JP2019166690A - 車両用内装部品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の製造方法は、フィルムの表面をキャビティ面に密着させた状態で樹脂をキャビティに充填し、低い圧力で保圧を行う製造方法でありながら、フィルムにへこみが生じない車両用内装部品を製造することができる。
まず、図1に示すように、フィルムの表面又はキャビティ面である測定対象物1をガラスGの平滑な表面Ga上に載置する。このとき、フィルムの表面又はキャビティ面である測定対象物1の表面1aの全面がガラスGの表面Gaに密着した状態で載置される。測定対象物1は、所定の質量(本発明では、50g)の正方形の板状を有し、表面1aが水平面をなしている。測定対象物1の表面1aの面積は12000mm2である。ガラスGは、表面Gaが水平面をなしている。そして、測定対象物1の上に、所定の質量(本発明では、300g)のおもりWを載置する。ガラスGの表面Gaには、測定対象物1とおもりWの質量の合計質量の荷重が加わる。この状態でガラスGを水平方向(荷重の方向に垂直な方向、図1中の右方向)に引っ張り、測定対象物1がガラスGの表面1a上を相対的に滑り始めるときの静摩擦力を測定治具2で測定する。測定治具2は、おもりWに固定される固定部20と、固定部20に接続されて力を測定する測定部21と、固定部20と測定部21を接続する接続部22と、を有する。
そして、測定された静摩擦力を所定の荷重で除して表面摩擦係数を算出する。すなわち、(表面摩擦係数)=(静摩擦力)/(所定の荷重)の式を用いて算出する。
本形態の車両用内装部品の製造方法は、まず、表面摩擦係数が1.0以下のフィルムを成形型のキャビティ面に密着させる。続いて、この状態で、溶融した樹脂をキャビティに充填し、60MPa以下で保圧しつつ樹脂を冷却・固化させて成形する。本形態の製造方法によると、樹脂の表面にフィルムが一体に形成された内装部品を製造できる。
本形態において、フィルムは、表面摩擦係数及び表面粗さ(Rz)が調節された表面がキャビティ面に密着する。フィルムの裏面における表面摩擦係数や表面粗さ(Rz)は限定されない。
フィルムは、表面摩擦係数が所定の値以下であること以外は限定されない。例えば、フィルムの厚さは限定されない。
フィルムは、表面摩擦係数が所定の値以下のものであれば、従来の車両用内装部品で表面を形成するために用いられているフィルムを用いてもよい。
本形態では、所定の表面摩擦係数及び表面粗さ(Rz)を有する市販のフィルムが用いられた。この市販のフィルムは、無機粒子を含有した熱可塑性樹脂よりなる。
フィルムに施される装飾処理としては、顔料や染料の練込によるフィルム自身の着色、絵柄や金属薄膜層からなる装飾層の形成、凹凸模様形成等の処理を挙げることができる。また、装飾効果として透明塗装感を成形品に付与する場合には、無色又は有色の透明樹脂フィルム単体をフィルムとして用いてもよい。
そして、溶融した樹脂をこのキャビティに充填し、60MPa以下で保圧して成形する。すなわち、フィルムを成形型の意匠面成形用キャビティ面に密着させた状態で、樹脂をキャビティに充填して成形する(射出成形する)。そうすると、フィルムと樹脂とが一体をなす成形品(すなわち、車両用内装部品)が製造できる。
樹脂は、キャビティに充填される。キャビティへの樹脂の充填方法は限定されず、樹脂をキャビティに射出して充填することができる。樹脂の充填(射出)は、樹脂が加熱溶融した状態で行われる。
キャビティに充填した樹脂が十分に硬化(固化)したら、成形品を成形型から取り出す。
以上により、本形態の製造方法で、車両用内装部品が製造できる。
本形態の製造方法は、所定の値以下の表面摩擦係数をもつフィルムの表面を成形型の意匠面成形用キャビティ面に密着させる。意匠面成形用キャビティ面は、鏡面をなしている。そして、この状態で、樹脂をキャビティに充填し、所定の条件で保圧して成形する。
さらに、フィルムの表面粗さ(Rz)が所定の範囲以上となると、フィルムが意匠面成形用キャビティ面に沿って伸びる(滑るように伸びる)ときに、フィルムの表面と意匠面成形用キャビティ面との間の摩擦力がより小さくなる。このことは、キャビティに充填した樹脂が冷却・硬化して体積収縮を生じたときにも生じる。すなわち、加熱・冷却によりフィルムの伸び・縮みを生じたときに、フィルムの変形がより規制されなくなり、フィルムのへこみの発生がより確実に抑えられる。
具体的には、フィルムの表面の表面摩擦係数が大きい場合、フィルムの表面と意匠面成形用キャビティ面との間には、大きな摩擦力が発生する。そして、両表面の間に発生する摩擦力によりフィルムが意匠面成形用キャビティ面に沿って動くことが規制される。そうすると、キャビティに充填した樹脂の熱でフィルムが熱膨張したときに、フィルムが意匠面成形用キャビティ面に沿って伸びることが規制され、部分的にフィルムが意匠面成形用キャビティ面から離反するように変形する。すなわち、フィルムにへこみ(フィルムの座屈)が発生する。
以上に説明したように、本形態の製造方法によると、フィルム(すなわち、表面)にへこみが生じない車両用内装部品を製造することができる。
この効果は、樹脂をキャビティに充填した後の保圧の圧力が低い場合、特に発泡樹脂を充填した場合により発揮する。
実施形態1ではフィルムの表面摩擦係数が所定の値より小さく、かつ成形型の意匠面成形用キャビティ面が鏡面をなした形態を示しているが、逆の形態であっても良い。
本形態は、成形型の構成が異なること以外は、実施形態1と同様な製造方法である。
本形態における成形型3は、図2に断面図を示すように、金属よりなる型本体部30と、型本体部30の意匠面成形用キャビティ面側に設けられたガラスよりなる表面部31と、を有する。
型本体部30は、実施形態1の成形型と同様の金属よりなる。
本形態では、型本体部30と表面部31は、全面で密着した状態で一体となるように形成されている。型本体部30と表面部31は、接着により一体化している。
本形態によると、実施形態1と同様に、フィルム4の表面4a(すなわち、車両用内装部品の表面)にへこみが生じない車両用内装部品を製造することができる。
さらに、本形態により製造される車両用内装部品は、フィルム4の表面4aが表面部31の表面31aに対応した平滑な表面となっている。
実施形態2では、表面部をガラスにより形成しているが、ガラスに限定されない。例えば、セラミックス皮膜(熱伝導率:150W/(m・K))等の無機材料により表面部31を形成しても良い。表面部31は、ガラスやこれらの無機材料の単層体だけでなく、複数層が積層してなる積層体を用いてもよい。
上記の各形態では、表面摩擦係数が所定の値のフィルムを成形型のキャビティ面に密着させた状態で配しているが、この構成に限定されない。
例えば、フィルムを成形型のキャビティ面に密着させた状態で配し、フィルムとキャビティ面との間を減圧して密着させてもよい。具体的には、フィルムをキャビティ面に密着させ、フィルムとキャビティ面の間の空気を吸引(真空引き)して、よりフィルムを密着させる方法や、フィルムとキャビティ面の間の空気を、キャビティ面に開口した吸引口を介して吸引(真空引き)してフィルムをより密着させる方法を挙げることができる。
この構成によると、フィルムと成形型(キャビティ面)との間のエアかみ込みによるフィルムへこみを抑えることができる。
[実施例1]
本例は、実施形態1を具体的に実施した例である。
フィルムは、アクリル樹脂よりなり、表面摩擦係数:0.60、表面粗さ(Rz):5.1μm、厚さ:0.125mm、軟化温度:90℃の樹脂フィルムを用いた。
成形型は、高炭素鋼より形成されている。成形型は、意匠面成形用キャビティ面が鏡面をなしている。すなわち、意匠面成形用キャビティ面は、平滑な表面となっている。
樹脂は、ABS樹脂を用いた。この樹脂は、射出時の温度(設定温度):240℃、射出速度:70mm/s、充填後の保圧の圧力:51.6MPaの条件でキャビティに充填された。
本例は、フィルムの表面摩擦係数が異なること以外は実施例1と同様な例である。
本例のフィルムは、表面摩擦係数が7.99、表面粗さ(Rz)が0.05μmである。
本例は、フィルムの表面摩擦係数が異なること以外は実施例1と同様な例である。
本例のフィルムは、表面摩擦係数が2.0、表面粗さ(Rz)が2.4μmである。
[評価]
実施例1及び比較例1〜2において製造された車両用内装部品の表面(フィルム表面)を確認した。評価結果を表1に示す。
本例は、実施形態2を具体的に実施した例である。フィルム及び樹脂には、実施例1と同様なものを用いた。
成形型3には、高炭素鋼より形成された型本体部30と、ガラスよりなる表面部31と、を有するものが用いられた。表面部31のガラスは、型本体部30の表面を覆うように形成された均一な厚さの板状(具体的には、2.0mm)のシリカガラスよりなる。表面部31のガラスの表面31a(意匠面成形用キャビティ面)は、鏡面をなしている。すなわち、意匠面成形用キャビティ面は、平滑な表面となっている。
成形型3は、型本体部30の熱伝導率が37W/(m・K)であり、表面部31の熱伝導率が0.65W/(m・K)である。
樹脂は、ABS樹脂を用いた。この樹脂は、射出温度:240℃、射出速度:70mm/s、充填後の保圧の圧力:15.5MPaの条件でキャビティに充填された。
実施例1〜2において製造された車両用内装部品の表面(フィルム表面)を観察した。また、表面粗さ(Rz)を測定した。評価結果を表2に示す。
このように、実施例2の製造方法によると、さらに平滑な表面の車両用内装部品を製造することができる。
3:成形型 30:型本体部 31:表面部
31a:表面 4:フィルム 5:樹脂
G:ガラス
Claims (6)
- フィルムの表面を成形型のキャビティ面に密着させた状態で、樹脂をキャビティに充填して成形し、60MPa以下で保圧する車両用内装部品の製造方法であって、
前記フィルムの表面と前記キャビティ面のうちの一方の表面は、表面摩擦係数が1.0以下であり、他方が鏡面をなしていることを特徴とする車両用内装部品の製造方法。 - 前記フィルムの表面の表面摩擦係数が1.0以下であり、前記成形型の前記キャビティ面が鏡面をなしている請求項1に記載の車両用内装部品の製造方法。
- 前記フィルムの表面は、表面粗さ(Rz)が0.01μm以上である請求項2に記載の車両用内装部品の製造方法。
- 前記成形型は、型本体部と、前記型本体部の表面に形成された前記キャビティ面を形成する表面部と、を有し、
前記表面部の熱伝導率は、前記型本体部の熱伝導率より低い請求項1〜3のいずれか1項に記載の車両用内装部品の製造方法。 - 前記樹脂は、前記フィルムの軟化温度以上の温度で前記キャビティに充填される請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両用内装部品の製造方法。
- 前記樹脂は、発泡樹脂である請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用内装部品の製造方法。
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