以下、本発明を具体化した実施形態について図面を参照して説明する。使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大、縮小、あるいは誇張して表示している。また、説明に必要な構成要素以外は図示を省略する場合がある。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1の実施形態)
<電気光学装置>
第1の実施形態では、電気光学装置として、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor:TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば、後述する投写型表示装置(プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
まず、第1の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置について、図1、図2、および図3を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略平面図である。図2は、第1の実施形態に係る液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。図3は、第1の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図3は、図1のA−A’線に沿った概略断面図である。
図1および図3に示すように、本実施形態に係る液晶装置1は、第1の基板としての素子基板20と、素子基板20に対向配置された第2の基板としての対向基板30と、シール材42と、電気光学層としての液晶層40とを備えている。図1に示すように、素子基板20は対向基板30よりも大きく、両基板は、対向基板30の縁部に沿って額縁状に配置されたシール材42を介して接合されている。
液晶層40は、素子基板20と対向基板30とシール材42とによって囲まれた空間に封入された、正または負の誘電異方性を有する液晶で構成されている。シール材42は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤からなる。シール材42には、素子基板20と対向基板30との間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材42の内側には、素子基板20に設けられた遮光層22,26と、対向基板30に設けられた遮光層32とが配置されている。遮光層22,26,32は、額縁状の周縁部を有し、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などで形成されている。額縁状の遮光層22,26,32の内側は、複数の画素Pが配列された表示領域Eとなっている。画素Pは、例えば、略矩形状を有し、マトリックス状に配列されている。
表示領域Eは、液晶装置1において、実質的に表示に寄与する領域である。素子基板20に設けられた遮光層22,26は、表示領域Eにおいて、複数の画素Pの開口領域を平面的に区画するように、例えば格子状に設けられている。なお、液晶装置1は、表示領域Eの周囲を囲むように設けられた、実質的に表示に寄与しないダミー領域を備えていてもよい。
素子基板20の第1辺に沿って形成されたシール材42の表示領域Eと反対側には、第1辺に沿ってデータ線駆動回路51および複数の外部接続端子54が設けられている。また、その第1辺に対向する他の第2辺に沿ったシール材42の表示領域E側には、検査回路53が設けられている。さらに、これらの2辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿ったシール材42の内側には、走査線駆動回路52が設けられている。
検査回路53が設けられた第2辺のシール材42の表示領域E側には、2つの走査線駆動回路52を繋ぐ複数の配線55が設けられている。これらデータ線駆動回路51、走査線駆動回路52に繋がる配線は、複数の外部接続端子54に接続されている。また、対向基板30の角部には、素子基板20と対向基板30との間で電気的導通をとるための上下導通部56が設けられている。なお、検査回路53の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路51と表示領域Eとの間のシール材42の内側に沿った位置に設けてもよい。
以下の説明では、データ線駆動回路51が設けられた第1辺に沿った方向を第1の方向としてのX方向とし、この第1辺と直交し互いに対向する他の2辺に沿った方向を第2の方向としてのY方向とする。X方向は、図1のA−A’線に沿った方向である。遮光層22,26は、X方向とY方向とに沿った格子状に設けられている。画素Pの開口領域は、遮光層22,26によって格子状に区画され、X方向とY方向とに沿ったマトリックス状に配列されている。
また、X方向およびY方向と直交し図1における上方に向かう方向をZ方向とする。なお、本明細書では、液晶装置1の対向基板30側表面の法線方向(Z方向)から見ることを「平面視」という。
図2に示すように、表示領域Eには、走査線2とデータ線3とが互いに交差するように形成され、走査線2とデータ線3との交差に対応して画素Pが設けられている。画素Pのそれぞれには、画素電極28と、スイッチング素子としてのTFT24とが設けられている。
TFT24のソース電極(図示しない)は、データ線駆動回路51から延在するデータ線3に電気的に接続されている。データ線3には、データ線駆動回路51(図1参照)から画像信号(データ信号)S1,S2,…,Snが線順次で供給される。TFT24のゲート電極(図示しない)は、走査線駆動回路52から延在する走査線2の一部である。走査線2には、走査線駆動回路52から走査信号G1,G2,…,Gmが線順次で供給される。TFT24のドレイン電極(図示しない)は、画素電極28に電気的に接続されている。
画像信号S1,S2,…,Snは、TFT24を一定期間だけオン状態とすることにより、データ線3を介して画素電極28に所定のタイミングで書き込まれる。このようにして画素電極28を介して液晶層40に書き込まれた所定レベルの画像信号は、対向基板30に設けられた共通電極34(図3参照)との間に形成される液晶容量で一定期間保持される。
なお、保持された画像信号S1,S2,…,Snがリークするのを防止するため、走査線2に沿って形成された容量線4と画素電極28との間に蓄積容量5が形成され、液晶容量と並列に配置されている。このように、各画素Pの液晶に電圧信号が印加されると、印加された電圧レベルにより液晶の配向状態が変化する。これにより、液晶層40(図3参照)に入射した光が変調されて階調表示が可能となる。
液晶層40を構成する液晶は、印加される電圧レベルにより分子集合の配向や秩序が変化することにより、光を変調し、階調表示を可能とする。例えば、ノーマリーホワイトモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が減少する。ノーマリーブラックモードの場合、各画素Pの単位で印加された電圧に応じて入射光に対する透過率が増加し、全体として液晶装置1からは画像信号に応じたコントラストをもつ光が射出される。
図3に示すように、第1の実施形態に係る対向基板30は、マイクロレンズアレイ基板10と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10は、1段目のマイクロレンズML1および2段目のマイクロレンズML2の2段のマイクロレンズを備えている。
マイクロレンズアレイ基板10は、基板11と、第1の透光層としてのレンズ層13と、第2の透光層としてのレンズ層15と、光路長調整層16と、を備えている。基板11は、例えば、ガラスや石英などの光透過性を有する無機材料からなる。基板11の液晶層40側の面を、第1の面としての面11aとする。基板11は、面11aに形成された複数の第1の凹部としての凹部12を有している。各凹部12は、画素P毎に設けられている。凹部12の断面形状は、例えば、その中央部が曲面部であり、曲面部を囲む周縁部が傾斜面(いわゆるテーパー状の面)となっている。
レンズ層13は、凹部12を埋めて基板11の面11aを覆うように、凹部12の深さよりも厚く形成されている。レンズ層13は、光透過性を有し、基板11とは異なる光屈折率を有する材料からなる。本実施形態では、レンズ層13は、基板11よりも光屈折率が大きい無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiON、Al2O3などが挙げられる。
レンズ層13を形成する材料で凹部12を埋め込むことにより、基板11側に膨らむ凸形状のマイクロレンズML1が構成される。レンズ層13の凹部12と接する面(基板11との界面)を、第1のレンズ面としてのレンズ面13aという。また、複数のマイクロレンズML1によりマイクロレンズアレイMLA1が構成される。レンズ層13は、その表面(基板11とは反対側の面)に、凹部12の形状が反映された複数の第2の凹部としての凹部14を有している。凹部14は、凹部12と平面視で重なるように配置されており、凹部12と類似した断面形状を有している。
レンズ層15は、凹部14を埋めてレンズ層13の表面を覆うように、凹部14の深さよりも厚く形成されている。レンズ層15は、光透過性を有し、レンズ層13よりも光屈折率が大きい無機材料からなる。レンズ層15は、例えば、レンズ層13と同じ材料で構成される。レンズ層13およびレンズ層15の材料がSiONである場合、酸素(O)と窒素(N)との比を異ならせることで、レンズ層13の光屈折率とレンズ層15の光屈折率とを異ならせることができる。
レンズ層15を形成する材料で凹部14を埋め込むことにより、凸形状のマイクロレンズML2が構成される。レンズ層15の凹部14と接する面(レンズ層13との界面)を、第2のレンズ面としてのレンズ面15aという。また、複数のマイクロレンズML2によりマイクロレンズアレイMLA2が構成される。マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とは、画素Pに対応して、互いに平面視で重なるように配置されている。レンズ層15の表面は、平坦な面となっている。
なお、マイクロレンズML1,ML2の中央部(曲面部)に入射する入射光は、マイクロレンズML1,ML2の中心(曲面部の焦点)へ向けて集光される。また、マイクロレンズML1,ML2の周縁部(傾斜面)に入射する入射光は、入射角度が略同一であれば略同一の角度でマイクロレンズML1,ML2の中心側へ屈折される。したがって、マイクロレンズML1,ML2の全体が曲面部で構成される場合と比べて、入射する光の過度の屈折が抑えられ、液晶層40に入射する光の角度のばらつきが抑えられる。
光路長調整層16は、レンズ層15を覆うように形成されている。光路長調整層16は、光透過性を有し、例えば、基板11とほぼ同じ光屈折率を有する無機材料からなる。このような無機材料としては、例えばSiO2などが挙げられる。光路長調整層16は、マイクロレンズML2から遮光層26までの距離を所望の値に合わせる機能を有する。したがって、光路長調整層16の層厚は、光の波長に応じたマイクロレンズML2の焦点距離などの光学条件に基づいて適宜設定される。光路長調整層16の表面は、略平坦な面となっている。
遮光層32は、マイクロレンズアレイ基板10(光路長調整層16)上に設けられている。遮光層32は、マイクロレンズML1およびマイクロレンズML2が配置された表示領域E(図1参照)の周囲を囲むように設けられている。遮光層32は、例えば、金属や金属化合物などで形成される。遮光層32は、表示領域E内に、素子基板20の遮光層22および遮光層26に平面視で重なるように設けられていてもよい。この場合、遮光層32は、格子状、島状、またはストライプ状などに形成されていてもよいが、平面視で遮光層22および遮光層26よりも狭い範囲に配置されていることが好ましい。
マイクロレンズアレイ基板10(光路長調整層16)と遮光層32とを覆うように、保護層33が設けられている。共通電極34は、保護層33を覆うように設けられている。共通電極34は、複数の画素Pに跨って形成されている。共通電極34は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。なお、保護層33は共通電極34の液晶層40側の表面が平坦となるように遮光層32を覆うものであるが、保護層33を設けることなく導電性の遮光層32を直接覆うように共通電極34を形成してもよい。配向膜35は、共通電極34を覆うように設けられている。
素子基板20は、基板21と、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを備えている。基板21は、例えばガラスや石英などの光透過性を有する材料からなる。
遮光層22は、基板21上に設けられている。遮光層22は、上層の遮光層26に平面視で重なるように格子状に形成されている。遮光層22および遮光層26は、例えば、金属や金属化合物などで形成される。遮光層22および遮光層26は、素子基板20の厚さ方向(Z方向)において、TFT24を間に挟むように配置されている。遮光層22は、TFT24の少なくともチャネル領域と平面視で重なっている。
遮光層22および遮光層26が設けられていることにより、TFT24への光の入射が抑制されるので、TFT24における光リーク電流の増大や光による誤動作を抑えることができる。遮光層22と遮光層26とで遮光部Sが構成される。遮光層22に囲まれた領域(開口部22a内)、および、遮光層26に囲まれた領域(開口部26a内)は、平面視で互いに重なっており、画素Pの領域のうち光が透過する開口部Tとなる。
絶縁層23は、基板21と遮光層22とを覆うように設けられている。絶縁層23は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。
TFT24は、絶縁層23上に設けられており、遮光層22および遮光層26と平面視で重なる領域に配置されている。TFT24は、画素電極28を駆動するスイッチング素子である。TFT24は、図示しない半導体層、ゲート電極、ソース電極、およびドレイン電極で構成されている。半導体層には、ソース領域、チャネル領域、およびドレイン領域が形成されている。チャネル領域とソース領域、又は、チャネル領域とドレイン領域との界面にはLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成されていてもよい。
ゲート電極は、素子基板20において平面視で半導体層のチャネル領域と重なる領域に絶縁層25の一部(ゲート絶縁膜)を介して形成されている。図示を省略するが、ゲート電極は、下層側に配置された走査線にコンタクトホールを介して電気的に接続されており、走査信号が印加されることによってTFT24をオン/オフ制御している。
絶縁層25は、絶縁層23とTFT24とを覆うように設けられている。絶縁層25は、例えば、SiO2などの無機材料からなる。絶縁層25は、TFT24の半導体層とゲート電極との間を絶縁するゲート絶縁膜を含む。絶縁層25により、TFT24によって生じる表面の凹凸が緩和される。絶縁層25上には、遮光層26が設けられている。そして、絶縁層25と遮光層26とを覆うように、無機材料からなる絶縁層27が設けられている。
画素電極28は、絶縁層27上に、画素Pに対応して設けられている。画素電極28は、遮光層22の開口部22aおよび遮光層26の開口部26aに平面視で重なる領域に配置されている。画素電極28は、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やIZO(Indium Zinc Oxide)などの透明導電膜からなる。配向膜29は、画素電極28を覆うように設けられている。液晶層40は、素子基板20側の配向膜29と対向基板30側の配向膜35との間に封入されている。
なお、図示を省略するが、平面視で遮光層22および遮光層26に重なる領域には、TFT24に電気信号を供給するための電極、配線、中継電極や、蓄積容量5(図2参照)を構成する容量電極などが設けられている。遮光層22や遮光層26がこれらの電極、配線、中継電極、容量電極などを含む構成であってもよい。
第1の実施形態に係る液晶装置1では、例えば、光源などから発せられた光は、マイクロレンズML1,ML2を備える対向基板30(基板11)側から入射する。入射する光のうち、対向基板30(基板11)の表面の法線方向に沿ってマイクロレンズML1(レンズ面13a)の中心に入射した平行光L1は、直進してマイクロレンズML2(レンズ面15a)の中心に入射し、そのまま直進して画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。
なお、以下では、対向基板30(基板11)の表面の法線方向を単に「法線方向」という。「法線方向」は、図3のZ方向に沿った方向であり、素子基板20(基板21)の法線方向と略同一の方向である。また、以下では、法線方向に平行な光を「平行光」といい、法線方向に対して傾いた(角度を持った)光を「斜め光」という。
マイクロレンズML1の端部に法線方向に沿って入射した平行光L2は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、基板11とレンズ層13との間の光屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML1の中心側へ屈折してマイクロレンズML2に入射する。そして、マイクロレンズML2に入射した光L2は、レンズ層13とレンズ層15との間の光屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML2の中心側へさらに屈折し、画素Pの開口部T内を透過して素子基板20側に射出される。
マイクロレンズML1の端部に法線方向に対して斜めに、かつ、マイクロレンズML1の中心に対して外側に向かって入射した斜め光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層32で遮光されてしまうが、基板11とレンズ層13との間の光屈折率の差により、マイクロレンズML1の中心側へ屈折してマイクロレンズML2に入射する。マイクロレンズML2に入射した光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、レンズ層13とレンズ層15との間の光屈折率の差により、マイクロレンズML2の中心側へさらに屈折し、画素Pの開口部T内を透過して素子基板20側に射出される。
このように、液晶装置1では、そのまま直進した場合に遮光層32や遮光層26で遮光されてしまう平行光L2や斜め光L3を、2段のマイクロレンズML1,ML2の作用により、画素Pの開口部Tの中心側へ屈折させて開口部T内を透過させることができる。この結果、素子基板20側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
なお、光路長調整層16がレンズ層15よりも光屈折率が低い材料で構成されている場合、レンズ層15と光路長調整層16との界面においても光の屈折は起きる。しかしながら、この界面における光の屈折は、マイクロレンズML1,ML2による光の屈折と比べてわずかであり、無視できるものとする。
<マイクロレンズアレイ基板>
続いて、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の詳細構成について、図4および図5を参照して説明する。図4は、第1の実施形態に係る液晶装置の遮光部およびマイクロレンズの形状と配置とを示す模式平面図である。図5は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す模式断面図である。なお、図5は、図3における1つの画素Pの部分拡大図に相当する。
図4に示すように、液晶装置1の表示領域Eには、複数の画素Pが所定の配置ピッチでマトリックス状に配列されている。図4には、互いに隣り合う4つの画素Pが図示されている。画素Pの各々は略矩形の平面形状を有し、X方向およびY方向において隣り合う画素P同士が互いに接するように配列されている。画素Pの対角に位置する頂点同士を結ぶ対角線に沿った方向をW方向とする。
図4に斜線を付して示すように、液晶装置1の表示領域Eには、遮光部Sが略格子状に設けられている。遮光部Sは、遮光層22と遮光層26とで構成される。換言すれば、遮光部Sには、遮光層22および遮光層26の少なくとも一つが配置されている。各画素Pの領域のうち、遮光部Sと平面視で重なる領域は光を透過しない非開口領域であり、開口部Tと平面視で重なる領域は光が透過する開口領域である。TFT24は、遮光部Sと平面視で重なる領域に配置されている。
遮光部Sは、X方向に延在する部分とY方向に延在する部分とを有している。遮光部Sは、例えば、4つの角部に開口部T側に張り出した部分を有している。この遮光部Sの張り出した部分には、例えば、TFT24の一部や図示しない中継電極や容量電極などが配置されている。遮光部Sをこのような形状とすることで、遮光部Sの領域を小さくして開口率を高めても、TFT24を確実に遮光することができる。
遮光部Sは、複数の画素Pの各々に対応する開口部Tを有している。開口部Tは、略矩形状の4つの角部が窪んだ輪郭形状を有している。開口部Tは、X方向に沿った直線およびY方向に沿った直線に対して線対称な輪郭形状を有している。なお、開口部Tの輪郭形状(遮光部Sの平面形状)は、このような形態に限定されるものではなく、4つの角部が窪んでいない輪郭形状であってもよいし、X方向またはY方向のいずれか一方に沿った直線に対して非線対称な輪郭形状であってもよい。
開口部Tは、平面視で開口部22aと開口部26aとが重なる領域である。なお、遮光層32が表示領域Eにも設けられている場合、遮光部Sは遮光層22と遮光層26と遮光層32とで構成され、開口部Tは平面視で開口部22aと開口部26aと遮光層32の開口部とが重なる領域となる。
図4に破線で示すように、複数のマイクロレンズML1(凹部12)の各々と複数のマイクロレンズML2(凹部14)の各々とは、複数の画素Pの各々に対応して、同じ配置ピッチで配列されている。マイクロレンズML1(凹部12)とマイクロレンズML2(凹部14)とは、平面視で互いに重なるとともに画素Pの開口部Tと重なるように配置されている。
マイクロレンズML1(凹部12)およびマイクロレンズML2(凹部14)の外形は、画素Pに内接する大きさである。X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士およびマイクロレンズML2(凹部14)同士は互いに接続されている。そのため、X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML1,ML2同士が互いに離間されている場合と比べて、マイクロレンズML1,ML2に入射する光をより多くすることができる。
X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML1,ML2同士の境界は、遮光部SのX方向に延在する部分およびY方向に延在する部分と平面視で重なる領域に配置されている。また、マイクロレンズML1(凹部12)およびマイクロレンズML2(凹部14)の4隅の角部頂点は、遮光部SのX方向に延在する部分とY方向に延在する部分とが交差する部分と平面視で重なる領域に配置されている。対角線に沿った方向(W方向)において隣り合うマイクロレンズML1(凹部12)同士およびマイクロレンズML2(凹部14)同士は、それぞれ互いに離間されている。
マイクロレンズML1(凹部12)およびマイクロレンズML2(凹部14)の平面形状は略矩形であるが、凹部12,14の仮想的な外形は円形状であり、例えば、画素Pの内接円よりも大きく外接円よりも小さい。凹部12の仮想的な外形である円形の径(W方向における長さ)をD1とし、凹部14の仮想的な外形である円形の径(W方向における長さ)をD2とすると、D1≧D2である。なお、図4に示す例では、D1>D2となっている。
図5に示すように、凹部12の深さ、すなわち、マイクロレンズML1の厚さをE1とし、レンズ層13の最も厚い部分の厚さをE2とする。そして、凹部12の傾斜面と基板11の面11a(図3参照)とがなす角度をθとする。凹部14の深さ、すなわち、マイクロレンズML2の厚さをE3とし、レンズ層15の最も厚い部分の厚さをE4とする。また、光路長調整層16の厚さをE5とする。
画素Pのピッチが10μmである場合、凹部12の深さE1は、例えば、4.0μm程度である。凹部12の傾斜面の角度θは、例えば、40°程度である。レンズ層13の厚さE2は、例えば、5.0μm程度である。レンズ層13の厚さE2により、マイクロレンズML1からマイクロレンズML2までの距離を調整できる。凹部14の深さE3は、凹部12の深さE1に対して、E1≧E3となっている。レンズ層15の厚さE4は、例えば、7.0μm程度である。また、光路長調整層16の厚さE5は、例えば、7.0μm程度である。
基板11が石英で構成されている場合、基板11の光屈折率は、1.46程度である。これに対して、レンズ層13の光屈折率は、例えば1.52程度であり、レンズ層15の光屈折率は、例えば1.64程度である。光路長調整層16の光屈折率は、基板11の光屈折率の同程度とするが、レンズ層13,15の光屈折率よりも小さければ、基板11の光屈折率よりも大きくてもよい。なお、上述した各数値は一例を示すものであり、これらの数値はマイクロレンズML1,ML2に要求される光学特性に基づいて適宜設定される。
図5に示すマイクロレンズML1,ML2の光軸Ax(第1の軸)は、レンズ面13a(凹部12)の平面的な中心とレンズ面15a(凹部14)の平面的な中心とを結ぶ直線である。レンズ面13aの中心とレンズ面15aの中心とは、理想的には平面視で画素Pの中心と重なるように配置されている。したがって、マイクロレンズML1,ML2の光軸Axは、理想的には法線方向に平行となる。ここでは、光軸Axが法線方向に平行であるものとする。
図6は、光源(例えば、図12に示す偏光照明装置110)から射出されマイクロレンズアレイ基板に入射する入射光の角度分布の一例を示す図である。横軸は法線方向に対する角度であり、縦軸との交点「0」から右側にいくほど法線方向に対する角度が大きくなる。縦軸は、入射する光の強度であり、上側ほど光の強度が強くなる。
図6に示す例では、入射光は、平行光だけでなく斜め光を多く含んでいる。入射光に含まれる斜め光のうち、法線方向に対する角度が小さい(例えば、5°程度の)斜め光が最も多く、法線方向に対する角度が大きな斜め光ほど少なくなっている。したがって、液晶装置1には、平行光だけでなく、特に法線方向に対する角度が比較的小さい斜め光を含む入射光に対して、光の利用効率が高く、かつ、コントラストが良好であることが求められる。なお、図6に示す入射光の角度分布は、光源(偏光照明装置)の構造や特性によって異なる場合がある。
図5に戻って、マイクロレンズML1のレンズ面13aの位置C1(第1の位置)における接平面の法線(第1の法線)をV1とする。そして、マイクロレンズML2のレンズ面15aの位置C2(第2の位置)における接平面の法線(第2の法線)であって、レンズ面13aの位置C1を通過する直線をV2とする。図5には、斜め光L4,L5がマイクロレンズML1のレンズ面13aの位置C1に入射した場合の光路を示している。なお、斜め光L4,L5の光路を分かり易く示すため、斜め光L4,L5の光軸Axに対する角度を大きく誇張して示している。
法線V1よりも光軸Ax側から外側(光軸Axから遠ざかる側)に向かってレンズ面13aの位置C1に入射した斜め光L4は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように画素Pの外側(隣の画素P側)に向かい、遮光層32(図3参照)で遮光されてしまう。しかしながら、レンズ層13の光屈折率は基板11の光屈折率よりも大きいため、レンズ面13aにおける屈折角は入射角よりも小さくなるので、斜め光L4は破線で示す光路よりも内側(光軸Ax側)へ屈折する。
内側へ屈折した斜め光L4は、レンズ層13における法線V2よりも外側を透過して、レンズ面15aの位置C2よりも外側の位置に入射する。レンズ層15の光屈折率はレンズ層13の光屈折率よりも大きいため、レンズ面15aにおける屈折角は入射角よりも小さくなるので、斜め光L4は破線で示す光路よりも内側へ屈折する。すなわち、斜め光L4は、光軸Axに対して、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ側に屈折する。これにより、光軸Axから遠ざかる側に向かってマイクロレンズML1に入射した斜め光L4は、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで、光軸Ax寄りに向けられて画素Pの開口部T(図3参照)内を透過するとともに、光軸Axに対する傾き(角度)が小さくなって平行光に近付けられる。
一方、法線V1よりも光軸Ax側から内側(光軸Axに近付く側)に向かってレンズ面13aの位置C1に入射した斜め光L5は、破線で示す光路よりも内側へ屈折し、レンズ層13における法線V2よりも内側を透過して、レンズ面15aの位置C2よりも内側の位置C3に入射する。
レンズ面15aの位置C3に入射した斜め光L5は、仮にそのまま直進した場合は、破線で示すように光軸Axと交差して画素Pの外側(隣の画素P側)に向かい、遮光層32(図3参照)で遮光されてしまうか、遮光されない場合でも液晶層40(図3参照)内を斜めに透過するので、液晶装置1のコントラスト低下を招くこととなる。また、液晶装置1がプロジェクターの液晶ライトバルブとして用いられる場合、斜め光L5は、投写レンズで蹴られてしまうおそれがある。
ここで、斜め光L5は、レンズ層13における法線V2よりも内側を透過するので、位置C3における接平面の法線V3よりも外側から内側に向かってレンズ面15aに入射することとなるが、レンズ面15aにおける屈折角は入射角よりも小さくなるので、破線で示す光路よりも外側へ屈折する。すなわち、斜め光L5は、マイクロレンズML2で、光軸Axに対してマイクロレンズML1で屈折した側とは反対側に屈折する。これにより、マイクロレンズML1で光軸Axに対して傾きが大きくなる方向に屈折した斜め光L5は、マイクロレンズML2で傾きが小さくなる方向に屈折して戻されるので、画素Pの開口部T内を透過することができ、光軸Axに対する角度が小さく抑えられる。
このように、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10では、斜め光が入射する向きに応じて、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ側に屈折させ、あるいは、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで反対側に屈折させる。これにより、第1の実施形態に係る液晶装置1では、入射光に斜め光が含まれる場合でも、光の利用効率の向上とコントラストの向上との両立を図ることができる。
なお、図5に示す斜め光L5のように法線V1よりも光軸Ax側から内側に向かってレンズ面13aの位置C1に入射した場合でも、レンズ層13における法線V2よりも外側を透過してレンズ面15aの位置C2よりも外側の位置に入射する斜め光は、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ側に屈折する。しかしながら、このような斜め光では、マイクロレンズML1に入射する際の光軸Axに対する角度が図5に示す斜め光L5よりも小さくなるため、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ側に屈折したとしても、マイクロレンズML2から射出される際の光軸Axに対する角度が過度に大きくなることはない。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
次に、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板10の製造方法を説明する。図7は、第1の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図7の各図は、図3のA−A’線に沿った概略断面図に相当し、図3とは上下方向(Z方向)が反転している。
まず、図7(a)に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板11の面11aに、例えば、SiO2などの酸化膜からなる制御膜70を形成する。制御膜70は、等方性エッチングにおけるエッチングレートが基板11と異なっており、凹部12を形成する際の深さ方向(Z方向)のエッチングレートに対して幅方向(図4に示すW方向、X方向、およびY方向)のエッチングレートを調整する機能を有する。
制御膜70を形成した後、所定の温度で制御膜70のアニールを行う。制御膜70のエッチングレートは、アニール時の温度により変化する。したがって、アニール時の温度を適宜設定することにより、制御膜70のエッチングレートを調整することができる。
続いて、制御膜70上にマスク層72を形成する。そして、マスク層72をパターニングして、マスク層72に開口部72aを形成する。この開口部72aの平面的な中心の位置が、形成される凹部12における中心となる。続いて、マスク層72の開口部72aを介して、制御膜70で覆われた基板11に等方性エッチングを施す。図示を省略するがこの等方性エッチングにより、制御膜70の開口部72aと重なる領域に開口部が形成され、その開口部を介して基板11がエッチングされる。
等方性エッチングには、制御膜70のエッチングレートの方が基板11のエッチングレートよりも大きくなるようなエッチング液(例えば、フッ酸溶液)を用いる。これにより、等方性エッチングにおける制御膜70の単位時間当たりのエッチング量が基板11の単位時間当たりのエッチング量よりも多くなるので、制御膜70に形成された開口部の拡大に伴って、基板11の幅方向におけるエッチング量が深さ方向におけるエッチング量よりも多くなる。
等方性エッチングにより、開口部72aから制御膜70と基板11とがエッチングされ、図7(b)に示すように、基板11の面11a側に凹部12が形成される。上述したエッチングレートの設定により、凹部12の幅方向が深さ方向よりも拡大されて、凹部12の周縁部にテーパー状の傾斜面が形成される。なお、図7(b)には、基板11からマスク層72および制御膜70が除去された後の状態を示している。
本工程では、X方向およびY方向において隣り合う凹部12同士が互いに接続されるとともに、W方向において隣り合う凹部12同士が互いに離間されている状態(図4参照)で等方性エッチングを終了する。より具体的には、凹部12の仮想的な外形である円形の径D1(図4参照)が、例えば画素Pの対角線の長さの95%程度となり、W方向において隣り合う凹部12同士の間に基板11の面11aが残された状態で等方性エッチングを終了する。
W方向において隣り合う凹部12同士が互いに接続されるまで等方性エッチングを行うと、マスク層72が基板11から浮いて剥がれてしまうおそれがある。本実施形態では、隣り合う凹部12同士の間に基板11の面11aが残っている状態で等方性エッチングを終了するので、等方性エッチングが終了するまでマスク層72を支持することができる。これにより、凹部12の平面形状は、4隅の角部が丸くなった略矩形状となる(図4参照)。
次に、図7(c)に示すように、基板11の面11a側を覆い凹部12を埋め込むように、光透過性を有し、基板11よりも大きい光屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ層13を形成する。レンズ層13は、例えばCVD法を用いて形成することができる。レンズ層13は、複数回に分けて材料を堆積して形成するようにしてもよい。基板11上に略同一の厚さでレンズ層13を形成することにより、レンズ層13の表面に凹部12の形状が反映されて凹部14が形成される。そして、凹部12にレンズ層13の材料が埋め込まれることにより、マイクロレンズML1が構成される。
レンズ層13の材料の付き回り状態にもよるが、凹部14の仮想的な外形である円形の径D2は凹部12の仮想的な外形である円形の径D1以下となり(図4参照)、凹部14の深さE3は凹部12の深さE1以下となる(図5参照)。なお、本実施形態のように凹部12が傾斜面を有していると、レンズ層13の材料を堆積することでレンズ層13の表面に形成される凹部14の形状を、凹部12の形状により近いものとすることができる。
本実施形態では、上述のように、レンズ層13の材料を堆積することでレンズ層13の表面に凹部12の形状が反映された凹部14が形成される。そのため、レンズ層13をより厚く形成して表面の凹凸を緩和した後、図7(b)と同様にレンズ層13にエッチングを施して凹部14を形成する場合と比べて、フォトリソグラフィ工程およびエッチング工程を不要とすることができる。これにより、生産性を向上できるので、コスト競争力を高めることができる。
次に、図7(d)に示すように、レンズ層13の表面を覆い凹部12を埋め込むように、光透過性を有し、レンズ層13よりも大きい光屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ層15を形成する。レンズ層15は、例えばCVD法を用いて形成することができる。レンズ層15は、複数回に分けて材料を堆積して形成するようにしてもよい。レンズ層13上に略同一の厚さでレンズ層15を形成することにより、レンズ層15の表面に凹部14の形状が反映される。そして、凹部14にレンズ層15の材料が埋め込まれることにより、マイクロレンズML2が構成される。
次に、図7(e)に示すように、レンズ層15に対して平坦化処理を施す。平坦化処理では、例えば、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理などを用いて、レンズ層15の上層の凹凸が形成された部分を研磨して除去することにより、レンズ層15の上面を平坦化する。そして、レンズ層15を覆うように、光透過性を有し、例えば基板11と同程度の光屈折率を有する無機材料を堆積して光路長調整層16を形成する。光路長調整層16は、例えばCVD法を用いて形成することができる。以上により、マイクロレンズアレイ基板10が完成する。
マイクロレンズアレイ基板10が完成した後、公知の技術を用いて、マイクロレンズアレイ基板10上に、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを順に形成して対向基板30を得る。また、基板21上に、遮光層22と、絶縁層23と、TFT24と、絶縁層25と、遮光層26と、絶縁層27と、画素電極28と、配向膜29とを順に公知の方法を用いて形成することにより、素子基板20を得る。
続いて、素子基板20と対向基板30とを位置決めし、素子基板20と対向基板30との間に熱硬化性または光硬化性の接着剤をシール材42(図1参照)として配置して硬化させて貼り合せる。そして、素子基板20と対向基板30とシール材42とで構成される空間に液晶を封入して挟持することにより、液晶装置1が完成する。素子基板20と対向基板30とを貼り合せる前にシール材42で囲まれた領域に液晶を配置することとしてもよい。
なお、上記のマイクロレンズML1は、凹部12の周縁部に傾斜面を有する構成であったが、凹部12の周縁部に傾斜面を有しておらず、凹部12全体が曲面部で構成されていてもよい。この場合には、凹部12を形成する際に制御膜70を設けなくてもよい。また、凹部12全体が曲面部で構成されている場合には、凹部14も全体が曲面部で構成されたものとなる。
(第2の実施形態)
<電気光学装置>
第2の実施形態に係る電気光学装置としての液晶装置は、第1の実施形態に対して、マイクロレンズアレイ基板の構成が異なる。第2の実施形態に係る液晶装置1Aおよびマイクロレンズアレイ基板60の構成について、図8を参照して説明する。図8は、第2の実施形態に係る液晶装置の構成を示す概略断面図である。詳しくは、図8は、図1のA−A’線に沿った概略断面図に相当する。第1の実施形態と共通する構成要素については、同一の符号を付しその説明を省略する。
図8に示すように、第2の実施形態に係る液晶装置1Aは、素子基板20と、対向基板30Aと、シール材42(図示しない)と、液晶層40とを備えている。対向基板30Aは、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板60と、遮光層32と、保護層33と、共通電極34と、配向膜35とを備えている。
第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板60は、1段目のマイクロレンズML1および2段目のマイクロレンズML2の2段のマイクロレンズを備えている。マイクロレンズアレイ基板60は、基板61と、第1の透光層としてのレンズ層62と、第2の透光層としてのレンズ層64と、第3の透光層としての平坦化層66と、を備えている。
基板61は、例えば、ガラスや石英などの光透過性を有する無機材料からなる。レンズ層62は、基板61の液晶層40側の面である第1の面としての面61aに設けられている。レンズ層62は、複数の第1の凸部としての凸部63を有している。凸部63の断面形状は、例えば、略楕円球面状となっている。レンズ層62は、光透過性を有し、基板61よりも光屈折率が大きい、例えばSiONなどの無機材料からなる。
各凸部63は、画素P毎に設けられ、第1のレンズ面としてのレンズ面63aを有している。凸部63のレンズ面63aがレンズ層64で覆われることにより、液晶層40側に膨らむ凸形状のマイクロレンズML1が構成される。また、複数のマイクロレンズML1によりマイクロレンズアレイMLA1が構成される。
レンズ層64は、レンズ層62の表面を覆うように、凸部63の厚さよりも厚く形成されている。レンズ層64は、光透過性を有し、レンズ層62よりも光屈折率が小さい、例えばSiONなどの無機材料からなる。レンズ層64は、その表面(レンズ層62とは反対側の面)に、凸部63の形状が反映された複数の第2の凸部としての凸部65を有している。凸部65は、凸部63と平面視で重なるように配置されており、凸部63と類似した断面形状を有している。
各凸部65は、第2のレンズ面としてのレンズ面65aを有している。凸部65のレンズ面65aが平坦化層66で覆われることにより、液晶層40側に膨らむ凸形状のマイクロレンズML2が構成される。また、複数のマイクロレンズML2によりマイクロレンズアレイMLA2が構成される。マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とは、画素Pに対応して、互いに平面視で重なるように配置されている。
平坦化層66は、レンズ層64の表面を覆うように、凸部65の厚さよりも厚く形成されている。平坦化層66は、光透過性を有し、レンズ層64よりも光屈折率が小さい、例えばSiO2などの無機材料からなる。平坦化層66の表面は、基板61の面61aに略平行で平坦な面となっている。平坦化層66は、マイクロレンズML2から遮光層26までの距離を所望の値に合わせる光路長調整層としての機能を有する。
マイクロレンズML1(レンズ面63a)の中心に入射した平行光L1は、直進してマイクロレンズML2(レンズ面65a)の中心に入射し、そのまま直進して画素Pの開口部T内を透過し素子基板20側に射出される。
マイクロレンズML1の端部に入射した平行光L2は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、レンズ層62とレンズ層64との間の光屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML1の中心側へ屈折してマイクロレンズML2に入射する。そして、マイクロレンズML2に入射した光L2は、レンズ層64と平坦化層66との間の光屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML2の中心側へさらに屈折し、画素Pの開口部T内を透過して素子基板20側に射出される。
マイクロレンズML1の端部に法線方向に対して斜めに、かつ、マイクロレンズML1の中心に対して外側に向かって入射した斜め光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層32で遮光されてしまうが、レンズ層62とレンズ層64との間の光屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML1の中心側へ屈折してマイクロレンズML2に入射する。マイクロレンズML2に入射した光L3は、仮にそのまま直進した場合、破線で示すように遮光層26で遮光されてしまうが、レンズ層64と平坦化層66との間の光屈折率の差(正の屈折力)により、マイクロレンズML2の中心側へさらに屈折し、画素Pの開口部T内を透過して素子基板20側に射出される。
このように、第2の実施形態に係る液晶装置1Aにおいても、そのまま直進した場合に遮光層32や遮光層26で遮光されてしまう平行光L2や斜め光L3を、2段のマイクロレンズML1,ML2の作用により、画素Pの開口部Tの中心側へ屈折させて開口部T内を透過させることができる。この結果、第1の実施形態と同様に、素子基板20側から射出される光の量を多くできるので、光の利用効率を高めることができる。
<マイクロレンズアレイ基板>
続いて、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板60の詳細構成について、図9および図10を参照して説明する。図9は、第2の実施形態に係る液晶装置の遮光部およびマイクロレンズの形状と配置とを示す模式平面図である。図10は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の構成を示す模式断面図である。なお、図10は、図8における1つの画素Pの部分拡大図に相当する。
図9に示すように、第2の実施形態に係る液晶装置1Aには、第1の実施形態に係る液晶装置1と同様に、遮光部Sが略格子状に設けられており、遮光部Sは複数の画素Pの各々に対応する開口部Tを有している。
X方向およびY方向において隣り合うマイクロレンズML1(凸部63)同士およびマイクロレンズML2(凸部65)同士は互いに接続されている。対角線に沿った方向(W方向)において隣り合うマイクロレンズML1(凸部63)同士およびマイクロレンズML2(凸部65)同士は、それぞれ互いに離間されている。
マイクロレンズML1(凸部63)およびマイクロレンズML2(凸部65)の平面形状は略矩形であり、4隅の角部が丸く形成されている。W方向における凸部63の径(長さ)をF1とし、凸部65の径(長さ)をF2とすると、F1≦F2である。図9に示す例では、F1<F2となっている。なお、第2の実施形態では、W方向において隣り合うマイクロレンズML1(凸部63)同士およびマイクロレンズML2(凸部65)同士が互いに接続されていてもよい。
図10に示すように、凸部63の厚さ、すなわち、マイクロレンズML1の厚さをH2とし、レンズ層62のうち凸部63の厚さH2を除いた厚さをH1とする。レンズ層62の最も厚い部分の厚さは、H1+H2となる。そして、凸部65の厚さ、すなわち、マイクロレンズML2の厚さをH4とし、凸部65(レンズ面65a)の中心におけるレンズ層64の厚さから凸部65の厚さH4を除いた厚さをH3とする。レンズ層64における凸部63の頂点(レンズ面63aの中心)から凸部65の頂点(レンズ面65aの中心)までの部分の厚さは、H3+H4となる。また、平坦化層66の厚さをH5とする。
画素Pのピッチが10μmである場合、レンズ層62のうち凸部63の厚さH2を除いた厚さH1は、例えば、4.5μm程度である。凸部63の厚さH2は、例えば、2.6μm程度である。レンズ層64における凸部63の頂点から凸部65の頂点までの部分の厚さH3+H4は、例えば、3.0μm程度である。凸部65の厚さH4は、凸部63の厚さH2に対して、H2≧H4となっている。また、平坦化層66の厚さH5は、例えば、6.0μm程度である。
基板61が石英で構成されている場合、基板61の光屈折率は、1.46程度である。これに対して、レンズ層62の光屈折率は、例えば1.70程度であり、レンズ層64の光屈折率は、例えば1.60程度である。平坦化層66の光屈折率は、基板61の光屈折率の同程度とするが、レンズ層62,64の光屈折率よりも小さければ、基板61の光屈折率よりも大きくてもよい。なお、上述した各数値は一例を示すものであり、これらの数値はマイクロレンズML1,ML2に要求される光学特性に基づいて適宜設定される。
マイクロレンズML1のレンズ面63aの位置G1(第1の位置)における接平面の法線(第1の法線)をK1とする。そして、マイクロレンズML2のレンズ面65aの位置G2(第2の位置)における接平面の法線(第2の法線)であって、レンズ面63aの位置G1を通過する直線をK2とする。なお、マイクロレンズML1(レンズ面63a)の中心とマイクロレンズML2(レンズ面65a)の中心とは平面視で画素Pの中心と重なるように配置されており、光軸Axは法線方向に平行であるものとする。
基板61側からマイクロレンズML1に入射して、法線K1よりも光軸Ax側から外側(光軸Axから遠ざかる側)に向かって位置G1に入射した斜め光L4は、レンズ層64の光屈折率がレンズ層62の光屈折率よりも小さいため、レンズ面63aにおける屈折角が入射角よりも大きくなるので、斜め光L4は破線で示す光路よりも外側へ屈折する。
外側へ屈折した斜め光L4は、レンズ層64における法線K2よりも内側を透過して、位置G2よりも内側の位置に入射する。平坦化層66の光屈折率はレンズ層64の光屈折率よりも小さいため、レンズ面65aにおける屈折角が入射角よりも大きくなるので、斜め光L4は破線で示す光路よりも内側(光軸Axに近付く側)へ屈折する。これにより、マイクロレンズML1で光軸Axに対して傾きが大きくなる方向に屈折した斜め光L4は、マイクロレンズML2で傾きが小さくなる方向に屈折して戻されるので、画素Pの開口部T内を透過することができ、光軸Axに対する角度が小さく抑えられる。
なお、斜め光L4のように法線K1よりも光軸Ax側から外側に向かって位置G1に入射した場合でも、レンズ層64における法線K2よりも外側を透過して位置G2よりも外側の位置に入射する斜め光は、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ外側に屈折する。しかしながら、入射光が図6に示すように光軸Axに対する角度が小さい(例えば、5°程度)斜め光が最も多くなるような分布を有していれば、このような斜め光は少なく、斜め光L4のようにマイクロレンズML2で屈折して内側へ戻される斜め光が多く存在することとなる。
一方、光軸Axに対して法線K1よりも外側から内側(光軸Axに近付く側)に向かって位置G1に入射した斜め光L5は、破線で示す光路よりも内側へ屈折し、レンズ層64における法線K2よりも内側を透過して、レンズ面65aで同じ側へ屈折する。この場合、斜め光L5は、マイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ側、すなわち、光軸Axに対する角度が大きくなる側に屈折される。しかしながら、入射光が図6に示すように光軸Axに対する角度が小さい斜め光が最も多くなるような分布を有していれば、斜め光L5のようにマイクロレンズML1とマイクロレンズML2とで同じ側に屈折したとしても、マイクロレンズML2から射出される際の光軸Axに対する角度が過度に大きくなることはない。
<マイクロレンズアレイ基板の製造方法>
次に、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板60の製造方法を説明する。図11は、第2の実施形態に係るマイクロレンズアレイ基板の製造方法を示す概略断面図である。詳しくは、図11の各図は、図3のA−A’線に沿った概略断面図に相当し、図3とは上下方向(Z方向)が反転している。
まず、図11(a)に示すように、石英などからなる光透過性を有する基板61の面61aに、光透過性を有し、基板61よりも大きい光屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ材料層62aを形成する。レンズ材料層62aは、例えばCVD法を用いて形成することができる。
続いて、レンズ材料層62a上に、レジスト層74を形成する。レジスト層74は、例えば、露光部分が現像により除去されるポジ型の感光性レジストで形成する。レジスト層74は、例えば、スピンコート法やロールコート法などで形成することができる。そして、図示を省略するが、凸部63が形成される位置に対応して遮光部が設けられたマスクを介して、レジスト層74を露光して現像することにより、後の工程で凸部63が形成される位置に対応する部分が残留する。図11(a)には、レジスト層74の現像後の状態を示している。
レジスト層74の残留部分の平面形状は、例えば、4隅の角部が丸く形成された略矩形状である。なお、残留部分の4隅の角部を丸く形成する方法は、レジスト層74を露光する際のマスクにおいて4隅の角部を丸くしてもよいし、マスクでは矩形の状態としてレジスト層74を露光する際に4隅の角部を丸く形成するようにしてもよい。
次に、レジスト層74の残留部分にリフロー処理などの加熱処理を施すことにより、残留部分を軟化(溶融)させる。溶融した残留部分は、流動状態となり、表面張力の作用で表面が曲面状に変形する。これにより、図11(b)に示すように、レンズ材料層62a上に略楕円球面状の凸部75が形成される。凸部75の底部側(レンズ材料層62a側)は平面視で4隅の角部が丸い略矩形状であるが、凸部75の略球面状の先端側(上方)は平面視で略同心円状に形成される。
次に、凸部75とレンズ材料層62aとに上方側から、例えば、ドライエッチングなどの異方性エッチングを施す。これにより、図11(c)に示すように、レジストからなる凸部75が徐々に除去され、凸部75の除去に伴ってレンズ材料層62aの露出する部分がエッチングされる。この結果、レンズ材料層62aに凸部75の形状が転写されて、凸部62bが形成される。本工程では、異方性エッチングにおける凸部75の材料(レジスト)のエッチングレートとレンズ材料層62aの材料のエッチングレートとを略同一にできる条件とすることで、凸部75と凸部62bとを略同一の形状とすることができる。
次に、図11(d)に示すように、凸部62b(レンズ材料層62a)と同じ材料を、例えばCVD法を用いて、基板61と凸部62bとを覆うように堆積させる。これにより、凸部62bに対応する凸部63を有するレンズ層62が形成される。この結果、X方向およびY方向において隣り合う凸部63同士は互いに接続される。W方向において隣り合う凸部63同士は互いに離間される(図9参照)。
なお、図11(b)に示すレジスト層74の残留部分から凸部75の形状に加工する際に、加熱処理の条件調整などにより凸部75を凸部63と同じ形状とし、図11(c)に示す異方性エッチングを施す工程で凸部75の形状を転写して凸部63を有するレンズ層62を形成してもよい。このようにすれば、図11(d)に示す工程を省略できる。また、レジスト層74に、例えば、グレイスケールマスクや面積階調マスクを用いて露光する方法、多段階露光する方法などを用いて、レジスト層74から凸部75の形状に加工するようにしてもよい。
次に、図11(e)に示すように、レンズ層62を覆うように、光透過性を有し、レンズ層62よりも小さい光屈折率を有する無機材料を堆積してレンズ層64を形成する。レンズ層62の凸部63をレンズ層64で覆うことにより、マイクロレンズML1が構成される。そして、レンズ層62上に略同一の厚さでレンズ層64を形成することにより、レンズ層64の表面に凸部63の形状が反映された凸部65が形成される。レンズ層64の材料の付き回り状態にもよるが、凸部65の径F2は凸部63の径F1以上となり(図9参照)、凸部65の厚さH4は凸部63の深さH2以下となる(図10参照)。
本実施形態でも、上述のように、レンズ層64の材料を堆積することでレンズ層64の表面に凸部63の形状が反映された凸部65が形成される。そのため、レンズ層64をより厚く形成して表面の凹凸を緩和した後、図11(a)〜(d)と同様の工程で凸部65を形成する場合と比べて、フォトリソグラフィ工程、熱処理工程、およびエッチング工程を不要とすることができる。これにより、生産性を向上できるので、コスト競争力を高めることができる。
次に、図11(f)に示すように、レンズ層64を覆うように、光透過性を有し、例えば基板61と同程度の光屈折率を有する無機材料を堆積して平坦化層66を形成する。そして、平坦化層66に対して平坦化処理を施す。レンズ層64の凸部65を平坦化層66で覆うことにより、マイクロレンズML2が構成される。以上により、マイクロレンズアレイ基板60が完成する。
(第3の実施形態)
<電子機器>
次に、第3の実施形態に係る電子機器について図12を参照して説明する。図12は、第3の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクターの構成を示す概略図である。
図12に示すように、第3の実施形態に係る電子機器としてのプロジェクター(投写型表示装置)100は、偏光照明装置110と、2つのダイクロイックミラー104,105と、3つの反射ミラー106,107,108と、5つのリレーレンズ111,112,113,114,115と、3つの液晶ライトバルブ121,122,123と、クロスダイクロイックプリズム116と、投写レンズ117とを備えている。
偏光照明装置110は、例えば超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とを備えている。ランプユニット101と、インテグレーターレンズ102と、偏光変換素子103とは、システム光軸Lxに沿って配置されている。
ダイクロイックミラー104は、偏光照明装置110から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー105は、ダイクロイックミラー104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー106で反射した後にリレーレンズ115を経由して液晶ライトバルブ121に入射する。ダイクロイックミラー105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ114を経由して液晶ライトバルブ122に入射する。ダイクロイックミラー105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ111,112,113と2つの反射ミラー107,108とで構成される導光系を経由して液晶ライトバルブ123に入射する。
光変調素子としての透過型の液晶ライトバルブ121,122,123は、クロスダイクロイックプリズム116の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ121,122,123に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調され、クロスダイクロイックプリズム116に向けて射出される。
クロスダイクロイックプリズム116は、4つの直角プリズムが貼り合わされて構成されており、その内面には赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投写光学系である投写レンズ117によってスクリーン130上に投写され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ121は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ122,123も同様である。液晶ライトバルブ121,122,123は、上記実施形態に係る液晶装置1または液晶装置1Aが適用されたものである。
第3の実施形態に係るプロジェクター100の構成によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、明るい表示と優れた表示品質とを得ることができる液晶装置1を備えているので、明るくてコントラストが良好な画像を表示できるプロジェクター100を提供することができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。変形例としては、例えば、以下のようなものが考えられる。
(変形例1)
上述した液晶装置1,1Aでは、マイクロレンズアレイ基板10,60を対向基板30,30Aに備えていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、マイクロレンズアレイ基板10,60を素子基板20に備えた構成としてもよい。
(変形例2)
上述したマイクロレンズアレイ基板10,60では、レンズ層13,15,62,64が無機材料で構成されていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、レンズ層13,15,62,64が樹脂材料で構成されていてもよい。しかしながら、レンズ層13,15,62,64の材料としては、樹脂材料と比べて耐熱性や耐候性に優れた無機材料が好ましい。
(変形例3)
上述したマイクロレンズアレイ基板10では、凹部12の中央部が曲面部であり、曲面部を囲む周縁部が傾斜面となっていたが、本発明はこのような形態に限定されない。例えば、凹部12の中央部に平坦部を有し、平坦部の周囲が曲面部であり、曲面部を囲む周縁部が傾斜面となっていてもよい。
(変形例4)
上述した液晶装置1,1Aを適用可能な電子機器は、プロジェクター100やビデオカメラ200に限定されない。液晶装置1は、例えば、投写型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型のビデオカメラ、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。