において端子部51に沿う第1の辺部とシール材SMとの間には、データ線駆動回路52が設けられている。
素子基板2において第1の辺部に対向する第2の辺部に沿うシール材SMと表示領域DAとの間には、検査回路53が設けられている。なお、検査回路53は、データ線駆動回路52と表示領域DAとの間のシール材SMの内側に沿う位置に設けられていてもよい。
第1の辺部と直交し、かつ、互いに対向する第3の辺部及び第4の辺部に沿うシール材SMと表示領域DAとの間には、走査線駆動回路54がそれぞれ設けられている。
第2の辺部に沿うシール材SMと検査回路53との間には、2つの走査線駆動回路54を繋ぐ複数の配線55が設けられている。
データ線駆動回路52及び走査線駆動回路54に繋がる配線は、複数の外部接続端子511に接続されている。
なお、以下の説明において、対向基板3側から素子基板2側に向かう方向、すなわち、液晶装置1を通過する光の進行方向を+Z方向とし、図示を省略するが、+Z方向とは反対方向を−Z方向とする。また、+Z方向に対してそれぞれ直交し、互いに直交する二方向を+X方向及び+Y方向とし、+X方向を、第1の辺部に沿い、かつ、−Z方向側から見て左側から右側に向かう方向とし、+Y方向を、第3の辺部に沿い、かつ、−Z方向側から見て下側から上側に向かう方向とする。そして、図示を省略するが、+X方向とは反対方向を−X方向とし、+Y方向とは反対方向を−Y方向とする。なお、図1におけるIII−III線に沿う方向は、+X方向である。
本明細書では、−Z方向側(すなわち光入射側)から観察対象を見ることを「平面視」という。
[液晶装置の電気的な構成]
図2は、液晶装置1の電気的な構成を示す等価回路図である。
次に、図2を参照して、液晶装置1の電気的な構成について説明する。
液晶装置1は、図2に示すように、+X方向に延在する複数の走査線SLと、+Y方向に延在する複数のデータ線DLと、それぞれ対応する走査線SLに沿って平行に配置された複数の容量線CLと、を有する。複数の走査線SLと複数のデータ線DLとは、少なくとも表示領域DAにおいて互いに絶縁されて直交しており、走査線SL及び容量線CLが延在する方向は、+X方向と平行な方向であり、データ線DLが延在する方向は、+Y方向と平行な方向である。
走査線SL、データ線DL及び容量線CLと、これらの信号線類により区分された領域に、それぞれ素子基板2に形成される画素電極28、TFT24及び蓄積容量SCが設けられ、これらが画素Pxの画素回路を構成している。
走査線SLは、走査線駆動回路54(図1参照)と接続されている他、TFT24のゲート電極と電気的に接続されている。走査線SLは、走査線駆動回路54から供給される走査信号G1,G2,…,Gmを、画素Pxに供給する。走査線駆動回路54は、走査線SLに対して、走査信号G1〜Gmを所定のタイミングにてパルス的に線順次で供給する。
データ線DLは、データ線駆動回路52(図1参照)と接続されている他、TFT24のソース電極と電気的に接続されている。データ線DLは、データ線駆動回路52から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを、画素Pxに供給する。
データ線駆動回路52からデータ線DLに供給される画像信号D1〜Dnは、データ線DLの配列順に線順次で供給されてもよく、互いに隣り合う複数のデータ線DL同士に対してグループ毎に供給されてもよい。
また、画素電極28は、TFT24のドレイン電極に電気的に接続されている。
液晶装置1は、スイッチング素子であるTFT24が走査信号G1〜Gmの入力により一定期間だけオン状態とされることによって、データ線DLから供給される画像信号D1〜Dnが、画素電極28を介して液晶層4に所定のタイミングにて書き込まれる構成となっている。そして、液晶層4に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極28と、画素電極28に対して液晶層4を挟んで対向配置された共通電極34(図3参照)との間で一定期間保持される。
液晶装置1には、保持された画像信号D1〜Dnのリークを抑制するために、画素電極28と共通電極34との間に形成される液晶容量と並列に接続される蓄積容量SCが設けられている。蓄積容量SCは、TFT24のドレイン電極と容量線CLとの間に配置されている。
なお、図2では図示を省略したが、検査回路53(図1参照)は、各データ線DLと接続されている。そして、液晶装置1の製造過程において、検査回路53が上記画像信号を検出することによって、液晶装置1の動作欠陥などを確認できる構成となっている。
[素子基板の詳細構成]
図3は、図1におけるIII−III線における液晶装置1の構造を示す概略断面図である。なお、図3は、表示領域DAに+X方向に沿って配列された全ての画素Pxの構造を示すものではなく、視認可能な程度に拡大表示している。このため、図3では、画素Pxの数は、実際よりも少ない。
次に、図3を参照して、液晶装置1の構造について説明する。
素子基板2は、図3に示すように、透光性の基材21と、基材21上にそれぞれ設けられた第1遮光層22、絶縁膜23、TFT24、第1層間絶縁膜25、第2遮光層26、第2層間絶縁膜27、画素電極28及び配向膜29を有する。
基材21は、例えばガラスや石英等の透光性を有する材料によって形成されている。なお、本実施形態における「透光性」とは、可視光波長領域の光を概ね80%以上、好ましくは90%以上透過させることを言う。
第1遮光層22及び第2遮光層26は、例えば、Al、Ti、Cr、W、Ta及びMo等の金属のうち少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、或いは、これらが積層されたものにより形成されており、遮光性と導電性とを兼ね備えている。具体的に、第1遮光層22は、一部が上記走査線SL(図2参照)として機能するようにパターニングされている。そして、詳しくは後述するが、第1遮光層22は、上層の第2遮光層26に平面視で重なって、第2遮光層26とともに格子状のブラックマトリックスBM(図4参照)を構成する。
第1遮光層22は、素子基板2の厚さ方向(+Z方向)において、第2遮光層26との間にTFT24を挟むように設けられる。第1遮光層22及び第2遮光層26によって、+Z方向と平行に進行する光がTFT24に入射することが抑制される。第1遮光層22及び第2遮光層26によって囲まれた領域(開口部22A,26A内)は、光が素子基板2を透過する画素開口部PAとなる。
絶縁膜23は、基材21及び第1遮光層22を覆うように設けられている。絶縁膜23は、例えば、SiO等の無機材料によって形成されている。
TFT24は、絶縁膜23上に設けられている。TFT24は、図示を省略するが、半導体層、ゲート電極、ソース電極及びドレイン電極を有する。
ゲート電極は、素子基板2の平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に、第1層間絶縁膜25の一部(ゲート絶縁膜)を介して対向配置されている。そして、ゲート電極は、ゲート絶縁膜と絶縁膜23を貫通するコンタクトホールを介して、下層側に配置された走査線SL(図2参照)と電気的に接続される。
第1層間絶縁膜25は、絶縁膜23及びTFT24を覆うように、例えばSiO等の無機材料によって形成されている。第1層間絶縁膜25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。第1層間絶縁膜25によって、TFT24に起因する表面の凹凸が緩和される。
第2遮光層26は、第1層間絶縁膜25上に設けられている。第2遮光層26は、データ線DL、容量線CL及び蓄積容量SCの電極として機能するようにパターニングされており、TFT24と電気的に接続される。そして、詳しくは後述するが、第2遮光層26は、上記第1遮光層22とともに格子状のブラックマトリックスBM(図4参照)を構成する。
第2層間絶縁膜27は、第1層間絶縁膜25と第2遮光層26とを覆うように設けられており、無機材料により形成されている。
画素電極28は、例えばITO(Indium Tin Oxide)又はIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電膜によって、画素Pxに対応して第2層間絶縁膜27上に形成されている。画素電極28は、平面視で画素開口部PAと重なる領域に配置されている。また、画素電極28の外縁は、平面視で第2遮光層26と重なるように配置されている。
配向膜29は、画素電極28を覆うように形成されている。配向膜29は、正の誘電異方性を有する液晶分子を略水平配向させることが可能な有機樹脂材料(例えばポリイミド)や、負の誘電異方性を有する液晶分子を略垂直配向させることが可能な無機材料(例えば酸化シリコン)を採用できる。
[液晶層の構成]
液晶層4は、上記のように、液晶分子によって構成されている。液晶層4は、画素電極28と対向基板3の共通電極34との間に印加される電圧レベルによって液晶分子の配向状態が変化することにより、液晶層4に入射する光を変調し、階調表示を可能とする。
本実施形態では、液晶装置1は、光が対向基板3側から入射して液晶層4を透過し、素子基板2側から出射されることを前提に構成されている。
[対向基板の詳細構成]
対向基板3は、素子基板2に対する光入射側(−Z方向側)に位置し、上記のように、素子基板2と対向する。対向基板3は、マイクロレンズアレイ基板31と、見切り部AP(図1参照)を構成する遮光膜32と、遮光膜32を覆う平坦化層33と、共通電極34と、配向膜35と、を備える。
マイクロレンズアレイ基板31は、入射される光を集光して、各画素Pxに導く機能を有する。マイクロレンズアレイ基板31は、透光性の基材311と、複数の画素Pxのそれぞれに対応して配置されたマイクロレンズMLを含むレンズ層313と、光路長調整層314と、を含んでいる。なお、マイクロレンズアレイ基板31は、光路長調整層314を含まなくてもよく、遮光膜32、平坦化層33及び共通電極34を含む構成としてもよい。また、遮光膜32をレンズ層313と光路長調整層314との間に配置してもよい。これによれば、平坦化層33を省略できる。
基材311は、例えばガラスや石英等の透光性材料によって形成されている。基材311は、+Z方向側の面311Aと、−Z方向側の面311Bとを有する。これらのうち、面311Aには、複数のレンズ面312が形成されている。
複数のレンズ面312は、各画素Pxに対応して設けられた凹部である。
レンズ層313は、複数のレンズ面312をレンズ材料によって埋めることによって形成され、これにより、複数のマイクロレンズMLがマイクロレンズアレイ基板31に形成される。すなわち、1つのレンズ面312がレンズ材料によって埋められて形成されるレンズ層313によって、1つのマイクロレンズMLが形成される。なお、マイクロレンズMLは、−Z方向側に凸である平凸レンズである。
このようなレンズ層313を形成するレンズ材料としては、透光性を有し、基材311よりも屈折率が高い無機のレンズ材料を例示できる。例えば、基材311の屈折率が略1.46の石英基板である場合には、レンズ層313を形成するレンズ材料としては、SiON(屈折率=1.50〜1.70)、Al(屈折率=1.76)等が挙げられる。このようなレンズ材料は、基材311及びレンズ層313を透過する光の波長に応じて採用される。
光路長調整層314は、レンズ層313を+Z方向側にて覆う。光路長調整層314は、透光性を有する無機材料であり、例えば基材311と略同じ屈折率を有する無機材料によって形成される。光路長調整層314は、マイクロレンズアレイ基板31(レンズ層313)における液晶層4側の表面を平坦化すると共に、マイクロレンズMLによって集光された光が所望の位置で焦点を結ぶように、マイクロレンズMLを介した光の光路長を調整するために設けられている。従って、光路長調整層314の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズMLの焦点距離等の光学条件に基づいて適宜設定可能である。
遮光膜32は、光路長調整層314において+Z方向側に位置する平坦な表面に形成され、上記見切り部APを構成する。遮光膜32は、例えばAl、Mo、W、Ti、TiN、Cr等の遮光性を有する材料、或いは、これらの材料の中から選ばれた少なくとも2つの材料の積層体によって構成できる。図3では詳しい図示を省略したが、本実施形態では、遮光膜32は、光路長調整層314の表面側(+Z方向側の面)から順に積層されたAl及びTiNの二層構造となっている。
平坦化層33は、+Z方向側にて共通電極34に覆われる。
共通電極34は、複数の画素Pxに跨って形成され、液晶層4を挟んで画素電極28と対向する対向電極である。共通電極34は、画素電極28と同様に、例えばITO又はIZO等の透明導電膜が用いられる。共通電極34は、液晶層4を挟んで複数の画素電極28と対向して配置されるので、画素Px毎に所望の光学特性を実現するためには、共通電極34の表面が平坦であることが好ましい。
なお、共通電極34は、対向基板3の角部に設けられた上下導通部56(図1参照)を介して、素子基板2の外部接続端子511(図1参照)に繋がる配線と電気的に接続されている。
配向膜35は、+Z方向側にて共通電極34を覆う。配向膜35は、素子基板2の配向膜29と同様に、例えばポリイミド等の有機樹脂材料や、酸化シリコン等の無機材料を用いて形成される。なお、配向膜29,35の材料や配向処理の方法は、液晶装置1の光学設計に基づく液晶の選定や表示モードによって選択される。
このような液晶装置1においては、光は、−Z方向側から対向基板3(基材311の面311B)に入射し、マイクロレンズMLによって画素Px毎に集光される。例えば、基材311の面311BからマイクロレンズMLに入射する光のうち、マイクロレンズMLの光軸に沿って画素Pxの平面的な中心に入射した入射光L1は、マイクロレンズMLをそのまま直進し、液晶層4を通過して素子基板2から出射される。
マイクロレンズMLにおいて入射光L1より外縁側の位置に、マイクロレンズMLの光軸に沿って入射した入射光L2は、基材311の屈折率とレンズ層313の屈折率との差によって、画素Pxの平面的な中心側へ屈折される。
ここで、対向基板3において第2遮光層26に応じた位置に入射した光がそのまま直進すると、当該光は第2遮光層26(又は第1遮光層22)によって遮光されてしまい、光の利用効率が低下する。
これに対し、マイクロレンズMLの集光作用によって、入射光L2を、液晶層4を通過させた上で、画素開口部PAを通過させることができる。この結果、素子基板2から出射される光量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
なお、本実施形態では、対向基板3のみがマイクロレンズMLを有するが、素子基板2もマイクロレンズを有する構成としてもよい。
図3において示す層315は、マイクロレンズアレイ基板31を形成する際に実施されるレンズ層313の研磨工程における研磨の終点の目安となる層である。この層315は、基材311の面311AにおいてマイクロレンズMLが設けられていない領域と光路長調整層314との間に設けられている。層315は、レンズ層313よりも研磨速度が遅い材料によって形成されており、レンズ層313を形成する材料としてSiONが採用されている場合には、層315を形成する材料としてSiNが採用され得る。
層315と面311AにおいてマイクロレンズMLが設けられていない領域との間には、応力緩和層316が設けられている。
ここで、マイクロレンズアレイ基板31の製造過程や、液晶装置1の製造過程にて加わる熱や圧力等によって、層315に応力が加わる場合がある。このような応力によって、例えば層315にクラックが生じると、クラックが層315に接するレンズ層313(すなわちマイクロレンズML)に及ぶ可能性がある。
これに対し、応力緩和層316は、層315に加わる応力を緩和する。このような応力緩和層316は、本実施形態では、レンズ層313と同じ材料であるSiONによって形成されている。
[表示領域の詳細構成]
図4は、画素の構成を示す概略平面図である。
表示領域DAには、図4に示すように、ブラックマトリックスBMが設けられている。
ブラックマトリックスBMは、+X方向に延在する延在部BMXと、+Y方向に延在する延在部BMYと、これら延在部BMX,BMYの交差部BMCとによる格子状の遮光領域である。ブラックマトリックスBMは、それぞれ上記した第1遮光層22及び第2遮光層26と、これら遮光層22,26に挟まれるTFT24と、同じく遮光層22,26に挟まれる走査線SL、データ線DL及び容量線CL(図2参照)と、を含んで構成されている。すなわち、ブラックマトリックスBMは、第1遮光層22及び第2遮光層26を含み、第1遮光層22から第2遮光層26までの+Z方向における領域である。そして、ブラックマトリックスBMは、−Z方向側から入射される光を第1遮光層22及び第2遮光層26(主に第2遮光層26)によって遮蔽する遮光層に相当する。
+X方向に沿う延在部BMXには、走査線SL及び容量線CLが含まれ、+Y方向に延在する延在部BMYには、データ線DLが含まれる。そして、TFT24は、延在部BMX、延在部BMY及び交差部BMCのいずれかに含まれる。
すなわち、延在部BMX,BMYのうちの一方は第1配線部に相当し、他方は第2配線部に相当する。そして、延在部BMXが沿う+X方向、及び、延在部BMYが沿う+Y方向のうち一方は第1方向に相当し、他方は第2方向に相当する。
マイクロレンズMLは、平面視で画素開口部PAの中心と、マイクロレンズMLの光学的な中心とが一致するように配置されている。そして、+X方向及び+Y方向において隣り合うマイクロレンズMLは、互いに外周部が重なり合うようにして配置されている。このため、+X方向及び+Y方向において隣り合うマイクロレンズMLが互いに接する部分は、平面視で直線状となる。
一方で、画素Pxの対角方向において隣り合うマイクロレンズMLの間には、マイクロレンズMLが位置しない部分となり、当該部分は、外縁が各マイクロレンズMLの外縁の一部である円弧によって規定された平面形状となる。つまり、ブラックマトリックスBMの交差部BMCには、マイクロレンズMLが存在しない部分が含まれる。
なお、本実施形態では、画素開口部PAの平面視での形状は、正方形である。また、各画素開口部PAは、+X方向及び+Y方向において所定のピッチ(画素ピッチ)にて開口している。すなわち、画素Pxは、+X方向及び+Y方向において等間隔に配置されている。
しかしながら、画素開口部PAの平面視での形状は、正方形に限定されない。例えば、画素開口部PAが、正方形以外の多角形、或いは、対称性を有しない異形状である場合には、画素開口部PAの開口面積での重心とマイクロレンズMLの光軸とが一致するように、マイクロレンズMLを配置することが、入射光を効率的に利用する観点で好ましい。
以上のように、各画素Pxの画素開口部PAは、ブラックマトリックスBMによって囲まれ、入射された光が通過する領域である。そして、画素Pxは、それぞれ、画素開口部PAと、画素開口部PAを+Y方向において挟む一対の延在部BMXのうち、+Y方向側に位置する延在部BMXにおける−Y方向側の半分と、−Y方向側に位置する延在部BMXにおける+Y方向側の半分と、画素開口部PAを+X方向において挟む一対の延在部BMYのうち、+X方向側に位置する延在部BMYにおける−X方向側の半分と、−X方向側に位置する延在部BMYにおける+X方向側の半分と、により構成される矩形部分となる。
なお、本実施形態では、平面視での延在部BMXの線幅(延在部BMXの+Y方向における寸法)と、平面視での延在部BMYの線幅(延在部BMYの+X方向における寸法)とは、略一致している。
[ブラックマトリックスの配置]
液晶装置1は、画素Pxに応じたマイクロレンズMLを有することから、図3にて示したように、マイクロレンズMLの外縁近傍の位置にマイクロレンズMLの光軸に沿って入射された入射光L2は、マイクロレンズMLの集光作用によって、ブラックマトリックスBMに入射されることなく、画素開口部PAを通過する。
しかしながら、各画素PxのマイクロレンズMLに入射される光の全てを、マイクロレンズMLの光軸と平行な平行光とすることは難しい。例えば、本実施形態に係る液晶装置1を光変調装置として採用したプロジェクターでは、プロジェクターの光源装置から出射された光束は、光束径が絞られた形で液晶装置1の表示領域DAに入射される。このため、各マイクロレンズMLには、マイクロレンズMLの光軸に対して所定の角度で傾斜した光が入射され得る。
このことから、ある画素Pxを構成するマイクロレンズMLに入射され、マイクロレンズMLのレンズ主面から出射された光線の進行方向と、マイクロレンズMLの光軸Axと平行な軸Ax1との交差角は、マイクロレンズMLに対する光線の入射位置に応じて異なり、当該交差角は、光線の入射位置がマイクロレンズMLの中心から外縁側に向かうに従って大きくなる。
なお、レンズ主面(主平面)とは、マイクロレンズMLにおいて、マイクロレンズMLの光軸に直交し、かつ、マイクロレンズMLに入射された光線が屈折する面である。
図5は、本実施形態に係る液晶装置1の比較例としての液晶装置LM1の画素Pxを通過する1つの光線Ls1の光路を示す模式図である。なお、図5に示す液晶装置LM1は、対向基板3に入射されて画素Px内を通過する光の進行方向である+Z方向におけるブラックマトリックスBMの位置が異なるものの、液晶装置LM1の層構造は、液晶装置1と同様である。また、図5において示す光線の光路では、液晶層4等の層構造を通過する際の光路変化を省略している。後に示す図6においても同様である。
そして、マイクロレンズMLの外縁に入射して、大きな交差角でレンズ主面MSから出射された光線は、マイクロレンズMLへの光線の入射位置とはマイクロレンズMLの中心Cを挟んで反対側の周縁に進み得る。例えば、図5に示すように、マイクロレンズMLにおける+Y方向側の外縁に入射して、大きな交差角でレンズ主面MSから出射された光線Ls1は、−Y方向側の周縁に向かって進む。
このような光線の進行方向にブラックマトリックスBMが位置し、当該光線がブラックマトリックスBMの内側側面に入射されると、当該光線の偏光状態が変化して、液晶装置LM1によって形成される画像のコントラストを低下させる。このような問題は、ブラックマトリックスBMがレンズ主面MSから比較的離れた位置に配置された液晶装置LM1において顕著となる。
図6は、液晶装置1の画素Pxを通過する1つの光線Lt1の光路を示す模式図である。
これに対し、本実施形態に係る液晶装置1では、+Z方向におけるブラックマトリックスBMの位置は、図6に示すように設定されている。
マイクロレンズMLのレンズ主面MSから出射された光線の進行方向と、マイクロレンズMLの光軸Axと平行な軸Ax1との交差角のうち、最大の交差角をθとする。換言すると、レンズ主面MSからの進行方向と軸Ax1との交差角が最大となる光線の当該交差角をθとする。
なお、マイクロレンズMLの外縁部分を通過する光は、上記のように、マイクロレンズMLにて大きく屈折される。このため、上記交差角が最大となる光線は、大きな入射角でマイクロレンズMLの外縁部分に入射される光である。
また、複数の画素Pxの画素ピッチ(画素Pxの+X方向における寸法又は+Y方向における寸法)をaとする。なお、本実施形態における画素Pxでは、+X方向における寸法及び+Y方向における寸法は同じであるので、画素ピッチは、画素Pxの+X方向における寸法、及び、+Y方向における寸法のうち、どちらでもよい。一方、画素Pxの寸法が+X方向と+Y方向とで異なる場合には、大きい方の寸法を、画素ピッチとする。
更に、平面視での延在部BMXの線幅(+X方向に延在する延在部BMXの+Y方向における寸法)と、平面視での延在部BMYの線幅(+Y方向に延在する延在部BMYの+X方向における寸法)とのいずれかをbとする。なお、上記のように、本実施形態では、延在部BMXの線幅と延在部BMYの線幅とは略一致する。しかしながら、延在部BMXの線幅と延在部BMYの線幅とが異なる場合には、大きい方の線幅をbとする。
そして、+Z方向におけるブラックマトリックスBMは、レンズ主面MSから+Z方向に、以下の式(1)によって示される寸法Lまでの範囲内に配置される。
[数1]
L = (a−b/2)・tan(90°−θ) …(1)
例えば、上記交差角θが14°であり、上記画素ピッチaが4.0μmであり、上記線幅bが1.0μmである場合、上記寸法Lは14.03μmとなる。
また例えば、上記交差角が14°であり、上記画素ピッチaが6.0μmであり、上記線幅bが1.0μmである場合、上記寸法Lは22.05μmとなる。
なお、上記交差角は、マイクロレンズMLに入射される光線の入射角や、マイクロレンズMLの屈折率及び曲率等によって算出可能である。
このような範囲内に、ブラックマトリックスBM全体が配置されることによって、図6に示すように、上記交差角θが最も大きい光線Lt1がブラックマトリックスBMの内側側面(画素Pxの中心側の側面)に入射されることを抑制できる。このため、例えばマイクロレンズMLにおいて当該マイクロレンズMLの中心Cに対して一端側の領域に入射された光が、他端側に位置するブラックマトリックスBMの内側側面に入射されることを抑制できる。従って、ブラックマトリックスBMの内側側面に入射されることによって偏光状態が変化する光の発生を抑制でき、液晶装置1によって形成される画像のコントラストの低下を抑制できる。
なお、本実施形態では、上記範囲内にブラックマトリックスBMを配置するために、上記した光路長調整層314の層厚(+Z方向における寸法)を調整している。
[液晶装置の明るさ比率]
図7は、ブラックマトリックスBMの+Z方向側の端部(終端)の位置がレンズ主面MSから+Z方向側に16.50μm離れた位置であるときの液晶装置1の明るさを「1」とした場合のブラックマトリックスBMの終端の位置に応じた明るさ比率を示す図である。
ブラックマトリックスBMの終端の位置がレンズ主面MSから+Z方向側に16.50μm離れた位置(すなわち上記範囲外の位置)であるときの明るさを「1」とした場合の明るさ比率は、図7に示すように、上記範囲内にブラックマトリックスBMの終端(すなわち、ブラックマトリックスBM全体)が位置する場合で「1」を下回った。そして、上記範囲内において、ブラックマトリックスBMの終端がレンズ主面MSに近づくに従って(レンズ主面からブラックマトリックスの終端までの距離が小さくなるに従って)、明るさ比率は低下した。換言すると、上記範囲内において、レンズ主面からブラックマトリックスの終端までの距離が小さくなるに従って、明るさ比率は低下した。しかしながら、この場合の明るさ比率の低下率は、最大で0.05(5%)程度であり、大きな低下ではなかった。
なお、ブラックマトリックスBMの終端が上記範囲外に位置する場合、ブラックマトリックスBMの終端がレンズ主面MSから遠ざかるに従って(上記距離が大きくなるに従って)、明るさ比率は同様に低下した。
[液晶装置のコントラスト比率]
図8は、ブラックマトリックスBMの終端の位置がレンズ主面MSから+Z方向側に16.50μm離れた位置であるときのコントラストを「1」とした場合のブラックマトリックスBMの終端の位置に応じたコントラスト比率を示す図である。
ブラックマトリックスBMの終端の位置がレンズ主面MSから+Z方向側に16.50μm離れた位置であるときのコントラストを「1」とした場合のコントラスト比率は、図8に示すように、上記範囲内にブラックマトリックスBMの終端が位置する場合で「1」を上回った。そして、上記範囲内において、ブラックマトリックスBMの終端がレンズ主面MSに近づくに従って、コントラスト比率は劇的に上昇した。換言すると、上記範囲内において、レンズ主面からブラックマトリックスの終端までの距離が小さくなるに従って、コントラスト比率は劇的に上昇した。
一方、ブラックマトリックスBMの終端が上記範囲外に位置する場合、ブラックマトリックスBMの終端がレンズ主面MSから遠ざかるに従って(上記距離が大きくなるに従って)、コントラスト比率は「1」を下回ったまま、より低下した。
このように、上記範囲内にブラックマトリックスBMの終端が位置するように液晶装置1を構成することによって、上記範囲外にブラックマトリックスBMの終端が位置する場合に比べて、液晶装置1のコントラスト向上を図ることができる。
以上説明した本実施形態に係る液晶装置1は、以下の効果を奏する。
ブラックマトリックスBMは、マイクロレンズMLのレンズ主面MSから+Z方向に、上記式(1)によって示される寸法Lまでの範囲内に配置されている。これによれば、マイクロレンズMLの外縁部分に入射されてレンズ主面MSから最も大きな上記交差角で出射された光が、マイクロレンズMLの中心Cを挟んで当該光線の入射位置とは反対側の周縁に位置するブラックマトリックスBMの内側側面に入射することを抑制できる。換言すると、上記交差角が最も大きい光が内側側面に入射しづらい位置に、ブラックマトリックスBMを配置できる。このため、画素Px内を通過する光の一部がブラックマトリックスBMの内側側面に入射することを抑制できるので、光変調装置としての液晶装置1によって形成される画像のコントラストが低下することを抑制できる。
対向基板3は、マイクロレンズMLと液晶層4との間に設けられる光路長調整層314を備え、マイクロレンズMLのレンズ主面MSからのブラックマトリックスBMの終端の位置は、光路長調整層314の層厚を調整することによって行われる。これによれば、ブラックマトリックスBMの位置を確実に調整できる。従って、上記範囲内にブラックマトリックスBM全体を配置しやすくすることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態に係る液晶装置は、第1実施形態にて示した液晶装置1と同様の構成を有するが、マイクロレンズの構成が異なる点で、第1実施形態にて示した液晶装置1と相違する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る液晶装置が備える1つの画素Pxを平面視した模式図である。
本実施形態に係る液晶装置1Aは、マイクロレンズMLに代えてマイクロレンズMLAを有する他は、上記液晶装置1と同様の構成及び機能を有する。すなわち、液晶装置1Aでは、遮光層としてのブラックマトリックスBMは、マイクロレンズMLAのレンズ主面MSから+Z方向に上記範囲内の位置に配置されている。
マイクロレンズMLAは、上記マイクロレンズMLと同様に、画素Pxの一部を構成するものであり、対向基板3に形成されたレンズ面312にレンズ材料が充填されたレンズ層313によって形成される。本実施形態では、マイクロレンズMLAの曲率は、マイクロレンズMLと同じである。
このようなマイクロレンズMLAは、図9に示すように、低屈折率部MLA1及び高屈折率部MLA2を有する。
低屈折率部MLA1は、マイクロレンズMLAを平面視した際の中央に位置する。
高屈折率部MLA2は、マイクロレンズMLAを平面視した際の低屈折率部MLA1の外側で、かつ、少なくとも一部がブラックマトリックスBMの内側(ブラックマトリックスBMよりマイクロレンズMLの中央側)に位置するように配置されている。高屈折率部MLA2は、低屈折率部MLA1より屈折率が高い材料によって形成されている。例えば、低屈折率部MLA1の屈折率が1.51以上、1.65未満の範囲内にある場合、高屈折率部MLA2の屈折率は1.65以上、1.75未満の範囲内とすることができる。
図10は、液晶装置1Aの比較例である液晶装置LM2の画素Pxを通過する光線の光路を示す模式図である。なお、液晶装置LM2は、マイクロレンズMLAに代えて、全体で1つの屈折率を有するマイクロレンズLM21を有する他は、液晶装置1Aと同様の構成を有する。また、図10において示す光線の光路では、液晶層4等の層構造を通過する際の光路変化を省略している。後に示す図11においても同様である。
ここで、液晶装置LM2では、ブラックマトリックスBMは、マイクロレンズLM21のレンズ主面LM22から+Z方向に上記寸法Lにより規定される範囲内に位置している。このため、図10に示すように、マイクロレンズLM21における+Y方向側の端縁近傍の位置に入射角Aで入射された光線Ls21(点線にて示す光線Ls21)は、マイクロレンズLM21にて屈折されて画素Pxにおける−Y方向側の部位に向かって進行しても、ブラックマトリックスBMの内側側面には入射しない。なお、入射角Aは、マイクロレンズLM21のレンズ主面LM22から出射された光線の進行方向と、マイクロレンズMLの光軸と平行な軸Ax1との交差角が上記最大の交差角θとなる光線がマイクロレンズLM21に入射する際の入射角である。
一方、図10に示すように、マイクロレンズLM21に対して光線Ls11の入射位置とは反対側の端縁近傍の位置に入射角Aで入射した光線Ls22(一点鎖線にて示す光線Ls22)は、マイクロレンズLM21の中心Cから光線Ls22の入射位置に向かう方向における画素Pxの周縁に向かって進行し得る。このため、光線Ls22は、ブラックマトリックスBMにおける−Z方向側の端面(マイクロレンズLM21側の端面)に入射して、遮光される可能性がある。この場合、画素Pxを通過する光量が減少するため、液晶装置LM2によって形成される画像の明るさが低下して、当該画像が暗くなる。
図11は、液晶装置1Aの画素Pxを通過する光線の光路を示す模式図である。
これに対し、平面視でマイクロレンズMLAの外縁側の領域には、高屈折率部MLA2が設けられている。このことにより、マイクロレンズMLAの外縁部分に斜方入射した光線は、より画素Pxの中心側を進行するように、高屈折率部MLA2にて屈折される。
例えば、図11に示すように、入射角AでマイクロレンズMLAの高屈折率部MLA2における+Y方向側の外縁部分に入射した光線Lt21(点線にて示す光線Lt21)は、高屈折率部MLA2にて屈折されて画素Px内を+Z方向に進行する。しかしながら、ブラックマトリックスBM全体は、上記範囲内に配置されているので、ブラックマトリックスBMへの光線Ls21の入射は抑制されている。
また、入射角AでマイクロレンズMLAの高屈折率部MLA2における−Y方向側の外縁部分に入射した光線Lt22(一点鎖線にて示す光線Lt22)は、高屈折率部MLA2にて屈折されて、上記光線Ls22より画素Pxの中心側を進行する。これにより、ブラックマトリックスBMへの光線Lt22の入射が抑制される。
このように、マイクロレンズMLAの平面視で低屈折率部MLA1より外縁側に位置し、かつ、低屈折率部MLA1への入射角より大きな入射角で光が入射される高屈折率部MLA2を設けることによって、マイクロレンズMLAに入射される光線がブラックマトリックスBMに入射されることを抑制できる。従って、画素Pxを通過する光量の低下を抑制でき、液晶装置1Aによって形成される画像の明るさを高めることができる。
なお、高屈折率部MLA2における低屈折率部MLA1側の部位に大きな入射角で入射された光は、当該高屈折率部MLA2にて大きく屈折され、画素Px内のブラックマトリックスBMに向かう方向に進行する。しかしながら、このような光は、大きく屈折されたことによって低屈折率部MLA1に入射するため、マイクロレンズMLAからの出射角が小さくなり、ブラックマトリックスBMには入射されない。
ここで、マイクロレンズMLA全体の屈折率が高くなると、マイクロレンズMLAを透過する光量が低下する。これに対し、マイクロレンズMLAにおいて、光線強度が比較的高く、かつ、マイクロレンズMLAの光軸に対して光線の入射角が小さい中央部分に、低屈折率部MLA1が設けられている。これにより、マイクロレンズMLAを通過する光線の光量低下が抑制され、画像の明るさの低減が抑制される。
[マイクロレンズの製造工程]
マイクロレンズMLAは、以下の2つの製造工程のいずれかによって製造できる。
以下、1つ目の製造工程を第1製造工程とし、2つ目の製造工程を第2製造工程として説明する。
[第1製造工程]
図12は、マイクロレンズMLAの第1製造工程を示す模式図である。
第1製造工程にてマイクロレンズMLAを製造する際には、図12の1段目に示すように、まず、マイクロレンズアレイ基板31の基材311の面311Aに、レンズ面312となる凹部S11をエッチングによって形成する。そして、凹部S11の外周部分を覆う被膜S12を面311Aに形成する。すなわち、凹部S11を覆う被膜S12を面311Aに形成し、被膜S12において凹部S11の中央、すなわち、低屈折率部MLA1の形成予定領域に応じた位置に、開口部S13を形成する。
この後、図12の2段目に示すように、開口部S13を介して、低屈折率部MLA1となる低屈折率材料S14を成膜する。
次に、図12の3段目に示すように、被膜S12を除去し、凹部S11の周縁部分と低屈折率材料S14との間に、高屈折率部MLA2となる高屈折率材料S15を流し込む。
そして、図12の4段目に示すように、凹部S11外にて凝固した低屈折率材料S14及び高屈折率材料S15をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)等によって研磨し、レンズ層313を成形する。これにより、上記マイクロレンズMLAが形成される。
[第2製造工程]
図13は、マイクロレンズMLAの第2製造工程を示す模式図である。
第2製造工程にてマイクロレンズMLAを製造する際には、図13の1段目に示すように、基材311の面311Aに、レンズ面312となる凹部S21をエッチングによって形成する。
この後、図13の2段目に示すように、形成された凹部S21内に低屈折率部MLA1となる低屈折率材料S22を充填する。
次に、図13の3段目に示すように、低屈折率部MLA1の形成予定領域にマスクS23を形成し、フォトリソグラフィによって、高屈折率部MLA2の形成予定領域に位置する低屈折率材料S22を除去する。
そして、図13の4段目に示すように、マスクS23を除去する。
この後、図13の5段目に示すように、高屈折率部MLA2の形成予定領域(凹部S21の周縁部分と低屈折率材料S22との間)に、高屈折率部MLA2となる高屈折率材料S24を流し込む。
更に、図13の6段目に示すように、凹部S21外にて凝固した低屈折率材料S22及び高屈折率材料S24をCMP等により除去する。これにより、上記マイクロレンズMLAが形成される。
以上説明した本実施形態に係る液晶装置1Aによれば、上記液晶装置1と同様の効果を奏することができる他、以下の効果を奏することができる。
液晶装置1Aの画素Pxを構成するマイクロレンズMLAは、平面視で中央に位置する低屈折率部MLA1と、低屈折率部MLA1に対して外縁側に位置する高屈折率部MLA2と、を有する。これによれば、上記のように、ブラックマトリックスBMのマイクロレンズMLA側の端面によって遮蔽される可能性のある光を、画素Pxの中心側に屈折させて進行させることができる。従って、高屈折率部MLA2が設けられていないマイクロレンズが採用される場合に比べて、画素Pxを通過する光量を増やすことができ、液晶装置1Aによって形成される画像の明るさを高めることができる。
なお、低屈折率部MLA1を形成する低屈折率材料は、高屈折率部MLA2を形成する高屈折率材料に比べて、光が通過する際の光量損失が少ない。このため、入射光量が外縁側に比べて高いことが想定されるマイクロレンズMLAの中心部に低屈折率部MLA1が位置することにより、マイクロレンズMLAの通過光量の低下を抑制でき、形成される画像の輝度低下を抑制できる。
[第2実施形態の変形]
液晶装置1Aでは、各画素Pxを構成するマイクロレンズMLAは、図9に示したように、中央に位置する低屈折率部MLA1と、外縁側に位置する高屈折率部MLA2とを有し、高屈折率部MLA2は、平面視で低屈折率部MLA1を囲む環状に形成されていた。しかしながら、これに限らず、マイクロレンズにおける高屈折率部の位置は、マイクロレンズにおける外縁側の位置であれば、他の位置でもよい。このようなマイクロレンズを有する液晶装置として、以下の液晶装置1B〜1Dを、液晶装置1Aに代えて採用してもよい。
図14は、液晶装置1Aの第1変形例である液晶装置1Bの画素Pxを光入射側(−Z方向側)から見た模式図である。
例えば、液晶装置1Bは、マイクロレンズMLAに代えてマイクロレンズMLBを有する他は、液晶装置1Aと同様の構成及び機能を有する。
液晶装置1Bの画素Pxを構成するマイクロレンズMLBは、図14に示すように、マイクロレンズMLAと同様に、低屈折率部MLB1及び高屈折率部MLB2を有する。マイクロレンズMLBでは、高屈折率部MLB2は、マイクロレンズMLBの平面視でブラックマトリックスBMの内側で、かつ、ブラックマトリックスBM近傍の位置に、4つに分割されて設けられている。すなわち、+X方向に沿う2つの高屈折率部MLB2は、それぞれ平面視で2つの延在部BMXの内側で、かつ、2つの延在部BMX近傍に位置し、+Y方向に沿う2つの高屈折率部MLB2は、それぞれ平面視で2つの延在部BMYの内側で、かつ、2つの延在部BMY近傍に位置している。
なお、マイクロレンズMLBにおいて、高屈折率部MLB2以外の部位は、低屈折率部MLB1である。
図15は、液晶装置1Aの第2変形例である液晶装置1Cの画素Pxを光入射側から見た模式図である。
また例えば、液晶装置1Cは、マイクロレンズMLAに代えてマイクロレンズMLCを有する他は、液晶装置1Aと同様の構成及び機能を有する。
液晶装置1Cの画素Pxを構成するマイクロレンズMLCは、図15に示すように、マイクロレンズMLAと同様に、低屈折率部MLC1及び高屈折率部MLC2を有する。マイクロレンズMLCでは、高屈折率部MLC2は、マイクロレンズMLCの平面視でブラックマトリックスBMにおける交差部BMCに対するマイクロレンズMLCの中央寄りの位置に、それぞれ設けられている。すなわち、マイクロレンズMLCは、4つの高屈折率部MLC2を有し、それぞれの高屈折率部MLC2は、画素Pxの隅部で、かつ、平面視でブラックマトリックスBMの内側に位置する。
なお、マイクロレンズMLCにおいても、高屈折率部MLC2以外の部位は、低屈折率部MLC1である。
図16は、液晶装置1Aの第3変形例である液晶装置1Dの画素Pxを光入射側から見た模式図である。
液晶装置1Dは、画素Pxの形状が異なる他は、上記液晶装置1Aと同様の構成及び機能を有する。また、液晶装置1Dを構成する画素Pxは、液晶装置1A〜1Cを構成する画素Pxと同様の構成を有する。
しかしながら、液晶装置1Dの画素Pxの平面形状は、液晶装置1A〜1Cの略正方形状の画素Pxとは異なり、図16に示すように、+X方向に長く、+Y方向に短い長方形状である。
このような液晶装置1Dの画素Pxを構成するマイクロレンズMLDも、マイクロレンズMLAと同様に、低屈折率部MLD1及び高屈折率部MLD2を有する。そして、高屈折率部MLD2は、平面視でマイクロレンズMLDの中央に位置する低屈折率部MLD1より外側で、一部がブラックマトリックスBMの内側に位置する。
このような液晶装置1B,1C,1Dによっても、上記液晶装置1Aと同様の効果を奏することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態に係るプロジェクターは、上記第1及び第2実施形態にて示した液晶装置1,1A〜1Dのいずれかを光変調装置として有するものである。以下、本実施形態に係るプロジェクターを、液晶装置1Aを有するものとして説明する。なお、以下の説明では、既に説明した部分と同一又は略同一である部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
図17は、本実施形態に係るプロジェクター7の構成を示す模式図である。
本実施形態に係るプロジェクター7は、光源装置91から出射された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成した画像をスクリーン等の被投射面上に拡大投射する電子機器である。プロジェクター7は、図17に示すように、外装筐体8と、外装筐体8内に収容される画像投射装置9と、を備える。この他、図示を省略するが、プロジェクター7は、プロジェクター7の動作を制御する制御装置、電子部品に電力を供給する電源装置、及び、冷却対象を冷却する冷却装置を備える。
画像投射装置9は、上記制御装置による制御の下、画像情報に応じた画像を形成及び投射する。この画像投射装置9は、光源装置91、光学装置92、投射光学装置97及び光学部品用筐体98を備える。
光源装置91は、光学装置92に入射される光を出射する。このような光源装置91は、LD(Laser Diode)やLED(Light Emitting Diode)等の固体光源と、固体光源から出射された光の波長を変換する波長変換装置とを備える構成を例示できる。この他、光源装置91として、超高圧水銀ランプ等の光源ランプと、光源ランプから出射された光を反射させるリフレクターと、を備える構成を例示できる。また、光源装置91は、白色光又は所定の色光を出射するLEDを備えた構成としてもよい。
光学装置92は、光源装置91から出射された光を変調して画像を形成する。光学装置92は、均一化装置93、色分離装置94、リレー装置95及び画像形成装置96を備え、これらは光学部品用筐体98に配置される。
均一化装置93は、光源装置91から入射される光束の中心軸に直交する面内の照度を均一化する。均一化装置93は、光源装置91からの光束の入射順に、第1レンズアレイ931、調光装置932、第2レンズアレイ933、偏光変換素子934及び重畳レンズ935を有する。なお、調光装置932は、無くてもよい。
色分離装置94は、均一化装置93から入射される光束を、赤(R)、緑(G)及び青(B)の3つの色光に分離する。色分離装置94は、ダイクロイックミラー941,942、反射ミラー943及びレンズ944,945を有する。
リレー装置95は、分離された3つの色光のうち、緑色光及び青色光に比べて光路が長い赤色光の光路上に設けられる。リレー装置95は、入射側レンズ951、リレーレンズ953及び反射ミラー952,954を有する。
画像形成装置96は、画像情報に応じてそれぞれ変調した各色光を合成して画像光を形成する。この画像形成装置96は、各色光に応じて設けられるフィールドレンズ961、入射側偏光板962、光変調装置としての上記液晶装置1A及び出射側偏光板963と、1つの色合成装置964と、を有する。
本実施形態では、液晶装置1Aは、色分離装置94によって分離された赤、緑及び青の各色光に応じて設けられている。すなわち、画像形成装置96は、赤色光を変調する液晶装置1AR、緑色光を変調する液晶装置1AG、及び、青色光を変調する液晶装置1ABを有する。そして、液晶装置1AR,1AG,1ABは、それぞれ、上記制御装置から入力される画像信号に応じて駆動して、入射される色光を変調する。
色合成装置964は、各液晶装置1A(1AR,1AG,1AB)によって変調された色光を合成して、画像を形成する。本実施形態では、色合成装置964は、クロスダイクロイックプリズムによって構成されているが、複数のダイクロイックミラーによって構成することも可能である。
投射光学装置97は、画像形成装置96から入射される画像を上記被投射面上に拡大投射する。この投射光学装置97は、図示を省略するが、複数のレンズと、当該複数のレンズを収容する鏡筒と、を有する組レンズとして構成できる。
光学部品用筐体98は、上記装置93〜95と、フィールドレンズ961とを内部に収容する。なお、画像投射装置9には、設計上の光軸である照明光軸Lxが設定されており、光学部品用筐体98は、当該照明光軸Lxにおける所定位置に、上記装置93〜95及びフィールドレンズ961を保持する。なお、光源装置91と、フィールドレンズ961以外の画像形成装置96と、投射光学装置97とは、照明光軸Lxにおける所定位置に配置される。
以上説明した本実施形態に係るプロジェクター7によれば、上記液晶装置1Aと同様の効果を奏することができ、これにより、高コントラストで明るい画像を投射及び表示できる。
なお、プロジェクター7は、液晶装置1Aを光変調装置として備えるとしたが、液晶装置1Aに代えて液晶装置1,1B〜1Dのいずれかを採用してもよい。
[実施形態の変形]
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記各実施形態では、上記寸法Lを算出する式(1)に含まれるbとして、第1配線部及び第2配線部の一方である延在部BMXの線幅、及び、他方である延在部BMYの線幅は、略一致するとした。しかしながら、これに限らず、上記のように、延在部BMXの線幅と延在部BMYの線幅とは一致しなくてもよい。この場合、大きい方の線幅をbとして採用するとした。しかしながら、これに限らず、小さい方の線幅をbとして採用してもよい。この場合でも、上記交差角が最大となる光線が、遮光層としてのブラックマトリックスBMに入射しない程度に、レンズ主面MSからブラックマトリックスBMの終端までの寸法が充分に短ければよい。
上記各実施形態では、光路長調整層314の層厚を調整することによって、レンズ主面MSからのブラックマトリックスBMの終端の位置を調整するとした。しかしながら、これに限らず、例えば、マイクロレンズにおけるレンズ主面からの寸法を小さくすることによって、ブラックマトリックスBMの終端の位置を調整してもよい。
上記第2及び第3実施形態では、マイクロレンズMLA〜MLDは、平面視でマイクロレンズの中央に位置する低屈折率部と、低屈折率部より外側に位置する高屈折率部と、を有するとした。しかしながら、これに限らず、マイクロレンズは、それぞれ屈折率が異なる3つ以上の領域を有していてもよい。例えば、マイクロレンズの中心Cを中心とする同心円状の3つの領域を形成し、それぞれの領域の屈折率が異なっていてもよい。この場合、中心Cから外縁側に向かうに従って、屈折率が高くなるように構成してもよい。
また、高屈折率部は、上記マイクロレンズMLA〜MLDにて例示された位置に限らず、適宜変更可能である。
上記第3実施形態では、プロジェクター7は、それぞれ光変調装置である3つの液晶装置1A(1AR,1AG,1AB)を備えるとした。しかしながら、これに限らず、プロジェクターは、2つ以下、或いは、4つ以上の液晶装置を備えていてもよい。
上記第3実施形態では、図17に示した画像投射装置9を備える構成とした。しかしながら、画像投射装置の構成や、画像投射装置を構成する光学部品の配置は、上記に限定されず、適宜変更可能である。
上記第3実施形態では、上記第1及び第2実施形態にて示した液晶装置1,1A〜1Dをプロジェクター7に適用した例を挙げた。しかしながら、これに限らず、本発明の液晶装置は、他の画像表示装置や電子機器に適用可能である。
1,1A〜1D…液晶装置(光変調装置)、2…素子基板、24…TFT(スイッチング素子)、28…画素電極、3…対向基板、314…光路長調整層、34…共通電極、4…液晶層、Ax…光軸、Ax1…軸、BM…ブラックマトリックス(遮光層)、BMX…延在部(第1配線部、第2配線部)、BMY…延在部(第1配線部、第2配線部)、C…中心、L…寸法、ML,MLA〜MLD…マイクロレンズ、MS…レンズ主面、PA…画素開口部、Px…画素、θ…最大の交差角、+X…方向(第1方向、第2方向)、+Y…方向(第1方向、第2方向)。

Claims (4)

  1. それぞれ入射される光を変調する複数の画素を有する光変調装置であって、
    素子基板と、
    前記素子基板に対向する対向基板と、
    前記素子基板及び前記対向基板の間に位置する液晶層と、を備え、
    前記素子基板は、
    前記光変調装置に入射される光の進行方向に交差し、かつ、互いに交差する第1方向及び第2方向に延在する遮光層と、
    前記複数の画素に応じて設けられ、それぞれ前記遮光層によって囲まれ、入射された光が通過する複数の画素開口部と、
    前記複数の画素開口部に応じてそれぞれ設けられた複数の画素電極と、を有し、
    前記遮光層は、
    それぞれ前記第1方向に延在する複数の第1配線部と、
    それぞれ前記第2方向に延在する複数の第2配線部と、
    前記複数の第1配線のうちの1つ、前記複数の第2配線部のうちの1つ、及び、前記複数の画素電極のうちの1つとそれぞれ接続される複数のスイッチング素子と、を有し、
    前記対向基板は、
    前記液晶層を挟んで前記複数の画素電極と対向する共通電極と、
    前記複数の画素に応じてそれぞれ配置され、入射される光を集光する複数のマイクロレンズと、を有し、
    前記マイクロレンズを介して進行する光の進行方向と、前記マイクロレンズの光軸に平行な軸との交差角のうち、最大の交差角をθとし、
    前記複数の画素の画素ピッチをaとし、
    前記複数の第1配線部のそれぞれの前記第2方向における寸法、及び、前記複数の第2配線部のそれぞれの前記第1方向における寸法のいずれかの寸法をbとすると、
    前記光の進行方向における前記遮光層の位置は、前記マイクロレンズのレンズ主面から、次式;
    L = (a−b/2)・tan(90°−θ)
    によって示される寸法Lまでの範囲内であることを特徴とする光変調装置。
  2. 請求項1に記載の光変調装置において、
    前記対向基板は、前記マイクロレンズと前記液晶層との間に設けられる光路長調整層を備えることを特徴とする光変調装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光変調装置において、
    前記複数のマイクロレンズは、
    光入射側から見て中心側に位置する低屈折率部と、
    光入射側から見て前記低屈折率部より外縁側に位置する高屈折率部と、を有することを特徴とする光変調装置。
  4. 光源装置と、
    前記光源装置から出射された光を変調する、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の光変調装置と、
    前記光変調装置によって変調された光を投射する投射光学装置と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
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CN112258986A (zh) * 2020-10-21 2021-01-22 合肥维信诺科技有限公司 透光显示面板、制备方法和显示装置

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