JP2019155086A - 遊戯媒体識別システム及びそのコンピュータプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】従来とは異なる手法で遊戯媒体を識別する遊戯媒体識別システムを提供する。【解決手段】遊戯媒体の一例のカードCが、カードCごとに付加物の一例のスリーブSVと組み合わされて使用されるゲームに適用される遊戯媒体識別システム1であって、所定の識別情報を保持することが可能な情報媒体CHがスリーブSVに設けられるとともに、カードCの画像に基づいてカードCを識別する画像識別部11と、画像識別部11の識別結果とリーダ3を介して読み取られた情報媒体CHの識別情報とをカードCとスリーブSVとの対応関係に従って関連付ける関連付け設定部13と、ゲームにて使用されているカードCと組み合わされたスリーブSV情報媒体CHからリーダ5を介して識別情報を検出し、得られた識別情報と関連付け設定部13が設定した関連付けとに基づいてカードCを識別するカード識別部15とが制御装置10に設けられる。【選択図】図4
Description
本発明は、ゲームにて使用される複数の物理的な遊戯媒体のそれぞれを相互に区別して識別する遊戯媒体識別システム等に関する。
ゲームのプレイ状況を撮影し、得られた動画(映像)に対してエフェクトを付加してユーザの視聴に供するシステムが提案されている(例えば特許文献1参照)。物理的な遊戯媒体を利用するゲーム、例えばチェスや将棋等のボードゲーム、あるいはトランプ、トレーディングカード等を用いるカードゲームにおいて、ゲームで使用されている遊戯媒体を、その遊戯媒体に設けられたバーコード、ICチップに記録された情報、あるいは画像認識を介して得られる情報に基づいて識別し、その識別結果に応じた画像をゲームのプレイ画像に付加してユーザの視聴に供するシステムも知られている(例えば特許文献2参照)。ICタグ付きのシール台紙に被写体画像を印刷して出力し、そのシールを任意のカードに貼付してシールのICタグに記録されているIDをカード識別情報として利用し、そのIDとユーザのデータとを関連付けるようにしたゲームシステムも知られている(特許文献3参照)。
ゲームのプレイ中の画像から遊戯媒体を識別する場合、照明の程度、撮影に用いる機材の解像度といった撮影環境、あるいは撮影条件が様々に変化することが予想され、遊戯媒体を十分な精度で識別するに足りる画像が得られないおそれがある。遊戯媒体に設けられたバーコード、ICチップ等の情報を利用して遊戯媒体を識別する手法では、その種の情報が設けられていない遊戯媒体の識別が不可能である。例えば、識別技術が実用に供される以前に発行された遊戯媒体には当然ながらその種の情報が欠落しており、そのままではユーザが過去に取得した遊戯媒体を活用することが困難又は不可能になる、といった不都合が生じ得る。遊戯媒体に識別用のシールを貼り付ける手法では、遊戯媒体に貼付用のスペースを確保する必要があり、遊戯媒体にシールを直接貼り付けることにユーザが抵抗を感じるといった不都合が生じ得る。
そこで、本発明は、従来とは異なる手法を用いて遊戯媒体を識別する遊戯媒体識別システム等を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る遊戯媒体識別システムは、外観を特徴付ける外観要素を含んだ物理的な複数の遊戯媒体のそれぞれが、遊戯媒体ごとに所定の付加物と組み合わされた状態で使用されるゲームに適用され、前記複数の遊戯媒体を相互に区別して識別するための遊戯媒体識別システムであって、前記付加物に設けられ、所定の識別情報を保持することが可能な情報媒体と、所定の撮像手段が撮像した前記遊戯媒体の画像に基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体画像識別手段と、前記媒体画像識別手段による識別結果と前記情報媒体の識別情報とを、一の遊戯媒体と当該一の遊戯媒体に組み合わされて前記ゲームで使用されるべき前記付加物との対応関係に従って関連付ける関連付け設定手段と、前記ゲームにて使用されている遊戯媒体と組み合わされた前記付加物の前記情報媒体から所定の情報検出手段を介して前記識別情報を検出し、得られた識別情報と前記関連付け設定手段が設定した関連付けとに基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体識別手段と、を備えたものである。
本発明の一態様に係る遊戯媒体識別システム用のコンピュータプログラムは、外観を特徴付ける外観要素を含んだ物理的な複数の遊戯媒体のそれぞれが、遊戯媒体ごとに所定の付加物と組み合わされた状態で使用されるゲームに適用され、前記複数の遊戯媒体を相互に区別して識別するための遊戯媒体識別システムに用いられるコンピュータプログラムであって、前記遊戯媒体識別システムのコンピュータを、所定の撮像手段が撮像した前記遊戯媒体の画像に基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体画像識別手段、前記媒体画像識別手段による識別結果と、前記付加物に設けられた情報媒体に保持される識別情報とを、一の遊戯媒体と当該一の遊戯媒体に組み合わされて前記ゲームで使用されるべき前記付加物との対応関係に従って関連付ける関連付け設定手段、及び前記ゲームにて使用されている遊戯媒体と組み合わされた前記付加物の前記情報媒体から所定の情報検出手段を介して前記識別情報を検出し、得られた識別情報と前記関連付け設定手段が設定した関連付けとに基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体識別手段、
として機能させるものである。
として機能させるものである。
(第1の形態)
以下、図面を参照して本発明の一形態に係る遊戯媒体識別システム(以下、識別システムと略称することがある。)を説明する。なお、各図において、互いに共通する複数の要素が描かれている場合、図の煩雑を避けるため一部の要素に代表して参照符号を付すことがある。また、以下の説明では、要素を相互に区別するために「第1」、「第2」といった用語を用いることがあるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、優先順位その他の意義を有するものではない。
以下、図面を参照して本発明の一形態に係る遊戯媒体識別システム(以下、識別システムと略称することがある。)を説明する。なお、各図において、互いに共通する複数の要素が描かれている場合、図の煩雑を避けるため一部の要素に代表して参照符号を付すことがある。また、以下の説明では、要素を相互に区別するために「第1」、「第2」といった用語を用いることがあるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、優先順位その他の意義を有するものではない。
まず、図1を参照して本形態の識別システムが適用される一例としてのゲームを説明する。図1に例示するゲームは、二人のプレイヤP1、P2が物理的な遊戯媒体の一例としてのカードCを用いて対戦するカード対戦ゲームの一種として構成されている。周知のように、カード対戦ゲームでは、ゲームにおける用途や役割、あるいは効果等が異なる複数種類のカードCが存在する。例えば、対戦相手のカードを攻撃するために用いられるカード、攻撃の効果を強め、あるいは弱めるために用いられるカード、特別のキャラクタ(例えばモンスター等と呼ばれることがある。)を呼び出して特有の効果を生じさせるために用いられるカードといったように多種多様なカードが用いられる。また、それらのカードCは、カードCの束を意味するデッキDCに適宜に組み入れられてゲームで使用される。しかしながら、カードCの種類の詳細はゲームの内容に応じて適宜に定められてよく、以下ではカードCの種類等の詳細は説明を省略する。図1では個々のカードCの詳細は省略し、各カードCが表向き、又は裏返しのいずれの状態にあるかに応じてカードCを視覚的に区別して示している。
ゲームは、プレイヤP1、P2がカードCを配置すべき場の一例としてのゲームフィールドGFを利用して進められる。ゲームフィールドGFには複数のカード置き場CPが設定されている。各カード置き場CPは一枚のカードCと概ね同一形状でかつ同一の大きさである。カード置き場CPは、プレイヤP1、P2が向かい合っている方向における中央部に配置された二つのカード置き場CPを除いて、第1エリアAR1及び第2エリアAR2に分けて設けられている。第1エリアAR1のカード置き場CPは一方のプレイヤP1が使用し、第2エリアAR2のカード置き場CPは他方のプレイヤP2が使用する。中央の二つのカード置き場CPは基本的には各プレイヤP1、P2が一つずつ使用する。各エリアAR1、AR2のカード置き場CPは、ゲームにおける用途、役割等に応じて複数のゾーン(不図示)にさらに区分される。例えば、各プレイヤP1、P2からみて右端手前側に位置するカード置き場CPはデッキDCを構成する複数枚のカードCが裏返しの状態で重ね置かれるゾーン、右端奥側のカード置き場CPはゲームにて使用済、あるいは相手からの攻撃で使用不可能となったカードCが表向きの状態で重ね置かれるゾーンとしてそれぞれ設定されている。カード置き場CPの個数、ゾーンの区分はゲームのルール等に応じて適宜に定められてよく、それらの詳細な説明は省略する。
各プレイヤP1、P2は自己が所有する多数枚のカードからゲームで使用するデッキDCを構成し、そのデッキDCに含まれたカードCをカード置き場CPに適宜に配置しつつゲームを進める。ゲームでは、プレイヤP1、P2が一部のカードCを手札として保持し、あるいはゲームフィールドGF外の適宜の位置に置くといったように、ゲームフィールドGFにカードを配置する操作とは異なる所作も行われる。例えば、図1では、プレイヤP1が一部のカードCを手札として保持し、プレイヤP2が手札を裏返して手元に置いている状態が示されている。また、ゲームでは、例えば攻撃の効果、あるいは得点といったゲームの進行に影響する数値を計算するための計算機CL等の外部装置が用いられることもある。
図2はゲームにおける進行の一例を示している。図1のゲームはプレイヤP1、P2間で手番を交互に繰り返すいわゆるターン制で進行する。最初に、ゲームの準備として、例えば各プレイヤP1、P2のデッキDCをシャッフルした上で右端手前側のカード置き場CPに配置し、自分のデッキDCから所定枚数のカードCを引いて手札として保持する、といった操作が行われる。準備が終わると先攻プレイヤ(一例としてプレイヤP1が先攻とする。)のターンからゲームが開始される。一つのターンは複数のフェーズに区分される。フェーズは、一回のターンで行われるべき手順を、その内容や性質に応じて複数段階に区分するための概念である。図2の例では一回のターンがフェーズ1〜フェーズ6までの6段階に区分されているが、これはあくまで一例である。
各フェーズではターンが与えられているプレイヤP1(又はP2)がフェーズごとに定められた範囲内で適宜の行動を選択することができる。一例として以下のごとくである。フェーズ1ではデッキDCからカードCが引かれ、フェーズ2では、そのフェーズにて効果処理が行われるべきものとして指定されているカードCの効果を発動させることができる。フェーズ3では、カードCを適宜に用いつつ、戦闘で用いるモンスターといった仮想的なキャラクタの呼び出し(召喚)、魔法や罠といった特有の効果を有するカードCのセット、あるいはカードCの効果の発動といった各種の行動が許容される。フェーズ4ではカードCを用いた戦闘(バトル)が行われる。例えば、自己のターンのプレイヤP1(又はP2)が攻撃に用いるカードCと、相手方のプレイヤP2(又はP1)の攻撃対象となるべきカードCとが選択されることにより戦闘が行われる。カードCに代えて、又は加えて攻相手方のプレイヤ自身が攻撃対象となる場合があってもよい。戦闘の結果はカードCの属性、強さといったパラメータに応じて定まる。フェーズ5では、フェーズ3と同様の行動が許容される。フェーズ6ではターンの終了が宣言される。なお、フェーズ4の戦闘はターンが与えられているプレイヤP1(又はP2)の選択によって回避することが可能である。その場合、フェーズ4及び5はスキップされる。一つのフェーズの終了は、カードCの操作によって明示的に示されることもあれば、プレイヤP1、P2のカード操作以外の身体的所作、例えばジェスチャその他の所作、あるいはプレイヤP1、P2の一定内容の発話によって示されることもある。一回のターンが終わると、相手側のプレイヤP2(又はP1)へとターンが移る。ターンが交互に繰り返されていくうちに所定の終了条件が成立するとゲームが終了する。終了条件は例えばプレイヤP1、P2に設定されたライフ等のパラメータの値が戦闘によって所定値(例えば0)まで減少すると成立する。
以上のようなゲームにおいては、何らかの目的でプレイの進行状況が記録されることがある。例えば、ゲームがプレイされている様子を第三者に配信し、あるいはゲームの進行状況、又はプレイの傾向等を分析するといった目的でゲームの進行状況が記録される場合がある。ゲームの進行状況を記録するにあたっては、ゲームフィールドGFのどの位置にどのようなカードCがどのようなタイミングで置かれたか、といったように、カードCがどのように使用されたかを判別するための情報を取得する必要が生じる場合がある。その種の情報を取得するため、ゲームフィールドGFにおけるカードCを識別することが必要となることがある。本形態の識別システムはそのような用途に適用し得るものである。
次に、図3〜図8を参照して識別システムの一形態を説明する。なお、以下では図1に例示したプレイヤP1、P2を参照符号PLにて代表してプレイヤPLと表記することがある。本形態の識別システムは、カードCに付加されてゲームで使用される付加物をカードCの識別に利用する。図3はカードCと付加物の一例としてスリーブSVとの関係を示す。カードCの表面には、画像部Ca、情報部Cb、Ccが設けられている。画像部Caには、カードCによって象徴されるべきキャラクタ、アイテム、オブジェクト等(以下、キャラクタ等と呼ぶことがある。)の画像、あるいはカードCの効果を象徴する画像が表示される。情報部Cbには、画像部Caに表示されたキャラクタ等、あるいはカードCの効果の名称、キャラクタ等の属性等の情報が文字、記号等を用いて表示され、情報部CcにはカードCの説明、あるいはキャラクタ等の強弱やカードCの効果の程度が文字、記号等を用いて表示される。これらの画像部Ca、情報部Ccに示された各種の画像、文字、記号等はカードCの外観を特徴付ける外観要素の一例として機能する。ただし、カードCを識別すための外観要素としては、例えば画像部Caの画像のみ、あるいはこれに加えて情報部Cbの名称等が用いられるものとしてもよい。カードCの背景、色彩等がカードCを識別するための外観要素の一部としてさらに用いられてもよい。なお、カードCの裏面側については、カードCを裏返したときのカードCの判別を不可能とするために全てのカードCにおいて共通の外観が付されている。
スリーブSVはカードCの保護等を目的として用いられる。カードCの外観要素を観察できるように、スリーブSVは少なくともその一方の面が透明となるようにしてフィルム材等により形成される。スリーブSVは三辺が綴じられ、一辺が開いた袋状である。その開口部からカードCがスリーブSV内に収容される。この種のスリーブSVは、ゲームのプレイ中におけるカードCの擦過による損傷等を防ぐ目的で用いられる。もちろん、カードCの保管時や運搬時にもスリーブSVが用いられてよい。スリーブSVには、カードCを識別するために用いられるべき識別情報が記録された情報媒体の一例としてのICチップCHが取り付けられている。ICチップCHはスリーブSVの製造工程で付加されて市場に提供される。ICチップCHは一例としてRFIDタグとして構成される。ICチップCHは、ICチップCHごとにユニークな個体識別情報の一例としてのチップIDを保持している。ICチップCHはスリーブSVごとに一つずつ設けられている。したがって、ICチップCHのチップIDはスリーブSVごとにユニークな識別情報としても機能する。なお、カードCは紙媒体を用いて形成されている。したがって、カードCをスリーブSVに装着するにあたっては、ICチップCHがカードCの表面側、又は裏面側のいずれに配置されても、カードCの表面側又は裏面側のいずれの側からもICチップCHのチップIDを読み取ることが可能である。ただし、カードCの表面をICチップCHにて隠したくない場合には、スリーブSVのICチップCHが取り付けられた側がカードCの裏面側に位置するようにしてカードCをスリーブSVに収容すればよい。
上述したように、スリーブSVはその少なくとも一方の面が透明となるように構成されるが、その態様としては、スリーブSVの一方の面が透明で反対側の面が不透明であってもよいし、スリーブSVの両面が透明であってもよい。スリーブSVの一方の面が透明で他方の面が不透明な場合、カードCはその表面側がスリーブSVの透明な面と一致する向きでスリーブSVに装着される。この場合、スリーブSVの不透明な面の内側にICチップCHが取り付けられていれば有意な作用効果が得られる。すなわち、スリーブSVの不透明な面の内側にICチップCHが取り付けられている場合、ICチップCHがカードCの裏面側に隠れるため、ICチップCHによってカードCの表面の視認性が低下するおそれがない。また、カードC裏面側においても、スリーブSVを介してICチップCHを視認することができない。そのため、例えばICチップCHの取付位置に誤差があり、あるいはICチップCHそれ自体に個体差が存在していても、その差を手がかりとしてカードCがその裏面側から特定されるおそれは排除される。なお、スリーブSVの両面が透明な場合には、ICチップCHをカードCの表面側又は裏面側のいずれかに選択的に位置させることができる。その場合、カードCの視認性を重視するならばICチップCHをカードCの裏面側に位置させればよいし、カードCの裏面側からの特定の排除を重視するならばICチップCHをカードCの表面側に位置させればよい。
スリーブSVの一部にICチップCHを取り付ける場合、その取付箇所のみスリーブSVの厚さが増加すれば、カードCを積み重ねたときの安定性が損なわれるおそれがある。そのような課題が生じる場合には、カードCの適宜の位置、例えば外縁等にICチップCHと同等の高さの突出部を設けるようにしてもよい。突出部はカードCを周方向に一周するような枠状、カードCの四隅等から独立的に突出する軸状、あるいは適度な長さで延びる壁状といった適宜の形状に形成されてよい。あるいは、上記の突出部に代えて、又は加えて、カードCの厚さそれ自体をICチップCHの取付箇所で薄く、それ以外の箇所で厚く変化させてもよい。
図4は、識別システム1の構成の一例を示す。識別システム1は、カードCを撮像する撮像手段の一例としてカメラ2と、スリーブSVのICチップCHからチップIDを読み取る情報読取手段の一例としての第1のリーダ3と、ゲームボード4とを備えている。カメラ2はカードCを撮影し、得られた光学像を個体撮像素子により電子的な画像信号に置換して出力する。カメラ2及び第1のリーダ3は、ゲームのプレイ中にカードCを識別するために必要な情報を、そのゲームのプレイに先立ってカードC及びスリーブSVからそれぞれ取得する手段の一例として設けられている。よって、カメラ2は少なくとも一枚のカードCを撮影できるように設けられていればよい。また、第1のリーダ3も、少なくとも一枚のスリーブSVのICチップCHからチップIDを読み取ることができるように設けられていればよい。
ゲームボード4は、図1に示したゲームフィールドGFを提供する。ゲームボード4は、ゲームをプレイするために使用されるテーブルの上面に対して搬入搬出が可能な可搬性を有するマット状、あるいはプレート状の載置物の一例として構成されてもよいし、テーブルの上面に固定されることによりテーブルの一部品として一体不可分に設けられてもよい。ただし、ゲームボード4が可搬性を有する場合には、ゲームがプレイされる適宜の場にゲームボード4を持ち込んでその場で識別システム1を構築できる利点がある。ゲームボード4の表面には上述したカード置き場CPが示されている。カード置き場CPは印刷その他の表示手法を用いて明示される。ゲームボード4には、ゲームフィールドGFに配置されたカードCに装着されたスリーブSVのチップIDを検出する複数の第2のリーダ5が設けられている。第2のリーダ5は、ゲームのプレイ中にゲームフィールドGFに配置されたカードCと組み合わされているスリーブSVからチップIDを検出する情報検出手段の一例として機能し、各々のリーダ5はその情報検出手段として機能する検出装置の一例としても機能する。第2のリーダ5は少なくともカード置き場CPと1対1に対応するようにしてゲームボード4にマトリクス状に設けられている。カード置き場CPに対してカードCがずれた位置に置かれた場合を考慮して、カード置き場CPの個数よりもさらに多数の第2のリーダ5が設けられてもよい。例えば、カード置き場CPの並び間隔よりも十分に小さい間隔で第2のリーダ5が縦横にマトリクス状に配置されてもよい。
カメラ2及第1のリーダ3は、ゲームボード4が設置される場合そのものに設けられることを必ずしも要しない。例えば、大会等のイベントに識別システム1が用いられる場合、ゲームボード4が置かれる場とは異なる場所にカメラ2及び第1のリーダ3が配置されてもよい。例えば、インベントの主催者、運営者等がゲームの開催場所とは異なる位置に設置した管理拠点にカメラ2及び第1のリーダ3が設置されてもよい。ただし、ゲームがプレイされている様子を記録するために、ゲームフィールドGFの全体、あるいはゲームフィールドGF及びそれを挟んで向かい合うプレイヤPLを撮影できるようにカメラが設けられる場合、そのカメラを図4のカメラ2として兼用することも可能である。また、ゲームボード4の少なくとも一つの第2のリーダ5を第1のリーダ3として兼用することも可能である。
識別システム1には、さらに、制御装置10と、記憶装置20とが設けられている。制御装置10はCPUと、その動作に必要な内部メモリ等の周辺機器とを含んだコンピュータの一例として構成されている。制御装置10には、上述したカメラ2、リーダ3、5及び記憶装置20が接続される。制御装置10には、さらにキーボード、ポインティングデバイス、モニタ、スピーカといった入出力装置が適宜に接続されてよいが、それらの図示は省略する。記憶装置20は、磁気ディスク、フラッシュメモリ等の不揮発性記憶媒体を用いた記憶装置であって、制御装置10のCPUに対する外部記憶装置として機能する。記憶装置20には所定のコンピュータプログラムPGが記録されている。制御装置10には、その制御装置10のハードウエア資源とソフトウエア資源の一例としてのコンピュータプログラムPGとの組み合わせによって実現される論理的装置として、画像識別部11、ID読取部12、関連付け設定部13、ID検出部14、カード識別部15、及び情報処理部16が設けられる。
画像識別部11は、カメラ2が撮影したカードCの画像を解析し、その解析結果を記憶装置20に記録されたカードデータD1と照合してカードCを識別する。カードデータD1には、一例として図5に示したように、カードCのカードIDと特徴情報とを対応付けて記録したレコードが蓄積されている。カードIDはカードCの種類ごとにユニークに設定される媒体識別情報の一例である。特徴情報はカードCの表面側における外観上の特徴を記述した情報である。カードCの表面側の外観は、上述した外観要素によりカードCの種類ごとに相違する。したがって、画像に基づいてカードCの種類を特定することが可能であり、特徴情報はその外観要素の特徴を記述した情報として予め生成される。カメラ2が撮影した画像を特徴情報と対比できるように解析すれば、カードCの画像からカードCの種類に対応したカードIDを識別することができる。なお、カードCの具体的な内容、例えばキャラクタ等の名称、属性、強さ、効果といった情報はカードIDと対応付けて不図示のデータに予め記録されており、カードIDが判明すれば、そのカードIDを手がかりとしてカードCの具体的内容は判別可能である。よって、本形態におけるカードCの識別は、少なくともカードIDを識別すれば足りるものとする。カードIDが一致すればカードCの外観要素の特徴は一致する。ゲームではカードIDが一致する複数のカードCが一組のデッキDCに組み込まれ、それらのカードCが適宜に使い分けられることもある。
図4に戻って、ID読取部12は、第1のリーダ3の出力信号に基づいて、当該第1のリーダ3に対して読み取り操作が行われたスリーブSVのICチップCHに記録されているチップIDを読み取る。関連付け設定部13は、画像識別部11及びID読取部12のそれぞれの識別結果を相互に関連付けて記憶装置20の関連付けデータD2に記録する。関連付けデータD2には、一例として図6に示したように、画像識別部11によって識別されたカードIDと、ID読取部12が識別したチップIDとを相互に関連付けて記録したレコードが関連付け情報の一例として蓄積されている。関連付けデータD2は、少なくともゲームにて使用されるデッキDCとの対応関係が判別できるようにして作成される。例えば、カメラ2及び第1のリーダ3を用いたカードID及びチップIDの読み取り対象のデッキDCごとにユニークなデータ番号が設定され、そのデータ番号と対応付けて関連付けデータD2が作成される。デッキDCの区別は、例えば一組のデッキDCに含まれるカードCのカードID及びスリーブSVのチップIDを関連付ける際、その処理の開始及び終了を制御装置10に対して指示することにより実現可能である。そのような指示は例えばカメラ2又は第1のリーダ3を介して与えられるようにしてもよいし、制御装置10に接続されたキーボード等の入力装置を用いて制御装置10のオペレータ等が手作業で入力してもよい。また、関連付けデータD2におけるデッキDCの区別は、関連付けデータD2の各レコードに対してデッキ番号を付加するといった手法により実現することが可能である。ただし、関連付けデータD2は、例えばプレイヤPLの識別情報と対応付けて作成されることにより、プレイヤPLとの対応関係が判別できるように作成されてもよい。その場合、同一プレイヤPLが使用するデッキDCの内容が変更されるときには、そのプレイヤPLに対応付けられた関連付けデータD2が変更後のデッキDCの内容に応じて更新される必要がある。図4では一組のデッキDCに対応する関連付けデータD2のみを示している。
チップIDはスリーブSVのICチップCHごとにユニークな識別情報であり、カードIDはカードCの種類ごとにユニークな識別情報である。したがって、カードCに対応するカードIDと、そのカードCが装着されるべきスリーブSVにおけるICチップCHのチップIDとが関連付けて記録されることにより、各スリーブSVのチップIDを手がかりとして、そのスリーブSVに収容されたカードCのカードIDを識別することが可能である。さらに、関連付けデータD2には、序数の情報がチップID及びカードIDと対応付けて記録される。序数は、例えば同一種類の複数枚のカードC、つまり外観要素が共通する複数の外観共通媒体の一例としての複数枚のカードCが画像識別部11にて識別された場合、それらのカードCを、一枚目に識別されたカードC、二枚目に識別されたカードCといったように相互に区別して識別するために付加される情報である。ただし、後述する変形例のように、同種のカードCの枚数を識別する必要がない場合には序数の情報が省略されてよく、その場合には関連付けデータD2に記録されるレコードとデッキDC又はプレイヤPLとの対応関係を識別可能とする処理も不要である。
図4に戻って、ID検出部14は、ゲームボード4に実装された第2のリーダ5のそれぞれの出力信号に基づいて、ゲームフィールドGFに配置された各カードCと組み合わされているスリーブSVのチップIDを検出する。ID検出部14は、ゲームボード4に装着された第2のリーダ5の位置を相互に区別して識別可能とされている。例えば、ID検出部14は、第2のリーダ5の出力信号をリーダ5ごとにユニークなリーダ番号によって相互に区別して識別する。それにより、ID検出部14は、スリーブSVのチップIDを、ゲームフィールドGFの位置と関連付けて識別することが可能である。言い換えれば、ID検出部14は、ゲームフィールドGFに配置されたスリーブSVのチップIDの検出のみならず、ゲームフィールドGFにてスリーブSVが配置された位置を識別することが可能である。カード識別部15は、関連付けデータD2に基づいて、ID検出部14が読み取ったチップIDに対応するカードIDを識別し、得られたカードIDをチップIDの検出位置と関連付けて情報処理部16に出力する。
情報処理部16は、カード識別部15の識別結果に基づいて、ゲームのプレイ中におけるゲームフィールドGF上のカードCの配置、すなわち、ゲームフィールドGF上のどの位置にどのようなカードIDのカードCが置かれていたかを示すカード配置情報を適宜の周期で繰り返し生成し、得られた情報を記憶装置20に保持されている履歴データD3に検出時刻を付加しつつ随時記録する。また、情報処理部16は履歴データD3に記録されたカード配置情報を適宜に読み出し、所定のネットワークを介して不図示のサーバに提供する。サーバは得られたカード配置情報に基づいて適宜の処理を実行する。例えば、履歴データD3に含まれているカード配置情報に基づいてゲームのプレイの進行状況を再現し、その進行状況を分析し、あるいはネットワークを介して配信する、といった処理がサーバにて行われてよい。ゲームのプレイ中のどのような時期にどのような位置にどのようなカードCが配置されたかを履歴データD3に基づいて判別することが可能であり、履歴データD3は進行状況の分析、ネットワークを介したゲームの進行状況の配信以外にも種々の用途に活用されてよい。
次に、識別システム1の制御装置10がカードCの識別に関連して実行する処理の一例を説明する。識別システム1では、カードCの登録処理とカードCの識別処理とが実行されることにより、ゲームのプレイ中にゲームフィールドGFに配置されたカードCが逐次識別される。前者の処理はゲームがプレイされる前の段階で行われる処理、後者の処理はゲームのプレイ中に行われる処理である。
図7はカードCの登録処理の手順の一例を示している。図7に示すカード登録処理にあたっては、各プレイヤPLがゲームで使用すべく構成したデッキDCに含まれているカードCの表面側をカメラ2に、そのカードCと組み合わせて使用されるべきスリーブSVを第1のリーダ3にそれぞれかざす読み取り操作が全てのカードC及びスリーブSVに対して順次行われる。なお、スリーブSVを第1のリーダ3にかざすとき、そのスリーブSVに予めカードCが収容されていてもよいし、未収容であってもよい。ただし、ゲームにおける使用にあたって、カードCが収容されたスリーブSVを封印するといった操作が行われる場合には、その封印後にチップIDの読み取り操作が行われるものとした方が、スリーブSVとカードCとの組み合わせの変更を防ぐ上で好都合である。
制御装置10はカードC及びスリーブSVに対する読み取り操作が行われるごとに図7の処理を繰り返し実行する。なお、関連付けデータD2を例えば一組のデッキDCを単位として作成し、あるいはプレイヤPLを単位として作成する場合、上述した読み取り操作は関連付けデータD2が作成されるべき単位ごとに区別して行われる。制御装置10には、関連付けデータD2を作成すべき範囲の読み取り操作が完了するごとに読み取り操作の終了を示す情報が適宜の入力装置を介して与えられるが、その詳細は省略する。
図7の登録処理が開始されると、制御装置10の画像識別部11はカードCの画像をカメラ2から取得し(ステップS11)、得られた画像を解析してカードCの外観の特徴情報を抽出する(ステップS12)。続いて、画像識別部11は、抽出された特徴情報と一致し、又は最も近似する特徴情報を有するレコードをカードデータD1から抽出し、そのレコードのカードIDをカメラ2が撮影したカードCのカードIDとして判別する(ステップS13)。画像識別部11が判別したカードIDは関連付け設定部13に提供される。カードIDの判別に続いて、ID読取部12は第1のリーダ3を介してスリーブSVのチップIDを読み取り、これを関連付け設定部13に提供する。なお、図7では、ステップS13の後にチップIDを読み取るものとしたが、カメラ2によるカードCの撮影と併行して、あるいは先行してスリーブSVのチップIDの読み取りが行われてもよい。つまり、ステップS11〜S13の処理とステップS14の処理とは並列的に実行されてもよいし、ステップS14が先に処理され、その後にステップS11〜S13の処理が行われてもよい。
カードIDの判別と、チップIDの読み取りとが完了すると、関連付け設定部13は、画像識別部11から提供されたカードIDと同一のカードIDを含んだレコードが関連付けデータD2に既に記録されているか否かを判別する(ステップS15)。同一のカードIDを含んだレコードが既に記録されている場合、関連付け設定部13は今回カメラ2が撮影したカードCに対応して生成されるべきレコードの序数情報を、既に関連付けデータD2に記録されている同一カードIDのレコードの個数に1を加算した値に変更する(ステップS16)。例えば、既に同一カードIDのレコードが2個存在する場合、序数情報が3に変更される。ステップS15が否定判断された場合、つまり同一カードIDを含んだレコードが関連付けデータD2に存在しないと判断された場合には、序数情報は初期値の1に維持される。
ステップS16で序数情報が変更され、あるいはステップS15で否定判断された場合、関連付け設定部13はステップS13で判別されたカードIDとステップS14で判別されたチップIDとを相互に関連付けたレコードを生成し、そのレコードを関連付けデータD2に記録する(ステップS17)。なお、ステップS17にて記録されるレコードには、ステップS16で変更され、又はステップS15で初期値に維持された序数情報が付加される。以上により、一組のカードC及びスリーブSVに対応したカード登録処理が完了する。以下、一組のデッキDCに含まれる全てのカードCと、それらが収容されるスリーブSVとの全ての組み合わせについて関連付けデータD2への記録が終了するまで図7の処理が繰り返され、それにより一組のデッキDC、あるいは一人のプレイヤPLに対応する関連付けデータD2が完成する。
次に、図8を参照して、ゲーム中におけるカード識別処理の手順の一例を説明する。図8の処理は、ゲームのプレイ中に所定の周期で繰り返し実行される処理である。図8の処理が開始されるにあたっては、ゲームで対戦するプレイヤPLが使用するデッキDCに対応した関連付けデータD2が特定され、かつゲームフィールドGFにおける第1エリアAR1、第2エリアAR2(図1参照)と関連付けデータD2との対応関係も予め特定されているものとする。それらの特定は、例えばゲームのプレイ開始に先立って、プレイヤPL又は第三者としてのオペレータ等が制御装置10に対して関連付けデータD2と第1エリアAR1又は第2エリアAR2の区別を指定するといった手法により実行することができる。あるいは、関連付けデータD2をプレイヤPLの識別情報と対応付けて作成する場合には、ゲームのプレイ開始に先立ってプレイヤの識別情報とエリアAR1、AR2を区別する情報とを制御装置10に与えるようにしてもよい。
図8の処理において、制御装置10のID検出部14はゲームボード4に設けられた第2のリーダ5のそれぞれの出力信号を順次読み込み、それらのリーダ5によるチップIDの検出状況を取得する(ステップS21)。次に、ID検出部14は、ステップS21の検出結果に基づいて、カードCが置かれている位置を判別する(ステップS22)。カード置き場CPと第2のリーダ5とが1対1に対応付けられている場合には、チップIDが検出されたリーダ5に対応するカード置き場CPの位置をカードCの位置として判別すればよい。カード置き場CPの個数よりも多くのリーダ5が設置され、カードCが複数のリーダ5の検出範囲にまたがって配置されるといった理由により、複数のリーダ5が同一のチップIDを検出している場合には、それらのリーダ5の位置を手がかりとしてチップIDの検出範囲を特定し、その検出範囲の重心位置等をカードCが置かれている位置として判別する、あるいは各リーダ5の検出信号の強度に基づいてカードCの位置を推定する、といった処理が行われてもよい。
ステップS21にて検出されたチップIDと、ステップS22で判別されたカードCの位置とはカード識別部15に提供される。カード識別部15は提供されたチップIDに対応するカードIDを関連付けデータD2に基づいて識別する(ステップS23)。これにより、図8の処理が実行されたタイミングでゲームフィールドGFにどのようなカードCが配置されていたかが、その位置と対応付けて識別される。スリーブSVのICチップCHに記録されたチップIDはカードCが表向き、又は裏返しのいずれの状態にあっても第2のリーダ5にて読み取ることができる。したがって、ゲームフィールドGFにおけるカードCの表裏の別に関わりなく、カードCのカードIDを識別することが可能である。なお、ステップS23においては、カードCの位置がエリアAR1、AR2のいずれに属するかに応じて、判別に利用する関連付けデータD2が使い分けられてよい。つまり、第1エリアAR1にて検出されたチップIDに関しては、その第1エリアAR1を使用するプレイヤPLのデッキDCに対応する関連付けデータD2が参照され、第2エリアAR2にて検出されたチップIDに関しては、その第2エリアAR2を使用するプレイヤPLのデッキDCに対応する関連付けデータD2が参照される。エリアAR1、AR2の間の中央の領域で検出されたチップIDに関しては、カード置き場CPの使い分けルールに従っていずれかのプレイヤのデッキDCに対応する関連付けデータD2が参照されてよい。
カード識別部15はステップS15の識別結果を情報処理部16に提供する。情報処理部16は、提供された識別結果に従って図8の処理の実行時刻におけるゲームフィールドGF上のカードCの位置と種類とを示すカード配置情報を生成し、その情報を履歴データD3に記録する(ステップS24)。以上により、今回の図8の処理が終了する。以降、ゲームのプレイが終了するまで図8の処理が適宜に繰り返されることにより、ゲームフィールドGFにてカードCが配置されている状況が履歴データD3に逐次記録される。
以上の形態によれば、カードCに付加されてゲームに使用される付加物の一例としてのスリーブSVに予めユニークなチップIDが記録され、そのチップIDとカードCのカードIDとの対応関係が図7の処理により予め特定されて関連付けデータD2に記録される。ゲームのプレイ中は、図8の処理によりチップIDを手がかりとしてカードID及びカードCの位置が特定されて履歴データD3に記録される。したがって、ゲームのプレイ中に得られた画像からカードCの種類や位置を判別する場合と比較して、ゲームがプレイされる環境に影響されることなくカードCを安定的に識別することができる。カードCの種類はカードCの画像に基づいて特定する一方、ゲームフィールドGFに配置されたカードCのカードID及び位置の識別にはスリーブSVのICチップCHに記録されたチップIDを用いているため、カードCそれ自体にバーコード、ICチップといった識別情報を記録する必要はない。したがって、カードCの識別技術が適用される以前の古いカードCであっても識別が可能である。また、カードCにICチップ等の情報媒体を貼り付ける必要もないため、カードCに貼付用のスペースを確保する必要がない。カードCの外観が貼り付けによって損なわれる、あるいは貼り付けに手間がかかるといった不都合が生じることもない。カードCの例えば裏面側にICチップが実装されたシールを貼り付けるといった処理を行う場合には、その貼り付け位置や向き等の態様によっては、裏面側からのカードCの特定が可能となり得る不都合が生じる。これに対して、スリーブSVのICチップCHはスリーブSVの製造時に画一的に取り付けることが可能である。よって、スリーブSVに対するICチップCHの取り付けの態様によってカードCの特定が可能となる不都合が生じるおそれもない。
なお、上記の形態では、図7のカード登録処理を行った際にカードCとスリーブSVとの組み合わせがゲームでもそのまま維持されることが前提となる。カードCとスリーブSVとの対応関係が変更された場合には、関連付けデータD2に記録されているカードIDとチップIDとの対応関係と現実のカードCとスリーブSVとの組み合わせとが一致しなくなる。しかしながら、大会等のイベントでは、カードCがスリーブSVに一旦収容された後は、ゲームが終了するまでスリーブSVからカードCを抜き出す行為が禁止されるといったルールが適用されることが少なくない。スリーブSVがイベントの主催者から配布され、主催者の監視下でカードCをスリーブSVに収容してゲーム終了までこれを封印するといった厳格なルールが適用される場合すら存在する。仮に、カードC又はスリーブSVを変更する必要が生じた場合には、ゲームのプレイに先行してカードIDとチップIDとの対応関係を再度設定すれば、関連付けデータD2に記録されている対応関係をゲームのプレイ時の実態に合わせたものへと更新することが可能である。よって、スリーブSVのチップIDを手がかりとしてカードIDを識別するものとしても実質的には支障がない。
以上の形態では、制御装置10の画像識別部11が図7のステップS11〜S13の処理を実行することにより媒体画像識別手段の一例として機能し、ID読取部12が図7のステップS14の処理を実行し、かつ関連付け設定部13が図7のステップS15〜S17の処理を実行することにより関連付け設定手段の一例として機能し、制御装置10のID検出部14が図8のステップS21及びS22の処理を実行し、かつカード識別部15が図8のステップS23の処理を実行することにより媒体識別手段の一例として機能する。
(第2の形態)
次に、図9〜図11を参照して、第2の形態に係る識別システムを説明する。上述した第1の形態では、スリーブSVのICチップCHに予め記録されているチップIDと、カードIDとを関連付けたレコードを関連付けデータD2に記録し、ゲームボード4の第2のリーダ5を介して検出したチップIDに対応するカードIDを関連付けデータD2に基づいて判別しているが、第2の形態では、ICチップCHを、情報の書き込み及び読み取りが可能な記憶媒体として利用し、そのICチップCHに保持されるべき識別情報としてカードIDをICチップCHに書き込むことにより、画像に基づくカードCの識別結果とICチップCHに保持されるべき識別情報とを直接的に関連付ける例である。なお、図9の識別システム1Aにおいて、図4の識別システム1と共通する部分には同一符号を付し、以下では相違点を中心に説明する。
次に、図9〜図11を参照して、第2の形態に係る識別システムを説明する。上述した第1の形態では、スリーブSVのICチップCHに予め記録されているチップIDと、カードIDとを関連付けたレコードを関連付けデータD2に記録し、ゲームボード4の第2のリーダ5を介して検出したチップIDに対応するカードIDを関連付けデータD2に基づいて判別しているが、第2の形態では、ICチップCHを、情報の書き込み及び読み取りが可能な記憶媒体として利用し、そのICチップCHに保持されるべき識別情報としてカードIDをICチップCHに書き込むことにより、画像に基づくカードCの識別結果とICチップCHに保持されるべき識別情報とを直接的に関連付ける例である。なお、図9の識別システム1Aにおいて、図4の識別システム1と共通する部分には同一符号を付し、以下では相違点を中心に説明する。
図9の識別システム1Aでは、スリーブSVのICチップCHが情報の書き込み、及び読み取りが可能な記憶媒体の一例として構成されている。そのICチップCHに対応して、図4の第1のリーダ3に代えて、ICチップCHに情報を書き込むことが可能なライタ3Aが設けられている。ライタ3Aは、情報の書き込み、及び読み取りの両者が可能なリーダライタであってもよい。制御装置10には、その制御装置10のハードウエア資源とソフトウエア資源としてのコンピュータプログラムPGの組み合わせによって実現される論理的装置として、図4の関連付け設定部13に代えて関連付け設定部13Aが設けられている。関連付け設定部13Aは、記憶装置20に記録された識別データD4を参照しつつ、画像識別部11が識別したカードIDと序数情報とをライタ3Aを介してICチップCHに書き込む。関連付け設定部13AがICチップCHに書き込む情報は例えば図6に示したレコードからチップIDを除外した情報とされてよい。識別データD4は関連付け設定部13Aが書き込んだレコードを蓄積したデータである。関連付け設定部13Aが識別データD4を参照する理由は、他のスリーブSVのICチップCHに既に書き込まれた情報との関連で序数情報を変更する場合があるためである。
また、制御装置10にはさらなる論理的装置としてID検出部14A及びカード識別部15Aが設けられる。ID検出部14Aは、図4のID検出部14と同様にゲームボード4の第2のリーダ5による識別情報の検出状況に基づいて、ゲームフィールドGFに配置されたカードCと組み合わされているスリーブSVの識別情報とカードCの位置とを検出する。ただし、ID検出部14Aが検出する情報は、図4の例におけるチップIDに代えて、関連付け設定部13AがICチップCHに書き込んだカードID、及び序数情報である。カード識別部15Aは、図4のカード識別部15と同様に、ID検出部14Aの検出結果に基づいてカードCのカードIDを識別し、得られたカードIDをカードIDの検出位置と関連付けて情報処理部16に出力する。この場合、チップIDを手がかりとしてカードIDを識別することは不要であり、したがって図4に示した関連付けデータD2は省略されている。
図10及び図11は、図9の識別システム1Aの制御装置10におけるカード登録処理、及びカード識別処理の手順の一例を図7及び図8に対応付けて示している。なお、図10及び図11において、図7及び図8と共通する部分には同一の参照符号を付し、以下では相違点を中心に説明する。図10のカード登録処理においては、画像識別部11がまず図7のカード登録処置と同様にステップS11〜S13の処理を順次実行する。図7のステップS14は省略され、ステップS13の処理後は関連付け設定部13Aが、画像識別部11から提供されたカードIDと同一のカードIDを含んだレコードが識別データD4に既に記録されているか否かを判別する(ステップS15A)。この処理は、既に同一のカードIDが別のスリーブSVのICチップCHに書き込まれたか否かを判別する処理である。ステップS15Aが肯定判断された場合は、関連付け設定部13AがステップS16にて序数情報を変更し、否定判断された場合はステップS16がスキップされる。その後、関連付け設定部13Aは、ICチップCHに対して情報を記録する(ステップS17A)。この処理は、ステップS13にて判別されたカードIDが序数情報(ステップS16で変更された値又は初期値である。)とともにスリーブSVのICチップCHに書き込まれるようにライタ3Aを制御する処理である。続いて、関連付け設定部13Aは今回ICチップCHに書き込んだ情報を識別データD4に記録する(ステップS18A)。それにより、図10の処理が完了する。
図11のカード識別処理は、図8のカード識別処理と同様にゲームのプレイ中に適宜の周期で繰り返し実行される処理である。その処理において、まずID検出部14Aがゲームボード4に設けられたリーダ5によるICチップCHの情報の検出状況を取得し(ステップS21A)、その検出結果に基づいて、カードCが置かれている位置を判別する(ステップS22)。続いて、カード識別部15Aが、ICチップCHに記録された情報に基づいてスリーブSVと組み合わされたカードCのカードIDを識別し、得られたカードIDとカードCの位置の識別結果を情報処理部16に提供する(ステップS23A)。情報処理部16は、提供された識別結果に従って図11の処理の実行時刻におけるゲームフィールドGF上のカードCの位置と種類とを示すカード配置情報を生成し、その情報を履歴データD3に記録する(ステップS24)。
以上の識別システム1Aにおいては、図10の処理に従って、カードCと組み合わされるスリーブSVのICチップCHにカードCを識別するためのカードID等の情報が記録され、ゲームのプレイ中は、図11の処理によりICチップCHに記録されたカードID及びカードCの位置が識別されてそれらの識別結果が履歴データD3に記録される。したがって、ゲームがプレイされる環境に影響されることなくカードCを安定的に識別することができる。カードCそれ自体にバーコード、ICチップといった識別情報を記録する必要がなく、カードCの識別技術が適用される以前の古いカードCであっても識別が可能である。カードCにICチップ等の情報媒体を貼り付ける必要もないため、貼付用のスペースの確保、貼り付けに伴うカードCの外観の劣化、貼り付けの手間、といった種々の不都合を解消することが可能である。
図9〜図11に示す形態においては、制御装置10の画像識別部11が図10のステップS11〜S13の処理を実行することにより媒体画像識別手段の一例として機能し、関連付け設定部13Aが図10のステップS15〜S17Aの処理を実行することにより関連付け設定手段の一例として機能し、制御装置10のID検出部14Aが図11のステップS21A及びS22の処理を実行し、かつカード識別部15Aが図11のステップS23Aの処理を実行することにより媒体識別手段の一例として機能する。
なお、上述した第1及び第2の形態のそれぞれではゲームにて使用されるカードCをカメラ2で撮影してカードICを識別するが、画像識別に適さないほど外観が損傷し、あるいは汚れたカードCがゲームに用いられることもある。そのようなカードCがデッキDCに含まれている場合には、当該カードCに関して例外的に制御装置10のオペレータ等がカードCを識別し、これに対応するカードIDを手作業で入力する、といった処理が行われてもよい。
本発明は上述した各形態に限定されず、種々の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の各形態では、カード登録処理(図7、図10)及びカード識別処理(図8、図11)を共通の制御装置10にて実行するものとしたが、図12に示した識別システム1Bのように、カード登録処理を担当する制御装置10Aと、カード識別処理を担当する制御装置10Bとが区別して設けられてもよい。例えば、カメラ2が撮影した画像に基づくカードCの識別、及びカードCの識別結果とスリーブSVのICチップCHに保持される識別情報との関連付け処理を所定のパーソナルコンピュータ等で実行し、ゲームボード4のリーダ5の出力信号に基づくカードCの識別を別のパーソナルコンピュータにて実行するといった変形が可能である。
図12の例において、記憶装置20は制御装置10A、10Bとネットワーク(LAN、あるいはWAN)を介して接続された外部ストレージであってもよいし、データベースサーバであってもよい。図12に例示した形態は、カードの登録とカードの識別とが互いに離れた場所で行われるような場合に好適である。さらに、図12の形態において、制御装置10Bに複数のゲームボード4のそれぞれのリーダ5が接続されるようにしてもよい。この場合には、ゲームで使用されるデッキ内のカードの識別情報とスリーブの識別情報との関連付け処理を所定の管理体制下で統括的に実行する一方、複数のゲームボード4上のそれぞれでプレイされるゲームにおけるカードCの配置を制御装置10Bにてゲームボード4ごとに区別して識別して記録することが可能である。したがって、多数のプレイヤが参加するようなイベントにも容易に対応することができる。なお、図12では図4の形態を変形した例を示すが、図9の形態でも同様の変形が可能である。図4、図9に示した制御装置10、及び図12に示した制御装置10A、10Bは、パーソナルコンピュータのようなスタンドアローン型のコンピュータ装置、又はネットワーク端末としてのコンピュータ装置に限らず、サーバによって実現されてもよい。
撮像手段は個体撮像素子型のカメラ2に限らず、遊戯媒体の外観要素を遊戯媒体相互の識別が可能な状態で抽出するに足りる画像を取得できるものであればよく、イメージスキャナその他の各種の撮像手段が利用されてよい。スリーブSV等の付加物に設けられるべき情報媒体はICチップに限らず、遊戯媒体の識別に用いることが可能な識別情報を保持できるものであれば足りる。例えば、バーコード、あるいは二次元コードのように識別情報を光学的に読み取り可能な態様で保持した媒体が情報媒体として付加物に設けられてもよい。付加物に設けられる限りにおいて、情報媒体はシール等のように付加物に貼付されるべきものであってもよい。例えば、ICチップCHが装着されていないスリーブSVに関して、RFIDタグ等が実装されたシールを貼り付けるようにしてもよい。この場合、上述したように、スリーブSVの一方の面が透明、他方の面が不透明であれば、不透明な面の内側にシールを貼り付けることにより、カードCの視認性の低下を防ぐとともに、シールの貼付位置に誤差があっても、これを手がかりとしてカードCが裏面側から識別されるおそれを排除することができる。
遊戯媒体はカード状に限らず、駒、フィギアといった立体的な形状を有する遊戯媒体であってもよい。付加物もスリーブに限らず、遊戯媒体と組み合わせてゲームに用いられるものである限り、適宜の形態の付加物が情報媒体を設けるべき対象の付加物として利用されてよい。例えば、カード状の遊戯媒体の一方の面に嵌め合わされるカバー状、遊戯媒体の一部に着脱自在に装着されるスタンド状といった適宜の形態の付加物が利用されてよい。なお、ゲームのプレイ中において、プレイヤから視認されることがない領域、あるいはプレイヤによる視認性が問題とならない領域を遊戯媒体が有する場合には、それらの領域にICチップ等の情報媒体を直接的に取り付けて遊戯媒体の識別に用いたとしても、情報媒体が遊戯媒体の視認性に影響を及ぼすおそれがない。例えば、立体的な形状の駒、フィギア等を遊戯媒体として用いる場合、その遊戯媒体の背後、下面といった位置に隠れるように遊戯媒体を装着することが想定される。このような場合には、上記形態の応用例として、遊戯媒体に情報媒体を直接装着し、その情報媒体の識別情報と遊戯媒体の識別情報とを関連付けることによって遊戯媒体を識別することも可能である。
付加物の情報媒体から識別情報を読み取るための情報読取手段、あるいは付加物の情報媒体に保持された識別情報を検出するための情報検出手段は、上述したリーダ3、5に限らず、付加物の形態、あるいは付加物に設けられた情報媒体における識別情報の記録態様に応じて適宜に変更されてよい。例えば識別情報がバーコード、二次元コードとして記録される場合には、それらのコードをスキャンするバーコードリーダが利用されてもよい。
上記の形態では、一組のデッキDCにカードIDが等しい複数のカードCが含まれ得ることを想定し、それらのカードCを相互に識別すべく関連付けデータD2、あるいは識別データD4のレコードにカードIDと対応付けて序数情報を付加するものとしたが、そのような識別が不要である場合には序数情報を省略してもよい。その場合、例えば図4の形態では、スリーブSVのチップIDがスリーブSVごとにユニークであるため、関連付けデータD2をデッキDCごとに、あるいはプレイヤごとに区別して管理することも不要である。すなわち、ゲームボード4からユニークなチップIDが検出され、そのチップIDに関連付けられたカードIDが識別されるため、少なくともゲーム中のどのような時期にどのような位置にどのカードCが配置されたかを識別することが可能であり、デッキDC又はプレイヤPLを区別してカードCを識別することまでは行うまでもない。この点は図9の形態でも同様である。
本発明の識別システムが適用されるべき対象のゲームは、ゲームフィールドの複数の場所に遊戯媒体が適宜に配置されつつ進行する対戦ゲームに限定されない。例えば、遊戯媒体としてのカードが所定の場に一枚以上の所定枚数又は適宜の枚数ずつ順次繰り出されながら進行するようなゲームであっても本発明の識別システムを適用することが可能である。ゲームにて使用される遊戯媒体の付加物から識別情報を検出することが可能な限り、遊戯媒体を場に繰り出しながらゲームが進行することも必須ではない。遊戯媒体がどのように配置されたか、を問わないゲームであれば、遊戯媒体の位置を検出する処理は当然に省略されてよい。本発明の識別システムは、遊戯媒体の集合体の一例としてのデッキを用いてプレイされるゲームであるか否かを問わず、適用が可能である。
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する構成要素を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一態様に係る遊戯媒体識別システム(1;1A;1B)は、外観を特徴付ける外観要素を含んだ物理的な複数の遊戯媒体(C)のそれぞれが、遊戯媒体ごとに所定の付加物(SV)と組み合わされた状態で使用されるゲームに適用され、前記複数の遊戯媒体を相互に区別して識別するための遊戯媒体識別システムであって、前記付加物に設けられ、所定の識別情報を保持することが可能な情報媒体(CH)と、所定の撮像手段(2)が撮像した前記遊戯媒体の画像に基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体画像識別手段(11、S11〜S13)と、前記媒体画像識別手段による識別結果と前記情報媒体の識別情報とを、一の遊戯媒体と当該一の遊戯媒体に組み合わされて前記ゲームで使用されるべき前記付加物との対応関係に従って関連付ける関連付け設定手段(12、13、S14〜S17;13A、S15〜S17A)と、前記ゲームにて使用されている遊戯媒体と組み合わされた前記付加物の前記情報媒体から所定の情報検出手段(5)を介して前記識別情報を検出し、得られた識別情報と前記関連付け設定手段が設定した関連付けとに基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体識別手段(15、S23;15A、S23A)と、を備えたものである。
本発明の一態様に係る遊戯媒体識別システム用のコンピュータプログラムは、外観を特徴付ける外観要素を含んだ物理的な複数の遊戯媒体(C)のそれぞれが、遊戯媒体ごとに所定の付加物(SV)と組み合わされた状態で使用されるゲームに適用され、前記複数の遊戯媒体を相互に区別して識別するための遊戯媒体識別システム(1;1A;1B)に用いられるコンピュータプログラム(PG)であって、前記遊戯媒体識別システムのコンピュータ(10;10A、10B)を、所定の撮像手段(2)が撮像した前記遊戯媒体の画像に基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体画像識別手段(11、S11〜S13)、前記媒体画像識別手段による識別結果と、前記付加物に設けられた情報媒体(CH)に保持される識別情報とを、一の遊戯媒体と当該一の遊戯媒体に組み合わされて前記ゲームで使用されるべき前記付加物との対応関係に従って関連付ける関連付け設定手段(12、13、S14〜S17;13A、S15〜S17A)、及び前記ゲームにて使用されている遊戯媒体と組み合わされた前記付加物の前記情報媒体から所定の情報検出手段(5)を介して前記識別情報を検出し、得られた識別情報と前記関連付け設定手段が設定した関連付けとに基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体識別手段(15、S23;15A、S23A)、として機能させるものである。
上記の態様によれば、遊戯媒体の画像に基づいて遊戯媒体が識別される一方で、遊戯媒体に組み合わせてゲームで使用されるべき付加物に情報媒体が設けられ、その情報媒体の識別情報と遊戯媒体の識別結果との間に関連付けが設定され、さらにゲームにて遊戯媒体が使用される場合には、その遊戯媒体に対する付加物の情報媒体に保持されている識別情報が検出される。情報媒体の識別情報と遊戯媒体の識別結果との間には関連付けが設定されているので、情報媒体の識別情報から遊戯媒体を識別することが可能である。このように付加物の情報媒体に保持された識別情報を遊戯媒体の識別に利用すれば、ゲームにて使用されている遊戯媒体の画像を取得して遊戯媒体を識別する必要がないために、撮影環境によって識別精度が変化する不都合が生じるおそれがなく、遊戯媒体それ自体に識別情報を設けておくことを要しないために、その種の情報が存在しない古い遊戯媒体等でも識別が可能である。遊戯媒体それ自体にシール等を貼り付けることも要しないため、貼り付け用のスペースの有無に影響されず、シール等を貼り付けることへの抵抗感も生じない、といった種々の利点が得られる。
なお、本発明の一態様に係るコンピュータプログラムは、記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。この記憶媒体を用いれば、例えばコンピュータに本発明に係るコンピュータプログラムをインストールして実行することにより、そのコンピュータを利用して本発明のシステムを実現することができる。コンピュータプログラムを記憶した記憶媒体は、CDROM等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
上記態様において、前記情報媒体には、前記情報媒体ごとにユニークな個体識別情報(一例としてチップID)が前記識別情報として記録され、前記関連付け設定手段は、前記情報媒体から所定の情報読取手段(3)が読み取った固体識別情報と前記媒体画像識別手段による識別結果とを関連付けた関連付け情報(一例として図5のレコード)を記録し、前記媒体識別手段は、前記情報媒体から前記情報検出手段を介して検出した個体識別情報と前記関連付け情報とに基づいて前記遊戯媒体を識別してもよい。これによれば、情報媒体ごとにユニークな個体識別情報と、画像に基づく遊戯媒体の識別結果とを関連付け情報に関連付けて記録しておくことにより、ゲームにて遊戯媒体が使用される段階では、その遊戯媒体と組み合わされた付加物の情報媒体の個体識別情報を検出し、得られた個体識別情報を手がかりとしてその関連付け情報を参照することにより遊戯媒体を識別することが可能である。
上記態様において、前記情報媒体が情報の書き込み及び読み取りが可能な記憶媒体として設けられ、前記関連付け設定手段は、前記画像識別手段による識別結果に対応する媒体識別情報(一例としてカードID)を所定の情報書込手段(3A)を介して前記情報媒体に前記識別情報として書き込むことにより、前記媒体画像識別手段による識別結果と前記情報媒体の前記識別情報とを関連付けてもよい。これによれば、画像に基づく遊戯媒体の識別結果に対応する媒体識別情報を情報媒体に書き込んでおくことにより、ゲームにて遊戯媒体が使用される段階では、その遊戯媒体と組み合わされた付加物の情報媒体に保持された媒体識別情報を検出することにより、遊戯媒体を識別することが可能である。
上記態様において、前記ゲームにて前記遊戯媒体が使用される場(一例としてゲームフィールドGF)には、前記場に配置された遊戯媒体の前記情報媒体から前記識別情報を検出できるようにして前記情報検出手段が設けられ、前記媒体識別手段は前記情報検出手段が検出した識別情報と前記関連付け設定手段が設定した関連付けとに基づいて前記遊戯媒体を識別してもよい。これによれば、所定の場で使用された遊戯媒体を情報検出手段が検出した情報媒体の識別情報から識別することが可能である。
前記場には、前記情報検出手段として機能する複数の検出装置(5)が配置され、前記媒体識別手段は、前記複数の検出装置のそれぞれにおける前記識別情報の検出状況に基づいて、前記遊戯媒体が配置された位置をさらに識別してもよい。これによれば、所定の場でどのような遊戯媒体がどのように配置されたかを識別することが可能である。
前記場に対して搬入搬出が可能な可搬性を有する載置物(4)に前記情報検出手段が設けられてもよい。これによれば、ゲームがプレイされるべき場に載置物を持ち込むことにより、ゲームがプレイされる適宜の場所で遊戯媒体識別システムを利用することができる。
上記態様において、前記関連付け設定手段は、前記複数の遊戯媒体に、前記外観要素が共通する複数の外観共通媒体(一例としてカードIDが共通する複数のカードC)が含まれている場合、前記外観共通媒体を相互に区別できるようにして前記媒体画像識別手段による識別結果と前記情報媒体の前記識別情報とを関連付けてもよい。これによれば、複数の外観共通媒体が使用されても、それらを相互に区別して識別することが可能である。
前記遊戯媒体がカード状であり、前記付加物は前記遊戯媒体の少なくとも一方の面に組み合わされるように設けられてもよい。これによれば、カード状の遊戯媒体を用いてプレイされるゲームにおいて、遊戯媒体の少なくとも一方の面に付加物を組み合わせてゲームで使用すれば、ゲームのプレイ中に遊戯媒体を識別することが可能となる。
前記付加物が前記遊戯媒体を挿入することが可能なスリーブ状であってもよい。カード状の遊戯媒体を用いるゲームでは、遊戯媒体の擦過による損傷等を防ぐためにスリーブ状の付加物が用いられることが少なくない。そのような付加物に情報媒体を付加すれば、格別の違和感、抵抗感なく付加物の識別情報を手がかりとして遊戯媒体を識別することが可能である。
前記外観要素が前記遊戯媒体の一方の面に設けられ、他方の面の外観は、前記複数の遊戯媒体の判別が不可能となるように前記複数の遊戯媒体間で共通化されていてもよい。カード状の遊戯媒体では、いずれか一方の面にその遊戯媒体を特徴付ける外観が付与され、他方の面は遊戯媒体を裏返したときの判別を不可能とするために共通の外観が与えられることが少なくない。その場合、ゲームのプレイ中の画像に基づいて遊戯媒体を識別しようと試みても、裏返された遊戯媒体を識別することは不可能である。これに対して、付加物に設けられた情報媒体の識別情報を検出する場合には、遊戯媒体がどのような向きであっても識別情報を検出可能とし、あるいは識別情報が遊戯媒体の裏面側に位置するように付加物を装着することにより、裏返された状態の遊戯媒体であってもこれを識別することが可能である。これにより、画像に基づく識別では得られない豊富な情報を取得することができる。
1、1A、1B 遊戯媒体識別システム
2 カメラ(撮像手段)
3 第1のリーダ(情報読取手段)
4 ゲームボード(載置物)
5 第2のリーダ(情報検出手段)
10、10A、10B 制御装置(コンピュータ)
11 画像識別部(媒体画像識別手段)
12 ID読取部(関連付け設定手段)
13、13A 関連付け設定部(関連付け設定手段)
14、14A ID検出部(情報検出手段)
15、15A カード識別部(媒体識別手段)
2 カメラ(撮像手段)
3 第1のリーダ(情報読取手段)
4 ゲームボード(載置物)
5 第2のリーダ(情報検出手段)
10、10A、10B 制御装置(コンピュータ)
11 画像識別部(媒体画像識別手段)
12 ID読取部(関連付け設定手段)
13、13A 関連付け設定部(関連付け設定手段)
14、14A ID検出部(情報検出手段)
15、15A カード識別部(媒体識別手段)
Claims (1)
- 外観を特徴付ける外観要素を含んだ物理的な複数の遊戯媒体のそれぞれが、遊戯媒体ごとに所定の付加物と組み合わされた状態で使用されるゲームに適用され、前記複数の遊戯媒体を相互に区別して識別するための遊戯媒体識別システムであって、
前記付加物に設けられ、所定の識別情報を保持することが可能な情報媒体と、
所定の撮像手段が撮像した前記遊戯媒体の画像に基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体画像識別手段と、
前記媒体画像識別手段による識別結果と前記情報媒体の識別情報とを、一の遊戯媒体と当該一の遊戯媒体に組み合わされて前記ゲームで使用されるべき前記付加物との対応関係に従って関連付ける関連付け設定手段と、
前記ゲームにて使用されている遊戯媒体と組み合わされた前記付加物の前記情報媒体から所定の情報検出手段を介して前記識別情報を検出し、得られた識別情報と前記関連付け設定手段が設定した関連付けとに基づいて前記遊戯媒体を識別する媒体識別手段と、
を備えた遊戯媒体識別システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019026235A JP2019155086A (ja) | 2019-02-18 | 2019-02-18 | 遊戯媒体識別システム及びそのコンピュータプログラム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019026235A JP2019155086A (ja) | 2019-02-18 | 2019-02-18 | 遊戯媒体識別システム及びそのコンピュータプログラム |
Related Parent Applications (1)
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JP2018047999A Division JP6488038B1 (ja) | 2018-03-15 | 2018-03-15 | 遊戯媒体識別システム及びそのコンピュータプログラム |
Publications (1)
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JP2019155086A true JP2019155086A (ja) | 2019-09-19 |
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ID=67992812
Family Applications (1)
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JP2019026235A Pending JP2019155086A (ja) | 2019-02-18 | 2019-02-18 | 遊戯媒体識別システム及びそのコンピュータプログラム |
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JP (1) | JP2019155086A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7386273B2 (ja) | 2022-02-15 | 2023-11-24 | 株式会社バンダイ | プログラム、ゲーム装置及びゲームシステム |
-
2019
- 2019-02-18 JP JP2019026235A patent/JP2019155086A/ja active Pending
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