JP2019165937A - ソール構造およびそれを用いたシューズ - Google Patents
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Abstract
Description
以上のように、各柱部6の下端部が基板部5に固定されかつ各柱部6の上端部が上板部7(積層体)に固定された状態で各柱部6が基板部5と上板部7との間に配置されている。ここで、バドミントン、卓球などの体育館種目の競技中に着用者が例えば左側から右側に向かって切り返し動作を行う場合には、着用者の体重が左足を中心に外甲側に向かって一旦移動するようになる。このとき、図5に示すように、各柱部6は、上板部7に固定された上端部が基板部5に固定された下端部に対して左側に移動するように弾性変形する。この柱部6,6,…の弾性変形によりクッション性が発揮されて、切り返し動作時に着用者の足や膝にかかる負担を軽減することが可能となる。そして、左側に向かう体重移動が終了してから着用者の体重が右側に移動するときに、各柱部6の弾性変形により生じた内部応力が元の状態に戻ろうとする復元力に変換される。この復元力により、各柱部6の上端部が左側から右側に向かって移動するとともに、各柱部6の上端部に固定された上板部7も左側から右側に復帰するように移動する。これにより、着用者の足が左側から右側に向かって蹴り出される時の力が増大される。その結果、切り返し動作を素早く行うことが可能となる。したがって、本発明の実施形態に係るソール構造1では、柱部6,6,…の弾性的な変形および復元により切り返し動作をスムーズに行うことができる。
上記実施形態では、ソール構造1の外部から基板部5と上板部7との間隙に位置する柱部6,6,…が視認可能な形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図6および図7に示した変形例1のように、基板部5および上板部7(積層体)の周縁部には、基板部5と上板部7との間隙を塞ぐための壁部8aが設けられていてもよい。具体的に、この壁部8aは、基板部5および上板部7の全周に配置されていて、基板部5と一体形成されている。このような変形例1では、ソール構造1の外部からアウトソール4の内部(すなわち、基板部5と上板部7との間隙)に向かって異物が入り込むことを未然に防止することができる。さらに、壁部8aの上端部を上板部7の下面に固定することにより、柱部6,6,…および壁部8aを介して基板部5と上板部7との固定強度を高めることができる。
上記実施形態では、アウトソール4を着用者の足裏全体に配設した形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図8〜図10に示した変形例2のように、アウトソール4を、着用者の足の前足部および後足部に対応する位置のそれぞれに分割して配置した形態としてもよい。この変形例2であっても、着用者の足の前足部および後足部の位置において柱部6,6,…による弾性的な変形および復元による作用効果を得ることができる。
上記実施形態では、積層体が上板部7からなる形態を示したが、この形態に限られない。例えば、上板部7を、フィルム状のシート材(図示せず)に置き換えた形態としてもよい。具体的に、例えば予め上記シート材を各柱部6の上端部に接着剤や熱プレス等により固着し、シート材をミッドソール2の下面に張り付ける。この変形例3であっても、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。また、各柱部6を直接的にミッドソール2の下面に固着する場合と比べて、接着性や作業性の向上を図ることができる。さらに、上板部7をシート材に置き換えることにより、積層体が上板部7である場合と比べてソール構造1全体を軽量化することができる。
上記実施形態では、積層体が上板部7として構成された形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図12に示した変形例4のように、上板部7を設けずに、各柱部6の上端部をミッドソール2の下面に固定してもよい。すなわち、ミッドソール2を積層体としてもよい。この変形例4であっても、各柱部6の上端部がミッドソール2の下面に固定されていれば、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、ソール構造1としての部品点数を減らすことができる。
また、図13に示した変形例5のように、ミッドソール2および上板部7を設けずに、各柱部6の上端部を着用者の足裏に対応する位置に配置されたアッパー3の下部に固定してもよい。すなわち、着用者の足裏に対応する位置に配置されたアッパー3の下部を積層体としてもよい。この変形例5であっても、各柱部6の上端部がアッパー3の下部に固定されていれば、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。さらに、ソール構造1を簡素化および軽量化することにより、変形例5のソール構造1を例えばサッカーシューズなどに適用することができる。
上記実施形態では、各柱部6を円柱状に形成した形態を示したが、この形態に限られず、種々の形状にすることが可能である。例えば、図14に示した変形例6のように、各柱部6を略円筒状に形成してもよい。または、図15に示した変形例7のように、円柱状の各柱部6を、上下方向の中間部全周が湾曲状にくびれた形状となるように形成してもよい。または、図16に示した変形例8のように、各柱部6を略楕円状に形成してもよい。または、図17に示した変形例9のように、各柱部6を、平面視で略矩形状に形成しかつ側面視で下端部から上端部に向かって先細る台形状となるように形成してもよい。または、図18に示した変形例10のように、各柱部6を略三角柱状に形成してもよい。または、図19に示した変形例11のように、各柱部6を平面視で略十字状となるように形成してもよい。
上記実施形態では、柱部6,6,…の各々を、互いに同一の形状(円柱状)となるように形成しかつ基板部5の上面で等間隔に配置した形態を示したが、この形態に限られない。
上記実施形態では、各柱部6の上端部を、各柱部6とは別部材として構成された上板部7の下面に固定した形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、基板部5および柱部6,6,…と上板部7とを一体形成した形態としてもよい。
1:ソール構造
2:ミッドソール
3:アッパー
4:アウトソール
5:基板部
6:柱部
7:上板部(積層体)
8a,8b:壁部
Claims (13)
- シューズ用のソール構造であって、
路面側に配置された板状の基板部と、
前記基板部から上方に向かって突出しかつ互いに間隔をあけて配置された弾性変形可能な複数の柱部と、
前記基板部の上方に配置された積層体と、を備え、
前記各柱部は、下端部が前記基板部に固定されかつ上端部が前記積層体に固定された状態で該基板部と該積層体との間に配置されている、ソール構造。 - 請求項1に記載のソール構造において、
前記複数の柱部は、前記基板部において少なくとも着用者の足の拇指球を含む前足部の位置に配置されている、ソール構造。 - 請求項1または2に記載のソール構造において、
前記基板部および前記積層体の周縁部には、該基板部と該積層体との間隙を塞ぐための壁部が設けられている、ソール構造。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記基板部と前記柱部とは一体形成されており、
前記基板部および前記柱部は、弾性材からなるアウトソールである、ソール構造。 - 請求項4に記載のソール構造において、
前記積層体は、基板部および柱部の少なくともいずれか一方と同じ弾性材からなる、ソール構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記積層体は、板状の上板部である、ソール構造。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記積層体は、フィルム状のシート材である、ソール構造。 - 請求項4に記載のソール構造において、
前記積層体は、前記アウトソールよりも軟質な弾性材からなるミッドソールである、ソール構造。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記積層体は、着用者の足裏に対応する位置に配置されたアッパーの下部である、ソール構造。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記複数の柱部は、各々が弾性変形するときの変形方向に異方性を有するように構成されている、ソール構造。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記基板部の上面に占める前記複数の柱部の配置密度が着用者の足の各部位に応じて異なっている、ソール構造。 - 請求項1〜9のいずれか1項に記載のソール構造において、
前記複数の柱部における前記基板部の上面からの突出高さが着用者の足の各部位に応じて異なっている、ソール構造。 - 請求項1〜12のいずれか1項に記載のソール構造を備えるシューズ。
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