JP2019156293A - 車両用構造部材 - Google Patents

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大貴 山川
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Abstract

【課題】衝突の際のエネルギー吸収効率を向上させた車両用構造部材を提供する。【解決手段】バンパーシステム1は、軸線L方向に延びる中空のステイ管20を備える。ステイ管20の軸線Lに垂直な断面の形状は、1部屋を有する閉断面形状である。ステイ管20の閉断面形状を構成する壁21の一部である連続した第1部分21aは第1の厚みt1を有し、第1部分21a以外のその他の連続した第2部分21bは第1の厚みt1よりも大きい第2の厚みt2を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、車両用構造部材に関する。
衝撃吸収用の車両用構造部材には、耐久性能ないし衝突安全性能等の設計要件が定められている。具体的には、衝突初期に発生する変形抵抗荷重のピーク値を低減して耐久性能を高めるとともにエネルギー吸収効率を高めることが求められている。
例えば特許文献1,2には、そのような衝撃吸収用の車両用構造部材としてクラッシュボックスが開示されている。特許文献1,2では、衝突初期に発生する変形抵抗荷重のピーク値を低減して耐久性能を向上させるために、クラッシュボックスにビードまたは切欠きを設けている。
特開2005−162061号公報 特開2005−225394号公報
特許文献1,2では、衝突初期における変形抵抗荷重のピーク値を低減できるが、それ以降の変形抵抗荷重については特段言及されていない。車両用構造部材が高いエネルギー吸収効率を発揮するためには、衝突初期以降の変形抵抗荷重も考慮する必要がある。一般に車両用構造部材が衝撃を受けると、変形抵抗荷重は一定値とはならず、変位に応じて振動する。エネルギー吸収効率を高めるためには、変形が開始した後も変形抵抗荷重が高位安定することが求められる。
本発明は、衝突の際のエネルギー吸収効率を向上させた車両用構造部材を提供することを課題とする。
本発明は、軸線方向に延びる中空の管体を備え、前記軸線に垂直な前記管体の断面の形状は、少なくとも1部屋を有する閉断面形状であり、前記閉断面形状を構成する壁は、第1の厚みを有する少なくとも1つの連続した第1部分と、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する少なくとも1つの第2部分とを有し、前記第2部分は、1部屋を構成する壁のうち、連続して半分以上を占める、車両用構造部材を提供する。
この構成によれば管体を構成する壁に差厚が設けられていることで、軸線方向の変形抵抗荷重を部分的に変化させることができる。また、第2部分は、1部屋を構成する壁のうち、連続して半分以上を占めることで、この変形抵抗荷重の変化をより顕著なものにすることができる。ここで、「連続して半分以上」とは、壁の数または長さを基準とするものである。また、「部屋」とは、管体の断面形状における閉領域をいい、例えば数字の8のような断面形状の場合、2つの閉領域が設けられているため、この場合は2部屋を構成するものと扱う。
上記変形抵抗荷重は、車両が衝突した際の変形過程で一定の値をとるのではなく、変形量に応じて振動することが知られている。そして、管体全体の変形抵抗荷重は、各部の変形抵抗荷重を合算したものと概ね捉えることができる。上記構成では、第1部分と第2部分に差厚を設けることで、第1部分と第2部分の変形抵抗荷重の波形の振動周期をずらし、波形のピーク値がずれるようにしている。従って、これらの波形を合算した際、振動のピーク値が重ならず、合算波形の振幅を小さくできる。つまり、第1部分と第2部分に差厚を設けることで、管体全体としての変形抵抗荷重の振動を抑制できる。このようにして変形抵抗荷重の波形の振動を抑制できるため、変形抵抗荷重の波形が高位安定し、エネルギー吸収効率が向上する。特に管体が押出材である場合、第1部分と第2部分に差厚を設けることは、材料を押し出す際の厚みを変えることで容易に可能であるため、製造工数が増加することもない。従って、管体が製造された後にビードまたは切欠き等を設けるいわゆる後加工と比較し、製造工数および製造コストを低減できる。
前記管体の前記閉断面形状は、四角形、六角形、または、八角形であってもよい。
これらの構成によれば、衝突の際のエネルギー吸収効率を向上させた車両用構造部材を具体的に設計できる。四角形、六角形、または、八角形のいずれの場合でも1部屋のみの閉断面形状が形成される。従って、管体の形状を単純化でき、製造コストを低減できる。
前記管体の前記閉断面形状を構成する壁のうち半分が前記第1部分であり、残りの半分が前記第2部分であってもよい。
この構成によれば、第1部分と第2部分との大きさが概ね等しくなるため、変形抵抗荷重を均等に合算できる。従って、第1部分と第2部分の変形抵抗荷重の合算波形の振幅を、平均化でき、合算波形の振幅を安定して小さくできる。ここで、「半分」とは、前述と同じく壁の数または長さを基準とするものである。
前記管体の前記閉断面形状は、2つの同一の八角形が仕切壁を共有してなる形状または2つの同一の円弧が仕切壁を共有してなる形状であってもよい。
これらの構成によれば、衝突の際のエネルギー吸収効率を向上させた車両用構造部材を具体的に設計できる。なお、2つの同一の八角形が仕切壁を共有してなる形状または2つの同一の円弧が仕切壁を共有してなる形状のいずれの場合でも、仕切壁を介して分けられた2部屋の閉断面形状が形成される。
前記管体の前記閉断面形状は、前記仕切壁を介して2部屋に分けられており、前記2部屋のうち1部屋を画定する部分が前記第1部分であり、残りの部分が前記第2部分であってもよい。
この構成によれば、1つの管体内で変形抵抗荷重に大きな差を設けることができる。即ち、2部屋のうち1部屋を画定する第1部分が残りの第2部分よりも薄いことで、変形抵抗荷重の波形の振動周期のずれを大きくし、変形抵抗荷重の波形の振幅を一層小さくできる。
前記第2の厚みは、前記第1の厚みの2倍より小さくてもよい。
この構成によれば、管体の差厚比に2倍という上限が設けられているため、管体の各部において耐荷重性能に大きな差が生じない。換言すれば、仮に管体の差厚比に上限がなく、差厚が大きくなり過ぎると、管体の耐荷重性能が各部において著しく異なるものとなり、軸線方向の衝撃荷重によって管体の一部のみが損壊し、管体が軸線方向から倒れるように折れ、耐荷重性能が大幅に低下するおそれがある。従って、上記構成では、これを防止するため、軸線方向の耐荷重性能を維持する程度に差厚比に上限を設けている。
前記第2の厚みは、前記第1の厚みの1.3倍以下である。
この構成によれば、上記の各構成において、エネルギー吸収効率が向上することが解析上確認されている。
本発明によれば、車両用構造部材の衝突の際のエネルギー吸収効率を向上できる。
本発明の第1実施形態に係る車両用構造部材を取り付けた自動車骨格の斜視図 車両用構造部材の模式的な斜視図 車両用構造部材の衝突圧壊前の斜視図 車両用構造部材の衝突圧壊後の斜視図 四角形断面のステイ管の第1解析条件を示す車両用構造部材の平面図 四角形断面のステイ管の第2解析条件を示す車両用構造部材の平面図 四角形断面のステイ管の第3解析条件を示す車両用構造部材の平面図 変位と変形抵抗荷重の関係を示す模式的なグラフ 図4A〜4Cの車両用構造部材に対応するエネルギー吸収効率を示すグラフ 六角形断面のステイ管の第1解析条件を示す車両用構造部材の平面図 六角形断面のステイ管の第2解析条件を示す車両用構造部材の平面図 図7A,7Bの車両用構造部材に対応するエネルギー吸収効率を示すグラフ 八角形断面のステイ管の第1解析条件を示す車両用構造部材の平面図 八角形断面のステイ管の第2解析条件を示す車両用構造部材の平面図 八角形断面のステイ管の第3解析条件を示す車両用構造部材の平面図 図9A〜9Cの車両用構造部材に対応するエネルギー吸収効率を示すグラフ 連続八角形断面のステイ管の第1解析条件を示す車両用構造部材の平面図 連続八角形断面のステイ管の第2解析条件を示す車両用構造部材の平面図 連続八角形断面のステイ管の第3解析条件を示す車両用構造部材の平面図 連続八角形断面のステイ管の第4解析条件を示す車両用構造部材の平面図 図11A〜11Dの車両用構造部材に対応するエネルギー吸収効率を示すグラフ 連続円弧状断面のステイ管の解析条件を示す車両用構造部材の平面図 図13の車両用構造部材に対応するエネルギー吸収効率を示すグラフ
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。以下の各実施形態では、各部材の材質を例示して説明することがあるが、各部材の材質は特に限定されず、任意の材質に対して本発明は適用できる。
(第1実施形態)
図1は、本発明の車両用構造部材の一例であるバンパーシステム1を取り付けた自動車(車両)2の斜視図である。バンパーシステム1は、自動車2の前方部分に取り付けられる。バンパーシステム1は、前方衝突の際に自動車2の本体部3を保護する役割を果たす。
図2は、バンパーシステム1の模式的な斜視図である。バンパーシステム1は、1つのバンパービーム10と、クラッシュボックスを構成する2つのステイ管(管体)20とを備える。
図1を併せて参照して、バンパービーム10は、車幅方向に延びる四角筒状であり、その両端部11,12はわずかに車両後方へ向かって傾斜している。バンパービーム10は、例えばアルミニウム合金の押出材を後加工によって両端部11,12を傾斜させてなる。
ステイ管20は、車両の前後方向に軸線(中心軸)Lが延びるように配置された中空の管体である。ステイ管20は、軸線Lに垂直な断面において、閉断面形状を有している。本実施形態では、ステイ管20の閉断面形状は正方形であり、連続した4つの壁21で構成されている。ステイ管20の軸線L方向の一端部は、バンパービーム10の両端部11,12の傾斜に合わせて切断されており、バンパービーム10の両端部11,12に溶接されている。ステイ管20の他端部は自動車2の本体部3に溶接されている。本実施形態では、ステイ管20は、アルミニウム合金の押出材である。
図3Aはバンパーシステム1の衝突圧壊前の斜視図であり、図3Bはバンパーシステム1の衝突圧壊後の斜視図である。図3A,3Bでは、ステイ管20と、バンパービーム10の一部と、自動車2(図1参照)の本体部3の一部が示されている。図3Aでは、衝突によってステイ管20に加えられる軸線L方向の衝撃荷重が概念的に矢印で示されている。図1,2では、ステイ管20の一端面が軸線Lに対して傾斜したものを例示しているが、図3ではより簡易な形状として、ステイ管20の一端面が軸線Lに対して垂直なものを例示している。この形状の差はステイ管20の圧壊特性に大きな影響を及ぼさず、以下に示すエネルギー吸収効率の観点からは両者は概ね同じものとして扱うことができる。
図4A〜4Cは、それぞれ第1〜第3の解析条件を示すステイ管20の平面図である。図4A〜4Cのステイ管20は、縦50mmかつ横50mmの正方形状の外形を有しており、以下の解析上、斜線を付した部分の厚みがそれ以外の部分の厚み以上にされている。
図5は、変位xと変形抵抗荷重Pの関係を示す模式的なグラフである。変位xは、ステイ管20の車両前後方向(軸線L方向)の変形量を示す値である。変形抵抗荷重Pは、ステイ管20を圧縮して変形させる際に必要となる抵抗荷重である。変形抵抗荷重Pは、一般に図5に示すように、衝突初期(変位x=0近傍)に大きな極大値をとり、以降振動する。なお、図5は、説明のための模式的なグラフであり、詳細については実際のものとは異なり得る。
続けて図5を参照して、エネルギー吸収効率E(%)の算出方法を説明する。衝突初期より後の変形抵抗荷重Pのうち、最も大きい変形抵抗荷重をPmaxとする。衝突初期とは、初期荷重が極小値をとるまでをいう。特に、初期荷重が極小値をとったときの変位をx1とすると、変位xが0からx1までのことをいう。この変位x1から任意の変位x2において、エネルギー吸収効率Eが100%となる理想的なエネルギー吸収量E1は破線の矩形領域の面積で表され、即ち理想的なエネルギー吸収量E1は以下の式(1)で表される。
Figure 2019156293
変位x1から変位x2までの実際のエネルギー吸収量E2は、図5の斜線領域の面積で表され、即ち以下の式(2)で表される。
Figure 2019156293
エネルギー吸収効率E(%)は、理想的なエネルギー吸収量E1と、実際のエネルギー吸収量E2とを用いて以下の式(3)で表される。
Figure 2019156293
図5のグラフでは、太線で示す曲線と細線で示す曲線のエネルギー吸収効率Eを比較すると、太線で示す曲線の方がエネルギー吸収効率Eが高い。すなわち、変位xに対して変形抵抗荷重Pを高位平準化することでエネルギー吸収効率Eを高めることができる。本実施形態では、図4Aに示すように斜線を付していない部分の厚みと、斜線を付した部分の厚みとに差を設けることで、エネルギー吸収効率Eを高めることができることを以下の解析で確認した。具体的には、図4A〜4Cにおいて、斜線を付していない部分の厚みを1.8mmとし、斜線を付した部分の厚みを1.8mmから徐々に大きくした場合に、このエネルギー吸収効率Eがどう変化するかを以下のように解析した。
図6は、図4A〜4Cのステイ管20を図3A,3Bに示すように軸線L方向に圧壊させた際のエネルギー吸収効率Eの解析結果を示すグラフである。グラフの横軸は板厚比Rを示し、縦軸はエネルギー吸収効率Eを示している。板厚比Rとは、図4A〜4Cにおいて、斜線を付していない部分の厚みに対する斜線を付した部分の厚みの増加割合である。本実施形態では、斜線を付していない部分の厚みを1.8mmとしているため、例えば板厚比R=50%は、斜線を付した部分の厚みを、斜線を付していない部分の厚みに対して50%増やして2.7mmとしていることを示す。解析上では、板厚比Rを0%から55%程度まで変化させている。
好ましくは、斜線を付した部分の厚みは、斜線を付していない部分の厚みの2倍よりも小さい。即ち、板厚比Rは、100%よりも小さいことが好ましい。このようにステイ管20の差厚比に上限を設けることで、ステイ管20の各部において耐荷重性能に大きな差が生じない。換言すれば、仮にステイ管20の差厚比に上限がなく、差厚が大きくなり過ぎると、ステイ管20の耐荷重性能が各部において著しく異なるものとなり、軸線L方向の衝撃荷重によってステイ管20の一部のみが損壊し、ステイ管20が軸線L方向に対して倒れるように折れ、耐荷重性能が大幅に低下するおそれがある。従って、これを防止するため、軸線L方向の耐荷重性能を維持する程度に差厚比に上限を設けることが好ましい。これは、以降の実施形態でも同様である。
図6を見ると、図4Aのステイ管20のエネルギー吸収効率Eが相対的に高いことがわかる。図4Aの本実施形態のステイ管20において、閉断面形状である1部屋の四角形を構成する壁21の連続した一部(斜線を付していない部分)を第1の厚みt1を有する第1部分21aとし、第1部分21a以外のその他の連続した部分(斜線を付した部分)を第2の厚みt2を有する第2部分21bとする。具体的には、当該四角形を構成する4壁のうち半分の連続した2壁が第1部分21aとなっており、残り半分の連続した2壁が第2部分21bとなっている。
図4Aに示すステイ管20を有する本実施形態のバンパーシステム1によれば、以下の利点がある。
ステイ管20を構成する壁21に差厚が設けられていることで、軸線L方向の変形抵抗荷重Pを部分的に変化させることができる。また、第2部分21bは、四角形の1部屋を構成する壁21のうち、連続して半分以上(本実施形態では半分)を占めることで、この変形抵抗荷重Pの変化をより顕著なものにすることができる。ここで、「連続して半分以上」とは、壁21の数または長さを基準とするものである。
この変形抵抗荷重Pは、車両が衝突した際の変形過程で一定の値をとるのではなく、変形量に応じて振動することが知られている(図5参照)。そして、ステイ管20全体の変形抵抗荷重Pは、各部の変形抵抗荷重Pを合算したものと概ね捉えることができる。上記構成では、第1部分21aと第2部分21bに差厚を設けることで、第1部分21aと第2部分21bの変形抵抗荷重Pの波形の振動周期をずらし、波形のピーク値がずれるようにしている。従って、これらの波形を合算した際、振動のピーク値が重ならず、合算波形の振幅を小さくできる。つまり、第1部分21aと第2部分21bに差厚を設けることで、ステイ管20全体としての変形抵抗荷重Pの振動を抑制できる。このようにして変形抵抗荷重Pの波形の振動を抑制できるため、変形抵抗荷重Pの波形が高位安定し、エネルギー吸収効率Eが向上する。本実施形態のように、ステイ管20が押出材である場合、第1部分21aと第2部分21bに差厚を設けることは、材料を押し出す際の厚みを変えることで容易に可能であるため、製造工数が増加することもない。従って、ステイ管20が製造された後にビードまたは切欠き等を設けるいわゆる後加工と比較し、製造工数および製造コストを低減できる。
また、ステイ管20の正方形断面を構成する4壁のうち半分の2壁を相対的に薄い第1部分21aとし、残りの半分の2壁を相対的に厚い第2部分21bとすることで、第1部分21aと第2部分21bとの大きさが概ね等しくなる。そのため、それぞれの変形抵抗荷重Pを均等に合算できる。従って、第1部分21aと第2部分21bの変形抵抗荷重Pの合算波形の振幅を、平均化でき、合算波形の振幅を安定して小さくできる。
(第2実施形態)
図7A,7Bは、第1実施形態とは形状の異なるステイ管20を示している。特に図7Bに示す第2実施形態のステイ管20は、断面形状以外、第1実施形態のステイ管20と実質的に同じである。従って、第1実施形態にて示した構成と同じ部分については第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
図7A,7Bは、それぞれ第1,第2の解析条件を示すステイ管20の平面図である。図7A,7Bのステイ管20は、外寸が縦50mmかつ横50mmの六角形状であり、解析上、斜線を付した部分の厚みがそれ以外の部分の厚み以上にされている。本実施形態でも第1実施形態と同様に、斜線を付していない部分の厚みを1.8mmとし、斜線を付した部分の厚みを1.8mmから徐々に大きくした場合にエネルギー吸収効率がどう変化するかを解析した。
図8は、図7A,7Bのステイ管20にそれぞれ対応するエネルギー吸収効率Eを示すグラフである。グラフの横軸は板厚比Rを示し、縦軸がエネルギー吸収効率Eを示している。図8を見ると、図7Bのステイ管20のエネルギー吸収効率Eが相対的に高いことがわかる。図7Bの本実施形態のステイ管20において、閉断面形状である1部屋の六角形を構成する壁21の連続した一部(斜線を付していない部分)を第1の厚みt1を有する第1部分21aとし、第1部分21a以外のその他の連続した部分(斜線を付した部分)を第1の厚みt1よりも大きい第2の厚みt2を有する第2部分21bとする。具体的には、当該六角形を構成する6壁のうち半分の連続した3壁が第1部分21aとなっており、残り半分の連続した3壁が第2部分21bとなっている。
図7Bに示すステイ管20を有する本実施形態のバンパーシステム1の利点は、第1実施形態と同じである。
(第3実施形態)
図9A〜9Cは、第1,第2実施形態とは形状の異なるステイ管20を示している。特に図9Cに示す第3実施形態のステイ管20は、断面形状以外、第1実施形態のステイ管20と実質的に同じである。従って、第1実施形態にて示した構成と同じ部分については第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
図9A〜9Cは、それぞれ第1〜第3の解析条件を示すステイ管20の平面図である。図9A〜9Cのステイ管20は、外寸が縦50mmかつ横50mmの八角形状(詳細には正八角形状)であり、解析上、斜線を付した部分の厚みがそれ以外の部分の厚み以上にされている。本実施形態でも第1実施形態と同様に、斜線を付していない部分の厚みを1.8mmとし、斜線を付した部分の厚みを1.8mmから徐々に大きくした場合にエネルギー吸収効率がどう変化するかを解析した。
図10は、図9A〜9Cのステイ管20にそれぞれ対応するエネルギー吸収効率Eを示すグラフである。グラフの横軸は板厚比Rを示し、縦軸がエネルギー吸収効率Eを示している。図10を見ると、図9Cのステイ管20のエネルギー吸収効率Eが相対的に高いことがわかる。図9Cの本実施形態のステイ管20において、閉断面形状である1部屋の八角形を構成する壁21の連続した一部(斜線を付していない部分)を第1の厚みt1を有する第1部分21aし、第1部分21a以外のその他の連続した部分(斜線を付した部分)を第1の厚みt1よりも大きい第2の厚みt2を有する第2部分21bとする。具体的には、当該八角形を構成する8壁のうち半分の連続した4壁が第1部分21aとなっており、残り半分の連続した4壁が第2部分21bとなっている。
図9Cに示すステイ管20を有する本実施形態のバンパーシステム1の利点は、第1実施形態と同じである。
(第4実施形態)
図11A〜11Dは、第1〜第3実施形態とは形状の異なるステイ管20を示している。特に図11C,11Dに示す第4実施形態のステイ管20は、断面形状以外、第1実施形態のステイ管20と実質的に同じである。従って、第1実施形態にて示した構成と同じ部分については第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
図11A〜11Dは、それぞれ第1〜第4の解析条件を示すステイ管20の平面図である。図11A〜11Dのステイ管20は、壁21の一つである仕切壁22を介して2部屋に分けられた形状を有し、具体的には2つの同一の八角形(詳細には正八角形)が仕切壁22を共有してなる形状である。また、外寸は縦50mmかつ横100mmであり、詳細には各八角形の外寸が縦50mmかつ横50mmである。解析上、斜線を付した部分の厚みがそれ以外の部分の厚み以上にされている。本実施形態でも第1実施形態と同様に、斜線を付していない部分の厚みを1.8mmとし、斜線を付した部分の厚みを1.8mmから徐々に大きくした場合にエネルギー吸収効率がどう変化するかを解析した。
図12は、図11A〜11Dのステイ管20にそれぞれ対応するエネルギー吸収効率Eを示すグラフである。グラフの横軸は板厚比Rを示し、縦軸がエネルギー吸収効率Eを示している。図12を見ると、図11C,11Dのステイ管20のエネルギー吸収効率Eが相対的に高くなっている範囲がある。
図11C,Dの本実施形態のステイ管20において、閉断面形状である2部屋の連続八角形を構成する壁21の連続した一部(斜線を付していない部分)を第1の厚みt1を有する第1部分21aとし、第1部分21a以外であり、その他の1つ(図11D参照)または2つ(図11C参照)の連続した部分(斜線を付した部分)をそれぞれ第1の厚みt1よりも大きい第2の厚みt2を有する第2部分21bとする。具体的には、当該2つの八角形を構成する15壁のうち半分の7壁または8壁が第1部分21aとなっており、残り半分の7壁が第2部分21bとなっている。なお、本実施形態のように壁21の数が奇数のときの「半分」とは、壁21の数の半分から0.5多いまたは0.5少ない数をいう。図11Dでは、仕切壁22で分けられた上記2部屋のうち1部屋を画定する8壁が第1部分21aとなっている。
図11C,11Dに示すステイ管20を有する本実施形態のバンパーシステム1の利点は、第1実施形態と同じである。
追加的には、図11Dを参照して、仕切壁22で分けられた上記2部屋のうち1部屋を画定する第1部分21aが残りの第2部分21bよりも薄いことで、変形抵抗荷重Pの波形の振動周期のずれを大きくし、変形抵抗荷重Pの波形の振幅を一層小さくできる。
また、図12を参照して、特に板厚比Rが30%以下の範囲では、図11C,11Dに示すステイ管20のエネルギー吸収効率Eが高い。すなわち、第2の厚みt2は、第1の厚みt1の1.3倍より小さい範囲では、図11C,11Dに示すステイ管20のエネルギー吸収効率Eが高い。そして、これは、本実施形態に限らず、その他の実施形態でも同じことがいえる。
(第5実施形態)
図13に示す第5実施形態のステイ管20は、第1〜第4実施形態とは異なる形状を有している。本実施形態のバンパーシステム1のステイ管20は、断面形状以外、第1実施形態のバンパーシステム1のステイ管20と実質的に同じである。従って、第1実施形態にて示した構成と同じ部分については第1実施形態と同じ符号を付して説明を省略する。
図13は、解析条件を示すステイ管20の平面図である。ステイ管20は、壁21の一つである仕切壁22を介して2部屋に分けられた形状を有し、具体的には2つの同一の円弧が仕切壁22を共有してなる形状である。詳細には、半径30mmの円が中心間距離40mmで結合され、その外寸が縦60mmかつ横100mmである。解析上、斜線を付した部分の厚みがそれ以外の部分の厚み以上にされている。本実施形態では、斜線を付していない部分の厚みを1.8mmとし、斜線を付した部分の厚みを1.8mmから徐々に大きくした場合にエネルギー吸収効率がどう変化するかを解析した。
図14は、図13のステイ管20にそれぞれ対応するエネルギー吸収効率Eを示すグラフである。グラフの横軸は板厚比Rを示し、縦軸がエネルギー吸収効率Eを示している。図14を見ると、板厚比Rが0より大きい範囲では、ステイ管20のエネルギー吸収効率Eが板厚比0のときよりも高くなっていることがわかる。従って、図13に示す本実施形態のステイ管20のように壁21に差厚を設けることで、エネルギー吸収効率Eを向上できることが確認できた。
以上より、本発明の具体的な実施形態について説明したが、本発明は上記形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することができる。例えば、ステイ管20の断面形状は、上記に限定されず、2つの同一の四角形が互いに一辺を共有してなる形状であってもよい。また、図1を参照して、本発明の車両用構造部材としてサイドメンバー4等も採用し得る。
1 バンパーシステム(車両用構造部材)
2 自動車(車両)
3 本体部
4 サイドメンバー
10 バンパービーム
11,12 両端部
20 ステイ管(管体)
21 壁
21a 第1部分
21b 第2部分
22 仕切壁

Claims (10)

  1. 軸線方向に延びる中空の管体を備え、
    前記軸線に垂直な前記管体の断面の形状は、少なくとも1部屋を有する閉断面形状であり、
    前記閉断面形状を構成する壁は、第1の厚みを有する少なくとも1つの連続した第1部分と、第1の厚みよりも大きい第2の厚みを有する少なくとも1つの第2部分とを有し、
    前記第2部分は、1部屋を構成する壁のうち、連続して半分以上を占める、車両用構造部材。
  2. 前記管体の前記閉断面形状は、四角形である、請求項1に記載の車両用構造部材。
  3. 前記管体の前記閉断面形状は、六角形である、請求項1に記載の車両用構造部材。
  4. 前記管体の前記閉断面形状は、八角形である、請求項1に記載の車両用構造部材。
  5. 前記管体の前記閉断面形状を構成する壁のうち半分が前記第1部分であり、残りの半分が前記第2部分である、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の車両用構造部材。
  6. 前記管体の前記閉断面形状は、2つの同一の八角形が仕切壁を共有してなる形状である、請求項1に記載の車両用構造部材。
  7. 前記管体の前記閉断面形状は、2つの同一の円弧が仕切壁を共有してなる形状である、請求項1に記載の車両用構造部材。
  8. 前記管体の前記閉断面形状は、前記仕切壁を介して2部屋に分けられており、
    前記2部屋のうち1部屋を画定する部分が前記第1部分であり、残りの部分が前記第2部分である、請求項6または請求項7に記載の車両用構造部材。
  9. 前記第2の厚みは、前記第1の厚みの2倍より小さい、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の車両用構造部材。
  10. 前記第2の厚みは、前記第1の厚みの1.3倍以下である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の車両用構造部材。
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