JP6885831B2 - 鋳造製品,鋳造製品の製造データ管理方法,鋳型造形用主型のマーキング材及び砂型鋳造の鋳出し方法 - Google Patents

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Description

本発明は、管理コードを用いた鋳造技術に関する。
従来、特許文献1に記載の技術では、熱硬化性の樹脂を含有する骨材に熱を加えて加工し、その後、硬化させて砂型部材を形成する。この砂型部材の溶湯が流れ込む領域に、振動する端子を接触させ、凹状の管理コードを彫り込む技術(以下、彫り込み工程と記載する。)が開示されている。
特開2015−139791公報
近年、量産される製品を細かく管理する要求があり、情報量の増大に比例して文字数が増える傾向にある。しかしながら、上記特許文献1の方法では、砂型のキャビティ面に全ての管理コードを彫り込む必要があり、この彫り込み工程の時間が長くなるという問題があった。特に、一つの砂型で複数の製品を得る多数個取りを行う場合、製品ごとに管理コードを彫り込む必要がある。そうすると、彫り込み工程の時間が長くなり、次の砂型に溶湯を流し込むまでの時間(以下、鋳造のタクトタイムと記載する。)に間に合わなくなることで、鋳造効率の低下を招くという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、鋳造のタクトタイムに影響を与えることなく管理コードを付与可能な鋳造技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明では、砂型により鋳造され、管理コードが表示された鋳造品であって、管理コードは、凸状に形成された複数の文字と、複数の文字に隣接して形成され、先端に向かって断面積が小さくなる凸状の複数のドット群で表示された特殊文字と、の組み合わせ文字列で表示され、鋳造品の外表面に管理コードが鋳出されている。
よって、ドットの変更のみで新たな管理コードを付与することができ、鋳造のタクトタイムに影響を与えることがない。また、例えば、管理コードを細分化して管理するためのマーキング材に関して、製品コードや年月日のように、変更頻度が低いコードは認識し易い複数の文字とし、1日当たり複数回の変更など高い頻度で変更する必要があるコードは凸状のドット群で構成される特殊文字の構成とした文字列からなる管理コードが鋳出された製品とすることにより、製品毎の識別及び管理を容易にできる。また、ダクタイル鋳物製品のように砂型で鋳造される生産品に対しても、頻繁に変化する鋳造条件に応じた細分化した管理コードを付与することができるため、高いトレーサビリティを実現することができる。特に、一つの砂型で多数個取りするような大量生産品についてはさらに識別が複雑化するが、文字列と特殊文字による管理コードの組み合わせの多様化が可能となり、各々の製品に異なる管理コードを付与することができる。
実施例1のダクタイル鋳物の鋳造工程を表す概略図である。 実施例1の砂型製造工程を表す概略図である。 実施例1の砂型製造工程を表す概略図である。 実施例1の砂型製造工程を表す概略図である。 実施例1の鋳出し用文字列のマーキング材を表す図である。 実施例1の第1マーキング材における凸状のアルファベット及び数字の部分断面図である。 実施例1の第2マーキング材における円錐台状のドット記号の部分断面図である。 実施例1の切断によるドット記号数の変更をロボットで行う場合の構成図である。 実施例1の第2マーキング材の切断工程を表す拡大図である。 実施例1のドットの一部を切断した状態を表す図である。 実施例1のダクタイル鋳物鋳造後のドット記号の視認性を表す特性図である。 実施例1のダクタイル鋳物鋳造後のドット記号間の視認性を表す特性図である。 実施例1の製造データ管理方法を表すフローチャートである。 実施例1の製造データ管理方法を表すフローチャートである。 実施例1の砂処理を表すフローチャートである。 実施例1の溶湯処理を表すフローチャートである。 実施例1の管理コード変更処理を表すフローチャートである。 実施例1の製造工程を表す工程表である。 実施例1の鋳造条件データサンプルである。 実施例1の品質要因効果解析処理を表すフローチャートである。 実施例1の品質要因効果解析処理において、強度に問題が生じた製品が出た場合の解析処理を表すフローチャートである。 実施例2のマーキング材を表す斜視図である。 実施例3のマーキング材を表す斜視図である。 実施例4のマーキング材を表す斜視図である。 実施例5の第2マーキング材における円錐台状のドット記号の部分断面図(図5のB−B'間)である。 実施例6の第2マーキング材の一部を切断した状態を表す図である。 実施例7の第2マーキング材の一部を切断した状態を表す図である。 実施例8の第2マーキング材を表す上面斜視図及び側面斜視図である。 実施例9の第2マーキング材を表す平面図である。 実施例10の第2マーキング材を表す上面斜視図及び側面斜視図である。 実施例11のマーキング材を表す斜視図である。 実施例12のマーキング材を表す概略図である。 実施例13のマーキング材を表す概略図である。 他の実施例におけるマーキング材エリアを備えた製品の一例である。 他の実施例におけるマーキング材エリアを備えた製品を多数個取りする一例である。
〔実施例1〕
図1は、実施例1のダクタイル鋳物の鋳造工程を表す概略図である。図1の上段が溶湯製造工程であり、中断が注湯工程であり、下段が砂型製造工程を表す。
溶湯製造工程では、溶解炉30において鉄を主成分とする溶湯を製造し、処理用取鍋31aに小分けする。そして、調整装置32を用い、処理用取鍋31aにMg等の球状化剤及びMnやCu等の接種剤を投入して化学組成を調整し、注湯用の取鍋31に注いだ後、注湯すべき製造ラインの所定位置まで移動する。
図1下段及び図2〜4は、実施例1の砂型製造工程を表す概略図である。砂型製造工程では、下型100内に下主型10dを設置後、砂を充填して下側砂型102を作成する。同様に、上型101内に上主型10uや湯口用型を設置後、図2に示すように、上主型10uに対し、後述するマーキング材を貼り付け、砂を充填して湯口11を備えた上側砂型103を作成する。このとき、図3に示すように、上側砂型103には、マーキング材に形成された情報が凹凸形状として転写される。そして、図4に示すように、下側砂型102に上側砂型103を重ね合わせることで、砂型104を製造する。以下、上主型10u及び下主型10dを総称して主型10とも記載する。
注湯工程では、製造ラインに砂型104が載置され、取鍋31から湯口11への注湯が完了すると、次の砂型104が搬送されて、取鍋31から注湯される。ある砂型104に注湯を開始後、次の砂型104に注湯を開始するまでの時間をタクトタイムという。注湯工程が終了後、冷却されると、砂型104を崩してダクタイル鋳物を取り出し、湯口11等の不要な部分を取り外して成形して製品とする。
実施例1のダクタイル鋳物には、管理コードが鋳出しにより付される。ダクタイル鋳物への管理コードとしての鋳出し文字は、個々の鋳造製品とその製造プロセス情報及び検査情報等との紐付けをデータベースに登録することにより、その製造過程における不具合が発生した際にその原因が容易に解明でき、不具合対応をスピーディにできる。また、市場に出た最終製品についても鋳造製品に鋳出しされた管理コードに基づきトレーサビリティを実現するための機能を有している。
図5は、実施例1の鋳出し用文字列のマーキング材を表す図である。実施例1の鋳出し用文字列は、日々のロット管理等を前提としたアルファベット及び数字からなる文字と、取鍋単位などに細分化管理が可能な特殊記号であるドットを組み合わせたドット記号とを併用して構成されている。ここで、ドットとは、平面部から円錐台状に立設された突起状部であり、ドット記号とは、複数のドットの組み合わせ(以下、ドット群とも記載する。)である。このアルファベット及び数字とドット群とによる文字列(以下、管理コードと記載する。)は、樹脂製プレートのマーキング材により形成される。マーキング材は、アルファベット及び数字を鋳出すための第1マーキング材1と、ドット記号を鋳出すための第2マーキング材2とを有する。ここで、第1マーキング材1に示す文字とは、特定のルールによらず一般的に共有された認識可能な記号を表し、第2マーキング材2に示す記号とは、特殊なルールによって認識可能な記号ないし特殊文字を表す。このマーキング材を鋳造砂型を造形する主型のキャビティ面に接着剤により予め取り付ける。これにより、砂型造形時点で管理コードが押印されるため、文字周縁部が型崩れすることなく造型でき、結果として鋳造製品への文字列の鋳出し精度を向上できる。
図6は実施例1の第1マーキング材における凸状のアルファベット及び数字の部分断面図(図5のA−A'間)、図7は実施例1の第2マーキング材における円錐台状のドット記号の部分断面図(図5のB−B'間)である。図6に示すように、第1マーキング材1の文字列部分は、断面において高さh1の凸形状とされている。この円錐台状の形状は、先端部になるほど先細り形状を有する。仮に、円錐の傾斜角度θを70度より大きくし、略直方体に近づけてしまうと、砂型への転写時にドットの形状が崩れやすいためである。すなわち、円錐台状の形状とすることで、砂型造形の際の成形性と、鋳造の際の湯廻り性を改善している。
また、図7に示すように、第2マーキング材2は、ドット記号部分を保持するプレート状のベース部2aと、ベース部2aの4隅にベース部2aよりも外側にはみ出す位置に形勢されテーパ面2sを有するドット2bと、を有する。これにより、数センチメートル以下の狭い領域に複数のドットを形成した場合でも、切除によるパターン変更が容易となり、安定したドット2bのパターン変更が可能となる。また、ドット2bは、平面視において円形としているが、多角形としてもよい。多角形としても、鋳造後のドットの形状は、湯流れの影響で円錐台状の形状となるからである。また、複数のドット2bから形成される特殊記号の大きさは、第1マーキング材1に形成される1文字分の大きさと略同等に形成されている。すなわち、特殊文字であるドットを複数の文字の範囲(面積)と同等に形成したため、貼り付け面積が小さくなる。よって、貼り付け面が制限される母型であっても、貼着位置の選択自由度が増す。
また、ベース部2aの厚みは、h4とされている。ドット2bは、断面において高さh2の台形形状とされている。高さh2は、鋳造後において、ドット2bの切断前の高さと、ドット2bの切断後の高さとの違いが十分に視認可能な高さに設定されている。ドット2bは、内部が空洞とされており、中空内周壁2b2と、中空天井壁2b1とを有する。
中空天井壁2b1の高さは、h3とされている。ベース部2aの厚みh4は、中空天井壁2b1の高さh3よりも低く形成され、h2>h3>h4の関係を有する。図10は実施例1のドットの一部を切断した状態を表す図である。図10に示すように、ドットの一部を切断して消失させ、その消失した数(残存する数でもよい)をカウントする、もしくはパターン認識により認識する。よって、ドット2bを切断する際、切断位置がばらついたとしても、ドット内部は空洞のため、ドット切断後の高さは0となる。これにより、切断後のドットの厚さばらつきを大幅に低減し、ドットのパターン変更の有無を容易に確認できる。また、鋳造時において、切断後のドットにより形成される砂型への湯流れを抑制できる。すなわち、切断位置のばらつきでドットの高さ変更が十分行われていない場合、砂型にドットが残り、湯流れが生じるおそれがある。これに対し、ドット内部を空洞としているため、切断後のドットの高さは0となり、砂型にドットが残ることがなく、鋳造後のドットの高さの差異を明確化できる。これにより、ドットパターン変更時の品質不良を抑制し、ダクタイル鋳物製品の安定した品質を確保できる。
また、実施例1のドットの先端2cは、平坦な形状とされており、過度に細くなる部分を回避することで、安定したドット形状を確保している。第2マーキング材2のドット記号は、例えば取鍋31に溶湯が小分け(配湯)される毎に、ドット記号の所定箇所を切断することにより、容易に特殊記号の表示を変更できる。よって、取鍋31ごとに管理コードを変更できる。
特に、一つの鋳造型で鋳造製品を複数鋳造する多数個取りの場合に、製造のタクトタイムに合わせて全ての鋳造製品の管理コードの変更をする必要がある。仮に、取鍋31が変更される度に、マーキング材2を貼り直した場合、多数個のマーキング材2の貼り直しに時間がかかり、タクトタイムに間に合わせることができず、製造ラインの製造効率を向上することが困難である。これに対し、ドット記号の一つのドットを切断するだけであれば、多数個取りを行っていたとしても、全ての管理コードを短時間で変更でき、タクトタイムに影響を与えることがないため、製造効率の面で非常に有利である。
図8は実施例1の切断によるドット記号数の変更をロボットで行う場合の構成図、図9は実施例1の第2マーキング材の切断工程を表す拡大図である。ロボットRBの先端には、切断用ハンド105が取り付けられている。実施例1の切断用ハンド105は、はさみタイプ若しくはカッタータイプ等であり、ドットを切断する機能を有する。ロボットRBは、ロボットコンピュータRCにより作動状態が制御される。ロボットコンピュータRCは、生産管理コンピュータMCからの指令に基づいて、切断する第2マーキング材2のドット記号に対し、切断処理を実行する。これにより、下型100の各キャビティ面に貼り付けた第2マーキング材2の一部を切断することにより、管理コードの表示を変更する。
図11は実施例1のダクタイル鋳物鋳造後のドット記号の視認性を表す特性図である。横軸が鋳造前の第2マーキング材2のドット記号の直径W(図7参照)を表し、縦軸が鋳造後のドット記号の直径Wを表す。実施例1の鋳造工程では、樹脂性プレートからなる第2マーキング材2を下型100に貼り付け、砂型に文字形状を転写する。次に、溶湯を注湯取鍋から砂型に注湯し冷却後、砂を除去し、ブラスト処理及び仕上げを行う。これらの鋳造工程を経たうえで、視認性が確保できるか否かを検討した。これによると、アルファベット及び数字と異なり、ドット記号は閉空間(穴)への溶湯の湯流れ性及びブラスト耐性が要求されるため、視認性確保には第2マーキング材2のドットの直径Wは、1.8mmが把握された。言い換えると、1.8mm未満の直径Wとした場合、鋳造後のドット記号の直径Wの劣化が激しく、十分な視認性を確保できないことが確認された。
図12は実施例1のダクタイル鋳物鋳造後のドット記号間の視認性を表す特性図である。横軸が鋳造前の第2マーキング材2のドット記号間の間隔を表し、縦軸が鋳造後のドット記号間の間隔を表す。図7で述べた鋳造工程を経たうえで、第2マーキング材2のドット記号間隔に対する鋳造後のドット記号間隔の視認性が確保できるか否かを検討した。これによると、鋳造後のドット記号各々の視認性の確保が必要なドット記号間の間隔は、0.45mm以上に設計する必要があることが把握された。言い換えると、0.45mm未満の間隔とした場合、鋳造後のドット記号の間隔の劣化が激しく、十分な視認性を確保できないことが確認された。
図13及び図14は実施例1の製造データ管理方法を表すフローチャート、図18は実施例1の製造工程を表す工程表、図19は実施例1の鋳造条件データサンプルである。
ステップS1では、生産管理コンピュータMCにより1日の各種製品の生産計画を立案し、登録する。具体的には、各取鍋31に対応した製品番号及び識別番号と、それに対応した生産量、生産時刻等、詳細な取鍋毎の生産計画情報を立案し、生産指示を行う。
ステップS2では、立案された生産計画に基づき、生産管理コンピュータMCからの指示に従って、第1及び第2マーキング材1,2が成形される。具体的には、ナンバリング設備によって、製品番号と識別番号をアルファベット及び数字からなる第1マーキング材1と、ドット記号からなる第2マーキング材2とを成形し、管理コードとして第1マーキング材1と第2マーキング材2とを組み合わせ、予め主型のキャビティ面に貼り付ける。このとき、製品番号・識別番号情報(1)を生産管理コンピュータMCに出力する。
ステップS3では、砂型に用いる砂に所定の添加物等を加えて撹拌する砂処理を行う。
図15は実施例1の砂処理を表すフローチャートである。
ステップS31では、再生砂に新砂・添加剤・水分を添加して混錬する。
ステップS32では、圧縮強度や、CB値(コンパクタビリティ)分析を行う。
ステップS33では、ステップS32の分析値及び砂型処理条件(処理量、処理開始時刻、添加剤情報、混錬情報等)の製造データ(3)を生産管理コンピュータMCに出力する。
ステップS4では、ステップS2の管理コードが貼り付けられた主型と、ステップS3で処理された砂を用いて、製造ライン上で砂型を作製する。
ステップS5では、必要に応じて砂型に中子を挿入し、注湯する製造ラインの所定の位置まで砂型(鋳型)を移動する。この砂型及び中子の製造情報(3)は、主型の管理コードと紐付けされてデーターベース(外部記録)に記録される。
ステップS6では、溶湯処理を行う。図16は実施例1の溶湯処理を表すフローチャートである。
ステップS61では、溶解炉(元湯)にて、鉄を主成分とする溶湯を作製する。
ステップS62では、主成分の分析(Fe,C等)を行う。
ステップS63では、出湯するとともに、元湯の製造実績情報(出湯時刻、出湯温度、主成分情報等)を製造データ(2)として生産管理コンピュータMCに出力する。
ステップS64では、処理を行う取鍋31において、球状化処理剤及び接種剤を添加する。具体的には、生産計画に従い、溶解炉30内の元湯である鉄を主成分とする溶湯を、小分けにして取鍋に移し、Mg等の球状化剤及び、MnやCu等の接種剤を投入して化学組成を調整する。
ステップS65では、砂型104に注湯するための注湯取鍋に移し替え、注湯すべき製造ラインの所定の位置まで移動する。これら取鍋31の接種剤等の情報(4)は取鍋番号とともにデータベースDB(外部記録)に記録される。
ステップS7では、砂型104に、成分調整した溶湯を注湯する。また、取鍋31の製造実績情報(取鍋番号、注湯開始時刻、注湯終了時刻、処理量、成分情報)を製造データとして管理する。また、製造番号及び識別番号に対し、製造データ管理上の砂型情報及び溶湯情報を紐づけする。そして、生産計画の進行に応じて、管理コード変更処理を行う。
図17は、実施例1の管理コード変更処理を表すフローチャートである。尚、この管理コード変更処理は、製造データ管理方法のフローの中で実施される。管理コードの変更に関して、理解を助けるために、あえて他のステップと重なるステップについても記載する。
ステップS71では、管理コードを主型に貼付する。この処理は、上述のステップS4で実施される処理である。
ステップS72では、砂型を造型する。この処理は、上述のステップS5で実施される処理である。
ステップS73では、注湯取鍋から注湯する。この処理は、上述のステップS6で実施される処理である。
ステップS74では、注湯した砂型造型数S1が生産計画数S2に到達したか否かを判断し、到達していなければステップS72に戻って砂型造型を繰り返す。一方、到達したときはステップS75に進む。
ステップS75では、管理コードを一桁分以上変更したか否かを判断し、一桁分以上変更した場合は全ての管理コードの貼り替えが必要なため、本制御フローを終了する。一方、一桁分以上変更していない場合は、変更の余地があると判断してステップS76に進む。
ステップS76では、管理コードの一部を変更する。一部とは、第2マーキング材2のドットの切断に加え、日付等を表す第1マーキング材1の一部の貼り替えを表す。
ステップS77では、管理コードを検査する。具体的には、管理コードが指示通り適切に切断もしくは貼り替えされたか否かをカメラの画像処理で確認、もしくは作業者の目視により確認する。不適切な場合は、ステップS78に進み、生産計画に応じた管理コードとなるように貼り替える、もしくは適切にドットを切断し、適切な管理コードとする。適切な管理コードとなった場合はステップS72に戻り、砂型の造型を開始する。
すなわち、管理コードに対応した生産計画数と、砂型104で造型した数量とが一致するまで同一管理コードで生産する。そして、製品の管理コードに対応した生産が終了後、管理コードを変更する。例えば、取鍋31が変更された場合、ロボットコンピュータRCに対し、第2マーキング材2のドットを切断し、ドット数を変更する指令が出力される。また、第2マーキング材2のドットが全て切断された場合は、第2マーキング材2の貼り替えを行う。また、管理コード中の日付等の情報を表す第1マーキング材1の一部も併せて変更する場合は、管理コードのうちの変更が必要な第1マーキング材1の部分的な貼り替えを行う。このとき、管理コード(製品番号及び識別番号)、生産日、取鍋番号、生産開始時刻等の生産実績情報が生産管理コンピュータMCに送られる。
ここで、材料成分情報は各取鍋を砂型104に注湯した際に分析可能なテストピースを同時に作製し、このテストピースを用いて材料成分の分析を行う。分析手法としては、ICP発光分光分析や蛍光X線回折等が行われる。ICP発光分光分析では、分析サンプルを酸水溶液に溶解し、試料溶液を霧状にし、アルゴンガスで高周波誘導プラズマを生成する。そして、その中で試料溶液を発行させ、各元素特有の波長及びその発光強度から、定量的な化学組成を特定する。蛍光X線分析では、分析サンプルにX線を照射し、放射された各元素特有の蛍光X線から定量的な化学組成を特定する。
この分析結果及び取鍋番号が生産実績情報(4)として生産管理コンピュータMCに送られ、管理コード(製品番号及び識別番号)、取鍋番号、成分情報、作業時刻等が紐付けられる。この時、必要な場合には、各工程に直接関わる担当者が登録した作業者を選択し、同様に生産実績情報として管理する。
ステップS8では、ドラムクーラー工程を行う。具体的には、鋳物(製品)及び砂型104の冷却を行い、冷却完了後、回転ドラム内に鋳物及び砂型104を投入し、回転ドラムを回転しながら注水し、砂を除去する。このとき、砂除去条件情報(5)として、処理開始時刻、注水時間、注水量、回転数を製造データとして管理する。そして、製品番号及び識別番号に対して、製造データ管理上で砂除去条件情報を紐づける。
ステップS9では、堰折り工程を行う。具体的には、ゲートや湯道等の余剰造型部を除去する。このとき、余剰造型部除去条件情報(6)として、処理開始時刻、ゲート除去圧力、プレス圧力等を製造データとして管理する。そして、製品番号及び識別番号に対して、製造データ管理上で余剰造型部除去条件情報を紐づける。
ステップS10では、ブラスト工程を行う。具体的には、鋳物(製品)の砂取り仕上げ処理及び仕上げ処理を実施する。このとき、ブラスト条件情報(7)として、処理開始時刻、処理時間、電流値等を製造データとして管理する。そして、製品番号及び識別番号に対して、製造データ管理上でブラスト条件情報を紐づける。
尚、堰折り工程やブラスト工程などの生産工程内で異なる取鍋31が混同する場合には、各工程の条件情報を、取鍋単位で開始時刻と処理時間に基づいて、条件の変動をキー情報として収集する。そして、変動する条件の平均値及びばらつき量として例えば標準偏差等の2つのパラメータとして抽出することにより、取鍋単位での工程情報として管理できる。
ステップS11では、検査工程を行う。具体的には、鋳物(製品)の外観検査、強度検査、硬度検査、巣や湯境の確認を行い、これらの検査結果情報(8)を製造データとして管理する。そして、製品番号及び識別番号に対して、製造データ管理上で検査結果情報を紐づける。
ステップS12では、鋳物(製品)の出荷・配送を行う。このとき、製造番号及び識別番号に紐づけした鋳物(製品)の出荷・配送状況を、在庫管理のための出荷配送情報(9)として管理する。
ステップS13では、製品番号及び識別番号に対応した製品に対して、顧客での品質情報を、リコール抑制のための製造データ(10)として管理する。
上記各ステップから収集された造型データは、生産管理コンピュータMCに出力された後、データベースDBに記憶される。そして、品質要因効果解析コンピュータAMCは、データベースDBに記憶された情報に基づいて品質要因効果解析を行う。
図20は実施例1の品質要因効果解析処理を表すフローチャートである。
ステップS101では、製品番号と識別番号をコード化する。
ステップS102では、識別番号と各種生産工程情報の紐づけを行う。
ステップS103では、識別番号と品質検査結果の紐づけを行う。
ステップS104では、良品及び不良品の現象を分類する。
ステップS105では、品質に影響を及ぼす生産工程情報(制御因子)と検査結果の相関解析を行う。
ステップS106では、品質向上を実現する生産工程情報(制御因子)の見直しと決定を行う。
図21は実施例1の品質要因効果解析処理において、強度に問題が生じた製品(以下、強度NG品と記載する。)が出た場合の解析処理を表すフローチャートである。
ステップS201では、生産工程で収集した(1)から(7)の情報と、検査結果情報(8)とに基づいて、強度NG品の紐づけ情報を抽出する。
ステップS202では、強度に問題が生じていない製品(以下、強度OK品と記載する。)及び強度NG品の(1)〜(8)の過去のデータベース情報から、データマイニング等の解析により強度NG品に至るパターンを抽出する。
ステップS203では、データベース解析結果と今回の強度NG品の現象及び生産工程の情報を比較する。例えば、原因の一つは、生産工程情報(4)の取鍋のMg添加量が少なく、その注湯時間が長いといったことを把握する。
ステップS204では、品質改善に必要な生産工程と、その条件抽出を行う。例えば、上記把握された原因に対し、生産工程情報(4)の取鍋の成分Mg添加量を増やし、かつ、その注湯時間を短くする対策を取る。
ステップS205では、安定した強度を実現する生産工程情報(制御因子)の見直しを行い、必要な個所に必要な対策を適用する。
〔実施例1の効果〕
以下、実施例1にあっては、下記の作用効果が得られる。
(1)砂型104により鋳造され、管理コードが表示された鋳造品であって、管理コードは、凸状に形成された複数の文字と、複数の文字に隣接して形成され、先端に向かって断面積が小さくなる凸状の複数のドット群で表示された特殊文字と、の組み合わせ文字列で表示され、鋳造品の外表面に管理コードが鋳出されている。
すなわち、管理コードを細分化して管理するためのマーキング材に関して、製品コードや年月日のように、変更頻度が低いコードは認識し易い複数の文字とし、1日当たり複数回の変更など高い頻度で変更する必要があるコードは凸状のドット群で構成される特殊文字の構成とした文字列からなる管理コードが鋳出された製品とすることにより、製品毎の識別及び管理を容易にできる。また、ダクタイル鋳物製品のように砂型で鋳造される生産品に対しても、頻繁に変化する鋳造条件に応じた細分化した管理コードを付与することができるため、高いトレーサビリティを実現することができる。特に、一つの砂型で多数個取りするような大量生産品についてはさらに識別が複雑化するが、文字列と特殊文字による管理コードの組み合わせの多様化が可能となり、各々の製品に異なる管理コードを付与することができる。
(2)管理コードは、複数の文字が個別に形成されており、個別の複数の文字と個別の特殊文字を任意の位置で組み合わせた文字列である。
すなわち、文字と特殊文字との任意の組み合わせから文字列を構成することで、多くの文字列パターンを構成できる。よって、複数種の製品を多数個取りで製造する際であっても少ない文字と特殊文字の組み合わせで多種類の文字列ができるため識別が容易になる。
(3)特殊文字は、複数の文字列の端に隣接して配置されている。すなわち、複数の文字の端に特殊文字を配置することにより特殊文字の視認性が改善する。よって、特殊文字が小さくても管理コードの品質を確保できる。
(4)砂型により鋳造され、管理コードが表示された鋳造品の製造方法であって、
管理コードは、凸状に形成された複数の文字と、複数の文字に隣接して形成され、複数の凸状のドット群で表示された特殊文字と、の組み合わせ文字列で表示され、
製品情報に合わせて管理コードの文字が形成されたマーキング材を鋳造用母型の製品造型面に貼着する工程と、
製造条件の変化に応じて特殊文字の任意のドット部位を除去して管理コードを変更する工程と、
鋳造用母型により管理コードが転写された鋳造用砂型を造形する工程と、
前記鋳造用砂型に注湯し鋳造品の表面に前記管理コードを鋳出す工程と、
を有する。
すなわち、管理コードを細分化して管理するためのマーキング材に関して、製品コードや年月日のように、変更頻度が低い管理コードの一部は認識し易い複数の文字とし、1日当たり複数回の変更など高い頻度で変更する必要があるコードは特殊文字の構成として鋳造した。これにより、ダクタイル鋳物製品のように砂型で鋳造される生産品に対しても、頻繁に変化する鋳造条件に応じた細分化した管理コードを付与することができるため、高いトレーサビリティを実現することができる。
(5)特殊文字のドット群は、ベース部2a側より先端側の断面積が小さく形成されている。言い換えると、ドットは円錐台状の先細り形状とすることで、砂型が崩れることなく、注湯した湯が砂型のドット転写の凹部に流れて安定した凸形状を形成する機能を有する。よって、特殊文字のドットに関して、鋳出された管理コードの安定した視認性を確保することができる
(6)特殊文字のドット群は、ドットの内部であって、ドットの切除箇所を含み底面が解放された空洞を有する。すなわち、母型の造型面に貼着した特殊文字に関して、ドットを切除した部分は空洞が現れるため、切除されていない他のドット比べて見た目が変化する機能を有する。よって、切除後のドットの有無を容易に確認することができるため、砂型転写前のドットのパターン変更に際して安定した管理コードの品質を確保できる。
(7)特殊文字のドット群は、複数の文字と同等範囲に形成されている。すなわち、特殊文字であるドットを複数の文字の範囲(面積)と同等に形成したため、貼り付け面積が小さくなる。よって、貼り付け面が制限される母型であっても、貼着位置の選択自由度が増す。
(8)鋳造用の砂型104を造型する主型10の造型面に管理コードが設けられ、管理コードが鋳出された鋳造製品であって、管理コードは、凸状に形成された複数の文字と、複数の凸状のドットで構成され、ドットのパターンを変更可能な特殊記号であるドット記号と、の組み合わせ文字列で表示されている。
よって、ドット記号のパターンをドットの切除等によって変更することが可能となり、鋳造のタクトタイムに影響を与えることなく管理コードを素早く変更できる。
(9)ドットの直径を1.8mm以上とした。これにより、鋳出し転写性を確保することができ、鋳造後におけるドットの視認性及び識別性を確保できる。
(10)ドットとドットの間隔を、0.45mm以上とした。これにより、鋳出し転写性を確保することができ、鋳造後におけるドットの視認性及び識別性を確保できる。
(11)ドットの先端は、平坦な形状とされている。よって、過度に細くなる部分を回避することで、安定したドット形状を確保できる。
(12)鋳造製品の製造データをデータベースに登録して管理する鋳造製品のデータ管理方法であって、鋳造用の砂型104を造型する主型10の造型面に、複数の凸状のドットで構成され、該ドットのパターンを変更可能な特殊記号であるドット記号と、の組み合わせ文字列で構成される管理コードが形成されたマーキング材を設け、主型により砂型を造型し、該砂型により管理コードが鋳出された鋳造製品を鋳造し、管理コードと鋳造製品の製造データとを関連付けてデータベースDBに登録して管理する。
すなわち、ドット記号のパターンをドットの切除等によって変更することが可能となり、鋳造のタクトタイムに影響を与えることなく管理コードを素早く変更できる。そして、管理コードと製造データとを関連付けて管理することで、製品のトレーサビリティを向上できる。
(13)管理コードは、生産計画に基づく生産指示によって設定される。よって、生産計画に応じた管理コードを付与できる。
(14)取鍋31ごとにドットを変更し、製品と取鍋31と砂型104の製造データを管理コードに紐づけた。よって、製品ごとに鋳造工程の情報を管理できる。
(15)中子を取り付けた場合には、中子の製造データを更に紐づける。よって、製品ごとに鋳造工程の情報を管理できる。
(16)実施例1では、取鍋31ごとにドットを変更したが、砂型104ごとにドットを変更してもよい。これにより、製品ごとに鋳造工程の情報を管理できる。
(17)砂型104ごとにドットを変更する際、中子を取り付けた場合には、中子の製造データを更に紐づけることが望ましい。これにより、製品ごとに鋳造工程の情報を管理できる。
(18)ドットを変更するときは、予め設定されたドットを切断することで管理コードを変更する。これにより、鋳造のタクトタイムに影響を与えることなく、管理コードを素早く変更できる。
(19)ドットを切断するときは、ロボットRBにより自動的に切断する。よって、生産管理コンピュータMCからの指令信号に基づいて正確に管理コードを変更できる。
(20)ロボットRBには、切断器具としてハサミを有する。よって生産管理コンピュータMCからの指令信号に基づいて、一部のドットを正確に切断できる。尚、切断器具としては、ハサミに限らずナイフ等を備えてもよい。
〔実施例2〕
図22は実施例2のマーキング材を表す斜視図である。実施例1では、第1マーキング材1及び第2マーキング材2をそれぞれ文字や記号毎に張り付ける構成とした。これに対し、実施例2では、文字の一部とドットとを組み合わせた第3マーキング材200を形成した点が異なる。第3マーキング材200は、第1マーキング材1の文字以外の領域が拡大され、この拡大された領域に第2マーキング材2を貼り付けた構成とされている。これにより、例えば、全てのドットを切断後、文字の一部も含めて管理コードを変更したい場合、一つの第3マーキング材200のみ張り替えることで、二つの情報を変更することができる。
(21)マーキング材はベース部2aに文字部が形成され、複数の文字が個別に形成されており、特殊文字のベース部は、複数の文字の少なくとも一つのベース部と一体に形成されている。すなわち、特殊文字を複数の文字に隣接して形成しているため、マーキング材として一体化が容易となり、取り扱い易くなる。よって、母型への貼着作業が容易にできる。
〔実施例3〕
図23は実施例3のマーキング材を表す斜視図である。実施例1では、文字から構成された第1マーキング材1と、ドットから構成された第2マーキング材2とからマーキング材を構成した。これに対し、実施例3では、文字から構成された第1マーキング材1を排除し、全ての情報を複数の第2マーキング材2の組み合わせで管理コードを構成したものである。すなわち、ドット数を増大させることで、切断のみで変更可能な情報を増大させることができ、マーキング材の貼り替え作業を抑制できる。
〔実施例4〕
図24は実施例4のマーキング材を表す斜視図である。実施例3では、4つのドットを備えた第2マーキング材2を組み合わせた。これに対し、実施例4では、6つのドットを備えた第4マーキング材300と、4つのドットを備えた第2マーキング材2との組み合わせで管理コードを構成したものである。これにより、より複雑な管理コードを構成することが可能となり、マーキング材の貼り替え作業を抑制できる。
〔実施例5〕
図25は実施例5の第2マーキング材における円錐台状のドット記号の部分断面図(図5のB−B'間)である。実施例1では、ドットの内部に空洞を形成した。これに対し、実施例5では、空洞の中空天井壁2b1からベース部2a側に延びる柱部2b3を形成した点が異なる。これにより、ドットの剛性を高めることができ、繰り返し砂型に転写する際に、ドットの潰れを抑制できる。尚、ドットの切断後は、柱部2b3の一部は接着剤により固着されているため、中央部に柱部2b3の断面が露出し、より視認性を確保できる。
〔実施例6〕
図26は実施例6の第2マーキング材の一部を切断した状態を表す図である。実施例1では、ドット内を空洞とした。これに対し、実施例6では、空洞内に第2マーキング材2の色彩とは異なる色彩を有するマーカー2xが充填されているものである。これにより、ドットを切断した状態を目視する際の視認性を向上することができる。
(22)特殊文字のドット群は、ベース部2aから切り離された後のドット部位の見かけが、切断されていないドット部位の見かけと異なる。具体的には、空洞に色彩の異なるマーカー2xを充填する。すなわち、母型の造型面に貼着した特殊文字に関して、ドットを切除した部分は、切除されていない他のドット比べて見た目が変化する機能を有するため、切除後のドットの有無を容易に確認することができ、砂型転写前のドットのパターン変更に際して安定した管理コードの品質を確保できる。
〔実施例7〕
図27は実施例7の第2マーキング材の一部を切断した状態を表す図である。実施例5では、ドット内の空洞に柱部2b3を備えた。これに対し、実施例7では、ドット内の空洞に実施例6と同様のマーカー2xが充填されているものである。これにより、ドットを切断した状態を目視する際の視認性を更に向上できる。
〔実施例8〕
図28は実施例8の第2マーキング材を表す上面斜視図及び側面斜視図である。実施例1では、ドットの内部に空洞を形成し、切断時における視認性を確保した。これに対し、実施例8では、ドットにベース部2aとは異なる色彩を有するドット上部2bxと、ベース部2aと同じ色彩を有するドット下部2byとを有する。よって、ドットの切断時には、ドット上部2bxを切り取ることで、ドット下部2byが切断部の上端に露出することとなり、切除されていない他のドットに比べて見た目が変化する機能を有するため、切除後のドットの有無を容易に確認することができ、砂型転写前のドットのパターン変更に際して安定した管理コードの品質を確保できる。
〔実施例9〕
図29は実施例9の第2マーキング材を表す平面図である。実施例1では、ドットの途中を切断することで高さを変更した。これに対し、実施例9では、ベース部2aとドット2bとの間に切り込み2dを有する。そして、ドット2bの数を変更する際には、ドット2bをベース部2aから引きちぎる。これにより、切断箇所のばらつき等に起因した誤った判定を回避することができ、砂型転写前のドットのパターン変更に際して安定した管理コードの品質を確保できる。また、砂型転写時にもドットの切断後の残り部分等が転写されることがなく、鋳造後の視認性を確保できる。
〔実施例10〕
図30は実施例10の第2マーキング材を表す上面斜視図及び側面斜視図である。実施例1では、ドット2bのテーパ面2sと先端2cとの間を鋭角に接続した形状とした。これに対し、実施例10では、テーパ面2sと先端2cとの間に、所定の曲率半径を有する接続面2fを有する。言い換えると、ドット2bの凸状の先端が側面から見て弧状に形成されている。よって、砂型のエッジ部分における型崩れ等を防止でき、管理コードの視認性の向上及び管理コードとしての品質を向上できる。
〔実施例11〕
図31は実施例11のマーキング材を表す斜視図である。実施例2では、第1マーキング材1に対して第2マーキング材2を張り付けて第3マーキング材200を形成した。これに対し、実施例11では、第1マーキング材1の文字以外の領域を拡大し、この拡大した領域内に複数のドット2bを形成した点が異なる。よって、実施例2のように第1マーキング材1に対して第2マーキング材2を貼り付ける手間を省くことができる。図31(a)は、ドット形状としてテーパ面2sと先端2cとが鋭角に接続された例を示し、図31(b)は、ドット形状としてテーパ面2cと先端2cとが弧状の接続面2cを介して接続された例を示す。
〔実施例12〕
図32は実施例12のマーキング材を表す概略図である。実施例1では、第1マーキング材1の文字を個別に形成し、文字を組み合わせて貼り付け、加えて第2マーキング材2を貼り付けて管理コードを形成した。これに対し、実施例12では、管理コードの意味や更新頻度に応じて組み合わせたものである。例えば顧客製品群コードは1文字から構成し、メーカコードと造型金型内の配置位置コードとを2文字から構成し、製造年月日を表す複数の文字と日々の細分化情報を表すドットとから構成する。これにより、年月日などの更新頻度の高い部分を一つのマーキング材として構成でき、貼り替え作業の容易化を図ることができる。
〔実施例13〕
図33は実施例13のマーキング材を表す概略図である。実施例1では、第1マーキング材1と第2マーキング材2とを別々に形成した。これに対し、実施例13では、第2マーキング材2のベース部2a内に文字を形成した点が異なる。これにより、一文字分のスペースで、より複数の情報を提示することができ、貼り付け面積を効率化することで、貼り付け面が制限される母型であっても、貼着位置の選択自由度を更に増大できる。
図34は、他の実施例におけるマーキング材エリアを備えた製品の一例、図35は、他の実施例におけるマーキング材エリアを備えた製品を多数個取りする一例である。例えば、車両用ブレーキ装置のブレーキキャリパ600を鋳造する際、図35に示すように、一つの砂型から複数個分のブレーキキャリパを鋳造し、その後、型ばらしを行う。この段階では、ブレーキキャリパ600の部分に加えて湯道やゲートが残存している状態である。この状態から、堰折り工程やブラスト工程を行い、一つのブレーキキャリパ600とする。このとき、図34に示すように、ブレーキキャリパの側面に部分的に窪んだマーキング材エリア601を有し、ここにマーキング材により形成された管理コード600aが形成される。これにより、型ばらしや砂落としの工程で互いの製品の衝突によるドット文字の変形を抑制できる。
1 第1マーキング材
2 第2マーキング材
2a ベース部
2b ドット
2c 先端
10 主型
10a マーキング材エリア
10d 下主型
10u 上主型
11 湯口
30 溶解炉
31 取鍋
32 調整装置
102 下側砂型
103 上側砂型
104 砂型
105 切断用ハンド
600 ブレーキキャリパ
601 マーキング材エリア
AMC 品質要因効果解析コンピュータ
DB データベース
MC 生産管理コンピュータ
RB ロボット
RC ロボットコンピュータ

Claims (6)

  1. 砂型により鋳造され、管理コードが表示された鋳造品の製造方法であって、
    前記管理コードは、
    凸状に形成された複数の文字と、
    前記複数の文字に隣接して形成され、複数の凸状のドット群で表示された特殊文字と、
    の組み合わせ文字列で表示され、
    製品情報に合わせて前記管理コードの文字が形成されたマーキング材を鋳造用母型の製品造型面に貼着する工程と、
    製造条件の変化に応じて前記特殊文字の任意のドット部位を除去して管理コードを変更する工程と、
    前記鋳造用母型により管理コードが転写された鋳造用砂型を造形する工程と、
    前記鋳造用砂型に注湯し鋳造品の表面に前記管理コードを鋳出す工程と、
    を有することを特徴とする鋳造品の製造方法。
  2. 請求項記載の鋳造品の製造方法であって、
    前記マーキング材はベース部に文字部が形成され、
    前記複数の文字が個別に形成されており、前記特殊文字のベース部は、前記複数の文字の少なくとも一つのベース部と一体に形成されていることを特徴とする鋳造品の製造方法。
  3. 請求項記載の鋳造品の製造方法であって、
    前記特殊文字のドット群は、前記複数の文字と同等範囲に形成されていることを特徴とする鋳造品の製造方法。
  4. 請求項記載の鋳造品の製造方法であって、
    前記特殊文字のドット群は、前記ベース部側より先端側の断面積が小さく形成されていることを特徴とする鋳造品の製造方法。
  5. 請求項記載の鋳造品の製造方法であって、
    前記特殊文字のドット群は、ベース部から切り離された後のドット部位の見かけが切断されていないドット部位の見かけと異なることを特徴とする鋳造品の製造方法。
  6. 請求項記載の鋳造品の製造方法であって、
    前記特殊文字のドット群は、前記ドットの内部であって、前記ドットの切除箇所を含み底面が解放された空洞を有することを特徴とする鋳造品の製造方法
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