JP2019158437A - 残留応力算出方法、残留応力算出装置、及び残留応力算出プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】応力発光体の表面の残留応力や残留歪み量を算出する残留応力算出方法を提供することを目的とする。【解決手段】応力発光体に光を照射する第1照射ステップと、応力発光体に対して荷重を加える第1荷重ステップと、荷重が加えられて応力発光している応力発光体を撮像する第1撮像ステップと、応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、応力発光体に光を照射する第2照射ステップと、第2照射ステップにおける光の照射を行った後に、荷重を開放する開放ステップと、荷重が開放された応力発光体を撮像する第2撮像ステップと、第2撮像ステップにおいて撮像された撮像画像に基づいて、応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する算出ステップとを含む。【選択図】図4
Description
本発明は、応力発光体に残る残留応力を算出する残留応力算出方法、残留応力算出装置、及び残留応力算出プログラムに関する。
従来、対象物に発生している残留応力を検出する手法として、例えば、特許文献1や特許文献2に示す手法がある。残留応力とは、物体に加えられた荷重が除去された後も、当該物体に、残存する内部応力のことをいう。特許文献1には、光弾性実験による残留応力を検出する残留応力測定装置が開示されている。また、特許文献2には、検査対象表面の検査領域を加熱し、検査領域に干渉計測用レーザ光を照射し、加熱による応力開放に伴う弾性変形範囲内での変形量をレーザ干渉計測法により計測し、応力開放に伴う弾性変形範囲内での変形量から残留応力を測定する残留応力測定方法が開示されている。
しかしながら、特許文献1のように光弾性実験による残留応力の検出は、対象が透明かつ平滑な材料でしか実現できないという問題がある。また、特許文献2の場合、レーザ光を照射するための装置を用意する必要があり、その手間が煩雑であるとともにコストがかかるという問題がある。
そこで、本発明は上記問題に鑑みて成されたものであり、透明材料でなくとも、そして、レーザ光照射装置のような他の装置を設けなくとも残留応力を検出できる残留応力算出方法、残留応力算出装置及び残留応力算出プログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る残留応力測定方法は、応力発光体に光を照射する第1照射ステップと、応力発光体に対して荷重を加える第1荷重ステップと、荷重が加えられて応力発光している応力発光体を撮像する第1撮像ステップと、応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、応力発光体に光を照射する第2照射ステップと、第2照射ステップにおける光の照射を行った後に、荷重を開放する開放ステップと、荷重が開放された応力発光体を撮像する第2撮像ステップと、第2撮像ステップにおいて撮像された撮像画像に基づいて、応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する算出ステップとを含む。
本発明の一態様に係る残留応力算出装置は、応力発光体に光を照射する照射部と、応力発光体に対して荷重を加える荷重部と、応力発光体を撮像する撮像部と、荷重部により応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、照射部に応力発光体に光を照射させ、荷重部に応力発光体に対する荷重を開放させ、荷重が開放された状態の応力発光体を撮像部に撮像させ、撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する制御部とを備える。
本発明の一態様に係る残留応力測定プログラムは、コンピュータに、応力発光体に光を照射する第1照射機能と、応力発光体に対して荷重を加える第1荷重機能と、荷重が加えられて応力発光している応力発光体を撮像する第1撮像機能と、応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、応力発光体に光を照射する第2照射機能と、第2照射機能における光の照射を行った後に、荷重を開放する開放機能と、荷重が開放された応力発光体を撮像する第2撮像機能と、第2撮像機能において撮像された撮像画像に基づいて、応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する算出機能と、を実現させる。
また、上記残留応力測定方法において、算出ステップは、第1荷重ステップにおける弾性歪み及び塑性歪みによる第1応力σ2を第1撮像ステップにおける撮像画像に基づいて特定し、第2撮像ステップにおける撮像画像に基づいて、荷重が開放された際に応力発光体に発生している第2応力σ3を特定し、残留応力を、第1応力と第2応力の差分から算出することとしてもよい。
また、上記残留応力測定方法において、算出ステップは、第1荷重ステップにおける弾性歪み及び塑性歪みによる第1応力を第1撮像ステップにおける撮像画像に基づいて特定するとともにその第1歪み量を特定し、第2撮像ステップにおける撮像画像に基づいて、荷重が開放された際に応力発光体に発生している第2応力を特定するとともにその第2歪み量を特定し、残留歪み量を、第1歪み量と第2歪み量との差分から算出することとしてもよい。
本発明の一態様に係る残留応力測定方法は、応力発光体に塑性変形が発生するほどの荷重を加えている状態で光を照射して応力発光体に励起エネルギーを蓄積させ、荷重を開放することで、残留している応力に応じた応力発光が生じるので残留応力を測定することができる。したがって、透明物質以外でも残留応力を測定することができるとともに、レーザ光照射装置等の装置を用意する必要もない。
以下、本発明の一実施態様に係る応力発光測定システム及びその残留応力測定方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<実施の形態>
<構成>
<実施の形態>
<構成>
本発明に係る残留応力算出装置として機能する応力発光測定システムは、図1に示すように、撮像部110と、荷重部120と、照射部130と、制御部140とを備える。
撮像部110は、応力発光体を撮像するカメラである。撮像部110は、例えば、CMOSカメラであるが、これに限定されるものではない。応力発光体とは、加えられた力に応じた強度の光を発光する物体のことであり、加えられた力が大きいほど強く光る物体のことである。応力発光体は、例えば、応力発光物質が塗布された物体のことである。また、応力発光物質(塗料、材料)は、摩擦、衝撃、振動、圧縮、引っ張り、捻じりなど各種の荷重が機械刺激として加えられたことに応じて発光するものであり、応力発光は印加された荷重(応力)に応じた輝度で発光する現象のことをいう。
応力発光物質としては、例えば、ユーロピウムをドープし、構造制御したアルミン酸ストロンチウム(SrAl204:Eu)、遷移金属や希土類をドープした硫化亜鉛(ZnS:Mn)やチタン酸バリウム・カルシウム((Ba,Ca)TiO3:Pr)、アルミン酸カルシウムイットリウム(CaYAl3O7:Ce)などを用いることができるが、応力に応じた輝度で発光するものあれば、これらに限定されるものではない。
荷重部120は、応力発光体に対して荷重を加える機能を有する。荷重部120は、例えば、ロボットマニピュレータにより実現することができ、応力発光体に対して、所望の荷重を加えることができる形状を有していれば、どのような形状であってもよい。また、荷重部120は、応力発光体を把持し、引っ張り、捻じり等の荷重を加えるものであってもよい。荷重部120は、制御部140からの指示にしたがって、応力発光体に対して指定された荷重を加える。
照射部130は、応力発光体に光を照射する。照射部130は、応力発光体が励起エネルギーとして吸収可能な光を照射可能なものであれば、どのようなものであってもよく、例えば、LEDライトにより実現することができるが、これに限定されるものではない。照射部130は、制御部140からの指示にしたがって、指示されたタイミングで応力発光体に対して光を照射する。
制御部140は、応力発光測定システム100の各部を制御する機能を有するプロセッサである。制御部140は、荷重部120により応力発光体が塑性変形する以上の最大荷重が加えられている場合に、当該最大荷重が加えられている状態で、照射部130に応力発光体に光を照射させ、荷重部120に応力発光体に対する荷重を開放させ、荷重が開放された状態の応力発光体を撮像部110に撮像させ、撮像部110により撮像された撮像画像に基づいて、応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する。
具体的に説明する。制御部140は、撮像部110が撮像した応力発光体を示す撮像画像に基づき、応力発光体の発光強度を検知する。制御部140は、撮像画像の各画素の画素値に基づいて、応力発光体の発光強度を検出するものであり、従来の発光強度検知技術を利用することができる。例えば、制御部140は、予め撮像部110が撮像する撮像画像から得られる輝度と、実際の輝度との間の変換係数を保持し、撮像画像を構成する各画素の輝度値に対して、上述の変換係数を乗じることで、実際の輝度値を算出することができる。制御部140は、記憶部150に予め記憶している輝度値算出プログラムを読み出して実行するプロセッサにより実現することができる。また、例えば、制御部140は、応力発光体が発光していないときに撮像された画像の輝度値との差分に基づいて、応力発光体の発光強度を算出することとしてもよい。そして、制御部140は、応力発光体の発光輝度の経時的変化に基づいて、応力発光体に発生している応力を算出する。発光輝度の経時的変化に基づいて応力を算出する手法としては、従来の技術を用いるとよい。
記憶部150は、応力発光測定システム100が動作上必要とする各種のプログラムやデータを記憶する機能を有する記録媒体である。記憶部150は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどにより実現することができる。記憶部150は、撮像画像の各画素の画素値に基づいて輝度を算出する輝度値算出プログラムや、応力発光測定システム100を動作させるための動作プログラム、応力発光体の輝度値の経時的変化に基づいて応力を算出する応力算出プログラム、応力発光体に残留している残留応力を算出する残留応力算出プログラムなどを記憶している。
以上が、応力発光測定システム100の構成である。
図2は、応力発光測定システム100による残留応力及び残留歪み量を算出するための処理の流れを示す図である。
応力発光測定システム100を利用した応力の測定においては、荷重を加えて、応力発光物質の発光量を利用して応力を測定するが、このとき、応力発光体200が塑性変形することがある。応力発光測定システム100においては、応力発光体200が塑性変形するほどの荷重が加えられている場合の残留応力及び残留歪み量を算出する。以下、そのための手法を説明する。なお、塑性変形とは、物体に対して力を加えて変形させていったときに、力を除いたとしても応力発光体が変形したままになる変形のことをいう。即ち、塑性とは、永久的に変形を生じる物質の性質のことをいう。
そこで、まず、図2(a)に示すように、応力発光体200に、最大荷重をかけた状態を維持しながら、照射部130から光を照射する。これにより、応力発光体200に最大荷重を加える過程において応力発光体200の応力発光物質から失われた励起エネルギーを再充填することができる。
ここでいう荷重部120が応力発光体200に対して加える最大荷重は、荷重部120に対して予めプログラムされた制御値により定まる。一例としては、与える荷重が、荷重部120に内蔵された圧力センサによって制御されている場合、圧力センサが特定の値を示した時点で与えるべき荷重をかけたと判断し、荷重を減少に転じさせる動作を行う。その場合、当該圧力センサの値が特定の値を示した瞬間が最大荷重の発生したタイミングとなる。このタイミングにて照射部130から光を照射する。また、他の例としては、与える荷重が、荷重部120の変位量で制御されている場合、変位を計測するセンサが特定の値を示した時点で与えるべき荷重をかけたと判断し、荷重を減少に転じさせる動作を行う。その場合、変位を計測するセンサが特定の値を示した瞬間が最大荷重の発生したタイミングである。このように、荷重部120が予めプログラムされている場合、何らかのセンサにて最大荷重時点を決定出来る為、そのタイミングを最大荷重として定義できる。言い換えれば、応力発光測定を行うにあたり、プログラムにより荷重部120を制御するときに、荷重部120が荷重を加えていき、当該加重を除去する方向に切り替えるタイミングが最大荷重が発生したタイミングであるといえる。
励起エネルギーの充填を終えた後、図2(b)に示すように、荷重部120は、応力発光体200に対して加えていた最大荷重を開放する。ここで、荷重を開放するとは、加えている荷重を取り除くことをいい、除荷するともいう。すると、応力発光体200は、残留応力に応じた発光をするので、その様子を撮像部110は撮像する。当該撮像により得られる撮像画像に基づいて、応力発光体200の表面に残る残留応力を算出することができる。
図3は、応力発光測定システム100による残留応力及び残留歪み量を算出するために図2に示す処理を行った場合の、応力発光体200において発生する応力と歪み量の関係を示すグラフである。図3に示すグラフは、横軸に歪み量、縦軸に応力をとったグラフであり、当該グラフにおいて示される応力と歪みとの関係を、応力−歪み曲線と呼称することがある。
図3(a)は、応力発光体200に対して、荷重を加えていく過程において、応力発光体200において発生する応力とその歪みの関係を示している。応力発光体200に加えられる荷重が大きいほど応力は大きくなり、それに伴って歪みも大きくなる。なお、ここでは、簡略のために直線で示しているが、実際には曲線となる。図3(a)に示す実線矢印は、弾性歪みを起こしている状態における変化を示しており、図2(b)における状態の応力発光体200における応力と歪みの変化を示している。
図3(b)は、応力発光体200に塑性変形が生じた状態における応力と歪みの変化を示している。応力発光体200に塑性変形が生じた場合には、その物性が変化する。そのため、応力に応じた歪みの変化量が変化する。即ち、図3(b)の実線矢印に示すように、応力−歪み曲線の傾斜が変化する。
図3(a)における弾性歪みε1と、図3(b)における塑性歪みε2は、応力発光体200の物性情報から区別が可能であり、当該物性情報は、記憶部150に予め記憶されていてもよい。
図3(c)は、応力発光体200に対して、最大荷重をかけた状態で、光を照射して励起エネルギーを蓄積させた後に、荷重を開放して応力発光させた場合の応力と歪みの変化を示している。図3(c)に示す実線矢印は、荷重を開放した後に応力発光体200の応力発光に基づいて特定される応力の変化を示している。図3(c)に示すように残留応力σXは、弾性歪みに基づく応力と塑性歪みに基づく応力の合算値であるσ2から、開放応力σ3を減算することにより算出することができる。また、弾性歪みの歪み量ε1と、塑性歪みの歪み量ε2の合算値から、開放応力に対応する歪み量ε3を減算することで、残留歪み量εXを算出することができる。
<動作>
図4は、応力発光測定システム100における残留応力を算出する際の動作を示すフローチャートである。
図4は、応力発光測定システム100における残留応力を算出する際の動作を示すフローチャートである。
(ステップS401)
ステップS401において、照射部130は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に対して光を照射する。その後に、応力発光測定システム100は、ステップS402の処理に移行する。
ステップS401において、照射部130は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に対して光を照射する。その後に、応力発光測定システム100は、ステップS402の処理に移行する。
(ステップS402)
ステップS402において、荷重部120は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に対して、所定の荷重を加える。そして、撮像部110は、荷重部120が応力発光体200に対して荷重を加えて、当該荷重に応じて発光する様子を撮像する。その後に、応力発光測定システム100は、ステップS403の処理に移行する。
ステップS402において、荷重部120は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に対して、所定の荷重を加える。そして、撮像部110は、荷重部120が応力発光体200に対して荷重を加えて、当該荷重に応じて発光する様子を撮像する。その後に、応力発光測定システム100は、ステップS403の処理に移行する。
(ステップS403)
ステップS403において、応力発光体200に最大荷重が加えられている状態で、照射部130は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に対して光を照射する。これにより、応力発光体200は、励起エネルギーを蓄積する。その後、応力発光測定システム100は、ステップS404の処理に移行する。
ステップS403において、応力発光体200に最大荷重が加えられている状態で、照射部130は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に対して光を照射する。これにより、応力発光体200は、励起エネルギーを蓄積する。その後、応力発光測定システム100は、ステップS404の処理に移行する。
(ステップS404)
ステップS404において、荷重部120は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に加えている荷重を開放(除荷)する。その後、応力発光測定システム100は、ステップS405の処理に移行する。
ステップS404において、荷重部120は、制御部140からの指示に従って、応力発光体200に加えている荷重を開放(除荷)する。その後、応力発光測定システム100は、ステップS405の処理に移行する。
(ステップS405)
ステップS405において、撮像部110は、荷重が開放された応力発光体200を撮像する。撮像部110は、撮像して得られた映像を、制御部140に伝達する。応力発光測定システム100は、ステップS406の処理に移行する。
ステップS405において、撮像部110は、荷重が開放された応力発光体200を撮像する。撮像部110は、撮像して得られた映像を、制御部140に伝達する。応力発光測定システム100は、ステップS406の処理に移行する。
(ステップS406)
ステップS406において、制御部140は、撮像部110から伝達された撮像映像に基づいて、応力発光体200に発生している輝度値の変化を特定し、その変化から、荷重の開放による応力σ3(第2応力)を算出する。制御部140は、算出した応力σ3から応力発光から開放歪みε3(第2歪み量)を算出する。なお、応力発光においては、歪みεのみを直接観測することもできる。応力発光体200の輝度値の変化から係数をかけるなどの処理を行って歪みεを検出でき、検出した歪みεに応力発光体200の特性を示すデータを用いて応力σを算出することもできる。制御部140は、応力σ3をヤング率で除算することで開放歪みε3を算出することができる。そして、制御部140は、最大荷重を加えるまでの応力σ2(第1応力)と、応力σ3から、残留応力σXを算出する。即ち、σX=σ2−σ3により算出することができる。なお、σ2は、弾性歪み時の応力と、塑性歪み時の応力との合算値である。また、制御部140は、算出した開放歪みε3に基づいて、残留歪みεXを、ε1+ε2−ε3から算出する。ε1は、弾性歪み時の歪み量であり、ε2は、塑性歪み時の歪み量であり、その合算値は、上述した第1歪み量に相当する。以上で、応力発光測定システム100は、処理を終了する。
ステップS406において、制御部140は、撮像部110から伝達された撮像映像に基づいて、応力発光体200に発生している輝度値の変化を特定し、その変化から、荷重の開放による応力σ3(第2応力)を算出する。制御部140は、算出した応力σ3から応力発光から開放歪みε3(第2歪み量)を算出する。なお、応力発光においては、歪みεのみを直接観測することもできる。応力発光体200の輝度値の変化から係数をかけるなどの処理を行って歪みεを検出でき、検出した歪みεに応力発光体200の特性を示すデータを用いて応力σを算出することもできる。制御部140は、応力σ3をヤング率で除算することで開放歪みε3を算出することができる。そして、制御部140は、最大荷重を加えるまでの応力σ2(第1応力)と、応力σ3から、残留応力σXを算出する。即ち、σX=σ2−σ3により算出することができる。なお、σ2は、弾性歪み時の応力と、塑性歪み時の応力との合算値である。また、制御部140は、算出した開放歪みε3に基づいて、残留歪みεXを、ε1+ε2−ε3から算出する。ε1は、弾性歪み時の歪み量であり、ε2は、塑性歪み時の歪み量であり、その合算値は、上述した第1歪み量に相当する。以上で、応力発光測定システム100は、処理を終了する。
以上が、応力発光測定システムにおける残留応力及び残留歪みの算出の動作である。
<まとめ>
実施の形態に係る応力発光測定システム100によれば、応力発光体に塑性変形が生じるだけの荷重を加える。応力発光体に最大荷重を加えた状態で、応力発光体に光を照射して励起エネルギーを蓄積させ、荷重を開放することで、応力発光体の開放時の応力を特定することができる。したがって、応力発光測定システム100は、その開放時の応力を、それまでに応力発光体に加えられた応力から減算することで残留応力を算出することができるとともに、そのときの残留歪みを算出することができる。
実施の形態に係る応力発光測定システム100によれば、応力発光体に塑性変形が生じるだけの荷重を加える。応力発光体に最大荷重を加えた状態で、応力発光体に光を照射して励起エネルギーを蓄積させ、荷重を開放することで、応力発光体の開放時の応力を特定することができる。したがって、応力発光測定システム100は、その開放時の応力を、それまでに応力発光体に加えられた応力から減算することで残留応力を算出することができるとともに、そのときの残留歪みを算出することができる。
<補足>
上記実施の形態に係る応力発光測定システムは、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
上記実施の形態に係る応力発光測定システムは、上記実施の形態に限定されるものではなく、他の手法により実現されてもよいことは言うまでもない。以下、各種変形例について説明する。
(1) 上記実施の形態において、応力発光測定システム100の制御部140が行った撮像や光の照射の指示、荷重の指示は、応力発光測定システム100のオペレータが、応力発光測定システム100に搭載された入力部(ソフトウェアキー、ハードウェアキー)から入力して指示することとしてもよい。
(2) 上記実施の形態においては、応力発光測定システムが残留応力を検出する手法として、応力発光測定システム100を構成する各機能部をプロセッサが残留応力算出プログラム等を実行することにより、応力を検出することとしているが、これは装置に集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等により形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路、FPGA(Field Programmable Gate Array)等によって実現してもよい。また、これらの回路は、1または複数の集積回路により実現されてよく、上記実施の形態に示した複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。すなわち、図5に示すように、応力発光測定システム100を構成する各機能部は、物理的な回路により実現されてもよい。即ち、図5に示すように、応力発光測定システム100は、撮像回路110aと、荷重回路120aと、照射回路130aと、制御回路140aと、とを備え、各回路は、上述の同名の各機能部と同様の機能を有することとしてよい。
また、上記残留応力算出プログラムは、プロセッサが読み取り可能な記録媒体に記録されていてよく、記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記残留応力算出プログラムは、当該残留応力算出プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記プロセッサに供給されてもよい。本発明は、上記残留応力算出プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、上記残留応力算出プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
(3)上記実施の形態及び各補足に示した構成は、適宜組み合わせることとしてもよい。
100 応力発光測定システム
110 撮像部
120 荷重部
130 照射部
140 制御部
110 撮像部
120 荷重部
130 照射部
140 制御部
Claims (5)
- 応力発光体に光を照射する第1照射ステップと、
前記応力発光体に対して荷重を加える第1荷重ステップと、
前記荷重が加えられて応力発光している前記応力発光体を撮像する第1撮像ステップと、
前記応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、前記応力発光体に光を照射する第2照射ステップと、
前記第2照射ステップにおける光の照射を行った後に、前記荷重を開放する開放ステップと、
前記荷重が開放された前記応力発光体を撮像する第2撮像ステップと、
前記第2撮像ステップにおいて撮像された撮像画像に基づいて、前記応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する算出ステップとを含む残留応力算出方法。 - 前記算出ステップは、前記第1荷重ステップにおける弾性歪み及び塑性歪みによる第1応力σ2を前記第1撮像ステップにおける撮像画像に基づいて特定し、第2撮像ステップにおける撮像画像に基づいて、荷重が開放された際に前記応力発光体に発生している第2応力σ3を特定し、前記残留応力を、前記第1応力と前記第2応力の差分から算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の残留応力算出方法。 - 前記算出ステップは、前記第1荷重ステップにおける弾性歪み及び塑性歪みによる第1応力を前記第1撮像ステップにおける撮像画像に基づいて特定するとともにその第1歪み量を特定し、第2撮像ステップにおける撮像画像に基づいて、荷重が開放された際に前記応力発光体に発生している第2応力を特定するとともにその第2歪み量を特定し、前記残留歪み量を、前記第1歪み量と前記第2歪み量との差分から算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の残留応力算出方法。 - 応力発光体に光を照射する照射部と、
前記応力発光体に対して荷重を加える荷重部と、
前記応力発光体を撮像する撮像部と、
前記荷重部により前記応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、前記照射部に前記応力発光体に光を照射させ、前記荷重部に前記応力発光体に対する荷重を開放させ、前記荷重が開放された状態の前記応力発光体を前記撮像部に撮像させ、前記撮像部により撮像された撮像画像に基づいて、前記応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する制御部とを備える残留応力算出装置。 - コンピュータに、
応力発光体に光を照射する第1照射機能と、
前記応力発光体に対して荷重を加える第1荷重機能と、
前記荷重が加えられて応力発光している前記応力発光体を撮像する第1撮像機能と、
前記応力発光体に最大荷重が加えられている状態で、前記応力発光体に光を照射する第2照射機能と、
前記第2照射機能における光の照射を行った後に、前記荷重を開放する開放機能と、
前記荷重が開放された前記応力発光体を撮像する第2撮像機能と、
前記第2撮像機能において撮像された撮像画像に基づいて、前記応力発光体に残留している残留応力及び残留歪み量を算出する算出機能と、
を実現させる残留応力算出プログラム。
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JP2018042664A JP2019158437A (ja) | 2018-03-09 | 2018-03-09 | 残留応力算出方法、残留応力算出装置、及び残留応力算出プログラム |
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