JP2019163505A - 水中金属構造物の防食電着被膜形成方法 - Google Patents

水中金属構造物の防食電着被膜形成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019163505A
JP2019163505A JP2018051880A JP2018051880A JP2019163505A JP 2019163505 A JP2019163505 A JP 2019163505A JP 2018051880 A JP2018051880 A JP 2018051880A JP 2018051880 A JP2018051880 A JP 2018051880A JP 2019163505 A JP2019163505 A JP 2019163505A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
anode
metal structure
steel sheet
sheet pile
energization amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018051880A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7066465B2 (ja
Inventor
達志 岩本
Tatsushi Iwamoto
達志 岩本
靖庸 鈴木
Yasutsune Suzuki
靖庸 鈴木
晴喜 谷口
Haruki Taniguchi
晴喜 谷口
浩一朗 山田
Koichiro Yamada
浩一朗 山田
圭介 田村
Keisuke Tamura
圭介 田村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
JMU Amtec Co Ltd
Original Assignee
IHI Corp
JMU Amtec Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Corp, JMU Amtec Co Ltd filed Critical IHI Corp
Priority to JP2018051880A priority Critical patent/JP7066465B2/ja
Publication of JP2019163505A publication Critical patent/JP2019163505A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7066465B2 publication Critical patent/JP7066465B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Prevention Of Electric Corrosion (AREA)

Abstract

【課題】直流電源や配線を不要として施工を容易に行いつつ、電着被膜を安定して形成し得る水中金属構造物の防食電着被膜形成方法を提供する。【解決手段】素地調整工程において、水中金属構造物10の表面における付着物を除去し、陽極取付工程において、素地調整工程で付着物が除去された水中金属構造物10の表面に、水中金属構造物10の表面に両端部が接続される鋼製の芯材21と、芯材21の中間部外周に被覆されるマグネシウム合金22とを備えた陽極20を取り付ける。【選択図】図2

Description

本開示は、水中金属構造物の防食電着被膜形成方法に関するものである。
一般に、水中金属構造物としては、岸壁等に護岸のために設けられる鋼矢板、橋梁や桟橋等に設けられる鋼管杭、或いはコンクリート構造物の表面を鉄鋼部材で被覆した鋼ケーソン等の海洋鋼構造物が含まれている。前記水中金属構造物は、海中への水没と大気露出が繰り返される、いわゆる干満帯、並びに干満にかかわらず常時水没している水中部において、海水或いは汽水(淡水と海水が混在した状態の液体)に接触する状態で設けられており、非常に錆が発生し易い環境に晒されている。
従って、このような水中金属構造物では、長期間の使用により錆が発生し減肉して強度が低下するため、補強工事或いは取替工事等を行う必要が生じる。しかし、前記補強工事或いは取替工事には多大の費用が掛かるため、前記水中金属構造物の干満帯及び水中部では電着防食、電気防食、或いはこれらの併用により、前記水中金属構造物の寿命延長を図ることが行われている。
従来、例えば、前記水中金属構造物の干満帯及び水中部に対し所要の間隔をあけて陽極を設け、該陽極と水中金属構造物との間に直流電源を設けて直流電流を通電することが行われている。これにより、海水に溶存するカルシウムイオン(Ca2+)やマグネシウムイオン(Mg2+)等の陽イオンが陰極としての水中金属構造物へ向かって海水中を泳動し、該水中金属構造物において電子を得る。前記水中金属構造物の干満帯及び水中部の表面には、CaCO及びMg(OH)等を主成分とする防食電着被膜(エレクトロコーティング層)が形成され、該防食電着被膜により前記水中金属構造物の干満帯及び水中部が防食されるようになっている。
更に、前述の如く水中金属構造物の干満帯及び水中部の表面に防食電着被膜を形成した後、電気防食用陽極と水中金属構造物との間に防食電流が流れるようにすることにより、水中金属構造物の電気防食(例えば、流電陽極方式の電気防食、或いは外部電源方式の電気防食がある)を行うことも提案されている。
尚、水中金属構造物の電気防食と関連する一般的技術水準を示すものとしては、例えば、特許文献1がある。
特開昭62−196384号公報
しかしながら、従来の場合、水中金属構造物の付近に直流電源及び該直流電源用の発電機を配置し、前記直流電源と陽極との間に配線を敷設した上で、水中金属構造物の形状に合わせた陽極を水中金属構造物と適切な間隔になるように設置し通電を行う必要があった。更に、前記発電機への燃料の補給だけでなく、直流電源の電流値及び電圧値の確認と調整をその都度実施しなければならず、通電期間を長くとることは困難となっていた。加えて施工完了後は、陽極、陽極設置用の部材、配線、直流電源、発電機を全て撤去する必要があった。これらの作業は、非常に手間と時間が掛かり、改善が望まれていた。
又、従来の場合、水中金属構造物の形状に合わせた陽極を適切な間隔となるように精密に設置できなくなったり、或いは、直流電源の調整と管理をうまくできなくなったりすることがあった。これは、電着被膜形成において適切な電流密度分布を維持することができなくなり、電流が不足すると、電着被膜が形成されなくなることを意味する。逆に電流が過剰に流れると、水中金属構造物の表面で水素ガスが多量に発生し、電着被膜が剥離してしまうという問題もあった。
本開示は、上記従来の問題点に鑑みてなしたもので、直流電源や配線を不要として施工を容易に行いつつ、電着被膜を安定して形成し得る水中金属構造物の防食電着被膜形成方法を提供しようとするものである。
上記目的を達成するために、本開示の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法は、水中金属構造物の表面における付着物を除去する素地調整工程と、
該素地調整工程で付着物が除去された水中金属構造物の表面に、該水中金属構造物の表面に両端部が接続される鋼製の芯材と、該芯材に被覆されるマグネシウム合金とを備えた陽極を取り付ける陽極取付工程と
を行うことができる。
前記水中金属構造物の防食電着被膜形成方法において、前記水中金属構造物は、上下方向へ延び且つ該上下方向と交差する幅方向へ延びる壁面に沿って凹部と凸部とが前記幅方向へ交互に形成されるよう連結配置される鋼矢板であり、
前記陽極取付工程で、前記陽極のマグネシウム合金が水深方向へ延び且つ互いに隣接する前記凸部と凸部との間に配設されるよう、前記芯材の両端部が鋼矢板の表面に取り付けられることが好ましい。
前記水中金属構造物の防食電着被膜形成方法において、前記陽極取付工程は、
前記鋼矢板の表面に形成すべき電着被膜の必要膜厚tを設定する必要膜厚設定工程と、
該必要膜厚設定工程で設定された必要膜厚tに基づいて単位面積当たりの通電量iを求める単位面積通電量算出工程と、
前記鋼矢板の表面における電着被膜を形成すべき表面積Sを設定する表面積設定工程と、
該表面積設定工程で設定された表面積Sと前記単位面積通電量算出工程で求められた単位面積当たりの通電量iとに基づき必要通電量Iを求める必要通電量算出工程と、
連結配置される前記鋼矢板の凹部の数nを設定する凹部設定工程と、
前記必要通電量算出工程で求められた必要通電量Iと前記凹部設定工程で設定された凹部の数nとに基づき前記鋼矢板の凹部一個当たりの凹部通電量Iを求める凹部通電量算出工程と、
前記陽極の一本当たりの発生電流iを設定する陽極発生電流設定工程と、
前記凹部通電量算出工程で求められた凹部通電量Iと前記陽極発生電流設定工程で設定された発生電流iとに基づき前記鋼矢板の凹部一個に取り付けるべき陽極の本数Yを求める陽極本数設定工程と
を含むようにすることができる。
前記水中金属構造物の防食電着被膜形成方法において、前記陽極取付工程で、前記芯材の両端部は、前記鋼矢板の凸部の表面に取り付けられるようにすることができる。
前記水中金属構造物の防食電着被膜形成方法において、前記陽極取付工程で、前記芯材の両端部は、前記鋼矢板の凸部の表面に固着されたブラケットに対し締結部材により着脱自在に取り付けられるようにすることができる。
本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法によれば、直流電源や配線を不要として施工を容易に行いつつ、電着被膜を安定して形成し得るという優れた効果を奏し得る。
本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法の実施例を示すフローチャートである。 本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法の実施例における陽極を示す概要構成平面図である。 本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法の実施例における陽極を示す概要構成正面図である。 本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法の実施例における必要膜厚と単位面積当たりの通電量との関係を示す線図である。 本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法の実施例における陽極の設置に関する変形例を示す要部拡大正面図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
図1〜図4は本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法の実施例である。
本実施例の場合、図1に示す如く、素地調整工程(ステップS100)と、陽極取付工程(ステップS200)とを行うようになっている。
前記素地調整工程は、水中金属構造物10の表面における貝類等の海生生物や錆といった付着物を除去する工程である。前記素地調整工程には、ノズルから高圧水を水中金属構造物10の表面に噴射する高圧水洗浄、或いは、ノズルから砂や金属等の研掃材を水中金属構造物10の表面に噴射するショットブラストを採用することができる。
前記陽極取付工程は、前記素地調整工程で付着物が除去された水中金属構造物10の表面に、陽極20を取り付ける工程である。
前記陽極20は、図2及び図3に示す如く、前記水中金属構造物10の表面に両端部が接続される鋼製の芯材21と、該芯材21の中間部外周に被覆されるマグネシウム合金22とを備えている。尚、前記芯材21は、前記マグネシウム合金22が被覆される中間部の上下端部を屈曲させた形状としてある。又、図2の実施例では、海洋鋼構造物を含む水中金属構造物10として岸壁に設けられる鋼矢板11を示している。前記岸壁は、上下方向へ延び且つ該上下方向と交差する幅方向(水平方向)へ延びる壁面を備え、前記鋼矢板11は、前記壁面に沿って凹部11a及び凸部11bが前記幅方向へ交互に形成されるよう連結配置され、図3に示す如く、水中の深さ方向へ垂下している。
前記陽極取付工程では、前記陽極20のマグネシウム合金22が水深方向へ延び且つ前記凸部11bと凸部11bとの間、即ち互いに隣接する凸部11b間に配設されるよう、前記芯材21の両端部が鋼矢板11の表面に取り付けられるようになっている。
前記陽極取付工程は、より詳細には、図1に示す如く、必要膜厚設定工程(ステップS210)と、単位面積通電量算出工程(ステップS220)と、表面積設定工程(ステップS230)と、必要通電量算出工程(ステップS240)と、凹部設定工程(ステップS250)と、凹部通電量算出工程(ステップS260)と、陽極発生電流設定工程(ステップS270)と、陽極本数設定工程(ステップS280)とを含んでいる。
前記必要膜厚設定工程は、前記鋼矢板11の表面に形成すべき電着被膜の必要膜厚tを設定する工程である。
前記単位面積通電量算出工程は、前記必要膜厚設定工程で設定された必要膜厚tに基づいて単位面積当たりの通電量iを求める工程である。
前記表面積設定工程は、前記鋼矢板11の表面における電着被膜を形成すべき表面積Sを設定する工程である。
前記必要通電量算出工程は、前記表面積設定工程で設定された表面積Sと前記単位面積通電量算出工程で求められた単位面積当たりの通電量iとに基づき必要通電量I(=i×S)を求める工程である。
前記凹部設定工程は、連結配置される前記鋼矢板11の凹部11aの数nを設定する工程である。
前記凹部通電量算出工程は、前記必要通電量算出工程で求められた必要通電量Iと前記凹部設定工程で設定された凹部11aの数nとに基づき前記鋼矢板11の凹部11a一個当たりの凹部通電量I(=I/n)を求める工程である。
前記陽極発生電流設定工程は、前記陽極20の一本当たりの発生電流iを設定する工程である。
前記陽極本数設定工程は、前記凹部通電量算出工程で求められた凹部通電量Iと前記陽極発生電流設定工程で設定された発生電流iとに基づき前記鋼矢板11の凹部11a一個に取り付けるべき陽極20の本数Y(=I/i)を求める工程である。
前記陽極取付工程で、前記芯材21の両端部は、図2及び図3に示す如く、前記鋼矢板11の凸部11bの表面に対し溶接等で取り付けられるようになっている。但し、前記芯材21の両端部を、図2の仮想線で示す如く、前記鋼矢板11の凹部11aの表面に取り付けることも可能である。要は、前記マグネシウム合金22の位置(水深方向へ延び且つ互いに隣接する前記凸部11bと凸部11bとの間に配設される位置)が重要であり、原理上、陽極20の芯材21は鋼矢板11と電気的に接触していれば良く、芯材21の取り付け位置はどこでも良い。
次に、上記実施例の作用を説明する。
先ず、図1のステップS100で示す素地調整工程において、図2及び図3に示す水中金属構造物10である鋼矢板11の表面における付着物(例えば、貝類等の海生生物や錆)が除去される。前記素地調整工程に、例えば、高圧水洗浄を採用した場合、図示していないノズルから高圧水が前記鋼矢板11の表面に噴射される。又、前記素地調整工程に、例えば、ショットブラストを採用した場合、図示していないノズルから砂や金属等の研掃材が前記鋼矢板11の表面に噴射される。
続いて、図1のステップS200で示す陽極取付工程において、前記素地調整工程で付着物が除去された鋼矢板11の表面に陽極20が取り付けられる。
前記鋼矢板11の凹部11a一個に取り付けるべき陽極20の本数Yに関しては、以下の工程、即ち、必要膜厚設定工程と、単位面積通電量算出工程と、表面積設定工程と、必要通電量算出工程と、凹部設定工程と、凹部通電量算出工程と、陽極発生電流設定工程と、陽極本数設定工程とを順次行うことで設定される。
前記陽極取付工程における図1のステップS210で示す必要膜厚設定工程において、前記鋼矢板11の表面に形成すべき電着被膜の必要膜厚tが設定される。前記電着被膜の必要膜厚tは、例えば、500[μm]程度とすれば良い。
前記陽極取付工程における図1のステップS220で示す単位面積通電量算出工程において、前記必要膜厚設定工程で設定された必要膜厚tに基づいて単位面積当たりの通電量iが求められる。
ここで、前記必要膜厚tと単位面積当たりの通電量iとの関係は、図4に示す線図のようになる。このため、前記必要膜厚がt=500[μm]であれば、前記単位面積当たりの通電量はi≒30[A・day/m]となる。
前記陽極取付工程における図1のステップS230で示す表面積設定工程において、前記鋼矢板11の表面における電着被膜を形成すべき表面積Sが設定される。前記鋼矢板11の凹部11aと凸部11bとを平面に引き延ばしたと仮定したときの幅が、例えば、W=20[m]で、高さがH=5[m]である場合、前記表面積はS=W・H=20×5=100[m]となる。
前記陽極取付工程における図1のステップS240で示す必要通電量算出工程において、前記表面積設定工程で設定された表面積Sと前記単位面積通電量算出工程で求められた単位面積当たりの通電量iとに基づき必要通電量Iが求められる。前記通電量がi=30[A・day/m]で、表面積がS=100[m]である場合、前記必要通電量はI=i×S=30×100=3000[A・day]となる。
前記陽極取付工程における図1のステップS250で示す凹部設定工程において、連結配置される前記鋼矢板11の凹部11aの数nが設定される。前記鋼矢板11の凹部11aの数は、例えば、n=20と設定される。
前記陽極取付工程における図1のステップS260で示す凹部通電量算出工程において、前記必要通電量算出工程で求められた必要通電量Iと前記凹部設定工程で設定された凹部11aの数nとに基づき前記鋼矢板11の凹部11a一個当たりの凹部通電量Iが求められる。前記必要通電量がI=3000[A・day]で、前記鋼矢板11の凹部11aの数がn=20である場合、前記鋼矢板11の凹部11a一個当たりの凹部通電量はI=I/n=3000/20=150[A・day]となる。
前記陽極取付工程における図1のステップS270で示す陽極発生電流設定工程において、前記陽極20の一本当たりの発生電流iが設定される。前記陽極20の一本当たりの発生電流は、前記マグネシウム合金22の物量に比例し、例えば、i=150[A・day]と設定される。
前記陽極取付工程における図1のステップS280で示す陽極本数設定工程において、前記凹部通電量算出工程で求められた凹部通電量Iと前記陽極発生電流設定工程で設定された発生電流iとに基づき前記鋼矢板11の凹部11a一個に取り付けるべき陽極20の本数Yが求められる。前記凹部通電量がI=150[A・day]で、前記発生電流がi=150[A・day]である場合、前記陽極20の本数は、Y=I/i=150/150=1[本]となる。
そして、前記陽極取付工程における陽極本数設定工程で、前記鋼矢板11の凹部11a一個に取り付けるべき陽極20の本数Yが求められると、該陽極20の芯材21の両端部は、図2及び図3に示す如く、前記鋼矢板11の凸部11bの表面に対し溶接等で取り付けられる。尚、図3には、前記鋼矢板11の凹部11a一個に一本の陽極20を取り付けた例を示している。仮に、前記発生電流がi=75[A・day]である場合、前記陽極20の本数は、Y=I/i=150/75=2[本]となるため、前記鋼矢板11の凹部11a一個に対して二本の陽極20が上下方向へ直列に配設されるよう、該陽極20を取り付ければ良い。又、前記発生電流がi=50[A・day]である場合、前記陽極20の本数は、Y=I/i=150/50=3[本]となるため、前記鋼矢板11の凹部11a一個に対して三本の陽極20が上下方向へ直列に配設されるよう、該陽極20を取り付ければ良い。
ここで、実際の作業として、前記鋼矢板11への芯材21の取り付けは、潜水士或いはドライ工法による鋼矢板11の表面の素地調整と水中での溶接等によって行われる。このため、前記鋼矢板11の凹部11aに対して芯材21を取り付けるより、該芯材21を凸部11bの表面に取り付ける方が、作業性を向上する上で好ましい。因みに、前記ドライ工法とは、鋼矢板11の干満帯に止水箱を取り付け、該止水箱の内部の水をポンプで排出し、ドライ状態で作業を行えるようにする工法である。
前記素地調整工程を経た鋼矢板11の表面には、付着物がなく、前記陽極取付工程で取り付けられた陽極20により電気が均一に流れるため、該陽極20のマグネシウム合金22が溶解して消失するまで、電着被膜形成において必要となる電流密度分布が安定して維持される。これにより、鋼矢板11に対し均一な電流密度分布でカソード電流が流れ、割れや剥がれのない電着被膜が必要膜厚tとなるまで形成される。又、前記素地調整工程を行うことは、鋼矢板11の状態、即ち、厚さの変化や孔の有無等を確認する上でも有効となる。
本実施例の場合、従来に比べ、水中金属構造物10の付近に直流電源及び該直流電源用の発電機を配置し、前記直流電源と陽極との間に配線を敷設した上で、水中金属構造物10の形状に合わせた陽極を水中金属構造物10と適切な間隔になるように設置し通電を行う必要がなくなる。更に、前記発電機への燃料の補給や、直流電源の電流値及び電圧値の確認と調整をその都度実施しなくて済み、通電期間を長くしても問題はない。加えて施工完了後に、陽極、陽極設置用の部材、配線、直流電源、発電機を撤去する必要もない。このように、本実施例では、水中金属構造物10の表面の素地調整を行った後に陽極20を取り付けるだけで電着被膜を形成可能となり、通電中の作業が一切不要となることから、電着被膜形成のための通電期間に関する制約がなくなる。このため、水中金属構造物10の表面における電流密度がバラついて電流密度が低い箇所があったとしても、通電期間を長くとれば必要膜厚tの電着被膜を安定して得ることが可能となる。更に、マグネシウム合金22を備えた陽極20を用いて通電している期間中は、水中金属構造物10の表面への電流印加により、電着被膜の形成と同時に、水中金属構造物10の表面は電気防食もなされていると考えられる。
又、本実施例の場合、従来とは異なり、水中金属構造物10の形状に合わせた陽極を適切な間隔となるように精密に設置したり、或いは、直流電源の調整と管理をしたりしなくて済み、電着被膜形成において適切な電流密度分布を維持することができる。このため、電流が不足して、電着被膜が形成されなくなる心配はない。逆に電流が過剰に流れて水中金属構造物10の表面で水素ガスが多量に発生し、電着被膜が剥離してしまう心配もない。
更に又、仮に、前記素地調整工程を行わずに陽極20を設置した場合、錆の上から電着被膜が形成されるため、該電着被膜が錆ごと剥離する懸念があり、電着被膜の密着性が低いと言える。しかし、本実施例の場合、前記素地調整工程により鋼矢板11の表面から前記付着物が除去されることで、鋼矢板11の素地表面に充分な密着性を有する電着被膜を形成することができ、長期に亘る防食作用が発揮できる。更に電気抵抗となる錆が除去されることで、陽極20のマグネシウム合金22の溶解が促進されて、該マグネシウム合金22が消失するまでのいわゆる耐用年数が短くなり、鋼矢板11の表面に必要膜厚tの電着被膜が形成されるまでの通電期間が比較的短くて済む。
こうして、直流電源や配線を不要として施工を容易に行いつつ、電着被膜を安定して形成し得る。
図5は本発明の水中金属構造物10の防食電着被膜形成方法の実施例における陽極の設置に関する変形例であって、図中、図2及び図3と同一の符号を付した部分は同一物を表わしている。
図5に示す変形例は、前記陽極取付工程で、前記芯材21の両端部が、前記鋼矢板11の凸部11bの表面に固着されたブラケット30に対しボルト・ナット等の締結部材40により着脱自在に取り付けられるようにしたものである。尚、図5には、前記芯材21の上側の端部のみを示し、下側の端部は省略している。又、前記締結部材40は、着脱できるものであれば、ボルト・ナット以外のものでも良い。
図5に示す変形例の場合、陽極20のマグネシウム合金22が溶解して消失した後、前記芯材21の両端部から締結部材40を緩めると、ブラケット30から芯材21を取り外すことが可能となる。これにより、前記陽極20の交換を容易に行うことができ、作業性を高めることが可能となる。
そして、図1〜図4の実施例の場合、図2及び図3に示す如く、前記水中金属構造物10は、凹部11aと凸部11bとが形成されるよう連結配置される鋼矢板11であり、前記陽極取付工程で、前記陽極20のマグネシウム合金22が水深方向へ延び且つ互いに隣接する前記凸部11bと凸部11bとの間に配設されるよう、前記芯材21の両端部が鋼矢板11の表面に取り付けられる。このように構成すると、水中金属構造物10としての鋼矢板11の表面に対する電着被膜の形成を安定して行うことができる。
又、図1に示す如く、前記陽極取付工程は、前記鋼矢板11の表面に形成すべき電着被膜の必要膜厚tを設定する必要膜厚設定工程と、該必要膜厚設定工程で設定された必要膜厚tに基づいて単位面積当たりの通電量iを求める単位面積通電量算出工程と、前記鋼矢板11の表面における電着被膜を形成すべき表面積Sを設定する表面積設定工程と、該表面積設定工程で設定された表面積Sと前記単位面積通電量算出工程で求められた単位面積当たりの通電量iとに基づき必要通電量I(=i×S)を求める必要通電量算出工程と、連結配置される前記鋼矢板11の凹部11aの数nを設定する凹部設定工程と、前記必要通電量算出工程で求められた必要通電量Iと前記凹部設定工程で設定された凹部11aの数nとに基づき前記鋼矢板11の凹部11a一個当たりの凹部通電量I(=I/n)を求める凹部通電量算出工程と、前記陽極20の一本当たりの発生電流iを設定する陽極発生電流設定工程と、前記凹部通電量算出工程で求められた凹部通電量Iと前記陽極発生電流設定工程で設定された発生電流iとに基づき前記鋼矢板11の凹部11a一個に取り付けるべき陽極20の本数Y(=I/i)を求める陽極本数設定工程とを含む。このように構成すると、陽極20の本数Yを適正に選定して鋼矢板11の表面に取り付けることにより、必要膜厚tの電着被膜を安定して得ることができる。
又、前記陽極取付工程で、図2及び図3に示す如く、前記芯材21の両端部は、前記鋼矢板11の凸部11bの表面に取り付けられる。このように構成すると、前記鋼矢板11の凹部11aに対して芯材21を取り付けるのに比べ、作業性を向上させることができる。
更に又、前記陽極取付工程で、図5に示す如く、前記芯材21の両端部は、前記鋼矢板11の凸部11bの表面に固着されたブラケット30に対し締結部材40により着脱自在に取り付けられる。このように構成すると、前記陽極20の交換を容易に行って作業性を高める上で有効となる。
因みに、特許文献1には、海中部における鋼管杭の表面に、アルミニウム合金、亜鉛合金、マグネシウム合金等の流電陽極を、その鋼製芯金を溶接することによって取り付ける点が記載されている。しかしながら、特許文献1には、素地調整や鋼矢板に対する具体的な陽極の設置に関する記載は何らなされていない。
尚、本発明の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
10 水中金属構造物
11 鋼矢板
11a 凹部
11b 凸部
20 陽極
21 芯材
22 マグネシウム合金
30 ブラケット
40 締結部材

Claims (5)

  1. 水中金属構造物の表面における付着物を除去する素地調整工程と、
    該素地調整工程で付着物が除去された水中金属構造物の表面に、該水中金属構造物の表面に両端部が接続される鋼製の芯材と、該芯材に被覆されるマグネシウム合金とを備えた陽極を取り付ける陽極取付工程と
    を行う水中金属構造物の防食電着被膜形成方法。
  2. 前記水中金属構造物は、凹部と凸部とが形成されるよう連結配置される鋼矢板であり、
    前記陽極取付工程で、前記陽極のマグネシウム合金が水深方向へ延び且つ互いに隣接する前記凸部と凸部との間に配設されるよう、前記芯材の両端部が鋼矢板の表面に取り付けられる請求項1記載の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法。
  3. 前記陽極取付工程は、
    前記鋼矢板の表面に形成すべき電着被膜の必要膜厚tを設定する必要膜厚設定工程と、
    該必要膜厚設定工程で設定された必要膜厚tに基づいて単位面積当たりの通電量iを求める単位面積通電量算出工程と、
    前記鋼矢板の表面における電着被膜を形成すべき表面積Sを設定する表面積設定工程と、
    該表面積設定工程で設定された表面積Sと前記単位面積通電量算出工程で求められた単位面積当たりの通電量iとに基づき必要通電量Iを求める必要通電量算出工程と、
    連結配置される前記鋼矢板の凹部の数nを設定する凹部設定工程と、
    前記必要通電量算出工程で求められた必要通電量Iと前記凹部設定工程で設定された凹部の数nとに基づき前記鋼矢板の凹部一個当たりの凹部通電量Iを求める凹部通電量算出工程と、
    前記陽極の一本当たりの発生電流iを設定する陽極発生電流設定工程と、
    前記凹部通電量算出工程で求められた凹部通電量Iと前記陽極発生電流設定工程で設定された発生電流iとに基づき前記鋼矢板の凹部一個に取り付けるべき陽極の本数Yを求める陽極本数設定工程と
    を含む請求項2記載の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法。
  4. 前記陽極取付工程で、前記芯材の両端部は、前記鋼矢板の凸部の表面に取り付けられる請求項2又は3記載の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法。
  5. 前記陽極取付工程で、前記芯材の両端部は、前記鋼矢板の凸部の表面に固着されたブラケットに対し締結部材により着脱自在に取り付けられる請求項4記載の水中金属構造物の防食電着被膜形成方法。
JP2018051880A 2018-03-20 2018-03-20 水中金属構造物の防食電着被膜形成方法 Active JP7066465B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018051880A JP7066465B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 水中金属構造物の防食電着被膜形成方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018051880A JP7066465B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 水中金属構造物の防食電着被膜形成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019163505A true JP2019163505A (ja) 2019-09-26
JP7066465B2 JP7066465B2 (ja) 2022-05-13

Family

ID=68064785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018051880A Active JP7066465B2 (ja) 2018-03-20 2018-03-20 水中金属構造物の防食電着被膜形成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7066465B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113235571A (zh) * 2021-04-09 2021-08-10 桂林理工大学 一种耐腐蚀uhpc钢管复合桩基制造方法

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5998939U (ja) * 1982-12-22 1984-07-04 日本鋼管株式会社 港湾施設における金属材の電気防食装置
JPS62196384A (ja) * 1986-02-24 1987-08-29 Nakagawa Boshoku Kogyo Kk 金属製構造物の電気防食法
JPH03166411A (ja) * 1989-11-24 1991-07-18 Nippon Boshoku Kogyo Kk 護岸鋼矢板の腐食防止コンクリート被覆工法とその実施に使用する型枠下部材
JPH05171477A (ja) * 1991-12-20 1993-07-09 Nippon Boshoku Kogyo Kk 水中金属構造物電気防食用流電陽極の取付方法
JP2003183865A (ja) * 2001-12-20 2003-07-03 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 港湾鋼構造物の防食方法
JP2005146374A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Nippon Corrosion Engineering Co Ltd 流電陽極による金属構造物没水部分の電気防食方法およびそのための流電陽極構造
US20080029401A1 (en) * 2004-05-11 2008-02-07 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Process for Forming Anticorrosive Coating
JP2009203527A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Ihi Corp 鋼構造物防食方法及び電着被膜形成用陽極
JP2010242161A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Ihi Corp 流電陽極体および流電陽極法
JP2012031474A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電気防食用流電陽極
CN102453918A (zh) * 2010-10-29 2012-05-16 中国海洋石油总公司 具有大表面积的牺牲阳极
CN104846850A (zh) * 2015-04-07 2015-08-19 中交四航工程研究院有限公司 潮差区和水位变动区的钢板桩防护系统及其施工方法

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5998939U (ja) * 1982-12-22 1984-07-04 日本鋼管株式会社 港湾施設における金属材の電気防食装置
JPS62196384A (ja) * 1986-02-24 1987-08-29 Nakagawa Boshoku Kogyo Kk 金属製構造物の電気防食法
JPH03166411A (ja) * 1989-11-24 1991-07-18 Nippon Boshoku Kogyo Kk 護岸鋼矢板の腐食防止コンクリート被覆工法とその実施に使用する型枠下部材
JPH05171477A (ja) * 1991-12-20 1993-07-09 Nippon Boshoku Kogyo Kk 水中金属構造物電気防食用流電陽極の取付方法
JP2003183865A (ja) * 2001-12-20 2003-07-03 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 港湾鋼構造物の防食方法
JP2005146374A (ja) * 2003-11-18 2005-06-09 Nippon Corrosion Engineering Co Ltd 流電陽極による金属構造物没水部分の電気防食方法およびそのための流電陽極構造
US20080029401A1 (en) * 2004-05-11 2008-02-07 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Co., Ltd. Process for Forming Anticorrosive Coating
JP2009203527A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Ihi Corp 鋼構造物防食方法及び電着被膜形成用陽極
JP2010242161A (ja) * 2009-04-06 2010-10-28 Ihi Corp 流電陽極体および流電陽極法
JP2012031474A (ja) * 2010-07-30 2012-02-16 Tokyo Electric Power Co Inc:The 電気防食用流電陽極
CN102453918A (zh) * 2010-10-29 2012-05-16 中国海洋石油总公司 具有大表面积的牺牲阳极
CN104846850A (zh) * 2015-04-07 2015-08-19 中交四航工程研究院有限公司 潮差区和水位变动区的钢板桩防护系统及其施工方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113235571A (zh) * 2021-04-09 2021-08-10 桂林理工大学 一种耐腐蚀uhpc钢管复合桩基制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7066465B2 (ja) 2022-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2092304C (en) Prevention method of aquatic attaching fouling organisms and its apparatus
JP7066465B2 (ja) 水中金属構造物の防食電着被膜形成方法
JP4146637B2 (ja) 港湾鋼構造物の防食方法
JP4424059B2 (ja) 防食膜形成方法
JP4457378B2 (ja) 流電陽極による金属構造物没水部分の電気防食方法およびそのための流電陽極構造
JP5387356B2 (ja) 海洋鋼構造物の防食電着被膜施工方法及び装置
JP5167863B2 (ja) 鋼構造物防食電着被膜形成用陽極
JP5402177B2 (ja) 流電陽極体および流電陽極法
JP5678505B2 (ja) 有潮流海域での海洋鋼構造物の防食被膜形成方法
KR20090111484A (ko) 음극방식법을 이용한 스테인레스강제 저수탱크의 부식방지방법
JPH06173287A (ja) 海洋鋼構造物の防食構造
JP2003286591A (ja) 海洋構造物の防食方法および海洋構造物
JP5678504B2 (ja) 有潮流海域での海洋鋼構造物の防食方法
JP3978796B2 (ja) ショッププライマー鋼板を用いたエレクトロコーティング防食法
JPH0666767A (ja) 鉄筋コンクリート構造物のひび割れ箇所の早期診断方法
JP5740851B2 (ja) 鋼矢板の電着防食装置
JP2006029065A (ja) 海洋鋼構造物
JP4438158B2 (ja) コンクリート構造物の防汚方法およびコンクリート構造の海水導水管の防汚装置
JP4942422B2 (ja) サンゴ育成用構造物
JPH0423406Y2 (ja)
JPH0752167Y2 (ja) 取換え自在な通電式海洋構造物用防汚カバー
JP5434237B2 (ja) 防食析出膜の維持方法及び維持装置
JPH11323868A (ja) 電気化学的防汚法における電極の配置構造
JP6433278B2 (ja) 電気防食工法
KR20000000726A (ko) 해수용 배관의 갈바닉 부식 제어 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210113

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211015

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220412

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220427

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7066465

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150