JP2019164524A - 鋳造品の生産管理方法,多品種鋳造品の生産管理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記鋳造品のキャビティを形作る面に取鍋を特定する識別記号を付した鋳型を形成する造型工程と、
前記鋳型から取り出した鋳造品を品質基準に照らし、前記品質基準を満足する鋳造品に転写された前記識別記号に基づき所定の製品パレットに収める仕分け工程と、
前記製品パレットに付与されている識別コードに紐付けさせて仕分けられた鋳造品の識別記号のデータを取得する識別情報取得工程と、
を有し、
前記品質基準に満たない鋳造品を加工する仕上工程と、
加工された鋳造品を品質基準に照らし品質基準を満足する場合に、当該鋳造品の識別記号から前記識別情報取得工程で取得した情報に基づき該当する製品パレットを特定し収める再仕分け工程と、
を有する。
図1は、実施例1のダクタイル鋳物の鋳造工程を表す概略図である。図1の上段が溶湯製造工程であり、中断が注湯工程であり、下段が砂型製造工程を表す。
溶湯製造工程では、溶解炉30において鉄を主成分とする溶湯を製造し、処理用取鍋31aに小分けする。そして、調整装置32を用い、処理用取鍋31aにMg等の球状化剤及びMnやCu等の接種剤を投入して化学組成を調整し、注湯用の取鍋31に注いだ後、注湯すべき製造ラインの所定位置まで移動する。
ステップS1では、生産管理コンピュータMCにより1日の各種製品の生産計画を立案し、登録する。具体的には、各取鍋31に対応した製品番号及び識別番号と、それに対応した生産量、生産時刻等、詳細な取鍋毎の生産計画情報を立案し、生産指示を行う。
ステップS2では、立案された生産計画に基づき、生産管理コンピュータMCからの指示に従って、第1及び第2マーキング材1,2が成形される。具体的には、ナンバリング設備によって、製品番号と識別番号をアルファベット及び数字からなる第1マーキング材1と、ドット記号からなる第2マーキング材2とを成形し、識別記号として第1マーキング材1と第2マーキング材2とを組み合わせ、予め主型のキャビティ面に貼り付ける。このとき、製品番号・識別番号情報(1)を生産管理コンピュータMCに出力する。
図15は実施例1の砂処理を表すフローチャートである。
ステップS31では、再生砂に新砂・添加剤・水分を添加して混錬する。
ステップS32では、圧縮強度や、CB値(コンパクタビリティ)分析を行う。
ステップS33では、ステップS32の分析値及び砂型処理条件(処理量、処理開始時刻、添加剤情報、混錬情報等)の製造データ(3)を生産管理コンピュータMCに出力する。
ステップS5では、必要に応じて砂型に中子を挿入し、注湯する製造ラインの所定の位置まで砂型(鋳型)を移動する。この砂型及び中子の製造情報(3)は、主型の識別記号と紐付けされてデーターベース(外部記録)に記録される。
ステップS61では、溶解炉(元湯)にて、鉄を主成分とする溶湯を作製する。
ステップS62では、主成分の分析(Fe,C等)を行う。
ステップS63では、出湯するとともに、元湯の製造実績情報(出湯時刻、出湯温度、主成分情報等)を製造データ(2)として生産管理コンピュータMCに出力する。
ステップS64では、処理を行う取鍋31において、球状化処理剤及び接種剤を添加する。具体的には、生産計画に従い、溶解炉30内の元湯である鉄を主成分とする溶湯を、小分けにして取鍋に移し、Mg等の球状化剤及び、MnやCu等の接種剤を投入して化学組成を調整する。
ステップS65では、砂型104に注湯するための注湯取鍋に移し替え、注湯すべき製造ラインの所定の位置まで移動する。これら取鍋31の接種剤等の情報(4)は取鍋番号とともにデータベースDB(外部記録)に記録される。
ステップS71では、識別記号を主型に貼付する。この処理は、上述のステップS4で実施される処理である。
ステップS72では、砂型を造型する。この処理は、上述のステップS5で実施される処理である。
ステップS73では、注湯取鍋から注湯する。この処理は、上述のステップS6で実施される処理である。
ステップS74では、注湯した砂型造型数S1が生産計画数S2に到達したか否かを判断し、到達していなければステップS72に戻って砂型造型を繰り返す。一方、到達したときはステップS75に進む。
ステップS75では、識別記号を一桁分以上変更したか否かを判断し、一桁分以上変更した場合は全ての識別記号の貼り替えが必要なため、本制御フローを終了する。一方、一桁分以上変更していない場合は、変更の余地があると判断してステップS76に進む。
ステップS76では、識別記号の一部を変更する。一部とは、第2マーキング材2のドットの切断に加え、日付等を表す第1マーキング材1の一部の貼り替えを表す。
ステップS77では、識別記号を検査する。具体的には、識別記号が指示通り適切に切断もしくは貼り替えされたか否かをカメラの画像処理で確認、もしくは作業者の目視により確認する。不適切な場合は、ステップS78に進み、生産計画に応じた識別記号となるように貼り替える、もしくは適切にドットを切断し、適切な識別記号とする。適切な識別記号となった場合はステップS72に戻り、砂型の造型を開始する。
ステップS13では、製品番号及び識別番号に対応した製品に対して、顧客での品質情報を、リコール抑制のための製造データ(10)として管理する。
図20は実施例1の品質要因効果解析処理を表すフローチャートである。
ステップS101では、製品番号と識別番号をコード化する。
ステップS102では、識別番号と各種生産工程情報の紐づけを行う。
ステップS103では、識別番号と品質検査結果の紐づけを行う。
ステップS104では、良品及び不良品の現象を分類する。
ステップS105では、品質に影響を及ぼす生産工程情報(制御因子)と検査結果の相関解析を行う。
ステップS106では、品質向上を実現する生産工程情報(制御因子)の見直しと決定を行う。
ステップS201では、生産工程で収集した(1)から(7)の情報と、検査結果情報(8)とに基づいて、強度NG品の紐づけ情報を抽出する。
ステップS202では、強度に問題が生じていない製品(以下、強度OK品と記載する。)及び強度NG品の(1)〜(8)の過去のデータベース情報から、データマイニング等の解析により強度NG品に至るパターンを抽出する。
ステップS203では、データベース解析結果と今回の強度NG品の現象及び生産工程の情報を比較する。例えば、原因の一つは、生産工程情報(4)の取鍋のMg添加量が少なく、その注湯時間が長いといったことを把握する。
ステップS204では、品質改善に必要な生産工程と、その条件抽出を行う。例えば、上記把握された原因に対し、生産工程情報(4)の取鍋の成分Mg添加量を増やし、かつ、その注湯時間を短くする対策を取る。
ステップS205では、安定した強度を実現する生産工程情報(制御因子)の見直しを行い、必要な個所に必要な対策を適用する。
以下、実施例1にあっては、下記の作用効果が得られる。
鋳造品のキャビティを形作る面に取鍋31を特定する識別記号を付した砂型104を形成する砂型製造工程(造型工程)と、
砂型104から取り出した鋳造品を品質基準に照らし、品質基準を満足する鋳造品に転写された識別記号に基づき所定の製品パレットPに収める仕分け工程と、
製品パレットPに付与されている識別コードに紐付けさせて仕分けられた鋳造品の識別記号のデータを取得する識別情報取得工程と、
を有し、
品質基準に満たない鋳造品を加工する再加工工程(仕上工程)と、
加工された鋳造品を品質基準に照らし品質基準を満足する場合に、当該鋳造品の識別記号から識別情報取得工程で取得した情報に基づき該当する製品パレットPを特定し収める仕分け工程(再仕分け工程)と、
を有する。
よって、不良品の再加工による再加工良品であっても、同じ取鍋31の溶湯により製造された良品と同じ製品パレットPに収納することができ、出荷時の混乱を抑制できる。
すなわち、文字と特殊文字との任意の組み合わせから文字列を構成することで、多くの文字列パターンを構成できる。よって、複数種の製品を多数個取りで製造する際であっても少ない文字と特殊文字の組み合わせで多種類の文字列ができるため識別が容易になる。
すなわち、識別記号を細分化して管理するためのマーキング材に関して、製品コードや年月日のように、変更頻度が低い識別記号の一部は認識し易い複数の文字とし、1日当たり複数回の変更など高い頻度で変更する必要があるコードは特殊文字の構成として鋳造した。これにより、ダクタイル鋳物製品のように砂型で鋳造される生産品に対しても、頻繁に変化する鋳造条件に応じた細分化した識別記号を付与することができるため、高いトレーサビリティを実現することができる。
すなわち、ドット記号のパターンをドットの切除等によって変更することが可能となり、鋳造のタクトタイムに影響を与えることなく識別記号を素早く変更できる。そして、識別記号と製造データとを関連付けて管理することで、製品のトレーサビリティを向上できる。
次に、実施例2について説明する。基本的な構成は実施例1と同じであるため、異なる点についてのみ説明する。図23は、実施例2の製造データ管理方法を表すフローチャートである。実施例1では、一つの種類の製品を製造するフローについて説明した。これに対し、実施例2では、同じ取鍋から異なる種類の製品を作る多品種鋳造品の生産管理方法である。ステップS1からS9までは、実施例1と同じであり、製品Aと製品Bに対応する砂型に注湯して製品A,Bを製造する。そして、製品Aと製品Bへの仕分け工程を実施し、製品A,Bは、それぞれの製品に応じて設定された仕上げラインに移動する。製品Aの仕上げライン及び製品Bの仕上げラインに仕分けられた後は、実施例1のステップS10以降と同様、それぞれの製品A,Bに対してブラスト工程、検査工程、再加工工程、再検査工程、仕分け工程、出荷パレット工程が実施される。また、不良品の再加工を実施し、再検査工程で良品と判定された場合は、それぞれの仕上げラインに移行し、実施例1と同様に同一製品が収められた製品パレットPに収納される。
(9)同一の鋳造設備で多種類の鋳造品の鋳型を混流しながら製造する多品種鋳造品の生産管理方法であって、
鋳造品のキャビティを形作る面に取鍋31を特定する識別記号を付した鋳型を形成する砂型製造工程(造型工程)と、
砂型104から取り出された鋳造品を加工する仕上げ工程と、
加工された鋳造品を品質基準に照らして評価する検査工程と、
品質基準を満足する鋳造品の識別記号に基づき、所定の製品パレットPに収める仕分け工程と、
製品パレットPに付与されている識別コードに紐づけて仕分けられた鋳造品の識別記号のデータを取得する識別情報取得工程と、
を有し、
検査工程で品質基準に満たない鋳造品を再加工する再仕上工程と、
再加工された鋳造品を品質基準に照らして評価する再検査工程と、
再加工された鋳造品が品質基準を満足する場合に、当該鋳造品の識別記号から識別情報取得工程で取得した情報に基づき該当する製品パレットPを特定して納める再仕分け工程と、
を有する。
よって、同じ製品パレットPには、特定の鋳造品が収納され、特定の鋳造品が識別記号と製造データとが紐づけされて管理されるため、不良品の再加工良品を含めて容易に管理できる。
すなわち、文字と特殊文字との任意の組み合わせから文字列を構成することで、多くの文字列パターンを構成できる。よって、複数種の製品を多数個取りで製造する際であっても少ない文字と特殊文字の組み合わせで多種類の文字列ができるため識別が容易になる。
すなわち、再処理された鋳造品が異なる製品パレットPに収納されても、製品パレットPと鋳造品の履歴が残るため、出荷時の混乱を抑制できる。
識別情報取得工程において、収容された製品パレットの識別コードと次の取鍋の鋳造品の識別記号のデータとを紐づけさせて取得する。
すなわち、収納されるべき鋳造品が足りない場合でも、製品パレットPに別ロットの鋳造品が収納され、製品パレットPと鋳造品の履歴が残るため、出荷時の混乱を抑制しつつ収納効率を向上できる。
図24は、他の実施例におけるマーキング材エリアを備えた製品の一例、図25は、他の実施例におけるマーキング材エリアを備えた製品を多数個取りする一例である。例えば、車両用ブレーキ装置のブレーキキャリパ600を鋳造する際、図25に示すように、一つの砂型から複数個分のブレーキキャリパを鋳造し、その後、型ばらしを行う。この段階では、ブレーキキャリパ600の部分に加えて湯道やゲートが残存している状態である。この状態から、堰折り工程やブラスト工程を行い、一つのブレーキキャリパ600とする。このとき、図24に示すように、ブレーキキャリパの側面に部分的に窪んだマーキング材エリア601を有し、ここにマーキング材により形成された識別記号600aが形成される。これにより、型ばらしや砂落としの工程で互いの製品の衝突によるドット文字の変形を抑制できる。
2 第2マーキング材
2a ベース部
2b ドット
2c 先端
10 主型
10a マーキング材エリア
10d 下主型
10u 上主型
11 湯口
30 溶解炉
31 取鍋
32 調整装置
102 下側砂型
103 上側砂型
104 砂型
105 切断用ハンド
600 ブレーキキャリパ
601 マーキング材エリア
AMC 品質要因効果解析コンピュータ
DB データベース
MC 生産管理コンピュータ
RB ロボット
RC ロボットコンピュータ
Claims (11)
- 溶解炉から取鍋に配湯された溶湯に接種処理を行なったのち、搬送された鋳型に順次注湯し製造する鋳造品の生産管理方法であって、
前記鋳造品のキャビティを形作る面に取鍋を特定する識別記号を付した鋳型を形成する造型工程と、
前記鋳型から取り出した鋳造品を品質基準に照らし、前記品質基準を満足する鋳造品に転写された前記識別記号に基づき所定の製品パレットに収める仕分け工程と、
前記製品パレットに付与されている識別コードに紐付けさせて仕分けられた鋳造品の識別記号のデータを取得する識別情報取得工程と、
を有し、
前記品質基準に満たない鋳造品を加工する仕上工程と、
加工された鋳造品を品質基準に照らし品質基準を満足する場合に、当該鋳造品の識別記号から前記識別情報取得工程で取得した情報に基づき該当する製品パレットを特定し収める再仕分け工程と、
を有する鋳造品の生産管理方法。 - 請求項1に記載の鋳造品の生産管理方法において、
前記識別記号は、鋳造品を特定する凸状に形成された複数の文字と、複数の突起で表示された凸状の特殊記号とで構成されていることを特徴とする鋳造品の生産管理方法。 - 請求項2に記載の鋳造品の生産管理方法において、
前記特殊記号は、複数のドット群で表示されていることを特徴とする鋳造品の生産管理方法。 - 請求項3に記載の鋳造品の生産管理方法において、
前記識別記号は、前記取鍋による鋳型への注湯数毎に前記特殊記号の複数のドットのうち、任意の位置を切除して異なる識別記号に変更することを特徴とする鋳造品の生産管理方法。 - 請求項2に記載の鋳造品の生産管理方法において、
前記識別記号は、前記複数の文字と前記特殊記号を列記したマーキング材に表記され、
前記マーキング材は、鋳型を造型する主型に貼られていることを特徴とする鋳造品の生産管理方法。 - 請求項1に記載の鋳造品の生産管理方法において、
前記識別記号は、一つの取鍋による鋳型への注湯数毎に記号を変更することを特徴とする鋳造品の生産管理方法。 - 同一の鋳造設備で多種類の鋳造品の鋳型を混流しながら製造する多品種鋳造品の生産管理方法であって、
前記鋳造品のキャビティを形作る面に取鍋を特定する識別記号を付した鋳型を形成する造型工程と、
鋳型から取り出された鋳造品を加工する仕上げ工程と、
加工された鋳造品を品質基準に照らして評価する検査工程と、
前記品質基準を満足する鋳造品の識別記号に基づき、所定の製品パレットに収める仕分け工程と、
前記製品パレットに付与されている識別コードに紐づけて仕分けられた鋳造品の識別記号のデータを取得する識別情報取得工程と、
を有し、
前記検査工程で品質基準に満たない鋳造品を再加工する再仕上工程と、
再加工された鋳造品を前記品質基準に照らして評価する再検査工程と、
再加工された鋳造品が前記品質基準を満足する場合に、当該鋳造品の識別記号から前記識別情報取得工程で取得した情報に基づき該当する製品パレットを特定して納める再仕分け工程と、
を有することを特徴とする多品種鋳造品の生産管理方法。 - 請求項7に記載の多品種鋳造品の生産管理方法であって、
前記識別記号は、鋳造品を特定する凸状に形成された複数の文字と、複数のドット群で表示された凸状の特殊記号とで構成されていることを特徴とする多品種鋳造品の生産管理方法。 - 請求項8に記載の多品種鋳造品の生産管理方法であって、
前記ドットは、取鍋の注湯可能数に応じた鋳型造形数毎に任意の位置を切除し、異なる認識記号に変更することを特徴とする多品種鋳造品の生産管理方法。 - 請求項7に記載の多品種鋳造品の生産管理方法であって、
前記再仕分け工程において、前記再加工された品質基準を満足する鋳造品に対応する製品パレットが存在しない場合は、同一製品の異なる溶湯ロットの鋳造品を納める別の製品パレットに収め、識別情報取得工程において、収められた製品パレットの識別コードと前記再加工された鋳造品の識別記号のデータとを紐づけさせて取得することを特徴とする多品種鋳造品の生産管理方法。 - 請求項10に記載の多品種鋳造品の生産管理方法であって、
前記仕分け工程において、所定取鍋の鋳造品に対応する製品パレットへの収容数が、該製品パレットの収容可能数に満たない場合は、前記収容可能数になるまで、次の取鍋の鋳造品を収容し、
前記識別情報取得工程において、収容された製品パレットの識別コードと次の取鍋の鋳造品の識別記号のデータとを紐づけさせて取得することを特徴とする多品種鋳造品の生産管理方法。
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