JP2019160785A - 誘導結合プラズマ質量分析(icp−ms)のためのタンデムのコリジョン/リアクションセル - Google Patents

誘導結合プラズマ質量分析(icp−ms)のためのタンデムのコリジョン/リアクションセル Download PDF

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Abstract

【課題】スペクトル干渉の問題に対処可能な、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システム用の改善されたコリジョン/リアクションセルを提供する。【解決手段】タンデムのコリジョン/リアクションセル110は、第1のイオンガイド174、第2のイオンガイド178、及び第1のイオンガイドの出口端部の近傍の中間電極182を含む。DCポテンシャル障壁が中間電極に適用される。セルは、イオン・分子衝突プロセスの2つ以上の段階を提供することができる。【選択図】図1

Description

本発明は概して、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)に関し、特にコリジョン/リアクションセルを利用するICP−MSに関する。
誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)は、試料中の微量金属の濃度を測定するような、試料の元素分析のために利用されることが多い。ICP−MSシステムは、試料の分子を原子へ分解し、次いで元素分析に備えて原子をイオン化するためのプラズマを生成するプラズマベースのイオン源を含む。一般的な動作において、液体試料は、ネブライザ(一般にニューマティック支援型からなる)により霧状にされ、即ちエアロゾル(微細な噴霧またはミスト)に変換され、エアロゾル化した試料がプラズマ源により生成されたプラズマプルームへ送られる。プラズマ源は、2つ以上の同心管を有する流入(flow-through:フロースルー)プラズマトーチとして構成される。一般に、アルゴンのようなプラズマ形成ガスがトーチの外管を流れ、適切なエネルギー源(一般に、無線周波数(RF)をエネルギー源とする負荷コイル)によりプラズマへ付勢される。エアロゾル化した試料は、トーチの同軸中心管(又はキャピラリ)を流れて、生成されたままのプラズマへ放出される。プラズマにさらされることにより、試料の分子は原子へ分解され、又は代案として試料の分子は部分的に分子断片へ分解され、原子または分子断片がイオン化される。
一般に正に帯電された結果としての検査対象イオンは、プラズマ源から抽出され、イオンビームとして質量分析器へ送られる。質量分析器は、それらの質量対電荷(m/z)比に基づいて異なる質量のイオンをスペクトル的(分光的)に分解するために、時間的に変化する電場、又は電場と磁場の組み合わせを印加し、イオン検出器が、質量分析器からイオン検出器に到着する所与のm/z比の各タイプのイオンをカウントすることが可能になる。代案として、質量分析器は、飛行管の中を通って押し流されるイオンの飛行時間を測定し、それからm/z比が導出され得る飛行時間型(TOF)分析器であることができる。次いで、ICP−MSシステムは、質量(m/z比)のピークのスペクトルとして取得されたようにデータを提示する。各ピークの強度は、試料の対応する元素の濃度(存在度)を示す。
分析が試みられる検査対象イオンに加えて、プラズマは、バックグラウンド(非検査対象)イオンを生成する。干渉(妨害)イオンと呼ばれる特定のタイプの非検査対象イオンは、特定のタイプの検査対象イオンの分析を妨げる可能性がある。干渉イオンは、プラズマ形成ガス(例えば、アルゴン)、試料のマトリックス成分、試料に含まれる溶剤/酸、又はシステムへ混入された空気(酸素および窒素)から生成されるかもしれない。例えば、干渉イオンは、検査対象イオンと同じ公称の質量を有する同重体の干渉物質であるかもしれない。特定の検査対象イオンの検出と共に係る干渉イオンを検出することは、分析データにおけるスペクトルの重複につながり、それにより分析の品質が低減される。干渉イオンの例は、双方のイオンが質量スペクトルにおいてm/z=56で出現するので鉄同位体56Feに干渉するアルゴン酸化物40Ar16のような多原子イオン、及び双方のイオンがm/z=40で出現するのでカルシウム同位体40Caに干渉するアルゴン40Ar+を含む。
スペクトル干渉の問題に対処する及びICP−MSシステムの性能を改善するための既知の手法は、マトリックスの分離における改善、低温プラズマ技術の使用、及び分析データの処理における数学的補正方程式の使用を含む。これら手法は既知の限界を有する。当該問題に更に対処するために、ICP−MSシステムにおいてイオン源と質量分析器との間にコリジョン/リアクションセルを設けることも知られている。当該セルは、当該セルの中心軸に沿ってイオンビームを収束するイオンガイドを含む。当該セルは、衝突ガス又は反応ガスで満たされる。衝突ガス(例えば、ヘリウム、He)の使用は、多原子イオン干渉が抑制され得る運動エネルギー弁別(KED)に依存する。当該セル内の検査対象イオン及び多原子干渉イオンの双方は、衝突ガス分子との複数の衝突を受け、運動エネルギー(KE)を失い、ひいては結果として減速する。しかしながら、多原子イオンは、検査対象イオンより大きな横断面を有するので、多原子干渉イオンは、検査対象イオンよりも大きい数の衝突を受け、ひいてはより多くの運動エネルギーを失う。従って、KEDは、当業者により理解されるように、検査対象イオンを多原子干渉イオンから分離するために利用され得る。
理論上は、イオン・分子衝突プロセスを行なう際、干渉の低減の程度は、イオンが蒙る衝突の平均数と共に増大する。例えば、Fe及びArOがそれぞれ平均でヘリウムとの20回および40回の衝突を蒙る場合、イオン強度比Fe/ArOは、平均で2つのイオンが10回および20回の衝突を蒙る場合に比べてより高い。従って、当該セル内のより高い衝突ガス(例えば、He)密度(流量)が好ましい。しかし、これは、検査対象イオン(例えば、Fe)がDCポテンシャル障壁を乗り越えるために十分な衝突後KEを維持する限り、当てはまるだけである。言い換えれば、コリジョン/リアクションセルの性能は、検査対象イオンの熱化(及びその結果としての失速)に対応する衝突ガス密度(流量)の上限により制限される。
従って、改善されたコリジョン/リアクションセル、及び干渉の問題に対処するためにイオン・分子衝突を行なう方法が必要とされている。
Kulkarni他著、「Aerosol Measurement, 3rd ed」、John Wiley & Sons, Inc. 2011年、821頁 N. Yamada著、「Kinetic energy discrimination in collision/reaction cell ICP-MS:Theoretical review of principles and limitations」、Spectrochimica Acta Part B 110、2015年、31-44頁
全体的に又は部分的に、上記の問題、及び/又は当業者により認められる得る他の問題に対処するために、本開示は、以下に記載された具現化形態の一例として説明されるような、方法、プロセス、システム、装置、機器、及び/又はデバイスを提供する。
一実施形態によれば、タンデムのコリジョン/リアクションセルは、ハウジングであって、セル入口、前記コリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿って前記セル入口から間隔を置いて配置されたセル出口、及び前記ハウジングの内部と連絡するガス供給ポートを含むハウジングと;前記ハウジング内に配置され、第1のイオンガイド入口および第1のイオンガイド出口を含み、前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるのに有効な第1のRF閉じ込め場を生成するように構成された第1のイオンガイドと;前記ハウジング内に配置され、第2のイオンガイド入口および第2のイオンガイド出口を含み、前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるのに有効な第2のRF閉じ込め場を生成するように構成された第2のイオンガイドと;前記第1のイオンガイド出口の近傍に軸上DCポテンシャル障壁を生成するように構成された中間電極とを含み、前記軸上DCポテンシャル障壁は、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを防止することに有効であり且つ前記干渉イオンより小さい横断面の検査対象イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低い。
別の実施形態によれば、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムは、本明細書に開示された実施形態のいずれかによるタンデムのコリジョン/リアクションセルと、セル出口と連絡する質量分析器とを含む。
別の実施形態によれば、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムにおいてタンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させるための方法は、衝突/反応ガスを前記タンデムのコリジョン/リアクションセル内へ流し、前記タンデムのコリジョン/リアクションセルは、セル入口と、前記タンデムのコリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿って前記セル入口から間隔を置いて配置されたセル出口と、前記セル入口と第2のイオンガイドとの間の第1のイオンガイドと、前記第1のイオンガイドと前記セル出口との間の前記第2のイオンガイドとを含み;前記第1のイオンガイド内に第1のRF閉じ込め場、及び前記第2のイオンガイド内に第2のRF閉じ込め場を生成し、前記第1のRF電場および前記第2のRF電場が前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるように構成され;前記第1のイオンガイドの第1のイオンガイド出口の近傍に第1のDCポテンシャル障壁を生成し;前記第2のイオンガイドの第2のイオンガイド出口から下流に第2のDCポテンシャル障壁を生成し;前記セル入口を介して検査対象イオン及び干渉イオンを前記第1のイオンガイドへ送り込み、前記検査対象イオン及び前記干渉イオンは、分析中に試料をイオン化することから生成されており、前記検査対象イオン及び前記干渉イオンは、前記衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失い、前記第1のDCポテンシャル障壁は、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを防止するのに十分に高く且つ前記検査対象イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低く;前記検査対象イオンを前記第1のイオンガイドから前記第2のイオンガイドへ送り込むことを含み、前記第2のイオンガイド内の前記検査対象イオン及び何らかの干渉イオンが前記衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失い、前記第2のDCポテンシャル障壁は、前記干渉イオンの少なくとも幾つかが前記セル出口から下流の質量分析器に到達する又は前記質量分析器を通過することを防止するのに十分に高く且つ前記検査対象イオンが前記質量分析器を通って送られることを可能にするのに十分に低い。
別の実施形態によれば、試料を分析するための方法は、前記試料から検査対象イオンを生成し;本明細書に開示された実施形態のいずれかによるタンデムのコリジョン/リアクションセルへ前記検査対象イオンを送り込み;本明細書に開示された実施形態のいずれかによるタンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させ;前記検査対象イオンを質量分析器へ送り込むことを含む。
別の実施形態によれば、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムは、プラズマを生成し且つ前記プラズマ中に検査対象イオンを生じさせるように構成されたイオン源と;本明細書に開示された実施形態のいずれかによるタンデムのコリジョン/リアクションセルと;電子プロセッサ及びメモリを含むコントローラとを含み、前記コントローラは、本明細書に開示された実施形態のいずれかに従って、第1のRF場を生成するステップ、第2のRF場を生成するステップ、第1のDCポテンシャル障壁を生成するステップ、及び第2のDCポテンシャル障壁を生成するステップを制御するように構成されている。
本発明の他のデバイス、装置、システム、方法、特徴および利点は、以下の図面および詳細な説明を考察する際に当業者に明らかである又は明らかになるであろう。係る全ての追加のシステム、方法、特徴および利点は本説明内に含まれること、本発明の範囲内にあること、及び添付の特許請求の範囲により保護されることが意図されている。
本発明は以下の図面を参照することによってより良く理解され得る。図面の構成要素は必ずしも一律の縮尺に従っておらず、むしろ本発明の原理を示すことに重点が置かれている。図面において、同様の参照符号は、異なる図の全体にわたって対応する部品を示す。
本開示の一実施形態による、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムの一例の略図である。 本開示の一実施形態による、コリジョン/リアクションセル用のタンデム・イオンガイド・アセンブリの一例の略斜視図である。 図2に示されたタンデム・イオンガイド・アセンブリの略側面(長手方向)図である。 本開示の別の実施形態によるタンデム・イオンガイド・アセンブリの一例の略側面(長手方向)図である。 本開示の別の実施形態によるタンデム・イオンガイド・アセンブリの一例の略側面(長手方向)図である。 本開示の一実施形態による、タンデムのコリジョン/リアクションセル・アセンブリの一例の略側面(長手方向)図、及び軸位置の関数としての直流(DC)電位のプロットである。 検査対象イオンが平均10回の衝突を受け、干渉イオンが平均20回の衝突を受ける場合の、コリジョン/リアクションセル内の衝突ガス分子と検査対象イオン及び干渉イオンとの間の衝突の数の確率分布のプロットである。 検査対象イオンが平均25回の衝突を受け、干渉イオンが平均50回の衝突を受ける場合の、コリジョン/リアクションセル内の衝突ガス分子と検査対象イオン及び干渉イオンとの間の衝突の数の確率分布のプロットである。 従来のコリジョン/リアクションセルと本明細書で説明されるタンデムのコリジョン/リアクションセルの内部の検査対象イオンと干渉イオンとの間の平均エネルギー差のプロットである。 本開示の一実施形態による、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムにおけるタンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させるための方法の一例を示す流れ図である。 図1に示されたICP−MSシステムのような分光分析システムの一部であることができる又は当該分光分析システムと通信することができるシステム・コントローラ(或いはコントローラ、又はコンピューティング・デバイス)の制限しない例の略図である。
本明細書で使用される限り、用語「流体」は、導管を流れることが可能な任意の物質に言及するために一般的な意味で使用される。かくして、用語「流体」は一般に、特別の定めのない限り又は文脈が別段に示さない限り、液体またはガスを意味することができる。
本明細書で使用される限り、用語「液体」は一般に、溶液、混濁液、又は乳剤を意味することができる。固体粒子および/または気泡は、液体内に存在することができる。
本明細書で使用される限り、用語「エアロゾル」は一般に、観測および測定されるのに十分に長くガス状媒質に混濁された液滴および/または固体粒子の集合を意味する。エアロゾルの小滴または粒子のサイズは一般に、マイクロメートル(μm)のオーダーである。非特許文献1を参照。かくして、エアロゾルは、液滴および/または固体粒子、及び液滴および/または固体粒子を混入させる又は担っているガスを含むものとみなされ得る。
本明細書で使用される限り、用語「原子化」は、分子を原子に分解するプロセスを意味する。例えば、原子化は、プラズマ助長環境において行なわれ得る。液体試料の場合、「霧化」は、エアロゾルを形成するために液体試料を霧状にすることを必然的に伴うことができ、後にエアロゾルをプラズマにさらす又はプラズマからの熱にさらすことが続く。
本明細書で使用される限り、「液体試料」は、液体マトリックスに溶解した又は保持された関心のある1つ又は複数の異なるタイプの被検物質を含む。液体マトリックスは、マトリックス成分を含む。「マトリックス(基質)成分」の例は、以下に限定されないが、水および/または他の溶剤、酸、塩および/または溶解固形物のような可溶性物質、非溶解固形物質または微粒子、及び分析の関心の無い任意の他の化合物を含む。
本開示の便宜上、特別の定めのない限り又は文脈が別段に示さない限り、「コリジョン/リアクションセル」は、コリジョンセル、リアクションセル、或いは例えば衝突モードと反応モードとの間で切換え可能であることによりコリジョンセル及びリアクションセルの双方として動作するように構成されたコリジョン/リアクションセルを意味する。
本開示の便宜上、特別の定めのない限り又は文脈が別段に示さない限り、「衝突/反応ガス」は、コリジョン/リアクションセル内のイオンと反応せずに、又はコリジョン/リアクションセル内で検査対象イオン又は干渉イオンと反応するために利用される反応ガスと反応せずに、係るイオンと衝突するために利用される不活性衝突ガスを意味する。
本明細書で使用される限り、用語「検査対象イオン」は一般に、質量スペクトルデータが求められる、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムにより分析されている試料の成分をイオン化することにより生成される任意のイオンを意味する。ICP−MSの具体的状況において、検査対象イオンは一般に、金属、又は希(ノーブル)ガス(例えば、アルゴン)を除いた他の元素の正の単原子イオンであるか、或いは衝突/反応ガスを、金属、又は希ガスを除いた他の元素の正の単原子イオンと反応させることにより生成されたプロダクトイオンである。
本明細書で使用される限り、用語「干渉イオン」は一般に、検査対象イオンに干渉する、コリジョン/リアクションセル内に存在する任意のイオンを意味する。干渉イオンの例は、以下に限定されないが、正のプラズマ(例えば、アルゴン)イオン、プラズマ形成ガス(例えば、アルゴン)を含む多原子イオン、及び試料の成分を含む多原子イオンを含む。試料の成分は、検査対象元素、或いは試料または他のバックグラウンド種のマトリックス成分から導出され得るような非検査対象種であることができる。
図1は、一実施形態による、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システム100の一例の略図である。一般に、ICP−MSシステムの様々な構成要素の構造および動作は、当業者に知られており、従って、開示されている主題を理解するための必要性に応じて、本明細書で簡潔に説明されるだけである。
本例示的な実施形態において、ICP−MSシステム100は一般に、試料導入部104、イオン源108、インターフェース部112、イオン光学部114、イオンガイド部116、質量分析部118、及びシステム・コントローラ120を含む。また、ICP−MSシステム100は、システム100の様々な内部領域を真空にするように構成された真空システムも含む。真空システムは、当該内部領域において所望の内圧または真空レベルを維持し、そのように行なう際にICP−MSシステム100から関心のある検査対象でない中性分子を除去する。真空システムは、図1の矢印128、132及び136により示されるように、適切なポンプ、及び真空にされるべき領域のポートと連絡する通路を含む。
試料導入部104は、分析されるべき試料を供給するための試料供給源140、ポンプ144、試料をエアロゾルに変換するためのネブライザ148、エアロゾル化された試料からより大きな液滴を除去するためのスプレーチャンバ150、及び適切な試料インジェクターを含むことができる、試料をイオン源108に供給するための試料供給導管152を含むことができる。例えば、ネブライザ148は、下向きの矢印により示されるように、試料をエアロゾル化するためにガス源156(例えば、加圧リザーバ)からのアルゴン又は他の不活性ガス(霧化ガス)の流れを利用することができる。霧化ガスは、イオン源108においてプラズマを形成するために利用されるプラズマ形成ガスと同じガスであることができるか、又は異なるガスであることができる。ポンプ144(例えば、蠕動ポンプ、シリンジポンプなど)は、試料供給源140とネブライザ148との間に接続されて、ネブライザ148への液体試料の流れを確立する。試料の流量は、例えば1分当たり0.1から数ミリリットル(mL/分)の範囲内にあることができる。例えば、試料供給源140は、1つ又は複数のバイアル(小瓶)を含むことができる。複数のバイアルは、1つ又は複数の試料、様々な標準溶液、チューニング液、較正液、リンス液などを含むことができる。試料供給源140は、様々なバイアルを切換えるように構成された自動装置を含むことができ、それによりICP−MSシステム100において現在使用するための特定のバイアルの選択が可能になる。
別の実施形態において、試料は、ガスであることができ、ネブライザ148を必要としない。別の実施形態において、試料供給源140は、液体またはガスの試料を収容する加圧リザーバである又は当該加圧リザーバを含むことができ、ポンプ144を必要としない。別の実施形態において、試料供給源140は、例えば、液体クロマトグラフィー(LC)又はガス・クロマトグラフィー(GC)機器のような、分析分離機器の出力であることができる。ICP−MSシステムへの試料導入用の他のタイプのデバイス及び手段は、知られており、本明細書で説明される必要がない。
イオン源108は、試料を原子化およびイオン化するためのプラズマ源を含む。図示された実施形態において、プラズマ源は、ICPトーチ160のような流入プラズマトーチである。ICPトーチ160は、中央または試料インジェクター164、及び試料インジェクター164の周りに同心円状に配列された1つ又は複数の外管を含む。図示された実施形態において、ICPトーチ160は、中間管168及び最外管172を含む。試料インジェクター164、中間管168及び最外管172は、例えば石英、ホウケイ酸ガラス又はセラミックから構築され得る。代案として、試料インジェクター164は、例えば白金のような金属から構築され得る。ICPトーチ160は、イオン化チャンバ(又は「トーチボックス」)176内に位置する。ワークコイル(負荷コイル又はRFコイルとも呼ばれる)180は、無線周波数(RF)電源185に結合され、ICPトーチ160の排出端部に配置される。
動作中、ガス源156は最外管172にプラズマ形成ガスを供給する。プラズマ形成ガスは一般に、必ずしもアルゴンではない。RF電力が、RF電源185によりワークコイル180に印加される一方で、プラズマ形成ガスが中間管168と最外管172との間に形成された環状チャネルを流れ、それによりプラズマ形成ガスがさらされる高周波数の高エネルギー電磁場が生成される。ワークコイル180は、プラズマ形成ガスからプラズマを生成および維持するために有効な周波数および電力で動作する。スパークを利用して、プラズマを最初に生じさせるためのシード電子を提供することができる。結果として、プラズマプルーム184が、ICPトーチ160の排出端部からサンプリングコーン188へ流入する。補助ガスが、試料インジェクター164と中間管168との間に形成された環状チャネルに流されて、放電184の上流端部を試料インジェクター164の端部と中間管168の端部から離れるように保つことができる。補助ガスは、プラズマ形成ガスと同じガスであるか、又は異なるガスであることができる。中間管168及び最外管172へガス(単数または複数)を導くことは、ガス源156から上方へ向けられた矢印により、図1に示される。試料は、矢印186により示されるように、試料インジェクター164を流れ、試料インジェクター164から放出されて、活性プラズマ184へ導入される。当業者により理解される原理に従って、試料はICPトーチ160の加熱ゾーンを流れ、プラズマ184と最終的に相互作用し、試料は、乾燥、気化、原子化およびイオン化を受け、それにより検査対象イオンが試料の成分(特に原子)から生成される。
インターフェース部112は、大気圧(101.3kPa(760トル))で又はおおよそ大気圧で一般に動作しているイオン源108とICP−MSシステム100の真空領域との間の減圧の第1段階を提供する。例えば、インターフェース部112は、機械的粗引きポンプ(例えば、回転ポンプ、スクロールポンプなど)により例えば約133.3〜266.6Pa(1〜2トル)の動作真空に維持されることができるが、質量分析器158は、高真空ポンプ(例えば、ターボ分子ポンプなど)により、例えば約1.33×10−4Pa(10−6トル)の動作真空に維持されることができる。インターフェース部112は、ICPトーチ160の排出端部からイオン化チャンバ176を横切って配置されたサンプリングコーン188、及びサンプリングコーン188から小さい軸方向距離に配置されたスキマーコーン192を含む。サンプリングコーン188及びスキマーコーン192は、互いに及びICPトーチ160の中心軸と位置合わせされた円錐構造体の中心に小さいオリフィスを有する。サンプリングコーン188及びスキマーコーン192は、トーチからのプラズマ184を真空チャンバへ抽出するのに役立ち、また、イオン源108からインターフェース部112に入るガスの量を制限するためのガス伝導性バリヤとしての機能も果たす。サンプリングコーン188及びスキマーコーン192は金属(又は少なくともそれらのアパーチャを画定する先端部が金属であることができる)であることができ、電気的に接地され得る。インターフェース部112に入る中性ガス分子および微粒子は、真空ポート128を介してICP−MSシステム100から排出され得る。
イオン光学部114は、スキマーコーン192とイオンガイド部116との間に設けられ得る。イオン光学部114は、レンズアセンブリ196を含み、当該レンズアセンブリ196は、インターフェース部112からイオンを抽出し、イオンをイオンビーム106として収束し、イオンをイオンガイド部116へ加速することに役立つ一連の(一般に静電)イオンレンズを含むことができる。イオン光学部114は、適切なポンプ(例えば、ターボ分子ポンプ)により、例えば約0.133Pa(10−3トル)の動作圧力に維持され得る。図1に特に示されていないが、レンズアセンブリ196は、イオンビーム106がオフセットを介して操向される状態で、レンズアセンブリ196を通るイオン光学軸がイオンガイド部116を通るイオン光学軸からオフセット(長手方向軸に直交する半径方向において)するように構成され得る。係る構成は、イオン経路からの中性種および光子の除去を容易にする。
本開示の一態様に従って、イオンガイド部116は、タンデムのコリジョン/リアクションセル(又はセル・アセンブリ)110を含む。タンデムのコリジョン/リアクションセル110は、軸方向においてセル入口とセル出口との間でセルハウジング187内に配置されたイオンガイド・アセンブリ146を含む。本実施形態において、セル入口とセル出口はイオン光学構成要素により設けられる。即ち、セル入口レンズ122がセル入口に配置され、セル出口レンズ124がセル出口に配置される。イオンガイド・アセンブリ146は、それが第1のイオンガイド174及び第2のイオンガイド178を含むという点でタンデムの構成を有する。第1のイオンガイド174及び第2のイオンガイド178はそれぞれ、イオンガイド174と178の長手方向の共通中心軸に沿って(一般に)互いに平行に配列された複数(例えば、4本、6本または8本)のロッド電極を含む線形多極(例えば、四重極、六重極、又は八重極)構成を有する。ロッド電極はそれぞれ、長手方向軸から半径方向距離に配置され、長手方向軸の回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置される。簡単にするために、第1のイオンガイド174又は第2のイオンガイド178の場合に、2つだけの係るロッド電極が図1に示される。RF電源(更に後述される)は、第1のイオンガイド174のロッド電極間に二次元の第1のRF電場、及び第2のイオンガイド178のロッド電極間に二次元の第2のRF電場を生成する既知の方法で、第1のイオンガイド174及び第2のイオンガイド178のロッド電極にRF電位を印加する。これらRF場は、長手方向軸に対して半径方向にイオンの偏倚を制限することにより、長手方向軸に沿ってイオンビームを収束する働きをする。一般的な実施形態において、第1のイオンガイド174及び第2のイオンガイド178は、質量フィルタリングの能力を備えないRFのみのデバイスである。別の実施形態において、第1のイオンガイド174及び/又は第2のイオンガイド178は、当業者により理解されるように、DC電位をRF電位に重畳することにより、質量フィルタの役割を果たすことができる。イオンガイド・アセンブリ146は、更に後述される第1のイオンガイド174の出口端部の近傍に配置された中間電極182を更に含む。
衝突(コリジョン)/反応(リアクション)ガス源138(例えば、加圧リザーバ)は、ハウジング187の内部につながる衝突/反応ガス供給導管およびポート142を介してタンデムのコリジョン/リアクションセル110の内部へ衝突/反応ガスの1つ又は複数(例えば、混合物)を流入するように構成される。ガスの流量は、1分当たりミリリットル(mL/分)又は1分当たりミリグラム(mg/分)のオーダーである。ガスの流量は、タンデムのコリジョン/リアクションセル110内の圧力を決定する。例えば、セルの動作圧力は、例えば0.133〜13.33Pa(0.001〜0.1トル)の範囲にあることができる。衝突/反応ガスの例は、以下に限定されないが、ヘリウム、ネオン、アルゴン、水素、酸素、水、アンモニア、メタン、フッ化メタン(CHF)、及び亜酸化窒素(NO)、並びに上記の組み合わせ(混合物)又は上記の2つ以上を含む。ヘリウム、ネオン及びアルゴンのような不活性(非反応性)ガスは、衝突ガスとして利用される。本開示によるタンデムのコリジョン/リアクションセル110の動作は、より詳細に後述される。
質量分析部118(本明細書において質量分析計とも呼ばれる)は、質量分析器158及びイオン検出器161を含む。質量分析器158は、ICP−MSに適した任意のタイプであることができる。質量分析器の例は、以下に限定されないが、多極電極構造(例えば、四重極質量フィルタ、線形イオントラップ、三次元ポール・トラップなど)、飛行時間型(TOF)分析器、磁場型および/または電場型機器、静電的トラップ(例えば、Kingdon, Knight and ORBITRAP(登録商標)トラップ)、及びイオンサイクロトロン共鳴(ICR)トラップ(FT−ICR又はFTMS、ペニング・トラップとしても知られている)を含む。イオン検出器161は、質量分析器158から出力された、質量識別されたイオンの流動(又は流れ)を収集および測定するように構成された任意のデバイスであることができる。イオン検出器の例は、以下に限定されないが、電子増倍管、光電子増倍管、マイクロチャネルプレート(MCP)検出器、イメージ電流検出器、及びファラデーカップを含む。図1の図の便宜上、イオン検出器161(イオンを受け取る少なくとも前方部)は、質量分析器158のイオン出口に対して90度の角度に向けられるように示される。しかしながら、他の実施形態において、イオン検出器161は、質量分析器158のイオン出口と軸上にあることができる。
動作中、質量分析器158は、タンデムのコリジョン/リアクションセル110からイオンビーム166を受け取り、それらの異なる質量対電荷(m/z)比に基づいてイオンを分離または分類する。分離されたイオンは質量分析器158を通過し、イオン検出器161に到着する。イオン検出器161は、各イオンを検出および計数し、電子検出器信号(イオン測定値信号)をシステム・コントローラ120のデータ収集構成要素に出力する。質量分析器158により行なわれる質量識別により、イオン検出器161が、他のm/z比を有するイオン(試料の異なる検査対象元素から導出される)とは別に、特定のm/z比を有するイオンを検出および計数することが可能になり、それにより、分析されている各イオン質量(ひいては各検査対象元素)のイオン測定値信号が生成される。様々なm/z比を有するイオンは、順次に検出および計数され得る。システム・コントローラ120は、イオン検出器161から受け取った信号を処理し、検出された各イオンの相対信号強度(存在量)を示す質量スペクトルを生成する。所与のm/z比(従って、所与の検査対象元素)で測定されたそのような信号強度は、ICP−MSシステム100により処理された試料のその元素の濃度に正比例する。このように、分析されている試料に含まれる化学元素の存在が確認されることができ、且つ化学元素の濃度が求められ得る。
図1に特に示されていないが、イオンガイド146及びセル出口レンズ124を通るイオン光学軸は、質量分析器158への入口を通るイオン光学軸からオフセットすることができ、イオン光学系は、当該オフセットを介してイオンビーム166を操向するように設けられ得る。この構成により、更なる中性種がイオン経路から除去される。
システム・コントローラ(又はコントローラ、又はコンピューティング・デバイス)120は、例えば、試料導入部104、イオン源108、イオン光学部114、イオンガイド部116及び質量分析部118の動作を制御する、並びに真空システム及び様々なガス流量、温度および圧力条件、及び図示されたデバイス間に設けられた任意の他の試料処理構成要素を制御するような、ICP−MSシステム100の様々な機能面を制御する、監視する及び/又はタイミングをとるように構成された1つ又は複数のモジュールを含むことができる。システム・コントローラ120は、タンデムのコリジョン/リアクションセル110を動作させるために利用される電気回路(例えば、RF及びDC電圧源)を表す。また、システム・コントローラ120は、イオン検出器161からの検出信号を受け取り、分析中の試料を特徴付けるデータ(例えば、質量スペクトル)を生成する必要に応じて、データ取得および信号分析に関連する他のタスクを実行するように構成され得る。システム・コントローラ120は、本明細書で開示された方法のいずれかを実行するための持続性命令を含む持続性コンピュータ可読媒体を含むことができる。システム・コントローラ120は、ICP−MSシステム100の様々な構成要素を動作させる必要に応じて、1つ又は複数のタイプのハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェア、並びに1つ又は複数のメモリ及びデータベースを含むことができる。システム・コントローラ120は一般に、全体の制御を行なうメイン電子プロセッサを含み、専用制御動作または特定の信号処理タスクのために構成された1つ又は複数の電子プロセッサを含むことができる。また、システム・コントローラ120は、ユーザ入力デバイス(例えば、キーボード、タッチ・スクリーン、マウス、及び同類のもの)、ユーザ出力デバイス(例えば、ディスプレイ画面、プリンタ、可視的表示器または警報、可聴式指示器または警報、及び同類のもの)、ソフトウェアにより制御されるグラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)、及び電子プロセッサにより読み取り可能な媒体をロードするためのデバイス(例えば、ソフトウェア、データ及び同類のもので具現化された持続性論理命令)のような、1つ又は複数のタイプのユーザ・インターフェース・デバイスも含むことができる。システム・コントローラ120は、システム・コントローラ120の様々な機能を制御および管理するためのオペレーティング・システム(例えば、Microsoft Windows(登録商標)ソフトウェア)を含むことができる。
理解されるように、図1は、本明細書で開示されるICP−MSシステム100のハイレベルな概略描写である。当業者により理解されるように、ICP−MSシステム100が所与の用途に如何にして構成されるかに応じて、実際の具現化形態に必要とされる場合に、追加の構造、デバイス、及び電子回路のような他の構成要素が含まれ得る。
図2は、一実施形態による、タンデム・イオンガイド・アセンブリ246の一例の略斜視図である。図3Aは、タンデム・イオンガイド・アセンブリ246の略側面(長手方向)図である。タンデム・イオンガイド・アセンブリ246は、本明細書で説明され図1に示されたタンデムのコリジョン/リアクションセル・アセンブリ110のようなコリジョン/リアクションセル・アセンブリの動作のために構成される。タンデム・イオンガイド・アセンブリ246は、セル入口とセル出口との間に配置された第1のイオンガイド274と第2のイオンガイド278を含む。セル入口レンズ222がセル入口に配置されることができ、セル出口レンズ224がセル出口に配置され得る。
第1のイオンガイド274は、複数の第1のイオンガイド電極203(又は「ロッド電極」)を含み、第2のイオンガイド278は、複数の第2のイオンガイド電極205(又は「ロッド電極」)を含む。第1のイオンガイド電極203は、タンデム・イオンガイド・アセンブリ246の長手方向軸Lの回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置される。第1のイオンガイド電極203のそれぞれは、長手方向軸Lから(長手方向軸に直交する)半径方向距離に配置され、長手方向軸Lにそって延ばされている(細長くされている)。従って、第1のイオンガイド電極203は、セル入口レンズ222の近くに第1のイオンガイド入口207を画定し、第1のイオンガイド出口209は、第1のイオンガイド電極203の軸長だけ第1のイオンガイド入口207から軸方向に離隔されており、軸方向に細長い第1のイオンガイド内部211は、第1のイオンガイド入口207から第1のイオンガイド出口209に延びている。同様に、第2のイオンガイド電極205は、長手方向軸L(一般に第1のイオンガイド274と同じ軸)の回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置され、長手方向軸Lから(及び長手方向軸Lに直交する)半径方向距離に配置され、長手方向軸Lにそって延ばされている(細長くされている)。第2のイオンガイド電極205は、小さい軸方向ギャップ(間隙)だけ第1のイオンガイド出口209から軸方向に離隔された第2のイオンガイド入口213を画定し、第2のイオンガイド出口215は、第2のイオンガイド電極205の軸長だけ第2のイオンガイド入口213から軸方向に離隔されており且つセル出口レンズ224の近くにあり、軸方向に細長い第2のイオンガイド内部217は、第2のイオンガイド入口213から第2のイオンガイド出口215に延びている。
図2は、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278がそれぞれ、四重極構成(4本のイオンガイド電極)を有する一実施形態を示す。他の実施形態において、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278は、より高次の多極構成、例えば六重極(6本のイオンガイド電極)、八重極(8本のイオンガイド電極)、又は更に高次の多極構成を有することができる。図2に示されるように、第1のイオンガイド電極203及び第2のイオンガイド電極205は、円形断面を有する円柱状であることができる。代案として、四重極の場合、第1のイオンガイド内部211及び第2のイオンガイド内部217に面する第1のイオンガイド電極203及び第2のイオンガイド電極205の表面はそれぞれ、双曲線の輪郭を有することができる。別の代案として、第1のイオンガイド電極203及び第2のイオンガイド電極205は、多角形(角柱)断面を有することができる。
タンデム・イオンガイド・アセンブリ246は更に、第1のイオンガイド出口209の近傍の軸上にDCポテンシャル障壁を生成するように構成された中間電極282を含む。一実施形態において、中間電極282は、第1のイオンガイド出口209において第1のイオンガイド274を包囲する。この場合、中間電極282は、第1のイオンガイド電極203の出口端部が配置されるアパーチャ219を有する。アパーチャ219を画定する中間電極282の内面は、第1のイオンガイド電極203の外面から離隔されている。しかしながら、アパーチャ219の内面は、第1のイオンガイド電位より高い電位が中間電極282に印加される場合に第1のイオンガイド内面211にDCポテンシャル障壁を生成するように、第1のイオンガイド電極203間に部分的に突出する。図2は、アパーチャ219が4本の第1のイオンガイド電極203間に4つの突出部を含む1つの非排他的な例を示す。中間電極282は、必ずしもアパーチャ219を有さない。第1のイオンガイド電極203間に挿入されたくさび形の電極が、ポテンシャル障壁を生成する目的を果たすことができる。
図3Aは更に、タンデム・イオンガイド・アセンブリ246の様々な構成要素にRF及びDC電位を印加するために利用され得る電子回路(電気回路)を概略的に示す。上述された及び図1に示されたシステム・コントローラ120は、係る電子回路を表しているとみなされ得る。図3Aにおいて、電子回路は、第1のイオンガイド電極203と連絡する第1のDC源DC1に重畳される第1のRF源RF1、第2のイオンガイド205と連絡する第2のDC源DC2に重畳される第2のRF源RF2、及び中間電極282と連絡する第3のDC源DC3として概略的に示される。電子回路は更に、以下の、即ちセル出口レンズ224と連絡する第4のDC源DC4、外部イオン光学構成要素221と連絡する第5のDC源DC5、及びセル入口レンズ222と連絡する第6のDC源DC6の1つ又は複数を含むことができる。また、RF及びDC源は、ひとまとめにして「電圧源(単数または複数)」とも呼ばれ得る。外部イオン光学構成要素221は、タンデムのコリジョン/リアクションセル・アセンブリ110の外部(外側)に、即ちセル出口レンズ224から下流にある。例えば、外部イオン光学構成要素221は、コリジョン/リアクションセル・アセンブリ110と質量分析器との間、又は質量分析器の入口に配置されたイオンレンズであることができるか、又は質量分析器自体の多極電極であることができる。
動作中、第1のRF源が、第1のイオンガイド274に二次元の時間的に変化する第1のRF場を生成するのに有効な周波数および振幅で、DCバイアス電位DC1に重畳されたRF電位RF1を第1のイオンガイド電極203(RF1+DC1)に印加する。一般に、第1のイオンガイド電極203のそれぞれの対向する対は、電気的に相互接続される。第1のイオンガイド電極203の1つの対向する対に印加されるRF電位は、当業者により理解されるように、第1のイオンガイド電極203の隣接する対向する対に印加されるRF電位(−RF1+DC1、図3に示されず)と180度位相がずれている。RF場は第1のイオンガイド274においてイオンを半径方向に閉じ込め、即ちイオンの移動を半径方向に制限し、それによりイオンを、長手方向軸Lに集中されたイオンビームとして収束する。第2のRF源は、同様に、DCバイアス電位DC2に重畳されたRF電位RF2を第2のイオンガイド電極205に印加し、それにより、第2のイオンガイド電極278においてイオンを半径方向に閉じ込め、結果としてイオンを、長手方向軸Lに集中されたイオンビームとして収束する二次元の時間的に変化する第2のRF場を第2のイオンガイド278に生成する。このように、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278は、RF場が長手方向軸Lに沿ってイオンを収束するためだけに機能するRFのみのイオンガイドとして動作する。
しかしながら、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278が四重極電極構造を有する別の実施形態において、異極性±U1及び/又は±U2を有するDC場が、第1のRF場および/または第2のRF場に重畳されて、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278が質量フィルタとして機能することを可能にすることができる。即ち、+RF1+U1+DC1が第1のイオンガイド電極203の一方の対に印加されることができ、−RF1−U1+DC1が第1のイオンガイド電極203の他方の対に印加されることができ、+RF2+U2+DC2が第2のイオンガイド電極205の一方の対に印加されることができ、−RF2−U2+DC2が第2のイオンガイド電極205の他方の対に印加されることができる。既知の原理に従って、合成RF/DC場の動作パラメータ(RF振幅、RF周波数、及びDC振幅)を適切に選択することにより、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278は、単一のイオン質量のみ又は狭い範囲のイオン質量(低い質量遮断点から高い質量遮断点まで)が第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278を通過することを可能にする質量範囲(帯域通過)を課すように構成され得る。質量帯域通過内の質量を有するイオンは、安定した飛翔経路を有し、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278の全長を通過することができる。質量帯域通過外の質量を有するイオンは、不安定な飛翔経路を有し、かくして除去される。即ち、係るイオンは、RF閉じ込め場を乗り越え、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278を出る可能性なしに、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278から除去される。質量帯域通過は、合成RF/DC場の動作パラメータの1つ又は複数を調整することによって調整されることができ、それにより特定のイオン質量(単数または複数)の選択が、任意の所与の時間において第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278から送り出されることを可能にする。幾つかの実施形態において、この「スキャニング」機能は、本明細書の他の場所で説明されるように、質量スペクトルデータに対して干渉イオンの寄与を抑制するプロセスを容易にするために実施され得る。
様々なDC源を利用して、様々なDC源が結合される構成要素に、所望の大きさ及び極性でDCバイアス電圧を印加する。一実施形態において、第1のDC源DC1は、第1のイオンガイド電極203に、それらの長さに沿って一定である負のDCバイアス電位を印加し、第2のDC源DC2は、第2のイオンガイド電極205に、それらの長さに沿って一定である負のDCバイアス電位を印加する。
非排他的な例として、電圧源(単数または複数)は、以下の範囲の1つ又は複数の大きさを有する電位を印加するように構成され、即ち第1のDCバイアス電位が−50Vから−10Vの範囲内であり、第2のDCバイアス電位が−100Vから−20Vの範囲内であり、第3のDC電位が−50Vから+500Vの範囲内であり、及び第4のDC電位(この場合、第4のDC源DC4により、セル出口レンズ224に印加される軸上電位)が−90Vから0Vの範囲内である。第3のDC電位の極性(正または負)は、例えば第1のDCバイアス電位の大きさ、中間電極282の形状、コリジョン/リアクションセル110の設計、及び/又はコリジョン/リアクションセル110の動作条件に依存することができる。
別の実施形態において、第1のDC源DC1及び/又は第2のDC源DC2は、第1のイオンガイド電極203及び/又は第2のイオンガイド電極205それぞれの長さに沿って軸方向DC勾配を生成するように構成され得る。このために、第1のDC源は、第1のイオンガイド電極203の入口端部と出口端部のそれぞれに結合され得る2つの異なるDC電位DC1a及びDC1bを供給し、及び/又は第2のDC源は、第2のイオンガイド電極205の入口端部と出口端部のそれぞれに結合され得る2つの異なる電位DC2a及びDC2bを供給する。例えば、DC電位DC1a及びDC1bは、入口端部と出口端部において第1のイオンガイド電極203の導電層または抵抗層に結合されることができ、及び/又はDC電位DC2a及びDC2bは、入口端部と出口端部において第2のイオンガイド電極205の導電層または抵抗層に結合され得る。軸方向DC勾配の印加は、イオンを順方向に移動させ続け且つイオンの逆流を防止するために有用であることができる。更に又は代案として、所望の時間にわたってイオンを第1のイオンガイド274へ送り込んだ後、セル入口レンズ222に印可されるDC電位DC6は、第1のイオンガイド274内のイオンがセル入口レンズ222を介して第1のイオンガイド274から逃げることを防止し且つ追加のイオンがイオン源108(図1)から第1のイオンガイド274へ送り込まれることを防止するために増加され得る。
図3B及び図3Cは、第1のイオンガイド出口209の近傍に配置された中間電極の他の例を示す。
図3Bは、別の実施形態による、タンデム・イオンガイド・アセンブリ346の一例の略側面(長手方向)図である。イオンガイド・アセンブリ346は、図3Aに関連して上述されたイオンガイド・アセンブリ246に類似する。かくして、イオンガイド・アセンブリ346は、多極構成を有する第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278、及びアパーチャ319を有する中間電極382を含む。イオンガイド・アセンブリ346は、中間電極382が第1のイオンガイド出口209と第2のイオンガイド入口213との間で軸方向に配置されたプレートであるという点で異なる。本明細書の他の場所で説明されるように、第3のDC源DC3が中間電極382と連絡し、DC電位を中間電極382に印加して軸上DCポテンシャル障壁を形成する。
図3Cは、別の実施形態によるタンデム・イオンガイド・アセンブリ446の一例の略側面(長手方向)図である。イオンガイド・アセンブリ446は、図3Aに関連して上述されたイオンガイド・アセンブリ246に類似する。かくして、イオンガイド・アセンブリ446は、多極構成を有する第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278、及び中間電極を含む。イオンガイド・アセンブリ446は、中間電極が第1のイオンガイド出口209と第2のイオンガイド入口213との間で軸方向に配置された中間(又は第3の)イオンガイド482であるという点で異なる。第3のイオンガイド482は、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278と同じ次数からなることができる多極構成を有する(例えば、四重極、六重極、八重極など)。かくして、第3のイオンガイド482は、長手方向軸Lの回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置され且つ長手方向軸Lから半径方向距離に配置され且つ長手方向軸Lにそって延ばされている複数の中間(第3の)ガイド電極423を有する。図3Cの側面図から、第3のガイド電極423の(1つの対向する対)2つだけが示される。第3のガイド電極423は、小さい軸方向ギャップだけ第1のイオンガイド出口209から軸方向に離隔された第3のイオンガイド入口425、小さい軸方向ギャップだけ第2のイオンガイド入口213から軸方向に離隔された第3のイオンガイド出口427、及び第3のイオンガイド入口425から第3のイオンガイド出口427まで延びる軸方向に延ばされた第3のイオンガイド内部419を画定する。第3のイオンガイド482は、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278より短い長さからなる。1つの非排他的な例として、第3のイオンガイド482(即ち、第3のガイド電極423)の軸長は、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278の軸長の10%から60%の範囲内にあることができる。この実施形態において、本明細書の他の場所で説明されるように、動作中、中間電極(第3のイオンガイド482)は、その内部に第3のRF閉じ込め場、並びに軸上DCポテンシャル障壁を生成するように構成される。例えば、第3のガイド電極423と連絡する電圧源(単数または複数)は、軸上DCポテンシャル障壁および第3のRF閉じ込め場を形成するために第3のDC電位(RF3+DC3)に重畳される第3のRF電位を印加するように構成される。
今までのところ、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278は、第1のイオンガイド電極203及び第2のイオンガイド電極205が互いに且つ第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278の長手方向軸に平行である線形多極構成を有するように、主として説明および図示された。しかしながら、他の実施形態において、第1のイオンガイド電極203及び/又は第2のイオンガイド電極205は平行でなくてもよい。代わりに、第1のイオンガイド電極203及び/又は第2のイオンガイド電極205は、入口端部から出口端部までの方向における長さに沿って、互いに及び長手方向軸に向かって収束する、又は互いから及び長手方向軸から離れるように発散することができる。
更に他の実施形態において、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278は、線形多極構成を有さなくてもよい。より具体的には、第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278は、本明細書に開示された主題に従って、第1のイオンガイド274の出口の近傍にDCポテンシャル障壁を生成することと互換性がある、第1のイオンガイド274内に第1のRF閉じ込め場、及び第2のイオンガイド278内に第2のRF閉じ込め場を有効に生成するための任意の構成を有することができる。1つの非排他的な代替の実施形態として、第1のイオンガイド電極203及び/又は第2のイオンガイド電極205は、長手方向軸を同軸方向に包囲し且つ長手方向軸の回りにそれぞれから軸方向に離隔された一連(又はスタック)のリング(又はアパーチャを有するプレート)であることができる。この場合、第1のイオンガイド274及び/又は第2のイオンガイド278内にRF閉じ込め場を生成するために、所与のリング又はプレートに印加されるRF電位は、その所与のリング又はプレートに直接隣接するリング(単数または複数)又はプレート(単数または複数)に印加されるRF電位と180度位相がずれていることができる。リング又はプレートのアパーチャの内径は、長手方向軸に沿って一定であることができる。代案として、リング又はプレートのアパーチャの内径は、イオンじょうごの態様においてのような、入口から出口までの方向において連続するリング又はプレートにおいて連続的(successively:逐次的)に増減することができる。イオンガイドとして使用するための、軸方向に積み重ねられたリング又はプレート、及びイオンじょうごの構造および動作は一般に、当業者に知られている。
図4は、タンデムのコリジョン/リアクションセル(又はセル・アセンブリ)410の一例の略側面(長手方向)図である。タンデムのコリジョン/リアクションセル410は、タンデム・イオンガイド・アセンブリ246が動作可能なように実装されるハウジング487を含む。また、図4は、質量分析器458も示す。例として、質量分析器458は、四重極デバイス(対向するロッド電極の一対のみが示されている)として示されるが、本明細書で説明されるような任意のタイプの質量分析器であることができる。図4は更に、タンデムのコリジョン/リアクションセル410及び質量分析器458の長さに沿った軸位置の関数として軸上に生成される直流(DC)電位のプロットを含む。
ICP−MSシステムの動作において、理想的にはプラズマベースのイオン源において生成された検査対象イオンのみが質量分析器458に送られる。しかしながら、本開示で前述されたように、イオン源108(図1)も、バックグラウンド(非検査対象)イオン、又は所与の試料の分析に干渉する可能性がある「干渉イオン」を生成する。干渉イオンは、プラズマ形成ガス(例えば、アルゴン)、試料のマトリックス成分、試料に含まれる溶剤/酸、及びシステムへ混入する空気(酸素および窒素)から生成される可能性がある。本開示で前述されたように、干渉イオンの例は、単原子検査対象イオンと同じ公称の質量を有する多原子干渉物質である。特定の検査対象イオン(干渉イオンが干渉する)の検出と共に係る干渉イオンを検出することは、分析データにおけるスペクトルの部分的な重なりにつながり、それにより分析の品質が低下する。
本明細書で説明されるタンデムのコリジョン/リアクションセル410(又は110)は、干渉イオン(主として多原子干渉物質)を移動させる(低減する又は除去する)ように構成され、それにより干渉イオンが、質量分析器458へ送り込まれることを防止する(又は送り込まれる干渉イオンの量を少なくとも低減する)。結果として、タンデムのコリジョン/リアクションセル410の動作は、ICP−MSシステムの性能、及びそれにより生成された質量スペクトルデータの品質を改善する。タンデムのコリジョン/リアクションセル410は、多段イオン・分子衝突プロセスを実施することによってこれを達成することができる。
コリジョン/リアクションセル410の動作は、主として図3及び図4を参照して説明される。コリジョン/リアクションセル410への衝突/反応ガス(例えば、ヘリウム)の流れは、衝突/反応ガス源138及び供給ポート142(図1)を介して確立される。ガスの流量は、測定されている特定の元素(検査対象イオン)に最適化されるように設定される。ガスの流量は、例えば利用されているプラズマ生成ガスのタイプ(一般にアルゴン)、及び除去されることが予想される干渉イオン(単数または複数)のタイプ(単数または複数)のような他の要因に依存するかもしれない。第1のイオンガイド274及び第2のイオンガイド278は、RF源RF1及びRF2により能動的に電力供給されて、上述されたように個々の第1及び第2のRFイオン閉じ込め場を生成する。第1のDC源DC1は、負の第1のDCバイアス電位(又はガイド電位)を第1のイオンガイド電極203に印加し、第2のDC源DC2は、負の第2のDCバイアス電位(又はガイド電位)を第2のイオンガイド電極205に印加する。第2のDCバイアス電位の大きさは、第1のDCバイアス電位より大きい負数である。1つの非排他的な例として、第1のDCバイアス電位は、−22Vであることができ、第2のDCバイアス電位は−65Vであることができる。第3のDC源DC3は、長手方向軸L上に第1のDCポテンシャル障壁(即ち、軸上DCポテンシャル障壁)を生成するのに有効な大きさで、DC電位を中間電極282に印加する。そういうものだから、第3のDC源DC3は、第1のDCバイアス電位より大きい正数であるDC電位を印加する。図4に示されるように、第1のDCポテンシャル障壁(又は障壁の高さ)は、中間電極282に印加されたDC電位により第1のイオンガイドの端部に生成された軸上電位と第1のイオンガイド電極203に印加された第1のDCバイアス電位との間の差として画定され得る。長手方向軸L上の第2のポテンシャル障壁は、第2のイオンガイド278から下流の軸位置において生成される。例として、第2のポテンシャル障壁は、質量分析器458、又はコリジョン/リアクションセル410と質量分析器458との間に位置するイオン光学構成要素221(図3A)の入口においてDC電位を印加することにより生成され得る。図4に示されるように、第2のDCポテンシャル障壁(又は障壁の高さ)は、質量分析器458の入口に印加されるDC電位と第2のイオンガイド電極205に印加される第2のDCバイアス電位との間の差として画定され得る。
非排他的な例として、第1のDCポテンシャル障壁の大きさは0.1Vから10Vの範囲内であり、及び/又は第2のDCポテンシャル障壁の大きさは、0.1Vから10Vの範囲内である。
衝突/反応ガスがコリジョン/リアクションセル410へ流入し且つRF及びDC場が生成されるが、イオンビーム406はセル入口レンズ222を介して第1のイオンガイド274へ送り込まれる。イオンビーム406は、検査対象イオン及びバックグラウンド(非検査対象)イオンの双方を含む。分析中の試料および試料導入部104とイオン源108(図1)の動作条件に依存して、イオンビーム406中の非検査対象イオンの幾つかは、干渉イオンになるかもしれない。例えば、バックグラウンドイオンは、測定されている特定のタイプの検査対象イオンに対する干渉イオンとして作用するかもしれないし作用しないかもしれない。入来するイオンは、例えば約22eVの運動エネルギーまで第1のイオンガイド274へ加速される。イオンは、第1のイオンガイド274の第1のRF場により、長手方向軸Lに沿ってビームとして半径方向に閉じ込められる。タンデムのコリジョン/リアクションセル410に入り且つ第1のRF場により収束された後、イオンは、衝突/反応ガスの分子との多数の衝突を受けて、それにより減速される。運動エネルギー弁別(KED)の原理に従って、多原子干渉イオン(例えば、分子イオン)の断面は、当該干渉イオンと同じ質量の単原子検査対象イオンより大きい。従って、干渉イオンは、衝突/反応ガスとのより多くの回数の衝突を蒙り、ひいては検査対象イオンと比べてより多くの運動エネルギー(KE)を失う。第1のDCポテンシャル障壁の大きさは、衝突後のより低いKE干渉イオン(の少なくとも幾つか)が第1のイオンガイド274から第2のイオンガイド278に進むことを防止するのに十分に高いが、より高いエネルギーの検査対象イオンが第1のイオンガイド274から第2のイオンガイド278に進むことを可能にするのに十分に低い。このように、質量スペクトルデータに対する干渉イオンの寄与は、抑制される。
第2のイオンガイド278が第1のイオンガイド274より低いDCバイアスにある場合、検査対象イオン(又は少なくともそれらの大部分)は、第1のイオンガイド274から第2のイオンガイド278へ送り込まれる(再加速される)。また、中間電極282において生成された第1のDCポテンシャル障壁を乗り越えることができる何らかの干渉イオンは、第2のイオンガイド278に入る。検査対象イオン及び干渉イオンは、第2のイオンガイド278の第2のRF場によって長手方向軸Lに沿ってビームとして半径方向に閉じ込められ、第2のイオンガイド278内の衝突/反応ガス分子との追加の衝突を受ける。やはり、干渉イオンは、衝突/反応ガスとより多くの回数の衝突を受け、ひいては検査対象イオンと比べてより多くの運動エネルギーを失う。第2のDCポテンシャル障壁の大きさは、干渉イオン(の少なくとも幾つか)が質量分析器458に到達する又は質量分析器458を通過することを防止するのに十分に高いが、検査対象イオンがイオンビーム466として質量分析器458へ送り込まれて検出器に到達することを可能にするのに十分に低い。理想的には、この出て行くイオンビーム466は、入来するイオンビーム406に比べて干渉イオンを有さない(又は干渉イオンの少なくともはるかに低い濃度を有する)べきである。このように、干渉イオンは、質量分析器458に入ることが防止され、ひいてはイオン測定値信号に寄与せず、検査対象イオンとのスペクトルの部分的な重なりを生じさせず、それにより干渉を更に抑制する。イオン・分子衝突プロセスは、複数のタイプの被検物質に干渉する複数のタイプの干渉多原子イオンを除去することができる。
特に、第2のイオンガイド278における検査対象イオンの再加速により、衝突/反応ガスの流量(流速)は、従来よりも高くすることが可能になる。増大されたガスの流量は、コリジョン/リアクションセル410における衝突/反応ガスの増大した密度に対応する。結果として、増大したガスの流量は、イオンが受ける衝突の平均回数を増大させ、従って、干渉を抑制する際のコリジョン/リアクションセル410の有効性が増加する。第2のイオンガイド278における検査対象イオンの再加速により、検査対象イオンが、より高い密度の衝突/反応ガスの存在下でさえも、第2のDCポテンシャル障壁を乗り越えることが可能になる。従って、本明細書に開示されたようなタンデムのコリジョン/リアクションセルは、衝突ガス密度(流量)の上限を上げる。比較すると、従来のセルにおいて、係る検査対象イオンは、失速して質量分析器に到達することができない。1つの非排他的な例として、ヘリウムの場合、タンデムのコリジョン/リアクションセル410へのガスの流量は、12mL/分であることができる。比較すると、従来のコリジョン/リアクションセルへのガスの流量は、5mL/分であることができる。
比較例
本明細書で説明されたようなタンデムのコリジョン/リアクションセルの性能が、標準的な(従来の)コリジョン/リアクションセル、即ち単一の多極イオンガイドのみを含むセルの性能と比べられた。いずれの場合にも、2%の塩酸(HCl)を有する多元素溶液がICP−MSシステムを通過した。以下の表1は、標準的なセルとタンデムセルの実験条件を示す。以下の表2は、干渉する4個の被検物質に対する信号対バックグラウンド(S/B)比を示し、タンデムセルが従来のセルよりも著しく良く機能した(即ち、多原子干渉の改善された低減)ことを実証する。表3は、同じ4個の被検物質の信号強度を示し、やはりタンデムセルが標準的なセルよりも著しく良く機能したことを実証する。
タンデムセル対従来のセルの動作原理
従来のコリジョン/リアクションセルに対する本明細書で開示されたようなタンデムのコリジョン/リアクションセルの動作原理の比較が、更に後述される。
1.検査対象イオンと干渉イオンのイオン運動エネルギー
2つのイオン種A(原子検査対象イオン)及びB(Aに干渉する多原子イオン)を考察する。Bイオンは、Aイオンと同じ質量、又はm/z比を有するが、Aイオンより大きい。Bイオンのより大きいサイズ(より大きな衝突横断面)に起因して、Bイオンは、Aイオンより2倍以上頻繁にガス分子と衝突すると仮定される。コリジョンセルの入口において、A及びBイオンは、機器の動作状態により与えられた同じ初期の運動エネルギーEiを有する。初期の運動エネルギーEiは一般に約20eVである。コリジョンセルにおいて、A及びBイオンの双方は、それらが衝突ガス分子と衝突するたびに段階的に減速する。鋼体球衝突モデルにおいて、最後の運動エネルギー、イオンがコリジョンセルの出口において有する運動エネルギーは、以下により概算的に与えられる。
ここで、m及びmはそれぞれ、イオン及びガス分子の質量であり、Nはイオンがコリジョンセルにおいて受ける衝突の回数である。Nは、平均でAイオンに対するものよりBイオンに対するものが大きいので、Eは、式(1)から計算されるように、Aイオンに対するものよりBイオンに対するものが小さい。例えば、概算の最終エネルギーEf及びEfは、A=Heガス(m=4u)と10回衝突する51イオン(m=51u)及びB=Heガス(m=4u)と20回衝突する35Cl16イオン(m=51u)の場合に以下のように式(1)から計算される。即ち
Ef=0.235E
Ef=0.055E
=20eVの場合、Ef=4.7eV、Ef=1.1eV。
従って、例えば衝突セルの後に3eVの高さのポテンシャル障壁を設定することにより(図4のセル後障壁、障壁2)、低いエネルギーのBイオンは障壁により阻止されるが、より高いエネルギーのAイオンは障壁を乗り越えることができる。このように、質量分析器がA及びBを解明することができなくても、検査対象イオンAは、選択的に検出される一方で、干渉イオンBはポテンシャル障壁後のイオンビームから除去される。本明細書の他の場所で説明されるように、当該技術は、運動エネルギー弁別(KED)として知られている。
2.標準的なセル後のイオン運動エネルギー分布の部分的な重なり
しかしながら、Nは、衝突プロセスが統計的であるので、同じイオン種間でもイオン毎に変化する。従って、Aイオン及びBイオンは、それら自体の衝突回数の分布を有する。N回衝突するイオンの確率は、ポアソン分布により与えられる。
ここで、Naveは、平均自由行程で割ったセル長さにより与えられる、コリジョンセルにおいてイオンが蒙る衝突の平均回数である。
例えば、A及びBの衝突の平均回数がそれぞれNave=10及び20である場合、A及びBの衝突の回数の確率分布が図5に示される。2つの分布の部分的な重なりは、A及びBの最終の運動エネルギー分布の部分的な重なりに対応する。より小さい部分的な重なりは、KEDの実施をより効率的にする。
A及びBの平均衝突回数が増加する場合、衝突回数の分布の部分的な重なりは、ポアソン分布の特徴に従って減少する。図6は、それぞれNave=25及び50である場合のA及びBの分布を示す(衝突の増加は、衝突ガスの流量を増加する又はセル長さを伸長することによって容易に達成され得る)。図5と比べて、部分的な重なりは、より小さい。より効率的なKED、ひいてはコリジョンセルの改善された性能は、衝突の回数または衝突ガスの流量を増すことにより達成される。
3.イオン運動エネルギー差
衝突回数の分布のより小さい部分的な重なりは、最終の運動エネルギー分布のより小さい部分的な重なりという結果になる。しかし、これは、Aイオンが十分な運動エネルギーを維持する場合のみ当てはまる。言い換えれば、多すぎる衝突を受けることは、イオンの運動の停止につながる。セル出口に到達する前にAイオン並びにBイオンが失速する(最初の運動エネルギーの全てを失う)場合、AとBとの間に生じる最終の運動エネルギーの差はない。係る状況は、KEDの実施を不可能にする。例えば、概算の最終エネルギーEf及びEfはそれぞれ、A=Heガス(m=4u)と25回衝突するVイオン(m=51u)及びB=Heガス(m=4u)と50回衝突するClOイオン(m=51u)の場合に式(1)から以下のように計算される。即ち
Ef=0.027E
Ef=0.0007E
=20eVの場合、Ef=0.54eV(ほぼゼロ)、及びEf=0.01eV(事実上ゼロ)。エネルギー差は、効率的なKEDに関して小さ過ぎる。Heの流量(衝突の回数)が増大される場合、AとBとの間の運動エネルギー差は増加する。He流量の更なる増加は、双方のイオンの運動エネルギーの大きな喪失につながり、運動エネルギーの低減された差の原因となる。これは、標準的なコリジョンセルに関するKEDの制限を示す。
4.イオンガイドのバイアス電位を下げることによるイオン運動エネルギー差の増加
最終の運動エネルギーEfが最初の運動エネルギーEに比例する場合、Eの増加は、増加した衝突回数の後でのAイオンの停止を防止し、AとBとの間の最終の運動エネルギーの差を増大する。最初の運動エネルギーEは、セルのイオンガイドのバイアス電位を減少させることにより増加させることができ、その理由は、(正の)イオンがセル(イオンガイド)の入口において、下げられた電位により加速されるからである。しかしながら、イオンガイドのバイアスを−90Vのような高度に負の電位に下げることの2つの欠点が存在し、即ち(i)イオンガイド中のイオン伝達が妥協される必要がある、及び(ii)イオンの運動エネルギー分布がより高いエネルギーの方へ広げられ、質量スペクトルのピーク形状の悪化につながる。
5.タンデムの構成によるイオン運動エネルギーの差の増大
これら欠点は、タンデムの構成により克服され、この場合、イオンガイドの第1の部分は、標準的な電位(例えば、−20V)でバイアスされ、第2の部分は、より負にバイアスされ(例えば、−70V)、それによりイオンは、2つの部分間で加速され、70−20=50eVの追加の運動エネルギーを獲得する。
式(1)を用いて計算されたエネルギー差の一例が、従来の(標準的な)セルとの比較において、図7に示され、この場合、イオンの移動距離Lは、N=L/λ(λは、イオンの平均自由行程)として、Nと関連する。セル出口におけるエネルギー差(セルがL=0.1mの長さを有する)、又は最終のエネルギー差は、より高い(より小さい負数)バイアス電位にもかかわらず、タンデムの構成においてより大きい。
6.タンデムセル後のイオン運動エネルギー分布の部分的な重なり
AイオンとBイオンとの間の平均の最終エネルギーの差は、タンデムの構成とともに増大するが、2つの最終エネルギー分布の部分的な重なりも増大し、それは式(1)及び式(2)を用いる計算により確認される(図示せず)。理由は、タンデムの構成において、2つのイオンが同じ回数の衝突を受けた場合でさえも、それらの最終のエネルギーは、衝突がセル内で発生する場所に依存して異なることができるからである。例えば、衝突の総数が同じであるけれども、第1のイオンガイドにおいて7回の衝突を受け且つ第2のイオンガイドにおいて3回の衝突を受けたイオンの運動エネルギーは、第1のイオンガイドにおいて3回の衝突を受け且つ第2のイオンガイドにおいて7回の衝突を受けたイオンの運動エネルギーと異なることができる(留意されるべきは、標準的なセルにおいて、最終の運動エネルギーは、均一なバイアス電位がセル内に確立されている場合、セルのどの部分においてイオンが衝突を受けるかに依存しない)。従って、効率的なKEDは、たとえ衝突の回数が増加しても、タンデムセルから期待されない。
7.タンデムセル内の追加のポテンシャル障壁(図4の障壁1)
タンデム構成に関する問題は、第1の部分の端部にポテンシャル障壁を追加することにより解決される(セル内障壁、図4の障壁1)。セル後障壁(図4の障壁2)を乗り越える干渉Bイオンの確率は、障壁1により低減され、かくして後述されるようにS/B比が改善される。
A及びBの平均衝突回数がそれぞれ25及び50であり、第1及び第2のイオンガイドがそれぞれ約−20V及び−70Vでバイアスされるように、セルへのHe衝突ガスの流量が調整されると仮定する。第1の部分において25回の衝突を受け且つ第2のイオンガイドにおいて25回の衝突を受けるBイオン(B1)の場合、それらの運動エネルギーは、第1のイオンガイドの端部および第2のイオンガイドの端部(セル出口)において、それぞれ0.53eV及び1.3eVである。ここで、E=20eV、m=51u及びm=4uが、式(1)による計算のために仮定される。従って、例えば、高さ3eVのセル後障壁(図4の障壁2)は、運動エネルギーが1.3eVのB1イオンを阻止する。
しかしながら、第1のイオンガイドにおいて35回の衝突を受け且つ第2のイオンガイドにおいて15回の衝突を受けるBイオンも存在する(B2イオン)。これらB2イオンは、第1の部分の端部において0.13eV及びセル出口において5.7eVの運動エネルギーを有する。従って、高さ3eVのセル後障壁はこれらB2イオンを阻止できない。しかしながら、0.13eVより高いセル内障壁(例えば、1eV)が設定される場合、B2イオンはセルの内部で阻止され、ひいてはイオンビームから除去される。
Bの半分の回数の衝突を受ける検査対象イオンAの場合、運動エネルギーは、それらが第1の部分および第2の部分の双方において13回の衝突を受ける場合、第1及び第2のイオンガイドの端部において、それぞれ3.0eV及び8.1eVである(A1イオン)。従って、これらA1イオンは、双方の障壁(1eVの高さ及び3eVの高さ)を乗り越える。同様に、第1及び第2のイオンガイドにおいて、それぞれ18回と8回の衝突を受けるAイオンの場合(A2イオン)、それらの運動エネルギーは、第1及び第2のイオンガイドの端部において、それぞれ1.5eV及び16eVである。かくして、A2イオンは、双方の障壁を同様に乗り越える。
これらの例から、セル内障壁を有するタンデムセルは、干渉Bイオンの衝突回数が50回という大きさに設定された場合でさえも、十分な最終の運動エネルギーを有する検査対象イオンAが検出されることを可能にするということが明らかである。
8.概要
要約すれば、コリジョンセルの性能を改善するために、セルにおける衝突回数(又は衝突ガスの密度)を増加させる必要がある。しかしながら、衝突回数の増加は、検査対象イオンの運動エネルギーの大きな喪失をもたらし、それは検査対象イオンと多原子干渉イオンとの間の運動エネルギーの小さい差につながり、その結果として効率的なKED又はコリジョンセルの性能の改善を不可能にする。検査対象イオンと多原子干渉イオンとの間の運動エネルギーの十分な差を維持するために、本明細書で説明されたようなタンデムのコリジョンセルが利用される。しかしながら、タンデム構成は、検査対象イオンの運動エネルギー分布と多原子干渉イオンの運動エネルギー分布との間のより大きな部分的な重なりをもたらし、KEDの実施を劣化させる。タンデムセルの第1のイオンガイドの端部における追加のポテンシャル障壁を用いて、効率的なKEDがタンデム構成において回復される。セル内障壁を有するタンデムセルは、増大した衝突回数の条件下で効率的なKEDを可能にし、コリジョンセルの性能を改善する(即ち、S/B比を改善する)。非特許文献2を参照されたい。
図8は、一実施形態による、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムにおけるタンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させるための方法の一例を示す流れ図800である。衝突/反応ガスが、タンデムのコリジョン/リアクションセル内へ流される(ステップ802)。タンデムのコリジョン/リアクションセルは、セル入口、タンデムのコリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿ってセル入口から離隔されたセル出口、セル入口と第2のイオンガイドとの間の第1のイオンガイド、及び第1のイオンガイドとセル出口との間の第2のイオンガイドを含む。第1のRF閉じ込め場が第1のイオンガイド内に生成され(ステップ804)、第2のRF閉じ込め場が第2のイオンガイド内に生成される(ステップ806)。第1のRF電場および第2のRF電場は、長手方向軸に直交する半径方向においてイオンを閉じ込めるように構成される。第1のDCポテンシャル障壁が、第1のイオンガイドの第1のイオンガイド出口の近傍に生成される(ステップ808)。第2のDCポテンシャル障壁が、第2のイオンガイドの第2のイオンガイド出口から下流の軸位置において生成される(ステップ810)。ステップ802〜808の開始の順序に課される特定の制限はなく、ステップ802〜808の2つ以上は、同時に又はほぼ同時に開始され得る。分析中の試料をイオン化することから生成された検査対象イオン及び干渉イオンは、セル入口を介して第1のイオンガイドへ送り込まれる(ステップ812)。第1のイオンガイドにおいて、検査対象イオン及び干渉イオンは、衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失う。第1のDCポテンシャル障壁が、干渉イオンの少なくとも幾つかが第1のイオンガイドを出ることを防止するのに十分な高さになるように設定されるが、検査対象イオンが第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低く設定される。検査対象イオンは、第1のイオンガイドから第2のイオンガイドへ送り込まれる(ステップ814)。第1のDCポテンシャル障壁を乗り越えることができる何らかの干渉イオンも、第2のイオンガイドへ送り込まれる。第2のイオンガイドにおいて、検査対象イオン及び何らかの干渉イオンは同様に、衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失う。第2のDCポテンシャル障壁は、干渉イオンの少なくとも幾つかが、セル出口から下流の質量分析器に到達する又は当該質量分析器を通過することを防止するのに十分高くなるように設定されるが、検査対象イオンが質量分析器を通って送られることを可能にするのに十分に低く設定される。次いで、検査対象イオンは、質量分析器により分析されて、下流のイオン検出器により検出されて計数され得る。
一実施形態において、流れ図800は、ステップ802〜814を実行するために構成された、コリジョン/リアクションセル、又はコリジョン/リアクションセル及び関連する電子回路、又はコリジョン/リアクションセル及び関連するICP−MSシステムを表すことができる。このために、当業者により理解されるように、プロセッサ、メモリ及び他の構成要素を含むコントローラ(例えば、図1に示されたコントローラ120)は、例えばステップ802〜814を実行する際に必要とされるICP−MSシステムの構成要素(例えば、セル、電子回路など)を制御することにより、ステップ802〜814の実行を制御するために設けられ得る。
図9は、図1に示されたICP−MSシステム100のような分光分析システムの一部であることができる又は当該分光分析システムと通信(連絡)することができるシステム・コントローラ(或いはコントローラ、又はコンピューティング・デバイス)120の制限しない例の略図である。図示された実施形態において、システム・コントローラ120は、全体的な制御を提供するメイン電子プロセッサ、及び専用の制御動作または特定の信号処理タスクのために構成された1つ又は複数の電子プロセッサ(例えば、グラフィックス・プロセッシング・ユニット又はGPU、デジタル・シグナル・プロセッサ又はDSP、特定用途向け集積回路またはASIC、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ又はFPGAなど)を表すことができるプロセッサ902(一般に電子回路ベース)を含む。また、システム・コントローラ120は、データ及び/又はソフトウェアを格納するための1つ又は複数のメモリ904(揮発性および/または不揮発性)も含む。また、システム・コントローラ120は、1つ又は複数のタイプのユーザ・インターフェース・デバイスを制御する及び当該ユーザ・インターフェース・デバイスと当該ユーザ・インターフェース・デバイスと通信するシステム・コントローラ120の構成要素との間にインターフェースを提供するための1つ又は複数のデバイスドライバ906も含むことができる。係るユーザ・インターフェース・デバイスは、ユーザ入力デバイス908(例えば、キーボード、キーパッド、タッチ・スクリーン、マウス、ジョイスティック、トラックボール、及び同類のもの)、及びユーザ出力デバイス910(例えば、ディスプレイ画面、プリンタ、可視的表示器または警報、可聴式指示器または警報、及び同類のもの)を含むことができる。様々な実施形態において、システム・コントローラ120は、1つ又は複数のユーザ入力デバイス908及び/又はユーザ出力デバイス910を含むと、又は少なくともそれらと通信するとみなされ得る。また、システム・コントローラ120は、メモリに及び/又は1つ又は複数のタイプのコンピュータ可読媒体914に包含された1つ又は複数のタイプのコンピュータ・プログラム又はソフトウェア912も含むことができる。コンピュータ・プログラム又はソフトウェアは、ICP−MSシステム100の様々な動作を制御または実行するための持続性命令(例えば、論理命令)を含むことができる。コンピュータ・プログラム又はソフトウェアは、アプリケーション・ソフトウェア及びシステム・ソフトウェアを含むことができる。システム・ソフトウェアは、ハードウェアとアプリケーション・ソフトウェアとの間の相互作用を含む、システム・コントローラ120の様々な機能を制御および管理するためのオペレーティング・システム(例えば、Microsoft Windows(登録商標)ソフトウェア)を含むことができる。特に、オペレーティング・システムは、ユーザ出力デバイス910を介して表示可能であり、ユーザがユーザ入力デバイス908の使用と相互作用することができる、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(GUI)を提供することができる。また、システム・コントローラ120は、GUIによりグラフ形状で提示するためのフォーマット・データを含む、イオン検出器161(図1)により出力されたイオン測定値信号を受け取って処理するための1つ又は複数のデータ取得/信号調整構成要素(DAQ)916(ハードウェア、ファームウェア及び/又はソフトウェアで具現化されるような)も含むことができる。
システム・コントローラ120は更に、コリジョン/リアクションセル110(又は410)の動作を制御する、及びイオン源108、イオン光学部114、質量分析部118及び図1に示されたICP−MSシステム100に設けられる任意の他のイオン処理デバイスの動作とセルの動作を調和させる及び/又は同期させるように構成されたセル・コントローラ(又は制御モジュール)918を含むことができる。かくして、セル・コントローラ918は、コリジョン/リアクションセル110を動作させるための方法を含む、本明細書で開示された方法の全て又は当該方法の任意の一部を制御する又は実行するように構成され得る。これらの目的のために、セル・コントローラ918は、当業者により理解されるように、ソフトウェア及び/又は電子回路(ハードウェア及び/又はファームウェア)で具現化され得る。
理解されるように、図9は、本開示と首尾一貫したシステム・コントローラ120の一例のハイレベルな概略描写である。追加の構造、デバイス、電子回路、及びコンピュータ関連またはプロセッサ関連の構成要素のような他の構成要素が、実際の具現化形態に必要とされるように、含まれ得る。また、理解されるように、システム・コントローラ120は、提供され得る構造(例えば、回路、メカニズム、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアなど)を表すことが意図された機能ブロックとして図9に概略的に表されている。様々な機能ブロック及びそれらの間の何らかの信号リンクが、例示のためだけに任意に配置されており、何らかの態様を制限しない。当業者により理解されるように、実際には、システム・コントローラ120の機能は、様々な態様で実施されることができ、図9に示された及び本明細書において例により説明された正確な態様で必ずしも実施されない。
これまでのところ、本開示において、コリジョン/リアクションセル110(又は410)は、2段を有する「タンデム」セルとして主に説明された。しかしながら、本開示は、2つを超える多数の段を包含する。即ち、コリジョン/リアクションセル110(又は410)は、3つ以上の別個のイオンガイドを含み、例えば3つ以上の中間電極を含むことにより3つ以上のDCポテンシャル障壁を生成することができる。
一実施形態において、物理的に反応しないイオン・分子衝突プロセスに加えて、コリジョン/リアクションセル110(又は410)は、化学的に反応するイオン・分子反応プロセスを実施することもできる。かくして、コリジョン/リアクションセル110は、3つの異なる動作モード、即ち衝突ガスがコリジョン/リアクションセル110へ流入される衝突モード、反応ガスがコリジョン/リアクションセル110へ流入される反応モード、及び衝突/反応ガスのタイプがコリジョン/リアクションセル110へ流入されない「ガス無し」モードで動作する(及び3つの異なる動作間で切換えられる)ように構成され得る。特定モードの選択は、測定されている検査対象イオン(単数または複数)のタイプ、及びもしあれば、除去されるべき干渉イオン(単数または複数)のタイプに依存することができる。「タイプ」によるは、検査対象イオン(例えば、鉄、カドミウム、バナジウムなど)の及び干渉イオン(例えば、ArO、MoO、ClOなど)の化学的(元素的)識別を意味する。
一般に、反応モードは、検査対象イオン及び干渉イオンとの反応ガスの相対反応速度に基づく。干渉イオンとの反応は発熱性であり、検査対象イオンとの反応は吸熱性である。従って、干渉イオンとの反応は、検査対象イオンとの反応より速い。かくして、反応ガスは、検査対象イオンと実質的に反応しない、又は検査対象イオンと完全に反応しないかもしれない。生じる反応の特定タイプ(例えば、電荷移動、プロトン移動など)は、利用される反応ガスのタイプ及び除去されるべき干渉イオンのタイプに依存する。一実施形態において、当該反応は、干渉イオンを非干渉イオン又は中性種に変換する。干渉イオンを非干渉イオンに変換することは、干渉イオンの組成を変更することを含み、それにより干渉イオンの質量は検査対象イオンの質量と異なる質量(ひいては検査対象イオンの質量ともはや干渉しない)に変更される。干渉イオンを中性種に変換する場合、中性種は、電場または磁場により影響を与えられない。かくして、中性種は、他の中性ガス分子と共に(例えば、ポート132又はポート136を介して)真空システムにより除去されることができ、いずれにしても質量分析器には「不可視」になる。一例は、アルゴンイオンから水素分子への電荷移動、即ちH40Ar→Ar+H によって、カルシウム同位体40Caと干渉するアルゴンイオン40Arを中性アルゴン原子Arに変換するために水素ガスHを使用することである。
反応モードの別の実施形態において、イオン・分子反応は、干渉イオンでなく検査対象イオンを含む。即ち、当該反応は、検査対象イオンを新たな検査対象イオン種に変化する、即ち元の検査対象イオンの組成を変更する。新たな検査対象イオン種は、元の検査対象イオン種の質量と異なる(一般により大きい)質量を有し、それ故に干渉イオンの質量とも異なる。また、検査対象イオンとの反応は、事実上、干渉されるイオンを干渉されないイオンに変換することとしても特徴付けられ得る。新たな検査対象イオンが検出されて、質量スペクトルの部分になり、有用な情報を提供する。その理由は、それが調査中の元の単原子検査対象イオンに対応するからである。
ガス無しモードにおいて、コリジョン/リアクションセル110は、検査対象イオンを質量分析器158へ送るためのイオンガイドとしてのみ利用される。即ち、RFのみのイオンガイド146は、衝突/反応ガスが無い状態で動作する。ガス無しモードは、干渉を抑制するための衝突または反応動作が必要でないような、干渉イオンが存在しない場合に有用であることができる。
例示的な実施形態
本開示された主題に従って提供される例示的な実施形態は、以下に限定されないが、以下のことを含む。
1.タンデムのコリジョン/リアクションセルであって:ハウジングであって、セル入口、前記コリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿って前記セル入口から間隔を置いて配置されたセル出口、及び前記ハウジングの内部と連絡するガス供給ポートを含むハウジングと;前記ハウジング内に配置され、第1のイオンガイド入口および第1のイオンガイド出口を含み、前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるのに有効な第1のRF閉じ込め場を生成するように構成された第1のイオンガイドと;前記ハウジング内に配置され、第2のイオンガイド入口および第2のイオンガイド出口を含み、前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるのに有効な第2のRF閉じ込め場を生成するように構成された第2のイオンガイドと;前記第1のイオンガイド出口の近傍に軸上DCポテンシャル障壁を生成するように構成された中間電極とを含み、前記軸上DCポテンシャル障壁は、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを防止することに有効であり且つ前記干渉イオンより小さい横断面の検査対象イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低い、タンデムのコリジョン/リアクションセル。
2.前記軸上DCポテンシャル障壁が、0.1Vから10Vの範囲の大きさを有する、実施形態1に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
3.前記第1のイオンガイド及び前記第2のイオンガイドが多極イオンガイドである、実施形態1又は2に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
4.前記第1のイオンガイドは、前記長手方向軸に直交する半径距離に配置され且つ前記長手方向軸の回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置され、前記第1のイオンガイド入口および前記第1のイオンガイド出口を画定する複数の細長い第1のイオンガイド電極を含み、前記第2のイオンガイドは、前記長手方向軸に直交する半径距離に配置され且つ前記長手方向軸の回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置され、前記第2のイオンガイド入口および前記第2のイオンガイド出口を画定する複数の細長い第2のイオンガイド電極を含み、前記第2のイオンガイド入口が、軸方向ギャップだけ前記第1のイオンガイド出口から離隔されている、実施形態3に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
5.前記第1のRF閉じ込め場を生成するために前記第1のイオンガイドの電極に第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために前記第2のイオンガイドの電極に第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を印加し、前記軸上DCポテンシャル障壁を生成するために前記中間電極に第3のDC電位を印加するように構成された電圧源を含む、実施形態1〜4のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
6.前記電圧源は、前記電圧源が−50Vから−10Vの範囲の第1のDCバイアス電位を印加するように構成されている;前記電圧源が−100Vから−20Vの範囲の第2のDCバイアス電位を印加するように構成されている;前記電圧源が−50Vから+500Vの範囲の第3のDC電位を印加するように構成されている;及び上記の2つ又はそれより多い組み合わせからなるグループから選択された構成を有する、実施形態5に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
7.前記第2のイオンガイド出口から下流にイオン光学構成要素を含み、前記電圧源が、第4のDC電位を前記イオン光学構成要素に印加するように構成され、前記第4のDC電位が、前記第2のDCバイアス電位より大きい正数の軸上電位を生じさせる大きさを有する、実施形態5又は6に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
8.前記第4のDC電位が−90Vから0Vの範囲内にある、実施形態7に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
9.前記中間電極は、前記第1のイオンガイド出口において前記第1のイオンガイドを包囲するアパーチャ有するプレートである、実施形態1〜8のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
10.前記中間電極は、前記第1のイオンガイド出口において前記第1のイオンガイドを包囲するアパーチャを画定する内面を含むプレートであり、前記第1のイオンガイドは、多極構成で配列された複数の第1のイオンガイド電極を含み、前記内面が前記第1のイオンガイド電極間に突出する、実施形態1〜8のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
11.前記中間電極は、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間にアパーチャを有するプレートである、実施形態1〜8のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
12.前記中間電極は、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置されたイオンガイドであり、第3のRF閉じ込め場を生成するように構成されている、実施形態1〜8のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
13.前記中間電極は、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置された多極イオンガイドであり、第3のRF閉じ込め場を生成するように構成されている、実施形態1〜8のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
14.前記中間電極、前記第1のイオンガイド、及び前記第2のイオンガイドは、多極イオンガイドであり、前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置され、前記中間電極が前記第1のイオンガイド及び前記第2のイオンガイドより短い軸長を有する、実施形態1〜8のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
15.前記中間電極の軸長は、前記第1のイオンガイドの軸長および前記第2のイオンガイドの軸長の10%から60%の範囲内である、実施形態14のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
16.前記第2のイオンガイド出口から下流に配置され、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記セル出口から下流の質量分析器を通過することを防止するのに有効であり且つ検査対象イオンが前記質量分析器を通過するのを可能にするのに十分低い第2のDCポテンシャル障壁を生成するように構成されている、イオン光学構成要素を含む、実施形態1〜15のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
17.前記イオン光学構成要素は、前記イオン光学構成要素が前記セル出口に配置されていること;前記イオン光学構成要素が前記ハウジングの外側に配置されていること;前記イオン光学構成要素が前記セル出口と質量分析器との間に配置されていること;前記イオン光学構成要素が前記質量分析器の入口に配置されていること;及び前記イオン光学構成要素が質量分析であることからなるグループから選択された位置を有する、実施形態1〜16のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
18.前記ガス供給ポートを介して衝突/反応ガスをハウジング内へ流すように構成された衝突/反応ガス源を含む、実施形態1〜17のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
19.実施形態1〜18のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセルと、前記セル出口と連絡する質量分析器とを含む、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システム。
20.前記セル入口と連絡するイオン源を含み、前記イオン源がプラズマトーチを含む、実施形態19に記載のICP−MSシステム。
21.誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムにおいてタンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させるための方法であって、衝突/反応ガスを前記タンデムのコリジョン/リアクションセル内へ流し、前記タンデムのコリジョン/リアクションセルは、セル入口と、前記タンデムのコリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿って前記セル入口から間隔を置いて配置されたセル出口と、前記セル入口と第2のイオンガイドとの間の第1のイオンガイドと、前記第1のイオンガイドと前記セル出口との間の前記第2のイオンガイドとを含み;前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるために前記第1のイオンガイド内に第1のRF閉じ込め場を生成し;前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるために前記第2のイオンガイド内に第2のRF閉じ込め場を生成し;前記第1のイオンガイドの第1のイオンガイド出口の近傍に第1のDCポテンシャル障壁を生成し;前記第2のイオンガイドの第2のイオンガイド出口から下流に第2のDCポテンシャル障壁を生成し;検査対象イオン及び干渉イオンを、前記セル入口を介して前記第1のイオンガイドへ送り込み、前記検査対象イオン及び前記干渉イオンは、分析中に試料をイオン化することから生成されており、前記検査対象イオン及び前記干渉イオンは、前記衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失い、前記第1のDCポテンシャル障壁は、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを防止するのに十分に高く且つ前記検査対象イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低く;前記検査対象イオンを前記第1のイオンガイドから前記第2のイオンガイドへ送り込むことを含み、前記第2のイオンガイド内の前記検査対象イオン及び何らかの干渉イオンが前記衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失い、前記第2のDCポテンシャル障壁は、前記干渉イオンの少なくとも幾つかが前記セル出口から下流の質量分析器を通過することを防止するのに十分に高く且つ前記検査対象イオンが前記質量分析器を通過することを可能にするのに十分に低い、方法。
22.前記第1のDCポテンシャル障壁および前記第2のDCポテンシャル障壁の大きさは、前記第1のDCポテンシャル障壁の大きさが0.1Vから10Vの範囲内にあること、前記第2のDCポテンシャル障壁の大きさが0.1Vから10Vの範囲内にあること、及び上記の双方からなるグループから選択される、実施形態21に記載の方法。
23.前記タンデムのコリジョン/リアクションセルは、前記第1のイオンガイド出口の近傍に中間電極を含み、前記第1のDCポテンシャル障壁を生成することは、前記中間電極にDC電位を印加することを含む、実施形態21又は22に記載の方法。
24.前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加することを含む、実施形態21〜23のいずれかに記載の方法。
25.前記第1のDCバイアス電位および前記第2のDCバイアス電位は、前記第1のDCバイアス電位および前記第2のDCバイアス電位が負の大きさを有すること;前記第1のDCバイアス電位が−50Vから−10Vの範囲内であること;前記第2の第DCバイアス電位が−100Vから−20Vの範囲内であること;及び前記第2のDCバイアス電位が前記第1のDCバイアス電位よりも大きい負数であることからなるグループから選択された大きさを有する、実施形態24に記載の方法。
26.前記第1のDCバイアス電位または前記第2のDCバイアス電位の少なくとも一方は、前記第1のイオンガイド又は前記第2のイオンガイドの長さに沿って一定である、実施形態24又は25に記載の方法。
27.前記第1のDCバイアス電位または前記第2のDCバイアス電位の少なくとも一方は、前記第1のイオンガイド又は前記第2のイオンガイドの長さに沿った軸方向DC電位勾配である、実施形態24又は25に記載の方法。
28.前記第2のDCポテンシャル障壁を生成することは、DC電位をイオン光学構成要素に印加することを含み、前記イオン光学構成要素は、前記イオン光学構成要素が前記セル出口に配置されること;前記イオン光学構成要素がハウジングの外側に配置されること;前記イオン光学構成要素が前記セル出口と質量分析器との間に配置されること;前記イオン光学構成要素が質量分析器の入口に配置されること;及び前記イオン光学構成要素が質量分析器であることからなるグループから選択された位置を有する、実施形態21〜27のいずれかに記載の方法。
29.前記衝突/反応ガスが、ヘリウム、ネオン又はアルゴンである、実施形態21〜28に記載の方法。
30.前記検査対象イオンが、金属、又は希ガスを除いた他の元素の正の単原子イオンを含む、実施形態21〜29に記載の方法。
31.前記干渉イオンは、アルゴンを含む多原子イオン、及び試料の成分を含む多原子イオンからなるグループから選択される、実施形態21〜30に記載の方法。
32.前記検査対象イオンを、前記入口を介して前記コリジョン/リアクションセルへ送り込む前に、前記試料を誘導結合プラズマにさらすことにより前記検査対象イオンを生成することを含む、実施形態21〜31のいずれかに記載の方法。
33.前記試料をさらすことは、プラズマトーチを動作させることを含む、実施形態32に記載の方法。
34.前記試料を、ネブライザ又はスプレーチャンバから前記プラズマトーチへ流すことを含む、実施形態33に記載の方法。
35.試料を分析するための方法であって、前記試料から検査対象イオンを生成し;前記検査対象イオンを実施形態21〜34のいずれかに記載された前記タンデムのコリジョン/リアクションセルへ送り込み;実施形態21〜34のいずれかに記載された方法に従って前記タンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させ;前記検査対象イオンを質量分析器へ送り込むことを含む、方法。
36.誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムであって、プラズマを生成し且つ前記プラズマ中に検査対象イオンを生じさせるように構成されたイオン源と、実施形態21〜35のいずれかに記載された前記タンデムのコリジョン/リアクションセルと、電子プロセッサ及びメモリを含むコントローラとを含み、前記コントローラは、実施形態21〜35のいずれかに従って、前記第1のDC電場に重畳された前記第1のRF電場を生成するステップ、前記第2のDC電場に重畳された前記第2のRF電場を生成するステップ、前記第1のDCポテンシャル障壁を生成するステップ、及び前記第2のDCポテンシャル障壁を生成するステップを制御するように構成されている、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システム。
37.前記セル出口と連絡する質量分析器を含む、実施形態36に記載のICP−MSシステム。
理解されるように、本明細書で説明されたプロセス、サブプロセス及びプロセス・ステップの1つ又は複数は、1つ又は複数の電子制御された又はデジタル的に制御されたデバイス上で、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの2つ以上の組み合わせにより実行され得る。ソフトウェアは、例えば図1に概略的に示されたコンピューティング・デバイス120のような、適切な電子処理構成要素またはシステムにおけるソフトウェアメモリ(図示せず)に常駐することができる。ソフトウェアメモリは、論理機能を実施するための実行可能な命令の順序付けられたリストを含むことができる(即ち、「論理」は、デジタル回路またはソースコードのようなデジタル形式で、又はアナログ電気信号、音声信号、又はビデオ信号のようなアナログ源のようなアナログ形式で実施され得る)。命令は、例えば1つ又は複数のマイクロプロセッサ、汎用用途プロセッサ、プロセッサの組み合わせ、デジタル・シグナル・プロセッサ(DSP)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又は特定用途向け集積回路(ASIC)を含む処理モジュール内で実行され得る。更に、模式図は、機能の構造または物理的なレイアウトにより制限されない物理的な(ハードウェア及び/又はソフトウェア)具現化形態を有する機能の論理的部分を記述する。本明細書で説明されるシステムの例は、様々な構成で実施されることができ、単一のハードウェア/ソフトウェアのユニット又は別個のハードウェア/ソフトウェアのユニットのハードウェア/ソフトウェア構成要素として動作することができる。
実行可能な命令は、電子システム(例えば、図1のコンピューティング・デバイス120)の処理モジュールにより実行される場合に、命令を実行するために当該電子システムに命じる、内部に格納された命令を有するコンピュータ・プログラム製品として実現され得る。コンピュータ・プログラム製品は、命令実行システム、装置、又はデバイスから命令を選択的にフェッチして当該命令を実行することができる電子コンピュータベースのシステム、プロセッサ内蔵システム又は他のシステムのような、命令実行システム、装置、又はデバイスにより使用するための又は当該命令実行システム、装置、又はデバイスと接続する任意の持続性コンピュータ可読記憶媒体に選択的に具現化され得る。本開示の文脈において、コンピュータ可読記憶媒体は、命令実行システム、装置、又はデバイスにより使用するための又は当該命令実行システム、装置、又はデバイスに関連するプログラムを格納することができる任意の持続性手段である。持続性コンピュータ可読記憶媒体は抜粋して、例えば電子的、磁気的、光学的、電磁気的、赤外線、又は半導体のシステム、装置、又はデバイスであることができる。持続性コンピュータ可読媒体のより具体的な例の包括的でないリストは、1つ又は複数のワイヤ(電子的)を有する電気接続;携帯用フロッピー(登録商標)・ディスク(磁気的);ランダム・アクセス・メモリ(電子的);読み出し専用メモリ(電子的);例えばフラッシュメモリのような消去可能プログラマブルROM(電子的);例えばCD−ROM、CD−R、CD−RWのようなコンパクト・ディスク・メモリ(光学的);デジタル多用途ディスク・メモリ、即ちDVD(光学的)を含む。留意されるべきは、持続性コンピュータ可読記憶媒体は、プログラムが、例えば紙または他の媒体の光学走査によって電子的にキャプチャされ、次いでコンパイルされ、解釈され、又は必要に応じて適切な方法で処理され、次いでコンピュータ・メモリ又はマシン・メモリに格納され得る場合に、プログラムが印刷された紙または別の適切な媒体であることさえできる。
また、理解されるように、「連絡(通信)する」及び「・・と連通」(例えば、第1の構成要素が第2の構成要素「と連絡する」又は第2の構成要素「と連通する」)というような用語は、2つ以上の構成要素または要素間の構造的、機能的、機械的、電気的、信号的、光学的、磁気的、電磁気的、イオン的または流体的関係を示すために本明細書で使用される。そういうものだから、1つの構成要素が第2の構成要素と連絡すると言われる事実は、追加の構成要素が、第1の構成要素と第2の構成要素との間に存在する、及び/又は第1の構成要素と第2の構成要素と動作可能なように関連付けられ得る又は結合され得る可能性を排除することが意図されていない。
理解されるように、本発明の様々な態様または細部は、本発明の範囲から逸脱せずに変更され得る。更に、上記の説明は、例示のためだけであり、制限のためではなく、本発明は特許請求の範囲により定義される。
100 誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システム
104 試料導入部
108 イオン源
110、410 タンデムのコリジョン/リアクションセル
112 インターフェース部
114 イオン光学部
116 イオンガイド部
118 質量分析部
120 システム・コントローラ
122、222 セル入口レンズ
124、224 セル出口レンズ
158、458 質量分析器
174、274 第1のイオンガイド
178、278 第2のイオンガイド
182、282、382 中間電極
187、487 ハウジング
203 第1のイオンガイド電極
205 第2のイオンガイド電極
219、319 アパーチャ

Claims (10)

  1. タンデムのコリジョン/リアクションセルであって、
    ハウジングであって、セル入口、前記コリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿って前記セル入口から間隔を置いて配置されたセル出口、及び前記ハウジングの内部と連絡するガス供給ポートを含む、ハウジングと、
    前記ハウジング内に配置され、第1のイオンガイド入口および第1のイオンガイド出口を含み、前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるのに有効な第1のRF閉じ込め場を生成するように構成された第1のイオンガイドと、
    前記ハウジング内に配置され、第2のイオンガイド入口および第2のイオンガイド出口を含み、前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるのに有効な第2のRF閉じ込め場を生成するように構成された第2のイオンガイドと、
    前記第1のイオンガイド出口の近傍に軸上DCポテンシャル障壁を生成するように構成された中間電極とを含み、前記軸上DCポテンシャル障壁は、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを防止することに有効であり且つ前記干渉イオンより小さい横断面の検査対象イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低い、タンデムのコリジョン/リアクションセル。
  2. 前記第1のイオンガイド及び前記第2のイオンガイドは、
    前記第1のイオンガイド及び前記第2のイオンガイドが多極イオンガイドであること、
    前記第1のイオンガイドは、前記長手方向軸に直交する半径距離に配置され且つ前記長手方向軸の回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置され、前記第1のイオンガイド入口および前記第1のイオンガイド出口を画定する複数の細長い第1のイオンガイド電極を含むこと、及び前記第2のイオンガイドは、前記長手方向軸に直交する半径距離に配置され且つ前記長手方向軸の回りに互いから円周方向に間隔を置いて配置され、前記第2のイオンガイド入口および前記第2のイオンガイド出口を画定する複数の細長い第2のイオンガイド電極を含み、前記第2のイオンガイド入口が、軸方向ギャップだけ前記第1のイオンガイド出口から離隔されていることからなるグループから選択された構成を有する、請求項1に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
  3. 電圧源を含み、前記電圧源は、
    電圧源が、前記第1のRF閉じ込め場を生成するために前記第1のイオンガイドの電極に第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために前記第2のイオンガイドの電極に第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を印加し、及び前記軸上DCポテンシャル障壁を生成するために前記中間電極に第3のDC電位を印加するように構成されていること、及び
    前記電圧源が、前記第1のRF閉じ込め場を生成するために前記第1のイオンガイドの電極に第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を印加し、前記第1のDCバイアス電位が−50Vから−10Vの範囲内であり、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために前記第2のイオンガイドの電極に第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を印加し、前記第2のDCバイアス電位が−100Vから−20Vの範囲内であり、及び前記軸上DCポテンシャル障壁を生成するために前記中間電極に第3のDC電位を印加するように構成され、前記第3のDC電位が−50Vから+500Vの範囲内であることからなるグループから選択された構成を有する、請求項1又は2に記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
  4. 前記中間電極は、
    前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口において前記第1のイオンガイドを包囲するアパーチャ有するプレートであること、
    前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口において前記第1のイオンガイドを包囲するアパーチャを画定する内面を含むプレートであり、前記第1のイオンガイドは、多極構成で配列された複数の第1のイオンガイド電極を含み、前記内面が前記第1のイオンガイド電極間に突出すること、
    前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間にアパーチャを有するプレートであること、
    前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置されたイオンガイドであり、第3のRF閉じ込め場を生成するように構成されていること、
    前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置された多極イオンガイドであり、第3のRF閉じ込め場を生成するように構成されていること、
    前記中間電極、前記第1のイオンガイド、及び前記第2のイオンガイドが、多極イオンガイドであり、前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置され、前記中間電極が前記第1のイオンガイド及び前記第2のイオンガイドより短い軸長を有すること、及び
    前記中間電極、前記第1のイオンガイド、及び前記第2のイオンガイドが、多極イオンガイドであり、前記中間電極が、前記第1のイオンガイド出口と前記第2のイオンガイド入口との間に配置され、前記中間電極は、前記第1のイオンガイドの軸長および前記第2のイオンガイドの軸長の10%から60%の範囲内にある軸長を有することからなるグループから選択された構成を有する、請求項1〜3のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
  5. 前記第2のイオンガイド出口から下流に配置され、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記セル出口から下流の質量分析器を通過することを防止するのに有効であり且つ検査対象イオンが前記質量分析器を通過するのを可能にするのに十分低い第2のDCポテンシャル障壁を生成するように構成されている、イオン光学構成要素を含む、請求項1〜4のいずれかに記載のタンデムのコリジョン/リアクションセル。
  6. 誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)システムにおいてタンデムのコリジョン/リアクションセルを動作させるための方法であって、
    衝突/反応ガスを前記タンデムのコリジョン/リアクションセル内へ流し、前記タンデムのコリジョン/リアクションセルは、セル入口と、前記タンデムのコリジョン/リアクションセルの長手方向軸に沿って前記セル入口から間隔を置いて配置されたセル出口と、前記セル入口と第2のイオンガイドとの間の第1のイオンガイドと、前記第1のイオンガイドと前記セル出口との間の前記第2のイオンガイドとを含み、
    前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるために前記第1のイオンガイド内に第1のRF閉じ込め場を生成し、
    前記長手方向軸に直交する半径方向にイオンを閉じ込めるために前記第2のイオンガイド内に第2のRF閉じ込め場を生成し、
    前記第1のイオンガイドの第1のイオンガイド出口の近傍に第1のDCポテンシャル障壁を生成し、
    前記第2のイオンガイドの第2のイオンガイド出口から下流に第2のDCポテンシャル障壁を生成し、
    検査対象イオン及び干渉イオンを、前記セル入口を介して前記第1のイオンガイドへ送り込み、前記検査対象イオン及び前記干渉イオンは、分析中に試料をイオン化することから生成されており、前記検査対象イオン及び前記干渉イオンは、前記衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失い、前記第1のDCポテンシャル障壁は、少なくとも幾つかの干渉イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを防止するのに十分に高く且つ前記検査対象イオンが前記第1のイオンガイドを出ることを可能にするのに十分に低く、
    前記検査対象イオンを前記第1のイオンガイドから前記第2のイオンガイドへ送り込むことを含み、前記第2のイオンガイド内の前記検査対象イオン及び何らかの干渉イオンが前記衝突/反応ガスと衝突して運動エネルギーを失い、前記第2のDCポテンシャル障壁は、前記干渉イオンの少なくとも幾つかが前記セル出口から下流の質量分析器を通過することを防止するのに十分に高く且つ前記検査対象イオンが前記質量分析器を通過することを可能にするのに十分に低い、方法。
  7. 前記第1のDCポテンシャル障壁および前記第2のDCポテンシャル障壁の大きさは、
    前記第1のDCポテンシャル障壁の大きさが0.1Vから10Vの範囲内にあること、
    前記第2のDCポテンシャル障壁の大きさが0.1Vから10Vの範囲内にあること、及び、
    上記の双方からなるグループから選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記タンデムのコリジョン/リアクションセルは、前記第1のイオンガイド出口の近傍に中間電極を含み、前記第1のDCポテンシャル障壁を生成することは、前記中間電極にDC電位を印加することを含む、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加すること、
    前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加し、前記第1のDCバイアス電位および前記第2のDCバイアス電位が負の大きさを有すること、
    前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加し、前記第1のDCバイアス電位が−50Vから−10Vの範囲内であること、
    前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加し、前記第2の第DCバイアス電位が−100Vから−20Vの範囲内であること、
    前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加し、前記第2のDCバイアス電位が前記第1のDCバイアス電位よりも大きい負数であること、
    前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加し、前記第1のDCバイアス電位または前記第2のDCバイアス電位の少なくとも一方が、前記第1のイオンガイド又は前記第2のイオンガイドの長さに沿って一定であること、
    前記第1のRF閉じ込め場を生成するために、第1のDCバイアス電位に重畳された第1のRF電位を前記第1のイオンガイドに印加し、前記第2のRF閉じ込め場を生成するために、第2のDCバイアス電位に重畳された第2のRF電位を前記第2のイオンガイドに印加し、前記第1のDCバイアス電位または前記第2のDCバイアス電位の少なくとも一方が、前記第1のイオンガイド又は前記第2のイオンガイドの長さに沿った軸方向DC電位勾配であること、及び
    上記の組み合わせ、或いは上記の2つ又は3つ以上のことからなるグループから選択されたステップを含む、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記検査対象イオンを、前記入口を介して前記コリジョン/リアクションセルへ送り込む前に、
    前記試料を誘導結合プラズマにさらすことにより前記検査対象イオンを生成すること、
    プラズマトーチを動作させることにより生成された誘導結合プラズマに前記試料をさらすことにより前記検査対象イオンを生成すること、
    ネブライザ又はスプレーチャンバから前記試料をプラズマトーチへ流し、前記プラズマトーチを動作させることにより生成された誘導結合プラズマに前記試料をさらすことにより前記検査対象イオンを生成することからなるグループから選択された動作を実行することを含む、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
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