JP2019167492A - 前処理インク及び繊維の前処理方法 - Google Patents
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Description
また、この裏抜けを防止する目的で、布帛に前処理を行うことも提案されている。しかし、裏抜けの防止を重視するあまり、前処理インクが付与された部分の布帛に、そのインクを付与した「痕跡」が残ってしまう問題も生じ、これも問題の1つとなっている。「痕跡」とは、例えば黒色等の濃い色の布帛においては、白っぽく見える状態として観察される。一方、例えば水色等の薄い色の布帛においては、水に濡れたように色が濃く見える状態として観察される。そのような痕跡が残ると、捺染物の見た目が著しく悪化する。このため、捺染物の商品としての価値の低下、又は消失にもつながるため、裏抜けの防止と共に、「痕跡」が残らない前処理インクが強く望まれている。
すなわち本発明は、以下の1)〜12)に関する。
下記式(1)で表される構造単位を含有するカチオンポリマーと、アニオン性樹脂とを含有する前処理インク。
R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、及びヘテロアリール基よりなる群から選択される基を表わし、
Xはハロゲン原子を表わし、
nは1以上の整数を表わす。
2)
上記の前処理インクの総質量に対する、カチオンポリマーの含有量が3〜25質量%である、上記1)に記載の前処理インク。
3)
上記アニオン性樹脂が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、ウレタン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンから選択される1種類以上のモノマーの重合体;フッ素樹脂;及び天然樹脂から選択される樹脂である、上記1)に記載の前処理インク。
4)
上記アニオン性樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン樹脂、及びウレタン樹脂から選択される樹脂である上記1)に記載の前処理インク。
5)
さらに界面活性剤を含有する、上記1)〜4)のいずれか一項に記載の前処理インク。
6)
界面活性剤が、アセチレングリコール及びポリアルキレングリコールから選択される界面活性剤である上記1)〜5)のいずれか一項に記載の前処理インク。
7)
上記の界面活性剤が、ポリアルキレングリコールである上記6)に記載の前処理インク。
8)
上記の前処理インクの総質量に対する、アニオン性樹脂の含有量が1〜5質量%である、上記1)に記載の前処理インク。
9)
上記の前処理インクが、繊維に対する前処理インクである上記1)〜8)のいずれか一項に記載の前処理インク。
10)
上記1)〜9)のいずれか一項に記載の前処理インクを、繊維に付着させる工程を有する繊維の前処理方法。
11)
上記の前処理インクを、繊維に付着させる工程が、インクジェットプリンタにより行われる工程である、上記10)に記載の繊維の前処理方法。
12)
上記1)〜9)のいずれか一項に記載の前処理インクが付着した繊維。
前記カチオンポリマーは、前記式(1)で表される構造単位を、分子内に含有する。カチオンポリマーは、例えば、特開平6−92012の記載のように、「R1R2NH」で表される2級アミンと、エピハロヒドリンとを反応させることにより得ることができる。
式(1)中、R1及びR2におけるアルキル基としては、直鎖、分岐鎖、又は環状アルキル基が挙げられる。これらの中では直鎖、又は分岐鎖アルキル基が好ましく、直鎖アルキル基がより好ましい。アルキル基の炭素数の範囲は特に制限されないが通常C1−C18、好ましくはC1−C8、より好ましくはC1−C4、さらに好ましくはC1−C3、特に好ましくはC1又はC2である。
その具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル等の環状アルキル基等が挙げられる。
また、前記ヘテロ環基は、隣接する2つの炭素原子に加え、さらにC4−C8の炭素原子と共に縮環構造を有することができる。その具体例としては、インドール、インドリン、カルバゾール、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン等が挙げられる。
式(1)中、Xにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。これらの中では塩素原子が好ましい。
nは、R1及びR2の種類により変動するため、一概に決定するのは困難である。その目安としては通常1以上の整数、好ましくは3〜85、より好ましくは5〜80程度である。
アニオン性樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、ウレタン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンから選択される1種類以上のモノマーの重合体;フッ素樹脂;及び天然樹脂が挙げられる。
上記の重合体としては、共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体、及びグラフト共重合体等の、公知の重合体が挙げられる。
本明細書において、(メタ)アクリル酸とはアクリル酸とメタクリル酸の両方を、また、(メタ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの両方を、それぞれ意味する。
上記のウレタン樹脂としては、例えば、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、及びポリカーボネートウレタン樹脂等が挙げられる。
上記の(メタ)アクリル樹脂、及びスチレン−(メタ)アクリル樹脂の市販品としては、例えば、日本合成化学株式会社製のモビニール 952A(Tg=−38℃、固形分45%)、710A(Tg=9℃、固形分41%、粘度200〜700mPa・s、MFT=0℃;(メタ)アクリル樹脂)、718A(Tg=−6℃、固形分45%、粘度500mPa・s以下、MFT=0℃;(メタ)アクリル樹脂)、6960(Tg=−23℃、固形分45%、粘度100〜1200mPa・s、MFT=0℃;スチレン−(メタ)アクリル樹脂)、7320(Tg=−20℃、固形分45%、粘度100mPa・s以下、MFT=0℃;(メタ)アクリル樹脂)、7400(Tg=−41℃、固形分50%、粘度100〜2500mPa・s、MFT=0℃;(メタ)アクリル樹脂)、7420(Tg=−26℃、固形分50%、粘度100〜2500mPa・s、MFT=0℃;(メタ)アクリル樹脂)、966A(Tg=−32℃、固形分45%、粘度300mPa・s以下、MFT=0℃;スチレン−(メタ)アクリル樹脂);日本ペイント株式会社製のマイクロジェル E−1002、E−5002;DIC株式会社製のボンコート 4001、5454;日本ゼオン株式会社製のSAE 1014;サイデン化学株式会社製のサイビノール SK−200;BASF社製のジョンクリル 7100、390、711、511、7001、632、741、450、840、74J、HRC−1645J、734、852、7600、775、537J、1535、PDX−7630A、352J、352D、PDX−7145、538J、7640、7641、631、790、780、7610;新中村化学株式会社製のNKバインダー R−5HN(固形分44%)等が挙げられる。
上記ウレタン樹脂の市販品としては、例えば、日本ルーブリゾール社製のサンキュアー2710;三洋化成工業株式会社製のパーマリン UA−150(;第一工業製薬株式会社製のスーパーフレックス 460、470、610、700;楠本化成株式会社製のNeoRez R−9660、R−9637、R−940;株式会社ADEKA製のアデカボンタイター HUX−380、290K;三井化学株式会社製のタケラック W−605、W−635、WS−6021;大成ファインケミカル株式会社製のポリエーテル(Tg=20℃)等が挙げられる。
破断点伸度は、公知の方法を用いアニオン性樹脂により約60μmの厚さの膜を作成し、引張試験ゲージ長20mm及び引っ張り速度100mm/分の条件下で測定して得られた値とする。
また、弾性率は、同様にアニオン性樹脂により約60μmの厚さの膜を作成し、平行部幅10mm及び長さ40mmの引張試験ダンベルに成形し、JIS K7161:1994に準拠して引張試験を行って求められる引っ張り弾性率とする。
さらに、布帛に捺染した後の着色画像の耐擦性を良好にする目的としては、D50の下限値を100nm程度にするのが好ましい。
上記の前処理インクは、界面活性剤をさらに含有するのが好ましい。界面活性剤の種類は特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール、及びポリアルキレングリコールから選択される界面活性剤が好ましい。界面活性剤を含有することにより、前処理インクの粘度の増加、成分の凝集等が抑制され、保存安定性が良好となる。
上記のうち、ポリアルキレングリコール界面活性剤を使用すると、白色度と裏抜けが良好になる傾向が有る。
そのような界面活性剤としては、エアープロダグツ社製のオルフィン シリーズ(104、E1010等)、日信化学工業株式会社製のサーフィノール シリーズ(440、465、61等)が挙げられる。
その市販品の例としては、例えば、第一工業製薬株式会社製のノイゲン XL−40、50、60、70、80、100、140、160、ノイゲン TDS−30、50、70、80、90、100、120等が挙げられる。
脂肪酸エチレンオキシド付加物としては、ステアリン酸エチレンオキシド付加物、ポリエチレングリコールラウリン酸エステル等が挙げられる。その市販品の例としては、例えば、花王株式会社製のエマノーン 1112、3199V、3299V、3299VR、3201M−V等が挙げられる。
高級アルキルアミンエチレンオキシド付加物の市販品の例としては、例えば、花王株式会社製のアミート 102、105、105A、302、320等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンポリオキシアルキレングリコールの市販品の例としては、例えば、花王株式会社製のエマルゲン PP−290(ポリエチレングリコール/ポリプロピレングリコールが160/30のコポリマー);三洋化成工業株式会社製のニューポール PE−61、PE−62、PE−64、PE−68、PE−71、PE−74、PE−75、PE−78、PE−108(ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン ブロックポリマー);第一工業製薬株式会社製のエパン 410、420、450、485、680、710、720、740、750、785、U−103、U−105、U−108(ポリプロピレングリコールの重量平均分子量が約950〜4000、ポリオキシエチレンの含有量が5〜95%程度のポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール)等が挙げられる。
上記の前処理インクは、必要に応じて、さらに糊剤を含有してもよい。糊剤としては、例えば、トウモロコシ及び小麦などのデンプン;カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等のセルロース化合物;アルギン酸ナトリウム、アラビヤゴム、ローカストビーンガム、トラントガム、グアーガム、及びタマリンド種子等の多糖類、ゼラチン及びカゼイン等のタンパク質;タンニン及びリグニン等の天然水溶性高分子;及びポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、アクリル酸、及び無水マレイン酸等を含有する、合成の水溶性高分子化合物等が挙げられる。
糊剤の含有量は、前処理インクの総質量に対して、通常20%以下程度である。
上記の前処理方法は、上記の前処理インクを、繊維に付着させる工程を有する前処理方法である。前処理インクを繊維に付着させる工程は、特に制限されない。その一例としては、例えば、前処理インク中に繊維を浸積する工程;及び前処理インクを繊維に塗布又は噴霧する工程等が挙げられる。
前処理インクを繊維に付着させる工程は、インクジェットプリンタにより行われる工程であるのが好ましい。
また、上記した全ての事項について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいもの等との組み合わせについても同様である。
実施例中の合成反応、晶析等の各操作は、特に断りの無い限り、いずれも攪拌下に行った。また、反応等の温度は、反応液等の内部温度を記載した。
また、実施例中で使用した「水」は、特に断りの無い限り、「イオン交換水」を意味する。
また、液の固形分含有量を測定するときは、株式会社エイ・アンド・デイ社製のMS−70を用い、乾燥重量法により求めた。
ジメチルアミンの50%水溶液99.2gに水172.6gを加えて溶液とした。この溶液に、エピクロルヒドリン101.8gを約3時間で滴下して液を得た。得られた液を80℃に加熱し、その温度で6時間反応をすることにより、目的とするカチオンポリマー1の水溶液373.6gを得た。得られた水溶液中のカチオンポリマー1の含有量は40%だった。
ジメチルアミンの50%水溶液90.2gに、25重量%アンモニア水6.8gと水172.6gを加えて溶液とした。得られた溶液にエピクロルヒドリン101.8gを約3時間で滴下して液を得た。得られた液を80℃に加熱し、その温度で6時間反応をすることにより、目的とするカチオンポリマー2の水溶液371.4gを得た。得られた水溶液中のカチオンポリマー2の含有量は40%だった。
下記表1及び表2に記載の各成分、及び水を加えて総量を100部とした後、十分に撹拌して混合することにより、実施例1〜14、及び、比較例1〜4の、各前処理インクを得た。
下記表1及び表2中の数値は「部」を意味し、固形分換算値である。
CP1:合成例1のカチオンポリマー1。
CP2:合成例2のカチオンポリマー2。
CP3:センカ株式会社製のカチオンポリマー、ユニセンス FCA100L(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド重合体、固形分27%)。
CP4:ニットーボーメディカル株式会社製のカチオンポリマー、PAS−M−1L(メチルジアリルアミン塩酸塩重合体、重量平均分子量5000、固形分25%)。
AR1:日本合成化学株式会社製のアニオン性樹脂、モビニール 6960(スチレン/アクリル系樹脂エマルジョン、固形分45%、Tg=−23℃)。
AR2:日本合成化学株式会社製のアニオン性樹脂、モビニール 7320(アクリル系樹脂エマルジョン、固形分40%、Tg=−20℃)。
AR3:日本合成化学株式会社製のアニオン性樹脂、モビニール 966A(スチレン/アクリル系樹脂エマルジョン、固形分45%、Tg=−38℃)。
AR4:日本合成化学株式会社製のアニオン性樹脂、モビニール 710A(アクリル系樹脂エマルジョン、固形分41%、Tg=9℃)。
AR5:三洋化成工業株式会社製のアニオン性樹脂、ユーコート UX−320(ウレタン樹脂エマルジョン、固形分40%、Tg=−25℃)。
U103:エパン U−103。
SF440:サーフィノール 440。
下記表3に記載の成分を十分に撹拌して混合し、白色インクを得た。得られた白色インクを孔径5μmの金属フィルターでろ過した後、真空ポンプを用いて脱気処理することにより、試験用の白色インクWI−1〜3を得た。
下記表3中の数値は「部」を意味し、固形分換算値である。
TiO2:TF−5760 WHITE(D2B)、大日精化工業株式会社製の酸化チタンスラリー、酸化チタン固形分濃度60%、平均粒子径300nm。
UR:ユーコート UX−320、三洋化成工業株式会社製のアニオン性ウレタン樹脂、固形分40%。
GL:グリセリン。
PG:プロピレングリコール。
SF420:サーフィノール 420、日信化学株式会社製の界面活性剤。
SF104PG50:サーフィノール 104PG50、エアープロダクツ社製の界面活性剤。
GXL(s):プロクセル GXL(s)、アーチケミカル社製の防腐剤。
繊維としては、綿100%のTシャツ(トムス社製のヘビーウェイト、黒色生地)を用いた。この繊維に、上記の実施例、及び比較例で調製した各前処理インクの付着量が、A4サイズ当たり18〜20gになるように、ローラーを用いて均一に塗布して前処理された繊維を得た。得られた繊維に対して、ヒートプレス機で160℃、1分間の加熱処理を行い、前処理された繊維を得た。
得られた前処理された繊維を使用し、下記する「痕跡の評価」、「裏抜けの評価」、及び「白色度の評価」の3種類の評価試験を実施した。
前処理された各繊維の前処理された部分に対して、産業用インクジェット評価装置(拡張型塗布装置EV2500:リコー株式会社製)を用い、白色のベタパターン画像をインクジェット記録した。得られた白色のベタパターン画像を有する繊維に対して、ヒートプレス機で160℃、1分間の加熱処理を行い、評価用の各繊維を得た。前処理された繊維、及び白色インクの組み合わせを、下記表4及び5に示す。
表4中の一例で説明すると、実施例1の前処理インクで前処理された繊維に、WI1の白インクで白色のベタパターン画像をインクジェット記録した画像は、下記する痕跡の評価が「B」、毛羽立ちの評価が「A」、裏抜けの評価が「A」、白色度の評価が「93」であったことを示す。
白色のベタパターン画像は、600dpi×1200dpiの解像度のベタパターン画像を10層重ね塗りすることにより調製した。
上記の前処理を行う前と、前処理された繊維の両方について、X−Rite社製の測色機、Gretag Macbeth Spectrolinoを用いたCIE/L*a*b*表色系でのΔEを測色した。観測光源はD65、観測視野は2°、濃度はANSI Tの条件測定を行なった。前処理前後のΔEの変化を、下記3段階の評価基準で評価した。評価結果を下記表4及び5に示す。
A:ΔEが1以上2未満。
B:ΔEが2以上3未満。
C:ΔEが3以上。
上記のようにして得た白色のベタパターン画像を有する繊維について、その画像表面を目視で観察した。その表面の状態を、下記3段階の評価基準で評価した。評価結果を下記表4及び5に示す。
A:画像の表面には、毛羽立ちによる画像ムラが全く認められない。
B:画像の表面には、毛羽立ちによる画像ムラが1〜5箇所認められた。
C:画像の表面には、毛羽立ちによる画像ムラが6箇所以上認められた。
上記のようにして得た白色のベタパターン画像を有する繊維について、その画像を裏面から目視で観察した。その裏面の状態を、下記3段階の評価基準で評価した。評価結果を下記表4及び5に示す。
A:画像の裏面には、白色インクによる着色部分が全く認められない。
B:画像の裏面には、白色インクによる着色部分が1〜5箇所認められた。
C:画像の裏面には、白色インクによる着色部分がはっきりと認められ、6箇所以上であった。
印捺後の布帛に対して、市販の測色機(X−Rite社製のGretag Macbeth Spectrolino)を用いて、CIE/L*a*b*表色系における、L*値を測色した。観測光源はD65、観測視野は2°、濃度はANSI Tの条件測定を行なった。測色結果を下記表4及び5に示す。
また、アニオン性樹脂を含有しない比較例1の前処理インクは、繊維の毛羽立ちを抑制できないことが分かった。
Claims (12)
- 上記の前処理インクの総質量に対する、カチオンポリマーの含有量が3〜25質量%である、請求項1に記載の前処理インク。
- 上記アニオン性樹脂が、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、アクリロニトリル、シアノアクリレート、アクリルアミド、オレフィン、スチレン、ウレタン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルアルコール、ビニルエーテル、ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、及び塩化ビニリデンから選択される1種類以上のモノマーの重合体;フッ素樹脂;及び天然樹脂から選択される樹脂である、請求項1に記載の前処理インク。
- 上記アニオン性樹脂が、(メタ)アクリル樹脂、スチレン−(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル−ウレタン樹脂、及びウレタン樹脂から選択される樹脂である請求項1に記載の前処理インク。
- さらに界面活性剤を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前処理インク。
- 界面活性剤が、アセチレングリコール及びポリアルキレングリコールから選択される界面活性剤である請求項1〜5のいずれか一項に記載の前処理インク。
- 上記の界面活性剤が、ポリアルキレングリコールである請求項6に記載の前処理インク。
- 上記の前処理インクの総質量に対する、アニオン性樹脂の含有量が1〜5質量%である、請求項1に記載の前処理インク。
- 上記の前処理インクが、繊維に対する前処理インクである請求項1〜8のいずれか一項に記載の前処理インク。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の前処理インクを、繊維に付着させる工程を有する繊維の前処理方法。
- 上記の前処理インクを、繊維に付着させる工程が、インクジェットプリンタにより行われる工程である、請求項10に記載の繊維の前処理方法。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の前処理インクが付着した繊維。
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